JPWO2010098458A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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行俊 甚出
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博之 齊藤
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俊男 酒井
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Abstract

陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に設けられた有機薄膜層とを備え、有機薄膜層が発光層を有し、かつ、発光層より陽極側に正孔注入層及び正孔輸送層、又は正孔注入・輸送層を有してなり、正孔注入層又は正孔注入・輸送層は、特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有し、正孔輸送層又は正孔注入・輸送層は、特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有してなる有機EL素子である。

Description

本発明は、正孔注入層及び正孔輸送層、又は正孔注入・輸送層に、特定の芳香族アミン誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ということがある)に関する。
有機物質を使用した有機EL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般に有機EL素子は、発光層及び該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
種々の形態の有機EL素子が知られている中、例えば、チオフェン構造を有する特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体やジアリールアミノ基が結合したカルバゾール骨格を有する芳香族アミン誘導体を正孔注入材料や正孔輸送材料として用いた有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
WO2008−023759 WO2008−062636
しかし、上記のような有機EL素子では、上記材料において分子構造の異なる分子間の電荷移動がスムーズに進行しない場合があり、駆動電圧の上昇を招くことがあった。
以上から、本発明は、駆動電圧を低下させるとともに、高い発光効率を有し、実用的に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、チオフェン基を有する芳香族アミン誘導体を正孔注入材料として用い、連結基を介してジアリールアミノ基が結合したカルバゾール骨格を有する芳香族アミン誘導体を正孔輸送材料として用いることで、発光効率が高く、駆動電圧が低い有機EL素子を製造できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設けられた有機薄膜層と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機薄膜層が発光層を有し、かつ、前記発光層より陽極側に正孔注入層及び正孔輸送層、又は正孔注入・輸送層を有してなり、
前記正孔注入層又は正孔注入・輸送層は、下記式(1)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有し、
Figure 2010098458
(上記式中、L12は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、
5は、水素原子、核原子数5〜14であり置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14であり置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6であり、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6であり、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。aは1〜3の整数であり、aが2又は3のときの複数のR5は同一でも異なっていてもよい。)
前記正孔輸送層又は正孔注入・輸送層は、下記式(2)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
Figure 2010098458
(上記式中、XはNR1であり、L1は置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、R1は、置換もしくは無置換の核原子数5〜14であるアリール基、炭素数1〜6である分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基である。
2は、水素原子、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6の分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。nは1〜7の整数である)
本発明で正孔注入材料および正孔輸送材料として用いる化合物はそれぞれ、末端領域に張り出した電子密度が高いチオフェニル基、カルバゾリル基の電子密度が高い領域の立体障害性が抑制されている。立体障害性が抑制されることで分子間において電子密度が高い領域が重なり易くなり、電荷輸送性を向上させる。特に正孔注入材料と正孔輸送材料が接合する界面での電荷輸送特性が向上する効果がある。更に正孔輸送材料として用いる化合物がカルバゾリル基の平面性の高い置換基を有することにより電荷輸送特性の向上因子となっている。その結果発光効率が向上し、駆動電圧が低下すると考えられる。
さらに、本発明の有機EL素子は好適に電荷を輸送できることから、フルカラーディスプレイに必要な赤、緑、青のいずれの画素を構成する有機EL素子にも適用可能であり、発光層に含有されるホスト材料と発光材料以外の材料を共通化させることが期待できる。これにより、素子の製造コストを低減させることが期待される。
本発明によれば、駆動電圧を低下させるとともに、高い発光効率を有し、実用的に優れた有機EL素子を提供することができる。
本発明の有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設けられた有機薄膜層とを備えてなる。有機薄膜層は発光層を有し、かつ、前記発光層より陽極側に正孔注入層及び正孔輸送層、又は正孔注入・輸送層を有する。そして、正孔注入層には、特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体Xが含有され、正孔輸送層には、特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体Yが含有されている。また、正孔注入・輸送層には、これら特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体X及びYが含有されている。以下、これら特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体X及びYについて説明する。
(特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体X)
芳香族アミン誘導体Xの特定の置換基は、下記式(1)で表される。
Figure 2010098458
上記式(1)中、L12は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、
5は、水素原子、核原子数6〜14で置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6で分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6で分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。好ましくは、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリール基、及び炭素数1〜6の分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基である。aは1〜3の整数であり、aが2又は3のときの複数のR5は同一でも異なっていてもよい。
特に、当該アリール基は核原子数6〜12であることが好ましく、核原子数6〜10であることがさらに好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。さらに、当該分岐若しくは直鎖のアルキル基は炭素数1〜3であることが好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
5が、置換もしくは無置換のアリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基である場合、分子量は65〜250が好ましく、65〜200がさらに好ましく、65〜170がさらに好ましく、78〜100が特に好ましい。また、R5が、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、分子量は15〜100が好ましく、15〜60がさらに好ましい。
本明細書において、「核原子」とは、飽和環、不飽和環、または芳香環の場合は、これを構成する炭素原子を意味する。ヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)の場合は、これを構成する炭素原子及びヘテロ原子を意味する。
また、「置換もしくは無置換の・・・」における置換基としては、後述するようなアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、ジベンゾフラニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
なお、式(1)及び式(2)において、R1及びR2が置換基を有する場合の当該置換基としては、シリル基(トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、ジアリールアルキルシリル基、アリールジアルキルシリル基)、炭素数3以下のアルキル基(例えば、メチル基)等の比較的小さい置換基が好ましい。
上記式(1)で表される置換基は、下記式(1a)で表される置換基であることが好ましい。当該置換基によれば、電子密度が高い領域の立体障害性が抑制されることで分子間において電子密度が高い領域が重なり易くなり、電荷輸送性を向上させることができる。
Figure 2010098458
上記式(1a)中、R5及びL12は、式(1)のR5及びL12と同義である。
芳香族アミン誘導体(X)は、下記式(3)、(15)〜(18)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2010098458
上記各式中、Ar101〜Ar103のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar106〜Ar109のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar115〜Ar120のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar121〜Ar126のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基である。Ar101〜Ar124のうち式(1)でないものは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリール基である。Ar101〜Ar124が置換基を有する場合の置換基は核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基である。
上記芳香族アミン誘導体(X)のなかでも、上記式(15)で表される芳香族アミン誘導体が好ましい。当該芳香族アミン誘導体によれば、電子密度が高い領域の立体障害性が抑制されることで分子間において電子密度が高い領域が重なり易くなり、電荷輸送性を向上することができる。
上記各式で表される芳香族アミン誘導体(X)は、下記のような態様であることが好ましい。
式(15)において、Ar106は式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(15)において、Ar106とAr107は式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(15)において、Ar106とAr108は式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(15)において、Ar106〜Ar109のうち3つ以上は互いに異なり、非対称であることが好ましい。
式(15)において、Ar106〜Ar109のうち3つが同一であり、非対称であるとことが好ましい。
式(15)において、Ar106〜Ar109のうち式(1)で表される置換基でないものが、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基又はフルオレニル基であることが好ましい。
式(15)において、L3がビフェニリレン基、テルフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
式(1)において、L12がフェニレン基、ビフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
式(1)において、R5がフェニル基、ナフチル基又はフェナントレン基であることが好ましい。
式(15)において、Ar106〜Ar109のうち式(1)で表される置換基でないものが、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基又はフルオレニル基であり、L3がビフェニリレン基、テルフェニリレン基又はフルオレニレン基であり、式(1)においてL12がフェニレン基、ビフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
また、各式(16)〜(18)において、L4〜L11は、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリーレン基を表す。Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基である。Ar115〜Ar119のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基である。Ar120〜Ar126のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基である。
各式(16)〜(18)において、Ar110〜Ar126のうち式(1)で表される置換基でないものは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリール基である。なお、Ar110〜Ar126の置換基を有する場合の当該置換基は、核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基である。
式(16)において、Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(16)において、Ar110は式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(16)において、Ar111とAr113は式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(17)において、Ar115〜Ar120のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(17)において、Ar115とAr120は、式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(17)において、Ar116とAr118は、式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(18)において、Ar121〜Ar126のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(18)において、Ar121とAr123とAr125は、式(1)で表される置換基であることが好ましい。
式(16)〜(18)において、Ar120〜Ar126のうち式(1)で表される置換基でないものは、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基又はフルオレニル基であると好ましい。
式(16)〜(18)において、L4〜L11は、それぞれ独立に、フェニレン、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
式(1)において、L12は、フェニレン基、ビフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
式(1)においてR5はフェニル基、ナフチル基又はフェナントレン基であることが好ましい。
式(16)〜(18)において、Ar110〜Ar126のうち式(1)で表される置換基でないものは、フェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基又はフルオレニル基であり、L4〜L11はフェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基又はフルオレニレン基であり、式(1)においてL12がフェニレン基、ビフェニリレン基又はフルオレニレン基であることが好ましい。
式(3)及び(15)〜(18)におけるAr101〜Ar103、Ar106〜Ar126、及び式(1)及び(1a)のR12における置換もしくは無置換のアリール基としては例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、p−テルフェニル−4−イル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−2−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニリル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル4−イル基、フルオランテニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
なお、式(1)及び式(1a)の場合には、既述のように核原子数が5〜14でありのものから選択される。
これらの中で、好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、テルフェニルイル基、フルオレニル基である。
チオフェン化合物は2位と5位の反応性が高いため、この置換位置を保護することが好ましい。参考文献としては、“Macromol. Rapid Commun., 2001, 22, 266-270”があり、電気的に不安定で重合が進行することが報告されている。置換基としてはアルキル基もしくはアリール基が好ましいが、化合物の安定性からアリール基が好ましく、更に無置換のアリール基が好ましい。
また、置換もしくは無置換のヘテロアリール基としては、後述するリンカー部分の説明で挙げられているヘテロアリール基が例示される。
式(15)〜(18)におけるL3〜L11、また式(1)及び(1a)におけるL12である、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリーレン基としては前記アリール基の例を2価基としたものが挙げられる。
式(1)及び(1a)のR5における置換もしくは無置換のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、炭化水素からなる飽和の鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
Ar101〜Ar103、Ar106〜Ar126の置換基である核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基の例は前記と同じものが挙げられる。
式(1)において、aは1〜3の整数である。aが2又は3のときの複数のR5は同一でも異なっていてもよい。複数のR5は、互いに結合して、飽和もしくは不飽和の置換されてもよい5員環又は6員環の環状構造を形成してもよい。但し、芳香族環を除く。
この形成してもよい5員環又は6員環の環状構造としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン等の炭素数4〜12のシクロアルカン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の炭素数4〜12のシクロアルケン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の炭素数5〜12のシクロアルカジエンなどが挙げられる。
芳香族アミン誘導体(X)の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
(特定の置換基を有する芳香族アミン誘導体Y)
芳香族アミン誘導体Yの特定の置換基は、下記式(2)で表される。
Figure 2010098458
上記式中、XはNR1であり、L1は置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、R1は、置換もしくは無置換の核原子数5〜14であるアリール基、炭素数1〜6である分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基である。
特に、当該アリール基は核原子数6〜10であることが好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。さらに、当該分岐若しくは直鎖のアルキル基は炭素数1〜3であることが好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
2は、水素原子、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14で置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6で分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6で分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。特に核原子数5〜14のアリール基又は炭素数1〜6であり分岐若しくは直鎖のアルキル基であることが好ましい。
特に、当該アリール基は核原子数6〜10であることが好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。さらに、当該分岐若しくは直鎖のアルキル基は炭素数1〜3であることが好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
また、nは1〜7の整数であり、1又は2であることが好ましい。なお、nが2以上の場合、複数のR2は、同一でも異なっていてもよい。
1及びR2の示す各基の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数5〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜16、特に好ましくは炭素数5〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、
ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
正孔輸送層又は正孔注入・輸送層に含有される本発明に係る芳香族アミン誘導体は下記式(3)及び式(15)〜(18)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2010098458
上記各式中、Ar101〜Ar103のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar106〜Ar109のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar115〜Ar120のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar121〜Ar126のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基である。Ar101〜Ar103、Ar106〜Ar124のうち式(2)でないものは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリール基である。Ar101〜Ar103、Ar106〜Ar124が置換基を有する場合の置換基は核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基である。
式(3)及び(15)〜(18)におけるAr101〜Ar103、Ar106〜Ar126、及び式(2)のR1及びR2における置換もしくは無置換のアリール基としては例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、p−テルフェニル−4−イル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−2−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニリル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル4−イル基、フルオランテニル基、フルオレニル基等が挙げられる。なお、式(2)の場合には、既述のように核原子数が5〜14のものから選択される。
これらの中で、好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、テルフェニルイル基、フルオレニル基である。
チオフェン化合物は2位と5位の反応性が高いため、この置換位置を保護することが好ましい。参考文献としては、“Macromol. Rapid Commun., 2001, 22, 266-270”があり、電気的に不安定で重合が進行することが報告されている。置換基としてはアルキル基もしくはアリール基が好ましいが、化合物の安定性からアリール基が好ましく、更に無置換のアリール基が好ましい。
また、置換もしくは無置換のヘテロアリール基としては、後述するリンカー部分の説明で挙げられているヘテロアリール基が例示される。
式(15)〜(18)におけるL3〜L11、また式(1)及び(1a)におけるL2である、置換もしくは無置換の核原子数5〜50のアリーレン基としては前記アリール基の例を2価基としたものが挙げられる。
式(2)のR1及びR2における置換もしくは無置換のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、炭化水素からなる飽和の鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基として、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−ビフェニルイルオキシ基、p−ターフェニル−4−イルオキシ基、p−トリルオキシ基等が挙げられる。好ましくは、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基である。
前記アリールチオ基として、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−ビフェニルイルチオ基、p−ターフェニル−4−イルチオ基、p−トリルチオ基等が挙げられる。好ましくは、フェニルチオ基、2−ナフチルチオ基である。
前記アルコキシカルボニル基は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基が挙げられる。好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基である。
これらの各基はさらに置換されても良く、基が2つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。
また、上記式中のリンカー部分(式(1)、(2)、(15)〜(18)のL1〜L11)については、電荷輸送性を向上させる観点から、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基が好ましい。
1〜L11のアリーレン基及びヘテロアリーレン基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、p−テルフェニル−4−イル基、p−テルフェニル−3−イル基、p−テルフェニル−2−イル基、m−テルフェニル−4−イル基、m−テルフェニル−3−イル基、m−テルフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニリル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル4−イル基、フルオランテニル基、フルオレニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、
2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、
1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基等を2価の基とした例が挙げられる。
1のアリーレン基として好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、クォーターフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、クリセニレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、フルオレニレン基等が挙げられる。好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基であり、さらに好ましくはフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基又はフルオレニレン基である。
ヘテロアリーレン基として好ましくは、チオフェニリル基、1−フェニルチオフェニリル基、1,4−ジフェニルチオフェニリル基、ベンゾチオフェニリル基、1−フェニルベンゾチオフェニリル基、1,8−ジフェニルベンゾチオフェニリル基、1−フェニルジベンゾチオフェニリル基、1,8−ジフェニルチオフェニリル基、フリル基、ジベンゾフラニル基、1−フェニルジベンゾフラニル基、1,8−ジフェニルジベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基等を2価の基としたものであり、さらに好ましくは、1−フェニルチオフェニリル基、1−フェニルベンゾチオフェニリル基、1−フェニルジベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基等を2価の基としたものである。
リンカー部分は、下記式(A)〜(C)であることがより好ましく、下記式(A)又は(B)であることがさらに好ましい。
Figure 2010098458
上記式中、R13〜R17は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素からなる直鎖もしくは分岐のアルキル基、核原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のトリアルキルシリル基、核原子数18〜30のトリアリールシリル基、核原子数8〜15のアルキルアリールシリル基(アリール部分の核原子数は6〜14)、核原子数6〜14のアリール基、ハロゲン原子又はシアノ基である。R18およびR19は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素からなる直鎖もしくは分岐のアルキル基、あるいは、核原子数3〜10のシクロアルキル基である。隣接した複数のR13〜R17は結合し、飽和もしくは不飽和の環を形成してもよい。
o、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数である。rおよびsはそれぞれ独立に0〜3の整数である)
芳香族アミン誘導体(Y)は、式(2)で表される置換基を少なくとも1つ有するものが好ましく、既述の式(3)、(15)〜(18)で表されるものがより好ましく、式(3)で表されるものがさらに好ましい。特に、下記式(21)で表される芳香族アミン誘導体であることが好ましい。
Figure 2010098458
上記式(21)において、Ar1及びAr2は、式(3)におけるAr1及びAr2と同義であり、L1、R1及びR2は、式(2)におけるL1、R1及びR2と同義である。
式(21)で表される芳香族アミン誘導体(Y)は、下記式(21−a)、(21−b)、(21−c)、(21−d)、(21−e)及び(21−f)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2010098458
式(21−a)において、L1、Ar1、Ar2、R1及びR2は、それぞれ前記式(21)におけるものと同じであり、具体例、好ましい例や置換基も同様のものか挙げられる。Ar1及びAr2は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2010098458
式(21−b)において、L1、Ar1、R1及びR2は、それぞれ式(21)におけるものと同じであり、具体例、好ましい例や置換基も同様のものか挙げられる。
2は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、具体例、好ましい例や置換基は前記L1と同様のもの挙げられる。
Ar3及びAr4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換のフルオレニル基であり、アリール基の具体例、好ましい例や置換基も前記Ar1と同様のもの挙げられる。
Ar1、Ar3及びAr4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2010098458
式(21−c)において、L1、R1及びR2は、それぞれ式(21)におけるものと同じであり、具体例、好ましい例や置換基も同様のものか挙げられる。
2及びL3は、それぞれ置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、具体例、好ましい例や置換基は前記L1と同様のもの挙げられる。
Ar3〜Ar6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基であり、アリール基の具体例、好ましい例や置換基も前記Ar1と同様のもの挙げられる。
Ar3〜Ar6はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2010098458
式(21−d)において、L1、R1及びR2は、それぞれ前記式(21)におけるものと同じであり、具体例、好ましい例や置換基も同様のものか挙げられる。
Ar7及びAr8は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、具体例、好ましい例は前記Ar1と同様のものを2価の基としたものが挙げられ、置換基も同様のものが挙げられる。
Ar9及びAr10は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリール基であり、具体例、好ましい例や置換基も前記Ar1と同様のもの挙げられる。
Ar7〜Ar10はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2010098458
式(21−e)において、L1、R1及びR2は、それぞれ式(21)におけるものと同じであり、具体例、好ましい例や置換基も同様のものか挙げられる。
Ar11〜Ar14は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、具体例、好ましい例は前記Ar1と同様のものを2価の基としたものが挙げられ、置換基も同様のものが挙げられる。
Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリール基であり、具体例、好ましい例や置換基も前記Ar1と同様のもの挙げられる。
Ar11〜Ar16はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2010098458
式(21−f)において、L1、Ar1、R1及びR2は、それぞれ式(21)におけるものと同じであり、L2は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、R3は、R1と同義であり、具体例、好ましい例や置換基は前記R1と同様のもの挙げられる。R4は、R2と同義であり、具体例、好ましい例や置換基は前記R2と同様のもの挙げられる。
式(21)、(21−a)、(21−b)、(21−c)、(21−d)、(21−e)又は(21−f)で表される芳香族アミン誘導体が有するカルバゾール構造は1つ又は2つであると好ましい。
また、式(21)、(21−a)、(21−b)、(21−c)、(21−d)、(21−e)及び(21−f)において、Ar1〜Ar6、Ar9〜Ar10及びAr15〜Ar16が、それぞれ置換もしくは無置換のフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基又はフェナントリル基、Ar7〜Ar8及びAr11〜Ar14が、それぞれ置換もしくは無置換のフェニレン基、ビフェニリレン基、ターフェニリレン基、ナフチレン基又はフェナントリレン基であると好ましい。
本発明に係る式(21)で表される芳香族アミン誘導体(Y)の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機EL素子において、さらに正孔輸送層及び正孔注入層、又は、正孔注入・輸送層を有している。本発明に係る芳香族アミン誘導体(X)は、正孔注入層に含有されるが、当該芳香族アミン誘導体(X)は30質量%以上であることが好ましい。また、本発明に係る芳香族アミン誘導体(Y)は、正孔輸送層に含有されるが、当該芳香族アミン誘導体(Y)は30質量%以上であることが好ましい。また、正孔輸送層及び正孔注入層のそれぞれの機能を発現する正孔注入・輸送層の場合は、本発明に係る芳香族アミン誘導体(X)と本発明に係る芳香族アミン誘導体(Y)との質量比(X/Y)は、0.7〜1.3であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。
発光層に含まれる蛍光性ドーパントとしては、アミン系化合物、芳香族化合物、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等から、要求される発光色に合わせて選ばれる化合物であることが好ましく、特に、アリールアミン化合物、アリールジアミン化合物が挙げられ、その中でもスチリルアミン化合物、スチリルジアミン化合物、芳香族アミン化合物、芳香族ジアミン化合物がさらに好ましい。また、縮合多環芳香族化合物(アミン化合物を除く)がさらに好ましい。これらの蛍光性ドーパントは単独でもまた複数組み合わせて使用してもよい。
本発明の有機EL素子においては、蛍光性ドーパントとしてスチリルアミン及び/又はアリールアミンを含有することが好ましい。スチリルアミン化合物及びまたはアリールアミンは、下記一般式(50)で表されるものが好ましい。
Figure 2010098458
一般式(50)において、Ar27〜Ar29は、置換もしくは無置換の、環形成炭素数が6〜40である芳香族基である。uは1〜4の整数であり、その中でも、uは1〜2の整数であることが好ましい。Ar27〜Ar29のいずれか一つは、スチリル基を含有する基であってもよい。Ar27〜Ar28のいずれか一つがスチリル基を有する場合、Ar28またはAr29の少なくとも一方は、スチリル基で置換されていることが好ましい。
ここで、環形成炭素数が6〜40である芳香族基の例には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾリル基、ジフェニルアントラニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ベンゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナフトフルオランテニル基、スチルベン基、ペリレニル基、クリセニル基、ピセニル基、トリフェニレニル基、ルビセニル基、ベンゾアントラセニル基、フェニルアントラセニル基、ビスアントラセニル基又は下記一般式(C)および(D)で示されるアリーレン基等が含まれる。中でも、ナフチル基、アントラニル基、クリセニル基、ピレニル基または一般式(D)で示されるアリーレン基が好ましい。
Figure 2010098458
式(C)において、rは1〜3の整数である。
なお、前記アリール基およびアリーレン基に置換する好ましい置換基の例には、炭素数1〜6のアルキル基(エチル基、メチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(エトキシ基、メトキシ基、i−プロポキシ基、n−プロポキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、炭素数5〜40のアリール基、炭素数5〜40のアリール基で置換されたアミノ基、炭素数5〜40のアリール基を有するエステル基、炭素数1〜6のアルキル基を有するエステル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が含まれる。
発光層に含まれる発光材料は、特に制限されず、ホスト材料としては、アントラセン化合物、フェナンスレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、トリフェニレン化合物、クリセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、ペリレン化合物、フタロペリレン化合物、ナフタロペリレン化合物、ナフタセン化合物、ペンタセン化合物のような多環芳香族化合物、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ポルフィリン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、クマリン系色素、ピラン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体、希土類系燐光発光性錯体(例えば、Ir錯体)及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子のような高分子材料等が挙げられ、これらは単独でも2種類以上の混合物として用いてもよい。
本発明の有機EL素子は、正孔注入層又は正孔注入・輸送層と陽極との間に、アクセプター材料を含有する層が形成されていることが好ましい。
アクセプターは、易還元性の有機化合物である。
化合物の還元しやすさは、還元電位で測定することができる。本発明では飽和カロメル(SCE)電極を参照電極とした還元電位において、−0.8V以上が好ましく、特に好ましくはテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の還元電位(約0V)より大きな値を持つ化合物が好ましい。
易還元性の有機化合物として、好ましくは電子吸引性の置換基を有する有機化合物である。具体的には、キノイド誘導体、ピラジン誘導体、アリールボラン誘導体、イミド誘導体等である。キノイド誘導体には、キノジメタン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、チオキサンテンジオキシド誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体及びキノン誘導体等が含まれる。
上記アクセプター材料であるヘキサアザトリフェニレン誘導体としては、下記式(A)で表されるものが好ましい。
Figure 2010098458
(上記式(A)中、R7〜R12は、それぞれ独立にシアノ基、−CONH2、カルボキシル基、もしくは−COOR13(R13は、炭素数1〜20のアルキル基である。)を表すか、又は、R7及びR8、R9及びR10、もしくはR11及びR12が一緒になって−CO−O−CO−で示される基を表す。)
なお、本発明に係る芳香族アミン誘導体は、特に青色系発光する有機EL素子に用いると好ましい。
以下、本発明の有機EL素子の素子構成について説明する。
(1)有機EL素子の構成
本発明の有機EL素子の代表的な素子構成としては、
(a) 陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(b) 陽極/アクセプター含有層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(c)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
(d)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
[上記構成においては、「正孔注入層/正孔輸送層」が「正孔注入・輸送層」となっている場合を含む。]
などの構造を挙げることができる。
(2)透光性基板
本発明の有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。ここでいう透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等が挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
(3)陽極
本発明の有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する機能を有するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。本発明に用いられる陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
陽極は、これらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
このように発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
(4)発光層
有機EL素子の発光層は以下(1)〜(3)の機能を併せ持つものである。
(1) 注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極又は電子注入層より電子を注入することができる機能
(2) 輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能
(3) 発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能
ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
この発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法を適用することができる。発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
発光材料は主に有機化合物であり、使用できるドーピング材料としては、既述の材料のように、又はその他材料として、例えば、アリールアミン化合物及び/又はスチリルアミン化合物、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン及び蛍光色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホスト材料は、下記式(51)〜(57)で表される化合物が好ましい。
下記式(51)で表されるアントラセン誘導体。
Figure 2010098458
式(51)において、Ar21およびAr22は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60の芳香族環基である。R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基である。
下記式(52)で表されるピレン誘導体である。
Figure 2010098458
式(52)において、R30〜R39は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の原子数5〜50の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の原子数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の原子数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシ基である。
下記式(53)で表されるアントラセン誘導体。
Figure 2010098458
式(53)において、R40〜R49は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、置換してもよいアリール基、アルコキシル基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アルケニル基、アリールアミノ基または置換してもよい複素環式基を示す。
iおよびjは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R40同士又はR41同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよい。また、R40同士またはR41同士が結合して環を形成していてもよいし、R42とR43、R44とR45、R46とR47、R48とR49が、互いに結合して環を形成していてもよい。
1は、単結合、−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基または置換してもよいアリール基である)、アルキレン基またはアリーレン基を示す。
下記式(54)で表されるアントラセン誘導体。
Figure 2010098458
式(54)において、R50〜R59は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基または置換してもよい複数環式基を示す。
k,l,mおよびnは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R50同士,R51同士,R55同士またはR56同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよい。また、R52同士,R53同士,R54同士またはR55同士が結合して環を形成していてもよいし、R52とR53,R57とR58が、互いに結合して環を形成していてもよい。
2は、単結合、−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基又は置換しても良いアリール基である)、アルキレン基またはアリーレン基を示す。
下記式(55)で表されるスピロフルオレン誘導体。
Figure 2010098458
式(55)において、Ar31〜Ar34は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のビフェニリル基または置換もしくは無置換のナフチル基である。
下記式(56)で表される化合物。
Figure 2010098458
式(56)において、Ar41〜Ar43はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリーレン基、Ar44〜Ar46はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜60のアリール基を示す。
61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数5〜18のアリールオキシ基、炭素数7〜18のアラルキルオキシ基、炭素数5〜16のアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のエステル基またはハロゲン原子を示す。
下記式(57)で表されるフルオレン化合物。
Figure 2010098458
式(57)において、R73およびR74は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン基に結合するR71同士、R72同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR71およびR72は、同じであっても異なっていてもよい。
93およびR94は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。異なるフルオレン基に結合するR73同士、R74同士は、同じであっても異なっていてもよく、同じフルオレン基に結合するR73およびR74は、同じであっても異なっていてもよい。
Ar71およびAr72は、ベンゼン環の合計が3個以上の置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基またはベンゼン環と複素環の合計が3個以上の置換あるいは無置換の炭素でフルオレン基に結合する縮合多環複素環基を表わす。Ar71およびAr72は、同じであっても異なっていてもよい。vは、1乃至10の整数を表す。
以上のホスト材料の中でも、好ましくはアントラセン誘導体、さらに好ましくはモノアントラセン誘導体、特に好ましくは非対称アントラセンである。
カルバゾール環を含む化合物からなるりん光発光に好適なホストは、その励起状態からりん光発光性化合物へエネルギー移動が起こる結果、りん光発光性化合物を発光させる機能を有する化合物である。ホスト化合物としては励起子エネルギーをりん光発光性化合物にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カルバゾール環以外に任意の複素環などを有していてもよい。
このようなホスト化合物の具体例には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が含まれる。ホスト化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
具体例には、以下のような化合物が含まれる。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
式(xii)中、Q1〜Q12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜20のアリール基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜20のアリーロキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜20のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜20のアルケニル基、置換もしくは無置換の核炭素数7〜20のアラルキル基又は置換もしくは無置換の核炭素数5〜20の複素環基を表し、これらは同一でも異なるものであってもよい。
より好ましくは、上記式(xii)で表されるナフタセン誘導体は、下記式(xiii)で示されるナフタセン誘導体である。
Figure 2010098458
式(xiii)中、Q3〜Q12、Q101〜Q105、Q201〜Q205、それぞれ独立に、上記式(xii)のQ3〜Q12と同様の基を表し、これらは同一でも異なるものであってもよく、これら隣接する2個以上が互いに結合して環を形成してもよい。
以上のホスト材料の中でも、青色〜黄色ドーパント用ホスト材料として好ましくはアントラセン誘導体、さらに好ましくはモノアントラセン誘導体、特に好ましくは非対称アントラセンである。また黄色〜赤色ドーパント用ホスト材料として好ましくはナフタセン誘導体である。
カルバゾール環を含む化合物からなるりん光発光に好適なホストは、その励起状態からりん光発光性化合物へエネルギー移動が起こる結果、りん光発光性化合物を発光させる機能を有する化合物である。ホスト化合物としては励起子エネルギーをりん光発光性化合物にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カルバゾール環以外に任意の複素環などを有していても良い。
このようなホスト化合物の具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。ホスト化合物は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2010098458
りん光発光性のドーパントは三重項励起子から発光することのできる化合物である。三重項励起子から発光する限り特に限定されないが、Ir、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から選択される少なくとも一つの金属を含む金属錯体であることが好ましく、ポルフィリン金属錯体又はオルトメタル化金属錯体が好ましい。ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィリン白金錯体が好ましい。りん光発光性化合物は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあるが、好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有しても良い。特に、フッ素化物、トリフルオロメチル基を導入したものが、青色系ドーパントとしては好ましい。さらに補助配位子としてアセチルアセトナート、ピクリン酸等の上記配位子以外の配位子を有していても良い。
りん光発光性のドーパントの発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70質量%であり、1〜30質量%が好ましい。りん光発光性化合物の含有量が0.1質量%未満では発光が微弱でありその含有効果が十分に発揮されず、70質量%を超える場合は、濃度消光と言われる現象が顕著になり素子性能が低下する。
また、発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ポリマーバインダーを含有しても良い。
さらに、発光層の膜厚は、好ましくは5〜50nm、より好ましくは7〜50nm、最も好ましくは10〜50nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
(5)正孔注入層、正孔輸送層(正孔注入・輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層(正孔注入・輸送層)は、既述の通り、それぞれ本発明に係る芳香族アミン誘導体を含有する点以外は、従来公知の種々の態様を適用することができる。
(6)電子注入・輸送層
次に、電子注入層および電子輸送層は、発光層への電子の注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、電子移動度が大きい層である。また、付着改善層は、この電子注入層の中で特に陰極との付着がよい材料からなる層である。
また、有機EL素子は、発光した光が電極(この場合は陰極)により反射するため、直接陽極から取り出される発光と、電極による反射を経由して取り出される発光とが干渉することが知られている。この干渉効果を効率的に利用するため、電子輸送層の膜厚は、数nm〜数μmの範囲で適宜選ばれる。特に、電子輸送層の膜厚が厚いとき、電圧上昇を避けるために、104〜106V/cmの電界印加時に電子移動度が少なくとも10-5cm2/V・s以上であることが好ましい。
電子注入層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体やオキサジアゾール誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に、8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを電子注入材料として用いることができる。
一方、オキサジアゾール誘導体としては、以下の一般式で表される電子伝達化合物が挙げられる。
Figure 2010098458
式中、Ar81,Ar82,Ar83,Ar85,Ar86,Ar89はそれぞれ置換または無置換のアリール基を示し、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。また、Ar84,Ar87,Ar88は置換または無置換のアリーレン基を示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、アントリル基、ペリレニル基、ピレニル基が挙げられる。また、アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基、アントリレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は、薄膜を形成することができる性質を有するものが好ましい。
上記電子伝達性化合物の具体例としては下記のものを挙げることができる。
Figure 2010098458
さらに、本発明の有機EL素子の電子注入層及び電子輸送層(特に、電子輸送層)に用いられる材料として、下記式で表される含窒素複素環誘導体を用いることが好ましい。下記含窒素複素環誘導体は、他の電子輸送材料(例えば、Alq)に比べ、本発明に係る芳香族アミン誘導体とともに用いることで、高効率化および低電圧化の効果より高めることができる。
Figure 2010098458
(上記式中、A331〜A333は、窒素原子又は炭素原子である。R331及びR332は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0から5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR331は、互いに同一又は異なっていてもよい。
また、隣接する複数のR331同士で互いに結合して、置換又は未置換の炭素環式脂肪族環、あるいは、置換又は未置換の炭素環式芳香族環を形成していてもよい。
Ar331は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基である。
Ar331'は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリーレン基である。
Ar332は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基である。
ただし、Ar331、Ar332のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核原子数10〜60の縮合環基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロ縮合環基である。
331、L332及びL333は、それぞれ単結合、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60の2価のヘテロ縮合環又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。)
他の電子輸送材料としては、下記の通りである。すなわち、
HAr−L−Ar1a−Ar2a (C)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭素数3〜40の含窒素複素環であり、Lは、単結合、置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリーレン基、置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリーレン基又は置換基を有していてもよいフルオレニレン基であり、Ar1aは、置換基を有していてもよい核原子数6〜60の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar2aは、置換基を有していてもよい核原子数6〜60のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜60のヘテロアリール基である。)で表される含窒素複素環誘導体である。
Figure 2010098458
[式中、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、下記式(G)で示される配位子を表し、Lは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基、−OR1(R1は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基である。)または−O−Ga−Q3(Q4)(Q3及びQ4は、Q1及びQ2と同じ)で示される配位子を表す。]
Figure 2010098458
[式中、環A1およびA2は、置換基を有してよい互いに縮合した6員アリール環構造である。]
この金属錯体は、n型半導体としての性質が強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯体形成時の生成エネルギーも低いために、形成した金属錯体の金属と配位子との結合性も強固になり、発光材料としての蛍光量子効率も大きくなっている。
式(G)の配位子を形成する環A1及びA2の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基等の置換もしくは無置換のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基等の置換もしくは無置換のアリール基、メトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の置換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−t−ブチルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、t−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニルチオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−t−ブチルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のモノまたはジ置換アミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビス(アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセトキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブチル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基、シロキシ基、アシル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基等のアリール基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、インドリニル基、キノリニル基、アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキサニル基、ピペリジニル基、モルフォリジニル基、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、プラニル基等の複素環基等がある。また、以上の置換基同士が結合してさらなる6員アリール環もしくは複素環を形成しても良い。
この他に、下記式で表される含窒素複素環誘導体も用いることができる。
Figure 2010098458
上記式中、R121a〜R126aは、それぞれ置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の複素環基のいずれかを示す。但し、R121a〜R126aは同じでも異なっていてもよい。また、R121aとR122a、R123aとR124a、R125aとR126a、R121aとR126a、R122aとR123a、R124aとR125aが縮合環を形成していてもよい。
さらに、下記式の化合物も用いることができる。
Figure 2010098458
上記式中、R131〜R136は置換基であり、好ましくはシアノ基、ニトロ基、スルホニル基、カルボニル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン等の電子吸引基である。
これらの材料に代表されるように、アクセプター性材料も正孔注入材料として用いることができる。これらの具体例は上述した通りである。
さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層および正孔輸送層の材料として使用することができる。
本発明の有機EL素子の好ましい形態に、電子を輸送する領域または陰極と有機層の界面領域に、還元性ドーパントを含有する素子がある。ここで、還元性ドーパントとは、電子輸送性化合物を還元ができる物質と定義される。したがって、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物または希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも一つの物質を好適に使用することができる。
また、より具体的に、好ましい還元性ドーパントとしては、Li(仕事関数:2.9eV)、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)およびCs(仕事関数:1.95eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0〜2.5eV)、およびBa(仕事関数:2.52eV)からなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ土類金属が挙げられる仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性ドーパントは、K、RbおよびCsからなる群から選択される少なくとも一つのアルカリ金属であり、さらに好ましくは、RbまたはCsであり、最も好ましのは、Csである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性ドーパントとして、これら2種以上のアルカリ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであることが好ましい。Csを組み合わせて含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子注入域への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
本発明においては陰極と有機層の間に絶縁体や半導体で構成される電子注入層をさらに設けても良い。この時、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲナイド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、Li2O、K2O、Na2S、Na2SeおよびNa2Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、およびCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KClおよびNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2およびBeF2といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、電子輸送層を構成する半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子輸送層を構成する無機化合物が、微結晶または非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、上述したアルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
(7)陰極
陰極としては、電子注入・輸送層又は発光層に電子を注入するため、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム・カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。
この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
ここで発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmである。
(8)絶縁層
有機EL素子は超薄膜に電界を印可するために、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入することが好ましい。
絶縁層に用いられる材料としては例えば酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられ、これらの混合物や積層物を用いてもよい。
(9)有機EL素子の製造方法
以上例示した材料及び形成方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入・輸送層、及び必要に応じて電子注入・輸送層を形成し、さらに陰極を形成することにより有機EL素子を作製することができる。また陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
以下、透光性基板上に陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子の作製例を記載する。
まず、適当な透光性基板上に陽極材料からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように蒸着やスパッタリング等の方法により形成して陽極を作製する。次に、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、前述したように真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行うことができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物(正孔注入層の材料)、目的とする正孔注入層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度10-7〜10-3Torr、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
次に、正孔注入層上に発光層を設ける発光層の形成も、所望の有機発光材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャスト法等の方法により有機発光材料を薄膜化することにより形成できるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物により異なるが、一般的に正孔注入層と同じような条件範囲の中から選択することができる。
次に、この発光層上に電子注入層を設ける。正孔注入層、発光層と同様、均質な膜を得る必要から真空蒸着法により形成することが好ましい。蒸着条件は正孔注入層、発光層と同様の条件範囲から選択することができる。
本発明の芳香族アミン誘導体は、発光帯域や正孔輸送帯域のいずれの層に含有させるかによって異なるが、真空蒸着法を用いる場合は他の材料との共蒸着をすることができる。また、スピンコート法を用いる場合は、他の材料と混合することによって含有させることができる。
最後に陰極を積層して有機EL素子を得ることができる。
陰極は金属から構成されるもので、蒸着法、スパッタリングを用いることができる。しかし下地の有機物層を製膜時の損傷から守るためには真空蒸着法が好ましい。
この有機EL素子の作製は一回の真空引きで一貫して陽極から陰極まで作製することが好ましい。
本発明の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本発明の有機EL素子に用いる、前記式(1)で示される化合物を含有する有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
なお、有機EL素子に直流電圧を印加する場合、陽極を+、陰極を−の極性にして、5〜40Vの電圧を印加すると発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず、発光は全く生じない。さらに交流電圧を印加した場合には陽極が+、陰極が−の極性になった時のみ均一な発光が観測される。印加する交流の波形は任意でよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[合成例1:下記化合物X1の合成]
アルゴン気流下、50Lの反応容器にフェニルボロン酸を750g、2−ブロモチオフェンを1000g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh34)を142g、2Mの炭酸ナトリウム(Na2CO3)溶液を9L、ジメトキシエタンを15L入れた後、80℃で8時間反応した。反応液をトルエン/水で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をカラム精製することで786gの白色粉末を得た。
アルゴン気流下、20Lの反応容器に上記で得られた化合物786gとDMF(ジメチルホルムアミド)を8L入れた後、NBS(N−ブロモスクシンイミド)を960gゆっくり添加し、室温で12時間反応した。ヘキサン/水で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をカラム精製することで703gの白色粉末を得た。
アルゴン気流下、20Lの反応容器に上記で得られた化合物703g、脱水THF(テトラヒドロフラン)を7L加え、−30℃に冷却した。n−ブチルリチウム(n−BuLi、1.6Mヘキサン溶液)を2.3L入れ、1時間反応した。−70℃に冷却した後、ホウ酸トリイソプロピル(東京化成社製)を1658g入れた。ゆっくり昇温し、室温で1時間撹拌した。10%塩酸溶液1.7Lを加え撹拌した。酢酸エチルと水で抽出し、有機層を水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。ヘキサンで洗浄することにより白色粉末を359g得た。
アルゴン気流下、20Lの反応容器に上記で得られた化合物(5−フェニル−2−チオフェンボロン酸)を506g、4−ヨードブロモベンゼンを600g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh34)を41g、2Mの炭酸ナトリウム(Na2CO3)溶液を2.6L、ジメトキシエタンを10L入れた後、80℃で8時間反応した。反応液をトルエン/水で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これを減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をカラム精製することで277gの白色粉末を得た。
アルゴン気流下、N,N’−ジフェニルベンジジンを3.4g、上記で得られた化合物6.6g、t−ブトキシナトリウム2.6g(広島和光社製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)92mg (アルドリッチ社製)、トリ−t−ブチルホスフィン42mg及び脱水トルエン100mL を入れ、80℃にて8時間反応した。
冷却後、水500mLを加え、混合物をセライト濾過し、濾液をトルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。これを減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をカラム精製し、トルエンで再結晶し、それを濾取した後、乾燥したところ、4.0gの淡黄色粉末を得た。FD−MS(フィールドディソープションマススペクトル)の分析により、化合物X1と同定した。
[合成例2:下記化合物Y1−1の合成]
9−フェニルカルバゾール17.7g、ヨウ化カリウム6.03g、ヨウ素酸カリウム7.78g、硫酸5.90mL及びエタノールを入れ、75℃にて2時間反応した。冷却後、上水、酢酸エチルを加えて分液、抽出した後、重曹水、上水を用いて有機層を洗浄し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、得られた固体を減圧乾燥したところ、21.8gの白色固体を得た。
上記で得られた化合物を21.8g、4−ブロモフェニルボロン酸11.8g、Pd(PPh341.38g、炭酸ナトリウム21.9g、上水及びジメトキシエタンを入れ、還流下にて8時間反応した。冷却後、反応溶液をろ過し、ろ過残渣をアセトンで、分液した水層をジクロロメタンで抽出し、集めたろ液を分液して、アセトン、ジクロロメタンを加えて分液し、ろ過残渣をアセトンで、分液した水層をジクロロメタンで抽出して、集めた有機層を上水で洗浄し、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=9:1)で精製し、得られた固体をトルエン、メタノールで再結晶して、減圧乾燥したところ、4.18gの白色固体を得た。
アルゴン気流下、N−フェニル−1−ナフチルアミン4.8g、上記で得られた化合物を8.0g、Pd2(dba)3231mg、P(t−Bu)3325mg、ターシャルブトキシナトリウム2.9g、トルエンを入れて、80℃にて4時間反応した。冷却後、トルエンを加えてセライトろ過をした後ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=6:1)で精製し、得られた個体をn−ヘキサンで洗浄して減圧乾燥したところ、8.96gの黄白色固体を得た。FD−MSの分析により、化合物Y1−1と同定した。
[実施例1]
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基板(旭硝子製)に、イソプロピルアルコール中で5分間の超音波洗浄をした後、30分間のUVオゾン洗浄を行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして膜厚120nmの下記化合物X1を抵抗加熱により成膜した。このX1膜は正孔注入層として機能する。
正孔注入層の成膜に続けて、この膜上に膜厚20nmで、下記化合物Y1−1を抵抗加熱により成膜した。このY1−1膜は正孔輸送層として機能する。
さらに、この正孔輸送層上に膜厚20nmで、ホスト材料として化合物H1、蛍光発光材料として化合物D1を、抵抗加熱により共蒸着した。化合物D1の濃度は7.5%であった。この共蒸着膜は発光層として機能する。
そして、この発光層成膜に続けて化合物ET1を膜厚30nmで成膜した。このET1膜は電子輸送層として機能する。
次に、LiFを電子注入性電極(陰極)として成膜速度0.1オングストレーム/minで膜厚を0.5nmとした。このLiF膜上に金属Alを蒸着させ、金属陰極を膜厚150nmで形成し有機EL素子を作製した。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
[実施例2〜26]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を下記表1に示す材料を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[比較例1〜3]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を下記表1に示す材料を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、発光色を下記表2に示す。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
[実施例27〜37,比較例4〜6]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を表3に示す材料を用い、発光層のホスト材料として化合物H1、蛍光青発光材料として化合物D2を、抵抗加熱により共蒸着した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2010098458
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、発光色を表4に示す。
[実施例38〜48,比較例7〜9]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を表5に示す材料を用い、発光層のホスト材料として化合物H1、蛍光青発光材料として化合物D3を、抵抗加熱により共蒸着した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2010098458
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、発光色を下記表6に示す。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
[実施例49]
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極付きガラス基板(旭硝子製)に、イソプロピルアルコール中で5分間の超音波洗浄をした後、30分間のUVオゾン洗浄を行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして膜厚5nmの下記化合物B1を抵抗加熱により成膜した。このX1膜はバッファー層として機能する。
バッファー層の成膜に続けて、この膜上に膜厚115nmで、下記化合物X1を抵抗加熱により成膜した。このX1膜は正孔注入層として機能する。
正孔注入層の成膜に続けて、この膜上に膜厚20nmで、下記化合物Y1−1を抵抗加熱により成膜した。このY1−1膜は正孔輸送層として機能する。
さらに、この正孔輸送層上に膜厚20nmで、ホスト材料として化合物H1、蛍光発光材料として化合物D1を、抵抗加熱により共蒸着した。化合物D1の濃度は7.5%であった。この共蒸着膜は発光層として機能する。
そして、この発光層成膜に続けて化合物ET1を膜厚30nmで成膜した。このET1膜は電子輸送層として機能する。
次に、LiFを電子注入性電極(陰極)として成膜速度0.1オングストレーム/minで膜厚を0.5nmとした。このLiF膜上に金属Alを蒸着させ、金属陰極を膜厚150nmで形成し有機EL素子を作製した。
Figure 2010098458
[実施例50〜51]
実施例49において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を下記表7に示す材料を用いた以外は、実施例49と同様にして有機EL素子を作製した。
[比較例10]
実施例49において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を下記表7に示す材料を用いた以外は、実施例49と同様にして有機EL素子を作製した。
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、発光色を表8に示す。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
[実施例52]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を表9に示す材料を用い、発光層は、ホスト材料として化合物H1、蛍光緑発光材料として化合物D2を、抵抗加熱により共蒸着した。化合物D2の濃度は7.5%であった。また各層の膜厚を正孔注入層20nm、正孔輸送層20nm、発光層30nm、電子輸送層30nmとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[実施例53]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を下記表9に示す材料を用い、発光層は、ホスト材料として化合物H2、蛍光赤発光材料として化合物D3を、抵抗加熱により共蒸着した。化合物D3の濃度は1%であった。また各層の膜厚を正孔注入層20nm、正孔輸送層20nm、発光層50nm、電子輸送層30nmとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[比較例11]
実施例52において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を下記表9に示す材料を用いた以外は、実施例52と同様にして有機EL素子を作製した。
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、半減寿命を下記表10に示す。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
[実施例54、比較例12]
実施例1において、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層を下記表11に示す材料を用い、発光層は、ホスト材料として化合物H3、燐光緑発光材料として化合物D4を、抵抗加熱により共蒸着し(化合物D4の濃度は10%)また、各層の膜厚を正孔注入層20nm、正孔輸送層20nm、発光層30nm、電子輸送層30nmとした以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
[有機EL素子の特性、寿命評価]
以上のように作製した各有機EL素子の、10mA/cm2における駆動電圧、発光効率、半減寿命を下記表12に示す。
Figure 2010098458
Figure 2010098458
Figure 2010098458
表2,4,6,8,10,12に示すように、本発明所定の化合物を用いて正孔注入層および正孔輸送層を形成した実施例1〜54の有機EL素子は、従来の有機EL素子である比較例1〜12に比べ、発光効率が向上する効果が得られた。

Claims (9)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設けられた有機薄膜層と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記有機薄膜層が発光層を有し、かつ、前記発光層より陽極側に正孔注入層及び正孔輸送層、又は正孔注入・輸送層を有してなり、
    前記正孔注入層又は正孔注入・輸送層は、下記式(1)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有し、
    Figure 2010098458
    (上記式中、L12は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、
    5は、水素原子、核原子数5〜14であり置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14であり置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14であり置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6であり、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6であり、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。aは1〜3の整数であり、aが2又は3のときの複数のR5は同一でも異なっていてもよい。)

    前記正孔輸送層又は正孔注入・輸送層は、下記式(2)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010098458
    (上記式中、XはNR1であり、L1は置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリーレン基であり、R1は、置換もしくは無置換の核原子数5〜14であるアリール基、炭素数1〜6である分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基である。
    2は、水素原子、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリール基、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、核原子数5〜14の置換もしくは無置換のアリールチオ基、炭素数1〜6の分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6であり、分岐若しくは直鎖の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基である。nは1〜7の整数である。)
  2. 式(1)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体が、下記式(3)及び(15)〜(18)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010098458
    (上記各式中、Ar101〜Ar103のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar106〜Ar109のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar115〜Ar120のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基であり、Ar121〜Ar126のうち少なくとも1つは式(1)で表される置換基である。Ar106〜Ar124のうち式(1)でないものは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の核原子数5〜60のヘテロアリール基である。Ar106〜Ar124が置換基を有する場合の置換基は核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基である。)
  3. 式(1)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体が、式(15)で表されることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 式(2)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体が、下記式(3)及び(15)〜(18)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010098458
    (上記各式中、Ar101〜Ar103のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar106〜Ar109のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar110〜Ar114のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar115〜Ar120のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基であり、Ar121〜Ar126のうち少なくとも1つは式(2)で表される置換基である。Ar106〜Ar124のうち式(2)でないものは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核原子数6〜50のアリール基である。Ar106〜Ar124が置換基を有する場合の置換基は核原子数6〜50のアリール基、炭素数1〜50の分岐もしくは直鎖のアルキル基である。)
  5. 式(2)で表される置換基を有する芳香族アミン誘導体が、前記式(3)で表されることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記有機薄膜層が前記発光層より陰極側に電子輸送層を有し、前記電子輸送層が含窒素複素環誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記含窒素複素環誘導体が下記式のいずれかで表されるベンゾイミダゾール誘導体であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010098458
    (上記式中、A331〜A333は、窒素原子又は炭素原子である。R331及びR332は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0から5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR331は、互いに同一又は異なっていてもよい。
    また、隣接する複数のR331同士で互いに結合して、置換又は未置換の炭素環式脂肪族環、あるいは、置換又は未置換の炭素環式芳香族環を形成していてもよい。
    Ar331は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基である。
    Ar331'は、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリーレン基である。
    Ar332は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロアリール基である。
    ただし、Ar331、Ar332のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核原子数10〜60の縮合環基、又は置換もしくは無置換の核原子数3〜60のヘテロ縮合環基である。
    331、L332及びL333は、それぞれ単結合、置換もしくは無置換の核原子数6〜60のアリーレン基、置換もしくは無置換の核原子数3〜60の2価のヘテロ縮合環又は置換もしくは無置換のフルオレニレン基である。)
  8. 前記正孔注入層又は正孔注入・輸送層と前記陽極との間に、アクセプター材料を含有する層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記アクセプター材料が下記式(A)で表されることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010098458
    (上記式(A)中、R7〜R12は、それぞれ独立にシアノ基、−CONH2、カルボキシル基、もしくは−COOR13(R13は、炭素数1〜20のアルキル基である。)を表すか、又は、R7及びR8、R9及びR10、もしくはR11及びR12が一緒になって−CO−O−CO−で示される基を表す。)
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