JPWO2010095452A1 - ヒートポンプ - Google Patents

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Abstract

冷媒の相変化に伴う潜熱の移動を利用して熱エネルギーを冷熱に変換するヒートポンプにおいて、装置の体積あたりの熱交換量が大きいヒートポンプを提供する。冷媒を蓄積する物質が配置され、該冷媒を放出するために該物質を加熱する加熱手段を備える冷媒蓄積器と、前記冷媒蓄積器に一端が接続され、前記冷媒蓄積器にて前記物質から放出された前記冷媒を毛細管現象により保持する流路と、前記冷媒蓄積器と前記流路との間及び/又は前記流路の周囲に設けられ、前記冷媒を凝縮させるために前記冷媒と熱交換を行う第1熱交換器と、前記流路の周囲に設けられ、前記流路の他端から前記冷媒が蒸発することで生じる冷熱を交換する第2熱交換器とを有することを特徴とするヒートポンプ。

Description

本発明は、冷媒の相変化に伴う潜熱の移動を利用して、熱エネルギーを冷熱に変換するヒートポンプに関するものである。
地球温暖化防止やエネルギー資源の保全など、環境負荷低減のための技術開発の重要性が近年、急速に増大している。その中で、これまで利用価値がなく捨てていた廃熱を回収および再利用する技術が注目を集めている。
そのひとつが、吸着式ヒートポンプである。吸着式ヒートポンプは、吸着質(例えば水、メタノール等)が吸着剤(例えばシリカゲル、活性炭等)に対して吸脱着する際に生じる潜熱の移動を利用することで、100℃以下の低質な熱エネルギーを有用な冷熱に変換する技術である。脱着時の温度は、吸着剤によっては60℃程度の比較的低い温度である。このため、種々の低温廃熱からエネルギーを回収できる技術として、吸着式ヒートポンプは多くの研究がなされてきた。
吸着式ヒートポンプは、凝縮器および蒸発器を備える。熱を移動させる作動媒体となる吸着質は、吸着剤から脱着した後、凝縮器で冷却され蒸気から液体に相変化する。液体の吸着質は、外部に冷熱を搬送する蒸発器に送られる。蒸発器は、液体の吸着質を気化させることにより冷熱を生成する。これら凝縮器及び蒸発器は、効率やサイズの観点からは必ずしも最適な構造とは言えない。例えば、蒸発器から凝縮器への蒸気の逆流を防ぐために、水が流路を塞ぐように蒸発器と凝縮器との間に液体の吸着質を余分に溜めておく場合が多い。また、冷熱が流路を伝わってロスするのを防ぐために、凝縮器と蒸発器の間は長い管でつなぎ、距離を離して配置する場合が多い。これらの点から、ヒートポンプが大型化する傾向にある。また、熱交換器に冷熱を渡すために蒸発器の近傍に溜めておく液体の吸着質は、液体の水は減圧下で突沸、飛散するおそれがある。飛散した水滴が壁面等に付着すると、冷熱をロスし、熱変換効率の低下を招く。このように、装置が大型であることや、効率を高めることが難しいことなどから、現状、吸着式ヒートポンプの実用化は限られた用途にとどまっている。
特開平05−272832号公報 特開2002−100891号公報 特開平05−52446号公報
本発明は、冷媒を相変化させる際の潜熱の移動を利用して熱エネルギーを冷熱に変換するヒートポンプにおいて、装置の体積あたりの熱交換量が大きいヒートポンプを提供する。
本発明の一側面によると、
冷媒を蓄積する物質が配置され、該冷媒を放出するために該物質を加熱する加熱手段を備える冷媒蓄積器と、
前記冷媒蓄積器に一端が接続され、前記冷媒蓄積器にて前記物質から放出された前記冷媒を毛細管現象により保持する流路と、
前記冷媒蓄積器と前記流路との間及び/又は前記流路の周囲に設けられ、前記冷媒を凝縮させるために前記冷媒と熱交換を行う第1熱交換器と、
前記流路の周囲に設けられ、前記流路の他端から前記冷媒が蒸発することで生じる冷熱を交換する第2熱交換器と
を有することを特徴とするヒートポンプが提供される。
本発明は、冷媒を相変化させる際の潜熱の移動を利用して熱エネルギーを冷熱に変換するヒートポンプにおいて、装置の体積あたりの熱交換量が大きいヒートポンプを提供する。
図1は、第1実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図2は、第1実施形態のヒートポンプの一部分を拡大した斜視図である。 図3は、毛細管と第2熱交換器を用いたシミュレーション条件を示す斜視図である。 図4A及び図4Bは、上記シミュレーションの結果を示すグラフである。 図5は、第2実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図6は、図5に示されるヒートポンプの一部分を拡大した斜視図である。 図7は、第2実施形態の変形例のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図8は、図7に示されるヒートポンプの一部分を拡大した斜視図である。 図9は、第3実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図10は、第3実施形態のヒートポンプの一部分を拡大した斜視図である。 図11は、第3実施形態のヒートポンプの変形例を示す模式的断面図である。 図12は、第4実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図13は、第5実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図14は、第6実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。 図15A〜15Cは、第6実施形態のヒートポンプの製造方法を示す模式図である。 図16A〜16Cは、第7実施形態のヒートポンプとその製造方法を示す模式図である。 図17A〜17Cは、第8実施形態のヒートポンプとその製造方法を示す模式図である。
図1は、第1実施形態のヒートポンプを示す模式的断面図である。図1に示すヒートポンプは、吸着式ヒートポンプと呼ばれる。吸着式ヒートポンプにおいて、減圧した容器の中に吸着剤と、気化可能であり吸着剤に対して吸脱着が可能な吸着質(冷媒)とが封入されている。気体の吸着質が吸着剤に吸着されることにより雰囲気中の吸着質の蒸気圧が減少し、液体の吸着質が気化される。この気化の際、吸着質は熱を奪われるため、液体の吸着質と熱交換器とを接触させておくことにより冷熱を取り出すことができる。次に、吸着剤に吸着した吸着質は温熱を用いて加熱することにより脱着する。脱着した吸着質は冷却水などを用いて冷やすことにより凝縮して液体に戻る。上記、吸着と脱着の工程を繰り返すことにより、温熱から冷熱を生み出すことができる。
図1に示す吸着式ヒートポンプ1aは、気体の吸着質を液体に凝縮可能な第1熱交換器11と、第1熱交換器11で凝縮した吸着質を毛管現象により保持する第1流路12と、第1流路12から冷熱を搬送する第2熱交換器13と、第1流路の両端にそれぞれ接続された2つの吸着器14、15を含んでなる。第1熱交換器11は、第1流路12と吸着器14との間に設けられた凝縮室16の中に設けられている。凝縮室16と吸着器14及び15との間に、凝縮室16と吸着器14、15との間の空間の開閉を行うバルブ21、22が設けられている。また、第1流路12における凝縮室16が設けられた反対側の端部と吸着器14、15との間には、空間の開閉を行うバルブ23、24が設けられている。凝縮室16、第1流路12、吸着器14及び15は、内部に密閉された空間を備える。吸着式ヒートポンプ1aの使用時において、この空間は通常減圧されている。
吸着器14及び15は、内部に液体を流すことが可能な管状部材33及び34がそれぞれ設けられている。また、管状部材33及び34の周囲には、それぞれ吸着剤31及び32が配置されている。
吸着剤31及び32は、吸着器14及び15の雰囲気下において、吸着質を吸脱着させることが可能な材料である。吸着剤31及び32の表面において、特定の温度以上で吸着質の脱着が支配的に起こり、それより低い温度では吸着が支配的に起こる。吸着剤31及び32に用いられる材料として、例えば、吸着質が水の場合、シリカゲル、ゼオライト、活性炭などが用いられ、吸着質がメタノールやエタノールなどのアルコールの場合、活性炭が用いられる。これらの吸着剤31及び32の表面から吸着質を脱着させる時に必要な温度は60℃程度である。これらの吸着剤は、例えば100℃以下の比較的低温の廃熱からエネルギーを回収するために好ましく用いられる。
管状部材33及び34は、吸着剤31及び32の温度を制御する手段として設けられる。管状部材33及び34には、吸着剤31及び32からの吸着質の脱着が支配的となる温度に制御するための熱移送用媒体としての第1流体、又は吸着質31及び32への吸着質の吸着が支配的となる温度に制御するための熱移送用媒体としての第2流体のうち一方を選択して流す。第1流体は、例えば、廃熱源から生じる熱を搬送し吸着剤を加熱する。吸着剤を加熱した第1流体は、通常、廃熱源の近傍と吸着剤の近傍との間を還流する。第2流体は、例えば水道水であり、吸着剤を冷却する。吸着剤を冷却した第2流体はそのまま排水してもよいし、室外機で冷却して室外機と吸着剤の近傍との間で還流させてもよい。第1流体及び第2流体の種類は特に限定されないが、熱容量及び熱伝導率が大きい水が好ましく用いられる。なお、図1において管状部材33及び34は管状であるが、その代わりに、吸着剤31及び32と熱交換する機能を備えるものであればいかなる形状の部材を用いてもよい。例えば、管状部材の外形及び内部形状は円筒形に限定されるものではなく、それぞれ角筒形であってもよい。
図1において、バルブ21及び24は開いた状態であり、バルブ22及び23は閉じた状態である。吸着剤31から吸着質が脱着し、吸着剤32に吸着質が吸着した状態を初期状態とする。このとき、廃熱源から生じる熱を蓄えた第1流体を管状部材33に流すことにより吸着剤31は加熱され、吸着質は吸着剤31から脱着する。一方、吸着剤への吸着が支配的になるように第2流体を管状部材34に流すことにより、吸着質は吸着剤32へ吸着する。
第1熱交換器11は、吸着剤から脱着した気体の吸着質を液体へ相変化させるための冷却装置である。第1熱交換器11は凝縮室16の内部に設けられる。図1において、吸着器14から発生した気体の吸着質がバルブ21を経由して凝縮室16に流入する。流入した吸着質は第1熱交換器11によって冷却され、液体へと相変化する。液体の吸着質2は、凝縮室16の下部にたまる。第1熱交換器11は、例えば液体の流路である。(以下、この液体の吸着質の流路を第2流路と称呼することがある。)この流路は、例えば管状部材で構成される。この管状部材内に、熱搬送用媒体として、吸着質の凝縮点よりも低い温度の第3流体を流すことにより、管状部材の表面に吸着質を凝縮させることができる。図1において第1熱交換器11は管状であるが、第1熱交換器11の形状は特に限定されるものではない。例えば、第1熱交換器11の外形及び内部形状は円筒形に限定されるものではなく、それぞれ角筒形であってもよい。
第1流路12は、吸着器14及び15に両端を接続され、一端から送られる吸着質を毛細管現象により保持することができる。第1流路12の一端は、凝縮室16を経由して吸着器14及び15に接続されている。図1において、凝縮室16の下部にたまった液体の吸着質2は、毛細管現象により第1流路12へ流入し、第1流路12の内部に保持される。
毛細管現象の有無は、第1流路12内部の材質、第1流路12の形状、及び吸着質の種類などによって決まる。例えば、吸着質が水であり、第1流路12の内部がステンレス製で且つ管状である場合、例えば第1流路の径が0.01〜1mmのとき毛細管現象が生じる。
毛細管現象が生じることは、例えば、吸着質の液面と第1流路12の一端とを接触させたときに、吸着質が第1流路12内部へ流入することにより確認することができる。また、第1流路12が一方向に伸びる形状であるならば、吸着質を内部に入れた第1流路12が伸びる方向が重力方向と平行な状態で、吸着質が第1流路12の下端から漏れないことにより確認することができる。
第1流路12に保持された液体の吸着質は、凝縮室と接続された端部とは反対側の端部から気化し、冷熱を生じる。液体の吸着質の気化は次のようにして起きる。吸着質を脱着した吸着剤32が気体の吸着質を吸着することにより、吸着器15と第1流路12との間の雰囲気における吸着質の分圧が減少する。よって、その雰囲気と流路12に保持された吸着質2との間における吸着質の気液平衡は気体側へと移動する。よって、流路12に保持された液体の吸着質は、凝縮室と接続された端部とは反対側の端部から気化する。
第1流路12の形状は特に限定されるものではないが、例えば、管状部材により構成することができる。管状部材で構成される第1流路12は、生じた冷熱を第2熱交換機13へ搬送する効率が高い点から好ましい。また第1流路12の外形及び内部形状は、例えば、それぞれ角筒形であってもよい。
また、第1流路12は、例えば、管状部材の内部に充填された多孔質体の空孔であってもよい。多孔質体は、毛細管現象により内部に吸着質を保持可能な細い管状部材よりも取り扱いや加工が容易である。毛細管現象は多孔質体の空孔により生じるため、管状部材の形状及び大きさを任意に設定できる。
第2熱交換器13は、毛細管現象により第1流路12内に保持された吸着質が第1流路12の凝縮室16と接続された端部と反対側の端部から気化することで生じる冷熱を外部に搬送するために設けられる。第2熱交換器13は、第1流路12の側に設けられる。
図2は、第1実施形態のヒートポンプのうち、管状部材で構成される第1流路12、及び第2熱交換器13を拡大した斜視図である。図2において、第2熱交換器13の外壁の一部は省略して描かれている。管状部材で構成される第1流路12は、例えば、流入口13a及び流出口13bを備える筐体状の第2熱交換器13の中に設けられ、第1流路12と第2熱交換器13の内部とは遮断されている。換言すれば、第2熱交換器13は、例えば、第1流路12を取り囲むように設けられた流路(以下、この流路を第3流路と称呼する。)であり、管状部材で構成される第1流路12の管の内部と、第2熱交換器13の内部とは隔壁18、19により遮断されている。この第3流路に熱搬送用媒体として液体(以下、この液体を第4流体と称呼する。)を流すことにより、第1流路12の端部で生じた冷熱を外部に搬送することができる。この第4流体は、流入口13aから第3流路13へ流入し、更に第3流路13から流出口13bへ流出する。この第4流体により流出口13bから外部に搬送された冷熱は、例えば冷却に用いられる。冷却に用いられた第4流体は、通常、第2熱交換器13へ還流される。図2において第2熱交換器13は管状であるが、第2熱交換器13の形状は特に限定されるものではない。例えば、第2熱交換器13の外形及び内部形状は円筒形に限定されるものではなく、それぞれ角筒形であってもよい。
上記毛細管と第2熱交換器を用いて効率的な熱交換を行えるかを、シミュレーションによって検討した。シミュレーション条件は、図3に示されるように、直径0.3mm、肉厚0.1mm(内径0.1mm)、長さ200mmのステンレス製毛細管72の下端に冷熱源73を置き、毛細管72の外側と毛細管72を取り囲む直方体(毛細管の径方向の二辺a,bは0.6mm、長さ方向の辺cは200mm)との間に挟まれた領域に下方向の水を流す。このとき、毛細管72を伝わった熱損失量と外部水流による熱回収量とで、どちらが大きくなるかを調べた。なお、毛細管72の内部には、水が流動することなく保持されている状態とみなし、水を満たした。環境温度は30℃とした。冷熱源73は、既存の蒸発器で得られる単位面積当たりの冷熱出力を参考に、−7.8×10−5W、および−1.0×10−2Wとした。外部水流の流速は0.000001〜1m/sの間で変化させた。
図4は、上記シミュレーションの結果を示すグラフである。図4A、図4Bは、冷熱源73の冷熱出力がそれぞれ−7.8×10−5W、−1.0×10−2Wのとき、外部水流の流速(m/s)と毛細管の上部72t及び下部72bにおける温度(℃)との関係を示すグラフである。いずれの冷熱出力の場合も毛細管の上部72tの温度は変化しなかった。また、冷熱源73に接している毛細管下部72bの温度は、外部水流を流速1cm/s程度以上で流すことにより、環境温度と等しくなった。これにより、冷熱源73で発生した冷熱は毛細管72を伝わって上部に達する前に、外部水流によってほぼすべて回収されることが分かり、毛細管と第2熱交換器とを用いた上記ヒートポンプが効率よく冷熱を外部に搬送可能であることが確認された。
第1実施形態のヒートポンプの製造方法は特に限定されない。第1熱交換器11、第1流路12、第2熱交換器13、隔壁18、19、管状部材33、34は、それぞれ、市販の管、板、バルクの材料を用い、切削、変形、溶接、ろう接、樹脂製接着剤を用いた接着などの一般的な加工方法により形成できる。また、吸着器14、15、凝縮室16も、市販の材料を用い、切削、変形、溶接、ろう接などの一般的な加工方法により形成できる。第1流路12が樹脂で構成される場合、隔壁18は吸着質に不溶の接着剤で構成されてもよい。第1流路12が金属で構成される場合、隔壁18は溶接、ろう接などにより形成されうる。また、隔壁18と凝縮室16の外壁とが共用されていてもよい。
第1実施形態のヒートポンプの運転手順は特に限定されない。例えば、吸着剤31に吸着質が吸着され、吸着剤32から吸着質が脱着した状態を初期状態とする。このとき、管状部材33へ第1流体を搬送し、管状部材34へ第2流体を搬送する。バルブ21及び24は開いた状態にし、バルブ22及び23は閉じた状態にする。すると、吸着器14において吸着剤31は吸着質を脱着し(脱着工程と呼ぶ)、吸着器15において吸着剤32は吸着質を吸着する(吸着工程と呼ぶ)ため、上記説明のとおり、第2熱交換器13から外部へ冷熱を搬送することができる。
暫くすると、吸着剤31から脱着可能な吸着質は少なくなり、第1流路12への吸着質の供給は少なくなる。一方、吸着剤32への吸着質の吸着能力は低下し、第1流路12の端部において吸着質の気化が生じにくくなり、冷熱を生じにくくなる。このとき、管状部材33へ第2流体を搬送し、管状部材34へ第1流体を搬送する。バルブ22及び23は開いておき、バルブ21及び24は閉じる。すると、吸着器15においては、脱着工程が進行し、一方吸着器14においては吸着工程が進行する。よって、上記説明のように、第2熱交換器13から外部へ冷熱を搬送することができる。
また、脱着工程と吸着工程とを段階的に行ってもよい。例えば、吸着剤31及び32が吸着質を吸着した状態で、管状部材33及び34に第1流体を流し、バルブ21及び22を開き、バルブ23及び24を閉じることにより、吸着器14及び15の両方で脱着工程が行われる。吸着剤31及び32に吸着した吸着質が少なくなったら(すなわち、凝縮室16における吸着質の凝縮量が少なくなったら)、バルブ21及び22を閉じ、バルブ23及び24を開けた状態にして、吸着器14及び15の両方で吸着工程を行う。このとき、第2熱交換器13から外部へ冷熱を搬送することができる。
第1実施形態のヒートポンプにおいて2つの吸着器14及び15が用いられているが、吸着器(冷媒蓄積器)の数は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
なお、後述の第2〜第5実施形態のヒートポンプの運転手順も、第1実施形態と同様、特に限定されるものではない。
上記第1実施形態のヒートポンプは、第1熱交換器と第2熱交換器との間で熱の交換が起こらないように間をあける必要がないため小型化することができる。また、第1流路を取り囲むように第2熱交換器が設けられるため、第1流路に保持される液体の吸着質と第2熱交換器との接触面積を増やすことができる点、及び第1流路に保持される吸着質の温度ムラが小さくなるため突沸を防止することができる点から、熱交換効率が向上する。
また、構造上、第2熱交換器に対する吸着質の接触面積を大きくできるので、第2熱交換器に対して液体の吸着質を散布して熱交換効率を向上させるためのポンプは不要である。このように構造がシンプルで余分な駆動装置が必要ないため、第1実施形態のヒートポンプは小型化できる。
図5は、第2実施形態のヒートポンプ1bを示す模式的断面図である。図6は、図5に示されるヒートポンプ1bのうち、管状部材で構成される第1流路12、第2流路11、及び第3流路13を拡大した斜視図である。図6において、第2熱交換器13の外壁の一部は省略して描かれている。なお、以下の説明において、第1実施形態のヒートポンプ1aと同様の部分については説明を省略する。
図5及び図6において、第1熱交換器11は第1流路12の周りに設けられている。管状部材で構成される第1流路12は、例えば、流入口11a及び流出口11bを備える筐体状の第1熱交換器11、及び流入口13a及び流出口13bを備える筐体状の第2熱交換器13の中に設けられ、第1流路12と第1熱交換器11の内部と第2熱交換器13の内部とは遮断されている。換言すれば、第1熱交換器11と第2熱交換器13には、それぞれ流体を流すことが可能な空洞状の第2流路(以下、第2流路11と称呼する場合がある。)と第3流路(以下第3流路13と称呼する場合がある。)が設けられている。第1熱交換器11と第2熱交換器13との間には、第2流路11及び第3流路13にそれぞれ流される第3流体及び第4流体が混ざらないように隔壁17が設けられている。第1流路12は、隔壁17により隔てられておらず、第1流路12の第1熱交換器11側と第2熱交換器13側とは連通している。また、第1流路12の内部と第1熱交換器11の内部とは隔壁18により遮断され、第1流路12の内部と第2熱交換器13の内部とは隔壁19により遮断されている。第3流体は、流入口11aから第2流路11へ流入し、更に第2流路11から流出口11bへ流出する。第4流体は、流入口13aから第3流路13へ流入し、更に第3流路13から流出口13bへ流出する。
第3流体が第2流路11を流れると、第1流路12の温度は、吸着質の凝縮点より低く保たれる。吸着器14又は15から第1流路12内へ流入した吸着質は、第1流路12の内部で気体から液体へ相変化し、第1流路の内部で液体の状態で保持される。このように第1流路12の内部で吸着質の凝縮が可能な第2実施形態のヒートポンプ1bは、吸着器14及び15と第1流路12との間に、凝縮した吸着質を溜めておく凝縮室が独立して設けられていない。第1流路12の内部が凝縮室として機能している。第1流路12と、第1熱交換器11と、第2熱交換器13とは一体化されている。ゆえに、ヒートポンプの大きさを更に小さくすることができる。また、第2実施形態のヒートポンプ1bは、第1実施形態のヒートポンプ1aと同様、熱交換効率が向上する。
第1流路12の内部における液体の吸着質の流動は、液体の自重により生じるものであってもよいが、第1流路12の第2熱交換器側の端部の雰囲気の圧力が、第1流路12の第1熱交換器側の端部の雰囲気の圧力よりも小さいことにより生じるものであってもよい。すなわち、上記実施形態のヒートポンプにおいて第1流路12は、その内部に保持される液体の吸着質の移動方向が垂直になるように描かれているが、本発明のヒートポンプにおいて、第1流路は、例えば、その内部に保持される液体の吸着質の移動方向が水平になるように配置されていてもよい。
第2実施形態のヒートポンプの製造方法は、第1実施形態のそれと同様、特に限定されるものではなく、第2実施形態のヒートポンプは一般的な加工方法により形成できる。
図7は、第2実施形態の変形例のヒートポンプ1cを示す模式的断面図である。図8は、図7に示されるヒートポンプ1cのうち、管状部材で構成される第1流路12、第2流路及び第3流路11、13を拡大した斜視図である。なお、以下の説明において、第2実施形態のヒートポンプ1bと同様の部分については説明を省略する。図8において、第2熱交換器13の外壁の一部は省略して描かれている。
図7に示されるヒートポンプ1cは、第1熱交換器11と第2熱交換器13との間に隔壁が設けられていないため、第2流路と第3流路の境界が存在しない。よって、流入口11aから流入する第3流体と、流入口13aから流入する第4流体とが、第2流路及び第3流路11、13において混合する。第3流体は、通常第4流体よりも温度が高いため、第2流路及び第3流路11、13の上方へ向かう傾向にある。一方、第4流体は、通常第3流体よりも温度が低いため、第2流路及び第3流路11、13の下方へ向かう傾向にある。よって、流出口11bからは主に第2流体が流出し、流出口13bからは主に第3流体が流出する。以上より、図7に示されるヒートポンプ1cは、熱交換効率の点からにおいて図5に示される第2実施形態のヒートポンプ1bより劣るが、ヒートポンプの小型化できる点において優れている。
図9は、第3実施形態のヒートポンプ1dを示す模式的断面図である。なお、以下の説明において、第2実施形態のヒートポンプ1bと同様の部分については説明を省略する。図9において、第1流路12は複数存在する。各第1流路12は管状部材(以下、管状部材12と称呼する場合がある。)からなり、それぞれの両端は、吸着器14及び15に接続されている。
第1熱交換器11は、吸着質の凝縮点よりも低い温度の第3流体を流すために、複数の管状部材12の間隙に設けられる第2流路(以下、第2流路11と称呼する。)である。第2熱交換器13は、第1流路12の端部で生じた冷熱を外部に搬送する第4流体を流すために、前記第2流路と隔壁17で隔てられて前記複数の管状部材12の間隙に設けられる第3流路(以下、第3流路13と称呼する。)である。管状部材12は隔壁17により隔てられておらず、管状部材12の第1熱交換器11側と第2熱交換器13側とは連通している。
図10は、第3実施形態のヒートポンプ1dのうち、複数の管状部材12、第2流路11、及び第3流路13を拡大した斜視図である。図10において、第2流路11及び第3流路13の外壁の一部は省略して描かれている。吸着質の凝縮点よりも低い温度の第3流体は、流入口11aから第2流路11へ流入し、更に第2流路11から流出口11bへ流出する。
第3流体が第2流路11を流れると、複数の管状部材12の内部の温度は、吸着質の凝縮点より低く保たれる。吸着器14又は15から管状部材12内へ流入した吸着質は、管状部材12の内部で気体から液体へ相変化し、管状部材12の内部で液体の状態で保持される。
このように複数の管状部材12の内部で吸着質の凝縮が可能な第3実施形態のヒートポンプ1dは、第2実施形態のヒートポンプ1bと同様に、吸着器14及び15と第1流路12との間に、凝縮した吸着質を溜めておく凝縮室が独立して設けられていない。ゆえに、ヒートポンプの大きさを更に小さくすることができる。更に、第3実施形態のヒートポンプ1dは、第2実施形態のヒートポンプ1bよりも、管状部材12の数が多いため、管状部材12の内部に保持される吸着質と第2熱交換器12とを介し、より多くの冷熱を外部に搬送することができる。また、複数の管状部材12を冷却するための第2流路11を、各管状部材12にそれぞれ設けるのではなく、一つの流路として設けるため、管状部材12の数が増えてもヒートポンプの体積の増加は僅かである。
第3実施形態のヒートポンプは、第1実施形態のそれと同様、一般的な加工方法により形成できる。隔壁18、19は、例えば以下の方法で形成できる。まず、複数の管状部材の束の一端を筒状容器に入れ、隔壁を構成する充填剤で複数の管状部材の間の間隙を埋め、充填剤を硬化させる。充填剤の材料は、例えば、管状部材が樹脂製の場合はウレタン樹脂などの樹脂、管状部材が金属製の場合は半田など低融点の金属である。次いで、充填剤で固定された部分を切断することにより、複数の管状部材が固定された隔壁を形成することができる。
図11は、第3実施形態の変形例のヒートポンプ1eを示す模式的断面図である。なお、以下の説明において、第3実施形態のヒートポンプ1dと同様の部分については説明を省略する。図11に示されるヒートポンプ1eは、第1熱交換器11と第2熱交換器13との間に隔壁が設けられていないため、第2流路11を流れる第3流体と第2熱交換器13を流れる第4流体とが混合する。よって、図11に示されるヒートポンプ1eは、熱交換効率の点からにおいて図9に示される第3実施形態のヒートポンプ1dより劣るが、ヒートポンプの小型化の点で優れている。
図12は、第4実施形態のヒートポンプ1fを示す模式的断面図である。なお、以下の説明において、第3実施形態のヒートポンプ1dと同様の部分については説明を省略する。第4実施形態のヒートポンプ1fは、多孔質体52が内部に充填された管状部材51を備える。管状部材51の両端は吸着器14及び15に接続されている。第1流路として、多孔質体52の内部に存在する空孔が用いられる。空孔は、吸着質が第1熱交換器11側から第2熱交換器13側へ移動できるように、多孔質体の上面52aから下面52bに向かって貫通している。多孔質体52の空孔は任意の形状に成型できるため、多孔質体52の内部に無数の第1流路を設けることができる。多孔質体52は、例えば、粒子状の金属や樹脂、スポンジ状の樹脂、繊維状のガラス、繊維状のカーボンなどを用いて形成することができる。
多孔質体52の内部に、管状部材51の一端側に第3流体を流すことが可能な細管からなる第1熱交換器11が埋設され、管状部材51の他端側に第4流体を流すことが可能な細管からなる第2熱交換器が埋設されている。第1熱交換器11は、管状部材51の外部から第1熱交換器11へ第3流体を流入するための流入口11aと、第1熱交換器11から管状部材51の外部へ第3流体を流出するための流出口11bとを備える。第2熱交換器13は、管状部材51の外部から第2熱交換器13へ第4流体を流入するための流入口13aと、第2熱交換器13から管状部材51の外部へ第4流体を流出するための流出口13bとを備える。細管からなる第1熱交換器11及び第2熱交換器13の内部と、第1流路として用いられる多孔質体の空孔とは隔てられ、連通していない。細管からなる第1熱交換器11及び第2熱交換器13は、効率よく熱交換させるために、銅、アルミニウムのように熱伝導性が高い材料で構成されることが好ましく、多孔質体52の内部に均等間隔で配置するのが好ましい。多孔質体52の内部に細管からなる第1熱交換器を埋設する方法としては、例えば、管状部材51を構成する容器の内部に細管を配置しておき、内部にポリエチレンスポンジ等の連続気泡発泡体(空孔が繋がっている発泡体)を充填する方法や、ガラス繊維やカーボン繊維を含有した樹脂を細管の隙間に吹き付ける方法などが挙げられる。
吸着器14からバルブ21を経由して送られる吸着質は、バルブ21に近い多孔質体52の上面52aから空孔へ流入し、第1熱交換器11で冷却されることにより空孔の内部で気体から液体へと相変化させることができる。液体の吸着質は毛細管現象により空孔の内部に保持される。保持された吸着質は、バルブ24に近い多孔質体52の下面52bにおいて蒸発する。蒸発により生じた冷熱は第2熱交換器13により外部に搬送される。
上記第4実施形態のヒートポンプ1fは、第3実施形態のヒートポンプ1dと同様に、ヒートポンプの大きさを小さくすることができ、また、多孔質体の空孔からなる第1流路が無数に存在するため第2熱交換器の熱交換効率が高い。多孔質体52は、上記第1〜第3実施形態で用いられる毛細管現象により内部に吸着質を保持可能な管状部材よりも、成型、取り扱い、加工が容易である。毛細管現象は多孔質体52の空孔により生じるため、管状部材51の形状及び大きさを任意に設定することができる。
第4実施形態のヒートポンプにおいて、細管からなる第2熱交換器は、効率よく熱交換させるため、吸着工程を行う吸着器に近い多孔質体の端部(図12においては、多孔質体の下面52b)を通るように設けられることが好ましい。多孔質体の端部の近傍で吸着質の蒸発が起こるからである。また、吸着質が水である場合、空孔の表面は水を保持しやすいように親水的であること、熱交換を妨げないように熱伝導性が高いことが好ましい。
図13は、第5実施形態のヒートポンプ1gを示す模式的断面図である。第5実施形態のヒートポンプ1gは、いわゆる、吸収式ヒートポンプである。吸収式ヒートポンプは、上記吸着質と吸着剤の代わりに、吸収質(冷媒)を吸収及び放出可能な吸収液が用いられる。なお、以下の説明において、第1実施形態のヒートポンプ1aと同様の部分については説明を省略する。
図13に示されるヒートポンプ1gは、気体の吸収質を液体に凝縮可能な第1熱交換器11と、第1熱交換器11で凝縮した吸収質を毛管現象により保持する第1流路12と、第1流路12から冷熱を搬送する第2熱交換器13と、第1流路12の第1熱交換器11から遠い一端に接続された吸収器41、第1流路12の第1熱交換器11に近い一端に接続された再生器42を含んでなる。
吸収器41と再生器42との間に、流路43、44が設けられている。流路43は、吸収器41から再生器42へ吸収液を送るための流路であり、その途中に吸収器41から再生器42へ吸収液を送るポンプ45が設けられている。また、流路44は再生器42から吸収器41へ吸収液を送るための流路であり、その途中にバルブ(図示せず)が設けられている。
第1熱交換器11は、第1流路12と再生器42との間に設けられた凝縮室16の中に設けられている。凝縮室16と再生器42との間に、バルブ21が設けられている。第1流路12と吸収器41との間にバルブ23が設けられている。
凝縮室16、第1流路12、吸収器41は、密閉された空間を内部に備える。吸収式ヒートポンプ1の使用時において、この空間は通常減圧されている。
吸収器41及び再生器42の内部には、吸収質を吸収可能な吸収液が入れられる。吸収液としては、吸収質が水のとき、例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液が用いられる。
吸収器41は、第1流路12と吸収器42との間の雰囲気中に含まれる吸収質を吸収する吸収液を入れることが可能な容器である。吸収器41に入れられた吸収液は、雰囲気中に含まれる吸収質を吸収する能力を有するため、第1流路12の端部から吸収質が気化し、冷熱が生成される。吸収液は、吸収質を吸収してその濃度が低下すると、吸収質の吸収能力が低下する。吸収能力が低下した吸収液はポンプ45により再生器42へ送られる。吸収器41は、内部に管状部材46からなる熱交換器を備える。管状部材46の内部に流体を流すことにより、吸収液が吸収質を吸収するときに生じる熱を外部へ搬送する。
再生器42は、吸収質を吸収する能力が低下した吸収液を加熱するための容器である。再生器42は、吸収液を加熱する加熱装置45を備える。加熱装置45により加熱された吸収液は雰囲気中に気体の吸収質を放出する。例えば、臭化リチウム水溶液を加熱するとき、約100℃に昇温する。放出された吸収質は第1熱交換器11において凝縮される。一方、加熱により濃度が上昇した吸収液は流路44を経由して吸収器41に戻される。
なお、本実施形態において、冷媒収容器は、吸収器41、再生器42、流路43及び44の集合体に対応する。
第5実施形態の吸収式ヒートポンプ1gによれば、第1実施形態の吸着式ヒートポンプと同様、小型化が可能であり、また熱交換効率が向上させることができる。
第5実施形態のヒートポンプは、第1実施形態のそれと同様、一般的な加工方法により形成できる。
図14は第6実施形態の吸着式ヒートポンプ1hを示す模式的断面図である。なお、以下の説明において、第4実施形態のヒートポンプ1fと同様の部分については説明を省略する。
管状部材51の両端は吸着器14及び15の両方に接続されている。毛細管現象によって水を保持できる多孔質の材料からなる多孔質体71(71a、71b)が管状部材51の内部に充填される。多孔質体71は、管状部材51に充填された多孔質体71の上部と下部とに、それぞれフィン状の突起61と62とを含んで構成される。多孔質体フィン状の突起61、62は、多孔質体71の体積当りの表面積を増加させる。管状の第1熱交換器11は、多孔質体71のフィン状の突起61に接し、管状の第2熱交換器13は、多孔質体71のフィン状の突起62に接する。
多孔質体71は、例えば平板状やシート状の多孔質体71a及び71bを含んで形成される。多孔質体71aの主面の大きさは、多孔質体71bの主面の大きさよりも小さい。サイズの異なる多孔質体71aと多孔質体71bとを重ね合わせることにより、フィン状の突起61、62が形成される。
多孔質体71はその内部に無数の空孔を備える。空孔は、吸着質が第1熱交換器11側から第2熱交換器13側へ移動できるように、少なくとも多孔質体71の上部から下部に向かって貫通している。この空孔を第1流路として用いる。多孔質体71は、例えば、粒子状の金属や樹脂、スポンジ状の樹脂、繊維状のガラス、繊維状のカーボンなどを用いて形成することができる。さらに、多孔質体71は、水を保持しやすいよう表面が親水的であること、熱交換を妨げないように熱伝導性が高いことが好ましい。
フィン状の突起61に接する管状の第1熱交換器11は、吸着器14からバルブ21を経由して凝縮室16に流入した吸着質を冷却し、液体へと相変化させる。第1熱交換器11は周辺の多孔質体71と熱交換しうるため、多孔質体71の第1熱交換器11の近傍の部分は熱交換器として機能する。第6実施形態において、多孔質体71がフィン状の突起61を備えることにより、表面積が大きく、好適に吸着質の凝縮を行うことができる。フィン状の突起61が前記第1熱交換器11に接していることにより、更に好適に吸着質の凝縮を行うことができる。よって、第6実施形態の吸着式ヒートポンプは熱エネルギーを冷熱に変換するエネルギー変換効率が高い。
液化した吸着質は多孔質体のフィン状の突起61が備える空孔に保持される。吸着質は多孔質体71が備える空孔の流路を塞ぐ役割を果たすとともに、重力と空孔内で生じる毛細管現象とによって下方に移動する。
フィン状の突起61に接する第2熱交換器13は、毛細管現象により空孔内に保持された吸着質が、多孔質体71の第1熱交換器11に近い端部と反対側の端部から気化することで生じる冷熱を外部に搬送するために設けられる。第6実施形態において、多孔質体71はフィン状の突起62を備えることにより表面積が大きい。このため、液体の吸着質は微小領域に分かれて穏やかに蒸発し、突沸を生じない。すなわち、相転移と熱交換の過程が微細な空間内で行われるため、吸着質と第2熱交換器で行われる熱交換の効率が向上する。
また、さらに、第2熱交換器13がフィン状の突起62に接するように配置されているため、吸着質の蒸発に伴い生じる冷熱は埋設された第2熱交換器13により速やかに回収される。
以上より、第6実施形態の吸着式ヒートポンプは熱エネルギーを冷熱に変換するエネルギー変換効率が高い。
さらに、多孔質体71のフィン状の突起61と第1熱交換器11とに接する伝熱板63が設けられていることが好ましい。伝熱板63は、例えば銅などの熱伝導率が高い金属からなる。伝熱板63は、第4実施形態のヒートポンプ1fにおける第1熱交換器(図12における第1熱交換器11)と同様に、吸着剤から脱着した気体の吸着質を液体へ相変化させるために設けられる。伝熱板63が奪った熱は第1熱交換器11内を流れる熱搬送用媒体により外部に放出される。伝熱板63を設けることにより、気体の吸着質と接触する第1熱交換器の面積が実質的に増加するため、吸着質と第1熱交換器11との熱交換効率が向上する。
また、さらに、多孔質体71のフィン状の突起62と第2熱交換器13とに接する伝熱板64が設けられていてもよい。伝熱板64は例えば銅などの熱伝導率が高い金属からなる。伝熱板64は、第4実施形態のヒートポンプ1fにおける第2熱交換器(図12における第2熱交換器13)と同様に、毛細管現象により第1流路(多孔質体71)内に保持された吸着質が第1流路の、下端から気化することで生じる冷熱を外部に搬送するために設けられる。伝熱板64が奪った冷熱は第2熱交換器13内を流れる熱搬送用媒体により外部に放出される。伝熱板64が多孔質体71bの隅々に保持された液体の吸着質を加熱できるため、吸着質と第2熱交換器13との熱交換効率が向上する。
伝熱板64が多孔質体71に覆われているとき、第6実施形態の動作時に伝熱板64を多孔質体71bに保持された吸着質が常に覆った状態となり、第2熱交換器13は蒸発に伴い生成する冷熱を吸収した伝熱板64から効率的に回収することができる。
図15A、15Bは、第6実施形態の吸着式ヒートポンプに設けられる第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む部品の斜視図である。図15Cは、第6実施形態の吸着式ヒートポンプにおいて、第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む部品の断面図である。図15A〜15Cを用いて、第6実施形態の吸着式ヒートポンプの製造方法を説明する。
まず、図15Aに示されるように、多孔質プレート81a、81bで伝熱板63及び64を挟み、伝熱板63及び64を挟んだ多孔質体71bを作成する。伝熱板63が多孔質プレート81aと81bとに挟まれる位置は、後工程において配置される第1熱交換器11が接する位置であり、伝熱板64が多孔質プレート81aと81bとに挟まれる位置は、後工程において配置される第2熱交換器13が接する位置である。
例えば、プレス機で、伝熱板63及び64を挟んだ多孔質プレート81a、81bに圧力をかけて多孔質プレート81a、81b、伝熱板63、64を一体化させ、多孔質体71bを得る。
次いで、図15Bに示されるように、多孔質体71bと、多孔質体71aとを順に積層した多孔質体71を作成する。多孔質体71aの主面の大きさは、多孔質体71bの主面の大きさよりも小さい。サイズの異なる多孔質体71aと多孔質体71bとを重ね合わせることにより、フィン状の突起61、62を備える多孔質体を得ることができる。
次いで、図15Cに示されるように、伝熱板63が埋め込まれた多孔質体71の主面の法線方向にドリル等を用いて貫通孔を形成し、その貫通孔に第1熱交換器11として金属管を配設する。また、伝熱板64が埋め込まれた多孔質体71の主面の法線方向に貫通孔を形成し、その貫通孔に第2熱交換器13として金属管を配設する。その後、金属管を配設した多孔質体71を角管状の容器91に収める。金属管11と多孔質体71a又は71b及び伝熱板63又は64とは接触している。金属管11と多孔質体71a又は71b及び伝熱板63又は64とを固定するため、圧着もしくは接着剤や治具により貼り合わせすることができる。
多孔質体の空孔内の吸着質と効率よく熱交換するため、多孔質プレート81a、81bは薄いことが好ましい。例えば、120mm×120mm角の多孔質プレートの主面に対して、その厚さは0.5mmであることが好ましい。フィン状の突起61、62の大きさは例えば30mm〜50mm程度である。
第6実施形態の吸着式ヒートポンプに関する上記製造方法によれば、毛細管現象により吸着質を内部に保持することが可能な第1流路として用いられる多孔質体の空孔の周囲に、管状の第1熱交換器11を容易に配置することができる。また、例えば、フィン状の突起61の主面に対して等間隔に第1熱交換器11としての金属管が容易に配置され、フィン状の突起62の主面に対して等間隔に第2熱交換器13としての金属管が容易に配置されうるため、得られる吸着式ヒートポンプの動作時において、吸着質と第1熱交換器11及び第2熱交換器13との熱交換効率を向上させることができる。好ましくは、フィン状の突起61及び62に対して伝熱板を埋め込むことで、得られる吸着式ヒートポンプの動作時において、さらに吸着質と第1熱交換器11及び第2熱交換器13との熱交換効率を向上させることができる。
第6実施形態の実施例を以下に示す。
市販のポリエステル繊維からなる多孔質板(ユニチカ株式会社製、商品名「ユニベックスSB」)について、長尺(80mm×40mm,厚さ0.5mm)のものを20枚、短尺(30mm×40mm,厚さ2mm)のものを9枚用意した。伝熱用のアルミシート(25mm×40mm,厚さ0.2mm)2枚を用意した。長尺の多孔質板の両端にそれぞれ1枚のアルミシートが位置するように、アルミシート2枚を長尺の多孔質板2枚で挟み、治具で固定した。このアルミシートを挟んだ長尺多孔質板10組と短尺の多孔質板9枚を交互に積層させることで、両端に25mm×40mmのフィン状構造を有する多孔質板ユニットを作製した。
この多孔質板ユニットのフィン状構造の一端側から水30mlを吸収させ、その一端側、及び側端を密閉した後、フィン状構造の反対端側を下方に向けて減圧容器内に静置した。その結果、多孔質体に吸収された水は、多孔質板ユニットにおいてフィン状構造の一端側と他端側との間で通気を妨げるように多孔質板ユニット内に保持された。さらに、減圧雰囲気下で、ビニール製の容器で覆った多孔質板ユニットにおいて下方のフィン状構造から蒸発することが確認された。また、これに伴い下方のフィン状構造の表面の温度が約6℃低下することが観察され、多孔質板ユニットの下方のフィン構造が第2熱交換器の周囲に配置される多孔質構造の形状として優れていることが確認された。
図16A、16Bは、第7実施形態の吸着式ヒートポンプ1iに設けられる第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む多孔質ユニットの断面図である。図16Cは、第7実施形態の吸着式ヒートポンプ1iにおいて、第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む部品の断面図である。図16A〜16Cを用いて、第7実施形態の吸着式ヒートポンプ1iを説明する。なお、以下の説明において、第6実施形態のヒートポンプ1hと同様の部分については説明を省略する。
上述の第6実施形態の吸着式ヒートポンプ1hにおいて、角管状の容器91の内部に配置され、伝熱板63及び64が埋め込まれた多孔質体71bに管状の第1熱交換器11を貫通しているのに対し、第7実施形態の吸着式ヒートポンプ1iにおいて、多孔質体71bに、伝熱板63及び64の代わりに第1熱交換器11及び第2熱交換器13が埋め込まれている。管状の第1熱交換器11及び第2熱交換器13は、多孔質体71bの主面に略平行に配置されている。多孔質体71bの隅々まで設けられた第1熱交換器11及び第2熱交換器13が、多孔質体71bの隅々まで保持された液体の吸着質と熱交換を容易に行うことができるため、吸着質と第2熱交換器13との熱交換効率が向上する。
図16A〜16Cを用いて、第7実施形態の吸着式ヒートポンプの製造方法を説明する。なお、以下の説明において、第6実施形態のヒートポンプ1hの製造方法と同様の部分については説明を省略する。
まず、図16Aに示されるように、多孔質プレート81a、81bで第1熱交換器11及び第2熱交換器13を挟み、第1熱交換器11及び第2熱交換器13を挟んだ多孔質体71bを作成する。
例えば、プレス機で、第1熱交換器11及び第2熱交換器13を挟んだ多孔質プレート81a、81bに圧力をかけて、多孔質プレート81a、81b、第1熱交換器11及び第2熱交換器13を一体化させ、多孔質体71bを得る。
次いで、図16Bに示されるように、多孔質体71bと、多孔質体71aとを順に積層した多孔質体71を作成する。多孔質体71aの主面の大きさは、多孔質体71bの主面の大きさよりも小さい。サイズの異なる多孔質体71aと多孔質体71bとを重ね合わせることにより、フィン状の突起61、62を備える多孔質体を得ることができる。
次いで、図16Cに示されるように、金属管を配設した多孔質体71を角管状の容器91に収める。金属管11と多孔質体71a又は71b及び伝熱板63又は64とは接触している。金属管11と多孔質体71a又は71b及び伝熱板63又は64とを固定するため、圧着もしくは接着剤や治具により貼り合わせすることができる。
第7実施形態の吸着式ヒートポンプに関する上記製造方法によれば、毛細管現象により吸着質を内部に保持することが可能な第1流路として用いられる多孔質体の空孔の周囲に、管状の第1熱交換器11及び管状の第2熱交換器13を容易に配置することができる。また、例えば、フィン状の突起61の主面に対して平行方向に等間隔に第1熱交換器11としての金属管が容易に埋め込まれ、フィン状の突起62の主面に対して等間隔に第2熱交換器13としての金属管が容易に埋め込まれるため、得られる吸着式ヒートポンプの動作時において、吸着質と第1熱交換器11及び第2熱交換器13との熱交換効率を向上させることができる。
図17A、17Bは、第8実施形態の吸着式ヒートポンプ1jに設けられる第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む多孔質ユニットの断面図である。図17Cは、第8実施形態の吸着式ヒートポンプ1jにおいて、第1熱交換器、第1流路として用いる多孔質体、第2熱交換器を含む部品の断面図である。図17A〜17Cを用いて、第8実施形態の吸着式ヒートポンプ1jとその製造方法を説明する。なお、以下の説明において、第6実施形態のヒートポンプ1hと同様の部分及び製造工程については説明を省略する。
上述の第6実施形態の吸着式ヒートポンプ1hにおいて、角管状の容器91の内部に配置され、伝熱板63及び64が埋め込まれた多孔質体71bに管状の第1熱交換器11を貫通しているのに対し、第8実施形態の吸着式ヒートポンプ1iにおいて、伝熱板63及び64の端部が角管状の容器91に接している。容器91において、伝熱板63の端部が接した面の反対側に第1熱交換器11が設けられている。吸着式ヒートポンプ1iの作動時に、伝熱板63は多孔質体71bの内部にある吸着質と熱交換する。伝熱板63が吸収した熱は容器91と第1熱交換器11から外部へ放出される。伝熱板63は、多孔質体71の空孔内に存在する気体の吸着質と熱交換する。例えば、管状の第1熱交換器11を多孔質体71に埋め込む場合と比較して、多孔質体71内に存在する気体の吸着質との接触面積が大きいため、吸着質と第1熱交換器11との熱交換効率は高い。
また、吸着式ヒートポンプ1iの作動時に、伝熱板64が多孔質体71bの内部にある吸着質と熱交換し、伝熱板64が吸収した冷熱は容器91と第2熱交換器13を介して外部に放出される。吸着式ヒートポンプ1iの作動時に、伝熱板64は多孔質体71の空孔内に存在する気体の吸着質と熱交換する。伝熱板64が多孔質体71bの隅々に保持された液体の吸着質と容易に熱交換できるため、吸着質と第2熱交換器13との熱交換効率が高い。
図17A〜17Cを用いて、第8実施形態の吸着式ヒートポンプ1iの製造方法を説明する。なお、以下の説明において、第6実施形態のヒートポンプ1hの製造方法と同様の部分については説明を省略する。
まず、図17Aに示されるように、多孔質プレート81a、81bで伝熱板63及び64を挟み、伝熱板63及び64を挟んだ多孔質体71bを作成する。第6実施形態の製造方法と異なる点は、後工程で角管状の容器91の内部に配置される際、伝熱板63及び64が容器91に接するような形状及び大きさに作成することである。このため金属板63及び64の端部は露出している。
次いで、図17Bに示されるように、多孔質体71bと、多孔質体71aとを順に積層した多孔質体71を作成する。サイズの異なる多孔質体71aと多孔質体71bとを重ね合わせることにより、フィン状の突起61、62を備える多孔質体を得ることができる。
次いで、図17C示されるように、フィン状の突起61、62を備える多孔質体71を角管状で熱伝導性の高い金属などで形成された容器91に収める。容器91に収められた伝熱板63、64は、容器91と接触している。容器91において、伝熱板63が接触した部分の近傍に第1熱交換器11が設けられ、伝熱板64が接触した部分の近傍に第2熱交換器13が設けられる。
第8実施形態の吸着式ヒートポンプに関する上記製造方法によれば、毛細管現象により吸着質を内部に保持することが可能な第1流路として用いられる多孔質体の空孔の周囲に、第1熱交換器11として機能する伝熱板を容易に配置することができる。また、フィン状の突起61に伝熱板を埋め込まれるため、得られる吸着式ヒートポンプの動作時において、吸着質と第1熱交換器11及び第2熱交換器13の一部としてそれぞれ機能する伝熱板63及び伝熱板64との熱交換効率を向上させることができる。
上記実施形態によれば、ヒートポンプの小型化、及び熱交換の高効率化を図ることができる。上記実施形態のヒートポンプは、自動車やコンピュータなど、低温廃熱を発生する中・小型機械類に広く搭載することが可能である。その結果、廃熱利用による省エネルギー、環境負荷の低減といった効果を期待できる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
上記第1〜第3実施形態において、それぞれ、吸着剤31及び32の代わりに、冷媒と化学反応して反応物を形成することによりその冷媒を蓄積し、その反応物を加熱すると冷媒を放出するような物質を用いてもよい。このような物質として、冷媒が水のとき、例えば、酸化カルシウム(CaO)が挙げられる。酸化カルシウムは水和反応し、水酸化カルシウム(Ca(OH))を生成する。反応物である水酸化カルシウムは、加熱により脱水反応し、酸化カルシウムを生成する。なお、水和反応で生じる発熱は温熱としても利用可能である。このように、冷媒と化学物質との可逆反応を利用したヒートポンプは、一般に化学式(ケミカル)ヒートポンプと呼ばれる。
1a〜1g ヒートポンプ
2 液体の吸着質
11 第1熱交換器
11a 流入口
11b 流出口
12 第1流路
13 第2熱交換器
13a 流入口
13b 流出口
14、15 吸着器
16 凝縮室
17〜19 隔壁
21〜24 バルブ
31、32 吸着剤
33、34 管状部材
41 吸収器
42 再生器
43、44 流路
45 ポンプ
46 管状部材
47 吸収剤
51 管状部材
52 多孔質体
61、62 突起
63,64 伝熱板
71、71a、71b 多孔質体
81a、81b 多孔質プレート
91 容器

Claims (9)

  1. 冷媒を蓄積する物質が配置され、該冷媒を放出するために該物質を加熱する加熱手段を備える冷媒蓄積器と、
    前記冷媒蓄積器に一端が接続され、前記冷媒蓄積器にて前記物質から放出された前記冷媒を毛細管現象により保持する流路と、
    前記冷媒蓄積器と前記流路との間及び/又は前記流路の周囲に設けられ、前記冷媒を凝縮させるために前記冷媒と熱交換を行う第1熱交換器と、
    前記流路の周囲に設けられ、前記流路の他端から前記冷媒が蒸発することで生じる冷熱を交換する第2熱交換器と
    を有することを特徴とするヒートポンプ。
  2. 前記流路が管状部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ。
  3. 前記第1熱交換器は、前記冷媒が前記流路内で凝縮するように、前記流路の周囲に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプ。
  4. 前記流路は多孔質部材により形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートポンプ。
  5. 前記第2熱交換器は前記多孔質部材を貫通する管状部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項4に記載のヒートポンプ。
  6. 前記第1熱交換器は前記多孔質部材を貫通する管状部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のヒートポンプ。
  7. 前記多孔質部材の一端及び/又は他端にそれぞれフィン状の突起部を設けることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のヒートポンプ。
  8. 前記第1熱交換器は、前記多孔質部材の一端に設けた前記フィン状の突起部に接していることを特徴とする請求項7に記載のヒートポンプ。
  9. 前記第2熱交換器は、前記多孔質部材の他端に設けた前記フィン状の突起部に接していることを特徴とする請求項7又は8に記載のヒートポンプ。
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