JPWO2010090088A1 - 基材作製方法、ナノインプリントリソグラフィ方法及び型複製方法 - Google Patents

基材作製方法、ナノインプリントリソグラフィ方法及び型複製方法 Download PDF

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Abstract

型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造の転写が可能で転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現可能な基材作製方法、この基材作製方法を用いたナノインプリントリソグラフィ方法及び型複製方法を提供する。この基材作製方法は、転写型11に被転写材からなる硬化した層を形成し、硬化した被転写材層12の表面に、前記被転写材層の表面と物理的相互作用によって密着可能な表面を有する基材13を重ね合わせることで密着させ、密着により一体化させた被転写材層及び基材と、転写型と、を分離することで、被転写材層が転写された基材を作製する。

Description

本発明は、転写型の型構造を基材に転写する基材作製方法、この基材作製方法を用いたナノインプリントリソグラフィ方法及び型複製方法に関する。
ナノインプリントリソグラフィは、型の微細構造を型押しして転写するリソグラフィであり、簡便で安価な方法でありながら10nm程度の解像度があるといわれている(非特許文献1参照)。従来の一般的なナノインプリントリソグラフィの工程を図15に示す。
図15のように、基材102に紫外線硬化性樹脂103をスピンコート法等により塗布する(a)。次に、微細な凹凸構造等からなる微細構造101aを有する型101で樹脂層103を押圧しながら紫外線を照射し樹脂層103を硬化させた後(b)、離型を行い、硬化した樹脂層103を型101から分離する(c)。次に、基材102上の樹脂層103の残膜104をアッシングで除去し(d)、次に、基材102にエッチング加工を施すことで基材102を除去加工し(e)、最終的に樹脂層103を完全に除去し、型101の微細構造101aに対応した微細構造105を有する基材102を作製する(f)。
上述のように紫外線硬化性樹脂を用いるナノインプリント方法を一般に、光ナノインプリント法、または、UV(紫外線)ナノインプリント法と呼ぶ。また、図15において、樹脂として熱可塑性樹脂を用い、加熱・押圧することで型101の微細構造101aを転写する方法でもよく、これを熱ナノインプリント法と呼ぶ。
特許文献1は、被加工物の撓みに起因したインプリント時の影響を軽減するために、被加工材を支持部で部分的に支持してプレスするインプリント装置、インプリント方法及びチップの製造方法を開示する。
特許文献2は、均一に加重をかけるために、型と保持具の間にシーリングガスケットを有しそれらによって形成される圧力キャビティに静的なガス圧を与えて型と基板間に圧力を加える方法を開示する。
特許文献3は、モールドにポリマーコートを塗布し、ポリマーコートをモールドから適当な温度及び圧力状態の基板に転写して、所望のマイクロ/ナノ構造をその上に有するインプリント基板を形成する方法を開示する。例えば、基板への転写は、所望の圧力及び温度で加熱液圧プレス内で行われ(請求項16)、例えば、約90℃の温度及び約5MPaの圧力で行われる(請求項30)。
特開2007−19479号公報 米国特許7144539号 特表2005−524984号公報 特開2004−103817号公報
S.Y.Chou,P.R.Kraussand P.J.Renstrom,Science.85,272(1996)
図15及び特許文献1,2のいずれの場合でも、比較的大面積で微細構造を転写しようとすると図16のような問題が発生する。すなわち、型101や基材102の平面度(μmオーダー)、保持した時の型101や基材102のたわみ(μmオーダー)、及び、型101と基材102との相対的な位置関係(チルト)はそれぞれ微細構造(nmオーダー)に比べて大きいため、図16のように、樹脂層103において微細構造を転写できる領域Aとできない領域Bが発生し、転写の面内不均一性が生じてしまう。また、転写されたとしても残膜104の厚さに面内分布が発生し、そのまま、図15の後工程(d)(e)(f)を進めると、基材102に形成される微細構造105の凹凸に深さのばらつき等の不具合が生じてしまう。
例えば、一般的に基材として使われるシリコンウエハの平面度(PV)は、5μm程度(測定エリア径50mm)であり、また、一般的に型として使われる石英ウエハも平面度は同程度である。したがって、一般的な基材及び型を用いた場合、nmオーダーの微細構造を転写する際には上述の図16のような転写の面内不均一性や残膜厚の面内分布等の問題が生じ易い。
特許文献1における被加工材を部分的に支持してプレスして、保持時のたわみの影響を軽減する方法は、基本的に半導体チップの製造を目的としたもので、チップサイズは20mm角程度である。また、型や基板の平面度の影響を改善するものではない。
また、特許文献2におけるガス圧による押圧では保持したときのたわみの影響や型と基材の相対的な位置関係の悪さによるプレス圧の均一性は向上するが、基材や型の平面度を補正する程の圧力は発生しない。
特許文献3の方法は、モールドに塗布したポリマーコートをモールドから適当な温度及び圧力状態の基板に転写するので、モールドと基板の平面性の個体差によって良好な密着状態を再現することが難しい。また、適当な温度及び圧力状態の基板に転写するため、温度、圧力、保持時間の制御を同時に行う必要があり、工程を分けることができないので、スループットを上げることが難しく、生産性の向上を図り難い。また、加熱液圧プレスが必要なため大面積の転写を行う場合は、装置が大型化してしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造の転写が可能で転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現可能な基材作製方法、この基材作製方法を用いたナノインプリントリソグラフィ方法及び型複製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による基材作製方法は、転写型に被転写材からなる硬化した層を形成し、前記硬化した被転写材層表面に、前記被転写材層の表面と物理的相互作用によって密着可能な表面を有する基材を重ね合わせ、密着により一体化させた被転写材層及び基材と、前記転写型と、を分離することで、前記被転写材層が転写された基材を作製することを特徴とする。
この基材作製方法によれば、転写型上の硬化した被転写材層に基材を重ね合わせることで、被転写材層表面と基材表面とが物理的相互作用によって互いに吸着するので、被転写材層と基材との間に接着材等を介在させずに被転写材層と基材とを密着させることができる。この密着した被転写材層及び基材を一体にして転写型から分離できるため、被転写材層が転写された基材を得ることができる。また、転写型上に硬化した被転写材層を形成し、その硬化した被転写材層と基材とを一体にして転写型から分離するので、転写型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造の転写が可能である。さらに、転写型と基材を保持した状態で加重を行わないので、転写型や基材を保持したときのたわみや転写型と基材との位置関係(チルトなど)に起因する転写の面内不均一性及び転写材層の残膜厚の面内分布の発生を未然に防止できる。これにより、型構造を精度よく転写した基材を低コストで作製することができる。
上記基材作製方法において前記基材及び前記被転写材層が常温常圧の状態または常温減圧の状態で前記基材及び前記被転写材層の各平面の平面性によらずに前記各平面にならって互いに吸着する。
前記転写型は微細構造を有し、前記微細構造を前記被転写材層の前記基材と密着する表面とは反対側の、もう一方の表面に転写する。微細構造としては、周期的な凹凸構造等がある。
前記被転写材は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、フォトレジスト、電子ビームレジスト及びSOG(スピンオンガラス(spin on glass))から選ばれる少なくともいずれか1つの材料を含むことが好ましい。
前記転写型に前記被転写材を塗布した後に硬化させることで前記被転写材層を形成することができる。この場合、前記被転写材の塗布を、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法及びバーコート法のうちのいずれかにより行うことが好ましい。なお、被転写材を塗布する際には主に膜厚によってコーティング方法を選び、膜厚がnm〜μmオーダーの場合、スピンコート法やスプレーコート法が適しており、それ以上の場合にバーコート法が適している。また、モノマーやオリゴマーからなる単分子膜レベルの超薄膜を塗布する場合はディップコート法が適している。
また、前記塗布した被転写材について、紫外線硬化、熱硬化及び溶剤揮発のうちの少なくともいずれか1つにより硬化処理を行うことが好ましい。複数の硬化法を組み合わせてもよく、例えば、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を溶剤で希釈して使用する場合、加熱処理で溶剤を揮発させた後、紫外線硬化処理または熱硬化処理を行う。
また、前記転写型に前記被転写材層を蒸着、蒸着重合、CVD及びスパッタリングのうちのいずれかにより形成するようにしてもよい。
前記転写型は、シリコン、石英、SOG、樹脂及び金属のうちの少なくとも1つから構成されることが好ましい。
前記基材は、石英、ガラス、シリコン、樹脂及び金属のうちの少なくとも1つから構成されることが好ましく、これらの複合材料であってもよい。
前記基材と前記被転写材層との間の密着力が前記被転写材層と前記転写型との間の密着力よりも大きくなるように前記基材、前記被転写材及び前記転写型の各材料を組み合わせることで、被転写材層及び基材と転写型との分離を安定して行うことができる。
また、前記基材と前記被転写材層との間の密着力が前記被転写材層と前記転写型との間の密着力よりも大きくなるように前記基材及び前記被転写材層の密着する各表面の少なくとも一方に対し前記密着前に前処理を行うことで、被転写材層及び基材と転写型との分離を安定して行うことができる。この場合、前記前処理は、UVオゾン処理、プライマー処理、酸素アッシング処理、帯電処理、窒素プラズマ処理及び洗浄処理の内のいずれかであることが好ましい。
前記基材と前記被転写材層との密着後に、所定時間放置、加熱処理、静電気吸着処理及び加圧処理のうちの少なくともいずれかを実行してから、前記分離を行うことで、基材と被転写材層との間の密着性を大きくできる。
本発明におけるナノインプリントリソグラフィ方法は、上述の基材作製方法により作製した基材について被転写材層をマスクとしてリソグラフィ加工を行うことを特徴とする。
このナノインプリントリソグラフィ方法によれば、転写型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造を転写でき、転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現でき、被転写材層の精度が向上するので、精度のよいリソグラフィ加工が可能となる。なお、前記被転写材層について残膜除去後に前記リソグラフィ加工を行うことが好ましい。
本発明における別のナノインプリントリソグラフィ方法は、上述の基材作製方法により作製した基材の被転写材層を用いて別の基材に別の被転写剤層を転写し、前記別の基材について別の被転写材層をマスクとしてリソグラフィ加工を行うことを特徴とする。
このナノインプリントリソグラフィ方法によれば、転写型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造を転写でき、転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現でき、被転写材層の精度が向上するので、精度のよいリソグラフィ加工が可能となる。また、別の被転写材層をリソグラフィ加工に適合した材料に替えることができ、リソグラフィ加工法を安定して実行可能となる。
本発明における型複製方法は、上述の基材作製方法により被転写剤層が転写された基材を用いて転写型を複製することを特徴とする。
この型複製方法によれば、転写型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造を転写でき、転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現でき、被転写材層の精度が向上するので、転写型を精度よく複製することができる。また、転写型は、その作製にコストがかかり、高価なものであるが、精度のよい複製型を低コストで作製することができる。
上記型複製方法において前記被転写材層が転写された基材を2代目型とすることができる。
また、前記被転写材層が転写された基材を第2の転写型として用いて第2の基材に第2の被転写剤層を転写し、前記第2の基材を用いて3代目型を作製することができる。
なお、本明細書では、「転写」の用語を、被転写材層が基材と一体になって基材側に移ること、及び、型構造(微細構造)が被転写材層の表面に形成されること、の両方の意味で用いている。
同じく、「平面性」は、幾何学的平面からの外れのことで、平面性の度合い(平面度:面の歪の最大値(山)と最小値(谷)の高低差)と、平面性の類型(そり方、うねり方)と、を意味する。
本発明の基材作製方法によれば、転写型や基材の平面性によらず、基材側の全面に型構造の転写が可能で転写の面内均一性及び被転写材層の残膜厚の面内分布の均一性を実現できる。
第1の実施形態による基材作製方法の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。 図1の基材作製方法の各工程(c)(d)(f)をより詳しく説明するために示す型と基材の側面図(a)〜(c)である。 図1,図2の樹脂層12と基材13との自己吸着作用を説明するために2つの基材が互いに吸着しあう様子を模式的に示す側面図である。 図1,図2の基材作製方法において樹脂層が基材に転写される原理を説明するための図である。 自己吸着の前処理実行前におけるシリコン(型)と樹脂と基材との間の密着力Fa,Fbを説明するための図である。 第2の実施形態による自己吸着の前処理(第1例)を説明するための図である。 図6と同じく自己吸着の前処理(第2例)を説明するための図である。 第2の実施形態による各材料の組み合わせ(第3例)を説明するための図である。 第3の実施形態によるナノインプリントリソグラフィ方法の各工程(a)〜(i)を説明するための図である。 第4の実施形態における転写型のSOGによる3代目型の作製方法(第3例)の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。 第4の実施形態における転写型のSOGによる3代目型の作製方法(第4例)の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。 第4の実施形態における転写型の石英による3代目型の作製方法(第5例)の各工程(a)〜(h)を説明するための図である。 実施例1で被転写材を転写した基材表面の微細形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2で転写型から複製した型表面の微細形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。 従来のナノインプリントリソグラフィの工程(a)〜(f)を示す図である。 図15及び特許文献1,2の従来方法で発生する問題を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施形態〉
図1は第1の実施形態による基材作製方法の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。図2は図1の基材作製方法の各工程(c)(d)(f)をより詳しく説明するために示す型と基材の側面図(a)〜(c)である。図1,図2を参照しながら、本実施形態による基材作製方法を説明する。なお、図1,図2及び後述の各図では、型の微細凹凸構造や型・基材の厚さや平面度等が誇張して描かれている。
図1(a)のように、シリコンウエハからなり微細凹凸構造10を有する転写型11を用意し、転写型11の微細凹凸構造10のある面にスピンコート法により被転写材として紫外線硬化性樹脂を塗布し、被転写材層である樹脂層12を形成する。樹脂層12はスピンコート法により均一な厚さに精度よく形成される。
なお、転写型11は、例えば電子ビーム描画によりレジストマスクを作製し、エッチング加工によりシリコンウエハに微細な凹凸を形成することで得ることができるが、この方法に限定されるものではない。
次に、図1(b)のように、樹脂層12に対し紫外線ランプ16から紫外線を照射することで樹脂層12を全面的に硬化させる。これにより、転写型11上に硬化した樹脂層12を均一で精度のよい厚さに形成できる。なお、被転写材の樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合は、図1(b)の工程において紫外線照射ではなく、加熱処理により樹脂層12を硬化させる。また、被転写材として電子ビームレジストまたはフォトレジストを用いた場合は図1(b)の工程でベイク処理によって溶媒を揮発させることで樹脂層12を硬化させる。
次に、図1(c)、(d)のように、転写型11上の硬化した樹脂層12に石英からなる薄膜状の基材13をセットし、重ね合わせることで密着させる。このとき、樹脂層12と基材13との間には接着材等を介在させなくとも樹脂層12と基材13とが互いに吸着(自己吸着)する。
次に、図1(e)の樹脂層12と基材13を加熱する。これにより、樹脂層12と基材13との密着性を向上させる。この場合、加熱温度は用いた樹脂のガラス転移点以上が好ましい。
次に、樹脂層12と基材13が室温まで冷却した後に、図1(f)のように、樹脂層12及び基材13を転写型11から分離させることで離型する。
上述の各工程(a)〜(f)により、樹脂層12を基材13に転写させることができ、樹脂層12と基材13の密着面とは反対側の表面に転写型11の微細凹凸構造10が転写されて形成された微細凹凸構造17のある樹脂層12を有する基材15を作製できる。樹脂層12の微細凹凸構造17は、転写型11の微細凹凸構造10の凹凸を反転させた構造となる。
本実施形態の基材作製方法によれば、次のような効果を奏する。
(1)図2(a)のように、転写型11や基材13が数μm程度の平面性を有していても、転写型11の微細凹凸構造10のある面に樹脂を塗布して硬化させることで樹脂層12を形成した後に、図2(b)のように基材13を密着させてから、その樹脂層12を基材13とともに転写型11から分離するので、図2(c)のように樹脂層12の全面に転写型11の微細凹凸構造10を転写でき、微細凹凸構造10の転写が面内で均一に行われる。また、図1(f)、図2(c)の樹脂層12に転写されて形成された微細凹凸構造17の凹部の残膜14の厚さは面内全体で均一である。
(2)転写型11に形成した樹脂層12と基材13とは、密着の際に、図2(b)のように、基材13及び樹脂層12が常温常圧で基材13及び樹脂層12の各平面の平面性によらずに各平面にならって互いに吸着(自己吸着)することで、樹脂層12と基材13とが一体になるので、樹脂層12と基材13を転写型11から分離させて離型でき、樹脂層12を基材13に転写できる。
(3)転写型11及び基材13を保持した状態でのプレスによる加重を行わないので、基材13を保持したときのたわみや転写型11と基材13との位置関係(チルトなど)に起因する転写の面内不均一性及び残膜厚の面内分布の発生を未然に防止できる。
(4)スピンコート法で塗布された樹脂層12は、均一で精度のよい厚さを有するが、その状態で硬化させるので、転写型11の微細凹凸構造10が転写されて硬化した樹脂層12は厚さの均一性と精度を保つことができる。
(5)樹脂層12(被転写材層)と基材13を、各平面の平面性によらず各平面にならって互いに吸着(自己吸着)することで密着させることができるため、型や基材の大きさに制限がない。また、密着工程において押圧が不要なので、通常のナノインプリント法で不可欠の大型のプレス機が不要である。また、自己吸着の速度は速く、4インチの型と基板との密着にかかる時間は数秒であり、スループットを考えた時に密着工程が律速にならないので、生産性への影響はない。
(6)従来技術のように凹凸パターンを有する型を樹脂等に対して押圧して転写する場合、型の凹部に樹脂が進入する際に凹部内に気体が封入されることによって、所定のパターンが形成されないことがあり、例えば特許文献4ではその問題を解決するために、押圧力下で液化する気体雰囲気下でインプリントすることで欠陥の発生を防止しているのに対し、本実施形態の基材作製方法によれば、被転写材は押圧によって充填させるのではなく、塗布によって充填させるため、特許文献4のような気体雰囲気で行う等の工夫を行わなくても転写型の凹部にすき間なく充填することができ、型形状に忠実な被転写材層を得ることができる。
(7)以上のように、樹脂層12と基材13とを重ね合わせるだけで密着させることができるので、転写型11の微細凹凸構造10を精度よく転写した基材を低コストで作製することができる。
次に、図1(d)、図2(b)における転写型11上の樹脂層12と基材13との物理的相互作用について図3を参照しながら説明する。図3は、図1,図2の樹脂層12と基材13との自己吸着作用を説明するために2つの基材が互いに吸着しあう様子を模式的に示す側面図である。
二つの基材C,Dを貼り合せるために重ねると、それぞれの平面性が異なるので、重ね合わせた初期は二つの基材C,Dの間にはある距離が存在し、ニュートン縞が見える状態となるが、ある時間が経過すると(または1箇所に力をかけて接触させると)、図3のように、基材C,Dは、部分Eで部分的に接触した状態になる。この状態ができると、接触部分Eの近傍において、基材C,D間で分子間力に由来する引力a,b,c(基材C,D間の距離が短い順からa>b>c)が働くことで、互いに相手側の基材C,Dを変形させながら、または、相対的に変形しやすい基材C,Dが変形しながら、接触領域が徐々に拡大していき、最終的に全面が密着した状態となる。
以上のように、二つの基材C,Dを重ね合わせると、上述の物理的相互作用によって互いに自己吸着し、全面が密着する。
次に、図1における好ましい態様について三例(1)〜(3)を説明する。
(1)図1において、自己吸着させる基材と被転写材層の互いの面は平坦であることが好ましく、平坦度として、平均表面粗さが中心線平均粗さRaで1nm以下であることが好ましい。なお、この場合のRaは被転写材表面の面粗さであって、微細構造に由来した凹凸成分は含まない。
(2)図1(d)における自己吸着工程は、大気圧下(常圧)で行ってよいが、真空下で行うことで被転写材層と基材との間に気泡をはらむことがなくより密着性向上に寄与するので、真空(減圧)状態で行うことがより好ましい。
(3)図1において自己吸着させる被転写材層と基材の互いの面は、分子間力によって変形できる程度の剛性を有することが好ましい。
〈第2の実施形態〉
第2の実施形態は、図1,図2において樹脂層12と基材13との間の吸着力を大きくするために前処理を行うか(図6,図7)または各材料を選択し組み合わせるもの(図8)である。
図4は図1,図2の基材作製方法において樹脂層が基材に転写される原理を説明するための図である。図5は前処理実行前におけるシリコン(型)と樹脂と基材との間の密着力Fa,Fbを説明するための図である。図6は本実施形態による前処理(第1例)を説明するための図である。図7は、同じく前処理(第2例)を説明するための図である。図8は、本実施形態による各材料の組み合わせ(第3例)を説明するための図である。
図1,図2において樹脂層(被転写材層)を基材に転写するのに必要なプロセスは、図4(a)のように被転写材層12を転写型11に塗布し硬化する工程、図4(b)のように自己吸着によって基材13と貼り合わせる工程、及び図4(c)のように離型する工程、である。
図4(b)において、被転写材層12と基材13との界面における密着力をFa,転写型11と被転写材層12との界面における密着力をFbとすると、Fa>Fbの場合は、図4(c)のように、転写型11上の樹脂を基材側へ転写することができる。逆に、Fa<Fbの場合、図4(d)のように、被転写材層12は転写型11に残ったままとなり転写することができない。
図5のように、例えば、型材料がシリコン(Si)で、被転写材がアクリル樹脂で、基材がガラスである場合、普通に貼り合わせただけでは、いずれの界面においても、密着力Fa,Fbは、−OH基と−CHとの相互作用によるものとなり、Fa≒Fbとなるため、安定して転写することができない。
そこで、本実施形態では、次の第1例〜第3例のようにして、Fa>Fbを実現している。
第1例は、図6のように、型材料をシリコン(Si)とし、被転写材をアクリル樹脂とし、基材をガラスとした場合、前処理として樹脂表面にUVオゾン処理を施すものである。かかる前処理によって、樹脂表面に−OH基が配向し、ガラス基材の−OH基と静電的相互作用によって密着力Faが増し、Fa>Fbになる。なお、この工程の後に加熱工程や押圧工程や所定時間の放置をすることによって、−OH、−OHの分子間距離をより小さくすることができ、さらに密着力Faを大きくできる。
第2例は、図7のように、図6と同様に型材料をシリコン(Si)とし、被転写材をアクリル樹脂とし、基材をガラスとした場合、前処理としてガラス(基材)表面にプライマー処理を施すものである。ガラス表面上に−CH基の配向するようなプライマー層を形成する前処理を行うことで、密着力Faが増し、Fa>Fbになる。いずれの表面も−CHとなるため、分子間のなじみがよい状態となり、分子間距離が小さくなって、大きな分子間力が働くためと考えられる。なお、この工程の後に加熱工程や押圧工程や所定時間の放置をすることによって、−CH、−CHの分子間距離をより小さくすることができ、さらに密着力Faを大きくできる。
第3例は、図8のように、型材料を樹脂とし、被転写材をSOG(スピンオンガラス)とし、基材をガラスとした場合は、SOG表面の−OH基と、ガラス基材の−OH基との静電的相互作用によって密着力Faが大きくなるので、前処理を行わなくてもFa>Fbになる。
なお、本例においても密着工程の後に加熱工程や押圧工程や所定時間の放置をすることによって、−OH、−OHの分子間距離をより小さくすることができ、さらに密着力を大きくできる。また、転写型と、被転写材と、基材との各材料を適宜組み合わせることにより、基材と被転写材層との密着力FaをFbよりも大きくできる。
上述の図6,図7のように、基材と被転写材層(樹脂層)との密着性をより強固にするために前処理を行うことが効果的であり、これにより、基材と被転写材層と、転写型との離型を安定して行うことができる。例えば、かかる表面活性化処理として、UVオゾン処理やエキシマランプ処理や酸素アッシング処理やアルカリ洗浄とアルコール洗浄との洗浄処理のいずれかを行うことで、樹脂表面と無機材料表面との密着性が増す。また、無機材料にプライマー処理として例えばアクリル系のシランカップリング剤によりガラスへ成膜処理を行うことで樹脂表面との密着性を増すことができる。上述の前処理方法は、基材と被転写材とに用いる各材料に応じて適当な前処理方法を選択することが好ましい。
また、第3例のように、基材と被転写材との材料の組み合わせによって前処理を特に行わずに基材と被転写材層(樹脂層)との密着性をより強固にすることができる。
〈第3の実施形態〉
第3の実施形態は、第1または第2の実施形態による基材作製方法を用いて行うナノインプリントリソグラフィ方法である。図9は第3の実施形態によるナノインプリントリソグラフィ方法の各工程(a)〜(i)を説明するための図である。
図9(a)〜(f)の各工程は、図1(a)〜(f)の基材作製方法の各工程に対応し同様であるので、それらの説明は省略する。なお、図6〜図8と同様にして基材と樹脂層(被転写材層)との密着性を増大させることが好ましい。
図9(f)の離型により、基材13と密着した樹脂層12を有する基材15を得るが、基材15の樹脂層12は、転写型11の微細凹凸構造10が反転されて形成された微細凹凸構造17を有する。
次に、図9(g)のように、基材13上の微細凹凸構造17のある樹脂層12にアッシング処理を行うことで、微細凹凸構造17の凹部の残膜14を除去する。この残膜14の除去により図の破線のように基材13の凹部底面が露出するとともに、樹脂層12の微細凹凸構造17の凸部が低くなる。
次に、図9(h)のように、基材13に対して図9(g)の樹脂層12をマスクとしてエッチング加工を行うことで基材13を加工し、樹脂層12の樹脂18が残っているが、さらにエッチング加工を行うことで、図9(i)のように、基材13に微細凹凸構造17に対応した微細凹凸構造19を形成した基材20を得る。
上述のようにして転写型11の微細凹凸構造10を反転させた樹脂からなる微細凹凸構造17を有する基材15を用いて、転写型11の微細凹凸構造10を反転させた微細凹凸構造19を基材13上に形成した基材20を得ることができる。
なお、図9(d)の自己吸着工程の前に、樹脂層12の表面に対し酸素アッシング処理等を行うことで、樹脂層12の表面を活性化させるとともに樹脂層12を薄膜化するようにしてもよい。これにより、図9(d)の自己吸着工程での樹脂層12とガラスからなる基材13との密着性を増大させるとともに、樹脂層12の厚さを薄くすることで図9(g)の残膜除去工程に要する時間を短縮化できる。
本実施形態のナノインプリントリソグラフィ方法によれば、転写型11や基材13の平面性によらず、基材13側の全面に転写型11の微細凹凸構造10を転写でき、転写の面内均一性及び残膜14の厚さの面内分布の均一性を実現でき、被転写材層12の精度が向上し、基材13上に形成される微細凹凸構造19の精度がよくなる。
また、樹脂層12の残膜14の厚さは面内全体で均一であるので、図9(g)のアッシング処理により残膜14は均一に一様に除去される。このため、図9(h)のエッチング加工において基材13が一様に均一に加工されるため、基材13上に形成される微細凹凸構造19の精度がよくなる。
〈第4の実施形態〉
第4の実施形態は、第1または第2の実施形態による基材作製方法を用いて転写型の複製を得る方法である。本実施形態による第1例〜第5例について説明する。
第1例は、転写型の2代目型を、図9(a)〜(i)と同様の工程で作製するものである。すなわち、図9(a)の転写型11を1代目とし、基材13として例えば石英を用いることで図9(i)で得た基材20が石英からなる2代目型である。
第2例は、転写型の2代目型を、図9(a)〜(f)と同様の工程で作製するものである。すなわち、図9(a)の転写型11を1代目とし、図9(f)の離型工程で、微細凹凸構造17が形成された樹脂層12を基材13上に有する基材15を得るが、この基材15が樹脂による2代目型である。
上述と同様にして、図9(a)で被転写材として例えばSOGを用いてSOG層を形成し、図9(f)で離型することで、微細凹凸構造17が形成されたSOG層を基材13上に有する基材15を得る。この基材15がSOGによる2代目型である。
さらに、上述の樹脂層やSOG層の被転写材層が転写された基材13を第2の転写型として、第2の基材及び第2の被転写材を用いて再度同一の工程を繰り返すことで、微細凹凸構造が形成された基材を得ることができるが、この基材を3代目型としてもよい。
第3例は、図10のように、転写型の3代目型を転写材としてSOGを用いて作製するものである。図10は、本実施形態における転写型のSOGによる3代目型の作製方法(第3例)の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。
第3例では、図9(a)〜(f)と同様の各工程を経て離型工程まで至る。すなわち、図10(a)のように、図9(f)と同様に転写型11から基材13と密着した樹脂層12を離型する。基材13上の樹脂層12には、転写型11の微細凹凸構造10が反転され微細凹凸構造17が転写されている。
次に、図10(b)のように、樹脂層12を有する基材15を第2の転写型として用い、樹脂層12上に第2の被転写材としてSOGをスピンコート法で塗布し、被転写材層としてSOG層21を形成する。次に、図10(c)のように、SOG層21の上にガラスからなる第2の基材22を上述と同様に自己吸着させることで密着させる。
次に、加熱処理を行うことで図10(d)のSOG層21と基材22との密着性を大きくする。その後、SOG層21と基材22が室温まで冷却した後に、図10(e)のように、SOG層21と基材22を樹脂層12から分離させることで離型する。
図10(f)のように、ガラス基材22上のSOG層21には樹脂層12の微細凹凸構造17が反転された微細凹凸構造23が転写されており、微細凹凸構造23を有する型24を得る。すなわち、型24は、転写型11→樹脂層12→SOG層21の順で微細凹凸構造が転写されているので、3代目型となる。
上述のようにして、微細凹凸構造23が形成されたSOG層21とガラス基材22とから構成された転写型11の3代目型24を得ることができる。
第4例は、図11のように、転写型のSOGによる3代目型を第3例とは別の方法で作製するものである。図11は、本実施形態における転写型のSOGによる3代目型の作製方法(第4例)の各工程(a)〜(f)を説明するための図である。
第4例では、図9(a)〜(f)と同様の各工程を経てから、樹脂層12を有する基材15を第2の転写型とし、図10(b)と同様の工程で第2の転写材層としてSOG層を形成する。すなわち、図11(a)のように、樹脂層12の上にSOG層21を形成する。
次に、図11(b)のように、SOG層21の上にシリコンからなる第2の基材25を上述と同様に自己吸着させることで密着させる。次に、図11(c)のように樹脂層12から基材13を分離させて離型する。
次に、図11(d)の樹脂層12を剥離やアッシング処理や溶剤処理等により除去する。これにより、図11(e)のように、SOG層21に樹脂層12の微細凹凸構造17が反転された微細凹凸構造26が転写されており、微細凹凸構造26を有する3代目型27を得る。
上述のようにして、微細凹凸構造26が形成されたSOG層21とシリコン基材25とから構成された転写型11の3代目型27を得ることができる。
なお、第4例では、基材13を樹脂から構成し、図11(c)の離型工程を省略し、図11(d)の樹脂除去工程で基材13と樹脂層12とを一体に除去するようにしてもよい。
第5例は、図12のように、転写型の石英による3代目型を作製するものである。図12は、本実施形態における転写型の石英による3代目型の作製方法(第5例)の各工程(a)〜(h)を説明するための図である。
第5例では、図9(a)〜(f)と同様の各工程を経てから、樹脂層12を有する基材15を第2の転写型とし、図10(b)、図11(a)と同様の工程で第2の転写材層としてSOG層を形成する。すなわち、図12(a)のように、樹脂層12の上にSOG層21を形成する。
次に、図12(b)のように、樹脂層12の上に形成されたSOG層21の表面に対しエッチング処理を行うことで薄膜化し、SOG層21をその表面21aが樹脂層12の微細凹凸構造17の凸部表面17aの近くになるまで薄くする。
次に、図12(c)のように、SOG層21の表面21aにシリコンからなる第2の基材25を上述と同様に自己吸着させることで密着させる。次に、図12(d)のように樹脂層12から基材13を分離させて離型する。
次に、図12(e)の樹脂層12を剥離やアッシング処理や溶剤処理等により除去する。これにより、図12(f)のように、基材25上にSOG層21の凸部が残る。
次に、図12(g)のように、図12(f)のシリコン基材25に対しSOG層21をマスクとしてエッチング処理を行うことでシリコン基材25を加工し、SOG層21の残部があるが、さらにエッチング加工を行うことで、図12(f)のように、樹脂層12の微細凹凸構造17に対応した微細凹凸構造28をシリコン基材25に形成した3代目型29を得る。
上述のようにして、微細凹凸構造28が基材25に形成された転写型11の3代目型29を得ることができる。
なお、第5例では、基材13を樹脂から構成し、図12(d)の離型工程を省略し、図12(e)の樹脂除去工程で基材13と樹脂層12とを一体に除去するようにしてもよい。
また、図12の方法によれば、基材25に微細凹凸構造28を形成するので、図12による方法は、ナノインプリントリソグラフィ方法の1つとして実行可能である。
本実施形態の型複製方法によれば、転写型11や基材13の平面性によらず、基材側の全面に転写型11の微細凹凸構造10を転写でき、転写の面内均一性及び残膜厚の面内分布の均一性を実現でき、被転写材層の精度が向上するので、転写型を精度よく複製することができる。また、転写型(1代目)は、その作製にコストがかかり、高価であるが、精度のよい複製型(2代目、3代目)を低コストで作製することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
転写型材料はシリコンウエハ(4インチ、厚さ0.525mm、平面度PV=5μm(有効径50mm))を用いた。転写型に電子ビーム描画によってレジストマスクを作製し、ドライエッチングによって、周期的に微細な凹凸のある微細形状を掘り込んだ。この微細形状は構造周期620nm、ホール径310nm、構造深さ200nmのホールアレイ構造である。
この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。この被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで被転写材表面を活性化(−OH配向)した。この被転写材に基材として石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV2μm(有効径50mm))を貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで、図13のように基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写することができた。図13に、実施例1で被転写材を転写した基材表面の微細形状の走査型電子顕微鏡写真を示す。
(変形例1)
実施例1の変形例として、転写型材料として石英ガラスやパイレックス(登録商標)ガラスなどその他のガラス、SOG(スピンオングラス)、また、その複合材料(ガラスの上にSOGが塗布されたもの)を用いた場合でも、実施例1と同様に転写できた。
また、被転写材料として、EB(電子ビーム)レジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも同様に転写が可能であった。
また、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)もしくはアルカリ+アルコール洗浄(0.1%NaOH浸漬5分、IPA浸漬1分)のいずれの処理を行った場合でも同様に転写できた。さらに、上記の表面活性化処理の後に窒素プラズマ処理(ICPエッチング装置、5Pa、150W、30秒cm、1分)を行うことで、さらに接着性を向上することも可能であった。
(実施例2)
転写型材料はシリコンウエハ(4インチ、厚さ0.525mm、平面度PV=5μm(有効径50mm))を用いた。転写型に電子ビーム描画によってレジストマスクを作製し、ドライエッチングによって微細形状を掘り込んだ。この微細形状は構造周期620nm、ホール径310nm、構造深さ200nmのホールアレイ構造である。
この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。基材としてポリイミド樹脂基材(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV5μm(有効径50mm))を使用した。この基材と被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで基材及び被転写材表面を活性化(−OH配向)した。基材と被転写材を自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで、基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。
(変形例2)
実施例2の変形例として、転写型材料として石英ガラスやパイレックス(登録商標)ガラスなどその他のガラス、SOG(スピンオングラス)、またその複合材料(ガラスの上にSOGが塗布されたもの)を用いた場合でも実施例2と同様に転写できた。
また、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)もしくはアルカリ+アルコール洗浄(0.1%NaOH浸漬5分、IPA浸漬1分)のいずれの処理を行った場合でも同様に転写できた。さらに、上記の表面活性化処理の後に窒素プラズマ処理(ICPエッチング装置、5Pa、150W、30秒cm、1分)を行うことでさらに接着性を向上することも可能であった。
(実施例3)
転写型材料は樹脂(石英上のアクリル系紫外線硬化性樹脂に微細形状を形成したもの)を用いた。この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。この被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで被転写材表面を活性化(−OH配向)した。これに石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV2μm(有効径50mm))を貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。
(変形例3)
実施例3の変形例として転写型材料はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも、実施例3と同様に転写できた。
また、転写型材料として射出成形によって作製したポリカーボネート製のものを使用しても同様に転写できた。
また、被転写材はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂でも同様に転写できた。
また、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)のいずれの処理を用いた場合でも同様に転写できた。上記の表面活性化処理の後に窒素プラズマ処理(ICPエッチング装置、5Pa、150W、30秒cm、1分)を行うことでさらに接着性を向上することも可能であった。
さらに、基材としてパイレックス(登録商標)ガラスなどのその他のガラス、SOG、シリコン、またその複合材料(ガラスの上にSOGが塗布されたもの)を用いた場合でも同様に転写できた。
(実施例4)
転写型材料は樹脂(石英上のアクリル系紫外線硬化性樹脂に微細形状を形成したもの)を用いた。この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。基材としてポリイミド樹脂(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV5μm(有効径50mm))を用いた。この基材と被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで基材と被転写材表面を活性化(−OH配向)した。基材と被転写材を自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。
(変形例4)
実施例4の変形例として転写型材料はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも同様に転写できた。
また、転写型材料として射出成形によって作製したポリカーボネート製のものを使用しても同様に転写できた。
また、被転写材はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂でも同様に転写できた。
さらに、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)のいずれの処理でも同様に転写できた。
(実施例5)
転写型材料は樹脂(石英上のアクリル系紫外線硬化性樹脂に微細形状を形成したもの)を用いた。この転写型に被転写材としてSOG(東京応化工業製OCD T−12)をスピンコート法で塗布した(6000rpm、30秒)。この被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで被転写材表面を活性化(−OH配向)した。これに石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV2μm(有効径50mm))を貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。なお、本実施例で使用したSOGはスピンコート処理後ただちに溶媒が揮発し硬化が完了する。溶媒が揮発し難いSOGを用いた場合はベイク処理を行うことで溶媒揮発を行って硬化させてもよい。
(変形例5)
実施例5の変形例として転写型材料はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも同様に転写できた。
また、転写型材料として射出成形によって作製したポリカーボネート製のものを使用しても同様に転写できた。
また、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)のいずれの処理でも同様に転写できた。さらに上記の表面活性化処理の後に窒素プラズマ処理(ICPエッチング装置、5Pa、150W、30秒cm、1分)を行うことでさらに接着性を向上することも可能であった。
さらに、基材としてはパイレックス(登録商標)ガラスなどのその他のガラス、SOG、シリコンまたその複合材料(ガラスの上にSOGが塗布されたもの)を用いても同様に転写できた。
(実施例6)
転写型材料は樹脂(石英上のアクリル系紫外線硬化性樹脂に微細形状を形成したもの)を用いた。この転写型に被転写材としてSOG(東京応化工業製OCD T−12)をスピンコート法で塗布した(6000rpm、30秒)。基材材料としてポリイミド樹脂基材(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV5μm(有効径50mm))を用いた。被転写材表面と基材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで被転写材表面と基材表面を活性化(−OH配向)した。基材と被転写材を自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。
(変形例6)
実施例6の変形例として転写型材料はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも同様に転写できた。
また、転写型材料として射出成形によって作製したポリカーボネート製のものを使用しても同様に転写できた。
また、表面活性化処理として、エキシマランプ処理(2分)もしくは酸素アッシング(ICPエッチング装置5Pa、150W、30sccm、1分)のいずれの処理でも同様に転写できた。さらに上記の表面活性化処理の後に窒素プラズマ処理(ICPエッチング装置、5Pa、150W、30秒cm、1分)を行うことでさらに接着性を向上することも可能であった。
(実施例7)
転写型材料は樹脂(石英上のアクリル系紫外線硬化性樹脂に微細形状を形成したもの)を用いた。この転写型に被転写材としてSOG(東京応化工業製OCD T−12)をスピンコート法で塗布した(6000rpm、30秒)。基材材料として石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV=2μm(有効径50mm))を用いた。この基材材料表面と被転写材料表面にプライマー処理(信越化学KBM503、3000rpm、30秒スピンコート→100℃、1分間熱処理)を施した。基材と被転写材を自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写できた。
(変形例7)
実施例7の変形例として転写型材料はEBレジスト、フォトレジスト、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いた場合でも同様に転写できた。
また、転写型材料として射出成形によって作製したポリカーボネート製のものを使用しても同様に転写できた。
また、基材としてはパイレックス(登録商標)ガラスなどのその他のガラス、SOG、シリコンまたその複合材料(ガラスの上にSOGが塗布されたもの)でも同様に転写できた。
(実施例8)
実施例8は、プロセスを2回繰り返すことで転写型を複製したものである。転写型材料はシリコンウエハ(4インチ、厚さ0.525mm、平面度PV=5μm(有効径50mm))を用いた。転写型に電子ビーム描画によってレジストマスクを作製し、ドライエッチングによって微細形状を掘り込んだ。この微細形状は構造周期620nm、ホール径310nm、構造深さ200nmのホールアレイ構造である。この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。この被転写材表面にUVオゾン処理(UV光源:低圧水銀ランプ、処理時間:2分)を行うことで被転写材表面を活性化(−OH配向)した。これに石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV=2μm(有効径50mm))を貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写した。
この石英上に転写された樹脂の構造を第2の転写型として用い、第2の被転写材としてはSOG(東京応化工業製OCD T−12)を用い、第2の転写型にスピンコート法で塗布した(6000rpm、30秒)。第2の基材として石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV=2μm(有効径50mm))を用い、第2の被転写材と自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写することで、図14のように、転写型の微細形状を転写した型を複製し、転写型の3代目型を得ることができた。図14に、実施例2で転写型から複製した型表面の微細形状の走査型電子顕微鏡写真を示す。
(実施例9)
実施例9はナノインプリントリソグラフィへの応用である。転写型材料はシリコンウエハ(4インチ、厚さ0.525mm、平面度PV=5μm(有効径50mm))を用いた。転写型に電子ビーム描画によってレジストマスクを作製し、ドライエッチングによって微細形状を掘り込んだ。微細形状は構造周期620nm、ホール径310nm、構造深さ200nmのホールアレイ構造である。この転写型に被転写材としてアクリル系紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業製PAK02)をスピンコート法で塗布した(3000rpm、60秒)。その後、窒素雰囲気下で、ピーク波長365nmの紫外線を1分間照射することで紫外線硬化性樹脂を硬化させた。この手法で転写型上に被転写材が約1μm成膜された。この被転写材表面に酸素アッシング処理を4分間行うことで、樹脂の厚みを50nmと薄膜化するとともに表面を活性化させた。これに石英ガラス(3インチ、厚さ0.6mm、平面度PV=2μm(有効径50mm))を貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写した。
この石英上の被転写材を再び酸素アッシング10秒行うことで被転写材の残膜を除去し、石英を露出させた。石英について被転写材をマスクとしてドライエッチング(ICPエッチング装置、CHF3ガス、1分)を行うことで石英に微細形状を掘りこんだ。この微細形状は構造周期620nm、ピラー径310nm、構造深さ200nmであった。
(変形例8)
上記実施例1〜9及び変形例1〜7では接着性を増強する為に自己吸着後に加熱処理を行っているが、所定時間放置(12時間)することでも同様に転写できた。
(変形例9)
上記実施例1〜9及び変形例1〜7では接着性を増強する為に自己吸着後に加熱処理を行っているが、加圧処理(4MPa、1分)することでも同様に転写できた。
(変形例10)
上記実施例1〜9及び変形例1〜7では接着性を増強する為に自己吸着後に加熱処理を行っているが、静電処理(基板間に1000V印加、30秒)することでも同様に転写できた。
(変形例11)
上記実施例1〜9及び変形例1〜10では自己吸着させる基材と被転写材層の互いの面は分子間力によって変形できる程度の剛性であることが好ましいが、互いの面がテンパックスガラス基板の場合、外形と厚さを変えて実験した結果、表1のような結果となった。基材と被転写材層の外径と厚さの組み合わせは、表1の吸着できる範囲(○で示す)であることが好ましい。
(実施例10)
上記実施例及び変形例では常温常圧の状態で基材と被転写材との貼り合わせを行ったが、本実施例では基本的な条件を実施例1と同様にし、貼り合わせ工程において気泡をはらむ可能性をなくし、歩留まりを向上させるために10Paの真空チャンバ内において常温で貼り合わせ、自己吸着力(分子間力)によって全面を密着させた。その後、大気圧下で基材への密着性向上のために加熱処理(120℃、20秒)を行った。その後、室温まで冷却し離型を行うことで基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写することができた。
(実施例11)
本実施例では基本的な条件を実施例1と同様にし、転写材の形成方法を蒸着とした。転写型に被転写材層としてPMMA(ポリメタクリレート)を真空蒸着によって200nm成膜した。これ以外の工程は、実施例1と同様にして基材表面に微細形状を持つ被転写材を転写することができた。
以上のように本発明を実施するための形態及び実施例・変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、転写型に被転写材層を蒸着、蒸着重合、CVDまたはスパッタリングにより形成するようにしてもよいが、被転写材の材料としては、樹脂以外の材料も使用可能である。また、蒸着、蒸着重合、CVDまたはスパッタリングにより被転写材層を形成した場合、転写型の微細構造の影響により被転写材層の表面に凹みが現れることもあるが、かかる凹みが生じても図3で説明したような被転写材層と基材との自己吸着作用が発揮される範囲内であれば問題はない。
また、材料によっては溶剤揮発によって硬化処理を行うことができる。フォトレジスト、電子線レジスト、SOGは溶剤揮発によって硬化が進行する。例えば、電子線レジストであるZEP520A(日本ゼオン)はポリスチレン系共重合物のアニソール溶液であり、これをスピンコートによって塗布した後、加熱処理によって溶剤を揮発することによって硬化した薄膜を得ることができる。例えば、無機SOGであるOCD T−12(東京応化工業)はハイドロシロキサンポリマーのプロピレングリコールジメチルエーテル溶液であり、これをスピンコートによって塗布した後、溶剤を揮発することによって硬化した薄膜を得ることができる(実際は溶媒が飛びやすいので塗布したら直ちに溶媒が揮発して硬化している)。また、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂は硬化前の主成分が重合物の前駆体の場合は、それぞれ紫外線照射、熱処理のみによって硬化する。薄膜を形成したい用途では紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を溶剤で希釈して使用する。この場合はスピンコート後、加熱処理によって溶剤を揮発させ、その後、紫外線硬化処理、熱硬化処理をそれぞれ行う。例えば、紫外線硬化性樹脂であるPAK−01(東洋合成工業)はアクリル樹脂の前駆体であり、種々の希釈率のものが市販されている。これらはスピンコートによって塗布した後、溶剤を揮発させ、紫外線を照射することによって硬化した薄膜を得ることができる。
また、実施例10のように基材と被転写材との貼り合わせ工程を真空チャンバ内において減圧状態で行う場合、加熱工程、離型工程を真空チャンバ内で、減圧状態で行ってもよい。
本発明の基材作製方法により、転写型の型構造を転写した基材を転写精度よく作製でき、目的に応じた各種の微細凹凸型構造を形成した基材を低コストで製造することができる。かかる基材を用いて、ハードディスク等のパターンドメディアやディスクリートメデア、光ディスク、マイクロレンズアレイ、グレーティングレンズ、回折格子等を精度よく製造することができ、また、ナノインプリントリソグラフィ方法及び転写型の複製方法を精度よく実行できる。
10 微細凹凸構造
11 転写型
12 樹脂層、被転写材層
13 基材
14 残膜
15 基材
17、19、23、26、28 微細凹凸構造
20 基材
21 SOG層、被転写材層
22、25 基材

Claims (20)

  1. 転写型に被転写材からなる硬化した層を形成し、
    前記硬化した被転写材層表面に、前記被転写材層の表面と物理的相互作用によって密着可能な表面を有する基材を重ね合わせ、
    密着により一体化させた被転写材層及び基材と、前記転写型と、を分離することで、前記被転写材層が転写された基材を作製することを特徴とする基材作製方法。
  2. 前記重ね合わせを常温常圧の状態で行うことを特徴とする請求項1に記載の基材作製方法。
  3. 前記重ね合わせを常温減圧の状態で行うことを特徴とする請求項1に記載の基材作製方法。
  4. 前記転写型は微細構造を有し、該微細構造を前記被転写材層の前記基材と密着する表面とは反対側の、もう一方の表面に転写することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  5. 前記被転写材は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、フォトレジスト、電子ビームレジスト及びスピンオンガラス(SOG)から選ばれる少なくとも1つの材料を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  6. 前記転写型に前記被転写材を塗布した後に硬化させることで前記被転写材層を形成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  7. 前記被転写材の塗布を、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法及びバーコート法のうちのいずれかにより行うことを特徴とする請求項6に記載の基材作製方法。
  8. 前記塗布した被転写材について、紫外線硬化、熱硬化及び溶剤揮発のうちの少なくともいずれか1つにより硬化処理を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の基材作製方法。
  9. 前記転写型に前記被転写材層を蒸着、蒸着重合、CVD及びスパッタリングのうちのいずれかにより形成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  10. 前記転写型は、シリコン、石英、SOG、樹脂及び金属のうちの少なくとも1つから構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  11. 前記基材は、石英、ガラス、シリコン、樹脂及び金属のうちの少なくとも1つから構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  12. 前記基材と前記被転写材層との間の密着力が前記被転写材層と前記転写型との間の密着力よりも大きくなるように前記基材、前記被転写材及び前記転写型の各材料を組み合わせることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  13. 前記基材と前記被転写材層との間の密着力が前記被転写材層と前記転写型との間の密着力よりも大きくなるように前記基材及び前記被転写材層の密着する各表面の少なくとも一方に対し前記重ね合わせの前に前処理を行うことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  14. 前記前処理は、UVオゾン処理、プライマー処理、酸素アッシング処理、帯電処理、窒素プラズマ処理及び洗浄処理の内のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の基材作製方法。
  15. 前記基材と前記被転写材層との密着後に、所定時間放置、加熱処理、静電気吸着処理及び加圧処理のうちのいずれかを実行してから、前記分離を行うことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の基材作製方法。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の基材作製方法により作製した基材について被転写材層をマスクとしてリソグラフィ加工を行うことを特徴とするナノインプリントリソグラフィ方法。
  17. 請求項1から15のいずれか1項に記載の基材作製方法により作製した基材の被転写材層を用いて別の基材に別の被転写剤層を転写し、前記別の基材について別の被転写材層をマスクとしてリソグラフィ加工を行うことを特徴とするナノインプリントリソグラフィ方法。
  18. 請求項1から15のいずれか1項に記載の基材作製方法により被転写剤層が転写された基材を用いて転写型を複製することを特徴とする型複製方法。
  19. 前記被転写材層が転写された基材を2代目型とすることを特徴とする請求項18に記載の型複製方法。
  20. 前記被転写材層が転写された基材を第2の転写型として用いて第2の基材に第2の被転写剤層を転写し、前記第2の基材を用いて3代目型を作製することを特徴とする請求項18に記載の型複製方法。
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