JPWO2010087447A1 - 微粉砕医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、経口吸収性が改善された、難溶性の薬物を含んでなる組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。本発明によれば、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールのような難溶性の薬物および親水性界面活性剤を含んでなる微粉砕組成物が提供される。本発明によれば、また、難溶性の薬物および親水性界面活性剤を溶媒中で分散後、高圧ホモジナイザーにより粉砕することを特徴とする本発明による微粉砕組成物の製造方法が提供される。

Description

本発明は、難溶性の薬物と親水性界面活性剤を含んでなる微粉砕組成物に関し、詳細には、難溶性の薬物である22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールと界面活性剤とを含んでなる微粉砕組成物および製剤学上許容される高分子化合物を更に含んでなる微粉砕組成物に関する。
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールは、大豆の胚軸に含まれているソヤサポゲノールBを出発原料として、合成された医薬品である。主に肝疾患治療剤として開発された医薬用化合物である(例えば、特許文献1参照)。
本化合物は水や有機溶媒に対して溶けにくい性質をもっており、製剤学的工夫を施さなければ、ヒト等の体内への吸収が期待できない難溶性の化合物である。
難溶性薬物の経口吸収を改善する方法としては、非晶質化、固体分散体、シクロデキストリンやコール酸などの包接化合物による包接化により、吸収性の改善が試みられている(例えば、非特許文献1および2参照)。また、自己乳化を起こす基材と混合して溶解性を改善させる方法も知られている。
また、溶解性の低い結晶性薬物に非架橋表面変性剤を加え、機械的手段で粉砕媒体を用いて粉砕することが開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、難溶性薬物とポリビニルピロリドンおよびドデシル硫酸ナトリウムを粉砕媒体による乾式粉砕により微粒子を製造することが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、これらの粉砕方法では、粉砕媒体を用いて薬物を粉砕させるため、熱の発生による薬物の分解や使用する媒体の削れによる異物が発生する。また、粉砕時に静電気が発生するため、粉砕した薬物が凝集してしまい、必要とする粒子径の薬物が得られない。そのため、上記の粉砕方法では医薬品を製造することができない。
特許第3279574号公報 特許第3602546号公報 特開2004−99442号公報
「最近の製剤技術とその応用I」医薬ジャーナル社発行、p.157−159、1983年 「最近の製剤技術とその応用II」医薬ジャーナル社発行、p.158−162、1985年
上記の経口吸収を改善する方法を、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールのような難溶性の薬物の粉砕に試みたものの、当該化合物の安定性や溶解性あるいは服用性などの点において、満足できるものが得られていない。
このような技術的背景において、本発明者らは、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールを、特定の界面活性剤を用いて、湿式で粉砕させることで、製造工程中粒子同士の凝集が起きず、且つ、粒度分布が狭く微細な粒子が得られ、しかも経時的にも粒子同士の凝集を起こさない物理化学的安定性に優れた組成物を製造できることを見出した。本発明者らは、また、特定の高分子化合物を更に用いることで、造粒工程において、粒子同士の凝集を起こさない微細な粒子を含む組成物を製造できることを見出した。本発明者らは、更に、これらの組成物が高い溶出性と高い経口吸収性を示すことを見出した。本発明は上記知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、経口吸収性が改善された、難溶性の薬物を含んでなる組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)難溶性の薬物および親水性界面活性剤を含んでなる組成物。
(2)難溶性の薬物がトリテルペン誘導体またはその薬学上許容される塩である、上記(1)に記載の組成物。
(3)難溶性の薬物が22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールまたはその薬学上許容される塩である上記(1)に記載の組成物。
(4)親水性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルまたはポリソルベートである上記(1)または(2)に記載の組成物。
(5)高分子化合物を更に含んでなる上記(1)または(2)に記載の組成物。
(6)高分子化合物が水溶性高分子である上記(5)に記載の組成物。
(7)水溶性高分子がポリビニルピロリドンまたはヒプロメロースである上記(6)に記載の組成物。
(8)親水性界面活性剤の添加量が、トリテルペン誘導体1gに対して10〜400mgである上記(1)または(2)に記載の組成物。
(9)高分子化合物の添加量が、トリテルペン誘導体1gに対して30〜800mgである上記(5)に記載の組成物。
(10)22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの累積50%粒子径が1.5μm以下であり、かつ、累積90%粒子径が3.0μm以下である上記(3)に記載の組成物。
(11)22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの累積50%粒子径が1.0μm以下であり、かつ、累積90%粒子径が2.0μm以下である上記(3)に記載の組成物。
(12)難溶性の薬物および親水性界面活性剤を溶媒中で分散後、高圧ホモジナイザーにより粉砕することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
(13)難溶性の薬物および親水性界面活性剤を溶媒中で分散させ、高圧ホモジナイザーによる粉砕後、更に高分子化合物を溶解させることを特徴とする上記(5)に記載の組成物の製造方法。
(14)難溶性の薬物が22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールまたはその薬学上許容される塩である、上記(12)または(13)に記載の製造方法。
(15)上記(12)〜(14)のいずれか一項に記載の製造方法により製造することができる、難溶性の薬物および親水性界面活性剤を含んでなる組成物。
本発明の組成物は、凝集しない均質な粒子の薬物を含んでなるものであり、消化管内で高い溶出性を示すとともに、高い吸収性を有するため、血中濃度を大幅に引き上げることができる。従って、本発明の組成物によれば難溶性の薬物について高い治療効果を期待することができる。
高圧ホモジナイザーで粉砕した原薬(実施例1)およびジェットミルで粉砕した原薬(比較例1)の溶出試験結果を示したグラフである。 粉砕して得られた懸濁液中の原薬粒子の累積50%粒子径について、5℃(□)、15℃(○)および25℃(▲)における経時安定性の結果を示したグラフである。 粉砕して得られた懸濁液中の原薬粒子の累積90%粒子径について、5℃(□)、15℃(○)および25℃(▲)における経時安定性の結果を示したグラフである。 実施例5の細粒および比較例2の細粒の溶出試験結果を示したグラフである。 異なる賦形剤を用いて製造した錠剤(実施例6〜8)の溶出試験結果を示したグラフである。 高圧ホモジナイザーで粉砕した原薬により製造した実施例4の細粒(●)および比較例2の細粒(□)のイヌによる経口吸収性試験の結果を示したグラフである。 高圧ホモジナイザーで粉砕した原薬により製造した実施例4の細粒(●)および実施例6の錠剤(△)のイヌによる経口吸収性試験の結果を示したグラフである。
発明の具体的説明
本発明で用いられる難溶性の薬物とは、水への溶解度が低い薬物をいい、25℃の水における溶解度が0.1mg/mL未満のものをいう。本発明の難溶性の薬物としては、特許第3279574号公報に記載されているトリテルペン誘導体が挙げられ、その中で、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールが好ましい。
トリテルペン誘導体は下記式(I)で表すことができる。
Figure 2010087447
[式中、
は水酸基、
1−6アルコキシ、
1−6アルキルカルボニルオキシ、または
置換されていてもよいアラルキルオキシを表し、
はC1−6アルキル、
−CHOR(ここで、Rは、水素原子、C1−6アルキル、置換されていてもよいアラルキル、またはC1−6アルキルカルボニルを表す)、
ホルミル、
−COOR(ここで、Rは水素原子、またはC1−6アルキルを表す)、または
−CHN(R)R(ここで、RおよびRは、同一または異なり、水素原子またはC1−6アルキルを表す)を表し、あるいは
およびRは互いに結合して、−O−CR(R10)−OCH−(ここで、RおよびR10は同一または異なり、水素原子、C1−6アルキル、またはアリールを表す)を表し、
およびRは、同一または異なり、
水素原子、
水酸基、
1−6アルキル、
ヒドロキシC1−6アルキル、
ホルミル、
−COOR11(ここで、R11は水素原子またはC1−6のアルキルを表す。)、または
−OR12(ここで、R12はC1−6アルキル、置換されていてもよいアラルキル、C1−6アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、C2−6アルケニル、C2−6アルケニルカルボニル、または置換されていてもよいアリールアルケニルカルボニルを表す)
を表し、あるいは
およびRは一緒になってメチレン基を表し、
式中の−−−は、単結合または二重結合を表すが、但し、二重結合を表す場合は、Rは存在しない。]
本明細書において、基または基の一部としての「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖状のいずれをも意味する。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチルなどが挙げられる。また、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味するものとする。更に、基または基の一部としての「アリール」とは好ましくはフェニル、ナフチル、トリル、メトキシフェニルなどを意味するものとする。また、基または基の一部としての「アラルキル」とは、好ましくはフェニルC1−4アルキル、より好ましくはベンジル、フェネチルなどを意味するものとする。また、「アリール」または「アラルキル」上の一以上の水素原子、好ましくは一または二個の水素原子は置換されていてもよく、置換基の具体例としては水酸基、C1−6アルコキシ(好ましくはC1−4アルコキシ、より好ましくはメトキシ)、ハロゲン原子、アミノ、ジメチルアミノ、アセトキシ、メチレンジオキシ、ニトロが挙げられる。置換されたそれらの基の例としては、メトキシフェニル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニル、およびジメトキシフェニルが挙げられる。
式(I)において、Rが表すC1−6アルコキシは、好ましくはC1−4アルコキシであり、より好ましくはメトキシ、エトキシである。その具体例としてはメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。C1−6アルキルカルボニルは、好ましくはC1−4アルキルカルボニルであり、その具体例としてはアセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル等が挙げられる。また、Rが表すアラルキルオキシは、好ましくはベンジルオキシ、フェネチルオキシ、メチルベンジルオキシ、ナフチルメチルオキシが挙げられる。
また、式(I)において、Rが表す−CHORは、好ましくは−CHOH、−CHO−C1−4アルキル、−CHO−(フェニルC1−4アルキル)、または−CHO−CO−C1−4アルキルであり、より好ましくはヒドロキシメチルである。また、Rが表す−COORは好ましくは−COO−C1−6アルキルおよびCOOHである。
さらに、式(I)において、RおよびRは互いに結合して、−O−CR(R10)−OCH−を形成してもよい。ここで、RおよびR10は同一または異なり、水素原子、C1−6アルキル、またはアリールを表す。その好ましい例としては、RおよびR10がともにC1−6アルキル、好ましくはC1−4アルキル、より好ましくはメチル、エチルを表す場合、またはRおよびR10の何れか一方が水素原子であり、他方がアリール、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、またはフェナントリル、である場合が挙げられる。
式(I)において、RまたはRが表すC1−6アルキルは、好ましくはC1−4アルキル、より好ましくはメチル、エチルである。また、RおよびRが表すヒドロキシC1−6アルキルは、好ましくはヒドロキシC1−4アルキル、より好ましくはヒドロキシメチルである。
式(I)において、RまたはRが表す−COOR11は、好ましくは−COOHまたは−COO−C1−4アルキルを表す。
更に式(I)において、RまたはRが表す−OR12におけるR12はC1−6アルキル、アラルキル、C1−6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C2−6アルケニル、C2−6アルケニルカルボニル、またはアリールアルケニルカルボニルを表す。ここで、C2−6アルケニルは好ましくはC2−4アルケニルであり、その具体例としてはビニル、プロペニル、アリル、ブテニル、2−メチルプロペニル、ペンテニル、ヘキセニルなどが挙げられる。また、アラルキルの例としてはベンジル、フェネチル、メチルベンジル、ナフチルメチル、フェニルプロピル等が挙げられる。C1−6アルキルカルボニルは好ましくはC1−4アルキルカルボニルであり、その具体例としてはアセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどが挙げられる。また、アリールカルボニルの好ましい例としてはベンゾイル基、ナフチルカルボニルなどが挙げられる。また、C2−6アルケニルは好ましくは、C2−4アルケニルカルボニルであり、その具体例としてはアクリロイル、アリルカルボニル、ブテノイルなどが挙げられる。さらに、C2−6アルケニルカルボニルは好ましくはC2−4アルケニルカルボニルである。アリールアルケニルカルボニルの具体例としては、シンナモイル、フェニルブテノイルなどが挙げられる。
また、RおよびRは一緒になってメチレン基を表していてもよい。
さらに、式(I)において−−−は、単結合または二重結合を表す。
また、式中の−−−が二重結合を表す場合は、好ましくはRは水素原子を表し、Rは−CHOHを表すか、またはRおよびRは互いに結合して−O−CR(R10)−OCH−(ここで、RおよびR10は前記と同義である)を表し、Rは水素原子を表す。
式(I)の化合物には、種々の異性体が存在するが、本発明はその異性体およびそれらの混合物のいずれをも包含するものである。また、式(I)中の他の基に起因する異性体の存在も考えられるが、これらの異性体およびその混合物も式(I)に包含されるものである。
式(I)の化合物は好ましくは下記の式(I−1)で表される立体配置を有する。
Figure 2010087447
トリテルペン誘導体は薬学上許容される塩の形態で本発明の組成物に使用されてもよい。トリテルペン誘導体の塩は、トリテルペン誘導体に製薬学的に許容される塩基を作用させることにより容易に塩とすることができる。好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ならびにピペラジン、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、およびトリメチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
薬物を粉砕する方法としては、粉砕時の状態から見た場合、乾式と湿式の2つの方法に大きく分けられる。粉砕時には粒子同士が擦れあうため、静電気が発生する。特に乾式粉砕では静電気の発生により粉砕機等への付着や粉砕された粒子同士が再度凝集してしまう二次凝集を引き起こし、粉砕した原薬粒子の粒度が大きくなってしまうため、所定の薬物粒子の粒子径を得ることができない。また、その粉砕した薬物を保管している間にも更に凝集が進むため、乾式粉砕は好ましい方法ではない。粒度が大きくなるということは、消化管内での薬物の吸収性が低下することを指し、製品として一定の品質が保てないことにつながる。また、凝集しやすいことは製造装置等への付着等につながり、収率を低下させたり、製造中のハンドリングを悪くさせたりする。そのため、経時的に保存しておいても粒度が変化しないことが製剤学上重要な因子である。
一方、湿式粉砕では乾式粉砕のような不具合がないため、本発明で用いる粉砕方法として適している。しかし、湿式粉砕でも溶液の中では粉砕された粒子が凝集することから、湿式粉砕は凝集を起こさないようにする完全な方法ではない。
後記実施例に示されるように、特定の界面活性剤を湿式粉砕に使用することによって薬物の粒子が凝集を起こさず、物理化学的に安定性が保たれることが判明した。すなわち、特定の界面活性剤を添加剤として加えることで、湿式粉砕でも凝集を起こさない所望の粒子径の粒子を得ることができる。
本発明で用いられる界面活性剤としては、親水性界面活性剤が望ましい。その中でも好ましくは、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベートなどが挙げられる。本発明で用いる原薬の水への分散性および経時的な物理化学的安定性を考慮すると、ラウリル硫酸ナトリウムがより好ましい。
すなわち、本発明の態様の一つである組成物は、難溶性の薬物と上記界面活性剤からなる懸濁液である。
本発明で用いられる界面活性剤の添加量は、薬物の水への分散性並びに懸濁液の粘性と流動性の観点から、本発明で用いる薬物1gに対して、10〜400mgとすることができ、好ましくは50〜200mgであり、より好ましくは50〜100mgである。
本発明の組成物の濃度は、状況に応じて、固形分の量を適時調整することができるが、湿式粉砕工程の円滑な実施および収率の観点から、懸濁液中の原薬の固形分として5〜50%とすることができ、好ましくは25〜40%である。
本発明で用いることができる粉砕機としては、懸濁液を循環させながら、微細なスリットの間を原薬が通過するときに、高圧をかけることにより、せん断力やキャビテーションの作用により微粉砕させる高圧ホモジナイザー、懸濁液中に種々の材質や大きさのビーズを混入し攪拌することにより、ビーズの衝突等により微粉砕する湿式ビーズミル、懸濁液をクリアランスの非常に狭い、高速回転する2枚のディスク間に送液することにより発生する高速度せん断力の作用により微粉砕させる超精密粉砕機などを用いることができる。
本発明で使用する粉砕機としては、異物の発生がない点において、高圧ホモジナイザーが最も適している。高圧ホモジナイザーの機種としては、特に限定されないが、この高圧ホモジナイザーによる粉砕条件は、薬物の粉砕量に応じて適宜調整することが可能である。高圧ホモジナイザーの処理圧力は150〜200MPaが好ましく、170〜200MPaがより好ましく、190〜200MPaが特に好ましい。また、そのときの処理回数は、20〜40回が好ましく、25〜30回がより好ましい。
本発明の組成物の製造方法は次の通り行うことができる。すなわち、はじめに界面活性剤を水などの溶媒に溶解させ、その中に薬物を投入して、通常の攪拌機により薬物を分散させる。その分散させた溶液を、高圧ホモジナイザーを用いて粉砕することによって本発明の組成物を製造することができる。
本発明の組成物に含まれる薬物の粒子は、累積50%粒子径が1.5μm以下であり、累積90%粒子径が3.0μm以下であることが好ましい。より好ましいは、累積50%粒子径が1.0μm以下であり、累積90%粒子径が2.0μm以下である。なお、本発明では、粒度分布を分析する粉体集団の全体積を100%として累積カーブを求めたときに、その累積カーブが50%および90%となる点の粒子径をそれぞれ「累積50%粒子径」および「累積90%粒子径」(μm)とする。
この粉砕により得られる薬物の粒子の粒子径は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定機により測定することができる。具体的には、日機装株式会社販売のマイクロトラック(商標名)などを用いるのが好ましい。
本発明の組成物は、製造工程中で凝集を起こさないことを特長の一つとする。ここでいう「凝集を起こさないこと」とは、懸濁液中では薬物の粒子が沈殿しない、仮に沈殿したとしても、その沈殿物を再分散した後も湿式粉砕後の粒子径を維持していること、粉末状態では懸濁液を乾燥させた薬物の粒子径が湿式粉砕後の粒子径を維持していることをいう。
粉砕工程から造粒工程へ移る場合に、懸濁液の状態で一定時間そのまま保管される場合がある。そのような場合であっても、本発明の組成物および懸濁液は、保存温度5〜25℃では凝集を起こさず、物理化学的な安定性を保持する。
また、本発明の別な態様の組成物としては、高分子化合物を更に含んでなる本発明の組成物あるいは本発明の懸濁液が挙げられ、そのような組成物や懸濁液は顆粒の形態で提供することができる。
本発明の顆粒は、本発明で得られる懸濁液から製造することができる。この懸濁液を造粒あるいは乾燥することによって、薬物の顆粒を得ることが出来るが、そのまま造粒や乾燥を行うと懸濁液中の薬物の粒子が造粒時・乾燥時に凝集を起こし、目的としていた粒子径よりも遥かに大きな粒子径になってしまうため、湿式粉砕を行ったことが意味をなさなくなる。そのため、造粒時・乾燥時に凝集を起こさないように本発明の顆粒を製造することが望ましい。
上記の凝集を起こさない有効な方法としては、造粒前に特定の高分子化合物を本発明の懸濁液に添加する方法が挙げられる。これにより、粉砕した薬物の粒子は凝集を起こさず、薬物の粒子径が一定に保持される。この高分子化合物は造粒や乾燥前の段階で本発明の懸濁液に溶解して混合しておくことが望ましい。
本発明の粒子で用いられる高分子化合物としては、水溶性高分子が望ましい。その中でも好ましくは、ポリビニルピロリドン、ヒプロメロースなどのポリビニル系高分子やセルロース系高分子が挙げられる。
本発明で用いられる高分子化合物の添加量は、本発明の原薬1gに対して、30〜800mgであり、好ましくは30〜200mgであり、より好ましくは50〜100mgである。
また、本発明の組成物に、更に薬学的に許容される担体を配合することにより、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、液剤などの経口投与できる製剤を製造することができる。これらの製剤は常法の方法により製造することができる。
薬学的に許容される担体としては、製剤で使用される医薬品添加物を用いることができる。具体的には、賦形剤、崩壊剤、結合剤、分散剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤などが挙げられる。必要に応じて、甘味剤、防腐剤、着色剤、香料などを適宜配合することもできる。
賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、部分アルファ化デンプンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドンなどが挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。分散剤としては、軽質無水ケイ酸、カルメロースナトリウム、キサンタンガムなどが挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。
コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、メタクリル酸コポリマーLDなどが挙げられる。
可塑剤としては、トリアセチン、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。
甘味剤としては、アスパルテーム、キシリトール、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸、ステビアエキスなどが挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
着色剤としては、リボフラビン類または黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、食用黄色5号、食用青色2号等の食用色素、食用レーキ色素等などが挙げられる。
香料としては、果実系香料、果皮系香料、樹皮系香料、種子系香料、枝葉系香料、花系香料などの天然香料、または、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、シスジャスミン、シス−3−ヘキセノールなどの合成香料などが挙げられる。
本発明の組成物の投与量は患者の年齢、体重、状態あるいは疾患の程度などにより異なるが、難溶性の薬物がトリテルペン誘導体である場合には通常成人1日当たり25〜800mg(有効成分)であり、経口投与によって服薬することができる。
本発明の組成物は医薬組成物として難溶性の薬物の適応疾患の治療および予防に用いることができる。本発明の組成物の有効成分がトリテルペン誘導体である場合には、本発明による組成物は、肝疾患や鉄過剰症の治療および予防剤として用いることができる。肝疾患としては、急性および慢性ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、並びに薬物性、中毒性、アルコール性、肝内胆汁うっ滞性、および先天性代謝異常性の肝障害が挙げられる。ここで、「肝炎」および「肝障害」とは肝臓の炎症性疾患を意味し、症状の進行によっては脂肪肝、肝硬変、肝細胞癌をも含む概念として用いることとする。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:原薬の粉砕
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬(製造元:明治製菓株式会社、累積50%粒子径:約50μm、累積90%粒子径:約100μm)3.0kg、ラウリル硫酸ナトリウム0.3kgおよび精製水6.7kgをそれぞれ30:3:67の重量比で分散させた水溶液を、高圧ホモジナイザー(機種:マイクロフルイダイザー、製造元:マイクロフルイデックス社)により、表1に示す粉砕条件(処理圧力および処理回数)で粉砕し、懸濁液を得た。この懸濁液の原薬の粒度を、粒度分布測定機(製造元:日機装株式会社、機種:マイクロトラックX100)により、累積50%粒子径および累積90%粒子径を測定した。その結果を表1に示した。
Figure 2010087447
比較例1:原薬の粉砕
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬(製造元:明治製菓株式会社、累積50%粒子径:約50μm、累積90%粒子径:約100μm)14kgを、ジェットミル(製造元:日本ニューマチック工業、機種:ジェットミルPJM−100)により、0.54MPaの条件下で粉砕した。粉砕して得られた原薬の粒子径について、0.01%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に粉砕された原薬を分散させて、粒度分布測定機(製造元:日機装株式会社、機種:マイクロトラックX100)により、累積50%粒子径を測定した。その結果、粉砕した原薬の累積50%粒子径は2.5μmであった。
実施例2:溶出試験(1)
実施例1(粉砕条件3)で製造した懸濁液および比較例1で得られた粉砕原薬を水に懸濁させた液について、溶出試験を実施した。
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬50mg相当量の懸濁液をそれぞれ精密に量りとり、試験液として1%ポリソルベート80水溶液900mLを用いて、日本薬局方の溶出試験法第2法(パドル法)により、毎分100回転(パドル回転数)で試験を行った。溶出を開始して、15、30、60および180分後に、試験液5mLをとり、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して測定用試料とした。これらの試料を、高速液体クロマトグラフィー(製造元:株式会社島津製作所、機種:LC−10ATvp)で測定し、各試料の溶出率を求めた。
その結果を図1に示した。実施例1(粉砕条件3)の22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬の溶出率は15分で60%を越えた。
しかし、比較例1の溶出率は3時間後で10%と低い値を示した。
このことから高圧ホモジナイザーにより粉砕した薬物の溶出性が飛躍的に向上することが確認された。
実施例3:粉砕した原薬粒子の懸濁液中での経時安定性
実施例1(粉砕条件3)で粉砕して得られた懸濁液を静置状態で保存して、懸濁液中の原薬粒子の粒度が経時的に変化するか確認した。懸濁液は5、15および25℃の各温度下、静置状態で保存した。
実施例1と同じ粒度分布測定機により、累積50%粒子径および累積90%粒子径を経時的に測定した。その結果をそれぞれ図2および図3に示した。累積50%粒子径および累積90%粒子径はともに1ヶ月間変化せず、二次凝集を起こさないことが確認された。すなわち、本願の方法で粉砕を行うことにより、懸濁液中のラウリル硫酸ナトリウムが二次凝集の発生を抑制し、物理化学的に安定な原薬粒子を得ることが確認された。
実施例4:細粒の製造(1)
実施例1(粉砕条件2)で得られた懸濁液7.3Lに、4.3%ヒプロメロース(別名:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名:TC−5R、製造元:信越化学工業株式会社)水溶液7.6Lを加え、混合した。この混合液を、転動流動層造粒乾燥機(機種:スパイラフローSFC−15、製造元:フロイント産業株式会社)により、クロスカルメロースナトリウム250gとD−マンニトール7250gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。得られた造粒物を整粒機(機種:コーミル、製造元:クアドロ社)で整粒して細粒を製造した。
実施例5:細粒の製造(2)
実施例1(粉砕条件2)で得られた懸濁液7.3Lに、4.3%ポリビニルピロリドン(グレード:K30、製造元:BASF)水溶液7.6Lを加え、混合した。この混合液を、転動流動層造粒乾燥機(機種:スパイラフローSFC−15、製造元:フロイント産業株式会社)により、クロスカルメロースナトリウム250gとD−マンニトール7250gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。得られた造粒物を整粒機(機種:コーミル、製造元:クアドロ社)で整粒して細粒を製造した。
比較例2:細粒の製造
比較例1のジェットミルで粉砕して得られた、累積50%粒子径が2.5μmの22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬25.0mgとクロスカルメロースナトリウム8.75mg、ヒドロキシプロピルセルロース2.5mgおよびD−マンニトール83.75mgを造粒機(製造元:深江工業株式会社、機種:ハイスピードミキサーLFS−GS−2J)の中で混合し、精製水130mLを噴霧しながら、湿式造粒を行い、乾燥させた。この乾燥物を粉砕機(製造元:株式会社ダルトン、機種:パワーミルP−02S)で粉砕し、細粒を製造した。
比較例3:細粒の製造
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬2.2kg、ラウリル硫酸ナトリウム0.22kgおよび精製水4.9kgをそれぞれ30:3:67の重量比で分散させ、懸濁液7.3Lを調製した。この懸濁液を実施例1で用いた高圧ホモジナイザーにより湿式粉砕した。粉砕条件は処理圧力200MPa、処理回数は40回で行った。粉砕後に、実施例1で用いた粒度分布測定機で累積50%粒子径を測定した結果、累積50%粒子径が1.0μmの原薬が得られた。
この湿式粉砕した懸濁液には水溶性高分子を加えずに、そのままクロスカルメロースナトリウム250gとD−マンニトール7250gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。得られた造粒物を整粒機(機種:コーミル、製造元:クアドロ社)で整粒して細粒を製造した。
比較例4:細粒の製造
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬2.2kg、ラウリル硫酸ナトリウム0.22kgおよび精製水4.9kgをそれぞれ30:3:67の重量比で分散させ、懸濁液7.3Lを調製した。この懸濁液を実施例1で用いた高圧ホモジナイザーにより湿式粉砕した。粉砕条件は処理圧力200MPa、処理回数は40回で行った。粉砕後に、実施例1で用いた粒度分布測定機で累積50%粒子径を測定した結果、累積50%粒子径が1.0μmの原薬が得られた。
この湿式粉砕した懸濁液に、4.3%低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(グレード:LH−21、製造元:信越化学工業株式会社)水溶液7.6Lを加え、混合した。この混合液を、転動流動層造粒乾燥機(機種:スパイラフローSFC−15、製造元:フロイント産業株式会社)により、クロスカルメロースナトリウム250gとD−マンニトール7250gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。得られた造粒物を整粒機(機種:コーミル、製造元:クアドロ社)で整粒して細粒を製造した。
比較例5:細粒の製造
22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬2.2kg、ラウリル硫酸ナトリウム0.22kgおよび精製水4.9kgをそれぞれ30:3:67の重量比で分散させ、懸濁液7.3Lを調製した。この懸濁液を実施例1で用いた高圧ホモジナイザーにより湿式粉砕した。粉砕条件は処理圧力200MPa、処理回数は40回で行った。粉砕後に、実施例1で用いた粒度分布測定機で累積50%粒子径を測定した結果、累積50%粒子径が1.0μmの原薬が得られた。
この湿式粉砕した懸濁液に、4.3%マクロゴール(グレード:6000、製造元:三洋化成工業株式会社)水溶液7.6Lを加え、混合した。この混合液を、転動流動層造粒乾燥機(機種:スパイラフローSFC−15、製造元:フロイント産業株式会社)により、クロスカルメロースナトリウム250gとD−マンニトール7250gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。得られた造粒物を整粒機(機種:コーミル、製造元:クアドロ社)で整粒して細粒を製造した。
実施例6:錠剤の製造(1)
実施例1で得られた懸濁液428.6gに10%ヒプロメロース(別名:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名:TC−5R、製造元:信越化学工業株式会社)水溶液225mLを加え、混合した。この混合液を、流動層造粒乾燥機(機種:マルチプレックスグラニュレーターMP−01、製造元:株式会社パウレック)により、乳糖540g、クロスカルメロースナトリウム19.5gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。
得られた造粒物124.5gにクロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸4gを添加して混合し、更にステアリン酸マグネシウム1.5gを添加して混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を用いて、550kg〜580kgの圧力で打錠を行い、8mmφの錠剤を製造した。
実施例7:錠剤の製造(2)
実施例1で得られた懸濁液428.6gに、10%ヒプロメロース(別名:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名:TC−5R、製造元:信越化学工業株式会社)水溶液225mLを加え、混合した。この混合液を、流動層造粒乾燥機(機種:マルチプレックスグラニュレーターMP−01、製造元:株式会社パウレック)により、D−マンニトール540gおよびクロスカルメロースナトリウム19.5gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。
得られた造粒物124.5gにクロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸4gを添加して混合し、更にステアリン酸マグネシウム1.5gを添加して混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を用いて、550kg〜580kgの圧力で打錠を行い、8mmφの錠剤を製造した。
実施例8:錠剤の製造(3)
実施例1で得られた懸濁液428.6gに、10%ヒプロメロース(別名:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、商品名:TC−5R、製造元:信越化学工業株式会社)水溶液225mLを加え、混合した。この混合液を、流動層造粒乾燥機(機種:マルチプレックスグラニュレーターMP−01、製造元:株式会社パウレック)により、結晶セルロース(セオラスKG−802)540gおよびクロスカルメロースナトリウム19.5gとの混合物に噴霧し、造粒物を得た。
得られた造粒物124.5gにクロスカルメロースナトリウム20g、軽質無水ケイ酸4gを添加して混合し、更にステアリン酸マグネシウム1.5gを添加して混合し、打錠用顆粒を得た。この打錠用顆粒を用いて、550kg〜580kgの圧力で打錠を行い、8mmφの錠剤を製造した。
実施例9:原薬粒子の累積50%粒子径の測定
実施例4および5並びに比較例3〜5における細粒中の原薬粒子の累積50%粒子径を、粒度分布測定機(製造元:日機装株式会社、機種:マイクロトラックX100)により、測定した。その結果を表2に示した。実施例4および5で用いた水溶性高分子では原薬粒子は凝集を起こさないことが確認された。しかし、比較例3〜5で用いた水溶性高分子では原薬粒子の粒子径は明らかに大きくなっていることが確認された。
Figure 2010087447
実施例10:溶出試験(2)
実施例5の細粒および比較例2の細粒について、溶出試験を実施した。22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬50mg相当量を精密に量りとり、試験液に1%ポリソルベート80水溶液900mLを用い、溶出試験法第2法により、毎分100回転で試験を行った。溶出開始15、30、60、120、180分後、試験液5mLをとり、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して測定用試料とした。これらの試料を、高速液体クロマトグラフィー(製造元:株式会社島津製作所、機種:LC−10ATvp)で測定し、各試料の溶出率を求めた。
その結果を図4に示す。60分後の溶出率では、高圧ホモジナイザーの粉砕原薬で製造した実施例5の製剤は、ジェットミルの粉砕原薬で製造した比較例2の製剤よりも4倍以上の高い値を示した。
実施例11:溶出試験(3)
実施例6〜8で製造した22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬25mg含有の錠剤の溶出試験を実施した。試験液として1%ポリソルベート80水溶液900mLを用いて、日本薬局方の溶出試験法第2法(パドル法)により、毎分50回転(パドル回転数)で試験を行った。溶出を開始して、5、10、15、30および60分後に、試験液5mLをとり、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して測定用試料とした。これらの試料を、高速液体クロマトグラフィー(製造元:株式会社島津製作所、機種:LC−10ATvp)で測定し、各試料の溶出率を求めた。その結果を図5に示した。ともに良好な溶出性を示した。
実施例12:イヌによる経口吸収性試験(1)
実施例4の細粒および比較例2の細粒を用いて、イヌ(雄のビーグル犬、体重約11kg)での経口吸収性を評価した。クロスオーバー試験によりイヌ10頭を用いて試験を行った。摂食下で22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール50mg相当量の両製剤を水10mLで摂取させ、所定時間(1、2、4、6、8、10および24時間)後に採血し、LC−MS/MSで血中の薬物濃度を測定した。
その結果を図6に示した。実施例4の本発明の細粒は、比較例2の細粒と比較して、最高血中濃度(Cmax)および血中濃度曲線下面積(AUC)がともに増大し、経口吸収性が顕著に向上することが確認された。
実施例13:イヌによる経口吸収性試験(2)
実施例4の細粒およびの実施例6の錠剤を用いて、イヌ(雄のビーグル犬、体重約11kg)での経口吸収性を評価した。クロスオーバー試験によりイヌ10頭を用いて試験を行った。摂食下で22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール原薬25mg相当量の両製剤を水10mLで摂取させ、所定時間(1、2、4、6、8、10および24時間)後に採血し、LC−MS/MSで血中の薬物濃度を測定した。
その結果を図7に示した。実施例4の細粒および実施例6の錠剤とも、良好な経口吸収性が確認された。
このように本発明は、難溶性薬物である22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの水に対する分散性および溶出性を改善することにより、高い経口吸収性を確保することを可能にするとともに、製造工程中での物理化学的安定性を持続させられるため、より均一な粒子を製造することを可能とし、高品質の製剤を提供することが可能となる。

Claims (15)

  1. 難溶性の薬物および親水性界面活性剤を含んでなる組成物。
  2. 難溶性の薬物がトリテルペン誘導体またはその薬学上許容される塩である、請求項1に記載の組成物。
  3. 難溶性の薬物が22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールまたはその薬学上許容される塩である請求項1に記載の組成物。
  4. 親水性界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルまたはポリソルベートである請求項1または2に記載の組成物。
  5. 高分子化合物を更に含んでなる請求項1または2に記載の組成物。
  6. 高分子化合物が水溶性高分子である請求項5に記載の組成物。
  7. 水溶性高分子がポリビニルピロリドンまたはヒプロメロースである請求項6に記載の組成物。
  8. 親水性界面活性剤の添加量が、トリテルペン誘導体1gに対して10〜400mgである請求項1または2に記載の組成物。
  9. 高分子化合物の添加量が、トリテルペン誘導体1gに対して30〜800mgである請求項5に記載の組成物。
  10. 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの累積50%粒子径が1.5μm以下であり、かつ、累積90%粒子径が3.0μm以下である請求項3に記載の組成物。
  11. 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの累積50%粒子径が1.0μm以下であり、かつ、累積90%粒子径が2.0μm以下である請求項3に記載の組成物。
  12. 難溶性の薬物および親水性界面活性剤を溶媒中で分散後、高圧ホモジナイザーにより粉砕することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  13. 難溶性の薬物および親水性界面活性剤を溶媒中で分散させ、高圧ホモジナイザーによる粉砕後、更に高分子化合物を溶解させることを特徴とする請求項5に記載の組成物の製造方法。
  14. 難溶性の薬物が22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールまたはその薬学上許容される塩である、請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の製造方法により製造することができる、難溶性の薬物および親水性界面活性剤を含んでなる組成物。
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