JPWO2010071235A1 - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
スループットを向上させるための1つの方法として、記録ヘッドを搭載したキャリッジの往路と復路の両方で記録動作を実行する双方向マルチパス記録の採用が挙げられる。双方向マルチパス記録であれば、同じマルチパス数であっても片方向記録に比べて記録走査の回数を約半分に抑えることが出来、記録動作に関わる時間を大幅に低減することが出来る。但し、双方向マルチパス記録を行うと、画像の濃度、色相あるいは光沢度などが記録媒体の搬送量に対応したピッチで変動するような、新たなバンド間のむらが発生することも確認されている。以下、このような、双方向マルチパス記録を行った際に新たに現れるバンド間のむらを、本明細書では「バンド間むら」と称することとする。
図1(a)および(b)は、上記バンド間むらの発生原因と現象を具体的に説明するための模式図である。図1(a)は、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)およびブラックインク(K)をそれぞれ吐出する4列のノズル群を図のように備えた記録ヘッド1000を用い、4パスのマルチパス双方向記録を行う場合を示している。記録ヘッド1000は、X方向において、往路方向の記録走査と復路方向の記録走査を交互に行いつつ、各記録走査の間には記録媒体に対しY方向に単位領域の幅に応じた量ずつ移動して行く。
ここで、まず、単位領域幅を有する第1のバンドの左端部に注目する。このとき当該領域には、最初の記録走査でC→M→Y→Kの順でインクが付与された後、記録ヘッドの略一往復走査に相当する比較的長い時間の後に、K→Y→M→Cの順でインクが付与される。これに対し、第1のバンドに隣接する第2のバンドの左端部では、K→Y→M→Cの順にインクが付与された後、記録ヘッドの略反転動作のみに相当する比較的短い時間の後にC→M→Y→Kの順にインクが付与される。以後、第2のバンドに隣接する第3のバンド以降の奇数バンドでは第1のバンドと同じ条件で、第3のバンドに隣接する第4のバンド以降の偶数バンドでは第2のバンドと同じ条件で、それぞれインクの付与動作が行われる。すなわち、記録媒体に対するカラーインクの付与の順番や、インクの付与タイミングの間隔が異なる2種類のバンドが、Y方向に交互に配置されることになる。そして、このようなカラーインクの付与順序やインクを付与する間隔は、記録媒体に形成される画像の濃度や色相、あるいは光沢度に少なからず影響を与える。結果、付与順序やタイミングの条件が異なる単位領域が図1(b)に示すようにバンド単位で交互に配置する画像では、「バンド間むら」が認識されるようになる。
このような「バンド間むら」を含む様々な画像弊害をマルチパス記録で低減するためには、記録ヘッドに配列される個々のノズルの記録許容比率を調整することが有効である。
ここで、記録許容比率とは、一定領域に含まれる複数の画素のうち、記録ヘッドの1回の記録走査(移動)において記録が許容される画素の割合を示すものである。例えば、上述した「ノズルの記録許容比率」と言う場合には、記録ヘッドの1回の移動(走査)で1つのノズルが通過する複数の画素のうち、当該ノズルの記録が許容される画素の割合を示すことになる。なお、このような各画素に対する記録の許容および非許容は、予め用意されたマスクパターンによって定められているのが一般である。よって、個々のノズルの記録許容比率もマスクパターンによって定められることになり、本明細書において記録許容比率を調整することは、マスクパターンにおける記録許容画素の配置を調整することになる。
例えば、特開2000−108322号公報や特開2002−96455号公報では、個々のノズルの記録許容比率に所定の偏りを持たせるように工夫されたマスクパターンを使用することにより、少ないマルチパス数でも「つなぎすじ」や濃度むらを目立たなくさせる仕組みが具体的に説明されている。
また、上記公報に限らず、マルチパス記録において、上述の記録許容比率をそれぞれの記録走査(ノズルブロック)でコントロールすることは、画像の一様性を維持する上で有効である。記録媒体の種類やインクの種類など様々な条件に伴って「バンド間むら」等の現れ方は変化するが、上述の記録許容比率を上記様々な条件に応じてマスクパターンを用いて調整出来れば、画像の一様性を維持するように作用させることが出来るからである。
これに対し、特開2002−96455号公報に開示されているように、各ノズルブロックの中で個々のノズルの記録許容比率を徐々に変化させ、隣接するノズルブロックの境界での記録許容比率の変化を極端にしなければ、上記「つなぎすじ」を目立たなくすることは出来る。しかし、個々のノズルブロックの中で各ノズルの記録許容比率をほぼ一定にしない場合、新たに単位領域内で濃度むらや色むらあるいは光沢むらが招致される場合がある。以下、本明細書において、このように1つのノズルブロックに含まれる個々のノズルの記録許容比率をほぼ一定にしないことによって発生する単位領域内でのむらを「バンド内むら」と称することとする。
すなわち、従来の双方向マルチパス記録においては、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に解決することは出来なかった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に解決可能な記録方法および当該記録方法を実施可能なインクジェット記録装置を提供することである。
本発明の第1の形態は、記録に使用可能な複数のノズルが第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドを第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動手段と、前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を前記第1の方向へ搬送する搬送手段と、前記複数のノズルに対応する画像データをマスクするためのマスクパターンと前記画像データとに従って、前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段とを備え、(i)前記マスクパターンは、前記複数のノズルブロックに含まれる第1のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第1のパターン部と前記第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第2のパターン部とを少なくとも含み、(ii)前記第1のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ第1の値であり、前記第2のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第1の値とは異なる第2の値であり、(iii)前記第1のパターン部と前記第2のパターン部との境界を含む境界領域では、前記第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合が前記第1の値と前記第2の値の間の値であり、且つ前記第1の方向に延びる画素行における記録許容画素の割合が前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする。
本発明の他の形態は記録に使用可能な複数のノズルが第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、前記記録ヘッドを第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動工程と、前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を前記第1の方向へ搬送する搬送工程と、前記複数のノズルに対応する画像データをマスクするためのマスクパターンと前記画像データとに従って、前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドにより記録を実行する記録工程とを有し、(i)前記マスクパターンは、前記複数のノズルブロックに含まれる第1のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第1のパターン部と前記第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第2のパターン部とを少なくとも含み、(ii)前記第1のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ第1の値であり、前記第2のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第1の値とは異なる第2の値であり、(iii)前記第1のパターン部と前記第2のパターン部との境界を含む境界領域では、前記第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合が前記第1の値と前記第2の値の間の値であり、且つ、前記第1の方向に延びる画素行における記録許容画素の割合が前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする。
本発明によれば、「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を同時に低減することができる。
図2は本発明に適用可能な記録システムにおけるホスト装置100と記録装置104の構成を示すブロック図である。
図3は本発明の実施形態で採用する記録装置104の概略構成を説明するための斜視図である。
図4は本発明の実施形態で使用する記録ヘッドのノズル配置状態を説明するための模式図である。
図5は本発明の実施形態で使用する記録システムにおいて、ホスト装置および記録装置が実行する画像処理の流れを説明するためのブロック図である。
図6はマルチパス記録の構成を簡単に説明するための模式図である。
図7は2パスのマルチパス記録におけるマスクパターンの具体的な例を説明するための模式図である。
図8はどのノズルブロックにおいても記録比率が25%であるマスクパターン(フラットマスク)の例を示す図である。
図9において、(a)および(b)は、上記「バンド間むら」が現れないようにした記録許容比率を調整したマスクパターンの、記録許容比率の分布と、記録許容画素の分散状態の例を示す図である。
図10において、(a)および(b)は、上記「バンド間むら」および「つなぎすじ」の双方を抑えるように記録許容比率を調整したマスクパターンの記録許容比率の分布と記録許容画素の分散状態の例を示す図である。
図11において、(a)および(b)は、上記「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」を抑制するために作成された、第1の実施形態で採用するマスクパターンの記録許容比率の分布および記録許容がその分散状態を示す図である。
図12は図11に示されるマスクパターンの第1の方向の記録許容比率の分布が、第2の方向の画素位置に応じて異なっている状態を説明するための図である。
図13は図11に示されるマスクパターンの非境界領域と境界領域とで、記録許容画素の分散状態を比較して説明するための図である。
図14は境界部の位置が円弧の形状に変動するマスクパターンの例を示す図である。
図15は境界部の位置がのこぎり歯の形状に変動するマスクパターンの例を示す図である。
図16は境界部の位置が正弦波の形状に変動するマスクパターンの例を示す図である。
図17は境界部の変動の振幅(すなわち境界領域の幅)と周期を図15のマスクパターンよりも小さくした例を示す図である。
図18は図8〜図11に示されるマスクパターンを用いてマルチパス記録を行った場合の画像品位を比較した結果を示す図である。
図19は従来の6パス用の「階段マスク」の記録許容画素の分散状態の例を示す図である。
図20は従来の6パス用の「グラデーションマスク」の記録許容画素の分散状態の例を示す図である。
図21は図21の6パス用のマスクパターンの記録許容画素の分散状態を示す図である。
図22は図21のマスクパターンにおいて、第1の方向に対する記録許容比率の分布が、第2の方向の画素位置に応じて変動する状態を説明するための図である。
図23は部分的に本発明の特徴を取り入れたマスクパターンの例を示す図である。
図24は部分的に本発明の特徴を取り入れたマスクパターンの例を示す図である。
図2は、本発明に適用可能な記録システムを構成するホスト装置100と記録装置104の構成を示すブロック図である。
CPU108は、ハードディスク(HD)107やROM110に格納された各種プログラムに従い、オペレーティングシステム102を介して、アプリケーション101、プリンタドライバ103、モニタドライバ105の各ソフトウェアを動作させる。この際、RAM109は、各種処理を実行する際のワークエリアとして使用される。モニタドライバ105は、モニタ106に表示する画像データを作成するなどの処理を実行するためのソフトウェアである。プリンタドライバ103は、アプリケーションソフトウェア101からOS102へ受け渡される画像データを、記録装置104が受信可能な多値または2値の画像データに変換し、その後記録装置104に送信するためのソフトウェアである。
記録装置104には、コントローラ200、記録ヘッド1000、ヘッド駆動回路202、キャリッジ4000、キャリッジモータ204、搬送ローラ205、搬送モータ206等が設けられている。ヘッド駆動回路202は記録ヘッド1000の駆動を行うための回路で、ヘッド駆動回路202によって記録ヘッド1000が駆動されてインクが吐出される。キャリッジモータ204は、記録ヘッド100を搭載するためのキャリッジ4000を往復移動させるためのモータである。搬送モータ206は、記録媒体を搬送するための搬送ローラ205を搬送するためのモータである。装置全体を制御するためのコントローラ200には、マイクロプロセッサ形態のCPU210、制御プログラムが収納されているROM211、CPUが画像データの処理等を行う際に使用するRAM212等が設けられている。ROM211には、後述する本発明のマスクパターンやマルチパス記録を制御するための制御プログラム等が格納されている。コントローラ200は、例えば、マルチパス記録を実行するために、ヘッド駆動回路202、キャリッジモータ204、搬送モータ206を制御する他、マルチパス記録の各走査に対応した画像データを生成する。詳しくは、コントローラ200は、制御プログラムに従ってROM211からマスクパターンを読み出し、読み出したマスクパターンを用いて、単位領域に対応する画像データをマルチパス記録の各走査に対応したノズルブロックで記録すべき画像データに分割する。更に、コントローラ200は、この分割画像データに従って記録ヘッド1000からインクが吐出されるようにヘッド駆動回路202を制御する。
図3は、本実施形態で採用する記録装置104の概略構成を説明するための斜視図である。移動手段となるキャリッジ4000は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出する4つのノズル群を備えた記録ヘッド1000を搭載し、図のX方向(第2の方向)に移動可能になっている。コントローラ等からなる不図示の制御手段は、ホスト装置より受信した画像データに従って、キャリッジ4000によるX方向への移動中に、記録ヘッド1000にインク吐出動作を実行させる。このような記録ヘッド1000による1回分の記録走査が終了すると、マルチパス記録のパス数に応じた量だけ、記録媒体は、搬送ローラ等からなる不図示の搬送手段により、X方向とは交差するY方向に搬送される。この後、X方向(ヘッド移動方向)へのヘッド移動に伴う記録とY方向の搬送を繰り返すことにより、記録媒体に順次画像が形成されていく。なお、本実施形態では、往路方向へのヘッド移動と復路方向へのヘッド移動の両方でインク吐出動作を行う上記双方向マルチパス記録が実行される。
図4は、本実施形態で使用する記録ヘッド1000のノズル配置状態を説明するための模式図である。本実施形態の記録ヘッド1000は、第1から第4の4種類のインクそれぞれを吐出する4つのノズル群1001がX方向(ヘッドの移動方向)に並列して備えられている。本実施形態において、第1のインクはシアン(C)、第2のインクはマゼンタ(M)、第3のインクはイエロー(Y)および第4のインクはブラック(K)となっている。各色のノズル群1001は、それぞれ、第1の方向に配列された256個のノズルを有している。詳しくは、各色のノズル群1001は、128個のノズルが600dpiのピッチで第1の方向(ここではY方向)に配列するノズル列を2つ有し、これら2つのノズル列は第1の方向に半ピッチずれて配置されている。すなわち、記録ヘッド1000がX方向に移動しながら個々のノズルからインク吐出動作を行うことにより、Y方向に1200dpi(ドット/インチ)の解像度を有する画像を記録することが出来る。このように本実施形態では、同色インクを吐出するための複数のノズルからなるノズル群をインク色に対応させて複数備えた記録ヘッドを用いているが、後述するように本発明はこの形態に限れられるものではない。
なお、本実施形態では簡単のため、同色インクを吐出する複数のノズルの配列方向(第1の方向)が記録媒体の搬送方向(Y方向)に一致する形態で説明した。しかし、本発明においてノズル配列方向(第1の方向)と搬送方向(Y方向)は必ずしも一致していなくてよい。ノズルの配列方向(第1の方向)がY方向に対して多少の傾きを持っていても、以下に説明する本発明の効果は変わりなく得ることが出来る。
図5は、以上説明した記録システムにおいて、ホスト装置100および記録装置104が実行する画像処理の流れを説明するためのブロック図である。
ホスト装置100において、ユーザはアプリケーション101を利用して記録装置104で記録する画像データを作成することができる。記録を行う際、アプリケーション101で作成された画像データはプリンタドライバ103に転送される。
プリンタドライバ103は、その処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、2値化処理J0005、および印刷データ作成処理J0006をそれぞれ実行する。
前段処理J0002では、図2を参照するに、アプリケーション101がモニタドライバ105を介してモニタ106に表示する画像の色域を、記録装置104の色域に変換する色域変換を行う。具体的には、8ビットで表現された画像データR、G、Bを、ROM110に格納されている3次元LUTを参照することにより、記録装置104の色域内の8ビットデータR、G、Bに変換する。
次いで、後段処理J0003では、変換後のR、G、Bが記録装置104に搭載された記録ヘッド1000が吐出する4色のインク色C、M、Y、Kで表現されるように、信号値変換を行う。具体的には、前段処理J0002にて得られた8ビットデータR、G、Bを、ROM110に格納されている3次元LUTを参照することにより、C、M、Y、Kの8ビットデータに変換する。
続くγ補正J0004では、後段処理J0003で得られたCMYKのデータについてγ補正を行う。具体的には、色分解で得られた8ビットデータCMYKが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような1次変換を行う。
2値化処理J0005では、γ補正がなされた8ビットデータC、M、Y、Kを、所定の量子化処理法を採用して、1ビットデータC、M、Y、Kに変換する。2値化後の画像データは、記録装置104の記録解像度に対応した個々の画素に対し、ドットを記録するかドットを記録しないかが、1ビット情報として定められている。
印刷データ作成処理J0006では、上記2値化処理J0005で生成された4色1ビットデータに、記録媒体情報、記録品位情報および給紙方法等のような記録動作に関わる制御情報を付して、印刷データを作成する。以上のようにして生成された印刷データは、ホスト装置100から記録装置104へ供給される。
記録装置104は、入力されてきた印刷データに含まれる2値の画像データに対し、予め用意されたマスクパターンを用いてマスク処理J0008を行う。ここで、マスクパターンとは、既に説明したように、記録ヘッドの1回の移動で個々のノズルが通過する領域を構成する複数の画素夫々に対して記録の許容あるいは非許容が定められたパターンである。
マスク処理J0008では、予め記録装置104のメモリに格納されている所定のマスクパターンを用い、2値の画像データをマルチパス記録の各走査に対応した複数のノズルブロック夫々で記録すべき画像データに分割する。具体的には、記録ヘッドの一回の走査で個々のノズルが通過する領域内の各画素に対し記録の許容あるいは非許容が定められたマスクパターン(2値データ)と、ホスト装置100より入力された2値の画像データとで論理積演算を行う。その結果、記録ヘッドが1回の記録走査で実際に記録すべき2値の画像データが生成される。その後、生成された2値の画像データはヘッド駆動回路J0009に送られる。そして、記録ヘッド1000の個々のノズルは、上記2値の画像データに従って所定のタイミングで記録動作を実行する。
図6は、マルチパス記録の構成を簡単に説明するための模式図である。本実施形態の記録装置は、シリアル型のインクジェット記録装置であり、記録ヘッド1000をX方向に移動させながら2値の画像データに基づいてインクを吐出する記録走査と、Y方向に記録媒体を搬送する搬送動作とを交互に実行し、段階的に画像を形成する。ここでは2パスのマルチパス記録を行う場合を例に説明する。
2パスのマルチパス記録を行う場合、記録ヘッド1000の各色ノズル群は、それぞれ、ノズル並び方向に(本例ではY方向)に、128個のノズルを有する第1のノズルブロックと128個のノズルを有する第2のノズルブロックに分割される。各記録走査において、個々のノズルブロックは、2値の画像データの記録を、ノズルブロックそれぞれに対応づけられたマスクパターンに従って行う。第1のノズルブロックに対応するマスクパターン部分を第1のパターン部と称し、第2のノズルブロックに対応するマスクパターン部分を第2のパターン部と称する。
以下、図6を用いて、シアンを例に説明する。シアンの第1ノズルブロックには第1のパターン部としてのマスクパターンC1、シアンの第2ノズルブロックには第2のパターン部としてのマスクパターンC2がそれぞれ対応付けられている。第1走査において、記録媒体の単位領域Aには、マスクパターンC1に従った記録がシアンの第1ノズルブロックによって行われる。単位領域Aの幅に相当する量の記録媒体の搬送が行われた後、続く第2走査では、マスクパターンC2に従った記録がシアンの第2ノズルブロックによって行われる。この2つの記録走査によって単位領域Aには、マスクパターンC1とC2の和がシアンインクによって記録される。このとき、マスクパターンC1とC2は互いに補完関係を有しており、シアンの2値データの全ては、第1ノズルブロックか第2ノズルブロックのいずれかによって2回の記録走査で記録される。このように、2値の画像データを2つのノズルブロックに分割するために、個々の画素に対応する画像データの記録の許容あるいは非許容を定める手段としてマスクパターンは使用される。
図7は、上記2パスのマルチパス記録におけるマスクパターンの具体的な例を説明するための模式図である。ここでは簡単のため、第1ノズルブロックに4ノズル、第2ノズルブロックに4ノズルをそれぞれ含んだ、計8ノズルを有する記録ヘッドを例に説明する。本例において、第1ノズルブロックに対応する第1パターン部としてのマスクパターンはPA、第2ノズルブロックに対応する第2パターン部としてのマスクパターンはPBである。各マスクパターンは4画素×4画素の領域を有し、黒で示した画素は画像データの記録を許容する画素(記録許容画素)、白で示した画素は画像データの記録を許容しない画素(非記録許容画素)を示している。より詳しくは、マスクパターンは、記録許容画素を示す“1”と非記録許容画素を示す“0”の2値データで構成されており、2値の画像データとの論理積処理(マスク処理)に用いられる。マスクパターンの“1”は、2値の画像データの“1(インク吐出を示すデータ)”をマスクせずに、その2値の画像データの“1”に基づく記録を許容する役割を担う。一方、マスクパターンの“0”は、2値の画像データの“1”をマスクし、その2値の画像データの“1”に基づく記録を許容しない役割を担う。また、マスクパターンPAおよびPBは互いに補完の関係を有しており、第1ノズルブロックによる第1走査と第2ノズルブロックによる第2走査により、記録媒体の単位領域の全ての画素に対する記録が完了する。
ここでは、簡単のため、4画素×4画素の領域において、記録許容画素と非記録許容画素が互い違いに配置されるマスクパターンを例に説明した。しかし、実際にマルチパス記録に採用するマスクパターンのサイズは、下記図11等に示されるように、図7のマスクもより大きなサイズである。また、マスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素の配置も、図7のマスクよりも複雑な配置である。
更に、以上では2パスのマルチパス記録を例に説明したが、マルチパス記録は3パス、4パスなど更に多くのマルチパス数に対応することも出来る。いずれにしても、マルチパス数Nに対しノズル群がN個のブロックに分割され、それぞれのブロックに互いに補完の関係にあるマスクパターンが宛がわれ、各記録走査の間にブロックの幅に対応した量の記録媒体の搬送が行われれば、マルチパス記録は成立する。
以上説明したインクジェット記録システムおよびマルチパス記録方法を採用し、以下では、本発明の具体的なマスクパターンの特徴を、いくつかの実施形態を挙げて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、4パスのマルチパス記録に採用可能なマスクパターンを説明する。図8〜図11は、従来のマスクパターンと本実施形態のマスクパターンとを比較するために、記録許容比率の分布と記録許容画素の分散状態を、従来および本実施形態のマスクパターンについて示した図である。
4パス記録の場合、ノズル群は第1の方向に4つのノズルブロック(第1〜第4のノズルブロック)に分割され、4回の走査夫々の間に1つのブロックの幅に対応した量の記録媒体の搬送が行われる。ここでは、4つのノズルブロックを、第1ブロック〜第4ブロックとして示している。本実施形態では、1つのノズル群が256個のノズルで構成されているので、各ブロックは64個のノズルで構成されている。
64ノズル分の幅を有する記録媒体上の単位領域には、最初に第1のノズルブロックによる記録走査が行われた後、第2走査で第2のノズルブロック、第3走査で第3のノズルブロック、第4走査で第4のノズルブロックによる記録走査が行われ、画像が完成する。なお、以下では、第1、第2、第3および第4のノズルブロックそれぞれのノズルに対応する画像データをマスクするためのマスクパターン部分を、第1、第2、第3および第4のパターン部と称する。
ここで、本明細書における「記録許容比率」の定義および解釈について説明を加えておく。「記録許容比率」とは、一定の領域を構成する複数の画素のうち、記録ヘッドの1回の記録走査(移動)によって記録が許容される画素の割合を示す。よって、「ノズルの記録許容比率」とは、記録ヘッドの1回の移動(走査)で1つのノズルが通過する複数の画素のうち、当該ノズルによる記録が許容される画素の割合を指す。また、「ノズルブロックの記録許容比率」とは、記録ヘッドの1回の移動(走査)で1つのノズルブロックが通過する複数の画素のうち、当該ノズルブロックによる記録が許容される画素の割合を指す。但し、記録ヘッドの1回の走査で記録が許容される画素の配置は、予め用意されたマスクパターンによって定められている。よって、「ノズルの記録許容比率」にせよ「ノズルブロックの記録許容比率」にせよ、本明細書における「記録許容比率」とは、マスクパターンによって定められるものと解釈することができる。そして、マスクパターンによって定められる記録許容比率とは、マスクパターンを構成する記録画素と非記録許容画素のうち記録許容画素の割合を指す。
本発明で説明するようなマスクパターンを作成する段階においては、設計目標の記録許容比率に基づいて、それぞれの画素を記録許容画素とするか非記録許容画素とするかを決定する。そして、このようにして作成されたマスクパターンを使用した結果として、複数画素で構成される一定の領域において設計目標の記録許容比率が実現されるようになっている。
図8は、どのブロックにおいても個々のノズルの記録許容比率が25%であるマスクパターンの記録許容比率の分布を示す図である。図において、横軸はノズル並び方向(第1の方向)におけるノズルの配列位置を示し、縦軸は個々のノズルの記録許容比率を示している。図8で示すマスクパターンの場合、記録媒体の単位領域(同一画像領域)は、第1ブロックから第4ブロックによって、25%+25%+25%+25%=100%の記録がなされる。以下、本明細書において、このように記録許容比率が全ノズルで一定のマスクパターンを「フラットマスク」と称することとする。このような、フラットマスクを用いて双方向のマルチパス記録を行った場合、既に図1を用いて説明したように、カラーインクの付与順序や付与タイミングが異なる単位領域が交互に配置し、いわゆる「バンド間むら」が招致されてしまう。
図9(a)および(b)は、上記「バンド間むら」が現れないように、複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されたマスクパターンの、記録許容比率の分布と、記録許容画素の分散状態の例を示す図である。図9のマスクパターンでは、第1ブロックに対応する第1パターン部と第4ブロックに対応する第4パターン部の記録許容比率が15%、第2ブロックに対応する第2パターン部と第3ブロックに対応する第3パターン部の記録許容比率が35%となっている。図9(b)に示されるように、第1〜第4のパターン部を含んで構成されるマスクパターンは、主走査方向(第2の方向)に128画素、副走査方向(第1の方向)に256画素の領域を有し、記録許容画素(黒)と非記録許容画素(白)によって構成されている。特に、このマスクパターンは、ブロック内におけるノズルの記録許容比率が一定(フラット)となるように、第2の方向に延びる各画素列の記録許容画素の割合は一定に定められている。このようなマスクパターンを用いた場合、記録媒体の単位領域には、第1〜第4のブロックによって、15%+35%+35%+15%=100%の記録がなされる。
以下、本明細書において、個々のブロック内では記録許容比率がほぼ一定でありながら各ブロックの単位で記録許容比率が調整され、その結果ブロック間での記録許容比率が互いに異なっているような階段状のマスクパターンを、「階段マスク」と称することとする。但し、図9(a)および(b)に示したような階段マスクを用いて記録を行うと、既に課題の項で説明したように、隣接ブロックの記録許容比率が大きく切り替わる箇所境界部)が、第2の方向(主走査方向)に直線状に配列することになる。結果、この境界部に「つなぎすじ」が現れる。特に、隣接ブロックの記録許容比率の差が大きいと、「つなぎすじ」が現れやすい。
図10(a)および(b)は、上記「バンド間むら」および「つなぎすじ」の双方を抑えるように、個々のノズルに対する記録許容比率が調整されたマスクパターンの記録許容比率の分布と記録許容画素の分散状態の例を示す図である。このマスクパターンでは、複数のノズルブロックで記録許容比率をそれぞれ調整しながらも、隣接するノズルブロックの境界付近およびブロック内の全ノズル範囲で、記録許容比率が極端に変化しないように、個々のノズルの記録許容比率が調整されている。そのため、図10(b)に示されるように、マスクパターンの記録許容画素は全領域に渡って高い分散性を保ちながらも、各画素列の記録許容画素の割合(記録許容比率)が第1の方向に沿って滑らかに変化している。
以下、本明細書において、図10(a)および(b)のようにノズルの記録許容比率が、ノズルブロック内においても、ノズルブロック間においても、緩やかに変動する形態のマスクパターンを、「グラデーションマスク」と称することとする。グラデーションマスクであれば、ノズルブロック間の記録許容比率を適量に調整しつつも、隣接するノズルブロックの境界付近での記録許容比率も緩やかに変化させることが出来るので、「バンド間むら」および「つなぎすじ」の両方を抑制することが出来る。但し、既に説明したように、グラデーションマスクのようにノズルブロック内で記録許容比率を変化させると、ノズルブロックの幅に相当するバンド内で生じる「バンド内むら」が招致される場合がある。
これに対し、図11(a)および(b)は、上記「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」の全てを抑制するために作成された、本実施形態で採用するマスクパターンの記録許容比率の分布および記録許容画素の分散状態を示す図である。本実施形態のマスクパターンは、「バンド間むら」を抑制するために要される第1の条件と、「つなぎすじ」を抑制するために要される第2の条件、および「バンド内むら」を抑制するために要される第3の条件を、全て満たすように作成されている。
ここで、第1の条件とは、複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されていることである。調整されている結果、少なくとも2つの隣接するブロックに対応する少なくとも2つの隣接するパターン部夫々の平均記録許容比率は互いに異なっている。図11の例では、第1ブロックに対応する第1パターン部の平均記録許容比率は約15%、第2ブロックに対応する第2パターン部の平均記録許容比率は約35%となっている。
また、第2の条件とは、隣接するノズルブロックに対応するパターン部同士の境界を含む境界領域において、(A)第2方向(主走査方向)に延びる各画素列における記録許容比率が、一方のパターン部の非境界領域の記録許容比率と他方のパターン部の非境界領域の記録許容比率との間の範囲内の値を有し、且つ、(B)第1方向(副走査方向)に延びる画素行における記録許容比率が第2方向(主走査方向)の位置に応じて変化することである。この第2の条件を満たすことによって、上記境界領域の画素行内において記録許容比率が切り替わる副走査方向の位置が主走査方向に直線的に連続しないようにすることができる。
さらに、第3の条件とは、個々のノズルブロックに対応する個々のパターン部において、境界領域以外の領域となる非境界領域の各画素列における記録許容比率が、ほぼ一定に保たれていることである。ここで、“一定”とせずに“ほぼ一定”としたのは、本実施形態のマスクパターンにおいて、個々の画素列の記録許容比率を必ずしも厳密に一定にすることは要されないからである。既に説明したように、個々の画素列の記録許容比率は、画素列に含まれる複数の画素(定数)のうち記録許容画素の個数によって決まる。従って、同じ記録許容比率を設定したい画素列群に関しては、その画素列群に含まれる記録許容画素の個数を同じに設定すればよい。しかし、以下の理由から、画素列群に含まれる記録許容画素の個数を厳密に同数に設定することができない場合がある。例えば、10個のノズルに対応する10個の画素列の記録許容比率をそれぞれ15%に設定する場合を考える。この場合、マスクパターンの走査方向のサイズが100画素であれば、10個の画素列夫々に対応する記録許容画素の個数を15個に設定すれば、どの画素列の記録許容比率も15%となる。一方、マスクパターンの走査方向のサイズが128画素であれば、10個の画素列夫々に対応する記録許容画素の個数を19.2個に設定しなければならならい。しかし、小数点以下の個数は設定できないから、10個の画素列中、8個の画素列には19個の記録許容画素に対応させ、2個の画素列には20個の記録許容画素に対応させる必要がある。このように、同じ記録許容比率を設定したい場合であっても、マスクパターンのサイズによっては、各画素列に対応する記録許容画素の個数が多少ばらついてしまう場合がある。従って、本実施形態の場合も、非境界領域を構成する個々の画素列の記録許容比率が、厳密に15%や35%の値に設定されているとは限られず、上記のような多少のばらつきを含んだ値が設定される場合も有り得る。すなわち、“ほぼ一定”とは、上記のような記録許容率のばらつきも含んだ上での“一定”であり、「バンド内むら」が目視で確認できる程度のばらつきが含まれていないことは勿論である。
図11(a)および(b)を参照するに、本実施形態のマスクパターンにおける第1〜第4のパターン部同士の境界付近には、各パターン部に16画素ずつ、計32画素の領域を有する境界領域L12、L23およびL34が設けられている。第1ブロックに対応する第1パターン部および第4ブロックに対応する第4パターン部の非境界領域では、第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合がほぼ15%(第1の値)となるように、記録許容画素の個数並びに分布が定められている。また、第2ブロックに対応する第2パターン部および第3ブロックに対応する第3パターン部の非境界領域では、各画素列における記録許容画素の割合がほぼ35%(第2の値)となるように、記録許容画素の個数並びに分布が定められている。このように、図11のマスクパターンは、上述した第1および第3の条件を満たしている。
一方、境界領域L12およびL34では、各画素列における記録許容画素の割合が上述した第1の値(15%)と第2の値(35%)の値の間の値となり、且つ、第1の方向に延びる画素行における記録許容画素の割合が第2の方向の位置に応じて異なっている。特に、各画素行では、第1の方向に配列される32画素のいずれかの位置において、記録許容比率が劇的(ここでは、15%から35%)に切り替わるように構成されている。このように、境界領域の各画素行において記録許容比率が劇的に切り替わる部分を、「境界部」と称することとする。
例えば、境界領域L12では、第1パターン部の非境界領域の記録許容率15%(第1の記録許容比率)と第2パターン部の非境界領域の記録許容率35%(第2の記録許容比率)が第1の方向に切り替わる境界部を32画素幅のいずれかに含んでいる。但し、境界部の第1の方向の位置は、第2の方向の位置に応じて変化する。図11(b)の例では、境界部の第1の方向における位置が、第2の方向の位置に応じて山型に変動している。このように、境界部が第1の方向に変動しているので、境界領域L12では記録許容画素が第1ブロックや第2ブロックの非境界領域のように一様に分散していない。
図12は、図11(b)で示したマスクパターンにおいて、第1の方向の記録許容比率の分布(記録許容画素の分布)が、第2の方向の画素位置に応じて異なっている状態を説明するための図である。121〜123は、第1の方向に延びる画素行としてのラインLine1、Lin2およびLine3における記録許容率の分布をそれぞれ示した図である。121〜123のそれぞれにおいて、横軸は第1の方向(副走査方向)の画素位置を示し、副走査方向の最も上流側(図の下側)の画素を原点(0)としている。縦軸は個々の画素位置における近傍エリア(その画素位置を含む複数画素で構成される一定領域)の記録許容比率を示している。Line1において、記録許容率は48画素の位置で15%から35%に切り替わり、176画素の位置で35%から15%に切り替わっている。これに対し、Line2では、記録許容率は64画素の位置で15%から35%に切り替わり、192画素の位置で35%から14%に切り替わっている。更にLine3では、記録許容率は80画素の位置で15%から35%に切り替わり、208画素の位置で35%から14%に切り替わっている。このように、本実施形態によれば、記録許容比率が15%と35%の間で切り替わる境界部の位置を、主走査方向(第2の方向)の位置に応じて異ならせている。また、図からも分かるように、境界部の副走査方向における位置は、周期的且つ連続的に境界領域の範囲内で変化している。
図13は、図11のマスクパターンの非境界領域と境界領域とで、記録許容画素の分散状態を比較して説明するための図である。図において、r101、r102およびr103は、第1ブロックに対応する第1パターン部の非境界領域において、第2の方向(主走査方向)に並列する合同な3つの領域を示している。これら領域に含まれる全画素数のうち記録許容画素(黒で示した画素)の割合は、ほぼ15%(第1の値)に統一されている。また、第1パターン部の各画素列の記録許容画素の割合もほぼ15%になっている。一方、r301、r302およびr303は、第2ブロックに対応する第2パターン部の非境界領域において第2の方向(主走査方向)に並列する合同な3つの領域を示している。これら領域に含まれる全画素数のうち記録許容画素(黒で示した画素)の割合は、ほぼ35%に統一されている。また、第2パターン部の各画素列の記録許容画素の割合もほぼ35%になっている。
一方、r201、r202およびr203は、境界領域L12において第2の方向(主走査方向)に並列する合同な3つの領域を示している。個々の領域については、目視でもわかるように、記録許容画素が粗の部分と密の部分に分断されており、非境界領域のような一様な分布にはなっていない。また、境界部の位置が主走査方向(第2の方向)の位置に応じて変化しているため、個々の領域における記録許容比率も、r201、r202およびr203それぞれで異なっている。より詳しくは、r201、r202およびr203のどの領域でも、(A)各画素列の記録許容画素の割合が、第1及び第2のパターン部の非境界領域夫々に対応した2つの記録許容画素の割合の範囲(15%〜35%)内となっており、しかも、(B)各画素行の記録許容画素の割合が第2の方向(主走査方向)の位置に応じて変化している。
このように本実施形態においては、上述した第2の条件を満たすため、記録許容比率が劇的に切り替わる境界部の副走査方向における位置が主走査方向に連続することがない。これにより、境界部の副走査方向における位置が主走査方向に連続することに起因して生じる「つなぎスジ」を低減することができる。加えて、図11(a)および(b)で説明した本実施形態のマスクパターンによれば、複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されているという第1の条件も満たされている。また、個々のノズルブロック内において非境界領域の記録許容比率がほぼ一定であるという第3の条件も満足されている。以上のことから、本実施形態によれば、「バンド間むら」や「バンド内むら」を抑えつつ、「つなぎすじ」も現れない一様な画像を出力することが可能となる。
図18は、本実施形態の効果を確認するために、図2〜図5で説明したインクジェット記録システムを用い、図8〜図11のマスクパターンで4パスのマルチパス記録をそれぞれ行った時の、画像品位を比較した結果を示す図である。図によれば、フラットマスク、グラデーションマスクおよび階段マスクのうち、いずれの従来型マスクを使用しても、「バンド間むら」、「バンド内むら」および「つなぎすじ」の全項目を同時に低減することはできない。これに対し、本実施形態のマスクパターンを使用すれば全項目を同時に抑制し、良好な画像を出力可能であることが確認出来る。
なお、以上では、境界部の位置が境界領域の範囲内で山型に変動する場合を例に説明したが、境界部の変動形態については様々な変形例が考えられる。例えば、図14は、境界部の位置が円弧の形状に変動するマスクパターンの例を示しており、また、図15は境界部の位置がのこぎり歯の形状に変動するマスクパターンの例を示している。更に、図16は、境界部の位置が正弦波の形状に変動するマスクパターンの例を示している。いずれの形状であっても、境界部の第1の方向の位置が第2の方向の位置に応じて周期的且つ連続的に境界領域の範囲で変動しているという条件は満たされている。
また、図17は、境界部の位置が図15と同様にのこぎり歯の形状に変動しながらも、その振幅(すなわち境界領域の幅)と周期を図15のマスクパターンよりも小さくした例を示している。上記実施形態では、振幅(すなわち境界領域の幅)を32画素として説明したが、本発明において、振幅や変動周期は特に限定されるものではない。「つなぎすじ」の目立ち方は、記録解像度やインク吐出量、記録媒体の種類などによって変化する場合もあるので、これら様々な条件に応じて、適切な値に振幅や変動周期を調整したマスクパターンを用意すればよい。
更に、本実施形態の境界領域は、境界部を堺にして、一方の非記録領域の記録許容比率(例えば、15%)と他方の非記録領域の記録許容比率(例えば、35%)が切替るような、記録許容画素と非記録許容画素の配置によって構成されているが、これに限定されるものではない。一方の非境界領域の記録許容比率(例えば、15%)と他方の非境界領域の記録許容比率(例えば、35%)との間の範囲内(例えば、20〜30%)で、境界領域の画素行の記録許容比率が主走査方向の位置に応じて変化するように、境界領域を構成する記録許容画素および非記録許容画素は配置されていればよい。
(実施形態2)
本実施形態では、6パスのマルチパス記録に採用可能なマスクパターンを説明する。図19〜図21は、複数のノズルの記録許容比率の分布と記録許容画素の分散状態を、従来および本実施形態のマスクパターンについて示した図である。
本実施形態のノズル群は256個のノズルを有しているが、6パス記録の場合には、各ノズルブロックに含まれるノズル数を等しくするために、連続する252個のノズルのみを使用する。この場合、ノズル群は第1の方向に対し、42個ずつの6つのノズルブロック(第1〜第6のノズルブロック)に分割され、6回の走査夫々の間に1つのブロックの幅に対応した量の記録媒体の搬送が行われる。これにより、1つのブロックの幅を有する記録媒体の単位領域には、6回の走査で画像が完成される。ここでは、6つのノズルブロックを、第1ブロック〜第6ブロックとして示している。また、第1〜第6のブロックに対応するマスクパターンの部分を第1〜第6のパターン部とする。
図19は、6パス用の「階段マスク」の記録許容画素の分散状態の一例を示す図である。図19のマスクパターンでは、第1ブロックと第6ブロックの記録許容比率が2%、第2ブロックと第5ブロックの記録許容比率が15%、第3ブロックと第4ブロックの記録許容比率が33%となっている。本例のマスクパターンは主走査方向(第2の方向)に128画素、副走査方向(第1の方向)に252画素の領域を有する。このような「階段マスク」を用いた場合、記録媒体の単位領域は、第1〜第6のブロックによって、2%+15%+33%+33%+15%+2%=100%の記録がなされる。但し、図19に示したような階段マスクを用いて記録を行うと、既に課題の項で説明したように、記録許容比率が大きく切り替わる箇所(境界部)が、第2の方向(主走査方向)に直線状に配列することになる。結果、「つなぎすじ」が発生しやすい。
図20は、6パス用の「グラデーションマスク」の記録許容画素の分散状態の一例を示す図である。このようなグラデーションマスクであれば、ノズルブロック間の記録許容比率を適量に調整しつつも、隣接するノズルブロックの境界での記録許容比率も緩やかに変化させることが出来るので、「バンド間むら」および「つなぎすじ」の両方を抑制することが出来る。但し、既に説明したように、グラデーションマスクのように個々のノズルブロック内で記録許容比率を変化させた場合、「バンド内むら」が招致される場合がある。
これに対し、図21は、上記「バンド間むら」、「つなぎすじ」および「バンド内むら」の全てを抑制するために作成された、本実施形態で採用する6パス用のマスクパターンの記録許容画素の分散状態を示す図である。本実施形態のマスクパターンは、「バンド間むら」を抑制するために要される第1の条件と、「つなぎすじ」を抑制するために要される第2の条件、および「バンド内むら」を抑制するために要される第3の条件を、全て満たすように作成されている。
図21を参照するに、第1〜第6のブロックに対応する第1〜第6のパターン部同士の境界付近には、各パターン部に16画素ずつ、計32画素の領域を有する境界領域L12、L23、L45およびL56が設けられている。第1パターン部および第6パターン部の非境界領域では、各画素列における記録許容画素の割合が2%になるように、記録許容画素の個数および分布が定められている。また、第2パターン部と第5パターン部の非境界領域では、各画素列における記録許容画素の割合が15%となるように、記録許容画素の個数および分布が定められている。さらに、第3パターン部および第4パターン部の非境界領域では、各画素列における記録許容画素の割合が33%になるように、記録許容画素の個数および分布が定められている。このように、図22のマスクパターンは、上述した第1および第3の条件を満たしている。
一方、境界領域L12、L23、L45およびL56では、ここに含まれる32画素のいずれかを境界部として、2つのブロックの非境界領域における記録許容比率の範囲内で、境界領域の記録許容比率が変化する。例えば、境界領域L12では、第1ブロックの記録許容率2%と第2ブロックの記録許容率15%が互いに切り替わる境界部を32画素幅のいずれかに含んでいる。但し、第1実施形態と同様、境界部の第1の方向の位置は、第2の方向の位置に応じて、境界領域L12が有する32画素の範囲内で変動している。図21の例では、境界部の第1の方向に対する位置が、第2の方向の位置に応じてのこぎり歯の型に変動するマスクパターンが示されている。このように、境界部が第1の方向に変動しているので、境界領域L12では記録許容画素が非境界領域のように一様に分散することはない。
図22は、図21で示したマスクパターンにおいて、第1の方向の記録許容比率の分布が、第2の方向の画素位置に応じて変化する状態を説明するための図である。221〜223は、第1の方向に延びる画素行としてのラインLine21、Lin22およびLine23における記録許容率の分布をそれぞれ示した図である。221〜223のそれぞれにおいて、横軸は第1の方向(副走査方向)の画素位置を示し、副走査方向の最も上流側(図の下側)の画素を原点(0)としている。縦軸は個々の画素位置における近傍エリアの記録許容率を示している。Line21において、記録許容率は26画素の位置で2%から15%に切り替わり、68画素の位置で15%から33%に切り替わり、152画素の位置で33%から15%に切り替わり、194画素の位置で15%から2%に切り替わっている。これに対し、Line22では、記録許容率は42画素の位置で2%から15%に切り替わり、84画素の位置で15%から33%に切り替わり、168画素の位置で33%から15%に切り替わり、210画素の位置で15%から2%に切り替わっている。更にLine23では、記録許容率は58画素の位置で2%から15%に切り替わり、100画素の位置で15%から33%に切り替わり、184画素の位置で33%から15%に切り替わり、226画素の位置で15%から2%に切り替わっている。このように、本実施形態によれば、記録許容比率が2%、15%および33%の間で切り替わる境界部の位置を、主走査方向(第2の方向)の位置に応じて異ならせている。また、本実施形態ではこの境界部の位置が、図からも分かるように周期的且つ連続的に境界領域の範囲内で変動している。結果、本実施形態によれば、境界領域において、(A)各画素列における記録許容画素の割合が、一方のパターン部の非境界領域の記録許容の割合と他方のパターン部の非境界領域の記録許容画素の割合との間の値を示し、且つ、(B)画素行における記録許容画素の割合が主走査方向の位置に応じて変化する、という第2の条件を満たすことができる。
加えて、図21で説明した本実施形態のマスクパターンによれば、複数のノズルブロックの記録許容比率がブロック単位で調整されているという第1の条件も満たされている。さらに、個々のノズルブロック内において非境界領域の記録許容比率がほぼ一定であるという第3の条件も満足されている。以上のことから、本実施形態によれば、6パスの双方向マルチパス記録において、「バンド間むら」や「バンド内むら」を抑えつつ、「つなぎすじ」も現れない一様な画像を出力することが可能となる。
なお、以上では、図22を用いて、互いに異なる記録許容比率を有し隣接するブロック間の全ての境界領域において、境界部の位置を変動させるマスクパターン構成を説明した。しかし、「つなぎすじ」の目立ち方によっては必ずしも全ての境界領域で境界部の位置を変動させる必要はない。例えば、記録許容比率が2%(第1の記録許容比率)と15%(第2の記録許容比率)の境界ではつなぎすじが目立ち易いが、記録許容比率が15%(第3の記録許容比率)と33%(第4の記録許容比率)の境界ではつなぎすじが然程目立たない場合を考える。この場合には、図23に示すような、部分的に本発明の特徴を取り入れたマスクパターンを使用することも出来る。すなわち、境界領域(L12)と境界領域(L56)のみで境界部の位置を変動させ、その他の隣接ノズルブロック間の境界領域では従来の階段マスクと同様にしてもよい。逆に、記録許容比率が2%と15%の境界ではつなぎすじが目立たないが、記録許容比率が15%と33%の境界ではつなぎすじが目立つ場合には、図24に示すような、マスクパターンを使用することも出来る。すなわち、境界領域(L23)と境界領域(L45)のみで境界部の位置を変動させ、その他の境界では従来の階段マスクと同様にしてもよい。また、つなぎすじの程度が然程大きくないような場合には、例えば、境界領域(L12)のみで本発明の構成を適用し、その他のブロックでは従来の階段マスクを適用するようにしてもよい。
なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様、境界部の変動形態については様々な形状を採用することが出来る。また、振幅や変動周期についても、上記例に限定されるものではなく、様々に調整することが出来る。
(その他の実施形態)
以上の実施形態では、つなぎすじの目立ち方などに応じて、マスクパターンにおける境界部の変動形態や振幅あるいは周期を調整することが可能であると説明した。但し、画像弊害の目立ちやすさや要求される画像品位は、同じ記録装置であっても、記録媒体の種類や記録物の用途、記録物を観察する一般的な距離などに依存して、様々に変化する。例えば、はがきサイズ程度の出力物と、ポスターのような大きさの記録物とでは、記録物を観察する際の一般的な至近距離が異なることが多い。よって、記録媒体の種類やサイズ、ユーザが要求する画像品位など様々な条件に応じて調整された複数のマスクパターンと、それぞれのマスクパターンを使用する複数の記録モードを、予め1つの記録装置に用意しておくことも出来る。このようにすれば、記録条件が変化した場合であっても、ユーザは常に適切な記録モードを選択的に指定することが出来るようになる。
なお、以上の実施形態では、境界部の変動周期は特に制限されるものではないと説明したが、本発明者らが確認検討した結果によれば、上記実施形態のように1200dpiの画像を記録する装置の場合には、周期は主走査方向に5画素以上を有することが好ましい。但し、この場合、主走査方向に5画素以上の周期さえ維持されれば、その形状は、必ずしも、一定に保たれる必要はない。正弦波、のこぎり歯、円弧の形状がランダムに配置されても良いし、振幅や周期が様々に変化しても構わない。
また、以上の実施形態では、各色256個のノズル群を備えた記録ヘッドを用い、128画素(第1の方向)×256画素(第2の方向)の大きさを有するマスクパターンを用いた構成で説明を行ってきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。ノズル群に含まれるノズルの数は更に多くても良く、マスクパターンの第1の方向(副走査方向)の大きさは、記録に使用するノズルの数に対応した画素数を有していればよい。また、第2の方向(主走査方向)の大きさについては特に限定されるものではないが、境界部の変動に周期がある場合には、この周期以上の画素数を有していることが望まれる。
また、以上の実施形態では、4色分のインクに対応したノズル群を備えた記録ヘッドを、X方向に移動させながら記録を行うカラーインクジェット記録装置を例に説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。より多種類のインクを吐出するために、4つ以上のノズル群を備えた形態であっても良いし、例えばブラック1色のみのノズル群を備える形態であっても良い。ブラック1色の場合、カラーインクの付与順序に起因する「バンド間むら」は発生しないが、複数の記録走査における付与タイミングの差に起因する「バンド間むら」は発生し、本発明はその効果を充分に発揮することが出来る。また、複数のインクを搭載する場合には、「つなぎすじ」等の画像弊害の目立ち方がインク色によって異なる場合もある。このような場合には、上述したような本発明のマスクパターンをインク色ごとに独立に用意することも有効である。
さらに、上記実施形態では、一連の画像処理工程を、ホスト装置100と記録装置104のそれぞれで図5のように分担して実行する内容で説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、γ処理J0004を行った多値のデータのまま、記録装置104に画像データを転送し、記録装置104において、2値化処理およびマスク処理が行われる内容であっても良い。また、マスク処理J0008までの全工程をホスト装置で行っても良いし、前段J0002以降の総ての工程を記録装置で行う構成であっても構わない。いずれにしても、2値化後の記録データを、上記所定の記録比率に従って複数のノズルに分配し、マルチパス記録が実現可能な記録装置あるいは記録システムであれば、本発明の範疇に含まれる。
なお、以上説明した実施形態では、各画素に対する記録の許容あるいは非許容が予め定められたマスクパターンを用いることで、マルチパス記録を実現している。しかし、この場合、画像データとマスクパターンの論理積によって得られた画像データが複数のブロックの各ノズルに分配されるので、分配された後の画像データ(記録画素)の分布は、上記実施例で示したマスクパターンの記録許容比率の分布と完全に一致するわけではない。但し、一般に、マスクパターンを使用すれば、マスクパターンによって定まる「個々のブロックの記録許容比率」は、画像データとマスクパターンの論理積によって定まる「1回の記録走査で個々のブロックが実際に記録を行う画素の比率」とほぼ一致する。従って、マスクパターンによって個々のブロックの記録許容比率を定めることは、個々のブロックの実際の記録比率を定めることにほぼ等しいとみなすことが出来る。
Claims (8)
- 記録に使用可能な複数のノズルが第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドを第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動手段と、
前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を前記第1の方向へ搬送する搬送手段と、
前記複数のノズルに対応する画像データをマスクするためのマスクパターンと前記画像データとに従って、前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドに記録を実行させる制御手段とを備え、
(i)前記マスクパターンは、前記複数のノズルブロックに含まれる第1のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第1のパターン部と前記第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第2のパターン部とを少なくとも含み、
(ii)前記第1のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ第1の値であり、前記第2のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第1の値とは異なる第2の値であり、
(iii)前記第1のパターン部と前記第2のパターン部との境界を含む境界領域では、前記第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合は前記第1の値と前記第2の値の間の値であり、且つ、前記第1の方向に延びる画素行における記録許容画素の割合が前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする記録装置。 - 前記境界領域の第1の画素行における記録許容画素の割合は、ほぼ前記第1の値であり、
前記境界領域の第2の画素行における記録許容画素の割合は、ほぼ前記第2の値であり、
前記第2の方向において前記第1の画素行と前記第2の画素行の間にある第3の画素行における記録許容画素の割合は、前記第1の値と前記第2の値の間の値であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記第1のノズルブロックは、前記複数のノズルのうちの一端部に位置するノズルを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記マスクパターンは、前記第2のノズルブロックに隣接する第3のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第3のパターン部を更に含み、
(i)前記第3のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第3の値であり、
(ii)前記第3のパターン部と前記第2のパターン部との境界を含む境界領域の各画素列における記録許容画素の割合は前記第3の値と前記第2の値の間の値であり、当該境界領域の各画素行における記録許容画素の割合は前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記マスクパターンは、前記第2のノズルブロックに隣接する第3のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第3のパターン部と、前記第3のノズルブロックに隣接する第4のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第4のパターン部とを含み、
(i)前記第3のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第2の値であり、前記第4のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第1の値であり、
(ii)前記第3のパターン部と前記第4のパターン部との境界を含む境界領域の各画素列における記録許容画素の割合は前記第1の値と前記第2の値の間の値であり、当該境界領域の第1の方向に延びる各画素行における記録許容画素の割合は前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。 - 前記第1のノズルブロックは、前記複数のノズルのうちの一端部に位置するノズルを含み、
前記第4のノズルブロックは、前記複数のノズルのうちの他端部に位置するノズルを含むことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。 - 記録に使用可能な複数のノズルが第1の方向に配列された記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、
前記記録ヘッドを第1の方向と交差する第2の方向に移動させる移動工程と、
前記記録ヘッドの移動と移動の間に、前記複数のノズルが分割されてなる複数のノズルブロックの1つの幅に対応した量だけ、前記記録媒体を前記第1の方向へ搬送する搬送工程と、
前記複数のノズルに対応する画像データをマスクするためのマスクパターンと前記画像データとに従って、前記記録ヘッドの移動中に前記記録ヘッドにより記録を実行する記録工程とを有し、
(i)前記マスクパターンは、前記複数のノズルブロックに含まれる第1のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第1のパターン部と前記第1のノズルブロックに隣接する第2のノズルブロックの各ノズルに対応する画像データをマスクするための第2のパターン部とを少なくとも含み、
(ii)前記第1のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ第1の値であり、前記第2のパターン部の非境界領域の第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合はほぼ前記第1の値とは異なる第2の値であり、
(iii)前記第1のパターン部と前記第2のパターン部との境界を含む境界領域において、前記第2の方向に延びる各画素列における記録許容画素の割合が前記第1の値と前記第2の値の間の値であり、前記第1の方向に延びる画素行における記録許容画素の割合が前記第2の方向の位置に応じて異なることを特徴とする記録方法。 - 前記境界領域の第1の画素行における記録許容画素の割合は、ほぼ前記第1の値であり、
前記境界領域の第2の画素行における記録許容画素の割合は、ほぼ前記第2の値であり、
前記第2の方向において前記第1の画素行と前記第2の画素行の間にある第3の画素行における記録許容画素の割合は、前記第1の値と前記第2の値の間の値であることを特徴とする請求項7に記載の記録方法。
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