JPWO2010061772A1 - イムノクロマト媒体およびイムノクロマトグラフ法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、着色ラテックス粒子が可能な色調数、4種類を超える複数項目を検出する場合でも、さらに複数項目を同時に検出かつ定量可能なイムノクロマト媒体およびイムノクロマトグラフ法を提供することである。このイムノクロマト媒体は、支持体上に、標識化試薬に固定化させた標識付き試薬と、試料中の検出すべき被検出物質と結合可能な物質を固定化した検出部位とを持つイムノクロマト媒体において、該標識化試薬が、蛍光ナノ粒子であり、該検出部位がドット状であることを特徴とする。

Description

本発明は、一般的に単一の流体試料中の、もし存在する場合は複数の分析物(アナライトともいう)を、1支持体で複数項目検出し、識別するイムノクロマト媒体を用いたイムノクロマトグラフ法に関する。
迅速診断試験の分野は長年にわたって進化してきており、多様な種類の試料中の分析物の検出が可能となっている。迅速イムノアッセイをベースとする試験の多くは、試験片を内蔵する堅いケースを含む。しかし最近、堅いケースを持たないイムノクロマトグラフィックアッセイが開発された。このような試験は、ディップスティック(dipsticks)ないし尿試験紙と称されるが、あらかじめ決められた量の対象液体試料を入れた容器に直接浸すことができる。試料を受入れるパッドを有するディップスティックの先端は、通常液体試料と接触し、液体が流路を移動上昇する。現在のイムノクロマトグラフィー用ディップスティックの1つの欠点は、ただ1つの分析物の存在しか検出できないことである。たとえば一度に1つの分析物しか評価できないことから、単一分析物の迅速分析を使用することはしばしば制約的であることが認識されている。そのため、必要な試料の量が増えることにより、試料採取に負担がかかる、あるいは試料の希釈により微量検体の検出が困難になる。また中心部への試料添加の制御がうまくいかない場合、同一量の試料がそれぞれのストリップに展開できない可能性がある。したがって、簡易取り扱い性が劣ってしまう、さらにはストリップのロット差が拡大し、データの精度が低下してしまう可能性がある。
一方、複数項目の分析法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、1ストリップ上へのライン数には限界があり、コントロールと試験ゾーンを交互に配置する本特許文献においては、被検物質は3種類までが限界であると思われる。また、試料添加部から近いラインと遠いラインとでは、反応する試料の濃度に大きな差が現れると考えられるため、ライン部分によって感度が異なる可能性がある。
特表2007−506115号公報
本発明の目的は、着色ラテックス粒子が可能な色調数、4種類を超える複数項目を検出する場合でも、さらに複数項目を同時に検出かつ定量可能なイムノクロマト媒体、およびイムノクロマトグラフ法を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.支持体上に、標識化試薬に固定化させた標識付き試薬と、試料中の検出すべき被検出物質と結合可能な物質を固定化した検出部位とを持つイムノクロマト媒体において、該標識化試薬が、蛍光ナノ粒子であり、該検出部位がドット状であることを特徴とするイムノクロマト媒体。
2.前記ドット状の検出部位におけるドット数が、3以上30以下であることを特徴とする前記1に記載のイムノクロマト媒体。
3.前記1または2に記載のイムノクロマト媒体を用いるイムノクロマトグラフ法であって、試料中の検出すべき被検出物質と結合可能な、標識化試薬に固定化させた標識付き試薬と、被検出物質とを反応させたクロマト反応液を、前記イムノクロマト媒体上を移動させ、被検出物質と結合可能な物質を固定化した検出部位で捕捉して被検出物質を検出することを特徴とするイムノクロマトグラフ法。
4.前記標識化試薬が、量子ドットであることを特徴とする前記3に記載のイムノクロマトグラフ法。
5.被検出物質を3項目以上15項目以下同時に検出できることを特徴とする前記3又は4に記載のイムノクロマトグラフ法。
複数項目を同時に検出かつ定量可能なイムノクロマト媒体およびイムノクロマトグラフ法を提供することができる。
本発明のイムノクロマトアッセイ媒体の1例を示す平面図及び断面図である。 本発明のイムノクロマトアッセイ媒体の1例を示す検出方法である。 メンブレンを使ったイムノクロマト媒体の1例を示す概略図である。
本発明のイムノクロマト媒体およびイムノクロマトグラフ法は、蛍光ナノ粒子を用いた1ストリップイムノクロマト媒体を使用することで、簡易に定量的な複数同時分析が可能となる。すなわち、本発明のイムノクロマト媒体を使用することで、1波長励起で多色発光が可能なため、操作を増やさずに同時に複数項目を検出できるばかりでなく、ライン状の場合、3〜4種類の検出部位が限界であるが、ドット状にすることにより占める検出部位面積が小さくて済むため、より複数の検出部位を設定することが可能である。したがって、3〜4種類以上の項目数でも、1ストリップで分析ができるため、添加する試料量を変化させずに検出が可能となる。また、試料の希釈も不必要であるため、複数項目を高感度に検出可能である。
本発明のイムノクロマト媒体に使用される支持体は、溶媒の存在下、検出しようとする物質と検出試薬との複合体が安定かつ速やかに拡散・移動して、クロマトグラフ検出部に確実に到達できるよう、複合体より大きい孔径を有することが必要であり、具体的には、例えば、ガラス繊維状のシート、紙やニトロセルロースなどの多孔質物質、または繊維状マトリクス、薄層クロマトグラフに用いられるシリカ、微細顆粒セルロース、ナイロン6,6などの担体を挙げることができる。感度・特異性が高いラテラルフロー式支持体アッセイを行うために好ましい多孔質物質としては、微多孔質セルロースエステル、たとえばアルカンカルボン酸などの脂肪族カルボン酸とのセルロースエステルが挙げられ、特に好ましくはニトロセルロースから作られた微多孔質物質が挙げられる。また、前記セルロースエステルとニトロセルロースの混合物も好適に用いることができる。上記支持体を持つイムノクロマト媒体の形状は、通常帯状で、クロマトグラフ検出部位はドット状に配列する。本発明の媒体において、クロマト反応液を移動させる長さは、通常1〜10cm程度、幅は通常0.5〜2cm程度である。
本発明では検出部をドット状とすることで、複数の検出を同時に行うことができる。検出の精度を保つことができれば、数多くのドットを一枚のイムノクロマト媒体中に作成することが可能であるが、検出に量子ドットを使用することの有効性や視認のしやすさ、扱い易さなどからドットの数は3以上30以下が好ましい。更に好ましくは5以上30以下である。
ドットの形状は矩形、円形、が好ましく使用でき、その大きさは特に制限はないが、視認のしやすさ、測定のしやすさから、1〜5mm程度の大きさが扱いやすく好ましい。また、隣接するドット間の間隔は、固定用抗体が、にじまない範囲で設けられる。1〜2mm程度の距離とすることができる。
測定のしやすさ、視認の確実性から、互いにほぼ等距離離間した2次元的配置が好ましい。具体的には行列状に配列し、行と列の数はそれぞれ1〜6程度とすることができる。
ドットは吸収パッドを覆う材料に設けられ、噴霧等で固定用抗体を固定化する事ができる。その後ドットはラミネート等で、保護することができる。
本発明における試料には、種々の溶液が用いられ、生物由来の液体試料、例えば血液、血漿、血清、唾液、尿、乳汁、胸水、粘膜、髄液、腹腔液、羊水あるいは糞便等が用いられる。また、発酵プロセス、細胞培養、または化学反応混合物などから得たものであってもよい。また、生物学的流体または生理学的流体の他に、他の液体サンプル、例えば水、食品の製造検定サンプル、または、水質あるいは土壌検査サンプルなどであってもよい。検出対象としては、それに対して特異的に結合する物質(被検出物質と結合可能な物質)が存在するものであればよく、例えばポリペプチド、たんぱく質、複合たんぱく質、多糖類、脂質、複合脂質、ホルモン類、核酸等が例示される。これ、特異的に結合する物質とは、抗体、レセプター、またアプタマー等が例示される。
[標識化試薬]
標識化試薬は、特異的結合構成物(抗体)に付加されることが可能な検出可能な標識目的の物質を意味し、本発明においては、蛍光ナノ粒子が用いられる。蛍光ナノ粒子は、小サイズで高い発光を得られるメリットがある。好ましくは量子ドットを用いたほうがよく、量子サイズ閉じ込め効果により高い発光強度が得られると同時に、同一組成でサイズ変更により異なる発光波長を得られる特性を有し、しかも発光波長の半値幅が狭いため可視光〜赤外領域まで多色が得られる大きなメリットを有する、本量子ドットの特徴は本発明の効果をより高く発揮させる。
蛍光ナノ粒子としては量子サイズ効果を発揮する量子ドット、賦活剤を含有することで蛍光を生じる賦活剤型蛍光粒子、母体励起型ナノ粒子などを用いることができる。
本発明においては、量子ドットとしては、特に下記の半導体ナノ粒子を用いることが好ましい。
本発明に係る半導体ナノ粒子の材料としては、公知の種々の蛍光発光性化合物及びその原料を用いることができる。例えば、従来、半導体ナノ粒子の材料として知られている種々の半導体材料を用いて形成することができる。具体的には、例えば、元素の周期表のIV族、II−VI族、及びIII−V族の半導体化合物及びこれらの化合物を構成する元素を含む原料化合物を用いることができる。
II−VI族の半導体の中では、特に、MgS、MgSe、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、HgS、HgSe及びHgTeを挙げることができる。
III−V族の半導体の中では、GaAs、GaN、GaPGaSb、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb及びAlSを挙げることができる。
IV族の半導体の中では、Ge及びSiは特に適している。
上記の量子ドットの例としてはCdSe、CdTe、InP、InN、InAs、CdS、Si、Geなどが上げられるが好ましくはSi、InPがその取り扱い性、環境適性の面から用いられ、本発明効果(簡便性)を高く発揮する。
本発明に係る量子ドットは量子閉じ込め効果を高く発揮し、高い輝度を得るためにコア/シェル型量子ドットが好ましい。例えばコアがシリコンの場合にはシリカをシェルに選択したり、コアがCdSeの場合はシェルにZnSを選択できる。コアの量子ドットの製造方法においては、従来公知の種々の方法を利用することができるが、選択する組成によって最適な製造方法が選択される。シェルについてもコアの組成によって最適な製造方法が選択される。本発明で好ましくコアシエル型シリコン量子ドットが用いられる。そのコア部のシリコン量子ドットを形成する場合、シリコン量子ドットの粒子サイズを容易に制御することのできる高周波スパッタリング法と、シリコン量子ドットの形態を膜形態から粒子形態へ変えるための酸処理と攪拌処理をする工程を含む製造方法を採用することが好ましい。この製造方法の場合、シリコン量子ドットの形態を、膜形態から粒子形態に変え、溶液中に分散させて蛍光発光させる点に特徴がある。シェルの形成においてもシリコン量子ドットの場合、適正な温度、酸素濃度条件のもと自然酸化やアニール酸化によって酸化膜(シリカ膜)を形成してもよい。
なお、本発明の好ましいコア/シェル型シリコン量子ドットは、シリコンを含有するコア部と酸化ケイ素を含有するシェル層からなるコア/シェル型シリコン量子ドットでことを特徴とするが、発光強度を高めるために、コア部及びシェル層のうち少なくともいずれか一方にドーパントとして、Be、Ga、Mg、Ge等の原子を微量含有させることも好ましい。
本発明に係る量子ドットは、平均粒径が2〜10nmであり、かつ200〜500nmの範囲内の波長の紫外〜可視光により励起されたときに、400〜900nmの範囲内の波長の可視光から赤外領域に発光を示す態様の量子ドットであることが好ましい。
本発明において、量子ドットの平均粒径は本来3次元で求める必要があるが、微粒子過ぎるため難しく、現実には二次元画像で評価せざるを得ないため、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて電子顕微鏡写真の撮影シーンを変えて数多く撮影し平均化することで求めることが好ましい。
粒子サイズの調整はスパッタ条件で変更ができ、シリコンチップとシリカのターゲット材料の面積比だけでなく、スパッタリング条件である高周波電力やガス圧(作製中の圧力であり、本製造プロセスではアルゴンガスの圧力)を変化させても、粒子サイズを制御することが可能である。このとき、高周波電力は10〜500Wの範囲内で変化させ、ガス圧は、1.3×10−2〜1.3×10Pa(1×10−4〜1×10−1torr)の範囲内で変化させる。
当該有機分子としては標識化試薬の標識目的物質(蛍光粒子など)と試薬(=分子標識物質)とを結合できる有機分子であれば特に制限はないが、例えば、タンパク質中でも、アルブミン、ミオグロビンおよびカゼイン等、またタンパク質の一種であるアビジンをビオチンと共に用いることも好適に用いられる。上記結合の態様としては特に限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、物理吸着および化学吸着等が挙げられる。結合の安定性から共有結合などの結合力の強い結合が好ましい。
当該有機分子としては、メルカプト基(チオール基)、カルボキシル基、アミノ基等を持つものが好ましく用いられ、具体的にはメルカプトプロピオン酸、メルカプトウンデカン酸、アミノプロパンチオール、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなどがあげられる。
[標識付き試薬]
本発明に係る標識付き試薬は、有機分子修飾された標識化試薬と、試薬(分子標識物質ともいう)とが有機分子により結合されている。本発明に係る標識付き試薬は試薬(分子標識物質ともいう)が目的とする生体物質と特異的に結合及び/又は反応することにより、生体物質の標識が可能となる。本発明における標識付き試薬中の試薬は、被検出物質と結合可能な物質、例えば前記抗体(特異的結合構成物ともいう)、レセプター、アプタマーを指し、標識化試薬により標識をした物質を、本標識付き試薬として、添加した被検出物質を含む試料と反応させる領域に予め固定しておくものである。
当該試薬としては例えば、ヌクレオチド鎖、抗体、抗原およびシクロデキストリン等が挙げられる。
具体的には、コア/シェル型シリコン量子ドットをメルカプトウンデカン酸で処理した場合は、有機分子としてアビジンおよびビオチンを用いることができる。この場合当該ナノ粒子のカルボキシル基はアビジンと好適に共有結合し、アビジンがさらにビオチンと選択的に結合し、ビオチンがさらに試薬(分子標識物質ともいう)と結合することにより標識付き試薬となる。
〈メンブレンアッセイ法測定原理〉
本発明の測定原理について簡単に述べる。本発明において“イムノクロマトグラフ法”とは、被検出物に特異的に結合する特異的結合構成物が固相化されたメンブレンを用いて検体試料中に含まれる被検出物の存在の有無を短時間に検査する方法である。より詳細には、検体中の被検出物に特異的に結合する特異的結合構成物を固相化した判定部を設けたメンブレンと、被検出物に特異的に結合する標識試薬を用いて、メンブレン上の判定部に、特異的結合構成物/被検出物/標識試薬からなる複合体を形成させて、標識試薬に結合する量子ドットにより検体中の被検出物を検出する、いわゆるサンドイッチアッセイ法である。
被検出物と前記特異的結合構成物及び標識試薬との反応としては、抗原抗体反応、その他の受容体とレセプターの反応、ビオチンとアビジンの特異的結合反応、相補的配列を持つDNA同士の反応等が挙げられるが抗原抗体反応であることが好ましい。
前記のメンブレンアッセイ法は、2種類のメンブレンイムノクロマト法、すなわちフロースルー式メンブレンアッセイ法またはラテラルフロー式メンブレンアッセイ法を利用するものであることが、簡便かつ迅速であるため好ましい。
フロースルー式メンブレンアッセイ法は被検出物を含む溶液を、被検出物と特異的に結合する特異的結合構成物や検出用物質が塗布されたメンブレンに対して垂直方向に通過させるものであり、被検出物に特異的に結合する特異的結合構成物、被検出物、被検出物に特異的に結合する第2の標識化試薬の複合体を膜上に形成させて、標識を検出あるいは定量することで、被検出物の検出あるいは定量を行う。
ラテラルフロー式メンブレンアッセイ法は、同様なメンブレンを用いてメンブレンに対して被検出物を含む溶液を水平方向に展開させる点でフロースルー式メンブレンアッセイ法と異なるが、被検出物の検出原理は同様である。2種類の方法のうち、簡便さと測定時間の短さの面からラテラルフロー式メンブレンアッセイ法が好ましい。
<被検出物に特異的に結合する特異的結合構成物>
被検出物を捕捉するための特異的結合物質は、被検出物と、抗原抗体反応のような特異的反応により結合して、複合体を形成する物質である。従って、被検出物により使用する特異的結合物質が異なることは当然であるが、一般には被検出物が細菌、ウイルス、ホルモン、その他臨床マーカー等の場合には、これらに対し特異的に反応して結合するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体等が挙げられる。そのほか、被検出物質が抗体の場合には、これらに対して特異的に反応して結合するウイルス抗原、ウイルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質、遺伝子組換え酵母発現タンパク質等が挙げられる。
このような特異的結合物質を上述した支持体表面に結合させる方法としては、物理的吸着であってもよく、または化学的な結合によるものであってもよい。特異的結合物質が結合した支持体の調製は、例えば、特異的結合物質を緩衝液等に希釈した溶液を支持体に吸着してその後乾燥することにより行われる。
本発明において、複数種類の被検出物を検出又は定量するために、支持体上には各々の被検出物に対する特異的結合物質を固相化する必要があるが、それぞれ支持体上の異なる位置に固相化されることが必要である。
<被検出物>
本発明でいう被検出物にはインフルエンザウイルス抗原等の病原微生物や病原微生物に対する抗体、ペプチドホルモン、ステロイド、生理活性アミン類、ビタミン類、プロスタングランジン類、テトラサイクリン等の抗生物質、細菌等が産生する毒素、各種腫瘍マーカー、農薬、及び病原微生物に由来する核酸成分に相補的なヌクレオチド等を挙げることができる。特にインフルエンザウイルスやRS(Respiratory Syncytial)ウイルス等の様に、大流行し、ごく短時間に特定する必要がある病原体の診断に、極めて有用である。
また、本発明のアッセイ法は、偽陽性を生じやすい被検出物において特に有効である。
2種類以上の被検出物が、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスおよびRSウイルスから選ばれる2種類以上である場合に特に有効に偽陽性を防ぐことができる。
本発明のアッセイ法により分析するための検体は、咽頭あるいは鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、便懸濁液、血漿、血清、尿、唾液、羊水、髄液、膿、臓器抽出液、各種組織抽出液等の生体試料、食品抽出液、培養上清、上水、下水、湖水、河川水、海水、土壌抽出液、汚泥抽出液を用いることができるがこれらに限定されない。特に咽頭あるいは鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、鼻腔洗浄液及び便懸濁液には、前記のように高粘度の生体由来の成分が多く含まれ、偽陽性が生じ易いので、本発明のアッセイ法はこれらの検体の評価において有効である。更に前記の検体のうち、咽頭あるいは鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、または鼻腔洗浄液のアッセイにおいてより有効である。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
≪ヒトサイトカインの測定≫
[実施例1]
(1)モノクローナル抗体の作製
精製IL−1a、IL−1b、IL−2、IL−4、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−12q70、GM−CSF、IFNγ、TNFα抗原を各々免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラー等の方法(Kohler、et.al.,Nature,vol.256,p495−497(1975))よりマウスミエローマ細胞(p3X63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、37℃インキュベーター中で維持し、細胞の純化(単クローン化)を行った。得られた該細胞2株を各々プリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水をProteinAカラムクロマトグラフィー(GE製)を用いたアフィニティ精製によってIgGを精製し、各々の抗原に対する精製抗体を2種類ずつ得た。
(2)量子ドット(コア/シェル型シリコン量子ドット)の作製
本発明のコア/シェル型シリコン量子ドットは、高周波スパッタリング法により製造されたコア/シェル型シリコン量子ドットであって、下記製造工程を経て製造される。
工程(1):ターゲット材料としてシリコンとシリカを用い、高周波スパッタリング法により基板上にアモルファス酸化ケイ素薄膜を作製した。高周波スパッタリング装置は、側面下部にアルゴンガス導入口と排気口を備える真空チャンバー、真空チャンバーの上面に絶縁材料を介して取り付けられ、冷却管から導入、排出される冷却水で冷却される基板ホルダー、及び、真空チャンバーの下面に絶縁材料を介して取り付けられ、冷却管から導入、排出される冷却水で冷却される陰極シールドを備える高周波電極から構成されている。
そして、上記装置において、アルゴンガスを真空チャンバー内にアルゴンガス導入口から導入し、高周波コントローラによりアルゴンガスをイオン化し、イオン化されたアルゴンイオンを、高周波電極上のターゲット材料であるシリコンチップと石英ガラスへ衝突させ、ターゲット材料から放出された原子や分子を基板ホルダーに保持した基板上に堆積させ、アモルファス酸化ケイ素薄膜を形成する。
ターゲット材料を構成するシリコンチップと石英ガラスの面積比を変化させることで粒子サイズを制御し、表1記載の量子ドットサイズになるように粒子毎に面積比を変更した。この面積比は、通常、1〜50%であり、製造効率や粒度分布から好ましくは5〜30%で設定される。
工程(2):上記アモルファス酸化ケイ素薄膜に不活性ガス(アルゴンガス)の雰囲気中で熱処理を施し、アモルファス酸化ケイ素薄膜内に所定粒子サイズのシリコン量子ドット(コア部)を形成する。上記熱処理の際、熱処理温度は1000〜1100℃の範囲で行い、目的とする粒子サイズによって調整した。また、熱処理時間は50〜70分の範囲とし、粒子サイズによって変更した。
工程(3):上記熱処理後アモルファス酸化ケイ素薄膜に、フッ酸による処理を施して、シリコン量子ドットを露出させる。
具体的には、シリコン量子ドットが形成された酸化ケイ素薄膜を載置する基板をアクリル板に貼り付け、フッ酸水溶液を収容する容器に対し、上記酸化ケイ素薄膜を下にして装着する。このとき,フッ酸水溶液の濃度は20〜30%で得られた酸化ケイ素膜の状態によって調整した。
そして、上記フッ酸水溶液を収容する容器を、ヒーターを備え、純水を収容する恒温水槽内に設置し、フッ酸水溶液処理を行う。上記処理の際、処理温度は40℃で行った。また、処理時間は8〜15分範囲で行った。
上記フッ酸水溶液処理においては、容器内の酸水溶液から蒸発したフッ酸が薄膜の表面に付着し、酸化ケイ素薄膜中の酸化ケイ素部分を表面から徐々にエッチングしていく。その結果、基板上には、多数のシリコン量子ドットが凝集状態で露出する。
工程(4):上記シリコン量子ドットが露出した基板を溶媒中に浸漬させることで、シリコン量子ドットを基板より離散させて、シリコン量子ドットが分散した溶液を得る。具体的には、シリコン量子ドットが凝集露出した基板を、エタノールを収容した容器に浸漬する。容器内に磁気撹拌子をいれ、スターラーにて撹拌する又は容器ごと超音波洗浄器に載置して超音波照射を行う。この撹拌処理により、基板上に凝集状態で露出していたシリコン量子ドットは、基板から離散し、エタノール中に分散する。攪拌処理の処理時間は60〜600秒の範囲で行った。
工程(5):シリコン量子ドットの表面を酸素雰囲気中で自然酸化、または加熱して熱酸化し、シリコン量子ドットからなるコアの周囲に酸化ケイ素からなるシェル層を形成し、コア/シェル型シリコン量子ドットを得る。具体的には、エタノール中分散したシリコン量子ドットを酸素雰囲気において自然酸化、または加熱して熱酸化させる。酸化処理においては、シリコン量子ドットからなるコアの周囲に酸化ケイ素からなるシェル層を形成する。
上記処理の際、処理温度は25〜35℃で行った。また、処理時間は8〜14時間の範囲で最適時間を選択した。
工程(6):上記コアシエル型シリコン量子ドットを過酸化水素水中で反応させ、結晶表面を水酸化させる。水酸化させることにより、シランカップリング剤などとの反応が容易に進行するようにできる。
具体的には、上述のシリコン量子ドットを過酸化水素水と反応させ、結晶表面を水酸化させる際、処理温度は25〜35℃に調整した。また処理時間は10〜30分の範囲で最適時間を選択した。過酸化水素水の濃度は、20〜35%の範囲で選択した。
工程(7):上記水酸化したコアシエル型シリコン量子ドットを熱水により洗浄する。具体的には、洗浄する際、洗浄時間は30〜240秒とし、処理温度は75〜80℃とした。得られた量子ドットを下記の手法に従い求めた。量子ドットの平均粒径は、TEMを用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径を粒径として求めて、その算術平均を平均粒径とした。TEMで撮影するクラスター粒子数としては100個以上が好ましく、1000個の粒子を撮影するのが更に好ましい。本願においては、1000個の粒子の算術平均を平均粒径とした。求めた粒子サイズは表1に示した。
なお、本発明の標識化試薬であるコア/シェル型シリコン量子ドットは、以下の工程を経て、標識付き試薬の役割物質(分子標識物質)と有機分子を介して結合させることにより標識付き試薬(生体物質標識剤)とする。
工程(8):上記熱水洗浄したコアシエルシリコン量子ドットの水酸基と有機分子と結合させる。
具体的にはアミノプロピルトリエトキシシランと表1の量子ドットをエタノール中で室温攪拌し、シランカップリング反応を生じアミノ基を表面に導入する。得られた反応物とN−ヒドロキシスクシンイミドとマレイミドを両末端に官能基としてもつ分子量1000のポリエチレングリコールと室温下で混合し1昼夜攪拌し、反応させて末端にマレイミド基をもつポリエチレングリコールを有機分子として結合させたコア/シェル型シリコン量子ドット(標識化試薬)を得る。
(3)量子ドット標識化抗体の作製
有機分子と反応させたシリコン量子ドットを抗体などの分子標識物質と結合させ、標識付き試薬を得る。
具体的には末端にマレイミド基をもつポリエチレングリコールを有機分子として結合させたコア/シェル型シリコン量子ドットを表1記載の如く量子ドット粒子サイズごとに異なる抗体種を選択して下記手法に従い反応させて、末端に抗体を導入したコアシエル型シリコン量子ドット(標識付き試薬)を得た。
(量子ドット標識抗体パッドの作製)
前記で作製した量子ドット標識抗体を陽圧噴霧装置(BioJet;Bio Dot社製)を用いて、幅15mmのセルロース不織布全面に噴霧した。噴霧後、50℃の温風を1分間吹き付けて乾燥させ、量子ドット標識抗体パッドを作製した。
(4)メンブレン固定用抗体の作製
前記(1)で作製した精製抗体のうち標識化に用いなかった方を、固定液(10mM Tris−HCl(pH7.5))に透析し、透析後に0.02μmろ過を行い、固定液で希釈して固定用抗体を調整した。
(5)ヒトサイトカイン検出用イムノクロマト媒体の作製
ヒトサイトカイン検出用イムノクロマトアッセイ媒体は、図1に示すものと同様の構成のものを用いた。
メンブレンは、幅3cm×10cmのニトロセルロースメンブレン(ミリポア社製)シート(白色)を用いた。図1に示すように、その長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から離れた位置に、固定用抗IL−1a抗体を陽圧噴霧装置(BioJet;Bio Dot社製)を用いて、ドット状に塗布し、そこから垂直方向に、固定用抗IL−1b抗体、固定用抗IL−2抗体、固定用抗IL−4抗体、その下方に反応終了を示すコントロール抗体をIL−1a同様に塗布した。さらに前述の固定用IL−1a抗体の右側に、固定用抗IL−6抗体を塗布し、垂直方向に固定用抗IL−7抗体、固定用抗IL−8抗体、固定用抗IL−10抗体、その下方にコントロール抗体を塗布した。更に前述の固定IL−6抗体の右側に固定用IL−12q70を塗布し、そこから垂直方向に、固定用抗GM−CSF抗体、固定用抗IFNγ抗体、固定用抗TNFα抗体を同様に塗布し、その下方にコントロール抗体を塗布した。塗布後、45度の温風を10分間吹き付けて乾燥した。次に、部材を固定し、かつ強度を増すため、メンブレンの抗体塗布面(この面を上面とする)の反対側(この面を下面とする)にプラスチック製バッキングシート(BioDot社製)を接着した。
次に、上記で作製した量子ドット標識抗体パッドを切断し、メンブレンの上面に、メンブレンの上流端が2mm重なる様に配置して貼り付け、サンプル滴下パッドとした。
次に、幅30mm×長さ10cmのセルロースろ紙(ワットマン社製)をメンブレンの上面に、メンブレンの下流端と5mm重なる様に配置して貼り付け、サンプル吸収パッドとした。
次に、サンプル滴下パッドの上流端の幅7mmを除いて、上面全面を透明なプラスチックラミネート(Adhesive Research社製)で被覆した。図1に示すイムノクロマト媒体を作製した。
(6)クロマト反応混合試料液の調製
ヒトサイトカインを500pg/mlになるようにPBST バッファー水溶液に混合してクロマト反応用試料液とした。
(7)ヒトサイトカインの検出
上記(5)で作成したイムノクロマトアッセイ媒体の検体滴下部に上記(6)のクロマト反応液を滴下し、クロマト展開した。10分後に検出部におけるシグナルを検出した。図2に示すように自動走査できる励起光光源と励起光よって発光したスポットを自動走査で検出できる励起発光波長と蛍光強度を検出できる蛍光検出器を備える、外光を遮蔽できるBOX型蛍光検出装置を使い検出を行った。励起光源の波長は280nmとした。評価はAlexaFlour430(インビトロジェン社製)を量子ドットの代わりに用いたときの同一面積スポット発光強度を100としたときの相対強度で表した。自動検出による検出性はスポットシグナルが蛍光検出部で明確に検出できたときに○とし、検出部ノイズで紛れて検出が明確でないときを△、検出不能を×とした。結果を表1に示す。
*1:AlexaFlour430を量子ドットの変わりに用いたときの同一面積スポット発光強度を100としたときの相対強度で表した。
*2:自動検出による検出性はスポットシグナルが蛍光検出部で明確に検出できたときに○とし、検出部ノイズで紛れて検出が明確でないときを△、検出不能を×とした。
表1に示すように本発明のイムノクロマト媒体を用いたサイトカイン検出は12種のサイトカインを一度に検出でき、いずれも明確なスポットで検出され、判別の混同無く明確であった。この結果は、本発明の構成により、従来の簡便性に特徴あるイムノクロマト法の体外診断に一度に多種検体を判別できる大きな機能が加わり、高品位な診断法を提供する事が解る。
[比較例1]
(1)モノクローナル抗体の作製
実施例1で作製したものを使用した。
(2)ラテックス粒子標識抗体の作製
各抗体のうち1種類を50mM MES(2−Morpholinoethanesulfonic acid,monohydrate;同仁化学社製)緩衝液(pH6.0)溶液で透析後、着色ポリスチレンラテックス粒子(Magshere社製、Bangs Labora tories社製)を表2に示す組み合わせで混合し、反応させた。次に、EDAC(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩;Sigma社製)を最終濃度0.1%になるよう添加した後、2時間反応させた。洗浄後、最終浮遊液(5mM Tris,0.04(w/v)% BSA(ウシ血清アルブミン))中に浮遊させ、超音波分散装置(オリンパス社製)にかけ、ラテックス粒子を分散させた。
(3)ラテックス粒子標識抗体パッドの作製
実施例1と同様に作製した。
(4)メンブレン固定用抗体の調整
実施例1と同じものを用いた。
(5)ヒトサイトカイン検出用イムノクロマトアッセイ媒体の作製
実施例1と同様に作製した。抗体の配置は実施例1と同様にして抗体を配置した。
(6)ヒトサイトカインの検出
イムノクロマトスポットの色を目視観察すると同時に蛍光検出器においてもその発色を検出した。その結果を表2に示した。
その結果、蛍光検出器での判別についても横に同列にならぶ4対8、2対6、7対11は判別があいまいであった。本比較例では発色ラテックスを使用し、本発明の如くスポット状で検出を試みても、発光が明確でなく、多種検出には適さないことがわかる。
[比較例2]
モノクローナル抗体の作製、量子ドットの作製、量子ドット標識化抗体の作製、量子ドット標識化抗体パッドの作製は、実施例1と同様に作製した。またメンブレン固定用抗体の調整においても実施例1と同様に行った。
(1)ヒトサイトカイン検出用イムノクロマトアッセイ媒体の作製
ヒトサイトカイン検出用イムノクロマトアッセイ媒体は、図1に示すものと同様の構成のものを用いた。
メンブレンは、幅3cm×10cmのニトロセルロースメンブレン(ミリポア社製)シート(白色)を用いた。図3に示すように、その長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から離れた位置に固定用抗IL−1a抗体を陽圧噴霧装置(BioJet;Bio Dot社製)を用いて、ライン状に塗布し、そこからさらに離れた位置に、固定用抗IL−1b抗体、固定用抗IL−2抗体、固定用抗IL−4抗体、固定用抗IL−6抗体、最後に反応終了を示すコントロール抗体を抗IL−1a抗体と同様に塗布した。また、第2のメンブレンに、固定用抗IL−1a抗体、固定用抗IL−7抗体、固定用抗IL−8抗体、固定用抗IL−10抗体、固定用抗IL−12q70抗体、コントロール抗体を、さらに第3のメンブレンに、固定用抗IL−1a抗体、固定用抗GM−CSF抗体、固定用抗IFNγ抗体、固定用抗TNFα抗体を同様に塗布した。塗布後、45度の温風を10分間吹き付けて乾燥した。次に、部材を固定し、かつ強度を増すため、メンブレンの抗体塗布面(この面を上面とする)の反対側(この面を下面とする)にプラスチック製バッキングシート(BioDot社製)を接着した。
次に、実施例1の4で作製した量子ドット標識抗体パッドを切断し、メンブレンの上面に、メンブレンの上流端が2mm重なる様に配置して貼り付け、サンプル滴下パッドとした。
次に、幅30mm×長さ10cmのセルロースろ紙(ワットマン社製)をメンブレンの上面に、メンブレンの下流端と5mm重なる様に配置して貼り付け、サンプル吸収パッドとした。
次に、サンプル滴下パッドの上流端の幅7mmを除いて、上面全面を透明なプラスチックラミネート(Adhesive Research社製)で被覆した。
図3に示す第1メンブレンを使ったイムノクロマト媒体を作製した。第2メンブレン、第3メンブレンも同様に作成した。
(2)ヒトサイトカインの検出
実施例1と同様に行い、目視観察と蛍光検出器により、12種評価した。結果を表3に示す。なお、コントロール抗体IL−1a(番号6,11)の目視観察の結果も示した。
表3からわかるように本発明の量子ドット標識を使用すればラインごとの明確さは際立つが、1メンブレンあたりの検出種には限界があり、コントロールを除き、5種が限度であることがわかり、本発明1の如く12種を対象にする場合には3つのメンブレンが必要であり、簡便性に劣り、検出も複雑化していることが解る。
本発明の効果は実施例1と比較例1、2を比較すればわかるように、本発明の構成は1度に簡便に多種の明瞭な検出が可能な、大きな優位性をもつ。本発明の検出優位性を発揮することにより、各スポットでの定量的な検出も可能でありイムノクロマト法による診断に大きな進歩をもたらすことが期待できる。
a サンプル滴下パッド
b メンブレン
c バッキングシート
d サンプル吸収パッド
e ラミネート
f ドット状検出部位
g 蛍光検出器
h 光源
i コントロール抗体塗布部
j IL−4抗体塗布部
k IL−1b抗体塗布部
l IL−6抗体塗布部
m IL−2抗体塗布部
n IL−1a抗体塗布部

Claims (5)

  1. 支持体上に、標識化試薬に固定化させた標識付き試薬と、試料中の検出すべき被検出物質と結合可能な物質を固定化した検出部位とを持つイムノクロマト媒体において、該標識化試薬が、蛍光ナノ粒子であり、該検出部位がドット状であることを特徴とするイムノクロマト媒体。
  2. 前記ドット状の検出部位におけるドット数が、3以上30以下であることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマト媒体。
  3. 請求項1または2に記載のイムノクロマト媒体を用いるイムノクロマトグラフ法であって、試料中の検出すべき被検出物質と結合可能な、標識化試薬に固定化させた標識付き試薬と、被検出物質とを反応させたクロマト反応液を、前記イムノクロマト媒体上を移動させ、被検出物質と結合可能な物質を固定化した検出部位で捕捉して被検出物質を検出することを特徴とするイムノクロマトグラフ法。
  4. 前記標識化試薬が、量子ドットであることを特徴とする請求項3に記載のイムノクロマトグラフ法。
  5. 被検出物質を3項目以上15項目以下同時に検出できることを特徴とする請求項3又は4に記載のイムノクロマトグラフ法。
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