JPWO2010055694A1 - 検波器及び検波方法 - Google Patents
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Abstract
入力信号から検出される包絡線の、入力信号に対する追従性を高くする。ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求めて出力する検波器は、前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果を出力するコンパレータと、前記比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力する包絡線発生器とを有する。前記包絡線発生器は、前記入力信号の振幅に応じて前記第1の値を出力する第1のゲイン発生器を有する。
Description
本明細書で開示される技術は、入力信号の包絡線を検出する検波器に関する。
光ディスク再生装置では、光ピックアップによって光ディスクから読み出されたRF(Radio Frequency)信号の包絡線検出が行われ、RF信号の極大値に追従するピーク信号と、RF信号の極小値に追従するボトム信号とが生成される。例えば特許文献1には、RF信号が疑似ランダム信号であることを利用し、回路規模を削減した信号振幅測定回路が記載されている。この回路では、変換速度が低速であるAD(Analog-to-Digital)コンバータを用い、何回かAD変換して得られた値のうちの一部を、ピークレベル又はボトムレベルと見なしている。
RF信号はアナログ信号であるので、RF信号の包絡線検出を行う検波器をデジタル回路を用いて構成する場合には、アナログ信号とデジタル信号との間の変換を行うコンバータを用いる必要がある。コンバータにおける変換の際には、ある程度の変換時間が必要であるので、包絡線として検出されたピーク信号やボトム信号が入力されたRF信号の変化に追従しきれないことがある。
本発明は、入力信号から検出される包絡線の、入力信号に対する追従性を高くすることを目的とする。
本発明の例示的実施形態による検波器は、ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求めて出力する検波器であって、前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果を出力するコンパレータと、前記比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力する包絡線発生器とを有する。前記包絡線発生器は、前記入力信号の振幅に応じて前記第1の値を出力する第1のゲイン発生器を有する。
これによると、入力信号の振幅値に応じて、第1の値又は第2の値が積分される。このため、入力信号に対する積分値の追従性を適切に変化させることが可能となり、検波器が安定した動作を行うことも可能となる。
本発明の例示的実施形態による検波方法は、ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求める検波方法であって、前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力し、前記入力信号から前記ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分である不要周波数成分を検出し、前記不要周波数成分が検出された場合には、前記積分値の絶対値の増加を抑える。
本発明の例示的実施形態によれば、入力信号から検出された包絡線(ピーク信号やボトム信号)の入力信号に対する追従性を入力信号に応じて変えることができるので、状況に応じて適切な包絡線検出を行うことができる。
以下、本発明の例示的実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面において下2桁が同じ参照番号で示された構成要素は、互いに対応しており、同一の又は類似の構成要素である。図面における機能ブロック間の実線は、電気的な接続を示している。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。例えば各機能ブロックは、IC(集積回路)の一部として半導体基板上に形成され得る。ここでICは、LSI(Large-Scale Integrated circuit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せで実現され得る。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態による包絡線検波回路110の構成を示すブロック図である。図1の包絡線検波回路(検波器)110は、光ディスク102から読み出されたRF(Radio Frequency)信号RIの包絡線を検出し、検出された包絡線をピーク信号PKE及びボトム信号BTEとして出力する。
図1は、本発明の実施形態による包絡線検波回路110の構成を示すブロック図である。図1の包絡線検波回路(検波器)110は、光ディスク102から読み出されたRF(Radio Frequency)信号RIの包絡線を検出し、検出された包絡線をピーク信号PKE及びボトム信号BTEとして出力する。
スピンドルモータ104は、光ディスク102を回転させる。光ピックアップ106は、光ディスク102に記録された信号を読み取り、光ディスク102に記録された信号に応じた信号をRFアンプ108に出力する。RFアンプ108は、光ピックアップ106から受け取った信号を増幅し、RF信号RIとして包絡線検波回路110に出力する。包絡線検波回路110の入力信号であるRF信号RIには、光ディスク上の傷や指紋、ブラック・ドロップ・アウト(ディスク上の汚れ等による読み出し信号の欠落)、記録層の剥離等の影響が反映される。また、記録可能な光ディスクの読み出しの際には、記録済み領域であるか否かによってRF信号RIの振幅が大きく異なる。一般に、RF信号RIは、検波することによってその包絡線が抽出されるべき「ターゲット信号」と、ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分を有する「ノイズ」とを含む。
図2は、RF信号RI、ピーク信号PKE及びボトム信号BTEの例を示すグラフである。ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差は、RF信号RIの振幅をほぼ表している。図3は、RF信号RIが安定している期間(図2の期間TN)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。本明細書において、包絡線とは、例えば図2のピーク信号PKEやボトム信号BTEのように、ある信号のピーク間又はボトム間を全体として結ぶような線であり、例えば図3に示されているような、その値が信号RIの値を一時的に下回るような期間を有するピーク信号PKEの波形も、信号RIの包絡線に含まれる。
図1の包絡線検波回路110は、ゲイン制御器112と、ピーク検波回路120と、ボトム検波回路160とを有している。ピーク検波回路120は、DA(Digital-to-Analog)コンバータ(以下ではDACと称する)122と、コンパレータ124と、包絡線発生器130とを有している。包絡線発生器130は、アタックゲイン発生器132と、ドループゲイン発生器134と、演算器140とを有している。演算器140は、セレクタ136と、積分器138とを有している。ボトム検波回路160は、DAC162と、コンパレータ164と、包絡線発生器170とを有している。包絡線発生器170は、アタックゲイン発生器172と、ドループゲイン発生器174と、演算器180とを有している。演算器180は、セレクタ176と、積分器178とを有している。
DAC122は、入力されたピーク信号PKE(積分器138の積分値)をアナログ信号に変換し、コンパレータ124に出力する。コンパレータ124は、RF信号RIとDAC122の出力とを比較し、RF信号RIがDAC122の出力より大きいときには“1”を、RF信号RIがDAC122の出力以下であるときには“0”を、比較結果CSPとしてセレクタ136に出力する(図3参照)。
アタックゲイン発生器132は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCPに応じた値を、アタックゲインAGPとしてセレクタ136に出力する。ドループゲイン発生器134は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCPに応じた値を、ドループゲインDGPとしてセレクタ136に出力する。アタックゲインAGPは所定の正の値、ドループゲインDGPは所定の負の値であり、アタックゲインAGPの絶対値の方がドループゲインDGPの絶対値より大きい。例えば、アタックゲインAGPの値は100、ドループゲインDGPの値は−1である。これらの値の絶対値は1以下であってもよく、例えば、アタックゲインAGPの値が1、ドループゲインDGPの値が−0.01であってもよい。
セレクタ136は、比較結果CSPが“1”であるときにはアタックゲインAGPを選択し、比較結果CSPが“0”であるときにはドループゲインDGPを選択し、選択されたゲインの値を積分器138に出力する。積分器138は、セレクタ136からの入力値を積分し、得られた積分値をピーク信号PKEとしてDAC122及び包絡線検波回路110の外部に出力する。
セレクタ136が、演算機能を有し、比較結果CSPの値に応じてアタックゲインAGP及びドループゲインDGPのそれぞれに重み付けをし(すなわち、それぞれに、対応する重みを乗算する)、重み付けされたアタックゲインAGP及び重み付けされたドループゲインDGPの和を積分器138へ出力してもよい。比較結果CSPが“1”である場合を第1の場合とし、比較結果CSPが“0”である場合を第2の場合とする。
具体的には、第1の場合には、セレクタ136は、アタックゲインAGPの重みを第2の場合以上にし、かつ、ドループゲインDGPの重みを第2の場合以下にする。第2の場合には、セレクタ136は、ドループゲインDGPの重みを第1の場合以上にし、かつ、アタックゲインAGPの重みを第1の場合以下にする。ただし、アタックゲインAGPの重み及びドループゲインDGPの重みのうちの少なくとも1つは、第1の場合と第2の場合とで異なる値とする。積分器138は、重み付けされたアタックゲイン及び重み付けされたドループゲインを積分する。以下の説明においても同様である。
なお、比較結果CSPの値に応じて、アタックゲインAGP及びドループゲインDGPのうちの一方に対応する重みを0にしてもよい。この場合は、前述のようにセレクタ136が重み付けなしで選択を行う場合に相当する。
このように、DAC122、コンパレータ124、セレクタ136、及び積分器138は、フィードバックループを構成している。図2及び図3のように、ピーク信号PKEは、RF信号RIのピーク値を結んだ包絡線とほぼ一致する。
DAC162は、入力されたボトム信号BTE(積分器178の積分値)をアナログ信号に変換し、コンパレータ164に出力する。コンパレータ164は、RF信号RIとDAC162の出力とを比較し、RF信号RIがDAC162の出力より小さいときには“1”を、RF信号RIがDAC162の出力以上であるときには“0”を、比較結果CSBとしてセレクタ136に出力する。
アタックゲイン発生器172は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCBに応じた値を、アタックゲインAGBとしてセレクタ176に出力する。ドループゲイン発生器174は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCBに応じた値を、ドループゲインDGBとしてセレクタ176に出力する。アタックゲインAGBは所定の負の値、ドループゲインDGBは所定の正の値であり、アタックゲインAGBの絶対値の方がドループゲインDGBの絶対値より大きい。例えば、アタックゲインAGBの値は−100、ドループゲインDGBの値は1である。これらの値の絶対値は1以下であってもよく、例えば、アタックゲインAGPの値が−1、ドループゲインDGPの値が0.01であってもよい。
セレクタ176は、比較結果CSBが“1”であるときにはアタックゲインAGBを選択し、比較結果CSBが“0”であるときにはドループゲインDGBを選択し、選択されたゲインの値を積分器178に出力する。積分器178は、セレクタ176からの入力値を積分し、得られた積分値をボトム信号BTEとしてDAC162及び包絡線検波回路110の外部に出力する。
セレクタ176が、演算機能を有し、比較結果CSBの値に応じてアタックゲインAGB及びドループゲインDGBのそれぞれに重み付けをし、重み付けされたアタックゲインAGB及び重み付けされたドループゲインDGBの和を積分器178へ出力してもよい。比較結果CSBが“1”である場合を第3の場合とし、比較結果CSBが“0”である場合を第4の場合とする。
具体的には、第3の場合には、セレクタ176は、アタックゲインAGBの重みを第4の場合以上にし、かつ、ドループゲインDGBの重みを第4の場合以下にする。第4の場合には、セレクタ176は、ドループゲインDGBの重みを第3の場合以上にし、かつ、アタックゲインAGBの重みを第3の場合以下にする。ただし、アタックゲインAGBの重み及びドループゲインDGBの重みのうちの少なくとも1つは、第3の場合と第4の場合とで異なる値とする。積分器178は、重み付けされたアタックゲイン及び重み付けされたドループゲインを積分する。
なお、比較結果CSBの値に応じて、アタックゲインAGB及びドループゲインDGBのうちの一方に対応する重みを0にしてもよい。この場合は、前述のようにセレクタ176が重み付けなしで選択を行う場合に相当する。
このように、DAC162、コンパレータ164、セレクタ176、及び積分器178は、フィードバックループを構成している。図2のように、ボトム信号BTEは、RF信号RIのボトム値を結んだ包絡線とほぼ一致する。図3の場合には、アタックゲインAGP、AGB、及びドループゲインDGP、DGBの値は一定である。
図4は、RF信号RIが欠落している期間(図2の期間TL)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。ブラック・ドロップ・アウト等によりRF信号RIのレベルがほぼ0になる期間TLのピーク信号PKEについて、図4を参照して説明する。
ピーク信号PKEが徐々に低下し、RF信号RIのレベルを下回ると、コンパレータ124の比較結果CSPが“1”になるので、セレクタ136はアタックゲインAGPを選択する。アタックゲインAGPの値が比較的大きく、DAC122の応答の遅れの影響も受けるので、ピーク信号PKEは、線PKNのようにレベルがRF信号RIよりEN高くなる。しかし、ピーク信号PKEとRF信号RIとの間のレベル差は小さい方が望ましい。
そこで、ゲイン制御器112は、ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差を求める。この差はRF信号RIの振幅と見なすことができ、ゲイン制御器112は、この振幅に応じたゲイン制御信号GCPを出力する。例えばゲイン制御器112は、この振幅が閾値より小さい場合には、アタックゲインAGPの絶対値を小さくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。図2の期間TLにおいて、ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差から求められたRF信号RIの振幅はほぼ0であるので、この振幅が閾値より小さいとすると、アタックゲイン発生器132は、ゲイン制御信号GCPに従って、アタックゲインAGPの絶対値を小さくする。
すると、ピーク信号PKEがRF信号RIのレベルを下回った後には、ピーク信号PKEは、レベルがRF信号RIよりEIしか高くならない(図4参照)。すなわち、ピーク信号PKEとRF信号RIとの間のレベル差を抑えることができる。
更に、アタックゲイン発生器132がアタックゲインAGPの値を小さくする際に、ドループゲイン発生器134が、ゲイン制御信号GCPに従って、ドループゲインDGPの絶対値を小さくしてもよい。このとき、ドループゲイン発生器134は、アタックゲインAGPとの比が一定となるように、ドループゲインDGPを変化させてもよい。
ゲイン制御器112は、RF信号RIの振幅が閾値以上になった場合には、ゲインを元に戻すように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。アタックゲイン発生器132及びループゲイン発生器134は、ゲイン制御信号GCPに従って、アタックゲインAGP及びドループゲインDGPの値を元に戻す。
ピーク検波回路120について説明したが、RF信号RIが高い値を保つ期間におけるボトム検波回路160についても、同様に説明することができる。
このように図1の包絡線検波回路110によると、RF信号RIの振幅に応じて、RF信号に対するピーク信号PKE及びボトム信号BTEの追従性を変えることができるので、安定した検波動作を行うことが可能となる。
なお、アタックゲイン発生器132及びループゲイン発生器134がアタックゲインAGP及びドループゲインDGPを同時に変更する場合について説明したが、変更のタイミングは同時でなくてもよい。
ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差をRF信号RIの振幅として用いたが、他の信号に基づいてRF信号RIの振幅を求めてもよい。用途や状況に応じて異なる閾値を用いるようにしてもよい。
図5は、RF信号RIが急に低下する期間(図2の期間TF)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。ブラック・ドロップ・アウトが生じると、図4のようにRF信号RIが急に低下する。この場合、ドループゲインDGPが一定であるとすると、ピーク信号は線PKNのように緩やかに減少するので、ピーク信号のRF信号RIに対する追従性が悪くなる。そこで、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを判定し、所定の基準値以上離れていると判定した場合には、ドループゲインDGPの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。
図3のようにRF信号RIが安定している期間では、コンパレータ124の比較結果CSPは、ほぼRF信号RIの周期毎に“1”となる。しかし、RF信号RIが急に低下すると、RF信号RIがピーク信号PKEより大きくならないので、比較結果CSPが“0”となる状態が続く。そこで、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、コンパレータ124の比較結果CSPが“0”である状態がRF信号RIの所定の周期分の期間続くか否かによって判定する。
比較結果CSPが“0”である状態が所定の周期分の期間続く場合には、ゲイン制御器112は、ドループゲインDGPの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。ドループゲイン発生器134は、ゲイン制御信号GCPに従って、ドループゲインDGPの絶対値を大きくする。すると、ピーク信号PKEが急激に低下し、ピーク信号PKEのRF信号RIに対する追従性が改善される(図5参照)。
代替として、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、RF信号RI(RFアンプ108の出力)とピーク信号PKEとの間の差が閾値以上であるか否かによって判定してもよい。
図5を参照してピーク検波回路120について説明したが、次にボトム検波回路160について説明する。RF信号RIが急に低下した後、急に上昇する期間TR(図2参照)においては、ゲイン制御器112は、ボトム検波回路160に対して、ピーク検波回路120と同様の制御を行う。
ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを判定し、所定の基準値以上離れていると判定した場合には、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCBを出力する。具体的には、ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、コンパレータ164の比較結果CSBが“0”である状態(すなわち、RF信号RIがボトム信号BTEより小さくならない状態)がRF信号RIの所定の周期分続くか否かによって判定する。
“0”が所定の周期分続く場合には、ゲイン制御器112は、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCBを出力する。ドループゲイン発生器174は、ゲイン制御信号GCBに従って、ドループゲインDGBの絶対値を大きくする。すると、ボトム信号BTEが急激に上昇し、ボトム信号BTEのRF信号RIに対する追従性が改善される。
代替として、ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、RF信号RIとボトム信号BTEとの間の差が閾値以上であるか否かによって判定してもよい。
このように、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとが大きく離れている場合には、ドループゲインDGPの絶対値を大きくし、RF信号RIとボトム信号BTEとが大きく離れている場合には、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするので、RF信号RIに対するピーク信号PKE及びボトム信号BTEの追従性を高くすることができる。
図1の包絡線検波回路110によると、フィードバックループをデジタル回路で構成することが容易である。RF信号RIをAD変換できるような高速なADコンバータを用いる必要がないので、回路の消費電力を小さくすることができる。アナログ回路で構成された包絡線検波回路では、積分を行う素子のばらつきの問題があるが、包絡線検波回路110ではその影響もない。また、RF信号の状況に応じて、耐ノイズ性や追従性を高めるためのチューニングを容易に行うことができる。
(第1変形例)
図6は、本発明の第1変形例による包絡線検波回路のピーク検波に係る部分の構成を示すブロック図である。図6の回路は、ゲイン制御器112と、積分制御器614と、ピーク検波回路620と、ボトム検波回路160とを有する。図6のピーク検波回路620は、演算器140に代えて演算器640を有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。ピーク検波回路620は、アタックゲイン発生器632と、ドループゲイン発生器134と、演算器640とを、包絡線発生器630として有している。演算器640は、セレクタ136、644と、積分器638と、データ保持器642とを有している。
図6は、本発明の第1変形例による包絡線検波回路のピーク検波に係る部分の構成を示すブロック図である。図6の回路は、ゲイン制御器112と、積分制御器614と、ピーク検波回路620と、ボトム検波回路160とを有する。図6のピーク検波回路620は、演算器140に代えて演算器640を有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。ピーク検波回路620は、アタックゲイン発生器632と、ドループゲイン発生器134と、演算器640とを、包絡線発生器630として有している。演算器640は、セレクタ136、644と、積分器638と、データ保持器642とを有している。
図7は、図6の積分制御器614が有する検出回路716の回路図である。検出回路716は、RF信号RIから、ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分(以下では、不要周波数成分と称する)を検出する。RF信号RIが不要周波数成分を実質的に含むと検出回路716が判断するときには、検出回路716はハイ(H)レベルを制御信号CNとして出力する。一方、RF信号RIが不要周波数成分を実質的に含まないと検出回路716が判断するときには、検出回路716はロー(L)レベルを制御信号CNとして出力する。
より具体的には、検出回路716は、バンドパスフィルタ(BPF)717、減算器718、及びコンパレータ719を有する。BPF717は、そのセンター周波数の近傍の周波数成分を通す。BPF717のセンター周波数は、RF信号RIに含まれるターゲット信号の主要な周波数成分である。よってBPF717は、主としてターゲット信号を出力する。
減算器718は、RF信号RIからBPF717の出力信号(すなわちターゲット信号)を減ずることによって、RF信号RIに含まれるノイズを主として出力する。コンパレータ719は、このノイズを、基準電圧Vaと比較する。コンパレータ719の出力(制御信号CN)は、ノイズが基準電圧Vaより大きい期間においてHレベルである。積分制御器614は、不要周波数成分の検出結果を示す制御信号CNを制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3として出力する。積分制御器614は、適切なタイミングで出力されるように、制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3の出力タイミングを制御してもよい。
包絡線発生器630は、不要周波数成分が検出されたことを制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3が示している場合には、積分器638で求められる積分値の絶対値の増加を抑えるように動作する。具体的には、積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、積分値を保持するように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、制御信号CN1に従って、出力している積分値を保持する。積分制御器614は、不要周波数成分が重畳されていることを検出しなくなるまで、積分器638に積分値を保持させる。
積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、制御信号CN1に代えて、値を保持するように指示する制御信号CN2をデータ保持器642に出力してもよい。この場合、データ保持器642は、制御信号CN2に従って、積分器638から出力された積分値を保持し、セレクタ644に出力する。セレクタ644は、データ保持器642で保持された値を積分器638に出力する。積分制御器614は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値としてセットするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値とする。
セレクタ644に設定値SVを入力しておき、この値を積分器638に設定するようにしてもよい。すなわち、積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、制御信号CN1に代えて、設定値SVを選択するように指示する制御信号CN3をセレクタ644に出力してもよい。セレクタ644は、設定値SVを選択し、積分器638に出力する。積分制御器614は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値としてセットするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値とする。ここで、設定値SVは、例えば、ピーク検波回路620の動作が安定すると予測される値である。なお、演算器640の外部から任意の設定値SVが入力されるようにしてもよい。
不要周波数成分が検出されなくなった場合には、積分制御器614は、積分動作をするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、制御信号CN1に従って、セレクタ136の出力の積分を行う。
積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、アタックゲインAGPの絶対値を小さくするように指示する制御信号GAJを出力してもよい。アタックゲイン発生器632は、制御信号GAJに従って、アタックゲインAGPの絶対値を小さくする。
このように、第1変形例によると、光ディスク上の傷等に起因してRF信号RIに不要周波数成分が重畳されている場合であっても、積分値(ピーク信号PKEの値)が安定する。このため、ピーク検波回路620のDAC122、コンパレータ124、セレクタ136、及び積分器638が構成するフィードバックループを安定に動作させることができる。
なお、図6のピーク検波回路620と同様に、ボトム検波回路160が積分器638、データ保持器642、及びセレクタ644を有するようにし、ボトム検波回路160のアタックゲイン発生器172、積分器638、データ保持器642、及びセレクタ644が、制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3によってそれぞれピーク検波回路620と同様に制御されるようにしてもよい。
(第2変形例)
図8は、本発明の第2変形例によるピーク検波回路720の構成を示すブロック図である。図8のピーク検波回路720は、DA変換値調整器746と、ローパスフィルタ748とを更に有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。
図8は、本発明の第2変形例によるピーク検波回路720の構成を示すブロック図である。図8のピーク検波回路720は、DA変換値調整器746と、ローパスフィルタ748とを更に有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。
図1のピーク検波回路120において、DAC122は、積分器138から出力された積分値の全てのビットをDA変換をしてもよいが、積分値の所定の上位ビットをDA変換してもよい。例えば、DAC122は、積分値の下位2ビットを除いた上位ビットをDA変換してもよい。すると、DAC122の回路構成を簡単にすることができ、DAC122を低消費電力化かつ高速化することができる。
しかし、この場合、DA変換の精度が低くなるので、これに対処するためにDA変換値調整器746は次のように動作する。DA変換値調整器746は、積分器138から出力された積分値のうちDAC122で変換されない下位ビットで表された数に応じた頻度で、積分値の上位ビット(DAC122で変換されるビット)のうちの最下位ビットに1を加えてDAC122に出力する。
具体例を、積分器138から出力された積分値のビット数が5ビット、DAC122の入力ビット数が3ビットである場合について説明する。積分器138から出力された積分値が“00111”であるとする。DAC122で変換される上位3ビットのうちの最下位ビットが値1を表すとすると、積分値の下位2ビット“11”は値3/4を表す。DA変換値調整器746は、積分値の下位2ビット“11”で表された数に応じた頻度3/4で、積分値の上位ビット“001”のうちの最下位ビットに1を加え、得られる“010”をDAC122に出力する。
つまり、DA変換値調整器746は、積分値“00111”が入力される場合には、“001”、“010”、“010”、“010”を順に出力する。DAC122は、これらの値を順にDA変換してLPF748に出力する。LPF748は、DAC122で変換された信号を平滑化する。平滑化後の信号は、“001”、“010”、“010”、“010”の平均値に対応する。LPF748は、平滑化後の信号をコンパレータ124に出力する。LPF748から出力されるアナログ信号は、5ビットの積分値“00111”に対応した値となり、積分値の情報を失うことなくアナログ信号に変換することが可能になる。
このように、第2変形例によると、LPF748から出力されるアナログ信号の精度を、DAC122の変換可能なビット数に対応する精度以上に高くすることができる。
なお、図6のピーク検波回路620と同様に、ボトム検波回路160がDA変換値調整器746及びローパスフィルタ748を有するようにしてもよい。
ピーク検波回路120等によってピーク信号PKEを求め、ボトム検波回路160によってボトム信号BTEを求める場合について説明したが、ピーク信号PKEのみを求めるようにしてもよい。
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
以上説明したように、本発明のさまざまな実施形態は、入力信号から検出された包絡線の、入力信号に対する追従性を高くすることができるので、本発明は検波器等について有用である。
110 包絡線検波回路
112 ゲイン制御器
120、620、720 ピーク検波回路
122、162 DAコンバータ
124、164 コンパレータ
130、170、630 包絡線発生器
132、172、632 アタックゲイン発生器
134、174 ドループゲイン発生器
136、176 セレクタ
138、178、638 積分器
160 ボトム検波回路
140、180、640 演算器
614 積分制御器
746 DA変換値調整器
748 ローパスフィルタ
112 ゲイン制御器
120、620、720 ピーク検波回路
122、162 DAコンバータ
124、164 コンパレータ
130、170、630 包絡線発生器
132、172、632 アタックゲイン発生器
134、174 ドループゲイン発生器
136、176 セレクタ
138、178、638 積分器
160 ボトム検波回路
140、180、640 演算器
614 積分制御器
746 DA変換値調整器
748 ローパスフィルタ
本明細書で開示される技術は、入力信号の包絡線を検出する検波器に関する。
光ディスク再生装置では、光ピックアップによって光ディスクから読み出されたRF(Radio Frequency)信号の包絡線検出が行われ、RF信号の極大値に追従するピーク信号と、RF信号の極小値に追従するボトム信号とが生成される。例えば特許文献1には、RF信号が疑似ランダム信号であることを利用し、回路規模を削減した信号振幅測定回路が記載されている。この回路では、変換速度が低速であるAD(Analog-to-Digital)コンバータを用い、何回かAD変換して得られた値のうちの一部を、ピークレベル又はボトムレベルと見なしている。
RF信号はアナログ信号であるので、RF信号の包絡線検出を行う検波器をデジタル回路を用いて構成する場合には、アナログ信号とデジタル信号との間の変換を行うコンバータを用いる必要がある。コンバータにおける変換の際には、ある程度の変換時間が必要であるので、包絡線として検出されたピーク信号やボトム信号が入力されたRF信号の変化に追従しきれないことがある。
本発明は、入力信号から検出される包絡線の、入力信号に対する追従性を高くすることを目的とする。
本発明の例示的実施形態による検波器は、ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求めて出力する検波器であって、前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果を出力するコンパレータと、前記比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力する包絡線発生器とを有する。前記包絡線発生器は、前記入力信号の振幅に応じて前記第1の値を出力する第1のゲイン発生器を有する。
これによると、入力信号の振幅値に応じて、第1の値又は第2の値が積分される。このため、入力信号に対する積分値の追従性を適切に変化させることが可能となり、検波器が安定した動作を行うことも可能となる。
本発明の例示的実施形態による検波方法は、ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求める検波方法であって、前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力し、前記入力信号から前記ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分である不要周波数成分を検出し、前記不要周波数成分が検出された場合には、前記積分値の絶対値の増加を抑える。
本発明の例示的実施形態によれば、入力信号から検出された包絡線(ピーク信号やボトム信号)の入力信号に対する追従性を入力信号に応じて変えることができるので、状況に応じて適切な包絡線検出を行うことができる。
以下、本発明の例示的実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面において下2桁が同じ参照番号で示された構成要素は、互いに対応しており、同一の又は類似の構成要素である。図面における機能ブロック間の実線は、電気的な接続を示している。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。例えば各機能ブロックは、IC(集積回路)の一部として半導体基板上に形成され得る。ここでICは、LSI(Large-Scale Integrated circuit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含む。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せで実現され得る。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態による包絡線検波回路110の構成を示すブロック図である。図1の包絡線検波回路(検波器)110は、光ディスク102から読み出されたRF(Radio Frequency)信号RIの包絡線を検出し、検出された包絡線をピーク信号PKE及びボトム信号BTEとして出力する。
図1は、本発明の実施形態による包絡線検波回路110の構成を示すブロック図である。図1の包絡線検波回路(検波器)110は、光ディスク102から読み出されたRF(Radio Frequency)信号RIの包絡線を検出し、検出された包絡線をピーク信号PKE及びボトム信号BTEとして出力する。
スピンドルモータ104は、光ディスク102を回転させる。光ピックアップ106は、光ディスク102に記録された信号を読み取り、光ディスク102に記録された信号に応じた信号をRFアンプ108に出力する。RFアンプ108は、光ピックアップ106から受け取った信号を増幅し、RF信号RIとして包絡線検波回路110に出力する。包絡線検波回路110の入力信号であるRF信号RIには、光ディスク上の傷や指紋、ブラック・ドロップ・アウト(ディスク上の汚れ等による読み出し信号の欠落)、記録層の剥離等の影響が反映される。また、記録可能な光ディスクの読み出しの際には、記録済み領域であるか否かによってRF信号RIの振幅が大きく異なる。一般に、RF信号RIは、検波することによってその包絡線が抽出されるべき「ターゲット信号」と、ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分を有する「ノイズ」とを含む。
図2は、RF信号RI、ピーク信号PKE及びボトム信号BTEの例を示すグラフである。ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差は、RF信号RIの振幅をほぼ表している。図3は、RF信号RIが安定している期間(図2の期間TN)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。本明細書において、包絡線とは、例えば図2のピーク信号PKEやボトム信号BTEのように、ある信号のピーク間又はボトム間を全体として結ぶような線であり、例えば図3に示されているような、その値が信号RIの値を一時的に下回るような期間を有するピーク信号PKEの波形も、信号RIの包絡線に含まれる。
図1の包絡線検波回路110は、ゲイン制御器112と、ピーク検波回路120と、ボトム検波回路160とを有している。ピーク検波回路120は、DA(Digital-to-Analog)コンバータ(以下ではDACと称する)122と、コンパレータ124と、包絡線発生器130とを有している。包絡線発生器130は、アタックゲイン発生器132と、ドループゲイン発生器134と、演算器140とを有している。演算器140は、セレクタ136と、積分器138とを有している。ボトム検波回路160は、DAC162と、コンパレータ164と、包絡線発生器170とを有している。包絡線発生器170は、アタックゲイン発生器172と、ドループゲイン発生器174と、演算器180とを有している。演算器180は、セレクタ176と、積分器178とを有している。
DAC122は、入力されたピーク信号PKE(積分器138の積分値)をアナログ信号に変換し、コンパレータ124に出力する。コンパレータ124は、RF信号RIとDAC122の出力とを比較し、RF信号RIがDAC122の出力より大きいときには“1”を、RF信号RIがDAC122の出力以下であるときには“0”を、比較結果CSPとしてセレクタ136に出力する(図3参照)。
アタックゲイン発生器132は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCPに応じた値を、アタックゲインAGPとしてセレクタ136に出力する。ドループゲイン発生器134は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCPに応じた値を、ドループゲインDGPとしてセレクタ136に出力する。アタックゲインAGPは所定の正の値、ドループゲインDGPは所定の負の値であり、アタックゲインAGPの絶対値の方がドループゲインDGPの絶対値より大きい。例えば、アタックゲインAGPの値は100、ドループゲインDGPの値は−1である。これらの値の絶対値は1以下であってもよく、例えば、アタックゲインAGPの値が1、ドループゲインDGPの値が−0.01であってもよい。
セレクタ136は、比較結果CSPが“1”であるときにはアタックゲインAGPを選択し、比較結果CSPが“0”であるときにはドループゲインDGPを選択し、選択されたゲインの値を積分器138に出力する。積分器138は、セレクタ136からの入力値を積分し、得られた積分値をピーク信号PKEとしてDAC122及び包絡線検波回路110の外部に出力する。
セレクタ136が、演算機能を有し、比較結果CSPの値に応じてアタックゲインAGP及びドループゲインDGPのそれぞれに重み付けをし(すなわち、それぞれに、対応する重みを乗算する)、重み付けされたアタックゲインAGP及び重み付けされたドループゲインDGPの和を積分器138へ出力してもよい。比較結果CSPが“1”である場合を第1の場合とし、比較結果CSPが“0”である場合を第2の場合とする。
具体的には、第1の場合には、セレクタ136は、アタックゲインAGPの重みを第2の場合以上にし、かつ、ドループゲインDGPの重みを第2の場合以下にする。第2の場合には、セレクタ136は、ドループゲインDGPの重みを第1の場合以上にし、かつ、アタックゲインAGPの重みを第1の場合以下にする。ただし、アタックゲインAGPの重み及びドループゲインDGPの重みのうちの少なくとも1つは、第1の場合と第2の場合とで異なる値とする。積分器138は、重み付けされたアタックゲイン及び重み付けされたドループゲインを積分する。以下の説明においても同様である。
なお、比較結果CSPの値に応じて、アタックゲインAGP及びドループゲインDGPのうちの一方に対応する重みを0にしてもよい。この場合は、前述のようにセレクタ136が重み付けなしで選択を行う場合に相当する。
このように、DAC122、コンパレータ124、セレクタ136、及び積分器138は、フィードバックループを構成している。図2及び図3のように、ピーク信号PKEは、RF信号RIのピーク値を結んだ包絡線とほぼ一致する。
DAC162は、入力されたボトム信号BTE(積分器178の積分値)をアナログ信号に変換し、コンパレータ164に出力する。コンパレータ164は、RF信号RIとDAC162の出力とを比較し、RF信号RIがDAC162の出力より小さいときには“1”を、RF信号RIがDAC162の出力以上であるときには“0”を、比較結果CSBとしてセレクタ136に出力する。
アタックゲイン発生器172は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCBに応じた値を、アタックゲインAGBとしてセレクタ176に出力する。ドループゲイン発生器174は、ゲイン制御器112から出力されるゲイン制御信号GCBに応じた値を、ドループゲインDGBとしてセレクタ176に出力する。アタックゲインAGBは所定の負の値、ドループゲインDGBは所定の正の値であり、アタックゲインAGBの絶対値の方がドループゲインDGBの絶対値より大きい。例えば、アタックゲインAGBの値は−100、ドループゲインDGBの値は1である。これらの値の絶対値は1以下であってもよく、例えば、アタックゲインAGPの値が−1、ドループゲインDGPの値が0.01であってもよい。
セレクタ176は、比較結果CSBが“1”であるときにはアタックゲインAGBを選択し、比較結果CSBが“0”であるときにはドループゲインDGBを選択し、選択されたゲインの値を積分器178に出力する。積分器178は、セレクタ176からの入力値を積分し、得られた積分値をボトム信号BTEとしてDAC162及び包絡線検波回路110の外部に出力する。
セレクタ176が、演算機能を有し、比較結果CSBの値に応じてアタックゲインAGB及びドループゲインDGBのそれぞれに重み付けをし、重み付けされたアタックゲインAGB及び重み付けされたドループゲインDGBの和を積分器178へ出力してもよい。比較結果CSBが“1”である場合を第3の場合とし、比較結果CSBが“0”である場合を第4の場合とする。
具体的には、第3の場合には、セレクタ176は、アタックゲインAGBの重みを第4の場合以上にし、かつ、ドループゲインDGBの重みを第4の場合以下にする。第4の場合には、セレクタ176は、ドループゲインDGBの重みを第3の場合以上にし、かつ、アタックゲインAGBの重みを第3の場合以下にする。ただし、アタックゲインAGBの重み及びドループゲインDGBの重みのうちの少なくとも1つは、第3の場合と第4の場合とで異なる値とする。積分器178は、重み付けされたアタックゲイン及び重み付けされたドループゲインを積分する。
なお、比較結果CSBの値に応じて、アタックゲインAGB及びドループゲインDGBのうちの一方に対応する重みを0にしてもよい。この場合は、前述のようにセレクタ176が重み付けなしで選択を行う場合に相当する。
このように、DAC162、コンパレータ164、セレクタ176、及び積分器178は、フィードバックループを構成している。図2のように、ボトム信号BTEは、RF信号RIのボトム値を結んだ包絡線とほぼ一致する。図3の場合には、アタックゲインAGP、AGB、及びドループゲインDGP、DGBの値は一定である。
図4は、RF信号RIが欠落している期間(図2の期間TL)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。ブラック・ドロップ・アウト等によりRF信号RIのレベルがほぼ0になる期間TLのピーク信号PKEについて、図4を参照して説明する。
ピーク信号PKEが徐々に低下し、RF信号RIのレベルを下回ると、コンパレータ124の比較結果CSPが“1”になるので、セレクタ136はアタックゲインAGPを選択する。アタックゲインAGPの値が比較的大きく、DAC122の応答の遅れの影響も受けるので、ピーク信号PKEは、線PKNのようにレベルがRF信号RIよりEN高くなる。しかし、ピーク信号PKEとRF信号RIとの間のレベル差は小さい方が望ましい。
そこで、ゲイン制御器112は、ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差を求める。この差はRF信号RIの振幅と見なすことができ、ゲイン制御器112は、この振幅に応じたゲイン制御信号GCPを出力する。例えばゲイン制御器112は、この振幅が閾値より小さい場合には、アタックゲインAGPの絶対値を小さくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。図2の期間TLにおいて、ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差から求められたRF信号RIの振幅はほぼ0であるので、この振幅が閾値より小さいとすると、アタックゲイン発生器132は、ゲイン制御信号GCPに従って、アタックゲインAGPの絶対値を小さくする。
すると、ピーク信号PKEがRF信号RIのレベルを下回った後には、ピーク信号PKEは、レベルがRF信号RIよりEIしか高くならない(図4参照)。すなわち、ピーク信号PKEとRF信号RIとの間のレベル差を抑えることができる。
更に、アタックゲイン発生器132がアタックゲインAGPの値を小さくする際に、ドループゲイン発生器134が、ゲイン制御信号GCPに従って、ドループゲインDGPの絶対値を小さくしてもよい。このとき、ドループゲイン発生器134は、アタックゲインAGPとの比が一定となるように、ドループゲインDGPを変化させてもよい。
ゲイン制御器112は、RF信号RIの振幅が閾値以上になった場合には、ゲインを元に戻すように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。アタックゲイン発生器132及びループゲイン発生器134は、ゲイン制御信号GCPに従って、アタックゲインAGP及びドループゲインDGPの値を元に戻す。
ピーク検波回路120について説明したが、RF信号RIが高い値を保つ期間におけるボトム検波回路160についても、同様に説明することができる。
このように図1の包絡線検波回路110によると、RF信号RIの振幅に応じて、RF信号に対するピーク信号PKE及びボトム信号BTEの追従性を変えることができるので、安定した検波動作を行うことが可能となる。
なお、アタックゲイン発生器132及びループゲイン発生器134がアタックゲインAGP及びドループゲインDGPを同時に変更する場合について説明したが、変更のタイミングは同時でなくてもよい。
ピーク信号PKEとボトム信号BTEとの差をRF信号RIの振幅として用いたが、他の信号に基づいてRF信号RIの振幅を求めてもよい。用途や状況に応じて異なる閾値を用いるようにしてもよい。
図5は、RF信号RIが急に低下する期間(図2の期間TF)におけるRF信号RI、ピーク信号PKE及びコンパレータ出力CSPの例を示すグラフである。ブラック・ドロップ・アウトが生じると、図4のようにRF信号RIが急に低下する。この場合、ドループゲインDGPが一定であるとすると、ピーク信号は線PKNのように緩やかに減少するので、ピーク信号のRF信号RIに対する追従性が悪くなる。そこで、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを判定し、所定の基準値以上離れていると判定した場合には、ドループゲインDGPの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。
図3のようにRF信号RIが安定している期間では、コンパレータ124の比較結果CSPは、ほぼRF信号RIの周期毎に“1”となる。しかし、RF信号RIが急に低下すると、RF信号RIがピーク信号PKEより大きくならないので、比較結果CSPが“0”となる状態が続く。そこで、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、コンパレータ124の比較結果CSPが“0”である状態がRF信号RIの所定の周期分の期間続くか否かによって判定する。
比較結果CSPが“0”である状態が所定の周期分の期間続く場合には、ゲイン制御器112は、ドループゲインDGPの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCPを出力する。ドループゲイン発生器134は、ゲイン制御信号GCPに従って、ドループゲインDGPの絶対値を大きくする。すると、ピーク信号PKEが急激に低下し、ピーク信号PKEのRF信号RIに対する追従性が改善される(図5参照)。
代替として、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、RF信号RI(RFアンプ108の出力)とピーク信号PKEとの間の差が閾値以上であるか否かによって判定してもよい。
図5を参照してピーク検波回路120について説明したが、次にボトム検波回路160について説明する。RF信号RIが急に低下した後、急に上昇する期間TR(図2参照)においては、ゲイン制御器112は、ボトム検波回路160に対して、ピーク検波回路120と同様の制御を行う。
ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを判定し、所定の基準値以上離れていると判定した場合には、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCBを出力する。具体的には、ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、コンパレータ164の比較結果CSBが“0”である状態(すなわち、RF信号RIがボトム信号BTEより小さくならない状態)がRF信号RIの所定の周期分続くか否かによって判定する。
“0”が所定の周期分続く場合には、ゲイン制御器112は、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするように指示するゲイン制御信号GCBを出力する。ドループゲイン発生器174は、ゲイン制御信号GCBに従って、ドループゲインDGBの絶対値を大きくする。すると、ボトム信号BTEが急激に上昇し、ボトム信号BTEのRF信号RIに対する追従性が改善される。
代替として、ゲイン制御器112は、RF信号RIとボトム信号BTEとの間が所定の基準値以上離れているか否かを、RF信号RIとボトム信号BTEとの間の差が閾値以上であるか否かによって判定してもよい。
このように、ゲイン制御器112は、RF信号RIとピーク信号PKEとが大きく離れている場合には、ドループゲインDGPの絶対値を大きくし、RF信号RIとボトム信号BTEとが大きく離れている場合には、ドループゲインDGBの絶対値を大きくするので、RF信号RIに対するピーク信号PKE及びボトム信号BTEの追従性を高くすることができる。
図1の包絡線検波回路110によると、フィードバックループをデジタル回路で構成することが容易である。RF信号RIをAD変換できるような高速なADコンバータを用いる必要がないので、回路の消費電力を小さくすることができる。アナログ回路で構成された包絡線検波回路では、積分を行う素子のばらつきの問題があるが、包絡線検波回路110ではその影響もない。また、RF信号の状況に応じて、耐ノイズ性や追従性を高めるためのチューニングを容易に行うことができる。
(第1変形例)
図6は、本発明の第1変形例による包絡線検波回路のピーク検波に係る部分の構成を示すブロック図である。図6の回路は、ゲイン制御器112と、積分制御器614と、ピーク検波回路620と、ボトム検波回路160とを有する。図6のピーク検波回路620は、演算器140に代えて演算器640を有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。ピーク検波回路620は、アタックゲイン発生器632と、ドループゲイン発生器134と、演算器640とを、包絡線発生器630として有している。演算器640は、セレクタ136、644と、積分器638と、データ保持器642とを有している。
図6は、本発明の第1変形例による包絡線検波回路のピーク検波に係る部分の構成を示すブロック図である。図6の回路は、ゲイン制御器112と、積分制御器614と、ピーク検波回路620と、ボトム検波回路160とを有する。図6のピーク検波回路620は、演算器140に代えて演算器640を有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。ピーク検波回路620は、アタックゲイン発生器632と、ドループゲイン発生器134と、演算器640とを、包絡線発生器630として有している。演算器640は、セレクタ136、644と、積分器638と、データ保持器642とを有している。
図7は、図6の積分制御器614が有する検出回路716の回路図である。検出回路716は、RF信号RIから、ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分(以下では、不要周波数成分と称する)を検出する。RF信号RIが不要周波数成分を実質的に含むと検出回路716が判断するときには、検出回路716はハイ(H)レベルを制御信号CNとして出力する。一方、RF信号RIが不要周波数成分を実質的に含まないと検出回路716が判断するときには、検出回路716はロー(L)レベルを制御信号CNとして出力する。
より具体的には、検出回路716は、バンドパスフィルタ(BPF)717、減算器718、及びコンパレータ719を有する。BPF717は、そのセンター周波数の近傍の周波数成分を通す。BPF717のセンター周波数は、RF信号RIに含まれるターゲット信号の主要な周波数成分である。よってBPF717は、主としてターゲット信号を出力する。
減算器718は、RF信号RIからBPF717の出力信号(すなわちターゲット信号)を減ずることによって、RF信号RIに含まれるノイズを主として出力する。コンパレータ719は、このノイズを、基準電圧Vaと比較する。コンパレータ719の出力(制御信号CN)は、ノイズが基準電圧Vaより大きい期間においてHレベルである。積分制御器614は、不要周波数成分の検出結果を示す制御信号CNを制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3として出力する。積分制御器614は、適切なタイミングで出力されるように、制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3の出力タイミングを制御してもよい。
包絡線発生器630は、不要周波数成分が検出されたことを制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3が示している場合には、積分器638で求められる積分値の絶対値の増加を抑えるように動作する。具体的には、積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、積分値を保持するように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、制御信号CN1に従って、出力している積分値を保持する。積分制御器614は、不要周波数成分が重畳されていることを検出しなくなるまで、積分器638に積分値を保持させる。
積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、制御信号CN1に代えて、値を保持するように指示する制御信号CN2をデータ保持器642に出力してもよい。この場合、データ保持器642は、制御信号CN2に従って、積分器638から出力された積分値を保持し、セレクタ644に出力する。セレクタ644は、データ保持器642で保持された値を積分器638に出力する。積分制御器614は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値としてセットするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値とする。
セレクタ644に設定値SVを入力しておき、この値を積分器638に設定するようにしてもよい。すなわち、積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、制御信号CN1に代えて、設定値SVを選択するように指示する制御信号CN3をセレクタ644に出力してもよい。セレクタ644は、設定値SVを選択し、積分器638に出力する。積分制御器614は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値としてセットするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、セレクタ644から入力された値を新たな積分値とする。ここで、設定値SVは、例えば、ピーク検波回路620の動作が安定すると予測される値である。なお、演算器640の外部から任意の設定値SVが入力されるようにしてもよい。
不要周波数成分が検出されなくなった場合には、積分制御器614は、積分動作をするように指示する制御信号CN1を積分器638に出力する。積分器638は、制御信号CN1に従って、セレクタ136の出力の積分を行う。
積分制御器614は、不要周波数成分を検出した場合には、アタックゲインAGPの絶対値を小さくするように指示する制御信号GAJを出力してもよい。アタックゲイン発生器632は、制御信号GAJに従って、アタックゲインAGPの絶対値を小さくする。
このように、第1変形例によると、光ディスク上の傷等に起因してRF信号RIに不要周波数成分が重畳されている場合であっても、積分値(ピーク信号PKEの値)が安定する。このため、ピーク検波回路620のDAC122、コンパレータ124、セレクタ136、及び積分器638が構成するフィードバックループを安定に動作させることができる。
なお、図6のピーク検波回路620と同様に、ボトム検波回路160が積分器638、データ保持器642、及びセレクタ644を有するようにし、ボトム検波回路160のアタックゲイン発生器172、積分器638、データ保持器642、及びセレクタ644が、制御信号GAJ、CN1、CN2、又はCN3によってそれぞれピーク検波回路620と同様に制御されるようにしてもよい。
(第2変形例)
図8は、本発明の第2変形例によるピーク検波回路720の構成を示すブロック図である。図8のピーク検波回路720は、DA変換値調整器746と、ローパスフィルタ748とを更に有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。
図8は、本発明の第2変形例によるピーク検波回路720の構成を示すブロック図である。図8のピーク検波回路720は、DA変換値調整器746と、ローパスフィルタ748とを更に有する点が、図1のピーク検波回路120とは異なっている。
図1のピーク検波回路120において、DAC122は、積分器138から出力された積分値の全てのビットをDA変換をしてもよいが、積分値の所定の上位ビットをDA変換してもよい。例えば、DAC122は、積分値の下位2ビットを除いた上位ビットをDA変換してもよい。すると、DAC122の回路構成を簡単にすることができ、DAC122を低消費電力化かつ高速化することができる。
しかし、この場合、DA変換の精度が低くなるので、これに対処するためにDA変換値調整器746は次のように動作する。DA変換値調整器746は、積分器138から出力された積分値のうちDAC122で変換されない下位ビットで表された数に応じた頻度で、積分値の上位ビット(DAC122で変換されるビット)のうちの最下位ビットに1を加えてDAC122に出力する。
具体例を、積分器138から出力された積分値のビット数が5ビット、DAC122の入力ビット数が3ビットである場合について説明する。積分器138から出力された積分値が“00111”であるとする。DAC122で変換される上位3ビットのうちの最下位ビットが値1を表すとすると、積分値の下位2ビット“11”は値3/4を表す。DA変換値調整器746は、積分値の下位2ビット“11”で表された数に応じた頻度3/4で、積分値の上位ビット“001”のうちの最下位ビットに1を加え、得られる“010”をDAC122に出力する。
つまり、DA変換値調整器746は、積分値“00111”が入力される場合には、“001”、“010”、“010”、“010”を順に出力する。DAC122は、これらの値を順にDA変換してLPF748に出力する。LPF748は、DAC122で変換された信号を平滑化する。平滑化後の信号は、“001”、“010”、“010”、“010”の平均値に対応する。LPF748は、平滑化後の信号をコンパレータ124に出力する。LPF748から出力されるアナログ信号は、5ビットの積分値“00111”に対応した値となり、積分値の情報を失うことなくアナログ信号に変換することが可能になる。
このように、第2変形例によると、LPF748から出力されるアナログ信号の精度を、DAC122の変換可能なビット数に対応する精度以上に高くすることができる。
なお、図6のピーク検波回路620と同様に、ボトム検波回路160がDA変換値調整器746及びローパスフィルタ748を有するようにしてもよい。
ピーク検波回路120等によってピーク信号PKEを求め、ボトム検波回路160によってボトム信号BTEを求める場合について説明したが、ピーク信号PKEのみを求めるようにしてもよい。
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
以上説明したように、本発明のさまざまな実施形態は、入力信号から検出された包絡線の、入力信号に対する追従性を高くすることができるので、本発明は検波器等について有用である。
110 包絡線検波回路
112 ゲイン制御器
120、620、720 ピーク検波回路
122、162 DAコンバータ
124、164 コンパレータ
130、170、630 包絡線発生器
132、172、632 アタックゲイン発生器
134、174 ドループゲイン発生器
136、176 セレクタ
138、178、638 積分器
160 ボトム検波回路
140、180、640 演算器
614 積分制御器
746 DA変換値調整器
748 ローパスフィルタ
112 ゲイン制御器
120、620、720 ピーク検波回路
122、162 DAコンバータ
124、164 コンパレータ
130、170、630 包絡線発生器
132、172、632 アタックゲイン発生器
134、174 ドループゲイン発生器
136、176 セレクタ
138、178、638 積分器
160 ボトム検波回路
140、180、640 演算器
614 積分制御器
746 DA変換値調整器
748 ローパスフィルタ
Claims (19)
- ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求めて出力する検波器であって、
前記入力信号を前記出力信号と比較し、得られた比較結果を出力するコンパレータと、
前記比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力する包絡線発生器とを備え、
前記包絡線発生器は、前記入力信号の振幅に応じて前記第1の値を出力する第1のゲイン発生器を有する
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記第1のゲイン発生器は、前記入力信号の振幅が閾値より小さい場合には、前記第1の値の絶対値を小さくする
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記包絡線発生器は、前記入力信号の振幅に応じた前記第2の値を出力する第2のゲイン発生器を更に備える
検波器。 - 請求項3に記載の検波器において、
前記第2のゲイン発生器は、前記入力信号の振幅が閾値より小さい場合には、前記第2の値の絶対値を小さくする
検波器。 - 請求項4に記載の検波器において、
前記第2の値と前記第1の値との比は一定である
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記入力信号の振幅に応じたゲイン制御信号を生成するゲイン制御器を更に備え、
前記第1のゲイン発生器は、前記ゲイン制御信号に応じて前記第1の値を出力する
ことを特徴とする検波器。 - 請求項6に記載の検波器において、
前記ゲイン制御器は、前記積分値を用いて前記入力信号の振幅の検出を行う
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記入力信号と前記積分値との間の差が所定の基準値以上であるか否かを判定し、前記差が所定の基準値以上であると判定した場合には、前記第1の値の絶対値を大きくするように前記第1のゲイン発生器を制御するゲイン制御器を更に備える
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記入力信号から前記ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分である不要周波数成分を検出し、検出結果を示す制御信号を生成する積分制御器を更に備え、
前記包絡線発生器は、前記不要周波数成分が検出されたことを前記制御信号が示している場合には、前記積分値の絶対値の増加を抑える
検波器。 - 請求項9に記載の検波器において、
前記包絡線発生器は、前記積分値を求める演算器を更に有し、
前記演算器は、前記不要周波数成分が検出されたことを前記制御信号が示している場合には、前記積分値を保持する
検波器。 - 請求項9に記載の検波器において、
前記包絡線発生器は、前記積分値を求める演算器を更に有し、
前記演算器は、前記不要周波数成分が検出されたことを前記制御信号が示している場合には、設定値を前記積分値の新たな値として用いる
検波器。 - 請求項9に記載の検波器において、
前記第1のゲイン発生器は、前記不要周波数成分が検出されたことを前記制御信号が示している場合には、前記第1の値の絶対値を小さくする
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記積分値の所定の上位ビットをDA(Digital-to-Analog)変換するDAコンバータを更に備え、
前記コンパレータは、前記入力信号と前記DAコンバータで変換された信号とを比較する
検波器。 - 請求項13に記載の検波器において、
前記積分値のうち前記DAコンバータで変換されない下位ビットで表された数に応じた頻度で、前記積分値の前記所定の上位ビットのうちの最下位ビットに1を加えて前記DAコンバータに出力するDA変換値調整器と、
前記DAコンバータで変換された信号を平滑化して前記コンパレータに出力するローパスフィルタとを更に備える
検波器。 - 請求項1に記載の検波器において、
前記入力信号は、光ピックアップから出力されたRF(Radio Frequency)信号である
検波器。 - ターゲット信号を含む入力信号から出力信号を求める検波方法であって、
前記入力信号を前記出力信号と比較し、
得られた比較結果に応じて第1の値及び前記第1の値とは符号が反対の第2の値に重み付けをし、前記重み付けされた第1の値及び前記重み付けされた第2の値を積分し、積分値を前記出力信号として出力し、
前記入力信号から前記ターゲット信号の周波数成分以外の周波数成分である不要周波数成分を検出し、
前記不要周波数成分が検出された場合には、前記積分値の絶対値の増加を抑える
検波方法。 - 請求項16に記載の検波方法において、
前記不要周波数成分が検出された場合には、前記積分値を保持する
検波方法。 - 請求項16に記載の検波方法において、
前記不要周波数成分が検出された場合には、設定値を前記積分値の新たな値として用いる
検波方法。 - 請求項16に記載の検波方法において、
前記不要周波数成分が検出された場合には、前記第1の値の絶対値を小さくする
検波方法。
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120423 |
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120508 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120927 |