JPWO2010053142A1 - 樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

軽量で安価な樹脂成形品の装飾性を高めること、例えば外装の少なくとも一部に金属調の質感や高級感を生じさせることが可能な樹脂成形品およびその製造方法を提供する。少なくとも2種類のポリエステル樹脂が100層以上積層された多層フィルム3を、金型のキャビティ8内に挿入し、多層フィルム3が挿入されたキャビティ8に、樹脂からなる溶融状態の成形材料4を射出し、成形材料4を固化させて多層フィルム3と一体化させることにより、表面の少なくとも一部に多層フィルム3が位置する成形品5を形成する。成形材料4の射出開始前に、金型のキャビティ8の、挿入された多層フィルム3と接触する表面の温度を、多層フィルム3のガラス転移温度以上に昇温しておく。

Description

本発明は樹脂成形品およびその製造方法に関する。
現在、情報家電、通信機器、生活家電、自動車、スポーツ用品、家具等のあらゆる製品において樹脂成形品が多用されている。樹脂成形品は、比較的自由な形状に成形することが可能であり、しかも安価で軽量で強度が高いなどの様々な利点を有するが、装飾性をより高めるために、少なくとも一部(特に外装部分)に、金属に類似する光沢、表面形状、質感、高級感を付与することが望まれる場合がある。その場合、樹脂成形品と金属部品とを複合させたり樹脂成形品にメッキ処理を施したりして、金属の光沢や質感や高級感を得ることが多い。しかし、樹脂成形品の成形後に金属部品との複合やメッキ処理を行うため、作業時間や製造コストが大幅に増大し、作業効率が非常に悪くなる。
そこで、近年、蒸着やスパッタリングやイオンプレーティングにより形成された厚さ200〜800オングストロームの金属薄膜層を含む多層プラスチックフィルムを、圧空成形等により予備腑形した後に、インサート成形を行う方法が提案されている(特開2004−1433号公報)。これによると、樹脂成形品の表面に金属薄膜層を配置して金属調の外観を得ることができる。さらに、金属薄膜層を含む多層プラスチックフィルムを用いてインサート成形を行う際に、金型のキャビティの表面に設けられた加工溝状のテクスチャーを金属薄膜層に転写することにより、さらなる金属光沢や質感を与える方法が提案されている(特開2006−76167号公報)。
特許文献1,2のように、金属薄膜層を含む多層プラスチックフィルムを金型に挿入してインサート成形する場合、多層プラスチックフィルムの予備腑形時に、厚さ200〜800オングストローム程度の金属薄膜層にマイクロクラックが生じないように、加工条件を精緻に設定する必要がある。従って、作業性が良好ではない。また、特許文献2における金属薄膜層への加工溝状のテクスチャーの転写は、インサート成形時に行われるため、十分な転写が達成できない可能性がある。その結果、特許文献2の方法では、実際に金属を研削加工した製品と同じ水準の質感は得られないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、軽量で安価な樹脂成形品の装飾性を高めること、例えば外装の少なくとも一部に金属調の質感や高級感を生じさせることが可能な樹脂成形品およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明のもう1つの目的は、外装の少なくとも一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーを良好に転写して、装飾性をより高めることができる樹脂成形品およびその製造方法を提供することにある。
本発明の樹脂成形品の製造方法の特徴は、少なくとも2種類のポリエステル樹脂が100層以上積層された多層フィルムを、金型のキャビティ内に挿入し、多層フィルムが挿入されたキャビティに、樹脂からなる溶融状態の成形材料を射出し、成形材料を固化させて多層フィルムと一体化させることにより、表面の少なくとも一部に多層フィルムが位置する成形品を形成するところにある。この場合、成形材料の射出開始前に、金型のキャビティの、挿入された多層フィルムと接触する表面の温度を、多層フィルムのガラス転移温度以上に昇温しておくことが好ましい。キャビティの、挿入された多層フィルムと接触する表面の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーを形成しておいてもよい。
本発明の樹脂成形品の特徴は、表面の少なくとも一部に位置する、少なくとも2種類のポリエステル樹脂が100層以上積層された多層フィルムと、多層フィルムと一体化している樹脂からなる本体部分とからなるところにある。多層フィルムの全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されていてもよい。
また、本発明の樹脂成形品の他の特徴は、表面の少なくとも一部が厚さ50μm以上のポリエステル樹脂の層からなり、ポリエステル樹脂の層の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されており、表面粗さ(Ra)とカットオフ値(L)が、0.08(mm)≦L≦0.8(mm)において、Ra≧L/200の関係を有するところにある。ポリエステル樹脂の層は、屈折率が異なる2種類以上のポリエステル樹脂が100層以上積層された積層体である。
また、本発明の樹脂成形品は、表面の少なくとも一部が厚さ50μm以上のポリエステル樹脂の層からなり、ポリエステル樹脂の層の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されており、樹脂成形品の表面粗さ(Ra)が、樹脂成形品を成形するための金型のキャビティの表面粗さ(Ram)に対して、0.8×Ram≦Ra≦1.2×Ramの関係を有する。
本発明によると、樹脂成形品の表面に位置する多層フィルムが金属調の風合いを出すことができるため、強度や安価さや軽量さを保ちながら、金属製品に近い装飾性を得ることができる。
本発明に係る樹脂成形品の表面に位置する多層フィルムの断面図である。 本発明に係る樹脂成形品の製造方法において、図1に示す多層フィルムを、型開した金型のキャビティ内に挿入する状態を示す断面図である。 図2に示す状態の後に、キャビティ内に多層フィルムが挿入された金型を閉じた状態を示す断面図である。 図3に示す状態の後に、多層フィルムが挿入された金型のキャビティ内に成形材料が充填された状態を示す断面図である。 図4に示す状態の後に、金型を開いて、固化して一体化した多層フィルムおよび成形材料を取り出す状態を示す断面図である。 本発明に係る樹脂成形品の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
本実施形態における樹脂成形品の製造方法の概略について、図面を参照して説明する。まず、図1に示すように、ポリエステル樹脂からなる多層フィルム3を用意し、可動型1と固定型2とからなる金型のキャビティ8の内面の形状(図2〜5参照)に合わせて、真空成形あるいは圧空成形により予備腑形する。次に、図2に示すように、可動型1と固定型2とを開いて、予備腑形した多層フィルム3をキャビティ8内に挿入する。それから、図3〜4に示すように、可動型1と固定型2を閉じ、射出成形機9のシリンダー内で可塑化溶融状態になった成形材料4を、閉じた金型のキャビティ8内に射出する。成形材料4の射出が完了したら、冷却して成形材料4を固化させる。そして、図5に示すように、可動型1と固定型2とを再び開いて、図示しないイジェクタピンによって、一体化した多層フィルム3および成形材料(本体部分)4を押し出してキャビティ8から取り出す。その後、ランナー部分を折り取ることによって、図6に示す樹脂成形品5を得る。この樹脂成形品5は、いわゆるインサート成形を用いて成形されたものであり、成形材料4の射出成形により成形された本体部分の上(外装となる表面上)に、多層フィルム3が配置されて一体化したものである。
実施成形品5の表面に位置する多層フィルム3は、屈折率が互いに異なる2種類のポリエステル樹脂が交互に積層されたポリエステル樹脂多層フィルムである。具体的には、この多層フィルム3は、2種類のポリエステル樹脂が合計100層以上、交互に積層されたものである。例えば、屈折率の値が1.57であるポリエチレンテレフタラートと、屈折率の値がおおむね1.50〜1.56の範囲にあるポリエステル樹脂とが、交互に100層以上積層されたものである。このような多層フィルム3は、表面の光線反射率が広い波長領域で高い値となって全反射に近くなり、金属調の外観を示す。従って、この多層フィルム3を表面に有する本実施形態の樹脂成形品5は、金属調の風合いを持つ外観を有する。このようなポリエステル樹脂多層フィルムのガラス転移温度は、一般にDSC(Differential scanning calorimetry:示差走査熱量測定)法やTMA(Thermomechanical analysis:熱機械分析)法によって測定され、60℃〜100℃の範囲にある。なお、多層フィルム3として、現在市販されている、2種類以上の樹脂層が1000層以上積層された金属調多層フィルムを用いることもできる。
多層フィルム3に含まれるポリエステル樹脂は、(高純度)テレフタル酸やテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの縮合重合体であるポリエチレンテレフタラートのほかに、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂環族ジオール、脂肪族ジオール等からなる共重合樹脂を含むものであってよい。重合組成は粘弾性特性や屈折率に影響するため、目的にかなう重合組成のポリエステル樹脂を用いるとよい。
また、本実施形態のポリエステル樹脂からなる多層フィルム3の厚さは、12〜1000μmの範囲であることが好ましい。多層フィルム3がこの範囲の厚さを有していると、予備腑形性と金型転写性に優れる。
多層フィルム3に、傷つき防止層、易接着層、印刷層等を付加してもよい。例えば、多層フィルム3の表面に、ハードコート等の表面保護層や意匠性付与のための着色層を設けてもよい。多層フィルム3の裏面側(樹脂成形品5の外装となる意匠面の反対側)に黒色のインクを塗布して印刷層を形成すると、反射率がより高くなり、より金属調になる。そして、その印刷層の間に、インクを塗布しない部分を設けると、その部分は光線が透過してハーフミラーとなる。図示しないが、成形後に樹脂成形品5の表面にクリアー塗装を施して、テクスチャー6の凹凸以上の厚さのクリアー塗装膜を形成して、光の干渉作用により構造色を表現することも可能である。また、多層フィルム3に対して、プライマー塗布、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、珪酸塩処理(イトロ処理)等の表面処理を行って、成形材料4との接着強度を高くすることも可能である。
本実施形態では、図2〜5に示すように、可動型1のキャビティ8の表面に微細なテクスチャー(微細な凹凸)6が設けられている。これは、完成状態の樹脂成形品5の表面に、可動型1のテクスチャー6を転写することにより微細なテクスチャー7を形成するためである。樹脂成形品の表面は、前記したようにポリエステル樹脂の多層フィルム3からなるため、光線が反射して金属調の風合いを持つが、さらに、テクスチャー7の部分ではつや消し調やヘアライン調等の加工を施した金属表面と極めて類似の、高級感ある風合いに仕上げることができる。なお、図2〜6においては、見易くするために、テクスチャー6,7を正確な縮尺よりも大きく図示している。また、多層フィルム3に転写によってテクスチャー7が形成されるのに伴って、テクスチャーが転写されるのと反対側の表面に窪み(凹部)が生じることがあるが、図3〜6ではそのような窪みは図示省略している。
また、本実施形態では、可動型1に加熱冷却流路10が設けられている。そして、前記した樹脂成形品5の製造方法において、成形材料4をキャビティ8内に射出する前に、加熱冷却流路10に加圧飽和蒸気を流すことにより、少なくとも、キャビティ8の、挿入された多層フィルム3と接触する表面の温度を、多層フィルム3を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度以上(例えば100℃以上)に加熱する。一例としては、ガラス転移温度が80℃であるポリエステル樹脂の多層フィルム3の場合、80℃〜130℃の範囲で設定される。それによって、キャビティ8内に位置する多層フィルム3はガラス転移温度以上に加熱されて軟化する。その後に成形材料4がキャビティ8内に充填されると、その際の樹脂圧力によって、軟化した多層フィルム3が可動型1のキャビティ8の表面に押し付けられ、テクスチャー6の形状が多層フィルム3の表面に転写される。さらに、その後に加熱冷却流路10への蒸気の供給を止めて、代わりに冷却水を供給すると、可動型1が冷却され、それに伴って多層フィルム3および成形材料4も冷却されて固化し一体化する。そして、図5に示すように可動型1と固定型2とを開いて樹脂成形品5を取り出すことができるようになる。
このように、本実施形態では、金型の加熱および冷却を行うことによって、成形材料4を、短時間で効率よく、しかも表面状態が良好になるように成形することができる。その上、成形材料4の射出前に可動型1を加熱しておくことによって、可動型1のテクスチャー6を多層フィルム3の表面に良好に転写することができる。仮に、このような金型の加熱を行わないと、テクスチャー6の転写が不十分になり、優れた高級感ある風合いは得られなくなる。なお、金型のキャビティの、多層フィルム3と接触する表面の温度を、多層フィルム3のガラス転移温度以上の高温で一定に保ちつつ成形すると、良好なテクスチャー6の転写が実現できるが、樹脂成形品に変形が起こることがある。従って、前記したように、加熱冷却流路10に冷却水を供給するなどして、成形材料4の充填後に可動型1を冷却しそれに伴って多層フィルム3および成形材料4も冷却して固化させることが好ましい。
前記したように、本実施形態では、可動型1のキャビティ8の表面の全面または一部に、多層フィルム3の表面に転写するための微細な凹凸(テクスチャー6)が形成されているが、これは、エッチング、サンドブラスト、切削加工等により形成させておくことができる。このテクスチャー6は、具体的には、いわゆるシボや加工溝やヘアライン等である。一般に、金型に設けられたシボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーは、周期の異なる複数の凹凸の重ね合わせから成り立っている。このようなテクスチャーは深さ2〜100μmの範囲で施されることが一般的である。通常行われているフィルムインサート成形では、金型のキャビティの表面の温度がフィルムのガラス転移温度よりも低い状態で成形が行われるため、小さい周期のテクスチャーが転写できない。すなわち、金型の加熱を行わない場合には、比較的大きい凹凸は転写されても微細な凹凸は転写されない。例えば、カットオフ値Lが0.8mmの場合には表面粗さRaの測定値が4μm程度になる(Ra≧L/200になる)が、カットオフ値Lが0.08mmの場合には表面粗さRaの測定値が2μm程度になり(Ra<L/200になり)、微細領域での転写が不十分になる。これに対し、本実施形態では、可動型1のキャビティ8の表面の温度を多層フィルム3のガラス転移温度以上に加熱して成形を行うので、カットオフ値Lが0.08〜0.8mmの広い範囲でRa≧5L/1000、すなわちRa≧L/200となる。実用的には、表面粗さRaを、カットオフ値L(mm)の単位を外した値を5倍して単位(μm)を付けた数値以上になるようにすればよい。そして、より好ましくはRa≧7L/1000、さらに好ましくはRa≧L/100とする。なお、表面粗さRaの上限値は、その樹脂成形品に求められる装飾性(意匠性)によって任意に決められる。
そして、本発明によれば、金型に施されたテクスチャーが樹脂成形品に忠実に転写され、樹脂成形品の表面粗さRaは金型のキャビティの表面粗さRam(例えばカットオフ値0.08mmにおいて0.1μm〜10μm)の0.8倍〜1.2倍の範囲となる。樹脂成形品の表面粗さRaが金型のキャビティの表面粗さRamの0.8倍よりも小さいと良好な質感が得られず、1.2倍よりも大きいと、光線の方向によって輝度のばらつきが出やすい。前記したRa≧L/200(ただしカットオフ値Lが0.08〜0.8mm)という条件と0.8×Ram≦Raという条件のいずれかに基づいて樹脂成形品の表面粗さRaの下限値を定め、Ra≦1.2×Ramという条件に基づいて上限値を定めるようにしてもよい。
なお、可動型1のキャビティ8の表面の加熱温度は、多層フィルム3を構成するポリエステル樹脂のガラス転移温度や粘弾性特性に応じて設定されるが、少なくともそのポリエステル樹脂のガラス転移温度以上に設定されるべきであり、ポリエステル樹脂の損失弾性率が500MPa以下となる温度が選択される。すなわち、ポリエステル樹脂の積層体の貯蔵弾性率は、引っ張りモードの動的粘弾性測定装置を用いて温度依存データとして得ることができる。そのデータに基づいて考察すると、ポリエステル樹脂の100℃における貯蔵弾性率と200℃における貯蔵弾性率の比の値が10以下であると、圧空成形時あるいは真空成形時にバランス良く腑形できる。また、ポリエステル樹脂の100℃から200℃の温度範囲における損失弾性率が500MPa以下の範囲にあると、前記したように可動型1のテクスチャー6が転写されやすい。転写フィルム3は、2種類以上のポリエステル樹脂によって構成されているので、各ポリエステル樹脂のうち、前記した考察によって求められた温度が高い方のポリエステル樹脂に合わせて、可動型1の加熱温度を設定すればよい。
金型の加熱方法としては、前記したように加熱冷却流路10に蒸気、加圧水、または加熱オイル等の熱媒体を流す方法に加えて、電熱ヒーターを用いる方法や、誘導加熱により加熱する方法や、炎で加熱する方法を用いることもでき、さらに、それらの方法を組み合わせた方法を用いることもできる。また、射出充填終了後の金型の冷却は、多層フィルム3および成形材料(本体部分)4を金型から取り出せる程度に冷却固化させられるまで行う必要がある。当然のことながら、冷却温度が低いほど短時間で多層フィルム3および成形材料4の取り出しが可能になる。金型の冷却は、前記したように冷却水を用いて行うのが一般的である。そして、金型の加熱を蒸気や加圧水を用いて行い、かつ金型の冷却を冷却水によって行う場合には、図示されている実施形態のように、加熱媒体用かつ冷却媒体用の共通の流路(加熱冷却流路10)を用いることができる。ただし、このような構成に限定されるわけではない。
本実施形態の樹脂成形品の一部(本体部分)を構成する成形材料4としては、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、PBT樹脂、ポリ乳酸、環状オレフィンポリマー(または環状オレフィンコポリマー)や、これらの混合物等が用いられるのが好ましい。成形材料4は、最終製品である樹脂成形品における特性に悪影響がない範囲で流動性の高いものであると、剪断発熱によるフィルムへのダメージが起こりにくいため好ましい。ただし、これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、これらの成形材料4に、粒子状または繊維状のフィラーや、耐衝撃性改良材などの補強材や、顔料や染料等の色材や、難燃剤や、耐候安定剤や、酸化防止剤等の添加剤が添加されていてもよい。
以下、本発明のより具体的な例について説明する。
[例1]
ポリエステル樹脂からなる多層フィルム3(東レ株式会社製PICASUS188μm、ガラス転移温度:80℃)に、図示しないが、スクリーン印刷により、ウレタン系インキ(帝国インキ製造株式会社製TASインキ)の印刷層(着色層)と、バインダー層(帝国インキ製造製IMBバインダー)を順番に形成した。この印刷層およびバインダー層を有する多層フィルム3を、印刷層およびバインダー層側を上にして、Nibling社製の超高圧空成形機にセットして圧空成形による予備賦形を行った。具体的には、多層フィルム3の表面温度が120℃(ヒーターの設定温度が200℃)、成形圧力が10MPaの条件で圧空成形を行い、その後に圧空成形品の周囲を打抜いて、多層フィルム3を、深さ6mmの凹状であって、角部に半径5mmの円弧を有する100mm×50mmの長方形状に形成した。
このように予備賦形した多層フィルム3を、金型(例えば可動型1)のキャビティ8内にインサートした。このキャビティ8の表面には、表面粗さRam=0.95mm(カットオフ値L=0.08)のシボが形成されている。このキャビティ8の表面温度を100℃まで昇温した状態で、成形材料4としてABS樹脂(日本エイアンドエル株式会社製ST120、メルトボリュームフローレート:29(測定条件:220℃、10kg))をキャビティ8内に射出し、インサート成形を行った。成形材料4をキャビティ8内に充填させた後に、キャビティ8の表面温度を50℃まで下げて、多層フィルム3と成形材料4が一体化した樹脂成形品5を取り出した。キャビティ8の形状は、予備賦形した多層フィルム3に一致する、深さ6mmの凹状で角部に半径5mmの円弧を有する100mm×50mmの長方形状である。当然のことながら製造された樹脂成形品5は同じ形状であり、肉厚は1.5mmである。
[例2]
キャビティ8の表面温度を100℃で一定に保ち、前記した例1と同様に、印刷層およびバインダー層を有し予備賦形された多層フィルム3と、ABS樹脂からなる成形材料4とを用いてインサート成形を行って樹脂成形品を得た。
[例3]
キャビティ8の表面温度を50℃で一定に保ち、前記した例1と同様に、印刷層およびバインダー層を有し予備賦形された多層フィルム3と、ABS樹脂からなる成形材料4とを用いてインサート成形を行って樹脂成形品を得た。
以上説明した例1〜3で製造された樹脂成形品5を評価した結果を表1に示す。
Figure 2010053142
この表1から明らかなように、カットオフ値Lが0.08mmの場合に成形品の表面粗さRaが1.01μm、0.81μmであり、しかも、カットオフ値Lが0.8mmの場合に成形品の表面粗さRaが15.5μm、14.6μmである例1,2の構成によると、いずれもRa≧L/200となり、良好なヘアライン質感が得られた。これに対して、例3では、カットオフ値Lが0.08mmの場合に成形品の表面粗さRaが0.38μmであり、Ra<L/200となり、好ましくないテカリ(無用な光沢)が生じた。また、例1では、金型の冷却を行っているため、例2に比べて樹脂成形品の変形を防げるという効果がある。

Claims (8)

  1. 少なくとも2種類のポリエステル樹脂が100層以上積層された多層フィルムを、金型のキャビティ内に挿入し、前記多層フィルムが挿入された前記キャビティに、樹脂からなる溶融状態の成形材料を射出し、前記成形材料を固化させて前記多層フィルムと一体化させることにより、表面の少なくとも一部に前記多層フィルムが位置する樹脂成形品を形成する、樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記成形材料の射出開始前に、前記金型のキャビティの、挿入された前記多層フィルムと接触する表面の温度を、前記多層フィルムのガラス転移温度以上に昇温しておく、請求の範囲第1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記キャビティの、挿入された前記多層フィルムと接触する表面の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーを形成しておく、請求の範囲第1項または第2項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 表面の少なくとも一部に位置する、少なくとも2種類のポリエステル樹脂が100層以上積層された多層フィルムと、前記多層フィルムと一体化している樹脂からなる本体部分とからなる、樹脂成形品。
  5. 前記多層フィルムの全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されている、請求の範囲第4項に記載の樹脂成形品。
  6. 表面の少なくとも一部が厚さ50μm以上のポリエステル樹脂の層からなり、前記ポリエステル樹脂の層の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されており、
    表面粗さ(Ra)とカットオフ値(L)が、
    0.08(mm)≦L≦0.8(mm)において、Ra≧L/200
    の関係を有する、樹脂成形品。
  7. 表面の少なくとも一部が厚さ50μm以上のポリエステル樹脂の層からなり、前記ポリエステル樹脂の層の全面または一部に、シボ、加工溝、またはヘアラインの少なくとも1つを含むテクスチャーが転写されている樹脂成形品であって、
    前記樹脂成形品の表面粗さ(Ra)が、前記樹脂成形品を成形するための金型のキャビティの表面粗さ(Ram)に対して、
    0.8×Ram≦Ra≦1.2×Ram
    の関係を有する、樹脂成形品。
  8. 前記ポリエステル樹脂の層は、屈折率が異なる2種類以上のポリエステル樹脂が100層以上積層された積層体である、請求の範囲第6項または第7項に記載の樹脂成形品。
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