JPWO2010041650A1 - 触媒およびその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

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Abstract

[課題] 本発明は、酸性電解質中や高電位で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有する触媒を提供する。[解決手段] 本発明の触媒は、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる2種の金属(以下「金属A」、「金属Z」とも記す。)を、各々0.2質量%以上含有し、かつ合計25質量%以上含有する金属炭窒酸化物からなり、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって前記金属炭窒酸化物を測定した際に、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ以上観測されることを特徴とする。

Description

本発明は触媒およびその製造方法ならびにその用途に関する。
触媒は、化学平衡論的に進行すべき反応の速度を、反応の活性化エネルギーを下げることによって加速させる働きがあり、合成、分解等、化学反応プロセスの多岐にわたり用いられている。このうち、均一系触媒は、溶媒中に溶解等分散させることによって、目的とする化合物の合成を液相中等で効率的に進行させることが可能である。不均一系触媒は、担体に触媒を固定することによって、目的とする物質を効率的に合成、または分解し、且つ触媒を容易に生成物質から分離回収することが可能となるために、規模の大きな化学合成工場において特に有用である。不均一系触媒の内、電極表面に固定することによって、電気化学反応に用い、より小さな過電圧で目的とする反応を進行させることを可能にする触媒を電極触媒と呼ぶ。過電圧を小さくし、より多くの電気エネルギーを発生させるという目的から、電極触媒は特に燃料電池に必要とされている。
燃料電池には、電解質の種類や電極の種類により種々のタイプに分類され、代表的なものとしては、アルカリ型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型がある。この中でも低温(−40℃程度)から120℃程度で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、近年、自動車用低公害動力源としての開発・実用化が進んでいる。固体高分子型燃料電池の用途としては、車両用駆動源や定置型電源が検討されているが、これらの用途に適用されるためには、長期間に渡る耐久性が求められている。
この高分子固体形燃料電池は、高分子固体電解質をアノードとカソードとで挟み、アノードに燃料を供給し、カソードに酸素または空気を供給して、カソードで酸素が還元されて電気を取り出す形式である。燃料には水素またはメタノールなどが主として用いられる。
従来、燃料電池の反応速度を高め、燃料電池のエネルギー変換効率を高めるために、燃料電池のカソード(空気極)表面やアノード(燃料極)表面には、触媒を含む層(以下「燃料電池用触媒層」とも記す。)が設けられていた。
この触媒として、一般的に貴金属が用いられており、貴金属の中でも高い電位で安定であり、活性が高い白金が、主として用いられてきた。しかし、白金は価格が高く、また資源量が限られていることから、代替可能な触媒の開発が求められていた。
また、カソード表面に用いる貴金属は酸性雰囲気下では、溶解する場合があり、長期間に渡る耐久性が必要な用途には適さないという問題があった。このため酸性雰囲気下で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有する触媒の開発が強く求められていた。
白金に代わる触媒として、炭素、窒素、ホウ素等の非金属を含む材料が触媒として近年着目されている。これらの非金属を含む材料は、白金などの貴金属と比較して価格が安く、また資源量が豊富である。
非特許文献1では、ジルコニウムをベースとしたZrOxN化合物に、酸素還元能を示すことが報告されている。
特許文献1では、白金代替材料として長周期表4族、5族及び14族の元素群から選ばれる1種以上の元素の窒化物を含む酸素還元電極材料が開示されている。
しかしながら、これらの非金属を含む材料は、触媒として実用的に充分な酸素還元能が得られていないという問題点があった。
また、特許文献2では、炭化物、酸化物、窒化物を混合し、真空、不活性または非酸化性雰囲気下、500〜1500℃で加熱をした炭窒酸化物が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている炭窒酸化物は、薄膜磁気ヘッドセラミックス基板材料であり、この炭窒酸化物を触媒として用いることは検討されていない。
特許文献3では、二種類の以上の金属を含むペロブスカイト構造をとる酸化物が白金代替の触媒となる可能性について検討されているが、実施例に示されているように、効能は白金を補助する担体としての役割を超えるものではなく、充分な活性を持たない。
なお、白金は、上記燃料電池用の触媒としてだけでなく、排ガス処理用触媒または有機合成用触媒としても有用であるが、白金は価格が高く、また資源量が限られているため、これらの用途においても代替可能な触媒の開発が求められていた。
特開2007−31781号公報 特開2003−342058号公報 特開2008−4286号公報
S.Doi,A.Ishihara,S.Mitsushima,N.kamiya,and K.Ota、「Journal of The Electrochemical Society」、2007年、154 (3) B362-B369
本発明はこのような従来技術における問題点の解決を課題としており、本発明の目的は、酸性電解質中や高電位で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有する触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の二種類の金属を特定の割合で含有する炭窒酸化物からなる触媒が、酸性電解質中や高電位で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の(1)〜(17)に関する。
(1)
チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Aを0.2質量%以上含有し、
チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Zを0.2質量%以上(ただし、金属Zは、金属Aと異なる種類の金属とする。)含有し、
且つ
金属Aと金属Zとの合計が25質量%以上である金属炭窒酸化物からなり、
粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって前記金属炭窒酸化物を測定した際に、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ以上観測されることを特徴とする触媒。
(2)
前記金属炭窒酸化物が、金属Aを含有する炭窒酸化物と、金属Zを含有する炭窒酸化物とを含む混合物であり、金属Aを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含み、金属Zを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含む(1)に記載の触媒。
(3)
前記金属Aと前記金属Zとのモル比(金属A/金属Z)が、1以上15以下である(1)または(2)に記載の触媒。
(4)
前記金属Aおよび前記金属Zの組み合わせが、下記(a)および(b)、下記(a)および(c)、または下記(b)および(c)である(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒;
(a)チタンおよびジルコニウムからなる群より選ばれる一種の金属
(b)バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれる一種の金属
(c)モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる一種の金属。
(5)
前記金属炭窒酸化物の組成式が、Aabxyz(ただし、Aは金属Aを表し、Zは金属Zを表し、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.99、0.01≦x≦2、0.01≦y≦2、0.01≦z≦3、a+b=1、かつx+y+z≦5である。)で表されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒。
(6)
(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層。
(7)
さらに電子伝導性粒子を含むことを特徴とする(6)に記載の燃料電池用触媒層。
(8)
燃料電池用触媒層と多孔質支持層とを有する電極であって、前記燃料電池用触媒層が(6)または(7)に記載の燃料電池用触媒層であることを特徴とする電極。
(9)
カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが(8)に記載の電極であることを特徴とする膜電極接合体。
(10)
(9)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
(11)
(9)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
(12)
発電機能、発光機能、発熱機能、音響発生機能、運動機能、表示機能および充電機能からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能を有する物品であって、(10)または(11)に記載の燃料電池を備えていることを特徴とする物品。
(13)
前記物品が、建材、照明器具、意匠性窓ガラス、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、美容器具、携帯情報端末、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、布団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品、文房具、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、バルーン、照明、発光ダイオード(LED)、信号機、街灯、玩具、道路標識、装飾品、テント、交通信号機、掲示板、アウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱器用の電源およびペルチェ素子を備えた冷却器用の電源からなる群より選ばれる少なくとも1種である、(12)に記載の物品。
(14)
チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Aの酸化物と、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Z(ただし、金属Zは、金属Aと異なる種類の金属とする。)の酸化物と、炭素との混合物を、窒素雰囲気中で600〜2000℃の範囲で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ia)と、
前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒の製造方法。
(15)
前記金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との混合物(ただし、当該混合物は少なくとも炭化物を含む。)を、不活性ガス中(ただし、前記混合物中に窒化物を含まない場合は、窒素雰囲気中とする。)で600〜2000℃の範囲で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ib)と、
前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の触媒の製造方法。
(16)
前記工程(ii)における加熱の温度が400〜1400℃の範囲であることを特徴とする(14)または(15)に記載の触媒の製造方法。
(17)
前記工程(ii)における酸素ガス濃度が0.1〜10容量%の範囲であることを特徴とする(14)〜(16)のいずれかに記載の触媒の製造方法。
本発明の触媒は、酸性電解質中や高電位で腐食せず、安定であり、高い酸素還元能を有し、かつ白金と比べ安価である。したがって、前記触媒を備えた燃料電池は、比較的安価で性能が優れている。
図1は、実施例1の触媒(1)の粉末X線回折スペクトルである。 図2は、実施例1の触媒(1)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図3は、実施例2の触媒(2)の粉末X線回折スペクトルである。 図4は、実施例2の触媒(2)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図5は、実施例3の触媒(3)の粉末X線回折スペクトルである。 図6は、実施例3の触媒(3)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図7は、実施例4の触媒(4)の粉末X線回折スペクトルである。 図8は、実施例4の触媒(4)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図9は、実施例5の触媒(5)の粉末X線回折スペクトルである。 図10は、実施例5の触媒(5)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図11は、実施例6の触媒(6)の粉末X線回折スペクトルである。 図12は、実施例6の触媒(6)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図13は、比較例1の触媒(10)の粉末X線回折スペクトルである。 図14は、比較例1の触媒(10)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図15は、比較例2の触媒(11)の粉末X線回折スペクトルである。 図16は、比較例2の触媒(11)の粉末X線回折スペクトルの拡大図である。 図17は、実施例1の触媒(1)の酸素還元能を評価したグラフである。 図18は、比較例1の触媒(10)の酸素還元能を評価したグラフである。
<触媒>
本発明の触媒は、特定の金属炭窒酸化物からなることを特徴としている。前記金属炭窒酸化物は、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Aと、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Z(ただし、金属Zは、金属Aと異なる種類の金属とする。)を特定の割合で含有している。
触媒に一般的に要求される特性のひとつとして、耐久性が上げられるが、本発明の触媒は、前記金属Aおよび金属Zを含有することによって、特に耐酸性、高電位耐久性を向上させている。この作用機構については明らかではないが、触媒中に金属成分を2種類以上含有させることによって、触媒中の局地的な部位が溶出するような電位条件においても、他方の金属が不働態化することによって、更なる溶出を防ぐ働きがあるのではないかと推測される。
さらに、本発明の触媒は、前記金属Aおよび前記金属Z以外に、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種以上の金属M(ただし、金属Mは、金属Aおよび金属Zと異なる種類の金属とする。)を含有していてもよい。このような金属を2種以上含有する金属炭窒酸化物からなる触媒は、それぞれ単独の金属を含有する金属炭窒酸化物からなる触媒の触媒能を上回り、白金化合物に準じる酸素還元触媒活性を示す。
前記金属Aおよび前記金属Zの組み合わせは、下記(a)および(b)、下記(a)および(c)、または下記(b)および(c)であることが好ましい。
(a)チタンおよびジルコニウムからなる群より選ばれる一種の金属。
(b)バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれる一種の金属。
(c)モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる一種の金属。
このような金属Aおよび金属Zの組み合わせの具体例としては、ジルコニウムおよびタンタル、チタンおよびニオブ、ジルコニウムおよびニオブ、バナジウムおよびモリブデンなどが挙げられる。金属Aおよび金属Zが、上記のような組み合わせであると、触媒活性を発揮しつつ、酸への耐性が高まる傾向がある。
また、前記金属炭窒酸化物は、前記金属Aおよび前記金属Zを、各々0.2質量%以上含有し、かつ合計25質量%以上含有する。前記金属Aと前記金属Zとの合計含有量は、酸性溶液中、高電位中での安定性を考慮して、通常25質量%以上であり、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは55%質量以上である。前記金属Aと前記金属Zとの合計含有量が、75質量%以上であると、特に強い酸素還元活性を発揮することが可能である。前記金属Aと前記金属Zとの合計含有量の上限は、特に限定されないが、例えば99.5質量%である。また、それぞれの金属成分を0.2質量%以上含んでいると第二成分としての特性、すなわち第二成分の金属が不働態化することによって、更なる溶出を防ぐ特性を発揮することができる。それぞれの金属成分を0.8質量%以上含んでいることがより好ましく、さらに好ましくは2.0質量%以上含んでいることがさらに好ましい。前記金属Aの含有量の上限は、特に限定されないが、例えば99.5質量%である。前記金属Zの含有量の上限は、特に限定されないが、例えば99.5質量%である。
前記金属炭窒酸化物からなる触媒中における、金属Aおよび金属Zの合計含有量(質量百分率)は、触媒全体の質量から、触媒中に含まれている炭素、窒素および酸素の合計含有量(質量百分率)を減じることにより求めたものである。触媒中に含まれている炭素、窒素および酸素の含有量(質量百分率)は、元素分析によって求めることができる。
本発明において、金属Aとは、触媒中に金属Zと同等か、それ以上含有されている金属種を表す。触媒中における、前記金属Aと前記金属Zとのモル比(金属A/金属Z)は、1以上15以下であることが好ましく、1.5以上15以下であることがより好ましく、2以上10以下であることがさらに好ましい。
本発明に用いる金属炭窒酸化物とは、元素分析を行ったときに少なくとも前記金属A、前記金属Z、炭素、窒素および酸素が検出されるものである。また、1種の金属を含有する金属炭窒酸化物について、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって回折パターンを確認した場合に、通常、回折角2θ=33°〜43°の間に2つ以上の回折線ピークが確認される。本発明に用いる金属炭窒酸化物は、2種以上の金属を含有しているため、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した際に、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ以上観測される。
回折線ピークとは、試料(結晶質)に様々な角度でX線を照射した場合に、特異的な回折角度および回折強度で得られるピークのことをいう。本発明においては、信号(S)とノイズ(N)との比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを一つの回折線ピークとしてみなす。ここで、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
X線回折法の測定装置としては、例えば粉末X線解析装置:リガク RAD-RXを用いて行うことができ、その測定条件としては、X線出力(Cu−Kα):50kV、180mA、走査軸:θ/2θ、測定範囲(2θ):10°〜89.98°、測定モード:FT、読込幅:0.02°、サンプリング時間:0.70秒、DS、SS、RS:0.5°、0.5°、0.15mm、ゴニオメーター半径:185mmで行うことができる。
本発明に用いる金属炭窒酸化物は、金属炭窒化物に対して、一部結晶格子中に酸素が入り込んだものなのか、金属炭窒化物に含まれている金属の酸化物が生成し、金属炭窒化物と金属酸化物との混合物になっているのか、また、金属炭窒化物、金属酸化物、結晶間酸素貫入型化合物等の物質の混合物なのか、さらに同一金属の炭窒化物と、同一金属の酸化物構造を持つ化合物のうち、同酸化物の酸素の一部が炭素及び窒素で一部置換された化合物との混合物であるかの同定は困難である。そのため、本発明に用いる金属炭窒酸化物とは、二つ以上の物質の混合物であることもある。また、二種以上の金属を含む炭窒酸化物とは、総計四つ以上の物質の混合物であってもかまわない。
本発明に用いる金属炭窒酸化物は、単一の固溶体でもよいが、より好ましくは、金属Aを含有する炭窒酸化物と、金属Zを含有する炭窒酸化物とが二相分離した混合物として存在していることが好ましい。また、当該混合物からなる触媒は、金属Aを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含み、金属Zを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含むことが好ましく、金属Aを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.8質量%以上含み、金属Zを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.8質量%以上含むことがより好ましく、金属Aを含有する炭窒酸化物を金属換算で2.0質量%以上含み、金属Zを含有する炭窒酸化物を金属換算で2.0質量%以上含むことがさらに好ましい。金属Aを含有する炭窒酸化物の金属換算量の上限は、特に限定されないが、例えば99.5質量%である。また、金属Aを含有する炭窒酸化物の金属換算量の上限は、特に限定されないが、例えば99.5質量%である。
上述のとおり、本発明の触媒は混合物である可能性があるため、それぞれの金属炭窒酸化物に含有される炭素、窒素、酸素の割合を個別に決定するのは困難である。しかしながら、前記金属炭窒酸化物の組成式は、金属Aを「A」とし、金属Zを「Z」とした場合、Aabxyz(ただし、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.99、0.01≦x≦2、0.01≦y≦2、0.01≦z≦3、a+b=1、かつx+y+z≦5である。)で表されることが好ましい。
上記組成式において、0.05≦a≦0.99、0.01≦b≦0.95、0.05≦x≦2、0.05≦y≦2、0.05≦z≦3、かつ0.15≦x+y+z≦5であることがより好ましい。各原子数の比が上記範囲であると、酸素還元電位が高くなる傾向があり好ましい。
本発明の触媒は、前記金属Aの酸化物、前記金属Zの酸化物および炭素の混合物を、窒素雰囲気中で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ia)と、前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、前記金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを経由して製造されることが好ましい。
また、本発明の触媒は、前記金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との混合物(ただし、当該混合物は少なくとも炭化物を含む。)を、不活性ガス中(ただし、前記混合物中に窒化物を含まない場合は、窒素雰囲気中とする。)で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ib)と、前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより前記金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを経由して製造されることが好ましい。
このような製造方法で得られる触媒は、酸素還元電位が高くなる傾向があり好ましい。これらの製造方法の詳細については後述する。
本発明に用いる触媒の、下記測定法(A)に従って測定される酸素還元開始電位は、標準水素電極を基準として好ましくは0.5V(vs.NHE)以上である。
〔測定法(A):
電子伝導性粒子であるカーボンに分散させた触媒が1質量%となるように、該触媒およびカーボンを溶剤中に入れ、超音波で攪拌し懸濁液を得る。なお、カーボンとしては、カーボンブラック(比表面積:100〜300m2/g)(例えばキャボット社製 XC−72)を用い、触媒とカーボンとが質量比で95:5になるように分散させる。また、溶剤としては、イソプロピルアルコール:水(質量比)=1:1を用いる。
前記懸濁液を、超音波をかけながら30μlを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、120℃で1時間乾燥させる。乾燥することにより触媒を含む燃料電池用触媒層が、グラッシーカーボン電極上に形成される。
次いでNAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))を純水で10倍に希釈したものを、さらに前記燃料電池用触媒層上に10μl滴下する。これを、120℃で1時間乾燥する。
このようにして、得られた電極を作用電極とし、木下式ガラスボールフィルタを用いて酸素飽和雰囲気とした0.5mol/dm3の硫酸溶液中、30℃の温度、5mV/秒の電位走査速度でリニアスイープボルタンメトリーを1.2Vから0.1Vまで行った。0.5mol/dm3の硫酸溶液中での標準水素電極を参照電極とし、白金メッシュを対極とした。また同様の測定を窒素飽和雰囲気下でも行った。
各測定によって得られた電流−電位曲線について、酸素飽和雰囲気での還元電流と窒素飽和雰囲気での還元電流との間に1.0μA/cm2以上の差が現れ始める電位を酸素還元開始電位とする。〕
上記酸素還元開始電位が0.7V(vs.NHE)未満であると、前記触媒を燃料電池のカソード用の触媒として用いた際に過酸化水素が発生することがある。また酸素還元開始電位は0.8V(vs.NHE)以上であることが、好適に酸素を還元するために特に好ましい。また、酸素還元開始電位は高い程好ましく、特に上限は無いが、化学平衡論的理論値の1.23V(vs.NHE)を超えることは難しい。
上記触媒を用いて形成された本発明の燃料電池用触媒層は酸性電解質中において0.4V(vs.NHE)以上の電位で使用されることが好ましく、電位の上限は、電極の安定性により決まり、酸素が発生する電位のおよそ1.23V(vs.NHE)まで使用可能である。
この電位が0.4V(vs.NHE)未満の場合、化合物の安定性という観点では全く問題はないが、酸素を好適に還元することができず、燃料電池に含まれる膜電極接合体の燃料電池用触媒層としての有用性は乏しい。
<触媒の製造方法>
上記触媒の製造方法は特に限定されないが、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる2種の金属(以下「金属A」、「金属Z」とも記す。)を含有する金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、前記金属Aおよび前記金属Zを含有する金属炭窒酸化物を得る工程を含む製造方法が挙げられる。
前記工程に用いる前記金属炭窒化物を得る方法としては、前記金属Aの酸化物と、前記金属Zの酸化物と、炭素との混合物を、窒素雰囲気中で加熱することにより金属炭窒化物を製造する方法(I)、前記金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との混合物(ただし、当該混合物は少なくとも炭化物を含む。)を、不活性ガス中(ただし、前記混合物中に窒化物を含まない場合は、窒素雰囲気中とする。)で加熱することにより金属炭窒化物を製造する方法(II)が挙げられる。
(金属炭窒化物の製造方法)
[製造方法(I)]
製造方法(I)は、前記金属Aの酸化物と、前記金属Zの酸化物と、炭素との混合物を、窒素雰囲気中で加熱することにより金属炭窒化物を製造する方法である。
金属炭窒化物を製造する際の加熱の温度は600℃〜2000℃の範囲であることが好ましく、800〜1600℃の範囲であることがより好ましい。前記加熱温度が前記範囲内であると、得られる金属炭窒化物の結晶性および均一性が良好な点で好ましい。前記加熱温度が600℃未満であると、得られる金属炭窒化物の結晶性が悪く、均一性が悪くなる傾向があり、2000℃を超えると、得られる金属炭窒化物の焼結しやすくなる傾向がある。
原料の、金属Aの酸化物および金属Zの酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化タングステン等が挙げられる。金属の酸化物は、1種類以上用いることができる。また、上記金属酸化物において、複数の金属価数の酸化物の存在が知られている場合、どの酸化物を原料として用いてもかまわない。また、同一金属の酸化物の内、複数の価数の酸化物を原料として用いると、より高い触媒活性が得られることがある。
原料の炭素としては、カーボン、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレンが挙げられる。カーボンの粉末の粒径がより小さいと、比表面積が大きくなり、酸化物との反応がしやすくなるため好ましい。例えば、カーボンブラック(比表面積:100〜300m2/g、例えばキャボット社製 XC−72)などが好適に用いられる。
原料の、金属Aの酸化物、金属Zの酸化物および炭素の添加量を制御することによって、最終的に得られる金属炭窒酸化物中の、金属Aと金属Zとの合計含有量を上記特定の範囲内とすることができ、また、それぞれの金属成分の含有量を上記特定の範囲内とすることができる。
上記いずれの原料を用いても、前記金属Aの酸化物、前記金属Zの酸化物および炭素から得られる金属炭窒化物を、酸素含有不活性ガス中で加熱することにより得られる金属炭窒酸化物からなる触媒は、酸素還元開始電位が高く、活性がある。
前記金属Aの酸化物、前記金属Zの酸化物および炭素の配合量(モル比)を制御すると、適切な金属炭窒化物が得られる。
前記配合量(モル比)は、通常、前記金属Aを1モルに対して、前記金属Zの酸化物が0.01〜1モル、炭素が1〜10モルであり、好ましくは、前記金属Aを1モルに対して、前記金属Zの酸化物が0.067〜0.5モル、炭素が2〜6モルである。上記範囲を満たす配合モル比で作られた金属炭窒化物を用いると、酸素還元開始電位が高く、活性がある金属炭窒酸化物が得られる傾向がある。
[製造方法(II)]
製造方法(II)は、前記金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との混合物(ただし、当該混合物は少なくとも炭化物を含む。)を、不活性ガス中(ただし、前記混合物中に窒化物を含まない場合は、窒素雰囲気中とする。)で加熱することにより金属炭窒化物を製造する方法である。
金属炭窒化物を製造する際の加熱の温度は600℃〜2000℃の範囲であることが好ましく、800〜1600℃の範囲であることがより好ましい。前記加熱温度が前記範囲内であると、得られる金属炭窒化物の結晶性および均一性が良好な点で好ましい。前記加熱温度が600℃未満であると、得られる金属炭窒化物の結晶性が悪く、均一性が悪くなる傾向があり、2000℃を超えると、得られる金属炭窒化物の焼結しやすくなる傾向がある。
原料の、金属Aの酸化物および金属Zの酸化物は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化タングステン等が挙げられる。金属の酸化物は、1種類以上用いることができる。また、上記金属酸化物の内、複数の金属価数の酸化物の存在が知られている場合、どの酸化物を用いてもかまわない。
原料の、金属Aの炭化物および金属Zの炭化物は、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングステン等が挙げられる。金属の炭化物は、1種類以上用いることができる。
原料の、金属Aの窒化物および金属Zの窒化物は、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化モリブデン、窒化タングステン等が挙げられる。金属の窒化物は、1種類以上用いることができる。
原料の、金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との添加量を制御することによって、最終的に得られる金属炭窒酸化物中の、金属Aと金属Zとの合計含有量を上記特定の範囲内とすることができ、また、それぞれの金属成分の含有量を上記特定の範囲内とすることができる。
上記いずれの原料を用いても、得られる金属炭窒化物を、酸素含有不活性ガス中で加熱することにより得られる金属炭窒酸化物からなる触媒は、酸素還元開始電位が高く、活性がある。
前記金属AおよびZの酸化物、前記金属AおよびZの炭化物ならびに前記金属AおよびZの窒化物の配合量(モル比)を制御すると、適切な金属炭窒化物が得られる。前記配合量(モル比)は、例えば、窒化物1モルに対して、炭化物が0.01〜500モル、酸化物が0.01〜50モルであり、好ましくは、窒化物を1モルに対して、炭化物が0.1〜300モル、酸化物が0.1〜30モルである。上記範囲を満たす配合モル比で作られた金属炭窒化物を原料として用いると、酸素還元開始電位が高く、活性がある金属炭窒酸化物が得られる傾向がある。
(金属炭窒酸化物の製造工程)
次に、上記製造方法(I)および(II)で得られた金属炭窒化物を、酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、金属炭窒酸化物を得る工程について説明する。
上記不活性ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスまたは窒素ガスが挙げられる。アルゴンガスまたはヘリウムガスが、比較的入手しやすい点で特に好ましい。
当該工程における不活性ガス中の酸素ガス濃度は、加熱時間と加熱温度に依存するが、0.1〜10容量%が好ましく、0.5〜5容量%が特に好ましい。前記酸素ガス濃度が前記範囲内であると、均一な炭窒酸化物が形成する点で好ましい。また、前記酸素ガス濃度が0.1容量%未満であると未酸化状態になる傾向があり、10容量%を超えると酸化が進み過ぎてしまう傾向がある。
当該工程における加熱の温度は、400〜1400℃の範囲であることが好ましく、600〜1200℃の範囲であることがより好ましい。前記加熱温度が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成する点で好ましい。前記加熱温度が400℃未満であると酸化が進まない傾向があり、1400℃を超えると酸化が進み、結晶成長する傾向がある。
当該工程における加熱方法としては、静置法、攪拌法、落下法、粉末捕捉法などが挙げられる。
静置法とは、静置式の電気炉などに、金属炭窒化物を置き、加熱する方法である。また、金属炭窒化物を量りとったアルミナボード、石英ボードなどを置いて加熱する方法もある。静置法の場合は、大量の金属炭窒化物を加熱することができる点で好ましい。
攪拌法とは、ロータリーキルンなどの電気炉中に金属炭窒化物を入れ、これを攪拌しながら加熱する方法である。攪拌法の場合は、大量の金属炭窒化物を加熱することができ、金属炭窒化物の粒子の凝集および成長を抑制することができる点で好ましい。
落下法とは、誘導炉中に微量の酸素ガスを含む不活性ガスを流しながら、炉を所定の加熱温度まで加熱し、該温度で熱的平衡を保った後、炉の加熱区域である坩堝中に金属炭窒化物を落下させ、加熱する方法である。落下法の場合は、金属炭窒化物の粒子の凝集および成長を最小限度に抑制することができる点で好ましい。
粉末捕捉法とは、微量の酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で、金属炭窒化物を飛沫にして浮遊させ、所定の加熱温度に保たれた垂直の管状炉中に金属炭窒化物を捕捉して、加熱する方法である。
落下法の場合、金属炭窒化物の加熱時間は、通常0.5〜10分であり、好ましくは0.5〜3分である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記加熱時間が0.5分未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、10分を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。
粉末捕捉法の場合、金属炭窒化物の加熱時間は、0.2秒〜1分、好ましくは0.2〜10秒である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記加熱時間が0.2秒未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、1分を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。管状炉で行なう場合、金属炭窒化物の加熱時間は、0.1〜10時間、好ましくは0.5時間〜5時間である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な金属炭窒酸化物が形成される傾向があり好ましい。前記加熱時間が0.1時間未満であると金属炭窒酸化物が部分的に形成される傾向があり、10時間を超えると酸化が進みすぎる傾向がある。
本発明の触媒としては、上述の製造方法等により得られる金属炭窒酸化物を、そのまま用いてもよいが、得られる金属炭窒酸化物をさらに解砕し、より微細な粉末にしたものを用いてもよい。
金属炭窒酸化物を解砕する方法としては、例えば、ロール転動ミル、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、槽解機による方法等が挙げられ、金属炭窒酸化物をより微粒とすることができる点では、気流粉砕機による方法が好ましく、少量処理が容易となる点では、乳鉢による方法が好ましい。
<用途>
本発明によって実現される触媒の用途は、特に限定されないが、例として、反応容器内に一種類以上の反応原料を投入し、圧力、温度等に変化を与えることによって目的物質を得る際に、反応を促進する目的に用いても良い。物質の分解を促進する用途、たとえば有害物質の分解または、原料物質の供給のための上流原料物質の分解等を促進する用途に供することも可能である。
電極触媒として用いる際には、酸素あるいはそのほかの化合物の還元反応の反応過電圧を下げ、投入する電気エネルギーに対して、目的物質の収率を上昇させる働きがある。電極触媒として用いられる場合に、燃料電池の運転過電圧を下げる触媒として用いることが可能であるが、この際、水素、アルコール等の燃料を酸化させる燃料極(アノード)、または酸素等を還元させる空気極(カソード)どちらに用いられても、その効能を発揮することが可能である。本発明の触媒は、特に高電位耐久性に優れ、酸素還元能が大きいので、カソード触媒層に用いることが好ましい。
本発明の燃料電池用触媒層は、前記触媒を含むことを特徴としている。本発明の燃料電池用触媒層は、さらに電子伝導性粒子を含むことが好ましい。
前記触媒を含む燃料電池用触媒層がさらに電子伝導性粒子を含む場合には、還元電流をより高めることができる。電子伝導性粒子は、前記触媒に、電気化学的反応を誘起させるための電気的接点を生じさせるため、還元電流を高めると考えられる。
前記電子伝導性粒子は通常、触媒の担体として用いられる。
電子伝導性粒子としては、炭素、導電性高分子、導電性セラミクス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられ、それらを単独または組み合わせて用いることができる。特に、炭素は安価に小粒径のものを入手しやすく、耐薬品性、耐高電位性に優れるため、炭素単独または炭素とその他の電子伝導性粒子との混合物が好ましい。すなわち燃料電池用触媒層としては、前記触媒と、炭素とを含むことが好ましい。
炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレンなどが使用できる。カーボンの粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると燃料電池用触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下する傾向があるため、10〜1000nmの範囲であることが好ましく、10〜100nmの範囲であることがよりに好ましい。なお、本発明において、カーボンの粒径dは、BET法で求めた比表面積Sを、粒子を球形に換算して、下記(2)式より求めた平均の一次粒径とする。
d=0.006/(ρS)・・・(2)
(式(2)中、dは平均粒子径(単位:nm)、ρは粒子の真密度(単位:g/cm3)、Sは粒子の比表面積(単位:m2/g)とする。)
ここで、簡易のために、カーボンの粒子の真密度は2.3(g/cm3)とする。
電子伝導性粒子が、炭素の場合、前記触媒と炭素との質量比(触媒:電子伝導性粒子)は、好ましくは4:1〜1000:1であり、より好ましくは4.5:1〜200:1であり、さらに好ましくは5:1〜100:1である。
導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
高分子電解質としては、燃料電池用触媒層において一般的に用いられているものであれば特に限定されない。具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(例えば、NAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521)など))、スルホン酸基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液、またはイオン性液体を含浸させたプロトン伝導体などが挙げられる。これらの中でも、NAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))が好ましい。
本発明の燃料電池用触媒層は、アノード触媒層またはカソード触媒層のいずれにも用いることができる。本発明の燃料電池用触媒層は、高い酸素還元能を有し、酸性電解質中において高電位であっても腐蝕しがたい触媒を含むため、燃料電池のカソードに設けられる触媒層(カソード用触媒層)として有用である。特に固体高分子型燃料電池が備える膜電極接合体のカソードに設けられる触媒層に好適に用いられる。
前記触媒を、担体である前記電子伝導性粒子上に分散させる方法としては、気流分散、液中分散等の方法が挙げられる。液中分散は、溶媒中に触媒および電子伝導性粒子を分散したものを、燃料電池用触媒層形成工程に使用できるため好ましい。液中分散としては、オリフィス収縮流による方法、回転せん断流による方法または超音波による方法等があげられる。液中分散の際、使用される溶媒は、触媒や電子伝導性粒子を浸食することがなく、分散できるものであれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒または水等が一般に使用される。
また、触媒を、前記電子伝導性粒子上に分散させる際、さらに上記電解質と分散剤とを同時に分散させてもよい。
燃料電池用触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、後述する電解質膜またはガス拡散層に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが挙げられる。また、前記触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に燃料電池用触媒層を形成した後、転写法で電解質膜に燃料電池用触媒層を形成する方法が挙げられる。
本発明の電極は、前記燃料電池用触媒層と多孔質支持層とを有することを特徴としている。
本発明の電極はカソードまたはアノードのいずれの電極にも用いることができる。本発明の電極は、耐久性に優れ、触媒能が大きいので、カソードに用いるとより効果を発揮する。
多孔質支持層とは、ガスを拡散する層(以下「ガス拡散層」とも記す。)である。ガス拡散層としては、電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば何であっても構わないが、一般的にはカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料や、軽量化のためにステンレス、耐食材を被覆したアルミニウム箔が用いられる。
本発明の膜電極接合体は、カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが、前記電極であることを特徴としている。
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系を用いた電解質膜または炭化水素系電解質膜などが一般的に用いられるが、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜または多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。
また本発明の燃料電池は、前記膜電極接合体を備えることを特徴としている。
燃料電池の電極反応はいわゆる3相界面(電解質−電極触媒−反応ガス)で起こる。燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。中でも、本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃料電池に使用することが好ましい。
本発明の触媒を用いた燃料電池は性能が高く、また、白金を触媒として用いた場合と比較してきわめて安価であるという特徴を持つ。その特長を生かし、発電機能、発光機能、発熱機能、音響発生機能、運動機能、表示機能および充電機能からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能を有する物品は、前記燃料電池を備えることによって、性能を向上させることができる。特に携帯可能な物品の性能を向上させることができる。前記燃料電池は、物品の表面または内部に備えることが好ましい。
本発明の燃料電池を備えることができる前記物品としては、建材、照明器具、意匠性窓ガラス、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、美容器具、携帯情報端末、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、布団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品、文房具、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、バルーン、照明、発光ダイオード(LED)、信号機、街灯、玩具、道路標識、装飾品、テント、交通信号機、掲示板、クーラーボックスなどのアウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱器用の電源およびペルチェ素子を備えた冷却器用の電源からなる群より選ばれる少なくとも1種である物品が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
[分析方法]
1.粉末X線回折
理学電機株式会社製 ロータフレックスを用いて、試料の粉末X線回折を行った。
各試料の粉末X線回折における回折線ピークの本数は、信号(S)とノイズ(N)との比(S/N)が10以上で検出できるシグナルを1つのピークとしてみなして数えた。なお、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
2.元素分析
炭素:試料約0.1gを量り取り、固体中炭素分析装置(堀場製作所 EMIA−110)で測定を行った。
窒素・酸素:試料約0.1gを量り取り、Ni−Cupに封入後、ON分析装置(LECO社製 TC600)で測定を行った。
金属A、金属Z:試料約0.1gを白金皿に量り取り、酸を加えて加熱分解した。この加熱分解物を定容後、希釈し、SII社製 ICP−MS(ICP−OES VISTA−PRO)で定量を行った。
[実施例1]
(1−1)触媒の調製
炭化ジルコニウム(ZrC、高純度化学研究所製)7.62g、窒化ジルコニウム(ZrN、高純度化学研究所製)0.46gおよび五酸化タンタル(Ta25、高純度化学研究所製)1.92gを混合、粉砕し、窒素雰囲気中、1800℃で加熱をすることによって、ジルコニウムおよびタンタルを含有する炭窒化物(1)約9.2gが得られた。
得られた炭窒化物(1)のうち、1gを1容量%の酸素ガス含むアルゴンガスを流しながら、管状炉で、800℃で1時間加熱することにより、ジルコニウムおよびタンタルを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(1)」とも記す。)1.1gが得られた。得られた触媒(1)の元素分析結果を表1に示す。
触媒(1)の粉末X線回折スペクトルを図1に示す。回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図2に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(1−2)酸素還元能評価電極の製造
酸素還元能の測定は、次のように行った。(1−1)で得られた触媒(1)0.095gとカーボン(キャボット社製 XC−72)0.005gとをイソプロピルアルコール:純水=1:1の質量比で混合した溶液10gに入れ、超音波で撹拌、懸濁して混合した。この混合物30μlをグラッシーカーボン電極(東海カーボン社製、直径:5.2mm)に塗布し、120℃で1時間乾燥した。さらに、NAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))を10倍に純水で希釈したもの10μlを塗布し、120℃で1時間乾燥し、燃料電池用電極(1)を得た。
(1−3)酸素還元能の評価
(1−2)で作製された燃料電池用電極(1)の触媒能(酸素還元能)を以下の方法で評価した。
まず、作製した燃料電池用電極(1)を、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/dm3の硫酸溶液中、30℃、5mV/秒の電位走査速度で分極し、電流−電位曲線を測定した。その際、同濃度の硫酸溶液中での標準水素電極を参照電極とした。
上記測定結果から、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流とに1.0μA/cm2以上差が現れ始める電位を酸素還元開始電位とし、両者の差を酸素還元電流とした。
この酸素還元開始電位および酸素還元電流により作製した燃料電池用電極(1)の触媒能(酸素還元能)を評価した。
すなわち、酸素還元開始電位が高いほど、また、酸素還元電流が大きいほど、燃料電池用電極の触媒能(酸素還元能)が高いことを示す。
図17に、上記測定により得られた窒素飽和雰囲気下、酸素飽和雰囲気下それぞれにおける電流−電位曲線を示す。
実施例1で作製した燃料電池用電極(1)は、酸素還元開始電位が0.81V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例2]
(2−1)触媒の調製
炭化チタン(TiC、高純度化学研究所製)7.65g、窒化チタン(TiN、高純度化学社製)0.47gおよび酸化ニオブ(IV)(NbO2、高純度化学社製)1.88gを原料として用いた以外は、実施例1の(1−1)に記載と同様の手法で、チタンおよびニオブを含有する炭窒化物(2)約9.5gを得て、また、得られた炭窒化物(2)1gからチタンおよびニオブを含有する炭窒酸化物(2)(以下「触媒(2)」とも記す。)約1.1gを得た。
得られた触媒(2)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(2)の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図4に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが6つ観測された。
(2−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(2)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(2)を得た。
(2−3)酸素還元能の評価
(2−2)で作製された燃料電池用電極(2)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例2で作製した燃料電池用電極(2)は、酸素還元開始電位が0.73V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例3]
(3−1)触媒の調製
原料として炭化チタン(TiC、高純度化学研究所製)6.69g、窒化チタン(TiN、高純度化学研究所製)0.41gおよび五酸化ニオブ(Nb25、高純度化学研究所製)2.90g、を用いた以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、チタンおよびニオブを含有する炭窒化物(3)約9.5gを得て、また、得られた炭窒化物(3)1gからチタンおよびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(3)」とも記す。)約1.1gを得た。
得られた触媒(3)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(3)の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図6に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(3−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(3)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(3)を得た。
(3−3)酸素還元能の評価
(3−2)で作製された燃料電池用電極(3)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例3で作製した燃料電池用電極(3)は、酸素還元開始電位が0.71V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例4]
(4−1)触媒の調製
原料として炭化チタン(TiC、高純度化学研究所製)7.67g、窒化チタン(TiN、高純度化学研究所製)0.47gおよび酸化ジルコニウム(ZrO2、和光純薬工業社製 和光特級)1.86g、を用いた以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、チタンおよびジルコニウムを含有する炭窒化物(4)約9.5gを得て、また、得られた炭窒化物(4)1.0gからチタンおよびジルコニウムを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(4)」とも記す。)約1.1gを得た。
得られた触媒(4)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(4)の粉末X線回折スペクトルを図7に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図8に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(4−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(4)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極を得た。
(4−3)酸素還元能の評価
(4−2)で作製された燃料電池用電極(4)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例4で作製した燃料電池用電極(4)は、酸素還元開始電位が0.68V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例5]
(5−1)触媒の調製
原料として炭化ジルコニウム(ZrC、高純度化学研究所製)8.32g、窒化ジルコニウム(ZrN、高純度化学研究所製)0.50gおよび酸化ニオブ(IV)(NbO2、高純度化学研究所製)1.18gを用い、炭窒化物を得る際の加熱温度を1600℃とした以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、ジルコニウムおよびニオブを含有する炭窒化物(5)約9.7gを得て、また、得られた炭窒化物(5)1.0gからジルコニウムおよびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(5)」とも記す。)約1.0gを得た。
得られた触媒(5)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(5)の粉末X線回折スペクトルを図9に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図10に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが6つ観測された。
(5−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(5)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(5)を得た。
(5−3)酸素還元能の評価
(5−2)で作製された燃料電池用電極(5)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例5で作製した燃料電池用電極(5)は、酸素還元開始電位が0.73V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例6]
(6−1)触媒の調製
原料として酸化チタン(TiO2、高純度化学研究所製)6.28g、酸化ニオブ(IV)(NbO2、高純度化学研究所製)1.18gおよびカーボン(キャボット社製 XC−72)2.62gを用いた以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、チタンおよびニオブを含有する炭窒化物(6)約7.2gを得て、また、得られた炭窒化物(6)1.0gからチタンおよびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(6)」とも記す。)約1.0gを得た。
得られた触媒(6)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(6)の粉末X線回折スペクトルを図11に示す、また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図12に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に回折線ピークが4つ観測された。
(6−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(6)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(6)を得た。
(6−3)酸素還元能の評価
(6−2)で作製された燃料電池用電極(6)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例6で作製した燃料電池用電極(6)は、酸素還元開始電位が0.70V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例7]
(7−1)触媒の調製
原料として酸化モリブデン(IV)(MoO2、和光純薬工業社製)6.81g、酸化タングステン(VI)(WO3、99.5% 和光純薬工業社製)1.37gおよびカーボン(キャボット社製 XC−72)2.62gを用いた以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、モリブデンおよびタングステンを含有する炭窒化物(7)約8.0gを得て、また、得られた炭窒化物(7)1.0gからモリブデンおよびタングステンを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(7)」とも記す。)約1.0gを得た。
得られた触媒(7)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(7)の粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(7−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(7)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(7)を得た。
(7−3)酸素還元能の評価
(7−2)で作製された燃料電池用電極(7)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例7で作製した燃料電池用電極(7)は、酸素還元開始電位が0.71V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例8]
(8−1)触媒の調製
原料として酸化モリブデン(IV)(MoO2、和光純薬工業社製)7.43g、五酸化バナジウム(V)(V25、和光純薬工業社製)0.58gおよびカーボン(キャボット社製 XC−72)1.97gを用いた以外は実施例1の(1−1)に記載された同様の手法で、モリブデンおよびバナジウムを含有する炭窒化物(8)約7.8gを得て、また、得られた炭窒化物(8)1.0gからモリブデンおよびバナジウムを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(8)」とも記す。)約1.1gを得た。
得られた触媒(8)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(8)の粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(8−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(8)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(8)を得た。
(8−3)酸素還元能の評価
(8−2)で作製された燃料電池用電極(8)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例8で作製した燃料電池用電極(8)は、酸素還元開始電位が0.71V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[実施例9]
(9−1)触媒の調製
炭化チタン(TiC、高純度化学研究所製)8.21g、窒化チタン(TiN、高純度化学研究所製)0.50gおよび酸化チタン(IV)(TiO2、高純度化学研究所製)1.29gを混合、粉砕し、窒素雰囲気中、1800℃で加熱をすることによって、チタンを含有する炭窒化物(9−1−1)約9.4gが得られた。
上記反応とは別に、炭化ニオブ(NbC、高純度化学研究所製)8.33g、窒化ニオブ(NbN、高純度化学研究所製)0.50gおよび酸化ニオブ(IV)(NbO2、高純度化学研究所製)1.17gを混合、粉砕し、窒素雰囲気中、1800℃で加熱をすることによって、ニオブを含有する炭窒化物(9−1−2)約9.7gが得られた。
得られた炭窒化物(9−1−1)および炭窒化物(9−1−2)を0.5gずつとり乳鉢で混合したサンプルを、1容量%の酸素ガス含むアルゴンガスを流しながら、管状炉で、800℃で1時間加熱することにより、チタンおよびニオブを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(9)」とも記す。)約1.1gが得られた。
得られた触媒(9)の元素分析結果を表1に示す。触媒(9)の粉末X線回折スペクトルより、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ観測された。
(9−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(9)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(9)を得た。
(9−3)酸素還元能の評価
(9−2)で作製された燃料電池用電極(9)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
実施例9で作製した燃料電池用電極(9)は、酸素還元開始電位が0.70V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
[比較例1]
(10−1)触媒の調製
炭化タンタル(TaC、高純度化学研究所製)8.37g、窒化タンタル(TaN、高純度化学研究所製)0.50gおよび酸化タンタル(IV)(TaO2、高純度化学研究所製)1.13gを原料として用いた以外は実施例1の(1−1)に記載と同様の手法で、タンタルを含有する炭窒化物(10)約9.7gを得て、また、得られた炭窒化物(10)1.0gからタンタルを含有する炭窒酸化物(以下「触媒(10)」とも記す。)約1.0gを得た。
得られた触媒(10)の元素分析結果を表1に示す。触媒(10)の粉末X線回折スペクトルを図13に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図14に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが2つ観測された。
(10−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(10)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(10)を得た。
(10−3)酸素還元能の評価
(10−2)で作製された燃料電池用電極(10)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
図18に、当該測定により得られた窒素飽和雰囲気下、酸素飽和雰囲気下それぞれにおける電流−電位曲線を示す。
比較例1で作製した燃料電池用電極(10)は、酸素還元開始電位が0.59V(vs.NHE)であった。
[比較例2]
(11−1)触媒の調製
炭化ジルコニウム(ZrC、高純度化学研究所製)8.33g、窒化ジルコニウム(ZrN、高純度化学研究所製)0.50gおよび酸化ジルコニウム(IV)(ZrO2、高純度化学研究所製)1.17gを原料として用いた以外は実施例1の(1−1)に記載と同様の手法で、ジルコニウムを含有する炭窒化物(11)約9.6gを得て、得られた炭窒化物(11)1gからジルコニウムを含有する炭窒化物(以下「触媒(11)」とも記す。)約1.0gが得られた。
得られた触媒(11)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(11)の粉末X線回折スペクトルを図15に示す。また、回折角2θ=33°〜43°の拡大図を図16に示す。回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが2つ観測された。
(11−2)燃料電池用電極の製造
前記触媒(11)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(11)を得た。
(11−3)酸素還元能の評価
(11−2)で作製された燃料電池用電極(11)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒能(酸素還元能)を評価した。
比較例2で作製した燃料電池用電極(11)は、酸素還元開始電位が0.55V(vs.NHE)であった。
実施例1〜9、比較例1〜2における触媒の酸素還元特性を表2に示す。
Figure 2010041650
Figure 2010041650
本発明の触媒は、酸性電解質中や高電位で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有するので、燃料電池用触媒層、電極、電極接合体または燃料電池に用いることができる。

Claims (17)

  1. チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Aを0.2質量%以上含有し、
    チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Zを0.2質量%以上(ただし、金属Zは、金属Aと異なる種類の金属とする。)含有し、
    且つ
    金属Aと金属Zとの合計が25質量%以上である金属炭窒酸化物からなり、
    粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって前記金属炭窒酸化物を測定した際に、回折角2θ=33°〜43°の間に、回折線ピークが4つ以上観測されることを特徴とする触媒。
  2. 前記金属炭窒酸化物が、金属Aを含有する炭窒酸化物と、金属Zを含有する炭窒酸化物とを含む混合物であり、金属Aを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含み、金属Zを含有する炭窒酸化物を金属換算で0.2質量%以上含む請求項1に記載の触媒。
  3. 前記金属Aと前記金属Zとのモル比(金属A/金属Z)が、1以上15以下である請求項1または2に記載の触媒。
  4. 前記金属Aおよび前記金属Zの組み合わせが、下記(a)および(b)、下記(a)および(c)、または下記(b)および(c)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒;
    (a)チタンおよびジルコニウムからなる群より選ばれる一種の金属
    (b)バナジウム、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれる一種の金属
    (c)モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる一種
    の金属。
  5. 前記金属炭窒酸化物の組成式が、Aabxyz(ただし、Aは金属Aを表し、Zは金属Zを表し、a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.01≦a<1、0<b≦0.99、0.01≦x≦2、0.01≦y≦2、0.01≦z≦3、a+b=1、かつx+y+z≦5である。)で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層。
  7. さらに電子伝導性粒子を含むことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池用触媒層。
  8. 燃料電池用触媒層と多孔質支持層とを有する電極であって、前記燃料電池用触媒層が請求項6または7に記載の燃料電池用触媒層であることを特徴とする電極。
  9. カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが請求項8に記載の電極であることを特徴とする膜電極接合体。
  10. 請求項9に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項9に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  12. 発電機能、発光機能、発熱機能、音響発生機能、運動機能、表示機能および充電機能からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能を有する物品であって、請求項10または11に記載の燃料電池を備えていることを特徴とする物品。
  13. 前記物品が、建材、照明器具、意匠性窓ガラス、機械、車両、ガラス製品、家電製品、農業資材、電子機器、携帯電話、美容器具、携帯情報端末、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、樹脂製品、スポーツ用品、布団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品、文房具、ワッペン、帽子、鞄、靴、傘、ブラインド、バルーン、照明、発光ダイオード(LED)、信号機、街灯、玩具、道路標識、装飾品、テント、交通信号機、掲示板、アウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱器用の電源およびペルチェ素子を備えた冷却器用の電源からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項12に記載の物品。
  14. チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Aの酸化物と、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群より選ばれる1種の金属Z(ただし、金属Zは、金属Aと異なる種類の金属とする。)の酸化物と、炭素との混合物を、窒素雰囲気中で600〜2000℃の範囲で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ia)と、
    前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
  15. 前記金属Aの酸化物、前記金属Aの窒化物および前記金属Aの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、前記金属Zの酸化物、前記金属Zの窒化物および前記金属Zの炭化物からなる群より選ばれる1種以上の化合物との混合物(ただし、当該混合物は少なくとも炭化物を含む。)を、不活性ガス中(ただし、前記混合物中に窒化物を含まない場合は、窒素雰囲気中とする。)で600〜2000℃の範囲で加熱することにより金属炭窒化物を得る工程(ib)と、
    前記金属炭窒化物を酸素含有不活性ガス中で加熱することにより、金属炭窒酸化物を得る工程(ii)とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
  16. 前記工程(ii)における加熱の温度が400〜1400℃の範囲であることを特徴とする請求項14または15に記載の触媒の製造方法。
  17. 前記工程(ii)における酸素ガス濃度が0.1〜10容量%の範囲であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の触媒の製造方法。
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