JP5916528B2 - インク、該インクを用いて形成される電極触媒層およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、インク、該インクを用いて形成される電極触媒層およびその用途に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質をアノードとカソードとで挟み、アノードに燃料を供給し、カソードに酸素または空気を供給して、カソードで酸素が還元されて電気を取り出す形式の燃料電池である。燃料には水素またはメタノールなどが主として用いられる。
従来、燃料電池の反応速度を高め、燃料電池のエネルギー変換効率を高めるために、燃料電池のカソード(空気極)表面やアノード(燃料極)表面には、触媒を含む層が設けられていた。
この触媒として、一般的に貴金属が用いられており、貴金属の中でも高い電位で安定であり、活性が高い白金、パラジウムなどの貴金属が主として用いられてきた。しかし、これらの貴金属は価格が高く、また資源量が限られていることから、代替可能な触媒の開発が求められていた。
また、カソード表面に用いる貴金属は、酸性雰囲気下では溶解する場合があり、長期間に渡る耐久性が必要な用途には適さないという問題があった。このため酸性雰囲気下で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有する触媒の開発が強く求められていた。
貴金属代替触媒として、貴金属を一切使わない卑金属炭化物、卑金属酸化物、卑金属炭窒酸化物、カルコゲン化合物及び炭素触媒などが報告されている(例えば、特許文献1〜特許文献4を参照)。これらの材料は、白金などの貴金属材料に比べて、安価であり、資源量が豊富である。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された卑金属材料を含むこれらの触媒は、実用的に充分な酸素還元能が得られていないという問題点がある。
また、特許文献3及び特許文献4に記載された触媒は、高い酸素還元触媒活性を示すが、燃料電池運転条件下での安定性が非常に低いことが問題点である。
このような貴金属代替触媒として、特許文献5及び特許文献6でのNb及びTi炭窒酸化物は上記性能を有効に発現できることから、特に注目されている。
特許文献5及び特許文献6に記載された触媒は、従来の貴金属代替触媒に比べてきわめて高性能であるが、その製造工程の一部において1600℃〜1800℃という高温下での加熱処理が必要であった(例えば特許文献5 実施例1または特許文献6 実施例1)。
このような高温加熱処理は工業的には不可能ではないが困難をともない、設備費の高騰や運転管理の困難を招き、ひいては製造コストが高くなることから、より安価に製造出来る方法の開発が望まれていた。
特許文献7には炭素、窒素及び酸素を含有するカーボン含有チタンオキシナイトライドの製造に関する技術が報告されている。
しかしながら、特許文献7に記載されている製造方法では、カーボン含有チタンオキシナイトライドを製造するために、窒素含有有機化合物とチタン前駆体との反応によるチタンオキシナイトライドの製造とフェノール樹脂とチタンオキシナイトライド前駆体との反応によるカーボン含有チタンオキシナイトライド製造の二段階合成が必要であり、工程が複雑である。特に、チタンオキシナイトライド前駆体の製造は80℃での攪拌、過熱、および還流、ならびに冷却および減圧濃縮などの複雑な工程が必要であるため、製造コストが高い。
また、フェノール樹脂は3次元網目構造を持つ熱硬化性樹脂であるため、金属酸化物と均一に混合して反応させることが難しい。特に、フェノール樹脂の熱分解温度は400℃〜900℃であるため、1000℃以下の温度で、フェノール樹脂の完全分解による炭化反応が起こりにくい問題点もある。
さらに、特許文献7および非特許文献1には、その用途として太陽光集熱器用の薄膜および光触媒としての応用が記されているだけで、電極触媒として有用性の高い粒状または繊維状などの形状を持つ金属炭窒酸化物の製造方法及びその用途は開示も検討もなされていない。
特許文献8には、酸化物と炭素材料前駆体との混合材料を焼成することを特徴とする電極触媒の製造方法が開示されているが、充分な触媒性能を持つ電極触媒は得られていない。
また、特許文献9には、コバルトなどの多核錯体を用いてなる燃料電池用電極触媒が開示されているが、原料の毒性が高く、高コストであり、充分な触媒活性を持たないという問題があった。
非特許文献2には、チタンアルコキシドと炭素材料前駆体との混合材料を焼成することを特徴とする電極触媒の製造方法が開示されているが、製造工程においては、窒素を含有する有機物は使用されておらず、充分な触媒性能を持つ電極触媒は得られていない。
特開2004−303664号公報 国際公開第07/072665号パンフレット 米国特許出願公開第2004/0096728号明細書 特開2005−19332号公報 国際公開第2009/031383パンフレット 国際公開第2009/107518パンフレット 特開2009−23887号公報 特開2009−255053号公報 特開2008−258150号公報
Journal of Inorganic Materials (Chinese) 20, 4, P785 Electrochemistry Communications Volume 12, Issue 9, September 2010, Pages 1177−1179
本発明は従来技術における問題点の解決を課題としている。本発明の目的は、主に燃料電池に有用な電極触媒層を形成するためのインクであって、安価で高性能の電極触媒層を効率的に形成可能なインクを提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の電極触媒を含有し、該電極触媒、電子伝導性材料およびプロトン伝導性材料の含有量を特定の範囲に制御したインクを用いることにより、安価で高性能の電極触媒層を効率的に形成することができ、また、該触媒層を備えた燃料電池の発電特性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の(1)〜(8)に関する。
(1) 電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒を含む、電極触媒層を形成するためのインクであって、
前記電極触媒が、遷移金属元素、炭素、窒素および酸素を構成元素として含み、前記各元素の原子数の比を、遷移金属元素:炭素:窒素:酸素=1:x:y:z(ただし、遷移金属元素の原子数は、遷移金属元素が複数種である場合、それらの合計の原子数。)とした場合に、0.5<x≦7、 0.01<y≦2、 0.1<z≦3であり、
前記電極触媒の含有量Aと前記電子伝導性材料の含有量Bとの質量比(A/B)が、1〜6であり、
前記電極触媒と前記電子伝導性材料との合計含有量Cと、プロトン伝導性材料の含有量Dとの質量比(D/C)が、0.1〜0.9であることを特徴とするインク。
(2) 前記遷移金属元素の一部または全部が、チタン、鉄、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種である(1)に記載のインク。
(3) 前記遷移金属元素が、チタン、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種および鉄からなる(1)または(2)に記載のインク。
(4) (1)〜(3)のいずれか一項に記載のインクを用いて形成されることを特徴とする電極触媒層。
(5) (4)に記載の電極触媒層とガス拡散層とを有する電極。
(6) アノードと、(5)に記載の電極であるカソードと、前記アノードおよびカソードの間に配置された電解質膜を有する膜電極接合体。
(7) (6)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
(8) (6)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
本発明のインクによれば、安価で高性能の電極触媒層を効率的に形成することができる。また、本発明の電極触媒層を備えた燃料電池等は、極めて優れた発電特性を有する。
≪インク≫
本発明のインクは、電極触媒層を形成するためのインクであって、電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒を含む。
前記電極触媒の含有量Aと前記電子伝導性材料の含有量Bとの質量比(A/B)は、1〜6であり、1.5〜5.5であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。
前記質量比が前記範囲内であるインクを用いて形成される電極触媒層は、高い触媒能を有する傾向がある。
また、前記電極触媒および前記電子伝導性材料との合計含有量Cと、プロトン伝導性材料の含有量Dとの質量比(D/C)は、0.1〜0.9であり、0.15〜0.8であることが好ましく、0.2〜0.7であることがより好ましい。前記質量比が前記範囲内であるインクを用いて形成される電極触媒層は、高い触媒能を有する傾向がある。
前記質量比(A/B)および前記質量比(D/C)が前記範囲であるインクを用いて形成される電極触媒層を備えた燃料電池等は、極めて優れた発電特性を有する。
以下、本発明に用いる電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒について説明する。
〈電極触媒〉
本発明に用いる電極触媒は、遷移金属元素、炭素、窒素および酸素を構成元素として含む。
前記遷移金属元素の一部または全部が、チタン、鉄、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素であることが好ましく、チタン、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素および鉄からなることがより好ましい。
前記各元素の原子数の比を、遷移金属元素:炭素:窒素:酸素 = 1:x:y:zとした場合に、0.5<x≦7、0.01<y≦2、0.1<z≦3である。ただし、前記遷移金属元素の原子数は、遷移金属元素が複数種である場合、それらの合計の原子数である。
前記原子数の比は、0.75≦x≦6.75、0.02≦y≦1.5、0.15≦z≦2.8であることがより好ましく、1≦x≦6.5、0.03≦y≦1.3、0.2≦z≦2.6であることがさらに好ましい。
本発明に用いる電極触媒は、比表面積の大きな電極触媒であることが好ましく、具体的にはBET法で算出される比表面積は、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは
200m2/g以上、さらに好ましくは300m2/g以上である。
このような電極触媒は、高い触媒能を有する傾向がある。さらに、電極触媒の粉体の取り扱いのしやすさから前記比表面積の各範囲の上限が1000m2/g程度であることがさらに好ましい。
前記電極触媒を得る方法は特に限定されないが、例えば、後述する方法が挙げられる。
本発明に適用できる電極触媒の製造方法は、少なくとも遷移金属含有化合物、窒素含有有機化合物および溶媒を混合して溶液(本明細書において「触媒前駆体溶液」とも記す。)を得る工程1、前記触媒前駆体溶液から溶媒を除去する工程2、および工程2で得られた固形分残渣を500〜1100℃の温度で熱処理して電極触媒を得る工程3を含む。なお本明細書において、特段の事情がない限り、原子およびイオンを、厳密に区別することなく「原子」と記載する。
(工程1)
工程1では、少なくとも遷移金属含有化合物、窒素含有有機化合物および溶媒を混合して触媒前駆体溶液を得る。ここで、ホウ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、ならびにフッ素を含有する化合物をさらに混合するのが好ましい。具体例としては、フッ素を含有するホウ酸誘導体、フッ素を含有するリン酸誘導体、フッ素を含有するスルホン酸誘導体が挙げられる。
前記混合の手順としては、たとえば、手順(i):1つの容器に溶媒を準備し、そこへ前記遷移金属含有化合物および前記窒素含有有機化合物を添加し、溶解させて、これらを混合する、手順(ii):前記遷移金属含有化合物の溶液、および前記窒素含有有機化合物の溶液を準備し、これらを混合するが挙げられる。
各成分に対して溶解性の高い溶媒が異なる場合には、手順(ii)が好ましい。また、前記遷移金属含有化合物が、たとえば、後述する金属ハロゲン化物の場合には、手順(i)が好ましく、前記遷移金属含有化合物が、たとえば、後述する金属アルコキシドまたは金属錯体の場合には、手順(ii)が好ましい。
前記遷移金属含有化合物として後述する第1の遷移金属含有化合物および第2の遷移金属含有化合物を用いる場合の、前記手順(ii)における好ましい手順としては、手順(ii’):前記第1の遷移金属含有化合物の溶液、ならびに前記第2の遷移金属含有化合物および前記窒素含有有機化合物の溶液を準備し、これらを混合することが挙げられる。
前記触媒前駆体溶液には遷移金属含有化合物と窒素含有有機化合物との反応生成物が含まれると考えられる。溶媒へのこの反応生成物の溶解度は、遷移金属含有化合物、窒素含有有機化合物および溶媒等の組み合わせによっても異なる。
このため、前記触媒前駆体溶液には、沈殿物や分散質が含まれていてもよい。ただし、これら沈殿物や分散質は少ないほど好ましく、前記触媒前駆体溶液が澄明であることがより好ましい。
遷移金属含有化合物と窒素含有有機化合物と溶媒とを混合する際の温度は、たとえば、0〜60℃である。遷移金属含有化合物と窒素含有有機化合物とから錯体が形成されると推測されるところ、この温度が過度に高いと、溶媒が水を含む場合に錯体が加水分解され水酸化物の沈殿を生じ、優れた触媒が得られないと考えられ、この温度が過度に低いと、錯体が形成される前に遷移金属含有化合物が析出してしまい、優れた触媒が得られないと考えられる。
<遷移金属含有化合物>
前記遷移金属含有化合物は、チタン、鉄、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素を含有する化合物であることが好ましい。前記遷移金属含有化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記遷移金属含有化合物は、好ましくは、酸素原子およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を有する化合物であり、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
酸素原子を有する遷移金属含有化合物としては、好ましくは有機金属錯体、例えば、アルコキシド、アセチルアセトン、などの遷移金属錯体が挙げられる。
前記遷移金属含有化合物の具体例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、銅(II)メトキシド、銅(II)イソプロポキシドおよび、銅(II)アセチルアセトナートが挙げられる。
また、鉄を含まない前記遷移金属含有化合物(以下「第1の遷移金属含有化合物」ともいう。)と共に、鉄を含む遷移金属含有化合物(以下「第2の遷移金属含有化合物」ともいう。)が併用されてもよい。第2の遷移金属含有化合物を用いると、得られる触媒の性能が向上する。
第2の遷移金属含有化合物の具体例としては、フェロセン、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)等の鉄化合物が挙げられる。
<窒素含有有機化合物>
前記窒素含有有機化合物としては、前記遷移金属含有化合物中の金属原子に配位可能な配位子となり得る化合物(好ましくは、単核の錯体を形成し得る化合物)が好ましく、多座配位子(好ましくは、2座配位子または3座配位子)となり得る(キレートを形成し得る)化合物がさらに好ましい。
前記窒素含有有機化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記窒素含有有機化合物は、好ましくは、アミノ基、ニトリル基、イミド基、イミン基、ニトロ基、アミド基、アジド基、アジリジン基、アゾ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキシム基、ジアゾ基、ニトロソ基などの官能基、またはピロール環、ポルフィリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環などの環(これらの官能基および環をまとめて「含窒素分子団」ともいう。)を有する化合物であり、さらに好ましくは、アミノ基、イミン基、ピロール環およびピラジン環から選択される少なくとも一種の含窒素分子団を有する化合物であり、特に好ましくは、アミノ基およびピラジン環から選択される少なくとも一種の含窒素分子団を有する化合物である。これら化合物であれば、得られる触媒の活性が特に高くなる。
前記窒素含有有機化合物は、好ましくは、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、酸ハライド基、スルホ基、リン酸基、ケトン基、エーテル基またはエステル基(これらをまとめて「含酸素分子団」ともいう。)を有する。
前記含酸素分子団の中では、カルボキシル基およびアルデヒド基が、得られる触媒の活性が特に高くなることから、特に好ましい。
前記含窒素分子団および前記含酸素分子団を有する化合物としては、アミノ酸、ならびにその誘導体が好ましい。前記アミノ酸としては、タンパク質構成アミノ酸およびそれらの異性体が挙げられ、得られる触媒の活性が高いことから、アラニン、グリシン、リシン、メチオニン、チロシンが好ましく、得られる触媒が極めて高い活性を示すことから、アラニン、グリシンおよびリジンが特に好ましい。
また、分子中に酸素原子を含む前記窒素含有有機化合物の具体例としては、上記アミノ酸等に加えて、アセチルピロールなどのアシルピロール類、ピロールカルボン酸、アセチルイミダゾールなどのアシルイミダゾール類、カルボニルジイミダゾール、イミダゾールカルボン酸、ピラゾール、アセトアニリド、ピラジンカルボン酸、ピペリジンカルボン酸、ピペラジンカルボン酸、モルホリン、ピリミジンカルボン酸、ニコチン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、8−キノリノール、およびポリビニルピロリドンが挙げられ、得られる触媒の活性が高いことから、2座配位子となり得る化合物、具体的にはピロール−2−カルボン酸、イミダゾール−4−カルボン酸、2−ピラジンカルボン酸、2−ピペリジンカルボン酸、2−ピペラジンカルボン酸、ニコチン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、および8−キノリノールが好ましく、2−ピラジンカルボン酸、および2−ピリジンカルボン酸がより好ましい。
<溶媒>
前記電極触媒の製造に用いられる溶媒としては、例えば、水、酢酸およびアルコール類が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびエトキシエタノールが好ましく、エタノールおよびメタノールがさらに好ましい。溶解性を増すために、前記溶媒に酸が含まれることが好ましい。前記酸としては、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸およびクエン酸が好ましく、酢酸および硝酸がさらに好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<沈殿抑制剤>
前記遷移金属含有化合物が金属錯体であって、かつ前記溶媒として水を単独でまたは水と他の化合物とを用いる場合には、沈殿抑制剤を用いることが好ましい。この場合の沈殿抑制剤としては、ジケトン構造を有する化合物が好ましく、ジアセチル、アセチルアセトン、2,5−ヘキサンジオンおよびジメドンがより好ましく、アセチルアセトンおよび2,5−ヘキサンジオンがさらに好ましい。
これらの沈殿抑制剤は、前記遷移金属含有化合物溶液の沈殿を十分少なくできる量を添加されればよい。前記沈殿抑制剤は、工程1の中でのいずれの段階で添加されてもよい。例えば、工程1で用いる溶媒にあらかじめ添加しておくとよい。
(工程2)
工程2では、工程1で得られた前記触媒前駆体溶液から溶媒を除去する。
溶媒の除去は大気下で行ってもよく、不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム)雰囲気下で行ってもよい。
溶媒除去の際の温度は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には常温であってもよいが、触媒の量産性の観点からは、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上であり、工程1で得られる溶液中に含まれる、キレート等の金属錯体であると推定される触媒前駆体を分解させないという観点からは、好ましくは250℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
溶媒の除去は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には大気圧下で行ってもよいが、より短時間で溶媒を除去するため、減圧(たとえば、0.1Pa〜0.1MPa)下で行ってもよい。
溶媒の除去は、工程1で得られた混合物を静置した状態で行ってもよいが、より均一な固形分残渣を得るためには、混合物を撹拌しながら溶媒を除去することが好ましい。
溶媒の除去の方法、あるいは前記遷移金属含有化合物または前記窒素含有有機化合物の性状によっては、工程2で得られた固形分残渣の組成または凝集状態が不均一であることがある。このような場合に、固形分残渣を、混合し、解砕して、より均一、微細な粉末としたものを工程3で用いると、粒径がより均一な触媒を得ることができる。
(工程3)
工程3では、工程2で得られた固形分残渣を熱処理して電極触媒を得る。
この熱処理の際の温度は、500〜1100℃であり、好ましくは600〜1050℃であり、より好ましくは700〜950℃である。
熱処理の温度が上記範囲よりも高すぎると、得られた電極触媒の粒子相互間においての焼結、粒成長がおこり、結果として電極触媒の比表面積が小さくなってしまうため、この粒子を塗布法により触媒層に加工する際の加工性が劣ってしまう。一方、熱処理の温度が上記範囲よりも低過ぎると、高い活性を有する電極触媒を得ることができない。
前記熱処理の方法としては、たとえば、静置法、攪拌法、落下法、粉末捕捉法が挙げられる。触媒活性の特に高い電極触媒を得たい場合には、厳密な温度制御が可能な電気炉を用いることが望ましい。
前記熱処理を行う際の雰囲気としては、得られる電極触媒の活性を高める観点から、その主成分が不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
ただし、前記熱処理の雰囲気中に後述する反応性ガスが存在すると、得られる電極触媒がより高い触媒性能を発現することがある。
前記反応性ガスとしては、たとえば、窒素ガス、窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガス、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、アルゴンガスと水素ガスとの混合ガス、アンモニアガスと酸素ガスとの混合ガスが挙げられる。
前記熱処理で得られた熱処理物は、そのまま電極触媒として使用してもよく、さらに解砕してから電極触媒として用いてもよい。なお、本明細書において、解砕、破砕等、熱処理物を細かくする操作を、特に区別せず「解砕」と表記する。解砕を行うと、得られた電極触媒を用いて電極を製造する際の加工性、および得られる電極の特性を改善できることがある。この解砕には、たとえば、ロール転動ミル、ボールミル、小径ボールミル(ビーズミル)、媒体撹拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、自動混練乳鉢、槽解機またはジェトミルを用いることができる。
〈電子伝導性材料〉
本発明に用いる電子伝導性材料は、電極触媒層を形成するために一般的に用いられているものであれば特に限定されない。
前記電子伝導性材料の具体例としては、炭素、導電性高分子、導電性セラミックス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられる。これらの電子伝導性材料は、1種単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。特に、炭素からなる導電性粒子は比表面積が大きいため、また、安価に小粒径のものを入手しやすく、耐薬品性、耐高電位性に優れるため好ましい。炭素からなる導電性粒子を用いる場合、炭素単独または炭素とその他の導電性粒子との混合物が好ましい。
前記炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、グラフェン等が挙げられる。カーボンの粒子径または、繊維径は、TEM観察で測定される測定値として、10〜1000nmの範囲であることが好ましく、10〜100nmの範囲であることがよりに好ましい。カーボンの粒子径が、10nm未満であると電子伝導パスが形成され難くなり、また、前記上限を超えると、形成される電極触媒層のガス拡散性が低下したり、電極触媒の利用率が低下する傾向がある。また、炭素からなる電子伝導性粒子のBET比表面積値は、50m2/g〜3000m2/gが好ましく、100m2/g〜3000m2/gがより好ましい。
前記導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、およびそれらの誘導体等が挙げられる。これらには、高い導電性を得るためのドーパントが含まれていてもよい。
〈プロトン伝導性材料〉
本発明に用いるプロトン伝導性材料としては、電極触媒層を形成するために一般的に用いられているものであれば特に限定されない。
前記プロトン伝導性材料の具体例としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(例えば、NAFION(登録商標))、スルホン酸基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などが挙げられる。これらの中でも、NAFION(登録商標)が好ましい。また、プロトン伝導性材料として、旭硝子(株)製の「Flemion」膜、旭化成(株)製の「Aciplex」膜を用いると、高温低加湿の条件下でも燃料電池における反応が進む傾向がある。
〈溶媒〉
本発明に用いる溶媒としては、電極触媒層を形成するために一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、揮発性の有機溶媒または水等が挙げられる。
前記溶媒の具体例としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水等が挙げられる。中でも、水、アセトニトリルや、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールが好ましい。特に、水、アセトニトリル、1−プロパノール、2−プロパノールが好ましい。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
〈インクの製造方法〉
本発明のインクは、例えば、上述した電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒を混合することによって製造される。電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒の混合順序は、特に制限されない。例えば、電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒を順次又は同時に混合し、電極触媒等を溶媒に分散させることにより、インクを調製できる。また、固体のプロトン伝導性材料を、水および/またはメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール溶媒に予備混合した溶液を調製してから、その予備混合した溶液を、電極触媒、電子伝導性材料および溶媒と混合してもよい。
混合時間は、混合手段、電極触媒等の分散性および溶媒の揮発性等に応じて、適宜決定することができる。
混合手段としては、ホモジナイザーなどの撹拌装置を用いてもよく、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、超音波分散装置、混練脱泡装置などを用いてもよく、これらの手段を組み合わせてもよい。中でも、超音波分散装置、ホモジナイザー、ボールミル、混練脱泡装置を用いる混合手段が好ましい。また、必要であれば、インクの温度を一定範囲に維持する機構、装置などを用いながら混合してもよい。
インク中の固形分濃度は、塗布方法等に合わせて適宜調整すればよく、通常、0.1質量%〜25質量%の範囲内である。
≪電極触媒層≫
本発明の電極触媒層は、上述したインクを用いて形成されることを特徴としている。上述したインクを用いて形成される電極触媒層を備えた燃料電池等は、極めて優れた発電特性を有する。また、本発明の電極触媒層は耐久性にも優れる傾向がある。
電極触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、上述したインクを、後述する電解質膜および/またはガス拡散層に塗布した後、乾燥することにより形成する方法が挙げられる。また、上述したインクを、転写基材に塗布し、乾燥することにより転写基材上に電極触媒層を形成した後、転写法で電解質膜および/またはガス拡散層に電極触媒層を形成する方法が挙げられる。
前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法、バーコーター法、ドクターブレード法などが挙げられる。
前記乾燥する方法としては、特に限定されないが、例えば、自然乾燥やヒーターで加熱する方法などが挙げられる。
加熱の場合、前記乾燥温度は、30〜120℃であることが好ましく、40〜110℃であることがより好ましく、45〜100℃であることがさらに好ましい。
前記塗布および前記乾燥は、同時に行ってもよい。この場合、塗布量および乾燥温度を調節することにより、塗布直後に乾燥が完了することが好ましい。
≪用途≫
本発明の電極触媒層は、白金触媒層の一部またはすべてを代替する触媒層として、特に燃料電池用電極触媒層として有効に使用することができる。
本発明の電極触媒層は、アノード触媒層またはカソード触媒層のいずれにも用いることができるが、酸素還元能が大きいので、カソード触媒層に用いることが好ましい。特に固体高分子型燃料電池が備える膜電極接合体のカソード触媒層に有用である。
本発明の電極は、上述した電極触媒層とガス拡散層とを有することを特徴としている。
本発明の電極はカソードまたはアノードのいずれの電極にも用いることができる。本発明の電極は、酸素還元能が大きいので、カソードに用いるとより産業上の優位性が高い。
ガス拡散層は、ガスを拡散する層であり、電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば特に限定されない。ガス拡散層としては、一般的にカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料や、軽量化のためにステンレス、耐食材を被覆したアルミニウム箔が用いられる。
本発明の膜電極接合体は、カソードとアノードと前記カソード及び前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードが、上述した電極であることを特徴としている。
前記膜電極接合体は、電解質膜および/またはガス拡散層に前記電極触媒層を形成後、該触媒層を内側として電解質膜の両面をガス拡散層で挟み、ホットプレスすることで得ることができる。
ホットプレス時の温度は、使用する電解質膜および/または触媒層中の成分によって適宜選択されるが、100〜160℃であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。ホットプレス時の温度が前記下限値未満であると接合が不充分となるおそれがあり、前記上限値を超えると電解質膜および/または触媒層中の成分が劣化するおそれがある。
ホットプレス時の圧力は、電解質膜および/または触媒層中の成分、ガス拡散層の種類によって適宜選択されるが、1〜10MPaであることが好ましく、1〜6MPaであることがより好ましく、2〜5MPaであることがさらに好ましい。ホットプレス時の圧力が前記下限値未満であると接合が不充分となるおそれがあり、前記上限値を超えると触媒層やガス拡散層の空孔度が減少し、性能が劣化するおそれがある。
ホットプレスの時間は、ホットプレス時の温度および圧力によって適宜選択されるが、1〜20分であることが好ましく、3〜20分であることがより好ましく、5〜20分であることがさらに好ましい。
前記膜電極接合体における触媒能は、たとえば、以下のように算出される最大出力密度により評価することができる。
まず、前記膜電極接合体をシール材(ガスケット)、ガス流路付きセパレーターと、集電板を挟んでボルトで固定し、所定の面圧(4N)になるように締め付けて、固体高分子形燃料電池の単セルを作成する。
アノード側に燃料として水素を流量1リットル/分で供給し、カソード側に酸化剤として酸素を流量2リットル/分で供給し、両側ともに300kPaの背圧をかけながら、前記単セル温度90℃における電流―電圧特性を測定する。得られる電流―電圧特性の曲線から最大出力密度を算出する。最大出力密度が大きいほど、前記膜電極接合体における触媒能が高いことを示す。当該最大出力密度は、100mW/cm2以上であることが好ましく、200mW/cm2以上であることがより好ましく、300mW/cm2以上であることがさらに好ましい。
前記電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系を用いた電解質膜または炭化水素系電解質膜などが一般的に用いられるが、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜または多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。
本発明の燃料電池は、上述した膜電極接合体を備えることを特徴としている。
燃料電池の電極反応はいわゆる3相界面(電解質−電極触媒−反応ガス)で起こる。燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。中でも、本発明の膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に使用することが好ましい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行なった。
[分析方法]
1.元素分析
炭素:試料約0.01gを量り取り、炭素硫黄分析装置(堀場製作所製EMIA−920V)にて測定を行った。
窒素・酸素:試料約0.01gを量り取り、Niカプセルに試料を封入して、酸素窒素分析装置(LECO製TC600)にて測定を行った。
金属(ニオブ、チタン、鉄、ランタン、銅、ジルコニウム):試料約0.1gを石英ビーカーに量り取り、硫酸,硝酸およびフッ酸を用いて試料を完全に加熱分解する。冷却後、この溶液を100mlに定容する。この溶液を適宜希釈しICP−OES(SII社製VISTA−PRO)またはICP−MS(Agilent社製HP7500)を用いて定量を行った。
2.BET比表面積測定
島津製作所株式会社製 マイクロメリティクス ジェミニ2360を用いてBET比表面積を測定した。
[参考例1]
1.アノード用インクの調製
Pt担持カーボン(TEC10E60E、田中貴金属工業製)0.6gを純水50mlに加え、さらにプロトン伝導性材料(NAFION(登録商標);0.25g)を含有する水溶液(Nafion5%水溶液、和光純薬工業製)5gを入れて、超音波分散機(UT−106H型シャープマニファクチャリングシステム社製)で1時間混合することにより、アノード用インク(1)を調製した。
2.アノード触媒層を有する電極の作製
ガス拡散層(カーボンペーパーTGP−H−060、東レ社製)を、アセトンに30秒間浸漬し、脱脂を行った。乾燥後、10%のポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」とも記す。)水溶液に30秒間浸漬した。室温乾燥後、350℃で1時間加熱することにより、カーボンペーパー内部にPTFEを分散させ、撥水性を持たせたガス拡散層(以下「GDL」とも記す。)を得た。
次に、5cm×5cmの大きさとした前記GDLの表面に、自動スプレー塗布装置(サンエイテック社製)により、80℃で、上記1で調製したアノード用インク(1)を塗布した。繰り返しスプレー塗布することにより、単位面積あたりのPt量が1mg/cm2のアノード触媒層(1)を有する電極を作製した。
[触媒の製造]
1.触媒(1)の製造
チタンテトライソプロポキシド(純正化学(株)製)5mL及びアセチルアセトン(純正化学(株)製)5mLをエタノール(和光純薬(株)製)15mLと酢酸(和光純薬(株)製)5mLとの溶液に加え、室温で攪拌しながらチタン含有混合物溶液を作製した。
また、グリシン(和光純薬(株)製)2.507g及び酢酸鉄(Aldrich社製)0.306gを純水20mLに加え、室温で攪拌して完全に溶解させてグリシン含有混合物溶液を作製した。チタン含有混合物溶液をグリシン含有混合物溶液にゆっくり添加し、透明な溶液を得た。ロータリーエバポレーターを用い、窒素雰囲気の減圧下で、ホットスターラーの温度を約100℃に設定し、前記溶液を加熱かつ攪拌しながら、溶媒をゆっくり蒸発させた。完全に溶媒を蒸発させて得られた固形分残渣を乳鉢で細かく均一に潰して、粉末を得た。この粉末を管状炉に入れ、アルゴンガス雰囲気下で昇温速度10℃/minで900℃まで加熱し、900℃で1時間保持し、自然冷却することにより粉末(以下「触媒(1)」とも記す。)を得た。
触媒(1)の元素分析結果を表1に示す。触媒(1)のBET比表面積は181m2/gであった。
2.触媒(2)の製造
ビーカーに、アセチルアセトン2.60g(25.94mmol)を入れ、これを攪拌しながらチタンテトライソプロポキシド5ml(17.59mmol)を加え、さらに酢酸28ml(490.0mmol)を2分間かけて滴下し、チタン溶液を調製した。ビーカーに水60ml、エタノール50ml、および酢酸60mlを入れ、ここにピラジンカルボン酸8.74g(70.36mmol)を加えて完全に溶解させた。得られた溶液に、これを攪拌しながら、5%ナフィオン(NAFION(登録商標))分散溶液(DE521、デュポン社)を10mlを加え、さらに酢酸鉄290mg(1.67mmol)を少量ずつ加えて溶解させた。次に温度を室温に保ちながら、かつ攪拌しながら、上記のチタン溶液を10分間かけて滴下し、滴下後さらに30分間攪拌を行い、触媒前駆体溶液を得た。
ロータリーエバポレーターを用い、窒素雰囲気の減圧下で、ホットスターラーの温度を約100℃に設定し、前記触媒前駆体溶液を加熱かつ攪拌しながら、溶媒をゆっくり蒸発させた。完全に溶媒を蒸発させて得られた固形物残渣を自動乳鉢ですり潰して、11.3gの焼成用粉末(2)を得た。1.2gの焼成用粉末(2)を、ロータリーキルン炉に水素ガスを4体積%含む窒素ガス(すなわち、水素ガス:窒素ガス=4体積%:96体積%の混合ガス)を20ml/分の速度で流しながら、昇温速度10℃/分で890℃まで加熱し、890℃で0.5時間焼成し、自然冷却することにより、粉末状の触媒(2)208mgを得た。なお、この過程で得られた焼成用粉末の重量は11.7gであった。
触媒(2)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(2)のBET比表面積は296.6m2/gであった。
3.触媒(3)の製造
ビーカーに、アセチルアセトン2.60g(25.94mmol)を入れ、これを攪拌しながらニオブエトキシド4.80g(17.59mmol)を加え、ニオブ溶液を調製した。
前記触媒(2)の製造におけるチタン溶液を、前記ニオブ溶液に替えた以外は、前記触媒(2)の製造と同様の操作を行い、粉末状の触媒(3)231mgを得た。
触媒(3)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(3)のBET比表面積は220m2/gであった。
4.触媒(4)の製造
ビーカーに、メタノール50mlを入れ、これを撹拌しながら二塩化銅2.75g(20.45mmol)、5%ナフィオン(NAFION(登録商標))分散溶液(DE521、デュポン社)10.0ml、酢酸鉄(II)355mg(2.045mmol)を順次加えた。得られた溶液にピラジンカルボン酸10.15g(81.80mmol)を少量ずつ加えた後、3時間の攪拌を行い触媒前駆体溶液(4)を得た。ロータリーエバポレーターを用い、窒素雰囲気の減圧下で、ホットスターラーの温度を約100℃に設定し、前記触媒前駆体溶液(4)を加熱かつ撹拌しながら、溶媒をゆっくり蒸発させ、さらに窒素気流下、300℃で1時間の加熱を行うことにより、塩化物残渣などを除去し、3.56gの焼成用粉末(4)を得た。1.2gの焼成用粉末(4)を、ロータリーキルン炉に水素ガスを4体積%含む窒素ガス(すなわち、水素ガス:窒素ガス=4体積%:96体積%の混合ガス)を20ml/分の速度で流しながら、昇温速度10℃/分で890℃まで加熱し、890℃で0.5時間焼成し、自然冷却することにより、粉末状の触媒(4)562mgを得た。
触媒(4)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(4)のBET比表面積は213m2/gであった。
5.触媒(5)の製造
ニオブエトキシドに替えてジルコニウムブトキシド7.94g(17.59mmol)を用いた以外は前記触媒(3)の製造と同様の操作を行い、粉末状の触媒(5)341mgを得た。触媒(5)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(5)のBET比表面積は245m2/gであった。
6.触媒(6)の製造
炭化ニオブ(NbC、添川理化学株式会社製)5.88g(56mmol)、酢酸鉄(Fe(CH3CO22、ALDRICH社製)0.87g(5mmol)および窒化ニオブ(NbN、高純度化学研究所製)5.14g(48mmol)を充分に混合し、この混合粉末を管状炉において、1600℃で3時間、窒素雰囲気中で加熱することにより、焼結体10.89gを得た。得られた焼結体を乳鉢で粉砕し、これを1.05gを、0.75容量%の酸素ガスおよび4容量%の水素ガスを含む窒素ガスを流しながら、ロータリーキルンで、900℃、7時間加熱することにより、焼成物1.18gを得た。これを遊星ボールミル(フリッチェ社製 Premium7、自転半径:2.3cm、公転半径:16.3cm)により以下のとおり解砕した。密閉可能なジルコニアミル容器(容量45ml、内径45mm)の内部に、焼成物0.9g、直径0.5mmのジルコニアボール(ニッカトー社製)40g、アセトニトリル(分散溶媒)7mlを入れた。前記ジルコニアミル容器を密閉し、容器内部を充分にアルゴン置換した。次に、自転回転数:700rpm、公転回転数:350rpm、自転遠心加速度:12.6G、公転遠心加速度:22.3G、解砕時間:5分間で解砕した。当該解砕後、アセトニトリルおよびジルコニアボールを分離し、粉末状の触媒(6)を得た。触媒(6)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(6)のBET比表面積は30m2/gであった。
7.触媒(7)の製造
酸化チタン(TiO2)4g(50mmol)、カーボンブラック(キャボット社製、XC−72)1.5g(125mmol)および酸化ランタン(La23)0.16g(0.5mmol)を充分に混合した。この混合物を、1700℃で3時間、窒素雰囲気中で加熱することにより、焼結体2.7gを得た。この焼結体を乳鉢で粉砕し、この1.0gを、1容量%の酸素ガスおよび1容量%の水素ガスを含む窒素ガスを流しながら、管状炉で、900℃で4時間加熱することにより、焼成物1.18gを得た。以降、前記触媒(6)の製造と同様の操作を行い、粉末状の触媒(7)を得た。
触媒(7)の元素分析結果を表1に示す。また、触媒(7)のBET比表面積は45m2/gであった。
[実施例 1〜12、比較例1〜4,9〜10]
燃料電池用膜電極接合体の製造とその発電特性の評価
各実施例および各比較例ごとに、表2に記載した触媒を用い、表2に記載した触媒の含有量、電子伝導性材料の含有量、およびプロトン伝導材料の含有量で、以下の操作を行った。
(1)インクの調製
2−プロパノール(和光純薬工業製)25mlとイオン交換水25mlの混合溶媒に、触媒と、電子伝導性材料としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)とを加え、さらにプロトン伝導性材料としてナフィオン(NAFION(登録商標)を5%水溶液(和光純薬工業製)として加え、超音波分散機(UT−106H型シャープマニファクチャリングシステム社製)で1時間混合することにより、カソード用インクを調製した。
(2)電極触媒層を有する電極の作製
ガス拡散層(カーボンペーパー(TGP−H−060、東レ社製))を、アセトンに30秒間浸漬して脱脂した後、乾燥させ、次いで10%のPTFE水溶液に30秒間浸漬した。浸漬物を、室温乾燥後、350℃で1時間加熱することにより、カーボンペーパー内部にPTFEが分散し撥水性を有するガス拡散層(以下「GDL」とも記す。)を得た。次に、5cm×5cmの大きさとした前記GDLの表面に、自動スプレー塗布装置(サンエイテック社製)により、80℃で、上記カソード用インクを塗布し、カソード触媒層をGDL表面に有する電極(以下「カソード」ともいう。)を作製した。
(3)燃料電池用膜電極接合体の作製
電解質膜としてナフィオン(NAFION(登録商標))膜(N−212、DuPont社製)を、カソードとして上記カソード)を、アノードとして参考例1で作製したアノード触媒層(1)を有する電極(以下「アノード」ともいう。)をそれぞれ準備した。前記カソードと前記アノードとの間に前記電解質膜を配置した燃料電池用膜電極接合体(以下「MEA」ともいう。)を以下のように作製した。
前記電解質膜を前記カソードおよび前記アノードで挟み、カソード触媒層およびアノード触媒層が前記電解質膜に密着するように、ホットプレス機を用いて、温度140℃、圧力3MPaで6分間かけてこれらを熱圧着し、MEAを作製した。
(4)単セルの作製
上記MEAを、2つのシール材(ガスケット)、2つのガス流路付きセパレーター、2つの集電板および2つのラバーヒータで挟んでボルトで固定し、これらを所定の面圧(4N)になるように締め付けて、固体高分子形燃料電池の単セル(以下「単セル」ともいう。)(セル面積:25cm2)を作製した。
(5)発電特性の評価(触媒能の測定)
上記単セルを90℃、アノード加湿器を90℃、カソード加湿器を50℃に温度調節した。アノード側に燃料として水素を流量1リットル/分で供給し、カソード側に酸化剤として酸素を流量2リットル/分で供給し、両側ともに300kPaの背圧をかけながら、単セルにおける電流―電圧特性を測定した。得られた電流―電圧特性曲線から最大出力密度を算出し、測定結果を表2に示した。当該最大出力密度が大きいほど、MEAにおける触媒能が高いことを示す。
[実施例 13〜20、比較例5〜8]
燃料電池用膜電極接合体の製造とその発電特性の評価
各実施例および各比較例ごとに、表2に記載した触媒を用い、表2に記載した触媒の含有量、電子伝導性材料の含有量、およびプロトン伝導材料の含有量で、以下の操作を行った。
(1)インクの調製
水0.87mlに触媒と、電子伝導性材料としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)とを加え、さらにプロトン伝導性材料としてナフィオン(NAFION(登録商標)を20%水溶液(和光純薬工業製)として加え、混練脱泡装置(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)で脱泡混合することにより、カソード用インクを調製した。
(2)電極触媒層を有する電極の作製
ガス拡散層(カーボンペーパー(GDL24BC、SGLカーボングループ社製))の表面に、バーコーター(テクノサプライ社製)により、上記カソード用インクを塗布し、これを乾燥して、カソード触媒層をGDL表面に有する電極(以下「カソード」ともいう。)を作製した。
(3)燃料電池用膜電極接合体の作製〜(5)発電特性の評価(触媒能の測定)
実施例1と同様に(3)燃料電池用膜電極接合体の作製、(4)単セルの作製および(5)発電特性の評価(触媒能の測定)を行い、単セルにおける電流―電圧特性を測定した。得られた電流―電圧特性曲線から最大出力密度を算出し、測定結果を表2に示した。
Figure 0005916528
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インクに含有される電極触媒として、遷移金属元素、炭素、窒素および酸素を構成元素として含む物を用い、該触媒の各元素の原子数の比を、遷移金属元素:炭素:窒素:酸素=1:x:y:zとした場合に、0.5<x≦7、 0.01<y≦2、 0.1<z≦3とし、前記電極触媒の含有量Aとインクに含有される電子伝導性材料の含有量Bとの質量比(A/B)を、1〜6とし、前記電極触媒と前記電子伝導性材料との合計含有量Cと、インクに含有されるプロトン伝導性材料の含有量Dとの質量比(D/C)を、0.1〜0.9とするインクを用いると、得られるMEAの触媒能、すなわち最大出力密度が大きくなることがわかった。

Claims (6)

  1. 電極触媒、電子伝導性材料、プロトン伝導性材料および溶媒を含む、電極触媒層を形成するためのインクであって、
    前記電極触媒が、チタン、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種および鉄からなる遷移金属元素、炭素、窒素および酸素を構成元素として含み、前記各元素の原子数の比を、遷移金属元素:炭素:窒素:酸素=1:x:y:z(ただし、遷移金属元素の原子数は、遷移金属元素が複数種である場合、それらの合計の原子数。)とした場合に、0.5<x≦7、 0.01<y≦2、 0.1<z≦3であり、
    前記電極触媒の含有量A(g)と前記電子伝導性材料の含有量B(g)との質量比(A/B)が、1〜6であり、
    前記電極触媒と前記電子伝導性材料との合計含有量C(g)と、プロトン伝導性材料の含有量D(g)との質量比(D/C)が、0.1〜0.9であることを特徴とするインク。
  2. 電極触媒、電子伝導性材料、およびプロトン伝導性材料を含む、電極触媒層であって、
    前記電極触媒が、チタン、ジルコニウム、銅、およびニオブから選ばれる少なくとも1種および鉄からなる遷移金属元素、炭素、窒素および酸素を構成元素として含み、前記各元素の原子数の比を、遷移金属元素:炭素:窒素:酸素=1:x:y:z(ただし、遷移金属元素の原子数は、遷移金属元素が複数種である場合、それらの合計の原子数。)とした場合に、0.5<x≦7、 0.01<y≦2、 0.1<z≦3であり、
    前記電極触媒の含有量A(g)と前記電子伝導性材料の含有量B(g)との質量比(A/B)が、1〜6であり、
    前記電極触媒と前記電子伝導性材料との合計含有量C(g)と、プロトン伝導性材料の含有量D(g)との質量比(D/C)が、0.1〜0.9であることを特徴とする電極触媒層。
  3. 請求項に記載の電極触媒層とガス拡散層とを有する電極。
  4. アノードと、請求項に記載の電極であるカソードと、前記アノードおよびカソードの間に配置された電解質膜を有する膜電極接合体。
  5. 請求項に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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