JPWO2010035746A1 - 光学シートの製造方法、光学シート、および当該光学シートを含む光源ユニット、表示装置 - Google Patents

光学シートの製造方法、光学シート、および当該光学シートを含む光源ユニット、表示装置 Download PDF

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Abstract

従来は、押出成型中の熱可塑性樹脂の樹脂温度を調整する解決手段や、押出成型時のロールの周速を調整する方法では、微細な表面賦型を正確に再現することが出来ず、得られた樹脂シートは様々な目的を達する為に設計した表面賦型の性能を充分達成することが不可能であり、それを利用した光学シート、およびその光学シートを利用した光源ユニット、表示装置の開発が不可能であった。本発明は、凹凸形状を転写する為の表面加工を施した賦型ロールを用いて表面賦型される光学シートの製造方法において、賦型ロールの周速度Vaとし、引き取りロール(B)の周速度Vbとしたとき、周速度Vbを周速度Vaの103〜120%の周速度とすることを特徴とする光学シートの製造方法である。またこのような製造方法で作製した光学シート、それを含む光源ユニット、表示装置も本発明に含まれる。

Description

本発明は機能性を発揮する為の精密な表面形状を持つ光学シートの製造方法に関する。また、その製造方法で製造された精密な表面形状がその性能に著しく影響を及ぼす光学シート、および当該光学シートを含む光源ユニット、表示装置に関する。
熱可塑性樹脂は耐熱性、耐衝撃性、重量、加工のし易さなどの観点から、木材、金属、ガラス等の材料として広く使用されている。特にシート材は、従来、木材、金属等が利用されていた屋根材、外壁材などの外装材料、天板、内壁材などの内装材料、屋外の看板などの材料として、広く使用されている。この中でも透明熱可塑性樹脂は、耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れているため、そのシート材はガラスに代わる光学材料として窓材などの建材用途、自動車窓用の耐衝撃透明材用途、水族館の大型水槽の耐圧性透明材料に広く使用されている。
このような熱可塑性樹脂シートの表面形状は、光沢のある平滑なもの以外に、微細な凹凸模様を付けたエンボス調のものや2次元的、3次元的に規則性のある凹凸模様を有するものが挙げられ、押出成形時に転写ロールを利用して連続的に賦型することが一般的である。
これらの表面形状は、外周面に本来の設計性能を充分に発揮するための模様と凹凸が反転した形状で形成された金属製のエンボスロールに、溶融して軟化状態の熱可塑性樹脂シートを導き、該ロールの模様をシートに転写する事により賦型される。具体的な開示の例としては下記の特許文献が挙げられる。
特許文献1には、押出される熱可塑性樹脂の温度を調整する事により全体として波打ちや厚みムラ、皺等の外観不良が無い光学シートの製造方法が開示されている。
特許文献2には、押出成形により少なくとも片面を表面賦型される表面賦型樹脂シートの製造方法において、ダイの温度や表面賦型直前の樹脂温度を調整することで正確な凹凸を賦型する事が可能であることが開示されている。
特許文献3には、押出成形により少なくとも両面を表面賦型されるポリカーボネート樹脂シートの製造方法において、ダイの温度、各冷却ロールの温度を調節する事により、両面に表面賦型が効率よく転写できることが開示されている。
また、特許文献4には複数のロールを利用した表面賦型の施されない熱可塑性樹脂シートの製造方法において、第2ロールと第3ロールの周速度を調整する事により厚みムラやレタデーションのバラツキが少なくなり、光学的に好適なシートが得られることが開示されている。
特許文献5にはダイから吐出後の熱可塑性樹脂が、第1ロール(ニップロール)に隣接する第2ロール(型ロール)の周速度と、続いて接触する第3ロール(剥離ロール)の下流に設けられた、引き取りロール(ドローロール)の周速度を調整する事により、効率よく表面賦型が可能となり、シート全体の反りが解消され光学的に好適なシートが得られることが開示されている。
特許文献6には、ダイから吐出後の熱可塑性樹脂が、第1ロール(鏡面ロール)の周速度と、続いて接触する第2ロール(型付けロール)の周速度を調整する事と、更に第3ロールに鏡面ロールを設定するより、効率よく微細な表面賦型が可能となることが開示されている。
特開2003−245966号公報 特開平10−180846号公報 特開平6−190917号公報 特開2003−236914号公報 特開2007−216481号公報 特開2006−130901号公報
しかしながら、近年の液晶式などのフラットパネルディスプレイの部材に用いられる、高度な光学性能を達成する表面賦型(例えば、高賦型率、高厚み精度のピッチ200μ以下の光学要素)をもつ光学シートの押出機による連続生産は、特許文献1〜3に記載されている押出成型中の熱可塑性樹脂の樹脂温度を調整する解決手段や、特許文献4〜5に記載されている内容での押出成型時のロールの周速を調整する方法では、達成不可能である。また、これらの開示内容を単純に組み合わせて実施しても、その工程では安定して高賦型率、高厚み精度の樹脂シートをえることが不可能であり、それを利用した光学シート、およびその光学シートを利用した直下型光源ユニット、表示装置の開発が不可能であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の従来技術の問題を解決し、本来の設計性能を充分に発揮する表面形状付光学シートの製造方法の提供を目的とする。またこのような製造方法で作製した光学シート、およびその光学シートを利用した光源ユニット、表示装置の提供を目的とする。
本発明は前記目的を達成する為の第一の実施形態として、光学要素がシートに賦型されるように表面加工された賦型ロールを用いて表面賦型される光学シートの製造方法において、賦型ロールの周速度をVaとし、引き取りロール(ドローロール)の周速度をVbとしたとき、周速度Vbを周速度Vaの103〜130%にすることを特徴とする光学シートの製造方法を提供する。
また、第二の実施形態として、前記第一の実施形態において、光学要素が引き取り方向と略平行に賦型されており、かつ、横断面が凸状または凸弧状の頂部と横断面が凹状または凹弧状の谷部とが交互に略平行に多数配列された略畝状光学要素であることを特徴とする光学シートの製造方法を提供する。
更に、第三の実施形態として、前記第一、二の実施形態において、略畝状光学要素の頂部と頂部の間隔、あるいは谷部と谷部の間隔が、200μm以下であることを特徴とする光学シートの製造方法を提供する。
このようにして製造された光学シートは表面の賦型が再現性よく光学的設計どおりの形状でに転写される為、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。また、その光学シートを用いた光源ユニット、表示装置も優れた性能を発揮する。
尚、上記引き取り方向とは、シートの走行方向、すなわちシート長手方向のことである。
以上説明したように、本発明によれば、本来の設計性能を充分に発揮する光学シートを効率よく製造することが出来る。また、このようにして製造された本発明の光学シートは表面の賦型が光学的設計どおりに転写される為、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。また、その光学シートを用いた光源ユニット、表示装置も優れた性能を発揮する。
本発明の押出成形による樹脂シートの製造工程の一例の説明図である。 略畝状の光学要素がシートの引き取り方向と略平行に賦型されるように表面加工された賦型ロールの一例の説明図である。 賦型ロールの一例の説明図である。 本発明の押出成形による樹脂シートの製造工程の一例の説明図である。 図1、図4のロール群が取り得る配置形態を示す説明図である。 本発明の略畝状レンズの形態の一例を示す説明図である。 本発明の略畝状レンズの形態の一例を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は機能性を発揮する為の精密な光学要素(ピッチ200μm以下)を少なくとも片面に備える光学シートの製造方法に関する。
本発明の光学シート(本発明では「シート」と「フィルム」とは同義で用い、共に厚みが0.05〜5mmの樹脂成形体を指す。以下、統一して「シート」と記す。)の製造方法は、従来、シートの製造に用いられている熱可塑性樹脂のいずれにも適用できる。具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、脂環式構造含有重合体樹脂などが挙げられる。詳細は後述する。
<工程と装置の基本構成>
本発明の光学シートの製造方法は、押出機から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第1ロール及び第2ロールの2本のロールの間隙を通過させ、圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を得る工程と、前記圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、そのまま第2ロールに、次いで3本目の第3ロールに順に外接させて移送する工程と、続いてシート状溶融熱可塑性樹脂を引き取りロールにより引き取る工程を有する製造方法を好ましく採用することができる。
本発明に用いる押出機としては、単軸タイプのもの、二軸タイプのもの、二軸以上の多軸タイプのものの何れを用いても良い。重合時のオリゴマーや成形時に発生する低分子化合物および押出機内に溶存している酸素・水分等を取り除く為にベントを設けることが好ましい。尚、ベントの真空度としては500ヘクトパスカル以下が好ましく、より好ましくは200ヘクトパスカル以下である。尚、厚み精度や略畝状レンズの賦形の観点からは、溶融混練した材料を定量的に吐出する為にギアポンプを用いることが好ましい。表面に紫外線吸収能や帯電防止能等を有する機能層を付与することを目的として多層化する場合には多層の押出装置を用いることができる。多層化に際しては、フィードブロック方式およびマルチマニホールド方式の何れを用いてもよい。尚、多層用に用いる押出機は前述のものを好適に用いることができる。Tダイとしては、チョークバー方式を用いることが、連続生産時における安定性を確保する上で必須となる。尚、厚み精度の観点からネジ式ベンディングリップやヒートボルト式ベンディングリップを用いることが好ましい。オンライン厚み測定機やバンクモニター等からフィードバックされるヒートボルト式ベンディングリップ付きの自動Tダイを用いることも可能である。
<ロール配置>
本発明の図1を例に、前記実施形態を実施するための本発明のロールの配置について説明する。図1は、押出機のダイ(1)から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第1ロール(2)及び第2ロール(3)の2本のロールの間隙を通過させ、圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を得る工程と、前記圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、そのまま第2ロール(3)に、次いで3本目の第3ロール(4)に順に外接させて移送する工程と、続いて表面賦型されたシート状溶融熱可塑性樹脂を第3ロール(4)から剥離して、移送するための一対の引き取りロール(5a、5b)を有する製造方法を示している。
第1ロール(2)は、シートの厚みを決める為の重要なロールであるので、表面加工されたロールではなく鏡面ロールが好ましく用いられる。また、線圧の影響を受け厚み精度が不十分な場合は太鼓型のクラウニングロールを用いることができる。第2ロール(3)は平滑面を作製する為の鏡面ロール、マット、エンボスなどを転写する為のエンボスロール、さらに必要に応じて、光学要素を賦型するためのロールのうち、いずれか一つが選択される。これらは目的に応じて適宜使用すれば良いが、特にシートの傷付き防止や、バックライト光のより効率的な光拡散を目的とする場合は、算術平均粗さRa=0.1〜5μm程度のマット、エンボス柄のロールを使用する事が好ましく、特にビーズブラスト法によって作製されたエンボスロールを好適に使用することができる。
第3ロール(4)は光学要素がシートに賦型されるように表面加工された賦型ロール(図2、図3参照)である。本発明の目的は、少なくとも片面に精密な光学賦型のある光学シートを得ることであるので、第2ロール(3)、第3ロール(4)をそれぞれ鏡面ロール、エンボスロールのみで構成される組合せを選択することはない。図2、図3では、略楕円畝状の光学要素をシートに賦型することのできる賦型ロールを示している。
引き取りロールの設定位置は、引き取りロール接触時に熱可塑性樹脂シートが変形しない程度に充分冷却された後であれば、どこに設定しても構わない。2つの引き取りロール間の圧力でシートの表面の賦型が変形したり、シート全体に反りや波うちなどの外観不良の変形が起こらない位置に設定すればよい。また、本発明において引き取りロールは、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ロールのスリップも生じにくい材料であればどのような材料で構成されていても良い。例えば、表面をJIS K6301で規定するゴム硬度で60〜90度の材料などを採用することが出来る。ロール表面がこのようなゴム硬度の引き取りロールを使用すれば、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ロールのスリップも生じにくく、効率よくシートが製造できる。引き取りロールの表面形状は、第1、第2、第3ロールで賦型された表面形状を変形させることなく、スリップなどの走行障害もなく引き取りが出来れば、どのような形状でも構わない。
第3ロール(4)と引き取りロール(5a、5b)の間に、光学要素が賦型された光学シートを第3ロール(4)からより円滑に剥離させるため、第3ロール(4)の剥離ライン近傍にテイクオフロール(6)を設置することがより好ましい(図4参照)。
テイクオフロールは、周速度を調整できるものでも出来ないものでも構わない。好ましくは、第1ロール、第2ロール、第3ロールと独立して周速を調整できるものが選択される。テイクオフロールの周速度は、通常0.3m/分〜30m/分、最も好ましい範囲は0.5m/分〜20m/分である。テイクオフロールが周速度を調整できないものである場合、または、周速度の調整を行わない場合は、通常シートの生産性の観点から周速度が設定される。周速度が調整できるものである場合には、賦型性を高める為に、引き取りロールとの周速度比を98−125%、とすることが好ましく、更に好ましくは、100−115%、とすることが好ましい。周速度比をこの範囲より小さくすると、第3ロールからのテイクオフ性が悪くなり成形品にうねりが発生しやすくなり、本来の目的を失することとなり好ましくなく、大きくすると光学シートの外観が低下(フローマークが発生)することがあり好ましくない。
テイクオフロールは、更に、第1ロール、第2ロール、第3ロールと独立して温度調整できるものが好ましく選択される。テイクオフロールの温度の好ましい範囲は、Tg−50℃〜Tg+30℃、更に好ましくはTg−30℃〜Tg+10℃である。温度をこの範囲より低くすると、テイクオフロールと光学シートとの間でスリップ痕が発生することや成形品の反りやしわの発生が懸念され好ましくなく、高くするとシートの第3ロールからの剥離性が低下したり、成形品にうねりが発生することがある。また、テイクオフロールにシートが粘着し、板厚や面精度が低下することがあり、好ましくない。
テイクオフロールの配置位置、条件(押圧、間隔など)は、第3ロールからのシートの剥離と引き取りロールへのシートの走行が円滑になるように設置すればよく、公知の方法で調整を行うことが出来る。
第1〜第3ロールの配置の形態は図1の形態に限らず、例えば、図5の(a)〜(c)のような形態もとりうる。
また、成型ロール(第1〜第3ロール)の空間的な配置としては、垂直配置・水平配置・斜め配置・多角配置の何れを用いても良い。垂直配置の場合は、上中ロール間隙および下中ロール間隙のいずれから成形を行っても良い。
<ロールの周速度>
まず第1ロールの周速度は、ダイからの熱可塑性樹脂の吐出量と全工程を通した安定したシートの走行、そして生産性の観点から決定される。第1ロールの周速度の好ましい範囲は0.3m/分〜30m/分、最も好ましい範囲は0.5m/分〜20m/分である。
第2ロールおよび第3ロールの周速度は、各々第1ロールの周速度に対して、102〜104%、100〜110%とすることが好ましい。また、第1ロールと第2ロールの間隙(t1)、第2ロールと第3ロールの間隙(t2)に関しては、t1:t2=100:60〜100とすることが好ましく、さらに、100:70〜95とすることがより好ましい。このような設定を選択することで、賦型安定性を高めることが出来る。t1とt2の関係をこの範囲より小さくすると、第2ロールと第3ロールとの間で第2バンクが発生し易くなり、成形品にスジ状の欠陥が発生や皺が発生したり、更には板厚精度と転写性のバランスが取りにくくなることがあり、好ましくなく、大きくすると第3ロールによる押圧力が不足し、転写不十分となるおそれがあり、好ましくない。
第1ロールと同じく、第3ロール(4)の周速度Vaはダイからの熱可塑性樹脂の吐出量と全工程を通した安定したシートの走行、そして生産性の観点から決定され、引き取りロール(5a、5b)の周速度Vbは安定した表面賦型の観点から決定される。周速度Vaと周速度Vbの設定は、周速度Vbを周速度Vaの103〜130%に設定することが好ましく、より好ましくは104〜125%、さらに好ましくは、105〜120%に設定する。周速度VaとVbの設定がこの範囲外にあると、例えば103%より小さいと、シートがたるんだり、第3ロールからの剥離等が困難となってシートがロールに巻きつくこととなり、連続生産性に支障が発生する。またロール表面に形成された光学要素型の転写が不完全となり、設計通りの光学特性を有した光学シートが得られなくなるため好ましくない。また、130%より大きいと、第3ロールと引き取りロールの間のテンションが高まることにより無理な剥離が生じ、第3ロールに樹脂粕が付着して、それを基点としてシートが裂けるため好ましくない。また、ロール表面に形成された光学要素型の形状に幅方向でズレが生じてしまい、出来上がったシートの光学性能が設計通りにならなくなり好ましくない。
<ロールの温度>
図1の実施形態を選択する場合、第1〜第3ロールの温度は調節可能であり、これらの温度は本発明で使用する熱可塑性樹脂樹脂によって選択される。一般に、第1〜第3ロールは、シートを成型すると同時に、熱可塑性樹脂を冷却することを目的としている為、各ロールの温度はダイからの熱可塑性樹脂の吐出温度より低く設定される。
吐出温度はダイの温度によって調節される。本発明の場合、ダイの温度設定(Td)は好ましくは、成型を行う際に主体となる熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とすると、Tg+100℃〜Tg+150℃、更に好ましくはTg+110℃〜Tg+130℃である。
第1ロールの温度T1はTg−50℃〜Tg+20℃、更に好ましくはTg−30℃〜Tg+10℃である。第1ロールの温度がこの範囲より低いと、第3ロールでのレンズ形状の賦形性が悪くなる為好ましくない。また、第1ロールにシートが巻きつくことによる運転障害、表面の波うち、歪などの外観障害が発生するおそれが高まり、好ましくない。一方、この範囲より高いと、フローマークの発生や成形シートが第1ロールに巻きつくおそれがあるため好ましくない。また、出来上がったシートの波うち、歪、厚みが一定しないなどの外観障害による光学性能不良や、第2ロールへの外接不良によるシートの走行障害などが発生するおそれが高まり好ましくない。
第2ロールの設定温度T2はTg+20℃〜Tg+60℃、より好ましくはTg+30℃〜Tg+50℃であり、さらに好ましくはTg+40℃〜Tg+50℃である。また、賦型ロールとなる第3ロールの設定温度T3は、Tg+20℃〜Tg+60℃、より好ましくはTg+30℃〜Tg+50℃、さらに好ましくはTg+40℃〜Tg+50℃である。また、第4ロールとして上述したテイクオフロールを設置する場合には、第4ロールの設定温度T4は、Tg−50℃〜Tg+30℃とすることが好ましい。温度設定が、これらの範囲から外れた場合には、ロールにシートが巻きつくことによる運転障害や、光学要素の転写が不完全となり、さらには出来上がったシートの表面の波うち、歪などの外観障害により光学性能不良が発生するおそれが高まり好ましくない。
ロールの温度調節には、100℃以上において成形を行う場合は熱媒オイルを用いることが好ましい。尚、本発明におけるロール温度とは、測定可能なロールの温度をいう。測定可能な温度としては、ロール表面温度もしくはロールの温度調節に使う熱媒の温度があるが、オペレーションの観点から、好ましくはロールの温度調節に使う熱媒の温度が用いられる。
シートの厚みに特に制限はないが、光学シートとして使用する点から、5mm以下とすることが好ましく、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。
<ロールの形状、材質>
本発明において、第1ロール、第2ロール、第3ロールは、シートを形成する熱可塑性樹脂を成型可能な温度まで調整できるまで加熱、冷却しても変形等を生じない材料であればよく、通常は金属がよく用いられる。これらのロールは、それぞれ独立して熱媒、ヒーター等で任意の温度に調節可能であり、また、ロールの回転数もそれぞれ独立して、調整可能である必要がある。
引き取りロールは、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ロールのスリップも生じにくい材料であればどのような材料で構成されていても良い。例えば、表面をJIS K6301で規定するゴム硬度で60〜90度の材料などを採用することが出来る。ロール表面がこのようなゴム硬度の引き取りロールを使用すれば、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ロールのスリップも生じにくく、効率よくシートが製造できる。引き取りロールの表面形状は、第1、第2、第3ロールで賦型された表面形状を変形させることなく、スリップなどの走行障害もなく引き取りが出来れば、どのような形状でも構わない。ロールの回転数は、それぞれの引き取りロール、第1〜3ロールと独立で調整可能である。引き取りロールの温度は調整可能であっても構わない。引き取りロールはシート表面温度がTg以下好ましくはTg−30℃以下に設定することが好ましいが、温度調整を行わなくてもよい。なお、第3ロールと引き取りロールとの間に、シートの走行を調整するためのロールを適宜設けても良い。
続いて、本発明で製造される光学シートについて説明する。
<光学シートの熱可塑性樹脂>
本発明に係る光学シートを構成する熱可塑性樹脂は、透明なものであり且つ光学シートの主な構成要素として適度な強度を有するものであれば特に制限されない。例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリ(p−メチルスチレン)などのスチレン系樹脂;MS樹脂(メチルメタクリレートとスチレンの共重合体);ノルボルネン系樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;環構造含有重合体樹脂;これらのうち2種以上の混合樹脂などを用いることができる。好適にはポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、または環構造含有重合体樹脂を用いる。中でもポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、加工性に優れており、且つそれらのバランスがよいので光学シート用の樹脂として特に好ましい。また、環構造含有重合体樹脂は光学性能に優れているので、これもまた、光学シート用の樹脂として特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化を防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、界面重縮合法(一般名称;ホスゲン法)によって得られたポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。尚、押出機やニーダー等の樹脂を溶融処理しないポリカーボネート樹脂を直接シート押出を行うことが熱履歴による変色を防ぐことが可能な為より好ましい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
ポリカーボネート樹脂には、上記成分以外に目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、ブルーイング剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテル等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤等の添加剤を、必要に応じてその効果が発現する量を配合してもよい。
上記リン含有熱安定剤は、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止することができる。このリン含有熱安定剤の具体例としては、トリフェニルフォスファイトなどのフォスファイト系化合物、トリブチルフォスフェートなどのフォスフェート系化合物、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトなどのホスホナイト系化合物、ベンゼンホスホン酸ジメチルなどのホスホン酸エステル系化合物などが挙げられ、中でも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.001〜0.15質量部が好ましい。
さらに、ポリカーボネート樹脂には、成形時の金型からの離型性を改良する目的等で脂肪酸エステル化合物を配合することができる。かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.001〜0.5質量部が好ましい。
また、本発明の光学シートを構成する熱可塑性樹脂として、環構造含有重合体樹脂も好適に使用できる。環構造含有重合体樹脂としては、主鎖に環構造を有する熱可塑性アクリル系共重合体が好ましい。主鎖に環構造と(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造とを含む。(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造単位の含有割合と環構造の含有割合の合計は共重合体中に好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上含む。
主鎖の環構造は通常正の複屈折性を有し、(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造は弱い負の複屈折性を有するため、主鎖の環構造による正の複屈折性と(メタ)アクリレート系モノマー由来の構造による負の複屈折性とが互いに打ち消しあって延伸後も低複屈折のフィルムを得ることが可能となる。ここで、正の複屈折性とは、フィルムを構成する成分であるポリマー分子鎖が延伸させられることにより分子配向した場合に、これと同方向の屈折率が大きくなるような屈折率異方性を発現することを指す。一方、負の複屈折性とは、フィルムを構成する成分であるポリマー分子鎖が延伸させられることにより分子配向した場合に、これと同方向の屈折率が小さくなり、また同時に直交する方向の屈折率が大きくなるような屈折率異方性を発現することを指す。
環構造含有重合体樹脂を構成する(メタ)アクリレート系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレート;クロロメチル(メタ)アクリレート;2−クロロメチル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;2,3,4,5−ペンタヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート;2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。中でも、熱安定性や光学特性に優れる点で(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
環構造含有重合体樹脂を構成するのに、(メタ)アクリレート系モノマー以外のモノマーを用いてもよく、例えば、スチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリロニトリル;メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン類;酢酸ビニル;メタリルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−1−ブテンなどのアリルアルコール類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。これらの単量体は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
主鎖の環構造としては、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミドなどのN−置換マレイミドや無水マレイン酸を共重合して、N−置換マレイミド由来の環構造や無水マレイン酸由来の環構造を導入してもよいし、重合後の環化反応により、主鎖に、ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド由来の環構造などを導入してもよい。耐熱性からはN−置換マレイミド由来の環構造や、ラクトン環構造、グルタルイミド構造を有するものが好ましく、中でも、低着色で光学特性が優れている点などから、主鎖にラクトン環構造を持つものが特に好ましい。
主鎖に環構造を有する熱可塑性アクリル系共重合体の製法は公知の製法を適用出来る。例えば、ラクトン環構造を含有するアクリル樹脂の製法については、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報や特開2007−63541号公報に記載されている。また、N−置換マレイミドを共重合した熱可塑性アクリル系共重合体およびグルタル酸無水物構造やグルタルイミド構造を含有する熱可塑性アクリル系共重合体については、特開2007−31537号公報、WO2007/26659号公報やWO2005/108438号公報などに記載の製法を用いればよい。
主鎖のラクトン環構造に関しては、4〜8員環でもよいが、構造の安定性から5〜6員環の方がより好ましく、6員環が更に好ましい。また、主鎖のラクトン環構造が6員環である場合、一般式(1)や特開2004−168882号公報で表される構造などが挙げられるが、主鎖にラクトン環構造を導入する前の重合体を合成する上において重合収率が高い点や、ラクトン環構造の含有割合の高い重合体を得易い点、更にメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリレートとの共重合性が良い点で、下記一般式(1)で表される構造であることが好ましい。
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいても良い。)
環構造の含有割合は、共重合体中に好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜15質量%、特に好ましくは5〜12質量%、最も好ましくは5〜10質量%である。環構造の含有割合が15質量%よりも多いと、正の複屈折性が高くなるため、好ましくない。前記環構造を有することにより、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が向上する。
上記熱可塑性アクリル系共重合体のTgは110℃以上が好ましい。より好ましくは115℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。Tgの上限は特に限定されないが、成形性からは200℃以下が好ましい。また、熱可塑性アクリル系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜300,000、より好ましくは50,000〜300,000、更に好ましくは100,000〜250,000、特に好ましくは、120,000〜200,000である。
<光学シートの性能調整>
本発明の光学シートの厚みに特に制限はないが、光学シートとして使用する点から、5mm以下とすることが好ましく、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。また、透明樹脂のみで構成されていても良いが、光拡散性を調整する為に、光拡散層を設けても良い。光拡散層は、光学シート全体、レンズ部のみ、レンズ部以外全体、出光面表層のみ、入光面表層のみあるいは、中間層に均一、あるいはランダムに分散させてよい。光拡散層は、光拡散性の粒子が熱可塑性樹脂中に分散されているものであり、光を所定の方向に拡散させる。
光拡散層の厚さは光学シートの厚みに応じて、適宜調整することができ特に制限されないが、通常は0.005mm以上、5mm以下程度とすることができる。0.005mm未満であると光拡散作用が十分に発揮できなく、5mmを超えると本発明の光学シートの厚みの上限値を超え、装置全体をコンパクトにできないおそれがあるからである。
<光拡散性粒子>
本発明の光学シートは、光拡散性粒子を有するものであってもよい。光拡散性粒子の材質としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体などの合成樹脂;ガラス;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物;などが挙げられる。これらの材質のうち、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、シリカが特に好適である。
光拡散性粒子の使用量は、光学シートを構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上、20質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上、10質量部以下である。使用量が0.005質量部未満であると、光学シートに入射した光が微粒子を入れた期待効果を発揮するほど充分には拡散されないことがある。逆に、使用量が20質量部を超えると、光学シートの押出成形が困難になることや、透過する光量が減少し、輝度が低下することがある。尚、光拡散性粒子を有する光拡散層を本発明の光学シートの一部とする積層構造としてもよい。このとき、上記好適使用量は、光拡散層中での好適使用量となる。光拡散層の熱可塑性樹脂は、光拡散層以外の光学シートを構成する熱可塑性樹脂と同一であっても、異なっていてもよい。
光拡散性粒子としてラジカル重合により得られる有機微粒子を用いる場合には、微粒子の原料モノマーとして、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類;スチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレンなどのスチレン類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのマレイミド類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリルなどのアクリロニトリル類;N−ビニルピロリドン;の1種、或いはこれらのうち2種以上を混合して用いることができる。
また、光拡散性粒子としてラジカル重合により得られる架橋有機微粒子を用いる場合には、上記モノマーに加え、架橋のための原料モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビスヒドロキシエチルビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;ジビニロキシエトキシ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどのラジカル重合性架橋剤;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの多官能エポキシ化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの多官能イソシアネート化合物;N−メチロールメラミン、N−メチロールベンゾグアナミンなどの多官能メチロール化合物;の1種、或いはこれらのうち2種以上を混合して用いることができる。
上記光拡散性粒子の屈折率は、光学シートまたは光拡散層を構成する熱可塑性樹脂の屈折率とは異なるものとする。同一の屈折率を有する有機微粒子を用いると光は屈折されず、輝度の均整度を十分に高めることはできない。しかしその一方で、樹脂の屈折率は種類により異なるので、光拡散性粒子を構成する樹脂と熱可塑性樹脂との種類を異なるものにすればよい。また、粒子の選択として、架橋性の粒子と、そうでない粒子を混合して使用することも出来る。
本発明の光拡散性粒子または光学シートを構成する熱可塑性樹脂には、さらに酸化防止剤を配合してもよい。酸化防止剤は加熱成形時における酸化や劣化による光学シートや光拡散性粒子の着色を抑制することができるので、本発明の光学シートを適用した光源ユニットの輝度をより確実に発揮せしめることができる。
酸化防止剤としては従来公知のものを用いることができる。例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]やオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−1−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトやトリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミンなどのリン系酸化防止剤;芳香環を有するものとして、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など、芳香環を有さないものとして、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などの硫黄系酸化防止剤;3−ヒドロキシ−5,7−ジ−t−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物などのラクトン系酸化防止剤;還元型牛脂を原料としたアルキルアミンの酸化生成物などのヒドロキシルアミン系酸化防止剤;3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オールなどのビタミンE系酸化防止剤などを使用できる。
酸化防止剤の使用量は適宜調整すればよいが、通常、熱可塑性樹脂または光拡散性粒子100質量部に対して、0.05質量部以上、0.3質量部以下程度添加すればよい。
<光学シートの光学要素>
本発明の光学シートの少なくとも一方の表面には、光学要素としてレンズ群が形成されている。本発明におけるレンズとは、プリズムのように1個1個が独立したレンズや、ある程度の長さと、二等辺三角形、不等辺三角形、楕円形の一部分、円の一部分、放物曲線で囲まれた一部分、あるいはこれらの形状の複合化したものといった断面形状を有する略畝状レンズが挙げられ、入射光を一定の視野各内に拡散または集光できるレンズをいう。なお、略畝状レンズとは、シート長手方向(引き取り方向)に上記断面形状が連続して伸びるレンズである。
1個1個が独立したレンズの場合、1個のレンズ形状は、光をシート幅方向(シート長手方向に直交する方向)へ拡散できるものであれば特に制限されないが、プリズム(四角錐:ピラミッド)に限られず、三角錐、五角錐、六角錐、円錐等の錐体状レンズ、あるいはこれらの錐体の頂点近傍を底面に平行な面で切断したような台錐、半球、ラグビーボールを長軸に沿って切断したような半扁球等が挙げられる。1個1個が独立したレンズの場合、各レンズが光学シートの長手方向に略平行に配設されるように、賦型ロールの表面加工を行うことが好ましい。
また、略畝状レンズの断面形状も、光をシート幅方向(シート長手方向に直交する方向)へ拡散できるものであれば特に制限されないが、例えば二等辺三角形、不等辺三角形、円の一部分、楕円の一部分、放物線形、下部が長方形で上部が半円の形などを挙げることができる(図6参照)。二等辺三角形の頂角は60°以上、120°以下とすることができる。また、円の一部分の中心角は180°とは限らず、光を一定方向に拡散できるように調整すればよい。
各々のレンズは必ずしも同じ形状である必要はなく、図7のように、頂部の高さおよびまたは谷部の深さが異なっていてもよいし、それらの異なり具合がある間隔で周期的であっても構わない。それぞれの光学設計に基づき、光学要素が正確に表面賦型されればよい。
前記の通り、設計した光学性能により、光学要素の頂部と谷部が一定の高さ、深さを持っていないこともあるが、光学要素は、ある程度の微細な形状が正確に転写され、シート表面に賦型がなされないと高い光学性能を発揮しない。本発明の正確な転写効果が現れる表面形状とは、レンズの形状、配列において、頂部と頂部の平均間隙、あるいは谷部と谷部の平均間隙(いわゆるレンズピッチ)は10〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは30〜160μmの範囲であり、この設定が正確にシートに転写されることで光学性能の均一性を高めることができる。また、頂部から、その両隣の谷部を結ぶ直線へ下ろした垂線の長さ(いわゆるレンズ高さ)の平均値は、頂部と頂部の平均間隙、あるいは谷部と谷部の平均間隙に対して、0.2:1.0〜0.8:1.0の範囲が好ましく、0.3:1.0〜0.7:1.0の範囲が光学特性を高める上でより好ましい。
本発明の光学シートの少なくとも一方の表面には、複数のレンズが形成されている。隣り合うレンズ同士の間は、間隔を空けてもよいが、好適には光拡散効率を高めるために間隔を空けず隣接させる。また、レンズは光学シートの全長に形成してもよいが、他の部材と固定するために、端部は平面のままにしてもよい。
レンズを構成する樹脂は、光学シートを構成する樹脂と同様のものを用いることができ、レンズ部とレンズ部以外の樹脂は異なるものであってもよいが、通常は同一の樹脂とする。なお、レンズを構成する熱可塑性樹脂中にも、光拡散層に分散しているものと同様の前記光拡散性粒子(架橋有機微粒子など)が分散されていてもよい。当該光拡散性粒子(架橋有機微粒子など)の長軸方向は、光学シートの長手方向と略同一であるのが好ましい。ものとする。
<光学シートの光学要素以外の機能付与>
本発明の光学シートでは、紫外線吸収剤・帯電防止剤・滑剤・近赤外線吸収剤を本発明の主旨を損なわない範囲で用いることができる。特に、光源側に設定される面において、紫外線吸収剤を含む層、帯電防止剤を含む層、或いは紫外線吸収剤含有層と帯電防止剤含有層の両方が形成されていていることが好ましい。即ち、光学シート(光拡散層)の少なくとも片面側に光分散作用以外の作用を有する層が形成されていてもよい。紫外線吸収剤含有層は、少なくとも、第一の光学シートの光源対向面側に設けることが好ましいが、様々な光源装置の設置環境や部材の保存環境における機能の保持、延命の観点からは、両表面に設けてもよい。同様に、帯電防止剤含有層は第一光学シートの片面にのみ設けても、両面に設けても構わない。また第一光学シート全体が帯電防止剤含有層や紫外線吸収剤含有層であってもよい。これらの光拡散機能とは異なる機能を有する層は、発光体から発せられる紫外線を低減して光学シートの着色を抑制したり、また、帯電を抑制して粉塵の付着による輝度低下を抑制したり、電子デバイスの寿命を延ばしたりするといった機能を本発明の光学シートに付与するものである。
紫外線吸収剤と帯電防止剤としては従来公知のものを使用することができる。例えば紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;環状イミノエステル型紫外線吸収剤;分子内にヒンダードフェノール構造とヒンダードアミン構造を有するハイブリッド系紫外線吸収剤;トリフェニルシアノアクリレート系紫外線吸収剤;シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤;などの低分子紫外線吸収剤や、これら低分子紫外線吸収剤が高分子に懸垂するような形で結合している高分子紫外線吸収剤(例えば、日本触媒社製のハルスハイブリッド(登録商標)など)を用いることができる。中でもトリフェニルシアノアクリレート系紫外線吸収剤;シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤が可視光線領域における光の吸収が少ない為好適である。ポリカーボネート樹脂に用いる場合は、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤やマロン酸エステル系紫外線吸収剤が更に好適である。
帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸や、それらのLi、Na、Ca、Mg、Zn塩などのオレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩;高級アルコールのリン酸エステル類などのアニオン界面活性剤;第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などのカチオン界面活性剤;アルキルアミン系ベタインの両性塩、カルボン酸アラニンまたはスルホン酸アラニンの両性塩、アルキルイミダゾリンの両性塩などの両性界面活性剤;脂肪酸多価アルコールエステル、アルキル(アミン)のポリオキシエチレン付加物などの非イオン界面活性剤;ポリエーテルエステルアミドやポリエステルアミドなどのポリアミドエラストマーなどを用いることができる。また、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂やポリアクリル酸型カチオン樹脂などの導電性樹脂も帯電防止剤として用いることができる。
紫外線吸収剤および帯電防止剤の使用量は各機能に応じて適宜調整することができるが、通常、各層を構成する樹脂100質量部に対して1〜50質量部程度である。これらの光拡散機能と異なる機能を有する層は、光拡散層と同様の熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤や帯電防止剤を均一分散させたシートを、熱圧着や接着剤で光学シート上などに接着すればよい。あるいは、紫外線吸収剤などを含むペーストを光学シート上に塗布した上で乾燥または冷却してもよい。また、光拡散剤を配合した熱可塑性樹脂と、紫外線吸収剤や帯電防止剤を配合した熱可塑性樹脂を共押出成型してもよい。これらの層の厚さは各機能などに合わせて適宜調整すればよいが、通常、1〜50μm程度にすることができる。
本発明の光学シートの大きさや形状は特に制限されず、例えば液晶ディスプレイ装置の大きさや形状に合わせればよい。そのようにすれば、優れた光学特性を持つ光源ユニットを構成することができる。また、本発明の光源ユニットを通常の方法にて液晶パネルと組み合わせる事により、光学性能にすぐれた液晶ディスプレイ装置を構成することが出来る。
<実施例について>
<製造例1>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロン(登録商標)E2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ガラス転移点(Tg)=150℃)100部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス(登録商標)168」:チバ・ジャパン社製)0.1部、オキサゾール系蛍光増白剤(「ユビテックス(登録商標)OB」:チバ・ジャパン社製)0.003部とを、ベントとギアポンプ付きで、3本のロールを図1の構成で有するシート押出機に供給し、押出機出口温度265℃、第1ロール温度140℃、第2ロール温度188℃、第3ロール温度193℃で、ダイス幅1150mm、厚さ1.2mmの光学シートの押出成形を行った。なお第1・第2ロールは鏡面フラットロールを使用し、第3ロールはレンズピッチが100ミクロン、レンズ高さが50ミクロンの略楕円畝状レンズが賦型出来るように彫刻されたロール(レンズ稜線の方向がロールの回転方向に対し平行となるように彫刻)を使用した。第3ロールの周速は2.0m/分、引き取りロールの周速は2.06m/分として、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例2>
引き取りロールの周速を2.6m/分とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例3>
引き取りロールの周速を2.3m/分とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例4>
第1ロール温度125℃、第2ロール温度197℃、第3ロール温度193℃とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例5>
第1ロール温度135℃、第2ロール温度191℃、第3ロール温度191℃とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例6>
引き取りロールの周速を2.3m/分、第1ロール温度135℃、第2ロール温度191℃、第3ロール温度191℃とし、第3ロールと引き取りロールの間に、温度を調節せず、周速度も調節しないテイクオフロールを設置した以外は、すべて製造例3と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例7>
テイクオフロールの温度を130℃とした以外は、すべて製造例6と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例8>
テイクオフロールの周速度を2.3m/分とした以外は、すべて製造例7と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例9>
第2ロールにマットロール(算術表面粗さRa=4.0μm)を使用した以外は、すべて製造例4と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<製造例10>
第2ロールにエンボスロール(算術表面粗さRa=0.25μm)を使用した以外は、すべて製造例4と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<比較製造例1>
引き取りロールの周速を2.0m/分とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<比較製造例2>
引き取りロールの周速を2.8m/分とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<比較製造例3>
引き取りロールの周速を3.0m/分とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<参考製造例1>
第1・第3ロールは鏡面ロールを使用し、第2ロールにレンズピッチが100ミクロン、レンズ高さが60ミクロンの略楕円畝状レンズが賦型出来るように彫刻されたロール(レンズ稜線の方向がロールの回転方向に対し平行となるように彫刻)を使用した以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<参考製造例2>
第1ロール温度155℃、第2ロール温度210℃、第3ロール温度210℃とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<参考製造例3>
第1ロール温度125℃、第2ロール温度145℃、第3ロール温度165℃とした以外は、すべて製造例1と同一条件で、光学シートを製造するための運転を行った。
<運転について>
6時間の連続運転について、最初の設定条件から微調整をくわえずに安定運転が出来たものを○、微調整を加えて安定運転が可能だったものを△、微調整を加えるまでもなく運転障害が出て止まってしまったものを×として評価した。結果は表1にまとめた。
<賦型率について>
賦型率の測定は、得られた光学シートの幅方向の中心部分でレンズピッチ及びレンズ高さをSEM撮影により測定し、光学シートのレンズ高さ/レンズピッチを算出し、その値を金型(彫刻)ロールのレンズ高さ/レンズピッチで除することにより行った。例えば実施例1により得られた光学シートのレンズピッチは98.5ミクロン、レンズ高さは48.3ミクロンであり、金型(彫刻)ロールのレンズピッチは100ミクロン、レンズ高さは50ミクロンであるから、(賦型率)=(48.3/98.5)×100/(50/100)=98(%)となる。この値が100に近いほど賦型性が良いと判断される。結果は表1にまとめた。
<均一性について>
均一性の測定は、得られた光学シートの幅方向に9ポイントのサンプルを採取し、それぞれのレンズピッチをSEM撮影により測定し、最小値/最大値の比を測定することにより行った。例えば実施例1により得られた光学シートの最小レンズピッチは98.0ミクロン、最大レンズピッチは99.2ミクロンであるので、(均一性)=(98.0/99.2)×100=99(%)となる。この値が100に近いほど賦型性が良いと判断される。結果は表1にまとめた。
<厚み精度について>
厚みの測定は、得られた光学シート原板のTD(Transverse Direction:横軸:幅方向)方向について、センター、センターの左右25cm、及びセンターの左右50cmの計5箇所の厚みをマイクロメータを用いて測定し、最大厚みと最小厚みの差を求め、それを5箇所の厚みの平均値で除する事により行った。例えば、実施例1により得られた光学シートの最大厚みと最小厚みの差は0.03mm、5箇所の厚みの平均値は1.19mmであるから、(厚み精度)=(0.03/1.19)×100=2.5(%)となる。この値が小さいほど、厚み精度は良いと判断される。結果は表1にまとめた。
<反りについて>
得られた光学シート原板から切出された1000mm×1000mmのシートを気温23℃−湿度60%の室内に設置された定盤の上に1h放置した後に、水平に置いた状態で、定盤との隙間(反り)をゲージで測定した。反りが2mm未満のものを○、2mm以上3mm未満のものを△、3mm以上あるものは×とする。
<光学性能について>
光学性能は、以下の方法にて測定した。(株)日立製作所製の薄型液晶テレビ(WOOO UT−32−HV700)に装着されているバックライト部分を取り出し、輝度測定用の光源とした。製造例及び比較製造例により得られた各光学シートを前記光源に組み込み可能な大きさにカットし(※略楕円畝状レンズの稜線方向はシートの長辺方向と平行になる方向;すなわちバックライトの冷陰極管と略楕円畝状レンズの稜線が平行となる方向)、レンズ面が光源と反対向きとなるようにしてバックライトに装着した。その上に、32インチサイズのプリズムシート(UTE−30;MN Tech社製)を1枚、マイクロレンズシート(UTE−21;MN Tech社製)1枚を、いずれもレンズ面が光源と反対向きとなるように拡散板上に配設した。
ついで冷陰極管を点灯し、甲:冷陰極管の真上の輝度と、乙:冷陰極管と冷陰極管の間の輝度について、トプコン製色彩輝度計(BM−7)を用いて測定した。雰囲気の温度は25℃、湿度は60%RHとし、測定距離は冷陰極管から50cm(バックライト面に対して法線方向の距離)とし、視野角は0.2°にて実施した。なお輝度及び輝度ムラは、下記式により算出した。結果は表1にまとめた。
輝度=(甲+乙)/2
輝度ムラ(%)=|甲−乙|*100/輝度
本発明により、本来の設計性能を充分に発揮する表面形状付光学シートを効率よく製造することが出来る。また、このようにして製造された本発明の光学シートは、ロール表面の賦型が光学的設計どおりに転写される為、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。また、その光学シートを用いた光源ユニット、表示装置も優れた性能を発揮する。
1:ダイ
2:第1ロール
3:第2ロール
4:第3ロール(表面賦型ロール)
5a:引き取りロールa
5b:引き取りロールb
6:テイクオフロール

Claims (6)

  1. 光学要素がシートに賦型されるように表面加工された賦型ロールを用いて表面賦型される光学シートの製造方法において、賦型ロールの周速度をVaとし、引き取りロール(ドローロール)の周速度をVbとしたとき、周速度Vbを周速度Vaの103〜130%にすることを特徴とする光学シートの製造方法。
  2. 光学要素が、引き取り方向と略平行に賦型され、かつ、横断面が凸状または凸弧状の頂部と横断面が凹状または凹弧状の谷部とが交互に略平行に多数配列された略畝状光学要素である請求項1記載の光学シートの製造方法。
  3. 略畝状光学要素の頂部と頂部の間隔、あるいは谷部と谷部の間隔が、200μm以下である請求項2に記載の光学シートの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で作製されたことを特徴とする光学シート。
  5. 請求項4記載の光学シートを用いたことを特徴とする光源ユニット。
  6. 請求項5記載の光源ユニットを用いたことを特徴とする表示装置。
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