JP5468415B2 - 微細な凹凸形状を有する熱可塑性樹脂シートの製造方法、光学シート。 - Google Patents

微細な凹凸形状を有する熱可塑性樹脂シートの製造方法、光学シート。 Download PDF

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Description

本発明は機能性を発揮する為の精密な表面形状を持つ熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。また、その製造方法で製造された精密な表面形状がその性能に著しく影響を及ぼす光学シートに関するものである。
熱可塑性樹脂は重量、加工のし易さなどの観点から、木材、金属、ガラス等の代替材料として広く使用されている。特にシート材は、従来、木材、金属等が利用されていた屋根材、外壁材などの外装材料、天板、内壁材などの内装材料、屋外の看板などの材料として、広く使用されている。この中でも透明熱可塑性樹脂成形品およびそのシート材はガラスに代わる材料として利用されている。中でもポリカーボネート樹脂およびそのシート材料は耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れているため、透光性材料として採光部材などの建材用途、自動車窓用の耐衝撃透明材用途、フラットパネル表示装置や電子情報機器の光学部材などに広く使用されている。
このような熱可塑性樹脂シートの表面は、光沢のある平滑なもの以外に、微細な不規則な凹凸パターンを有するものや、2次元的、3次元的に規則性のある凹凸パターンを有するものが挙げられ、押出成形時に転写ロールを利用して連続的に賦型することが一般的である。
これらのシート表面の微細凹凸形状は、微細凹凸形状に基づく設計性能が充分に発現するよう、外周面上に該凹凸形状の反転形状が形成された金属製ロールに、溶融して軟化状態の熱可塑性樹脂シートを導き、該ロールの凹凸パターンをシートに転写することにより賦型される。具体的な開示の例としては下記の特許文献が挙げられる。
特許文献1には、押出される熱可塑性樹脂の温度を調整する事により全体として波うちや厚みムラ、皺等の外観不良が無い光学シートの製造方法が開示されている。
特許文献2には、押出成形により少なくとも片面を表面賦型される表面賦型樹脂シートの製造方法において、ダイの温度や表面賦型直前の樹脂温度を調整することで正確な凹凸を賦型する事が可能であることが開示されている。
特許文献3には、押出成形により両面エンボス加工を施すポリカーボネート樹脂シートの製造方法において、ダイの温度、第1と第2のエンボスロールの温度を調節する事により、両面に表面賦型が効率よく転写できることが開示されている。
また、特許文献4には複数のロールを利用した表面賦型の施されない熱可塑性樹脂シートの製造方法において、第2ロールと第3ロールの周速度を調整する事により厚みムラやレタデーションのバラツキが少なくなり、光学的に好適なシートが得られることが開示されている。
特許文献5にはダイから吐出後の熱可塑性樹脂が、第1ロール(ニップロール)に隣接する第2ロール(型ロール)の周速度と、続いて接触する第3ロール(剥離ロール)の下流に設けられた、巻取りロール(ドローローラ)の周速度を調整する事により、効率よく表面賦型が可能となり、シート全体の反りが解消され光学的に好適なシートが得られることが開示されている。
特許文献6には、ダイから吐出後の熱可塑性樹脂が、第1ロール(鏡面ロール)の周速度と、続いて接触する第2ロール(型付けロール)の周速度を調整する事と、更に第3ロールに鏡面ロールを設定するより、効率よく微細な表面賦型が可能となることが開示されている。
特開2003−245966号公報 特開平10−180846号公報 特開平6−190917号公報 特開2003−236914号公報 特開2007−216481号公報 特開2006−130901号公報
しかしながら、近年の液晶フラットパネルディスプレイの光源ユニット部材に用いられる、高輝度で高輝度均整度を達成するために必須となる微細で、高度な寸法精度再現性を有する表面凹凸形状(例えば、数十ミクロンから数百ミクロン単位のマイクロレンズアレイ)を有する熱可塑性樹脂シートの押出機による連続生産は、特許文献1〜3に記載されている押出成型中の熱可塑性樹脂の樹脂温度を調整する解決手段や、特許文献4〜6に記載されている内容での押出成型時のロールの周速を調整する方法では、達成不可能である。また、単純にこれらの開示内容を単純に組み合わせて実施しても、その工程では安定して高賦型率、高厚み精度の樹脂シートをえることが不可能であり、それを利用した光学シートの開発が不可能であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の従来技術の問題を解決し、本来の設計性能を充分に発揮する微細な凹凸形状付熱可塑性樹脂シートの製造方法の提供を目的とする。またこのような製造方法で作成した光学シートの提供を目的とする。
本発明は前記目的を達成するための第1の実施形態として、熱可塑性樹脂を押出機のダイより連続的に溶融状態のシート状に押出し、第1ロールと第2ロール間で圧延した後、第3ロールにより表面に複数の凹凸形状を賦型する凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートの製造方法において、第1ロール、第2ロール、第3ロールの温度を、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、各々順番に、Tg−50℃〜Tg+20℃、Tg+20℃〜Tg+60℃、Tg+30℃〜Tg+70℃に設定し、かつ第3ロールの周速度Vを第2ロールの周速度Vの93%〜100%に設定することを特徴とする製造方法を提供する。
また、第2の実施形態として、前記第1の実施形態において、シート表面に賦型される複数の凹凸形状の底面積が10〜10μm2であり、かつ底面から最高部または最深部までの高低差が10〜1000μmである凹凸パターンを賦型することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。
第3の実施形態として、前記第1、2の実施形態において、シート表面に賦型される複数の凹凸形状の底面積に対する底面から最高部または最深部までの高低差の割合が、1%〜300%である凹凸パターンを賦型することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。第4の実施形態として、前記第1、2、3の実施形態において、第3ロールにおけるシート剥離ゾーン近傍に、第3ロールに対峙するように第4ロールとしてテイクオフロールを設置することを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。第5の実施形態として、前記第四の実施形態において、テイクオフロールの温度がTg−50℃〜Tg+30℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する。
このようにして製造された熱可塑性樹脂シートは、シート表面に再現性よく設計どおりの微細な凹凸形状が賦型できるため、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。
以上説明したように、本発明によれば、本来の設計性能を充分に発揮する微細な凹凸形状付熱可塑性樹脂シートを効率よく製造することが出来る。また、このようにして製造された本発明の熱可塑性樹脂シートは表面の賦型が光学的設計どおりに転写されるため、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。
従来の押出成形による樹脂シートの製造工程の説明図である。 本発明の押出成形による樹脂シートの製造工程の一例の説明図である。 本発明の押出成形による樹脂シートの製造工程の一例の説明図である。 図2、図3のロール群が取り得る配置形態を示す説明図である。
1:ダイ
2:第1ロール
3:第2ロール
4:第3ロール
5a:巻取りロールa
5b:巻取りロールb
6:テイクオフロール
A:表面賦型ロール
B:巻取りロール
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は機能性を発揮するための精密な凹凸形状を少なくとも片面に備える熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
本発明の熱可塑性樹脂シート(本発明では「シート」と「フィルム」とは同義で用い、共に厚みが0.05〜10mmの樹脂成形体を指す。以下、統一して「シート」と記す。)の製造方法は、従来、シートの製造に用いられている熱可塑性樹脂のいずれにも適用できる。
<工程と装置の基本構成>
本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法は、押出機から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第1ロール及び第2ロールの2本のロールの間隙を通過させ、圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を得る工程と、前記圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、そのまま第2ロールに、次いで3本目の第3ロールに順に外接させて移送する工程と、続いてシート状溶融熱可塑性樹脂を巻取りロールにより巻き取る工程を有する製造方法を好ましく採用することができる。
本発明に用いる押出機としては、単軸タイプ、二軸タイプ、二軸以上の多軸タイプの何れを用いてもよい。重合時のオリゴマーや成形時に発生する低分子化合物および成形機内に溶存している酸素・水分等を取り除く為にベントを設けることが好ましい。尚、ベントの真空度としては500ヘクトパスカル以下が好ましく、より好ましくは200ヘクトパスカル以下である。尚、厚み精度や微細な凹凸形状の賦形の観点から溶融混練した材料を定量的に吐出する為にギアポンプを設けることが好ましい。熱可塑性樹脂シート表面に紫外線吸収や帯電防止等機能を付与することを目的として多層化する場合には多層の押出装置を設けることができる。多層化に際しては、フィードブロック方式およびマルチマニホールド方式の何れを用いてもよい。尚、多層用に用いる押出機は前述のものを好適に用いることができる。Tダイとしては、チョークバー方式を用いることが、連続生産時における安定性を確保する上で必須となる。尚、厚み精度の観点からネジ式ベンディングリップやヒートボルト式ベンディングリップを用いることが好ましい。オンライン厚み測定機やバンクモニター等からフィードバックされるヒートボルト式ベンディングリップ付きの自動Tダイを用いることも可能である。
<ロール配置>
前記実施形態を本発明の図2を例に、本発明のロールの配置について説明する。図2は押出機のダイ(1)から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第1ロール(2)及び第2ロール(3)の2本のロールの間隙を通過させ、圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を得る工程と前記圧延されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、そのまま第2ロール(3)に、次いで3本目の第3ロール(4)に順に外接させて移送する工程と、続いて表面賦型されたシート状溶融熱可塑性樹脂を第3ロール(4)から剥離、移送するための巻取りロール(5a、5b)を有する製造方法を示している。
第1ロール(2)は、シートの厚みを決める為の重要なロールであるので、表面加工されたロールではなく鏡面ロールが好ましく用いられる。また、線圧の影響を受け厚み精度が不十分な場合は太鼓型のクラウニングロールを用いることができる。第2ロール(3)は平滑面を作成するための鏡面ロール、マット、エンボスなどを転写する為のエンボスロール、さらに必要に応じて第3ロールでの厳密な賦型を必要としないレベルの凹凸形状やシリンドリカルな光学要素を賦型するためのロールのうち、いずれか一つが選択される。
第3ロール(4)は微細な凹凸形状がシートに賦型されるように表面加工された凹凸形状賦型ロールであり、本ロールの表面には転写により、熱可塑性樹脂シート表面に、底面積が10〜10μmm2であり、かつ底面から最高部または最深部までの高低差が10〜1000μmの凹凸パターンを賦型するための反転形状が彫刻されている。
微細な凹凸形状が賦型された熱可塑性樹脂シートが、第3ロールからより円滑に剥離をさせるため、図3に示すように、剥離ライン近傍手前に第4ロールとしてテイクオフロールを設置することがより好ましい。本発明においては、微細な凹凸形状を高賦型率でシート表面に転写させるために、冷却ロールの最後となる第3ロールを用いており、しかもこの第3ロール温度をシート材料として用いる熱可塑性樹脂のTgに対して、Tg+30℃〜Tg+70℃という通常の凹凸形状の賦型条件に比べ、かなり高温に設定することを必須要件の一つとしているが、賦型されたシートが円滑に第3ロールから剥離し巻取りロールへ移動していくために、テイクオフロールを用いて賦型完了後速やかに粘着性が低下する温度までシート温度を冷却することが望ましい。
したがって、テイクオフロールの温度はTg−50℃〜Tg+30℃に設定することが好ましい。また、テイクオフロールは、周速度を調整できるものでも出来ないものでも構わない。好ましくは、第1ロール、第2ロール、第3ロールと独立し周速を調整できるものが選択される。テイクオフロールの周速度は、通常0.3m/分〜30m/分、最も好ましい範囲は0.5m/分〜20m/分である。
テイクオフロールが周速度を調整できないものである場合、または、周速度の調整を行わない場合は、通常シートの生産性の観点から周速度が設定される。テイクオフロールの配置位置、条件(押圧、間隔など)は、第3ロールからのシートの剥離と巻取りロールへのシートの走行が円滑になるように設置すればよく、公知の方法で調整を行うことができ、剥離ラインから第3ロールの8分の1周以内手前で熱可塑性シートを介して第3ロールに対峙させることが好ましい。巻取りロールの設定位置は、巻取りロール接触時にシートの変形や、賦型された微細な凹凸形状の変形が生じない程度に充分冷却された後であれば、どこに設定しても構わず、シート全体に反りや波うちなどの外観不良の変形が起こらない位置に設定すればよい。
第1〜第3ロールの配置の形態は図1の形態に限らず、例えば、図5の(a)〜(c)のような形態もとりうる。
また、成型ロールの空間的な配置としては、垂直配置・水平配置・斜め配置・多角配置の何れを用いても良い。垂直配置に関しては、上中ロール間隙および下中ロール間隙のいずれから成形を行っても良い。
<ロールの周速度>
まず第1ロールの周速度は、ダイからの熱可塑性樹脂の吐出量と全工程を通した安定したシートの走行、そして生産性の観点から決定される。第1ロールの周速度の好ましい範囲は0.3m/分〜30m/分、最も好ましい範囲は0.5m/分〜20m/分である。また、第2ロールの周速度Vを100%とした際の第1ロールの周速度Vは90%〜105%の範囲に設定することが好ましい。更に好ましくは95%〜102%である。周速度がこの範囲よりも遅い場合、成形品に皺が入り易くなり好ましくない。また、早い場合は、第1ロールに巻きつく可能性が高くなるため好ましくない。
第3ロールの周速度Vは、第2ロールの周速度V対して、93〜100%とすることが必須である。93%未満では第2ロールと第3ロールとの間で第2バンクが発生し易くなり、成形品にスジ状欠陥の発生や皺が発生更には板厚精度と転写性のバランスが取り難くなり好ましくない。一方、100%を超えると、転写率が低下して賦型された凹凸形状では設計通りの特性が得られ難くなる、また第2ロールの汚れが顕著になりシートの生産性が低下する。このような理由から、より好ましいVに対するVの割合は、94.0%〜100%であり、さらに好ましくは、95.0%〜99.9%である。
<ロールの温度>
図1の実施形態を選択する場合、第1〜第3ロールの温度は調節可能である。本発明で使用する熱可塑性樹脂樹脂によって選択される。一般に、第1〜第3ロールはシートを成型すると同時に、熱可塑性樹脂を冷却することを目的としている為、各ロールの温度はダイからの熱可塑性樹脂の吐出温度より小さく設定される。
吐出温度は押出機温度やダイの温度等によって調節される。本発明の場合、ダイの温度設定(Td)は好ましくは、成型を行う際に主体となる熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とすると、Tg+100℃〜Tg+150℃、更に好ましくはTg+110℃〜Tg+140℃である。この温度よりも低い場合は、熱可塑性樹脂の円滑な吐出が困難となる。逆に高い場合は、成形品にフローマークの発生や皺が入り易くなり好ましくない。
第1ロールの温度T1はTg−50℃〜Tg+20℃、更に好ましくはTg−30℃〜Tg+10℃である。第1ロールの温度がこの範囲より低いと、第3ロールでの微細な凹凸形状の賦型性が悪くなるため好ましくない。また、この範囲より高くなると第1ロールにシートが巻きつくことによる運転障害、表面の波うち、歪、厚みが一定しないなどの外観障害による光学性能不良が発生するおそれが高まり好ましくない。
第2ロールの設定温度T2はTg+20℃〜Tg+60℃、より好ましくはTg+30℃〜Tg+50℃であり、さらに好ましくはTg+40℃〜Tg+50℃である。また、微細な凹凸形状が熱可塑性樹脂シートに賦型されるように表面加工された賦型ロールとなる第3ロールの設定温度T3は、Tg+30℃〜Tg+70℃、より好ましくはTg+35℃〜Tg+65℃、さらに好ましくはTg+40℃〜Tg+60℃である。第2ロール温度がこの範囲より低くなると、微細な凹凸形状の賦型性が低下し好ましくなく、一方、この範囲より高くなるとシートが第3ロールに巻きつく恐れが高まり、安定的な微細な凹凸形状が賦型されたシートの生産性に低下をきたす。また、第4ロールとして上述したテイクオフロールを設置する場合には、第1ロール、第2ロール、第3ロールと独立して温度調整できるものが好ましく選択される。テイクオフロールの温度T4の好ましい範囲は、Tg−50℃〜Tg+30℃、更に好ましくはTg−30℃〜Tg+10℃である。温度をこの範囲より低くすると、テイクオフロールと熱可塑性樹脂シートとの間でスリップ痕が発生することや成形品の反りやしわの発生が懸念されるため好ましくなく、一方、高くすると第3ロールからのシートの冷却による剥離効果が小さくなり、板厚や微細な凹凸形状の賦型精度が低下をきたすため好ましくない。
ロールの温度調整には、100℃以上において成形を行う場合は熱媒オイルを用いることが好ましい。尚、本発明におけるロール温度とは、測定可能なロールの温度をいう。測定可能な温度としては、ロール表面温度もしくはロールの温度調節に使う熱媒の温度があるが、オペレーションの観点から、好ましくはロールの温度調節に使う熱媒の温度が用いられる。
<ロールの形状、材質>
本発明において、第1ロール、第2ロール、第3ロール、さらには第4ロールであるテイクオフロールは、シートを形成する熱可塑性樹脂を成型可能な温度まで調整できるまで加熱、冷却しても変形等を生じない材料であればよく、通常は金属がよく用いられる。これらのロールは、それぞれ独立して熱媒、ヒーター等で任意の温度に調節可能であり、また、ロールの回転数もそれぞれ独立して、調整可能である必要がある。
巻取りロールは、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ローラのスリップも生じにくい材料であればどのような材料で構成されていても良い。例えば、表面をJIS K6301で規定するゴム硬度で60〜90度の材料などを採用することが出来る。ローラ表面がこのようなゴム硬度の巻取りロールを使用すれば、樹脂材料の凹凸形状を損なうことがなく、また、ローラのスリップも生じ難く効率よくシートが製造できる。巻取りロールの表面形状は、第1、第2、第3ロールで賦型された表面形状を変形させることなく、スリップなどの走行障害もなく巻取りが出来れば、どのような形状でも構わない。ロールの回転数は、それぞれの巻取りロール、第1〜3ロールと独立で調整可能である。巻取りロールの温度調整は通常必要ないが、可能であっても構わない。
つづいて、本発明で製造される光学シートについて説明する。
<光学シートの熱可塑性樹脂>
本発明に係る光学シートを構成する熱可塑性樹脂は、透明なものであり且つ光学シートの主な構成要素として適度な強度を有するものであれば特に制限されない。例えば、ポリカーボネート樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリ(p−メチルスチレン)などのスチレン系樹脂;MS樹脂(メチルメタクリレートとスチレンの共重合体);ノルボルネン系樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;これらのうち2種以上の混合樹脂などを用いることができる。好適にはポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂またはノルボルネン系樹脂を用いる。中でもポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性、加工性に優れており、且つそれらのバランスがよいので光学シート用の樹脂として特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法で反応させて得られるものである。二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、界面重縮合法(一般名称;ホスゲン法)によって得られたポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。尚、押出機やニーダー等によって樹脂を溶融処理していないポリカーボネート樹脂を用い、直接シート押出を行うことが、熱履歴によるシートの着色を低減できる点でより好ましい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常15,000〜40,000、好ましくは18,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
本発明のポリカーボネート樹脂には、成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために、さらにリン含有熱安定剤を使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられ、なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.15重量部が好ましい。
さらに本発明のポリカーボネート樹脂には、微細な凹凸形状賦型ロールからの離型性を改良する目的等で脂肪酸エステル化合物を配合することができる。
かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルや全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、該共重合ポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂ブレンド物100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂光拡散板には、上記成分以外に目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤、オレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩や、高級アルコールのリン酸エステル類、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、脂肪酸多価アルコールエステル、アルキルアミンもポリオキシエチレン付加物などの帯電防止剤、ブルーイング剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニレンエーテル等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
<熱可塑性樹脂シートの用途分野>
本発明の熱可塑性シートは、内装材や採光シート、屋内外のディスプレイ用照明シートなどの建材用途にも用いることができるが、特にフラットパネルディスプレイの各種光学シートに用いるのが最適であり、液晶表示装置のバックライトを構成する光を拡散したり、特定の方向に集光したりするためのレンズ付光学シート、直下型バックライトに用いられるマイクロレンズ付拡散板、あるいはエッジライト型バックライトに用いられ画面全体が均一な輝度に偏向拡散させるための導光板やさらに視野角方向に集光を行うマイクロレンズ付導光板などに最適に用いることができる。
シートの厚みは、0.05〜10mm程度であれば特に制限はないが、特にフラットパネルディスプレイの光学シートとして用いる場合、パネル自体の軽量化や薄肉化が望まれており、シート厚は6mm以下とすることが好ましく、より好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは4mm以下である。また、各種光学シートは透明樹脂のみで構成されていてもよいが、光拡散性を調整するために、光拡散性粒子の光散乱作用に基づく光拡散層を設けてもよい。光拡散層は、シート全体、凹凸形状を賦型された厚さの層のみ、凹凸形状を賦型されている厚さの層以外の全体、出光面表層のみ、入光面表層のみあるいは、中間層に均一、あるいはランダムに配置させてよい。
光拡散層を設ける場合の厚さは、光学シートの厚みに応じて適宜調整することができ特に制限されないが、通常は0.001mm以上とする。0.001mm未満であると光拡散作用が十分に発揮できない。
<光拡散性粒子>
光拡散性粒子の材質としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、これらの共重合体などの合成樹脂;ガラス;スメクタイト、カオリナイトなどの粘土化合物;シリカ、アルミナなどの無機酸化物;などが挙げられる。これらの材質のうち、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、シリカが特に好適である。
光拡散層の光拡散性微粒子の配合量は、形成する光拡散層の厚さ、光拡散性微粒子のサイズやシートを構成する熱可塑性樹脂との屈折率差などにより、適宜調整する必要があるが、通常は光学シートを構成する熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上、20質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上、10質量部以下である。使用量が0.005質量部未満であると、光学シート全体を光拡散層とした場合でも光拡散効果が充分に発揮できない恐れがある。逆に、使用量が20質量部を超えると、光学シートの押出成形が困難になることや、透過する光量が減少し、輝度が低下することがある。
特に、光拡散剤としてラジカル重合により得られる有機微粒子を用いる場合には、微粒子の原料モノマーとして、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類;スチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレンなどのスチレン類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのマレイミド類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリルなどのアクリロニトリル類;N−ビニルピロリドン;の1種、或いはこれらのうち2種以上を混合して用いることができる。
また、光拡散剤としてラジカル重合により得られる架橋有機微粒子を用いる場合には、上記組成に加え、架橋微粒子の原料モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビスヒドロキシエチルビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;ジビニロキシエトキシ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどのラジカル重合性架橋剤;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの多官能エポキシ化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの多官能イソシアネート化合物;N−メチロールメラミン、N−メチロールベンゾグアナミンなどの多官能メチロール化合物;の1種、或いはこれらのうち2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係る有機微粒子の屈折率は、光拡散層を構成する熱可塑性樹脂の屈折率とは異なるものとする。同一の屈折率を有する有機微粒子を用いると光は屈折されず、輝度の均整度を十分に高めることはできない。しかしその一方で、樹脂の屈折率は種類により異なるので、有機微粒子を構成する樹脂と熱可塑性樹脂との種類を異なるものにすればよい。また、粒子の選択として、架橋性の粒子と、そうでない粒子を混合して使用することも出来る。
本発明の有機微粒子または熱可塑性樹脂の少なくとも一方へは、さらに酸化防止剤を配合してもよい。酸化防止剤は加熱成形時における酸化や劣化による有機微粒子の着色を抑制することができるので、本発明の光学シートを適用した光源ユニットの輝度をより確実に発揮せしめることができる。
酸化防止剤としては従来公知のものを用いることができる。例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]やオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−1−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトやトリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミンなどのリン系酸化防止剤;芳香環を有するものとして、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など、芳香環を有さないものとして、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などの硫黄系酸化防止剤;3−ヒドロキシ−5,7−ジ−t−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物などのラクトン系酸化防止剤;還元型牛脂を原料としたアルキルアミンの酸化生成物などのヒドロキシルアミン系酸化防止剤;3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オールなどのビタミンE系酸化防止剤などを使用できる。酸化防止剤の使用量は適宜調整すればよいが、通常、有機微粒子全体に対して0.005質量%以上、0.3質量%以下程度添加すればよい。
<光学シート上の凹凸形状>
本発明の光学シートの少なくとも一方の表面には、複数の微細な凹凸形状が賦型されているが、微細な凹凸形状の具体的な寸法は、底面積が10〜10μm2であり、かつ底面から最高部または最深部までの高低差が10〜1000μmである。このような微細な凹凸形状は光学特性を種々調整するうえでは望ましい寸法であったが、これまでの押出成形による方法では、このような微細な凹凸形状を再現性良くシート表面に賦型することが困難であり、本発明の製造方法を採択することにより可能となったのである。また、光学シートとしての光拡散性や屈折性を十分発揮させるためには、凹凸形状における頂頭部あるいは最深部と底面との高低差の、底面積に対する割合が、1%〜300%であることが好ましい。1%未満では賦型は容易になるが、光学特性的には有用性が低くなり、また300%を超える凹凸形状では転写率が低下してしまい光学特性の再現性が困難となってくる。光学特性の発現と凹凸形状の賦型再現性の点からは、3%〜200%がより好ましく、5%〜150%が最も好ましい。
微細な凸形状を有する光学シートとしては、液晶パネルのバックライトに用いられる光拡散板、マイクロレンズシート、導光板などがあり、線状光源である冷陰極管や点光源であるLEDからの特定の視野角方向に均一な輝度分布を発現させるために用いることができる。また、微細な凹形状を有する光学シートは、同じく液晶パネルのバックライトに用いられる光拡散性の入光面を有する光拡散板や、光入射面に対し垂直方向に均一に出光させるための切り込み構造を有する導光板などがある。
微細な凹凸形状としては、切断球凹凸形状、切断楕円体凹凸形状、円錐凹凸形状、切断円錐凹凸形状、三角錐凹凸形状、切断三角錐凹凸形状、四角錐凹凸形状、切断四角錐凹凸形状、多角錐凹凸形状、切断多角錐凹凸形状などがあり、これら凹凸形状とは底面積より凸部最高部の面積が小さい凸形状、あるいは開口部となる底面積より凹部最深部の面積が小さい凹形状であり、いずれも底面から最高部や最深部にかけて順次に細くなっている形状である限り特に制約はなく、目的とする光学特性に応じて形状を設計することができる。中でも、四角錐凹凸形状や切断四角錐凹凸形状はシート表面に高密度で賦型できるため、光学機能を充分発揮させることができ特に好ましい。
各々の凹凸形状は必ずしも同じ形状である必要はなく、底面積や底面から最高部または最深部までの高低差が異なっていてもよい。これら一つの凹凸形状、あるいは異なる凹凸形状が、あるルールに基づき規則性をもって賦型されていてもよいし、ランダムに賦型されていても構わず、それぞれの光学設計に基づき微細な凹凸形状を有する光学要素が正確に表面賦型されればよい。
シートの表面積に占める賦型された凹凸形状の総底面積は、設計した光学性能により異なるが、5%〜100%が好ましく、本発明の製法の特徴を充分発揮でき、光学性能をより高めるためには50%〜100%がより好ましい。
<光学シートの光学要素以外の機能付与>
本発明の光学シートは、紫外線吸収剤・帯電防止剤・滑剤・近赤外線吸収剤を本発明の主旨を損なわない範囲で用いることができるが、特に、光源側に設定される面において、紫外線吸収剤を含む層、帯電防止剤を含む層、或いは紫外線吸収剤含有層と帯電防止剤含有層の両方が形成されていていることが好ましい。また、光拡散層の少なくとも片面側に光拡散作用以外の作用を有する層が形成されていてもよい。ここで「片面側」としたのは、異なる機能を有する層が光拡散層の上に直接形成されている場合に限られず、例えば紫外線吸収剤含有層と帯電防止剤含有層など複数の層が光拡散層の片面に積層されていてもよいことを意図したものである。これら異なる機能を有する層は、発光体から発せられる紫外線を低減して光学シートの着色を抑制したり、また、帯電を抑制して粉塵の付着による輝度低下を抑制したり電子デバイスの寿命を延ばしたりするといった機能を本発明の光学シートに付与するものである。当然、様々な光源装置の設置環境や部材の保存環境における機能の保持、延命の観点から両面にあっても構わない。
紫外線吸収剤と帯電防止剤としては従来公知のものを使用することができる。例えば紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;環状イミノエステル型紫外線吸収剤;分子内にヒンダードフェノール構造とヒンダードアミン構造を有するハイブリッド系紫外線吸収剤;トリフェニルシアノアクリレート系紫外線吸収剤;シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤;などの低分子紫外線吸収剤や、これら低分子紫外線吸収剤が高分子に懸垂するような形で結合している高分子紫外線吸収剤(例えば、日本触媒社製のハルスハイブリッド(登録商標)など)を用いることができる。中でもトリフェニルシアノアクリレート系紫外線吸収剤;シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤が可視光線領域における光の吸収が少ない為好適である。ポリカーボネート樹脂に用いる場合はシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤;マロン酸エステル系紫外線吸収剤が更に好適である。
帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸や、それらのLi、Na、Ca、Mg、Zn塩などのオレフィン系硫酸エステルまたはその金属塩;高級アルコールのリン酸エステル類などのアニオン界面活性剤;第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体などのカチオン界面活性剤;アルキルアミン系ベタインの両性塩、カルボン酸アラニンまたはスルホン酸アラニンの両性塩、アルキルイミダゾリンの両性塩などの両性界面活性剤;脂肪酸多価アルコールエステル、アルキル(アミン)のポリオキシエチレン付加物などの非イオン界面活性剤;ポリエーテルエステルアミドやポリエステルアミドなどのポリアミドエラストマーなどを用いることができる。また、ポリビニルベンジル型カチオン樹脂やポリアクリル酸型カチオン樹脂などの導電性樹脂も帯電防止剤として用いることができる。
紫外線吸収剤および帯電防止剤の使用量は各機能に応じて適宜調整することができるが、通常、各層を構成する樹脂100質量部に対して1〜50質量部程度である。
これら異なる機能を有する層は、シートを構成する熱可塑性樹脂と同一の樹脂中に紫外線吸収剤や帯電防止剤を均一分散させたシートを、熱圧着や接着剤で光学シート上などに接着すればよい。或いは、紫外線吸収剤などを含むペーストを光学シート上に塗布した上で乾燥または冷却してもよい。また、シートを構成する熱可塑性樹脂と、紫外線吸収剤や帯電防止剤を配合した熱可塑性樹脂を共押出成形してもよい。
これら異なる機能を有する層の厚さは各機能などに合わせて適宜調整すればよいが、通常、1〜50μm程度にすることができる。
本発明の光学シートの大きさや形状は特に制限されず、例えば、液晶ディスプレイ用の光源ユニットの大きさに合わせて使用すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
<実施例について>
<実施例1>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製、ガラス転移温度(Tg)=150℃)100質量部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部を、ベントとギアポンプ付きの押出機に供給し、図1に示す3本の冷却ロール配置からなり、第1・第2ロールには鏡面フラットロールを、第3ロールには各底辺の延在方向が第3ロールの回転方向に対して約±45°をなし、底辺の一辺が80μmで高さが40μmである正四角錐が、実質全面に隙間なく賦型出来るように彫刻されたロール(I)をそれぞれ用い、押出機出口温度265℃、第1ロール温度140℃、第2ロール温度180℃、第3ロール温度195℃の各温度条件下、かつ、第2ロールの周速度を2.0m/分、第3ロールの周速は1.975m/分、巻取りロールの周速は2.03m/分として、厚さ1.2mm、幅1100mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例2>
第3ロールの周速を1.95m/分、巻取りロールの周速は2.00m/分、ロール間隙と吐出量を変更した以外は、すべて実施例1と同一条件で、厚さ1.2mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例3>
第2ロール温度185℃、第3ロール温度200℃とし、第2ロールの周速度を1.0m/分、第3ロールの周速を0.99m/分、巻取りロールの周速を1.02m/分、ロール間隙と吐出量を調整した以外は、すべて実施例1と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例4>
第2ロール温度185℃、第3ロール温度200℃とし、第2ロールの周速度を4.0m/分、第3ロールの周速は3.90m/分、巻取りロールの周速は4.0m/分、ロール間隙と吐出量を調整した以外は、すべて実施例1と同一条件で、厚さ0.5mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例5>
第3ロールには、各底辺の延在方向が第3ロールの回転方向に対して約±45°をなし、底辺の一辺が100μmで高さが32μmである正四角錐が実質全面に隙間なく賦型出来るように彫刻されたロール(II)を使用した以外は、すべて実施例1と同一条件で、厚さ1.2mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例6>
第1ロール温度125℃、第2ロール温度175℃、第3ロール温度190℃とした以外は、すべて実施例1と同一条件で、厚さ1.2mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例7>
図3に示すように第3ロール(A)に対峙させ、周速度は無調節で160℃に調温したテイクオフロールを設置した以外は、すべて実施例3と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例8>
テイクオフロールの温度を130℃をとした以外は、すべて実施例7と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例9>
テイクオフロールの周速度を1.01m/分、巻取りロールの周速度を1.02m/分とした以外は、すべて実施例8と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例10>
第2ロールにマットロール(算術表面粗さRa=4.0μm)を使用した以外は、すべて実施例9と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例11>
第2ロールにエンボスロール(算術表面粗さRa=0.25μm)を使用した以外は、すべて実施例9と同一条件で、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例1>
使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度である150℃に対し、第2ロールの温度を10℃高い160℃、第3ロールの温度を25℃高い175℃にそれぞれ設定した以外は、実施例3と同一条件で厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例2>
使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度である150℃に対し、第2ロールの温度を15℃高い165℃、第3ロールの温度を35℃高い185℃にそれぞれ設定した以外は、実施例3と同一条件で厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例3>
第3ロールの周速は、第2ロールの周速に対し91%となる0.91m/分、巻取りロールの周速は0.94m/分とした以外は、実施例3と同一条件で厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例4>
第3ロールの周速は第2ロールの周速に対し103%となる1.03m/分、巻取りロールの周速は1.06m/分とした以外は、実施例3と同一条件で厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例12>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製、ガラス転移温度(Tg)=150℃)100質量部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部を、ベントとギアポンプ付きの押出機に供給し、図1に示す3本の冷却ロール配置からなり、第1・第2ロールには鏡面フラットロール、第3ロールには、開口部となる底面の一辺が80μmで深さが40μmの凹状正四角錐が、その底面の各辺が第3ロールの回転方向に対し約±45°の傾きで実質全面に隙間なく賦型出来るように切削加工されたロール(III)を用い、押出機出口温度265℃、第1ロール温度140℃、第2ロール温度180℃、第3ロール温度195℃の各温度条件下、かつ、第2ロールの周速度を2.0m/分、第3ロールの周速は1.975m/分、巻取りロールの周速は2.03m/分として、厚さ1.2mm、幅1100mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例13>
実施例12と同様にポリカーボネート樹脂とリン系熱安定剤を、ベントとギアポンプ付きの押出機に供給し、同じく実施例12で用いた第1ロール、第2ロール、第3ロールに加え、図3に示すように第3ロールに対峙させて、ロール温度が130℃で周速度を1.01m/分に調整したテイクオフロールを設置し、押出機出口温度265℃、第1ロール温度140℃、第2ロール温度185℃、第3ロール温度200℃の各温度条件下、かつ、第2ロールの周速度を1.0m/分、第3ロールの周速は0.99m/分、巻取りロールの周速は1.02m/分として、厚さ2.0mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例14>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製、ガラス転移温度(Tg)=150℃)100質量部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部、さらに光拡散剤である架橋メタクリル樹脂微粒子(エポスターMA1002、日本触媒製)1質量部を、ベントとギアポンプ付きの押出機に供給した以外は、実施例12と同一条件で、厚さ1.2mmの光拡散剤配合凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例15>
実施例12と同様にポリカーボネート樹脂とリン系熱安定剤を、ベントとギアポンプ付きの押出機に供給し、同じく実施例12で用いた第1ロール、第2ロール、第3ロールを用い、押出機出口温度265℃、第1ロール温度140℃、第2ロール温度185℃、第3ロール温度200℃の各温度条件下、かつ、第2ロールの周速度を4.0m/分、第3ロールの周速は3.95m/分、巻取りロールの周速は4.0m/分として、厚さ0.5mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<実施例16>
ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製、ガラス転移温度(Tg)=150℃)100質量部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部からなる樹脂組成物(a)をベントとギアポンプ付きの押出機に供給するとともに、ポリカーボネート樹脂(「ユーピロンE2000FN」:三菱エンジニアリングプラスチック社製、ガラス転移温度(Tg)=150℃)100質量部と、リン系熱安定剤(「イルガフォス168」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部、光拡散剤である架橋メタクリル微粒子(エポスターMA1002、日本触媒製)10質量部からなる樹脂組成物(b)を、樹脂組成物(a):樹脂組成物(b)=20:1(質量部)になるようサブ押出機に供給し、凹凸形状賦型面とは反対側に光拡散剤配合層が形成されるようにフィードブロックを通じてTダイから排出させ、実施例12と同一のロール構成、温度、回転速度条件で、厚さ1.2mmの光拡散層付凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例5>
使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度である150℃に対し、第2ロールの温度を5℃高い155℃、第3ロールの温度を30℃高い180℃にそれぞれ設定した以外は、実施例12と同一のロール構成、第1ロール温度、第2ロールと第3ロールの回転速度条件で厚さ1.2mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<比較例6>
第3ロールの周速を、第2ロールの周速に対し103%となる2.06m/分、巻取りロールの周速は2.10m/分とした以外は、実施例12と同一のロール構成、各ロール温度条件で厚さ1.2mmの凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートを製造した。
<賦型率について>
賦型率の測定は、得られた光学シートの幅方向の中心部分および端面部分での凸形状の高さ(Hs)と底面部分の面積(As)、凹凸形状を賦型するのに用いたロールのシリコーン樹脂による注型物の凹凸部の高さまたは深さ(Hr)と底面部分の寸法(Ar)を各々5箇所ずつレーザー顕微鏡で測定し、高さまたは深さの賦型率=(Hs/Hr)×100(%)、底面積の賦型率=(As/Ar)×100(%)とした。この値が100に近いほど賦型性が良いと判断される。結果は表1および表2にまとめた。
<厚み精度について>
厚み精度評価は、得られた光学シートのTD(Transverse Direction:横軸)方向における、中心点、中心点から左右25cmの点と50cmの点、計5箇所の厚みをマイクロメータで測定し、最大厚みと最小厚みの差を求め、この差を5箇所の厚みの平均値で除することにより行った。例えば、実施例1により得られた光学シートの最大厚みと最小厚みの差は0.03mm、5箇所の厚みの平均値は1.19mmであるから、(厚み精度)=(0.03/1.19)×100=2.5(%)となる。この値が小さいほど、厚み精度は良いと判断される。結果は表1および表2にまとめた。
<反りについて>
得られた光学シート原板から切出された1000mm×1000mmのシートを気温23℃−湿度60%の室内に設置された機械定盤の上に1h放置した後に、平置き状態にて隙間ゲージにて測定を行った。反りが2mm未満のものを○、2mm以上3mm未満のものを△、3mm以上あるものは×とする。結果は表1および表2にまとめた。
Figure 0005468415
Figure 0005468415
本発明により、本来の設計性能を充分に発揮する微細な凹凸形状を有する光学シートを効率よく製造することが出来る。また、このようにして製造された本発明の微細な凹凸形状を有する光学シートは表面の賦型が光学的設計どおりに転写される為、特に、光学シートとして優れた性能を発揮する。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂を押出機のダイより連続的に溶融状態のシート状に押出し、第1ロールと第2ロール間で圧延した後、第3ロールにより表面に複数の凹凸形状を賦型する凹凸パターン付熱可塑性樹脂シートの製造方法において、第1ロール、第2ロール、第3ロールの温度を、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、各々、Tg−50℃〜Tg+20℃、Tg+20℃〜Tg+60℃、Tg+30℃〜Tg+70℃に設定し、かつ、第2ロールの周速度V2とし、第3ロールの周速度V3としたとき、周速度V3を周速度V2の93%〜100%とすることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. シート表面に賦型される複数の凹凸形状が、底面積が102〜106μm 2 であり、かつ底面から最高部または最深部までの高低差が10〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 第3ロールにおけるシート剥離ゾーン近傍に、第3ロールに対峙して第4ロールとしてテイクオフロールを設置することを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  4. 前記テイクオフロールの温度がTg−50℃〜Tg+30℃であることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかの製造方法で作製した光学シート。
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