JPWO2010035421A1 - 水処理装置 - Google Patents

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Abstract

処理対象水(A1)が供給され、処理配管(92)内で処理対象水(A1)に所定の処理をする水処理装置(1)である。水処理装置(1)は、処理配管(92)上に設けられ処理対象水(A1)に紫外線を照射する紫外線照射装置(20)と、処理配管(92)における紫外線照射装置(20)の下流に設けられ、流通する処理対象水(A1)に磁場をかける磁気装置(40)と、処理配管(92)における紫外線照射装置(20)と磁気装置(40)との間の、スーパーオキシド(・O2-)、水素イオン(H3O+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H2O2)、一重項酸素(1O2)、金属−酸素錯体(M−OO)、オゾン(O3)の少なくとも1種を増加させるラジカル増加部(30)とを備える。

Description

本発明は、水処理装置に関し、詳しくは、各種の水を極めて短い時間で滅菌することが可能な水処理装置に関する。
これまで、水の無害化や殺菌について多くの研究がなされている。しかし、これまでの殺菌は、高温を利用したものであって食品を傷めることなく殺菌ができなかったり、殺菌したとしても不十分であったりしている。
この「殺菌」という用語は、使用する者によって意味に非常に幅があり、本明細書においては、滅菌、消毒、殺菌などの用語を、以下のように区別して用いる。また、先行技術を検討する際においても、これらの区別に注意しなければならない。
「滅菌」は、対象物に存在するすべての微生物を殺滅することをいう。「消毒」は、目標とする微生物を殺滅することをいう。「殺菌」は、慣習的に消毒と同意義で使われているが、不明確な言葉である。注意すべきことは、「殺菌」の語が使われるときは、「滅菌」と異なり、すべての微生物が殺滅されるわけではないことである。以上の用法は、感染症新法および厚生省令に従ったものである。なお、本発明で滅菌の対象としている「微生物」は、主として、真菌、細菌、ウイルスおよび原虫を含む。
一般に、滅菌・消毒の方法は、物理的方法、化学的方法およびこれらを組み合わせた方法が知られている。
物理的な滅菌・消毒方法としては、高温や高圧を使用する方法がある。例えば、高圧で100℃以上に所定の時間保持する方法がある。このとき、滅菌対象物は、蒸気中、水中または乾熱中の環境に置かれる。水中において常温より高い温度に維持する方法は、害が無いため昔から広く用いられている。但し、温度によって、消毒できる微生物が異なり、滅菌できない場合があることに注意する必要がある。高温を用いる方法を応用したものとして間欠滅菌法がある。間欠滅菌法は、細菌の芽胞状態を解いて滅菌を行おうとするものであり、温度を上昇させた後、下降させることで、高温でも非常に耐久性の高い芽胞を発芽させ、殺滅を可能とするものである。
化学的な消毒方法としては、いわゆる薬剤を用いる方法があり、対象となる微生物に適した薬剤が選定される。化学的な消毒方法では、一般に滅菌はできない。
しかし、高温や高圧を用いた場合、食品を除菌する(食品に付着した微生物を殺滅する)のには適さない。高温や高圧により、食品中の細胞が破壊されるなど変質してしまうからである。また、化学的な薬剤を用いる方法も、薬剤の残留を考慮すると、食品の除菌には適さない。そのため、高温、高圧を用いない、常温(40℃未満)での安全且つ完全な滅菌方法が求められているのである。
高温、高圧を用いない物理的な殺菌方法としては、従来、紫外線による殺菌が行われてきた。しかし、紫外線による殺菌は、微生物に紫外線が直接当たらなければ効果がないこともあり、それだけでは極めて不完全な殺菌方法であった。
一方、水を活性化させるための装置が、これまで多々研究されている。水の活性化としては、電場や磁場を水に掛けることにより、水を活性化させる方法がしばしば採用される。例えば、特許文献1の廃液の濾過活性装置や特許文献2の磁気波動水調整装置では、水に磁場を掛けることにより水を活性化している。そして、磁気により活性化した水に紫外線を照射することで、殺菌をしている。
しかし、紫外線による殺菌は、それだけでは極めて不完全であるのは前述したとおりであり、滅菌には程遠いものである。
特許文献3においては、タンクから出水した水を循環させながら処理する磁気電離水の給水装置が開示されている。この装置においては、循環路において、紫外線を照射した後、磁場を与えており、水の完全殺菌が可能であるとしている。しかし、特許文献3においては、あくまで殺菌は紫外線照射により行われている(段落0050参照)。そして、磁気マグネット回路は、あくまで磁気電離水を生成することを目的として設けられている。また、同文献においては、「完全殺菌」との言葉が使われているが、完全殺菌といっても、本明細書で目的とする滅菌、つまり、芽胞菌などの耐久性が高い微生物の殺滅も完全になされているかは、データの開示も無く極めて疑わしい。これまでの殺菌技術においては、紫外線を当てれば殺菌ができるとの認識に立つ文献が多く、殺菌ができると述べつつも、滅菌はされていないのである。仮に、ある条件で滅菌がされているとしても、芽胞菌の滅菌までは行われていないのである。
また、特許文献3の装置においては、タンクに戻った水を供給しているので、供給される水は、タンク内に残った雑菌が混入する可能性が高いという問題がある。
さらに、上述の特許文献以外の技術(オートクレーブなど)も含め、従来の種々の滅菌装置(高圧蒸気滅菌器、乾熱滅菌器が多く使用される)においては、滅菌に掛かる時間があまり重視されておらず、少なくとも1〜2時間を要するものであった。
特開2006−289317号公報 特開2001−029957号公報 特開2002−138526号公報
本発明は、以上の背景に基づいて創案されたものであり、あらゆる微生物の殺菌・滅菌を、極めて短時間に常温領域(0〜40℃)において実現する水処理装置を提供することを目的とする。
本発明の水処理装置は、処理対象水が供給され、処理通路内で前記処理対象水に所定の処理をする水処理装置であって、前記処理通路上に設けられ前記処理対象水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記処理通路における前記紫外線照射装置の下流に設けられ、流通する前記処理対象水に磁場をかける磁気装置と、前記処理通路における前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間の、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)、金属−酸素錯体(M−OO)、オゾン(O3)の少なくとも1種を増加させるラジカル増加手段とを備えたことを特徴とする。
このような水処理装置によれば、処理対象水が紫外線照射装置内を通過することで、ある程度の割合の微生物が殺滅される。また、処理対象水が紫外線照射装置を通過することで、ラジカルまたはラジカルを増加させる化学種、例えば、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)、オゾン(O3)が生成される。単に通常の水に紫外線を照射した場合、これらのラジカルの量は非常に少量であるので、本発明においては、さらにラジカル増加手段により、処理通路における紫外線照射装置と磁気装置との間の上記ラジカルまたはラジカルを増加させる化学種の少なくとも1種を増加させる。
そして、このラジカルが増加した状態で、処理対象水を磁気装置に通過させて処理対象水に磁場を与えることで、ラジカルの酸化力による殺菌力が強くなり、処理対象水中の微生物を一斉に殺滅する。このラジカルと磁場との相互作用により、強力な殺菌がなされると同時に、ラジカルの酸化力が無くなる。本発明で用いているラジカルは、主として水の構成元素からなるから、磁気装置を通過したラジカルは無害な水となる。
このように、本発明の水処理装置によれば、薬品を用いることなく、水に戻る物質を用いて、滅菌を行うことができ、かつ、飲用可能な無害な水を得ることができる。
そして、この磁気装置を通過した水は、一般にも言われているように洗浄力が高いため、食品などの洗浄に好適に用いることができ、浸透力が高く、微生物がいないため、種子の浸漬、発芽、例えばスプラウトの栽培に好適に用いることができる。
前記した水処理装置において、前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間において、外部から空気または酸素が侵入可能にされた小孔または隙間とすることができる。また、前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間において、外部から空気または酸素を供給するガス供給器とすることもできる。さらに、前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間に配置された過酸化水素発生装置を用いることもできる。
前記した水処理装置においては、前記処理通路における前記磁気装置より上流側に、ケースと、当該ケースの中に設けられ、表面に露出した金属を含んでなる交換可能なイオン供給カートリッジとを有するイオン量調整装置を備えることができる。
このようにイオン量調整装置により、金属イオンの量を調整することで、磁気装置における殺菌力をさらに増したり、既に混入している金属イオンの害を減少させたりすることができる。
前記した水処理装置において、前記処理対象水はタンクから供給され、前記磁気装置の下流で前記処理通路と前記タンクとを接続する循環通路を備えることができる。
このように、本発明の水処理装置に処理対象水を循環させて殺菌を行うことで、数分のうちにいかなる微生物をも滅菌することができる。
そして、この循環通路における前記磁気装置と前記タンクとの間には、滅菌・無害化された処理済みの水を取り出す出水通路を設けることが望ましい。
このように、タンクに戻る前の磁気装置の下流部分に出水通路を設けることで、微生物を混入させることなく、滅菌・無害化された処理済みの水を得ることができる。
ラジカルは、非常に不安定であるから、紫外線照射装置と磁気装置の間を短くして、ラジカルの量が十分な状態で処理対象水を磁気装置に通すことで、本発明の水処理装置による殺菌力を効果的に発揮することができる。
本発明の水処理装置によれば、処理対象水について、極めて短時間で、あらゆる微生物を滅菌することが可能である。そして、この水処理装置により処理された水で、除菌したい食品などを洗浄すれば、対象物に付着した微生物を取り除くことができる。また、本発明の水処理装置により処理された水は、無害・無菌であるため、飲用、実験用、農業用などに好適に用いることができる。
本発明の水処理装置の全体構成図である。 紫外線照射装置の断面図である。 ラジカル増加部の断面図である。 磁気装置の断面図である。 水処理装置を2段で用いた場合の構成図である。 ラジカル増加手段の他の形態を示す図である。 ラジカル増加手段を併せ持ったイオン量調整器の断面図である。 水流発生機構を有するタンクの構成図(a)と平面図(b)である。 滅菌の試験結果を示す表である。 滅菌の試験結果を示す表である。 滅菌の試験結果を示す表である。 滅菌の試験結果を示す表である。 紫外線照射による殺菌を行う試験装置の全体構成図である。 本発明の水処理装置による滅菌の試験結果を示す表(a)と、紫外線照射による殺菌の試験結果を示す表(b)である。 磁気による処理の試験結果を示す表である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、水処理装置1は、処理対象水A1が貯溜されたタンク10から処理対象水A1が供給され、所定の処理をしてタンク10へ還流させることで処理対象水A1の滅菌を行う装置である。水処理装置1は、主としてポンプPと、紫外線照射装置20と、ラジカル増加手段の一例としてのラジカル増加部30と、磁気装置40とを備えてなる。なお、水処理装置1の各装置を接続するため、処理対象水A1を循環可能にする配管90(91〜94)が設けられている。
タンク10は、処理対象水A1が貯溜されるものである。タンク10は、本発明の水処理装置1の実現のため、原理的には必要なものではないが、処理対象水A1の処理をある程度大量にまとめて行う場合に設けるのが望ましい。タンク10の材質は、SUS316(JIS)などのステンレスを用いるのが望ましい。
本発明の水処理装置1で処理することができる処理対象水A1は、純水または水に他の物質が溶解または混入したものであれば特に限定されない。処理対象水A1の具体的な例としては、地下水、湧水、温泉、鉱泉、水道水、雨水、海水、深層水、工場・家庭・農産物処理・水産物処理などの廃水、薬剤の入った水、貯水槽、バラスト水、栽培用水、養殖用水、プールの循環水、医療用滅菌水、浴槽水、精密機器洗浄水、半導体洗浄水などを挙げることができる。
配管90は、原水(処理対象水A1であり、水処理装置1で処理前の水)をタンク10へ導入する導入管91と、タンク10から取り出した処理対象水A1を、紫外線照射装置20、ラジカル増加部30および磁気装置40にこの順に通過させる、処理通路を構成する処理配管92と、磁気装置40の下流で処理配管92の処理対象水A1をタンク10に戻すため、導入管91に接続された循環通路を構成する循環配管93と、磁気装置40から出た処理対象水A1(処理済みの水)を出水させる出水配管94とを備えてなる。出水配管94は、出水通路を構成する。
ポンプPはタンク10内の処理対象水A1を吸引して紫外線照射装置20に向けて圧送すべく、処理配管92上におけるタンク10の下流に設けられている。ポンプPの配置は図1の形態に限定されず、処理配管92および循環配管93上のいずれの位置に設けてもよい。また、必要な圧送圧力に応じ、複数個のポンプPを設けてもよい。なお、ポンプPによる処理対象水A1の圧送方向は、前記したように処理対象水A1が、紫外線照射装置20、磁気装置40の順に通過するようにする必要がある。
紫外線照射装置20は、内部を処理対象水A1が通過し、処理対象水A1に紫外線を照射するものである。紫外線照射装置20としては、公知のいわゆる紫外線殺菌装置を用いることができる。例えば、図2に示すように、紫外線照射装置20は、処理対象水A1が流入する導入口21および流出する導出口22を備えた円筒状のケース23内に、石英管24を備え、この石英管24内に紫外線ランプ25を有した構成となっている。紫外線ランプ25としては、ピーク波長が254nmまたは185nmのものを用いることができる。殺菌する対象の微生物に応じて、これらの一方または双方を選択すればよい。
ここで、紫外線照射装置20は、微生物に対する紫外線の照射自体による微生物の殺菌はできるが、滅菌はできないことに注意する必要がある。紫外線照射装置20で処理対象水A1に紫外線が照射されると、上記の殺菌がなされるとともに、水から反応性が高い各種のラジカルまたはラジカルを増加させる化学種が発生する。このラジカルとしては、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、オゾン(O3)、ヒドロキシルラジカル(HO・)が含まれ、活性酸素として、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)、などが含まれる。また、水中に塩素が含まれる場合には、ClO-も発生する。
ラジカル増加部30は、本実施形態においては、図3に示すように、ステンレス管31に雌ねじ孔32が形成され、この雌ねじ孔32に雄ねじ33が螺合された装置を用いることができる。雄ねじ33は雌ねじ孔32に対して僅かな隙間を介して螺合している。そのため、ステンレス管31内の通路34に処理対象水A1が流れると、処理対象水A1の流速に応じて生じる負圧により、雌ねじ孔32と雄ねじ33の隙間から通路34内に僅かに空気が侵入する。通路34に入った空気は、処理対象水A1の流れによって攪拌され、ナノバブルまたはマイクロバブル(以下、単に「ナノバブル」とする)となって、水および酸素に由来する、過酸化水素(H22)を含むラジカルまたはラジカルを増加させる化学種が発生する。この化学種としては、他にも、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、一重項酸素(12)、金属−酸素錯体(M−OO)、オゾン(O3)が含まれる。
水処理装置1の使用に当たっては、これらの化学種が十分に生じるように、雄ねじ33のねじ込み量を調整してナノバブル35の発生を調整するとよい。また、ステンレス管31内の処理対象水A1の流速を十分高く設定した方がよい。
ラジカル増加部30に用いるステンレス管31としては、例えばJIS(日本工業規格)でいえばSUS316を用いるのが望ましい。ラジカル増加部30のステンレス管31に含まれる鉄(Fe)は、微量が金属イオンとして処理対象水A1に溶解することで、磁気装置40における殺菌力が増強される。
磁気装置40は、図4に示すように、処理対象水A1が流れるパイプ41の外側に、複数の磁石42が配列されて設けられている。磁石42は、パイプ41を流れる処理対象水A1が磁力線を横断するように配置されている。もっとも、磁石42の配置は図4に示したものに限られず、処理対象水A1の水流が磁力線を横断することができれば、他の配置であっても構わない。
磁石42としては、できるだけ強力なものが望ましく、ネオジム磁石を好適に用いることができる。磁石42としては、磁束密度が0.9T(9000Gauss)以上であることが望ましく、1.2T(12000Gauss)以上であることがより望ましく、1.4T(14000Gauss)以上であることがさらに望ましい。
磁石42の磁束密度は、0.9Tより小さいと、磁気装置40内での滅菌が不十分となる。磁石42の磁束密度は、大きい方が磁気装置40内での殺菌力が高い。
上述の紫外線照射装置20、ラジカル増加部30および磁気装置40のそれぞれにおいて、処理対象水A1の流速は、2m/s以上であるのが望ましい。ラジカルを十分に発生させ、また、磁気装置40での殺菌力を高くするためである。また、ラジカルが酸化力を有した状態で磁気装置40に行き着くようにするため、ラジカル増加部30と磁気装置40との間の流路の長さ(道のり)は、20cm以下が望ましく、10cm以下がさらに望ましい。なお、紫外線照射装置20と磁気装置40の間の配管部分がラジカル増加部30を形成しているときは、紫外線照射装置20と磁気装置40の間の流路の長さが20cm以下であるのが望ましく、10cm以下であるのがさらに望ましい。
活性炭フィルタ50は、処理配管92が循環配管93と分岐する部分よりも下流側の出水配管94上に設けられている。活性炭フィルタ50は、活性炭が充填された従来公知のフィルタであり、任意的に設けることができる。また、このような物理的フィルタは、上記と異なる位置に配置しても良い。例えば、図1に示すように、循環配管93上にフィルタ61を設けてもよいし、原水が取り込まれてすぐの導入管91上にフィルタ62を設けてもよい。
以上のように構成された水処理装置1は、次のように動作する。導入管91から導入された原水は、まず、タンク10に入る。そして、タンク10から、ポンプPにより処理対象水A1が吸引されて処理配管92へ入る。
処理対象水A1は、紫外線照射装置20内に入ることで、殺菌される。このとき、すべての微生物が殺滅されるわけではなく、浮遊物の陰に隠れた微生物や耐性の高い微生物、例えば芽胞菌は残存する。そして、処理対象水A1に紫外線が当たることで、水からラジカルが発生する。例えば、上述したように、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)が発生し、また、水道水などの場合には、ClO-も発生する。
紫外線照射装置20を通過した処理対象水A1は、次にラジカル増加部30に入る。ラジカル増加部30では、ステンレス管31内の側部に設けられた雌ねじ孔32および雄ねじ33の隙間から空気が侵入して、高速で流れる処理対象水A1内でナノバブル35となる。これにより、処理対象水A1内の、ラジカルまたはラジカルを増加させる過酸化水素などの化学種が増加する。また、ステンレス管31から処理対象水A1内に鉄が僅かに溶け込む。
ラジカルが増加した処理対象水A1は、磁気装置40に入って、高速で磁力線を横切るように通過する。このとき、ラジカルの殺菌力が増加するとともに、ラジカルが酸化型から還元型へ転換する。すなわち、無害な有益水へと戻る。ラジカルの殺菌力が増加することで、紫外線照射装置20では殺滅できなかった一部の微生物や、耐性の高い芽胞菌なども殺滅される。
このように、処理対象水A1を水処理装置1に一度通過させることで、芽胞菌を含めた微生物を滅菌することができる。滅菌された処理対象水A1は、適宜、出水配管94から取り出して、実験用水、飲料水、生活用水などに用いることができる。出水配管94は、タンク10に接続されているのではなく、磁気装置40とタンク10の間に接続されているので、滅菌の完全性および水の無害性をより確保することができる。
なお、磁気装置40において強力な磁場を高速で通過した処理対象水A1は、よく知られているように非常に浸透力が高く、洗浄力があるため、何かに付着している微生物を剥離することができる。そこで、磁気装置40から出た処理対象水A1を、循環配管93を通してタンク10内へ戻してもよい。これにより、タンク10の内壁や浮遊物などに付着している微生物(タンク10内に残っている微生物)を剥離して、水中に浮遊させることができる。そして、剥離された微生物は、処理配管92に導入されて、紫外線照射装置20、ラジカル増加部30および磁気装置40を通過することで完全に殺滅される。
以上説明したように、本実施形態の水処理装置1によれば、紫外線照射装置20、ラジカル増加部30および磁気装置40により、特に、ラジカルが増加した状態で磁気装置40を通過することにより、芽胞菌などの通常の殺菌方法では殺滅することができない微生物をも殺滅することができる。さらに、磁気処理により洗浄力が増加した水をタンク10に戻して再度処理を行うことで、タンク10内の処理対象水A1を数分のうちに滅菌することができる。
本実施形態の水処理装置1を用いて食品などの除菌をする場合、タンク10内で洗浄をすればよい。これにより、磁気処理水の洗浄力と相俟って、食品の表面に付着した微生物を除菌することができる。
食品などの除菌を効率良く行う場合、図5に示すように、本実施形態の水処理装置1を2段直列に繋いで、後段のタンク110で、食品などを洗浄するとよい。このように、2段にすることで、1段目の装置で滅菌された洗浄力の高い洗浄水A2を大量に用いて洗浄できるので、洗浄、除菌の効率を上げることができる。
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
図6は、ラジカル増加手段の他の形態を示す図である。ラジカル増加手段は、過酸化水素を主とする化学種を発生すれば良いから、前記したナノバブルを用いる方法に限らず、いわゆる過酸化水素を発生する方法を用いてもよい。例えば、図6に示した過酸化水素発生装置130は、ラジカル増加手段の一例であり、電解槽131を隔膜132により2つの部屋、すなわち陽極室133と陰極室134に分ける。そして、陽極室133には陽極135を設け、陰極室134には、陰極136を設ける。陰極136は、多孔性の部材とし、浸透により陰極室134内に空気または酸素を導入可能としておく。そして、陽極135および陰極136の間に電圧を掛ける。
このような2つの陽極室133と陰極室134に分かれた電解槽131に処理対象水A1を通すことで、1/2O2+H2O→H22の反応により、過酸化水素が発生する。
このような過酸化水素発生装置130は、処理配管92上における磁気装置40より上流であれば、どこに設けてもよい。
また、ラジカル増加手段として紫外線照射装置を用いてもよい(図1に示す構成において、ラジカル増加部30の代わりに紫外線照射装置を設けてもよい)。また、紫外線照射装置(図1に示す構成における紫外線照射装置20)がラジカル増加手段を兼ねていてもよい。前記したように、処理対象水A1に紫外線が照射されると、水から、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)などのラジカルが発生する。そのため、これらの化学種が紫外線照射装置で十分に生じるのであれば、紫外線照射装置をラジカル増加手段として用いることができる(または紫外線照射装置がラジカル増加手段を兼ねることができる)。
また、ラジカル増加手段と合わせて、または別個に、処理対象水A1内の金属イオン量を調整するイオン量調整器を設けてもよい。図7は、ラジカル増加手段を併せ持ったイオン量調整器の断面図である。図7に示すように、イオン量調整器230は、円筒状のカラム231内に少なくとも表面に金属層を有するカートリッジ239が装着されてなる。カートリッジ239の一端239aおよび他端239bは、ともにテーパ状に形成され、一端239aから他端239bに向けて流れる処理対象水A1の流れがスムーズになるようになっている。カラム231の一端および他端には、それぞれカートリッジの一端239aおよび他端239bに沿った形状の蓋232,233が設けられている。処理対象水A1が流入してくる入口側の蓋232はパイプ232aが延び、前記したラジカル増加部30と同様に、パイプ232aの側部に雌ねじ孔234と、雄ねじ235が設けられている。そして、ラジカル増加部30と同様に雄ねじ235と雌ねじ孔234の隙間から空気がパイプ232a内に侵入して、イオン量調整器230内でナノバブルを生じるようになっている。
このようなイオン量調整器230によれば、ナノバブルを生じて、ラジカル増加手段として機能するとともに、金属イオンを供給して、磁気装置40内での殺菌力を増強し、また、金属の種類の選択次第で、既に処理対象水A1内に溶解している有害な重金属類を無害化することもできる。
イオン量調整器230のカートリッジ239は、溶解して減少するので、容易に交換可能であるのが好ましい。カートリッジ239の表面に用いることができる金属の材質としては、Fe,Co,Ag,Pb,Ni,Al,Mg,Zn,Cu,Tiなどを挙げることができる。カートリッジ239は、これらの金属のうちの少なくとも1種を含有していることが望ましい。より具体的には、カートリッジ239として、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼にTiを配合した金属カートリッジや、オーステナイト系ステンレス鋼にZnを配合した金属カートリッジ、オーステナイト系ステンレス鋼にCuを配合した金属カートリッジなどを挙げることができる。
さらに、このようなイオン量調整器230と合わせて、または別個に、水処理装置1の配管90(特に処理配管92の磁気装置40より上流)の少なくとも内周面に上記したような金属を含む材料を用いてもよい。例えば、処理配管92を、SUS316(JIS)などのステンレス製や、銅製とすることができる。これにより、処理対象水A1に金属イオンを供給することができるので、殺菌力を増強したり、重金属類などを無害化したりすることができる。
前記実施形態においては、ラジカル増加部30において、隙間から空気を侵入させたが酸素を侵入させてもよい。また、部材同士の隙間に代えて、小孔を設けてもよい。また、空気や酸素をポンプやボンベ(ガス供給器)などから、強制的に処理配管92内に注入して供給してもよい。さらに、空気や酸素を処理配管92に入れる位置は、磁気装置40の前であれば、タンク10から磁気装置40の間や、循環配管93のどこであってもよい。すなわち、磁気装置40から出水配管94を通って処理済みの水が出ていく経路以外であれば、どこであってもよい。もっとも、磁気装置40に入る処理対象水A1が、十分なラジカルを含むような位置および構成にするのが望ましい。
なお、前記実施形態のように、タンク10に貯溜した処理対象水A1を水処理装置1に供給する構成において、処理対象水A1中の微生物がタンク10の内壁に付着してタンク10内に残留しないように、内壁に付着した微生物を剥離するための水流を発生させることが望ましい。
例えば、図8(a),(b)に示すように、導入管91の下流端に直管状のステンレス管91aを設け、このステンレス管91aを、タンク10の内壁10aに向けて処理対象水A1を吐出するように、タンク10の内周面に沿わせるように配置する。これにより、ステンレス管91aから処理対象水A1が吐出されることで、タンク10の内周面に沿う水流を発生させることができる。さらに、処理配管92の上流端に直管状のステンレス管92aを設け、このステンレス管92aを、タンク10の内周面に沿わせるように配置することで、水流に逆らうことなく、タンク10内の処理対象水A1を吸引し、処理配管92(水処理装置1)に送り出すことができる。
なお、斜め下方に向けて処理対象水A1を吐出するようにステンレス管91aを配置し、ステンレス管92aの端部(吸入口)をステンレス管91aの端部(吐出口)よりも下方に配置することで、タンク10内にらせん状の水流を発生でき、さらに、らせん状の水流に沿って処理対象水A1をステンレス管92aから吸引することができる。これにより、水流によって内壁10aから剥離した微生物を、水流に沿ってステンレス管92aから吸引することができるので、タンク10内の処理対象水A1を満遍なく水処理装置1に送り出して滅菌することができる。
次に、本発明の水処理装置の滅菌の効果を確認した実施例について説明する。なお、以下の試験で用いた水処理装置は、前記した実施形態(図1参照)と略同様の構成を有している(フィルタ61,62に相当する部材は設けていない。)。
<水処理装置による滅菌試験1>
本発明の水処理装置により、図9〜図11の菌名に掲げた57種類の微生物の滅菌試験をした。なお、図中(表中)に示した菌名は、ラテン語表記が正式な名称であり、カタカナ表記は参考として表示している。
[試験方法]
水処理装置の仕様は、下記の通りである。
タンク水量 30 l
処理配管における流速 2.5m/s
ラジカル増加部のパイプ材質 SUS316
磁気装置の磁石の磁束密度 1.37T
タンク内に水道水または純水30 lを貯溜し、水処理装置を所定時間動作させることで、タンク内の水を処理した。なお、本試験では、磁気装置から出た水は、循環配管を通してタンク内に戻され、再度処理配管に導入されている。すなわち、本試験では、水を循環させながら処理している。
その後、1mlあたり10000個となるように菌をタンク内に入れた。このときの、処理前のタンク内の水1mlを36℃にて混釈培養しコロニー数をカウントしたのが図9〜図11における「対照」である。
その後、水処理装置を作動させ、処理開始後1分、2分、3分のそれぞれにおいて、タンク内からサンプルの水を取り出し、培地に滴下して菌を培養し、コロニー数をカウントした。これらの試験を各菌ごとに行った。タンクの水は、特に加温せず、試験は室温下(20℃)で行った。
[試験結果]
図9〜図11に示すように、57種の菌中、10種の菌は1分間の処理で滅菌され、50種の菌は、2分間経過した時点で滅菌され、3分間経過した時点では、57種のすべての菌が滅菌された。このように、従来であれば、高温を用いても十数分以上掛かっていた滅菌の処理を、常温(40℃以下)において、3分以内で行うことができた。
特に、最も耐性が強いとされる芽胞(spore 99%)である、No.38のBacillus subtilisであっても3分以内で滅菌されていることから、現在知りうる菌についてはすべてについて3分以内で滅菌が可能であると推測される。
<水処理装置による滅菌試験2>
本発明の水処理装置により、図12の菌名に掲げた13種類の微生物の滅菌試験をした。なお、本試験は、水の循環処理を行ってタンク内からサンプルを取り出す方法ではなく、水処理装置を一度通した水を出水配管から採取してサンプルとする方法で行った。
[試験方法]
水処理装置の仕様は、下記の通りである。
タンクの材質 SUS316
タンク水量 30 l
処理配管における流速 3.1m/s
ラジカル増加部のパイプ材質 SUS316
磁気装置の磁石の磁束密度 1.37T
純水30 lをタンク内に入れた。次に、菌株を約106個/mlとなるように希釈して、タンク内の水に添加した。このときの、タンク内の水1mlを採取して、30℃にて3〜7日間、混釈培養しコロニー数をカウントしたのが図12における「対照」である。
その後、水処理装置を作動させた(室温24℃、水温21℃、pH6.5)。そして、作動開始から約1秒後に出水配管から出る装置内を1回通過した水を1ml採取し、30℃にて3〜7日間、混釈培養してコロニー数をカウントした。このような試験を、図12に示す13種類の微生物について個別に実施し、各微生物について10回ずつ実施した。
[試験結果]
図12に示すように、本発明の水処理装置を一度通過させるだけで、芽胞菌であるNo.8のBacillus subtilisを含む、13種類すべての菌が滅菌された。このように、本発明の水処理装置によれば、微生物を極めて短い時間で滅菌することができる。
<紫外線照射による殺菌との比較試験>
本発明の水処理装置による殺菌(滅菌)と、紫外線照射による殺菌とを比較した試験をした。
[試験方法]
水処理装置の仕様は、下記の通りである。
タンク水量 30 l
処理配管における流速 2.5m/s
ラジカル増加部のパイプ材質 SUS316
磁気装置の磁石の磁束密度 1.37T
紫外線照射による殺菌を行う試験装置は、図13に示すように、処理対象水A1が貯溜されるタンク10と、タンク10からの処理対象水A1が流れる処理配管192と、ポンプPと、紫外線照射装置120(紫外線ランプ 2本(ピーク波長:254nm,185nm))と、紫外線照射装置120から出た処理対象水A1を出水させる出水配管194とを有している。
試験装置の仕様は、下記の通りである。
タンク水量 30 l
処理配管における流速 3.0m/s
配管(ポンプ、紫外線照射装置を含む)の全長 3m
純水30 lをタンク内に入れ、予め菌数を調整した菌液(約106個/ml)をタンク内に入れた。このときの、処理前のタンク内の水1mlを採取し、35℃にて混釈培養しコロニー数をカウントしたのが図14(a),(b)における「対照」である。
タンク内の水を採取した後、紫外線照射装置の紫外線ランプを点灯させ、その3分後にポンプを始動した。そして、出水配管から出る最初の10 l分の水を捨てた後、出水配管から出る水を採取し、1mlを35℃にて混釈培養してコロニー数をカウントした。このような試験を、図14に示す5種類の微生物について個別に実施し、各微生物について5回ずつ実施した。なお、試験は室温下(25℃)で行った。
[試験結果]
図14(a)に示すように、本発明の水処理装置で処理した場合には、5種類すべての菌が滅菌された。一方、図14(b)に示すように、紫外線照射だけで処理した場合には、芽胞を形成するBacillus subtilisについて、完全に滅菌できない場合があった(5回目)。紫外線照射装置120は、強力な紫外線ランプを2本有し、かつ、紫外線が微生物に当たりやすいように工夫されているので、紫外線の照射だけでもほとんどの菌を殺菌することができているが、これが一般的な紫外線照射装置であれば、さらに殺菌力が低下するものと推測され、処理量が多い場合には高い確率で滅菌できない場合があると推測される。
<磁気による処理試験>
図15に示す5種類の微生物について、磁気のみで滅菌することが可能か試験した。
[試験方法]
本試験では、本発明の水処理装置から、紫外線照射装置とラジカル増加部を取り外し、ステンレス管でタンクと磁気装置との間の流路を形成した試験装置を用いて、磁気装置だけで処理対象水の処理を行った。磁気装置の磁石の磁束密度は1.37Tである。試験は、図15に示す5種類の微生物について個別に実施した。
(Staphylococcus aureus・Pseudomonas aeruginosa・Bacillus subtilis)
純水25 l(23℃)をタンク内に入れ、0.45%滅菌食塩水2mlに約3×108個/mlの菌液を調整した。タンク内に菌液250μlを入れ、よく攪拌して約3×103個/mlとした。そして、タンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、標準寒天培地で混釈培養して「未処理」の菌数を測定した。次に、流速3.0m/sで試験装置を作動させ、60分後まで10分おきにタンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、標準寒天培地で混釈培養し、菌数を測定した。なお、培養は35℃で行い、48時間まで観察した。
(Escherichia coli)
純水25 l(23℃)をタンク内に入れ、0.45%滅菌食塩水2mlに約1.5×108個/mlの菌液を調整した。タンク内に菌液2.5mlを入れ、よく攪拌して約1.5×104個/mlとした。そして、タンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、標準寒天培地で混釈培養して「未処理」の菌数を測定した。次に、流速3.0m/sで試験装置を作動させ、60分後まで10分おきにタンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、標準寒天培地で混釈培養し、菌数を測定した。なお、培養は35℃で行い、48時間まで観察した。
(Legionella pneumophila)
純水25 l(23℃)をタンク内に入れ、0.45%滅菌食塩水2mlに約3×108個/mlの菌液を調整した。タンク内に菌液250μlを入れ、よく攪拌して約3×103個/mlとした。そして、タンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、GVPC基礎培地に接種して「未処理」の菌数を測定した。次に、流速3.0m/sで試験装置を作動させ、60分後まで10分おきにタンク内から処理対象水100μlを滅菌シャーレに採取し、GVPC基礎培地に接種して菌数を測定した。なお、培養は37℃で行い、5日まで観察した。
[試験結果]
図15に示すように、磁気のみをかける場合でも、処理時間が長くなるにつれて菌数が減少する傾向が確認されたが、60分処理した場合であっても滅菌には程遠いものであった。したがって、磁気のみで短時間に滅菌することができないことが確認された。
<残留物の濃度測定試験>
本発明の水処理装置で処理した水に含まれる残留物(残留塩素(ClO-))の濃度を測定した。
[試験方法]
水処理装置の仕様は、下記の通りである。
タンク水量 30 l
処理配管における流速 2.5m/s
ラジカル増加部のパイプ材質 SUS316
磁気装置の磁石の磁束密度 1.37T
タンク内に水道水30 l(22℃)を貯溜し、水処理装置を所定時間動作させることで、タンク内の水を処理した。その後、処理開始後1分、2分、3分のそれぞれにおいて、タンク内からサンプルの水を取り出し、DPD(ジエチルパラフェニレンジアミン)試薬を加えた。そして、そのときの発色と標準カラーチャートとを比較して残留塩素(遊離残塩)濃度を判定した(いわゆる、DPD法)。なお、タンク内に入れた水道水の残留塩素濃度は1.0ppmであった。
[試験結果]
残留塩素濃度は、1分間の処理で0.6ppm、2分間の処理で0.2ppm、3分間の処理で0ppmとなった。すなわち、処理時間が経過するにつれて残留塩素濃度が減少していき、3分間経過した時点で残留塩素は完全に検出されなかった。以上より、本発明の水処理装置によれば、微生物を短時間で滅菌できるだけでなく、処理対象水に含まれる残留物(残留塩素)も短時間に分解することができる。

Claims (10)

  1. 処理対象水が供給され、処理通路内で前記処理対象水に所定の処理をする水処理装置であって、
    前記処理通路上に設けられ前記処理対象水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の下流に設けられ、流通する前記処理対象水に磁場をかける磁気装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間の、スーパーオキシド(・O2 -)、水素イオン(H3+)、ヒドロキシルラジカル(HO・)、過酸化水素(H22)、一重項酸素(12)、金属−酸素錯体(M−OO)、オゾン(O3)の少なくとも1種を増加させるラジカル増加手段とを備えたことを特徴とする水処理装置。
  2. 前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間において、外部から空気または酸素が侵入可能にされた小孔または隙間であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の水処理装置。
  3. 前記処理通路における前記磁気装置より上流側に、ケースと、当該ケースの中に設けられ、表面に露出した金属を含んでなる交換可能なイオン供給カートリッジとを有するイオン量調整装置を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の水処理装置。
  4. 前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間において、外部から空気または酸素を供給するガス供給器であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の水処理装置。
  5. 前記ラジカル増加手段は、前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間に配置された過酸化水素発生装置であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の水処理装置。
  6. 前記処理対象水はタンクから供給され、前記磁気装置の下流で前記処理通路と前記タンクとを接続する循環通路を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の水処理装置。
  7. 前記循環通路における前記磁気装置と前記タンクとの間に、滅菌・無害化された処理済みの水を取り出す出水通路を設けたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の水処理装置。
  8. 処理対象水が供給され、処理通路内で前記処理対象水に所定の処理をする水処理装置であって、
    前記処理通路上に設けられ前記処理対象水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の下流に設けられ、流通する前記処理対象水に磁場をかける磁気装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間に設けられ、外部から空気または酸素が侵入可能な小孔または隙間とを備えたことを特徴とする水処理装置。
  9. 処理対象水が供給され、処理通路内で前記処理対象水に所定の処理をする水処理装置であって、
    前記処理通路上に設けられ前記処理対象水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の下流に設けられ、流通する前記処理対象水に磁場をかける磁気装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間に設けられ、外部から空気または酸素を供給するガス供給器とを備えたことを特徴とする水処理装置。
  10. 処理対象水が供給され、処理通路内で前記処理対象水に所定の処理をする水処理装置であって、
    前記処理通路上に設けられ前記処理対象水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の下流に設けられ、流通する前記処理対象水に磁場をかける磁気装置と、
    前記処理通路における前記紫外線照射装置の上流側または前記紫外線照射装置と前記磁気装置との間に配置された過酸化水素発生装置とを備えたことを特徴とする水処理装置。
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