JPWO2010029758A1 - 高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

本発明の高分子電解質形燃料電池は、高分子電解質膜(1)の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極(4a、4b)を有する膜−電極接合体(5)と、第1セパレータ(6a)と、第2セパレータ(6b)と、を備え、第1セパレータ(6a)の一方の主面には、第1反応ガス流路(8)が形成され、第2セパレータ(6b)の一方の主面には、第2リブ部(12)を有するように第2反応ガス流路(9)が形成され、第1反応ガス流路(8)は、その上流部(18b)における第1反応ガス流路幅の第2リブ部(12)に対する割合が、その下流部(18c)における第1反応ガス流路幅の第2リブ部(12)に対する割合よりも大きくなるように形成され、かつ、その上流部(18b)における第1反応ガス流路幅の第2リブ部(12)に対する割合が所定の割合になるように形成されている、高分子電解質形燃料電池。

Description

本発明は、高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックの構成、特に、高分子電解質形燃料電池のセパレータの構成に関する。
近年、クリーンなエネルギー源として、燃料電池が注目されている。燃料電池としては、例えば、高分子電解質形燃料電池が挙げられる。高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、膜−電極接合体と、この膜−電極接合体を挟みかつそれぞれアノード及びカソードに接触するように配置されたアノードセパレータ及びカソードセパレータとを備えている。膜−電極接合体は、それぞれガス拡散層及び触媒層からなるアノード及びカソード(これらを電極という)を備えている。ガス拡散層には、反応ガスの流通パスとなる細孔が存在する。アノードセパレータの一方の主面には、燃料ガス流路が形成されている。カソードセパレータの一方の主面には、酸化剤ガス流路が形成されている。燃料ガス流路からアノードに供給された燃料ガス(水素)はイオン化(H)され、アノードのガス拡散層及び触媒層を通過し、高分子電解質膜中を水の介在によって通過して、カソード側に移動する。カソード側に到達した水素イオンは、カソードの触媒層において以下の発電反応により、水を生成する。
アノード側:H→2H+2e
カソード側:(1/2)O+2H+2e→H
全反応:H+(1/2)O→H
生成された水(生成水)は、蒸気又は液体のまま、カソードセパレータに形成された酸化剤ガス流路に流れ込む。また、カソード側で生成された水の一部は、アノード側に移動して(いわゆる、逆拡散)、燃料ガス流路に流れ込む。酸化剤ガス流路又は燃料ガス流路に流れ込んだ生成水は、酸化剤ガス又は燃料ガスの流れに沿って、下流側に移動する。このため、電極内における局所的な水分量のばらつきが大きくなり、その結果、局所的な発電量のばらつきが大きくなる場合がある。
このような問題に対して、ガスが流入する第1流路と、ガスを排出する第2流路と、を備え、アノード側の第1流路とカソード側の第2流路とを電解質層を挟んで対向するように構成し、アノード側の第2流路とカソード側の第1流路とを電解質層を挟んで対向するように構成された燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、アノードガス通路とカソードガス通路とが電解質膜−電極接合体を挟んで対峙する位置関係で設けられ、かつアノードガスとカソードガスとがそれぞれ通路内を並行して流通するように構成された、固体高分子型燃料電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に開示されている燃料電池では、燃料ガスと酸化剤ガスの流れを、いわゆる対向流とし、流路を電解質層を挟んで互いに対向するように構成することで、ガス拡散層の水分量の多い領域同士や水分量の少ない領域同士が、電解質層を挟んで対向することが抑制され、その結果、電極における局所的な発電量のばらつきが大きくなることが抑制される。
また、特許文献2に開示されている固体高分子型燃料電池では、カソードガスよりもアノードガスの方を高加湿にすることで、カソードガス通路の入口側付近では、アノードガス通路の入口側付近を通流するアノードガスから水分が拡散して、アノード電極側からカソード電極側に向かって移動し、一方、アノードガス通路の出口側付近では、水分がカソード電極側からアノード電極側に向かって移動するため、燃料電池全体の水分の給排制御を適正に行い、燃料電池の発電性能を良好に維持することができる。
また、反応ガス流路の上流領域において、反応ガス流路を構成する溝の壁面と反応がストの接触面積が、他の領域よりも大きくなるように構成することで、高分子電解質膜の乾燥を抑制する固体高分子型燃料電池が知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池では、壁内面または壁面上に存在する水の蒸発を促進することにより、溝壁面側から反応ガス内に蒸発する水量を増大することで、固体高分子膜側からの水の蒸発を抑制し、固体高分子膜の乾燥を抑制することができる。
さらに、燃料ガス流路と酸素含有ガス流路のうち、少なくとも一方のガス流路に対向する面の電極触媒層の設置面積を減少させ、燃料ガス流路と酸素含有ガス流路を電解質膜面方向に交互に配置した燃料電池が知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に開示されている燃料電池では、対極へのガスの透過を抑制することで燃料電池の発電電圧を増加させることができる。
特開2006−331916号公報 特開平9−283162号公報 特開2005−235418号公報 特開2003−297395号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献4に開示されている燃料電池においては、燃料電池を高温低加湿(例えば、反応ガスの露点を燃料電池スタック内の温度よりも低くする)の条件で運転すると、反応ガス流路の上流部では、上記反応が充分に行われていないので水が充分に生成されず、高分子電解質膜の反応ガス流路の上流部に対向する部分が、乾燥してイオン伝導性が低下し、発電効率が低下するという点で、未だ改善の余地があった。
また、特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池では、アノードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、カソードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、が重なる部分と重ならない部分とが、不均一に形成されているため、さらに高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、固体高分子膜(高分子電解質膜)が劣化するおそれがあり、未だ改善の余地があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、特に、高分子電解質形燃料電池を高温低加湿条件下で運転するような場合に、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックを提供することを目的とする。
ところで、燃料電池の運転中においては、電極における反応ガス流路に面する部分の水分(液体及び気体の水)含有量が、電極における隣接する反応ガス流路間に形成されたリブ部に接触する部分の水分含有量に比べて低いことが知られている。図15は、燃料電池運転中における、電極の水分含有量を示す模式図である。
本発明者等は、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の点を見出した。すなわち、図15に示すように、電極202における隣接する反応ガス流路203間に形成されたリブ部204に接触する部分202Aに存在する水が、電極202における反応ガス流路203に面する部分202B側に拡散して、電極202のリブ部204と反応ガス流路203との境界近傍は、電極202の部分202Bの中央部分に対して、水分含有量が高くなっていることを見出した。換言すると、電極202のリブ部204に接触する部分202Aから離れると水分含有量が少なくなることを見出した。そして、本発明者等は以下に記載する構成を採用することが、上記本発明の目的を達成する上で極めて有効であるということを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、高分子電解質膜と該高分子電解質膜の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極を有する膜−電極接合体と、板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち一方の電極と接触するように配設された導電性の第1セパレータと、板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち他方の電極と接触するように配設された導電性の第2セパレータと、を備え、前記第1セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第1リブ部が並走するように第1反応ガス流路が形成され、前記第2セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第1リブ部が並走するように第2反応ガス流路が形成され、前記第1反応ガス流路は、その上流端から最初に前記電極と接触する部分から下流に向かって所定の長さに亘る部分(以下、第1反応ガス流路の上流部)における、前記第1セパレータの厚み方向から見て前記第1反応ガス流路の幅方向の前記第2セパレータの前記第2リブ部と重なる部分の前記第1反応ガス流路の全幅に対する割合(以下、第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合)が、前記第1反応ガス流路の前記上流部以外の部分(以下、第1反応ガス流路の下流部)における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合よりも大きくなるように形成され、かつ、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が所定の割合になるように形成されている。
上述したように、電極における第1反応ガス流路の上流部に面する部分の水分含有量は、電極におけるリブ部に接触する部分の水分含有量に比べて低くなるが、本発明においては、第1セパレータの厚み方向から見て、第1反応ガス流路の上流部の少なくとも一部が、第2セパレータの第2リブ部と重なるように形成されている。すなわち、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、一方の電極における第1反応ガス流路の上流部に面する部分(以下、一方の電極の流路対向部分)の少なくとも一部と、他方の電極における第2セパレータの第2リブ部と接触する部分(以下、他方の電極のリブ部対向部分)と、が、第1セパレータの厚み方向から見て、重なるように構成されている。このため、水分含有量が少ない一方の電極の流路対向部分には、水分含有量が多い他方の電極のリブ部対向部分から水が移動するため、高分子電解質膜の第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができる。その結果、本発明に係る高分子電解質形燃料電池を、特に、高温低加湿の条件で運転するような場合に、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
ところで、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)と接触する部分には、高分子電解質形燃料電池を締結したときに、圧力がかかるが、第1セパレータの厚み方向から見て、第1リブ部と第2リブ部とが重ならないように形成されると、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)の端部と接触する部分に応力が集中して、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、高分子電解質膜が劣化するおそれがある。そして、上記特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池のように、アノードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、カソードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、が重なる部分と重ならない部分とが、不均一に形成されると、さらに高分子電解質膜に機械的ストレスがかかる。
しかしながら、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、第1反応ガス流路が、第1反応ガス流路の上流部における第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が所定の割合になるように第1セパレータに形成されているので、高分子電解質膜にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1/2以上、かつ、1以下であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1であってもよい。
これにより、一方の電極の流路対向部分と、他方の電極のリブ部対向部分と、が、第1セパレータの厚み方向から見て、第1反応ガス流路の幅方向において、互いに重なるように構成されている。このため、本発明に係る高分子電解質形燃料電池を、特に、高温低加湿の条件で運転するような場合に、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥をより抑制することができ、高分子電解質膜の劣化をより抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の下流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が0であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、前記第1反応ガス流路の上流部は、第1上流部と該第1上流部よりも下流側に位置する第2上流部を有しており、前記第1反応ガス流路は、前記第1反応ガス流路の第1上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第1の所定の割合となるように、かつ、前記第1反応ガス流路の第2上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第2の所定の割合となるように形成されていてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池では、前記第1の所定の割合が前記第2の所定の割合よりも大きくてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池では、前記第1の所定の割合が1であり、前記第2の所定の割合が1/2であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の下流部で形成される前記第1リブ部は、前記第1セパレータの厚み方向から見て、前記第2リブ部と重なり合うように形成されていてもよい。
上述したように、高分子電解質膜の反応ガス流路の下流部に対向する部分は、反応ガス流路を通流する生成水によって加湿されている。一方、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)と接触する部分には、高分子電解質形燃料電池を締結したときに、圧力がかかるが、第1セパレータの厚み方向から見て、第1リブ部と第2リブ部とが重ならないように形成されると、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)の端部と接触する部分に応力が集中して、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、高分子電解質膜が劣化するおそれがある。しかしながら、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、第1反応ガス流路の下流部のうち第2反応ガス流路と並走する部分で形成される第1リブ部の少なくとも一部を、第1セパレータの厚み方向から見て、第2リブ部と重なるように形成することにより、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかることを抑制し、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1セパレータの他方の主面及び/又は前記第2セパレータの他方の主面には、溝状の冷却媒体流路が形成されており、前記第1反応ガス流路を通流する第1反応ガス及び前記第2反応ガス流路を通流する第2反応ガスの露点が、前記冷却媒体流路を通流する冷却媒体の温度よりも低くてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、サーペンタイン状に形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、渦巻状に形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路は、上流ガス流路と下流ガス流路と前記上流ガス流路と前記下流ガス流路を連通し直線状に形成された複数の連通ガス流路とから構成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路と前記第2反応ガス流路は、並行流となるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータには、それぞれ、厚み方向に貫通する第1反応ガス供給マニホールド孔及び第2反応ガス供給マニホールド孔が互いに対向するように設けられていてもよい。
さらに、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の前記上流部の幅が、該第1反応ガス流路の下流部の幅よりも小さく形成されていてもよい。
これにより、一方の電極における第1反応ガス流路の上流部と面する部分を小さくすることができ、当該部分の乾燥を抑制することができ、ひいては、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池スタックは、複数の前記高分子電解質形燃料電池が積層して締結されている。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックによれば、高温低加湿の条件で運転した場合に、高分子電解質膜の乾燥を抑制し、これにより、高分子電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す燃料電池スタックにおける高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図3は、図2に示す高分子電解質形燃料電池のカソードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図4は、図2に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図6は、図5に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図8は、図7に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図9は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図10は、図9に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図11は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図13は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図14は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図15は、燃料電池運転中における、電極の水分含有量を示す模式図である。 図16は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図である。 図17は、図16に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図18は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図19は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図20は、本実施の形態8に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図21は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図22は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図23は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図24は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図25は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図26は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図27は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図28は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図29は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図30は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
[燃料電池スタックの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、図1において、燃料電池スタックの上下方向を図における上下方向として表している。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタック61は、板状の全体形状を有する高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)100がその厚み方向に積層されてなるセル積層体62と、セル積層体62の両端に配置された第1及び第2の端板63、64と、セル積層体62と第1及び第2の端板63、64とを燃料電池100の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。また、第1及び第2の端板63、64には、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。なお、板状の燃料電池100は、鉛直面に平行に延在しており、燃料電池100の積層方向は水平方向となっている。
セル積層体62における一方の側部(図面左側の側部:以下、第1の側部という)の上部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、酸化剤ガス供給マニホールド孔133が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド136が設けられている。また、セル積層体62の第1の側部の酸化剤ガス供給マニホールド133が配設されている上部の内側には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、冷却媒体供給マニホールド135が設けられており、同様に、冷却媒体排出マニホールド136が配設されている下部の内側には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、燃料ガス排出マニホールド132が設けられている。さらに、セル積層体62における他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部)の上部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、燃料ガス供給マニホールド131が設けられており、その下部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、酸化剤ガス排出マニホールド134が設けられている。
そして、それぞれのマニホールドには、適宜な配管が設けられている。これにより、適宜な配管を介して、燃料電池スタック61に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却媒体が供給され、排出される。
[高分子電解質形燃料電池の構成]
次に、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す燃料電池スタック61における燃料電池100の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図2においては、一部を省略している。
図2に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池100は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)5と、ガスケット7と、アノードセパレータ6aと、カソードセパレータ6bと、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1と、アノード電極4aと、カソード電極4bと、を有している。高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード電極4aとカソード電極4bがそれぞれ設けられている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔等の各マニホールド孔(図示せず)が厚み方向に貫通するように設けられている。
アノード電極4aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むアノード触媒層2aと、アノード触媒層2aの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3aと、を有している。同様に、カソード電極4bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むカソード触媒層2bと、カソード触媒層2bの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3bと、を有している。
また、MEA5のアノード電極4a及びカソード電極4b(正確には、アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3b)の周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7が配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット7の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる酸化剤ガス排出マニホールド孔等のマニホールド孔(図示せず)が設けられている。
また、MEA5とガスケット7を挟むように、導電性のアノードセパレータ(第1セパレータ)6aとカソードセパレータ(第2セパレータ)6bが配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池100をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ6a、6bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ6aのアノード電極4aと接触する一方の主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流するための溝状の燃料ガス流路(第1反応ガス流路)8が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。同様に、カソードセパレータ6bのカソード電極4bと接触する一方の主面(以下、内面という)には、酸化剤ガスが通流するための溝状の酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)9が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。
これにより、アノード電極4a及びカソード電極4bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
なお、このように構成された燃料電池100を単電池(セル)として使用してもよく、燃料電池100を複数積層して燃料電池スタック61として使用してもよい。また、燃料電池100を積層する場合には、冷却媒体流路10を単電池2〜3個ごとに設ける構成としてもよい。さらに、単電池間に冷却媒体流路10を設けない場合には、2つのMEA5に挟まれたセパレータを、一方の主面に燃料ガス流路8を設け、他方の主面に酸化剤ガス流路9を設けた、アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bを兼ねるセパレータを使用してもよい。また、ここでは、第1セパレータをアノードセパレータ6aとし、第2セパレータをカソードセパレータ6bとし、また、第1反応ガス流路を燃料ガス流路8とし、第2反応ガス流路を酸化剤ガス流路9としたが、これに限定されず、第1セパレータをカソードセパレータ6bとし、第2セパレータをアノードセパレータ6aとし、また、第1反応ガス流路を酸化剤ガス流路9とし、第2反応ガス流路を燃料ガス流路8としてもよい。
[セパレータの構成]
次に、カソードセパレータ6b及びアノードセパレータ6aについて、図2乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図2に示す燃料電池100のカソードセパレータ6bの概略構成を示す模式図である。また、図4は、図2に示す燃料電池100のアノードセパレータ6aの概略構成を示す模式図である。なお、図3及び図4において、カソードセパレータ6b及びアノードセパレータ6aにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図4においては、酸化剤ガス流路9の一部を仮想線(二点差線)で示している。
まず、カソードセパレータ6bの構成について、図2及び図3を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、カソードセパレータ6bは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。具体的には、カソードセパレータ6bにおける一方の側部(以下、第1の側部という)の上部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔(第2反応ガス供給マニホールド孔)33が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている。また、第1の側部の酸化剤ガス供給マニホールド孔33が配設されている上部の内側には、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられており、同様に、冷却媒体排出マニホールド孔36が配設されている下部の内側には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。さらに、カソードセパレータ6bにおける他方の側部(以下、第2の側部)の上部には、燃料ガス供給マニホールド孔(第1反応ガス供給マニホールド孔)31が設けられており、その下部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられている。なお、燃料ガス供給マニホールド孔31と酸化剤ガス供給マニホールド孔33は、中心線を挟んで互いに対向するように設けられている。
そして、図2及び図3に示すように、カソードセパレータ6bの内面には、溝状の酸化剤ガス流路9が、酸化剤ガス供給マニホールド孔33と酸化剤ガス排出マニホールド孔34とを結ぶようにサーペンタイン状に形成されている。ここでは、酸化剤ガス流路9は、1つの溝で構成されており、該溝は、往復部9aと反転部9bとで実質的に構成されている。
具体的には、酸化剤ガス流路9を構成する溝は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33から第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、上記延在パターンを5回繰り返し、そこから、第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に到るように下方に延びている。このような、酸化剤ガス流路9の水平方向に延びる部分が往復部9aを構成し、下方に延びる部分が反転部9bを構成している。そして、図2及び図3に示すように、酸化剤ガス流路9を構成する溝(正確には、往復部9a)と溝(正確には、往復部9a)との間の部分が、カソード4bと当接する第2リブ部12を形成する。
すなわち、酸化剤ガス流路9は、複数の第2リブ部12が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第2リブ部12のうち、1の第2リブ部12を特定し、該特定した第2リブ部12に沿って、他の第2リブ部12が形成されていることをいう。
また、酸化剤ガス流路9は、最上流部19a、上流部19b、及び下流部19cを有している。最上流部19aは、その上流端が、酸化剤ガス流路9の上流端である酸化剤ガス供給マニホールド孔33とし、その下流端は、カソードセパレータ6bの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の上流端から最初にカソード4bと接続する部分42である。上流部19bは、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、少なくとも、一端を部分42とし、他端を式:L4≦{(2/3)×L5}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。
なお、上記式中、L4は、酸化剤ガス流路9の上流部19bの流路長を示し、L5は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、上流部19bの他端は、式:L4≦L5を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、上流部19bの他端は、上流側から1つ目の往復部9aの下流端である。すなわち、上流部19bは、酸化剤ガス流路9の部分42から、第2の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分(酸化剤ガス流路9の部分42から1つ目の往復部9aの下流端までの部分)で構成される。
下流部19cは、一端を酸化剤ガス流路9の下流端である酸化剤ガス排出マニホールド孔34とし、他端を式:L6≦{(1/3)×L5}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L6は、酸化剤ガス流路9の下流部19cの流路長を示す。また、下流部19cの他端は、式:L6≦L5を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、下流部19cの他端は、1つ目の往復部9aの下流端である。
なお、本実施の形態1においては、酸化剤ガス流路9は、1本の溝で形成したが、これに限定されず、複数の溝をカソードセパレータ6bの内面に形成して、複数の酸化剤ガス流路群を形成してもよい。この場合、各酸化剤ガス流路9を構成する溝(正確には、往復部9a)と溝(正確には、往復部9a)との間の部分が、第2リブ部12を形成する。
次に、アノードセパレータ6aの構成について、図2乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
図2及び図4に示すように、アノードセパレータ6aは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。なお、各マニホールド孔の配置は、カソードセパレータ6bと同じなので、その詳細な説明は省略する。
アノードセパレータ6aの内面には、溝状の燃料ガス流路8が、燃料ガス供給マニホールド孔31と燃料ガス排出マニホールド孔32とを結ぶようにサーペンタイン状に形成されている。燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、いわゆる並行流となるように構成されている。ここで、並行流とは、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、一部に酸化剤ガスと燃料ガスが互いに対向するように流れる部分を有するが、燃料電池100の厚み方向から見て、巨視的に(全体として)酸化剤ガスと燃料ガスの上流から下流への全体的な流れの方向が互いに一致するように構成されていることをいう。
また、図4に示すように、燃料ガス流路8は、ここでは、1つの溝で構成されており、該溝は、往復部8aと反転部8bとで実質的に構成されている。具体的には、燃料ガス流路8を構成する溝は、燃料ガス供給マニホールド孔31から第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、上記のような延在パターンを5回繰り返し、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、燃料ガス排出マニホールド孔32に到るように下方に延びている。このような、燃料ガス流路8の水平方向に延びる部分が往復部8aを構成し、下方に延びる部分が反転部8bを構成している。なお、燃料ガス流路8を構成する溝(正確には、往復部8a)と溝(正確には、往復部8a)との間の部分が、アノード6aと当接する第1リブ部11を形成する。
すなわち、燃料ガス流路8は、複数の第1リブ部11が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第1リブ部11のうち、1の第1リブ部11を特定し、該特定した第1リブ部11に沿って、他の第1リブ部11が形成されていることをいう。
なお、本実施の形態1においては、燃料ガス流路8は、1本の溝で形成したが、これに限定されず、複数の溝をアノードセパレータ6aの内面に形成して、複数の酸化剤ガス流路群を形成してもよい。この場合、各燃料ガス流路8を構成する溝(正確には、往復部8a)と溝(正確には、往復部8a)との間の部分が、第1リブ部11を形成する。
また、燃料ガス流路8は、最上流部18a、上流部18b、及び下流部18cを有している。最上流部18aは、その上流端が、燃料ガス流路8の上流端である燃料ガス供給マニホールド孔31とし、その下流端は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流端から最初にアノード4aと接続する部分41である。上流部18bは、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、少なくとも、一端を部分41とし、他端を式:L1≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。
なお、上記式中、L1は、燃料ガス流路8の上流部18bの流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、上流部18bの他端は、式:L1≦L2を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、上流部18bの他端は、上流側から1つ目の往復部8aの下流端である。すなわち、上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分(燃料ガス流路8の部分41から1つ目の往復部8aの下流端までの部分)で構成される。
下流部18cは、一端を燃料ガス流路8の下流端である燃料ガス排出マニホールド孔32とし、他端を式:L3≦{(1/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L3は、燃料ガス流路8の下流部18cの流路長を示す。また、下流部18cの他端は、式:L3≦L2を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、下流部18cの他端は、1つ目の往復部8aの下流端である。
そして、図2乃至図4に示すように、燃料ガス流路8は、酸化剤ガス流路9と並走する部分を有する。ここで、並走するとは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路が互いに並んで設けられていることをいう。本実施の形態においては、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bを除く、すなわち、燃料ガス流路8の下流部18cを構成する往復部8aと酸化剤ガス流路9の往復部9aが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように設けられている。
また、燃料ガス流路8の上流部18bは、酸化剤ガス流路9の1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成される第2リブ部12と、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように(対向するように)形成されている。すなわち、本実施の形態1に係る燃料電池100では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、水分含有量が少ないアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分と、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分と、が、互いに重なるように配設されている。これにより、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分からアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分へ水が移動するため、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。
そして、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(以下、燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合という)を所定の割合、ここでは、1になるように形成されている。これにより、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11と第2リブ部12とが重なる部分と、重ならない部分とが、均一に形成され、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
なお、酸化剤ガス流路9の上流部(酸化剤ガス流路9のカソード4bと最初に接触する部分から1つ目の往復部9aの下流端までの間に形成された部分)は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6aの内面と互いに重なるように(対向するように)形成されている。このため、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、高分子電解質膜1における酸化剤ガス流路9の上流部と対向する部分においても、当該部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。
一方、燃料ガス流路8の下流部18cは、下流部18cを構成する往復部8aが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の往復部9aと互いに重なるように設けられている。換言すると、燃料ガス流路8の下流部18cを構成する往復部8a間に形成される第1リブ部11と、酸化剤ガス流路9の往復部9a間に形成される第2リブ部12と、が、互いに重なるように形成されている。このため、燃料ガス流路8の下流部18cでは、MEA5のアノード4a及びカソード4bにおける第1リブ部11及び第2リブ部12の端部と接触する部分に応力が集中することが抑制され、ひいては、高分子電解質膜1に機械的ストレスがかかることが抑制され、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の作用効果について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
[燃料電池スタック(燃料電池)の作用効果]
上述したように、アノード4aにおける燃料ガス流路8に面する部分の水分含有量は、アノード4aにおける第1リブ部11に接触する部分の水分含有量に比べて低くなるが、特に、燃料電池スタック61を高温低加湿の条件(燃料ガス流路8を通流する燃料ガス及び酸化剤ガス流路9を通流する酸化剤ガスの露点が、冷却媒体流路10を通流する冷却媒体(ここでは、水)の温度よりも低い条件)で運転するような場合に、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する部分では、反応ガスの反応による生成水が充分ではないため、水分含有量が少ない。このため、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bに対向する部分では、乾燥しやすくなり、高分子電解質膜1の当該部分が劣化するおそれがある。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池100及びそれを備える燃料電池スタック61では、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合)が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合よりも大きくなるように形成している。
すなわち、本実施の形態1においては、燃料ガス流路8の上流部18bを、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路の幅方向においてカソードセパレータ6bに形成された第2リブ部12と重なるように形成して、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1と所定の割合とし、一方、燃料ガス流路の下流部18cを、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路の幅方向においてカソードセパレータ6bに形成された第2リブ部12と全く重ならないように形成して、燃料ガス流路8の下流部18cにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を0としている。
これにより、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分からアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分へ水が移動し、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。また、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11と第2リブ部12とが重なる部分と、重ならない部分とが、均一に形成され、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る燃料電池100及びそれを備える燃料電池スタック61では、燃料ガス流路8の下流部18cを構成し、酸化剤ガス流路9と並走する部分である往復部8a間に形成される第1リブ部11と、酸化剤ガス流路9の往復部9a間に形成される第2リブ部12と、が、互いに重なるように形成されているため、MEA5のアノード4a及びカソード4bにおける第1リブ部11及び第2リブ部12の端部と接触する部分に応力が集中することが抑制され、ひいては、高分子電解質膜1に機械的ストレスがかかることが抑制され、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態1においては、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9ともに、その流路をサーペンタイン状に形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8のみをサーペンタイン状に形成してもよく、酸化剤ガス流路9のみをサーペンタイン状に形成してもよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図6は、図5に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図5においては、一部を省略し、図6においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図5及び図6に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタック(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bの一部が、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9と重なるように構成されている点が異なる。
具体的には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流部18bの幅方向(上下方向)の上側半分が、酸化剤ガス流路9と互いに重なるように構成され、燃料ガス流路8の上流部18bの上下方向(幅方向)の下側半分が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合が1/2となるように構成されている。
このように構成された本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流部18bとカソードセパレータ6bの第2リブ部12とが互いに重なる部分(ここでは、燃料ガス流路8の上流部18bの下側半分)と対向する部分については、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1/2と所定の割合としているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることが抑制され、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の下流部18cが、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に形成されているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図8は、図7に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図7においては、一部を省略し、図8においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図7及び図8に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅が、下流部18cの流路の幅よりも小さくなるように形成されている点が異なる。
具体的には、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅と下流部18cの流路の幅が、それぞれ、一定に形成されていて、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅が、下流部18cの流路の幅よりも小さくなるように形成されている。また、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の深さは、下流部18cの流路の深さよりも深くなるように形成されていて最上流部18a及び上流部18bを構成する溝の燃料ガスの流れに対して垂直方向の断面積(以下、単に流路の断面積という)が、下流部18cの流路の断面積と略一致するように形成されている。これにより燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bと下流部18cの圧力損失が同じになり、最上流部18a及び上流部18bと下流部18cを通流する燃料ガスの流量が実質的に同じになる。
なお、ここでは、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅を同じにしたが、これに限定されず、最上流部18aの流路の幅を下流部18cの流路の幅と同じにしてもよく、また、上流部18bの流路の幅を異なるようにしてもよい。また、酸化剤ガス流路9の上流部の流路の幅を酸化剤ガス流路9の下流部の流路の幅よりも小さくしてもよい。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の上流部18bの流路の幅を小さくすることにより、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bと面する部分を小さくすることができ、水分含有量の少ない領域を小さくすることができる。このため、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分が小さくなり、高分子電解質膜1の乾燥を抑制し、その結果、高分子電解質膜1の劣化をより抑制することができる。
さらに、本実施の形態3に係る燃料電池スタック(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の断面積が、下流部18cの流路の断面積と略一致するように形成されているため、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bと下流部18cの圧力損失が同じになる。このため、燃料ガス流路8における最上流部18a及び上流部18bと下流部18cを通流する燃料ガスの流量が実質的に同じにすることができ、発電性能を維持することができる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図10は、図9に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図9においては、一部を省略し、図10においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図9及び図10に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bの他端が、上流側から2つ目の往復部8aの下流端である点が異なる。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから下方にある距離延び、その到達点から第2の側部に向かって水平方向に延びた点までの部分で構成されている。
そして、本実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8の上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、上流側から1つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成され、また、上流側から2つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から2つ目の往復部9aと3つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。
このように構成された本実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という))のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図であり、図12は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図11及び図12においては、カソードセパレータ及びアノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図11及び図12に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9が、渦巻状に形成されている点が異なる。なお、以下の説明においては、酸化剤ガス流路9は、燃料ガス流路8と同様に構成されているので、燃料ガス流路8について説明する。
図12に示すように、燃料ガス流路8は、水平方向に延びるように形成された水平部8aと、上下方向に延びるように形成された垂直部8bと、から実質的に構成されており、アノードセパレータ6aの周縁部から中央部に向かって収束するように、時計回りに流路が形成され、アノードセパレータ6aの中央部で折り返して、アノードセパレータ6aの周縁部に向かって発散するように、反時計回りに流路が形成されている。ここで、アノードセパレータ6aの中央部とは、アノードセパレータ6aの外周に対する中央部分をいう。
そして、燃料ガス流路8の上流部18bは、ここでは、燃料ガス流路8の上流端から最初にアノード4aと接触する部分41と第1の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分との間(換言すると、上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から1つ目の水平部8aの下流端までの部分)の流路で構成されている。また、燃料ガス流路8の上流部18bは、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の水平部9aと、該水平部9aの下方に隣接する水平部9aと、の間で形成される第2リブ部12と、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように形成されている。
このように構成された、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施形態5においては、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9ともに、その流路を渦巻状に形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8のみを渦巻状に形成してもよく、酸化剤ガス流路9のみを渦巻状に形成してもよい。
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という))のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図であり、図14は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図13及び図14においては、カソードセパレータ及びアノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図13及び図14に示すように、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9が、いわゆる対向流となるように構成され、燃料ガス供給マニホールド孔31等のマニホールド孔の位置が異なる。ここで、対向流とは、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9が、一部に燃料ガスと酸化剤ガスが並走するように流れる部分を有するが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、巨視的に(全体として)燃料ガスと酸化剤ガスの上流から下流への全体的な流れの方向が互いに反対になるように構成されていることをいう。
次に、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置について、図14を参照しながら説明する。なお、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置は、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔と同様に設けられているため、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、アノードセパレータ6aにおける第1の側部の上部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている。冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている下部の内側には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。また、アノードセパレータ6aにおける第2の側部の上部には、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられており、その下部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33が設けられている。また、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられている上部の内側には、燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられている。
また、燃料ガス流路8を構成する溝は、燃料ガス供給マニホールド孔31から下方にある距離延び、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第2の側部に向かって水平方向にある距離延びている。そして、上記のような延在パターンを5回繰り返し、そこから、下方にある距離延び、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、燃料ガス排出マニホールド孔32に到るように下方に延びている。
そして、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔及び燃料ガス流路8がこのように構成されているため、燃料ガス流路8の上流部18bは、以下のように構成される。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の下流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成される第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。
このように構成された、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態7)
図16は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図17は、図16に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図16においては、一部を省略し、図17においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図16及び図17に示すように、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bは、第1上流部181と第2上流部182(図17の一点差線で囲まれた部分)を有している点が異なり、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181が、酸化剤ガス流路9と重ならないように構成されていて、第2上流部182の一部が、酸化剤ガス流路9と重なるように構成されている点が異なる。
具体的には、上流部18bの第1上流部181は、上流側から1つ目の往復部8aと、上流側から1つ目の反転部8bと、上流側から2つ目の往復部8aと、で構成されている。
すなわち、第1上流部181は、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延びて、そこから下方にある距離延び、その到達点から第2の側部に向かって水平方向に延びた点までの部分で構成されている。
そして、第1上流部181は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、上流側から1つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成され、また、上流側から2つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から2つ目の往復部9aと3つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、第1上流部181は、該第1上流部181における燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第1の所定の割合)が1となるように構成されている。
また、上流部18bの第2上流部182は、上流側から2つ目の反転部8bと、上流側から3つ目の往復部8aと、上流側から3つ目の反転部8bと、上流側から4つ目の往復部8aと、で構成されている。すなわち、第2上流部182は、第1上流部の下流端から、下方にある距離延び、そこから第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から下方にある距離延び、そこから第2の側部に向かって水平方向にある距離延びた点までの部分で構成されている。
そして、第2上流部182は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2上流部182を構成する上流側から3つ目と4つ目の往復部8aの幅方向(上下方向)の上側半分が、酸化剤ガス流路9と互いに重なるように構成され、第2上流部182を構成する上流側から3つ目と4つ目の往復部8aの上下方向(幅方向)の下側半分が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、第2上流部182は、該第2上流部182における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合(第2の所定の割合)が1/2となるように構成されている。
このように、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、第1の所定の割合が第2の所定の割合よりも大きくなるように構成されている。
そして、このように構成された本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においては、第1上流部181では、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏し、第2上流部182では、燃料ガス流路8の第2上流部182とカソードセパレータ6bの第2リブ部12とが互いに重なる部分(ここでは、第2上流部182の下側半分)と対向する部分については、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の第1上流部181における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1と所定の割合とし、第2上流部182における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1/2と所定の割合としているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることが抑制され、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の下流部18cが、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に形成されているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態7においては、燃料ガス流路8における上流部18bの第1上流部181は、燃料ガス流路8の部分41から、上流側から2つ目の往復部8aの下流端までの部分で構成したが、これに限定されない。第1上流部181は、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を部分41とし、他端を式:L7<{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L7は、燃料ガス流路8の第1上流部181の流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、第1上流部181の他端は、式:L7≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L7≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
また、燃料ガス流路8における上流部18bの第2上流部182は、第1上流部181の下流端から上流側から4つ目の往復部8aの下流端までの部分で構成したが、これに限定されない。第2上流部182は、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を第1上流部181の下流端とし、他端を式:L8≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L8は、燃料ガス流路8の第2上流部182の流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、第2上流部182の他端は、式:L8≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L8≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
(実施の形態8)
図18は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図19は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図18においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図19においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。さらに、図18及び図19においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。
図18及び図19に示すように、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス流路9と燃料ガス流路8が、いわゆるストレート状に形成されている点が異なり、また、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置が異なる。以下、具体的に説明する。
まず、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置について、図18を参照しながら説明する。なお、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置は、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔と同様に設けられているため、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、カソードセパレータ6bにおける第1の側部の上部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33が設けられており、その下部には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。また、カソードセパレータ6bにおける第2の側部の上部には、燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられており、その下部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられている。
また、図18に示すように、酸化剤ガス流路9は、上流ガス流路9cと、下流ガス流路9dと、上流ガス流路9cと下流ガス流路9dを連通する複数の連通ガス流路9eと、を有している。上流ガス流路9cの上流端は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33に接続され、酸化剤ガス流路9の上流端を構成する。また、上流ガス流路9cは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第1の側部から第2の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。また、下流ガス流路9dの下流端は、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に接続され、酸化剤ガス流路9の下流端を構成する。また、下流ガス流路9dは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第1の側部から第2の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。さらに、連通ガス流路9eは、上下方向に直線状に延びるように形成されている。
図19に示すように、燃料ガス流路8は、酸化剤ガス流路9と同様に、上流ガス流路8cと、下流ガス流路8dと、上流ガス流路8cと下流ガス流路8dを連通する複数の連通ガス流路8eと、を有している。上流ガス流路8cの上流端は、燃料ガス供給マニホールド孔31に接続され、燃料ガス流路8の上流端を構成する。また、上流ガス流路8cは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第2の側部から第1の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。また、下流ガス流路8dの下流端は、燃料ガス排出マニホールド孔32に接続され、燃料ガス流路8の下流端を構成する。また、下流ガス流路8dは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第2の側部から第1の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。さらに、連通ガス流路8eは、上下方向にほぼ直線状(S字状)に延びるように形成されている。
ここで、図20を参照しながら、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成についてより詳細に説明する。
図20は、本実施の形態8に係る燃料電池100の概略構成を示す模式図である。なお、図20において、燃料電池100の一部のみを示し、アノードセパレータ6a及びカソードセパレータ6bは、燃料電池100(アノードセパレータ6a)の厚み方向から見て透視的に描かれている。また、図20においては、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図20に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、第1上流部181、第2上流部182、及び下流部18cを有している。そして、連通ガス流路8eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181では、第2リブ部12と互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、第2上流部182では、その一部が第2リブ部12と対向するように(正確には、第1の側部から第2の側部に向かって、斜めに燃料ガスが通流するように)形成されている。さらに、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
そして、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181では、燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第1の所定の割合)が1になるように形成されていて、第2上流部182では、燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第2の所定の割合)が第1の所定の割合よりも小さくなるように形成されている。
このように構成された本実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態9)
図21は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図22は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図23は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図21においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図22においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図21及び図22においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図23において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図23においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図21乃至図23に示すように、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9e及び燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191、第2上流部192、及び下流部19cを有している。ここで、第1上流部191は、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を部分42とし、他端を式:L9<{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L9は、酸化剤ガス流路9の第1上流部191の流路長を示し、L2は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、第1上流部191の他端は、式:L9≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L9≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
また、第2上流部192は、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を第1上流部191の下流端とし、他端を式:L10≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L10は、酸化剤ガス流路9の第2上流部192の流路長を示し、L2は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、第2上流部192の他端は、式:L10≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L10≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
そして、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6aの内面(第1リブ部11)と互いに重なるように(対向するように)形成されている。すなわち、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191では、その流路幅が、下流部18cの流路幅よりも小さくなるように形成されていて、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eに対して、第1の側部側にずれるように形成されている。
また、第2上流部192では、その一部が第1リブ部11と対向するように形成されている。さらに、下流部19cでは、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
同様に、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、第1上流部181では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12と互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、第2上流部182では、その一部が第2リブ部12と重なるように形成されている。さらに、下流部19cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
このように構成された本実施の形態9に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態9においては、燃料ガス流路8の連通ガス流路8e及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、その上流端から第2上流部182(192)の下流端までの流路幅が、連通ガス流路8e(連通ガス流路9e)の下流部18c(19c)の流路幅の略半分としている。
(実施の形態10)
図24は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図25は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図24においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図25において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図25においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図24及び図25に示すように、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであり、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9と同様に構成されている。一方、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eには、その上流端から上流部19bの下流端の間に、上下方向に延びるように形成された、島状の第2リブ部12aが設けられている。なお、第2リブ部12aは、第2リブ部12と並走するように設けられている。また、本実施の形態10においては、第2リブ部12aは、その下端部が、テーパー状(正確には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、三角形状)に形成されていて、該テーパー状の部分が、第2上流部192を構成する。
そして、図25に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12aと互いに重なっていて(対向していて)、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なっている(対向している)。このため、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12aと重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(以下、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合という)が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態11)
図26は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図27は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図28は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図26においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図27においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図26及び図27においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図28において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図28においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図26乃至図28に示すように、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8は、実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9と同様に構成されている。一方、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、その上流端から第1上流部191の下流端までがアノードセパレータ6aの内面(燃料ガス流路8の連通ガス流路8e内)に形成された第1リブ部11aと互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、連通ガス流路9eの第2上流部192では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11aの一部と重なるように形成されている。さらに、連通ガス流路9eの下流部19cでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの下流部18cと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
そして、図28に示すように、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された本実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態11においては、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1リブ部11aと互いに重なるように(対向するように)形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きければ、連通ガス流路9eの一部が、第1リブ部11aと重なるように、すなわち、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eと重なるように形成してもよい。
(実施の形態12)
図29は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図30は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図29においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図30において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図30においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図29及び図30に示すように、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであり、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流ガス流路8cの下流端と下流ガス流路8dの上流端とを連通する凹部80と、該凹部80の底面から立設された複数の島状の第1リブ部11a及び第1リブ部11bと、から構成されている。
凹部80は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、略矩形状に形成されている。また、第1リブ部11aは、連通ガス流路8eの上流端から上流部18bの下流端の間に、上下方向に延びるように形成されていて、その下端部が、テーパー状(正確には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、三角形状)に形成されている。そして、複数の第1リブ部11aは、それぞれ、並走するように設けられている。
また、第1リブ部11bは、連通ガス流路8eの第2上流部182の上流端から下流端の間に、上下方向に延びるように形成されている。そして、複数の第1リブ部11bは、それぞれ、並走するように設けられていて、燃料ガスの流れ方向において、第1リブ部11aの間に位置するように配設されている。
そして、図30に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12aと互いに重なっていて(対向していて)、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なっている(対向している)。このため、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された本実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、上記実施の形態1乃至7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の流路を、それぞれ、1つの溝で形成する構成としたが、これに限定されず、複数の溝で形成する構成としてもよい。
また、上記実施の形態1乃至12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の上流部18bを流路の延在方向(燃料ガスが流通する方向)の全範囲が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なるように構成したが、流路の延在方向において、その一部が第2リブ部12と重ならないように構成してもよい。
また、上記実施の形態1乃至7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)における燃料ガス流路8の上流部18b及び酸化剤ガス流路9の上流部19bの構成を、実施の形態9乃至12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)における燃料ガス流路8の上流部18b及び酸化剤ガス流路9の上流部19bと同様の構成にしてもよい。
さらに、上記実施の形態1乃至11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、第1セパレータをアノードセパレータ6aとし、第2セパレータをカソードセパレータ6bとし、また、第1反応ガス流路を燃料ガス流路8とし、第2反応ガス流路を酸化剤ガス流路9としたが、これに限定されず、第1セパレータをカソードセパレータ6bとし、第2セパレータをアノードセパレータ6aとし、また、第1反応ガス流路を酸化剤ガス流路9とし、第2反応ガス流路を燃料ガス流路8としても同様の作用効果を奏する。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明の高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックは、高温低加湿の条件で運転した場合に、高分子電解質膜の乾燥を抑制し、これにより、高分子電解質膜の劣化を抑制することが可能な高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックとして有用である。
1 高分子電解質膜
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3a アノードガス拡散層
3b カソードガス拡散層
4a アノード電極
4b カソード電極
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)
6a アノードセパレータ
6b カソードセパレータ
7 ガスケット
8 燃料ガス流路(第1反応ガス流路)
8a 往復部(水平部)
8b 反転部(垂直部)
8c 上流ガス流路
8d 下流ガス流路
8e 連通ガス流路
9 酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
9a 往復部(水平部)
9b 反転部(垂直部)
9c 上流ガス流路
9d 下流ガス流路
9e 連通ガス流路
10 冷却媒体流路
11 第1リブ部
11a 第1リブ部
11b 第1リブ部
12 第2リブ部
12a 第2リブ部
18a 最上流部
18b 上流部
18c 下流部
19a 最上流部
19b 上流部
19c 下流部
31 燃料ガス供給マニホールド孔(第1反応ガス供給マニホールド孔)
32 燃料ガス排出マニホールド孔
33 酸化剤ガス供給マニホールド孔(第2反応ガス供給マニホールド孔)
34 酸化剤ガス排出マニホールド孔
35 冷却媒体供給マニホールド孔
36 冷却媒体排出マニホールド孔
41 部分
42 部分
61 燃料電池スタック
62 セル積層体
63 第1の端板
64 第2の端板
80 凹部
100 高分子電解質形燃料電池
131 燃料ガス供給マニホールド
132 燃料ガス排出マニホールド
133 酸化剤ガス供給マニホールド
134 酸化剤ガス排出マニホールド
135 冷却媒体供給マニホールド
136 冷却媒体排出マニホールド
181 第1上流部
182 第2上流部
191 第1上流部
192 第2上流部
202 電極
202A 部分
202B 部分
203 反応ガス流路
204 リブ部
本発明は、高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックの構成、特に、高分子電解質形燃料電池のセパレータの構成に関する。
近年、クリーンなエネルギー源として、燃料電池が注目されている。燃料電池としては、例えば、高分子電解質形燃料電池が挙げられる。高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、膜−電極接合体と、この膜−電極接合体を挟みかつそれぞれアノード及びカソードに接触するように配置されたアノードセパレータ及びカソードセパレータとを備えている。膜−電極接合体は、それぞれガス拡散層及び触媒層からなるアノード及びカソード(これらを電極という)を備えている。ガス拡散層には、反応ガスの流通パスとなる細孔が存在する。アノードセパレータの一方の主面には、燃料ガス流路が形成されている。カソードセパレータの一方の主面には、酸化剤ガス流路が形成されている。燃料ガス流路からアノードに供給された燃料ガス(水素)はイオン化(H)され、アノードのガス拡散層及び触媒層を通過し、高分子電解質膜中を水の介在によって通過して、カソード側に移動する。カソード側に到達した水素イオンは、カソードの触媒層において以下の発電反応により、水を生成する。
アノード側:H→2H+2e
カソード側:(1/2)O+2H+2e→H
全反応:H+(1/2)O→H
生成された水(生成水)は、蒸気又は液体のまま、カソードセパレータに形成された酸化剤ガス流路に流れ込む。また、カソード側で生成された水の一部は、アノード側に移動して(いわゆる、逆拡散)、燃料ガス流路に流れ込む。酸化剤ガス流路又は燃料ガス流路に流れ込んだ生成水は、酸化剤ガス又は燃料ガスの流れに沿って、下流側に移動する。このため、電極内における局所的な水分量のばらつきが大きくなり、その結果、局所的な発電量のばらつきが大きくなる場合がある。
このような問題に対して、ガスが流入する第1流路と、ガスを排出する第2流路と、を備え、アノード側の第1流路とカソード側の第2流路とを電解質層を挟んで対向するように構成し、アノード側の第2流路とカソード側の第1流路とを電解質層を挟んで対向するように構成された燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、アノードガス通路とカソードガス通路とが電解質膜−電極接合体を挟んで対峙する位置関係で設けられ、かつアノードガスとカソードガスとがそれぞれ通路内を並行して流通するように構成された、固体高分子型燃料電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に開示されている燃料電池では、燃料ガスと酸化剤ガスの流れを、いわゆる対向流とし、流路を電解質層を挟んで互いに対向するように構成することで、ガス拡散層の水分量の多い領域同士や水分量の少ない領域同士が、電解質層を挟んで対向することが抑制され、その結果、電極における局所的な発電量のばらつきが大きくなることが抑制される。
また、特許文献2に開示されている固体高分子型燃料電池では、カソードガスよりもアノードガスの方を高加湿にすることで、カソードガス通路の入口側付近では、アノードガス通路の入口側付近を通流するアノードガスから水分が拡散して、アノード電極側からカソード電極側に向かって移動し、一方、アノードガス通路の出口側付近では、水分がカソード電極側からアノード電極側に向かって移動するため、燃料電池全体の水分の給排制御を適正に行い、燃料電池の発電性能を良好に維持することができる。
また、反応ガス流路の上流領域において、反応ガス流路を構成する溝の壁面と反応がストの接触面積が、他の領域よりも大きくなるように構成することで、高分子電解質膜の乾燥を抑制する固体高分子型燃料電池が知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池では、壁内面または壁面上に存在する水の蒸発を促進することにより、溝壁面側から反応ガス内に蒸発する水量を増大することで、固体高分子膜側からの水の蒸発を抑制し、固体高分子膜の乾燥を抑制することができる。
さらに、燃料ガス流路と酸素含有ガス流路のうち、少なくとも一方のガス流路に対向する面の電極触媒層の設置面積を減少させ、燃料ガス流路と酸素含有ガス流路を電解質膜面方向に交互に配置した燃料電池が知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に開示されている燃料電池では、対極へのガスの透過を抑制することで燃料電池の発電電圧を増加させることができる。
特開2006−331916号公報 特開平9−283162号公報 特開2005−235418号公報 特開2003−297395号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献4に開示されている燃料電池においては、燃料電池を高温低加湿(例えば、反応ガスの露点を燃料電池スタック内の温度よりも低くする)の条件で運転すると、反応ガス流路の上流部では、上記反応が充分に行われていないので水が充分に生成されず、高分子電解質膜の反応ガス流路の上流部に対向する部分が、乾燥してイオン伝導性が低下し、発電効率が低下するという点で、未だ改善の余地があった。
また、特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池では、アノードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、カソードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、が重なる部分と重ならない部分とが、不均一に形成されているため、さらに高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、固体高分子膜(高分子電解質膜)が劣化するおそれがあり、未だ改善の余地があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、特に、高分子電解質形燃料電池を高温低加湿条件下で運転するような場合に、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックを提供することを目的とする。
ところで、燃料電池の運転中においては、電極における反応ガス流路に面する部分の水分(液体及び気体の水)含有量が、電極における隣接する反応ガス流路間に形成されたリブ部に接触する部分の水分含有量に比べて低いことが知られている。図15は、燃料電池運転中における、電極の水分含有量を示す模式図である。
本発明者等は、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の点を見出した。すなわち、図15に示すように、電極202における隣接する反応ガス流路203間に形成されたリブ部204に接触する部分202Aに存在する水が、電極202における反応ガス流路203に面する部分202B側に拡散して、電極202のリブ部204と反応ガス流路203との境界近傍は、電極202の部分202Bの中央部分に対して、水分含有量が高くなっていることを見出した。換言すると、電極202のリブ部204に接触する部分202Aから離れると水分含有量が少なくなることを見出した。そして、本発明者等は以下に記載する構成を採用することが、上記本発明の目的を達成する上で極めて有効であるということを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、高分子電解質膜と該高分子電解質膜の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極を有する膜−電極接合体と、板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち一方の電極と接触するように配設された導電性の第1セパレータと、板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち他方の電極と接触するように配設された導電性の第2セパレータと、を備え、前記第1セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第1リブ部が並走するように第1反応ガス流路が形成され、前記第2セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第1リブ部が並走するように第2反応ガス流路が形成され、前記第1反応ガス流路は、その上流端から最初に前記電極と接触する部分から下流に向かって所定の長さに亘る部分(以下、第1反応ガス流路の上流部)における、前記第1セパレータの厚み方向から見て前記第1反応ガス流路の幅方向の前記第2セパレータの前記第2リブ部と重なる部分の前記第1反応ガス流路の全幅に対する割合(以下、第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合)が、前記第1反応ガス流路の前記上流部以外の部分(以下、第1反応ガス流路の下流部)における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合よりも大きくなるように形成され、かつ、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が所定の割合になるように形成されている。
上述したように、電極における第1反応ガス流路の上流部に面する部分の水分含有量は、電極におけるリブ部に接触する部分の水分含有量に比べて低くなるが、本発明においては、第1セパレータの厚み方向から見て、第1反応ガス流路の上流部の少なくとも一部が、第2セパレータの第2リブ部と重なるように形成されている。すなわち、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、一方の電極における第1反応ガス流路の上流部に面する部分(以下、一方の電極の流路対向部分)の少なくとも一部と、他方の電極における第2セパレータの第2リブ部と接触する部分(以下、他方の電極のリブ部対向部分)と、が、第1セパレータの厚み方向から見て、重なるように構成されている。このため、水分含有量が少ない一方の電極の流路対向部分には、水分含有量が多い他方の電極のリブ部対向部分から水が移動するため、高分子電解質膜の第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができる。その結果、本発明に係る高分子電解質形燃料電池を、特に、高温低加湿の条件で運転するような場合に、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
ところで、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)と接触する部分には、高分子電解質形燃料電池を締結したときに、圧力がかかるが、第1セパレータの厚み方向から見て、第1リブ部と第2リブ部とが重ならないように形成されると、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)の端部と接触する部分に応力が集中して、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、高分子電解質膜が劣化するおそれがある。そして、上記特許文献3に開示されている固体高分子型燃料電池のように、アノードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、カソードセパレータに形成された溝と溝との間(リブ部)と、が重なる部分と重ならない部分とが、不均一に形成されると、さらに高分子電解質膜に機械的ストレスがかかる。
しかしながら、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、第1反応ガス流路が、第1反応ガス流路の上流部における第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が所定の割合になるように第1セパレータに形成されているので、高分子電解質膜にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1/2以上、かつ、1以下であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1であってもよい。
これにより、一方の電極の流路対向部分と、他方の電極のリブ部対向部分と、が、第1セパレータの厚み方向から見て、第1反応ガス流路の幅方向において、互いに重なるように構成されている。このため、本発明に係る高分子電解質形燃料電池を、特に、高温低加湿の条件で運転するような場合に、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥をより抑制することができ、高分子電解質膜の劣化をより抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の下流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が0であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池は、前記第1反応ガス流路の上流部は、第1上流部と該第1上流部よりも下流側に位置する第2上流部を有しており、前記第1反応ガス流路は、前記第1反応ガス流路の第1上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第1の所定の割合となるように、かつ、前記第1反応ガス流路の第2上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第2の所定の割合となるように形成されていてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池では、前記第1の所定の割合が前記第2の所定の割合よりも大きくてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池では、前記第1の所定の割合が1であり、前記第2の所定の割合が1/2であってもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の下流部で形成される前記第1リブ部は、前記第1セパレータの厚み方向から見て、前記第2リブ部と重なり合うように形成されていてもよい。
上述したように、高分子電解質膜の反応ガス流路の下流部に対向する部分は、反応ガス流路を通流する生成水によって加湿されている。一方、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)と接触する部分には、高分子電解質形燃料電池を締結したときに、圧力がかかるが、第1セパレータの厚み方向から見て、第1リブ部と第2リブ部とが重ならないように形成されると、MEA(正確には、電極)における第1リブ部(第2リブ部)の端部と接触する部分に応力が集中して、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかり、高分子電解質膜が劣化するおそれがある。しかしながら、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、第1反応ガス流路の下流部のうち第2反応ガス流路と並走する部分で形成される第1リブ部の少なくとも一部を、第1セパレータの厚み方向から見て、第2リブ部と重なるように形成することにより、高分子電解質膜に機械的ストレスがかかることを抑制し、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1セパレータの他方の主面及び/又は前記第2セパレータの他方の主面には、溝状の冷却媒体流路が形成されており、前記第1反応ガス流路を通流する第1反応ガス及び前記第2反応ガス流路を通流する第2反応ガスの露点が、前記冷却媒体流路を通流する冷却媒体の温度よりも低くてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、サーペンタイン状に形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、渦巻状に形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路は、上流ガス流路と下流ガス流路と前記上流ガス流路と前記下流ガス流路を連通し直線状に形成された複数の連通ガス流路とから構成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路と前記第2反応ガス流路は、並行流となるように形成されていてもよい。
また、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータには、それぞれ、厚み方向に貫通する第1反応ガス供給マニホールド孔及び第2反応ガス供給マニホールド孔が互いに対向するように設けられていてもよい。
さらに、本発明に係る高分子電解質形燃料電池では、前記第1反応ガス流路の前記上流部の幅が、該第1反応ガス流路の下流部の幅よりも小さく形成されていてもよい。
これにより、一方の電極における第1反応ガス流路の上流部と面する部分を小さくすることができ、当該部分の乾燥を抑制することができ、ひいては、高分子電解質膜における第1反応ガス流路の上流部に対向する部分の乾燥を抑制することができ、高分子電解質膜の劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池スタックは、複数の前記高分子電解質形燃料電池が積層して締結されている。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の高分子電解質形燃料電池及びそれを備える燃料電池スタックによれば、高温低加湿の条件で運転した場合に、高分子電解質膜の乾燥を抑制し、これにより、高分子電解質膜の劣化を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す燃料電池スタックにおける高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図3は、図2に示す高分子電解質形燃料電池のカソードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図4は、図2に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図6は、図5に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図8は、図7に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図9は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図10は、図9に示す高分子電解質形燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図11は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図13は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図14は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図15は、燃料電池運転中における、電極の水分含有量を示す模式図である。 図16は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図である。 図17は、図16に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図18は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図19は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図20は、本実施の形態8に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図21は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図22は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図23は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図24は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図25は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図26は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図27は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図28は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。 図29は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。 図30は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
[燃料電池スタックの構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタックの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、図1において、燃料電池スタックの上下方向を図における上下方向として表している。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池スタック61は、板状の全体形状を有する高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)100がその厚み方向に積層されてなるセル積層体62と、セル積層体62の両端に配置された第1及び第2の端板63、64と、セル積層体62と第1及び第2の端板63、64とを燃料電池100の積層方向において締結する図示されない締結具と、を有している。また、第1及び第2の端板63、64には、集電板及び絶縁板がそれぞれ配設されているが図示を省略している。なお、板状の燃料電池100は、鉛直面に平行に延在しており、燃料電池100の積層方向は水平方向となっている。
セル積層体62における一方の側部(図面左側の側部:以下、第1の側部という)の上部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、酸化剤ガス供給マニホールド孔133が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド136が設けられている。また、セル積層体62の第1の側部の酸化剤ガス供給マニホールド133が配設されている上部の内側には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、冷却媒体供給マニホールド135が設けられており、同様に、冷却媒体排出マニホールド136が配設されている下部の内側には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、燃料ガス排出マニホールド132が設けられている。さらに、セル積層体62における他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部)の上部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、燃料ガス供給マニホールド131が設けられており、その下部には、該セル積層体62の燃料電池100の積層方向に貫通するように、酸化剤ガス排出マニホールド134が設けられている。
そして、それぞれのマニホールドには、適宜な配管が設けられている。これにより、適宜な配管を介して、燃料電池スタック61に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却媒体が供給され、排出される。
[高分子電解質形燃料電池の構成]
次に、本発明の実施の形態1に係る高分子電解質形燃料電池の構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、図1に示す燃料電池スタック61における燃料電池100の概略構成を模式的に示す断面図である。なお、図2においては、一部を省略している。
図2に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池100は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)5と、ガスケット7と、アノードセパレータ6aと、カソードセパレータ6bと、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1と、アノード電極4aと、カソード電極4bと、を有している。高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有しており、高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するようにアノード電極4aとカソード電極4bがそれぞれ設けられている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔等の各マニホールド孔(図示せず)が厚み方向に貫通するように設けられている。
アノード電極4aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むアノード触媒層2aと、アノード触媒層2aの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3aと、を有している。同様に、カソード電極4bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、白金系金属触媒(電極触媒)を担持したカーボン粉末(導電性炭素粒子)からなる触媒担持カーボンと触媒担持カーボンに付着した高分子電解質を含むカソード触媒層2bと、カソード触媒層2bの上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3bと、を有している。
また、MEA5のアノード電極4a及びカソード電極4b(正確には、アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3b)の周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対のフッ素ゴム製でドーナツ状のガスケット7が配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット7の周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる酸化剤ガス排出マニホールド孔等のマニホールド孔(図示せず)が設けられている。
また、MEA5とガスケット7を挟むように、導電性のアノードセパレータ(第1セパレータ)6aとカソードセパレータ(第2セパレータ)6bが配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池100をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ6a、6bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ6aのアノード電極4aと接触する一方の主面(以下、内面という)には、燃料ガスが通流するための溝状の燃料ガス流路(第1反応ガス流路)8が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。同様に、カソードセパレータ6bのカソード電極4bと接触する一方の主面(以下、内面という)には、酸化剤ガスが通流するための溝状の酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)9が設けられており、また、他方の主面(以下、外面という)には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。
これにより、アノード電極4a及びカソード電極4bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
なお、このように構成された燃料電池100を単電池(セル)として使用してもよく、燃料電池100を複数積層して燃料電池スタック61として使用してもよい。また、燃料電池100を積層する場合には、冷却媒体流路10を単電池2〜3個ごとに設ける構成としてもよい。さらに、単電池間に冷却媒体流路10を設けない場合には、2つのMEA5に挟まれたセパレータを、一方の主面に燃料ガス流路8を設け、他方の主面に酸化剤ガス流路9を設けた、アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6bを兼ねるセパレータを使用してもよい。また、ここでは、第1セパレータをアノードセパレータ6aとし、第2セパレータをカソードセパレータ6bとし、また、第1反応ガス流路を燃料ガス流路8とし、第2反応ガス流路を酸化剤ガス流路9としたが、これに限定されず、第1セパレータをカソードセパレータ6bとし、第2セパレータをアノードセパレータ6aとし、また、第1反応ガス流路を酸化剤ガス流路9とし、第2反応ガス流路を燃料ガス流路8としてもよい。
[セパレータの構成]
次に、カソードセパレータ6b及びアノードセパレータ6aについて、図2乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図2に示す燃料電池100のカソードセパレータ6bの概略構成を示す模式図である。また、図4は、図2に示す燃料電池100のアノードセパレータ6aの概略構成を示す模式図である。なお、図3及び図4において、カソードセパレータ6b及びアノードセパレータ6aにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図4においては、酸化剤ガス流路9の一部を仮想線(二点差線)で示している。
まず、カソードセパレータ6bの構成について、図2及び図3を参照しながら詳細に説明する。
図3に示すように、カソードセパレータ6bは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。具体的には、カソードセパレータ6bにおける一方の側部(以下、第1の側部という)の上部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔(第2反応ガス供給マニホールド孔)33が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている。また、第1の側部の酸化剤ガス供給マニホールド孔33が配設されている上部の内側には、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられており、同様に、冷却媒体排出マニホールド孔36が配設されている下部の内側には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。さらに、カソードセパレータ6bにおける他方の側部(以下、第2の側部)の上部には、燃料ガス供給マニホールド孔(第1反応ガス供給マニホールド孔)31が設けられており、その下部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられている。なお、燃料ガス供給マニホールド孔31と酸化剤ガス供給マニホールド孔33は、中心線を挟んで互いに対向するように設けられている。
そして、図2及び図3に示すように、カソードセパレータ6bの内面には、溝状の酸化剤ガス流路9が、酸化剤ガス供給マニホールド孔33と酸化剤ガス排出マニホールド孔34とを結ぶようにサーペンタイン状に形成されている。ここでは、酸化剤ガス流路9は、1つの溝で構成されており、該溝は、往復部9aと反転部9bとで実質的に構成されている。
具体的には、酸化剤ガス流路9を構成する溝は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33から第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、上記延在パターンを5回繰り返し、そこから、第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に到るように下方に延びている。このような、酸化剤ガス流路9の水平方向に延びる部分が往復部9aを構成し、下方に延びる部分が反転部9bを構成している。そして、図2及び図3に示すように、酸化剤ガス流路9を構成する溝(正確には、往復部9a)と溝(正確には、往復部9a)との間の部分が、カソード4bと当接する第2リブ部12を形成する。
すなわち、酸化剤ガス流路9は、複数の第2リブ部12が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第2リブ部12のうち、1の第2リブ部12を特定し、該特定した第2リブ部12に沿って、他の第2リブ部12が形成されていることをいう。
また、酸化剤ガス流路9は、最上流部19a、上流部19b、及び下流部19cを有している。最上流部19aは、その上流端が、酸化剤ガス流路9の上流端である酸化剤ガス供給マニホールド孔33とし、その下流端は、カソードセパレータ6bの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の上流端から最初にカソード4bと接続する部分42である。上流部19bは、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、少なくとも、一端を部分42とし、他端を式:L4≦{(2/3)×L5}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。
なお、上記式中、L4は、酸化剤ガス流路9の上流部19bの流路長を示し、L5は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、上流部19bの他端は、式:L4≦L5を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、上流部19bの他端は、上流側から1つ目の往復部9aの下流端である。すなわち、上流部19bは、酸化剤ガス流路9の部分42から、第2の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分(酸化剤ガス流路9の部分42から1つ目の往復部9aの下流端までの部分)で構成される。
下流部19cは、一端を酸化剤ガス流路9の下流端である酸化剤ガス排出マニホールド孔34とし、他端を式:L6≦{(1/3)×L5}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L6は、酸化剤ガス流路9の下流部19cの流路長を示す。また、下流部19cの他端は、式:L6≦L5を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、下流部19cの他端は、1つ目の往復部9aの下流端である。
なお、本実施の形態1においては、酸化剤ガス流路9は、1本の溝で形成したが、これに限定されず、複数の溝をカソードセパレータ6bの内面に形成して、複数の酸化剤ガス流路群を形成してもよい。この場合、各酸化剤ガス流路9を構成する溝(正確には、往復部9a)と溝(正確には、往復部9a)との間の部分が、第2リブ部12を形成する。
次に、アノードセパレータ6aの構成について、図2乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
図2及び図4に示すように、アノードセパレータ6aは、板状で、略4角形(ここでは、矩形)に形成されており、その周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔が、厚み方向に貫通するように設けられている。なお、各マニホールド孔の配置は、カソードセパレータ6bと同じなので、その詳細な説明は省略する。
アノードセパレータ6aの内面には、溝状の燃料ガス流路8が、燃料ガス供給マニホールド孔31と燃料ガス排出マニホールド孔32とを結ぶようにサーペンタイン状に形成されている。燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、いわゆる並行流となるように構成されている。ここで、並行流とは、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9は、一部に酸化剤ガスと燃料ガスが互いに対向するように流れる部分を有するが、燃料電池100の厚み方向から見て、巨視的に(全体として)酸化剤ガスと燃料ガスの上流から下流への全体的な流れの方向が互いに一致するように構成されていることをいう。
また、図4に示すように、燃料ガス流路8は、ここでは、1つの溝で構成されており、該溝は、往復部8aと反転部8bとで実質的に構成されている。具体的には、燃料ガス流路8を構成する溝は、燃料ガス供給マニホールド孔31から第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第2の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、上記のような延在パターンを5回繰り返し、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、燃料ガス排出マニホールド孔32に到るように下方に延びている。このような、燃料ガス流路8の水平方向に延びる部分が往復部8aを構成し、下方に延びる部分が反転部8bを構成している。なお、燃料ガス流路8を構成する溝(正確には、往復部8a)と溝(正確には、往復部8a)との間の部分が、アノード6aと当接する第1リブ部11を形成する。
すなわち、燃料ガス流路8は、複数の第1リブ部11が並走するように形成されている。ここで、並走するとは、互いに並んで設けられていることをいい、複数の第1リブ部11のうち、1の第1リブ部11を特定し、該特定した第1リブ部11に沿って、他の第1リブ部11が形成されていることをいう。
なお、本実施の形態1においては、燃料ガス流路8は、1本の溝で形成したが、これに限定されず、複数の溝をアノードセパレータ6aの内面に形成して、複数の酸化剤ガス流路群を形成してもよい。この場合、各燃料ガス流路8を構成する溝(正確には、往復部8a)と溝(正確には、往復部8a)との間の部分が、第1リブ部11を形成する。
また、燃料ガス流路8は、最上流部18a、上流部18b、及び下流部18cを有している。最上流部18aは、その上流端が、燃料ガス流路8の上流端である燃料ガス供給マニホールド孔31とし、その下流端は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流端から最初にアノード4aと接続する部分41である。上流部18bは、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、少なくとも、一端を部分41とし、他端を式:L1≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。
なお、上記式中、L1は、燃料ガス流路8の上流部18bの流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、上流部18bの他端は、式:L1≦L2を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、上流部18bの他端は、上流側から1つ目の往復部8aの下流端である。すなわち、上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分(燃料ガス流路8の部分41から1つ目の往復部8aの下流端までの部分)で構成される。
下流部18cは、一端を燃料ガス流路8の下流端である燃料ガス排出マニホールド孔32とし、他端を式:L3≦{(1/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L3は、燃料ガス流路8の下流部18cの流路長を示す。また、下流部18cの他端は、式:L3≦L2を満たす部分であることがより好ましい。本実施の形態1においては、下流部18cの他端は、1つ目の往復部8aの下流端である。
そして、図2乃至図4に示すように、燃料ガス流路8は、酸化剤ガス流路9と並走する部分を有する。ここで、並走するとは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路が互いに並んで設けられていることをいう。本実施の形態においては、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bを除く、すなわち、燃料ガス流路8の下流部18cを構成する往復部8aと酸化剤ガス流路9の往復部9aが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように設けられている。
また、燃料ガス流路8の上流部18bは、酸化剤ガス流路9の1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成される第2リブ部12と、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように(対向するように)形成されている。すなわち、本実施の形態1に係る燃料電池100では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、水分含有量が少ないアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分と、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分と、が、互いに重なるように配設されている。これにより、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分からアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分へ水が移動するため、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。
そして、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(以下、燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合という)を所定の割合、ここでは、1になるように形成されている。これにより、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11と第2リブ部12とが重なる部分と、重ならない部分とが、均一に形成され、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
なお、酸化剤ガス流路9の上流部(酸化剤ガス流路9のカソード4bと最初に接触する部分から1つ目の往復部9aの下流端までの間に形成された部分)は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6aの内面と互いに重なるように(対向するように)形成されている。このため、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、高分子電解質膜1における酸化剤ガス流路9の上流部と対向する部分においても、当該部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。
一方、燃料ガス流路8の下流部18cは、下流部18cを構成する往復部8aが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の往復部9aと互いに重なるように設けられている。換言すると、燃料ガス流路8の下流部18cを構成する往復部8a間に形成される第1リブ部11と、酸化剤ガス流路9の往復部9a間に形成される第2リブ部12と、が、互いに重なるように形成されている。このため、燃料ガス流路8の下流部18cでは、MEA5のアノード4a及びカソード4bにおける第1リブ部11及び第2リブ部12の端部と接触する部分に応力が集中することが抑制され、ひいては、高分子電解質膜1に機械的ストレスがかかることが抑制され、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の作用効果について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
[燃料電池スタック(燃料電池)の作用効果]
上述したように、アノード4aにおける燃料ガス流路8に面する部分の水分含有量は、アノード4aにおける第1リブ部11に接触する部分の水分含有量に比べて低くなるが、特に、燃料電池スタック61を高温低加湿の条件(燃料ガス流路8を通流する燃料ガス及び酸化剤ガス流路9を通流する酸化剤ガスの露点が、冷却媒体流路10を通流する冷却媒体(ここでは、水)の温度よりも低い条件)で運転するような場合に、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する部分では、反応ガスの反応による生成水が充分ではないため、水分含有量が少ない。このため、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bに対向する部分では、乾燥しやすくなり、高分子電解質膜1の当該部分が劣化するおそれがある。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池100及びそれを備える燃料電池スタック61では、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合)が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合よりも大きくなるように形成している。
すなわち、本実施の形態1においては、燃料ガス流路8の上流部18bを、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路の幅方向においてカソードセパレータ6bに形成された第2リブ部12と重なるように形成して、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1と所定の割合とし、一方、燃料ガス流路の下流部18cを、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、流路の幅方向においてカソードセパレータ6bに形成された第2リブ部12と全く重ならないように形成して、燃料ガス流路8の下流部18cにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を0としている。
これにより、カソード4bにおける第2リブ部12と接触する部分からアノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bに面する(対向する)部分へ水が移動し、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分の乾燥を抑制することができ、その劣化を抑制することができる。また、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11と第2リブ部12とが重なる部分と、重ならない部分とが、均一に形成され、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることを抑制することができる。その結果、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る燃料電池100及びそれを備える燃料電池スタック61では、燃料ガス流路8の下流部18cを構成し、酸化剤ガス流路9と並走する部分である往復部8a間に形成される第1リブ部11と、酸化剤ガス流路9の往復部9a間に形成される第2リブ部12と、が、互いに重なるように形成されているため、MEA5のアノード4a及びカソード4bにおける第1リブ部11及び第2リブ部12の端部と接触する部分に応力が集中することが抑制され、ひいては、高分子電解質膜1に機械的ストレスがかかることが抑制され、その結果、機械的ストレスによる高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態1においては、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9ともに、その流路をサーペンタイン状に形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8のみをサーペンタイン状に形成してもよく、酸化剤ガス流路9のみをサーペンタイン状に形成してもよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図6は、図5に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図5においては、一部を省略し、図6においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図5及び図6に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池スタック(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bの一部が、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9と重なるように構成されている点が異なる。
具体的には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流部18bの幅方向(上下方向)の上側半分が、酸化剤ガス流路9と互いに重なるように構成され、燃料ガス流路8の上流部18bの上下方向(幅方向)の下側半分が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合が1/2となるように構成されている。
このように構成された本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の上流部18bとカソードセパレータ6bの第2リブ部12とが互いに重なる部分(ここでは、燃料ガス流路8の上流部18bの下側半分)と対向する部分については、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の上流部18bにおける燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1/2と所定の割合としているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることが抑制され、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施の形態2に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の下流部18cが、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に形成されているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図8は、図7に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図7においては、一部を省略し、図8においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図7及び図8に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅が、下流部18cの流路の幅よりも小さくなるように形成されている点が異なる。
具体的には、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅と下流部18cの流路の幅が、それぞれ、一定に形成されていて、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅が、下流部18cの流路の幅よりも小さくなるように形成されている。また、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の深さは、下流部18cの流路の深さよりも深くなるように形成されていて最上流部18a及び上流部18bを構成する溝の燃料ガスの流れに対して垂直方向の断面積(以下、単に流路の断面積という)が、下流部18cの流路の断面積と略一致するように形成されている。これにより燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bと下流部18cの圧力損失が同じになり、最上流部18a及び上流部18bと下流部18cを通流する燃料ガスの流量が実質的に同じになる。
なお、ここでは、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の幅を同じにしたが、これに限定されず、最上流部18aの流路の幅を下流部18cの流路の幅と同じにしてもよく、また、上流部18bの流路の幅を異なるようにしてもよい。また、酸化剤ガス流路9の上流部の流路の幅を酸化剤ガス流路9の下流部の流路の幅よりも小さくしてもよい。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態3に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の上流部18bの流路の幅を小さくすることにより、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノード4aにおける燃料ガス流路8の上流部18bと面する部分を小さくすることができ、水分含有量の少ない領域を小さくすることができる。このため、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、高分子電解質膜1における燃料ガス流路8の上流部18bと対向する部分が小さくなり、高分子電解質膜1の乾燥を抑制し、その結果、高分子電解質膜1の劣化をより抑制することができる。
さらに、本実施の形態3に係る燃料電池スタック(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bの流路の断面積が、下流部18cの流路の断面積と略一致するように形成されているため、燃料ガス流路8の最上流部18a及び上流部18bと下流部18cの圧力損失が同じになる。このため、燃料ガス流路8における最上流部18a及び上流部18bと下流部18cを通流する燃料ガスの流量が実質的に同じにすることができ、発電性能を維持することができる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図10は、図9に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図9においては、一部を省略し、図10においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図9及び図10に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bの他端が、上流側から2つ目の往復部8aの下流端である点が異なる。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから下方にある距離延び、その到達点から第2の側部に向かって水平方向に延びた点までの部分で構成されている。
そして、本実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8の上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、上流側から1つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成され、また、上流側から2つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から2つ目の往復部9aと3つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。
このように構成された本実施の形態4に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という))のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図であり、図12は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック(燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図11及び図12においては、カソードセパレータ及びアノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図11及び図12に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9が、渦巻状に形成されている点が異なる。なお、以下の説明においては、酸化剤ガス流路9は、燃料ガス流路8と同様に構成されているので、燃料ガス流路8について説明する。
図12に示すように、燃料ガス流路8は、水平方向に延びるように形成された水平部8aと、上下方向に延びるように形成された垂直部8bと、から実質的に構成されており、アノードセパレータ6aの周縁部から中央部に向かって収束するように、時計回りに流路が形成され、アノードセパレータ6aの中央部で折り返して、アノードセパレータ6aの周縁部に向かって発散するように、反時計回りに流路が形成されている。ここで、アノードセパレータ6aの中央部とは、アノードセパレータ6aの外周に対する中央部分をいう。
そして、燃料ガス流路8の上流部18bは、ここでは、燃料ガス流路8の上流端から最初にアノード4aと接触する部分41と第1の側部に向かって水平方向に延びて到達した点までの部分との間(換言すると、上流部18bは、燃料ガス流路8の部分41から1つ目の水平部8aの下流端までの部分)の流路で構成されている。また、燃料ガス流路8の上流部18bは、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の水平部9aと、該水平部9aの下方に隣接する水平部9aと、の間で形成される第2リブ部12と、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、互いに重なるように形成されている。
このように構成された、本発明の実施の形態5に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施形態5においては、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9ともに、その流路を渦巻状に形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8のみを渦巻状に形成してもよく、酸化剤ガス流路9のみを渦巻状に形成してもよい。
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という))のカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図であり、図14は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック(燃料電池)のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図13及び図14においては、カソードセパレータ及びアノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表している。
図13及び図14に示すように、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9が、いわゆる対向流となるように構成され、燃料ガス供給マニホールド孔31等のマニホールド孔の位置が異なる。ここで、対向流とは、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9が、一部に燃料ガスと酸化剤ガスが並走するように流れる部分を有するが、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、巨視的に(全体として)燃料ガスと酸化剤ガスの上流から下流への全体的な流れの方向が互いに反対になるように構成されていることをいう。
次に、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置について、図14を参照しながら説明する。なお、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置は、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔と同様に設けられているため、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、アノードセパレータ6aにおける第1の側部の上部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられており、その下部には、冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている。冷却媒体排出マニホールド孔36が設けられている下部の内側には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。また、アノードセパレータ6aにおける第2の側部の上部には、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられており、その下部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33が設けられている。また、冷却媒体供給マニホールド孔35が設けられている上部の内側には、燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられている。
また、燃料ガス流路8を構成する溝は、燃料ガス供給マニホールド孔31から下方にある距離延び、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、そこから、下方にある距離延びている。そして、その到達点から、第2の側部に向かって水平方向にある距離延びている。そして、上記のような延在パターンを5回繰り返し、そこから、下方にある距離延び、そこから、第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から、燃料ガス排出マニホールド孔32に到るように下方に延びている。
そして、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔及び燃料ガス流路8がこのように構成されているため、燃料ガス流路8の上流部18bは、以下のように構成される。すなわち、燃料ガス流路8の上流部18bは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、酸化剤ガス流路9の下流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成される第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。
このように構成された、本発明の実施の形態6に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態7)
図16は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)の概略構成を模式的に示す断面図であり、図17は、図16に示す燃料電池のアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図16においては、一部を省略し、図17においては、アノードセパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、酸化剤ガス流路の一部を仮想線(二点差線)で示している。
図16及び図17に示すように、本発明の実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8の上流部18bは、第1上流部181と第2上流部182(図17の一点差線で囲まれた部分)を有している点が異なり、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181が、酸化剤ガス流路9と重ならないように構成されていて、第2上流部182の一部が、酸化剤ガス流路9と重なるように構成されている点が異なる。
具体的には、上流部18bの第1上流部181は、上流側から1つ目の往復部8aと、上流側から1つ目の反転部8bと、上流側から2つ目の往復部8aと、で構成されている。
すなわち、第1上流部181は、燃料ガス流路8の部分41から、第1の側部に向かって水平方向にある距離延びて、そこから下方にある距離延び、その到達点から第2の側部に向かって水平方向に延びた点までの部分で構成されている。
そして、第1上流部181は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、上流側から1つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から1つ目の往復部9aと2つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成され、また、上流側から2つ目の往復部8aが、酸化剤ガス流路9の上流側から2つ目の往復部9aと3つ目の往復部9aとの間に形成された第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、第1上流部181は、該第1上流部181における燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第1の所定の割合)が1となるように構成されている。
また、上流部18bの第2上流部182は、上流側から2つ目の反転部8bと、上流側から3つ目の往復部8aと、上流側から3つ目の反転部8bと、上流側から4つ目の往復部8aと、で構成されている。すなわち、第2上流部182は、第1上流部の下流端から、下方にある距離延び、そこから第1の側部に向かって水平方向にある距離延び、その到達点から下方にある距離延び、そこから第2の側部に向かって水平方向にある距離延びた点までの部分で構成されている。
そして、第2上流部182は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2上流部182を構成する上流側から3つ目と4つ目の往復部8aの幅方向(上下方向)の上側半分が、酸化剤ガス流路9と互いに重なるように構成され、第2上流部182を構成する上流側から3つ目と4つ目の往復部8aの上下方向(幅方向)の下側半分が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と互いに重なるように構成されている。すなわち、第2上流部182は、該第2上流部182における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合(第2の所定の割合)が1/2となるように構成されている。
このように、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、第1の所定の割合が第2の所定の割合よりも大きくなるように構成されている。
そして、このように構成された本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においては、第1上流部181では、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏し、第2上流部182では、燃料ガス流路8の第2上流部182とカソードセパレータ6bの第2リブ部12とが互いに重なる部分(ここでは、第2上流部182の下側半分)と対向する部分については、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の第1上流部181における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1と所定の割合とし、第2上流部182における燃料ガス流路幅の第2リブ部12に対する割合を1/2と所定の割合としているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に、高分子電解質膜1にかかる圧力が不均一になることが抑制され、高分子電解質膜1の劣化を抑制することができる。
さらに、本実施の形態7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、燃料ガス流路8の下流部18cが、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様に形成されているため、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態7においては、燃料ガス流路8における上流部18bの第1上流部181は、燃料ガス流路8の部分41から、上流側から2つ目の往復部8aの下流端までの部分で構成したが、これに限定されない。第1上流部181は、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を部分41とし、他端を式:L7<{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L7は、燃料ガス流路8の第1上流部181の流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、第1上流部181の他端は、式:L7≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L7≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
また、燃料ガス流路8における上流部18bの第2上流部182は、第1上流部181の下流端から上流側から4つ目の往復部8aの下流端までの部分で構成したが、これに限定されない。第2上流部182は、燃料ガス流路8の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を第1上流部181の下流端とし、他端を式:L8≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L8は、燃料ガス流路8の第2上流部182の流路長を示し、L2は、燃料ガス流路8の全流路長を示す。また、第2上流部182の他端は、式:L8≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L8≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
(実施の形態8)
図18は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図19は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。なお、図18においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図19においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。さらに、図18及び図19においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。
図18及び図19に示すように、本発明の実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス流路9と燃料ガス流路8が、いわゆるストレート状に形成されている点が異なり、また、燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置が異なる。以下、具体的に説明する。
まず、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置について、図18を参照しながら説明する。なお、アノードセパレータ6aにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔の設けられている位置は、カソードセパレータ6bにおける燃料ガス供給マニホールド孔31等の各マニホールド孔と同様に設けられているため、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、カソードセパレータ6bにおける第1の側部の上部には、酸化剤ガス供給マニホールド孔33が設けられており、その下部には、燃料ガス排出マニホールド孔32が設けられている。また、カソードセパレータ6bにおける第2の側部の上部には、燃料ガス供給マニホールド孔31が設けられており、その下部には、酸化剤ガス排出マニホールド孔34が設けられている。
また、図18に示すように、酸化剤ガス流路9は、上流ガス流路9cと、下流ガス流路9dと、上流ガス流路9cと下流ガス流路9dを連通する複数の連通ガス流路9eと、を有している。上流ガス流路9cの上流端は、酸化剤ガス供給マニホールド孔33に接続され、酸化剤ガス流路9の上流端を構成する。また、上流ガス流路9cは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第1の側部から第2の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。また、下流ガス流路9dの下流端は、酸化剤ガス排出マニホールド孔34に接続され、酸化剤ガス流路9の下流端を構成する。また、下流ガス流路9dは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第1の側部から第2の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。さらに、連通ガス流路9eは、上下方向に直線状に延びるように形成されている。
図19に示すように、燃料ガス流路8は、酸化剤ガス流路9と同様に、上流ガス流路8cと、下流ガス流路8dと、上流ガス流路8cと下流ガス流路8dを連通する複数の連通ガス流路8eと、を有している。上流ガス流路8cの上流端は、燃料ガス供給マニホールド孔31に接続され、燃料ガス流路8の上流端を構成する。また、上流ガス流路8cは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第2の側部から第1の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。また、下流ガス流路8dの下流端は、燃料ガス排出マニホールド孔32に接続され、燃料ガス流路8の下流端を構成する。また、下流ガス流路8dは、上下方向に延びる部分と水平方向に(第2の側部から第1の側部に向かって)延びる部分とから構成されている。さらに、連通ガス流路8eは、上下方向にほぼ直線状(S字状)に延びるように形成されている。
ここで、図20を参照しながら、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成についてより詳細に説明する。
図20は、本実施の形態8に係る燃料電池100の概略構成を示す模式図である。なお、図20において、燃料電池100の一部のみを示し、アノードセパレータ6a及びカソードセパレータ6bは、燃料電池100(アノードセパレータ6a)の厚み方向から見て透視的に描かれている。また、図20においては、燃料ガス流路8と酸化剤ガス流路9のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図20に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、第1上流部181、第2上流部182、及び下流部18cを有している。そして、連通ガス流路8eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181では、第2リブ部12と互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、第2上流部182では、その一部が第2リブ部12と対向するように(正確には、第1の側部から第2の側部に向かって、斜めに燃料ガスが通流するように)形成されている。さらに、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
そして、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1上流部181では、燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第1の所定の割合)が1になるように形成されていて、第2上流部182では、燃料ガス流路幅の第2リブ部に対する割合(第2の所定の割合)が第1の所定の割合よりも小さくなるように形成されている。
このように構成された本実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態1に係る燃料電池スタック61(100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態9)
図21は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図22は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図23は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図21においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図22においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図21及び図22においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図23において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図23においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図21乃至図23に示すように、本発明の実施の形態9に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9e及び燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191、第2上流部192、及び下流部19cを有している。ここで、第1上流部191は、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を部分42とし、他端を式:L9<{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L9は、酸化剤ガス流路9の第1上流部191の流路長を示し、L2は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、第1上流部191の他端は、式:L9≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L9≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
また、第2上流部192は、酸化剤ガス流路9の幅寸法等の構成や、反応ガスの露点、冷却媒体の温度等によって、その下流端は異なるが、一端を第1上流部191の下流端とし、他端を式:L10≦{(2/3)×L2}を満たす部分とし、これらの間の部分であればよい。上記式中、L10は、酸化剤ガス流路9の第2上流部192の流路長を示し、L2は、酸化剤ガス流路9の全流路長を示す。また、第2上流部192の他端は、式:L10≦L2を満たす部分であることがより好ましく、式:L10≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがさらに好ましい。
そして、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、アノードセパレータ6aの内面(第1リブ部11)と互いに重なるように(対向するように)形成されている。すなわち、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1上流部191では、その流路幅が、下流部18cの流路幅よりも小さくなるように形成されていて、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eに対して、第1の側部側にずれるように形成されている。
また、第2上流部192では、その一部が第1リブ部11と対向するように形成されている。さらに、下流部19cでは、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
同様に、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、第1上流部181では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12と互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、第2上流部182では、その一部が第2リブ部12と重なるように形成されている。さらに、下流部19cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
このように構成された本実施の形態9に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態9においては、燃料ガス流路8の連通ガス流路8e及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、その上流端から第2上流部182(192)の下流端までの流路幅が、連通ガス流路8e(連通ガス流路9e)の下流部18c(19c)の流路幅の略半分としている。
(実施の形態10)
図24は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図25は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図24においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図25において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図25においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図24及び図25に示すように、本発明の実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであり、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9と同様に構成されている。一方、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eには、その上流端から上流部19bの下流端の間に、上下方向に延びるように形成された、島状の第2リブ部12aが設けられている。なお、第2リブ部12aは、第2リブ部12と並走するように設けられている。また、本実施の形態10においては、第2リブ部12aは、その下端部が、テーパー状(正確には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、三角形状)に形成されていて、該テーパー状の部分が、第2上流部192を構成する。
そして、図25に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12aと互いに重なっていて(対向していて)、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なっている(対向している)。このため、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路8の幅方向のカソードセパレータ6bの第2リブ部12aと重なる部分の燃料ガス流路8の全幅に対する割合(以下、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合という)が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された、本実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態11)
図26は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのカソードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図27は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図28は、本発明の実施の形態11に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図26においては、カソードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、図27においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表している。また、図26及び図27においては、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図28において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図28においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図26乃至図28に示すように、本発明の実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであるが、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8は、実施の形態10に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の酸化剤ガス流路9と同様に構成されている。一方、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、その上流端から第1上流部191の下流端までがアノードセパレータ6aの内面(燃料ガス流路8の連通ガス流路8e内)に形成された第1リブ部11aと互いに重なるように(対向するように)形成されている。また、連通ガス流路9eの第2上流部192では、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第1リブ部11aの一部と重なるように形成されている。さらに、連通ガス流路9eの下流部19cでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの下流部18cと互いに重なるように(対向するように)形成されている。
そして、図28に示すように、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された本実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態8に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態11においては、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eは、第1リブ部11aと互いに重なるように(対向するように)形成したが、これに限定されず、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きければ、連通ガス流路9eの一部が、第1リブ部11aと重なるように、すなわち、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eと重なるように形成してもよい。
(実施の形態12)
図29は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタックのアノードセパレータの内面の概略構成を示す模式図である。図30は、本発明の実施の形態12に係る燃料電池の概略構成を示す模式図である。なお、図29においては、アノードセパレータにおける上下方向を図における上下方向として表し、冷却媒体供給マニホールド孔及び冷却媒体排出マニホールド孔を省略している。また、図30において、燃料電池の一部のみを示し、アノードセパレータ及びカソードセパレータは、燃料電池(アノードセパレータ)の厚み方向から見て透視的に描かれている。さらに、図30においては、燃料ガス流路と酸化剤ガス流路のそれぞれの流路を見やすくするために、互いに水平方向に位置をずらして示している。
図29及び図30に示すように、本発明の実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)は、実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と基本的構成は同じであり、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eの構成が異なる。
具体的には、本実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)の燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流ガス流路8cの下流端と下流ガス流路8dの上流端とを連通する凹部80と、該凹部80の底面から立設された複数の島状の第1リブ部11a及び第1リブ部11bと、から構成されている。
凹部80は、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、略矩形状に形成されている。また、第1リブ部11aは、連通ガス流路8eの上流端から上流部18bの下流端の間に、上下方向に延びるように形成されていて、その下端部が、テーパー状(正確には、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、三角形状)に形成されている。そして、複数の第1リブ部11aは、それぞれ、並走するように設けられている。
また、第1リブ部11bは、連通ガス流路8eの第2上流部182の上流端から下流端の間に、上下方向に延びるように形成されている。そして、複数の第1リブ部11bは、それぞれ、並走するように設けられていて、燃料ガスの流れ方向において、第1リブ部11aの間に位置するように配設されている。
そして、図30に示すように、燃料ガス流路8の連通ガス流路8eは、上流部18bでは、アノードセパレータ6aの厚み方向から見て、第2リブ部12aと互いに重なっていて(対向していて)、下流部18cでは、酸化剤ガス流路9の連通ガス流路9eと互いに重なっている(対向している)。このため、燃料ガス流路8の上流部18bにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、燃料ガス流路8の下流部18cにおける、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。また、燃料ガス流路8の第1上流部181における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合が、第2上流部182における、燃料ガス流路幅の第2リブ部12aに対する割合よりも大きい。
このように構成された本実施の形態12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)においても、実施の形態11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)と同様の作用効果を奏する。
なお、上記実施の形態1乃至7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8及び酸化剤ガス流路9の流路を、それぞれ、1つの溝で形成する構成としたが、これに限定されず、複数の溝で形成する構成としてもよい。
また、上記実施の形態1乃至12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、燃料ガス流路8の上流部18bを流路の延在方向(燃料ガスが流通する方向)の全範囲が、カソードセパレータ6bの第2リブ部12と重なるように構成したが、流路の延在方向において、その一部が第2リブ部12と重ならないように構成してもよい。
また、上記実施の形態1乃至7に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)における燃料ガス流路8の上流部18b及び酸化剤ガス流路9の上流部19bの構成を、実施の形態9乃至12に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)における燃料ガス流路8の上流部18b及び酸化剤ガス流路9の上流部19bと同様の構成にしてもよい。
さらに、上記実施の形態1乃至11に係る燃料電池スタック61(燃料電池100)では、第1セパレータをアノードセパレータ6aとし、第2セパレータをカソードセパレータ6bとし、また、第1反応ガス流路を燃料ガス流路8とし、第2反応ガス流路を酸化剤ガス流路9としたが、これに限定されず、第1セパレータをカソードセパレータ6bとし、第2セパレータをアノードセパレータ6aとし、また、第1反応ガス流路を酸化剤ガス流路9とし、第2反応ガス流路を燃料ガス流路8としても同様の作用効果を奏する。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明の高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックは、高温低加湿の条件で運転した場合に、高分子電解質膜の乾燥を抑制し、これにより、高分子電解質膜の劣化を抑制することが可能な高分子電解質形燃料電池及び燃料電池スタックとして有用である。
1 高分子電解質膜
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3a アノードガス拡散層
3b カソードガス拡散層
4a アノード電極
4b カソード電極
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)
6a アノードセパレータ
6b カソードセパレータ
7 ガスケット
8 燃料ガス流路(第1反応ガス流路)
8a 往復部(水平部)
8b 反転部(垂直部)
8c 上流ガス流路
8d 下流ガス流路
8e 連通ガス流路
9 酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
9a 往復部(水平部)
9b 反転部(垂直部)
9c 上流ガス流路
9d 下流ガス流路
9e 連通ガス流路
10 冷却媒体流路
11 第1リブ部
11a 第1リブ部
11b 第1リブ部
12 第2リブ部
12a 第2リブ部
18a 最上流部
18b 上流部
18c 下流部
19a 最上流部
19b 上流部
19c 下流部
31 燃料ガス供給マニホールド孔(第1反応ガス供給マニホールド孔)
32 燃料ガス排出マニホールド孔
33 酸化剤ガス供給マニホールド孔(第2反応ガス供給マニホールド孔)
34 酸化剤ガス排出マニホールド孔
35 冷却媒体供給マニホールド孔
36 冷却媒体排出マニホールド孔
41 部分
42 部分
61 燃料電池スタック
62 セル積層体
63 第1の端板
64 第2の端板
80 凹部
100 高分子電解質形燃料電池
131 燃料ガス供給マニホールド
132 燃料ガス排出マニホールド
133 酸化剤ガス供給マニホールド
134 酸化剤ガス排出マニホールド
135 冷却媒体供給マニホールド
136 冷却媒体排出マニホールド
181 第1上流部
182 第2上流部
191 第1上流部
192 第2上流部
202 電極
202A 部分
202B 部分
203 反応ガス流路
204 リブ部

Claims (16)

  1. 高分子電解質膜と該高分子電解質膜の周縁部より内方の部分を挟む一対の電極を有する膜−電極接合体と、
    板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち一方の電極と接触するように配設された導電性の第1セパレータと、
    板状で、前記膜−電極接合体の前記一対の電極のうち他方の電極と接触するように配設された導電性の第2セパレータと、を備え、
    前記第1セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第1リブ部が並走するように第1反応ガス流路が形成され、
    前記第2セパレータの前記電極と接触する一方の主面には、複数の第2リブ部が並走するように第2反応ガス流路が形成され、
    前記第1反応ガス流路は、その上流端から最初に前記電極と接触する部分から下流に向かって所定の長さに亘る部分(以下、第1反応ガス流路の上流部)における、前記第1セパレータの厚み方向から見て前記第1反応ガス流路の幅方向の前記第2セパレータの前記第2リブ部と重なる部分の前記第1反応ガス流路の全幅に対する割合(以下、第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合)が、前記第1反応ガス流路の前記上流部以外の部分(以下、第1反応ガス流路の下流部)における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合よりも大きくなるように形成され、かつ、前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が所定の割合になるように形成されている、高分子電解質形燃料電池。
  2. 前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1/2以上、かつ、1以下である、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  3. 前記第1反応ガス流路の上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が1である、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  4. 前記第1反応ガス流路の下流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が0である、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  5. 前記第1反応ガス流路の上流部は、第1上流部と該第1上流部よりも下流側に位置する第2上流部を有しており、
    前記第1反応ガス流路は、前記第1反応ガス流路の第1上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第1の所定の割合となるように、かつ、前記第1反応ガス流路の第2上流部における前記第1反応ガス流路幅の第2リブ部に対する割合が第2の所定の割合となるように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  6. 前記第1の所定の割合が前記第2の所定の割合よりも大きい、請求項5に記載の高分子電解質形燃料電池。
  7. 前記第1の所定の割合が1であり、前記第2の所定の割合が1/2である、請求項5に記載の高分子電解質形燃料電池。
  8. 前記第1反応ガス流路の下流部で形成される前記第1リブ部は、前記第1セパレータの厚み方向から見て、前記第2リブ部と重なり合うように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  9. 前記第1セパレータの他方の主面及び/又は前記第2セパレータの他方の主面には、溝状の冷却媒体流路が形成されており、
    前記第1反応ガス流路を通流する第1反応ガス及び前記第2反応ガス流路を通流する第2反応ガスの露点が、前記冷却媒体流路を通流する冷却媒体の温度よりも低い、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  10. 前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、サーペンタイン状に形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  11. 前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路が、渦巻状に形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  12. 前記第1反応ガス流路及び/又は前記第2反応ガス流路は、上流ガス流路と下流ガス流路と前記上流ガス流路と前記下流ガス流路を連通し直線状に形成された複数の連通ガス流路とから構成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  13. 前記第1反応ガス流路と前記第2反応ガス流路は、並行流となるように形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  14. 前記第1セパレータ及び前記第2セパレータには、それぞれ、厚み方向に貫通する第1反応ガス供給マニホールド孔及び第2反応ガス供給マニホールド孔が互いに対向するように設けられている、請求項13に記載の高分子電解質形燃料電池。
  15. 前記第1反応ガス流路の前記上流部の幅が、該第1反応ガス流路の下流部の幅よりも小さく形成されている、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池。
  16. 複数の請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池が積層して締結されている、燃料電池スタック。
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