JPWO2010021034A1 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水への溶解性が高く、且つ2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(還元型)を放出できる特定の構造を有する化合物を含有する美白剤および発毛促進剤などの皮膚外用剤を提供することを目的とする。本発明の皮膚外用剤は、下記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩を含有することを特徴とする。(上記式(I)中R1、R2およびR3は特定の基である。)

Description

本発明は皮膚外用剤、特にユビキノン類縁体を含有する皮膚外用剤の改良に関する。
従来、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、洗剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として種々の薬効成分が加えられている。
哺乳動物に最も多く存在する2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン化合物はユビキノン-10であり、ユビキノン-10はベンゼン環の側鎖に炭素50個からなるデカイソプレニル基を有するため脂溶性が非常に高く、水に全く溶けない化合物である。このユビキノン-10の水難溶性により、皮膚外用剤において配合可能な剤形が限定されるなど、ユビキノン-10には配合上の制約がある。
一方、ユビキノン-10は細胞膜中に広く分布するが、抗酸化作用が強く非常に有用なユビキノン-10の還元体であるユビキノール-10の細胞膜中存在量は、α-トコフェロールに比較して1/10程度であり少ない。2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物(還元型)の抗酸化作用を効率よく発揮させるためには効率的な還元体の供給が望まれる。しかしながら、還元体の供給は体内の還元酵素の能力に依存しているのが現状である。
ユビキノン-10の水分散系としてエマルジョン、リポソーム、ミクロ粒子、ナノ粒子などの脂質を用いる処方が公知である(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。また、高濃度の界面活性剤と脂質とポリエチレングリコールとを使用する処方特許(特許文献5)、中鎖脂肪酸モノグリセリドと植物油からなる処方特許(特許文献6)、ユビキノンとリン脂質との混合物(特許文献7)が従来技術として挙げられる。
これらの文献に記載の技術は、いずれも酸化型の2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン化合物の水分散系を作ることによってユビキノン-10の難溶性の問題を解決するものであり、還元体である2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物のバイオアベイラビリティの確保のための問題は解決できていなかった。
そこで、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン化合物の水難溶性に起因する薬物送達上の問題と、その2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(還元型)への還元過程による薬物送達上の問題を同時に解決できる2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物の誘導体が提案されている(特許文献8)。
しかし、特許文献8には、この誘導体が生体内で2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(還元型)を放出することが記載されているが、この化合物が示す薬効については何ら記載されておらず、この化合物が皮膚外用剤の有効成分としての薬効を示すか否かについては全く記載がない。
WO 95/05164 米国特許No. 4,824,669 米国特許No. 4,636,381 米国特許No. 4,483,873 WO 86/04503 特開昭63−188623 米国特許No. 4,684,520 特開2003−104945
本発明は上記従来技術に鑑みてなされたもので、水への溶解性が高く、且つ2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(還元型)を放出できる特定の構造を有する化合物を含有する美白剤および発毛促進剤などの皮膚外用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意検討した結果、2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるにいたった。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[4]に関する。
[1]下記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩を含有する皮膚外用剤:
Figure 2010021034
(上記式(I)中OR1およびOR2はそれぞれ独立にヒドロキシル基あるいは、
ヒドロキシル基と、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸またはそれらの塩のカルボキシル基もしくはカルボキシレート基とがエステル化反応することにより形成された基であり、
OR1およびOR2がともにヒドロキシル基であることはなく、
R3は下記式(A)で表される基である;
Figure 2010021034
上記式(A)において、nは1〜10の整数である。)。
[2]美白剤として使用されることを特徴とする上記[1]に記載の皮膚外用剤。
[3]発毛促進剤として使用されることを特徴とする上記[1]に記載の皮膚外用剤。
[4]抗酸化剤として使用されることを特徴とする上記[1]に記載の皮膚外用剤。
前記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩は、水溶性が高く、しかもメラニン生成抑制効果および発毛促進効果を示すことから、化粧料、医薬部外品、医薬品等の幅広い製剤への配合が可能な美白成分および発毛促進成分として有用である。また、これを含有する本発明の皮膚外用剤は、美白効果及び発毛促進効果に優れている。
図1は、実施例1のメラノサイト樹状突起生成抑制効果の評価結果を示す。図1において、UqH-4-DMGは表1の化合物5を、UqH-1,4-DMGは表1の化合物4を示す。 図2は、実施例2のメラニン合成抑制効果の評価結果を示す。図2において、UqH-4-DMGは表1の化合物5を、UqH-1,4-DMGは表1の化合物4を示す。 図3は、実施例3のマウス体毛成長促進効果の評価結果を示す。図3において、UqH-4-DMGは表1の化合物5を、UqH-1,4-DMGは表1の化合物4を示す。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の皮膚外用剤は、下記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩を含有することを特徴としている。
Figure 2010021034
上記式(I)において、OR1およびOR2はそれぞれ独立にヒドロキシル基あるいは、ヒドロキシル基と、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸またはそれらの塩のカルボキシル基もしくはカルボキシレート基とがエステル化反応することにより形成された基であり、OR1およびOR2がともにヒドロキシル基であることはない。
本明細書においてアミノ酸は、少なくとも一つの置換されていないアミノ基と、少なくとも一つの置換されていないカルボキシル基とを分子内に有する有機化合物を指す。なお、本明細書においては、前記アミノ基にはイミノ基(=NRまたは−NR−で表される二価の基、Rは水素または置換基を示す。)が含まれるものとする。
前記アミノ酸において、アミノ基とカルボキシル基との間は、好ましくは炭素数1〜7の直鎖、分岐または環状のアルキレン基で結合される。分岐状のアルキレン基とは、例えばイソプロピル、イソブチル、1-エチルプロピルなどのアルキル基から誘導されたアルキレン基を意味する。環状アルキレン基とは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、あるいはメチルシクロヘキサン環などを構造中に含むアルキレン基を意味する。アルキレン基として特に好ましいのは、メチレン基およびエチレン基である。
前記アミノ酸としては、本発明の皮膚外用剤に含有される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩の生体親和性および水溶性の点から、グリシンおよびアラニンが好ましく、グリシンがより好ましい。
前記N−アシルアミノ酸は、前記アミノ酸のN−アシル体である。N−アシルアミノ酸におけるアシル基としては、直鎖または分岐を有する炭素数2〜6のアシル基が挙げられる。このようなアシル基の例としては、アセチル基、n−プロパノイル基、n−ブタノイル基、tert-ブトキシカルボニル基が挙げられる。アシル基としては、本発明の皮膚外用剤に含有される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩の水溶性の点から、アセチル基が好ましい。なお、N−アシルアミノ酸は、置換されていないアミノ基を有していなくてもよい。
前記N-アルキルアミノ酸およびN,N-ジアルキルアミノ酸は、それぞれ前記アミノ酸のN−アルキル体およびN,N−ジアルキル体である。これらにおけるアルキル基としては、たとえば直鎖または分岐を有する炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。このようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基、1-エチルプロピル基、イソアミル基などが挙げられる。これらの中でも、本発明の皮膚外用剤に含有される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩の水溶性の点から炭素数3以下のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。なお、N-アルキルアミノ酸およびN,N-ジアルキルアミノ酸は、置換されていないアミノ基を有していなくてもよい。
また前記アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸の塩は、ハロゲン化水素塩またはアルキルスルフォン酸塩であることが好ましい。前記OR1およびOR2がヒドロキシル基とアミノ酸などのハロゲン化水素塩のカルボキシレート基とがエステル化反応することにより形成された基であると、上記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体も塩の状態で存在する。塩は融点が原体のキノン化合物よりも高い場合が多く、製剤化にあたっての取り扱いが容易であるという利点がある。ハロゲン化水素塩としては、塩酸塩、臭化水素塩などが好ましい。また、前記アルキルスルフォン酸塩としては、メタンスルフォン酸塩などが例示される。
上記一般式(I)において、R3は下記式(A)で表される基である。
Figure 2010021034
上記式(A)において、nは1〜10の整数であり、好ましくは6〜10の整数である。
前記一般式(I)で表される化合物の製造方法は種々考えられるが、代表的な方法を述べれば以下の通りである。下記一般式(II)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ベンゾキノン化合物を還元剤で還元し、下記一般式(III)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物とする。
Figure 2010021034
Figure 2010021034
一般式(II)および(III)において、R3は上記一般式(I)におけるR3と同じである。ここで用いる還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、トリーn-ブチルフォスフィン、塩化亜鉛、塩化第1スズなどを挙げることができる。
この2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物と、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸もしくはそれらの塩またはそれらの反応性酸誘導体とを常法によりエステル化反応させることにより、前記一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
本発明の皮膚外用剤に含有される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体の製造に際しては、アミノ酸のアミノ基、2級アミノ基あるいはアミノ酸の側鎖に存在する各官能基をtert-ブトキシカルボニル基(以下「t-BOC基」と略記。)、ベンジルオキシカルボニル基(以下「Z基」と略記。)、9-フルオレニルメトキシカルボニル基(以下「FMOC基」と略記。)などの適切な保護基で保護し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下「DCC」と略記。)、塩酸1-メチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(以下「EDC」と略記。)、N,N-ジサクシニミドオギザレート(以下「DSO」と略記。)などの活性エステル化試薬の存在下に前記エステル化反応を行うことが好ましい結果を与える。
またN,N-ジアルキルアミノ酸またはピリジンカルボン酸はそのハロゲン化水素塩を用いて、前記DCC、EDC、DSOなどの活性エステル化試薬の存在下に前記エステル化反応を行うことが好ましい結果を与える。この際反応溶媒としてはピリジンが好ましい。
また、前記反応性酸誘導体を用いる方法では、前記アミノ酸等のカルボキシル基もしくはカルボキシレート基を酸ハロゲナイトとりわけ酸クロリドで活性化して、前記エステル化反応(前記2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン化合物との反応)を行う方法が好ましい結果を与える。この際溶媒としては無水ベンゼン−無水ピリジン混合物が好ましい。
本発明の皮膚外用剤に含有される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体のハロゲン化水素塩およびアルキルスルフォン酸塩は、常法により遊離の前記2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体とハロゲン化水素またはアルキルスルフォン酸とを反応させて製造することができる。
なお、アミノ酸等に保護基を導入して前記2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体を製造した場合は、該化合物を製造した後、常法によりハロゲン化水素酸で脱保護すると、前記化合物は脱保護されると同時にハロゲン化水素酸塩となる。
前記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、ヒト皮膚三次元培養モデルを用いたメラノサイトの成長およびメラニン生成抑制試験において顕著な抑制作用を示す、美白効果を持つ化合物である。
また、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、C3Hマウスを用いた体毛成長促進効果試験において顕著な体毛成長促進効果を示す、発毛促進作用を持つ化合物である。
さらに、前記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、水溶性が高く、水性皮膚外用剤への配合が容易である。その結果、前記化合物及びその塩の可溶化のために界面活性剤等の添加剤を別途添加する必要がなく、前記化合物は配合上及び安全性上有利である。
なお、本明細書において、「美白効果」とは、メラニン生成に対する抑制効果のみをいうのではなく、例えば、色素沈着の抑制、肌のくすみ、日焼け等による皮膚の黒化の防止及び改善等の効果を含み、最も広義に解釈されるべきである。
本発明の皮膚外用剤は、上記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体又はその塩を含有する。その含有量は、皮膚外用剤全体(100質量%)に対して好ましくは0.00001〜6質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。この範囲内であると、前記化合物を安定に皮膚外用剤に配合することができ、そのような配合がなされた皮膚外用剤は、優れた薬効を発揮できる。
本発明の皮膚外用剤の製剤形態は特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、洗剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等が挙げられる。本発明の皮膚外用剤は上記のいずれの形態の化粧料であっても外用医薬品であってもよい。
本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、金属石けん、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、リンス剤、酵素、ホルモン剤、ビタミン類等を含有させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[合成例]
下記製造方法A〜Dに示す方法により表1および3に示す2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼン誘導体またはその塩を製造した。
製造方法A
アミノ酸0.1molを蒸留水-ジオキサン(1:1,v/v)100mlに溶解し、トリエチルアミン30mlを加え、ジ-tert-ブチルジカルボネートを徐々に加え30分間室温で撹拌する。
減圧下ジオキサンを留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5 M)50mlを加え酢酸エチル100mlで洗う。酢酸エチル層を50mlの炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、水層を合わせて氷冷下でクエン酸水溶液(0.5 M)を加えて酸性(pH3)とし、塩化ナトリウムを飽和させた後、酢酸エチルで抽出する(100ml x 3)。
抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去し、油状残渣にイソプロピルエーテルを加えるか、または冷却して結晶化させて、N-t-BOC-アミノ酸を得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ベンゾキノン(ユビキノン-10)1.16 mmolをイソプロピルエーテル100 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム2.8 mmolをメタノール15mlに懸濁させて加え、黄色の溶液が無色になるまで室温で撹拌する。
反応液にアルゴンガスを飽和させた蒸留水100mlを加えイソプロピルエーテル層を洗う。分液後イソプロピルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し減圧下溶媒を留去し2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(ユビキノール-10)を得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼンにN-t-BOCアミノ酸2.8mmol、DCC 2.8mmol、無水ピリジン30mlを加え雰囲気をアルゴンガスに置換した後、室温で24時間撹拌する。
溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて可溶性画分を抽出する(100ml x 2回)。抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離溶媒;n-ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で分離精製し、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-ベンゼン 1,4-ビスーN-t-BOC-アミノ酸エステルを得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビスーN-t-BOC-アミノ酸エステルを少量のアセトンに溶解し、塩酸-ジオキサン(3.5N)をエステル結合量の約20倍量の塩酸量に相当する量加え、脱保護を行う。反応終了後溶媒を減圧留去し、残渣をアセトンで再結晶して2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビスアミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
製造方法B
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ベンゾキノン(ユビキノン-10)1.16 mmolをイソプロピルエーテル100 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム2.8 mmolをメタノール15mlに懸濁させて加え、黄色の溶液が無色になるまで室温で撹拌する。
反応液にアルゴンガスを飽和させた蒸留水100mlを加えイソプロピルエーテル層を洗う。分液後イソプロピルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し減圧下溶媒を留去し2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(ユビキノール-10)を得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼンに、製造方法Aで合成したN-t-BOCアミノ酸1.4mmol、DCC 1.4mmol、無水ピリジン30mlを加え雰囲気をアルゴンガスに置換した後、室温で24時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて可溶性画分を抽出する(100ml x 2回)。
抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離溶媒;n-ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で分離精製し、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N-t-BOC-アミノ酸エステルと2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N-t-BOC-アミノ酸エステルを得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N-t-BOC-アミノ酸エステル、若しくは2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N-t-BOC-アミノ酸エステルを少量のアセトンに溶解し、塩酸-ジオキサン(3.5N)をエステル結合量の約20倍量の塩酸量に相当する量加え、脱保護を行う。
反応終了後溶媒を減圧留去し、残渣をアセトンで再結晶して2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-アミノ酸エステルの塩酸塩、および2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-アミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
製造方法C
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ベンゾキノン(ユビキノン-10)1.16 mmolをイソプロピルエーテル100 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム2.8 mmolをメタノール15mlに懸濁させて加え、黄色の溶液が無色になるまで室温で撹拌する。
反応液にアルゴンガスを飽和させた蒸留水100mlを加えイソプロピルエーテル層を洗う。分液後イソプロピルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し減圧下溶媒を留去し2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(ユビキノール-10)を得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼンに塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸2.8mmol、DCC 2.8mmol、無水ピリジン30mlを加え雰囲気をアルゴンガスに置換した後、室温で24時間撹拌する。
溶媒を減圧下留去し、残渣を蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えてpH7〜8にした後に酢酸エチルで可溶性画分を抽出する(100ml x 3回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し,残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離溶媒;n-ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で分離精製し、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビスーN,N-ジアルキルアミノ酸エステルを得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビスーN,N-ジアルキルアミノ酸エステルを少量のn-ヘキサンに溶解し2倍モル量の塩酸-ジオキサンを加え溶媒を減圧下留去し、残渣をアセトンで再結晶して2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビスーN,N-ジアルキルアミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
製造方法D
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ベンゾキノン(ユビキノン-10)1.16 mmolをイソプロピルエーテル100 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム2.8 mmolをメタノール15mlに懸濁させて加え、黄色の溶液が無色になるまで室温で撹拌する。
反応液にアルゴンガスを飽和させた蒸留水100mlを加えイソプロピルエーテル層を洗う。分液後イソプロピルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し減圧下溶媒を留去し2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼン(ユビキノール-10)を得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1,4-ジヒドロキシベンゼンに塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸2.8mmol、DCC 2.8mmol、無水ピリジン30mlを加え雰囲気をアルゴンガスに置換した後、室温で24時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えてpH7〜8にした後に酢酸エチルで可溶性画分を抽出する(100ml x 3回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し,2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルと2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルを得る。
2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N,N-ジアルキルアミノ酸エステル、若しくは2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルを少量のn-ヘキサンに溶解し、2倍モル量の塩酸-ジオキサンを加え、溶媒を減圧下留去し、残渣をアセトンで再結晶して2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルと、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
なお、製造方法AおよびBに準じて、すなわち製造方法Aにおいてアミノ酸の代わりにN−アルキルアミノ酸を使用するか(N−アルキルアミノ酸にジ‐tertブチルジカルボネートを反応させて得られる保護体をN−アルキル−N−t-BOCアミノ酸という)、または製造方法BにおいてN-t-BOCアミノ酸のかわりにN−アルキル−N−t-BOCアミノ酸を使用することにより、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニルベンゼン 1,4-ビス‐N-アルキルアミノ酸エステルの塩酸塩、2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-4-ヒドロキシベンゼン 1-N-アルキルアミノ酸エステルの塩酸塩および2,3-ジメトキシ-5-メチル-6-デカイソプレニル-1-ヒドロキシベンゼン 4-N-アルキルアミノ酸エステルの塩酸塩を得ることができる。
以下、本発明にかかる化合物の具体的化学式およびその物性、製造方法について、表1および3に示す。なお、化合物番号1〜6の化合物については、質量分析(m/z,FAB-MS)および核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR,δ(ppm,内部標準TMS))を表2に示す。
Figure 2010021034
Figure 2010021034
Figure 2010021034
[実施例1]
<メラノサイト樹状突起生成抑制効果>
MEL-300ヒト皮膚3次元モデル(正常ヒト表皮メラニン細胞を含む正常ヒト皮膚角化細胞)を用いて,表1に示された化合物4および化合物5のメラニン生成抑制効果を評価した。MEL-300皮膚モデルカップを、EPI-100-LLMM維持培地を0.9 mlずつ入れた6ウェルプレートに移し、1時間、37℃、5% CO2にてプリインキュベートした。
維持培地を吸引除去し、新しい維持培地5mlに交換後、MEL-300皮膚モデルカップ内に化合物4または化合物5の30 mmol/l溶液を0.1ml添加し培養した。対照群には0.2%エタノール溶液を0.1ml添加した。
2日ごとに維持培地および被検物質を交換し,7日間培養した。培養7日後にヒト皮膚3次元モデルカップ内側の細胞写真を撮影し、画像解析によりメラノサイトの面積の割合(%)を算出した。有意差検定はPost-hoc テスト(Scheffe法)により行い、有意水準は5%とした。図1に結果を示すが、図1から明らかな様に、化合物4及び化合物5は有意にメラノサイト樹状突起生成を抑制した。なお、本実験はn=3で行った。
[実施例2]
<メラニン合成抑制試験>
MEL-300ヒト皮膚3次元モデル(正常ヒト表皮メラニン細胞を含む正常ヒト皮膚角化細胞)を用いて,表1に示された化合物4または化合物5のメラニン生成抑制効果を評価した。MEL-300皮膚モデルカップを、EPI-100-LLMM維持培地を0.9 mlずつ入れた6ウェルプレートに移し、1時間、37℃、5% CO2にてプリインキュベートした。
維持培地を吸引除去し、新しい維持培地5mlに交換後、MEL-300皮膚モデルカップ内に化合物4および化合物5の30 mmol/l溶液を0.1ml添加し培養した。対照群には0.2%エタノール溶液を0.1ml添加した。陽性対照群には30 mmol/lコウジ酸溶液を0.1ml添加した。
2日ごとに維持培地および被検物質を交換し,14日間培養した。培養14日後に、MEL-300皮膚モデルカップより培養皮膚片を取り出し、0.05mM EDTAおよび1%トリス塩酸溶液を含む1%SDS水溶液0.2mlに浸漬し、5mg/mLプロティナーゼK溶液を0.02ml加え、37℃で一晩反応させた。
反応後反応液をよく撹拌し、培養皮膚片を完全に破砕した。反応液に500mM炭酸ナトリウム溶液0.025mlおよび30%過酸化水素水0.005mlを加え、80℃で30分加温し、冷却後、クロロホルム/メタノール溶液(2:1(vol/vol))を0.1ml加え、遠心分離した。得られた上清の405nmの吸光度を測定した。同様に処理した各濃度のメラニン溶液の吸光度より検量線を作成し、培養皮膚片のメラニン量を定量した。
有意差検定はPost-hoc テスト(Scheffe法)により行い、有意水準は1%とした。ヒト皮膚3次元モデルに化合物4または化合物5を添加することにより,メラニンの生成量が有意に減少した(図2参照)。このことから、化合物4および化合物5がメラニン生成抑制作用を有し、美白剤として機能することが明らかになった。なお、本実験はn=3で行った。
[実施例3]
<マウス体毛成長促進効果>
毛周期の休止期にあたる7週齢の雄性C3H/HeNを使用した。
マウスの背部被毛を電気バリカン(0.05mm刃)および電気シェーバーで剃毛し、剃毛翌日から剃毛部位に一日一回、化合物4または化合物5の50μmol/g 軟膏を0.1mlずつ塗布した。塗布にはコーンラージ棒を用い,対照群にはコーンラージ棒による塗布刺激のみを与えた。
塗布開始から18日目のマウス背部画像を撮影し、画像解析により剃毛部総面積に対する被毛再生面積の割合を算出し,得られた数値を毛再生率(%)とした。有意差検定はPost-hoc テスト(Scheffe法)により行い、有意水準は5%とした。
化合物4または化合物5を含有する軟膏を塗布することにより、毛再生率(%)が有意に増加した(図3参照)。この結果より、化合物4および化合物5が体毛成長促進効果を有することが明らかになった。なお、本実験はn=6、対照群はn=7で行った。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される2,3-ジメトキシ-5-メチル-1,4-ジヒドロキシベンゼンカルボン酸エステル誘導体またはその塩を含有する皮膚外用剤:
    Figure 2010021034
    (上記式(I)中OR1およびOR2はそれぞれ独立にヒドロキシル基あるいは、
    ヒドロキシル基と、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸またはそれらの塩のカルボキシル基もしくはカルボキシレート基とがエステル化反応することにより形成された基であり、
    OR1およびOR2がともにヒドロキシル基であることはなく、
    R3は下記式(A)で表される基である;
    Figure 2010021034
    上記式(A)において、nは1〜10の整数である。)。
  2. 美白剤として使用されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 発毛促進剤として使用されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
  4. 抗酸化剤として使用されることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
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