JPWO2010013303A1 - ガス供給システムと供給方法 - Google Patents

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Abstract

ガス供給システムにおいて、上流側(主ガス供給ライン1)に供給される混合ガスのメタン価が変動する場合でも、各顧客における所定のガス機器群において、所定のメタン価の範囲のガスのみをそれらのガス機器群に供給することにより、機器動作を保障し安定させることができるようにする。そのために、顧客側に近い箇所において主ガス供給ライン1を流れるガスのメタン価をメタン価計6で測定し、測定されたメタン価値が閾値以下の場合には、主ガス供給ライン1を流れるガスをガス分離装置30を用いてメタン価値が前記閾値を越える第1ガスと前記閾値以下である第2ガスとに分離する。分離後の前記第1ガスを第1ガス消費機器群(例えばガスエンジン)10へ供給し、前記第2ガスを第2ガス消費機器群(例えば燃焼器)20へ供給する。

Description

本発明は、ガス供給システムと供給方法に関し、特に、メタン価が影響するガス消費機器に対して、ガス組成が変動する場合であっても、所定のメタン価の範囲のガスのみをそれらのガス機器群に供給することにより機器動作を保障し安定させることができるようにするための技術に関する。
都市ガスを燃料とするガス消費機器の中には、燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えるものがある。ガスエンジンはその代表例であり、メタン価の低いガスが供給されると、いわゆるノッキングを発生しやすくなり、機器動作が不安定になる。
ここで、メタン価とは、ガソリンエンジンのオクタン価に対応するノッキングに対する抵抗値を示す指標として、AVL社によって規格化されたものであり、1973年に the American Society of Mechanical Engineers に報告されている。一般に、メタン価は、メタンを100、水素を0として定義されており、ノッキングを起こしにくいガスを混合することによりメタン価が100を越える混合ガスを調整することができる。そのような剤は「メタン価調整ガス」と呼ばれており、一例としてCOが挙げられる。
例えば、特許文献1には、ガスエンジンにおいてノッキングを起こすことなく出力を上げる技術が記載されており、燃料ガスにCOを混合させることで、燃料ガスのメタン価を上げてノッキングの発生を抑制し、それによりエンジン本体への燃料ガス供給量を増加させて、エンジンの出力を向上させるようにしている。
特許文献2には、ガスエンジンの排気ガス中のCOを回収し、このCOと主燃料であるメタンガスとを反応させて改質したガスを燃料とする技術が記載されている。特許文献2に記載の技術は熱量を上げることを目的としているが、COの添加により燃料ガスのメタン価も高くなっていると解することもできる。
特許文献3には、ガスエンジンに対する燃料供給装置が記載されており、低カロリーガス燃料を用いてガスエンジンの運転を可能とするために、燃料ガスに含まれる各ガスの混合率を算出し、その情報に基づいて供給する気体燃料のトータル熱量を制御するようにしている。必要な場合には、CO、圧縮水素やLPG、ブタンを添加し燃焼速度やメタン価(アンチノック性)の調整を行なうことも記載されている。
一方、特許文献4には、ガスエンジンにおいてメタン価の高いガスが有効であることに鑑みて、圧力スイング吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)により都市ガスをメタン価の高い第1ガスとメタン価の低い第2ガスとに分離する装置が記載されている。ガスエンジンコジェネレーションシステムにこのガス分離装置を採用し、メタン価の高い第1ガスをガスエンジンに供給し、熱量の高い第2ガスをボイラーに供給することによって、システム全体の出力増加とエネルギー効率の改善を可能としている。
特開2002−180909号公報 特開2002−13447号公報 特開2004−278468号公報 特開2006−326545号公報
上記のように、ガスエンジンのノッキング対策として燃料ガスのメタン価を高くする技術、そのために燃料ガスにCOを添加する技術、さらには、ガス分離装置を用いて都市ガスである燃料ガスをメタン価の高い第1ガスとメタン価の低い第2ガスとに分離し、メタン価の高い第1ガスをガスエンジンに供給し、熱量の高い第2ガスをボイラー等の燃焼器に供給する技術は知られている。しかし、いずれも特定のガス消費機器(例えば、ガスエンジン)と、該特定のガス消費機器に供給される燃料ガス流に注目して、そのガス流のメタン価等を調整しようとするものである。
現実の都市ガスの供給は、主ガス供給ラインの下流に種類の異なる形態の多数のガス燃焼機器が接続しており、そのようなシステム全体におけるガス消費機器を、高メタン価の燃料ガスが供給されることが望ましいガス消費機器群(例えば、ガスエンジン)と、その他のガス消費機器群(例えば、燃焼器)とに区別し、主ガス供給ラインのガス流を中断することなく、それぞれに対して、それぞれに適した燃料ガスを継続的に供給できるようにすることが、システム全体を効率的に運用するためには求められるが、従来技術では、ガス供給システム内において、効率的にメタン価を制御しつつ、消費機器群の安定した動作を保障するような各消費機器群に見合った適切なガスを供給する技術については、特に配慮がなされていない。
なお、ここで、都市ガスとは、その種類が燃焼速度とウオッベ指数とで決定されている炭化水素系ガスをいい、燃焼性の類別によって13A、12A、6A等に分けられる。例えば、現在一般に供給されている13Aガスは、ウオッベ指数が52.7〜57.8の範囲にあり、燃焼速度MCPが35〜47の範囲にある都市ガスであって、その指標に基づいて品質が厳格に管理されている。
なお、燃焼速度MCPは数1に示す計算式によって得られる数値をいい、ウオッベ指数WIは数2に示す計算式によって得られる数値をいう。
(数1)MCP=Σ(Si×fi×Ai)/Σ(fi×Ai)×(1−K)
ただし、Siはガス中の各可燃性ガスの燃焼速度であって、水素は282、メタンは36、エタンは41、プロパンは41、ブタンは38である。fiはガス中の各可燃性ガスに係る係数であって、水素は1.00、メタンは8.72、エタンは16.6、プロパンは24.6、ブタンは32.7である。Aiはガス中の各可燃性ガスの含有率(体積百分率)である。Kは減衰係数である。
(数2)WI=H/√a
ただし、aはガスの空気に対する比重である。Hはガスの熱量(メガジュール)である。
都市ガスは、例えば13Aに分類される都市ガス(以下13Aガスという)ではあっても、前記の通りその定義に幅があるので、そのガス組成は前記燃焼速度とウオッベ指数の条件を満足する範囲で変化する。
一方、都市ガスにおいて、時期によってメタン価の異なる産地の天然ガス(注1)がラインに流れるのを避けることはできず、前記燃焼速度とウオッベ指数の条件を満足する都市ガスであっても、例えば平均組成では66であるメタン価がある程度の幅で変動する。また、欧州における実際の国際ガスパイプラインのように、さまざまな産地からの天然ガス(注2)が同じバイプラインに流れ込むような場合も、メタン価が変動するのを避けられない。さらに、ガス供給事業者が基準値範囲内のメタン価の都市ガスを供給している主ガス供給ラインに、ガス供給事業者以外の者が異なったメタン価のガス(例えば、バイオガス等)や余剰のガスを供給することが可能となった場合にも、主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価は変動する。
(注1)ブルネイ産天然ガスのメタン価は66.6,インドネシア産天然ガスのメタン価は66.7,マレーシア産天然ガスのメタン価70.7である。
(注2)ロシア産天然ガスなどもメタン濃度が90%以上あり非常にメタン価の高いガスである。一方、アルジェリア産天然ガスはそれよりもメタン濃度は低くなっている。
そのようなケースにおいても、メタン価が影響する消費機器を使用する顧客先にとっては、自己のガス消費機器に適したメタン価の燃料ガスが供給されることが望ましいが、主ガス供給ライン中のガスのメタン価を一律にあるいは個々の顧客の要求に応じて制御することは事実上困難であり、現実的な解決策が求められている。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ガス供給用のパイプライン(主ガス供給ライン)にいかなるメタン価のガス組成のガスが流れる場合であっても、顧客先でもしくは顧客先に近い中間地点で所望にメタン価を制御して、高メタン価の燃料ガスが供給されることが望ましいガス消費機器群には高メタン価の燃料ガスを、その他のガス消費機器群(例えば、燃焼器)には低メタン価の燃料ガスを、確実に供給できるようにした、ガス供給システムとガス供給方法と提供することを課題とする。
上記課題を解決するための第1の発明は、
主ガス供給ラインを流れるガスを第1の分岐路を介して第1ガス消費機器群に、また第2の分岐路を介して第2ガス消費機器群に供給するガス供給システムであって、
主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価を測定するメタン価測定手段と、
前記メタン価測定手段が測定したメタン価値を予め定めた閾値と比較する比較手段と、
前記メタン価測定手段の位置と前記第1の分岐路と第2の分岐路の分岐点との間において前記主ガス供給ラインに備えられたガス流路切り替え手段と、
前記ガス流路切り替え手段によって切り替えられたガス流を前記第1ガス消費機器群および第2ガス消費機器群に供給する分岐ガス供給ラインと、
前記比較手段が前記メタン価測定値が前記閾値を越えていると判断した場合には主ガス供給ラインを流れるガスを前記第1の分岐路と第2の分岐路にそのまま供給し、前記メタン価測定値が前記閾値以下であると判断した場合には主ガス供給ラインを流れるガスを前記分岐ガス供給ラインに供給するように前記ガス流路切り替え手段を切り替える切り替え制御手段と、
前記分岐ガス供給ラインに備えられており、供給されるガスをメタン価値が前記閾値を越える高メタン価の第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離するガス分離装置と、
前記ガス分離装置が分離した前記高メタン価の第1ガスを前記第1ガス消費機器群へ供給する第1のバイパスラインと、
前記ガス分離装置が分離した前記低メタン価の第2ガスを前記第2ガス消費機器群へ供給する第2のバイパスラインと、を少なくとも備えることを特徴とするガス供給システムである。
上記のガス供給システムにおいて、前記第1のバイパスラインの下流に、前記高メタン価の第1ガス用のバッファタンクを備えることもできる。また、上記のガス供給システムにおいて、前記第2のバイパスラインの下流に、前記低メタン価の第2ガスバッファタンクを備えることもできる。
さらに、上記のガス供給システムは、前記比較手段が前記メタン価測定値が所定閾値を越えていないと判断した場合に、前記第1のバイパスラインを流れるガスにメタン価調整ガスを供給することができるメタン価調整ガス供給手段をさらに備えることもできる。
上記のガス供給システムの好ましい態様において、前記第1ガス消費機器群はガスエンジンを含み、前記第2ガス消費器群は燃焼器を含む。この態様において前記第1ガス消費機器群がガスエンジンの場合、本発明によるガス供給システムは前記ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOを分離する手段をさらに備えるとともに、前記メタン価調整ガス供給手段は前記CO分離手段で分離されたCOを前記第1のバイパスライン中に供給する手段である。
上記課題を解決するための第2の発明は、
主ガス供給ラインを流れるガスを第1の分岐路を介して第1ガス消費機器群に、また第2の分岐路を介して第2ガス消費機器群に供給するガス供給方法であって、
主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価を測定する測定工程と、
測定されたメタン価値を予め定めた閾値と比較する比較工程と、を備え、
前記測定値が前記閾値を越えている場合には、主ガス供給ラインを流れるガスを第1および第2の分岐路を介して前記第1ガス消費機器群および第2の分岐路へそのまま供給し、
前記測定値が前記閾値以下の場合には、主ガス供給ラインを流れるガスをメタン価値が前記閾値を越える高メタン価の第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスと分離し、分離後の前記高メタン価の第1ガスを第1ガス消費機器群へ供給し、前記低メタン価の第2ガスを第2ガス消費機器群へ供給することを特徴とするガス供給方法である。
上記のガス供給方法において、前記第1のパイプランの下流において前記高メタン価の第1ガスを一時的に保管する工程をさらに備えることもできる。また、前記第2のパイプランの下流において前記低メタン価の第2ガスを一時的に保管する工程をさらに備えることもできる。
さらに、上記のガス供給方法は、前記比較工程において、前記メタン価測定値が所定閾値を越えていないと判断した場合には前記第1のバイパスラインを流れるガスにメタン価調整ガスを供給するメタン化調整ガス供給工程をさらに備えることもできる。
上記のガス供給方法の1つの態様において、前記第1ガス消費機器群はガスエンジンを含み、前記第2ガス消費器群は燃焼器を含む。この態様において前記第1ガス消費機器群がガスエンジンの場合、前記メタン化調整ガスは前記ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOである。
上記の本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法では、主ガス供給ラインが、第1ガス消費機器群へのガス供給ラインである第1の分岐路と第2ガス消費機器群へのガス供給ラインである第2の分岐路に分岐する分岐点よりも上流側において、主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価を測定する。測定したメタン価値が予め定めた閾値を越えている場合には、下流側に燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えるガス消費機器(第1ガス消費機器群)が接続していても、当該ガス消費機器に悪影響を与えないので、そのままガスの供給を継続する。
測定したメタン価値が前記閾値以下の場合には、下流側に接続したガス消費機器(第1ガス消費機器群、例えばガスエンジン)に悪影響を与える恐れがある。そのために、主ガス供給ラインを流れるガスをメタン価値を、前記閾値を越える高メタン価の第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離する処理を行い、分離後の前記高メタン価の第1ガスを第1ガス消費機器群へ供給し、前記低メタン価の第2ガスを第2ガス消費機器群へ供給する。それにより、主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価が変動する場合であっても、第1ガス消費機器群と第2ガス消費機器群の双方に、機器作動に適したガスを供給することができる。また、主ガス供給ラインを流れるガスをメタン価値が前記閾値を越える第1ガスと前記閾値以下である第2ガスと分離する処理も、必要なときにのみ行えばよく、処理コストも低減できる。
上記のように、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法では、主ガス供給ラインの下流に種類の異なる多数のガス燃焼機器が接続している大きなガス供給系において、供給されるべき燃料ガスのメタン価の最適値が異なっている複数個のガス消費機器が接続されている場合であっても、個々のガス消費機器ごとに、上記したメタン価測定処理とガス分離処理を行うことによって、すべてのガス消費機器に対して好適なガスの供給を継続して行うとことができる。すなわち、上流側(主ガス供給ライン)に供給される混合ガスのメタン価が変動しても、各顧客における所定のガス機器群において、所定のメタン価の範囲のガスのみをそれらのガス機器群に供給することが可能となり、すべての機器動作を保障し安定化させることができる。
具体的一例として、コジェネレーションシステムに用いられるガスエンジンは、日本製のものと共に、輸入品も多く日本国内に流通している。例えば欧州で生産されたガスエンジンは高いメタン価(メタン価:70)の燃料ガスにあわせて仕様が決定されているが、それをそのまま日本で使用する場合には、メタン価の低いガス(メタン価:66)が燃料となりノッキングの発生が懸念されるので、定格出力を低くする仕様変更が行われているのが現状である。しかし、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法を用いることにより、欧州の天然ガスに比較してメタン価の低い日本の都市ガスユーザも、高メタン価のガスが利用可能になるので、メタン価66程度の燃料ガスを前提とする日本向け仕様のガスエンジンのみならず、たとえばヨーロッパ向け仕様のガスエンジンを選択できる可能性が広がる。これによってガスエンジンの出力を上げることが可能となり、結果として初期投資の低減などを見込むことができる。
本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法において、前記ガスを分離する処理には、従来知られた任意のガス分離法を用いることができる。一例として、前記特許文献4に記載される圧力スイング吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)が上げられる。他に、膜分離法、吸収分離法、深冷分離法、ガスハイドレード分離法などを利用することもできる。そのような技術については、例えば株式会社東レリサーチセンター、2007年4月発行の「ガス分離・精製技術」が参照される。
本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法におけるガス分離処理の1つの具体例として、都市ガスである13Aガスから高メタン価の第1ガスを分離する態様が挙げられる。13Aガスから高メタン価ガスが分離されると、結果として、残るガスにはメタン価を下げる要因となっているプロパン、ブタン等の組成比が高くなる。プロパン、ブタンはメタンより熱量が高いので残るガス(低メタン価の第2ガス)の熱量は分離された高メタン価ガスのそれより高くなっている。そのために、高メタン価ガス(第1ガス)を例えばガスエンジンに供給してエンジン出力を向上させる一方、低メタン価ガス(第2ガス)をボイラー等燃焼熱利用系に供給することにより、ガスエンジンコジェネレーションシステム全体の効率向上を図ることができる。また、プロパンやブタンはメタンよりも窒素酸化物に対する還元性が高いので低メタン価ガス(第2ガス)を脱硝処理に好適に適用することができる。さらに、高メタン価ガス(第1ガス)をガスエンジンに供給すればガスエンジンの出力が向上して出力余裕が生じるので、ガスエンジンの出力制御等を行えば、燃料効率さらに向上させることができる。
本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法において、メタン化調整ガスを用いる場合、メタン価調整ガスには、従来知られたものを適宜用いることができる。代表例として、CO、窒素ガスが例示できる。表1はメタンとCO、表2はメタンと窒素ガスの混合比を変えた場合でメタン価の変動の一例を示している。表から、本発明において、混合ガスにメタン価調整ガスを添加することの有効性が示される。
Figure 2010013303
Figure 2010013303
さらに、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法において、メタン化調整ガスを用いる場合、メタン化調整ガスとして、ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOに加えて、他の燃焼機器等から排出されるCOを用いることもできる。種々の燃焼器等から排出するCOは温室効果ガスの1つであり、削減することが求められている現在、上記のように本発明において、メタン価調整ガスとして排出COを用いることは、地球環境の保全にも寄与することとなる。
なお、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法において、メタン価計、すなわちメタン価を計測する手段には、従来知られた適宜の手段を用いることができる。例として、例えば熱量計GasPT(Advantica社製)を用いる手段、質量分析計あるいはガスクロマトグラフィーによってガス組成を定量分析し、AVL社ソフトウエアMethaneによって算出する手段、等を挙げることができる。
図1は、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法を説明するシステム図。 図2は、図1のシステムの運転プロセスを説明するフロー。 図3は、圧力スイング吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)によってガスを分離する一例を説明するための図。 図4は、都市ガス13Aを圧力スイング吸着法により高メタン価の第1ガスと低メタン価の第2ガスとに分離した結果を示すグラフ。
符号の説明
1…主ガス供給ライン、2…副ライン、3…ガス分岐点、4…第1の分岐路、5…第2の分岐路、6…メタン価計、7…ガス流路切替弁、8…分岐ガス供給ライン、10…ガスエンジンに代表される燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えるガス消費機器群(第1ガス消費機器群)、20…燃焼器に代表される燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えることのないガス消費機器群(第2ガス消費機器群)、30…ガス分離装置、31…第1のバイパスライン、32…第2のバイパスライン、33…高メタン価ガス用バッファタンク、34…低メタン価ガス用バッファタンク、35…コンピュータ、36…メタン価閾値格納手段、37…比較手段、38…CPU(制御手段)、40…CO分離装置、50…CO添加装置、A,B,C,D…顧客
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本願の各発明を実施態様に基づき説明する。
図1は、本発明によるガス供給システムおよびガス供給方法を説明するシステム図である。図で、1は主ガス供給ラインであり、主ガス供給ライン1には、ガス供給事業者が適宜混合した、高メタン価であるガスと低メタン価であるガスの混合ガスが流れている。混合ガスのメタン価は一定の範囲内であることが望ましいが、前記したように、時期によってあるいは地域によって変動するのを避けられない。また、副ライン2からバイオガスのように低カロリーであるがメタン価の高いガスが入り込むことも起こり得る。それによっても主ガス供給ライン1を流れる混合ガスのメタン価は変動する。
主ガス供給ライン1の下流には、多くのガス消費機器が接続しており、大別して、例えばガスエンジンに代表される、燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えるガス消費機器群10(本発明ではそれらを総称して「第1ガス消費機器群」という)と、例えば燃焼器に代表される、燃料ガスのメタン価が機器の運転に影響を与えることのないガス消費機器群20(本発明ではそれらを総称して「第2ガス消費機器群」という)とに、分けられる。
ガス供給事業者からの混合ガスの供給を受ける顧客は多数であり、各顧客(例えば、複数の工場等)は、それぞれ前記した第1ガス消費機器群10と第2ガス消費機器群20とを備えているのが普通である。図1の例では、顧客Aは、第1ガス消費機器群10としてガスエンジンを、第2ガス消費機器群20として燃焼器と脱硝触媒を備えており、顧客Bは第1ガス消費機器群10としてガスエンジンを、第2ガス消費機器群20として燃焼器を備えている。顧客Aと顧客Bにおいて、自己の保有するガスエンジンに供給される燃料ガスに求めるメタン価は、同じ場合もあり異なっている場合もある。同じことは、顧客C,顧客Dの間にも当てはまる。
主ガス供給ライン1は、各顧客先あるいはそこに近い場所に設けられたガス分岐点3において、第1ガス消費機器群10にガスを供給する第1の分岐路4と、第2ガス消費機器群20にガスを供給する第2の分岐路5に分岐され、各分岐路4,5からそれぞれのガス消費機器10,20にガスが供給される。このようなガス配管系は従来と同じものである。
本発明において、前記分岐点3よりも上流側にメタン価計6が備えられ、かつメタン価計6の位置と前記分岐点3との間に、ガス流路を切り替える切替弁7が備えられる。前記切替弁7は、混合ガス流をそのまま主ガス供給ライン1に継続して流下させる第1のポジションと、混合ガス流を主ガス供給ライン1から分岐した分岐ガス供給ライン8に切り替える第2のポジションとを選択的に取ることのできるようになっている。
前記分岐ガス供給ライン8には、前記した例えば特許文献4に記載したようなガス分離装置30が配置されている。ガス分離装置30によって、分岐ガス供給ライン8を流れる混合ガスは、予め定めた閾値を越えたメタン価値である第1ガス(高メタン価ガス)と閾値以下である第2ガス(低メタン価ガス)とに分離される。そして、ガス分離装置30が分離した高メタン価の第1ガスは第1のバイパスライン31を通して前記第1ガス消費機器群10へ供給され、同時に、低メタン価の第2ガスは第2のバイパスライン32を通して前記第2ガス消費機器群20へ供給される。
上記のシステムにおいて、メタン価計6の測定値はコンピュータ35に送られる。コンピュータ35はメタン価の閾値格納手段36と比較手段37と制御手段(CPU)38を持つ。閾値格納手段36に格納されるメタン価の閾値は、各顧客A,B,C,D,・・が自己の保有する第1ガス消費機器群10(ガスエンジン)に供給される燃料ガスに求める最も低いメタン価値として通常は定められるが、より高い値あるいはより低い値を閾値として設定してもよい。比較手段37はメタン価計6が測定したメタン価値と閾値格納手段36に格納されているメタン価の閾値とを比較し、制御手段38はその結果を切替弁7に向けて送信する。
図1に示す例において、顧客Aの配管系には、前記第1のバイパスライン31には高メタン価の第1ガスを一時的に貯留する高メタン価ガス用バッファタンク33が配置され、また第2のバイパスライン32には低メタン価の第2ガスを一時的に貯留する低メタン価ガス用バッファタンク34が配置される。なお、バッファタンク33,34を配置するかどうかは選択事項であり、図1の例において、顧客Bはそのようなバッファタンクを備えない。また、いずれか一方のバッファタンクのみを配置するようにしてもよい。
さらに、顧客Aの配管系には、本発明でいう「メタン価調整ガス供給手段」の一例を構成するCO分離装置40とCO添加装置50が備えられる。ここでCO分離装置40は、第1ガス消費機器群10であるガスエンジンからの排気ガス中に含まれるCOを分離するためのものであり、従来知られた任意のCO分離装置を用いることができる。例えば、化学吸収法・アミン法・圧力スイング吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)によるガス分離法、膜分離法、吸収分離法、深冷分離法、ガスハイドレード分離法によるCO分離装置を例として挙げることができる。
CO分離装置40によって分離されたCOは、メタン価調整ガスの1つとして、CO添加装置50を介して、前記第1のバイパスライン31を流れる高メタン価ガス中に添加される。図示しないが、必要な場合には、CO分離装置が分離したCOを貯留する塔を配置してもよい。なお、CO分離装置40およびCO添加装置50を備えるかどうか、すなわちは「メタン価調整ガス供給手段」を備えるかどうかは選択事項であり、図1の例において、顧客Bは「メタン価調整ガス供給手段」を備えない。
図2は、顧客Aにおいての、上記システムの運転プロセスを説明するフローである。顧客Aは、自己が管理するガス消費機器(第1ガス消費機器群10と第2ガス消費機器群20)にガス供給を開始する(s101)。なお、供給される混合ガスは、閾値格納手段36に格納されているメタン価閾値を越えるメタン価値のガスと、それ以下のメタン価値のガスの混合ガスであることが望ましい。また、開始当初は前記切替弁7を前記第1のポジションにセットしておく。
ガス供給開始と同時に、メタン価計6は混合ガスのメタン価値の測定を開始する(s102)。測定値はコンピュータ35に送られ、比較手段37は測定されたメタン価値が閾値格納手段36に格納されているメタン価閾値を越えているかどうかを比較する(s103)。
測定値が閾値を越えている場合は、第1ガス消費機器群10であるガスエンジンはノッキングを起こすことなく作動することができる状態であり、制御手段38は切替弁7に対して切り替え信号を発信しない。そのために、混合ガスは継続して主ガス供給ライン1に送られる(s104)。混合ガスは前記ガス分岐点3において第1の分岐路4と第2の分岐路5に分岐され、各分岐路4,5からそれぞれのガス消費機器10,20(ガスエンジン、燃焼器等)に供給される(s105)。
測定値が閾値以下の場合には、コンピュータ35の制御手段38はガス分離装置30を始動させ(s106)、かつ切替弁7に対して切り替え信号を発信する。切替弁7は前記第2のポジションに切り替わり、混合ガスはガス分離装置30へ送られる(s107)。ガス分離装置30は、混合ガスを予め定めた閾値を越えたメタン価値である高メタン価の第1ガスと閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離し、高メタン価の第1ガスを第1ガス消費機器群10であるガスエンジンへ、低メタン価の第2ガスを燃焼器等へ供給する(s108)。必要に応じて、高メタン価の第1ガスは高メタン価ガス用バッファタンク33に一時的に貯留され、低メタン価の第2ガスは低メタン価ガス用バッファタンク34に一時的に貯留され、必要とされるときに、前記第1のバイパスライン31または第2のバイパスライン32に供給される。
以下、ガス消費機器の運転中、メタン価計6による供給ガスされる混合ガスのメタン価値測定を継続して行い、混合ガスのメタン価の変動に応じて、前記s103以下のプロセスを実行する。
上記の処理は、顧客B,C,D・・において、それぞれ異なったメタン価閾値を設定して、個々に独立して、すなわち顧客Aとは別個に行うことができる。そのために、主ガス供給ライン1に供給される混合ガスにメタン価の変動が生じても、その変動幅に影響を受けるガス消費機器(第1ガス消費機器群10)を有している顧客のみが、所要の対応を行えばよく、ガス配管系全体として、低コストでかつ高効率な運転が可能となる。
上記のように、本発明において、混合ガスをガス分離装置30によって高メタン価の第1ガスと閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離するかどうかは、混合ガスが第1ガス消費機器群10に適したメタン価であるかどうかで判断しており、第1ガス消費機器群10の需要に応じたガス量を供給するようになる。そのために、分離後のガスから得られる低メタン価である第2ガスの量が第2ガス消費機器群20の需要に比較して少ない場合も起こり得る。それに対処するために、バイパスライン(不図示)を設け、必要時に、該バイパスラインを通して主ガス供給ライン1の混合ガスの一部を直接第2ガス消費機器群20に供給するようにすることもできる。
なお、図1において、顧客Aが備える「メタン価調整ガス供給手段」、すなわちCO分離装置40とCO添加装置50は次のようにして用いられる。すなわち、ガスエンジンを運転しているときに、その排気ガスを捕捉して、排気ガス中のCOを分離し、必要に応じて図示しないタンクに貯留しておく。分離したCOを第1の分岐路4に添加することにより、そこを流れる燃料ガスのメタン価をさらに高いものとすることができる。また、分岐ガス供給ライン8に配置したガス分離装置30によって分離された高メタン価の第1ガスによってガスエンジンを運転しているときには、前記第1のバイパスライン31中に分離したCOを添加することにより、そこを流れる燃料ガスのメタン価をさらに高いものとすることもできる。いずれの場合も、排気ガス中のCOが大気に放出されるのを阻止することができる。
さらに、混合ガスが、閾値格納手段36に格納されているメタン価閾値以下のメタン価である混合ガスであり、CO分離装置40が分離した高メタン価の第1ガスのメタン価が閾値格納手段36に格納されているメタン価閾値を越えない場合であっても、分離したCOを前記第1のバイパスライン31または第1の分岐路4中に添加することにより、前記閾値を越えたメタン価のガスをガスエンジンに供給することも可能となる。
次に、前記分岐ガス供給ライン8を流れるガスをメタン価値が前記閾値を越える高メタン価の高い第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離する方法および装置の1つの具体例を、日本において13Aと称されている都市ガスを前記特許文献4に記載される圧力スイング吸着法(PSA:Pressure Swing Adsorption)によって分離する場合を例に取り説明する。
日本において13Aと称されている都市ガスは、メタン(CH)87.7%、エタン(C)6%、プロパン(C)4.9%、ブタン(C10)1.4%の平均組成を有する。それぞれのガスは吸着材(たとえば活性炭)への吸着量の吸着圧力依存性を有し、メタン、エタン、プロパン、ブタンにおいて、メタンガスとブタンガスとでは、その吸着量の圧力依存性に大きな相違がある。すなわち、ブタンガスの吸着量はメタンガスのそれより格段に大きい。メタンガス、ブタンガスの双方は吸着圧力の増加に従い吸着量が増加するが、単位圧力増加に対する吸着量の増加はメタンガスに比較してブタンガスの方が大きくなる圧力範囲が存在する。また、プロパンガスはブタンガスとほぼ同様な特性を示す。
活性炭が充填された吸着塔に13Aガスを導入し通過させると、メタンガスより多くのブタンガスが吸着し、投入ガスのブタンガス比に対して通過ガスのブタンガス比が小さくなる。つまり通過ガスのメタン価が大きくなる。このブタンガスの吸着量は吸着圧力が大きくなるほど大きいので、13Aガスを吸着塔に通過処理する際の処理圧力が大きいほど通過ガスのメタン価は大きくなる。すなわち、吸着材が充填された吸着塔を通過させる13Aガスの圧力をスイングさせ、吸着および再生(圧力を低下することによりある程度吸着材が再生する)を繰り返すことにより、通過ガスのメタン価を制御させることが可能になる。再生時には吸着していたブタンガスが放出されるため通過ガスのメタン価は低下する。これにより、メタン価をパラメータとするガス分離を実現できる。
図3は、そのような吸着塔の2個を利用して、定常的に混合ガスを高メタン価ガスと低メタン価ガスとに分離して取り出すことのできる装置の一例であり、図3において、一方の吸着塔Aは、(i)〜(iv)ように、昇圧→吸着→脱着→脱着の流れを取り、吸着塔Bは、それに対応して、脱着→脱着→昇圧→吸着の流れをとる。吸着塔内の圧力を上げると、吸着しやすいガスとしにくいガスの吸着量の差を大きく取ることができるので、「昇圧」プロセスを設けており、また、圧力を下げるとガスが脱着するために、「脱着」プロセスでは真空ポンプなどで吸引することが行われる。
図4は、本発明者らが行った実験結果を、図3で左側の吸着塔Aに注目して、その時間経過とともに示している。図3および図4に示すように、(i)の昇圧プロセスでは、高メタン価ガスおよび低メタン価ガスは流れない。(ii)の吸着プロセスでは重質成分(例えばブタン)が吸着された高メタン価ガス(HG)が流れ出てきており、低メタンガスは流れない。(iii)(iv)の脱着プロセスでは重質成分(例えばブタン)を多く含んだ低メタンガス(LG)が脱着ガスとして排出され、高メタン価ガス(HG)は流れない。このように、このプロセスを反復することにより、前記した13Aガスを、メタン価が70を超える高メタン価ガス(本発明でいう高メタン価の第1ガス)と、メタン価が65以下である低メタン価ガス(本発明でいう低メタン価の第2ガス)とに分離できることがわかる。
また、ガスエンジンコジェネレーションシステムにおいて、分離した前記低メタン価の第2ガスを、ガスエンジンの排気ガス脱硝処理設備における還元剤として利用することができる。すなわち、銀―アルミナ触媒を用いた脱硝処理では、炭化水素ガスを還元剤として利用することが可能であり、前記したガス分離装置30で分離された低メタン価の第2ガスは、メタンガスよりも還元性に優れたプロパンガスやブタンガスを多く含んでいる。従って、プロパンガスやブタンガスの組成比率の高い前記低メタン価の第2ガスを用いれば、効率の良い脱硝処理が行える。また、炭化水素ガスを還元剤とすれば、高コストのアンモニアや尿素を用いる必要がなくなり、コストの削減も図ることができる。従って、顧客Aでは、第2ガス消費機器群20の1つとして脱硝触媒を組み込み、ガス分離装置30が分離した低メタン価ガスをその還元剤として利用している。
なお、上記のシステムにおいて、メタン価調整ガスとして、ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOを用いたのは、一つの例であって、他の燃焼機器等から排出されるCOを用いることもできる。その場合、図示しないタンク内に、他の燃焼機器等から排出されるCOを貯留しておくこともできる。いずれにおいても、上記のようにして排出COをメタン価調整ガスとして用いることにより、地球環境の保全にも寄与することができる。

Claims (12)

  1. 主ガス供給ラインを流れるガスを第1の分岐路を介して第1ガス消費機器群に、また第2の分岐路を介して第2ガス消費機器群に供給するガス供給システムであって、
    主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価を測定するメタン価測定手段と、
    前記メタン価測定手段が測定したメタン価値を予め定めた閾値と比較する比較手段と、
    前記メタン価測定手段の位置と前記第1の分岐路と第2の分岐路の分岐点との間において前記主ガス供給ラインに備えられたガス流路切り替え手段と、
    前記ガス流路切り替え手段によって切り替えられたガス流を前記第1ガス消費機器群および第2ガス消費機器群に供給する分岐ガス供給ラインと、
    前記比較手段が前記メタン価測定値が前記閾値を越えていると判断した場合には主ガス供給ラインを流れるガスを前記第1の分岐路と第2の分岐路にそのまま供給し、前記メタン価測定値が前記閾値以下であると判断した場合には主ガス供給ラインを流れるガスを前記分岐ガス供給ラインに供給するように前記ガス流路切り替え手段を切り替える切り替え制御手段と、
    前記分岐ガス供給ラインに備えられており、供給されるガスをメタン価値が前記閾値を越える高メタン価の第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスとに分離するガス分離装置と、
    前記ガス分離装置が分離した前記高メタン価の第1ガスを前記第1ガス消費機器群へ供給する第1のバイパスラインと、
    前記ガス分離装置が分離した前記低メタン価の第2ガスを前記第2ガス消費機器群へ供給する第2のバイパスラインと、
    を少なくとも備えることを特徴とするガス供給システム。
  2. 前記第1のバイパスプランの下流に、前記高メタン価の第1ガス用のバッファタンクを有することを特徴とする請求項1記載のガス供給システム。
  3. 前記第2のバイパスプランの下流に、前記低メタン価の第2ガスバッファタンクを有することを特徴とする請求項1に記載のガス供給システム。
  4. 前記比較手段が前記メタン価測定値が所定閾値を越えていないと判断した場合に、前記第1のバイパスラインを流れるガスにメタン価調整ガスを供給することができるメタン価調整ガス供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガス供給システム。
  5. 前記第1ガス消費機器群はガスエンジンを含み、前記第2ガス消費器群は燃焼器を含むことを特徴とする請求項1に記載のガス供給システム。
  6. 前記第1ガス消費機器群がガスエンジンであり、前記ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOを分離する手段をさらに備え、メタン価調整ガス供給手段は前記CO分離手段で分離されたCOを前記第1のバイパスライン中に供給する手段であることを特徴とする請求項5に記載のガス供給システム。
  7. 主ガス供給ラインを流れるガスを第1の分岐路を介して第1ガス消費機器群に、また第2の分岐路を介して第2ガス消費機器群に供給するガス供給方法であって、
    主ガス供給ラインを流れるガスのメタン価を測定する測定工程と、
    測定されたメタン価値を予め定めた閾値と比較する比較工程と、を備え、
    前記測定値が前記閾値を越えている場合には、主ガス供給ラインを流れるガスを第1および第2の分岐路を介して前記第1ガス消費機器群および第2の分岐路へそのまま供給し、
    前記測定値が前記閾値以下の場合には、主ガス供給ラインを流れるガスをメタン価値が前記閾値を越える高メタン価の第1ガスと前記閾値以下である低メタン価の第2ガスと分離し、分離後の前記高メタン価の第1ガスを第1ガス消費機器群へ供給し、前記低メタン価の第2ガスを第2ガス消費機器群へ供給することを特徴とするガス供給方法。
  8. 前記第1のパイプランの下流において前記高メタン価の第1ガスを一時的に保管する工程をさらに有することを特徴とする請求項7記載のガス供給方法。
  9. 前記第2のパイプランの下流において前記低メタン価の第2ガスを一時的に保管する工程をさらに有することを特徴とする請求項7記載のガス供給方法。
  10. 前記比較工程において、前記メタン価測定値が所定閾値を越えていないと判断した場合には前記第1のバイパスラインを流れるガスにメタン価調整ガスを供給するメタン価調整ガス供給工程をさらに備えることを特徴とする請求項7ないし9いずれか1項に記載のガス供給方法。
  11. 前記第1ガス消費機器群はガスエンジンを含み、前記第2ガス消費器群は燃焼器を含むことを特徴とする請求項7に記載のガス供給方法。
  12. 前記第1ガス消費機器群がガスエンジンであり、前記メタン価調整ガスが前記ガスエンジンからの排気ガスに含まれるCOであることを特徴とする請求項7に記載のガス供給方法。
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