JPH0350281Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案の気体燃料供給装置は主に自動車用エン
ジンの気体燃料供給に利用される。

従来の技術 エンジンの気体燃料に使用されるLPGは耐圧
容器からベーパライザに導いて減圧ガス化した後
に混合器で空気と混合しエンジンに供給してい
る。

燃料供給量は混合器のベンチユリで計量される
吸入空気量で決定され、空燃比をフイードバツク
制御する場合はベーパライザから混合器に至る燃
料通路に主ジエツトの上流から分岐させて制御弁
付きの副燃料通路を設け、制御弁を電子式の制御
ユニツトから送られる駆動信号のデユーテイ比に
従つて開閉することにより混合器に送入する燃料
の流量を制御させるようにしている。主ジエツト
は燃料の基本流量を設定するものであり、例えば
全負荷運転域では理論空燃比制御を解除して制御
弁を固定デユーテイ比で開閉し燃料が大量に供給
されるようにしている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、LPGは季節的に組成を変化さ
せて需用者に供給している。即ち、夏期はブタン
を多く冬期はプロパンを多くしているので、理論
空燃比が季節的に変化するのを避けられない。こ
のような場合、排気中の酸素濃度を検出してフイ
ードバツク制御することにより、組成変化にかか
わらず理論空燃比制御を行わせることができる
が、理論空燃比制御を解除する運転域では出力低
下、排気組成の悪化、燃料消費量の増大などの問
題を生じる。例えば、主ジエツト径や固定デユー
テイ比を夏期の組成に適合するように設定すると
冬期に空燃比の値が大きくなり、冬期の組成に適
合するように設定すると夏期に空燃比の値が小さ
くなる。

そこで本考案はこれらの問題を鑑み、燃料の組
成が変化しても理論空燃比制御を解除する運転域
で出力低下、排気組成の悪化、燃料消費量の増大
などの問題を招くことがない気体燃料供給装置を
提供するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、混合器に気体燃料を送入する燃料通
路に主ジエツトの上流から副燃料通路が分岐して
設けられ、電子式の制御ユニツトから送られる駆
動信号のデユーテイ比に従つて開閉する制御弁が
前記副燃料通路に設けられているエンジンの気体
燃料供給装置において、前記燃料通路に主ジエツ
トをバイパスさせて補正通路が設けられていると
ともに通路有効面積を変える手動の調節弁が前記
補正通路に設置されており、前記調節弁は前記補
正通路の燃料最大流量を規制する流入口と燃料を
前記主ジエツトの下流側に送出する流出口と前記
流出口を開閉する弁体とを具えている構成とした
ことによつて前記問題点を解決するための手段と
した。

作 用 主ジエツト径や制御弁の固定デユーテイ比を夏
期の組成に適合するように設定し、夏期において
は調節弁を閉弁しておく。冬期には調節弁を開弁
して主ジエツトで計量される基本流量の燃料に補
正通路を流れる燃料を加えることにより理論空燃
比の変化を補正する。調節弁の流出口を誤つて全
開としても流入口によつて燃料最大流量が規制さ
れ補正機能を著しく損うということがない。

考案の効果 本考案によると、主ジエツトをバイパスする補
正通路を開閉することによつて燃料の基本流量が
任意に増量でき、このため気体燃料の組成が変化
したときの理論空燃比の変化を補正できるのであ
る。従つて、冷間始動、暖機、加速、全負荷のよ
うに理論空燃比制御を解除する運転域において、
それぞれの運転域に対応して設定した制御弁の固
定デユーテイ比に基く副燃料通路による燃料流量
が一定であつても、基本となる燃料流量が任意に
補正されていることにより最適空燃比とすること
が容易に可能である。また、調節弁は手動である
ので、気体燃料の組成の季節的変化や地域差に対
応してきめこまかく調整できるばかりか、流出口
を誤つて全開としても流入口が補正通路の燃料最
大流量を規制するので理論空燃比制御を解除する
運転域で空燃比の大きな狂いによる出力低下や排
気組成の悪化、更に燃料消費量の増大などの不都
合が回避されるものである。

実施例 図面は本考案の実施例を示すものであつて、耐
圧容器１に充填された液化ガスはエンジン運転時
にのみ開弁する開閉弁２を有する導入通路３によ
つてベーパライザ４に送入され、ここで減圧ガス
化するとともに大気圧よりも少し低い一定圧力に
調整され、基本流量を設定する主ジエツト５を有
する燃料通路６を通つて混合器７のベンチユリ８
に設けたスリツト状のノズル９から吸気路１０へ
吸出され、空気と混合して吸気マニホルド１１を
経てエンジン１２に供給される。

また、燃料通路６の主ジエツト５をバイパスす
る副燃料通路１３が設けられており、この通路１
３に設けた電磁駆動の制御弁１４を電子式の制御
ユニツト１５から送られる駆動信号のデユーテイ
比に従つて開閉することにより混合器７に送られ
る増量燃料の流量を制御する。制御ユニツト１５
には絞り弁１６の開度センサ１７、エンジン１２
の回転速度センサ１８、排気の酸素センサ１９か
らの電気信号、その他エンジン１２の状態を検知
するため設けたセンサからの電気信号が入力さ
れ、エンジン１２の運転状態に応じた燃料増量を
行ない、或いは理論空燃比制御を行なうように制
御弁１４の駆動信号を出力する。

尚、副燃料通路１３は燃料通路６に合流させる
ことなく混合器７に接続してもよい。

燃料通路６には主ジエツト５をバイパスするも
う一つの通路、即ち補正通路２０が設けられ、通
路有効面積を無段階に変える手動の調節弁２１が
この補正通路２０に設けられている。調節弁２１
の弁本体２２は主ジエツト５の上流側から分岐し
た燃料を内部の弁室２３に導入する流入口２４お
よび弁室２３の燃料を主ジエツト５の下流側に送
出する流出口２５を有していて燃料通路６および
補正通路２０の壁に固定され、弁室２３に装入さ
れた弁体２６は流出口２５を開閉する円錐状部分
を先端に有し弁本体２２に螺装した調節ねじ２７
と一体に形成されてい。尚、調節ねじ２７のがた
つきを防止するばね２８が弁室２３に装入されて
いる。

弁体２６が流出口２５を閉塞しているときは主
ジエツト５で計量された燃料のみが燃料通路６を
通つて混合器７に送られる。調節ねじ２７を回し
て弁体２６を流出口２５から離間させるとその開
度に応じた流量の燃料が補正通路２０を流れ、主
ジエツト５で計量された燃料と合流して混合器７
に送られるのである。補正通路２０による最大流
量は流入口２４によつて規制され、調節ねじ２７
を過度に回して流出口２５を全開としても空燃
比、燃料経済性に著しい悪影響を与えないように
なつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の配置図、第２図はそ
の拡大縦断面部分図である。 ５……主ジエツト、６……燃料通路、７……混
合器、１２……エンジン、１３……副燃料通路、
１４……制御弁、１５……制御ユニツト、２０…
…補正通路、２１……調節弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混合器７に気体燃料を送入する燃料通路６に主
   ジエツト５の上流から副燃料通路１３が分岐して
   設けられ、電子式の制御ユニツト１５から送られ
   る駆動信号のデユーテイ比に従つて開閉する制御
   弁１４が前記副燃料通路１３に設けられているエ
   ンジンの気体燃料供給装置において、前記燃料通
   路６に主ジエツト５をバイパスさせて補正通路２
   ０が設けられているとともに通路有効面積を変え
   る手動の調節弁２１が前記補正通路２０に設置さ
   れており、前記調節弁２１は前記補正通路２０の
   燃料最大流量を規制する流入口２４と燃料を前記
   主ジエツト５の下流側に送出する流出口２５と前
   記流出口２５を開閉する弁体２６とを具えている
   ことを特徴とする気体燃料供給装置。