JPH0330615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案の気体燃料供給装置は主に自動車用エン
ジンの気体燃料供給に利用される。

従来の技術 エンジンの気体燃料に使用されるLPGは耐圧
容器からベーパライザに導いて減圧ガス化した後
に混合器で空気と混合しエンジンに供給してい
る。

燃料供給量は混合器のベンチユリで計量される
吸入空気量で決定され、空燃比をフイードバツク
制御する場合はベーパライザから混合器に至る燃
料通路に主ジエツトの上流から分岐させて制御弁
付きの副燃料通路を設け、制御弁を電子式の制御
ユニツトから送られる駆動信号のデユーテイ比に
従つて開閉することにより混合器に送入する燃料
の流量を制御させるようにしている。

一方、エンジンのアイドル回転速度を調整する
ため混合器の吸気路に絞り弁をバイパスさせて調
整弁付きの空気通路を設け、調整弁を手動調節す
ることによつてアイドル時の吸入空気量を調整し
アイドル回転を維持することも行なわれている。

考案が解決しようとする問題点 アイドル時の燃料は、バランス形ベーパライザ
を用いた燃料供給装置においてはベーパライザの
一次室と二次室との間を開閉する二次弁によつて
制御され、希望空燃比となるように二次弁の動作
を設定するが、ベーパライザの機械的ばらつき、
経時変化などによつて実際の空燃比が希望空燃比
から大きくずれることがある。

また、アイドル時に制御弁を開閉動作して理論
空燃比制御を行なうことは燃料経済性の面で大き
な利点をもたらすが、アイドル時にはベンチユリ
負圧がきわめて低く燃料の吸出し力が弱いのでベ
ンチユリ負圧に対応した一定量の燃料しか供給す
ることができず、理論空燃比制御を行なつても有
効に機能しない。このために、前述のように空燃
比が変動した場合でもその変動を吸収できず、ア
イドル回転を不安定にする原因となつていた。

そこで本考案はこれらの問題に鑑み、アイドル
時の理論空燃比制御を有効に行なわせることがで
きる気体燃料供給装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、混合器に気体燃料を送入する燃料通
路に主ジエツトの上流から副燃料通路が分岐して
設けられているとともに、電子式の制御ユニツト
から送られる駆動信号のデユーテイ比に従つて開
閉する制御弁が前記副燃料通路に設けられ、また
前記混合器の吸気路に調整弁付きの空気通路が絞
り弁をバイパスして設けられているエンジンの気
体燃料供給装置において、前記副燃料通路の制御
弁よりも下流側と前記空気通路の調整弁よりも上
流側とが連通路によつて接続されている構成とし
たことによつて前記問題点を解決するための手段
とした。

作 用 アイドル時に絞り弁をバイパスする空気通路は
ベンチユリ負圧よりも高い負圧となつている。副
燃料通路は空気通路と接続されているため高い負
圧が作用し、制御弁を開閉動作すると燃料がこの
負圧に吸引されて連通路、空気通路を通り絞り弁
下流から吸気路に送出される。制御弁のデユーテ
イ比が０％のとき主ジエツトで計量された燃料の
みがベンチユリから送出されるので空燃比は最大
であり、デユーテイ比が100％のとき開放された
副燃料通路を経て最大量の燃料が空気通路から吸
気路に送出され、従つてこの範囲内で空燃比制御
が行なわれる。

考案の効果 本考案によると、アイドル時にきわめて低いベ
ンチユリ負圧によることなく空気通路に発生する
高い負圧を利用して副燃料通路の燃料を吸出すよ
うに構成されているので、燃料を大量に供給する
ことが可能になり、且つ制御弁を広い範囲のデユ
ーテイ比で開閉して対応する流量の燃料を吸気路
に送出できるのである。このため、アイドル時の
空燃比制御可能な範囲がきわめて広くなり、負荷
や回転速度の変動に追従して理論空燃比制御を有
効に行なうことができるばかりか、ベーパライザ
の機械的ばらつきや経時変化或いはエンジンの吸
気温度の変化などによる空燃比の変動も制御可能
な範囲内に容易に吸収され、アイドル回転の安
定、燃料経済性を計ることができるものである。

実施例 図面は本考案の実施例を示すものであつて、耐
圧容器１に充填された液化ガスはエンジン運転時
にのみ開弁する開閉弁２を有する導入通路３によ
つてベーパライザ４に送入され、ここで減圧ガス
化するとともに大気圧よりも少し低い一定圧力に
調整され、基本流量を設定する主ジエツト５を有
する燃料通路６を通つて混合器７のベンチユリ８
に設けたスリツト状のノズル９から吸気路１０へ
吸出され、空気と混合して吸気マニホルド１１を
経てエンジン１２に供給される。

また、燃料通路６の主ジエツト５の上流側から
分岐してベンチユリ８に至る副燃料通路１３が設
けられており、この通路１３に設けた電磁駆動の
制御弁１４を電子式の制御ユニツト１５から送ら
れる駆動信号のデユーテイ比に従つて開閉するこ
とにより増量燃料の流量を制御する。制御ユニツ
ト１５には絞り弁１６の開度センサ１７、エンジ
ン１２の回転速度センサ１８、排気の酸素センサ
１９からの電気信号、その他エンジン１２の状態
を検知するため設けたセンサからの電気信号が入
力され、エンジン１２の運転状態に応じた燃料増
量を行ない、或いは理論空燃比制御を行なうよう
に制御弁１４の駆動信号を出力する。

尚、副燃料通路１３は主ジエツト５の下流で燃
料通路６に合流させてもよい。

混合器７の吸気路１０には絞り弁１６をバイパ
スして空気通路２０が設けられており、この空気
通路２０の通路有効面積は手動の調整弁２１によ
つて零から最大まで無段階に調整され、アイドル
時の吸入空気量を調整するようになつている。

そして、副燃料通路１３の制御弁１４よりも下
流側と空気通路２０の調整弁２１よりも上流側と
はジエツト２２を有する連通路２３によつて接続
されている。制御弁１４の下流側にはアイドル時
において空気通路２０の上流側入口から送入され
る空気および調整弁２１の絞り作用によつて低減
された吸入負圧が作用するのでベーパライザ４に
殆んど影響を及ぼさない。

アイドル時に制御弁１４を開閉動作すると、主
ジエツト５で計量されベンチユリ８から送出され
る燃料のほかに吸入負圧の作用で空気通路２０の
下流側出口からも燃料が送出される。制御弁１４
のデユーテイ比を０〜100％の間で任意に設定す
ることにより、吸入負圧の作用でデユーテイ比に
対応する流量の燃料が送出され、広い空燃比制御
範囲が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例の配置図である。 ５……主ジエツト、６……燃料通路、７……混
合器、１０……吸気路、１２……エンジン、１３
……副燃料通路、１４……制御弁、１５……制御
ユニツト、１６……絞り弁、２０……空気通路、
２１……調整弁、２３……連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混合器７に気体燃料を送入する燃料通路６に主
   ジエツト５の上流から副燃料通路１３が分岐して
   設けられているとともに、電子式の制御ユニツト
   １５から送られる駆動信号のデユーテイ比に従つ
   て開閉する制御弁１４が前記副燃料通路１３に設
   けられ、また前記混合器７の吸気路１０に調整弁
   ２１付きの空気通路２０が絞り弁１６をバイパス
   して設けられているエンジンの気体燃料供給装置
   において、前記副燃料通路１３の制御弁１４より
   も下流側と前記空気通路２０の調整弁２１よりも
   上流側とが連通路２３によつて接続されている気
   体燃料供給装置。