JPWO2010004742A1 - 液体容器、液体噴射装置、および、液体噴射システム - Google Patents
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Abstract
液体噴射装置に装着可能な液体容器は、第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、第1の端子と、第2の端子と、を備える。電気回路は、液体噴射装置が第1の端子に入力する電位と第2の端子に入力する電位との端子間電位差を用いて第1の電気デバイスとの第1の通信と第2の電気デバイスとの第2の通信とを実行でき、異なる大きさの前記端子間電位差を用いることにより第1の通信と第2の通信を区別して実行できるように構成されている。
Description
本願は、2008年7月11日に出願された日本出願番号2008−180997号に基づく優先権を主張しており、その開示内容は参照によりその全体が組み込まれる。
本発明は、液体容器、液体噴射装置、および、液体噴射システムに関し、特に複数の電気デバイスを有する液体容器、該液体容器を用いる液体噴射装置、該液体容器を含む液体噴射システムに関する。
インクジェットプリンタを始めとする液体噴射装置に対して、噴射する液体を供給するために、当該液体を収容する液体容器が用いられている。
従来、液体容器内部の液体残量の管理方法としては、液体噴射装置が、噴射した液体の量をソフトウェアにより積算して管理する方法や、液体容器に液体残量センサを設ける方法が知られている。後者の例として、圧電素子を含む液体残量センサが知られている(例えば、特許文献1)。このセンサは、圧電素子が積層された振動板に対向するキャビティの内部に、液体が存在する場合と液体が存在しない場合とで、強制振動後の振動板の残留振動(自由振動)に起因する残留振動信号の共振周波数が変化することを利用して、液体容器内の液体残量を判定するというものである。
また、液体容器は、さらに、液体残量や液体消費量などの液体に関する情報を保持するためのメモリを備えている場合がある。このように、液体容器が液体残量センサとメモリの両方を備えている場合、液体噴射装置と液体容器との間の電気的接続部には、液体噴射装置と液体残量センサとが通信するための端子と、液体噴射装置とメモリとが通信するための端子がそれぞれ別々に設けられるのが通例であった(例えば、特開2007−196664号公報)。
しかしながら、端子数の増加は、部品点数の増加や端子間の接触の確実性の低下を招くおそれがあった。このような課題は、圧電素子を含むセンサとメモリを備える液体容器に限らず、第1の電気デバイスと第2の電気デバイスを備える液体容器に共通する課題であった。
そこで、本発明は、第1の電気デバイスと第2の電気デバイスにアクセスするための端子数を減少させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。
・適用例1.液体噴射装置に装着可能な液体容器であって、
第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、
第1の端子と、
第2の端子と、
を備え、
前記電気回路は、前記液体噴射装置が第1の端子に入力する電位と前記第2の端子に入力する電位との端子間電位差を用いて前記第1の電気デバイスとの第1の通信と前記第2の電気デバイスとの第2の通信とを実行でき、異なる大きさの前記端子間電位差を用いることにより前記第1の通信と前記第2の通信を区別して実行できるように構成されている、液体容器。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の通信と第2の通信とを区別して実行できるので、液体容器の端子数を減少させることができる。
第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、
第1の端子と、
第2の端子と、
を備え、
前記電気回路は、前記液体噴射装置が第1の端子に入力する電位と前記第2の端子に入力する電位との端子間電位差を用いて前記第1の電気デバイスとの第1の通信と前記第2の電気デバイスとの第2の通信とを実行でき、異なる大きさの前記端子間電位差を用いることにより前記第1の通信と前記第2の通信を区別して実行できるように構成されている、液体容器。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の通信と第2の通信とを区別して実行できるので、液体容器の端子数を減少させることができる。
・適用例2.適用例1に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記液体噴射装置が、前記第1の端子を介して前記第1の電気デバイスに対して駆動電源を供給できるように構成されている、液体容器。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の電気デバイスに対して駆動電源を供給できるので、さらに、端子数を減少させることができる。
前記電気回路は、さらに、前記液体噴射装置が、前記第1の端子を介して前記第1の電気デバイスに対して駆動電源を供給できるように構成されている、液体容器。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の電気デバイスに対して駆動電源を供給できるので、さらに、端子数を減少させることができる。
・適用例3.適用例1または適用例2に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記端子間電位差がしきい値を超えた場合に、前記端子間電位差の変動が前記第1の電気デバイスに供給されることを許容する許容回路を含む、液体容器。
こうすれば、しきい値を超えない端子間電位差の変動は、第1の電気デバイスに供給されないので、第1の電気デバイスが、しきい値より低い端子間電位差の変動により誤動作することを抑制することができる。
前記電気回路は、さらに、前記端子間電位差がしきい値を超えた場合に、前記端子間電位差の変動が前記第1の電気デバイスに供給されることを許容する許容回路を含む、液体容器。
こうすれば、しきい値を超えない端子間電位差の変動は、第1の電気デバイスに供給されないので、第1の電気デバイスが、しきい値より低い端子間電位差の変動により誤動作することを抑制することができる。
・適用例4.適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の液体容器であって、
前記許容回路は、ツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、簡便に許容回路を構成することができる。
前記許容回路は、ツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、簡便に許容回路を構成することができる。
・適用例5.適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の液体容器であって、
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、第1の通信と、メモリへのアクセスを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、第1の通信と、メモリへのアクセスを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
・適用例6.適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の液体容器であって、
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含み、
前記第2の通信のための前記端子間電位差は、前記第1の通信のための前記端子間電位差より小さい、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、発振回路との信号の遣り取りと、第2の通信とを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含み、
前記第2の通信のための前記端子間電位差は、前記第1の通信のための前記端子間電位差より小さい、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、発振回路との信号の遣り取りと、第2の通信とを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
・適用例7.適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の液体容器であって、
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含む、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、発振回路との信号の遣り取りと、メモリへのアクセスを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含む、液体容器。
こうすれば、2つの端子を用いて、発振回路との信号の遣り取りと、メモリへのアクセスを区別して実現できるので、液体容器の端子数を減少することができる。
・適用例8.適用例7に記載の液体容器であって、
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。
・適用例9.請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータを含む、液体容器。
こうすれば、第1の端子に入力された電圧を電源としてメモリを駆動することができる。
前記電気回路は、前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータを含む、液体容器。
こうすれば、第1の端子に入力された電圧を電源としてメモリを駆動することができる。
・適用例10.請求項9に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記レギュレータとの間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、ツェナーダイオードの降伏電圧より小さな電圧の発振回路との通信は、レギュレータに供給されないので、レギュレータの誤動作を抑制することができる。その結果、メモリの誤動作を抑制することができる。
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記レギュレータとの間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、ツェナーダイオードの降伏電圧より小さな電圧の発振回路との通信は、レギュレータに供給されないので、レギュレータの誤動作を抑制することができる。その結果、メモリの誤動作を抑制することができる。
・適用例11.適用例7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
を含む、液体容器。
こうすれば、メモリは、端子間電位差の違いを、コンパレータを介して取得することができる。その結果、2端子を用いたメモリへのデータ送信を簡易な構成で実現することができる。
前記電気回路は、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
を含む、液体容器。
こうすれば、メモリは、端子間電位差の違いを、コンパレータを介して取得することができる。その結果、2端子を用いたメモリへのデータ送信を簡易な構成で実現することができる。
・適用例12.適用例11に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記複数のコンパレータの一方の入力端子との間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、ツェナーダイオードの降伏電圧より小さな電圧の発振回路との通信は、コンパレータに供給されないので、コンパレータの誤動作を抑制することができる。その結果、メモリの誤動作を抑制することができる。
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記複数のコンパレータの一方の入力端子との間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。
こうすれば、ツェナーダイオードの降伏電圧より小さな電圧の発振回路との通信は、コンパレータに供給されないので、コンパレータの誤動作を抑制することができる。その結果、メモリの誤動作を抑制することができる。
・適用例13.適用例7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータと、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
前記レギュレータが供給する前記駆動電源の電圧を分圧して、前記複数のコンパレータの他方の入力端子のそれぞれに入力する、分圧回路と、
を含む、液体容器。
こうすれば、2つの端子間電位差を用いて、安定した駆動電源をメモリに供給できると共に、メモリへのデータ送信を簡易な構成で実現することができる。
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータと、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
前記レギュレータが供給する前記駆動電源の電圧を分圧して、前記複数のコンパレータの他方の入力端子のそれぞれに入力する、分圧回路と、
を含む、液体容器。
こうすれば、2つの端子間電位差を用いて、安定した駆動電源をメモリに供給できると共に、メモリへのデータ送信を簡易な構成で実現することができる。
・適用例14.適用例7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、メモリからの出力が制御電極に入力されるトランジスタを含み、
前記トランジスタがオン状態にある場合と、前記トランジスタがオフ状態にある場合とで前記第1の端子の電圧が変動するように構成されることにより、前記液体噴射装置が前記第1の端子の電圧の変動を検知して前記メモリからの読み出しをできる、液体容器。
こうすれば、2つの端子間電位差を用いて、メモリからのデータの受信を簡易な構成で実現することができる。
前記電気回路は、メモリからの出力が制御電極に入力されるトランジスタを含み、
前記トランジスタがオン状態にある場合と、前記トランジスタがオフ状態にある場合とで前記第1の端子の電圧が変動するように構成されることにより、前記液体噴射装置が前記第1の端子の電圧の変動を検知して前記メモリからの読み出しをできる、液体容器。
こうすれば、2つの端子間電位差を用いて、メモリからのデータの受信を簡易な構成で実現することができる。
・適用例15.適用例7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子と前記メモリとの間に配置された整流回路を含む、液体容器。
こうすれば、例えば、2つの端子間電位差がマイナスになったとしても、整流回路によりプラスの端子間電位差に変換されて、メモリに供給される。この結果、メモリの損傷あるいは誤動作を抑制することができる。
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子と前記メモリとの間に配置された整流回路を含む、液体容器。
こうすれば、例えば、2つの端子間電位差がマイナスになったとしても、整流回路によりプラスの端子間電位差に変換されて、メモリに供給される。この結果、メモリの損傷あるいは誤動作を抑制することができる。
・適用例16.適用例6または適用例7に記載の液体容器であって、
前記発振装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、前記液体容器に収容された液体の残量の検出に用いられる、液体容器。
こうすれば、圧電素子を用いて、液体の残量の検出を行うことができる。
前記発振装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、前記液体容器に収容された液体の残量の検出に用いられる、液体容器。
こうすれば、圧電素子を用いて、液体の残量の検出を行うことができる。
・適用例17.適用例6または適用例7に記載の液体容器であって、
前記発振装置は、前記液体容器に収容された液体の残量に関わらず、前記液体容器に前記液体が存在することを示す前記応答信号を出力する、液体容器。
前記発振装置は、前記液体容器に収容された液体の残量に関わらず、前記液体容器に前記液体が存在することを示す前記応答信号を出力する、液体容器。
・適用例18.第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、第1の端子と、第2の端子とを含む液体容器が装着される液体噴射装置であって、
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第1の信号を送受信して、前記第1のデバイスと通信する第1の通信処理部と、
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第2の信号を送受信して、前記第2のデバイスと通信する第2の通信処理部と、
を備え、
前記第1の信号の電圧と前記第2の信号の電圧は、異なる大きさを有する、液体噴射装置。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の通信と第2の通信とを区別して実行できるので、液体容器の端子数を減少させることができる。
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第1の信号を送受信して、前記第1のデバイスと通信する第1の通信処理部と、
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第2の信号を送受信して、前記第2のデバイスと通信する第2の通信処理部と、
を備え、
前記第1の信号の電圧と前記第2の信号の電圧は、異なる大きさを有する、液体噴射装置。
こうすれば、第1の端子と第2の端子を用いて、第1の通信と第2の通信とを区別して実行できるので、液体容器の端子数を減少させることができる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、液体噴射装置に液体を供給する液体供給装置、液体容器に装着される基板、液体容器に搭載される電気回路、液体噴射システムなどとして実現することができる。
A.第1実施例:
・印刷システムの構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、第1実施例における印刷システムの概略構成を示す説明図である。印刷システムは、プリンタ20と、コンピュータ90と、インクカートリッジ100を備えている。プリンタ20は、コネクタ80を介して、コンピュータ90と接続されている。
・印刷システムの構成:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、第1実施例における印刷システムの概略構成を示す説明図である。印刷システムは、プリンタ20と、コンピュータ90と、インクカートリッジ100を備えている。プリンタ20は、コネクタ80を介して、コンピュータ90と接続されている。
プリンタ20は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構と、各機構を制御するための主制御部40と、を備えている。副走査送り機構は、紙送りモータ22とプラテン26とを備えており、紙送りモータの回転をプラテンに伝達することによって用紙Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ32と、プーリ38と、キャリッジモータ32とプーリ38との間に張設された駆動ベルト36と、プラテン26の軸と並行に設けられた摺動軸34と、を備えている。摺動軸34は、駆動ベルト36に固定されたキャリッジ30を摺動可能に保持している。キャリッジモータ32の回転は、駆動ベルト36を介してキャリッジ30に伝達され、キャリッジ30は、摺動軸34に沿ってプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動する。ヘッド駆動機構は、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を備えており、印刷ヘッドを駆動して用紙P上にインクを吐出させる。印刷ヘッドユニット60には、後述するように、複数のインクカートリッジを脱着自在に装着可能である。プリンタ20は、さらに、ユーザがプリンタの各種の設定を行ったり、プリンタのステータスを確認したりするための操作部70を備えている。
図2は、インクカートリッジ100の概略構成を示す分解斜視図である。インクカートリッジ100がキャリッジ30に装着された状態での上下方向は、図2におけるZ軸方向と一致している。
インクカートリッジ100は、容器本体102と、第1のフィルム104と、第2のフィルム108と、蓋体106とを備えている。これらの部材は、例えば、互いに熱溶着可能な樹脂で形成されている。容器本体102の下面には、液体供給部110が形成されている。液体供給部110の内部には、下面側から順に、シール部材114と、バネ座112と、閉塞バネ116とが収容されている。シール部材114は、液体供給部110に、印刷ヘッドユニット60のインク受給針(図示省略)が挿入されているときに、液体供給部110の内壁とインク受給針の外壁との間に隙間が生じないようにシールする。バネ座112は、インクカートリッジ100が印刷ヘッドユニット60に装着されていないときに、シール部材114の内壁に当接して液体供給部110を閉塞する。閉塞バネ116は、バネ座112をシール部材114の内壁に当接させる方向に付勢する。インク供給針が液体供給部110に挿入されると、インク供給針の上端がバネ座112を押し上げ、バネ座112とシール部材114との間に隙間が生じ、当該隙間からインク供給針にインクが供給される。
容器本体102の表面(X軸正方向側の面)、裏面(X軸負方向側の面)、正面(Y軸正方向側の面)には、リブ10aを始め様々な形状を有する流路形成部が形成されている。第1のフィルム104および第2のフィルム108は、容器本体102の表面および裏面の全体を覆うように、容器本体102に貼り付けられている。第1のフィルム104および第2のフィルム108は、容器本体102に形成された流路形成部の端面との間に隙間が生じないように緻密に貼り付けられている。これらの流路形成部と第1のフィルム104および第2のフィルム108により、インクカートリッジ100の内部には、複数の小部屋や細い流動路などの液体流路が区画形成される。なお、流路形成部の一部として容器本体102に形成されたバルブ収容部10bと、第2のフィルム108との間には、負圧発生バルブが配置されるが、図の煩雑を避けるため、図示は省略する。蓋体106は、第1のフィルム104を覆うように、容器本体102の裏面側に装着される。
インクカートリッジ100に形成される液体流路は、一端が大気に連通し、他端が液体供給部110に連通している。すなわち、インクカートリッジ100は、インクがプリンタ20に供給されるに従い、液体流路に大気が導入される大気連通型のインクカートリッジ100であるが、液体流路の構成の詳細については、その説明を省略する。
図3は、インクカートリッジ100の正面側の拡大分解斜視図である。容器本体102の正面には、印刷ヘッドユニット60に設けられたホルダ側に係合されるレバー120が設けられている。例えばレバー120の下方位置には、流路形成部の一部であるベース部材収容部134が開口している。ベース部材収容部134の開口部の周囲には溶着リブ132が形成されている。ベース部材収容部134には、ベース部材収容部134によって形成される液体流路を上流側流路と下流側流路とに仕切る仕切壁136が形成されている。
容器本体102のベース部材収容部134近傍には、センサベース部材210と、圧電素子を含むセンサチップ220と、溶着フィルム202と、カバー230と、中継端子240と、回路基板250とが、この順番で装着されている。
図4は、回路基板250について説明する図である。回路基板250の表面には、第1の端子251と第2の端子252が配置されている。回路基板250の裏面には、メモリ回路300と、2つのセンサ接続用端子PT、NTが配置されている。第1の端子251は、第1のセンサ接続用端子NTと電気的に接続されており、第2の端子252は第2のセンサ接続用端子PTと電気的に接続されている。メモリ回路300は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性の記憶装置(後述)を含んでいる。
図3に戻って説明する。溶着フィルム202は、センサベース部材210をベース部材収容部134の開口部に保持し、かつ、ベース部材収容部134を液体流路として緻密に封止する。溶着フィルム202は、センサベース部材210のY軸正方向側の面の外周縁部に接着されると共に、溶着リブ132に溶着される。カバー230は、センサチップ220及び溶着フィルム202を押さえるように配置される。中継端子240は、カバー230に収容される。中継端子240は、溶着フィルム202に形成された孔202aを介してセンサチップ220に含まれる圧電素子の電極と電気的に接触する端子242を備えている。回路基板250は、カバー230に装着され、かつ、中継端子240の端子244と電気的に接続される。
図5は、第1実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す第1の説明図である。図5は、インクカートリッジ100に関連する処理に必要な部分に注目して描かれている。インクカートリッジ100に関連する処理は、インクの残量を判断する処理(以下、インク残量判断処理と呼ぶ。)と、メモリ回路300の記憶装置に対するアクセス処理(以下、メモリアクセス処理と呼ぶ)を含む。主制御部40は、駆動信号生成回路42と、CPUおよびメモリを含む第1の制御回路48と、を備えている。
駆動信号生成回路42は、駆動信号データメモリ44を備えている。駆動信号データメモリ44には、駆動信号DSを示すデータが格納されている。駆動信号DSには、センサチップ220の圧電素子を駆動するセンサ駆動信号DS1と、メモリ回路300の記憶装置340にアクセスするためのメモリ駆動信号DS2を含む。駆動信号生成回路42は、第1の制御回路48からの指示に従って、駆動信号データメモリ44から該データを読み出して、所望の波形を有する駆動信号DSを生成する。
なお、本実施例では、駆動信号生成回路42は、さらに、印刷ヘッド68に供給されるヘッド駆動信号を生成することができる。すなわち、本実施例では、第1の制御回路48は、インクカートリッジ100に関連する処理を実行する際には、駆動信号生成回路42にセンサ駆動信号DS1やメモリ駆動信号DS2を生成させ、インクを吐出して印刷を実行する際には、駆動信号生成回路42にヘッド駆動信号を生成させる。
第1の制御回路48は、機能部として、インク残量判断処理を実行するインク残量判断部M1と、メモリアクセス処理を実行するメモリアクセス部M2とを含んでいる。これらの機能部による処理については後述する。
サブ制御部50は、3種類のスイッチSW1〜SW3と、第2の制御回路55とを備えている。第2の制御回路55は、比較器52と、カウンタ54と、ロジック部58と、を備えている。ロジック部58は、スイッチSW1〜SW3とカウンタ54との動作を制御する。また、ロジック部58は、第1の制御回路48とバスBSを介して通信を行うことができる。なお、本実施例では、ロジック部58は、1つのチップ(ASIC)で構成されている。
第1のスイッチSW1は、1チャネルのアナログスイッチである。第1のスイッチSW1の一方の端子は、主制御部40の駆動信号生成回路42にセンサ駆動信号線LDSを介して接続されると共に、メモリ読み出し信号線LRDを介して第1の制御回路48と接続されている。また、スイッチSW1の他方の端子は、第2および第3のスイッチSW2,SW3と接続されている。センサ駆動信号線LDS上には、抵抗Rxが配置されている。第1のスイッチSW1は、インクカートリッジ100に関連する駆動信号DSであるセンサ駆動信号DS1またはメモリ駆動信号DS2を供給する際にオン状態に設定され、センサチップ220の圧電素子からの応答信号RSを検出する際にオフ状態に設定される。
第2のスイッチSW2は、6チャネルのアナログスイッチである。第2のスイッチSW2の一方の側の1つの端子は、第1および第3のスイッチSW1,SW3に接続されており、他方の側の6つの端子のそれぞれは、インクカートリッジ100がプリンタ20に装着されたときに、インクカートリッジ100のそれぞれの第1の端子251に配線LSPを介して接続される。
第3のスイッチSW3は、1チャネルのアナログスイッチである。第3のスイッチSW3の一方の端子は、第1および第2のスイッチSW1、SW2と接続されており、他方の端子は、第2の制御回路55の比較器52と接続されている。第3のスイッチSW3は、インクカートリッジ100の第1の端子251に駆動信号DS(センサ駆動信号DS1またはメモリ駆動信号DS2)を供給する際にオフ状態に設定され、センサチップ220の圧電素子からの応答信号RSを検出する際にオン状態に設定される。また、サブ制御部50は、インクカートリッジ100がプリンタ20に装着されたときに、インクカートリッジ100の第2の端子252が配線LSNを介して基準電位GNDに接地されるように配線されている。
比較器52は、オペアンプを含んでおり、インク残量判断処理において、第3のスイッチSW3を介して供給される応答信号RSと基準電圧Vref とを比較して、比較結果を示す信号QCを出力する。具体的には、比較器52は、応答信号RSの電圧が基準電圧Vref以上である場合には出力信号QCをHレベルとし、応答信号RSの電圧が基準電圧Vref未満である場合には出力信号QCをLレベルとする。
カウンタ54は、インク残量判断処理において、比較器52からの出力信号QCに含まれるパルスの数をカウントして、カウント値をロジック部58に与える。なお、カウンタ54は、ロジック部58によってイネーブル状態に設定される期間に、カウント動作を実行する。
ロジック部58は、第2のスイッチSW2を制御して、インク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象とする1つのインクカートリッジ100を選択する。そして、ロジック部58は、センサ駆動信号DS1またはメモリ駆動信号DS2を供給する際に、第1のスイッチSW1をオン状態に設定し、第3のスイッチSW3をオフ状態に設定する。また、ロジック部58は、インク残量判断処理において、センサチップ220の圧電素子からの応答信号RSを検出する際に、第1のスイッチSW1をオフ状態に設定し、第3のスイッチSW3をオン状態に設定する。
また、ロジック部58は、インク残量判断処理において、センサチップ220の圧電素子からの応答信号RSを検出すべき期間に、カウンタ54をイネーブル状態に設定する。そして、ロジック部58は、カウンタ54のカウント値を利用して、比較器52からの出力信号QCに含まれるパルスが所定数発生するまでに要する時間(測定期間)を測定する。具体的には、サブ制御部50の内部には、発振器(図示せず)が設けられており、発振器から出力されるクロック信号を利用して、測定期間を測定する。そして、ロジック部58は、カウンタによってカウントされた出力信号QCのパルス数と、測定期間と、に基づいて、応答信号RSの周波数Hcを算出する。なお、応答信号の周波数Hcは、センサチップ220の圧電素子が振動する周波数と等しい。算出された周波数Hcは、主制御部40の第1の制御回路48に供給される。
主制御部40の第1の制御回路48は、インク残量判断処理において、算出された周波数Hcに基づいて、選択されたインクカートリッジ100内のインク残量が所定量以上であるか否かを判断する。具体的には、算出された周波数Hcが、第1の振動数H1とほぼ等しい場合には、インク残量が所定量以上であると判断され、第2の振動数H2とほぼ等しい場合には、インク残量が所定量未満であると判断される。これらの振動数H1、H2は、それぞれのインク残量に対応する固有振動数として予め実験的に決定しておくことができる。
以上のようにして、主制御部40とサブ制御部50とは、協働して、各インクカートリッジのインク残量を判断する。なお、主制御部40の第1の制御回路48は、判断結果をコンピュータ90に供給する。この結果、コンピュータは、インク残量の判断結果をユーザに通知することができる。
図6は、第1実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す第2の説明図である。図6は、1つのインクカートリッジ100の電気的構成に注目して描かれている。図6において、プリンタ20のサブ制御部50の構成は、1つのインクカートリッジ100がインク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図6において、第2のスイッチSW2および他の5つのインクカートリッジ100は図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジ100は、図6に示されたインクカートリッジ100と同一の構成を有している。
インクカートリッジ100は、電気的構成として、センサチップ220に含まれる圧電素子310と、上述したメモリ回路300を備えている。なお、本実施例において、圧電素子310とメモリ回路300とが、請求項における電気回路に相当する。メモリ回路300は、ツェナーダイオード320と、レギュレータ330と、記憶装置340と、第1〜第3のコンパレータ350、360、370と、NPN型のバイポーラトランジスタ380と、7つの抵抗R1〜R7を含んでいる。ツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVは、例えば、20V程度である。レギュレータ330は、電位点Pxから入力される電圧を定電圧Vregに変換し電位点Pyに出力する。定電圧Vregは、例えば、3.3V程度である。記憶装置340は、上述したように不揮発性のメモリである。記憶装置340には、駆動電圧(電源)として、レギュレータ330から出力される定電圧Vregが供給される。コンパレータ350、360、370は、第1の入力端子に供給された第1の電圧と、第2の入力端子に供給された第2の電圧の大きさを比較する。コンパレータ350、360、370は、第1の電圧が第2の電圧より大きい場合には、ハイレベル(例えば、3.3V)の信号を出力し、第1の電圧が第2の電圧より小さい場合には、ローレベルの信号(例えば、0V)を出力する。コンパレータ350、360、370の出力信号をそれぞれ出力信号V1、V2、V3とする。煩雑を避けるために図示を省略しているが、コンパレータ350、360、370には、記憶装置340と同様に駆動電圧として、レギュレータ330から定電圧Vregが供給される。
インクカートリッジ100の上述の電気的な構成要素の配線について説明する。圧電素子310の一方の電極は、回路基板250の第1の端子251(図4(A))に接続され、他方の電極は、第2の端子252に接続されている。ツェナーダイオード320のカソード電極は、圧電素子310と並列に、第1の端子251と接続されている。ツェナーダイオード320のアノード電極は、電位点Pxに接続されている。すなわち、ツェナーダイオード320のアノード電極は、レギュレータ330の電源入力端子と、抵抗R1の一方の電極と、抵抗R7の一方の電極と接続されている。レギュレータ330の出力電圧である定電圧Vregは、記憶装置340に駆動電圧として供給されると共に、抵抗R3の一方の電極に接続されている。抵抗R3、R4、R5、R6は、定電圧Vregが供給される電位点Pyと、基準電位GND(例えば、0V)が供給される電位点Pvとの間に直列に接続されている。これらの抵抗R3、R4、R5、R6による分圧により、一定の電圧である参照電圧Vref0、Vref1、Vref2が生成される。生成された参照電圧Vref0、は、第1のコンパレータ350の第1の入力端子に入力される。同様にして、生成された参照電圧Vref1、は第2のコンパレータ360の第1の入力端子に入力され、参照電圧Vref2は第3のコンパレータ370の第1の入力端子に入力される。抵抗R1と抵抗R2は、ツェナーダイオード320のアノード電極と接続された電位点Pxと、基準電位GNDが供給される電位点Pvとの間に直列に接続されている。後述するように、メモリ駆動信号DS2が第1の端子251に供給されたとき、電位点Pxの電位は0〜20V程度である。このとき、抵抗R1と抵抗R2との間の電位点Pzの電圧は、抵抗R1と抵抗R2による分圧により、0.4〜3.3V程度に調整される。抵抗R7の他方の電極は、バイポーラトランジスタ380のコレクタに接続されている。バイポーラトランジスタ380のエミッタは、基準電位GNDが供給される電位点Pvに接続されている。バイポーラトランジスタ380のベースは、記憶装置340と接続されている。記憶装置340は、バイポーラトランジスタ380のベースに、記憶装置340に記憶されたデータに応じたデータ信号V4(ハイレベルまたはローレベル)を出力する。後述するように、データ信号V4がハイレベルのとき、バイポーラトランジスタ380のエミッタ−コレクタ間に電流が流れる。したがって、データ信号V4がハイレベルのとき、抵抗R7に電流が流れ、メモリ回路300全体の負荷が変動する。この負荷変動の結果、サブ制御部50内の電位点Pmの電圧が変動するので、主制御部40は、電位点Pmの電圧の変動を検知することで、記憶装置340が出力するデータ信号V4の内容を認識することができる。なお、本明細書において電位点Pm、Pv、Pw、Px、Py、Pzは、説明の便宜上、配線上に点を示したもので、実際の回路上にこれらの電位点に対応する構成物があるわけではない。
・インク残量判断処理
図7は、第1実施例においてインク残量判断処理のタイミングチャートである。図7では、クロック信号ICKと、センサ駆動信号DS1と、応答信号RSと、比較器の出力信号QCと、図5、6に示す電位点Pxの電圧が示されている。クロック信号ICKは、サブ制御部50内部の図示しない発振器の出力である。センサ駆動信号DS1と応答信号RSとは、図5、6に示す電位点Pmに表れる信号である。さらに、図7では、第1のスイッチSW1と、第3のスイッチSW3の動作のタイミングチャートが示されている。
図7は、第1実施例においてインク残量判断処理のタイミングチャートである。図7では、クロック信号ICKと、センサ駆動信号DS1と、応答信号RSと、比較器の出力信号QCと、図5、6に示す電位点Pxの電圧が示されている。クロック信号ICKは、サブ制御部50内部の図示しない発振器の出力である。センサ駆動信号DS1と応答信号RSとは、図5、6に示す電位点Pmに表れる信号である。さらに、図7では、第1のスイッチSW1と、第3のスイッチSW3の動作のタイミングチャートが示されている。
主制御部40からバスBSを介して送信される指示に従い、サブ制御部50はインクカートリッジ100のインク残量判断処理を実行する。まず、時刻t0では、第1のスイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り換えられると共に、第2のスイッチSW2によっていずれかのインクカートリッジ100の圧電素子310が選択される。したがって、選択された圧電素子310とサブ制御部50は、配線LSPを介して信号の遣り取りが可能になる。すなわち、サブ制御部50から圧電素子310に対してセンサ駆動信号DS1を印加し、圧電素子310からの応答信号RSを第2の制御回路55において受信することが可能となる。
時刻t1〜t2(印加期間Dv)では、センサ駆動信号DS1が圧電素子310に供給される。すなわち、圧電素子310に電圧が印加される。なお、印加期間Dvでは、第3のスイッチSW3は、オフ状態に設定されている。
図示するように、センサ駆動信号DS1は、2つのパルス信号S1,S2を含んでいる。2つのパルス信号S1,S2は、同じ周期Tに設定されている。なお、周期Tは、インクカートリッジ内のインク残量が所定量以上の場合における圧電素子の固有振動数H1に対応する周期(=1/H1)(例えば約33μs)に設定されている。
時刻t2では、第1のスイッチSW1がオフ状態に切り替えられ、圧電素子310へのセンサ駆動信号DS1の供給が終了する。そして、時刻t2以降では、圧電素子310はインク残量に応じた振動周波数で振動し、センサから応答信号RSが出力される。
時刻t2から僅かな時間を置いた後の時刻t3では、第3のスイッチSW3がオン状態に切り替えられる。このとき、圧電素子310からの応答信号RSが比較器52に供給される。比較器52は、応答信号RSと基準電圧Vref とを比較して、HレベルまたはLレベルの信号QCを出力する。
また、時刻t3から始まる期間では、サブ制御部50のロジック部58は、カウンタ54をイネーブル状態に設定し、比較器52から5個のパルスが出力されるのに要する時間(測定期間Dm)を測定する。具体的には、ロジック部58は、カウンタ54によって5個のパルスがカウントされる期間DMに、すなわち1番目のパルスの立ち上がりエッジが入力されてから6番目のパルスの立ち上がりエッジが入力されるまでの期間DMに発生するクロック信号ICKのパルス数をカウントして、この測定期間Dmを測定する。なお、ロジック部58は、カウンタ54に6番目のパルスの立ち上がりエッジが入力されると、カウンタ54をディスエーブル状態に設定する。そして、ロジック部58は、カウンタ54によってカウントされた出力信号QCのパルス数(5個)と、ロジック部58で測定された測定期間Dmとに基づいて、応答信号RSに含まれる第1の信号成分の周波数Hc(=5/Dm)を算出する。前述したように、算出された周波数Hcは、圧電素子310の振動の周波数を示している。
この後、主制御部40の第1の制御回路48は、測定された第1の信号成分の周波数Hcを受け取り、該周波数Hcに基づいて、インク残量が所定量以上であるか否かを判断する。なお、測定期間Dmが終了した後の時刻t4において、第3のスイッチSW3がオン状態からオフ状態に戻される。
ここで、インク残量判断処理における電位点Pxの電位をみると、電位点Pxには、駆動信号DSが圧電素子310に供給されたときに、センサ駆動信号DS1に含まれるパルス信号S1、S2に対応する瞬間的な電圧上昇MPが見られる。しかしながら、応答信号RSやセンサ駆動信号DS1の大部分は、電位点Pxには伝達されない。これは、ツェナーダイオード320によって、ツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVより小さい電圧は、ツェナーダイオード320より記憶装置340側に伝達されないからである。電圧上昇MPのような瞬間的な電圧では、記憶装置340は動作しないように設計されている。これにより、インク残量判断処理中における記憶装置340の誤動作を抑制することができる。本実施例におけるツェナーダイオード320は、請求項における許容回路に相当する。
・メモリアクセス処理:
図8は、記憶装置340にデータを書き込む場合のメモリアクセス処理のタイミングチャートである。図8には、電位点Pmにおける信号(電圧)と、電位点Pzにおける信号(電圧)と、第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力である信号V1、V2、V3の内容と、信号V1〜V3の入力による記憶装置340の動作とが、それぞれa)〜d)に示されている。第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力信号V1、V2、V3は、「1」と「0」とで表されている。「1」はハイレベルを示し、「0」はローレベルを示す。
図8は、記憶装置340にデータを書き込む場合のメモリアクセス処理のタイミングチャートである。図8には、電位点Pmにおける信号(電圧)と、電位点Pzにおける信号(電圧)と、第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力である信号V1、V2、V3の内容と、信号V1〜V3の入力による記憶装置340の動作とが、それぞれa)〜d)に示されている。第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力信号V1、V2、V3は、「1」と「0」とで表されている。「1」はハイレベルを示し、「0」はローレベルを示す。
第1の制御回路48のメモリアクセス部M2が記憶装置340にアクセスする場合、第1の制御回路48は、インク残量判断処理と同様に、第2の制御回路55を制御して、第2のスイッチSW2を切り換えて、アクセスの対象となるインクカートリッジ100を選択する。ここで、本実施例においてインクカートリッジ100を選択するとは、電位点Pmが位置する配線と、当該インクカートリッジ100の第1の端子251と接続されている配線LSPとを、第2のスイッチSW2を介して電気的に接続することを意味している。
第1の制御回路48のメモリアクセス部M2が記憶装置340にデータを書き込む場合、第1の制御回路48は、駆動信号生成回路42を制御して、電位点Pm(=配線LSP)上に、図8(a)に示すようなメモリ駆動信号DS2を出力する。データ書き込み時のメモリ駆動信号DS2は、開始から終了まで、ツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVより大きな電圧である。メモリ駆動信号DS2の最低電圧は、降伏電圧ZDVよりレギュレータ330の出力電圧である定電圧Vreg以上大きい。例えば、降伏電圧ZDVが20Vで、定電圧Vregが3.3Vである場合には、メモリ駆動信号DS2の最低電圧は23.3V以上に設定される。これは、メモリ駆動信号DS2が、レギュレータ330の駆動電源としても用いられるためである。こうすることにより、レギュレータ330は、安定して記憶装置340に定電圧Vregを供給することができる。換言すれば、メモリ駆動信号DS2が出力されている間は、記憶装置340および第1〜第3のコンパレータ350、360、370に対して、レギュレータ330から駆動電圧の供給が行われる。この結果、メモリ駆動信号DS2が出力されている間は、記憶装置340および第1〜第3のコンパレータ350、360、370は、動作可能である。なお、メモリ駆動信号DS2の最高電圧は、本実施例では、40V程度である。
電位点Pmの電圧(メモリ駆動信号DS2)のうち降伏電圧ZDVを超える部分の電圧変動は、ツェナーダイオード320と抵抗R1および抵抗R2により、電位点Pzでは、基準電位GND(例えば、0V)と、記憶装置340の電源電圧(本実施例では、定電圧Vreg=3.3V)との間の電圧変動に変換される。電位点Pmの電圧(メモリ駆動信号DS2)のうち降伏電圧ZDVを超える部分の電圧変動は、ほぼ均等の差分を有する4段階のレベルを有している。電位点Pzの電圧は、電位点Pmの電圧に対応して4段階のレベルを有しており、最も低い第1のレベルL1は、基準電位GNDと参照電圧Vref2との間に位置している。同様にして、電位点Pzの電圧の4段階のレベルのうち2番目に低い第2のレベルL2は、参照電圧Vref2と参照電圧Vref1との間に位置しており、2番目に高い第3のレベルL3は、参照電圧Vref1と参照電圧Vref0との間に位置している。電位点Pzの電圧の4段階のレベルのうち最も高い第4のレベルL4は、参照電圧Vref0より大きい。以上から解るように、第1の制御回路48は、メモリ駆動信号DS2の電圧レベルを4段階に制御することにより、電位点Pzの電圧を基準電位GND〜定電圧Vregとの間で4段階L1〜L4に制御できる。図6,8から解るように、電位点Pzが第1のレベルL1にあるとき、第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力信号V1、V2、V3は、それぞれ、0、0、0を表す。同様にして、電位点Pzが第2のレベルL2にあるとき、出力信号V1、V2、V3は、それぞれ、0、0、1を表し、電位点Pzが第3のレベルL3にあるとき、出力信号V1、V2、V3は、それぞれ、0、1、1を表し、電位点Pzが第4のレベルL4にあるとき、出力信号V1、V2、V3は、それぞれ、1、1、1を表す。したがって、記憶装置340は、出力信号V1、V2、V3を受け取ることにより、4段階のレベルL1〜L4を認識できる。
記憶装置340にデータを書き込むとき、第1の制御回路48は、メモリ駆動信号DS2の出力を開始し、電位点Pzの電圧を第4のレベルL4に所定時間維持する。これにより、記憶装置340に対するレギュレータ330からの定電圧Vregの供給が開始され、記憶装置340の電源がオン状態になる。
次に第1の制御回路48は、メモリ駆動信号DS2の電圧レベルを制御することにより、電位点Pzの電圧を第3のレベルL3に維持する。記憶装置340は、電源がオン状態になった直後に、第3のレベルL3を認識すると、リセット信号であると解釈して、自身に対するアクセスが開始されることを認識する。
続いて、第1の制御回路48は、データ信号とクロック信号CLが交互に表れるいわゆるセルフクロック式のデータ送信手法により、インクカートリッジ100の識別番号(ID)を送信する。データ信号は、「1」または「0」を表す信号である。本実施例では、電位点Pzを第2のレベルL2に維持する信号がデータ「1」を表し、電位点Pzを第1のレベルL1に維持する信号がデータ「0」を表す。一方、クロック信号CLは、電位点Pzを第3のレベルL3に維持する信号によって表される。図8に示す例では、識別番号を表すデータとして、“1、0、1”という3ビットのデータが記憶装置340に送信されていることが解る。記憶装置340は、受信した識別番号と、自身の識別番号と一致した場合に、自身がアクセスの対象であることを認識する。なお、本実施例では、第2のスイッチSW2により、1つのインクカートリッジ100がアクセス対象として選択されており、アクセス対象のインクカートリッジ100にのみ、メモリ駆動信号DS2が送信される。したがって、識別番号の送信は省略し、インクカートリッジ100は受信した信号は、全て自身をアクセスの対象として信号であると認識することとしても良い。
識別番号の送信に続いて、第1の制御回路48は、識別番号の送信と同様のセルフクロック式のデータ送信手法により、1ビットの読み出し/書き込み識別信号(R/W信号)を送信する。「0」のR/W信号は、当該アクセスがデータ書き込みのためのアクセスであることを表す。「1」のR/W信号は、当該アクセスがデータ読み出しのためのアクセスであることを表す。図8の例は、データ書き込みについて図示しているため、R/W信号は「0」である。R/W信号「0」を受信すると、記憶装置340は、続いて、送信されてくるデータ信号を順次に自身のメモリに書き込む。
R/W信号の送信に続いて、第1の制御回路48は、同様のセルフクロック式のデータ送信手法により、書き込みデータを送信する。書き込みデータの送信を終了すると、第1の制御回路48は、一回のクロック信号送信時間より長い所定の期間に亘って、電位点Pzの電圧を第3のレベルL3に維持し、続いて、電位点Pzの電圧を第4のレベルL4に所定時間に亘って維持する。このような信号を記憶装置340が受信すると、記憶装置340は、アクセスの終了を認識する。その後、メモリ駆動信号DS2の供給が終了するため、レギュレータ330は、その動作を停止する。従って、記憶装置340に対する定電圧Vregの供給が停止され、記憶装置340は電源がオフされた状態になる。
図9は、記憶装置340からデータを読み出す場合のメモリアクセス処理のタイミングチャートである。図9には、電位点Pmにおける信号と、電位点Pzにおける信号と、第1〜第3のコンパレータ350、360、370の出力信号V1、V2、V3による記憶装置340の動作と、記憶装置340が出力するデータ信号V4が、それぞれa)〜d)に示されている。記憶装置340が出力するデータ信号V4は、記憶装置340とバイポーラトランジスタ380の制御電極(ゲート)とを接続する配線上に出力される信号である(図6)。
第1の制御回路48がアクセス対象のインクカートリッジ100の記憶装置340からデータを読み出す処理は、識別信号(ID)の送信までは、上述した記憶装置340にデータを書き込む処理と同様であるので、その説明を省略する。
識別番号の送信に続いて、第1の制御回路48は、識別番号の送信と同様のセルフクロック式のデータ送信手法により、1ビットの読み出し/書き込み識別信号(R/W信号)を送信する。読み出し処理において、送信されるR/W信号は「1」である。R/W信号を送信すると、第1の制御回路48は、続いて、クロックを記憶装置340に送信する。クロックは、クロック信号CL(ハイレベル信号)を表す第3のレベルQ3の電圧と、第2のレベルQ2の電圧(ローレベル信号)を繰り返す信号である。R/W信号「1」を受信すると、記憶装置340は、自身のメモリに格納されているデータを読み出し、送信されてくるクロックに同期して、読み出したデータをデータ信号V4として出力する。すなわち、記憶装置340は、1つのクロック信号CLと、次のクロック信号CLとの間の期間に、ハイレベルまたはローレベルのデータ信号V4を出力する。ハイレベルのデータ信号V4は、「1」を表し、ローレベルのデータ信号V4は、「0」を表す。記憶装置340は、クロック信号CLを受信している期間は、データ信号V4をローレベルに維持する。
ハイレベルのデータ信号V4が出力されると、電位点Pmの電圧は、負荷変動により、低下する。すなわち、第1の制御回路48から出力されるメモリ駆動信号DS2が第2のレベルQ2の電圧であっても、抵抗Rxを経た電位点Pmの電圧は、第2のレベルQ2より低下する。ハイレベルのデータ信号V4がバイポーラトランジスタ380のゲートに入力され、バイポーラトランジスタ380がオン状態(エミッタ−コレクタ間が導通した状態)になるため、抵抗Rxおよび抵抗R7に電流が流れるからである。ここで、抵抗Rxおよび抵抗R7の大きさを適切に選択することにより、本実施例では、ハイレベルのデータ信号V4が出力されると、電位点Pmの電圧が第2のレベルQ2から第1のレベルQ1に低下する。第1の制御回路48は、このような電位点Pmの電位の変動を、信号線LRDを介して、読み出し信号RDとして検出する。読み出し信号RDの検出は、第1の制御回路48が自ら出力するクロックと同期して行われる。以上のようにして、第1の制御回路48は、記憶装置340からデータを読み出すことができる。
読み出し信号RDを検出することによるデータの読み出しが終了すると、第1の制御回路48は、一回のクロック信号送信時間より長い所定の期間に亘って、電位点Pzの電圧を第3のレベルL3に維持し、続いて、電位点Pzの電圧を第4のレベルL4に所定時間に亘って維持する。このような信号を記憶装置340が受信すると、記憶装置340は、アクセスの終了を認識する。その後、メモリ駆動信号DS2の供給が終了するため、レギュレータ330は、その動作を停止する。従って、記憶装置340に対する定電圧Vregの供給が停止され、記憶装置340は電源がオフされた状態になる。
以上説明した第1実施例によれば、第1の端子251にプリンタ20が入力する電位と、第2の端子252にプリンタ20が入力する電位との端子間電位差である駆動信号DSを用いて、圧電素子310を含むセンサと信号(センサ駆動信号DS1および応答信号RS)の遣り取りができる。さらに、当該端子間電位差であるメモリ駆動信号DS2を用いて、記憶装置340に対するデータの書き込み、および、記憶装置340からのデータの読み出しを実行できる。センサとの通信と記憶装置340との通信は、区別して実行できる。この結果、2つの端子251,252のみを用いて、圧電素子310との通信と、記憶装置340との通信をするので、インクカートリッジ100が備えるべき端子数を減少することができる。したがって、部品点数を抑制すると共に、端子間の確実な接触による安定した通信が可能になる。
さらに、ツェナーダイオード320が配置されていることにより、ツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVより小さな駆動信号DSは、記憶装置340側に伝達されないので、記憶装置340がインク残量判断処理により誤動作することを抑制することができる。
さらに、インク残量判断処理時に用いられるセンサ駆動信号DS1および応答信号RSは、大部分がツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVより小さい電圧の信号であり、メモリアクセス処理に用いられるメモリ駆動信号DS2はツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVより大きな電圧の信号である。すなわち、インク残量判断処理とメモリアクセス処理とで、使用する電圧(端子間電位差)の大きさの範囲を異ならせている。この結果、誤動作を抑制することができる。
さらに、メモリアクセス処理において、記憶装置340の駆動電圧(定電圧Vreg)は、レギュレータ330から供給しているが、レギュレータ330の電源は、メモリ駆動信号DS2である。したがって、プリンタ20から2つの端子251,252を介して、記憶装置340や第1〜第3のコンパレータ350、360、370の電源も供給していることになる。したがって、少ない端子で、圧電素子310と記憶装置340の両方と通信できることに加えて、記憶装置340が動作する電源を供給することができる。この場合、記憶装置340にアクセスする場合に限り、記憶装置340に電源を供給することになるので、消費電力を抑制することができる。
B.第2実施例:
図10は、第2実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す第1の説明図である。図10は、第2実施例にインクカートリッジ100Aに関連する処理に必要な部分に注目して描かれている。図10における主制御部40Aの構成について、図5を参照して説明した主制御部40と同一の構成には、図5における符号の末尾にAを付した符合を付している。
図10は、第2実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す第1の説明図である。図10は、第2実施例にインクカートリッジ100Aに関連する処理に必要な部分に注目して描かれている。図10における主制御部40Aの構成について、図5を参照して説明した主制御部40と同一の構成には、図5における符号の末尾にAを付した符合を付している。
第2実施例に係るサブ制御部50Aは、7つのスイッチSW1A〜SW7Aを備える。これら7つのスイッチSW4A〜SW7Aは、第1実施例のスイッチSW1〜SW3と同様に、第2の制御回路55Aの制御により動作する。
第1のスイッチSW1Aは、1チャネルのアナログスイッチである。第1のスイッチSW1Aの一方の端子は、主制御部40の駆動信号生成回路42Aと接続されており、他方の端子は、第6のスイッチSW6Aおよび第5のスイッチSW5Aと接続されている。
第2のスイッチSW2Aは、1チャネルのアナログスイッチである。第2のスイッチSW2Aの一方の端子は、基準電位GNDと接続、すなわち、接地されている。第2のスイッチSW2Aの他方の端子は、第7のスイッチSW7Aおよび第5のスイッチSW5Aと接続されている。
第3のスイッチSW3Aは、6チャネルのアナログスイッチである。第3のスイッチSW3Aの一方の側の1つの端子は、第6のスイッチSW6Aの一方の側の1つの端子と第7のスイッチSW7Aの一方の側の1つの端子と接続されており、他方の側の6つの端子のそれぞれは、第1の端子251を介して、6つのインクカートリッジ100Aとそれぞれ接続されている。
第4のスイッチSW4Aは、6チャネルのアナログスイッチである。第4のスイッチSW4Aの一方の側の1つの端子は、第6のスイッチSW6Aの一方の側の1つの端子と第7のスイッチSW7Aの一方の側の1つの端子と接続されており、他方の側の6つの端子のそれぞれは、第2の端子252を介して、6つのインクカートリッジ100Aとそれぞれ接続されている。
第5のスイッチSW5Aは、2チャネルのアナログスイッチである。第5のスイッチSW5Aの一方の側の1つの端子は、第2の制御回路55Aと接続されている。第5のスイッチSW5Aの他方の側の2つの端子のうち、1つは、第2のスイッチSW2Aおよび第7のスイッチSW7Aの他方の側の端子と接続されており、もう一つは、第1のスイッチSW1Aおよび第6のスイッチSW6Aの他方の側の端子と接続されている。
第6のスイッチSW6Aは、2チャネルのアナログスイッチである。第6のスイッチSW6Aの他方の側の1つの端子は、上述したように第1のスイッチSW1Aと第5のスイッチSW5Aと接続されている。第6のスイッチSW6Aの一方の側の2つの端子のうち、1つは、上述したように第3のスイッチSW3Aと接続されており、もう一つは、第4のスイッチSW4Aと接続されている。
第7のスイッチSW7Aは、2チャネルのアナログスイッチである。第7のスイッチSW7Aの他方の側の1つの端子は、上述したように第2のスイッチSW2Aと第5のスイッチSW5Aと接続されている。第7のスイッチSW7Aの一方の側の2つの端子のうち、1つは、上述したように第3のスイッチSW3Aと接続されており、もう一つは、第4のスイッチSW4Aと接続されている。
第2の制御回路55Aは、インク残量判断処理およびメモリアクセス処理の際、6つのインクカートリッジ100Aのうち、処理の対象となる対象カートリッジの第1の端子251および第2の端子252を第6のスイッチSW6Aおよび第7のスイッチSW7Aと電気的に接続するように、第3のスイッチSW3AおよびSW4Aを制御する。
第2実施例では、第1の端子251および第2の端子252のどちらからでもインクカートリッジ100Aに対して、センサ駆動信号DS1を供給できると共に、第1の端子251および第2の端子252のどちらからでも、インクカートリッジ100Aから応答信号RSを受け付けることができる。
例えば、第2の制御回路55Aは、インク残量判断処理において、対象カートリッジの第1の端子251からセンサ駆動信号DS1を供給し、第2の端子252から応答信号RSを受信する場合には、第6のスイッチSW6Aおよび第7のスイッチSW7Aを制御して、第3のスイッチSW3Aと第1のスイッチSW1Aとを電気的に接続すると共に、第4のスイッチSW4Aと第2のスイッチSW2Aとを電気的に接続する。また、第2の制御回路55Aは、第5のスイッチSW5Aを制御して、第2の制御回路55Aと第7のスイッチSW7Aとを電気的に接続する。そして、第1のスイッチSW1Aおよび第2のスイッチSW2Aをオン状態(導通状態)にして、センサ駆動信号DS1をインクカートリッジ100Aに供給して、応答信号RSを受信するときに第2のスイッチSW2Aをオフ状態(非導通状態)にする。
一方、第2の制御回路55Aは、インク残量判断処理において、対象カートリッジの第2の端子252からセンサ駆動信号DS1を供給し、同じ第2の端子252から応答信号RSを受信する場合には、第6のスイッチSW6Aおよび第7のスイッチSW7Aを制御して、第4のスイッチSW4Aと第1のスイッチSW1Aとを電気的に接続すると共に、第3のスイッチSW3Aと第2のスイッチSW2Aとを電気的に接続する。そして、第1のスイッチSW1Aおよび第2のスイッチSW2Aをオン状態(導通状態)にして、センサ駆動信号DS1をインクカートリッジ100Aに供給して、応答信号RSを受信するときに第1のスイッチSW1Aをオフ状態(非導通状態)にすると共に、第5のスイッチSW5Aを制御して、第2の制御回路55Aと第6のスイッチSW6Aとを電気的に接続する。
このように、第2実施例のインク残量判断処理では、第2の端子252を基準電位GNDとして第1の端子251を介してセンサ駆動信号DS1を供給する第1のパターンと、第1の端子251を基準電位GNDとして第2の端子252を介してセンサ駆動信号DS1を供給する第2のパターンとを選択的に使い分けることができる。
図11は、第2実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す第2の説明図である。図11は、1つのインクカートリッジ100Aの電気的構成に注目して描かれている。図11において、プリンタ20Aのサブ制御部50Aの構成は、1つのインクカートリッジ100Aがインク残量判断処理の対象として選択され、第1の端子251からセンサ駆動信号DS1が供給される状態、あるいは、メモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図11において、第5のスイッチSW5A以外のスイッチおよび他の5つのインクカートリッジは図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジは、図11に示されたインクカートリッジ100Aと同一の構成を有している。
インクカートリッジ100Aは、第1実施例におけるツェナーダイオード320に代えて、電源回路390を有している。電源回路390は、2つの入力端子TA、TBを有し、1つの出力端子TCを有している。また、電源回路390には、基準電位GNDが供給されている。第1の入力端子TAは、回路基板250の第1の端子251(図4(A))に接続され、第2の入力端子TBは、第2の端子252に接続されている。出力端子TCは、レギュレータ330の入力端子と、抵抗R1と、抵抗R7と接続されている。インクカートリッジ100Aのその他の構成は、図6に示す第1実施例におけるインクカートリッジ100と同一であるので、図11において、同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図12は、電源回路390の内部構成を示す図である。電源回路390は、2つのツェナーダイオード391、392と、整流回路SSとを含んでいる。第1のツェナーダイオード391のカソードは、第1の入力端子TAと接続され、アノードは、整流回路SSに入力されている。第2のツェナーダイオード392のカソードは、第2の入力端子TBと接続され、アノードは、整流回路SSに入力されている。整流回路SSは、4つのダイオード393〜396を用いた一般的な整流回路である。整流回路SSの出力は、出力端子TCから出力される。
以上説明した第2実施例によれば、第1実施例と同様の作用・効果を生じる。さらに、第2実施例のインク残量判断処理では、第2の端子252を基準電位GNDとして第1の端子251を介してセンサ駆動信号DS1を供給する第1のパターンと、第1の端子251を基準電位GNDとして第2の端子252を介してセンサ駆動信号DS1を供給する第2のパターンがある。この時、第2の端子252の電圧が第1の端子251の電圧より高くなったり、第1の端子251の電圧が第2の端子252の電圧より高くなったりする。この場合であっても、インクカートリッジ100Aは、電源回路390を備えることにより、出力端子TCの電圧は、基準電位GNDより高い電圧に維持される。この結果、記憶装置340やレギュレータ330の誤動作を抑制することができる。
C.第3実施例:
図13は、第3実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す説明図である。図13は、1つのインクカートリッジ100Bの電気的構成に注目して描かれている。図13において、プリンタ20のサブ制御部50の構成は、1つのインクカートリッジ100Bがインク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図13において、第2のスイッチSW2および他の5つのインクカートリッジは図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジは、図13に示されたインクカートリッジ100Bと同一の構成を有している。
図13は、第3実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す説明図である。図13は、1つのインクカートリッジ100Bの電気的構成に注目して描かれている。図13において、プリンタ20のサブ制御部50の構成は、1つのインクカートリッジ100Bがインク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図13において、第2のスイッチSW2および他の5つのインクカートリッジは図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジは、図13に示されたインクカートリッジ100Bと同一の構成を有している。
第3実施例におけるプリンタ20(主制御部40およびサブ制御部50)の構成は、第1実施例におけるプリンタ20の構成と同一であるので、その説明を省略する。第3実施例におけるインクカートリッジ100Bは、第1実施例におけるレギュレータ330に代えて、電池電源335を備えている。電池電源335は、例えば、マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池、燃料電池など、周知の様々な電池を用いることができる。
第3実施例では、メモリ駆動信号DS2を、記憶装置340の電源として利用せず、記憶装置340や第1〜第3のコンパレータ350、360、370は、電池電源335から動作電源を供給される。また、第1〜第3のコンパレータ350、360、370にそれぞれ供給される参照電圧Vref0、Vref1、Vref2は、電池電源335が供給する定電圧を抵抗R3〜R6によって分圧して作られる。
以上の説明から解るように、プリンタ20側から記憶装置340の駆動電源を供給することは必須ではなく、記憶装置340側で電池などの電源を備えても良い。
D.第4実施例:
図14は、第4実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す説明図である。図14は、1つのインクカートリッジ100Cの電気的構成に注目して描かれている。図14において、プリンタ20のサブ制御部50の構成は、1つのインクカートリッジ100Cがインク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図14において、第2のスイッチSW2および他の5つのインクカートリッジは図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジは、図14に示されたインクカートリッジ100Cと同一の構成を有している。
図14は、第4実施例におけるプリンタの電気的な構成を示す説明図である。図14は、1つのインクカートリッジ100Cの電気的構成に注目して描かれている。図14において、プリンタ20のサブ制御部50の構成は、1つのインクカートリッジ100Cがインク残量判断処理またはメモリアクセス処理の対象として選択されている状態が簡略化して示されている。すなわち、図14において、第2のスイッチSW2および他の5つのインクカートリッジは図示を省略している。実際には、他の5つのインクカートリッジは、図14に示されたインクカートリッジ100Cと同一の構成を有している。
第4実施例におけるプリンタ20(主制御部40およびサブ制御部50)の構成は、第1実施例におけるプリンタ20の構成と同一であるので、その説明を省略する。
第4実施例におけるインクカートリッジ100Cは、第1実施例におけるツェナーダイオード320に代えて、コンパレータ321とアナログスイッチSWxを含む許容回路320Cを備えている。コンパレータ321は、第1の端子251の電圧が許容下限電圧Vrefxより大きい場合にアナログスイッチSWxをオン状態(導通状態)にし、第1の端子251の電圧が許容下限電圧Vrefxより小さい場合にアナログスイッチSWxをオフ状態(非導通状態)にする。ここで、許容下限電圧Vrefxは、メモリ駆動信号DS2の最小レベル(電位点Pzにおける第1のレベルに対応する)より少し小さい値に設定される。具体的には、許容下限電圧Vrefxは、第1実施例におけるツェナーダイオード320の降伏電圧ZDVと同じ程度に設定される。
第4実施例におけるインクカートリッジ100Cは、第3実施例と同様に、第1実施例におけるレギュレータ330に代えて、電池電源335を備えている。記憶装置340および第1〜第3のコンパレータ350、360、370の駆動電圧は、電池電源335により供給される。電池電源335は、また、上述したコンパレータ321に参照電圧として入力される許容下限電圧Vrefxを出力する。
以上説明した第4実施例によれば、許容回路320Cが配置されていることにより、許容下限電圧Vrefxより小さな駆動信号DSは、記憶装置340側に伝達されないので、第1実施例と同様に、記憶装置340がインク残量判断処理により誤動作することを抑制することができる。
E.変形例:
・第1変形例:
上記実施例では、センサ駆動信号DS1により駆動される電気デバイスとして、センサとして機能する発振回路である圧電素子310を用いているが、これに代えて、インクカートリッジに収容されたインクの現実の残量に関わらず、インクカートリッジにインクが存在することを示す応答信号RSを出力する発振回路を用いても良い。このような発振回路は、例えば、コイルとコンデンサを含むLC発振回路や、コンデンサと抵抗を含むRC発振回路や、水晶やセラミックの振動子を含む固体振動子発振回路を用いて、構成されても良い。このような発振回路(インクの現実の残量に関わらずインクカートリッジにインクが存在することを示す応答信号RSを出力する発振回路)は、メモリ回路300を含む回路基板250に含まれてもよい。
・第1変形例:
上記実施例では、センサ駆動信号DS1により駆動される電気デバイスとして、センサとして機能する発振回路である圧電素子310を用いているが、これに代えて、インクカートリッジに収容されたインクの現実の残量に関わらず、インクカートリッジにインクが存在することを示す応答信号RSを出力する発振回路を用いても良い。このような発振回路は、例えば、コイルとコンデンサを含むLC発振回路や、コンデンサと抵抗を含むRC発振回路や、水晶やセラミックの振動子を含む固体振動子発振回路を用いて、構成されても良い。このような発振回路(インクの現実の残量に関わらずインクカートリッジにインクが存在することを示す応答信号RSを出力する発振回路)は、メモリ回路300を含む回路基板250に含まれてもよい。
・第2変形例:
上記実施例では、圧電素子310からの応答信号RSの周波数に基づいて、インクエンドを検出しているが、振幅の大きさに基づいてインクエンドを検出するタイプのセンサを用いても良い。また、インクエンドセンサーに限らず、インクの温度、抵抗、その他のインクの特性を検出するためのセンサを用いても良い。一般的には、センサに限らず、駆動信号DSにより駆動される電気デバイスであれば良い。
上記実施例では、圧電素子310からの応答信号RSの周波数に基づいて、インクエンドを検出しているが、振幅の大きさに基づいてインクエンドを検出するタイプのセンサを用いても良い。また、インクエンドセンサーに限らず、インクの温度、抵抗、その他のインクの特性を検出するためのセンサを用いても良い。一般的には、センサに限らず、駆動信号DSにより駆動される電気デバイスであれば良い。
・第3変形例:
上記実施例では、メモリ駆動信号DS2により駆動される電気デバイスとして、メモリを含む記憶装置340を用いているが、これに代えて、中央演算装置(CPU)、各種のロジック回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いても良い。一般的には、駆動信号DSにより駆動される電気デバイスであれば良い。
上記実施例では、メモリ駆動信号DS2により駆動される電気デバイスとして、メモリを含む記憶装置340を用いているが、これに代えて、中央演算装置(CPU)、各種のロジック回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いても良い。一般的には、駆動信号DSにより駆動される電気デバイスであれば良い。
・第4変形例:
上記実施例では、1つのインクタンクを1つのインクカートリッジ100等として構成しているが、複数のインクタンクを1つのインクカートリッジ100等として構成しても良い。
上記実施例では、1つのインクタンクを1つのインクカートリッジ100等として構成しているが、複数のインクタンクを1つのインクカートリッジ100等として構成しても良い。
・第5変形例:
上記実施例では、メモリ駆動信号DS2を用いて、記憶装置340に対する書き込みおよび読み出しの両方を行っているが、これに代えて、記憶装置340に対する書き込みおよび読み出しのいずれか一方のみを行うこととしても良い。例えば、記憶装置340に対する書き込みのみを行う場合には、図6におけるバイポーラトランジスタ380および抵抗R7は省略されても良い。
上記実施例では、メモリ駆動信号DS2を用いて、記憶装置340に対する書き込みおよび読み出しの両方を行っているが、これに代えて、記憶装置340に対する書き込みおよび読み出しのいずれか一方のみを行うこととしても良い。例えば、記憶装置340に対する書き込みのみを行う場合には、図6におけるバイポーラトランジスタ380および抵抗R7は省略されても良い。
・第6変形例:
上記実施例は、インクジェット式のプリンタ20と、インクカートリッジ100が採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置と、その液体を収容した液体容器と、を採用しても良い。ここでいう液体は、溶媒に機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェル状のような流状体を含む。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であっても良い。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置、該液体のための液体容器に本発明を適用することができる。
上記実施例は、インクジェット式のプリンタ20と、インクカートリッジ100が採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置と、その液体を収容した液体容器と、を採用しても良い。ここでいう液体は、溶媒に機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェル状のような流状体を含む。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であっても良い。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置、該液体のための液体容器に本発明を適用することができる。
・第7変形例:
変形例を含む上記実施例では、インクが収容されたインク容器であるインクカートリッジにメモリ回路300を含む回路基板250が装着されているが、インク容器と、回路基板250とは、物理的に完全に分離された別体であっても良い。例えば、回路基板250が装着されたプレートを、印刷ヘッドユニット60に、所定の固定治具によって印刷ヘッドユニット60に取り付け、サブ制御部50と電気的に接続する一方で、別の位置に置かれたインク容器を、可撓性のチューブを介して印刷ヘッドユニット60のインク受給針に接続しても良い。一般的には、インク容器に限らず、インクをプリンタに供給するインク供給装置であれば良い。
変形例を含む上記実施例では、インクが収容されたインク容器であるインクカートリッジにメモリ回路300を含む回路基板250が装着されているが、インク容器と、回路基板250とは、物理的に完全に分離された別体であっても良い。例えば、回路基板250が装着されたプレートを、印刷ヘッドユニット60に、所定の固定治具によって印刷ヘッドユニット60に取り付け、サブ制御部50と電気的に接続する一方で、別の位置に置かれたインク容器を、可撓性のチューブを介して印刷ヘッドユニット60のインク受給針に接続しても良い。一般的には、インク容器に限らず、インクをプリンタに供給するインク供給装置であれば良い。
・第8変形例:
上記実施例において、ハードウエアによって実現されていた構成の一部をソフトウエアに置き換えても良く、逆にソフトウエアによって実現されていた構成の一部をハードウエアに置き換えても良い。例えば、主制御部40のインク残量判断部M1やメモリアクセス部M2は、ソフトウエアによって実現されても、ハードウエアによって実現されても構わない。
上記実施例において、ハードウエアによって実現されていた構成の一部をソフトウエアに置き換えても良く、逆にソフトウエアによって実現されていた構成の一部をハードウエアに置き換えても良い。例えば、主制御部40のインク残量判断部M1やメモリアクセス部M2は、ソフトウエアによって実現されても、ハードウエアによって実現されても構わない。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
Claims (19)
- 液体噴射装置に装着可能な液体容器であって、
第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、
第1の端子と、
第2の端子と、
を備え、
前記電気回路は、前記液体噴射装置が第1の端子に入力する電位と前記第2の端子に入力する電位との端子間電位差を用いて前記第1の電気デバイスとの第1の通信と前記第2の電気デバイスとの第2の通信とを実行でき、異なる大きさの前記端子間電位差を用いることにより前記第1の通信と前記第2の通信を区別して実行できるように構成されている、液体容器。 - 請求項1に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記液体噴射装置が、前記第1の端子を介して前記第1の電気デバイスに対して駆動電源を供給できるように構成されている、液体容器。 - 請求項1または2に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記端子間電位差がしきい値を超えた場合に、前記端子間電位差の変動が前記第1の電気デバイスに供給されることを許容する許容回路を含む、液体容器。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体容器であって、
前記許容回路は、ツェナーダイオードを含む、液体容器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液体容器であって、
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。 - 請求項1ないし請求項5いずれかに記載の液体容器であって、
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含み、
前記第2の通信のための前記端子間電位差は、前記第1の通信のための前記端子間電位差より小さい、液体容器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液体容器であって、
前記第1の電気デバイスはメモリを含み、
前記第1の通信は、前記メモリに対する書き込みと前記メモリからの読み出しの少なくとも一方を含み、
前記第2の電気デバイスは発振回路を含み、
前記第2の通信は、前記液体噴射装置から前記発振回路への駆動信号の入力と、前記発振回路から前記液体噴射装置への応答信号の出力とを含む、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記第1の通信のための前記端子間電位差は、前記第2の通信のための前記端子間電位差より大きい、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータを含む、液体容器。 - 請求項9に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記レギュレータとの間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
を含む、液体容器。 - 請求項11に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、さらに、前記第1の端子と前記複数のコンパレータの一方の入力端子との間に配置されたツェナーダイオードを含む、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子に入力された電圧を前記メモリの駆動電源に変換して前記メモリに供給するレギュレータと、
前記メモリに出力が供給される複数のコンパレータと、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記複数のコンパレータの一方の入力端子のそれぞれに接続された配線と、
前記レギュレータが供給する前記駆動電源の電圧を分圧して、前記複数のコンパレータの他方の入力端子のそれぞれに入力する、分圧回路と、
を含む、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、メモリからの出力が制御電極に入力されるトランジスタを含み、
前記トランジスタがオン状態にある場合と、前記トランジスタがオフ状態にある場合とで前記第1の端子の電圧が変動するように構成されることにより、前記液体噴射装置が前記第1の端子の電圧の変動を検知して前記メモリからの読み出しをできる、液体容器。 - 請求項7に記載の液体容器であって、
前記電気回路は、
前記第1の端子に前記発振回路と並列に接続され、前記第1の端子と前記メモリとの間に配置された整流回路を含む、液体容器。 - 請求項6または請求項7に記載の液体容器であって、
前記発振装置は、圧電素子を含み、
前記圧電素子は、前記液体容器に収容された液体の残量の検出に用いられる、液体容器。 - 請求項6または請求項7に記載の液体容器であって、
前記発振装置は、前記液体容器に収容された液体の残量に関わらず、前記液体容器に前記液体が存在することを示す前記応答信号を出力する、液体容器。 - 第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、第1の端子と、第2の端子とを含む液体容器が装着される液体噴射装置であって、
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第1の信号を送受信して、前記第1のデバイスと通信する第1の通信処理部と、
前記第1の端子と前記第2の端子を介して第2の信号を送受信して、前記第2のデバイスと通信する第2の通信処理部と、
を備え、
前記第1の信号の電圧と前記第2の信号の電圧は、異なる大きさを有する、液体噴射装置。 - 液体噴射システムであって、
液体噴射装置と、
前記液体噴射装置に装着可能な液体容器と、
を備え、
前記液体容器は、
第1の電気デバイスと第2の電気デバイスとを含む電気回路と、
第1の端子と、
第2の端子と、
を備え、
前記電気回路は、前記液体噴射装置が第1の端子に入力する電位と前記第2の端子に入力する電位との端子間電位差を用いて前記第1の電気デバイスとの第1の通信と前記第2の電気デバイスとの第2の通信とを実行でき、異なる大きさの前記端子間電位差を用いることにより前記第1の通信と前記第2の通信を区別して実行できるように構成されている、液体噴射システム。
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