JPWO2010004690A1 - 炭素電極、電気化学センサ、および炭素電極の製造方法 - Google Patents

炭素電極、電気化学センサ、および炭素電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の炭素電極は、炭素電極10は、絶縁性基板1と、前記絶縁性基板の上に設けられた導電層2と、前記導電層2の上に設けられた炭素膜3と、前記炭素膜3を覆うように設けられた透水性炭素層4と、を備え、前記炭素膜3は、SP2結合とSP3結合を有する炭素を含み、前記透水性炭素層4は、SP2結合を有する炭素を含む。

Description

本発明は、炭素電極、電気化学センサ、および炭素電極の製造方法に関する。
溶液中の物質を検出する技術は、環境評価、食品分析、医療診断、などの幅広い分野で必要とされている。これまでにクロマトグラフィー法、電気泳動法、水晶振動子法、電気化学法など、さまざまな手法が実用化されている。これらのうち、電気化学法は、検出感度が高く、操作が簡便であり、装置の小型化が容易である点から最も一般的に使われている。
電気化学測定法は、溶液中に浸した電極の電位および電流を制御し、また、それらを計測することにより溶液中の物質を分析する手法である。電気化学測定法を利用して、物質の検出および定量をおこなう装置は特に電気化学センサと呼ばれる。
上記のような電気化学センサに対する要求としては次のようなことがあげられる。1)長時間安定して測定がおこなえること。2)測定感度が高いこと。3)製造が容易であること。
電気化学センサの性能は電極材料によって大きく変わる。電極の材質としては、白金、金、銀、水銀などの金属や炭素などの導電性物質が一般に用いられている。また、測定感度の向上や反応選択性の向上を目的として、電極表面に酵素や抗体等の生体分子および触媒、電子伝達メディエータ等の修飾物質を担持したり、分子選択性膜等で被覆した修飾電極が用いられたりすることがある。
これらのうち、金属材料からなる電極は製造が容易であり、また比較的低電位の測定条件においては高感度であることが知られている。しかし、金属電極は1.0V vs. Ag/AgCl程度よりも高電位の条件においては溶媒の電気分解や電極の溶解反応が活発に起こる。すると、溶媒の反応電流が大量に流れるため、微量成分の反応による微弱な電流値の変化を検出することが不可能になりセンサの感度が著しく損なわれるという問題がある。
これに対し、炭素材料からなる電極は、高電位条件においても溶媒の電気分解が起こりにくく、また、電極自身が酸化還元されにくいという利点がある。そのため、高電位条件においても、高い検出感度と電極の耐久性が得られる。また、高電位条件での測定が可能なため、検出可能な物質が多く、より汎用性の高いセンサを構築することができる。
このような炭素電極の例として、カーボンペーストを硬化して作られる電極(例えば、特許文献1参照)、高分子を焼成して作られるガラス状カーボン電極(例えば、特許文献2参照)、気相成長法によって炭素膜を成膜して作られる電極(例えば、特許文献3)が知られている。しかし、これらの電極は表面積が小さいため電流密度が低く電気化学センサとした際に感度が劣るという問題点があった。
一方で、比表面積が大きい炭素材料として、カーボンナノチューブ(以下、CNT)が知られている。CNTは、グラファイト層が円筒状の形状をなした炭素物質であり、導電性が高いことから高感度な電極に応用できると期待されている。CNTを利用した電気化学センサとして、親水性ポリマーとカーボンナノチューブを含有する組成物を電極に塗布したセンサが開示されている(特許文献4)。この特許文献において、電極材料としては、炭素、金属、合金、および種々の化合物を用いることが記載されている。特に、炭素材料として、グラファイト、熱分解炭素、グラッシーカーボン、アセチレンブラック、カーボンブラックを使用することが記されている。
特開平1−240849号 特開平5−155610号 特開2007−316038号 特開2006−292495号
しかし、従来のCNTを用いた電極は溶液中で使用する際に安定性が得られないという課題がある。例えば、特許文献4に記載のうち、金属、合金の上にCNTを塗布した電極構成の場合は、溶液がCNT層を透過して金属や合金と接する。すると、前述のように金属や合金上で溶媒の反応がおこり感度が低下してしまう。さらに、この反応によって気体が発生するとCNT層の剥離が生じて、電極の使用が困難となる。
さらに、発明者らの調べたところによれば、CNTをダイヤモンド膜などの特定の炭素材料に塗布して作製した炭素電極は測定中に電極表面からCNTが脱離することがあった。この原因として、CNTとダイヤモンド膜の密着性が低いことが考えられる。例えば、特許文献3に記載の気相成長法で合成したダイヤモンド膜は溶液の浸透が極めて少ないことが知られているが、ダイヤモンド膜の上にCNTを塗布すると測定中に電極表面からCNTが脱離してしまい、電極表面積が変化するため測定時間が長引くとセンサの特性がドリフトしてしまうという課題が生じた。
また、ダイヤモンド膜にCNTを塗布した電極は電気抵抗が高かった。電気抵抗が高いと電極表面で反応した電子が速やかに伝達されないため低感度となる。この原因として、CNTとダイヤモンド膜の接触抵抗が高いことが考えられる。
したがって、従来は、CNTを塗布する際に高い密着性や低い接触抵抗が得られる炭素材料についての検討は不十分であった。
CNTの他に比表面積が大きな炭素材料としてカーボンナノホーン、フラーレン、カーボンブラックなどが知られているが、これらについても上記CNTと同様な課題を抱えている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気抵抗が低く、高い測定感度で安定した測定ができる炭素電極を提供することにある。
本発明によれば、
絶縁性基板と、
前記絶縁性基板の上に設けられた導電層と、
前記導電層の上に設けられた第一炭素層と、
前記第一炭素層を覆うように設けられた第二炭素層と、
を備え、
前記第一炭素層は、SP2結合とSP3結合を有し、アモルファス構造を有する炭素を含み、
前記第二炭素層は、SP2結合を有する炭素を含む炭素電極が提供される。
本発明は、電気抵抗が低く、高い測定感度で安定した測定ができる炭素電極を提供する。
上述した目的、および、その他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、および、それに付随する以下の図面によって、さらに明らかになる。
本発明の実施形態における炭素電極の断面図である。 本発明の実施の形態における炭素電極の断面図である。 本発明の実施の形態における修飾電極の断面図である。 炭素電極の製造方法のフローチャートである。 電気化学センサのパターニングの様子を示す平面図である。 本発明の実施の形態における電気化学センサの断面図である。 実施例4において、48組の電極の配置を示す図である。 実施例1の実験結果である。 本発明の実施の形態における炭素電極の断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、全ての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、適宜説明を省略する。第1の実施形態の炭素電極について図1を参照として説明する。
第1の実施形態の炭素電極10は、絶縁性基板1と、前記絶縁性基板1の上に設けられた導電層2と、前記導電層2の上に設けられた第一炭素層と、前記第一炭素層を覆うように設けられた第二炭素層と、を備え、前記第一炭素層は、SP2結合とSP3結合を有し、アモルファス構造を有する炭素を含み、前記第二炭素層は、SP2結合を有する炭素を含む。
また、第1の実施の形態は、第一炭素層として炭素膜3を用い、第二炭素層として透水性炭素層4を用いた。
絶縁性基板1の材料としては、セラミックス、ガラス、石英、プラスチック等の絶縁性の高い材料から主なる物を用いることができる。耐水性、耐熱性、耐薬品性および導電層2との密着性に優れた部材であることが望ましく、特にガラスが望ましい。
導電層2は、絶縁性基板1の上に設けられてもよく、炭素膜3よりも導電性が高いものを用いてもよい。導電層2を設けることで炭素膜3の直列抵抗が下げられると考えられる。これにより、電気化学計測時の抵抗損が減じられ、センサの検出感度が向上する。
導電層2に用いられる材料は、炭素膜3と接触抵抗が低いものが好ましい。例えば、Ti、Cr、Cu、Au、Pt、Ni、Ir、W、Mo、TiN、TaN、Pd、Mg、Alまたはこれらの元素の合金またはこれらの元素と炭素の合金の導電性皮膜を使用することができる。
導電層2は2層以上の導電性皮膜から構成されても良く、例えば、導電層2と絶縁性基板1の密着性を上げるために、絶縁性基板1上に、Cr、Ti、およびWなどを形成した上に他の導電性皮膜が形成されていてもよい。
導電層2は、スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD、および、電解法などにより形成することができる。形成方法に限定はないが、スパッタ法が好ましく用いられる。これにより、絶縁性基板1との密着性が良好なだけでなく、正確なパターニングが可能であり、量産性を高めることができる。
炭素膜3は、導電層2を被覆するように設けられてもよい。炭素膜3として、SP2結合とSP3結合が混在した炭素の被膜が用いられる。
SP2結合とSP3結合が混在した被膜であることにより炭素膜3は緻密な膜構造を有する。この緻密な膜構造とすることにより炭素膜3にクラックの発生を抑制することができる。そのため、溶液に長時間浸しても炭素膜3の内部に溶液の浸透がなく、電極面積の変化がほとんど起こらないと考えられる。
さらに、緻密な膜構造を有する炭素膜3で覆われることにより、溶液の浸透がないため、導電層2と溶液の接触を防ぐことが可能になる。これにより、導電層2の表面での溶媒の電気分解、および導電層2の溶解反応が起こらず、高い検出感度と安定性が得られる。
炭素膜3は、導電層2の側面も含めてすべての面を覆うように形成されていると導電層2が完全に保護されるが、導電層2の側面の面積は炭素膜3、および透水性炭素層4の表面積と比べて無視できるほど小さく、導電層2の側面において電気化学反応が起こったとしても流れる電流値は無視できるほど小さい。
そのため、導電層2は、上面が炭素膜3で被覆されていればよい。導電層2の側面が炭素膜3で被覆されない場合、パターニングされた炭素電極10を作製する際に、導電層2と炭素膜3を同時に加工することができる。
また、SP2結合を有することにより炭素膜3はπ電子を有する。そのため、π電子を有することにより、炭素膜3は導電性を示す。また、炭素膜3がπ電子を有すると、透水性炭素層4のπ電子とπ−π相互作用を形成することで、炭素膜3と透水性炭素層4の密着性が向上する。
これにより、溶液中で透水性炭素層4が剥離することが防がれ、安定性の高いセンサの構築が可能である。さらに、π−π相互作用が形成されると炭素膜3と透水性炭素層4の接触抵抗が下げられる。これらにより検出感度が高い炭素電極10の構成が可能である。
また、炭素膜3は、SP3結合を有することにより、耐薬品性、耐高電位性、および高い機械強度を有する。これにより、酸性溶液中、高電位の印加、および繰り返し測定等の過酷な条件下への耐性が高いため、炭素膜3が破損しても溶液が浸透することを抑制することができる。
炭素膜3は、アモルファス構造を有する炭素を含むことが好ましい。アモルファス構造を有する炭素を含むことにより、更に膜構造が緻密になるため炭素膜3への溶液の浸透が更に減少するとともに耐薬品性が向上する。このような特性を持つアモルファス構造を有する炭素として、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボンが挙げられる。
炭素膜がアモルファス構造を有することは、可視光レーザーを用いたラマン散乱分光測定によって確かめることができる。例えば、黒鉛では、1584cm−1付近に鋭いピークが1本観測されるのに対し、アモルファス構造を有する炭素膜は、1584cm−1付近にブロードなピークが観測されることが知られている。
さらに、炭素膜3は、炭素以外の元素を含んでいてもよい。炭素以外の元素を含むことで、炭素膜3の導電性が向上される。また、硬度や耐薬品性が向上する。これらの元素として、一般的にドーピングに用いられるあらゆる元素をはじめ、金属元素を用いることができる。例えば、Cr、Ti、Si、N、B、Ar、Au、Pt、Cu、Ag、Fe、S、P、およびHなどが挙げられる。
SP2結合とSP3結合の比率(SP2/SP3値)は、特に限定されないが、0.01以上、100.0以下が好ましく、更に好ましくは0.1以上、10.0以下である。その理由は、結合比率がこの範囲にあると、π電子が充分に多く、かつ緻密な膜構造が形成されるためである。
比率が低すぎるとπ電子が少ないため、導電性、および透水性炭素層4との密着性が不十分となる。一方、比率が高すぎると緻密な膜構造が得られず、耐水性、耐薬品性、耐高電位性、機械強度が不十分となる。
また、本実施形態において、炭素膜3の電子顕微鏡像から、SP2/SP3値が0.1以上、10.0以下において、炭素膜3は同じような構造をしていることが分かった。
また、炭素膜3の膜厚は、特に限定されないが、0.02μm以上、20μm以下であることが好ましい。その理由は、この範囲にあると炭素膜3の防水性および電気伝導性が充分に確保されるためである。膜厚が0.02μmより小さいと、炭素膜3にピンホールが増え、溶液の浸透が発生しやすくなる。一方、膜厚が20μmより大きいと、炭素膜3が高抵抗となり測定感度が低下する。
炭素膜3の製造方法としては特に限定されないが、膜厚や特性の制御がしやすいことから気相成長法が好ましく用いられる。例えば、マグネトロンスパッタ法、高周波(RF)スパッタ法、直流(DC)スパッタ法、対向ターゲットスパッタ法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)スパッタ法、イオンビームスパッタ(IBS)法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着法等、いわゆる物理気相成長法が利用できる。あるいは、プラズマ化学気相成長(CVD)法、熱CVD法、イオンビーム堆積(IBS)法等、いわゆる化学的気相成長(CVD)法が利用できる。
これらのうち、SP2結合とSP3結合の比率の制御が容易なことからスパッタ法が好ましく用いられる。スパッタ法において、結合比率はバイアス電圧の調節により制御される。
さらに、炭素膜3は、SP2結合とSP3結合の結合比が、絶縁性基板1から垂直方向に明確な膜の区別がなく段階的に変化していてもよい。膜の継ぎ目がなくなることより、異種材料間の界面への応力集中がおこらず炭素膜3の剥離を抑制できる。
好ましくは、炭素膜3のSP2/SP3値が、炭素膜3と透水性炭素層4の界面付近で最大となってもよい。これにより、透水性炭素層4と接する炭素膜3の界面付近はSP2/SP3値が高いことで透水性炭素層4との密着性を向上させることができる。さらに、界面付近以外の炭素膜3は、SP2/SP3値が低くてもよく、これにより溶液の浸透が防がれ導電層2に対する保護作用が向上することができる。
透水性炭素層4は、炭素層3を覆うように設けられている。透水性炭素層4は、ナノ構造を有する粉末状の炭素が固定化された層である。
透水性炭素層4を構成するナノ構造を有する粉末状の炭素としては、SP2結合を有するものが用いられる。SP2結合を有することで透水性炭素層4はπ電子を有する。π電子を有することで、ナノ構造を有する粉末状の炭素はπ−π相互作用によって互いに結合して層を形成できる。
さらに、透水性炭素層4は炭素膜3の炭素ともπ−π相互作用を形成すると考えられる。そのため、透水性炭素層4と炭素膜3の密着性が向上し、また、接触抵抗を少なくすることが可能となる。
透水性炭素層4は、ナノ構造を有する粉末状の炭素を分散した溶液を炭素膜3に塗布することによって形成することができる。塗布方法は特に限定されないが、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ディスペンス法、スクリーンプリント法、インクジェット法、等が利用できる。
このうち、均一性と再現性が高いことからスピンコート法が好ましく用いられる。スピンコートに用いられる溶液の濃度及び量については適宜検討によって決定することができる。また、溶媒としては、これらの炭素材料が分散するものであれば特に限定されることなく、水、緩衝液、有機溶媒、およびその混合物を用いることができる。
炭素材料を分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、超音波処理を用いることができる。塗布した後には、必要に応じて乾燥工程を加えることができる。この方法で形成された透水性炭素層4は、π結合やファンデルワールス力等の物理吸着によって層を形成し、炭素膜3と結合できる。
このようにして形成された透水性炭素層4は、ナノ構造を有する粉末状の炭素で構成されるため、表面に凹凸を形成すること、層内に空隙を形成することができる。これにより、電気化学測定を大きい比表面積でおこなうことができ、測定感度を向上させることができる。
透水性炭素層4は内部に溶液が浸透するが、前述のようにその下に存在する炭素膜3により溶液の浸透が抑制される。そのため、透水性炭素層4の内部に溶液が完全に浸透した後は電極面積が安定することができる。さらに、炭素膜3は、1V程度の高電位を印加しても電極表面から気体発生が生じにくいため、透水性炭素層4の剥離が生じにくい。また、炭素層3は、耐薬品性、耐高電位性が良いため、透水性炭素層に溶液が浸透しても電気化学測定中に炭素層3が損壊したり溶解したりすることはほとんどない。そのため、長時間の測定においても安定性が高い電極とすることが可能となる。
透水性炭素層4の材料としては、SP2結合を有するナノ構造を有する粉末状の炭素であれば特に限定されないが、例えば、黒鉛、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンファイバー、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、およびカーボンナノファイバー等が挙げられる。これらは、単一種類で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
これらのうち、カーボンナノチューブ、またはカーボンナノホーンが特に好ましく用いることができる。その理由として、針状構造を有するため炭素膜3との接触面積が大きくなりπ−π相互作用が多数形成されて高い密着力と低い接触抵抗が得られること、比表面積が大きいため高い電流密度が得られること、耐薬品性および耐高電位性が優れるため高い安定性の電極とできることが挙げられる。
尚、透水性炭素層4を形成する際は、必要に応じてπ−π相互作用の結合力を補ってもよい。例えば、ナノ構造を有する粉末状の炭素と炭素膜3のそれぞれの表面に官能基を修飾して架橋させたり、バインダーなどの固定化剤を添加したりして、固定力を増すことができる。
また、透水性炭素層4は親水化処理がされていてもよい。透水性炭素層4が親水化すると、溶液の浸透が早められて電極が安定した応答を示すまでに要する時間が短縮される。
親水性化処理の方法は特に限定されないが、例えば、透水性炭素層4に親水性物質を混合および塗布する方法や、プラズマ雰囲気に曝す方法を用いることができる。これらの処理は、炭素層3の上に透水性炭素層4を形成した後におこなってもよいし、透水性炭素層4の原料となるナノ構造を有する粉末状の炭素およびその分散液に対しておこなってもよい。
プラズマ雰囲気を作製するガスの成分としては、例えば、酸素、窒素、アルゴン等がある。また、親水性物質としては親水性を持つものであればいかなるものでも用いることができるが、アクリルアミド、エチレングリコール、エチレンオキサイド、エチレンイミン、リン脂質等の重合体がある。これらのうち、炭素の結晶構造への影響が少ないことから親水性材料を塗布する方法が特に好ましい。
また、透水性炭素層4への溶液の浸透時間は透水性炭素層4の密度を疎にすることによっても短縮できる。透水性炭素層4の密度は、透水性炭素層4を形成する際に炭素膜3に塗布する炭素材料の分散液の濃度や量によって調節することができる。
炭素膜3と透水性炭素層4が積層され両層間の接触面積が大きいため、透水性炭素層4の密度が疎であっても低抵抗な電極とすることが可能であるが、透水性炭素層4の密度が低下すると表面積が小さくなるため電流値が小さくなる。最適な密度は必要に応じて適宜調節して用いることができる。
上述のような構成を有する炭素電極10は、電気化学センサの作用極として機能する。実際に電気化学センサとして使用する際には、他に参照極11ならびに対極12が適宜用いられる。
(製造方法)
続いて、本実施の形態に係る炭素電極10の製造方法について説明する。図4は、本実施の形態に係る炭素電極10の製造方法のフローチャートを示している。炭素電極10の製造方法は、導電層2を形成する工程(ステップS10)、炭素膜3を形成する工程(ステップS20)、透水性炭素層4を形成する工程(ステップS30)、およびダイシングする工程(ステップS40)を備えている。各工程の方法について、以下に詳述する。
ステップS10、11;導電層を形成
まず、絶縁性基板1上に、スパッタ法によって導電層2を形成する(ステップS10)。なお、導電層2を形成する方法はスパッタ法に限定されず、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD、および、電解法等を用いてもよい。さらに、必要に応じて、導電層2は絶縁性基板1上にパターニングされる(ステップS11)。導電層2のパターニングは、エッチング法、リフトオフ法、サンドブラスト法等を利用することができる。
ステップS20、21;炭素膜を形成
続いて、導電層2が形成された絶縁性基板1の上に炭素膜3が形成される(ステップS20)。炭素膜3の成膜は、スパッタ法、イオンプレーティング法等の、いわゆる物理気相成長法、あるいは、プラズマ化学気相成長(CVD)法、熱CVD法、イオンビーム堆積(IBS)法など、いわゆる化学的気相成長(CVD)法が利用できる。気相成長法で形成されることにより、炭素膜3は、緻密な膜構造を形成し導電層2の表面を被覆する。さらに、必要に応じて、炭素膜3はパターニングされる(ステップS21)。パターニング方法は、炭素膜3の上にセラミックスやフォトレジスト等のマスクを形成して酸素プラズマ等によりエッチングする方法やメタルマスクを用いてサンドブラストで加工する方法等が利用できる。
ステップS30、31;透水性炭素層を形成
炭素層3の上に、スピンコート法によってナノ構造を有する粉末状の炭素の分散液が塗布され、溶媒が揮発することにより透水性炭素層4が形成される(ステップS30)。透水性炭素層4は、π−π相互作用によって炭素膜3と密着する。さらに、透水性炭素層4は、必要に応じてパターニングされる(ステップS31)。パターニング方法としては、マスクを用いた酸素プラズマによるエッチングや、リフトオフ法等が用いられる。なお、塗布方法は、スピンコート法に限定されず、スクリーンプリント法、およびインクジェット法等を用いてもよい。スクリーンプリント法、およびインクジェット法等、パターン上に塗布できる方法を用いると、ステップS30とステップS31が一度におこなわれ、工程を省略することができる。
ステップS40;ダイシング
パターニングされた形状に応じて基板がダイシングされ、複数の炭素電極10に切り分けられる。ダイシング方法としては、ダイシングブレード、スクライブ装置を用いる方法が挙げられる。
以上のステップS10〜40までの工程によって、炭素電極10が作製される。作製された炭素電極10は、電気化学センサの作用極として用いられる。すなわち、ワイヤーボンディングなどの方法により、外部の基板を介して電流測定装置(図示せず)等と電気的に接続される。参照極11や対極12などと組み合わせて電気化学センサ14として用いられる。
尚、炭素膜3が導電層2の上面にのみ設けられた構造とする場合は、ステップS11を省き、ステップS21の工程で炭素膜3と導電層2をパターニングしてもよい。これによりステップS11でマスクを形成する工程が省略され、製造が簡略化される。パターニング方法は、単一の加工方法、および2種類以上の加工方法を組み合わせて使用してもよい。
例えば、サンドブラストによって炭素膜3と導電層2を一度にパターニングすることや、酸素プラズマによるエッチングによって炭素膜3をパターニングした後に、サンドブラスト等によって炭素膜3のパターニングによって露出した導電層2をパターニングすることができる。パターニングは、使用される膜の加工特性に基づき、適切な方法を適宜用いてよいが、単一の加工方法で作製できるとさらに工程を簡略化することができ好ましい。
同様にして、ステップS11およびステップS21を省いてステップS31の透水性炭素層4をパターニングする工程で炭素膜3と導電層2をパターニングすることでマスクを形成する工程を省略することができる。透水性炭素層4と炭素膜3と導電層2とをステップS31でパターニングすると、マスクを形成する工程をさらに省略することができ製造が簡略化される。
また、ステップS11で導電層2をパターニングした後に炭素膜3および透水性炭素層4を形成し、ステップS31の工程で炭素膜3および透水性炭素層4をパターニングしてもよい。このようにすると、導電層2と炭素膜3のパターンを異なる形状とすることができる。そのため、導電層2の壁面が炭素膜3で完全に被覆された構造とすることができるため非常に安定性が高い電極とできる。
本実施の形態によれば、炭素膜3の下に導電層2が形成されることにより、直列抵抗を下げることができる。また、炭素膜3と透水性炭素層4が積層されることにより炭素膜3と透水性炭素層4の接触抵抗を減じることができる。そのため、抵抗が低い電極とすることができ、電気化学計測時の抵抗損が減じられることから、センサの検出感度を向上させることが可能である。
また、炭素膜3を覆うように透水性炭素層4が形成されることにより、比表面積を向上させることができる。比表面積が大きいと、電気化学測定を大面積でおこなうことができ測定感度が向上する。
また、透水性炭素層4は、密度が疎な層であるため測定溶液に触れると内部に溶液が速やかに浸透する。そのため、溶液に浸した電極が安定した応答を示すまでに要する時間を短くすることが可能となる。
さらに、炭素膜3で覆われることにより、導電層2は溶液の接触が防がれる。炭素膜3は、緻密な膜構造を有するため、クラックの発生がなく溶液の浸透がない構成とすることができる。これにより、溶液に長時間浸しても電極面積の変化を抑制できる。また、導電層2の表面での溶媒の電気分解、および導電層2の溶解反応が起こらず、高い検出感度と安定性が得られる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態に係る炭素電極の断面構成図である。本実施の形態の炭素電極は、第1の実施形態に係る炭素電極10に対して、第三炭素層が追加されている。尚、第1の実施の形態と同様の構成については、省略して説明する。
第2の実施の形態の炭素電極10は、第一炭素層が、第一炭素層と異なるSP2/SP3値を有する少なくとも1つの第三炭素層をさらに含むことを特徴としている。
また、第2の実施の形態の炭素電極10は、前記第一炭素層と前記第二炭素層が接し、前記第一炭素層の前記SP2/SP3値が、前記第三炭素層のSP2/SP3値より高くなってもよい。
ここで、第2の実施の形態は、第一炭素層として炭素膜3を用い、第二炭素層として透水性炭素層4を用い、第三炭素層として炭素膜30を用いた。
第2の実施の形態の炭素電極10は、上述の炭素膜3を使用してもよい。また、SP2/SP3値が異なる2以上の、炭素膜3および炭素膜30が積層されて構成されてもよい。
このうち、耐水性、耐薬品性、耐高電位性、耐久性と導電性を両立した炭素膜3および炭素膜30とできることから、SP2/SP3値が異なる2以上の、炭素膜3および炭素膜30が積層されて構成されることが特に好ましい。
炭素膜3および炭素膜30が積層される順序は特に限定されないが、炭素膜3が透水性炭素層4と接するとき、炭素膜3は、SP2/SP3値が高く、炭素膜30は、SP2/SP3値が低い層を少なくとも1層含むことが特に好ましい。
その理由としては、透水性炭素層4と接する炭素膜3はSP2/SP3値が高いことで透水性炭素層4との密着性が向上する。さらに、炭素膜30は、SP2/SP3値の低い層を少なくとも1層含むことで炭素膜30の溶液の浸透が防がれ導電層2に対する保護作用が向上するためである。
また、炭素膜3は、導電層2との密着性を向上させるために、導電層2の上面にCr、Ti、およびWから選択される少なくとも1種を含む中間層を設けた上に形成されてもよい。中間層はスパッタ法等によって形成することができる。
本実施形態において、導電層2と中間層の界面付近で、導電層2と中間層の組成が混合してもよい。さらに、中間層と炭素膜3の界面付近で、中間層と炭素膜3の組成が混合してもよい。
なお、中間層は、導電層2および炭素膜3と明確な界面を形成していなくても良く、基板表面から垂直方向に向かって導電層2/中間層/炭素膜3の各組成が段階的に変化する混合傾斜組成層を形成してもよい。
このように、混合傾斜組成層を形成すると異種材料間の界面への応力集中が起こらないため、絶縁性基板1との密着性が向上して安定な電極とすることが可能となる。混合傾斜組成層は、同一チャンバ内に導電層2、中間層、炭素膜3のそれぞれのターゲットを設置し、基板を回転させながらスパッタすることにより形成することができる。
炭素膜3および炭素膜30の成膜(ステップS20)は、SP2結合とSP3結合の比率の制御が容易なことからスパッタ法が好ましく用いられる。スパッタ法において、結合比率はバイアス電圧の調節により制御される。これにより、SP2/SP3値が異なる2以上の炭素膜3,30が積層された構成とすることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る修飾電極の断面構成図である。本実施の形態の修飾電極は、第1の実施形態に係る炭素電極10に対して、修飾物質9が追加されている。尚、第1の実施の形態と同様の構成については、省略して説明する。
第3の実施の形態の炭素電極10は、第1の実施形態の炭素電極10が、第二炭素層に担持した修飾物質9をさらに備えることを特徴としている。
また、第3の実施の形態は、第二炭素層として透水性炭素層4を用いた。さらに、第3の実施の形態の炭素電極10は、修飾電極として用いることができる。
図3に示すように、絶縁性基板1の上に、導電層2が形成され、その少なくとも上面が炭素膜3によって被覆されている。そして、炭素膜3の表面を覆うように透水性炭素層4が形成されている。修飾物質9は、透水性炭素層4の内部および外部に担持されている。
修飾物質9としては、特に限定されることなく、一般的に修飾電極に使用される物質が用いられる。修飾物質9としては、例えば、対象物質の酸化還元反応を促進する物質、対象物質と電極の間での電子の授受を仲介する物質、分子認識機能を有する物質、物質透過性を調節する物質等が用いられる。
さらに具体的には、修飾物質9としては、触媒、酵素、金属錯体、電子伝達メディエータ、抗体、核酸、受容体、タンパク質、脂質、高分子、細胞、微生物、および生体組織等がある。これらは単一の物質、および複数の物質が用いられる。これらの修飾物質9を透水性炭素層4の内部および外部に担持させることにより、直接電極反応しない物質の検出や、感度、応答特異性、安定性などを向上させた電気化学センサを構築することが可能となる。
修飾物質9は、溶媒に分散されたものを透水性炭素層4上に塗布することによって担持してもよい。溶媒の種類としては、緩衝液等の水溶液や、アルコール等の有機溶媒等、修飾物質9が活性を維持して分散されるものが適宜用いられる。
透水性炭素層4は、透水性を持つため、塗布された分散液は透水性炭素層4の内部に浸透し、修飾物質9が炭素層の内外に担持される。尚、溶媒には、修飾物質を強固に担持させるためにグルタルアルデヒド等の架橋剤や、ポリエチレングリコール、ビニルアルコールなどの高分子が添加されていてもよい。
修飾物質が炭素膜の内部に浸透すると、アンカー効果によって、修飾物質9は透水性炭素層4に密着し剥離が防止される。そのため、安定性が高い修飾電極とすることが可能となる。
さらに、透水性炭素層4の炭素は導電性が高いため、その炭素の末端含む全体で電極として機能する。よって、修飾物質9の作用により生じる電気化学反応性物質は、近傍の透水性炭素層4および炭素膜3によって速やかに電気信号に変換され、拡散による電極外への流出が少ない。修飾物質9の作用を効率的に検出することができるため、高感度な修飾電極とすることが可能である。
また、透水性炭素層4の比表面積は大きいため、透水性炭素層4には多量の修飾物質9を担持させることができる。これにより、修飾物質9の効果が顕著にあらわれ、検出感度、応答特異性が特に高められた修飾電極とすることが可能となる。
修飾物質9は、ダイシング(ステップS40)の前に、パターニングされた透水性炭素層4に担持される。修飾物質9の担持は、例えば、修飾物質9の分散液をスピンコートすることによりおこなってもよい。
本実施の形態によれば、透水性炭素層4の内部に修飾物質9が浸透して担持されることにより、検出感度、安定性が特に高められた修飾電極とすることが可能となる。また、透水性炭素層4に多量の修飾物質9が固定化され、検出感度、応答特異性が特に高められた修飾電極とすることが可能となる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態について図5、および図6を参照して説明する。
図6は、本実施の形態に係る電気化学センサ14の断面図を示している。電気化学センサ14は、絶縁性基板1と、作用極13と、参照極11と、対極12とを有している。
また、図5は、電気化学センサ14の上面図を示している。図6では、絶縁性基板1上に複数個の電気化学センサ14が形成されている構造を示している。尚、作用極13が微小電極である場合は、参照極11が対極12としての作用を兼ねることができるため、その際は、電気化学センサ14は、作用極13と参照極11とを有してよい。
作用極13は、導電層2と炭素膜3と透水性炭素層4を有している。絶縁性基板1上に形成された作用極13は、第1から第3の実施形態のいずれに記載の炭素電極10も用いることができるが、この炭素電極10に限定されない。
参照極11は、銀を主成分とする金属層が好ましく用いられる。そのうち、測定溶液中での酸化還元電位の安定性が高いことから、特に銀/塩化銀で形成されることが好ましい。
銀/塩化銀を形成する際には、基板との密着性を向上させるため、参照極11と絶縁性基板1との間にTiやCr等の層を挟んでもよい。また、銀/塩化銀は、絶縁性基板1の上に形成されたPtおよびAuなどの層による電気配線(図示せず)の表面を覆うように形成されてもよい。
銀/塩化銀は、例えば、スパッタ法によって銀を形成した後に、塩酸水溶液中でアノード分極することにより形成することができる。
対極12は、白金族元素が好ましく用いられる。対極12としては、特に耐薬品性に優れた白金が好ましい。尚、白金を形成する際には、基板との密着性を向上させるため、絶縁性基板1との間にTiやCr等の層を挟んでもよい。
参照極11および対極12は、リフトオフ法によって絶縁性基板1上に形成させることができる。参照極11および対極12は、導電層2を形成する工程(ステップS10)より前に形成してもよいし、後に形成してもよい。尚、対極12が導電層2と同じ材質である場合には、導電層2を形成する工程(ステップS10)と、対極12を形成する工程とを同時におこなうこともできる。
さらに、参照極11に用いる銀の形成方法は、スパッタ法に限定されず、例えばめっき法によって形成してもよい。めっき法を用いる場合、絶縁性基板1上にPtおよびAuなどによる電気配線を形成し、電解めっきによって電気配線の表面に銀を形成することができる。
銀の形成は、導電層2を形成する工程(ステップS10)より前に形成してもよいし、後に形成してもよい。なお、電気配線が対極12または導電層2と同じ材質の場合は、電気配線を形成する工程と対極12または導電層2を形成する工程(ステップS10)を同時におこなうこともできる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態について、図2を用いて説明する。尚、第1の実施の形態と同様の構成については、説明が省略されている。本実施の形態の炭素電極10は、第1の実施形態に係る炭素電極10に対して、結線部8が追加されている。
第5の実施の形態の電気化学センサは、測定部(図示せず)と導線5をさらに備え、上記測定部と上記炭素電極10は、上記導線5で電気的に接続し、上記導線5は、上記第一炭素層を貫通して上記導電層2と電気的に接触し、上記導線5の表面は、絶縁膜6で被覆され、上記絶縁膜6と上記第一炭素層の表面は、封止材7で被覆されることを特徴とする。
また、第5の実施の形態は、第一炭素層として炭素膜3を用いた。
図2に示すように、絶縁性基板1の上に、導電層2が形成され、その少なくとも上面が炭素膜3によって被覆されている。そして、炭素膜3の表面を覆うように透水性炭素層4が設けられている。結線部8は、炭素膜3を貫通して導電層2と接触する導線5と、導線5の表面を覆う絶縁膜6と、導線5が炭素膜3を貫通する箇所を覆う封止材7とで構成される。
導線5は、電気化学測定装置(図示せず)に接続される。導線5を導電層2に接触させることによって、低抵抗な電気配線が形成される。すると、抵抗損が低減されるので、電気化学測定を高感度におこなうことが可能となる。
さらに、導線5の表面は絶縁膜6で被覆され、炭素膜3に形成された導線5の貫通部は封止材7で被覆される。これによって導線5および、導線5と導電層2の接触部分を保護し、防水性の高い接続部とすることが可能となる。これにより、電極の安定性と耐久性を向上させることが可能となる。
導線5は、導電性を有するものが用いられる。導線5は、少なくとも一端が炭素膜3を貫通して導電層2と接触するように設けられることにより、導電層2と電気的に接続する。
さらに、導線5の別の末端は、電気化学測定装置に接続される。これにより、炭素膜3、および透水性炭素層4の電極電位を制御し、電気化学測定における作用極として機能させることが可能となる。
導線5の材質としては、金属が好ましく用いられる。その理由は、電気抵抗が低いことと、導電層2との接触抵抗が低いことである。金属の種類は特に限定されないが、例えば、Pt、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Cr、Ni、Zn、In、Pb、Nb、Sn、およびこれらを主成分とした合金を用いることができる。なお、導線5は、単一の材料および複数数種の材料から構成されてもよい。例えば、先端部分に硬度が高いステンレス鋼を用い、それ以外の部位に電気抵抗が低い銅を用いることで、作製の容易さと低抵抗を両立することができる。
導線5は、パンチャー等によって打ち込まれることによって、炭素膜3を貫通して導電層2と接触させることができる。炭素膜3は緻密な膜であるため、導線5の打ち込み時にもクラックの発生を防ぐことができる。そのため、導線5が貫通する箇所を除き、導電層2は炭素膜3によって溶液から保護される。
製造時に炭素膜3を貫通させやすいことから、導線5の端部の形状は、針状、刀身状などのテーパー状であることが好ましい。また、端部には先端の逆方向に向けて尖った、いわゆるかえし構造が形成されていてもよい。特に、かえし構造は導電層2に埋設している構成が好ましい。かえし構造があると導線5の脱落が防止され、電気接触の不良を低減することが可能となる。
尚、図2において、導線5は針状の形状をしているが、導線5の形状はこれに限定されない。例えば、導線5の端部の断面の形状は、特に限定されず、円、多角形、および曲線とすることができる。このうち、多角形および曲線としたものが特に好ましい。
その理由として、導電層2との接触面積を大きくすることができ、接触抵抗が減少することが挙げられる。接触抵抗が減少すると低抵抗な電極とすることができ、検出感度の高いセンサの構築が可能となる。
また、導線5の端部には複数の先端を設けても良く、例えば、針状の先端を複数設けた剣山状の端部、前記多角形の断面を複数有する端部、曲線の断面を複数有する端部、およびこれらの形状を混在させた端部とすることができる。導線5に複数の先端を設けることで、導電層2との接触面積を大きくし、低抵抗な電極とすることができる。
また、導線5をクリップ状の形状とすることができる。このクリップの内側に鋭利な凹凸を形成し、クリップで基板を挟み込むことにより、導線5が炭素膜3を貫通する。これにより、導線5と導電層2とを電気的に接触させてもよい。クリップにより導線5と導電層2が常に密着するため、電気接触の不良を低減することが可能となる。
また、結線部8を取り外せることから、基板を使い捨てにして結線部8を再利用することが可能となる。電極ごとに結線部8を製造する必要がなくなり、電極の製造を簡略化することが可能となる。
また、導電層2には、2本以上の導線5が接続されてもよい。同一の導電層2と電気的に接続された複数の導線5は、電気化学測定装置の同一の作用極接続部に接続することで単一の電極として作用することができる。複数の導線5を接続することで、導電層2との接触面積を大きくし、低抵抗な電極とすることができる。
尚、図2において、導線5の先端は導電層2に存在するが、導線5と導電層2が電気的に接続すれば導線5の先端の位置はこれに限定されない。例えば、絶縁性基板1にプラスチック等の耐クラック性の高い材料を用い、導線5の先端がプラスチックの中に差し込まれることで、導線5が基板に強固に固定し脱落を防止することが可能である。
炭素膜3に挿入された部位を除き、導線5は、絶縁膜6、および封止材7で完全に被覆される。尚、導電層2との電気的接触が妨げられない程度であれば、炭素膜3に挿入された部位の導線5の少なくとも一部が絶縁膜6および封止材7で被覆されていてもよい。
絶縁膜6は、不透水性の電気絶縁性皮膜が用いられ、導線5を被覆している。これにより、導線5は溶液と接触しないため、導線5の電位印加時の電気化学反応を抑制できる。
絶縁膜6の材質としては、導線5および封止材7と密着するものを用いることができる。絶縁膜6の材質としては、例えば、プラスチックス、シリコン樹脂、およびテフロン(登録商標)樹脂等がある。このうち、シリコン樹脂およびテフロン(登録商標)樹脂を用いると高い耐薬品性が得られ、封止材7と密着性が高いことからシリコン樹脂が特に好ましい。これらは、単一の種類、および複数種類を組み合わせて用いることができる。例えば、封止材7と接しない箇所をエナメル等のプラスチック素材で被覆し、封止材7と接する箇所をシリコン樹脂で被覆してもよい。
封止材7は、導線5が炭素膜3を貫通する箇所を完全に覆うように形成され、絶縁膜6および炭素膜3と密着するように設けられる。封止材7によって、導線5の貫通により炭素膜3に形成される溝に溶液が浸透せず、導電層2および導線5と溶液の接触を防止することが可能となる。これにより、電極の防水性が向上し、安定性の高いセンサの構築が可能となる。
封止材7は、電気絶縁性の弾性体が用いられる。封止材7の材料としては、電気絶縁性の弾性体であれば特に限定されないが、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコン樹脂等を用いることができる。このうち、シリコン樹脂は耐薬品性が高いため特に好ましい。
封止材7は、炭素膜3および絶縁膜6と接着して密着させることができる。接着した封止材7が強固に密着し、溶液の浸透が防がれるとともに導線5の脱落が防止される。これにより、安定な電極とすることが可能となる。このような構造は、絶縁膜6が形成された導線5が炭素膜3に打ち込まれた箇所に、軟化した封止材7または封止材7のプレポリマーを流し込み硬化させることにより形成することができる。
また、封止材7は、絶縁膜6とは接着して密着させ、炭素膜3とは物理的に押し付けて密着させてもよい。これにより、炭素膜3の表面エネルギーが小さく、封止材7を接着させることが困難な場合でも、溶液の浸透を防ぐことが可能となる。
このような構造は、絶縁膜6が形成された導線5に封止材7を接着し、この導線5を炭素膜3に打ち込むことによって形成することができる。また、先端が封止材7で被覆された導線5を用いると、炭素膜3に打ち込む際に先端部分の封止材7が剥離し、導線5が露出して導電層2と電気的に接続すると共に、封止材7と炭素膜3を密着させることが可能となる。
結線部8は、ダイシング(ステップS40)のあとに、炭素膜3の上に形成される。結線部8の形成は、例えば、導電層2と接触させる部位を除き絶縁膜6で被覆された導線5を炭素膜3に打ち込み、導線5が打ち込まれた箇所に、軟化した封止材7または封止材7のプレポリマーを流し込み硬化させることにより形成することができる。尚、封止材7と絶縁膜6に同じ材料が用いられる場合は、絶縁膜の形成と封止材の形成を同時に行うことができる。
本実施の形態によれば、導線5を導電層2に接触させることによって、低抵抗な電気配線が形成される。抵抗損が低減され、電気化学測定を高感度におこなうことができる電極とすることが可能となる。
さらに、導線5の接続部が絶縁膜6および封止材7で保護されることにより、防水性の高い接続部とすることが可能となる。これにより、安定性と耐久性を向上させた電極とすることが可能となる。
本実施の形態によれば、単一の絶縁性基板1上に、導電層を形成する工程(ステップS10)の後に、前記導電層をパターニング(ステップS11)して複数の導電層を形成して、複数の作用極13、参照極11、対極12を一度に形成し、第二炭素層として透水性炭素層を形成する工程(ステップS30)の後に、複数の炭素電極10に分割して、各電気化学センサ14単位でダイシングすることにより、複数の電気化学センサ14を得ることができ、量産性に優れた電気化学センサが得られる。
尚、上述の各実施の形態は、夫々独立したものではなく、必要に応じて複数の実施形態を組み合わせることもできる。
以下、実施例と比較例を用いて本発明を説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の炭素電極の製造方法について説明する。
はじめに、10mmx10mm(厚さ0.515mm)の石英基板を用意し、アセトンで洗浄した後、過酸化水素と硝酸を同量含む溶液で洗浄した。
続いて、石英基板に白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成した。リフトオフ法によって、白金層は、図5に示す作用極および対極のデザインにパターニングし、対極を得た。
続いて、イオンビームスパッタ法によって、SP2結合とSP3結合の結合比率をバイアス電圧の調節により制御してSP2/SP3値が0.01以上、100.0以下、厚さ1μmであるダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。
この炭素膜のSP2/SP3値は、エレクトロンエナジーロススペクトロメトリーから、2.5であることが分かった。エレクトロンエナジーロススペクトロメトリーによって、炭素のみからなる同素体において、284eV近傍の吸収ピークの形状解析を行うことにより、結合状態の違いが明瞭に示される。この差を比べることにより、炭素膜のSP2/SP3値を求めることができる。また、炭素膜の電子顕微鏡像から、SP2/SP3値が0.1以上、10.0以下において、炭素膜は同じような構造をしていることが分かった。
また、可視光レーザーを用いたラマン散乱分光測定によって、1584cm−1付近にブロードなピークが観測された。そのため、炭素膜は、アモルファス構造を有することが確認できた。
続いて、10mgのカーボンナノホーンを10mLのジクロロエタンに添加し、超音波洗浄器によって5分間分散させた。そして、カーボンナノホーンを含むジクロロエタン溶液500μLを分取して基板上に滴下し、2000rpm、30秒間の回転条件でスピンコートした。基板を100℃の窒素雰囲気下で10分間乾燥させた。
続いて、基板上にフォトレジストパターンを形成し、酸素プラズマを用いたエッチングによって、カーボンナノホーンの層および炭素膜を図5に示す作用極のデザインにパターニングし、作用極を得た。
続いて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、0.1M塩酸水溶液中で0.8mAの電流を10分間流して銀/塩化銀を形成した。そして、リフトオフ法によって図5の参照極のデザインにパターニングして参照極を得た。
続いて、各電極とフレキシブル基板とをワイヤーボンディングで電気的に接続し、作用極に流れる電流を測定できるように配線した。ここで、ワイヤーボンディングで結線した部分には防水処理を施した。
(比較例1)
比較例1として、従来のダイヤモンド膜を使用した電気化学センサを使用した。ダイヤモンド電極は、特許文献3に記載の方法に従って作製した。
(比較例2)
比較例2として、特許文献4に従ってグラッシーカーボンの上にカーボンナノチューブを塗布して作製した電気化学センサを用いた。電極は、市販のグラッシーカーボン(BAS社)に、0.2W/W%の含有量で懸濁したカーボンナノチューブを含む0.25W/W%のカルボキシメチルセルロース水溶液を8μL塗布し37%、1時間乾燥して作製した。
(比較例3)
比較例3として、SP3結合のみからなる炭素材料の上にCNTを塗布して電気化学センサを作製した。SP3結合のみからなる炭素材料として、ダイヤモンド膜を用いた。ダイヤモンド膜の製造は、特許文献3の方法に従い、それ以外は、実施例1と同じ方法を用いた。
実施例1および比較例1〜3の電気化学センサの特性を評価した。評価項目は、測定感度、安定性、電極面積、電気抵抗である。測定感度と安定性の評価は水溶液中での電気化学測定によっておこなった。測定溶液として、0.1MのKCl、0.4mMのフェロセンメタノールおよび0.4mMのアデニンを溶解したpH7のリン酸バッファを用いた。溶液中に電気化学センサを浸し、0.2〜1.8V vs. Ag/AgClの電位条件におけるサイクリックボルタンメトリー測定をおこなった。
測定感度は、フェロセンメタノールおよびアデニンの酸化電流値の大小を比較して、電流値が高いものほど良いとした。安定性は、サイクリックボルタンメトリーを50サイクル繰り返しておこない、波形の変形の多少を比較して、変形が少ないものほど良いとした。電極面積は、電極表面の電子顕微鏡像を比較して、見かけ上の比表面積が大きいものほど良いとした。電気抵抗は、作用極の表面と作用極からの引き出し配線の間での電気抵抗を二端子法で測定して、電気抵抗が低いものほど良いとした。
各センサの特性を、〇、△、×で相対的に示した(図8)。
実施例1のセンサは、測定感度、安定性、電極面積、電気抵抗ともに良好であった。一方で、比較例1〜3のセンサは、どれも何らかの特性に欠点があった。
比較例1のセンサは、電極面積は安定性と電気抵抗は良好であったが、測定感度と電極面積が劣った。特に、電極面積の評価において電極表面が平滑であるため比表面積が他の電極と比べて著しく小さかった。比較例2のセンサは、測定感度、電極面積、電気抵抗は良好であった。しかし、測定を繰り返すうちに電流値が徐々に変動し安定性が劣った。比較例3の電極は、電極面積は良好であった。しかし、電極抵抗が大きく電極感度も劣った。また、測定中にCNTの剥離が生じて電流値が安定しなかった。
以上のように、実施例1の電極は、測定感度、安定性、電極面積、電気抵抗ともに良好であり電気化学センサとして優れた特性を示すことが確認された。
(実施例2)
実施例2の電気化学センサの製造方法について説明する。
はじめに、10mmx10mm(厚さ0.515mm)の石英基板を用意し、アセトンで洗浄した後、過酸化水素と硝酸を同量含む溶液で洗浄した。
続いて、石英基板に白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成した。リフトオフ法によって、白金層は、図5に示す作用極および対極のデザインにパターニングし、対極を得た。
続いて、同様にイオンビームスパッタ法によって厚さ0.05μmであって、SP2/SP3値が1.1のダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。炭素膜のSP2/SP3値は、エレクトロンエナジーロススペクトロメトリーによって求めた。
また、可視光レーザーを用いたラマン散乱分光測定によって、1584cm−1付近にブロードなピークが観測された。そのため、炭素膜は、アモルファス構造を有することが確認できた。
続いて、10mgのカーボンナノホーンを10mLのジクロロエタンに添加し、超音波洗浄器によって5分間分散させた。そして、カーボンナノホーンを含むジクロロエタン溶液500μLを分取して基板上に滴下し、2000rpm、30秒間の回転条件でスピンコートした。100℃の窒素雰囲気下で、10分間乾燥させた。
続いて、基板上にフォトレジストパターンを形成し、酸素プラズマを用いたエッチングによって、カーボンナノホーンの層および炭素膜を図5に示す作用極のデザインにパターニングし、作用極を得た。
続いて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、0.1M塩酸水溶液中で0.8mAの電流を10分間流して銀/塩化銀を形成した。そして、リフトオフ法によって図5の参照極のデザインにパターニングして参照極を得た。
続いて、一端の挟みしろを平坦にし、もう一端の挟みしろに鋭利な凹凸を形成したワニ口クリップの持ち手側に銅線を半田付けした。銅線の接続部およびクリップの表面にシリコン樹脂のプレポリマーを塗布し、クリップを開いた状態で120℃のオーブンに3時間入れてシリコン樹脂を硬化した。空気中で冷却した後、鋭利な凹凸が形成された挟みしろが炭素膜と接するよう、作用極が形成された基板を挟んだ。参照極および対極はフレキシブル基板とワイヤーボンディングで電気的に接続し、作用極に流れる電流を測定できるように配線した。ここで、ワイヤーボンディングで結線した部分には防水処理を施した。
作製した電極の抵抗をテスターにより測定したところ、従来に比べ低抵抗な電極とできることが確認できた。また、水溶液中で測定をしたところ、ワニ口クリップと白金層の接触点への溶液の浸透がシリコン樹脂により防止され、従来に比べ安定性が高い電極とできることを確認した。
(実施例3)
実施例3の修飾電極を用いた電気化学センサの製造方法について説明する。
はじめに、10mmx10mm(厚さ0.515mm)の石英基板を用意し、アセトンで洗浄した後、過酸化水素と硝酸を同量含む溶液で洗浄した。
続いて、石英基板に白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成した。リフトオフ法によって、白金層を図5に示す作用極および対極のデザインにパターニングし、対極を得た。
続いて、同様にイオンビームスパッタ法によって厚さ2.5μmであって、SP2/SP3値が5.2のダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。炭素膜のSP2/SP3値は、エレクトロンエナジーロススペクトロメトリーによって求めた。
また、可視光レーザーを用いたラマン散乱分光測定によって、1584cm−1付近にブロードなピークが観測された。そのため、炭素膜は、アモルファス構造を有することが確認できた。
続いて、10mgのカーボンナノホーンを10mLのジクロロエタンに添加し、超音波洗浄器によって5分間分散させた。そして、カーボンナノホーンを含むジクロロエタン溶液500μLを分取して基板上に滴下し、2000rpm、30秒間の回転条件でスピンコートした。100℃の窒素雰囲気下で、10分間乾燥させた。
続いて、基板上にフォトレジストパターンを形成し、酸素プラズマを用いたエッチングによって、カーボンナノホーンの層および炭素膜を図5に示す作用極のデザインにパターニングし、作用極を得た。
続いて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、0.1M塩酸水溶液中で0.8mAの電流を10分間流して銀/塩化銀を形成した。そして、リフトオフ法によって図5の参照極のデザインにパターニングして参照極を得た。
続いて、100mg/100μL(純水)のグルコースオキシダーゼを含み、かつ、1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v%アルブミン溶液をスピンコートし、窒素雰囲気下の4℃で24時間乾燥させて酵素を固定化した。
続いて、各電極とフレキシブル基板とをワイヤーボンディングで電気的に接続し、作用極に流れる電流を測定できるように配線した。ここで、ワイヤーボンディングで結線した部分には防水処理を施した。これにより、実施例3の修飾電極を用いた電気化学センサが得られた。
作製した電気化学センサを、0.1MのKClを溶解したpH6.5のリン酸バッファ中に浸し、0.8 V vs. Ag/AgClの電位条件におけるアンペロメトリー測定をおこなった。グルコースオキシダーゼの基質であるグルコースを、溶液中に0.1mMとなるよう添加すると、酸化電流の増加が観測された。グルコース濃度をさらに高めると電流値が増加した。一方、グルコースオキシダーゼの基質でないフルクトースを0.1mMとなるよう添加しても電流値の増加はおこらなかった。実施例3の修飾電極が、酵素修飾電極として機能することが確認された。
(実施例4)
実施例4の、電気化学センサの製造方法について説明する。
はじめに、4インチの石英ウエハを用意し、アセトンで洗浄した後、過酸化水素と硝酸を同量含む溶液で洗浄した。
続いて、石英基板に白金のスパッタリングで300nmの白金層を形成した。リフトオフ法によって、白金層を図7に示す作用極および対極のデザインにパターニングし、48個の対極を得た。
続いて、同様にイオンビームスパッタ法によって厚さ1μmであって、SP2/SP3値が2.5のダイヤモンドライクカーボン膜を形成した。炭素膜のSP2/SP3値は、エレクトロンエナジーロススペクトロメトリーによって求めた。
また、可視光レーザーを用いたラマン散乱分光測定によって、1584cm−1付近にブロードなピークが観測された。そのため、炭素膜は、アモルファス構造を有することが確認できた。
続いて、10mgのカーボンナノホーンを10mLのジクロロエタンに添加し、超音波洗浄器によって5分間分散させた。そして、カーボンナノホーンを含むジクロロエタン溶液5mLを分取して基板上に滴下し、2000rpm、30秒間の回転条件でスピンコートした。100℃の窒素雰囲気下で、10分間乾燥させた。
続いて、基板上にフォトレジストパターンを形成し、酸素プラズマを用いたエッチングによって、カーボンナノホーンの層および炭素膜を図7に示す作用極のデザインにパターニングし、48個の作用極を得た。
続いて、銀のスパッタリングで300nmの銀層を形成し、0.1M塩酸水溶液中で0.8mAの電流を10分間流して銀/塩化銀を形成した。そして、リフトオフ法によって図7の参照極のデザインにパターニングして48個の参照極を得た。
尚、48個の作用極、対極、および参照極は、1個ずつ組を形成するよう配置されている。すなわち、基板上に図5に示す電極の組が6行x8列に配置されている。
続いて、ダイシング装置で48組を切り分けた後、各組をワイヤーボンディングでフレキシブル基板と電気的に接続した。ワイヤーボンディングで結線した部分には防水処理を施した。これにより、48個の電気化学センサが得られた。
各電極の、フェロセンメタノールに対する応答特性を評価したところ、電極間の電流値のばらつきはある程度の範囲内におさえられ、高感度に電気化学測定をおこなえることが確かめられた。すなわち、単一の石英ウエハ上に複数の電気化学センサを形成させても解く清浄に問題のないことが確認された。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
この出願は、2008年7月9日に出願された日本特許出願特願2008−178870を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (23)

  1. 絶縁性基板と、
    前記絶縁性基板の上に設けられた導電層と、
    前記導電層の上に設けられた第一炭素層と、
    前記第一炭素層を覆うように設けられた第二炭素層と、
    を備え、
    前記第一炭素層は、SP2結合とSP3結合を有し、アモルファス構造を有する炭素を含み、
    前記第二炭素層は、SP2結合を有する炭素を含む炭素電極。
  2. 前記第一炭素層は、SP2結合とSP3結合の比率(SP2/SP3値)が0.01以上、100.0以下である請求項1に記載の炭素電極。
  3. 前記SP2/SP3値が0.1以上、10.0以下である請求項2に記載の炭素電極。
  4. 前記第一炭素層は、ダイヤモンドライクカーボンまたはアモルファスカーボンを含む請求項1から3のいずれかに記載の炭素電極。
  5. 前記第二炭素層は、ナノ構造を有する粉末状の炭素を含む請求項1から4のいずれかに記載の炭素電極。
  6. 前記ナノ構造を有する粉末状の炭素は、黒鉛、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンファイバー、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、およびカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種を含む請求項5に記載の炭素電極。
  7. 前記ナノ構造を有する粉末状の炭素は、カーボンナノチューブまたはカーボンナノホーンを含む請求項6に記載の炭素電極。
  8. 前記第一炭素層のSP2/SP3値が、前記第一炭素層と前記第二炭素層の界面付近で最大となることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の炭素電極。
  9. 前記第一炭素層が、前記第一炭素層と異なるSP2/SP3値を有する少なくとも1つの第三炭素層をさらに含む請求項1から8のいずれかに記載の炭素電極。
  10. 前記第一炭素層と前記第二炭素層が接し、前記第一炭素層の前記SP2/SP3値が、前記第三炭素層のSP2/SP3値より高くなることを特徴とする請求項9に記載の炭素電極。
  11. 前記導電層と前記第一炭素層の間に、Cr、Ti、およびWから選択される少なくとも1種を含む中間層をさらに備える請求項1から10のいずれかに記載の炭素電極。
  12. 前記導電層と前記中間層の界面付近で、前記導電層と前記中間層の組成が混合していることを特徴とする請求項11に記載の炭素電極。
  13. 前記中間層と前記第一炭素層の界面付近で、前記中間層と前記第一炭素層の組成が混合していることを特徴とする請求項11または12のいずれかに記載の炭素電極。
  14. 前記第二炭素層が修飾物質を担持している、請求項1から13のいずれかに記載の炭素電極。
  15. 前記修飾物質は、触媒、酵素、金属錯体、電子伝達メディエータ、抗体、核酸、受容体、タンパク質、脂質、高分子、細胞、微生物、および生体組織から選択される少なくとも1種を含む請求項14に記載の炭素電極。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の炭素電極と、
    参照極と、
    を備える電気化学センサ。
  17. 対極をさらに備える請求項16に記載の電気化学センサ。
  18. 前記電気化学センサは、測定部と導線をさらに備え、
    前記測定部と前記炭素電極は、前記導線で電気的に接続し、
    前記導線は、前記第一炭素層を貫通して前記導電層と電気的に接触し、
    前記導線の表面は、絶縁膜で被覆され、
    前記絶縁膜と前記第一炭素層の表面は、封止材で被覆されることを特徴とする請求項16または17記載の電気化学センサ。
  19. 前記導線の先端が、テーパー状である請求項18に記載の電気化学センサ。
  20. 前記導線は、端部の少なくとも一部にかえし構造を備え、
    前記かえし構造は前記導電層に埋設している請求項18または19のいずれかに記載の電気化学センサ。
  21. 前記導線の先端が、前記第一炭素層および前記導電層を貫通し、前記絶縁性基板に差し込まれている請求項18から20のいずれかに記載の電気化学センサ。
  22. 絶縁性基板上に、導電層を形成する工程と、
    前記導電層の上面に第一炭素層を形成する工程と、
    前記第一炭素層を覆うように第二炭素層を形成する工程と、
    を含む請求項1から15のいずれかに記載の炭素電極の製造方法。
  23. 前記導電層を形成する工程の後に、前記導電層をパターニングして複数の導電層を形成する工程と、
    前記第二炭素層を形成する工程の後に、複数の炭素電極に分割する工程をさらに含む請求項22に記載の炭素電極の製造方法。
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