JPWO2009133887A1 - レンズ設計基準の選択方法 - Google Patents

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Abstract

累進屈折力レンズの遠方視領域と近方視領域とのバランス及び累進帯長を、ユーザーの生活状況、眼鏡歴、使用状況以外の要素を加味して選択する。遠方視と近方視の領域区分が異なる複数の基本設計分布群と、複数の累進帯長とからなる設計バリエーションを用意する。処方情報、生活環境情報と、フレーム形状情報等に由来するパラメータを入力し、これに基づき一種類の基本設計分布群と累進帯長とを選択し、これによりレンズ設計基準を求める。パラメータとして左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離を設定要素に含ませる。

Description

本発明は、累進屈折力レンズ対の基本設計分布と累進帯長とを選定してレンズ設計基準を求めるレンズ設計基準の選択方法に関する。
現在、多くの眼鏡レンズメーカーから多くの種類の累進屈折力レンズが設計され販売されている。それらの中でも最も需要が大きく販売数量が多く普及しているのは、バランスタイプ設計と言われるタイプの累進屈折力レンズである。このバランスタイプの累進屈折力レンズの設計は、広い遠方視野を持ち、一般的な使用に対して充分なだけの中間から近方視野を持つものである。多くのメーカーから販売されているバランスタイプの設計のほとんどは、どのようなユーザーにも掛けやすいように、また、どのような場面でも使用が可能なように意図されて設計されている。
しかし、このバランスタイプの設計の累進屈折力レンズであっても、出来上がりの眼鏡の見え方が不満となる場合が少なくない。バランスタイプの設計の累進屈折力レンズに対する不満の内容は、先ず、遠方視や近方視の際のクリアに見える視野領域の広さに対する不満が挙げられる。
一方、累進屈折力レンズの遠方視領域から近方視領域にかけて累進的に屈折力が変化することにより、レンズの中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけが発生する。このゆがみやぼやけにより、視線が動いたときの像の揺れが大きいと、これにより引き起こされる不自然な見え方に対する不満も生じる。累進屈折力レンズを使用する際の不満としては、上述の二つが主な不満といえる。
これら二つの不満は互いに対極的な存在であって、両者を同時に解決することはできない。例えば、遠方視や近方視の際のクリアにみえる視野領域の広さをさらに広げるように設計すると、側方部分の像のゆがみやぼやけと視線が動いたときの像の揺れも増加するという関係にある。したがって、同時に両者を改善することはできない。また、ユーザーが特に不満を訴えていない場合でも、十分に満足しているとは限らない。
そこで、読書やデスクワーク、パソコン作業、ゴルフやテニスなどのスポーツといった特別の用途に絞って専用に設計された累進屈折力レンズも設計され販売されているが、これらは、設計された用途以外に使用した場合には、欠点を持っている。例えば、読書やデスクワークに絞って設計される累進屈折力レンズでは、近方視領域をより広く確保するように設計される。このため、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけが増加し、また視線が動いたときの像の揺れが増加する。また遠方視野領域のクリアに見える領域が狭くなるため、室内で読書やデスクワークに使用しているときには快適に使用できるものの、このレンズの眼鏡で屋外に出ると不都合が生じる。すなわち、遠方視野領域が狭いので遠方を広く見渡しにくい。また、上述したように中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけと視線が動いたときの像の揺れが強いので、特にユーザーが動いたときに、像のゆがみやぼけ、揺れが強くなってしまうことが欠点となる。
また、ゴルフやテニスなどの屋外のスポーツに絞って設計される累進屈折力レンズでは、遠方視領域をより広く確保し、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけと視線が動いたときの像の揺れを減少するように設計される。このため、中間視野領域から近方視野領域かけてのクリアに見える領域が狭く抑えられ、屋外でスポーツをしているときには快適に使用できるものとなる。一方で、このレンズの眼鏡で読書をしたり新聞を読んだりデスクワークをする際には、近方視領域が狭いことが欠点となる。
このように、特別の用途に絞って設計された専用設計の累進屈折力レンズは、広い用途に使用することが難しいものであり、したがって掛け替えて使用する眼鏡のための累進屈折力レンズということになる。
一方、上述したバランスタイプの設計の累進屈折力レンズは、読書やデスクワーク、パソコン作業、ゴルフやテニスなどのスポーツといった特別の用途に絞って専用に設計された累進屈折力レンズとは異なり、個々の用途における性能には限界があり、専用設計の累進屈折力レンズには及ばない。しかしながらこのバランスタイプのレンズは、広い用途に対してある程度快適に使用可能である累進屈折力レンズであり、最も需要が多く販売数量も多い。このため、このバランスタイプの累進屈折力レンズについて、個々のユーザーが感じる不満をできるだけ軽減し、これまで以上に満足なものにすることがレンズメーカーの課題となっている。
このような課題に対し、複数の設計が用意された累進屈折力レンズの中から、個々のユーザーに最適な設計の累進屈折力レンズを提供するための技術が公開されている(特許文献1参照)。
この技術は、ユーザーの年齢、装用環境等として職業や趣味に対する適性度を予め評価データとして定めてある複数の累進屈折力レンズのタイプの中から、個人個人のユーザーの年齢と装用環境等の情報を基にして、個々のユーザーに最も適したレンズを選択するものである。ここで、ユーザーの装用環境等は、職業や趣味において屋外での使用が多いのか、屋内での使用が多いのか、どちらでもないのかといったものであり、また、累進屈折力レンズの使用経験があるのかどうかといった情報である。
また、同様に、複数の設計の累進屈折力レンズから、個々のユーザーに最適な設計の累進屈折力レンズを提供するための技術が公開されている(特許文献2参照)。
この技術は、個々のユーザー毎の詳細な個人情報を取得して、これを基にして個々のユーザーに対して最適にカスタマイズされた累進屈折力レンズを設計し提供するというものである。この技術では、累進屈折力レンズの設計の基礎となる遠用部と近用部の明視域を定める基礎パラメータが数十以上と数多く用意される(図5参照)。そしてその中から一つの基礎パラメータを決定する手段として、ユーザーの職業に基づいた第1の基礎パラメータを選択して、さらに、ユーザーの趣味の情報に基づいた第2の基礎パラメータを選択し、個々のユーザーに適した累進屈折力レンズの基礎パラメータを選択するようにしている。
特開平3−206417号公報 特表WO98/16862号公報
上記特許文献2に開示された技術で選択が可能な基礎パラメータの種類は、中間重視タイプ、遠用・中間重視タイプ、遠用重視タイプ、中間・近用重視タイプ、遠用・中間・近用バランスタイプ、近用重視タイプ、遠用・近用重視タイプなどであり、それぞれの重視程度と累進帯長とが組み合わされた数十種類の設計タイプが用意されている。そして上記特許文献2中図6に記載されているように、ユーザーの多様な生活状況に対しそれぞれ適した基礎パラメータが選択されている。
すなわちこの技術では、累進屈折力レンズの設計の基礎となる遠用部と近用部の明視域を定める基礎パラメータを選択する上で考慮される情報は、ユーザーの職業と趣味の情報及びユーザーの使用していた眼鏡歴の情報に限定されている。
一方、一つのバランスタイプの設計の累進屈折力レンズでも、ユーザーによっては満足する場合と、不満な場合とがあり、不満な場合でも、眼鏡のフィッティングの状態を調整するだけで不満が解消して満足となる場合が多い。またその不満の内容は、ユーザーの遠用度数が+なのか−なのか、その強弱、加入度数が以前の眼鏡からどれだけ増減しているのか、左右のレンズの度数差の大きさなどによっても変化することがわかってきた。また、眼鏡店とユーザーとのコミュニケーションによって得られた眼鏡店側の専門家としての見解によって、ユーザーに適した累進屈折力レンズの基本設計を変化させる必要が生じることもある。
そのため、一つ一つの設計タイプの累進屈折力レンズの基本設計分布の選択方法を考えたときに、ユーザーが主にどのような環境で、どのような用途に眼鏡を使用しているのかという職業や趣味あるいは重要視する生活シーンなどの情報の他にも、合わせて考慮されるべき情報が多数あると考えられる。
また、眼鏡店では、バランスタイプの設計の累進屈折力レンズの販売経験は多く積んでいるが、ユーザーの多様な生活情報に基づいて特別な用途に絞って設計された基本設計分布の累進屈折力レンズは一般的ではなく、販売した経験も少ないのが現状である。したがって、このような特別な用途に絞って設計された累進屈折力レンズを販売する場合には、完成した眼鏡をユーザーに引き渡した後に、これまでにない不満が生じる恐れがあり、眼鏡店側に強いリスクが発生してしまう。
以上の問題に鑑みて、本発明は、ユーザーの職業や趣味などの生活状況、眼鏡歴だけでなく、眼鏡の使用状況、遠用度数の少なくともいずれかを考慮することによって、遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と累進帯長とから、より適切なレンズ設計基準を選択することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と、累進帯長と、から選択されるレンズ設計基準の選択方法であって、以下の工程を有する。すなわち、
(1)遠方視領域と近方視領域の領域区分が異なる複数の基本設計分布群と、異なる複数の累進帯長と、からなる設計バリエーションを用意する工程
(2)少なくとも、前記累進屈折力レンズ対を使用する使用者の処方情報と、前記使用者の生活環境情報と、前記累進屈折力レンズ対を保持するフレーム形状情報と、に由来するパラメータを入力するパラメータ設定工程。
(3)前記入力されたパラメータに基づいて前記複数の基本設計分布群から一種類の基本設計分布群を選択する工程
(4)前記入力されたパラメータに基づいて一つの累進帯長を選択する工程
(5)前記設計バリエーションから選択された前記基本設計分布群及び前記累進帯長から、一つのレンズ設計基準を選択する工程
が含まれている。そして、前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報と前記フレーム形状情報に基づいて算出される前記使用者の眼鏡装用時における左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離を、前記パラメータの設定要素に含むものとする。
人の目は、近方を見るときと遠方を見るときで眼球を回旋させている。この回旋により、遠方を見るときの視線と近方を見るときの視線に角度が生じる。近方視領域は、近方を見るときの人の視線とレンズの交点付近であり、遠方視領域は、遠方を見るときの人の視線とレンズの交点付近である。レンズと各視線の交点が各領域と整合されていないと、使用者の視感にゆがみやぼやけを生じさせる。しかしながら、人の身体的特徴やフレーム形状により、累進屈折力レンズの裏面頂点と使用者の角膜頂点の距離に差異が生じる。この距離が短いほど、使用者が必要とする近方視領域と遠方視領域は近接し、この距離が長いほど両領域は離間する。本発明は、累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離をパラメータ設定要素に組み込むことで、使用者にゆがみやぼけの印象を与えにくいレンズを提供することができる。
また、他の本発明は、同様に、累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と、累進帯長と、から選択されるレンズ設計基準の選択方法であって、上記(1)〜(5)の工程が含まれている。そして、前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報による遠用度数を、前記パラメータの設定要素に含むものとする。
本明細書において「遠用度数」とは、人が遠方を見たときの総合的な屈折力の状態を示すものであり、少なくとも遠用球面屈折力と円柱屈折力(いわゆる乱視度数)の要素が含まれる。
人が遠方を見た場合、焦点が網膜よりも角膜側(手前側)にある場合には遠用度数は負(−)の度数になり、焦点が角膜よりも後ろ側にある場合には、遠用度数は正(+)の度数になる。焦点の位置を一つの基準としているため、近方を見るときの視線と遠方を見るときの視線が形成する角度は異なる。その角度は、遠用度数が負なほど小さくなり、正なほど大きくなる。それに伴い、近用視領域と遠用視領域は、遠用度数が負なほど近接し、正なほど離間する。本構成の選択方法によれば、遠用度数がパラメータの設定要素に組み込まれるため、使用者に、より視界の明瞭さの優れた累進屈折力レンズを提供することができる。
上述したように、本発明は、累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と、累進帯長と、から選択されるレンズ設計基準の選択方法である。そして上記(1)に示すように、遠方視領域と近方視領域の領域区分が異なる複数の基本設計分布群と、異なる複数の累進帯長と、からなる設計バリエーションを用意する工程を含む。ここで基本設計分布群とは、遠方視領域と近方視領域とのバランスをタイプ別にして例示するものであり、その具体的な収差分布は使用者の処方度数、乱視がある場合は円柱屈折力やその軸方向等によって変化する。したがって、一種類の収差分布として特定されるものではないことから、「基本設計分布群」とする。そして本発明においては、この基本設計分布群と、複数の累進帯長とから成る複数の設計バリエーションが予め用意される。
本発明においては更に、上記(2)に示すように、少なくとも使用者の処方情報や生活環境情報、フレーム形状情報などに由来するパラメータを設定する。このパラメータとして、本発明においては特に、使用者の処方情報とフレーム形状情報に基づいて算出される使用者の眼鏡装用時における左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離(頂間距離)をパラメータの設定要素に含むものとするか、或いは、使用者の処方情報による遠用度数をパラメータの設定要素に含むものである。
本発明の選択方法には、使用者の生活環境情報に由来するパラメータが含まれている。生活環境情報とは、使用者の日常生活で「どのような距離にあるものをよく見るか」の判断基準になるものである。例えば、使用者の仕事のスタイルがデスクワークであり、趣味を読書とする人の場合、近方の視界をより明瞭にする設計分布群を選択することが好ましい。また、使用者の仕事のスタイルがドライバーであり、趣味がアウトドアであるならば、遠方の視界をより明瞭にする設計分布群を選択することが好ましい。本選択方法によれば、使用者の生活環境情報がパラメータの設定要素に組み込まれるため、使用者のライフスタイルにおいてより明瞭な視界が得られる累進屈折力レンズを提供することができる。
また、本発明の選択方法には、フレーム形状情報に由来するパラメータが含まれている。累進屈折力レンズは、近用視領域と遠用視領域の二つの領域が形成されている。累進屈折力レンズは、その二つの領域がそれぞれフレーム内の適切な位置に収められることにより、その効果が発揮される。したがって、フレームにその二つの領域が適切に収まるようにレンズが光学設計されていなければ、使用者に明瞭な視界を感じさせることができない。しかしながら、眼鏡のフレームには、多種多様な形状のデザインがある。そして使用者は、自身の鼻の高さなどの身体的特徴、個人的な好み、及び、その時々の流行を考慮してフレームを選択する。眼鏡フレームのデザインは、使用者の美観や趣向が加わるものであり、使用者の眼鏡に対する満足感に影響する要素である。
本選択方法は、使用者が選択したフレーム形状情報のパラメータが含まれた条件に基づいて、累進屈折力レンズの設計条件を設定することができる。本発明によれば、使用者は、近用視および遠用視のいずれにも視力矯正能力が付与された眼鏡を、フレーム形状の制約を実質的に受けることなく、得ることができる。
そして本発明では、これらのパラメータに基づいて、上記(3)及び(4)の工程において、一種類の基本設計分布群と、一つの累進帯長とを選択し、(5)の工程において、選択した基本設計分布群及び累進帯長から一つのレンズ設計基準を選択する。
このように、本発明においては、累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布と累進帯長とから選択されるレンズ設計基準を選択するにあたって、予め複数の基本設計分布群と複数の累進帯長とから成る複数の設計バリエーションを用意する。そして、その中から一つの設計バリエーションを選択する際のパラメータとして、使用者の眼鏡装用時における頂間距離或いは遠用度数をパラメータの設定要素に含むものとする。
なお、本発明においては、単純に使用者の職業や生活環境、眼鏡歴等の情報から特定の遠方視の明視域の幅や累進帯長を決定して、具体的な収差分布を特定しまうのではなく、複数の設計バリエーションを用意し、その中から最適の設計バリエーションを選択する指標として、生活環境や職業等の情報に加えて、眼鏡装用状態における頂間距離、或いは遠用度数をもパラメータに含むものとする。そしてこの選択した設計バリエーションに基づいて、改めて処方度数等により使用者に合わせて最終的な光学設計がなされるものである。
このように、頂間距離や遠用度数といった装用状態、処方に由来する情報をも設計バリエーションからレンズ設計基準を選択するための指標とすることによって、使用者にとってより総合的にバランスのとれた遠方視領域及び近方視領域の分布をもつ累進屈折力レンズを提供することが可能となる。
本発明によれば、眼鏡の使用状況、遠用度数の少なくともいずれかを考慮して基本設計分布及び累進帯長から選択することによって、遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と累進帯長とから、より適切なレンズ設計基準を選択することが可能となる。
図1は本発明の実施の形態に係るレンズ設計基準の選択方法における基本設計分布群及び累進帯長に対応する設計基準例の傾向を示す図である。 図2は本発明の実施の形態に係るレンズ設計基準の選択方法におけるパラメータの入力工程のフローチャートの一例を示す図である。 図3はフレーム形状に由来するパラメータを説明する図である。 図4はフレーム形状に由来するパラメータを説明する図である。 図5はフレーム形状に由来するパラメータを説明する図である。 図6は本発明の実施の形態に係るレンズ設計基準の選択方法における基本設計選択ポイント選定工程のフローチャートの一例を示す図である。 図7は本発明の実施の形態に係るレンズ設計基準の選択方法における累進帯長選定工程のフローチャートの一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本例に係るレンズ設計基準の選択方法を以下の順序で説明する。
[1]設計バリエーションの設定工程
[2]基本設計分布群及び累進帯長のパラメータ設定工程
[3]基本設計分布群の選定工程
[4]累進帯長の選定工程
[5]レンズ設計基準の選択工程
なお、本明細書において、使用者とは、設計する累進屈折力レンズを使用するユーザーであり、設計する累進屈折力レンズを視力の矯正に使用する医療器具として、眼科等においてその処方度数が提示される患者を含むものである。
また処方情報とは、使用者(患者を含む)の視力の他、使用者の身体的特徴、例えば、瞳孔間の距離等が含まれている。
更に、フレーム情報とは、フレームの形状の他、フレームの横方向に関するそり角、眼に対する上下方向の傾斜角(前傾角)などが含まれている。
[1]設計バリエーションの設定工程
本例においては、屋内用や屋外用等の特定用途ではなく、一般的な用途のために設計されたいわゆるバランスタイプの累進屈折力レンズを提供するためのレンズ設計基準の選択方法を示す。このようなバランスタイプの累進屈折力レンズの設計バリエーションとして、図1の(a)〜(i)に示すように、3種類の累進帯長と、それぞれの累進帯長に対してわずかに遠方視領域と近方視領域とのバランスが異なる3種類の基本設計分布群を用意する。
1つめの基本設計分布群は、このレンズの設計の中心的な存在である標準タイプの基本設計分布群であり、バランスタイプの中でも特に標準となる基本設計分布群である。この基本設計分布群の各累進帯長に対応する基本設計分布例を図1中の(b)、(e)及び(h)に示す。なお、以下の各基本設計分布例において、左側は非点収差、右側は平均度数の分布を示す。
2つめの基本設計分布群は、累進屈折力レンズの遠方視領域に対して、収差による歪が少なくクリアに見える範囲が特に広い必要のない条件を備えたユーザーのために、遠方視領域のクリアに見える領域を標準の基本設計分布群よりもわずかに狭めるタイプである。この場合の各累進帯長に対応する基本設計分布例を図1中の(a)、(d)及び(g)に示す。このような設計分布とすることによって、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけと、視線が動いたときの像の揺れなどを減少させることができる。つまり、中間視から近方視領域をわずかに広くしたややソフトタイプの基本設計分布群となる。
3つめの基本設計分布群は、遠方視領域の周辺部のわずかな像のぼやけが気になりやすい条件を備えたユーザーのために、中間視領域から近方視領域の歪が少なくクリアに見える領域をわずかに狭めるタイプである。この場合の各累進帯長に対応する基本設計分布例を図1中の(c)、(f)及び(i)に示す。このような設計分布とすることで、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の像のゆがみやぼやけと、視線が動いたときの像の揺れなどはわずかに増加するが、遠方視領域のクリアに見える領域がやや広くなる。つまり、遠方視のクリアに見える領域を標準タイプよりも広く確保した、ややクリアタイプの基本設計分布群となる。
なお、上述したように、基本設計分布群とは、一つの確定された収差分布及び平均度数分布ではなく、使用者の処方度数、すなわち遠用球面屈折力や円柱屈折力、乱視の軸方向等によって、実際の収差分布は適宜変更される。つまり、図1中の(a)〜(i)として示す基本設計分布群のそれぞれを元に、使用者各個の処方度数に基づいて一つの収差分布及び平均度数分布が設計される。したがって、本明細書内においては図1の(a)〜(i)に例示する収差分布及び平均度数分布それぞれを「基本設計分布群」と記す。
図1の(a)〜(i)に示すそれぞれの基本設計分布群の基本収差分布及び基本平均度数分布からわかるように、それぞれの累進帯長に対して用意されている基本設計分布群の違いは、標準タイプを中心にしてごくわずかの違いである。これらの基本設計分布群の違いは、どのタイプの設計を選択したとしても、概ねバランスタイプの設計と考えてよいため、眼鏡店側でリスクを感じる必要が殆どなくなる。
次に、これらの3種類の累進帯長と3種類の基本設計分布からなる9種類の基本設計分布のバリエーションの中から、累進屈折力レンズを購入する個人に最も適した一つの設計基準を選択する方法について説明する。
[2]基本設計分布群及び累進帯長のパラメータ設定工程
図2は、パラメータの入力工程のフローチャートの一例である。図2に示すフローチャートに基づいて、基本設計分布群及び累進帯長のパラメータの入力工程について説明する。
先ず、左右の遠用球面屈折力SPH、円柱屈折力CYL、乱視の軸方向AX及び加入度数ADDを入力する(ステップS1)。
このステップS1では、処方情報として視力に関する情報を表1に示すように入力する。すなわち、右レンズの遠用球面屈折力SPHR、円柱屈折力CYLR、乱視の軸方向AXR、加入度数ADDRと、左レンズの遠用球面屈折力SPHL、円柱屈折力CYLL、乱視の軸方向AXL及び加入度数ADDLを入力する。
なお、このときにユーザーの前回使用の眼鏡レンズの処方情報がわかる場合には、その旧眼鏡の左右の遠用球面屈折力SPHp、円柱屈折力CYLp、乱視の軸方向AXp及び加入度数ADDpを入力する(ステップS1)。右レンズの遠用球面屈折力SPHpR、円柱屈折力CYLpR、乱視の軸方向AXpR、加入度数ADDpRと、左レンズの遠用球面屈折力SPHpL、円柱屈折力CYLpL、乱視の軸方向AXpL及び加入度数ADDpLを入力する。
次に、ユーザーの前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズである場合、その加入度数と今回の加入度数との差ΔADDを入力する(ステップS2)。
このステップS2では、ユーザーが現在まで使用していた眼鏡が累進屈折力レンズの場合には、前回使用の累進屈折力レンズの加入度数を基準にして、新たに作成する累進屈折力レンズの左右それぞれの加入度数の差ΔADDRとΔADDLを入力する。なお、表1中の数値は一例である。
Figure 2009133887
続いて、フレーム形状に由来するパラメータとして、眼鏡フレームの横方向サイズAsz、縦方向サイズBsz、左右シェイプ間距離DBLを入力する(ステップS3)。
また、レンズの前傾角PA、左右レンズの面同士のなす角(そり角)FFFAを入力する(ステップS4)。
上記ステップS3〜S6で入力される入力データについて、図3〜図5を参照して詳細に説明する。
図3はフレーム形状に由来する情報の説明図である。図3においては、ボクシングシステム(ドイツ国家規格)に従ったフレームのシェイプ形状のサイズを示しており、左右の眼1L及び1Rに対応する左右の累進屈折力レンズ2L及び2Rとこれを保持する枠、すなわち左右のシェイプ3L及び3Rを示す。
両シェイプの横方向サイズをAsz、縦方向サイズをBszとし、左右のシェイプ3L及び3R間の距離をDBLとする。また左右のシェイプ間の中心線を一点鎖線Cで示し、両シェイプ3L及び3Rの上下方向の中心線をCHとする。そして中心線Cから左右の眼の瞳孔までの横方向の距離をそれぞれPDL及びPDRとする。また、中心線CHから左右の瞳孔までの高さをそれぞれEPL及びEPRとする。なお、右のシェイプ1Rの上下方向の中心線を一点鎖線CVR、左のシェイプ1Lの上下方向の中心線をCVLとして示す。
図4は、頂間距離及び前傾角の説明図である。図4においては、眼1及び累進屈折力レンズ2とこれを保持するフレーム3の断面を示す。ここで頂間距離VDは、レンズ2がフレーム3に保持されて装用された状態の左右レンズ2の裏面頂点と左右の眼球の角膜頂点との距離である。またユーザーの視線がレンズ2のプリズム測定基準点PPに向かう方向と、このプリズム測定基準点PPでレンズ2の外面に立てた法線とのなす角度を前傾角PAとする。
図5は、レンズのそり角の説明図である。図5に示すように、フレーム3に保持された左レンズ2Lと右レンズ2Rそれぞれのプリズム測定基準点における接線のなす角度をそり角FFFAとする。ステップS4では、このそり角FFFAが入力される。
これらフレーム形状に由来する情報の一例を下記の表2及び表3に示し、装用及びレイアウト情報の一例を下記の表4に示す。
Figure 2009133887
Figure 2009133887
Figure 2009133887
次に、眼鏡を装用したときの左右レンズの裏面頂点と眼球角膜頂点との距離VDR,VDLを入力する(ステップS5)。また、左右の瞳の距離PD、レンズの水平中心線からの瞳の高さEPを入力する(ステップS6)。
次に、ユーザーの既使用眼鏡のレンズ種のタイプ(累進か多焦点かその他か)からタイプ情報KBtpを入力する(ステップS7)。
ここで、ユーザーの既使用眼鏡、特に前回使用眼鏡のレンズのタイプ情報KBtpについて説明する。表5は、前回使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズ(PAL:Progressive Addition Lens)か、多焦点レンズ(BF:Bi Focal)か、それ以外のレンズ(Other)であるかを数値で区別して入力した一例を示す。例えば、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズ(PAL)の場合には「1」、多焦点レンズで、2焦点レンズの場合は「2」、その他のレンズの場合は「0」とする例である。
Figure 2009133887
次に、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力である場合、前回使用の累進屈折力レンズの設計タイプ(ソフトタイプかクリアタイプか標準タイプか)DEStp、また累進帯長タイプCORtpを入力する(ステップS8)。その一例を表6に示す。
設計タイプが上述の図1中の基本設計分布例(a)、(d)及び(g)に示すソフトタイプの場合は「1」、図1中の基本設計分布例(b)、(e)及び(h)に示す標準タイプの場合は「2」、図1中の基本設計分布例(c)、(f)及び(i)に示すクリアタイプの場合は「3」とする例である。その他の場合は「0」としている。
また、累進帯長のタイプは、例えば累進帯長が12mm以下の場合を短累進帯長として「1」を、12mmを超え13mm以下の場合は中短累進帯長として「2」を、14mmを超え16mm以下の場合は中累進帯長として「3」、更に16mm以上の累進帯長の場合を長累進帯長として「4」とする例である。
Figure 2009133887
なお、上述した前回使用の累進屈折力レンズの設計タイプについては、例えば表7に示すように、各社の製品名と累進帯長に対応してタイプを予め特定したリストを用意してもよい。表7の例では一例としてA社、B社及びC社の累進屈折力レンズの製品のタイプと累進帯長とを入力する例である。累進屈折力レンズの製品名と累進帯長は、眼鏡店の販売履歴やレンズに付されている永久マークから調べるなどして求めることができる。
Figure 2009133887
表7に示すようなデータリストを作成しておくことで、リストに示されている設計タイプDEStpと、累進帯長タイプCORtpを読み取り、表6において説明した設計タイプDEStpと累進帯長タイプCORtpとして簡単に入力することができる。
次に、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズである場合に、そのレンズに対する満足度SATを入力する(ステップS9)。このステップS9で入力される満足度SATの例を表8に示す。表8は、前回使用の累進屈折力レンズに対する満足度SATを1〜5の数値で示した例である。この累進屈折力レンズに対する満足度は、眼鏡店側がユーザー個人の意見を聴取して求めることができる。
Figure 2009133887
次に、各生活シーンに対する重要度A1〜A6,B1〜B6,C1〜C6を入力する(ステップS10)。このステップS10では、ユーザーの職業や趣味等から、いろいろな生活シーンに対する重要度を入力する。この例を表9〜表11に示す。
Figure 2009133887
Figure 2009133887
Figure 2009133887
表9においては図1中の基本設計分布例(a)、(d)及び(g)に示すソフトタイプの基本設計分布群に好適な各種生活シーンに対する重要度を入力した例を示す。生活シーンとしてテレビ鑑賞、パソコン、楽器演奏、料理、ガーデニング、及びダンス・フィットネス等の項目が挙げられる。また表10においては、図1中の基本設計分布例(b)、(e)及び(h)に示す標準タイプの基本設計分布群に好適な各種生活シーンに対する重要度を入力した例を示す。生活シーンとしてはショッピング、会食・パーティー、旅行・リゾート、風景写真撮影、ランニング、ウォーキング等の項目が挙げられる。表11においては、図1中の基本設計分布例(c)、(f)及び(i)に示すクリアタイプの基本設計分布群に好適な各種生活シーンに対応する重要度を入力した例を示す。生活シーンとしてはドライブ、バイク・ツーリング、スタジアム観戦、ゴルフ、登山・ハイキング、劇場・映画鑑賞等の項目が挙げられる。なお、生活シーンの例としてはこれらに限定されるものではなく、その他種々の生活シーンを項目として用いることができる。使用者の性別や年代等によって、複数のタイプの項目表を用意してもよい。
表9〜表11においては、各生活シーンに対する入力欄に、それぞれの生活シーンに対する重要度(5=とても重要、4=重要、3=普通、2=重要でない、1=まったく重要でない)をソフトタイプでA1〜A6、標準タイプでB1〜B6、クリアタイプでC1〜C6としてそれぞれ入力した例を示す。入力する数値や項目数はこれらに限定されるものではない。これらそれぞれの生活シーンに対する重要度は、眼鏡店側がユーザー個人の意見を聴取して求めることが望ましい。ユーザーの判断に基づく入力値とすることによって、よりユーザーの希望に添った最適な基本設計分布群、累進帯長を選択することが可能となる。
続いて、ユーザーの遠方視に対する重視度FWTを入力する(ステップS11)。このステップS11で入力された、遠方視に対する重視度の一例を表12に示す。表12は、遠方視に対する重視度FWTを、「−100」〜「+100」の間の数値として入力した例である。
Figure 2009133887
この遠方視に対する重視度は、ユーザーとは異なる他者、例えば眼鏡店側が特別に判断して入力するデータとしてもよく、例えばユーザーとのコミュニケーションで得られた眼鏡店側の専門家としての判断によって求めることが望ましい。ユーザーがどのような目的や環境で累進屈折力レンズを使用するのか、これまでの累進屈折力レンズに対する不満の詳細や、新たに購入する累進屈折力レンズに対する期待などを加味して、専門家の立場で総合的に判断して求める。なお、以上の入力ステップS1〜S11の順番は、必ずしも上記の順番である必要はなく、工程の順番を入れ替えることが可能であることはいうまでもない。
[3]基本設計分布群の選定工程
次に、このようにして入力されたユーザーの情報から、最もこのユーザーに適した設計の累進屈折力レンズを選択する方法について説明する。
先ず、基本設計分布群の選定工程について図6のフローチャートを参照して説明する。ここで、累進屈折力レンズの基本設計分布群の選択は、次に示す計算によって第1〜第7の基本設計選択ポイントDES1〜DES7を求め、最後にこれら第1〜第7の基本設計選択ポイントDES1〜DES7と、途中で求められた値によって最後に基本設計選択ポイントDESを求める。基本設計分布群がソフトタイプか標準タイプかクリアタイプかは、この最終的に求めたDESの値によって判断する。
なお、以下の例においては、この第1〜第7の基本設計選択ポイントDES1〜DES7が負の値のときにはソフトタイプよりの設計に適性があることを表し、正の値のときにはクリアタイプよりの設計に適性があることを意味する値として選定する。また、各ポイントの重み付けを調整するために、各ポイントの計算式に係数が付されているが、その数値は以下の例に限定されるものでなく、各ポイントの重み付けの度合いによって適宜変更が可能である。
[3−1]第1の基本設計選択ポイントDES1
第1の基本設計選択ポイントについて説明する。眼鏡を掛けたユーザーが外界を広く見渡すときに眼球を回旋させるが、その眼鏡レンズの度数によってユーザーが実際に眼球を回旋させる角度が変化する。例えば眼鏡レンズの度数が正のときと負のときでは眼球の回旋角度は正のときの方が大きい。また、度数が正に強度になるほど回旋角度も大きくなり、度数が負に強度になるほど回旋角度も小さくなることがわかっている。このことを、累進屈折力レンズのユーザーに当てはめて考えると、遠用球面屈折力や円柱屈折力の要素を含む遠用度数が正で強度になるほど外界を広く見渡すときの眼球回旋角度が大きくなり、遠用度数が負で強度になるほど眼球回旋角度が小さくなることがわかる。
また、これまで実施してきた累進屈折力レンズの装用テストを通じて、累進屈折力レンズは遠用度数の正負にかかわらず、遠用度数が弱い場合は遠方視領域が広くクリアタイプよりの設計を求める傾向にあることもわかっている。このことから、遠用度数の正負とその強度によって選択される累進屈折力レンズの基本設計分布群としては、以下の方法が考えられる。すなわち、遠用度数が弱い度数から正の度数に対しては、遠方視領域が広くクリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように考慮する。一方、遠用度数が負の度数に対しては、特に遠方視領域が広くクリアタイプよりの設計を選択する必要がないというように考慮する。
図6に示すように、この例では最初に、左右の遠用球面屈折力SPH、円柱屈折力CYL、乱視の軸方向AXから平均度数を求め、左右の平均値MPWを計算する(ステップS20)。そして、左右の平均値MPWから、第1の基本設計選択ポイントDES1を計算する(ステップS21)。
このステップS20では、入力されたユーザーの左右の遠用度数からそれぞれの平均度数を求め、更にその左右の平均値MPWを求め、このMPWから次のように第1の基本設計選択ポイントDES1を求める。
MPW={(SPHR+CYLR/2)+(SPHL+CYLL/2)}/2
−5.00≦MPW<−2.00
のとき、
DES1=(MPW+4)×5.0
とする。ここではMPW=−4(近視)のとき0となるように設定しているが、これに限定されるものではない。この閾値としては、「−3」から「−5」の間であればよく、より好ましくは「−3.5」から「−4.5」の間であればよい。一方、
MPW≧−2.00
のとき、
DES1=10.0
とする。これは、上述したように遠用度数が弱い度数から正の度数に対してはクリアタイプよりの設計が好まれるためである。また、
MPW<−5.00
のときは、
DES1=−5
とする。この場合はややソフトタイプよりの設計となるように選ぶ例である。
以上の処理により第1の基本設計選択ポイントDES1が選定される。すなわちこの場合、MPWが所定の負の度数以上の度数であるとき、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、第1の基本設計選択ポイントDES1を選定するようにしている。
なお、この例では負の度数の範囲として「−2.00」と「−5.00」を閾値としているが、これに限定されるものではなく、「−1.00から−3.00の間」、好ましくは「−1.50から−2.50の間」を遠用度数の弱い度数の閾値として選定することができる。また、遠用度数の強い度数の閾値としても、「−4.00から−6.00の間」でよく、好ましくは「−4.50から−5.50の間」とすればよい。
[3−2]第2の基本設計選択ポイントDES2
次に、左右の加入度数から、第2の基本設計選択ポイントDES2を計算する(ステップS22)。最初に、この第2の基本設計選択ポイントDES2について説明する。
累進屈折力レンズは加入度数が強くなるほど収差の発生量が増加するため、遠方視領域の周辺部の像のぼやけが増加する。そのため、加入度数が強いユーザーには、遠方視領域が広くクリアタイプよりの設計を選択するように考慮する。
入力されたユーザーの左右の加入度数ADDRとADDLの左右平均値から次のようにDES2を求める。
DES2={(ADDR+ADDL)/2−2.0}×5.0
すなわちこの場合、左右の加入度数の平均が所定の度数を超える場合は、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように第2の基本設計選択ポイントを選定し、左右の加入度数の平均が所定の度数未満の場合は、ソフトタイプよりの基本設計分布群を選択するように第2の基本設計選択ポイントを選定する。
この例では、基準となる加入度数の閾値として、2.0を境に判断しているが、一般的には、この閾値は1.75から2.75の範囲とすることができ、より好ましくは、2.0〜2.5の範囲を閾値として判断することができる。また、ソフトタイプよりの設計選択とクリアタイプよりの設計選択の閾値(所定の度数)が異なっていてもよい。すなわち、ある加入度数の範囲では標準タイプとなるようにし、比較的高い加入度数の閾値を超える場合にクリアタイプ、比較的低い加入度数の閾値未満の場合はソフトタイプ、となるようにしてもよい。
以上の処理により第2の基本設計選択ポイントDES2が求められる。
[3−3]第3の基本設計選択ポイントDES3
続いて、累進屈折力レンズの前傾角PAから第3の基本設計選択ポイントDES3を計算する(ステップS23)。まず、第3の基本設計選択ポイントDES3について説明する。累進屈折力レンズの前傾角が大きくなると、レンズ上部は眼から離れ、レンズ下部は逆に眼に近づく。このことは、レンズ上部に配置されている遠方視領域が眼から離れるため、遠方視領域の周辺部の像のぼやけが視界の中央寄りの方向に見えるようになることを意味する。したがって、前傾角が大きくなるにつれて、遠方視領域の広いクリアタイプよりの設計を選択するようにすることが望ましい。
眼鏡の出来上がり状態として予定するレンズの前傾角PAから、次のようにDES3を求める。
DES3=PA−7.0
すなわちこの場合、累進屈折力レンズの前傾角が所定の角度を超える場合は、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように第3の基本設計選択ポイントを選定し、累進屈折力レンズの前傾角が所定の角度未満の場合は、ソフトタイプよりの基本設計分布群を選択するように第3の基本設計選択ポイントを選定する。
ここで基準として用いる閾値は平均的な前傾角「7.0°」としているが、一般的には、「6°〜8°」の範囲から使用者の度数等を勘案して決められる。典型的には、「6.5〜7.5°」の範囲から選択される。この場合も、ソフトタイプよりの設計選択とクリアタイプよりの設計選択の閾値(基準の前傾角)は同一でなくてもよい。
[3−4]第4の基本設計選択ポイントDES4
次に、左右のレンズ裏面と左右の眼球角膜頂点との距離VDR,VDLから第4の基本設計選択ポイントDES4を計算する(ステップS24)。このステップS24で計算される第4の基本設計選択ポイントDES4について説明する。
累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が大きくなると、レンズ全体が眼から離れる。このことは、レンズ上部に配置されている遠方視領域が眼から離れるため、遠方視領域の周辺部の像のぼやけが視界の中央寄りの方向に見えるようになるので累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が大きくなるにつれて、遠方視領域の広いクリアタイプよりの設計を選択するようにする。
眼鏡の出来上がり状態として予定する左右のレンズ裏面と左右の眼球角膜頂点との距離VDR,VDLから、平均頂間距離MVDを求め、MVDから次のようにDES4を求める。
MVD=(VDR+VDL)/2
MVD≧14.5
のとき、
DES4=(MVD−14.5)×5.0
とする。また、
MVD<14.5
のとき、
DES4=0
とする。
つまりこの例では、左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離が所定の間隔を超えるとき、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、第4の基本設計選択ポイントを選定する場合を示す。
なお、ここでは所定の間隔として頂間距離が「14.5mm」の場合を基準として判断しているが、この閾値としては、一般的には「12mm〜15mm」の範囲であればよい。
この閾値は、販売する市場に多く占める人種などから典型的な顔形や眼鏡の装用状態を想定して調整するのがよい。日本人はあまり鼻が高くなく、たま、目の彫りが深くない。一方、欧米人は鼻が高く目の彫りが深いので、レンズの裏面頂点と眼球角膜頂点との距離が長くなる傾向にある。
欧米人を想定すると典型的には、「14mm〜15mm」の範囲とすることができるし、東アジア人を想定すると典型的には、「12mm〜13mm」の範囲とすることができる。
[3−5]第5の基本設計選択ポイントDES5
また、各生活シーンに対する重要度A1〜A6,B1〜B6,C1〜C6から、第5の基本設計選択ポイントDES5を計算する(ステップS25)。
この基本設計ポイントDES5は、ユーザーが重用視する生活シーンから選定する基本設計選択ポイントであり、このような基本設計ポイントが採用されるのは、ユーザーが重要視する生活シーンも累進屈折力レンズの基本設計を選択する上での重要なポイントになるからである。
例えば、屋内であまり遠方を広く見渡すことが多くない場合は、ソフトタイプよりの設計を選択し、屋外で遠方を広く見渡すことが多い場合は、クリアタイプよりの設計を選択し、屋内と屋外のどちらも重要となるバランスのとれた生活シーンが重要な場合は標準タイプの設計を選択するようにする。
使用する個人が重要視する生活シーンとその重要度として入力されたA1〜A6、B1〜B6、C1〜C6から、次のようにDES5を求める。
ST=(A1+A2+A3+A4+A5+A6)−6
BT=(B1+B2+B3+B4+B5+B6)−6
CT=(C1+C2+C3+C4+C5+C6)−6
ΔCS=CT−ST
DES5=(ΔCS×ΔCS/(|ΔCS|+BT))×15.0/24.0
ここでは、使用者の屋内生活が比較的長時間であるか又は遠方を広く見渡す時間が比較的少ない場合はソフトタイプよりの基本設計分布群を選択する。一方、屋外生活が比較的長時間であるか又は遠方を広く見渡すことが比較的多い場合は、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、第5の基本設計選択ポイントを選定する。
[3−6]第6の基本設計選択ポイントDES6
次に、ユーザーの遠方視に対する重視度から第6の基本設計選択ポイントを計算する(ステップS26)。このステップS26で計算される第6の基本設計選択ポイントDES6について説明する。眼鏡店では、ユーザーとのコミュニケーションや、これまでこのユーザーに眼鏡を作成してきた経験から、どのような設計の累進屈折力レンズがこのユーザーに適しているかが明確に意図されることがあるため、次のように考慮する。
眼鏡店側の意図に基づいて入力される、ユーザーの遠方視に対する重視度FWTによってDES6を求める。
DES6=(FWT/100)×15.0
[3−7]第7の基本設計選択ポイントDES7
続いて、前回使用の眼鏡のレンズ種のタイプKBtpから第7の基本設計選択ポイントDES7を計算する(ステップS27)。
ステップS27で計算される第7の基本設計選択ポイントDES7は、ユーザーが前回累進屈折力レンズを使用した場合に選定されるものであり、以下、第7の基本設計選択ポイントDES7について説明する。
ユーザーがこれまで累進屈折力レンズを使用していた場合、その累進屈折力レンズの設計は、ユーザー自身がその設計によく慣れている。また、その累進屈折力レンズに対する満足度が高い場合には、遠方視領域の見え方が異なる傾向の累進屈折力レンズを選択すると不満につながりやすい。そのため、ユーザーが使用していた累進屈折力レンズに満足している場合には、遠方視領域の周辺部の収差による像のぼけ方が類似した設計を選択するようにする。
尚、ユーザーがこれまで累進屈折力レンズを使用していた場合で、ユーザーの前回使用の眼鏡レンズの処方情報が入力されている場合は、前回の眼鏡の遠用度数と新しく作成する眼鏡の遠用度数の相互の差を考慮して基本設計を選択する。
新しい眼鏡の遠用度数がこれまで使用していた眼鏡の遠用度数よりもマイナス寄りの度数に更新される場合は、全く同じ基本設計を選択した場合であっても、新しい遠用度数がマイナス寄りの度数になることによって新しい眼鏡の遠方視領域はこれまで使用していた眼鏡と比較すると相対的によりクリアに見える。この場合には新旧の度数差による問題はない。
しかし、新しい眼鏡の遠用度数がこれまで使用していた眼鏡の遠用度数よりもプラス寄りの度数に更新される場合は、全く同じ基本設計を選択した場合であっても、新しい遠用度数がプラス寄りの度数になることによって新しい眼鏡の遠方視領域はこれまで使用していた眼鏡と比較すると相対的に狭くなってしまう。この後者のケースである新しい遠用度数がプラス寄りの度数になる場合は、遠方視領域の広いクリアタイプよりの設計を選択するようにする。
また、ユーザーがこれまで使用していたレンズが多焦点レンズ(バイフォーカル等)の場合には、累進屈折力レンズの遠方視領域の周辺の像のぼやけが気になる場合が多いため、遠方視領域の広いクリアタイプよりの設計を選択するようにする。
これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるか、多焦点レンズであるか、その他単焦点レンズであるかを表すKBtpからDES7を次のように求める。
KBtp=1、かつSAT=1か2のとき(既使用眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、前回使用の累進屈折力レンズに満足している場合)、
CURD=DEStp−2
とする。このCURDは、前回使用眼鏡のタイプの指標とするもので、前記表6より、前回使用レンズがソフトタイプの場合は「−1」、標準タイプの場合は「0」、クリアタイプの場合は「1」となる。
尚、ユーザーの前回使用の眼鏡レンズの処方情報が入力されている場合は、
MPWp={(SPHpR+CYLpR/2)+(SPHpL+CYLpL/2)}/2
このMPWpと先に求めてあるMPWとの差から新旧平均遠用度数差を考慮するためのDPWを次のように求める。
DPW0=MPW−MPWp
DPW0>0
のとき、
DPW=5
とする。
DPW0≦0
のときは、
DPW=0
とする。
また、ユーザーの前回使用の眼鏡レンズの処方情報が入力されていない場合は、
DPW=0
とする。このとき、
DES7=(CURD×12.5)×(3−SAT)+DPW
とする。つまり、ソフトタイプ側か、標準タイプか、クリアタイプ側かを正負又は「0」で示し、これに満足度を乗じた値に新旧の眼鏡の平均遠用度数差を考慮するためのDPWを加えた値とする。
つまりこの例では、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、その累進屈折力レンズの満足度が高い場合は、前回使用の累進屈折力レンズがソフトタイプであればソフトタイプよりの基本設計分布群を選択し、前回使用の累進屈折力レンズがクリアタイプであればクリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、第7の基本設計選択ポイントを選定する。
ここで、
KBtp=1で、かつSAT>2
のとき(既使用眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるが、多少不満を感じている場合)、
DES7=0
とする。
また、
KBtp=2
のとき(既使用眼鏡レンズが累進屈折力レンズではなく多焦点レンズの場合)は、
DES7=15.0
とする。この場合はクリアタイプのポイントを高くするように選定する。
更に、
KBtp=0
のとき(既使用眼鏡レンズが累進屈折力レンズでもなく、多焦点レンズでもない場合)、
DES7=0
とする。この場合はソフトタイプにもクリアタイプにもポイントを与えない、つまり、標準タイプを選択するように選定する。
以上のようにして第7の基本設計選択ポイントDES7を求めることができる。
[3−8]基本設計分布群の選定工程
最後に、今までのステップS21〜S27で求めた、DES1〜DES7と、前回使用の眼鏡レンズの設計タイプDEStp、前回使用の眼鏡が累進屈折力レンズである場合の満足度SATより、基本設計選択ポイントDESを計算する(ステップS28)。
このようにして求めたDES1〜DES7,CURDと既使用累進屈折力レンズに対する満足度の入力データSATによって、次のように基本設計選択ポイントDESを求め、その値によってユーザーに適した設計を判断する。
DESTT=DES1+DES2+DES3+DES4+DES5+DES6+DES7
とする。
ここで、例えば
CURD=0、かつSAT=1か2
のとき、
DES=DESTT/(5−SAT)/2
とする。また、
CURD≠0、或いはSAT>2
のとき
DES=DESTT
とする。
ここで、
DES<−20
のときは、ユーザーに適した基本設計はややソフトタイプの基本設計と判断する。一方、
−20≦DES≦+20
のとき、ユーザーに適した基本設計は標準タイプの基本設計と判断する。更に、
DES>+20
のときは、ユーザーに適した基本設計はややクリアタイプの基本設計群と判断する。
このようにしてDESによってユーザーに適した基本設計を判断する。
なお、前回使用の眼鏡が累進屈折力レンズでない場合、すなわち初めて累進屈折力レンズを作成する場合は、以下のように基本設計選択ポイントDESを選定する。
DESTT=DES1+DES2+DES3+DES4+DES5+DES6+DES7
とする。
DES=DESTT
とする。
ここで、
DES<−20
のときは、ユーザーに適した基本設計はややソフトタイプの基本設計と判断する。一方、
−20≦DES≦+20
のとき、ユーザーに適した基本設計は標準タイプの基本設計と判断する。更に、
DES>+20
のときは、ユーザーに適した基本設計はややクリアタイプの基本設計群と判断する。
このようにしてDESによってユーザーに適した基本設計を判断する。
[4]累進帯長の選定工程
次に、累進帯長を選定する工程について図15のフローチャートを参照して説明する。
累進帯長の選択は、次に示す計算によってCOR1〜COR5を求め、最後にこれらと途中で求められた値によって最後に累進帯長選択ポイントCORを求めて、このCORの値によって判断する。
このCOR1〜COR5、CORの値は、それぞれ負の値のときには、短い累進帯長に適性があることを表し、正の値のときには長い累進帯長に適性があることを意味する。
[4−1]第1の累進帯長選択ポイントCOR1
先ず、左右の遠用度数(遠用球面屈折力SPH、円柱屈折力CYL、乱視の軸方向AX)から平均度数を求めた左右の平均値MPWから、第1の累進帯長選択ポイントCOR1を計算する(ステップS29)。この第1の累進帯長選択ポイントCOR1は、左右の眼の度数の平均値から選定する累進帯長選択ポイントである。
例えば、眼鏡を掛けたユーザーが近方視をするときは眼球を下方に回旋させるが、その眼鏡レンズの度数によってユーザーが実際に眼球を回旋させる角度は変化する。すなわち、眼鏡レンズの度数が正のときの方が、負のときよりも眼球の回旋角度が大きくなる。また度数が正に強度になるほど回旋角度も大きくなり、度数が負に強度になるほど回旋角度は小さくなることがわかっている。このことを、累進屈折力レンズのユーザーに当てはめて考えると、遠用度数が正で強度になるほど近方視をするときに眼球を下方に回旋させる角度が大きくなり、遠用度数が負で強度になるほど眼球の下方への回旋角度が小さくなることがわかる。これまで、実施してきた累進屈折力レンズの装用テストを通じて、累進屈折力レンズは遠用度数の正負にかかわらず、遠用度数が弱い場合は遠方視領域が広くクリアタイプよりの設計を求める傾向にあることもわかっている。
また、累進屈折力レンズの累進帯長が長いほど遠方視領域の周辺部の像のぼやけが減少し、累進帯長が短くなるほど遠方視領域の周辺部の像のぼやけが増加する。このことから、遠用度数の正負とその強度によって累進屈折力レンズの累進帯長の選択は、遠用度数が弱い度数から正の度数に対しては、長い累進帯長の設計を選択するように考慮し、遠用度数が負の度数に対しては、短い累進帯長の設計を選択するように考慮する。
入力されたユーザーの左右の遠用度数からそれぞれの平均度数を求め、その左右平均値MPWを求め、MPWの値をもって次のようにCOR1を求める。
MPW={(SPHR+CYLR/2)+(SPHL+CYLL/2)}/2
とする。ここで
MPW<+4.00
のとき、
COR1=(MPW+2)×1.5
とする。一方、
MPW≧+4.00のとき、
COR1=6.0
とする。
すなわちこの場合、MPWが所定の度数未満の場合は、標準の累進帯長より短い累進帯長を選択し、MPWが所定の度数以上の場合は、標準の累進帯長より長い累進帯長を選択するように、第1の累進帯長選択ポイントを選定する例である。
なお、この例では、MPWが「+4.00」の場合で分け、また「−2.0」を閾値として判断しているが、基準となる数値はこれらに限定されるものではない。例えば場合分けは「+3〜+5」の範囲で行ってもよく、また閾値しては、「1.75から2.75」の範囲が好ましく、更に「2.0〜2.5」の範囲とすることがより好ましい。
[4−2]第2の累進帯長選択ポイントCOR2
次に、左右の遠用度数から縦方向成分度数を求め、左右の縦方向遠用度数差から第2の累進帯長選択ポイントCOR2を計算する(ステップS30)。このステップS30で計算される第2の累進帯長選択ポイントCOR2について説明する。
累進屈折力レンズの左右の度数に違いがあると、近方視をするときにレンズの近用部付近を使用しようとすると、左右のレンズの左右のプリズムに差が生じて、その差が大きいと使用しにくい。このとき、累進屈折力レンズの累進帯長が短いと近用部付近を使用するときの左右のプリズム差が小さくなるため、使用しやすい眼鏡となる。そのため、左右の縦方向の度数の差が大きい場合には、短い累進帯長を選択するようにする。
入力されたユーザーの左右の遠用度数からそれぞれの縦方向成分度数を求め、その左右差DPWVを求め、この左右のレンズの縦方向成分度数差から次のようにCOR2を求める。
PWVR=SPHR+CYLR×SIN(|AXR−90|×Π/180)
PWVL=SPHL+CYLL×SIN(|AXL−90|×Π/180)
DPWV=|PWVR−PWVL|
COR2=−1.0×DPWV×4.0
この場合、左右の縦方向遠用度数差が所定の度数より大きい程、比較的短い累進帯長を選択するように、第2の累進帯長選択ポイントを選定するものである。
[4−3]第3の累進帯長選択ポイントCOR3
次に、左右のレンズ裏面と左右の眼球角膜頂点との距離(頂間距離)VDR,VDLから第3の累進帯長選択ポイントCOR3を計算する(ステップS31)。
累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が大きくなると、レンズ全体が眼から離れる。このことは、レンズ上部に配置されている遠方視領域が眼から離れるため、遠方視領域の周辺部の像のぼやけが視界の中央寄りの方向に見えるようになるので累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が大きくなるにつれて、収差が少なく広い遠方視領域を持つ長い累進帯長の設計を選択するようにする。
逆に、累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が小さくなると、レンズ全体が眼に近づく。このことは、レンズ下部に配置されている近方視領域が眼から見てより下方に位置するようになるため、近方視のときに大きく下方に眼球を回旋させることが必要になり、近方視がしにくくなるので、累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が小さくなるにつれて、眼球の小さい下方回旋で近方視が可能な短い累進帯長の設計を選択するようにする。
眼鏡の出来上がり状態として予定する左右のレンズ裏面と左右の眼球角膜頂点との距離VDR,VDLから、次のように第3の累進帯長選択ポイントCOR3を求める。
MVD=(VDR+VDL)/2
COR3=(MVD−14.5)×4.0
すなわちこの場合、累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離が所定の距離を超える場合は、クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するようにし、所定の角度未満の場合は、長い累進帯長の設計を選択するように、第3の基本設計選択ポイントを選定する。
なお、ここでは所定の距離として累進屈折力レンズの裏面と眼球角膜頂点との距離の平均値が14.5mmの場合を閾値としているが、閾値とする距離はこれに限定されるものではない。この閾値は、一般的には「12mm〜15mm」の範囲であればよい。
この閾値は、販売する市場に多く占める人種などから典型的な顔形や眼鏡の装用状態を想定して調整するのがよい。日本人はあまり鼻が高くなく、たま、目の彫りが深くない。一方、欧米人は鼻が高く目の彫りが深いので、レンズの裏面頂点と眼球角膜頂点との距離が長くなる傾向にある。
欧米人を想定すると典型的には、「14mm〜15mm」の範囲とすることができるし、東アジア人を想定すると典型的には、「12mm〜13mm」の範囲とすることができる。
[4−4]第4の累進帯長選択ポイントCOR4
続いて、前回使用の累進屈折力レンズの加入度数を基準として左右のレンズの加入度数差ΔADDを求め、第4の累進帯長設計ポイントCOR4を計算する(ステップS32)。
ここでは、ユーザーが前回使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズである場合に、左右の頂間距離の差から選定する第4の累進帯長選択ポイントCOR4について説明する。
新たに累進屈折力レンズを作成する際に、前回使用の累進屈折力レンズから大きく加入度数を増やす場合には、累進屈折力レンズの収差が大きく増加する。また、累進屈折力レンズの収差は累進帯長が短い方が大きくなる。そのため、前の累進屈折力レンズから大きく加入度数を増やす場合には、前の累進屈折力レンズの累進帯長よりも短い累進帯長の設計を選択しないほうがよい。
新たに作成する累進屈折力レンズの左右それぞれの加入度数より、前の累進屈折力レンズの加入度数を基準にした右レンズの加入度数差ΔADDRと左レンズの加入度数差ΔADDLの値を求める。そしてこの加入度数差ΔADDR,ΔADDLから次のように第4の累進帯長選択ポイントCOR4を求める。
MΔADD=(ΔADDR+ΔADDL)/2
とする。ここで
MΔADD≧0.50
のとき、
COR4=MΔADD×10.0
と選定する。
MΔADD<0.50
のときは、
COR4=0
と選定する。
すなわちこの場合、左右の累進屈折力レンズの加入度数差が所定度数以上のとき、標準の累進帯長より長い累進帯長を選択するように、第4の累進帯長選択ポイントを選定する例である。
なお、この例においては所定度数として0.50を閾値としているが、遠用度数の差異等の他の要素によって多少の変化があるためこれに限定されるものではない。一般的には、0.25〜1.00の加入度数差の範囲で選定すればよく、典型的には、0.25〜0.75の範囲内で選定することができる。
[4−5]第5の累進帯長選択ポイントCOR5
次に、前回使用の眼鏡レンズ種のタイプ情報KBtpから第5の累進帯長選択ポイントCOR5を計算する(ステップS33)。
この第5の累進帯長選択ポイントCOR5は、ユーザーが前回使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズである場合に、前回使用のレンズタイプや満足度から選定する累進帯長選択ポイントである。
ユーザーがこれまで使用していた累進屈折力レンズの設計は、ユーザー自身がその設計によく慣れている。また、その累進屈折力レンズに対する満足度が高い場合には、これまでと異なる累進帯長の累進屈折力レンズを選択すると、近方視がしにくくなるために不満につながりやすい。そのため、ユーザーが使用していた累進屈折力レンズに満足している場合には、その累進屈折力レンズに近い累進帯長の設計を選択するようにする。
これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるか、多焦点レンズであるか、その他単焦点レンズであるかを現すKBtpから、第5の累進帯長選択ポイントCOR5を次のように求める。
KBtp=1、かつSAT=1か2のとき(既使用眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、前回使用の累進屈折力レンズに満足している場合)、
CURC=CORtp−3
COR5=(CURC×3.125)×(5−SAT)
とする。
KBtp=1でSAT>2
のときは、
COR5=0
とする。
また、
KBtp=2
のとき(既使用眼鏡レンズが多焦点レンズの場合)は、
COR5=−35.0
とする。
KBtp=0
のとき(既使用眼鏡レンズが他のレンズの場合)は、
COR5=0
とする。
この場合、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、その累進屈折力レンズの満足度が高い場合は、前回使用の累進屈折力レンズの累進帯長に近い累進帯長を選択するように、第5の累進帯長選択ポイントを選定している。また、前回使用の眼鏡レンズが多焦点レンズの場合は標準より短い累進帯長が選択されるような重み付けとし、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズでも多焦点レンズでもない場合は、標準の累進帯長となるような重み付けとする。
[4−6]累進帯長可能指標
次に、累進帯長16mmと14mmとが使用可能かどうかを示す値FH14,FH16を計算する(ステップS34)。このステップS34で計算される値FH14,FH16について説明する。
先ず、フレームの縦方向サイズBszと累進屈折力レンズの左右のフィッティングポイントの高さEPR,EPLから、比較的長い累進帯長のタイプを設計することが可能かどうかを累進帯長可能指標で現す。ここでは、累進帯長16mmと累進帯長14mmがそれぞれ使用可能かどうかを示す値をFH16とFH14として、次のように求める。
FH16、FH14は、それぞれ累進帯長16mm、累進帯長14mmの累進屈折力レンズの近用屈折力測定点の中心がフレームのシェイプ下端にぎりぎりに入るかどうかを表し、FH16、FH14が負の値のときには近用屈折力測定点の中心がフレームのシェイプ下端に収まらないことを示す。
MEP=(EPR+EPL)/2
MFH=MEP+Bsz/2
FH16=MFH−20
FH14=MFH−18
[4−7]累進帯長の選定工程
そして、COR1〜COR5、前回使用レンズの累進帯長タイプCORtp、FH16及びFH14、前回使用の累進屈折力レンズの満足度SATより、累進帯長選択ポイントCORを計算する(ステップS35)。このステップS35において計算される累進帯長選択ポイントCORの値によってユーザーに適した累進帯長を判断する。
CORTT=COR1+COR2+COR3+COR4+COR5
ここで、下記の(1)〜(3)の場合分けをする。
(1)FH14<0のとき(累進帯長14mm以上とすることが不可能な場合)
COR=−25.0
とする。
(2)FH14≧0、かつFH16<0(累進帯長14mmが可能であるが16mmとすることが不可能な場合)、かつCORTT>20のとき、
COR=0
とする。
(3)上記条件(1),(2)以外で、CURC=0、かつSAT=1か2のとき、
COR=CORTT/(5−SAT)/2
とする。
上記条件(1),(2),(3)以外のとき、
COR=CORTT
とする。
そして、
COR<−20
のとき、ユーザーに適した累進帯長は11mmと判断する。
また、
−20≦COR≦+20
のときは、ユーザーに適した累進帯長は14mmと判断する。
更に、
COR>+20
のときは、ユーザーに適した累進帯長は16mmと判断する。
このようにして累進帯長選択ポイントCORによってユーザーに適した累進帯長を判断する。
なお、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズ以外である場合は、下記のように累進帯長選択ポイントCORを求める。
CORTT=COR1+COR2+COR3+COR4+COR5
ここで、下記の(4)、(5)又はそれ以外の場合分けをする。
(4)FH14<0のとき(累進帯長14mm以上とすることが不可能な場合)
COR=−25.0
とする。
(5)FH14≧0、かつFH16<0(累進帯長14mmが可能であるが16mmとすることが不可能な場合)、かつCORTT>20のとき、
COR=0
とする。
上記条件(4),(5)以外のとき、
COR=CORTT
とする。
そして、
COR<−20
のとき、ユーザーに適した累進帯長は11mmと判断する。
また、
−20≦COR≦+20
のときは、ユーザーに適した累進帯長は14mmと判断する。
更に、
COR>+20
のときは、ユーザーに適した累進帯長は16mmと判断する。
このようにして累進帯長選択ポイントCORによってユーザーに適した累進帯長を判断する。
[5]レンズ設計基準の選択工程
最後に、基本設計選択ポイントDES及び累進帯長選択ポイントCORより、ユーザーに適した基本設計分布群と累進帯長とを選択して、レンズ設計基準を最終的に特定して(ステップS36)、終了となる。
以上説明したように、基本設計選択ポイントDESと累進帯長選択ポイントCORを求めて、ユーザーに適した累進屈折力レンズの基本設計分布群と累進帯長が選択され、前述の図1中の(a)〜(i)に示す基本設計分布例の収差分布及び平均度数分布のパターンの中から、1種類のパターンで示されるレンズ設計基準が選択される。そして、この基本設計分布群及び累進帯長に示されるレンズ設計基準に基づいて、ユーザーの処方度数や身体的特徴に合わせて、最終的な光学的設計を行って、ユーザーの使用状況、処方度数に適した累進屈折力レンズ対が完成する。
なお、上述の選択を行う一連の処理すなわち演算は、パソコンで実施するようにソフトウェアを作成して、眼鏡店側のパソコンにインストールして使用することができる。また、インターネットで眼鏡店側のパソコンから入力された情報をレンズメーカーのサーバーへ送信して、このサーバー内でこのソフトウェアを動作させて、選択されたユーザーに適した累進屈折力レンズの基本設計と累進帯長を眼鏡店側のパソコンに表示させるようにすることもできる。
以上説明した本発明の実施の形態に係るレンズ設計基準の選択方法では、ユーザーの職業や趣味といったユーザーの視環境情報からだけでなく、他の要素も考慮するものである。
先ず、基本設計分布群を選択するためには、遠用度数の+か−か、その強弱と、加入度数の強弱と、レンズの前傾角と、レンズ裏面との眼球角膜頂点との距離等が選択を考慮する要素とされる。更に、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるか、多焦点レンズであるか、単焦点レンズであるか、或いは眼鏡を掛けるのが初めてであるか、といった条件も要素として組み込まれる。加えて、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズの場合、その累進屈折力レンズの設計タイプと、使用する個人が重要視する生活シーンとその重要度と、眼鏡店側の意図に基づいて入力される遠方視に対する重視度を表す制御数値もパラメータとして演算の要素に組み込まれる。
一方、累進帯長を選択するためには、遠用度数の+か−か、その強弱と、左右のレンズのそれぞれの遠用度数の縦方向成分度数の間の差と、フレームの縦方向サイズと累進屈折力レンズのフィッティングポイントの高さと、レンズ裏面との眼球角膜頂点との距離等が、選択を考慮する要素とされる。また、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるか、多焦点レンズであるか、その他のレンズであるかといった条件も要素として加えられる。更に、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズの場合、注文の加入度数のこれまで使用していた累進屈折力レンズの加入度数との偏差も要素とされる。同様に、これまで使用していた眼鏡レンズが累進屈折力レンズの場合、その累進屈折力レンズの累進帯長タイプもパラメータとして演算して求められる。このため、これまで以上に個々のユーザーに適した基本設計と累進帯長の選択が可能となった。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
1.眼、1L.左眼、1R.右眼、2.レンズ、2L.左レンズ、2R.右レンズ、3.フレーム、3L.左シェイプ、3R.右シェイプ

Claims (26)

  1. 累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と、累進帯長と、から選択されるレンズ設計基準の選択方法であって、
    遠方視領域と近方視領域の領域区分が異なる複数の基本設計分布群と、異なる複数の累進帯長と、からなる設計バリエーションを用意する工程と、
    少なくとも、前記累進屈折力レンズ対を使用する使用者の処方情報と、前記使用者の生活環境情報と、前記累進屈折力レンズ対を保持するフレーム形状情報と、に由来するパラメータを入力するパラメータ設定工程と、
    前記入力されたパラメータに基づいて前記複数の基本設計分布群から一種類の基本設計分布群を選択する工程と、
    前記入力されたパラメータに基づいて一つの累進帯長を選択する工程と、
    前記設計バリエーションから選択された前記基本設計分布群及び前記累進帯長から、一つのレンズ設計基準を選択する工程と、
    が含まれており、
    前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報と前記フレーム形状情報に基づいて算出される前記使用者の眼鏡装用時における左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離が、前記パラメータの設定要素に含まれる
    ことを特徴とするレンズ設計基準の選択方法。
  2. 前記パラメータ設定工程において、前記使用者の装用時における左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離が所定値よりも長いときに、遠方視領域が比較的広い基本設計分布群側にパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  3. 前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報による遠用度数が設定要素に含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  4. 累進屈折力レンズ対の遠方視領域及び近方視領域の分布を決める基本設計分布群と、累進帯長と、から選択されるレンズ設計基準の選択方法であって、
    遠方視領域と近方視領域の領域区分が異なる複数の基本設計分布群と、異なる複数の累進帯長と、からなる設計バリエーションを用意する工程と、
    少なくとも、前記累進屈折力レンズ対を使用する使用者の処方情報と、前記使用者の生活環境情報と、前記累進屈折力レンズを保持するフレーム形状情報と、に由来するパラメータを入力するパラメータ設定工程と、
    前記入力されたパラメータに基づいて前記複数の基本設計分布群から一種類の基本設計分布群を選択する工程と、
    前記入力されたパラメータに基づいて一つの累進帯長を選択する工程と、
    前記設計バリエーションから選択された前記基本設計分布群及び前記累進帯長から、一つのレンズ設計基準を選択する工程と、
    が含まれており、
    前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報による遠用度数が、前記パラメータの設定要素に含まれることを特徴とするレンズ設計基準の選択方法。
  5. 前記パラメータ設定工程において、前記使用者の処方情報による左右の平均遠用度数が所定の度数よりもプラスであるときに、遠方視領域が比較的広い基本設計分布群側にパラメータを設定することを特徴とする請求項3又は4のレンズ設計基準の選択方法。
  6. 前記パラメータ設定工程は、
    左右の遠用度数及び加入度数を入力するステップと、
    フレームの横方向及び縦方向サイズと、左右の累進屈折力レンズ間距離とを入力するステップと、
    前記使用者の装用時における累進屈折力レンズの前傾角と、左右の累進屈折力レンズの面同士のなす角とを入力するステップと、
    前記使用者の装用時における左右レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離を入力するステップと、
    左右の瞳孔の距離と、前記累進屈折力レンズ対の水平中心線からの瞳孔の高さとを入力するステップと、
    前記使用者の生活環境情報から、前記使用者の生活シーンに対する重要度を入力するステップと、
    を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  7. 前記基本設計分布群を選択する工程は、
    前記左右の遠用度数から左右それぞれの遠用平均度数を求め、左右の遠用平均度数の平均値から、第1の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    前記左右の加入度数から、第2の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    前記累進屈折力レンズの前傾角から、第3の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    前記左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離から、第4の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    前記生活シーンに対する重要度から、第5の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    少なくとも前記第1〜第5の基本設計選択ポイントより、基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  8. 前記累進帯長を選択する工程は、
    前記左右の遠用平均度数の平均値から、第1の累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    前記左右の遠用度数から縦方向成分度数を求め、左右の縦方向遠用度数差から、第2の累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    前記左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離から、第3の累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    前記設計バリエーションで採用する累進帯長の適否を示す累進帯長可能指標を計算するステップと、
    前記第1〜第3の累進帯長選択ポイントと、前記累進帯長可能指標とより、累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    を含み、
    前記基本設計選択ポイントと、前記累進帯長選択ポイントに基づいて、一つの基本設計分布群及び累進帯長を前記設計バリエーションの中から選択する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  9. 前記基本設計分布群を選択する工程に、更に、他者によって判断される前記使用者の生活シーンの重要度から、第6の基本設計選択ポイントを計算するステップが含まれており、
    前記基本設計選択ポイントを計算するステップにおいて、前記第6の基本設計選択ポイントを含む前記第1〜第6の基本設計選択ポイントに基づいて、前記基本設計選択ポイントを計算する、請求項7に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  10. 前記使用者が以前に眼鏡レンズを使用しており、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるとき、
    前記パラメータ設定工程は、更に、
    前回使用された累進屈折力レンズの基本設計分布と累進帯長とを含むタイプ情報を入力するステップと、
    前回使用された累進屈折力レンズに対する満足度を入力するステップと、
    が含まれており
    前記基本設計分布群を選択する工程は、更に、
    前記前回使用された累進屈折力レンズのタイプ情報から、第7の基本設計選択ポイントを計算するステップと、
    を含み、
    前記基本設計選択ポイントを計算するステップにおいて、前記第7の基本設計選択ポイントを含む前記第1〜第7の基本設計選択ポイントと、前記前回使用された累進屈折力レンズの基準レンズ設計情報と、前回使用された累進屈折力レンズに対する満足度とより計算する、請求項9に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  11. 前記使用者が以前に眼鏡レンズを使用しており、前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであるとき、
    前記パラメータを入力する工程は、更に、
    前回使用された累進屈折力レンズの加入度数と、今回の加入度数との差を入力するステップと、
    前回使用された累進屈折力レンズの基本設計分布と累進帯長とを含むタイプ情報を入力するステップと、
    前回使用された累進屈折力レンズに対する満足度を入力するステップと、
    が含まれており、
    前記累進帯長を選択する工程は、更に、
    前記前回使用された累進屈折力レンズの加入度数と、今回の加入同数との差から、第4の累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    前記前回使用された累進屈折力レンズのタイプ情報から、第5の累進帯長選択ポイントを計算するステップと、
    を含み、
    前記累進帯長選択ポイントを計算するステップにおいて、前記第4及び第5の累進帯長選択ポイントを含む前記第1〜第5の累進帯長選択ポイントと、前記累進帯長可能指標と、前記前回使用された累進屈折力レンズのタイプ情報と、前記前回使用された累進屈折力レンズの満足度とより計算する、請求項8に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  12. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意する請求項1〜11のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  13. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第1の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    左右の球面屈折力をそれぞれSPHR及びSPHL、左右の円柱屈折力をそれぞれCYLR及びCYLLとしたとき、左右の遠用平均度数MPWを、
    MPW={(SPHR+CYLR/2)+(SPHL+CYLL/2)}/2
    とし、
    前記MPWが所定の負の度数以上の度数であるとき、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第1の基本設計選択ポイントを選定する請求項7、9又は10のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  14. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第2の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    前記左右の加入度数の平均が所定の度数を超える場合は、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第2の基本設計選択ポイントを選定し、
    前記左右の加入度数の平均が所定の度数未満の場合は、前記ソフトタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第2の基本設計選択ポイントを選定する請求項7、9、10又は13のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  15. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第3の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    前記累進屈折力レンズの前傾角が所定の角度を超える場合は、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第3の基本設計選択ポイントを選定し、
    前記累進屈折力レンズの前傾角が所定の角度未満の場合は、前記ソフトタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第3の基本設計選択ポイントを選定する請求項7、9、10、13又は14のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  16. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第4の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    前記左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離が所定の間隔を超えるとき、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第4の基本設計選択ポイントを選定する、請求項7、9、10、13〜15のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  17. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第5の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    前記使用者の屋内生活が比較的長時間であるか又は遠方を広く見渡す時間が比較的少ない場合は、前記ソフトタイプよりの基本設計分布群を選択し、
    屋外生活が比較的長時間であるか又は遠方を広く見渡すことが比較的多い場合は、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第5の基本設計選択ポイントを選定する請求項7、9、10、13〜16のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  18. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第6の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    眼鏡店側が、使用者から得られる情報及び以前製造した眼鏡レンズの情報に基づいて、前記ソフトタイプよりの基本設計分布群か前記クリアタイプよりの基本設計分布群かの指標となるポイントを選定する請求項7、9、10、13〜17のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  19. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記第7の基本設計選択ポイントを選定するにあたり、
    前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、前記前回使用の累進屈折力レンズの満足度が高い場合は、前記前回使用の累進屈折力レンズがソフトタイプであればソフトタイプよりの基本設計分布群を選択し、前記前回使用の累進屈折力レンズがクリアタイプであればクリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第7の基本設計選択ポイントを選定する、請求項7、9、10、13〜18のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  20. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記第1の累進帯長選択ポイントを選定するにあたり、
    左右の球面屈折力をそれぞれSPHR及びSPHL、左右の円柱屈折力をそれぞれCYLR及びCYLLとしたとき、左右の平均度数MPWを
    MPW={(SPHR+CYLR/2)+(SPHL+CYLL/2)}/2
    とし、
    前記MPWが所定の度数未満の場合は、前記標準の累進帯長より短い累進帯長を選択し、
    前記MPWが所定の度数以上の場合は、前記標準の累進帯長より長い累進帯長を選択するように、前記第1の累進帯長選択ポイントを選定する請求項8又は11に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  21. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記第2の累進帯長選択ポイントを選定するにあたり、
    前記左右の縦方向遠用度数差が大きい場合に、比較的短い累進帯長を選択するように、前記第2の累進帯長選択ポイントを選定する請求項8、11又は20のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  22. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記第3の累進帯長選択ポイントを選定するにあたり、
    前記左右の累進屈折力レンズの裏面頂点と左右の眼球角膜頂点との距離が所定の間隔を超えるときは、前記標準の累進帯長より長い累進帯長を選択するようにし、所定の間隔より小さいときは、前記標準の累進帯長より短い累進帯長を選択するように、前記第3の累進帯長選択ポイントを選定する請求項8、11、20又は21のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  23. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記第4の累進帯長選択ポイントを選定するにあたり、
    前記左右の累進屈折力レンズの加入度数差が所定度数以上のとき、前記標準の累進帯長より長い累進帯長を選択するように、前記第4の累進帯長選択ポイントを選定する、請求項8、11、20〜22のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  24. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記第5の累進帯長選択ポイントを選定するにあたり、
    前回使用の眼鏡レンズが累進屈折力レンズであり、前記前回使用の累進屈折力レンズの満足度が高い場合は、前記前回使用の累進屈折力レンズの累進帯長に近い累進帯長を選択するように、前記第5の累進帯長選択ポイントを選定する、請求項8、11、20〜23のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  25. 前記基本設計分布群として、標準の基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布よりも遠方視領域を狭め、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を低減化するソフトタイプの基本設計分布群と、前記標準の基本設計分布群よりも遠方視領域を広げ、中間視領域から近方視領域にかけての側方部分の収差を増加させるクリアタイプの基本設計分布群とを用意し、
    前記前回使用された眼鏡レンズが多焦点レンズである場合、前記クリアタイプよりの基本設計分布群を選択するように、前記第6の基本設計分布選択ポイントを選定する請求項7、9、10、13〜18のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
  26. 前記累進帯長として、標準の累進帯長と、前記標準の累進帯長より短い累進帯長と、前記標準の累進帯長よりも長い累進帯長とを用意し、
    前記前回使用された眼鏡レンズが多焦点レンズである場合、前記標準の累進帯長より短い累進帯長を選択するように、前記第5の累進帯長選択ポイントを選定する請求項8、20〜23のいずれか1項に記載のレンズ設計基準の選択方法。
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