JP6088549B2 - シミュレーションシステムおよびシミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズを通した見え方を当該眼鏡レンズ装用予定者に疑似的に体験させるシミュレーションシステム、シミュレーション装置および商品説明補助方法に関する。
従来、眼鏡店においては、眼鏡レンズ装用予定者に眼鏡レンズを装用した状態を疑似体験させるシミュレーション装置が利用されている(例えば、特許文献1参照)。シミュレーション装置を利用すれば、眼鏡レンズ装用予定者は、レンズ発注に先立ってシミュレーション画像を視認することで、眼鏡レンズを通した場合の見え方(像の歪みやボケ等)を体感することができる。また、眼鏡店の側においても、シミュレーションによる像形成を利用するので、眼鏡レンズ装用予定者が所望するレンズ処方等のサンプルレンズを用意する必要が無く、サンプルレンズにはない種類のレンズを装用した場合の見え方を眼鏡レンズ装用予定者に体感させることもできる。
特に、近年では、眼鏡レンズとして個別設計の自由曲面を有した累進屈折力レンズが普及しつつある。このような累進屈折力レンズについては、眼鏡レンズ装用予定者の生活状況や眼鏡使用状況等に応じて適切なレンズ設計基準が選択され、その選択されたレンズ設計基準に従い光学設計がなされる(例えば、特許文献2参照)。そのため、個々の眼鏡レンズ装用予定者に対して最適にカスタマイズされた眼鏡レンズとなり得ることから、予めサンプルレンズを用意しておくことが困難であり、シミュレーション装置を利用してレンズ装用状態の疑似体験をさせることが非常に有用となる。
国際公開第2010/044383号 国際公開第2009/133887号
ところで、個別設計の自由曲面を有した累進屈折力レンズについては、適用されるレンズ設計基準によってレンズ設計上の特徴が異なることが一般的である。このことは、適用されるレンズ設計基準によってレンズ視覚特性の特徴が異なることを意味する。つまり、適用されるレンズ設計基準によっては、レンズ視覚特性の特徴が異なることから、眼鏡レンズを通した見え方も異なってしまうことになる。しかも、眼鏡レンズを通した見え方は、遠方視領域、近方視領域、中間視領域等といった各領域間でも異なる。したがって、シミュレーション装置を利用する場合には、レンズ装用状態を疑似体験する眼鏡レンズ装用予定者に対して、眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴の違いを通知して十分に把握させた上で、その疑似体験の結果に対する適否を判断させることが、その眼鏡レンズ装用予定者に満足感を与えるために非常に重要となる。
しかしながら、従来のシミュレーション装置は、眼鏡レンズを通した見え方を眼鏡レンズ装用予定者に疑似体験させることができても、必ずしも眼鏡レンズ毎のレンズ視覚特性の特徴の違いを眼鏡レンズ装用予定者に十分に把握させ得るとは言えない。眼鏡レンズ毎のレンズ視覚特性の特徴は、例えば個別設計の自由曲面を有した累進屈折力レンズの場合、その設計タイプは組み合わせにより数百種類にも及ぶ。そのため、数百種類にも及ぶ設計タイプのそれぞれによる特徴の違いを十分に理解している店員でなければ、眼鏡レンズ装用予定者が選定した眼鏡レンズがどのようなレンズ視覚特性の特徴を備えているかについて、当該眼鏡レンズ装用予定者に対して的確に通知して把握させることができないおそれがある。つまり、眼鏡レンズ装用予定者が選定した眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴を説明するのにも、眼鏡店の店員に対してレンズ設計の理解度やその説明能力等についての高いスキルが要求されてきている。したがって、店員のスキルによっては、眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴を眼鏡レンズ装用予定者に十分に把握させることができず、結果として眼鏡レンズ装用予定者が不満に感じてしまうことがあり得る。
また、従来のシミュレーション装置には、眼鏡レンズ装用予定者にシミュレーション画像を視認させるにあたり、そのシミュレーション画像をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の表示画面に表示するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。ただし、HMDを用いてレンズ装用状態の疑似体験をさせる場合、眼鏡レンズの全視野を明瞭に再現できるHMDは少なく、全視野を明瞭に再現可能なものは眼鏡店に導入するには高価であり大きさや重量面等でも眼鏡レンズ装用予定者に負担がかかるものとなってしまう。また、小型軽量で安価なHMDも存在するが、そのようなHMDでは視野が限られてしまい、解像度もシミュレーションを行うには十分なものではない。そのため、従来のシミュレーション装置では、眼鏡レンズ装用予定者のみならず、眼鏡店の側も不満に感じてしまうことがあり得る。
そこで、本発明は、眼鏡レンズ装用予定者にレンズ装用状態の疑似体験をさせる場合に、眼鏡レンズ装用予定者や眼鏡店側等の上述した不満を解消することのできるシミュレーションシステム、シミュレーション装置および商品説明補助方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成するために案出されたものである。
この目的達成のために、本願発明者は、先ず、眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴について検討した。レンズ視覚特性の特徴は、例えば個別設計の自由曲面を有した累進屈折力レンズであれば、眼鏡レンズの設計タイプ毎に異なり、しかも遠方視領域、近方視領域、中間視領域等といった各領域間でも異なる。そのため、組み合わせにより数百種類にも及ぶ特徴の違いを全て把握することは、誰にとっても非常に困難であると考えられる。
このことを踏まえた上で、本願発明者は、さらに鋭意検討を重ねた。そして、本願発明者は、レンズ設計タイプ毎および各領域間で異なるレンズ視覚特性について、その特徴に関する解説情報を設計タイプ別および各領域別に予め用意しておき、眼鏡レンズ装用予定者に対するシミュレーション画像の表示に合わせてその表示内容に対応する解説情報の出力を行えば、レンズ視覚特性の特徴の把握を的確かつ容易に行い得るとの着想に至った。しかも、シミュレーション画像の表示を、眼鏡レンズの全視野領域について一括して行うのではなく、当該全視野領域を複数の部分視野領域に分け、その複数の部分視野領域別に選択的に行うようにすれば、該当する解説情報の出力を簡便に行い得るとともに、画像表示側の視野の大きさや解像度等に因らずに眼鏡レンズの全視野領域を明瞭に視認させ得るとの着想に至った。
本発明は、上述した本願発明者による新たな着想に基づいてなされたものである。
本発明の第1の態様は、眼鏡店で用いられる端末装置と、前記眼鏡店に訪れた眼鏡レンズ装用予定者が視認するディスプレイ装置と、コンピュータとしての機能を有するサーバ装置とが、通信可能に接続されたシミュレーションシステムであって、前記サーバ装置は、前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ設計データに基づき、当該眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像に対して、当該眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させる画像処理を行い、前記複数の部分視野領域別のシミュレーション画像を生成する画像生成部と、前記複数の部分視野領域のそれぞれにおける前記レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報を、当該部分視野領域と対応付けて、前記レンズ設計データに適用されるレンズ設計基準の種類別に記憶する情報記憶部と、を備え、前記ディスプレイ装置は、前記シミュレーション画像を前記複数の部分視野領域別に選択的に表示して前記眼鏡レンズ装用予定者に視認させる表示画面部を備え、前記端末装置は、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部が表示する部分視野領域に対応する前記解説情報を前記情報記憶部から取得して出力する情報出力部を備えることを特徴とするシミュレーションシステムである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、前記サーバ装置の前記画像生成部は、前記眼鏡レンズの明瞭指数の等高線の前記シミュレーション画像への重畳処理を行うものであり、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部は、前記等高線が重畳された前記シミュレーション画像を表示するものであることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、前記サーバ装置の前記画像生成部は、前記眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームの枠画像の前記シミュレーション画像への反映処理を行うものであり、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部は、前記枠画像が反映された前記シミュレーション画像を表示するものであることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1、第2または第3の態様に記載の発明において、前記ディスプレイ装置は、前記眼鏡レンズ装用予定者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイであり、前記表示画面部は、前記眼鏡レンズ装用予定者の左右眼のそれぞれに対して個別に画像表示を行うことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか1態様に記載の発明において、前記端末装置は、前記眼鏡店の店員が使用する携帯型の情報端末であり、前記情報出力部は、前記解説情報を前記店員に対して表示出力することを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか1態様に記載の発明において、前記情報出力部は、前記解説情報を音声出力することを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれか1態様に記載の発明において、前記ディスプレイ装置または前記端末装置の少なくとも一方には、前記ディスプレイ装置に表示させる部分視野領域の選択操作を行うための操作部が設けられていることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1から第7のいずれか1態様に記載の発明において、前記端末装置は、前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズについてのパラメータ情報を入力する情報入力部を備え、前記サーバ装置は、前記情報入力部で入力された前記パラメータ情報に基づき、前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズに適用すべきレンズ設計基準の種類を特定し、その特定した種類のレンズ設計基準を適用しつつ当該眼鏡レンズのレンズ設計データを生成するデータ生成部を備えることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、眼鏡店で用いられる端末装置と、前記眼鏡店に訪れた眼鏡レンズ装用予定者が視認するディスプレイ装置とが、通信可能に接続されて構成されたシミュレーション装置であって、前記ディスプレイ装置は、眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像に対して当該眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させる画像処理を行って得られたシミュレーション画像を、前記複数の部分視野領域別に選択的に表示して、前記眼鏡レンズ装用予定者に視認させる表示画面部を備え、前記端末装置は、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部が表示する部分視野領域に反映された前記レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報を出力する情報出力部を備えることを特徴とするシミュレーション装置である。
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の発明において、前記端末装置または前記ディスプレイ装置の少なくとも一方は、通信回線網に接続し、当該通信回線網上のサーバ装置との通信を行う通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部を介して少なくとも前記部分視野領域別の前記シミュレーション画像および前記解説情報を前記サーバ装置から取得するように構成されていることを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第9の態様に記載の発明において、前記端末装置または前記ディスプレイ装置の少なくとも一方は、前記部分視野領域別の前記シミュレーション画像および前記解説情報を記憶する情報記憶部を備えることを特徴とする。
本発明の第12の態様は、眼鏡店で用いられる端末装置と、前記眼鏡店に訪れた眼鏡レンズ装用予定者が視認するディスプレイ装置とを利用しつつ、前記眼鏡店での商品説明の際に当該商品説明を補助する商品説明補助方法であって、眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像に対して当該眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させる画像処理を行って得られたシミュレーション画像を、前記複数の部分視野領域別に選択的に前記ディスプレイ装置で表示して、前記眼鏡レンズ装用予定者に視認させる画像表示ステップと、前記ディスプレイ装置で表示する部分視野領域に反映された前記レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報を、当該部分視野領域と当該解説情報とが対応付けられた状態で予め記憶している情報記憶部から取得して、前記端末装置で出力する情報出力ステップと、前記ディスプレイ装置で表示する部分視野領域の選択を切り替えるとともに、これに対応して前記端末装置で出力する解説情報の切り替えを行う選択切替ステップと、を備えることを特徴とする商品説明補助方法である。
本発明によれば、眼鏡レンズ装用予定者にレンズ装用状態の疑似体験をさせる場合に、その眼鏡レンズ装用予定者に対して眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴を十分に把握させ得るようになり、しかも眼鏡レンズの全視野を明瞭に視認させ得るようになる。
本発明の第1実施形態におけるシミュレーションシステム全体の概略構成例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理の概要を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理の特徴的な手順の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態におけるタブレット端末での表示出力内容の具体例を示す概念図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、シミュレーション画像生成の基になる元画像の具体例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、元画像に画像処理を行って得られたシミュレーション画像の具体例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線を表す画像の具体例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、明瞭指数の等高線画像が重畳された部分視野領域別のシミュレーション画像の具体例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態におけるシミュレーション処理の概要を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態におけるシミュレーション処理の特徴的な手順の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、元画像に画像処理を行って得られたシミュレーション画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線を表す画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態におけるシミュレーション処理にて扱う画像で、明瞭指数の等高線画像が重畳された部分視野領域別のシミュレーション画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態では、以下の順序で項分けをして説明を行う。
A.第1実施形態
1.シミュレーションシステム全体の概略構成
2.シミュレーションシステムの機能構成
3.眼鏡店におけるシミュレーション処理の手順
4.本実施形態の効果
B.第2実施形態
C.変形例等
[A.第1実施形態]
はじめに、本発明の第1実施形態を説明する。
<1.シミュレーションシステム全体の概略構成>
先ず、本実施形態におけるシミュレーションシステム全体の概略構成を説明する。
図1は、本実施形態におけるシミュレーションシステム全体の概略構成例を示す模式図である。
本実施形態におけるシミュレーションシステムは、眼鏡店Sを訪れた眼鏡レンズ装用予定者P1に対して、当該眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズを通した見え方を疑似的に体験させるために用いられる。そのために、シミュレーションシステムは、眼鏡店Sで用いられる端末装置1と、眼鏡店Sに訪れた眼鏡レンズ装用予定者P1が視認する表示画面部を備えたディスプレイ装置2と、コンピュータとしての機能を有するサーバ装置3とが、インターネット等の通信回線網4を介して通信可能に接続されて構成されている。ここでは、端末装置1、ディスプレイ装置2およびサーバ装置3がそれぞれ一つずつである場合を例示しているが、一つのサーバ装置3に対して複数の端末装置1およびディスプレイ装置2(すなわち複数の眼鏡店S)が接続されていても構わない。
端末装置1としては、例えば、眼鏡店Sの店員P2が使用する携帯型の情報端末(以下「タブレット端末」という。)が用いられる。本実施形態では、端末装置1がタブレット端末である場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
また、ディスプレイ装置2としては、例えば、眼鏡レンズ装用予定者P1の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」という。)が用いられる。本実施形態では、ディスプレイ装置2がHMDである場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
なお、眼鏡店Sにおいては、タブレット端末1とHMD2が用いられるが、これらによって後述するシミュレーション装置が構成されることになる。
<2.シミュレーションシステムの機能構成>
続いて、本実施形態におけるシミュレーションシステムの機能構成を説明する。
図2は、本実施形態におけるシミュレーションシステムの機能構成例を示すブロック図である。
本実施形態におけるシミュレーションシステムは、大別すると、サーバ装置3とシミュレーション装置5とを備えて構成されている。なお、サーバ装置3とシミュレーション装置5の間は、既に説明したように、通信回線網4を介して通信可能に接続されている。
(サーバ装置)
サーバ装置3は、眼鏡レンズを通した見え方を眼鏡レンズ装用予定者P1に疑似体験させるために、眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像の生成、生成したシミュレーション画像のシミュレーション装置5への送信、その他必要な処理を行うものである。そのために、サーバ装置3は、通信インターフェイス(以下、インターフェイスを「I/F」と略す。)部31、取得情報認識部32、レンズ設計データ生成部33、原画像記憶部34、画像生成部35、解説情報記憶部36、および、制御部37としての機能を備えて構成されている。
通信I/F部31は、通信回線網4を介して、眼鏡店S側のシミュレーション装置5との通信を行うための機能を実現するものである。
取得情報認識部32は、通信I/F部31を通じて眼鏡店Sの側から取得した情報を認識する機能を実現するものである。眼鏡店Sの側からの情報には、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズについてのパラメータ情報が含まれるものとする。パラメータ情報は、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズの処方情報、当該眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームの形状情報、眼鏡レンズ装用予定者P1が想定する生活環境情報等に由来するパラメータについての情報である。
レンズ設計データ生成部33は、取得情報認識部32で認識したパラメータ情報に基づき、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズに適用すべきレンズ設計基準の種類を特定し、その特定した種類のレンズ設計基準を適用しつつ当該眼鏡レンズのレンズ設計データを生成する機能を実現するものである。適用するレンズ設計基準の種類には様々なものが存在し、そのためレンズ設計データの設計タイプは組み合わせにより数百種類にも及ぶことになる。なお、レンズ設計基準およびレンズ設計データ生成の詳細については、公知技術に基づくものであるため(例えば国際公開第2009/133887号参照)、ここではその説明を省略する。
原画像記憶部34は、画像生成部35でのシミュレーション画像の生成に必要となる原画像データ34aを記憶保持しておく機能を実現するものである。原画像記憶部34が記憶保持する原画像データ34aとしては、シミュレーション画像の元画像に相当する三次元CG(コンピュータグラフィックス)画像についての画像データが挙げられる。なお、元画像は、必ずしもCG画像である必要はなく、例えば撮像カメラによって撮像された画像であっても構わない。
また、原画像記憶部34は、眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像の画像データを、原画像データ34aとして記憶保持しているものとする。ただし、少なくとも複数の部分視野領域について元画像の画像データを記憶保持していれば、原画像記憶部34は、さらに他の画像データを記憶保持していてもよい。
ここで、眼鏡レンズの「全視野領域」とは、眼鏡レンズを通して見た場合の全視野に相当する領域のことをいう。「全視野」とは、眼鏡レンズを通して視認可能な視野角の範囲のことをいい、例えば水平方向約90°、垂直方向約70°の範囲のことをいう。
全視野領域を構成する複数の「部分視野領域」とは、全視野領域を予め設定された区分け態様に応じて区分けした場合のそれぞれの領域のことをいう。各部分視野領域への区分けは、眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴の違いを考慮して行うことが考えられる。具体例としては、例えば眼鏡レンズが累進屈折力レンズであれば、全視野領域を9つの領域に区分けし、遠方視領域の右側部分、中央部分、左側部分、近方視領域の右側部分、中央部分、左側部分、中間視領域の右側部分、中央部分、左側部分のそれぞれが別領域に属するようにしたものが挙げられる。ただし、これら複数の部分視野領域は、それぞれが全視野領域の一部分に相当するものであればよく、各部分視野領域が互いに重複する画像部分を有していてもよい。
このような複数の部分視野領域について、それぞれの画像データを記憶保持しておくことで、原画像記憶部34は、眼鏡レンズの全視野領域について一括して画像出力を行うのではなく、当該全視野領域を複数の小視野に区分けした各部分視野領域別に画像出力することを可能にするのである。
画像生成部35は、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像の生成を行うものである。そのために、画像生成部35は、画像処理部35aおよび画像重畳部35bとしての機能を備えている。
画像処理部35aは、レンズ設計データ生成部33が生成したレンズ設計データに基づき、原画像記憶部34に記憶保持された原画像データ34aに対して、そのレンズ設計データによって特定される視覚特性(ボケ・ゆがみ等)を反映させる画像処理を行う機能を実現するものである。この画像処理によって、各部分視野領域についての元画像に対して、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像が生成されることになる。なお、画像処理によるシミュレーション画像生成の詳細については、公知技術に基づくものであるため(例えば国際公開第2010/044383号参照)、ここではその説明を省略する。
画像重畳部35bは、レンズ設計データ生成部33が生成したレンズ設計データに基づき、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズの明瞭指数を求めるとともに、その明瞭指数の等高線を表す画像を生成し、その等高線の画像を画像処理部35aでの画像処理によって得られたシミュレーション画像に重畳する機能を実現するものである。ここでいう「明瞭指数」は、眼鏡レンズ(特に累進屈折力レンズ)の性能を評価する指標の一つをいう。ただし、明瞭指数の詳細については、公知技術に基づくものであるため(例えば特許第3919097号参照)、ここではその説明を省略する。
解説情報記憶部36は、眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴を解説するための解説情報36aを記憶保持しておく機能を実現するものである。解説情報記憶部36では、レンズ視覚特性が眼鏡レンズの設計タイプ毎に異なることから、レンズ設計データに適用されるレンズ設計基準の種類別に解説情報36aの記憶保持を行うようになっている。また、画像処理部35aが画像処理対象とする各部分視野領域のそれぞれにおいてもレンズ視覚特性が異なることから、各部分視野領域のそれぞれにおけるレンズ視覚特性の特徴に関する解説情報36aを、当該部分視野領域と対応付けて記憶保持するようになっている。なお、解説情報36aの詳細や具体例等については後述する。
制御部37は、サーバ装置3全体の動作制御を行う機能を実現するものである。したがって、上述した各部31〜36は、制御部37によって動作が制御されることになる。
これらの各部31〜37としての機能は、コンピュータとしてのサーバ装置3が有するハードウエア資源を用いつつ、そのサーバ装置3が所定のソフトウエアプログラムを実行することによって実現されるものである。その場合に、ソフトウエアプログラムは、サーバ装置3にインストールされて用いられることになるが、必ずしもこれに限定されることはなく、サーバ装置3がアクセス可能であれば通信回線網4上の他の装置に存在してもよい。
(シミュレーション装置)
一方、シミュレーション装置5は、眼鏡レンズを通した見え方を眼鏡レンズ装用予定者P1に疑似体験させるために、眼鏡店Sの側において利用されるものであり、具体的にはHMD2とタブレット端末1によって構成されている。
(HMD)
HMD2は、眼鏡店Sを訪れた眼鏡レンズ装用予定者P1の頭部に装着された状態でシミュレーション画像の表示出力を行うことで、その眼鏡レンズ装用予定者P1に眼鏡レンズを通した見え方を疑似体験させるものである。そのために、HMD2は、通信I/F部21および表示画面部22としての機能を備えて構成されている。
通信I/F部21は、図示せぬ無線または有線の通信回線を介してタブレット端末1との通信を行うための機能を実現するものである。ただし、通信I/F部21は、通信回線網4を介してサーバ装置3との通信を行う機能を併せ持つものであってもよい。
表示画面部22は、サーバ装置3が生成したシミュレーション画像を表示して眼鏡レンズ装用予定者P1に視認させるための機能を実現するものである。ただし、表示画面部22は、シミュレーション画像の表示を、画像生成部35の画像処理部35aが画像処理対象とした各部分視野領域別に選択的に行うとともに、画像生成部35の画像重畳部35bにより眼鏡レンズの明瞭指数の等高線画像が重畳された状態で行うようになっている。また、表示画面部22は、HMD2における機能であることから、各部分視野領域別の画像表示を、眼鏡レンズ装用予定者P1の左右眼のそれぞれに対して個別に行うようになっている。なお、表示画面部22は、各部分視野領域別の画像表示を行うことから、表示可能な画像サイズが必ずしも全視野領域に対応している必要はなく、例えば表示画面の対角方向約50°程度の視野角に対応したものであっても構わない。
(タブレット端末)
タブレット端末1は、眼鏡店Sの店員P2が携帯して操作するもので、眼鏡レンズを通した見え方を眼鏡レンズ装用予定者P1に疑似体験させるために必要となる情報の入出力を行うものである。そのために、タブレット端末1は、通信I/F部11およびタッチパネル部12としての機能を備えて構成されている。
通信I/F部11は、通信回線網4を介してサーバ装置3との通信を行うとともに、図示せぬ無線または有線の通信回線を介してHMD2との通信を行うための機能を実現するものである。
タッチパネル部12は、情報入出力を行うためのものであり、さらに詳しくは情報出力部12a、操作部12b、および、情報入力部12cとしての機能を実現するものである。
情報出力部12aは、タッチパネル部12の情報出力機能を利用しつつ店員P2に対して各種情報の表示出力する機能を実現するものである。情報出力部12aが表示出力する各種情報には、サーバ装置3の解説情報記憶部36が記憶保持する解説情報36aが含まれる。つまり、情報出力部12aは、解説情報記憶部36内の解説情報36aを当該解説情報記憶部36から取得して、店員P2に対して表示出力する機能を有している。ただし、情報出力部12aは、HMD2の表示画面部22が表示する部分視野領域に対応する解説情報36aについて、その表示出力を行うようになっている。
操作部12bは、タッチパネル部12の情報入力機能を利用してHMD2の表示画面部22に表示させる部分視野領域の選択操作を行う機能を実現するものである。
情報入力部12cは、タッチパネル部12の情報入力機能を利用して眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズについてのパラメータ情報を入力する機能を実現するものである。
<3.眼鏡店におけるシミュレーション処理の手順>
次に、上述した構成のシミュレーションシステムを用いて眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態の疑似体験をさせるために行うシミュレーション処理の手順について説明する。
(シミュレーション処理の概要)
ここでは、先ず、眼鏡店Sで行われるシミュレーション処理の概要について簡単に説明する。
図3は、本実施形態におけるシミュレーション処理の概要を示すフローチャートである。
眼鏡店Sにおいては、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズの処方等を決定すると、その処方情報等を含むパラメータ情報を、店員P2がタブレット端末1の情報入力部12cで入力し(ステップ101、以下ステップを「S」と略す。)、そのタブレット端末1の通信I/F部11から通信回線網4を介してサーバ装置3へ送信する。
パラメータ情報が送信されてくると、サーバ装置3では、そのパラメータ情報を通信I/F部31で受信して取得情報認識部32で認識するとともに、その認識結果に基づいてレンズ設計データ生成部33が適用すべきレンズ設計基準の種類を特定し、その特定した種類のレンズ設計基準を適用しつつ眼鏡レンズ装用予定者P1が装用予定の眼鏡レンズ(すなわち決定した処方等に応じた眼鏡レンズ)のレンズ設計データを生成する(S102)。
レンズ設計データ生成部33がレンズ設計データを生成すると、サーバ装置3では、そのレンズ設計データによって特定されるレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像の生成を、画像生成部35が行う(S103)。そして、生成したシミュレーション画像についての画像データを、通信I/F部31から通信回線網4を介して眼鏡店Sの側へ送信する。
眼鏡店Sの側では、サーバ装置3からの画像データを、タブレット端末1の通信I/F部11で受信するとともに、そのタブレット端末1による管理を経つつ、タブレット端末1の通信I/F部11からHMD2へ送信し、そのHMD2の通信I/F部21に受信させる。これにより、HMD2は、タブレット端末1による管理の下、表示画面部22がサーバ装置3で生成されたシミュレーション画像を表示して眼鏡レンズ装用予定者P1に視認させ、その眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態の疑似体験をさせる(S104)。
シミュレーション画像を視認した結果、そのシミュレーション画像の見え方に違和感を覚えることなく、レンズ装用状態の疑似体験の結果がOKであると眼鏡レンズ装用予定者P1が判断すれば(S105)、眼鏡店Sでは、その眼鏡レンズ装用予定者P1のために、決定した処方等によるレンズ発注を行う(S106)。
一方、レンズ装用状態の疑似体験の結果がNGであると眼鏡レンズ装用予定者P1が判断した場合には(S105)、眼鏡レンズの処方等を変更した上で、疑似体験結果がOKとなるまで、再び上述した一連の手順を繰り返す(S101〜S105)。
以上のような手順で、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させるためのシミュレーション処理を行う。
(シミュレーション処理の詳細)
続いて、上述した手順のシミュレーション処理のうち、シミュレーション画像の生成から表示出力までの手順について、さらに詳しく説明する。
図4は、本実施形態におけるシミュレーション処理の特徴的な手順の詳細を示すフローチャートである。
シミュレーション画像の生成にあたり(図3のS103参照)、サーバ装置3では、レンズ設計データ生成部33が生成したレンズ設計データと、そのデータ生成の際にレンズ設計データ生成部33が適用したレンズ設計基準の種類についての識別情報とを、画像生成部35がレンズ設計データ生成部33から取得する(S201)。さらには、シミュレーション画像の生成に必要となる原画像データ34aを、画像生成部35が原画像記憶部34から取得する(S202)。
これらの各種データや情報等の取得後、画像生成部35では、画像処理部35aがシミュレーション画像の生成を行う。すなわち、画像処理部35aは、取得したレンズ設計データに応じたボケ・ゆがみ等を加える画像処理を、同じく取得した原画像データ34aに対して行って、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像を生成する(S203)。これにより、サーバ装置3からは、眼鏡レンズの全視野領域について一括ではなく、当該全視野領域を複数の小視野に区分けした各部分視野領域別(すなわち小視野別)に、シミュレーション画像の出力を行い得る状態となる。
また、このとき、画像生成部35では、画像重畳部35bが眼鏡レンズの明瞭指数の等高線画像を生成し、その等高線画像をシミュレーション画像に重畳する(S204)。これにより、サーバ装置3からは、各部分視野領域別のシミュレーション画像に、当該部分視野領域における明瞭指数の等高線画像を重畳した状態で、その出力を行い得る状態となる。
さらに、サーバ装置3では、画像生成部35が各部分視野領域別のシミュレーション画像の生成を行うと、各部分視野領域についての解説情報36aを、制御部37が解説情報記憶部36から読み出す(S205)。
そして、制御部37は、必要に応じて(例えばタブレット端末1からの要求に応じて)、画像生成部35が生成した各部分視野領域別のシミュレーション画像で等高線画像が重畳されたものについての画像データと、解説情報記憶部36から読み出した解説情報36aとを、通信I/F部31から通信回線網4を介してタブレット端末1へ送信する。
一方、タブレット端末1では、例えばタッチパネル部12を操作する店員P2による所定操作があると、先ず、サーバ装置3に対して全視野領域の元画像についての画像データの送信を要求する。この要求に応じて、サーバ装置3からは、全視野領域の元画像についての画像データが送信されてくる。このときの画像データの送信は、当該全視野領域を構成する全ての部分視野領域の元画像についての画像データをそれぞれ別個に送信してもよいし、あるいは各部分視野領域間で重複画像部分が存在する場合に当該重複画像部分を重ねるように合成した後に送信してもよい。また、各部分視野領域の元画像とは別に、全視野領域の元画像についての画像データを用意し得る場合には、その全視野領域の元画像についての画像データをそのまま送信するようにしてもよい。
サーバ装置3から全視野領域の元画像についての画像データが送信されてくると、タブレット端末1は、その画像データを通信I/F部11で受信する。そして、タッチパネル部12の情報出力部12aが、その表示画面上の所定部分を利用して、送られてきた全視野領域分の元画像の表示出力を行う(S206)。このときの画像表示出力は、各部分視野領域の元画像をそのまま並べて表示するものであってもよいし、あるいは各部分視野領域間で重複画像部分が存在する場合に当該重複画像部分を重ねるように合成して表示するものであってもよい。
このような全視野領域分の元画像についての表示出力結果を目視することで、店員P2は、眼鏡レンズ装用予定者P1に視認させるべきシミュレーション画像の元画像に関する全体像を把握することが可能となる。なお、このときの全視野領域分の元画像の表示出力態様(表示出力される画面上の所定部分の位置等を含む)の詳細については後述する(例えば図5参照)。
ここで、タブレット端末1は、店員P2がタッチパネル部12の操作部12bで行う操作によって、全視野領域分の元画像のうちのいずれかの部分視野領域が選択指定されたか否かを判断する(S207)。具体的には、例えば、情報出力部12aが表示出力している全視野領域分の元画像上において、その全視野領域を構成するいずれかの部分視野領域が店員P2によってタッチ操作されたか否かによって、領域指定操作の有無を判断する。
タッチパネル部12の操作部12bでの領域指定操作があれば、タブレット端末1では、選択指定された部分視野領域(すなわち小視野分)のシミュレーション画像についての画像データと、その部分視野領域についての解説情報36aとを、サーバ装置3に対して送信要求し、これに応じて送信されてくると通信I/F部11で受信する。そして、タブレット端末1では、タッチパネル部12の情報出力部12aが、全視野領域分の元画像とは別に、選択指定された部分視野領域(すなわち小視野分)のシミュレーション画像で等高線画像が重畳されたもの(以下「小視野分のシミュレーション画像」という。)を、その表示画面上の所定部分を利用して、元画像の表示よりも拡大して表示出力する(S208)。さらに、タブレット端末1では、タッチパネル部12の情報出力部12aが、全視野領域分の元画像および小視野分のシミュレーション画像とは別に、選択指定された部分視野領域(すなわち小視野分)に関する解説情報36aを、その表示画面上の所定部分を利用して表示出力する(S209)。なお、このときの小視野分のシミュレーション画像および解説情報36aの表示出力態様(表示出力される画面上の所定部分の位置等を含む)の詳細については後述する(例えば図5参照)。
また、タッチパネル部12の操作部12bでの領域指定操作があると、タブレット端末1は、上述したタッチパネル部12での表示出力等とは別に、小視野分のシミュレーション画像についての画像データを、通信I/F部11からHMD2へ送信する。
HMD2では、タブレット端末1から小視野分のシミュレーション画像についての画像データが送信されてくると、これを通信I/F部21で受信する。そして、HMD2の表示画面部22は、送られてきた小視野分のシミュレーション画像の表示出力を行う(S210)。この画像表示出力は、眼鏡レンズ装用予定者P1の左右眼のそれぞれに対して個別に行うものとする。したがって、眼鏡レンズ装用予定者P1に対して、いわゆる3D表示を行うことも可能である。このような表示出力結果を視認することで、眼鏡レンズ装用予定者P1は、レンズ装用状態の疑似体験をすることになる。
このときの表示画面部22による画像表示出力は、全視野領域分についてのものではなく、小視野分のシミュレーション画像についてのものである。したがって、眼鏡レンズを通した全視野領域が例えば水平方向約90°、垂直方向約70°であるのに対して、表示画面部22が対角方向約50°程度の視野角に対応したものであっても、その表示画面部22は、シミュレーション画像の縮小等を要することなく、その画像表示出力を行うことができる。
このように、眼鏡店Sの側においては、HMD2が小視野分のシミュレーション画像を眼鏡レンズ装用予定者P1に視認させてレンズ装用状態の疑似体験をさせているとともに、タブレット端末1ではHMD2が表示出力している小視野分(部分視野領域)に対応する解説情報36aが店員P2に対して表示出力されている。そのため、店員P2は、その小視野分(部分視野領域)のレンズ視覚特性を完璧に記憶していなくても、解説情報36aの表示出力結果を参照すれば、そのレンズ視覚特性の特徴を的確に認識することができる。しかも、店員P2が解説情報36aの表示出力結果を読み上げて、眼鏡レンズ装用予定者P1に対して通知すれば、そのレンズ視覚特性の特徴を眼鏡レンズ装用予定者P1にも十分に把握させることが可能となる。つまり、タブレット端末1における解説情報36aの表示出力結果を利用することで、眼鏡レンズ装用予定者P1が選定した眼鏡レンズがどのようなレンズ視覚特性の特徴を備えているかについて、店員P2の記憶に基づく曖昧な情報ではなく、解説情報36aに基づく正確な情報として、眼鏡レンズ装用予定者P1に適切かつ十分に把握させ得るようになるのである。
その後、タブレット端末1は、全視野領域分の元画像のうちの別の部分視野領域が選択指定されたか否か、すなわち選択指定された部分視野領域の切替操作がされたか否かを判断する(S211)。具体的には、例えば、情報出力部12aが表示出力している全視野領域分の元画像上において、HMD2で表示出力中の小視野分(部分視野領域)とは異なる部分視野領域につき、店員P2によるタッチパネル部12の操作部12bでのタッチ操作がされたか否かによって、領域切替操作の有無を判断する。
タッチパネル部12の操作部12bでの領域切替操作があれば、タブレット端末1では、その切替操作によって新たに選択指定された部分視野領域(すなわち小視野分)について、再びタブレット端末1およびHMD2における上述した一連の手順を繰り返す(S208〜S211)。
そして、タッチパネル部12の操作部12bでの領域指定操作または領域切替操作がなければ、サーバ装置3、タブレット端末1およびHMD2は、上述した一連のシミュレーション画像の生成および表示出力の処理を終了し、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態の疑似体験の結果を判断させる(図3のS104参照)。
(眼鏡店での商品説明補助方法)
以上のような手順のシミュレーション処理を行うことで、眼鏡店Sでは、店員P2による眼鏡レンズ装用予定者P1への眼鏡レンズについての説明を、シミュレーションシステムが補助することになる。すなわち、眼鏡店Sでは、HMD2を利用しつつ眼鏡レンズ装用予定者P1に対して各部分視野領域別に選択的にシミュレーション画像を視認させる画像表示ステップと、タブレット端末1を利用しつつHMD2で表示出力している部分視野領域に対応する解説情報36aを出力する情報出力ステップと、HMD2で表示する部分視野領域の選択を切り替えるとともにこれに対応してタブレット端末1で出力する解説情報36aの切り替えを行う選択切替ステップと、を順に経ることで、シミュレーションシステムが眼鏡店Sの店員P2による説明を補助するのである。
(タブレット端末での表示出力内容の具体例)
ここで、上述した手順のシミュレーション処理においてタブレット端末1のタッチパネル部12が表示出力を行う内容について、具体例を挙げて詳しく説明する。
図5は、本実施形態におけるタブレット端末での表示出力内容の具体例を示す概念図である。
タッチパネル部12の表示画面上には、例えば画面上方かつ左方の一部領域に、全視野領域分の元画像13aが表示出力される。この元画像13aは、9つの領域に区分けされた各部分視野領域をその区分け前の状態を再現するように3行×3列に並べた態様で表示出力されている場合の例を示している。
また、タッチパネル部12の表示画面上には、例えば全視野領域分の元画像13aの表示領域の下方側(すなわち画面下方かつ左方)の一部領域に、その全視野領域分の元画像13aにて選択指定された部分視野領域について、小視野分のシミュレーション画像13bとして拡大された状態で表示出力される。ここで表示出力される小視野分のシミュレーション画像13bは、店員P2によって選択指定されたものであり、HMD2の表示画面部22において表示出力されるものである。したがって、店員P2は、表示出力されている小視野分のシミュレーション画像13bを参照することで、HMD2の表示画面部22がどの部分視野領域についての表示出力を行っているかを適切かつ容易に把握することができる。また、小視野分のシミュレーション画像13bには明瞭指数の等高線画像が重畳されているので、これによりレンズ視覚特性の特徴についても容易かつ明瞭に把握し得るようになる。
さらに、タッチパネル部12の表示画面上には、例えば画面右方の一部領域に、全視野領域分の元画像13aにて選択指定された部分視野領域に対応する解説情報についての文字画像13cが表示出力される。ここで表示出力される解説情報についての文字画像13cは、小視野分のシミュレーション画像13bとして表示出力されている部分視野領域について、そのレンズ視覚特性の特徴を解説する文字を表す画像からなる。具体的には、例えば「○○部分は××の特徴を有する。」や「△△部分は□□の適用範囲が広い。」等の文字が解説情報についての文字画像13cとして表示出力される。したがって、店員P2は、表示出力されている解説情報についての文字画像13cを参照することで、HMD2の表示画面部22が表示出力している部分視野領域について、どのようなレンズ視覚特性の特徴を有しているかを的確に認識することができる。
これらの表示出力内容のうち、小視野分のシミュレーション画像13bおよびこれに対応する解説情報についての文字画像13cは、全視野領域分の元画像13aを利用したタッチ操作に応じて切り替わる。例えば、全視野領域分の元画像13aにおける一つの部分視野領域がタッチ操作されると、これに対応する小視野分のシミュレーション画像13bおよび解説情報についての文字画像13cを表示出力するが、その後に他の一つの部分視野領域がタッチ操作されると、これに対応する小視野分のシミュレーション画像13bおよび解説情報についての文字画像13cに表示出力内容が切り替わることになる。つまり、小視野分のシミュレーション画像13bおよび解説情報についての文字画像13cは、各部分視野領域別に選択的に表示出力されるのである。
また、このような表示出力内容は、眼鏡レンズの設計タイプ別によっても異なる。すなわち、レンズ設計データ生成部33が適用したレンズ設計基準の種類が異なれば、そのレンズ設計データ生成部33が生成したレンズ設計データに基づいて行う画像処理部35aでのシミュレーション画像の生成結果も異なったものとなる。そのため、タッチパネル部12の表示画面上には、眼鏡レンズの設計タイプ別に、異なる全視野領域分の元画像13a、並びに、これに対応する小視野分のシミュレーション画像13bおよび解説情報についての文字画像13cが表示出力されることになる。このことは、タッチパネル部12の表示画面が、眼鏡レンズの設計タイプ別に表示切替を行うことが可能であることを意味する。
なお、ここで例に挙げた表示画面上の出力レイアウトは、単なる一具体例に過ぎない。つまり、タッチパネル部12の表示画面上における出力レイアウトは、予め適宜設定されているものであれば、特に限定されるものではない。
(HMDでの表示出力内容の具体例)
続いて、上述した手順のシミュレーション処理においてHMD2の表示画面部22が表示出力を行う内容について、具体例を挙げて詳しく説明する。
図6は、シミュレーション画像生成の基になる元画像の具体例を示す説明図である。
図例の元画像は、眼鏡レンズの全視野領域を9つの部分視野領域(小視野)に区分けしたものである。この区分けにより、眼鏡レンズが累進屈折力レンズである場合の遠方視領域の右側部分、中央部分、左側部分、近方視領域の右側部分、中央部分、左側部分、中間視領域の右側部分、中央部分、左側部分は、それぞれが別の部分視野領域に属することになる。これらの各部分視野領域は、隣接する部分視野領域同士で重複する画像部分を有している。なお、近方視領域の中央部分についての元画像は、文字が記載された紙を眼鏡レンズ装用予定者P1が持ち上げて読むことを想定したものである。
図7は、元画像に画像処理を行って得られたシミュレーション画像の具体例を示す説明図である。
図例のシミュレーション画像は、図6に示した部分視野領域別の元画像のそれぞれに対して、画像処理を行って得られたものである。画像処理では、例えば、右眼について、球面度数S2.00、乱視度数C−1.00、乱視軸Ax180、加入度Add2.50、累進帯長14mm、瞳孔間距離PD=32+32mmの累進屈折力レンズのレンズ視覚特性を反映させている。
図8は、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線を表す画像の具体例を示す説明図である。
図例の等高線画像は、図6に示した部分視野領域別の元画像の区分けに対応したものであり、眼鏡レンズの明瞭指数別に表示明度を相違させた画像である。同一表示明度の領域部分とこれに隣接する他の表示明度の領域部分との境界部分が明瞭指数の等高線に相当する。なお、眼鏡レンズは、図7の場合と同様、例えば、右眼について、球面度数S2.00、乱視度数C−1.00、乱視軸Ax180、加入度Add2.50、累進帯長14mm、瞳孔間距離PD=32+32mmの累進屈折力レンズを想定している。
図9は、明瞭指数の等高線画像が重畳された部分視野領域別のシミュレーション画像の具体例を示す説明図である。
図例の画像は、図7のシミュレーション画像に図8の等高線画像を重畳したものである。また、明瞭指数の値によって画像の輝度を調整している。HMD2の表示画面部22では、このような等高線画像が重畳されたシミュレーション画像が、各部分視野領域別に選択的に表示出力されることになる。
<4.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態では、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させるにあたり、HMD2の表示画面部22が表示出力する小視野分(部分視野領域)に対応する解説情報36aを、タブレット端末1の情報出力部12aが店員P2に対して表示出力する。つまり、レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報36aを設計タイプ別および各部分視野領域別に予め用意しておき、眼鏡レンズ装用予定者P1に対するシミュレーション画像の表示に合わせてその表示内容に対応する解説情報36aの出力を行うのである。そのため、店員P2は、その小視野分(部分視野領域)のレンズ視覚特性を完璧に記憶していなくても、解説情報36aの表示出力結果を参照すれば、そのレンズ視覚特性の特徴を的確に認識することができる。しかも、店員P2が解説情報36aの表示出力結果を読み上げて、眼鏡レンズ装用予定者P1に対して通知すれば、そのレンズ視覚特性の特徴を眼鏡レンズ装用予定者P1にも十分に把握させることが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、例えば個別設計の自由曲面を有した累進屈折力レンズのように、眼鏡レンズ毎のレンズ視覚特性の特徴が設計タイプ等によって数百種類にも及ぶ場合であっても、店員P2のスキル等に因らずにレンズ視覚特性の特徴の違いを眼鏡レンズ装用予定者P1に十分に把握させた上で、その眼鏡レンズ装用予定者P1に疑似体験の結果に対する適否を判断させることができるので、その眼鏡レンズ装用予定者P1に満足感を与えることが可能となる。
しかも、本実施形態では、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させるにあたり、HMD2の表示画面部22がシミュレーション画像を小視野分(部分視野領域)別に選択的に表示して、眼鏡レンズ装用予定者P1に視認させる。つまり、シミュレーション画像の表示を、眼鏡レンズの全視野領域について一括して行うのではなく、当該全視野領域を構成する複数の部分視野領域別に選択的に行うので、眼鏡レンズを通した全視野領域が例えば水平方向約90°、垂直方向約70°であるのに対して、表示画面部22が対角方向約50°程度の視野角に対応したものであっても、シミュレーション画像の縮小等を要することなく、その画像表示出力を行うことができる。さらには、シミュレーション画像の表示を小視野分(部分視野領域)毎に行う場合であっても、その選択領域の切り替えを行うことで、眼鏡レンズの全視野分を眼鏡レンズ装用予定者P1に明瞭に視認させることも可能となる。
したがって、本実施形態によれば、表示画面部22で眼鏡レンズの全視野領域を一括して再現可能である必要はなく、小型軽量で安価なHMD2を用いて眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態の疑似体験をさせることができ、しかもその場合であっても表示領域切替によって全視野領域分を眼鏡レンズ装用予定者P1に明瞭に視認させることもできるので、シミュレーション装置5を導入する際に眼鏡店Sの側が感じてしまうであろう不満を解消することが可能となる。
また、本実施形態では、店員P2による眼鏡レンズ装用予定者P1への眼鏡レンズについての商品説明を、シミュレーションシステムが補助する。つまり、タブレット端末1における解説情報36aの表示出力結果を利用することで、眼鏡レンズ装用予定者P1が選定した眼鏡レンズがどのようなレンズ視覚特性の特徴を備えているかについて、店員P2の記憶に基づく曖昧な情報ではなく、解説情報36aに基づく正確な情報として、眼鏡レンズ装用予定者P1に適切かつ十分に把握させ得るようになる。
したがって、本実施形態によれば、店員P2には高いスキル等を要求せず、眼鏡レンズ装用予定者P1に対しては眼鏡レンズのレンズ視覚特性の特徴を十分に把握させ得るようになる。つまり、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させるにあたり、その眼鏡レンズ装用予定者P1や眼鏡店Sの側等が感じるであろう不満を解消して、それぞれに対して満足感を与え得るようになる。
また、本実施形態では、シミュレーション画像の表示出力にあたり、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線が重畳されたものを表示出力する。そのため、等高線画像の重畳が無い場合に比べると、レンズ視覚特性の特徴の把握が容易化する。このことは、特に、HMD2の表示画面部22における解像度が十分でない場合に有効である。なぜならば、表示画面部22の解像度が十分でない場合には、シミュレーション画像に反映させたボケ・ゆがみ等を必ずしも完全に再現できないおそれもあるが、等高線画像が重畳されていれば、その完全に再現できない部分を等高線によって補足できるからである。表示画面部22が低解像度のものでよければ、小型軽量で安価なHMD2を用いて眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態の疑似体験をさせ得るようにもなる。さらには、等高線画像が重畳されていれば、その重畳された等高線画像の違いによって、各眼鏡レンズ間におけるレンズ視覚特性の微妙な違いを顕在化することも可能になる。
また、本実施形態では、眼鏡レンズ装用予定者P1に対するシミュレーション画像の表示を、その眼鏡レンズ装用予定者P1の頭部に装着されるHMD2を用いて行うとともに、そのHMD2の表示画面部22が眼鏡レンズ装用予定者P1の左右眼のそれぞれに対して個別に行う。そのため、本実施形態によれば、左右眼で異なる処方等の眼鏡レンズが装用され得るという、眼鏡レンズならではの特性にも好適に対応しつつ、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させることが可能となる。しかも、シミュレーション画像の表示にあたり、いわゆる3D表示にも容易に対応することが可能なので、眼鏡レンズ装用予定者P1に対して臨場感に溢れる画像表示を行うことができ、眼鏡レンズ装用予定者P1の疑似体験の結果に対する可否判断を容易化させ得るようにもなる。また、眼鏡店Sの側にとっては、大掛かりな構成のディスプレイ装置を要することなく、小型軽量なHMD2を用いて眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させることができるので、店舗スペースの有効活用等を図る上で好ましいものとなる。
また、本実施形態では、解説情報36aの表示出力等を、店員P2が使用するタブレット端末1で行う。つまり、タブレット端末1には、解説情報36aの表示出力等を行う情報出力部12aが設けられている。そのため、本実施形態によれば、携帯性に優れたタブレット端末1を手に持ちながら、店員P2が眼鏡レンズ装用予定者P1に対する眼鏡レンズの商品説明を行うことができるので、その店員P2にとっては非常に使い勝手の良いものとなる。また、解説情報36aの表示出力等については、タブレット端末1が一般的に備えている情報出力機能等を利用するため、タブレット端末1として汎用品を用いて構成することが可能となり、シミュレーション装置5のコスト低減にも貢献し得るようになる。
また、本実施形態では、HMD2に表示させる小視野分(部分視野領域)についての選択操作(領域指定操作および領域切替操作の両方を含む。)を、店員P2がタブレット端末1で行う。つまり、タブレット端末1には、店員P2が選択操作を行うための操作部12bが設けられている。そのため、本実施形態によれば、どの小視野分(部分視野領域)についてHMD2が表示出力を行っているかを、タブレット端末1を使用する店員P2が適切かつ容易に把握することができ、その店員P2にとっては眼鏡レンズ装用予定者P1に対する眼鏡レンズの商品説明を行い易いものとなる。
また、本実施形態では、眼鏡店Sの側で使用されるタブレット端末1が通信回線網4を介してサーバ装置3との通信を行い、そのサーバ装置3からシミュレーション画像および解説情報36aを取得する。つまり、タブレット端末1にはシミュレーション画像および解説情報36aを取得するための通信I/F部11が設けられており、サーバ装置3にはシミュレーション画像を生成する画像生成部35および予め解説情報36aを記憶保持しておく解説情報記憶部36が設けられている。そのため、本実施形態によれば、シミュレーションシステム内において、処理負荷の大きいシミュレーション画像生成と、多くの記憶容量を要する解説情報36aの記憶保持とを、処理能力が高いサーバ装置3の側で集中的に行うことになるので、システム内の各資源の効率的な運用が実現可能となる。また、眼鏡店Sの側で使用されるシミュレーション装置5を構成するタブレット端末1およびHMD2は、シミュレーション画像生成等を行うほどの高い処理能力を必要としないので、シミュレーションシステムを構築する上でのコスト低減にも貢献し得るようになる。このことは、特にサーバ装置3に対して複数のタブレット端末1およびHMD2(すなわち複数の眼鏡店S)が接続されている場合に有効である。
また、本実施形態では、タブレット端末1が眼鏡レンズのパラメータ情報を入力する情報入力部12cを備えており、サーバ装置3がそのパラメータ情報に基づいて適用すべきレンズ設計基準の種類を特定しつつ眼鏡レンズのレンズ設計データを生成するレンズ設計データ生成部33を備えている。そのため、本実施形態によれば、サーバ装置3の側において、レンズ設計データの生成からシミュレーション画像の生成までを一連の処理として行うことが可能となる。つまり、サーバ装置3の側では、処理実行の効率化が図れる。一方、眼鏡店Sの側からみても、パラメータ情報の入力等を行えば、サーバ装置3からシミュレーション画像等が送られてくることになるので、眼鏡レンズ装用予定者P1および眼鏡店Sの店員P2のそれぞれにとって利便性の高いものとなる。
[B.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ここでは、上述した第1実施形態との相違点について説明する。
ここで説明する第2実施形態では、表示出力するシミュレーション画像の内容が、上述した第1実施形態の場合とは相違する。
(シミュレーション処理の概要)
図10は、第2実施形態におけるシミュレーション処理の概要を示すフローチャートである。
第2実施形態では、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズの処方情報や当該眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームの形状情報等を含むパラメータ情報がタブレット端末1の情報入力部12cで入力されると(S301)、そのパラメータ情報が通信回線網4を介してサーバ装置3へ送信される。サーバ装置3では、パラメータ情報が送信されてくると、通信I/F部31で受信して取得情報認識部32で認識する。そして、取得情報認識部32は、パラメータ情報に含まれる眼鏡フレームの形状情報に基づいて、その眼鏡フレームの枠形状を特定するフレーム形状データを取得する(S302)。また、レンズ設計データ生成部33は、取得情報認識部32での処方情報等の認識結果に基づいて、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用予定の眼鏡レンズ(すなわち決定した処方等に応じた眼鏡レンズ)のレンズ設計データを生成する(S303)。
レンズ設計データ生成部33がレンズ設計データを生成すると、サーバ装置3では、そのレンズ設計データによって特定されるレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像の生成を、画像生成部35が行う(S304)。さらに、画像生成部35は、取得情報認識部32が取得したフレーム形状データに基づいて眼鏡フレームのフレーム枠画像を生成し、これをシミュレーション画像に反映させる(S305)。具体的には、シミュレーション画像上に眼鏡フレームのフレーム枠画像を重ね合わせることで、当該シミュレーション画像への反映を行う。そして、サーバ装置3は、フレーム枠画像を反映させたシミュレーション画像についての画像データを、通信I/F部31から通信回線網4を介して眼鏡店Sの側へ送信する。
それ以降の処理(S306〜S308)は、第1実施形態の場合と同様である(図3参照)。
(シミュレーション処理の詳細)
続いて、上述した手順のシミュレーション処理のうち、シミュレーション画像の生成から表示出力までの手順について、さらに詳しく説明する。
図11は、第2実施形態におけるシミュレーション処理の特徴的な手順の詳細を示すフローチャートである。
シミュレーション画像の生成にあたり(図10のS304、S305参照)、サーバ装置3の画像生成部35は、レンズ設計データ生成部33が生成したレンズ設計データと、そのデータ生成の際にレンズ設計データ生成部33が適用したレンズ設計基準の種類についての識別情報とを、レンズ設計データ生成部33から取得する(S401)。また、画像生成部35は、シミュレーション画像の生成に必要となる原画像データ34aを、原画像記憶部34から取得する(S402)。さらに、画像生成部35は、眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームについてのフレーム形状データを、取得情報認識部32から取得する(S403)。
これらの各種データや情報等の取得後、画像生成部35では、画像処理部35aがシミュレーション画像の生成を行う。すなわち、画像処理部35aは、取得したレンズ設計データに応じたボケ・ゆがみ等を加える画像処理を、同じく取得した原画像データ34aに対して行って、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させたシミュレーション画像を生成する(S404)。これにより、サーバ装置3からは、眼鏡レンズの全視野領域について一括ではなく、当該全視野領域を複数の小視野に区分けした各部分視野領域別(すなわち小視野別)に、シミュレーション画像の出力を行い得る状態となる。
また、このとき、画像生成部35では、画像重畳部35bが眼鏡レンズの明瞭指数の等高線画像を生成し、その等高線画像をシミュレーション画像に重畳する(S405)。これにより、サーバ装置3からは、各部分視野領域別のシミュレーション画像に、当該部分視野領域における明瞭指数の等高線画像を重畳した状態で、その出力を行い得る状態となる。
さらに、このとき、画像生成部35では、取得情報認識部32が取得したフレーム形状データに基づいて、眼鏡フレームのフレーム枠画像を生成する。そして、生成したフレーム枠画像のシミュレーション画像への反映処理を行う(S406)。反映処理は、例えば以下に述べるようにして行うことが考えられる。先ず、画像生成部35は、フレーム形状データを基に、眼鏡フレームのフレーム枠の形状を特定する。さらに、画像生成部35は、眼鏡レンズ装用予定者P1が装用を予定する眼鏡レンズについて規定された角膜頂点間距離(装用距離)を用いて、眼鏡フレームのフレーム枠がシミュレーション画像上のどの位置に配されることになるかを特定する。そして、画像生成部35は、これらの特定結果を用いつつ、眼鏡レンズ装用予定者P1から見えるであろう眼鏡フレームのフレーム枠画像を生成するとともに、そのフレーム枠画像を各部分視野領域別のシミュレーション画像上に重ね合わせることで、当該シミュレーション画像への反映を行う。これにより、サーバ装置3からは、各部分視野領域別のシミュレーション画像に、当該部分視野領域において見えるであろう眼鏡フレームのフレーム枠画像を反映させた状態(すなわち重ね合わせた状態)で、その出力を行い得る状態となる。
その後、サーバ装置3は、各部分視野領域についての解説情報36aを、制御部37が解説情報記憶部36から読み出す(S407)。そして、制御部37は、必要に応じて(例えばタブレット端末1からの要求に応じて)、画像生成部35が生成した各部分視野領域別のシミュレーション画像で等高線画像が重畳されフレーム枠画像が反映されたものについての画像データと、解説情報記憶部36から読み出した解説情報36aとを、通信I/F部31から通信回線網4を介してタブレット端末1へ送信する。
それ以降の処理(S408〜S413)は、第1実施形態の場合と同様である(図4参照)。
(HMDでの表示出力内容の具体例)
続いて、上述した手順のシミュレーション処理においてHMD2の表示画面部22が表示出力を行う内容について、具体例を挙げて詳しく説明する。
なお、以下に説明する具体例において、シミュレーション画像生成の基になる元画像は、第1実施形態の場合と同様であるものとする(図6参照)。
図12は、元画像に画像処理を行って得られたシミュレーション画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。
図例のシミュレーション画像は、図6に示した部分視野領域別の元画像のそれぞれに対して、画像処理を行って得られたものである。画像処理では、例えば、右眼について、球面度数S2.00、乱視度数C−1.00、乱視軸Ax180、加入度Add2.50、累進帯長14mm、瞳孔間距離PD=32+32mmの累進屈折力レンズのレンズ視覚特性を反映させている。
さらに、図例のシミュレーション画像は、各部分視野領域別に、眼鏡フレームの枠に相当するフレーム枠画像50が反映されている。つまり、シミュレーション画像には、フレーム枠画像50が重ね合わせられている。このような表示出力内容によれば、これを見た眼鏡レンズ装用予定者P1は、眼鏡フレームを装用した状態(すなわちフレーム枠が視界に入る状態)での眼鏡レンズのレンズ視覚特性(フレーム枠の内側における視覚特性)を、容易かつ的確に把握し得るようになる。
図13は、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線を表す画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。
図例の等高線画像は、図6に示した部分視野領域別の元画像の区分けに対応したものであり、眼鏡レンズの明瞭指数別に表示明度を相違させた画像である。同一表示明度の領域部分とこれに隣接する他の表示明度の領域部分との境界部分が明瞭指数の等高線に相当する。なお、眼鏡レンズは、図12の場合と同様、例えば、右眼について、球面度数S2.00、乱視度数C−1.00、乱視軸Ax180、加入度Add2.50、累進帯長14mm、瞳孔間距離PD=32+32mmの累進屈折力レンズを想定している。
さらに、図例の等高線画像には、各部分視野領域別に、眼鏡フレームの枠に相当するフレーム枠画像50が反映されている。第2実施形態においては、例えば元画像に画像処理を行って得られたシミュレーション画像を構成する画素成分を除去することで、等高線画像にフレーム枠画像50を反映させた画像を作成することも実現可能である。このような画像による表示出力内容によれば、これを見た眼鏡レンズ装用予定者P1は、眼鏡フレームの枠位置に対する眼鏡レンズの明瞭指数の分布を容易かつ的確に把握し得るようになる。
図14は、明瞭指数の等高線画像が重畳された部分視野領域別のシミュレーション画像にフレーム枠画像を反映させた具体例を示す説明図である。
図例の画像は、図12のシミュレーション画像に図13の等高線画像を重畳したものであり、さらには眼鏡フレームの枠に相当するフレーム枠画像50を反映させたものである。また、図例の画像は、明瞭指数の値によって画像の輝度を調整している。HMD2の表示画面部22には、このような等高線画像が重畳されフレーム枠画像50が反映されたシミュレーション画像が、各部分視野領域別に選択的に表示出力されることになる。
このような表示出力内容によれば、これを見た眼鏡レンズ装用予定者P1は、眼鏡フレームを装用した状態での眼鏡レンズのレンズ視覚特性を容易かつ的確に把握し得るとともに、眼鏡フレームの枠位置に対する眼鏡レンズの明瞭指数の分布を容易かつ的確に把握し得るようになる。
(本実施形態の効果)
第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の場合に得られた効果に加えて、以下のような効果が得られる。
第2実施形態では、サーバ装置3の画像生成部35が眼鏡フレームのフレーム枠画像50のシミュレーション画像への反映処理を行い、そのフレーム枠画像50が反映されたシミュレーション画像をHMD2の表示画面部22が表示する。したがって、眼鏡レンズ装用予定者P1にとっては、眼鏡フレームを装用した状態を再現しつつ眼鏡レンズのレンズ視覚特性を把握することができ、フレーム枠画像50を反映させない場合に比べてレンズ装用状態の疑似体験をより一層適切に行い得るので、非常に利便性の高いものとなる。このことは、特にシミュレーション画像を小視野分(部分視野領域)別に選択的に表示する場合に非常に有効である。なぜならば、全視野領域の周縁側に位置する部分視野領域については眼鏡フレームの枠部分が視界に入る可能性が高いが、そのような部分視野領域のシミュレーション画像を表示する場合であっても、フレーム枠画像50を反映させることで、その状態を適切に再現してレンズ装用状態の疑似体験の適切化が図れるからである。
[C.変形例等]
以上に本発明の第1実施形態および第2実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、各実施形態では、シミュレーション画像を表示するディスプレイ装置がHMD2である場合を例に挙げて説明したが、眼鏡レンズ装用予定者P1にシミュレーション画像を視認させ得るものであれば、HMD2以外のディスプレイ装置(例えば据置型のディスプレイ装置)を用いてシミュレーション画像を表示しても構わない。
また、各実施形態では、解説情報36aの出力等を行う端末装置がタブレット端末1である場合を例に挙げて説明したが、店員P2に対して情報入出力を行い得るものであれば、タブレット端末1以外の端末装置(例えば、ノート型またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ)を用いて解説情報36aの出力等を行っても構わない。
さらに、各実施形態では、タブレット端末1において文字情報である解説情報36aを店員P2に対して表示出力し、その店員P2が解説情報36aの表示出力結果を読み上げることで、眼鏡レンズ装用予定者P1への通知を行う場合を例に挙げて説明したが、解説情報36aの出力は、店員P2または眼鏡レンズ装用予定者P1に把握させることが可能であれば、どのような態様で行っても構わない。例えば、解説情報36aを出力する端末装置が音声出力機能を有している場合であれば、その解説情報36aを音声出力することによって、店員P2または眼鏡レンズ装用予定者P1に把握させるようにすることも考えられる。
また、各実施形態では、HMD2に表示させる小視野分(部分視野領域)についての選択操作を店員P2がタブレット端末1で行う場合を例に挙げて説明したが、HMD2での表示内容の選択切り替えについては、必ずしもタブレット端末1での操作を要するものではない。つまり、タブレット端末1での操作を要さずとも、例えば予め設定された順に従いつつ所定時間毎に各部分視野領域についての表示を自動的に切り替えるようにすることが考えられる。
また、各実施形態では、タブレット端末1がサーバ装置3からシミュレーション画像についての画像データを受け取り、これをHMD2に送ることでHMD2での表示出力を行わせる場合を説明したが、HMD2がサーバ装置3と直接的に画像データのやり取りをするようにしても構わない。つまり、シミュレーション装置5を構成するタブレット端末1またはHMD2の少なくとも一方が、通信回線網4上のサーバ装置3との通信を行うように構成されていればよい。
また、各実施形態では、通信回線網4上に存在するサーバ装置3にシミュレーション画像を生成する画像生成部35および予め解説情報36aを記憶保持しておく解説情報記憶部36が設けられており、そのサーバ装置3から通信回線網4を介して眼鏡店Sの側にシミュレーション画像および解説情報36aが送られてくる場合を例に挙げて説明したが、シミュレーション画像および解説情報36aは、眼鏡店Sの側で使用されるシミュレーション装置5が予め保持していてもよい。すなわち、シミュレーション装置5を構成するタブレット端末1またはHMD2の少なくとも一方が、部分視野領域別のシミュレーション画像および解説情報36aを記憶する情報記憶部を備えており、その情報記憶部から必要に応じてシミュレーション画像および解説情報36aを取り出して出力するように構成することも考えられる。
また、各実施形態では、サーバ装置3がレンズ設計データ生成部33を備えており、レンズ設計データの生成からシミュレーション画像の生成までを一連の処理として行う場合を例に挙げて説明したが、レンズ設計データの生成とシミュレーション画像の生成とを全く別装置で行うようにすることも可能である。
また、各実施形態では、シミュレーション画像の生成および表示出力にあたり、眼鏡レンズの全視野領域を9つの部分視野領域(小視野)に区分けする場合を例に挙げて説明したが、小視野への区分けの数や態様等については特に限定されるものではなく、予め決められたものであればよい。
さらに、各実施形態では、原画像記憶部34が記憶保持する原画像データ34aの段階で、部分視野領域(小視野)への区分けがされている場合を例に挙げたが、遅くとも画像処理部35aによるシミュレーション画像生成の段階までに部分視野領域(小視野)への区分けがされていればよい。したがって、例えば全視野領域の元画像について原画像記憶部34が原画像データ34aを記憶保持している場合であれば、その全視野領域から部分視野領域の元画像を抽出しつつ、その部分視野領域についてのシミュレーション画像を生成することも考えられる。
また、各実施形態では、タブレット端末1におけるタッチパネル部12の表示画面上に、全視野領域分の元画像13a、拡大された小視野分のシミュレーション画像13b、および、解説情報についての文字画像13cのそれぞれを並べて表示出力する場合を例に挙げて説明したが、その表示画面上の出力レイアウトが特に限定されないだけではなく、個々の表示内容についても必要に応じて適宜変更することが考えられる。例えば、各実施形態では、小視野分のシミュレーション画像13bについて、眼鏡レンズの明瞭指数の等高線が重畳されたものを表示出力する場合を例に挙げたが、等高線画像の重畳は必須ではなく、等高線画像の重畳が無い状態のシミュレーション画像を表示出力することも可能である。このことは、HMD2の表示画面部22における表示出力内容についても同様である。すなわち、HMD2の表示画面部22において、等高線画像の重畳が無い状態のシミュレーション画像を表示出力することで、眼鏡レンズ装用予定者P1にレンズ装用状態を疑似体験させることも可能である。
また、各実施形態では、画像処理部35aが原画像データ34aに対してレンズ視覚特性(ボケ・ゆがみ等)を反映させる画像処理を行うことでシミュレーション画像を生成する場合を例に挙げて説明したが、そのシミュレーション画像の生成にあたっては、さらに他の画像処理を行うようにすることも考えられる。他の画像処理としては、偏光や調光等の効果を与える画像処理が挙げられる。このような画像処理を付随的に行うようにすれば、原画像データ34aがCG画像についてのものであっても、自然画に近いシミュレーション画像を生成することができるようになる。
1…タブレット端末(端末装置)、2…HMD(ディスプレイ装置)、11…通信I/F部、12…タッチパネル部、12a…情報出力部、12b…操作部、12c…情報入力部、13a…全視野領域分の元画像、13b…小視野分のシミュレーション画像、13c…解説情報についての画像、21…通信I/F部、22…表示画面部、3…サーバ装置、4…通信回線網、5…シミュレーション装置、31…通信I/F部、32…取得情報認識部、33…レンズ設計データ生成部、34…原画像記憶部、34a…原画像データ、35…画像生成部、35a…画像処理部、35b…画像重畳部、36…解説情報記憶部、36a…解説情報、37…制御部、P1…眼鏡レンズ装用予定者、P2…店員、S…眼鏡店

Claims (11)

  1. 眼鏡店で用いられる端末装置と、前記眼鏡店に訪れた眼鏡レンズ装用予定者が視認するディスプレイ装置と、コンピュータとしての機能を有するサーバ装置とが、通信可能に接続されたシミュレーションシステムであって、
    前記サーバ装置は、
    前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズのレンズ設計データに基づき、当該眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像に対して、当該眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させる画像処理を行い、前記複数の部分視野領域別のシミュレーション画像を生成する画像生成部と、
    前記複数の部分視野領域のそれぞれにおける前記レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報を、当該部分視野領域と対応付けて、前記レンズ設計データに適用されるレンズ設計基準の種類別に記憶する情報記憶部と、を備え、
    前記ディスプレイ装置は、前記シミュレーション画像を前記複数の部分視野領域別に選択的に表示して前記眼鏡レンズ装用予定者に視認させる表示画面部を備え、
    前記端末装置は、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部が表示する部分視野領域に対応する前記解説情報を前記情報記憶部から取得して出力する情報出力部を備える
    ことを特徴とするシミュレーションシステム。
  2. 前記サーバ装置の前記画像生成部は、前記眼鏡レンズの明瞭指数の等高線の前記シミュレーション画像への重畳処理を行うものであり、
    前記ディスプレイ装置の前記表示画面部は、前記等高線が重畳された前記シミュレーション画像を表示するものである
    ことを特徴とする請求項1記載のシミュレーションシステム。
  3. 前記サーバ装置の前記画像生成部は、前記眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームの枠画像の前記シミュレーション画像への反映処理を行うものであり、
    前記ディスプレイ装置の前記表示画面部は、前記枠画像が反映された前記シミュレーション画像を表示するものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシミュレーションシステム。
  4. 前記ディスプレイ装置は、前記眼鏡レンズ装用予定者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイであり、
    前記表示画面部は、前記眼鏡レンズ装用予定者の左右眼のそれぞれに対して個別に画像表示を行う
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のシミュレーションシステム。
  5. 前記端末装置は、前記眼鏡店の店員が使用する携帯型の情報端末であり、
    前記情報出力部は、前記解説情報を前記店員に対して表示出力する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシミュレーションシステム。
  6. 前記情報出力部は、前記解説情報を音声出力する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシミュレーションシステム。
  7. 前記ディスプレイ装置または前記端末装置の少なくとも一方には、前記ディスプレイ装置に表示させる部分視野領域の選択操作を行うための操作部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシミュレーションシステム。
  8. 前記端末装置は、前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズについてのパラメータ情報を入力する情報入力部を備え、
    前記サーバ装置は、前記情報入力部で入力された前記パラメータ情報に基づき、前記眼鏡レンズ装用予定者が装用を予定する眼鏡レンズに適用すべきレンズ設計基準の種類を特定し、その特定した種類のレンズ設計基準を適用しつつ当該眼鏡レンズのレンズ設計データを生成するデータ生成部を備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシミュレーションシステム。
  9. 眼鏡店で用いられる端末装置と、前記眼鏡店に訪れた眼鏡レンズ装用予定者が視認するディスプレイ装置とが、通信可能に接続されて構成されたシミュレーション装置であって、
    前記ディスプレイ装置は、眼鏡レンズの全視野領域を構成する複数の部分視野領域についての元画像に対して当該眼鏡レンズのレンズ視覚特性を反映させる画像処理を行って得られたシミュレーション画像を、前記複数の部分視野領域別に選択的に表示して、前記眼鏡レンズ装用予定者に視認させる表示画面部を備え、
    前記端末装置は、前記ディスプレイ装置の前記表示画面部が表示する部分視野領域に反映された前記レンズ視覚特性の特徴に関する解説情報を出力する情報出力部を備える
    ことを特徴とするシミュレーション装置。
  10. 前記端末装置または前記ディスプレイ装置の少なくとも一方は、通信回線網に接続し、当該通信回線網上のサーバ装置との通信を行う通信インターフェイス部を備え、前記通信インターフェイス部を介して少なくとも前記部分視野領域別の前記シミュレーション画像および前記解説情報を前記サーバ装置から取得するように構成されている
    ことを特徴とする請求項9記載のシミュレーション装置。
  11. 前記端末装置または前記ディスプレイ装置の少なくとも一方は、前記部分視野領域別の前記シミュレーション画像および前記解説情報を記憶する情報記憶部を備える
    ことを特徴とする請求項9記載のシミュレーション装置。
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