JPWO2009125750A1 - 溶融ガラス製造装置およびそれを用いた溶融ガラス製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ガラス製品の高品質化と、溶融ガラス製造での省エネルギー化と、を同時に実現する溶融ガラス製造装置、および該製造装置を用いた溶融ガラス製造方法、ならびにガラス製品の製造方法を提供する。減圧脱泡装置を有する溶融ガラス製造装置であって、溶解槽には、溶解槽内における溶融ガラス流の循環を上流側循環流と下流側循環流とに分離する分離手段が設けられており、溶解槽の溶融ガラス流路の長さをLFとするとき、分離手段から溶解槽の溶融ガラス流路の下流端までの距離が0.1LF〜0.45LFであり、第1の導管構造において、溶融ガラスの流動方向上流側には、第1の導管構造の他の部位よりも幅が広い幅広部位が設けられており、該幅広部位には幅広部位を通過する溶融ガラスを冷却する手段が設けられていることを特徴とする。

Description

本発明は、溶融ガラス製造装置およびそれを用いた溶融ガラス製造方法ならびにガラス製品の製造装置およびガラス製品の製造方法に関する。
建築用、車両用、フラットパネルディスプレイ用などのガラス製品の製造方法においては、なお一層の高品質化と省エネルギー化、すなわち、気泡が残存しない高品質なガラス製品の製造と、ガラス製品の製造時に消費されるエネルギーの削減が求められている。ガラス製品の高品質化を妨げる要因はいくつかあるが、溶融ガラス中の気泡の存在と溶融ガラスが不均質であることが問題となることが多い。気泡が残存しない高品質なガラス製品を製造する方法としては、例えば本願出願人が特許文献1に開示している減圧脱泡方法が挙げられる。この方法は、減圧雰囲気下で溶融ガラス中の気泡を大きく成長させることにより、溶融ガラス中の気泡を浮上させ、破泡させて除去するものであり、減圧脱泡装置によって実施される。
減圧脱泡方法は、主に高品質であることが要求される用途のガラス製品の製造に用いられているが、最近では建築用や車両用の板ガラスなどのように、多品種で大量生産される溶融ガラスにおいても清澄効果の高い減圧脱泡方法で清澄を行うことが望まれている。しかしながら、設備投資に見合う効果を得るのに十分な技術の開発は難しく、本願出願人が知る限りにおいては実現していなかった。このため、建築用や車両用などの溶融ガラスの製造では、特許文献2に開示されているように、溶解槽を溶解区域と清澄区域とに分離して、各々の区域で溶融ガラスを循環させることにより、原料の溶解および溶融ガラスの清澄ならびに均質化を行っている。より具体的には、溶解区域ではガラス原料の溶解と溶融ガラスを循環流によって攪拌することにより初期の均質化を行い、清澄区域では溶融ガラスを循環流によって清澄区域内に一定時間滞在させることにより、溶融ガラスの清澄および均質化を行う。
他方、省エネルギー化については、ガラス製品の製造工程全体において求められているが、特に、大量のエネルギーを消費するガラス原料の溶解工程の省エネルギー化が強く望まれている。既に、これに対応すべく、主に溶解槽での燃焼方式を改良するものや、後述するように溶解槽内の溶融ガラスの循環流の特性を変えることにより、一定の効果を上げてきた。
一般的にガラス原料を溶解する場合のエネルギー消費効率は、ほぼ溶解槽の容量に比例して高くなるため、高い省エネルギー化を達成するためには、燃焼方式を改良することなど以外に溶解槽の容量および引き出し量を大きくすることが有効な方法である。しかしながら、従来にも増して大容量の溶解槽を含む溶融ガラス製造装置を建設すること自体、種々のデメリット、例えば立地条件の制約、建設コストの増加等が生じることは想像に難くない。また、溶融ガラス製造装置の稼動にあたっては一つのガラス品種のみを扱うことは少ないため、ガラス品種に応じたガラス原料の変更に伴うガラスカレット(溶解を含む製造中あるいは製造後に発生する固化状態で溶解時に再利用可能なガラス屑)の発生およびそれに伴う稼動効率の低下があり、溶解槽の容量を大きくした場合には、結局実際の操業全体で省エネルギーに結びつかない可能性が高い。このような状況において、少なくとも従来の溶融ガラス製造装置の規模で、従来の溶解槽の容量とエネルギー消費効率との関係の延長線上にない、より一層の高い省エネルギー化を実現することのできる溶融ガラス製造装置および溶融ガラス製造方法ならびにガラス製品の製造方法が非常に強く望まれている。
特許文献2には、溶解槽内での循環流に着目して、ガラスの溶解時に消費されるエネルギーを削減する方法が開示されている。
特開平2−221129号公報 特開平9−124323号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、溶解槽を溶解区域と清澄区域とに分離して、各々の区域で溶融ガラスを循環させることによって溶融ガラスの清澄および均質化を行う構造自体が、省エネルギー化には不利である。
すなわち、溶融ガラス中に存在する気泡量を、溶融ガラスの製造上問題とならないレベルまで低減させるためには、溶融ガラスをある程度の時間、清澄区域に滞在させる必要がある。特許文献2に図示された溶解槽の場合、その全体の長さの約2/3は清澄区域である。このように大きな清澄区域を所定の温度に保持するにはかなりのエネルギーを要する。また、特許文献2に記載の方法では、溶解区域と清澄区域の各々で、溶融ガラスが循環流を形成することを前提しているが、両者の循環流は完全に分離されていないので、一方の循環流の一部は他方へと移動することとなり、より温度が低い清澄区域内の溶融ガラスの一部が溶解区域へと移動する。このため、本来ガラス原料を溶解するのに必要な温度を維持するために、溶解区域でより多くの加熱エネルギーが必要となる。
また、建築用や車両用などのガラス製品を大量生産することを意図した溶融ガラス製造装置の場合、費用対効果を無視すれば、特許文献2に記載された溶解槽と、特許文献1に記載の減圧脱泡装置と、を組み合わせることで気泡が残存しない高品質なガラス製品が得られる可能性はある。しかしながら、高品質なガラス製品の製造と、省エネルギー化と、を併せて実現することは、これらの技術を単に組み合わせただけでは困難である。特許文献1および2にも、これらを実現するための示唆はない。
本発明は、以上に鑑みてなされたもので、ガラス製品の高品質化と、溶融ガラス製造での省エネルギー化と、を同時に実現する溶融ガラス製造装置、および該製造装置を用いた溶融ガラス製造方法、ならびにガラス製品の製造装置およびガラス製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス製品の高品質化と、溶融ガラス製造での省エネルギー化と、を同時に実現するため、ガラスの清澄手段として減圧脱泡装置を用いることに加えて、減圧脱泡装置による減圧脱泡効果に着目し省エネルギーに導くための溶解槽構造と、溶解槽から減圧脱泡装置に溶融ガラスを送るための手段として溶融ガラスを高効率で送ることができ、かつ減圧脱泡装置に供給される溶融ガラス中の溶融ガラスの均質性と特に温度を、減圧脱泡を行うのに適したレベルに調整することができる特定の構造を有する導管構造と、を用いることによって上記目的を達成することを特徴とする。具体的には、本発明は、主に従来の溶解槽の清澄区域の長さを短くすることによる清澄区域での溶融ガラスの温度低下の削減によって溶融ガラス製造での省エネルギー化を実現する。さらに、前記溶解槽の清澄区域の長さが短くなることに対応して、前記導管構造内、特に溶融ガラスの流動方向上流側で、溶融ガラスの均質性の向上と溶融ガラスの冷却を行うことによって減圧脱泡装置での減圧脱泡をより効果的に実施する。これによって、ガラス製品の高品質化と前記溶融ガラス製造での省エネルギー化とを同時に実現する。
即ち、本発明は、ガラス原料を溶解する溶解槽;内部が減圧雰囲気に保持され、前記溶解槽から供給される溶融ガラス中の泡を浮上および破泡させて除去する減圧脱泡装置;前記溶解槽と前記減圧脱泡装置とを接続する第1の導管構造;および前記減圧脱泡装置の下流に設けられた、溶融ガラスを成形手段に導く第2の導管構造;を有する溶融ガラス製造装置であって、前記溶解槽には、該溶解槽内における溶融ガラス流の循環を上流側循環流と下流側循環流とに分離する分離手段が設けられており、前記溶解槽の溶融ガラス流路の長さをLFとするとき、前記分離手段から前記溶解槽の前記溶融ガラス流路の下流端までの距離が0.1LF〜0.45LFであり、前記第1の導管構造において、溶融ガラスの流動方向上流側には、該導管構造の他の部位よりも幅が広い幅広部位が設けられており、該幅広部位には該幅広部位を通過する溶融ガラスを冷却する手段が設けられていることを特徴とする溶融ガラス製造装置を提供する。
本発明の溶融ガラス製造装置において、前記幅広部位が下記式を満足することが好ましい。
0.2 ≦ W/L ≦1.5
500 ≦ h ≦ 5000
(式中、Wは溶融ガラス流路の最大幅(mm)であり、Lは幅広部位において溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さ(mm)であり、hは溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位における溶融ガラス流路の高さ(mm)である。)
ここで、溶融ガラスの流路の高さhは、溶融ガラス自体の高さ(深さ)ではなく、この幅広部位の底部から上部までの内部空間の高さを表す。この部位での溶融ガラス流自体の深さ(高さ)は、溶融ガラス流路の高さhに対して、0.3h〜1h倍程度であり、溶融ガラス流自体の上面が自由表面(液面)で気相に接していても、溶融ガラス流路上部の壁体と接触していてもよい。溶融ガラスの液面から流路の上部までの距離は、0.3mよりも大きく、3mよりも小さいことがより好ましい。
また、前記幅広部位において、前記溶融ガラス流路の最大幅W(mm)と、前記幅広部位において溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さL(mm)が下記式を満たすことが好ましい。
2000 ≦ W ≦ 12000
1000 ≦ L ≦ 20000
また、本発明の溶融ガラス製造装置において、前記幅広部位には、該幅広部位を通過する溶融ガラスを攪拌する手段が設けられていることが好ましい。
また、本発明の溶融ガラス製造装置において、前記幅広部位には、該幅広部位内の溶融ガラスが逆流するのを防止する手段が設けられていることが好ましい。
本発明の溶融ガラス製造装置において、前記分離手段が、前記溶解槽の溶融ガラス流路の幅方向にわたって、前記溶解槽の前記溶融ガラス流路の底面から突出して設けられた敷居体であり、前記溶解槽における前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1とするとき、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体の上端までの高さが0.1h1〜0.3h1であることが好ましい。
また、前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面は、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面より高くしてもよい。
また、前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1(mm)、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体の上端までの高さをh2(mm)、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面までの高さをh3(mm)とするとき、下記式を満たすことが好ましい。
3 < h2
0 < h3 ≦ 0.6h2
ここで、溶融ガラスの流路の高さh1は、溶融ガラス自体の高さ(深さ)ではなく、溶解槽の溶融ガラスを溶解する溶解槽の底部から上部までの内部空間の高さを表す。溶融ガラス自体の高さ(深さ)は、一般的には溶融ガラスの流路の高さに対して、1〜8m減じた値となる。
また、前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置するようにバブラーがさらに設けられており、前記溶融ガラスの流動方向における前記バブラーと前記敷居体との距離が500mm以上であることが好ましい。
また、本発明の溶融ガラス製造装置において、前記分離手段が、前記溶解槽の前記溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置するように、かつ該吐出口が前記溶融ガラス流路の幅方向にわたって配設されるように設けられたバブラーであってもよい。
本発明の溶融ガラス製造装置において、前記幅広部位よりも溶融ガラスの流動方向下流側の前記第1の導管構造を通過する溶融ガラスを加熱する手段が設けられていることが好ましい。
また、本発明の溶融ガラス製造装置において、前記幅広部位よりも溶融ガラスの流動方向下流側の前記第1の導管構造での溶融ガラス流路が、前記幅広部位の前記溶融ガラス流路よりも低い位置に設けられていることが好ましい。
本発明の溶融ガラス製造装置においては、前記溶融ガラスを、ソーダライムガラスの溶融ガラスとしてもよい。
また、本発明は上記した溶融ガラス製造装置を用いた溶融ガラス製造方法を提供する。
本発明の溶融ガラス製造方法では、前記溶解槽において、燃料を酸素ガスと混合させた燃焼熱によってガラス原料を溶解することが好ましい。
また、本発明の溶融ガラス製造方法において、前記減圧脱泡装置の減圧脱泡槽を通過する溶融ガラス中の泡量を泡量観察手段によって測定し、前記泡量の測定結果に応じて、前記減圧脱泡槽内の減圧度を調節してもよい。
また、本発明は上記した溶融ガラス製造装置と、該溶融ガラス製造装置の下流に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備えたガラス製品の製造装置を提供する。
また、本発明は上記した溶融ガラス製造装置と、該溶融ガラス製造装置の下流に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を用いたガラス製品の製造方法を提供する。
また、本発明は上記した溶融ガラス製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含むガラス製品の製造方法を提供する。
本発明によれば、気泡が少ない高品質なガラス製品の製造と、溶融ガラスの製造時の省エネルギー化と、を同時に実現することができる。
本発明によれば、従来の溶解槽に設けられた清澄域で溶融ガラスを循環させることによって溶融ガラスの清澄を行う溶融ガラス製造装置を用いた場合に比べて、同一量の溶融ガラスを製造する際に消費されるエネルギーを最大で40%程度削減することができる。さらに溶解槽でのガラス原料の溶解を酸素燃焼により実施した場合、最大で60%程度エネルギーを削減することができる。
また、本発明では、清澄剤の使用が不要となるため、ガラスカレット率の高いガラス原料を使用することができる。なお、ガラスカレット率とは、ガラス原料中のガラスカレットの割合を示す。清澄剤は一度溶解させると清澄の能力を失ってしまうので、ガラスカレット中には清澄剤が含まれないためである。ガラスカレット率が高いガラス原料は、省エネルギーおよびガラスカレットのリサイクルの点から好ましい。清澄剤として、よく芒硝(Na2SO4)が添加されるが、本発明では、清澄剤として芒硝(Na2SO4)を添加しないことにより、硫黄(S)の含有が少ない溶融ガラスを製造することができる。さらに、排ガス中の硫黄酸化物(SOX)濃度を減少できる。
さらに、本発明では、従来の溶解槽に設けられた清澄域で溶融ガラスを循環させることによって溶融ガラスの清澄を行う溶融ガラス製造装置を用いた場合に比べて、溶解槽におけるガラス溶解温度を低くすることができる。これにより、溶融ガラスを製造する際に消費されるエネルギーをさらに削減することができる。
さらにまた、本発明は溶解槽におけるガラス溶解温度を低くすることにより、ガラス成分の揮散を抑制することができる。ガラスの発色成分として、希少物質であるセレンを使用することがあるが、溶融ガラスからの揮散量が多いことから製造後のガラス製品におけるセレンの含有量に対して、かなり多量のセレンを原料中に投入する必要がある。本発明は溶解槽におけるガラス溶解温度を低くできるので、溶融ガラスからのセレンの揮散も抑制することができる。
図1は、本発明の溶融ガラス製造装置の1実施形態の平面図である。 図2は、図1に示す溶融ガラス製造装置の縦断面図である。 図3は、本発明のガラス製品の製造方法の1実施形態の流れ図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の溶融ガラス製造装置は、ガラス原料の溶解および溶融ガラスの均質化および清澄をする溶解槽、内部の気圧が大気圧未満に設定され溶解槽から供給される溶融ガラス中の泡を浮上および破泡させる減圧脱泡装置、溶解槽と減圧脱泡装置とを接続する第1の導管構造、および、減圧脱泡装置の下流側に設けられた溶融ガラスを成形手段に導く第2の導管構造、を有する。
図1は、本発明の溶融ガラス製造装置の1実施形態の平面図であり、図2は、図1に示す溶融ガラス製造装置の縦断面図である。
図1、2では、本発明の溶融ガラス製造装置1の構成要素のうち、溶解槽2、減圧脱泡装置5(上昇管53、減圧脱泡槽52、下降管54)、および、溶解槽2と減圧脱泡装置5とを接続する第1の導管構造3、ならびに減圧脱泡装置5の下流側に設けられた溶融ガラスを成形手段に導く第2の導管構造6が示されている。
本発明の溶融ガラス製造装置において、ガラス原料を溶解する溶解槽2は以下に述べる構成であることが好ましい。但し、以下に述べる溶解槽2の構成は、本発明の溶融ガラス製造装置において必須ではない。
図1、2に示す溶解槽2はオープン構造の溶解槽であり、溶融ガラス流路をなす溶解槽2の底面には、その幅方向にわたって分離手段としての敷居体21が突出して設けられている。
敷居体21の存在により、溶解槽2内における溶融ガラス流の循環は上流側循環流100と、下流側循環流101と、に分離される。
溶解槽における敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1とするとき、敷居体21の高さ(敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から敷居体の上端までの高さ)h2は、溶融ガラス流を上流側循環流と下流側循環流とに分離する機能の点から、0.1h1〜0.3h1とすることが好ましい。前述のとおり、溶融ガラスの流路の高さとは、溶融ガラス自体の高さ(深さ)ではなく、溶解槽の溶融ガラスを溶解する内部空間の高さを表す。
敷居体21の高さh2は、0.11h1〜0.28h1であることがより好ましく、0.12h1〜0.26h1であることがさらに好ましい。
溶融ガラス自体の高さ(深さ)は、一般的な溶解槽において、溶融ガラス流路の高さh1に対して1/2〜1/15倍であることが好ましい。溶融ガラス自体の高さ(深さ)は、敷居体21の高さh2に対して、50〜1000mmを加えた程度である。
溶解槽2内における溶融ガラス流の循環を上流側循環流100と、下流側循環流101と、に分離する理由は、これらの循環流を形成することによって、溶融ガラスの均質化と清澄を行うためである。具体的には、上流側循環流100を形成することによってガラス原料の溶解と溶融ガラスの初期の均質化を行い、下流側循環流101を形成することにより溶融ガラスの清澄とさらに均質化を行う。また、上流側循環流100を形成することによって、溶融ガラス中に存在する異物の除去も行う。これらのように、上流側循環流および下流側循環流の2つの循環流を設けることについては、特許文献2にも記載されているように従来から実施されている。
従来の溶融ガラス製造装置において、溶解槽内での均質作用と清澄作用によって、より具体的には下流側循環流による均質作用と清澄作用によって、溶融ガラスを均質化するとともに溶融ガラス中に存在する気泡を溶融ガラスの製造上問題とならないレベルにするには、溶解槽内、より具体的には下流側循環流が形成される溶解槽の清澄域内に、溶融ガラスをある程度の時間滞在させる必要があった。このため、特許文献2に図示された溶解槽のように、従来の溶解槽では下流側循環流が形成される清澄域の長さが長くなるように設計されていた。
これに対して、本発明の溶融ガラス製造装置1では、下流側に設けられた減圧脱泡装置5での減圧脱泡により溶融ガラスの清澄を主として行うため、溶解槽2において下流側循環流101が形成される部位の長さを従来の溶解槽に比べて短くすることができる。
但し、減圧脱泡を効果的に実施するためには、減圧脱泡装置5に供給される溶融ガラスの均質化に加えて特に温度と気泡量を、減圧脱泡を行うのに適したレベルにする必要がある。溶融ガラスの気泡量は、許容される最大泡径によって変化し、またガラス製品の用途、その他要求される条件によっても異なる。このため、例えば、建築用などのソーダライムガラスの製品を製造する場合、上流側循環流100から下流に流れる溶融ガラスにn個/kgの所定の泡径以上の気泡が存在しているとすると、従来の減圧脱泡装置を含まない溶融ガラス製造装置では溶解槽から流出する溶融ガラス中の前記所定の泡径以上の気泡量をn/1000以下まで下げる必要がある。また、本発明の溶融ガラス製造装置1では、溶解槽2において下流側循環流101が形成される部位の長さを従来の溶解槽に比べて短くすることができる分、溶解槽2から出る溶融ガラスの温度が減圧脱泡槽52に導入するには高めの温度となる。
このため、本発明の溶融ガラス製造装置1においても、溶解槽2内に下流側循環流101を形成させて溶融ガラスの清澄を行い、溶融ガラス中の気泡量を下げ、溶融ガラスの均質化をする必要がある。但し、本発明の溶融ガラス製造装置1では、減圧脱泡装置5と、溶解槽2と減圧脱泡装置5とを接続する第1の導管構造3に溶融ガラスの均質化と特に温度を減圧脱泡を行うのに適したレベルに効果的に調節するための幅広部位31、32と、を設けているため、下流側循環流101を形成することによる均質作用と清澄作用のみで、溶融ガラスの均質性と気泡量と温度とを減圧脱泡を行うのに適したレベルにする必要はない。上述した建築用などのソーダライムガラスの製品を製造する場合、本発明の溶融ガラス製造装置1では、下流側循環流101を形成することによる清澄作用によって、溶解槽2から流出する溶融ガラス中の許容される最大泡径以上の気泡量がn/10程度まで下がればよい。
上述したように、本発明の溶融ガラス製造装置1では、下流側に設けられた減圧脱泡装置5での減圧脱泡によって溶融ガラスの清澄を行うため、溶解槽2において下流側循環流101が形成される部位の長さを従来の溶解槽に比べて短くすることができる。
したがって、本発明の溶融ガラス製造装置では、溶解槽2の全長も短くできる。本発明の溶融ガラス製造装置では、溶解槽2の溶融ガラス流路の長さをLFとするとき、溶解槽2の分離手段である敷居体21から下流端までの距離が0.1LF〜0.45LFとなる必要がある。溶解槽2の敷居体21から下流端までの距離が0.1LFよりも小さいと、溶解槽2から流出する溶融ガラスの清澄作用と均質作用がほとんど得られない。溶解槽2の敷居体21から下流端までの距離が0.45LFよりも大きいと、溶融ガラスの製造時に溶解槽2で消費されるエネルギーを顕著に削減することができない。
溶解槽2の敷居体21から下流端までの距離が0.12LF〜0.4LFとなることが好ましく、0.13LF〜0.35LFであることがより好ましく、0.14LF〜0.3LFであることがさらに好ましい。
上述したように、溶解槽2において上流側循環流100を形成させる理由は、従来の溶解槽と同様に、ガラス原料の溶解、溶融ガラスの初期の均質化、および、溶融ガラス中に存在する異物の除去を行うためである。このため、溶解槽2のうち上流側循環流100が形成される部位、すなわち、溶解槽2の溶融ガラス流路のうち、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の部位の長さは、従来の溶解槽と同程度の長さであることが好ましい。
本発明の溶融ガラス製造装置では、溶解槽2全体の長さ、特に敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側の部位の長さを短くすることにより、溶融ガラス製造時に溶解槽を所定の温度に保持するために必要となるエネルギーも減少する。これにより、溶融ガラス製造時の省エネルギー化が達成される。
また、溶解槽2全体の長さを短くすることにより、ガラス品種を変える場合の溶解槽2内の組成の違う溶融ガラスを排出する時間が短くでき、生産効率が向上する。このことは、無駄なエネルギーの削減にもなり、省エネルギーにも貢献する。
以上、分離手段として敷居体21を使用する場合を中心に説明したが、敷居体21にバブラーを補助手段として利用する場合や、バブラーのみを分離手段とする場合も同様の効果が得られる。バブラーは、溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置し、溶解槽2の幅方向、より具体的には、溶解槽2の溶融ガラス流路の幅方向にわたって吐出口が配設されるように設けることが好ましい。
溶解槽2の寸法は、溶融ガラス製造装置の規模にもよるが、例えば、生産量が100〜1000トン/日の溶融ガラス製造装置の場合、溶解槽2の寸法の具体例は以下の通りである。
溶融ガラス流路の長さ:5〜50m、より好ましくは10〜45m、さらに好ましくは15〜40m。
敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の長さ:3〜45m、より好ましくは5〜40m、さらに好ましくは10〜35m。
敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路の長さ:1〜22.5m、より好ましくは1.5〜22.5m、さらに好ましくは2〜20m。
溶融ガラス流路の幅:5〜20m、より好ましくは7〜15m、さらに好ましくは8〜12m。
溶融ガラス流路の高さ(敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側)h1:1.5〜9m、より好ましくは1.7〜8.8m、さらに好ましくは1.8〜8.5m。
なお、分離手段がバブラーのみの場合、バブラーはほぼ敷居体の位置に相当する位置に設置すればよい。
図2に示す溶解槽2は、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面が、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面よりも高いステップボトム構造22となっている。
上述したように、溶解槽2のうち、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側では、下流側循環流101を形成させることによって溶融ガラスの清澄作用と均質作用を行う。溶融ガラスの清澄は、溶融ガラス中の気泡を浮上させ、破泡させて除去するものであるため、溶融ガラス流路の深さが小さいほど清澄作用は起こりやすい。図2に示す溶解槽2のように、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側をステップボトム構造22とすれば、下流側循環流101が形成される部分の溶融ガラス流路の深さが小さくなるので、溶融ガラスの清澄作用を向上させることができる。このため、溶解槽2はステップボトム構造であることが好ましい。
溶解槽2にステップボトム構造を設ける場合には、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1(mm)、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から敷居体21の上端までの高さをh2(mm)、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面までの高さをh3(mm)、とするとき、下記式を満たすことが好ましい。
3 < h2 (1)
0 < h3 ≦ 0.6h (2)
ここで、溶融ガラスの流路の高さh1は、溶融ガラス自体の高さ(深さ)ではなく、溶解槽の溶融ガラスを溶解する溶解槽の底部から上部までの内部空間の高さを表す。なお、溶解槽の上部壁面が平面でない場合は、溶融ガラスの流路の最上部までの高さである。溶融ガラス自体の高さ(深さ)は、一般的には溶融ガラスの流路の高さに対して、1〜8m減じた値となる。式(1)を満たすことが好ましいのは、敷居体21の高さをステップボトム構造22の底面の高さよりも高くすると、敷居体21が溶融ガラス流を上流側循環流100と下流側循環流101とに分離する機能にとって好適だからである。また、式(2)を満たすことが好ましいのは、式(2)を満たすステップボトム構造の底面の高さが清澄作用にとって好適だからである。また、h3は、0<h3≦0.15h1であれば好ましく、0<h3≦0.10h1であればさらに好ましい。
図1、2に示す溶解槽2において、敷居体21よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路には、該溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置するようにバブラー23が設けられている。バブラー23を設けることで、上流側循環流100の形成が促進され、溶融ガラスを均質化させる作用が促進される。バブラー23を設けることによる上記の効果をより効果的に発揮させるためには、溶融ガラスの流動方向におけるバブラー23と敷居体21との距離が500mm以上であることが好ましい。これは、敷居体21にバブラー23が近いと、敷居体21がバブラー23の泡によって侵食される度合いが高くなるためである。よって、溶融ガラスの流動方向におけるバブラー23と敷居体21との距離は2000mm以上であることがより好ましく、3000mm以上であることがさらに好ましい。なお、バブラー23を設ける場合、図1に示すように、溶解槽2の幅方向、より具体的には、溶解槽2の溶融ガラス流路の幅方向、にわたって吐出口が配設されるようにバブラー23を設けることが好ましい。
また、図1、2に示す溶解槽2では、溶解槽2の溶融ガラス流路の幅方向にわたって吐出口が配設されるように設けられた1群のバブラー23が、溶融ガラスの流動方向において2組設けられているがこれに限定されず、例えば、このような1群のバブラー23を溶融ガラスの流動方向において1組のみ設けてもよく、3組以上設けてもよい。ただし、バブラー23は、分離手段として別のバブラーを使用する場合には、バブラー23による泡が上流側循環流100と下流側循環流101の分離を妨げない位置に設置する。
溶解槽2および該溶解槽2内に設けられた敷居体21、バブラー23等の構造物は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められる。これを満たす材料としては、電鋳レンガのような耐火レンガ、または、白金、若しくは白金ロジウム合金のような白金合金を使用することができる。
溶解槽2から流出した溶融ガラスは、溶解槽2と減圧脱泡装置5とを接続する第1の導管構造の一部をなし、溶融ガラスの流動方向の下流側に比べて幅の広い幅広部位31、32へと移動する。幅広部位31、32は、溶融ガラス流路の幅が減圧脱泡装置5につながる幅狭部位33よりも大きい構造であることにより、幅広部位31、32を溶融ガラスが通過する際に、溶融ガラスの組成的な均質化が効果的に発揮される。これによって、溶融ガラス中の気泡量に加えて溶融ガラスの均質性を減圧脱泡を行うのに適したレベルにできる。なお、幅広部位32は、幅広部位の一部であって、幅広部位31と幅狭部位33とを接続するための接続部である。
また、幅広部位31、32は、幅広部位31、32を通過する溶融ガラスの温度を減圧脱泡を行うのに適した温度に調整する機能を有する。上述した建築用や車両用などのソーダライムガラスの製品を製造する場合、溶解槽2から流出する溶融ガラスの温度は、1200〜1600℃である。一方、減圧脱泡を効果的に行うためには、溶融ガラスの温度を1000〜1400℃にする必要がある。本発明の溶融ガラス製造装置1では、幅広部位31、32を設けることにより、溶解槽2から流出した溶融ガラスの温度を減圧脱泡を行うのに適した温度に調整することができる。
幅広部位31、32での溶融ガラスの温度の調整や、組成的な均質作用や温度の均一作用が効果的に発揮されるため、幅広部位31、32は下記式(3)、(4)を満たすことが好ましい。
0.2 ≦ W/L ≦ 1.5 (3)
500 ≦ h ≦ 5000 (4)
式(3)、(4)中、Wは溶融ガラス流路の最大幅(mm)であり、hは溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位における溶融ガラス流路の高さ(mm)であり、Lは幅広部位において溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さ(mm)である。
溶融ガラスの流路の高さhは、溶融ガラス自体の高さ(深さ)ではなく、この幅広部位の底部から上部までの内部空間の高さを表す。この部位での溶融ガラス流自体の深さ(高さ)は、溶融ガラス流路の高さhに対して、0.2h〜1h程度であり、溶解槽2からの溶融ガラス流自体の上面が自由表面(液面)で気相に接していても、溶融ガラス流路上部の壁体と接触していてもよい。溶融ガラスの液面から流路の上部までの距離は、0.3mよりも大きく、3mよりも小さいことが好ましく、0.4mよりも大きく、2.5mよりも小さいことがより好ましく、0.5mよりも大きく、2.0mよりも小さいことがさらに好ましい。また、幅広部位31、32での溶融ガラス流路内の溶融ガラス自体の高さは、溶解槽2での敷居体21よりも下流側の溶融ガラス自体の高さよりも低いことが好ましい。
幅広部位31、32が上記式(3)、(4)を満たすことが好ましい理由について以下に述べる。
上述したように、幅広部位31、32は、溶融ガラスの均質性と温度を減圧脱泡を行うのに適したレベルに調節する機能を有する。このため、溶融ガラスが幅広部位31、32内に滞在する時間をある程度確保する必要がある。幅広部位31、32のような溶融ガラスの導管構造において、溶融ガラスが滞在する時間を増加させるには、導管構造の容積を増加させればよい。幅広部位31、32のように水平方向に配置された溶融ガラスの導管構造の容積を増加させるためには、導管構造の幅、高さ、長さのうち少なくとも1つを増加させればよいことになる。しかしながら、導管構造の長さを増加すると、該導管構造を通過する溶融ガラスの圧損が増加するので好ましくない。また、導管構造の高さを増加すると、溶融ガラスの均質化と温度の均一化が低下するので好ましくない。しかも、導管構造の高さを増加すると、該導管構造内で溶融ガラスの循環流が生じるおそれがある。溶融ガラスの循環流が生じた場合、温度が低い溶融ガラスが溶解槽2に進入するおそれがあるので好ましくない。以上の理由から本発明の溶融ガラス製造装置では、第1の導管構造3の溶融ガラスの流動方向上流側の導管構造の幅を増加させた幅広部位31、32を設けることで、上述した機能を達成する。
幅広部位31、32において、溶融ガラス流路の最大幅Wの溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さLに対する比W/Lは、上述した機能を達成するのに十分な滞在時間を確保し、幅方向の温度ムラや溶融ガラスの流動抵抗を小さくするために、0.2〜1.5であることが好ましい。
幅広部位31、32において、W/Lが0.25〜1.45であることがより好ましく、0.3〜1.4であることがさらに好ましく、0.35〜1.35であることがさらに好ましい。
幅広部位31、32において、溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の溶融ガラス流路の高さhが、溶融ガラスの均質性を確保し、幅広部位31、32内で溶融ガラスの循環流を発生させず、溶融ガラスによる流路の侵食や溶融ガラスの圧損を起こさない観点から、500〜5000mmであることが好ましい。
幅広部位31、32において、溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の溶融ガラス流路の高さhは、550〜4000mmであることがより好ましく、600〜3500mmであることがさらに好ましく、650〜3000mmであることがさらに好ましい。
最大幅Wは、溶解槽2の幅よりも大きくてもよいが、幅広部位31、32の溶融ガラスの通路の構造およびその形成の点からは、溶解槽2の幅より小さい方が好ましい。具体的には、溶融ガラス流路の最大幅Wが、2000〜12000mmであることが好ましく、2500〜10000mmであることがより好ましく、3000〜8000mmであることがさらに好ましい。
上述した機能を達成するためには、幅広部位31、32において、溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位は、ある程度の長さ(距離)を有することが好ましい。具体的には、溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位は、長さLが1000〜20000mmであることが好ましく、1500〜15000mmであることがより好ましく、2000〜10000mmがさらに好ましい。
但し、上記した長さの範囲内において、溶融ガラス流路の幅は全て最大幅Wであることは必ずしも必要ではなく、上述した長さの範囲内において、溶融ガラス流路の幅はある程度変化していてもよい。
図1、2に示す幅広部位31には、幅広部位31を通過する溶融ガラスを冷却するための冷却手段34が設けられている。なお、図1、2では、冷却手段34が幅広部位31にあるが、幅広部位32または幅広部位31、32にあってもよい。上述したように、幅広部位31、32は、溶融ガラスの温度を減圧脱泡を行うのに適した温度に調整する機能を有する。幅広部位31、32にこの機能を効果的に発揮させるためには、該幅広部位31、32に冷却手段34を設ける。
図1、2において、冷却手段34は白金製、白金合金製、または鋼鉄製の筒状体であって、幅広部位31、32内の溶融ガラスに浸漬するように上方から垂直に挿入し、該筒状体の内部に冷却水を通過させることにより溶融ガラスを冷却する。冷却手段の場合には、その内部に冷却機能を有するので、その材料として鋼製でもよい。
幅広部位31、32に図示する形態の冷却手段34を設ける場合、幅広部位31、32内の溶融ガラスに浸漬する深さが20〜1000mmとなるように配設することが、幅広部位31、32内の溶融ガラスを冷却する効果に優れ、しかも、幅広部位31、32内の溶融ガラスで循環流が生じるのを防止する効果を発揮することから好ましい。幅広部位31、32内の溶融ガラスに浸漬する深さが60〜800mmとなるように冷却手段34を配設することがより好ましく、溶融ガラスに浸漬する深さが100〜600mmとなるように配設することがさらに好ましい。
幅広部位31、32に図示した形態の冷却手段34を設ける場合、使用する冷却手段の数は特に限定されず1つであってもよい。但し、図1に示すように、冷却手段34を複数使用し、幅広部位31、32の幅方向にわたって該冷却手段34を配設することが、幅広部位31、32を通過する溶融ガラスに温度ムラが生じないので好ましい。
図1、2では、冷却手段34を幅広部位31内の溶融ガラスに浸漬するように上方から垂直に挿入しているが、冷却手段34の配設の仕方はこれに限定されず、例えば、幅広部位31、32の幅方向に向けて冷却手段34を水平に配設してもよい。この場合、1つの冷却手段34で幅広部位31、32の幅方向にわたって該冷却手段34を配設することができる。なお、冷却手段34を水平に配設する場合においても、該冷却手段が溶融ガラスに浸漬する深さが上述した範囲になるように配設することが好ましい。
また、図1、2では、幅広部位31の幅方向にわたって配設された1群の冷却手段34が、溶融ガラスの流動方向において1列配設されているがこれに限定されず、例えば、このような1群の冷却手段34が、溶融ガラスの流動方向において、2列以上配設されていてもよい。溶融ガラスの流動方向において、冷却手段を2列以上配設する場合、冷却手段が溶融ガラスに浸漬する深さを列ごとに変えてもよい。例えば、溶融ガラスの流動方向の上流側の列は、幅広部位31、32内の溶融ガラスで循環流が生じるのを防止するために、溶融ガラスに浸漬する深さが深めになるように配設してもよい。これにより、冷却手段34は、幅広部位31、32内の溶融ガラスが逆流するのを防止する手段としても機能させることができる。
図1、2に示す幅広部位31には、該幅広部位31を通過する溶融ガラスを攪拌するための攪拌手段35が設けられている。なお、図1、2では、攪拌手段35を幅広部位31に設けているが、幅広部位32に設けてもよい。幅広部位31、32に冷却手段34を設けるので、幅広部位31、32内の溶融ガラスの均質性、特に温度が低下するため粘度の均一性が低下するおそれがある。例えば、幅広部位31、32内の溶融ガラスの表層部と底部とで温度ムラが生じ、溶融ガラスの均質性が低下するおそれがある。幅広部位31、32に攪拌手段35を設けることで、このような溶融ガラスの温度ムラを解消し、溶融ガラスの均質性の低下を抑制することができる。なお、攪拌手段としては、溶融ガラスを攪拌する目的で使用される公知の手段から広く選択することができる。上記の効果を発揮させる目的で、幅広部位31、32に攪拌手段35を設ける場合、冷却手段34よりも下流側に設けることが好ましい。
なお、図1、2に示すように、幅広部位31に攪拌手段35を設ける場合、使用する攪拌手段の数は特に限定されず、1つであってもよい。但し、図1に示すように、攪拌手段35を複数使用し、幅広部位31、32の幅方向にわたって攪拌手段35を配設することが、溶融ガラスの温度ムラを解消して、溶融ガラスの均質性の低下を抑制する効果を発揮させるうえで好ましい。また、図1、2では、幅方向にわたって配設された1群の攪拌手段35が、溶融ガラスの流動方向において1列配設されているがこれに限定されず、例えば、このような1群の攪拌手段35が、溶融ガラスの流動方向において、2列以上配設されていてもよい。
図1に示す幅広部位(接続部)32は、幅広部位31に比べて幅が狭い、第1の導管構造3の幅狭部位33と接続するため、下流側の幅が狭くなっている。図1に示す幅広部位(接続部)32のように、下流側の幅が狭くなった構造とすることは、幅広部位31の下流側に滞留部を生じさせないので好ましい。但し、幅広部位(接続部)32の幅が狭くなる部位の角度αが大きすぎると溶融ガラスが通過する際の圧損(流動抵抗)が問題となるので、該角度αが10〜60度であることが好ましく、20〜50度であることがより好ましく、30〜45度であることがさらに好ましい。
第1の導管構造全体で上流側に位置する幅広部位31と32との合計長さの第1の導管構造全体の長さに対する比は、幅広部位31、32が前述の作用を奏するために、0.3〜0.95が好ましく、0.4〜0.9がより好ましく、0.5〜0.85がさらに好ましい。
幅広部位31、32は、溶解槽2と同様に耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められる。これを満たす材料としては、電鋳レンガのような耐火レンガ、または、白金、若しくは白金ロジウム合金のような白金合金を使用することができる。
図1に示す溶融ガラス製造装置1において、幅広部位31、32を通過した溶融ガラスは、さらに下流側の第1の導管構造3の幅狭部位33を通過して減圧脱泡装置5に供給される。詳しくは後述するが、図1に示す減圧脱泡装置5は、減圧脱泡槽52内部の圧力を大気圧よりも低い減圧環境に保持することによって生じるサイフォン効果によって、第1の導管構造3内の溶融ガラスを吸い上げて減圧脱泡槽52内に導入するものであり、減圧脱泡槽52ならびに該減圧脱泡槽52に接続する上昇管53および下降管54の内部は、サイフォン効果を発揮するのに十分な減圧環境に維持する必要がある。このため、上昇管53および下降管54の下端を、これらがそれぞれ接続する第1と第2の導管構造3、6内の溶融ガラスの自由表面の液面の高さよりも低くする必要がある。図1に示す溶融ガラス製造装置では、幅狭部位33を幅広部位32と接続する側に比べて上昇管53と接続する側の高さが低くなったスロート構造とすることで、上昇管53の下端が幅広部位31、32内の溶融ガラスの自由表面の液面の高さよりも低くなっている。即ち、溶融ガラス製造装置1において、幅広部位31、32よりも溶融ガラスの流動方向下流側の幅狭部位33での溶融ガラス流路が、幅広部位31、32の溶融ガラス流路よりも低い位置に設けられていることが好ましい。なお、図示していないが、第2の導管構造6も下降管54と接続する側の高さが、該導管構造6の他端側、すなわち、溶融ガラスの流動方向における下流側に比べて低くなったスロート構造となっている。
幅広部位31、32よりも下流側の幅狭部位33を通過する溶融ガラスでは、溶融ガラスの部位によって温度ムラが生じる場合がある。例えば、幅狭部位33の底面側の溶融ガラスが表層側の溶融ガラスに比べて温度が低くなる場合がある。このような温度ムラが生じると溶融ガラスの均質性に悪影響を及ぼすため好ましくない。このため、幅広部位31、32よりも溶融ガラスの流動方向下流側を通過する溶融ガラスを加熱する手段を設けることが好ましい。加熱手段を設ける場合、その種類は特に限定されず、溶解槽においてガラスを加熱するのと同様の手段を用いることができる。すなわち、燃料を燃焼することによって溶融ガラスを加熱する手段、電力を用いて溶融ガラスを加熱する手段等を用いることができる。
幅狭部位33は、溶解槽2および幅広部位31、32と同様に耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められる。これを満たす材料としては、電鋳レンガのような耐火レンガ、または、白金、若しくは白金ロジウム合金のような白金合金を使用することができる。
幅狭部位33の寸法は特に限定されないが、具体例を挙げると以下の通りである。
水平方向における長さ:好ましくは1〜20m、より好ましくは1.2〜10m、さらに好ましくは1.4〜5m
内部断面形状における幅:好ましくは0.2〜2m、より好ましくは0.3〜1.6m、さらに好ましくは0.4〜1.4m
溶融ガラス流路高さ:好ましくは0.1〜3m、より好ましくは0.2〜2m、さらに好ましくは0.3〜1m
溶融ガラス流路の高低差:好ましくは0.2〜2m、より好ましくは0.3〜1.5m、さらに好ましくは0.4〜1m
また、幅狭部位33の内部断面形状も特に限定されず、四角形等の多角形、円形または楕円形状とすることができる。
減圧脱泡装置5は、金属製、例えばステンレス鋼製であって、使用時その内部が減圧状態に保持される減圧ハウジング51(図1では省略されている)を有する。減圧ハウジング51内には、減圧脱泡槽52がその長軸が水平方向に配向するように収納配置されている。減圧脱泡槽52の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管53が、他端の下面には下降管54が取り付けられている。減圧ハウジング51内において、減圧脱泡槽52、上昇管53および下降管54の周囲には断熱材55が配設されている。
減圧脱泡装置5において、減圧脱泡槽52、上昇管53および下降管54は、電鋳レンガのような耐火レンガ製、または白金製若しくは白金合金製の中空管である。
減圧脱泡槽52が耐火レンガ製の中空管である場合、減圧脱泡槽52は、外形が矩形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状は矩形断面を有することが好ましい。
上昇管53および下降管54が耐火レンガ製の中空管である場合、上昇管53および下降管54は、外形が円形断面や矩形を含む多角形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状が円形断面を有することが好ましい。
一方、減圧脱泡槽52が白金製または白金合金製の中空管である場合、減圧脱泡槽52における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管53および下降管54が白金製または白金合金製の中空管である場合、上昇管53および下降管54における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
減圧脱泡装置の各構成要素の寸法は、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができるが、図1、2に示す減圧脱泡装置5の場合、その寸法の具体例は以下の通りである。
水平方向における長さ:1〜30m、好ましくは1〜25m、より好ましくは1〜20m内部断面形状における幅:0.2〜10m、好ましくは0.2〜7m、より好ましくは0.2〜5m
また、上昇管53および下降管54の寸法の具体例は以下の通りである。
長さ:0.2〜6m、好ましくは0.4〜5m
内部断面形状における幅:0.05〜0.8m、好ましくは0.1〜0.6m
本発明の溶融ガラス製造装置における減圧脱泡装置は、図示した構造のものに限定されず、様々な構造の減圧脱泡装置を用いることができる。
減圧脱泡装置5での減圧脱泡により、溶融ガラス中の気泡量が、製造されるガラス製品の用途に応じた所望のレベルに低減された溶融ガラスは、第2の導管構造6を経て成形手段(図示していない)へと送られて、ガラス製品に成形される。第2の導管構造6の材料、形状および寸法については第1の導管構造3(幅広部位31、32、幅狭部位33)について記載したのと同様である。
例えば、板ガラスの製造のために溶融ガラスを板状のガラスリボンに成形する手段としては、フロート法、フュージョン法またはダウンドロー法を用いた成形手段が挙げられる。これらの中でもフロート法によるフロートバスを用いた成形手段が、薄板ガラスから厚板ガラスまでの広範囲の厚さの高品質な板ガラスを大量に製造できる理由から好ましい。
溶融ガラスの生産量としては、100〜1000トン/日であることが好ましく、ガラス品種を変えたり付帯設備などを考慮すると、300〜800トン/日であることがより好ましく、350〜700トン/日であることがさらに好ましい。
本発明のガラス製品の製造装置は、上述した本発明の溶融ガラス製造装置と、該溶融ガラス製造装置の下流に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備えるものである。成形手段については、上述した通りである。徐冷手段としては、成形後のガラスの搬送機構としての搬送ロールと、成形後のガラスの温度を徐々に下げるための機構を備えた徐冷炉が一般的に用いられる。徐々に温度を下げる機構は、燃焼ガスまたは電気ヒータにより、その出力が制御された熱量を、炉内の必要位置に供給して成形後のガラスをゆっくり冷却する(徐冷する)。これによって、成形後のガラスに内在する残留応力をなくすことができる。但し、徐冷手段は、成形後のガラスに内在する残留応力をなくすことができれば、上記手段に限定されない。
次に、本発明の溶融ガラス製造方法およびガラス製品の製造方法について説明する。
本発明の溶融ガラス製造方法は、上述した本発明の溶融ガラス製造装置を用いて溶融ガラスを製造する。本発明のガラス製品の製造方法は、上述した本発明の溶融ガラス製造装置を用いて溶融ガラスを製造し(溶融ガラス製造工程)、その溶融ガラスを成形手段によって成形し(成形工程)、さらに徐冷手段によって成形後のガラスを徐冷し(徐冷工程)、ガラス製品を製造する。本発明の溶融ガラス製造方法およびガラス製品の製造方法における個々の手順について以下に述べる。
図3は、本発明のガラス製品の製造方法の1実施形態の流れ図である。図3では、本発明のガラス製品の製造方法の構成要素である溶融ガラス製造工程および成形工程ならびに徐冷工程に加えて、さらに必要に応じて用いる切断工程、その他後工程が示されている。
所望の組成になるように調製したガラス原料を溶解槽2に投入し、ガラスの種類に応じた所定の温度、例えば、建築用や車両用などのソーダライムガラスの場合、約1400〜1600℃に加熱してガラス原料を溶融して溶融ガラスを得る。
ガラス原料を溶解する際、通常は、天然ガスや重油等の燃料油といった燃料を空気と混合して燃焼させ、得られた燃焼熱によってガラス原料を溶解するが、これら燃料を酸素ガスと混合して燃焼させ、得られた燃焼熱によってガラス原料を溶解すること、すなわち、ガラス原料の溶解を酸素燃焼により行うことが燃焼効率に優れ、ガラス原料の溶解時に消費されるエネルギーを削減することができるので好ましい。
また、燃料に酸素ガスを混合して燃焼した場合、燃料に空気を混合して燃焼した場合に比べて燃焼後の気体中に含まれる水(H2O)や二酸化炭素(CO2)の量が増加する。天然ガスに酸素を混合して燃焼した場合を例にとると、天然ガスに空気を混合して燃焼した場合に比べて、燃焼後の気体中には約3.5倍の水(H2O)および二酸化炭素(CO2)が含まれている。この結果、溶解槽2内の雰囲気には、天然ガスに空気を混合して燃焼した場合に比べて約3.5倍の水(H2O)および二酸化炭素(CO2)が含まれることとなり、該雰囲気と接する溶融ガラスにも、天然ガスに空気を混合して燃焼した場合に比べて約3.5倍の水(H2O)および二酸化炭素(CO2)が含まれることとなる。水(H2O)は、特に減圧脱泡装置を有する場合にガラスの種類によらず清澄効果があり、建築用、車両用、容器用、ディスプレイ用の溶融ガラスにとって清澄剤として作用する。したがって、これらの溶融ガラスを製造する場合、ガラス原料の溶解を酸素燃焼により行うことによって、溶融ガラスの清澄作用が向上することが期待される。
ガラス原料には、ガラスの種類に応じた清澄剤を添加してもよい。但し、本発明の溶融ガラス製造方法では減圧脱泡により溶融ガラスの清澄を主として行うため、必要がない場合、清澄剤は添加しないことが好ましい。例えば、ソーダライムガラスの場合、清澄剤として芒硝(Na2SO4)が一般的に添加されるが、本発明の溶融ガラス製造方法では、清澄剤として芒硝(Na2SO4)を添加しないことにより、硫黄(S)の含有が少ない溶融ガラスを製造することができるので好ましい。また、清澄剤を添加しないのでカレット率が高いガラス原料を使用することができる。清澄剤は一度溶解させると清澄の能力を失ってしまうので、ガラスカレット中には清澄剤が含まれないためカレット率を高くしても影響がないからである。さらに、排ガス中の硫黄酸化物(SOX)濃度が減少するので、環境への悪影響を軽減できる。
溶解槽2内の溶融ガラスは、上流側循環流100を形成することでそのガラス原料の溶解および初期の均質化が図られる。また、下流側循環流101を形成することによって生じる均質作用と清澄作用によって溶融ガラス中の均質性と気泡量が所望のレベルまで低減される。溶融ガラスの気泡量は、許容される最大泡径によって変化し、またガラス製品の用途、その他要求される条件によっても異なる。このため、以下では、上流側循環流100から流れた溶融ガラスにn個/kgの所定の泡径以上の気泡が存在しているとして説明をする。
溶解槽2から流出した溶融ガラスは、敷居体21の下流域を通過することにより、溶融ガラス中の気泡量が減圧脱泡を行うのに適したレベルまで低減される。例えば、建築用などのソーダライムガラスの場合、溶解槽2から流出する溶融ガラス中の許容される最大泡径以上の気泡量がn/10程度まで下がればよい。例えば、建築用などのソーダライムガラスの場合、溶融ガラスの温度が1200〜1600℃に調整される。
溶融ガラスは、幅広部位31、32にて、溶融ガラス中の気泡量に加えて均質性と特に温度が減圧脱泡を行うのに適したレベルに調整され、幅狭部位33を経て減圧脱泡装置5へと送られる。例えば、建築用などのソーダライムガラスの場合、溶融ガラスの温度が1000〜1400℃に調整される。
減圧脱泡装置5では、減圧ハウジング51を外部から真空ポンプ等により真空吸引することによって、減圧ハウジング51内に配置された減圧脱泡槽52の内部が製造されるガラスの種類に応じた所定の減圧度に保持される。建築用などのソーダライムガラスの場合は、減圧脱泡槽52内部の圧力が0〜613hPa(0〜460mmHg)に保持されていることが好ましく、10〜337hPa(8〜253mmHg)に保持されていることがより好ましい。
所定の減圧度に保持された減圧脱泡槽52に溶融ガラスを通過させることにより、溶融ガラス中の気泡量が、ガラス製品の用途に応じた所定のレベルまで低減される。例えば、建築用などのソーダライムガラスの場合、減圧脱泡槽52から流出する溶融ガラス中の最大泡径以上の気泡量がn/1000以下まで低減される。
なお、減圧脱泡槽52内に存在する溶融ガラス中の泡量に応じて、減圧脱泡槽52内部の減圧度を調節してもよい。
なお、減圧脱泡槽52を通過する溶融ガラス中の泡量を、泡量観察手段によって測定し、泡量の測定結果に応じて減圧脱泡槽52内部の減圧度を調節してもよい。例えば、泡量確認手段として、減圧脱泡槽52の天井部に設けられた窓(図示しない)からカメラにより、溶融ガラス中の泡量をモニタし、それを画像処理した結果などに応じて減圧脱泡槽52内部の減圧度を調節してもよい。確認した泡量が多い場合は、清澄性を高めるために減圧度を上げる。確認した泡量と減圧度は、ガラスの組成、要求される品質に応じて適宜決めることができる。
減圧脱泡装置5にて清澄された溶融ガラスは、第2の導管構造6を経て成形手段へと送られ成形される(成形工程)。成形後のガラスは、成形後に固化したガラスの内部に残留応力が残らないように徐冷手段によって徐冷され(徐冷工程)、さらに必要に応じて切断され(切断工程)、その他後工程を経て、ガラス製品となる。例えば、板ガラスの場合には、溶融ガラスを成形手段によってガラスリボンに成形し、それを徐冷手段によって徐冷した後、所望の大きさに切断し、必要に応じてガラス端部を研磨するなどの後加工をして板ガラスが得られる。
本発明の溶融ガラス製造方法によって製造される溶融ガラスは、加熱溶融法により製造される溶融ガラスである限り、組成的には制約はない。したがって、ソーダライムガラスや、無アルカリガラスであってもよいし、アルカリホウケイ酸ガラスのような混合アルカリ系ガラスであってもよい。また、製造されるガラス製品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al23:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe23:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B23:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
液晶ディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜70%、Al23:3〜25%、B2O:1〜20%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al23:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
図1、2に示した溶融ガラス製造装置で、生産量約500トン/日が可能な規模の装置を製作した。この装置によって、ソーダライムガラスの溶融ガラスを製造し、さらにフロートバスによって板ガラスを製造して、溶融ガラス製造時に消費されるエネルギー量、製造された溶融ガラス中および板ガラス中の気泡量を、溶融ガラスの清澄を主に溶解槽の清澄域にて行う従来の板ガラスの溶融ガラス製造装置と比較した。なお、本発明では酸素燃焼を採用した。また、本発明の溶融ガラス製造装置での溶解槽の上流端から減圧脱泡装置を含むフロートバス直前までの長さと、従来の板ガラスの溶融ガラス製造装置での溶解槽を含むフロートバス直前までの長さはほぼ同じ長さである。さらに、溶融ガラス製造時に消費されるエネルギー量については、溶解槽からフロートバス直前までに消費されるエネルギー量を比較した。
溶融ガラス製造装置について、本発明の製造装置と従来の製造装置の溶融ガラスの流れ方向の主要寸法の違いは以下のとおりである。
(本発明の製造装置)
溶解槽の上流端からフロートバス直前までの長さ: LT(約60m)
溶解槽の上流端から敷居体までの長さ: 0.4LT
溶融槽の敷居体から下流端までの長さ: 0.1LT
(溶解槽の溶融ガラス流路の長さLF: 0.5LT
溶融槽の下流端から減圧脱泡装置上流端までの長さ: 0.15LT
減圧脱泡装置の上流端からフロートバス直前までの長さ: 0.35LT
(従来の製造装置:減圧脱泡装置がない場合)
溶解槽の上流端からフロートバス直前までの長さ: LT
溶解槽の上流端から敷居体までの長さ: 0.4LT
溶融槽の敷居体からフロートバス直前までの長さ: 0.6LT
また、本発明の製造装置のその他の概略を以下に示す。
(溶解槽2)
耐火レンガ製
敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路高さh1: 4.5m
敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面から、敷居体よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面までの高さh3: 0.5m
溶融ガラス自体の高さ(深さ): 1.3m
(敷居体21)
耐火レンガ製
敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から、前記敷居体の上端までの高さをh2: 0.8m
敷居体上端部から溶融ガラス液面までの高さ: 0.5m
(バブラー23)
白金製
敷居体からの溶融ガラス流動方向の距離(上流側): 4.3m
敷居体からの溶融ガラス流動方向の距離(上流側): 3m
(幅広部位31、32)
耐火レンガ製
溶融ガラス流路最大幅W: 4.1m
溶融ガラス流路最大幅部分の長さL: 5m
溶融ガラス流路高さh: 1.5m
溶融ガラス流路長さ: 6.4m
溶融ガラス自体の高さ(深さ): 0.5m
(幅狭部位33)
耐火レンガ製
内部断面形状:矩形
溶融ガラス流路幅: 0.9m
溶融ガラス流路長さ: 2.5m
溶融ガラス流路深さ: 0.5m
溶融ガラス流路の高低差: 0.5m
幅狭部位33の途中には溶融ガラスを加熱する加熱手段が設けられている。
(冷却手段34)
鋼鉄製(水冷式)
溶解槽の下流端からの溶融ガラス流動方向の距離: 1m
溶融ガラスへの浸漬深さ: 0.3m
(攪拌手段35)
鋼鉄製(水冷式)
溶解槽の下流端からの溶融ガラス流動方向の距離: 3m
溶融ガラスへの浸漬深さ: 0.3m
(上昇管53、下降管54)
耐火レンガ製
内部断面形状:円形
長さ: 3m
内部断面形状における幅: 0.6m
(減圧脱泡槽52)
耐火レンガ製
(第2の導管構造6)
幅狭部位33と、加熱手段を除いてほぼ同一
生産量500トン/日規模の溶融ガラス製造方法において、上記の寸法のように本発明の場合は、従来の場合に比較して、溶融ガラスの流れ方向の敷居体から溶解槽下流端までの長さが1/6となり、酸素燃焼と併せて消費エネルギーを約50%削減できた。これは、酸素燃焼を適用しない場合で約30%削減でき、酸素燃焼によりさらに約25%削減できたことを意味する。この際の溶解槽でのガラス溶解温度は、本発明の溶解槽で1550℃、従来の溶融ガラス製造装置の溶解槽で1600℃であった。なお、この消費エネルギーは、溶解槽や幅広部位や減圧脱泡装置での保温の程度を向上することにより、さらに減少させることができる。
溶解槽の溶融ガラスが敷居体を通過する際の泡径0.2mm以上の気泡量は100〜1000個/kg程度、溶解槽から流出する際の同サイズの気泡量は10〜100個/kg程度、溶解槽から流出される溶融ガラスの温度は1450℃であった。溶融ガラスの各工程の途中での泡量は、溶融ガラスをサンプリングし、サンプル中の泡数をカウントする方法によって測定した。幅広部位31、32を通過させることにより、溶融ガラスの均質性が得られ、溶融ガラスの温度は1350℃に調整され、泡径0.2mm以上の気泡量は10〜100個/kg程度で溶解槽から流出する際に比べて顕著な変化はなかった。減圧脱泡槽の内部の圧力が0〜0.2hPa(0〜152mmHg)に保持されることで溶融ガラス中の泡径0.2mm以上の気泡量が0.1個/kg以下まで低減された。さらに、フロートバスにより溶融ガラスが板状のガラスリボンに成形され、徐冷され、採板されたガラス製品としての板ガラスの気泡量と均質性は、従来の溶融ガラス製造装置と同等もしくはそれよりも良好であった。
本発明は、均質で気泡の少ない高品質のガラス製品の製造に好適し、建築用、車両用、フラットパネルディスプレイ用などのガラス製品の製造に利用できる。
なお、2008年4月7日に出願された日本特許出願2008−99497号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1:溶融ガラス製造装置
2:溶解槽
21:敷居体(分離手段)
22:ステップボトム構造
23:バブラー
3:第1の導管構造
31:幅広部位
32:幅広部位(接続部)
33:幅狭部位
34:冷却手段
35:攪拌手段
5:減圧脱泡装置
51:減圧ハウジング
52:減圧脱泡槽
53:上昇管
54:下降管
55:断熱材
6:第2の導管構造
100:上流側循環流
101:下流側循環流

Claims (19)

  1. ガラス原料を溶解する溶解槽;内部が減圧雰囲気に保持され、前記溶解槽から供給される溶融ガラス中の泡を浮上および破泡させて除去する減圧脱泡装置;前記溶解槽と前記減圧脱泡装置とを接続する第1の導管構造;および前記減圧脱泡装置の下流側に設けられた、溶融ガラスを成形手段に導く第2の導管構造;を有する溶融ガラス製造装置であって、
    前記溶解槽には、該溶解槽内における溶融ガラス流の循環を上流側循環流と下流側循環流とに分離する分離手段が設けられており、前記溶解槽の溶融ガラス流路の長さをLFとするとき、前記分離手段から前記溶解槽の前記溶融ガラス流路の下流端までの距離が0.1LF〜0.45LFであり、
    前記第1の導管構造において、溶融ガラスの流動方向上流側には、該導管構造の他の部位よりも幅が広い幅広部位が設けられており、該幅広部位には該幅広部位を通過する溶融ガラスを冷却する手段が設けられていることを特徴とする溶融ガラス製造装置。
  2. 前記幅広部位が下記式を満足する請求項1に記載の溶融ガラス製造装置。
    0.2 ≦ W/L ≦1.5
    500 ≦ h ≦ 5000
    (式中、Wは溶融ガラス流路の最大幅(mm)であり、Lは幅広部位において溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さ(mm)であり、hは溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位における溶融ガラス流路の高さ(mm)である。)
  3. 前記幅広部位において、前記溶融ガラス流路の最大幅W(mm)と、前記幅広部位において溶融ガラス流路の幅が最大幅Wとなる部位の長さL(mm)が下記式を満たす請求項2に記載の溶融ガラス製造装置。
    2000 ≦ W ≦ 12000
    1000 ≦ L ≦ 20000
  4. 前記幅広部位には、該幅広部位を通過する溶融ガラスを攪拌する手段が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  5. 前記幅広部位には、該幅広部位内の溶融ガラスが逆流するのを防止する手段が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  6. 前記分離手段が、前記溶解槽の溶融ガラス流路の幅方向にわたって、前記溶解槽の前記溶融ガラス流路の底面から突出して設けられた敷居体であり、前記溶解槽における前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1とするとき、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体の上端までの高さが0.1h1〜0.3h1である請求項1ないし5のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  7. 前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面が、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面より高くなっている請求項6に記載の溶融ガラス製造装置。
  8. 前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の高さをh1(mm)、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体の上端までの高さをh2(mm)、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路の底面から前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向下流側の溶融ガラス流路底面までの高さをh3(mm)とするとき、下記式を満たす請求項7に記載の溶融ガラス製造装置。
    3 < h2
    0 < h3 ≦ 0.6h2
  9. 前記溶解槽において、前記敷居体よりも溶融ガラスの流動方向上流側の溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置するようにバブラーがさらに設けられており、前記溶融ガラスの流動方向における前記バブラーと前記敷居体との距離が500mm以上である請求項6ないし8のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  10. 前記分離手段が、前記溶解槽の前記溶融ガラス流路底面近傍に吐出口が位置するように、かつ該吐出口が前記溶融ガラス流路の幅方向にわたって配設されるように設けられたバブラーである請求項1ないし5のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  11. 前記幅広部位よりも溶融ガラスの流動方向下流側の前記第1の導管構造を通過する溶融ガラスを加熱する手段が設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  12. 前記幅広部位よりも溶融ガラスの流動方向下流側の前記第1の導管構造での溶融ガラス流路が、前記幅広部位の前記溶融ガラス流路よりも低い位置に設けられている請求項1ないし11のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  13. 前記溶融ガラスが、ソーダライムガラスの溶融ガラスである請求項1ないし12のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置を用いた溶融ガラス製造方法。
  15. 前記溶解槽において、燃料を酸素ガスと混合させた燃焼熱によってガラス原料を溶解する請求項14に記載の溶融ガラス製造方法。
  16. 前記減圧脱泡装置の減圧脱泡槽を通過する溶融ガラス中の泡量を泡量観察手段によって測定し、前記泡量の測定結果に応じて、前記減圧脱泡槽内の減圧度を調節する請求項14または15に記載の溶融ガラス製造方法。
  17. 請求項1ないし13のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置と、該溶融ガラス製造装置の下流に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備えたガラス製品の製造装置。
  18. 請求項1ないし13のいずれかに記載の溶融ガラス製造装置と、該溶融ガラス製造装置の下流に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を用いたガラス製品の製造方法。
  19. 請求項14ないし16のいずれかに記載の溶融ガラス製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含むガラス製品の製造方法。
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