JPWO2009119757A1 - 被覆金属微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

TiC及びTiNを含有する粉末と、標準生成自由エネルギー(ΔGM-O)がΔGM-O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末とを混合し、非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、前記金属Mの酸化物を前記TiC及びTiNを含有する粉末により還元するとともに、得られた金属Mの粒子表面をTi酸化物で被覆した後、さらに前記Ti酸化物の被覆の表面をケイ素酸化物で被覆し、得られた粒子をメディアン径(d50)が0.4〜0.7μm、及び粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下となるように分級することを特徴とする、金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子の製造方法、及びメディアン径(d50)が0.4〜0.7μmであり、粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下であることを特徴とする、金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子。

Description

本発明は、磁気テープ又は磁気記録ディスク等の磁気記録媒体、電波吸収体、インダクタ又はプリント基板等の電子デバイス(ヨーク等の軟磁性体)、光触媒、核酸抽出用磁気ビーズ、医療用マイクロスフィア等に用いる被覆金属微粒子、及びその製造方法に関する。
電子機器及び電子デバイスの高性能化及び小型軽量化とともに、それらを構成する材料の高性能化及び微粒子化が要求されている。例えば磁気テープに塗布する磁性粒子は、磁気記録密度の向上を目的として、微粒子化と磁化の向上が同時に要求されている。
また、抗原等のタンパク質を分離・回収しアレルギー等の疾病を診断するために、磁気分離法が広く用いられるようになってきており、高磁化を有し耐食性に優れた微粒子の磁気ビーズの要求が高まってきている。
磁性微粒子は主に共沈法や水熱合成法等の液相合成法により製造されている。液相合成法で得られる磁性微粒子はフェライトやマグネタイト等の酸化物粒子である。最近では有機金属化合物の熱分解を利用した方法も採用されており、例えばFe(CO)6からFeの磁性微粒子が製造されている。
金属の磁性粒子はフェライト等の酸化物粒子に比べて磁化が大きいため、工業的利用への期待が大きい。例えば、金属Feの飽和磁化は218 Am2/kgと酸化鉄に比べて非常に大きいので、磁界応答性に優れ、大きな信号強度が得られるという利点がある。しかし金属Fe等の金属微粒子は容易に酸化し、例えば100μm以下、特に1μm以下の粒径を有する微粒子状にすると、比表面積の増大により大気中で激しく燃えるので、乾燥状態で取り扱うのが難しい。そのため、フェライトやマグネタイト等の酸化物粒子が広く利用されている。
乾燥した金属微粒子を取り扱う場合、金属を直接大気(酸素)に触れさせないように粒子表面を被覆することが不可欠である。しかし特開2000-30920号に記載の、粒子自身の金属酸化物で表面を被覆する方法は、少なからず金属を酸化劣化させてしまう。
特開平9-143502号は、カーボンブラック、天然黒鉛等の炭素質物質粒子と、金属単体の粒子又は金属化合物粒子(金属化合物は、金属酸化物、金属炭化物及び金属塩から選ばれる。)とを混合し、不活性ガス雰囲気中で1600〜2800℃に熱処理し、45℃/分以下の冷却速度で冷却することにより、グラファイト被覆金属微粒子を製造する方法を提案している。しかし、この方法は1600〜2800℃と極めて高い温度で金属含有物質粒子を熱処理するので、金属微粒子の焼結が懸念され、かつ生産効率が低い。またグラファイトはグラフェンシートが積層した構造を有するため、球状の金属微粒子を被覆した場合、必ず格子欠陥が導入される。このため、磁気ビーズ等の高耐食性が要求される用途には不満足である。従って、高耐食性の金属微粒子、及びそれを安価に製造し得る工業生産性に優れた方法が望まれている。
従って、本発明の目的は、耐食性に優れ、高磁化を有する被覆金属微粒子、及びその製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、TiC及びTiNを含有する粉末と、TiO2よりも高い標準生成自由エネルギーを有する金属酸化物粉末とを混合し、熱処理することによりTi酸化物で被覆された金属粒子が得られること、及び前記Ti酸化物被覆金属粒子の表面をさらにケイ素酸化物で被覆し、分級することにより分散安定性に優れた磁性シリカ粒子が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、被覆金属微粒子を製造する本発明の方法は、金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子を製造する方法であって、TiC及びTiNを含有する粉末と、標準生成自由エネルギー(ΔGM-O)がΔGM-O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末とを混合し、非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、前記金属Mの酸化物を前記TiC及びTiNを含有する粉末により還元するとともに、得られた金属Mの粒子表面をTi酸化物で被覆した後、さらに前記Ti酸化物の被覆の表面をケイ素酸化物で被覆し、得られた粒子をメディアン径(d50)が0.4〜0.7μm、及び粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下となるように分級することを特徴とする。
前記分級は、磁気分離による方法、デカンテーションによる方法、フィルターによる方法、遠心分離装置による方法、又はそれらの組み合わせにより行うのが好ましい。
前記TiC及びTiNを含有する粉末は10〜50質量%のTiNを含有するのが好ましい。TiNの含有率は以下の式(1)により定義される。
TiN含有率(質量%)=[TiN(質量%)]/[TiC(質量%)+TiN(質量%)] ・・・式(1)
前記Ti酸化物はTiO2を主体とすることを特徴とするのが好ましい。TiO2を主体とするTi酸化物被覆層は高結晶性であり、コアとなる金属微粒子(金属のコア粒子)を十分に保護することができる。ここで「TiO2を主体とする」とは、X線回折測定で検出されるTiO2以外のTi酸化物(例えば不定比組成のTinO2n-1)も含むTi酸化物に相当する回折ピークの中で、TiO2に相当するピークの強度が最大であることを意味する。均一性の観点から、実質的にTiO2からなるのが好ましい。ここで「実質的にTiO2からなる」とは、X線回折パターンでTiO2以外のTi酸化物のピークが明確に確認できない程度にTiO2の割合が多いことを言う。従って、X線回折パターンでノイズ程度にTiO2以外のTi酸化物のピークがあっても、「実質的にTiO2からなる」の条件は満たす。
前記金属MはFe、Co及びNiからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む磁性金属であるのが好ましく、特にFeであるのが好ましい。Tiは、Feより酸化物の標準生成エネルギーが小さいため、Feの酸化物を効率良く確実に還元することができる。従って、飽和磁化が高く耐食性に優れた磁性金属微粒子が得られる。磁性金属を核とすることにより、磁気ビーズとして磁気分離工程に用いることが可能となる。
金属Mの酸化物はFe2O3であるのが好ましい。保磁力が低下し、分散性が向上した被覆金属微粒子を得るために、金属Mの酸化物粉末とTiC及びTiNを含有する粉末との合計に対するTiC及びTiNを含有する粉末の比率は30〜50質量%であるのが好ましい。
前記熱処理は650〜900℃で行うのが好ましい。
本発明の被覆金属微粒子は、金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子であって、メディアン径(d50)が0.4〜0.7μmであり、粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下であることを特徴とする。
ケイ素酸化物を被覆することにより核酸抽出担体としての特性を発現する。また酸や塩基を用いての固定化処理においても高い耐食性を示し、抗体等を固定化する用途に好適である。
メディアン径(d50)が0.7μmを越えると溶液中での粒子の沈降が速くなり好ましくない。0.4μm未満であると1粒子あたりの磁化が低下してしまい磁気分離等の効率が低下する。変動係数が35%を越えると、0.4〜0.7μmの粒径範囲から外れた粒子の割合が増加するので上記の問題が生じる。変動係数を35%以下にすることにより、磁気ビーズを構成した場合の免疫検査(イムノアッセイ)における抗原検出感度が高くなる。変動係数は好ましくは30%以下である。
本発明の被覆金属微粒子は、炭素含有量が0.2〜1.4質量%及び窒素含有量が0.01〜0.2質量%であるのが好ましく、炭素含有量が0.2〜1.1質量%及び窒素含有量が0.04〜0.12質量%であるのがより好ましい。炭素と窒素の含有量の合計は0.24〜0.6質量%であるのが好ましく、0.25〜0.55質量%であるのがより高い磁化を得るために好ましい。
被覆金属微粒子の飽和磁化は、80 Am2/kg 以上であるのが好ましい。80 Am2/kg 以上の飽和磁化は、マグネタイト等の酸化物磁性体では得ることができない。飽和磁化は180 Am2/kg以下であるのが好ましい。80〜180 Am2/kgの範囲の飽和磁化を有する被覆金属微粒子は、被覆層と磁性体(磁性コア)との量のバランスがとれ、優れた耐食性及び磁気特性を有する。このような高い飽和磁化を有することにより、被覆金属微粒子の磁気捕集効率を著しく高めることができる。飽和磁化はより好ましくは95〜180 Am2/kgであり、最も好ましくは100〜180 Am2/kgである。
被覆金属微粒子は8 kA/m以下の保磁力を有するのが好ましい。このような保磁力を有する被覆金属微粒子は、残留磁化が極めて小さいため、磁気凝集が極めて少なく分散性に優れている。より好ましい保磁力は4 kA/m以下である。
PBSバッファー中に被覆金属微粒子を均一に分散させて、その分散液の吸光度を静置状態で測定したときの吸光度の減少速度は、1秒当たり0.01〜0.03%であるのが好ましい。被覆金属微粒子の沈降速度が遅いことで、液中の対象物質を十分捕捉することができる。吸光度の減少速度が1秒当たり0.01%未満であると液中における粒子移動距離が小さすぎるため、磁石から離れた物質を捕捉しにくくなり効率が低下する。
被覆金属微粒子のX線回折パターンにおいてTiO2の最大ピークの半値幅が0.3°以下であり、かつ金属Mの最大ピークに対するTiO2の最大ピークの強度比が0.03以上であるのが好ましい。最大ピーク強度比は0.05以上であるのがより好ましい。
本発明の被覆金属微粒子のX線光電子分光分析によるO、Ti及びFeの定量分析において、Fe含有量は14〜20原子%であり、金属Fe成分の比率はFe全体の7〜11%であるのが好ましい。Feを含有することにより、高い飽和磁化が得られる。
本発明の被覆金属微粒子は、濃度6 Mのグアニジン塩酸塩水溶液中に前記被覆金属微粒子を25℃で24時間浸漬(前記水溶液1 mLあたり前記被覆金属微粒子25 mgの割合)したときの、Feイオン溶出量が50 mg/L以下であるのが好ましい。高カオトロピック塩濃度でも高い耐食性を示す被覆金属微粒子は、DNA抽出等の用途に好適である。
本発明の被覆金属微粒子は、アルカリ処理をしたものであるのが好ましい。
被覆金属微粒子は、免疫検査における抗原の検出に用いられるのが好ましい。
本発明の被覆金属微粒子は、さらにアミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、チオール基、トシル基及びヒドロキシル基からなる群から選ばれた少なくとも1種を表面に固定化してなるのが好ましい。これにより、様々な物質を固定化することが容易にできる。
本発明の被覆金属微粒子は、さらにリガンドを表面に固定化してなるのが好ましい。リガンドの特異的な反応を用いて対象物質を捕捉することができる。
本発明の被覆金属微粒子は、さらにブロッキング剤を被覆してなるのが好ましい。ブロッキング剤により非特異的な吸着を抑制できる。アミノ基等やリガンドが固定化された部分以外の表面をブロッキング剤で覆うようにすることが好ましい。
本発明の方法により、耐食性に優れ、補足能に優れた被覆金属微粒子が安価でかつ簡易に得ることができる。Ti酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる本発明の被覆金属微粒子は、高い耐食性を有しており、腐食性の溶液中での使用が可能である。さらに、小さな粒径及び狭い粒径分布を有するため、粒子の沈降速度が遅く、液中の対象物質を十分捕捉することができる。このため、DNA抽出等の用途、抗体等を固定化して抗原を検出する用途等に好適である。
参考例1の試料粉末のX線回折パターンを示すグラフである。 参考例1の試料粉末を走査型電子顕微鏡で撮影した写真である。 参考例25及び参考例26のDNA抽出量と耐久試験時間との関係を示すグラフである。 フローサイトメータを用いて測定したときの、参考例28、参考例29及び比較例AのFITC蛍光強度と粒子数との関係を示すグラフである。 フローサイトメータを用いて測定したときの、参考例30、参考例31及び比較例BのFITC蛍光強度と粒子数との関係を示すグラフである。 フローサイトメータを用いて測定したときの、参考例32A、参考例32B及び比較例CのPE蛍光強度と粒子数との関係を示すグラフである。 被覆金属微粒子を用いて作製したELISAを示す模式図である。 参考例35の、ヒトアディポネクチン濃度とシグナル強度との関係を示すグラフである。 参考例36及び参考例37の、ヒトアディポネクチン濃度とシグナル強度との関係を示すグラフである。 実施例4及び比較例2の被覆金属微粒子の分散液の吸光度の時間変化を示すグラフである。 実施例4及び比較例2〜4の磁気ビーズのメディアン径とビオチン結合量との関係を示すグラフである。 検出感度と磁気ビーズ粒径の変動係数との関係を示すグラフである。
[1]被覆金属微粒子の製造方法
金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子は、金属にTi酸化物を被覆したTi被覆金属微粒子に、さらにケイ素酸化物を被覆して製造する。得られたシリカ被覆金属微粒子(「磁性シリカ粒子」とも言う。)を、分級することによりメディアン径(d50)が0.4〜0.7μm、及び粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下のシリカ被覆金属微粒子が得られる。
(1) Ti被覆金属微粒子の作製
Ti被覆金属微粒子は、標準生成自由エネルギー(ΔGM-O)がΔGM-O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末と、TiC及びTiNを含む粉末とを混合し、得られた混合粉末を非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、金属Mの酸化物をTiC及びTiNにより還元するとともに、得られた金属Mの粒子表面を、TiO2を主体とするTi酸化物で被覆することによって作製する。
(i)金属Mの酸化物粉末
金属Mの酸化物粉末の粒径は、被覆金属微粒子の目標粒径に合わせて選択し得るが、0.001〜5μmの範囲内であるのが好ましい。粒径が0.001μm未満では、2次凝集が著しく起こるため、以下の製造工程での取り扱いが困難である。また5μm超では、金属酸化物粉末の比表面積が小さすぎるため、還元反応の進行が遅い。金属酸化物粉末の実用的な粒径は0.005〜1μmである。金属Mは遷移金属、貴金属及び希土類金属から選ばれるが、磁性材用であればFe、Co、Ni又はこれらの合金が好ましく、その酸化物としてはFe2O3、Fe3O4、CoO、Co3O4、NiO等が挙げられる。特にFeは飽和磁化が高いため好ましく、酸化物としてはFe2O3が安価である点で好ましい。TiはFeより酸化物の標準生成エネルギーが小さいため、Fe酸化物を効率良くかつ確実に還元することができる。
標準生成自由エネルギー(ΔGM-O)がΔGM-O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物であれば、TiC及びTiNを含む粉末により還元することができる。ΔGM-Oは金属Mの酸化物の標準生成エネルギーであり、ΔGTiO2(=-889kJ/mol)はTiの酸化物の標準生成エネルギーである。例えばFe2O3(ΔGFe2O3=-740kJ/mol)はΔGFe2O3>ΔGTiO2を満たすので、TiC及びTiNを含む粉末により還元される。還元によりTiO2の被覆が形成されると被覆金属微粒子の比重が低下する。さらにTiO2は親水性が高いので、TiO2被覆金属微粒子は、例えば磁気ビーズ用のように溶液中(水中等)に分散させて用いる場合に好適である。
(ii) TiC及びTiNを含む粉末
M酸化物を還元し、Ti酸化物で被覆され、MとTiO2以外の相が低減したM金属の微粒子を形成するために、TiC及びTiNを含む粉末を用いる。TiNをTiCと併用することによってC残存量が低減する。
還元反応を効率的に行うためには、TiC及びTiNを含む粉末の粒径は0.01〜20μmであるのが好ましい。0.01μm未満の粒径であると大気中で粉末が酸化し易いのでハンドリングが難しい。また20μm超であると比表面積が小さく還元反応が進行しにくい。大気中での酸化を抑制しつつ、還元反応を十分に進行させるためには、特に0.1〜5μmの粒径であるのが好ましい。
(iii)還元反応
M酸化物の粉末に対するTiC及びTiNを含む粉末の比率は、少なくとも還元反応の化学量論比であることが好ましい。Tiが不足すると、熱処理中にM酸化物粉末が焼結し、バルク化してしまう。
TiC及びTiNを併用する場合、TiNの含有率は10〜50質量%であるのが好ましい。ここでTiNの含有率は式(1):TiN含有率(質量%)=[TiN(質量%)]/[TiC(質量%)+TiN(質量%)] により定義される。TiNの含有率が10質量%未満の場合は元素Cを低減する効果が十分得られない。TiN含有率が50質量%を越えるとCが不足することにより、酸化物から金属Mへの還元が不十分となり、完全な被覆金属微粒子が得られない。M酸化物粉末とTiC及びTiNを含む粉末との混合には、乳鉢、スターラ、V字型ミキサ、ボールミル、振動ミル等の攪拌機を用いる。
M酸化物粉末とTiC及びTiNを含む粉末の混合粉末を非酸化性雰囲気中で熱処理すると、M酸化物粉末とTiC及びTiNを含む粉末との酸化還元反応が起こり、TiO2を主体とするTi酸化物で被覆された金属Mの粒子が生成する。熱処理雰囲気は非酸化性であるのが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えばAr、He等の不活性ガスや、N2、CO2、NH3等のガスが挙げられるが、これらに限定されない。熱処理温度は650〜900℃が好ましい。650℃未満であると還元反応が十分に進行せず、また900℃超であると不定比組成のTinO2n-1が生成してしまう。TinO2n-1は、900℃超で金属MがTiO2から酸素を取り込むか、TiO2が非酸化性雰囲気中に酸素を放出することにより生成する。その結果、金属Mの酸化物の還元が不十分であるか、被覆層が不完全となる。熱処理温度が650〜900℃の場合に、欠陥が少なく、均一性の高いほぼTiO2からなる被覆(被覆層)が形成される。TiO2からなる被覆は、光触媒用の被覆金属微粒子を作製するのに好適である。
(iv)磁気分離
得られる磁性被覆金属微粒子は非磁性成分(TiO2を主体とするTi酸化物のみからなる粒子)を含んでいる場合があるため、必要に応じて永久磁石を用いて磁気分離操作を複数回行い、磁性粒子だけを回収するのが好ましい。
(2) シリカ被覆金属微粒子の作製
Ti被覆金属微粒子に、さらにシリカを被覆し、シリカ被覆金属微粒子を作製する。アルコール溶媒(メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタノール等)中に分散したTi被覆金属微粒子に、アルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等)を添加し、塩基性触媒(アンモニア、アミン、NaOH又はKOH)下で加水分解及び縮重合することによりTi被覆金属微粒子表面にシリカが被覆される。得られたシリカ被覆金属微粒子は、必要に応じて永久磁石を用いて磁気分離操作を複数回行い、磁性粒子だけを回収するのが好ましい。
アルコキシシランは、他の金属アルコキシド(アルミニウムイソプロポキシド等)を添加して用いても良い。金属アルコキシドの添加量は、アルコキシシランの10質量%以下であるのが好ましい。金属アルコキシドを添加することにより、ケイ素酸化物と金属酸化物とが結合し緻密な構造を形成する。
(3) シリカ被覆金属微粒子の分級
シリカ被覆金属微粒子を、磁気分離による方法、デカンテーションによる方法、フィルターによる方法、遠心分離装置による方法、又はそれらの組み合わせにより、メディアン径(d50)が0.4〜0.7μm、及び粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下となるように分級する。分級の際には予め凝集を解消しておくのが好ましく、上記分級処理の前に分散処理を施すのが好ましい。分散処理としては、機械的解砕処理、超音波照射分散処理、気圧差を利用した分散処理等が挙げられる。
[2]被覆金属微粒子の構造及び特性
(1)被覆金属微粒子の粒径及び粒径分布
上記方法により得られる被覆金属微粒子の粒径は、M酸化物粉末の粒径に依存する。高い耐食性及び分散性を得るために、被覆金属微粒子のメディアン径(d50)は0.4〜0.7μmである。メディアン径が0.4μm未満であると、十分な厚さの被覆を確保できずに耐食性が低くなるだけでなく、1粒子当たりの磁化が極めて小さくなり磁気応答性が低くなってしまう。メディアン径(d50)が0.7μmを超えると、分散性が低下し、液体中での粒子沈降が速くなりハンドリングが難しくなる。
被覆金属微粒子の粒度分布幅を表す変動係数は35%以下が好ましい。変動係数が35%を越えると、0.4〜0.7μmの粒径範囲から外れた粒子の割合が増加するため、前記耐食性の低下、磁気応答性の低下、分散性の低下等の問題が生じる。変動係数を35%以下にすることで、1粒子当りの磁化のばらつきが小さくなるので溶液中で分散させた粒子を磁気捕捉する際の集磁性が良好となる。
メディアン径(d50)及び変動係数はレーザー回折による湿式粒径測定器で測定できる。メディアン径(d50)は粒径分布(体積基準)から求めた積算分布曲線において50%の積算値における粒径値である。変動係数は平均粒径に対する粒径分布の標準偏差の割合であり、変動係数(%)=[(標準偏差/平均粒径)×100] で表される。ここで平均粒径は粒子体積を基準とした算術平均粒径である。
(2)被覆構造
被覆金属微粒子は、M金属粒子の周りに順にTi酸化物被覆層とケイ素酸化物を主体とする被覆層(「ケイ素酸化物被覆層」ともいう。)とを有する三重構造となっている。M金属粒子とTi酸化物被覆層とは1対1のコア-シェル構造になっている必要はなく、TiO2を主体とするTi酸化物層中に2個以上のM金属粒子が分散した構造であっても良い。Ti酸化物の中に2個以上のM金属粒子が含まれていると、金属Mは高含有率で、かつ確実に被覆されるので好ましい。本発明の方法では、M酸化物の還元によるM金属微粒子の形成と、Ti酸化物被覆の形成とが同時に行われるので、M金属微粒子とTi酸化物被覆との間にM金属酸化物層が認められない。また650℃以上の熱処理により得られるTi酸化物被覆の結晶性は高く、ゾル-ゲル法等により得られる非晶質又は低結晶性のTi酸化物被覆より高い耐食性を示す。またTiO2を主体とした被覆を有する本発明の被覆金属微粒子は、被覆に欠陥が少ないので、不定比組成のTinO2n-1の被覆を有するものより高い耐食性を示す。
Ti酸化物被覆層の上にさらにケイ素酸化物被覆層を形成することにより、核酸抽出あるいは抗原捕捉担体としての特性を持たせることができる。ケイ素酸化物被覆層は、アルコキシシラン、又はアルコキシシラン及び金属アルコキシドを加水分解法及び縮重合することにより形成できる。
(3)被覆厚さ
TiO2を主体とするTi酸化物被覆の厚さは1〜1000 nmが好ましい。厚さが1 nm未満であると、被覆金属微粒子は十分な耐食性を有さない。また厚さが1000 nm超であると、被覆金属微粒子が大きすぎ、液中での分散性が低いだけでなく、磁性金属微粒子の場合は飽和磁化が低い。より好ましいTi酸化物被覆の厚さは5〜300 nmである。ケイ素酸化物被覆の厚さは5〜500 nmが好ましく、5〜100 nmがより好ましい。被覆の厚さは被覆金属微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真により求める。被覆の厚さが不均一な場合、最大厚さと最小厚さの平均を被覆の厚さとする。なお、金属微粒子は、TiO2を主体とするTi酸化物及びケイ素酸化物で完全に被覆されておらず、部分的に金属粒子が表面に露出しても構わないが、完全に被覆されているのが好ましい。
(4)Ti酸化物の結晶性
被覆金属微粒子のX線回折パターンにおけるTiO2の最大ピークの半値幅が0.3°以下で、金属Mの最大ピークに対するTiO2の最大ピークの強度比が0.03以上である場合に、Ti酸化物の結晶性が良く、被覆金属微粒子は耐食性を示す。TiO2が非晶質又は低結晶性の場合、回折ピークは観察されないかブロードであるため、最大ピーク強度比は小さく、半値幅は広い。最大ピーク強度比はより好ましくは0.05以上である。最大ピーク強度比が高くなると被覆の割合が多くなり、飽和磁化が低下する。そのため、最大ピーク強度比は3以下が好ましい。
(5)磁性粒子としての機能
金属Mが磁性金属Feの場合、前記製法により得られた被覆金属微粒子は50〜180 Am2/kgの範囲の飽和磁化を有し、磁性粒子として機能する。これは、被覆金属微粒子が磁性金属FeとTiO2から形成されているとしたとき、Fe+Tiに対するTiの比率が11〜67質量%である場合に相当する。磁性粒子の飽和磁化が50 Am2/kg未満と小さいと、磁界に対する応答が鈍い。また180 Am2/kg超であるとTi酸化物及びケイ素酸化物の含有率が小さく、金属Fe粒子を十分にTi酸化物及びケイ素酸化物で被覆できていないために耐食性が低く、磁気特性が劣化しやすい。従って、高い飽和磁化及び十分な耐食性を同時に得るために、被覆金属微粒子の飽和磁化は180 Am2/kg以下であるのが好ましい。磁気ビーズ等に用いる場合の回収効率や磁気分離性能に優れるためには、被覆金属微粒子の飽和磁化は95〜180 Am2/kgであるのがより好ましい。この範囲の飽和磁化は、92 Am2/kg程度の飽和磁化しか有さないマグネタイト(Fe3O4)粒子を磁気ビーズ等に用いる場合には得られない。この範囲の飽和磁化であると粒子表面に対象物質を捕捉して磁気捕集する際に十分な磁界応答性が得られる。分散性の観点から、被覆金属微粒子の保磁力は15 kA/m以下が好ましく、8 kA/m(100 Oe)以下がより好ましく、4 kA/m以下が最も好ましい。保磁力が大きい場合でもTiO2被覆を厚くすれば高分散性が得られるが、被覆金属微粒子の飽和磁化は低下してしまう。保磁力が8 kA/mを超えると、磁性粒子は無磁界でも磁気的に凝集するので、液中での分散性が低下する。
(6)含有元素の濃度
被覆金属微粒子に含有されるCの量は0.2〜1.4質量%が好ましい。含有されているCは主に原料として用いたTiC粉の余剰分の残留が原因である。金属Mの酸化物を主としてTiが還元剤となって金属Mへと還元する本発明の製法において、TiC中のCも還元剤の役割を果たし、金属Mの酸化物を補助的に還元している。C量が0.2質量%未満であることは、M酸化物の還元が不十分であることを意味しており好ましくない。C量が1.4質量%超であると金属成分の含有率が低下し、その金属がFe、Co及びNiから選ばれる少なくとも一つの元素を主成分としている場合は、飽和磁化の低下を招く。またCの残留によって被覆金属微粒子が疎水性となり、水溶液中での分散性が低下するので磁気ビーズ等の用途に用いる場合には特に好ましくない。C含有量はより好ましくは0.2〜1.1質量%である。
被覆金属微粒子に含まれるNの量は0.01〜0.2質量%が好ましい。含有するNは熱処理中に余剰のTiが窒化したことによるものと、原料として用いたTiN粉末の熱処理後残留分に由来するものである。N量が0.01質量%未満であるとTiNの還元効果が得られないため好ましくない。N量が0.2質量%超であると非磁性成分の窒化チタンの含有率が増え、飽和磁化が低下するので好ましくない。さらにコアとなる金属Mの微粒子を十分に被覆する為にはTiがある程度余剰に存在することが好ましく、その結果として一部のTiが熱処理中に窒化されることが好ましい。より好ましいN量は0.04〜0.2質量%である。
飽和磁化をより高く保つためには被覆金属微粒子に含有されるCとNの総量を所定の範囲に制御することが重要であり、含有されるCとNの合計(C+N)が0.24〜1.6質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.24〜0.60質量%である。C+Nが0.24質量%未満であると上述したC及びN含有量の好適範囲から外れ、1.6質量%を越えると飽和磁化の低下を招く。金属Mの微粒子を十分に被覆しながら高い飽和磁化を得るためには0.60質量%以下が特に好ましい。
ここで上記被覆金属微粒子中のC含有量は高周波加熱赤外吸収法にて測定、N含有量は不活性ガス中加熱熱伝導法又はケルダール法によって測定される。
(7)耐食性
モル濃度が6 Mのグアニジン塩酸塩水溶液1 mL中に、金属MがFeである被覆金属微粒子25 mgを25℃で24時間浸漬したときのFeイオン溶出量は50 mg/L以下であるのが好ましい。この様なFeイオン溶出量を有する被覆金属微粒子は高カオトロピック塩濃度においても高い耐食性を示すため、カオトロピック塩水溶液中での処理を必要とするDNA抽出等の用途に好適である。Feイオン溶出量が50 mg/L以下の耐食性レベルは、アルカリ処理を施さない場合でも発現することがあるが、確実に上記耐食性レベルを得るためにはアルカリ処理を行うのが好ましい。なお、本願明細書の耐食性やX線回折に係る記述から判るとおり、本発明の被覆金属微粒子は被覆金属微粒子集合体(粉末)に相当する用語として用いている。
(8)被覆金属微粒子表面
被覆金属微粒子表面に、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、チオール基、トシル基、ヒドロキシル基の少なくとも1種が固定化されていることが好ましい。これらの官能基が固定化されていることにより簡便に様々なリガンドを固定化できる。また官能基により溶液への分散性を調整することも可能である。
被覆金属微粒子表面に、リガンドを固定化するのが好ましい。リガンドとはある特定の物質と特異的に結合する物質である。リガンドとはアビジン、ビオチン、ストレプトアビジン、2次抗体、プロテインG、プロテインA、プロテインA/G、プロテインL、抗体、抗原、レクチン、糖鎖、ホルモン、核酸等である。これらの物質が単独で固定化されていてもよいし、複数固定化されていても構わない。アビジン又はストレプトアビジンを被覆金属微粒子表面に固定化することにより、ビオチン標識された物質、例えばビオチン標識抗体、ビオチン標識DNA、ビオチン標識蛍光物質と特異的に結合できる。またアビジンとストレプトアビジンはビオチンと4つの結合部位を持つため、アビジン又はストレプトアビジンはビオチンが固定化された被覆金属微粒子と結合し、さらにビオチン標識された物質と結合できる。2次抗体は特定の抗体と選択的に結合することから1次抗体を固定化することができる。プロテインGは免疫グロブリンG(IgG)と特にFc部位と強く結合することからIgGと選択的に結合できる。プロテインAはIgGの種により結合能に大きな差があり特定のIgGと選択的に結合できる。またプロテインAとIgGの結合はpH依存性を有するため、一旦捕捉後pHを変化させることにより解離することもでき、プロテインAを修飾した被覆金属微粒子はIgG等の精製用に好適に用いることができる。プロテインA/GはプロテインAとプロテインGの特性を組み合わせた融合タンパク質であり、リガントとして好ましく用いることができる。プロテインLはウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ以外のIgと結合することからウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリのIgを含む血清からウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ以外のIgを選択的に捕捉することができる。抗体、抗原は、特定の抗原、抗体と抗原抗体反応により結合を行うことができる。例えば、抗体もしくは抗原を固定化した被覆金属微粒子は免疫学的測定法(イムノアッセイ)に好適に用いることができる。また、抗体、抗原、レクチン、糖鎖、ホルモンは、特定の物質を特異的に捕捉でき、例えばタンパク質や、細胞の回収などに好適に用いることができる。また例えば所望する核酸又は所望する核酸の一部と相補的な核酸を被覆金属微粒子表面に固定化することにより、所望する核酸を選択的に回収することができる。
被覆金属微粒子表面は、ブロッキング剤でコーティングしてあることが好ましい。これにより非特異的な吸着を抑制することができる。非特異的な吸着(nonspecificity)とは所望の物質以外が吸着することである。ブロッキング剤としてはウシ血清アルブミン(BSA)、スキムミルク等を用いることができる。市販のブロッキング剤を用いることができ、例えばブロックエース(雪印乳業株式会社)等の非特異吸着を抑制する効果があるものを用いることができる。
(9)粒子沈降性
核酸抽出あるいは抗原捕捉担体として用いる場合、被覆金属微粒子は溶液中で沈降速度が遅いことが好ましい。沈降速度は、PBSバッファー中に均一分散させた被覆金属微粒子の分散液の吸光度を静置状態で測定し、1秒当たりに低下する吸光度の割合(%)で表す。対象物質を粒子と十分に反応させて捕捉するためには、沈降速度(1秒当たりの吸光度の低下率)が0.01〜0.03%であるのが好ましい。沈降速度が0.03%を超えると粒子沈降速度が速いため粒子と対象物質との反応が不十分となってしまう。沈降速度が0.01%未満であると粒子の溶液中での移動距離が小さすぎて溶液中の対象物質を均一に捕捉することができない。
以上の要件を備えた被覆金属微粒子は特に溶液中での対象物質との反応性が高く、高感度に対象物質を検出できるため、免疫検査用磁気ビーズとして好適である。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
メディアン径0.03μmのα-Fe2O3粉末とメディアン径1μmのTiC粉末とを、7:3の質量比でボールミルにより10時間混合し、得られた混合粉末をアルミナボート内で、窒素ガス中700℃で2時間熱処理した。得られた試料粉末のX線回折パターンを図1に示す。図1の横軸は回折の2θ(°)を示し、縦軸は回折強度(相対値)を示す。MDI社製解析ソフト「Jade,Ver.5」による解析の結果、回折ピークはα-Fe及びTiO2(ルチル構造)と同定された。
α-Feの(200)ピークの半値幅からシェラーの式を用いて算出されたFeの平均結晶子サイズは90 nmであった。2θ=27.5°のとき得られたTiO2の最大回折ピークの半値幅は0.14であり、TiO2の最大回折ピーク強度のα-Feの最大回折ピーク[(110)ピーク]強度に対する比は0.18であった。これから、TiO2が高い結晶性を有することが分かる。レーザー回折型粒度分布測定装置(HORIBA製:LA-920)で測定したこの試料粉末のメディアン径(d50)は3.1μmであった。
図2に示すSEM写真により、被覆金属微粒子は数μmの粒径を有することが分かる。ほとんどの被覆金属微粒子は、複数のFe粒子2にTiO2層1が被覆して1個の微粒子を形成している。例えば、矢印1で示したTiO2層に包含されているFe粒子2(図2中で白色の部分)の粒径は約0.5μmであった。
Fe酸化物の標準生成エネルギーΔGFe2O3=-740 kJ/molに対して、Ti酸化物はΔGTiO2=-889 kJ/molであるため、TiO2の標準生成エネルギーの方が小さい。従って、α-Fe2O3がTiCにより還元され、TiO2が生成したと言える。
得られた試料粉末5 gと50 mLのイソプロピルアルコール(IPA)とを100 mLのビーカに投入し、10分間超音波を照射した。次いで永久磁石をビーカの外面に1分間接触させ、磁性粒子だけをビーカ内壁に吸着させ、黒灰色の上澄み液を除去した。この磁気分離操作を50回繰り返し、得られた精製磁性粒子を室温で乾燥させた。この磁性粒子の磁気特性を、最大印加磁界を1.6 MA/mとしてVSM(振動型磁力計)により測定した。精製した磁性粒子におけるFeとTiの質量比は、X線回折パターンから被覆金属微粒子がFeとTiO2からなることを確認した後で、被覆金属微粒子の飽和磁化の測定値から算出した。結果を表1に示す。
参考例2〜参考例5
α-Fe2O3粉末とTiC粉末の質量比を、表1に示すように変更した以外参考例1と同様にして試料粉末の作製及び精製を行い、磁性粒子を得た。これらの磁性粒子の組成及び磁気特性を参考例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
α-Fe2O3粉末とTiC粉末の質量比を4:6として得られた参考例5の磁性粒子は、高い耐食性を有していたが、飽和磁化Msは48 Am2/kgとなり50 Am2/kgより低く、保磁力iHcは18 kA/mとなり15 kA/m超であった。以上より、金属Fe粒子の特性を生かして高い飽和磁化の値を維持するためにはTiC配合比は30〜50質量%であるのが好ましいことが分かる。
注:(1)原料(混合粉末)中のα-Fe2O3とTiCとの質量比。
(2)精製した磁性粒子中のFe:Tiの質量比。
参考例6
熱処理温度を800℃とした以外は参考例1と同様にして磁性被覆金属微粒子を得た。この試料粉末について磁気特性を参考例1と同様にして測定した。試料粉末中のC量は高周波加熱赤外吸収法(HORIBA製EMIA-520)によって測定し、N量は不活性ガス中加熱熱伝導法(HORIBA製EMGA-1300)によって測定した。結果を表2に示す。
参考例7〜参考例11
表2に示す原料配合比で、TiC粉末の一部をメディアン径2.8μmのTiN粉末に置換した以外は参考例6と同様にして磁性被覆金属微粒子を得た。この試料粉末の磁気特性、及びC、Nの含有量を参考例6と同様にして評価した。結果を表2に示す。
TiNの添加量が増加するに従い、C及びNの含有量が低下し、飽和磁化Msは向上した。特にTiN含有率が20〜40質量%(参考例8〜参考例10)の場合は、C量が1.3質量%以下及びN量が0.2質量%以下であり、これらの元素の含有量は極めて少なかった。さらにTiN含有率が40質量%の参考例10は、Msが158 Am2/kgまで向上した。しかしTiN含有率が50質量%の参考例11は、C及びN量は少ないもののMsはTiNを含まない参考例6よりもむしろ低下した。これはCが不足することにより還元反応の進行が不十分であったためと考えられる。しかしながら参考例11の磁性被覆金属微粒子は、保磁力iHcが非常に小さいために残磁が少なく磁気凝集が抑制される。よって磁気ビーズなどの再分散性が要求される用途に適している。
参考例12〜参考例17
原料混合にビーズミルを用いて表3に示す時間混合した以外は参考例10と同様にして磁性被覆金属粒子を得た。この磁性粉末のメディアン径(d50)をレーザー回折型粒度分布測定装置(HORIBA製LA-920)にて測定した。結果を表3に示す。また磁気特性、及びC及びNの含有量も表3に示した。Cの含有量は参考例6と同様の手法でコクサイ電子工業製HFT-9を用いて測定した。Nの含有量はケルダール法を用いて試料に含有されるNをアンモニア化した後、インドフェノール青吸光光度法により分光光度計(島津製作所製UV-1600)にて測定した。これらの実施例のC及びNの含有量は、表2の結果に比べると全体的に低く、Cは0.24〜0.54質量%、Nは0.01〜0.02質量%であった。またCとNの含有量の合計は最小で参考例15の0.26質量%、最大で参考例17の0.55質量%であった。
また参考例6及び参考例8〜参考例10の試料粉末についてアルバック・ファイ製:PHI-Quantera SXMにてX線光電子分光(XPS)分析を実施した。Oの1s、Feの2p3及びTiの2p軌道電子についてそれぞれナロースペクトルを測定し、定量分析を行った。結果を表4に示す。
TiN含有率が増加するとともにFe含有量が増加し、Ti含有量が減少する傾向であった。つまりTiNの添加によってFe含有率が増加した。これはTi酸化物の被覆層が薄くなっていることを意味している。ただし後述するように酸化Feの割合が増えていないことから、Feコア粒子の被覆が不十分であるわけではない。Fe粒子を十分被覆しながら非磁性成分である被覆層の体積を最小限に留めることができるため、磁気特性の向上が見られたと考えられる。またTiN含有率の増加に伴い、酸化Feの割合が減少し金属Feの割合が増加した。特にTiN含有率が20〜40質量%の場合、金属Fe成分の比率(金属Fe/全Fe)はいずれも6%以上であった。これはTiN添加によって被覆度がより完全となり、形成されたTi酸化物の被覆層が薄くなっているにもかかわらず金属Feが酸化されずに維持されているためである。
参考例18〜参考例21
参考例6、参考例8、参考例9及び参考例10で得られた各試料粉末1 gを50 mLのNaOH水溶液(濃度1 M)中に投入し、60℃で24時間浸漬処理を行った(アルカリ処理)。このアルカリ処理後、水洗して試料粉末を乾燥させた。得られた各試料粉末25 mgを1 mLのグアニジン塩酸塩水溶液(濃度6 M)中に25℃で24時間浸漬させた(浸漬試験)後のFeイオン溶出量をICP分析装置(エスアイアイナノテクノロジー社製:SPS3100H)により測定した。結果を表5に示す。
アルカリ処理によってFeイオン溶出量が50 mg/L以下に低下した。またTiN含有率が大きいほどFeイオン溶出量は小さかった。特にTiN含有率40質量%ではアルカリ処理を施す前でもFeイオン溶出量が10 mg/L未満と極めて小さく、耐食性に優れることが分かる。
また表3で示した参考例12〜参考例17の被覆金属微粒子に対してアルカリ処理は施さずに参考例18と同様にFeイオン溶出量を測定した。結果を表6に示す。Feイオン溶出量は2.1 mg/L以下であり、耐食性に極めて優れていた。
参考例7〜参考例11、参考例18、及び参考例19〜参考例21で得られた試料粉末について、参考例1と同様にしてX線回折を行ったところ、いずれの試料粉末もTiO2の最大ピークの半値幅が0.3°以下であり、かつ金属Mの最大ピークに対するTiO2の最大ピークの強度比が0.03以上であった。
参考例22
参考例10で得られた被覆金属微粒子に、以下に手法でシリカ被覆処理を施した。被覆金属微粒子5 gを100 mLのエタノール溶媒中に分散し、テトラエトキシシランを1 mL添加した。得られた分散液を攪拌しながら22 gの純水と4 gのアンモニア水(25%)の混合溶液を添加し1時間攪拌した。攪拌後、磁性粒子を磁石でビーカ内壁に捕捉しながら上澄み液を除去した。得られた磁性粒子に対して上述のシリカ被覆処理をさらに2回繰り返し、最後にイソプロピルアルコールで溶媒置換を行った後、乾燥して磁性シリカ粒子を得た。
得られた磁性シリカ粒子の磁気ビーズ性能は、Roche社製DNA抽出キット「MagNA Pure LC DNA Isolation Kit I」を用いて馬血100μLからのDNA抽出量を測定することにより評価した。12 mgの磁性シリカ粒子を150μLのイソプロピルアルコール(IPA)中に分散させた溶液を各々磁気ビーズ液として用いた以外は上記Kitのプロトコルに準拠してDNAを抽出した。抽出液中のDNA量は、UVスペクトル測定機(日立ハイテクノロジーズ社製ダイオードアレー型バイオ光度計U-0080D)を用いて測定した。その結果、100μLの馬血から抽出したDNA量は2.7μgであった。
比較例1
市販の磁気ビーズ(Roche製、MagNAPure LC DNA Isolation Kit Iに付属)を用いて参考例22と同様にDNAを抽出した結果、DNA抽出量は2.7μgであった。
以上より、参考例22の被覆金属微粒子のDNA回収量は、前記市販の磁気ビーズと同等であり、DNA抽出用磁気ビーズとして好適であることが分かった。
参考例23
原料粉末の混合時間を100分とした以外は参考例10と同様に被覆金属微粒子を作製し、この金属微粒子に参考例22と同様にシリカ被覆処理を施し、磁性シリカ粒子を得た。この磁性シリカ粒子のメディアン径(d50)、比表面積及び磁気特性を表7に示す。なお、比表面積は窒素ガスの吸着を利用したBET法(株式会社マウンテック製Macsorb-1201)により測定した。
参考例24
原料粉末の混合時間を100分とした以外は参考例6と同様に被覆金属微粒子を作製し、この金属微粒子に参考例22と同様にシリカ被覆処理を施し、磁性シリカ粒子を得た。この磁性シリカ粒子のメディアン径(d50)、比表面積及び磁気特性を参考例23と同様に評価した。結果を表7に示す。
比較例1で使用した市販の磁気ビーズについても同様に各特性を測定した。結果を表7に示す。参考例23及び参考例24は比較例1に比べると微粒子かつ高飽和磁化(2倍以上)、及び低い保磁力(10分の1程度)を有していた。
次に表7の各例で用いた磁気ビーズについてヒト全血からのDNA抽出性能を評価した。ヒト全血100μLを検体とした点、及び磁性シリカ粒子を表8に示す質量に変更した点以外は参考例22と同様にして全血からDNAを抽出した。得られた抽出液中のDNA量は、以下の方法によりDNAの2重鎖にインターカレートする性質を持つ蛍光試薬にてDNAを標識し、その蛍光強度を測定することによって測定した。すなわち、2μLのDNA抽出液に198μLの蛍光試薬(インビトロジェン製PicoGreen)の200倍希釈液[TE溶液(10 mMのTris-HCl及び1 mMのEDTA)で希釈]を添加し、DNAと蛍光試薬を反応させ、その蛍光強度を分光蛍光光度計(日立製作所製F-4500)で測定した。波長480 nmの光で励起し、波長520 nmの蛍光強度を測定した。各磁気ビーズのDNA抽出量を表8に示す。また表7で示した比表面積の値を用いて、磁性シリカ粒子の単位表面積あたりのDNA抽出量を算出し、表8に示す。
同一質量(12 mg)で比較すると比較例1に比べて参考例23の単位面積当たりのDNA抽出量は約2.7倍多い。また使用するビーズを2 mgまで減少(単位面積当たりのDNA抽出量は12 mgの場合の約6倍となる。)させてもDNA抽出量は約2μgで安定していた。参考例23の磁性シリカ粒子は、比較例1に比べてメディアン径が小さくDNA抽出に有効な表面が多いため、ビーズの使用量が少ない場合でも十分にDNAを抽出することができる。また飽和磁化が高い(表7参照)ため、DNAを捕捉した磁気ビーズを高効率に磁気捕集でき、かつ洗浄工程等での滅失が極めて少ないので、比較例1に比べて単位面積当たりのDNA抽出量が十分高い。参考例24の磁性シリカ粒子は参考例23よりはやや劣っていたが、比較例1に対しては高いDNA抽出性能を示した。
参考例25
参考例17で得られた被覆金属微粒子に参考例22と同様にしてシリカ被覆処理を施し、磁性シリカ粒子を得た。この磁性シリカ粒子の磁気ビーズとしての性能安定性を評価するため、以下に述べる耐久試験を実施し、試験後の磁性シリカ粒子のDNA抽出性能を評価した。耐久試験は、0.32 gの磁性シリカ粒子と4 mLのイソプロピルアルコール(IPA)を6 mL容量のスクリュー缶瓶に充填し、60℃で1、10、50、100hの各時間保持して行った。通常、磁気ビーズは室温又は冷蔵保存するのに対し、このように60℃で保温することにより強制的に劣化させ耐久度を評価できる。耐久試験後の各磁気ビーズを用いて参考例16と同様に馬血100μLからDNAを抽出した。図3にDNA抽出量と耐久試験時間の関係を示す。
参考例26
参考例17で得られた被覆金属微粒子に対して、1 mLのテトラエトキシシランと同時に0.05gのアルミニウムイソプロポキシド(テトラエトキシシランの5質量%に相当)を添加した以外は参考例22と同様にしてシリカ被覆処理を施し、磁性シリカ粒子を得た。この磁性シリカ粒子に参考例25と同様の耐久試験を実施し、耐久試験後のDNA抽出性能を評価することにより磁気ビーズ性能の安定性を調べた。結果を図3に示す。
参考例25及び参考例26のDNA回収量はどちらも安定しており、IPAへの浸漬時間が100h経過(室温保存に対して24倍の加速試験)してもDNA回収量は殆ど変化していない。すなわち参考例25及び参考例26の磁性シリカ粒子のDNA抽出性能は優れた耐久性を有していた。これは被覆金属微粒子が表3に示すように耐食性に優れているため、IPA中60℃で加熱・保持しても被覆金属微粒子の変質や特性の劣化が起こらないことを表している。すなわち、これらの被覆金属微粒子は安定したDNA抽出性能を発現しており、磁気ビーズに適用した場合は性能の長期安定性に優れる。
参考例27
原料配合時にビーズミルを用いた以外は参考例10と同様にして磁性被覆金属微粒子を得た。この試料粉末の粒径をレーザー回折型粒度分布測定装置(HORIBA製:LA-920)で測定すると0.8μmであった。
比較例A
参考例27で得られた被覆金属微粒子を用いた以外は参考例22と同様にしてシリカ被覆処理を行い、磁性シリカ粒子を得た。
参考例28
参考例27で得られた被覆金属微粒子を用いた以外は参考例22と同様にしてシリカ被覆処理を行い、磁性シリカ粒子を得た。得られた磁性シリカ粒子0.1gと2 mLの3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)水溶液とを混和し、1時間攪拌した後、大気中で乾燥しアミノ基が固定化された磁気ビーズ(アミノ基コート磁気ビーズ)を得た。得られたアミノ基コート磁気ビーズに、Bang Laboratories社製のBioMag Plus Amine Particle Protein Coupling Kitを用いて、下記の手順でにストレプトアビジンを固定化した。まず15 mgのアミノ基コート磁気ビーズと、キット付属ピリジンウォッシュバッファー(PWB)により5%に調整した600μLのグルタルアルデヒドとを混合し3時間室温で攪拌した。この分散液の非磁性成分を磁気分離により除去しPWBで4回洗浄した。得られた磁気ビーズをPWBに懸濁させた液とストレプトアビジン(和光純薬社製)を混合し、4℃で16時間攪拌した。600μLのキット付属クエンチング溶液を加え30分室温で攪拌し、非磁性成分を磁気分離により除去し、PWBで4回洗浄し、ストレプトアビジンを固定化した被覆金属微粒子(ストレプトアビジンコート磁気ビーズ)を得た。
参考例29
参考例28と同様の方法で作製したアミノ基コート磁気ビーズに、無水コハク酸を用いカルボキシル基を固定化し、さらにカルボジイミドを用いて活性化することによりストレプトアビジンを固定化した被覆金属微粒子(ストレプトアビジンコート磁気ビーズ)を得た。
比較例A、参考例28及び参考例29で得られた被覆金属微粒子を、ビオチン化フルオレセインイソチオシアナート(fluorescein isothiocyanate、FITC)(Molecular Probes社製fluorescein biotin)で染色後、フローサイトメトリーを用いてベックマンコールター社製フローサイトメータEPICS ALTRAaにて測定し、ストレプトアビジンの固定化量を測定した。結果を図4に示す。
フローサイトメータは、1粒子毎の蛍光強度を測定する装置である。多数個の粒子を測定し、そのヒストグラムが蛍光強度の強い方にシフトしていることは、粒子表面により多くの蛍光物質が存在することを示す。またビオチンはストレプトアビジンとビオチン-アビジン結合により親和的に結合することが知られている。ストレプトアビジンが表面に固定化された磁気ビーズをビオチン化FITCと反応させてフローサイトメータで測定し、得られたヒストグラムがFITC蛍光強度の強い方にシフトしていることは、粒子表面に固定化されているストレプトアビジンの固定化量がより多いことを示している。
図4から明らかなように、参考例28及び参考例29のストレプトアビジンコート磁気ビーズは、ストレプトアビジンを固定化していない比較例Aの被覆金属微粒子と比較しFITC蛍光強度が強くストレプトアビジンが固定化されていることが分かった。
参考例30
参考例28のストレプトアビジンコート磁気ビーズにビオチン化された抗体(biomeda社製Epithelial Specific Antigen-Biotin Labeled,Affinity Pure)を反応させて抗体を固定化した被覆金属微粒子(抗体固定磁気ビーズ)を得た。2次抗体(Beckman Coulter社製PE標識Goat F(ab')2 Anti Mouse IgG(H+L))で染色しフローサイトメトリーを用い測定を行った。結果を図5に示す。
参考例31
ストレプトアビジンの代わりにVU-1D9抗体を用いた以外は参考例29と同様の方法でVU-1D9抗体を固定化した被覆金属微粒子(抗体固定磁気ビーズ)を得た。2次抗体(Beckman Coulter社製PE標識Goat F(ab')2 Anti Mouse IgG(H+L))で染色しフローサイトメトリーを用い測定を行った。結果を図5に示す。
2次抗体は抗体と選択的に結合する。抗体が表面に固定化された磁気ビーズをPE化2次抗体と反応させフローサイトメータで測定し、得られたヒストグラムがPE蛍光強度の強い方にシフトしていることは、粒子表面に固定化されている抗体の固定化量がより多いことを示す。
図5から明らかなように参考例30及び参考例31の抗体固定磁気ビーズは、抗体を固定化していない参考例28(比較例B)の被覆金属微粒子と比較しPE蛍光強度が強く、抗体が固定化されていることが分かった。
参考例32
ストレプトアビジンの代わりにMouse IgG抗体を用いた以外は参考例29と同様の方法でMouse IgG抗体を固定化した被覆金属微粒子を作製し、これをブロックング剤(雪印乳業株式会社製Block Ace)の溶液に一晩浸漬し、ブロッキング剤コート磁気ビーズを得た。固定化されているMouse IgG抗体と特異的に反応する2次抗体(Beckman Coulter社製PE標識Goat F(ab')2 Anti Mouse IgG(H+L))で染色した参考例32A、特異的に反応をしない2次抗体(Beckman Coulter社製PE標識Goat F(ab')2Anti Mouse IgM)で染色した参考例32B、及び無染色の参考例32(比較例C)をフローサイトメトリーを用いて測定した。結果を図6に示す。
図6から明らかなように参考例32のブロッキング剤コート磁気ビーズは特異的に反応する2次抗体とのみ反応することが分かった。つまり、非特異的な吸着は起こっていないことが分かった。
参考例35
図7に示すように、参考例29で作製したストレプトアビジン16を固定化した被覆金属微粒子17に、ビオチン標識抗ヒトアディポネクチン抗体 (マウス)15 (R&D SYSTEMS社製Anti-human Adiponectin/Acrp30 Antibody Biotin labeled)を30分インキュベートし、抗体15が固定化された被覆金属微粒子17を得た。この被覆金属微粒子17を用いてサンドイッチ式ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法を行った。最初に、抗体15が固定化された被覆金属微粒子17とヒトアディポネクチン14(BioVendor社製Human Adiponectin,His-Tagged Fusion Protein)をインキュベートした。その後、被覆金属微粒子17をヒトアディポネクチンELISAキット(大塚製薬)付属の抗ヒトアディポネクチン抗体(ラビット)13(第一抗体液)とインキュベートし洗浄後、さらに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ラビットIgGポリクローナル抗体(ゴート)12(酵素標識抗体液)とインキュベートし洗浄を行った。基質と反応させた後反応停止液で反応を停止させ、UVスペクトル測定機を用いシグナル強度(450 nmの吸光度)を測定した。ヒトアディポネクチン14の濃度を変更し同様の操作を行い、ヒトアディポネクチン14濃度とシグナル強度との関係を得た。その結果を図8に示す。
図8から明らかなようにヒトアディポネクチンの濃度とシグナル強度との間には相関関係が見られた。濃度が既知のヒトアディポネクチン液を用い検量線を作成後、濃度未知のヒトアディポネクチン液のシグナル強度を測定することによりヒトアディポネクチン濃度を求めることができる。つまりこの被覆金属微粒子がイムノアッセイに好適であることが分かった。
参考例36
参考例26の磁性シリカ粒子を用いた以外は参考例35と同様の方法で、ビオチン標識抗ヒトアディポネクチン抗体(マウス)が固定化された被覆金属微粒子を得た。前記被覆金属微粒子を用い参考例35と同様の方法で、サンドイッチ式ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法を行った。結果を図9に示す。
参考例37
参考例25の磁性シリカ粒子を用いた以外は参考例35と同様の方法で、ビオチン標識抗ヒトアディポネクチン抗体(マウス)が固定化された被覆金属微粒子を得た。前記被覆金属微粒子を用い参考例35と同様の方法で、サンドイッチ式ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法を行った。結果を図9に示す。
図9から明らかなようにヒトアディポネクチンの濃度とシグナル強度との間に相関関係が見られ、これらの被覆金属微粒子がイムノアッセイに好適であることが分かった。
参考例38
参考例17の被覆金属微粒子に、以下の方法でシリカを被覆した。被覆金属微粒子5 gを100 mLのエタノールに分散し、1 mLのテトラエトキシシラン及び0.05gのアルミニウムイソプロポキシドを添加した。得られた分散液を攪拌しながら、22 gの純水と4 gのアンモニア水(25%)の混合溶液を添加し1時間攪拌した。攪拌後、磁性粒子を磁石でビーカ内壁に捕捉しながら上澄み液を除去した。得られた磁性粒子に対して上述のシリカ被覆処理をさらに2回繰り返し、最後に溶媒をイソプロピルアルコールで溶媒置換を行った後、乾燥して磁性シリカ粒子を得た。この磁性シリカ粒子のメディアン径(d50)は0.8μm、変動係数は47%であった。なおメディアン径(d50)及び変動係数はレーザー回折型粒度分布測定装置(HORIBA製LA-920)にて測定した。
実施例1
参考例38で得られたシリカ磁性粒子30 gを500 mLのイソプロピルアルコール(IPA)と混合して30分間超音波を照射して分散した。分散液を24時間かけて自然沈降させた後、上澄み液を回収し、その中に含まれる磁性粒子を磁気分離した。得られた磁性粒子のメディアン径(d50)は0.5μm、変動係数は27%であった。
実施例2
参考例38の磁性シリカ粒子1 gを50 mLのイソプロピルアルコール(IPA)と混合し、実施例1と同様の分散処理を施した後、3000 rpmの回転数で120秒間遠心分離し粗大粒子を沈降させ、上澄み中に含まれる磁性粒子を磁気分離した。得られた磁性粒子のメディアン径(d50)は0.5μm、変動係数は26%であった。
実施例3
参考例38の磁性シリカ粒子0.1 gを100 mLのIPAと混合し、実施例1と同様の分散処理を施した。孔径1μmのろ紙(whatman製GF/B)を用いて分散液を吸引ろ過し、濾液の中に含まれる磁性粒子を磁気分離した。得られた磁性粒子のメディアン径(d50)は0.6μm、変動係数は28%であった。
実施例1〜実施例3で得られた微粒子の磁気特性を表9に示す。磁気特性は参考例1と同様にVSMにより測定した。いずれも飽和磁化は80 Am2/kg以上であり、0.5〜0.6μmの微粒子であっても1粒子あたりの磁化が高かった。
実施例4
実施例1の磁性シリカ微粒子の表面に、参考例29と同様にしてストレプトアビジンを固定化した。得られた磁性粒子のメディアン径(d50)は0.5μm、変動係数は27%であった。このストレプトアビジンコート磁気ビーズを、PBSバッファー中に0.25 mg/mLの粒子濃度で分散し、1分間超音波を照射して分散処理した。この分散液1 mLの波長550 nmにおける吸光度変化を、UVスペクトル測定機(日立ハイテクノロジーズ社製ダイオードアレー型バイオ光度計U-0080D)で900秒間測定し、磁気ビーズの沈降速度を測定した。結果を図10に示す。直線近似すると、吸光度の時間変化の傾きは-0.0001 s-1であった。すなわち1秒当たりの吸光度の低下率は0.01%であった。
比較例2
参考例38の磁性シリカ粒子の表面に、参考例29と同様にしてストレプトアビジンを固定化した。得られた磁性粒子のメディアン径(d50)は0.8μm、変動係数は47%であった。このストレプトアビジンコート磁気ビーズの沈降速度を実施例4と同様にして測定した。結果を図10に示す。実施例4と同様にして求めた吸光度の低下率は0.04%であった。
実施例4の磁性シリカ粒子は、比較例2に比べて粒径が小さいため、溶液中での沈降速度が遅かった。そのため免疫検査用として用いた場合、磁気ビーズが液中に浮遊している標的物質と十分反応することができるため、検出感度が高まる。
比較例3
混合時間を200分とした以外は参考例1と同様にして被覆金属微粒子を作製し、参考例22と同様の手法でシリカ被覆処理を施すことにより、平均粒径4.1μm、変動係数56%のシリカ磁性粒子を得た。このシリカ磁性粒子に参考例29と同様にしてストレプトアビジンを固定化した。
比較例4
混合時間を100分とした以外は参考例1と同様にして被覆金属微粒子を作製し、参考例22と同様の手法でシリカ被覆処理を施すことにより、平均粒径6.7μm、変動係数44%のシリカ磁性粒子を得た。このシリカ磁性粒子に参考例29と同様にしてストレプトアビジンを固定化した。
実施例4及び比較例2〜比較例4の各磁気ビーズ(実施例4及び比較例2はn=2)を用いて、1 mgあたりのビオチン結合量を下記の方法で測定した。結果を図11に示す。実施例4は粒径が小さいためストレプトアビジン固定化量が多く、ビオチン結合量が200 pmol以上と高くなった。このことから、微粒子の磁気ビーズは免疫反応において、より高感度に標的物質を検出できることが分かった。
ビオチン結合量の測定方法
0.3 mM biotin-4-fluorescein(Invitrogen社、B10570)のDimethyl sulfoxide溶液をBuffer A-T(100 mM NaCl, 50 mM NaH2PO4, 1 mM ethylenediaminetetraacetic acid, 0.1% Tween 20)で15μMに希釈しwork液を作製した。600μlマイクロチューブに磁気ビーズ0.1 mgを分注し、純水200μlを加えて超音波を10秒印加してビーズ粒子を分散させた。磁気分離して上澄みを捨てた後、buffer A-T 液で1回洗浄し、再びbuffer A-T 液300μlを加えて攪拌した。このビーズ懸濁液を100μlに、上記work液8μlを加え、全量が400μlとなるようにbuffer A-T液を添加した。この懸濁液を遮光し1時間室温で攪拌し、磁気分離した上澄み中に残存する未反応のbiotin-4-fluoresceinを、日立製Fluorescence Spectrophotometer F-4500を用いて、490 nmの励起光を照射したときの525 nmの蛍光強度を測定することにより定量した。上澄み中に残存する未反応のbiotin-4-fluorescein量から、磁気ビーズのビオチン結合量を求めた。
比較例5
熱処理時間を8時間に変えた以外は参考例17と同様にして作製した磁性被覆金属微粒子に、参考例38と同様にしてシリカを被覆し、シリカ被覆微粒子を作製した。
実施例5及び実施例6
TiCとTiNの配合比を表10に示すように変更し、原料の混合をボールミルで72時間行った以外は比較例5と同様にしてシリカ被覆微粒子を作製した。
実施例5、実施例6及び比較例5のシリカ被覆微粒子の磁気特性等を表10に示す。
実施例7、実施例8及び比較例6
実施例5、実施例6及び比較例5のシリカ被覆微粒子の表面に、参考例29と同様にしてストレプトアビジンを固定化し、それぞれ実施例7、実施例8及び比較例6のストレプトアビジン固定化磁気ビーズを得た。得られたストレプトアビジン固定化磁気ビーズのメディアン径(d50)及び変動係数を表11に示す。
これらのストレプトアビジン固定化磁気ビーズを用いて、参考例35に記載のサンドイッチ式ELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法を行った。ヒトアディポネクチン(BioVendor社製Human Adiponectin,His-Tagged Fusion Protein)の濃度は250 ng/mLに固定し、変動係数の異なるこれらの試料からのシグナル検出感度を比較した。検出感度の変動係数依存性を図12に示す。検出感度は変動係数の減少とともに増加し、35%以下で飽和した。

Claims (11)

  1. 金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子を製造する方法であって、TiC及びTiNを含有する粉末と、標準生成自由エネルギー(ΔGM-O)がΔGM-O>ΔGTiO2の関係を満たす金属Mの酸化物粉末とを混合し、非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、前記金属Mの酸化物を前記TiC及びTiNを含有する粉末により還元するとともに、得られた金属Mの粒子表面をTi酸化物で被覆した後、さらに前記Ti酸化物の被覆の表面をケイ素酸化物で被覆し、得られた粒子をメディアン径(d50)が0.4〜0.7μm、及び粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下となるように分級することを特徴とする被覆金属微粒子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の被覆金属微粒子の製造方法において、前記分級を、磁気分離による方法、デカンテーションによる方法、フィルターによる方法、遠心分離装置による方法、又はそれらの組み合わせにより行うことを特徴とする被覆金属微粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の被覆金属微粒子の製造方法において、前記TiC及びTiNを含有する粉末は10〜50質量%のTiNを含有することを特徴とする被覆金属微粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の被覆金属微粒子の製造方法において、前記Ti酸化物がTiO2を主体とすることを特徴とする被覆金属微粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の被覆金属微粒子の製造方法において、前記熱処理を650〜900℃で行うことを特徴とする被覆金属微粒子の製造方法。
  6. 金属の核粒子にTi酸化物とケイ素酸化物とを順に被覆してなる被覆金属微粒子であって、メディアン径(d50)が0.4〜0.7μmであり、粒径分布幅を表す変動係数(=標準偏差/平均粒径)が35%以下であることを特徴とする被覆金属微粒子。
  7. 請求項6に記載の被覆金属微粒子において、炭素含有量が0.2〜1.4質量%及び窒素含有量が0.01〜0.2質量%であることを特徴とする被覆金属微粒子。
  8. 請求項7に記載の被覆金属微粒子において、炭素と窒素との含有量の合計が0.24〜0.6質量%であることを特徴とする被覆金属微粒子。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の被覆金属微粒子において、飽和磁化が80 Am2/kg以上であることを特徴とする被覆金属微粒子。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の被覆金属微粒子において、PBSバッファー中に分散させてなる分散液の吸光度を静置状態で測定したときの吸光度の減少速度が1秒当たり0.01〜0.03%であることを特徴とする被覆金属微粒子。
  11. 請求項6〜10のいずれかに記載の被覆金属微粒子において、免疫検査における抗原の検出に用いられることを特徴とする被覆金属微粒子。
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