JPWO2009116178A1 - 盛上げタップ - Google Patents
盛上げタップ Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2009116178A1 JPWO2009116178A1 JP2010503734A JP2010503734A JPWO2009116178A1 JP WO2009116178 A1 JPWO2009116178 A1 JP WO2009116178A1 JP 2010503734 A JP2010503734 A JP 2010503734A JP 2010503734 A JP2010503734 A JP 2010503734A JP WO2009116178 A1 JPWO2009116178 A1 JP WO2009116178A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diameter
- back taper
- change gradient
- peak
- thread
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23G—THREAD CUTTING; WORKING OF SCREWS, BOLT HEADS, OR NUTS, IN CONJUNCTION THEREWITH
- B23G7/00—Forming thread by means of tools similar both in form and in manner of use to thread-cutting tools, but without removing any material
- B23G7/02—Tools for this purpose
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23G—THREAD CUTTING; WORKING OF SCREWS, BOLT HEADS, OR NUTS, IN CONJUNCTION THEREWITH
- B23G2200/00—Details of threading tools
- B23G2200/32—Tools having a decreasing diameter in the direction of the shank from the tip
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T408/00—Cutting by use of rotating axially moving tool
- Y10T408/89—Tool or Tool with support
- Y10T408/904—Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T408/00—Cutting by use of rotating axially moving tool
- Y10T408/89—Tool or Tool with support
- Y10T408/904—Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge
- Y10T408/9046—Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge including tapered section
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T408/00—Cutting by use of rotating axially moving tool
- Y10T408/89—Tool or Tool with support
- Y10T408/904—Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge
- Y10T408/9048—Extending outwardly from tool-axis
Abstract
Description
図1は、本発明の一実施例である盛上げタップ10を示す図で、(a) は軸心Oと直角方向から見た正面図、(b) は(a) におけるIB−IB断面の拡大図、(c) は軸方向におけるねじ部16の径寸法の変化パターンを示す図である。この盛上げタップ10は、図示しないチャックを介して主軸に取り付けられるシャンク12と、シャンク12よりもやや小径の首部14と、めねじを盛上げ加工(転造加工)するためのねじ部16とを、その順番で軸方向に連なるように同心に一体に備えている。ねじ部16は、外側へ湾曲した辺からなる多角形状、本実施例では略正六角形状の断面を成しているとともに、その外周面には、被加工物(めねじ素材)の下穴の表層部に食い込んで塑性変形させることによりめねじを盛上げ加工するおねじが設けられている。本実施例の盛上げタップ10は1条ねじを加工するためのもので、おねじも1条ねじである。
径ねじ部が実質的に完全山部として機能してバックテーパ無しでめねじの成形加工が行なわれることと同じであるため、タッピング加工時の回転トルクが大きくなって好ましくない。図6は、径寸法の変化を明確にするため、横軸に対して縦軸の寸法を拡大して示したものであるが、あくまでも例示で正確な寸法割合ではなく、且つ直径寸法の変化パターンであるため、実際のタップ形状とは相違する。
[0005]
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、タッピング加工時の回転トルクを低減するために、完全山部に所定のバックテーパが設けられる盛上げタップにおいて、その完全山部の最前端の第1完全突出部に掛かる負荷を軽減して摩耗等による工具寿命の低下を抑制することにある。
課題を解決するための手段
[0006]
かかる目的を達成するため、第1発明は、完全山部と、その完全山部に連続して設けられ且つ先端に向かう程小径となる食付き部とを有するとともに、それ等の完全山部および食付き部には突出部と逃げ部とが交互に形成されたおねじが設けられている盛上げタップにおいて、(a)前記完全山部は、前記食付き部に連続する前側山部と、残りの後側山部とから成り、その前側山部の軸方向長さはねじ山のピッチPの5倍以下である一方、(b)前記前側山部では、前記食付き部の後端と同じ一定の径寸法で軸方向における変化勾配が0か、またはその食付き部の後端から前記後側山部に向かうに従って所定の変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられており、(c)前記後側山部には、前記前側山部の後端からシャンク側へ向かうに従ってその前側山部よりも大きな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられており、且つ、(d)前記おねじの外径および有効径の何れか一方は、前記前側山部と前記後側山部とに分けて構成されて径寸法が定められているが、そのおねじの外径および有効径の他方は、前記完全山部の全域で前記後側山部と同じ変化勾配でバックテーパが設けられていることを特徴とする。
[0007]
[0008]
[0009]
[0010]
[0011]
第6発明は、第1発明の盛上げタップにおいて、(a)前記前側山部では、前記変化勾配が0か、またはねじ山の1P(ピッチ)当り3μm以下の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられており、(b)前記後側山部には、ねじ山の1P(ピッチ)当り3〜7μmの範囲内の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられていることを特徴とする。
[0012]
第7発明は、第1発明または第6発明の盛上げタップにおいて、前記前側山部に前記後側山部よりも小さな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられていることを特徴とする。
発明の効果
[0013]
このような盛上げタップにおいては、完全山部がねじ山のピッチPに対して5P(ピッチ)以下の前側山部と残りの後側山部とに分けられ、その前側山部では変化勾配が0か、または所定の変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている一方、後側山部には前側山部よりも大きな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられているため、例えばタッピング加工に伴って前側山部の最前端の突出部が摩耗すると次の突出部によってその摩耗部分の加工が行なわれるなど、タッピング加工時の負荷が前側山部の複数の突出部に分散されるため、前側山部における突出部の摩耗の進行が抑制されて工具寿命が向上する。盛上げタップによってタッピング加工されるめねじの素材(被加工物)は、一般に所定の弾性を備えていてスプリングバックにより縮径するため、前側山部で径寸法が漸減する場合でも、その変化勾配が小さければめねじの成形加工が行なわれ、負荷が分散されるのである。
[0014]
また、食付き部および前側山部の最前端の突出部により略完全な形状に成形されためねじに、更に前側山部に存在する突出部により成形圧力が加えられることにより
、めねじの完成度が高くなってスプリングバックが低減され、逆回転させて工具を抜き取る際にその前側山部に作用する逆向きの負荷が小さくなり、摩擦力による疲労等の摩耗が抑制されて、この点でも工具寿命が向上する。なお、めねじの完成度とは、目的寸法に対する塑性変形の程度で、繰り返し成形圧力が加えられることにより塑性変形が進行して目的寸法に近くなる度合であり、完成度が高くなる程弾性によるスプリングバックが小さくなる。
[0015]
一方、前側山部の軸方向長さはねじ山のピッチPに対して5P(ピッチ)以下で比較的短いため、タッピング加工時の回転トルクの増大が抑制され、前記特許文献2に比較して、全体としてタッピング加工時の回転トルクの増加を抑制しつつ、負荷を分散するとともにめねじの完成度を向上させて突出部の摩耗の進行を抑制し、工具寿命を向上させることができる。
[0016]
[0017]
[0018]
また、おねじの外径および有効径の何れか一方は、前側山部と後側山部とに分けて構成されて径寸法の変化勾配が小さい(0を含む)前側山部が設けられるが、そのおねじの外径および有効径の他方は、完全山部の全域で上記後側山部と同じ変化勾配でバックテーパが設けられている場合で、前側山部の複数の突出部によ
り負荷が分散されるなどして摩耗の進行が抑制されるとともに、おねじの外径および有効径の何れかは完全山部の全域で比較的大きなバックテーパが設けられているため、前側山部の存在に拘らずタッピング加工時の回転トルクの増大が一層抑制される。
[0019]
[0020]
第6発明では、前側山部の変化勾配が0か、またはねじ山の1P(ピッチ)当り3μm以下の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられているため、負荷が分散されるとともにめねじの完成度が向上させられて摩耗の進行が抑制されるとともに、後側山部には、ねじ山の1P(ピッチ)当り3〜7μmの範囲内の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられているため、タッピング加工時の回転トルクが低減される。
[0021]
第7発明は、前側山部に後側山部よりも小さな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている場合で、前側山部の径寸法が一定で変化勾配が0の場合に比較して、タッピング加工時の回転トルクの増大を抑制しつつ、負荷が分散されるとともにめねじの完成度が向上させられて摩耗の進行が抑制される。
図面の簡単な説明
[0022]
[図1]本発明の一実施例である盛上げタップを説明する図で、(a)は正面図、(b)は(a)におけるIB−IB断面の拡大図、(c)は軸方向におけるねじ部の径寸法の変化パターンを示す図である。
[図2]図1の実施例のねじ部における外径、有効径、および谷径の軸方向における変化パターンを説明する図で、(a)は参考品、(b)および(c)は本発明品の実施態様を説明する図である。
[図3]参考品および従来品を用いてタッピング加工を行なって回転トルクを調べた時の加工条件および回転トルクの測定結果を示す図である。
[図4]参考品および従来品を用いてタッピング加工を行なって耐久性を調べた時の加工条件および寿命までの加工穴数を示す図である。
[図5]完全山部の前側山部の径寸法を一定とした場合の実施例を説明する図で、図
を分散するとともにめねじの完成度を向上させて摩耗を抑制するため1P(ピッチ)以上とすることが望ましく、2P(ピッチ)以上が適当である。なお、軸心まわりに3列の突出部を有する3枚刃の盛上げタップの場合、前側山部の軸方向長さを(1/3)P(ピッチ)以上とすれば2つ以上の突出部を含ませることができる。
[0029]
上記前側山部では、めねじの成形加工時の負荷を確実に分散するとともにめねじの完成度を向上させる上で、径寸法が一定で軸方向の変化勾配を0とすることが望ましいが、タッピング加工時の回転トルクの増大を抑制する上では、後側山部よりも小さな変化勾配のバックテーパを設けることが望ましい。そのバックテーパは、半径寸法において1P(ピッチ)当り3μmより大きい変化勾配だと、従来のバックテーパや後側山部のバックテーパとの差異が小さくなって、負荷を分散したりめねじの完成度を向上させたりする作用が十分に得られなくなるため、1P(ピッチ)当り3μm以下の変化勾配で半径寸法が漸減するように設けることが望ましい。
[0030]
後側山部のバックテーパは、タッピング加工時の回転トルクを低減する上で、1P(ピッチ)当り3〜7μmの範囲内の変化勾配で半径寸法が漸減するように設けることが望ましいが、めねじの加工条件等によってはこの範囲を逸脱していても差し支えない。なお、後側山部の全域で突出部がめねじに接触して成形圧力を加える必要はなく、前側山部に近い位置の一部の突出部がめねじに接触するだけでも良い。
[0031]
上記前側山部および後側山部のバックテーパは、例えば軸方向において径寸法が一定の変化勾配で直線的に漸減するように設けられるが、径寸法の変化勾配(変化率)を連続的に滑らかに変化させたり、径寸法を折れ線状に変化させたりすることも可能で、種々の態様が可能である。その場合に、バックテーパの変化勾配が半径寸法において例えば1P(ピッチ)当り3μm以下の領域を前側山部と見做し、1P(ピッチ)当り3μmを越える領域を後側山部と見做すようにしても良い。
[0032]
[0033]
[0034]
実施例
[0035]
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である盛上げタップ10を示す図で、(a)は軸心Oと直角方向から見た正面図、(b)は(a)におけるIB−IB断面の拡大図、(c)は軸方向におけるねじ部16の径寸法の変化パターンを示す図である。この盛上げタップ10は、図示しないチャックを介して主軸に取り付けられるシャンク12と、シャンク12よりもやや小径の首部14と、めねじを盛上げ加工(転造加工)するためのねじ部16とを、その順番で軸方向に連なるように同心に一体に備えている。ねじ部16は、外側へ湾曲した辺からなる多角形状、本実施例では略正六角形状の断面を成しているとともに、その外周面には、被加工物(めねじ素材)の下穴の表層部に食い込んで塑性変形させることによりめねじを盛上げ加工するおねじが設けられている。本実施例の盛上げタップ10は1条ねじを加工するためのもので、おねじも1条ねじである。
[0036]
上記おねじのねじ山18は、形成すべきめねじの谷の形状に対応した断面形状を成していて、そのめねじに対応するリード角のつる巻き線に沿って設けられているとともに、そのねじ山18が径方向の外側へ突き出す6つの突出部20と、その突出部20に続いて小径となる逃げ部22とが、ねじの進み方向に沿って交互に且つ軸心Oまわりにおいて60°の等角度間隔で設けられている。すなわち、正六角形の各頂点部分
チPに対して1P(ピッチ)〜5P(ピッチ)の範囲内で、本実施例では6列の突出部20においてそれぞれ軸方向に連なる2つの突出部20が含まれるように2P(ピッチ)程度に設定されており、完全山部26の残りの部分が後側山部26bとされている。また、前側山部26aには、食付き部24の後端から後側山部26bに向かうに従って比較的小さな変化勾配、具体的には半径寸法が1P(ピッチ)当り3μm以下の一定の変化勾配(本実施例では2μm程度)で漸減するバックテーパが設けられており、後側山部26bには、前側山部26aの後端から首部14側へ向かうに従って前側山部26aよりも大きな変化勾配、具体的には半径寸法が1P(ピッチ)当り3〜7μmの範囲内の一定の変化勾配で漸減するバックテーパが後側山部26bの全域に設けられている。
[0040]
上記のような完全山部26における径寸法の軸方向の変化パターンは、例えば図2の(a)に示すように、おねじのねじ山18の外径、有効径、および谷径が何れも前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成され、径寸法の変化勾配等が互いに等しい同じ変化パターンで径寸法が変化するように構成されるが、(b)に示すように外径のみが前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成されるようにしたり、(c)に示すように有効径および谷径のみが前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成されるようにしたりしても良い。その場合に、他の径寸法、すなわち(b)における有効径および谷径や、(c)における外径は、従来と同様に完全山部26の全域で一定の変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられれば良く、(b)では例えば外径の後側山部26bにおける変化勾配と同じ変化勾配で有効径および谷径のバックテーパが設けられ、(c)では例えば有効径の後側山部26bにおける変化勾配と同じ変化勾配で外径のバックテーパが設けられる。上記図2の(a)〜(c)の何れの場合も、完全山部26の前端部すなわち食付き部24との境界部分では、外径、有効径、および内径が何れも加工すべきめねじに対応する正規の寸法とされている。図2の(a)は参考品で、(b)および(c)は本発明品である。なお、図1の(c)は、図2の(b)の場合の外径の変化パターンを示したものである。また、図1の(c)および図2は、何れも径寸法の変化を明確にするため、横軸に対して縦軸の寸法を拡大して示したものであるが、あくまでも例示で正確な寸法割合ではなく、且つ直径寸法の変化パターンであるため、実際のタップ形状とは相違する。他の実施例を示す図5も同様である。
が漸減するバックテーパが設けられているため、前側山部26aの径寸法が一定で変化勾配が0の場合に比較して、タッピング加工時の回転トルクの増大を抑制しつつ、負荷が分散されるとともにめねじの完成度が向上させられて摩耗の進行が抑制される。
[0051]
因みに、図2の(a)に示す盛上げタップ10(参考品)と、図1(c)に破線で示すように完全山部26の全域に後側山部26bと同じ変化勾配のバックテーパが設けられた従来品とを用意し、図3の(a)に示す加工条件でタッピング加工を行って回転トルクを測定したところ、図3の(b)、(c)に示す結果が得られた。図3の(a)の加工条件において、「被加工物」の項目のSCM440は、JIS規格による鋼材記号でクロムモリブデン鋼を表しており、HRCはロックウェルC硬さである。図3の(b)は、下穴に対して1回目のタッピング加工を行なった時の回転トルクで、図3の(c)は、加工精度を高めるために1回目のタッピング加工で形成されためねじに対して2回目のタッピング加工を行なった時の回転トルクである。
[0052]
図3の(b)の結果から、参考品では、径寸法の変化勾配が小さい前側山部26aが設けられているにも拘らず、タッピング加工時の回転トルク(正側のトルク)が従来品と略同じで、回転トルクの増加は殆ど認められなかった一方、逆回転させてめねじから抜き取る際には、従来品に比べて数Nmだけ回転トルクが減少した。すなわち、タッピング加工時に前側山部26aにおいてめねじに繰り返し成形圧力が加えられることにより、めねじの完成度が高くなってスプリングバックが低減され、逆回転させて工具を抜き取る際にその前側山部26aに掛かる負荷が低下することが分かる。
[0053]
また、図3の(c)、すなわち2回目のタッピング加工時の回転トルクは、参考品と従来品とで殆ど差がないが、2回目のタッピング加工で必要な約5Nmの回転トルクは完全山部26とめねじとの接触によるものと考えられる。したがって、図3の(b)に示す1回目のタッピング加工で必要な約25Nmの回転トルクのうち約5Nm(20%)は完全山部26によるもので、残りの約20Nm(80%)は食付き[0054] 部24によるものと推定される。
[0054]
図4は、同じく図2の(a)に示す盛上げタップ10(参考品)と、図1(c)に破線で示すように完全山部26の全域に後側山部26bと同じ変化勾配
のバックテーパが設けられた従来品とを2本ずつ用意し、図4の(a)に示す加工条件でタッピング加工を行って寿命に達するまでの加工穴数(タッピング個数)を調べた結果を説明する図である。寿命か否かは、形成されためねじに対して通りねじプラグゲージ(GP)が通るか否かで判断した。すなわち、ねじ部16の摩耗でめねじの寸法が小さくなり、通りねじプラグゲージ(GP)が通らなくなったら工具寿命と判断するのである。
[0055]
図4の(b)の結果から明らかなように、従来品では600〜700個しかタッピング加工できなかったものが、参考品によれば1000〜1200個タッピング加工することが可能となり、工具寿命が約1.4〜2倍になった。
[0056]
なお、上記実施例では完全山部26の前側山部26aに所定のバックテーパが設けられていたが、図5に示すように、前側山部26aの径寸法を一定として軸方向の変化勾配を0としても良い。その場合には、めねじの成形加工時の負荷が確実に前側山部26aの複数の突出部20に分散される一方、めねじに対して高い成形圧力が繰り返し加えられることにより、めねじの完成度が一層高くなってスプリングバックが低減され、逆回転させて工具を抜き取る際に前側山部26aに掛かる負荷が低下し、突出部20の摩耗の進行が一層抑制されて工具寿命が向上する。
[0057]
図5の(a)〜(c)は、それぞれ前記図2の(a)〜(c)に対応するもので、(a)は、おねじのねじ山18の外径および有効径が何れも前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成され、それ等の外径および有効径が同じ変化パターンで変化している場合である。(b)は、外径のみが前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成されており、有効径および谷径は完全山部26の全域で一定の変化勾配(外径の後側山部26bと同じ変化勾配)で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている場合である。また、(c)は、有効径および谷径のみが前側山部26aと後側山部26bとに分けて構成されており、外径は完全山部26の全域で一定の変化勾配(有効径および谷径の後側山部26bと同じ変化勾配)で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている場合である。
[0058]
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態
Claims (7)
- 完全山部と、該完全山部に連続して設けられ且つ先端に向かう程小径となる食付き部とを有するとともに、それ等の完全山部および食付き部には突出部と逃げ部とが交互に形成されたおねじが設けられている盛上げタップにおいて、
前記完全山部は、前記食付き部に連続する前側山部と、残りの後側山部とから成り、該前側山部の軸方向長さはねじ山のピッチPの5倍以下である一方、
前記前側山部では、前記食付き部の後端と同じ一定の径寸法で軸方向における変化勾配が0か、または該食付き部の後端から前記後側山部に向かうに従って所定の変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられており、
前記後側山部には、前記前側山部の後端からシャンク側へ向かうに従って該前側山部よりも大きな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている
ことを特徴とする盛上げタップ。 - 前記おねじの外径および有効径が、何れも前記前側山部と前記後側山部とに分けて構成されて径寸法が定められている
ことを特徴とする請求項1に記載の盛上げタップ。 - 前記おねじの外径および有効径のうち少なくとも外径が、前記前側山部と前記後側山部とに分けて構成されて径寸法が定められている
ことを特徴とする請求項1に記載の盛上げタップ。 - 前記おねじの外径および有効径の何れか一方は、前記前側山部と前記後側山部とに分けて構成されて径寸法が定められているが、該おねじの外径および有効径の他方は、前記完全山部の全域で前記後側山部と同じ変化勾配でバックテーパが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の盛上げタップ。 - 前記前側山部の軸方向長さは、前記突出部を2つ以上含むように設定されている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の盛上げタップ。 - 前記前側山部では、前記変化勾配が0か、またはねじ山の1P(ピッチ)当り3μm以下の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられており、
前記後側山部には、ねじ山の1P(ピッチ)当り3〜7μmの範囲内の一定の変化勾配で半径寸法が漸減するバックテーパが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の盛上げタップ。 - 前記前側山部に前記後側山部よりも小さな変化勾配で径寸法が漸減するバックテーパが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の盛上げタップ。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2008/055335 WO2009116178A1 (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 盛上げタップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2009116178A1 true JPWO2009116178A1 (ja) | 2011-07-21 |
JP4996740B2 JP4996740B2 (ja) | 2012-08-08 |
Family
ID=41090601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010503734A Active JP4996740B2 (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 盛上げタップ |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8425163B2 (ja) |
JP (1) | JP4996740B2 (ja) |
CN (1) | CN101977718B (ja) |
DE (1) | DE112008003782B4 (ja) |
WO (1) | WO2009116178A1 (ja) |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3927589B1 (ja) * | 2006-01-17 | 2007-06-13 | 酒井精工株式会社 | 回転切削工具および回転切削工具の製造方法 |
JP5210470B2 (ja) * | 2010-01-27 | 2013-06-12 | オーエスジー株式会社 | 盛上げタップ |
DE102012100734A1 (de) * | 2012-01-30 | 2013-08-01 | EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge | Werkzeug zur spanlosen Erzeugung oder Nachbearbeitung eines Gewindes an einem Werkstück, insbesondere Gewindefurcher oder Gewindeformer |
US20150023749A1 (en) * | 2012-03-27 | 2015-01-22 | Speedtap Industries Inc. | Tapping device and method of use |
JP5813226B2 (ja) * | 2012-06-22 | 2015-11-17 | オーエスジー株式会社 | 盛上げタップ |
CN105209202B (zh) * | 2013-05-24 | 2018-06-08 | Osg株式会社 | 螺纹切削用丝锥 |
CN103464842B (zh) * | 2013-08-23 | 2015-12-02 | 西安交通大学 | 一种内螺纹振动挤压攻丝工艺 |
US20170042591A9 (en) * | 2013-12-12 | 2017-02-16 | Extremity Designs, Llc | Intramedullary anchor-screw fracture fixation |
US9682435B2 (en) * | 2014-08-28 | 2017-06-20 | Kennametal Inc. | Thread forming taps |
USD774878S1 (en) * | 2014-09-24 | 2016-12-27 | Sichuan Machinery Import & Export Corp. Ltd. | Tap |
USD769684S1 (en) | 2015-04-30 | 2016-10-25 | A & E Incorporated | Thread restorer tool |
DE102016122701B4 (de) * | 2016-11-24 | 2023-10-26 | EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge | Gewindeformer und Verfahren zur Herstellung eines Gewindeformers |
US10766083B2 (en) | 2017-05-31 | 2020-09-08 | Kennametal Inc. | Spiral flute tap with continuously increasing helix angle |
JP7018136B2 (ja) * | 2018-05-31 | 2022-02-15 | オーエスジー株式会社 | 盛上げタップ |
USD899205S1 (en) * | 2019-07-09 | 2020-10-20 | Carter And Son Toolworks Llc | Wood threading tool |
DE102019130009A1 (de) * | 2019-11-07 | 2021-05-12 | EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge | Werkzeug zur spanlosen Erzeugung oder Nachbearbeitung eines Gewindes, Verfahren zum Herstellen des Werkzeugs und Verfahren zum Herstellen eines Gewindes |
USD921722S1 (en) * | 2020-05-26 | 2021-06-08 | Devin Corbit | Fluted tap |
JP2024003874A (ja) * | 2022-06-28 | 2024-01-16 | オーエスジー株式会社 | 盛上げタップ |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SU1431902A1 (ru) * | 1987-03-26 | 1988-10-23 | Ленинградский механический институт им.Маршала Советского Союза Устинова Д.Ф. | Метчик |
JPH01289615A (ja) | 1988-05-17 | 1989-11-21 | O S G Kk | 盛上げタップ |
CN2172690Y (zh) * | 1993-02-27 | 1994-07-27 | 天津中德现代工业技术培训中心 | 大直径螺纹槽丝锥 |
CN2170823Y (zh) * | 1993-03-02 | 1994-07-06 | 绥中县机电制造厂 | 多功能攻丝、套丝、钻孔机 |
CN2209235Y (zh) * | 1993-09-08 | 1995-10-04 | 王庆堂 | 渐变螺纹牙形引导锥 |
JP2880122B2 (ja) * | 1995-10-02 | 1999-04-05 | 株式会社田野井製作所 | 盛上げタップ |
BR9711292A (pt) * | 1997-07-16 | 1999-08-17 | Osg Corp | Macho de conforma-Æo a frio que tem aresta de corte de acabamento interno e m-todo de produ-Æo do mesmo |
JP2004174607A (ja) * | 2002-11-22 | 2004-06-24 | Yamawa Seisakusho:Kk | 盛上げタップ |
JP4663991B2 (ja) * | 2004-01-23 | 2011-04-06 | 有限会社寿精工 | ねじ穴の形成方法 |
DE102006010651A1 (de) * | 2006-03-06 | 2007-09-20 | EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge | Kombinationswerkzeug mit Stirnaussparung |
JP4652413B2 (ja) * | 2007-04-26 | 2011-03-16 | オーエスジー株式会社 | スパイラルタップ |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2010503734A patent/JP4996740B2/ja active Active
- 2008-03-21 WO PCT/JP2008/055335 patent/WO2009116178A1/ja active Application Filing
- 2008-03-21 DE DE112008003782.5T patent/DE112008003782B4/de active Active
- 2008-03-21 CN CN200880128206.5A patent/CN101977718B/zh active Active
- 2008-03-21 US US12/933,834 patent/US8425163B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20110020087A1 (en) | 2011-01-27 |
US8425163B2 (en) | 2013-04-23 |
DE112008003782B4 (de) | 2022-10-20 |
WO2009116178A1 (ja) | 2009-09-24 |
DE112008003782T5 (de) | 2011-02-17 |
JP4996740B2 (ja) | 2012-08-08 |
CN101977718B (zh) | 2013-02-27 |
CN101977718A (zh) | 2011-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4996740B2 (ja) | 盛上げタップ | |
JP5362854B2 (ja) | 内径仕上げ刃付き盛上げタップ | |
US20080095588A1 (en) | Spiral flute tap | |
JP2003127027A (ja) | 盛上げタップ | |
WO2010049989A1 (ja) | スパイラルタップ | |
JP2006239858A (ja) | ねじ山を生成する工具および方法 | |
JP5456042B2 (ja) | 盛上げタップ | |
EP3427881A1 (en) | Taper thread-cutting spiral pipe tap | |
JP5756562B2 (ja) | スパイラルタップ | |
JP5237659B2 (ja) | 切削タップ | |
EP3006151A1 (en) | Thread-cutting tap | |
JP2012061577A (ja) | 切削タップ | |
JP7018136B2 (ja) | 盛上げタップ | |
US20230049644A1 (en) | Thread forming tap | |
JP5210470B2 (ja) | 盛上げタップ | |
JP4787534B2 (ja) | 盛上げタップ及び盛上げタップの製造方法 | |
JP2023132849A (ja) | 盛上げタップ | |
JP7297943B2 (ja) | ボールねじ用盛上げタップ | |
JP5329504B2 (ja) | 盛上げタップ | |
JP2023050347A (ja) | 盛上げタップ | |
JP2006068822A (ja) | 盛上げタップ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120424 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120511 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4996740 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |