JPWO2009113512A1 - Socs3発現促進剤、これを含有する医薬品および食品、ならびにsocs3の発現を促進する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1.1.SOCS3発現促進剤
本発明の一実施形態に係るSOCS3発現促進剤は、平均分子量50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有することを特徴とする。
比粘度 = {(試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1
還元粘度 = 比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL))
極限粘度 = 3.6×10−4M0.78
M:平均分子量
まず、鶏冠に加熱処理を施す。これは、鶏冠に含まれる蛋白質を熱変性させたり、酵素失活させたりするためである。加熱処理は如何なる方法をとってもよいが、熱水中に鶏冠を浸漬する方法をとると効率よく行うことができる。加熱温度や時間は、鶏冠中の蛋白質が変性したり、酵素が失活したりする範囲内であれば、特に制限がなく、熱水による加熱法を採用する場合は、60〜100℃の熱水中に原料を20〜90分間浸漬するとよい。
ヒアルロン酸算出ストレプトコッカス属の微生物(Streptococcus Zoopidemicus)の培養液に活性炭を添加して脱臭・脱色処理を行った後、濾過処理する。得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで、製造例2のヒアルロン酸(平均分子量50万以上)を得ることができる。
ヒアルロン酸の純度(%)=100−蛋白分解物(%)−粗脂肪(%)−コンドロイチン硫酸(%)
本発明の一実施形態に係る医薬品は、本実施形態に係るSOCS3発現促進剤を有効成分として含有する。より具体的には、本実施形態に係る医薬品は、本実施形態に係るSOCS3発現促進剤を5〜100質量%含有することができる。
また、本発明の一実施形態に係る食品は、本実施形態に係るSOCS3発現促進剤を含有する。より具体的には、本実施形態に係る食品は、本実施形態に係るSOCS3発現促進剤を0.1〜100質量%含有することができる。
本発明の一実施形態に係るプロイオトロフィン発現抑制剤は、上記ヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する。すなわち、本実施形態に係るプロイオトロフィン発現抑制剤に含まれるヒアルロン酸および/またはその塩としては、平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩であって、上記SOCS3発現促進剤の欄で例示されたヒアルロン酸および/またはその塩と同様のものを使用することができる。
上述したように、本発明の一実施形態に係る医薬品または食品は、膝関節痛の緩和に用いられるものであってもよい。ここで、ヒアルロン酸および/またはその塩としては、上述したものを使用することができる。
加齢や肥満が要因で、膝関節痛を訴える人が増加している。膝関節痛の原因は様々であるが、中でも膝の関節のクッションとなっている軟骨が磨り減り、膝に炎症が起き、進行すると関節が変形する変形性膝関節疾患が深刻となっている。
本願発明者は、特定の分子量帯のヒアルロン酸またはその塩を所定量、膝関節痛を訴える被験者に経口摂取させることにより、医学的指標をもって自覚症状の変化を観察したところ、痛みやこわばりが4週間で有意に低下した。さらには、日常生活の状態やふだんの活動、健康状態においても改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
上述したように、本発明の一実施形態に係る医薬品または食品は、膝関節の治療に用いられるものであってもよい。ここで、ヒアルロン酸および/またはその塩としては、上述したものを使用することができる。
ヒアルロン酸またはその塩が膝関節治療薬として用いられることは、例えば、再公表特許WO00/53194号公報、特開2002−348243号公報、特開2004−181121号公報、再公表特許WO2005/040224号公報、特開平11−60609号公報、特開2003−160464号公報、および特開平10−43286号公報に開示されている。しかし、これらはヒアルロン酸またはその塩を有効成分とする関節製剤を膝関節に注入する、いわゆる膝関節治療用注入剤や人工軟骨に関する技術である。
本願発明者は、ヒアルロン酸またはその塩を、変形性膝関節疾患を自然発症する病態マウスであるSTR/OrtCrljマウス(以下STRマウス)に経口摂取させることにより、主に後肢膝関節の病理解剖的な観察を行ったところ、軟X線撮影像による関節裂隙の減少抑制、軟骨粗造化の抑制、膝関節滑膜の変性抑制が認められ、膝関節疾患、特には変形性膝関節疾患による軟骨病変が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、粉末の平均粒子径は、該粉末をエタノールに分散し、SALD−2000A(株式会社島津製作所製)を使用して測定された値である。
実施例1では、MRLマウスに本発明のヒアルロン酸を飲水投与し、本発明のヒアルロン酸および/またはその塩を含有するSOCS3発現促進剤による、SOCS3の遺伝子発現について調査した。MRLマウスは、リウマチなどの自己免疫疾患を自然発症する病態モデルマウスであり、自己免疫疾患により、種々の症状が生じることが知られている。
1群:蒸留水(大塚蒸留水、株式会社大塚製薬工場製)
2群:低分子ヒアルロン酸(上記製造法1に準じて平均分子量が2000となるよう調製したもの(平均分子量が400〜2万の範囲にあるもの、平均粒子径:67μm)、試作品A)
3群:ヒアルロン酸(上記製造法2に準じて平均分子量が90万となるよう調製したもの(平均分子量が60万〜160万の範囲にあるもの、平均粒子径:75μm)、試作品B)
これらの試験物質は、室温にてクリーンベンチを用いて無菌的に調製した。調製には注射用蒸留水を用いて所定濃度に調製し、使用時まで冷蔵保存した。
摘出した大腸から、パイエル氏板を含む部位(サンプル)を約1cm採取し、GeneChipMouse Genome 430 2.0 Array(AFFYMETRIX社製)を使用したDNAアレイに供して、SOCS3遺伝子の発現を調べた。
https://www.affymetrix.com/site/login/login.affx
(5´) TCACTTTTATAAAAATCCACCTCCA (3´) (配列番号1)
(5´) GAGGCTGTCTGAAGATGCTTGAAAA (3´) (配列番号2)
(5´) GAAGATGCTTGAAAAACTCAACCAA (3´) (配列番号3)
(5´) GATGCTTGAAAAACTCAACCAAATC (3´) (配列番号4)
(5´) TTGAAAAACTCAACCAAATCCCAGT (3´) (配列番号5)
(5´) TCAACCAAATCCCAGTTCAACTCAG (3´) (配列番号6)
(5´) CAACCAAATCCCAGTTCAACTCAGA (3´) (配列番号7)
(5´) ACCAAATCCCAGTTCAACTCAGACT (3´) (配列番号8)
(5´) CAAATCCCAGTTCAACTCAGACTTT (3´) (配列番号9)
(5´) TCAACTCAGACTTTGCACATATATT (3´) (配列番号10)
(5´) ACTCAGACTTTGCACATATATTTAT (3´) (配列番号11)
摘出した大腸から、パイエル氏板を含む部位(サンプル)を採取し、mRNAを抽出し、OneStep RT-PCR Kit(QIAGEN社)を使用したRT−PCRに供して、SOCS3遺伝子の発現を調べた。まず、逆転写によってサンプル中のmRNAに対するcDNAを合成し、これをPCR反応により、増幅を行った。具体的には、まず50℃、30分間でmRNAの逆転写を行い、次に95℃、15分間でPCR初期活性化を行った。次いで、92℃、30秒間でDNAを変性させた後、60℃、30秒間でアニーリングを行い、72℃、30秒間でエクステンションした。上記の変性、アニーリング、エクステンションを30サイクル実施し、最後のエクステンションの条件は72℃、10分間とし、DNAの増幅を行った。この試料を、1.5%アガロース/TAEバッファーを使用した電気泳動に供し、エチジウムブロマイドで染色した。なお、プライマーとして、配列番号12および13に示される遺伝子配列を有するオリゴヌクレオチドを使用した。
(5´) TAGACTTCACGGCTGCCAAC (3´) (配列番号12)
(5´) TCGCTTTTGGAGCTGAAGGT (3´) (配列番号13)
摘出した大腸および小腸を使用して、ヒアルロン酸の局在について調べた。
MRLマウスの大腸標本を6μm厚さに切り出し、30分間風乾した。このサンプルを10%中性緩衝ホルマリン溶液に30分間浸漬して取り出し、PBSにて5分間洗浄した。この洗浄工程を3回繰り返した後、100mM酢酸バッファー(pH6.0)に37℃で15分間浸漬し、前処理を行った。前処理後のサンプルを、200TRU/mLのヒアルロニダーゼ(放線菌由来、天野エンザイム)を含有する100mM酢酸緩衝液(pH6.0)に60℃で120分間浸漬し、ヒアルロン酸を断片化した。これをPBSにて5分間洗浄し、この洗浄工程を3回繰り返した。これを、Streptavidin-biotin Blocking Kit(VECTOR社)にて処理し、内在性ビオチンのブロッキングを行った。具体的には、室温下、ストレプトアビジン液に15分間浸漬後、PBSにて5分間、3回洗浄し、さらにこれをビオチン液に15分間浸漬した後、PBSにて5分間、3回洗浄した。この内在性ビオチンのブロッキング処理の後、1%BSA/PBSに60分間浸漬した。これを、HABP-Biotin(生化学工業(株))の1μg/mL溶液(1%BSA/PBS)中に4℃で一晩浸漬し、PBSにて5分間、3回洗浄した。
(ヒアルロン酸の染色方法)
大腸上皮のサンプルを使用して、(3)−1記載の方法にて、HABP-Biotin処理までを行った。これを、遮光下、AlexaFluor488(Moleculer Probe社)の1600倍希釈液(1%BSA/PBS)に室温で60分間浸漬した。
以下の手順は、全て遮光下で行った。まず、ヒアルロン酸染色後の標本をPBSにて5分間、3回洗浄した後、10%Donkey serum/PBSに60分間浸漬し、ブロッキングを行った。これを4μg/mLの抗TLR−4抗体(10%Donkey serum/PBS)に4℃で一晩浸漬した後、PBSにて5分間、3回洗浄した。これをAlexaFluor594(MoleculerProbe社)の400倍希釈液(10%Donkey serum/PBS)に浸漬し、室温下で60分間浸漬した。これをPBSにて5分間、3回洗浄した。
Leica DMI4000Bを使用して、488nm(HA)および594nm(TLR−4)で標本の撮影を行い、HAおよびTLR−4の局在を確認した。
摘出した頸部リンパ節の重量測定および写真撮影を行った。頸部リンパ節の重量測定結果を表4に、頸部リンパ節の写真を図1に、小腸上皮表面の写真を図2に、大腸上皮表面の写真を図5に示す。
実施例2では、ヒト大腸上皮由来の細胞株であるHT29細胞を使用し、本発明のヒアルロン酸および/またはその塩を含有するSOCS3発現促進剤による、SOCS3の遺伝子発現について調査した。
(5´) GCCACCTACTGAACCCTCCT (3´) (配列番号14)
(5´) ACGGTCTTCCGACAGAGATG (3´) (配列番号15)
実施例1の試作品B(平均分子量90万のヒアルロン酸)をそのままSOCS3発現促進剤として使用して、内容物が下記の配合であるソフトカプセルを製した。
SOCS3発現促進剤(実施例1の試作品B) 20%
オリーブ油 50%
ミツロウ 10%
中鎖脂肪酸トリグリセリド 10%
乳化剤 10%
――――――――――――――――――――――――――――――
100%
実施例1の試作品B(平均分子量90万のヒアルロン酸)をそのままSOCS3発現促進剤として使用して、下記の配合の散剤(顆粒剤)を製した。
SOCS3発現促進剤(実施例1の試作品B) 10%
乳糖 60%
トウモロコシデンプン 25%
ヒプロメロース 5%
――――――――――――――――――――――――――――――
100%
実施例1の試作品B(平均分子量90万のヒアルロン酸)をそのままSOCS3発現促進剤として使用して、下記の配合の錠剤を製した。
SOCS3発現促進剤(実施例1の試作品B) 25%
乳糖 24%
結晶セルロース 20%
トウモロコシデンプン 15%
デキストリン 10%
乳化剤 5%
二酸化ケイ素 1%
――――――――――――――――――――――――――――――
100%
実施例1で評価したサンプルと同じサンプルについて、実施例1のDNAアレイによるSOCS3遺伝子発現の確認と同様の方法にて、プレイオトロフィン遺伝子発現の確認を行った。
https://www.affymetrix.com/site/login/login.affx
(5´) AATGTATACCATAGTACCAGTAGGG (3´) (配列番号16)
(5´) AGGAAGTTGAACTCTGTAGTACATA (3´) (配列番号17)
(5´) GATTGAGGTAAGTTTTTTGGTGTTG (3´) (配列番号18)
(5´) GTGATATTTCACATTTAAATCTTTT (3´) (配列番号19)
(5´) ATGTTTTCTCTTGTGCATCAATTTA (3´) (配列番号20)
(5´) GTGCATCAATTTAAATGTTACAACC (3´) (配列番号21)
(5´) AACCATGTAAACTACTTCTCTTGTT (3´) (配列番号22)
(5´) AAACTACTTCTCTTGTTAGATAGAT (3´) (配列番号23)
(5´) GATAGATTTTCACCTAGACTTTTTT (3´) (配列番号24)
(5´) AGAGGCAGAGCAACGATGTAGTGAA (3´) (配列番号25)
(5´) AACATGAAATCCTTTCACTTTGGCA (3´) (配列番号26)
SOCS3の発現促進によって、サイトカインシグナル伝達の阻害が起こり、炎症性サイトカインの発現が抑制されることが予想される。そこで、本発明に係るヒアルロン酸(実施例1で使用した試作品B)を摂取したマウスの大腸を使用してサイトカインアレイを行うことにより、表6に示す炎症性サイトカインの発現について調査した。
低pHである胃液にヒアルロン酸が溶解すると、加水分解によりヒアルロン酸の低分子化が進行し、経口摂取時の分子量と比較してヒアルロン酸の分子量が低下する場合があるため、炎症性疾患(例えば膝関節炎)の改善効果が低下する可能性がある。このため、ヒアルロン酸の水への溶解性が低いほど膝関節炎の治療効果に優れていることが推察される。
平均粒子径が異なる、平均分子量80万のヒアルロン酸を使用して、人工胃液中での溶解速度を評価した。具体的には、平均分子量80万のヒアルロン酸を篩い分けして表7に記載の各平均粒子径を有するヒアルロン酸を調製した。
以上の結果から、比較試験例1(平均粒子径50μm未満)のヒアルロン酸に対して、試験例1〜3のヒアルロン酸(平均粒子径50〜500μm)の胃液中への溶解性が低いことがわかる。さらに、試験例1および3のヒアルロン酸(平均粒子径80〜500μm)の溶解性がより低く、試験例3のヒアルロン酸(平均粒子径200〜500μm)の溶解性がさらに低い。このことから、平均粒子径50〜500μmである試験例1〜3のヒアルロン酸は、平均粒子径50μm未満である比較試験例1のヒアルロン酸と比べて胃液中での加水分解を受けにくく、低分子化されにくいことがわかる。
実施例9では、以下、詳細に示す通り、平均分子量100万(平均分子量が60万〜120万の範囲にあるもの)でかつ平均粒子径が205μmのヒアルロン酸を、膝関節痛の自覚症状のある男女15名に、ソフトカプセルの形態で1日240mgを経口投与し、摂取前、摂取4週間後、8週間後の経過をJKOM膝関節痛アンケートおよび変形性膝関節疾患治療成績判定基準(JOA)に従い調査した。
上記製造法2に準じ平均分子量100万のヒアルロン酸を得、これを整粒して平均粒子径を205μmとした後、これを1粒当り48mgとなるようソフトカプセルを調製した。このソフトカプセル5粒(ヒアルロン酸として240mg)を毎日の摂取量とした。
同意取得時の年齢が50歳以上、70歳以下の日本人男性および女性で、膝関節痛を安静時および運動時に自覚している者15名を被験者とした。ただし、変形性膝関節疾患治療成績判定基準(JOA)スコアが低い者であり、Kellgren-Lawrenceによる変形性膝関節症の病気分類(変形性膝関節症のX線による評価方法の一つであり、関節部位の症状の進行度によって0〜4のgradeに分類される)でのgradeがどちらか一方の脚でgrade1〜3の者を選択した。
以下の方法に従い、摂取前、摂取4週間後、8週間後に評価を行った。
JKOM膝関節痛アンケート調査の判定基準1:膝の痛みの程度(VAS:ビジュアルアナログスケール)および判定基準2〜5の合計値の変化により評価を行った。
「痛みなし」を1、「これまでに経験した最も激しい痛み」を40としたときに、痛みの程度を40段階のスコアで集計する。
表9により、2〜5の4項目25個の質問の合計点(100点満点)を算出する。
表10の通り、判定基準1(膝の痛みの程度)および判定基準2〜5の合計値のいずれも、摂取8週間後は、危険率1%未満で有意に低下した。
表11に示す、変形性膝関節疾患治療成績判定基準(JOA)による4項目のスコアの合計値の変化により、評価を行った。
表12の通り、変形性膝関節疾患治療成績判定基準(JOA)によるスコアの合計値は、摂取8週間後、危険率1%未満で有意に低下した。
実施例10では、以下、詳細に示す通り、2種類のヒアルロン酸をそれぞれ、飲用水に溶解し、STRマウスに飲水投与を行った。対照として無添加の飲用水を、およびコンドロイチン硫酸を同様に飲用水に溶解したものを陽性対照として用いた。17週後、安楽死させたマウスの両後肢を剖検用試料とした。剖検項目として、(1)膝関節の軟X線撮影像による裂隙の狭小化評価、(2)膝関節軟骨表面の粗造化評価、(3)膝関節滑膜の変性評価を実施した。
試験例4として、製造法1に準じ、鶏冠からの抽出法により、平均分子量90万のヒアルロン酸(平均分子量が60万〜160万の範囲にあるもの、平均粒子径:159μm)を得た。
STR/OrtCrljマウス(雄、投与開始時22週齢、日本チャールズリバー社生産)を15日間予備飼育し、一般観察した結果異常のない健康マウスを試験に供した。
STRマウスが22週齢から39週齢の17週の間、摂取実験を実施した。
摂取17週後剖検により以下の評価を行った。剖検は、エーテル麻酔下マウスを開腹し、採決後放血安楽死せしめ、両後肢を摘出した。これを骨に亀裂が生じないよう大腿骨頭を含めて採取し、10%中性緩衝ホルマリン液で固定して、軟X線撮影像評価用試料および病理組織学的検査試料とした。
軟X線撮影は、管球からの距離:50cm、電圧:26〜28kvp、電流:3〜4mA、照射時間:45秒の条件で行った。軟X線撮影像より、両後肢について、膝関節の軟X線撮影像スコア評価を実施した。
India Ink Methodにより、膝関節軟骨表面の粗造化評価を行った。
ホルマリン液固定した後肢の検査用試料の、大腿骨軟骨表面にIndia Inkを塗布後、生理食塩水液中で洗浄し、写真撮影した。軟骨粗造化部位にはIndia Inkが残存する。これを図9のように写真上にて、軟骨面積(ピクセル数)をNIHイメージにて測定した。次にWeigelのポイントカウンティング法にてIndia Inkが染色されているところにある格子の交点の数(靭帯は除く)をカウントした。
10%中性緩衝ホルマリン液固定した後肢を、10%EDTAを用いた脱灰後、パラフィン包埋し、薄切した。その後、ヘトキシリンエオジン染色標本を作製し、膝蓋骨両側の滑膜の病理組織学的検査を実施した。評価は、正常を0、滑膜細胞活性化を1、滑膜細胞活性化および軽度増殖を2、滑膜細胞活性化および重度増殖を3とし、滑膜評価スコアを算出した。
Claims (16)
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する、SOCS3発現促進剤。
- 前記ヒアルロン酸および/またはその塩の平均粒子径が50〜500μmである、請求項1に記載のSOCS3発現促進剤。
- 請求項1または2に記載のSOCS3発現促進剤を有効成分として含有する医薬品。
- 経口的に摂取される、請求項3記載の医薬品。
- 請求項1または2に記載のSOCS3発現促進剤を含有する食品。
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩をヒトまたはヒト以外の動物に経口的に摂取させることを含む、ヒトまたはヒト以外の動物においてSOCS3の発現を促進する方法。
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する、プロイオトロフィン発現抑制剤。
- 前記ヒアルロン酸および/またはその塩の平均粒子径が50〜500μmである、請求項7に記載のプロイオトロフィン発現抑制剤。
- 請求項7または8に記載のプロイオトロフィン発現抑制剤を有効成分として含有する医薬品。
- 経口的に摂取される、請求項9記載の医薬品。
- 請求項7または8に記載のプロイオトロフィン発現抑制剤を含有する食品。
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩をヒトまたはヒト以外の動物に経口的に摂取させることを含む、ヒトまたはヒト以外の動物においてプロイオトロフィンの発現を抑制する方法。
- 膝関節の治療または膝関節痛の緩和に用いられる、請求項3、4、9または10に記載の医薬品。
- 膝関節の治療または膝関節痛の緩和に用いられる、請求項5または11に記載の食品。
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩をヒトまたはヒト以外の動物に経口的に摂取させることを含む、ヒトまたはヒト以外の動物において膝関節を治療する方法。
- 平均分子量が50万以上のヒアルロン酸および/またはその塩をヒトまたはヒト以外の動物に経口的に摂取させることを含む、ヒトまたはヒト以外の動物において膝関節痛を緩和する方法。
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