JPWO2009093638A1 - β−ラクタム化合物の製造方法 - Google Patents

β−ラクタム化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

(式中R1は低級アルキル基等を、R2は水素原子等を、R3はカルボキシル基の保護基を、Lは水酸基の活性エステルを、R4は水素原子等を、R5は水素原子等を示す。)式[2]で表される化合物に、式[3]で表される化合物を反応させる際、塩基およびルイス酸性の金属塩を共存させることを特徴とする式[1]で表されるカルバペネム化合物の製造方法。本製法により、グラム陽性菌に対して優れた抗菌活性を有するβ−ラクタム薬剤を製造する際、側鎖のメルカプトチアゾールをβ−ラクタム骨格に効率よく導入する製法を提供することができる。

Description

本発明は、後記一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物の新規な製造法に関する。
第三世代セファロスポリン薬剤の広範な臨床応用に伴いグラム陽性菌の分離頻度の増加が見られ、なかでもメチシリン耐性ブドウ球菌(以下MRSAと略記する。)の分離頻度の増加はそれによる感染症の難治化により臨床上大きな問題となっている。近年MRSA感染症に対し多用されているバンコマイシンは副作用等の理由から投与法が難しい面があり、また今後グリコペプチド耐性菌の増大も予測される。さらに、近年、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNSと略記する。)の分離頻度の増加も報告されている。これらのことからより安全で強力な抗MRSA活性、抗MRCNS活性を持つ薬剤の開発が望まれている。
近年、チアゾール骨格を持つ側鎖を有するβ−ラクタム化合物がグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有することが非特許文献1や非特許文献2、特許文献1等に報告されている。これらの化合物の製造にはメルカプトチアゾールをβ−ラクタム骨格に導入する段階が存在する。しかしながら前記の文献中に記載されているように、メルカプトチアゾールは反応性が弱いためそのまま導入させることは難しく、従来法では水素化ナトリウム(非特許文献1)やリチウムヘキサメチルジシラジド(特許文献1中の実施例1)等の強塩基を用いてあらかじめメルカプト基をナトリウム塩やリチウム塩等に塩化活性化し、その後β−ラクタム化合物と反応させるといった段階的な操作が必要であり操作法が煩雑であった。またβ−ラクタム化合物は強塩基性条件には不安定なので過剰の塩基を減らすための塩基の当量数の厳密な管理が必要となる。さらに活性化塩の加水分解による不活化を防ぐため禁水条件も必要である等、操作性や収率の点で不十分なものであり、大量合成を考えた際より操作が簡単で温和な条件下での効率の良い製造法が求められていた。
一方、求核性の低いSH基の反応例としてジチオカルバミン酸アンモニウム塩をβ−ラクタム化合物に導入する際、塩化リチウムを加えると反応が進行することが非特許文献3で報告されているが、具体的な操作や収率、品質、反応時間等に関する記述は無く、メルカプトチアゾールへの適用や、他のルイス酸性の金属塩の使用についても言及されていない。本発明者等の検討では塩化リチウムはβ−ラクタム化合物、特に側鎖導入前の活性化エステルを分解することや、メルカプトチアゾールに適用しようとすると塩化リチウムだけでは全く反応が進行しないこと、求核性の高いアルキルチオール類では多くの副生物が生成するため適用できない等の制約があった。
国際公開第02/038564号パンフレット バイオオーガニックアンドメディシナルケミストリーレターズ第4巻2793頁(1994年) バイオオーガニックアンドメディシナルケミストリーレターズ第5巻1427頁(1995年) バイオオーガニックアンドメディシナルケミストリーレターズ第7巻13号1617頁(1997年)
本発明はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有するβ−ラクタム薬剤を製造する際、側鎖のメルカプトチアゾールをβ−ラクタム骨格に効率よく導入することを目的とする。
本発明者らは種々の検討を行った結果、塩基とルイス酸性の金属塩を共存させると弱塩基性条件下で、反応性の低いメルカプトチアゾール側鎖が効率よくβ−ラクタム骨格に導入されることを見い出し本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は次のものに関する。
〔1〕
下記式[2]:
Figure 2009093638
(式中Rは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rはカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。)
で表される化合物に、式[3]:
Figure 2009093638
(式中、Rは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、または下記式[4]:
Figure 2009093638
[式中mおよびnはそれぞれ独立して0〜4であって、かつmとnの和が0〜4であり、Yはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてYは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、置換されていてもよい低級アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルケニルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルキニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アラルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または−C(R)=NR(但し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またRとRはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Yは1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。]で表され、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基を表すか、またはRとRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環を形成することもできる。)
で表される化合物を反応させる際、塩基およびルイス酸性の金属塩を共存させることを特徴とする式[1]:
Figure 2009093638
(式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。)
で表されるカルバペネム化合物の製造方法。
〔2〕
塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩の金属がリチウム、マグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムである〔1〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔3〕
塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウム、炭素数が1ないし8のペルフルオロアルカンスルホン酸リチウム、(RfSONOSRf)Li(但し、RfおよびRfは同じか若しくは異なる炭素数1ないし8のペルフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが結合する硫黄−窒素−硫黄原子と一緒になって5〜7員を形成するペルフルオロアルキレンを表すこともできる)で表されるリチウムビススルホニルイミド、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、または塩化アルミニウムである〔1〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔4〕
塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウムまたは塩化マグネシウムである〔1〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔5〕
塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウムである〔1〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔6〕
塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化マグネシウムである〔1〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔7〕
下記式[2]:
Figure 2009093638
(式中Rは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rはカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。)
で表される化合物に、式[3]:
Figure 2009093638
(式中、Rは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、または下記式[4a]:
Figure 2009093638
[式中mおよびnはそれぞれ独立して0〜4であって、かつmとnの和が0〜4であり、Yはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてYは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、置換されていてもよい低級アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルケニルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルキニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アラルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または−C(R)=NR(但し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またRとRはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Yは1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。]で表され、Rは水素原子またはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基を表すか、またはRとRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環を形成することもできる。)
で表される化合物を反応させる際、塩基およびルイス酸性の金属塩を共存させることを特徴とする式[1]:
Figure 2009093638
(式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。)
で表される〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔8〕
が水素原子である〔1〕〜〔7〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔9〕
mとnの和が2である〔1〕〜〔8〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔10〕
mとnの和が3である〔1〕〜〔8〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔11〕
が下記式[4a]:
Figure 2009093638
(式中m、n、Y、およびYは〔1〕と同じ意味を表す。)
で表され、Rが水素原子である〔1〕〜〔10〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔12〕
が下記式[4b]:
Figure 2009093638
で表される、〔8〕記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔13〕
が1−(R)−ヒドロキシエチルまたはその水酸基の保護された1−(R)−オキシエチルである〔1〕〜〔12〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔14〕
が低級アルキル基である、〔1〕〜〔13〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔15〕
が低級アルケニル基である、〔1〕〜〔14〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔16〕
Lがジフェニルリン酸エステルである〔1〕〜〔15〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
〔17〕
反応溶媒が、アセトン、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒である、〔1〕〜〔16〕のいずれか記載のカルバペネム化合物の製造方法。
本発明により、グラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有するβ−ラクタム薬剤を製造する際、側鎖のメルカプトチアゾールをβ−ラクタム骨格に効率よく導入することが可能になった。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されていてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルケニル基としては、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニルまたは3−ヘキセニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜6のものが挙げられる。
水酸基により置換された低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルのような炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルオキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、メチルエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノまたはジ(n−ヘキシル)アミノのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキル基がモノまたはジ置換したアミノ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
5ないし7員のヘテロ環としては、例えば3,4−ジヒドロ−2H−ピロール環、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン環または3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−アゼピン環などが挙げられる。
置換されていてもよい低級アルキル基の置換基としては、例えば水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、−NR(但し、RとRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わすか、あるいはRとRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、例えばピロリジン、ピペリジン、アゼパン、モルホリン、ピペラジンまたはN−低級アルキル置換ピペラジンなどの5−7員の含窒素飽和へテロ環環を形成してもよい。)、−CONR(但し、RとRは前記と同じ意味を表わす。)、−NR8aCOR9a(但し、R8aとR9aはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わす。)、−OCONR(但し、RとRは前記と同じ意味を表わす。)、−SONR(但し、RとRは前記と同じ意味を表わす。)、−NR8aSONR(但し、R8a、RおよびRは前記と同じ意味を表わす。)、−NR8aCONR(但し、R8a、RおよびRは前記と同じ意味を表わす。)、または−COOCHOCOR10(但し、R10は低級アルキル基を表わす。)といった基が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。
低級アルキルカルボニル基としては、例えばメチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルまたはn−ヘキシルカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニル基が挙げられる。
低級アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシまたはn−ヘキシルカルボニルオキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。
低級アルキルオキシカルボニル基としては、例えばメチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニルまたはn−ヘキシルオキシカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
低級アルケニルオキシカルボニル基としては、例えばビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−プロペニルオキシカルボニル、3−ブテニルオキシカルボニル、2−ブテニルオキシカルボニル、2−ペンテニルオキシカルボニルまたは2−ヘキセニルオキシカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル基が挙げられる。
低級アルキニルオキシカルボニル基としては2−プロピニルオキシカルボニル、1,1−ジメチル−2−プロピニルオキシカルボニルのような直鎖状、または分岐鎖状の炭素数3〜7の低級アルキニルオキシカルボニル基が挙げられる。
低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基および低級アルキルスルホニル基における低級アルキル部分としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
「置換されていてもよい低級アルケニル基」、「置換されていてもよい低級アルケニルオキシカルボニル基」、「置換されていてもよい低級アルキニルオキシカルボニル基」および「置換されていてもよい低級アルキルオキシカルボニル基」における置換基としては、例えば水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子またはシアノ基などが挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基等が挙げられる。または2個の低級アルキル基がカルバモイル基の窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどを形成しても良い。
置換されていてもよいアミノ基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基等が挙げられる。または2個の低級アルキル基がアミノ基の窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどを形成しても良い。
置換されていてもよい5ないし7員ヘテロ環の置換基としては、例えば低級アルキル基、水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子またはシアノ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジルまたはフェニルエチル等の、C−C12のアラルキル基が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基としては、例えばベンジルオキシカルボニル等の、C−C13のアラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えばフェニルオキシカルボニル等の、C−C11のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールスルホン酸エステルとしては、例えばベンゼンスルホン酸エステル等のC−C10のアリールスルホン酸エステル等が挙げられる。
式[3]で表される化合物において、RとRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環を形成するとは、例えば式[3]で表される化合物が、下記式:
Figure 2009093638
等の化合物を表すことなどが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル基」、「置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基」、「置換されていてもよいアリールスルホン酸エステル」および「置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環」における置換基としては、例えば水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルのような直鎖状もしくは分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル基、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチルのような炭素数1〜5のハロゲノ低級アルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチルのような炭素数1〜5のような低級アルコキシメチル基、例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチルのような炭素数1〜5の低級脂肪族アシルオキシメチル基、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチルのような1−(C〜C)低級アルコキシカルボニルオキシエチル基、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジルのような置換されていてもよいアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリルのような炭素数3〜7の低級アルケニル基、ベンズヒドリル基、またはフタリジル基等が挙げられる。
水酸基の保護基およびアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5の低級アルコキシカルボニル基、例えば2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル基、例えばアリルオキシカルボニルのような置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル基、例えばプロパルギルオキシカルボニルのような置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルキニルオキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルのような置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルのような炭素数3〜9のトリアルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリルのようなフェニル基を有するシリル基等が挙げられる。
置換基Rの中で前記一般式[4a]で表わされる好ましい置換基Yとしては、例えばメチル、エチルまたはイソプロピルなどの炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシメチル、クロロメチル、フルオロメチル、メトキシメチル、カルバモイルオキシメチル(−CHOCONH)、ウレイドメチル(−CHNHCONH)、スルファモイルメチル(−CHSONH)、スルファモイルアミノメチル(−CHNHSONH)、カルバモイルなどが挙げられ、そして好ましい置換基Yとしては、例えば水素原子、メチル、エチルまたはイソプロピルなどの炭素数1〜3のアルキル基、エテニルまたは2−プロペニル等の炭素数2〜3のアルケニル基、アリルオキシカルボニルのような置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル基、イミノメチル(−CH=NH)、−C(CH)=NHなどが挙げられる。
以下に本発明の製造方法について詳細に述べる。
一般式[2]:
Figure 2009093638
[式中R、R、RおよびLは前記と同じ意味を表す。]
で表わされる化合物と、一般式[3]:
Figure 2009093638
[式中R、Rは前記と同じ意味を表す。]
で表わされる化合物を塩基およびルイス酸性の金属塩の存在下反応させることにより一般式[1]:
Figure 2009093638
[式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。]
で表わされる化合物を得ることが出来る。
ここで水酸基の活性エステルとしては、例えばベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル等の置換もしくは無置換のアリールスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5の低級アルカンスルホン酸エステル等、例えばトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5のハロゲノアルカンスルホン酸エステル、例えばジフェニルリン酸エステル等のアリールリン酸エステル、例えばハロゲン化水素とのエステルである塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物等のハロゲン化物等を挙げることができる。このような水酸基の反応性エステルの中で好適なものとしてはp−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、ジフェニルリン酸エステルを挙げることができる。
一般式[2]で表わされる化合物と、一般式[3]で表わされる化合物から塩基およびルイス酸性の金属塩の存在下、一般式[1]で表わされる化合物を得るのに用いられる不活性溶媒としては例えばアセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサメチルホスホラミド、またそれらの混合溶媒を挙げることができる。
塩基としては例えば第3アミンなどを挙げることができる。第3アミンとしては例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBUと略記する。)のような有機塩基等を挙げることができる。特に好適なものとしてはジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基は反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることが出来るが、一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物に対して通常0.5〜6当量を用いて行うことができ、好ましくは1〜2当量が挙げられる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は、反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[1]で表わされる化合物に対して、通常0.8〜2当量を用いて行うことができる。好ましくは0.8〜1.5当量が挙げられる。
反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−40℃〜+40℃の範囲が好適である。なお、反応は温度によって異なるが、通常1〜20時間で終了する。反応終了後は通常の有機化学的手法によって生成物を取り出すことができる。
ルイス酸性の金属塩の金属としては、例えばリチウム、マグネシウム、カルシウムまたはアルミニウム等が挙げられる。また金属塩には対イオンの他に水、アンモニア、ホスフィン等が配位していても良いが、より好ましくは無水物等の配位子の存在しないものが望ましい。
ルイス酸性の金属塩としては例えばリチウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩が挙げられ、好ましくは塩化リチウム、臭化リチウム、よう化リチウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウムのようなハロゲン化金属塩、トリフルオロ酢酸リチウムのような炭素数2ないし8のペルフルオロアルカン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸リチウム、ヘプタデカフルオロ−1−オクタンスルホン酸リチウムのような炭素数1ないし8のペルフルオロアルカンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよび1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドリチウムのような(RfSONOSRf)Li(但し、RfおよびRfは同じか若しくは異なる炭素数1ないし8のペルフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが結合する硫黄−窒素−硫黄原子と一緒になって5〜7員を形成するペルフルオロアルキレンを表すこともできる)で表されるジスルホニルイミドリチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウムのようなルイス酸性のリチウム塩等が挙げられ、最も好ましくは塩化リチウム、塩化マグネシウムが挙げられる。
特に塩化マグネシウムは反応速度が高く、β−ラクタム化合物の安定性も高い点で好ましい。ルイス酸性の金属塩は反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[1]で表わされる化合物に対して、通常0.8〜3当量を用いて行うことができる。好ましくは1〜2当量が挙げられる。
一般式[2]で表わされる化合物は公知であり、例えば特公昭63−55514号公報および特開平01−79180に記載の方法により製造することができる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は公知化合物であるか、または公知化合物から公知の方法によって合成することができる。例えば2−クロロベンゾチアゾールに硫化水素やチオ尿素を作用させる方法等、あるいはクロロアセトンやフェナシルクロリド等の対応するα−ハロケトンにジチオカルバミン酸アンモニウムを作用させる方法等が挙げられる。また、国際公開番号WO2002/038564に記載の方法等で製造することも出来る。
前記一般式[1]で表わされる化合物には次式:
Figure 2009093638
[式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。]
に示されるように、カルバペネム骨格の4位、5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在し、これらの異性体が便宜上すべて単一の式で示されているが、これによって本発明の記載の範囲は限定されるものではなく、本発明は各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物を含むものである。
しかしながら、好適なものとしてRが水素の場合には、5位の炭素原子がR配位の(5R,6S)配位の化合物を挙げることができ、Rが低級アルキル基の場合には4位の炭素原子がR配位で5位の炭素原子がS配位を有する(4R,5S,6S)配位の化合物を挙げることができる。さらにRが1−ヒドロキシエチルの場合、ヒドロキシル基に基づく異性体においてもR配位のものとS配位のものがあり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。また、置換基Rの中で下記式[4]:
Figure 2009093638
[式中m、n、Y、およびYは前記と同じ意味を表す。]
で表される置換基中には置換基Yに基づく異性体も存在する。
このような配位を有する異性体を製造する場合は、一般式[2]および[3]で表わされる原料化合物において各々対応する異性体を使用して行うことができる。
このようにして得られた一般式[1]:
Figure 2009093638
[式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。]
であらわされる化合物はRにおける水酸基の保護基の除去反応、Rにおけるカルボキシル基の保護基の除去反応、Rが下記式[4]:
Figure 2009093638
[式中m、n、Y、およびYは前記と同じ意味を表す。]
で表される場合、Yにおける水酸基の保護基の除去反応、アミノ基の保護基の除去反応、Yにおけるアミノ基の保護基の除去反応(例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)等参照)と所望によりそれに引き続き保護基の除去されたアミノ基に当量もしくは過剰のベンジルホルムイミダート塩酸塩やエチルアセトイミダート塩酸塩等のイミダート類を作用させることによるイミドイル化反応(例えば国際公開番号WO2002/038564中の実施例34、35)、またはYにおけるイミドイル基の保護基(例えばtert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基等)の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことで、抗菌剤としてより活性の高いβ−ラクタム化合物またはその塩に導くことが出来る。保護基の除去は同じ条件で除去される基が複数ある場合、一度の操作で複数の脱保護を行うことも出来る。
此の時一般式[1]で得られた化合物は特に単離することなく各保護基の除去反応を行うことが出来るが、例えば保護基の除去反応にジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム触媒を用いる場合、一般的には硫黄化合物は触媒毒となるが、このような不純物が含まれる場合や未反応の原料、その他の不純物を取り除く必要がある場合には抽出等の手法を用いて不純物を取り除くことができる。特に必要のある場合は周知の方法、例えば、抽出、沈殿、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、再結晶等により、単離、精製してもよい。また全ての保護基を除去した化合物および活性を高めるためにさらにイミドイル化等の化学修飾を施した化合物も周知の方法、例えば、抽出、沈殿、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、再結晶等の手法により系内から取り出し、単離、精製することが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって限定されるものではない。
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
TMS:トリメチルシリル基
Me:メチル基
Ph:フェニル基
Tf:トリフルオロメタンスルホニル基
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DIEA:N−エチルジイソプロピルアミン
実施例1
アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(1R)−1−トリメチルシリルオキシエチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシラート
Figure 2009093638
アリル(2S)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボキシラート(0.90g、3.15mmol)のアセトニトリル(7.6g)懸濁液に室温でジイソプロピルエチルアミン(0.41g、3.15mmol)を加え溶解した。この溶液に塩化リチウム(0.25g、6.00mmol)を加え30分間攪拌した。アリル(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(1R)−1−トリメチルシリルオキシエチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシラートのアセトニトリル溶液(30%、5.63g、3.00mmol)を室温で加え、同温度で23時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物(1.46g、80%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ 0.09(9H,s),1.06−1.10(3H,m),1.15−1.40(6H,m),3.21−3.24(1H,m),3.40−3.59(1H,m),4.15−4.22(2H,m),4.37−4.85(7H,m),5.15.5.48(4H,m),5.87.6.02(2H,m),6.31−6.36(1H,m),7.09−7.12(1H,m).
実施例2
アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(1R)−1−トリメチルシリルオキシエチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシラート
アリル(2S)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボキシラート(0.90g、3.15mmol)のアセトニトリル(7.6g)懸濁液に室温でジイソプロピルエチルアミン(0.41g、3.15mmol)を加え溶解した。この溶液に塩化マグネシウム(0.57g、6.00mmol)を加え30分間攪拌した。アリル(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(1R)−1−トリメチルシリルオキシエチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシラートのアセトニトリル溶液(30%、5.63g、3.00mmol)を室温で加え、同温度で3時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物(1.79g、99%)を得た。
以下に同様の方法により製造した化合物を表にて示す。
Figure 2009093638
本発明の合成法はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を示す化合物の製造に有用である。

Claims (17)

  1. 下記式[2]:
    Figure 2009093638
    (式中Rは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rはカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。)
    で表される化合物に、式[3]:
    Figure 2009093638
    (式中、Rは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、または下記式[4]:
    Figure 2009093638
    [式中mおよびnはそれぞれ独立して0〜4であって、かつmとnの和が0〜4であり、Yはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてYは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、置換されていてもよい低級アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルケニルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルキニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アラルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または−C(R)=NR(但し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またRとRはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Yは1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。]で表され、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基を表すか、またはRとRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環を形成することもできる。)
    で表される化合物を反応させる際、塩基およびルイス酸性の金属塩を共存させることを特徴とする式[1]:
    Figure 2009093638
    (式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。)
    で表されるカルバペネム化合物の製造方法。
  2. 塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩の金属がリチウム、マグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムである請求項1記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  3. 塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウム、炭素数が1ないし8のペルフルオロアルカンスルホン酸リチウム、(RfSONOSRf)Li(但し、RfおよびRfは同じか若しくは異なる炭素数1ないし8のペルフルオロアルキル基を表すか、またはそれらが結合する硫黄−窒素−硫黄原子と一緒になって5〜7員を形成するペルフルオロアルキレンを表すこともできる)で表されるリチウムビススルホニルイミド、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、または塩化アルミニウムである請求項1記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  4. 塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウムまたは塩化マグネシウムである請求項1記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  5. 塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化リチウムである請求項1記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  6. 塩基が第3アミンであり、ルイス酸性の金属塩が塩化マグネシウムである請求項1記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  7. 下記式[2]:
    Figure 2009093638
    (式中Rは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、Rは水素原子または低級アルキル基であり、Rはカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。)
    で表される化合物に、式[3]:
    Figure 2009093638
    (式中、Rは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、または下記式[4a]:
    Figure 2009093638
    [式中mおよびnはそれぞれ独立して0〜4であって、かつmとnの和が0〜4であり、Yはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてYは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、置換されていてもよい低級アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルケニルオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アルキニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよい低級アラルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または−C(R)=NR(但し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、または置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またRとRはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Yは1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。]で表され、Rは水素原子またはハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基を表すか、またはRとRはそれらが結合する炭素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員の飽和又は不飽和環を形成することもできる。)
    で表される化合物を反応させる際、塩基およびルイス酸性の金属塩を共存させることを特徴とする式[1]:
    Figure 2009093638
    (式中R、R、R、R、およびRは前記と同じ意味を表す。)
    で表される請求項1〜6のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  8. が水素原子である請求項1〜7のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  9. mとnの和が2である請求項1〜8のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  10. mとnの和が3である請求項1〜8のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  11. が下記式[4a]:
    Figure 2009093638
    (式中m、n、Y、およびYは請求項1と同じ意味を表す。)
    で表され、Rが水素原子である請求項1〜10のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  12. が下記式[4b]:
    Figure 2009093638
    で表される、請求項8記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  13. が1−(R)−ヒドロキシエチルまたはその水酸基の保護された1−(R)−オキシエチルである請求項1〜12のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  14. が低級アルキル基である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  15. が低級アルケニル基である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  16. Lがジフェニルリン酸エステルである請求項1〜15のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
  17. 反応溶媒が、アセトン、アセトニトリル、またはそれらの混合溶媒である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のカルバペネム化合物の製造方法。
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