JPWO2009054531A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009054531A1
JPWO2009054531A1 JP2009538293A JP2009538293A JPWO2009054531A1 JP WO2009054531 A1 JPWO2009054531 A1 JP WO2009054531A1 JP 2009538293 A JP2009538293 A JP 2009538293A JP 2009538293 A JP2009538293 A JP 2009538293A JP WO2009054531 A1 JPWO2009054531 A1 JP WO2009054531A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
group
acid
methyl
crystal aligning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009538293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4507024B2 (ja
Inventor
利之 秋池
利之 秋池
勉 熊谷
勉 熊谷
中田 正一
正一 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP4507024B2 publication Critical patent/JP4507024B2/ja
Publication of JPWO2009054531A1 publication Critical patent/JPWO2009054531A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/38Polysiloxanes modified by chemical after-treatment
    • C08G77/382Polysiloxanes modified by chemical after-treatment containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen or silicon
    • C08G77/388Polysiloxanes modified by chemical after-treatment containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen or silicon containing nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D207/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D207/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D207/30Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D207/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D207/36Oxygen or sulfur atoms
    • C07D207/402,5-Pyrrolidine-diones
    • C07D207/4042,5-Pyrrolidine-diones with only hydrogen atoms or radicals containing only hydrogen and carbon atoms directly attached to other ring carbon atoms, e.g. succinimide
    • C07D207/408Radicals containing only hydrogen and carbon atoms attached to ring carbon atoms
    • C07D207/412Acyclic radicals containing more than six carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
    • C07D209/44Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles
    • C07D209/48Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles with oxygen atoms in positions 1 and 3, e.g. phthalimide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/0834Compounds having one or more O-Si linkage
    • C07F7/0838Compounds with one or more Si-O-Si sequences

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

本発明は、下記式(1)(式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、ただしR3が水素原子でない場合にはR1およびR2のうちの少なくとも一方はカルボキシル基またはカルボキシル基を有する有機基であり、R1とR2とは互いに結合して環を形成していてもよい。)で表される化合物と、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンとを反応させて得られる感放射線性ポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤に関する。

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子に関する。
従来、正の誘電異方性を有するネマチック型液晶を、液晶配向膜を有する透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、必要に応じて液晶分子の長軸が基板間で0〜360°連続的に捻れるようにしてなる、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In Plane Switching)型などの液晶セルを有する液晶表示素子が知られている(特開昭56−91277号公報および特開平1−120528号公報参照)。
このような液晶セルにおいては、液晶分子を基板面に対し所定の方向に配向させるため、基板表面に液晶配向膜を設ける必要がある。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成されている。しかし、液晶配向膜の形成をラビング処理により行うと、工程内でほこりや静電気が発生し易いため、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるという問題があった。特にTFT(Thin Film Transistor)素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留まり低下の原因となるという問題もあった。さらに、今後ますます高精細化される液晶表示素子においては、画素の高密度化に伴い基板表面に不可避的に凹凸が生じるために、均一にラビング処理を行うことが困難となりつつある。
液晶セルにおける液晶を配向させる別の手段として、基板表面に形成したポリビニルシンナメート、ポリイミド、アゾベンゼン誘導体などの感光性薄膜に偏光または非偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。この方法によれば、静電気やほこりを発生することなく、均一な液晶配向を実現することができる(特開平6−287453号公報、特開平10−251646号公報、特開平11−2815号公報、特開平11−152475号公報、特開2000−144136号公報、特開2000−319510号公報、特開2000−281724号公報、特開平9−297313号公報、特開2003−307736号公報、特開2004−163646号公報および特開2002−250924号公報参照)。
ところで、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型などの液晶セルにおいては、液晶配向膜は、液晶分子を基板面に対して所定の角度で傾斜配向させる、プレチルト角特性を有する必要がある。光配向法により液晶配向膜を形成する場合においては、プレチルト角特性は、通常、基板面への入射方向が基板法線から傾斜した放射線の照射により付与される。
一方、上記とは別の液晶表示素子の動作モードとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向モードも知られている。この動作モードでは、基板間に電圧を印加して液晶分子が基板に平行な方向に向かって傾く際に、液晶分子が基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾くようにする必要がある。このための手段として、例えば、基板表面に突起を設ける方法、透明電極にストライプを設ける方法、ラビング配向膜を用いることにより液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けてわずかに傾けておく(プレチルトさせる)方法などが提案されている。
前記光配向法は、垂直配向モードの液晶セルにおいて液晶分子の傾き方向を制御する方法としても有用であることが知られている。すなわち、光配向法により配向規制能およびプレチルト角発現性を付与した垂直配向膜を用いることにより、電圧印加時の液晶分子の傾き方向を均一に制御できることが知られている(特開2003−307736号公報、特開2004−163646号公報、特開2004−83810号公報、特開平9−211468号公報および特開2003−114437号公報参照)。
このように、光配向法により製造した液晶配向膜は、各種の液晶表示素子に有効に適用されうるものである。しかしながら、従来の光配向膜には、大きなプレチルト角を得るのに必要な放射線照射量が多いという問題があった。例えば、アゾベンゼン誘導体を含有する薄膜に光配向法によって液晶配向能を付与する場合、十分なプレチルト角を得るためにはその光軸が基板法線から傾斜された放射線を10,000J/m以上照射しなければならないことが報告されている(特開2002−250924号公報および特開2004−83810号公報ならびにJ.of the SID 11/3,2003,p579参照)。
そこで、少ない放射線照射量の場合でも得られる液晶配向膜に良好な液晶配向能およびプレチルト角発現性を与えるべく、側鎖に桂皮酸に由来する基を有する重合体を含有する液晶配向剤の検討がなされている(特開平6−287453号公報参照)。この技術は、アルコキシル基を有する桂皮酸誘導体を使用して合成された重合体を含有する液晶配向剤に関するが、この液晶配向剤の塗膜は365nm以上の長波長領域、例えば可視光領域にも吸収を有するため、液晶配向膜を形成するための光配向工程以外、例えば液晶パネル製造時の封止剤の紫外線硬化工程やバックライトの光によっても光反応を起こし、パネルの液晶配向性や信頼性に不具合を生じる問題がある。
また、アルコキシル基の代わりにエステル基を有する桂皮酸誘導体を利用することにより吸収スペクトルを短波長側にシフトさせ、上記の不具合を解決することが考えられる。しかしこの技術によると、液晶パネル製造工程におけるポストベーク時に桂皮酸誘導体側鎖の熱分解が起こる可能性が絶無ではなく、基板やパネル製造ラインを汚染する不具合を生じることが懸念される。
以上のように、少ない放射線照射量の光配向法により良好な液晶配向能、優れた電気特性および高い耐熱性を有する液晶配向膜を形成することができ、ポストベーク時の熱分解の問題やパネル使用時のバックライト光による光分解の問題を起こさない液晶配向剤はこれまでに知られていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保存安定性に優れ、ラビング処理を行わずに偏光または非偏光の放射線照射によって、少ない露光量でも良好な液晶配向能を有する液晶配向膜を与えることができ、しかも長波長領域の光に対して吸収を持たない液晶配向剤、該液晶配向剤を用いた電気特性および耐熱性に優れる液晶配向膜の形成方法ならびに表示特性、信頼性などの諸性能に優れた液晶表示素子を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記目的は、第1に、
下記式(1)
Figure 2009054531
(式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、ただしRが水素原子でない場合にはRおよびRのうちの少なくとも一方はカルボキシル基またはカルボキシル基を有する有機基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。)
で表される化合物と、
下記式(S−1)
Figure 2009054531
(式(S−1)中、Xはエポキシ基を有する1価の有機基であり、Yは水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
で表される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種と
を反応させて得られる感放射線性ポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤によって達成される。
本発明の上記目的は、第2に、
基板上に、上記の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に放射線を照射する液晶配向膜の形成方法によって達成される。
本発明の上記目的は、第3に、
上記の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子によって達成される。
本発明の液晶配向剤は、上記式(1)で表される化合物(以下、「桂皮酸誘導体(1)」という。)と、
上記式(S−1)で表される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン」という。)と
を反応させて得られる感放射線性ポリオルガノシロキサンを含有する。
<桂皮酸誘導体(1)>
本発明で用いられる桂皮酸誘導体(1)は、上記式(1)で表される化合物である。上記式(1)におけるRおよびRは、これらが互いに結合していない場合には、それぞれ水素原子、または酸素原子、硫黄原子もしくは2価の基−NR−(ただしRは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)で中断されていてもよい炭素数1〜40の脂肪族基または炭素数3〜40の脂環式基であることが好ましい。これらの脂肪族基または脂環式基はフッ素原子により置換されていてもよい。上記式(1)において、Rが水素原子でない場合にはRおよびRの少なくとも一方はカルボキシル基、または脂肪族基もしくは脂環式基の水素原子のうちの一部(好ましくは1個)がカルボキシル基によって置換された有機基である。
上記式(1)において、RとRとが互いに結合して環を形成している場合の環は、例えば炭素数3〜8の単環、炭素数4〜40の縮合環、炭素数4〜40の架橋環または炭素数5〜40の架橋縮合環であることができる。このとき、RとRとの合計の炭素数は、好ましくは6〜40である。Rが水素原子でない場合には上記環はカルボキシル基を有する単環、縮合環、架橋環または架橋縮合環である。この環が単環、架橋環または架橋縮合環である場合には、脂環であることが好ましい。この環が縮合環である場合には、脂環と脂環との縮合環または脂環と芳香環との縮合環であることができる。この環が脂環と芳香環との縮合環である場合には、イミド環と縮合している方の環は脂環であることが好ましい。
上記式(1)におけるRは、好ましくは水素原子、−(CH−COOH、−C2b+1、−(CH−C2d+1(ただし、aは1〜10の整数、bは4〜20の整数、cは0〜18の整数、dは1〜18の整数である。)、コレステニル基またはコレスタニル基である。
桂皮酸誘導体(1)は、好ましくは下記式(2)
Figure 2009054531
(式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、ただしRおよびRのうちの少なくとも一方はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜40の脂環式基を有する基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。)
で表される化合物または下記式(3)
Figure 2009054531
(式(3)中、Rは単結合または2価の有機基であり、Rは水素原子または1価の有機基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよく、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜40の脂環式基である。)
で表される化合物である。
上記式(2)で表される好ましい化合物としては、RとRとが互いに結合していないものとして例えば下記式(2−1)で表される化合物などを;
とRとが互いに結合して単環を形成しているものとして例えば下記式(2−2)および(2−3)のそれぞれで表される化合物などを;
とRとが互いに結合して縮合環を形成しているものとして例えば下記式(2−4)で表される化合物などを;
とRとが互いに結合して架橋環を形成しているものとして例えば下記式(2−5)〜(2−10)で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
(上記式中、R、R11、R13およびR15は、それぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜40の脂環式基であり、R10は単結合、酸素原子、硫黄原子または2価の基−COO−、−OCO−もしくは−NR−(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)であり、R12は2価の基−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−CONR−または−NRCO−(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)であり、R14は単結合、酸素原子または2価の基−O−CH−、−CH−O−、−COO−もしくは−OCO−である。R16は単結合、酸素原子、硫黄原子または2価の基−COO−、−OCO−、−COS−もしくは−SCO−である。)
上記式(2−1)におけるRとしては、炭素数4〜20の直鎖のアルキル基が好ましく、R10としては単結合、酸素原子または硫黄原子が好ましい。
上記式(2−2)におけるR11としては、それぞれ、フッ素原子で置換されていてもよい直鎖の炭素数4〜20のアルキル基、コレステニル基、コレスタニル基、アダマンチル基、4−アミルシクロヘキシル基または4−ブチルシクロヘキシル基が好ましく、R12としては2価の基−COO−または−OCO−が好ましい。
上記式(2−3)におけるR13としてはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖のアルキル基、コレステニル基、コレスタニル基、アダマンチル基、4−アミルシクロヘキシル基または4−ブチルシクロヘキシル基が好ましい。
上記式(2−4)〜(2−9)におけるR15としては、それぞれ、フッ素で置換されていてもよい炭素数4〜20の直鎖のアルキル基が好ましく、R16としては単結合が好ましい。
上記式(2)で表される化合物のより具体的な例としては、上記式(2−1)で表される化合物として、例えば下記式(2−1−1)〜(2−1−3)のそれぞれで表される化合物などを;
上記式(2−2)で表される化合物として、例えば下記式(2−2−1)で表される化合物などをそれぞれ挙げることができる。
Figure 2009054531
(上記式中、RおよびR11は、それぞれ、上記式(2−1)または(2−2)におけるのと同じ意味である。)
上記式(2)で表される化合物は、有機化学の定法により合成することができる。
例えば上記式(2−1)で表される化合物は、例えば基R−R10−を有するこはく酸無水物の誘導体と4−アミノ桂皮酸とを酢酸中で還流する方法、またはトルエンもしくはキシレン中において硫酸、トリエチルアミンなどの適当な触媒の存在下に還流する方法により合成することができる。あるいは4−ヨードアニリンと無水マレイン酸とから上記と同様の方法で4−ヨードフェニルマレイミドを合成した後、Michael付加により基R−R10−を導入し、さらにHeck反応により上記式(2−1)で表される化合物を得ることができる。
上記式(2−2)で表される化合物のうち例えば2価の基R12−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がR11と結合する。)である化合物は、例えば水添トリメリット酸無水物を塩化チオニルにより酸塩化物とし、次いでこれと化合物R11−OHとを、例えばトリエチルアミンなどの適当な塩基存在下で反応させてエステル結合を形成して得た生成物を、さらに4−アミノ桂皮酸と反応させることにより得ることができる。この場合、エステル化した化合物と4−アミノ桂皮酸との反応は上記した式(2−1)で表される化合物の場合と同様の条件を採用することができる。
上記式(2−3)で表される化合物は、例えば触媒としてN−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩およびヒドロキノンを用い、無水マレイン酸とスチレン誘導体を加熱して反応させることで得た化合物と4−アミノ桂皮酸を、上記式(2−1)で表される化合物の合成におけるのと同様の方法で反応させることにより得ることができる。
上記式(2−4)で表される化合物のうち例えばR16が単結合である化合物は、例えば5位に基R15−を有する5位置換シクロペンタジエンと無水マレイン酸とをDiels−Alder反応により付加した後、この付加物と4−アミノ桂皮酸とを上記式(2−1)で表される化合物の合成におけるのと同様の方法により反応させることにより得ることができる。ここで、5位に基R15−を有する5位置換シクロペンタジエンは、シクロペンタジエニルアニオンに対して過剰量の化合物R15−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)を−20〜30℃で反応させることにより、優先的に得ることができる。
上記式(2−5)で表される化合物のうち例えばR16が単結合である化合物は、5位置換シクロペンタジエンの代わりに1位に基R15−を有する1位置換シクロペンタジエンを用いるほかは上記式(2−3)で表される化合物の合成におけるのと同様の方法により合成することができる。ここで、1位に基R15−を有する1位置換シクロペンタジエンは、シクロペンタジエニルアニオン1当量に対して0.8〜1.2当量の化合物R15−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)を−78〜20℃で反応させることにより、優先的に得ることができる。
上記式(3)で表される好ましい化合物としては、RとRとが互いに結合していないものとして例えば下記式(3−1)で表される化合物などを;
とRとが互いに結合して単環を形成しているものとして例えば下記式(3−2)で表される化合物などを;
とRとが互いに結合して縮合環を形成しているものとして例えば下記式(3−3)で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
Figure 2009054531
(上記式中、Rは上記式(3)におけるのと同じ意味であり、R17はメチレン基または炭素数2〜10のアルキレン基であり、R18は酸素原子、硫黄原子または2価の基−COO−、−OCO−もしくは−NR−(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)である。)
上記式(3)で表される化合物より具体的な例としては、上記式(3−2)で表される化合物として、例えば下記式(3−2−1)で表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2009054531
(上記式中、Rは、それぞれ、上記式(3−2)におけるのと同じ意味であり、aは1〜10の整数である。)
上記式(3−1)のうち例えば基R18が硫黄原子である化合物は、例えば4−ヨードフェニルマレイミドに化合物HOOC−R17−SHをMichael付加した後、生成物に化合物CH=CH−COORをHeck反応で付加することにより合成することができる。
上記式(3−2)で表される化合物のうち、(3−2−1)で表される化合物は、例えば4−ニトロ桂皮酸を、炭酸カリウムの存在下にRに相当するアルキル基を有するハロゲン化アルキルと反応させてエステルとし、そのニトロ基を例えば塩化スズにより還元してアミノ基とし、4−アミノ桂皮酸エステルを得た後、その生成物を1,2,4−トリカルボキシシクロヘキシルシクロヘキサン無水物と反応させることにより得ることができる。後者の反応は、例えば原料化合物を酢酸中で還流する方法またはトリエチルアミンなどの適当な塩基触媒の存在下にトルエンもしくはキシレン中で還流する方法により行うことができる。
さらに、上記式(3−3)で表される化合物は、例えば触媒としてN−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩およびヒドロキノンを用い、無水マレイン酸と4−ビニル安息香酸を加熱して反応させることで得た化合物と上記式(3−2−1)で表される化合物の合成におけるのと同様の方法で調製した4−アミノ桂皮酸エステルを、上記式(2−1)と同様の方法で反応させることにより得ることができる。
<エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン>
本発明に用いられるエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、上記式(S−1)で表される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種である。
上記のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンにおけるXとしては、下記式(X−1)または(X−2)
Figure 2009054531
で表される基が好ましい。
の炭素数1〜10のアルコキシル基としては、例えばメトキシル基、エトキシル基などを;炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを;炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基などを、それぞれ挙げることができる。
エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましく、さらに1,000〜5,000であることが好ましい。
このようなエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、好ましくはエポキシ基を有するシラン化合物、あるいはエポキシ基を有するシラン化合物と他のシラン化合物との混合物を、好ましくは適当な有機溶媒、水および触媒の存在下において加水分解または加水分解・縮合することにより合成することができる。
上記エポキシ基を有するシラン化合物としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
上記他のシラン化合物としては、例えばテトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−i−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリクロロシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリメトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリエトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリクロロシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−i−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−sec−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ−n−プロポキシシラン、アリルトリ−i−プロポキシシラン、アリルトリ−n−ブトキシシラン、アリルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−i−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジ−i−プロポキシシラン、メチルジ−n−ブトキシシラン、メチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジクロロシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジエメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジメトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジクロロシラン、(メチル)(ビニル)ジメトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジエトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−sec−ブトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、クロロジメチルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、n−プロポキシトリメチルシラン、i−プロポキシトリメチルシラン、n−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、(クロロ)(ビニル)ジメチルシラン、(メトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(エトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(クロロ)(メチル)ジフェニルシラン、(メトキシ)(メチル)ジフェニルシラン、(エトキシ)(メチル)ジフェニルシランなどのケイ素原子を1個有するシラン化合物のほか、
商品名で、例えばKC−89、KC−89S、X−21−3153、X−21−5841、X−21−5842、X−21−5843、X−21−5844、X−21−5845、X−21−5846、X−21−5847、X−21−5848、X−22−160AS、X−22−170B、X−22−170BX、X−22−170D、X−22−170DX、X−22−176B、X−22−176D、X−22−176DX、X−22−176F、X−40−2308、X−40−2651、X−40−2655A、X−40−2671、X−40−2672、X−40−9220、X−40−9225、X−40−9227、X−40−9246、X−40−9247、X−40−9250、X−40−9323、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、KF6001、KF6002、KF6003、KR212、KR−213、KR−217、KR220L、KR242A、KR271、KR282、KR300、KR311、KR401N、KR500、KR510、KR5206、KR5230、KR5235、KR9218、KR9706(以上、信越化学工業(株)製);グラスレジン(昭和電工(株)製);SH804、SH805、SH806A、SH840、SR2400、SR2402、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411、SR2416、SR2420(以上、東レ・ダウコーニング(株)製);FZ3711、FZ3722(以上、日本ユニカー(株)製);DMS−S12、DMS−S15、DMS−S21、DMS−S27、DMS−S31、DMS−S32、DMS−S33、DMS−S35、DMS−S38、DMS−S42、DMS−S45、DMS−S51、DMS−227、PSD−0332、PDS−1615、PDS−9931、XMS−5025(以上、チッソ(株)製);メチルシリケートMS51、メチルシリケートMS56(以上、三菱化学(株)製);エチルシリケート28、エチルシリケート40、エチルシリケート48(以上、コルコート(株)製);GR100、GR650、GR908、GR950(以上、昭和電工(株)製)などの部分縮合物を挙げることができる。
これらの他のシラン化合物のうち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランまたはジメチルジエトキシシランが好ましい。
本発明に用いられるエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、そのエポキシ当量が100〜10,000g/モルであることが好ましく、150〜1,000g/モルであることがより好ましい。したがって、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを合成するにあたっては、エポキシ基を有するシラン化合物と他のシラン化合物との使用割合を、得られるポリオルガノシロキサンエポキシ当量が上記の範囲になるように調整して設定することが好ましい。
エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを合成するにあたって使用することのできる有機溶媒としては、例えば炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコールなどを挙げることができる。
上記炭化水素としては、例えばトルエン、キシレンなどを;
上記ケトンとしては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどを;
上記エステルとしては、例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;
上記エーテルとしては、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを;
上記アルコールとしては、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルなどを、それぞれ挙げることができる。これらのうち非水溶性のものが好ましい。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、全シラン化合物100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部、より好ましくは50〜1,000重量部である。
エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の水の使用量は、全シラン化合物に対して、好ましくは0.5〜100倍モル、より好ましくは1〜30倍モルである。
上記触媒としては例えば酸、アルカリ金属化合物、有機塩基、チタン化合物、ジルコニウム化合物などを用いることができる。
上記アルカリ金属化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドなどを挙げることができる。
上記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロールの如き1〜2級有機アミン;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセンの如き3級の有機アミン;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンなどを、それぞれ挙げることができる。これらの有機塩基のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンが好ましい。
エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の触媒としては、アルカリ金属化合物または有機塩基が好ましい。アルカリ金属化合物または有機塩基を触媒として用いることにより、エポキシ基の開環などの副反応を生じることなく、高い加水分解・縮合速度で目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができるため、生産安定性に優れることとなり好ましい。また、触媒としてアルカリ金属化合物または有機塩基を用いて合成されたエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと桂皮酸誘導体(1)との反応物を含有する本発明の液晶配向剤は、保存安定性が極めて優れるため好都合である。その理由は、Chemical Reviews、95巻、p1409(1995年)に指摘されているように、加水分解、縮合反応において触媒としてアルカリ金属化合物または有機塩基を用いると、ランダム構造、はしご型構造またはかご型構造が形成され、シラノール基の含有割合が少ないポリオルガノシロキサンが得られるためではないかと推察される。シラノール基の含有割合が少ないため、シラノール基同士の縮合反応が抑えられ、さらに本発明の液晶配向剤が後述の他の重合体を含有するものである場合にはシラノール基と他の重合体との縮合反応が抑えられるため、保存安定性に優れる結果になるものと推察される。
触媒としては、特に有機塩基が好ましい。有機塩基の使用量は、有機塩基の種類、温度などの反応条件などにより異なり、適宜に設定されるべきであるが、例えば全シラン化合物に対して好ましくは0.01〜3倍モルであり、より好ましくは0.05〜1倍モルである。
エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の加水分解または加水分解・縮合反応は、エポキシ基を有するシラン化合物と必要に応じて他のシラン化合物とを有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基および水と混合して、例えば油浴などにより加熱することにより実施することが好ましい。
加水分解・縮合反応時には、加熱温度を好ましくは130℃以下、より好ましくは40〜100℃として、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは1〜8時間加熱するのが望ましい。加熱中は、混合液を撹拌してもよいし、還流下に置いてもよい。
反応終了後、反応液から分取した有機溶媒層を水で洗浄することが好ましい。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水、例えば0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液などで洗浄することにより、洗浄操作が容易になる点で好ましい。洗浄は洗浄後の水層が中性になるまで行い、その後有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブスなどの適当な乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、目的とするエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。
本発明においては、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンとして市販されているものを用いてもよい。このような市販品としては、例えばDMS−E01,DMS−E12、DMS−E21,EMS−32(以上、チッソ(株)製)などを挙げることができる。
<感放射線性ポリオルガノシロキサン>
本発明で使用される感放射線性ポリオルガノシロキサンは、上記の如きエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと桂皮酸誘導体(1)とを、好ましくは触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。ここで桂皮酸誘導体(1)は、ポリオルガノシロキサンの有するエポキシ基1モルに対して好ましくは0.001〜1.5モル、より好ましくは0.01〜1モル、さらに好ましくは0.05〜0.9モル使用される。
上記触媒としては、有機塩基、またはエポキシ化合物と酸無水物との反応を促進するいわゆる硬化促進剤として公知の化合物を用いることができる。
上記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロールの如き1〜2級有機アミン;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセンの如き3級の有機アミン;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンなどを挙げることができる。これらの有機塩基のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンが好ましい。
上記硬化促進剤としては、例えばベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミンの如き3級アミン;
2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物の如きイミダゾール化合物;ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルの如き有機リン化合物;
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウム−o,o−ジエチルフォスフォロジチオネート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレートの如き4級フォスフォニウム塩;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩の如きジアザビシクロアルケン;
オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体の如き有機金属化合物;
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライドの如き4級アンモニウム塩;
三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルの如きホウ素化合物;
塩化亜鉛、塩化第二錫の如き金属ハロゲン化合物;
ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物などのアミン付加型促進剤などの高融点分散型潜在性硬化促進剤;
前記イミダゾール化合物、有機リン化合物や4級フォスフォニウム塩などの硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;
アミン塩型潜在性硬化剤促進剤;
ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩などの高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤などの潜在性硬化促進剤などを挙げることができる。
これらのうち、好ましくはテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライドの如き4級アンモニウム塩である。
触媒は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン100重量部に対して好ましくは100重量部以下、より好ましくは0.01〜100重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部の量で使用される。
反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは50〜150℃である。反応時間は、好ましくは0.1〜50時間、より好ましくは0.5〜20時間である。
感放射線性ポリオルガノシロキサンの合成反応は、必要に応じて有機溶剤の存在下に行うことができる。かかる有機溶媒としては、例えば炭化水素化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物、アルコール化合物などを挙げることができる。これらのうち、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物が原料および生成物の溶解性ならびに生成物の精製のし易さの観点から好ましい。溶媒は、固形分濃度(反応溶液中の溶媒以外の成分の合計重量が溶液の全重量に占める割合)が、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは5〜50重量%となる量で使用される。
本発明の感放射線性ポリオルガノシロキサンはエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンにエポキシの開環付加により桂皮酸誘導体(1)に由来する構造を導入している。この製造方法は簡便であり、しかも桂皮酸誘導体に由来する構造の導入率を高くすることができる点で極めて好適な方法である。
なお、本発明の感放射線性オルガノポリシロキサンの合成にあたっては、本発明の効果を損なわない範囲で上記桂皮酸誘導体の一部を下記式(4)
19−R20−Z (4)
(式(4)中、R19は炭素数4〜20のアルキル基もしくはアルコキシル基または脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基であり、ただし前記アルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、R20は単結合またはフェニレン基であり、ただしR19がアルコキシル基であるときR20はフェニレン基であり、Zはカルボキシル基、水酸基、−SH、−NCO、−NHR(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。)、−CH=CHおよび−SOClよりなる群から選択される少なくとも1種の基である。)
で表される化合物で置き換えて使用してもよい。この場合、感放射線性ポリオルガノシロキサンの合成は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、桂皮酸誘導体および上記式(4)で表される化合物の混合物とを反応させることにより行われる。
上記式(4)におけるR19としては炭素数8〜20のアルキル基もしくはアルコキシル基または炭素数4〜21のフルオロアルキル基もしくはフルオロアルコキシル基であることが好ましく、R20としては単結合または1,4−フェニレン基であることが好ましく、Zとしてはカルボキシル基であることが好ましい。
上記式(4)で表される化合物の具定例としては、例えば下記式(4−1)〜(4−4)
2f+12g−COOH (4−1)
Figure 2009054531
(上記(4−1)式におけるfは1〜10の整数、gは0〜5の整数であり、上記(4−2)式におけるhは5〜20の整数であり、上記(4−3)式におけるiは1〜3の整数、jは0〜18の整数であり、上記(4−4)式におけるkは1〜18の整数である。)
で表される化合物などを挙げることができる。
上記式(4)で表される化合物の好ましい具体例として、ドデカン酸、ステアリン酸、下記式(4−3−1)〜(4−3−3)
Figure 2009054531
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
上記式(4)で表される化合物は、桂皮酸誘導体(1)と同様の反応条件下で桂皮酸誘導体(1)とともにエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと反応して感光性ポリオルガノシロキサンに導入され、得られる液晶配向膜にプレチルト角発現性を付与する部位となる化合物である。本明細書においては上記式(4)で表される化合物を、以下、「他のプレチルト角発現性化合物」という。
上記式(4)で表される化合物は、桂皮酸誘導体(1)と上記式(4)で表される化合物との合計に対して好ましくは50モル%以下、より好ましくは33モル%以下の割合で使用することができる。ここで、上記式(4)で表される化合物の使用割合が50モル%を超えると、得られる液晶表示素子をON(電圧印加状態)にしたときに異常ドメインを発生する不具合を生じる場合がある。
<他の成分>
本発明の液晶配向剤は、上記の如き感放射線性ポリオルガノシロキサンを含有する。
本発明の液晶配向剤は、上記の如き感放射線性ポリオルガノシロキサンのほかに、本発明の効果を損なわない限り、さらに他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば感放射線性ポリオルガノシロキサン以外の重合体(以下、「他の重合体」という。)、硬化剤、硬化触媒、硬化促進剤、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」という。)、官能性シラン化合物、界面活性剤などを挙げることができる。
<他の重合体>
上記他の重合体は、本発明の液晶配向剤の溶液特性および得られる液晶配向膜の電気特性をより改善するために使用することができる。かかる他の重合体としては、例えばポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、下記式(S−2)
Figure 2009054531
(式(S−2)中、Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基または炭素数6〜20のアリール基であり、Yは水酸基または炭素数1〜10のアルコキシル基である。)
で表されるポリシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「他のポリシロキサン」という。)、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
[ポリアミック酸]
上記ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
ポリアミック酸の合成に用いることのできるテトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、下記式(T−I)および(T−II)
Figure 2009054531
(式(T−I)および(T−II)中、R21およびR22は、それぞれ、芳香環を有する2価の有機基であり、R23およびR24は、それぞれ、水素原子またはアルキル基であり、複数存在するR23およびR24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
のそれぞれで表される化合物などの脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(T−1)〜(T−4)
Figure 2009054531
のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(T−I)で表される化合物のうちの下記式(T−5)〜(T−7)
Figure 2009054531
のそれぞれで表される化合物および上記式(T−II)で表される化合物のうちの下記式(T−8)
Figure 2009054531
で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。
特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、ピロメリット酸二無水物および上記式(T−5)で表される化合物を挙げることができる。
上記ポリアミック酸の合成に用いられるジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ジメチル−2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、下記式(D−1)〜(D−5)
Figure 2009054531
Figure 2009054531
(式(D−4)中のyは2〜12の整数であり、式(D−5)中のzは1〜5の整数である。)
のそれぞれで表される化合物などの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、下記式(D−I)
Figure 2009054531
(式(D−I)中、R25は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンよりなる群から選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基であり、Xは2価の有機基であり、R26は炭素数1〜4のアルキル基であり、a1は0〜3の整数であり、R26が複数存在する場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物、下記式(D−II)
Figure 2009054531
(式(D−II)中、R27は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンよりなる群から選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基であり、Xは、それぞれ、2価の有機基であり、R28は、それぞれ、炭素数1〜4のアルキル基であり、a2は、それぞれ、0〜4の整数であり、複数存在するXそれぞれ同一でも異なっていてもよく、R28が複数存在する場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(D−III)
Figure 2009054531
(式(D−III)中、R29は、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−よりなる群から選ばれる2価の有機基であり、R30は、ステロイド骨格を有する1価の有機基、トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基もしくはフッ化フェニル基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基であり、R31は炭素数1〜4のアルキル基であり、a3は0〜3の整数であり、R31が複数存在する場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換フェニレンジアミン;
下記式(D−IV)
Figure 2009054531
(式(D−IV)中、R32は、それぞれ、炭素数1〜12の炭化水素基であり、複数存在するR32はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、pは、それぞれ、1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
で表される化合物などのジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ジアミンのベンゼン環は、1つまたは2つ以上の炭素数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基)で置換されていてもよい。上記式(D−I)、(D−II)および(D−III)におけるR26、R28およびR31は、それぞれ、メチル基であることが好ましく、a1、a2およびa3は、それぞれ、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記式(D−III)のR30におけるステロイド骨格を有する1価の有機基としては、炭素数17〜51のものが好ましく、炭素数17〜30のものがより好ましい。ステロイド骨格を有するR30の具体例としては、例えばコレスタン−3−イル基、コレスタ−5−エン−3−イル基、コレスタ−24−エン−3−イル基、コレスタ−5,24−ジエン−3−イル基、ラノスタン−3−イル基などを挙げることができる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、上記式(D−1)〜(D−5)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、上記式(D−I)で表される化合物のうちの下記式(D−6)
Figure 2009054531
で表される化合物、上記式(D−II)で表される化合物のうちの下記式(D−7)
Figure 2009054531
で表される化合物、上記式(D−III)で表される化合物のうちのドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、下記式(D−8)〜(D−16)
Figure 2009054531
Figure 2009054531
Figure 2009054531
のそれぞれで表される化合物および上記式(D−IV)で表される化合物のうちの1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンに含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下において、好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜10時間行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。有機溶媒の使用量(a:有機溶媒を後述の貧溶媒と併用する場合には、両者の合計の使用量を意味する。)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの総量(b)が反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%となるような量であることが好ましい。
前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であると一般に信じられているアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
ポリアミック酸の製造に際して有機溶媒中に上記の如き貧溶媒を併用する場合、その使用割合は生成するポリアミック酸が析出しない範囲において適宜に設定することができるが、好ましくは全溶媒のうちの50重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下である。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離は、上記反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により行うことができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行う方法により、ポリアミック酸を精製することができる。
[ポリイミド]
上記ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリアミック酸を、脱水閉環してイミド化することにより合成することができる。
上記ポリイミドの合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上述したポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物と同じ化合物を挙げることができる。
本発明に用いることのできるポリイミドの合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。特に好ましい脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物または4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオンが挙げられる。
上記ポリイミドの合成にあたっては、脂環式テトラカルボン酸二無水物とその他のテトラカルボン酸二無水物とを併用してもよい。この場合、全テトラカルボン酸二無水物中に占める脂環式テトラカルボン酸二無水物の割合は、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上である。
上記ポリイミドの合成に用いられるジアミンとしては、上述したポリアミック酸の合成に用いられるジアミンと同じ化合物を挙げることができる。
本発明のポリイミドの合成に用いられるジアミンとしては、上記式(D−III)で表されるジアミンを含有するジアミンを使用することが好ましい。好ましい具体例としては、上記式(D−III)で表される化合物のうち、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼンおよび上記式(D−8)〜(D−16)のそれぞれで表される化合物が挙げられる。
上記ポリイミドの合成にあたっては、上記式(D−III)で表されるジアミンとその他のジアミンとを併用しても良い。その他のジアミンのうち好ましいものとしては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(D−1)〜(D−5)で表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチル−ベンジジン、上記式(D−I)で表される化合物のうちの上記式(D−6)で表される化合物、上記式(D−II)で表される化合物のうちの上記式(D−7)で表される化合物、および、上記式(D−IV)で表される化合物のうちの1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを挙げることができる。上記式(D−III)で表されるジアミンとその他のジアミンとを併用する場合、上記式(D−III)で表されるジアミンは、全ジアミンに対して好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上用いられる。
本発明に用いることのできるポリイミドを合成するためのポリアミック酸の脱水閉環反応は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行うことができる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、アミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃であり、反応時間は好ましくは0.5〜24時間であり、より好ましくは1〜10時間である。
上記方法(i)において得られるポリイミドは、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは得られるポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。一方、上記方法(ii)においてはポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除くには、例えば溶媒置換などの方法を適用することができる。ポリイミドの単離、精製は、ポリアミック酸の単離、精製方法として上記したのと同様の操作を行うことにより行うことができる。
本発明に用いることのできるポリイミドは、アミック酸構造のすべてが脱水されたものであってもよく、アミック酸構造のうちの一部が脱水閉環され、イミド環構造とアミック酸構造とが併存するイミド化率の低いものであってもよい。
本発明に用いることのできるポリイミドにおけるイミド化率は、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。ここで、「イミド化率」とは、重合体におけるアミック酸構造の数とイミド環の数の合計に対する、イミド環の数の割合を百分率で表したものである。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。イミド化率はポリイミドを適当な重水素化溶媒(例えば重水素化ジメチルスルホキシド)に溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した結果から、下記数式(i)により求めることができる。
イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 (i)
(数式(i)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αはポリイミドの前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
−末端修飾型の重合体−
上記ポリアミック酸およびポリイミドは、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、分子量調節剤を反応系に添加することにより合成することができる。上記分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。
ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシルこはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
分子量調節剤は、ポリアミック酸を合成する際に用いられるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの合計100重量部に対して好ましくは20重量部以下、より好ましくは5重量部以下の範囲で用いられる。
−溶液粘度−
以上のようにして得られるポリアミック酸またはポリイミドは、濃度10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒を用い、10重量%の濃度とした重合体溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した値である。
[他のポリシロキサン]
上記式(S−2)で表される繰り返し単位を有するポリシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種(他のポリシロキサン)としては、上記式(S−2)においてXが炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であるポリオルガノシロキサンであることが好ましい。
かかる他のポリシロキサンは、例えばアルコキシシラン化合物およびハロゲン化シラン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(以下、「原料シラン化合物」ともいう。)を、好ましくは適当な有機溶媒中で、水および触媒の存在下において加水分解または加水分解・縮合することにより合成することができる。
ここで使用できる原料シラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラクロロシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシランなどを挙げることができる。これらのうちテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシランまたはトリメチルエトキシシランが好ましい。
他のポリシロキサンを合成する際に、任意的に使用することのできる有機溶媒としては、例えばアルコール化合物、ケトン化合物、アミド化合物もしくはエステル化合物またはその他の非プロトン性化合物を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上組合せて使用できる。
上記アルコール化合物としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのモノアルコール化合物;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの多価アルコール化合物;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの多価アルコール化合物の部分エーテルなどを、それぞれ挙げることができる。これらのアルコール化合物は、1種であるいは2種以上を組合せて使用してもよい。
上記ケトン化合物としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのモノケトン化合物;
アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン化合物などを挙げることができる。これらのケトン化合物は、1種であるいは2種以上を組合せて使用してもよい。
上記アミド化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどを挙げることができる。これらアミド化合物は、1種であるいは2種以上を組合せて使用してもよい。
上記エステル化合物としては、例えばジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどを挙げることができる。これらエステル化合物は、1種であるいは2種以上を組合せて使用してもよい。
上記その他の非プロトン性化合物としては、例えばアセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N’,N’−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチル−Δ3−ピロリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。
これら溶媒のうち、多価アルコール化合物、多価アルコール化合物の部分エーテルまたはエステル化合物が特に好ましい。
他のポリシロキサンの合成に際して使用する水の量としては、原料シラン化合物の有するアルコキシル基およびハロゲン原子の総量の1モルに対して、好ましくは0.5〜100モルであり、より好ましくは1〜30モルであり、さらに1〜1.5モルであることが好ましい。
他のポリシロキサンの合成に際して使用できる触媒としては、例えば金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、アンモニア、アルカリ金属化合物などを挙げることができる。
上記金属キレート化合物としては、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物;
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などを挙げることができる。
上記有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などを挙げることができる。
上記無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸などを挙げることができる。
上記有機塩基としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどを挙げることができる。
上記アルカリ金属化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができる。
これら触媒は、1種をあるいは2種以上を一緒に使用してもよい。
これら触媒のうち、金属キレート化合物、有機酸または無機酸が好ましく、より好ましくはチタンキレート化合物または有機酸である。
触媒の使用量は、原料シラン化合物100重量部に対して好ましくは0.001〜10重量部であり、より好ましくは0.001〜1重量部である。
他のポリシロキサンの合成に際して添加される水は、原料であるシラン化合物中またはシラン化合物を有機溶媒に溶解した溶液中に、断続的または連続的に添加することができる。
触媒は、原料であるシラン化合物中またはシラン化合物を有機溶媒に溶解した溶液中に予め添加しておいてもよく、あるいは添加される水中に溶解または分散させておいてもよい。
他のポリシロキサンの合成の際の反応温度としては、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは15〜80℃である。反応時間は好ましくは0.5〜24時間であり、より好ましくは1〜8時間である。
[他の重合体の含有割合]
本発明の液晶配向剤が、前述の本発明の桂皮酸含有ポリシロキサンとともに他の重合体を含有するものである場合、他の重合体の含有量としては、感放射線性ポリオルガノシロキサン100重量部に対して10,000重量部以下であることが好ましい。他の重合体のより好ましい含有量は、他の重合体の種類により異なる。
本発明の液晶配向剤が、感放射線性ポリオルガノシロキサン、ならびにポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体を含有するものである場合における両者のより好ましい使用割合は、感放射線性ポリオルガノシロキサン100重量部に対するポリアミック酸およびポリイミドの合計量として100〜5,000重量部であり、さらに200〜2,000重量部であることが好ましい。
一方、本発明の液晶配向剤が、感放射線性ポリオルガノシロキサンおよび他のポリシロキサンを含有するものである場合における両者のより好ましい使用割合は、本発明の桂皮酸含有ポリシロキサン100重量部に対する他のポリシロキサンの量として100〜2,000重量部である。
本発明の液晶配向剤が、感放射線性ポリオルガノシロキサンとともに他の重合体を含有するものである場合、他の重合体の種類としては、ポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、または他のポリシロキサンであることが好ましい。
<硬化剤、硬化触媒および硬化促進剤>
上記硬化剤および硬化触媒は感放射線性ポリオルガノシロキサンの架橋反応をより強固にする目的で本発明の液晶配向剤に含有されることができ、上記硬化促進剤は硬化剤の司る硬化反応を促進する目的で本発明の液晶配向剤に含有されることができる。
上記硬化剤としては、エポキシ基を有する硬化性化合物またはエポキシ基を有する化合物を含有する硬化性組成物の硬化に一般に用いられている硬化剤を用いることができ、例えば多価アミン、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸を例示することができる。
上記多価カルボン酸無水物としては、例えばシクロヘキサントリカルボン酸の無水物およびその他の多価カルボン酸無水物を挙げることができる。
シクロヘキサントリカルボン酸無水物の具体例としては、例えばシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸−3,5−無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−2,3−酸無水物などを挙げることができ、その他の多価カルボン酸無水物としては、例えば4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、下記式(5)
Figure 2009054531
(式(5)中、rは1〜20の整数である。)
で表される化合物およびポリアミック酸の合成に一般に用いられるテトラカルボン酸二無水物のほか、α−テルピネン、アロオシメンなどの共役二重結合を有する脂環式化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応生成物およびこれらの水素添加物などを挙げることができる。
上記硬化触媒としては、例えば6フッ化アンチモン化合物、6フッ化リン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナートなどを用いることができる。これらの触媒は加熱によりエポキシ基のカチオン重合を触媒することができる。
上記硬化促進剤としては、例えばイミダゾール化合物;
4級リン化合物;
4級アミン化合物;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩の如きジアザビシクロアルケン;
オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体の如き有機金属化合物;
三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルの如きホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫の如き金属ハロゲン化合物、
ジシアンジアミド、アミンとエポキシ樹脂との付加物の如きアミン付加型促進剤などの高融点分散型潜在性硬化促進剤;
4級フォスフォニウム塩などの表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;
アミン塩型潜在性硬化剤促進剤;
ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩の如き高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤などを挙げることができる。
<エポキシ化合物>
上記エポキシ化合物は、本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向膜の基板表面に対する接着性を向上する観点から使用することができる。
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサンなどを好ましいものとして挙げることができる。これらエポキシ化合物の使用割合は、重合体の合計(感放射線性ポリオルガノシロキサンおよび他の重合体の合計をいう。以下同じ。)100重量部に対して、好ましくは40重量部以下でであり、より好ましくは0.1〜30重量部である。
<官能性シラン化合物>
上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これら官能性シラン化合物の使用割合は、重合体の合計100重量部に対して、好ましくは4重量部以下である。
<界面活性剤>
上記界面活性剤としては、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、ポリアルキレンオキシド界面活性剤、含フッ素界面活性剤などを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤が界面活性剤を含有する場合、その含有割合としては、液晶配向剤の全体100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは1重量部以下である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上述の通り、感放射線性ポリオルガノシロキサンを必須成分として含有し、そのほかに必要に応じて他の成分を含有するものであるが、好ましくは各成分が有機溶媒に溶解された溶液状の組成物として調製される。
本発明の液晶配向剤を調製するために使用することのできる有機溶媒としては、感放射線性ポリオルガノシロキサンおよび任意的に使用される他の成分を溶解し、これらと反応しないものが好ましい。
本発明の液晶配向剤に好ましく使用することのできる有機溶媒は、任意的に添加される他の重合体の種類により異なる。
本発明の液晶配向剤が感放射線性ポリオルガノシロキサンならびにポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体を含有するものである場合における好ましい有機溶剤としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。ここで、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
この場合に使用することのできる特に好ましい有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。
一方、本発明の液晶配向剤が、重合体として感放射線性ポリオルガノシロキサンのみを含有するものである場合、または感放射線性ポリオルガノシロキサンおよび他のポリシロキサンを含有するものである場合における好ましい有機溶剤としては、例えば1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレンブリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセルソルブアセテート、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸オクチル、酢酸アミル、酢酸イソアミルなどが挙げられる。この中で好ましくは、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチルなどを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して選択される。好ましい固形分濃度は1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難く、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって同様に良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えば、スピンナー法による場合には1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
<液晶配向膜の形成方法>
本発明の液晶配向剤は、光配向法により液晶配向膜を形成するために好適に使用することができる。
液晶配向膜を形成する方法としては、例えば基板上に本発明の液晶配向膜を塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する方法を挙げることができる。
まず、パターン状の透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの適宜の塗布方法により塗布し、例えば40〜250℃の温度で0.1〜120分間加熱して塗膜を形成する。塗膜の膜厚は、溶媒除去後の厚さとして、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
前記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)の如きプラスチックからなる透明基板などを用いることができる。
前記透明導電膜としては、SnOからなるNESA膜、In−SnOからなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や透明導電膜を形成する際にマスクを用いる方法などが用いられる。
次いで、前記塗膜に直線偏光もしくは部分偏光された放射線または無偏光の放射線を照射し、場合によってさらに150〜250℃の温度で好ましくは1〜120分間加熱処理を行うことにより、液晶配向能を付与して液晶配向膜とすることができる。ここで、放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線および可視光線を用いることができるが、300〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましく、300nm以上365nm未満の波長の光を含む紫外線がより好ましい。本発明の液晶配向剤は、波長365nm以上の長波長領域の光によっては光反応を起こさないため、工程上の不具合なく液晶パネルの製造を行うことができ、また、液晶パネル使用時におけるバックライトの光に対しても長期間の安定性を有する利点がある。
放射線が直線偏光または部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するために斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。無偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向である必要がある。
放射線の照射量としては、好ましくは1J/m以上10,000J/m未満であり、より好ましくは10〜3,000J/mである。なお、従来知られている液晶配向剤から形成された塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する場合、10,000J/m以上の放射線照射量が必要であった。しかし本発明の液晶配向剤を用いると、光配向法の際の放射線照射量が3,000J/m以下、さらに1,000J/m以下、特に800J/m以下であっても良好な液晶配向性を付与することができ、液晶表示素子の製造コストの削減に資する。
<液晶表示素子の製造方法>
本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶表示素子は、例えば以下のようにして製造することができる。
上述のようにして液晶配向膜が形成された基板を1対(2枚)準備し、これらの有する液晶配向膜を、照射した直線偏光放射線の偏光方向が所定の角度となるように対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を注入、充填し、液晶注入口を封止して液晶セルを構成する。次いで、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで冷却して、注入時の流動配向を除去することが望ましい。
そして、その両面に、偏光板をその偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜の配向容易軸と所定の角度をなすように貼り合わせることにより、液晶表示素子とすることができる。
液晶配向膜が水平配向性である場合、液晶配向膜が形成された2枚の基板における、照射した直線偏光放射線の偏光方向のなす角度およびそれぞれの基板と偏光板との角度を調整することにより、TN型またはSTN型液晶セルを有する液晶表示素子を得ることができる。
一方、液晶配向膜が垂直配向性である場合には、液晶配向膜が形成された2枚の基板における配向容易軸の方向が平行となるようにセルを構成し、これに、偏光板を、その偏光方向が配向容易軸と45°の角度をなすように貼り合わせることにより、垂直配向型液晶セルを有する液晶表示素子とすることができる。
前記シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球および硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
前記液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶などを用いることができる。TN型液晶セルまたはSTN型液晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成する正の誘電異方性を有するものが好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられる。また前記液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、さらに添加して使用してもよい。
一方、垂直配向型液晶セルの場合には、ネマティック型液晶を形成する負の誘電異方性を有するものが好ましく、例えばジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶などが用いられる。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
かくして製造される本発明の液晶表示素子は、表示特性、長期信頼性などの諸性能に優れるものである。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の実施例において重量平均分子量は、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
エポキシ当量は、JIS C2105の“塩酸−メチルエチルケトン法”に準じて測定した。
以下の合成例は、必要に応じて下記の合成スケールで繰り返すことにより、以降の合成例および実施例で使用する必要量の生成物を確保した。
<エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの合成>
合成例1
撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0g、メチルイソブチルケトン500gおよびトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒および水を留去することにより、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンEPS−1を粘調な透明液体として得た。
このポリオルガノシロキサンEPS−1について、H−NMR分析を行なったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。
このポリオルガノシロキサンEPS−1の粘度、Mwおよびエポキシ当量を第1表に示した。
合成例2および3
仕込み原料を第1表に示すとおりとした以外は、合成例1と同様にしてエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンEPS−2および3を、それぞれ粘調な透明液体として得た。
これらのポリオルガノシロキサンのMwおよびエポキシ当量を第1表に示した。
合成例4
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、イソプロパノール150g、水酸化テトラメチルアンモニウムの10重量%水溶液5.4g(水酸化テトラメチルアンモニウム5.93mmolおよび水270mmolを含有する。)および水12gを仕込んだ後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン42.5g(180mmol)を徐々に加え、室温で20時間撹拌を継続して反応を行った。
反応終了後、反応混合物にトルエン200gを加え、減圧下にてイソプロパノールを除去した。残存物につき、分液ロートを用いて反応溶液を蒸留水で洗浄した。分液ロートの水層が中性になるまで蒸留水による洗浄を繰り返した後、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下でトルエンを留去することにより、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンEPS−4を得た。
このポリオルガノシロキサンEPS−4の重量平均分子量Mwおよびエポキシ当量を第1表に示した。
なお、第1表において、原料シラン化合物の略称は、それぞれ以下の意味である。
ECETS:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
MTMS:メチルトリメトキシシラン
PTMS:フェニルトリメトキシシラン
GPTMS:3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン
Figure 2009054531
<桂皮酸誘導体(1)の合成>
[上記式(2−1)で表される化合物の合成]
合成例2−1(1)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(2−1−1−1)を合成した。
還流管を備えた200mLのナスフラスコに、デシルこはく酸無水物12g、4−アミノ桂皮酸8.2gおよび酢酸100mLを仕込み、2時間還流下に反応を行なった。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、シリカカラムで精製を行い、さらにエタノールおよびテトラヒドロフランの混合溶剤で再結晶を行うことにより、化合物(2−1−1−1)の白色結晶(純度98.0%)を10g得た。ここで得た化合物を、以下「化合物(2−1−1−1(1))」という。
合成例2−1(2)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(2−1−1−1)を、上記合成例2−1(1)とは別の方法により合成した。
還流管、窒素導入管およびディーンスターク管を備えた1Lのナスフラスコに、デシルこはく酸無水物72g、4−アミノ桂皮酸49g、トリエチルアミン70mL、トルエン500mLおよびテトラヒドロフラン200mLを仕込み、36時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を希塩酸および水で順次に洗浄を行った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮を行い、さらにエタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合溶剤で再結晶を行うことにより、化合物(2−1−1−1)の白色結晶(純度99%)を72g得た。ここで得た化合物を、以下「化合物(2−1−1−1(2))」という。
合成例2−1(3)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(2−1−1−1)を、上記合成例2−1(1)および2−1(2)とは別の方法により合成した。
(化合物(2−1−1−1A)の合成)
還流管を備えた500mLのナスフラスコに、デシルこはく酸無水物24g、4−ヨードアニリン22gおよび酢酸200mLを仕込み、5時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固し、エタノールで再結晶を行うことにより、化合物(2−1−1−1A)を33g得た。
(化合物(2−1−1−1)の合成)
窒素導入管、温度計を備えた1Lの三口フラスコに、上記で得た化合物(2−1−1−1A)26.4gおよびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム1.38gを仕込み、フラスコ内を窒素置換した。ここに、乾燥および脱気したアクリル酸4.8mL、トリエチルアミン25mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド600mLをシリンジにて加え、90℃で3時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混合物を氷で冷やした希塩酸水溶液に注ぎ、さらに酢酸エチルを加えて分液した。有機層を希塩酸、チオ硫酸ナトリウム水溶液および水により順次に洗浄を行った後、硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカカラムで精製し、さらにエタノールおよびテトラヒドロフランからなる混合溶剤で再結晶することにより化合物(2−1−1−1)の白色結晶(純度98.0%)を4.2g得た。ここで得た化合物を、以下「化合物(2−1−1−1(3))」という。
合成例2−1(4)
上記合成例2−1(1)において、デシルこはく酸無水物の代わりにオクタデシルこはく酸無水物を18g使用したほかは合成例2−1(1)と同様に実施することにより、下記式
Figure 2009054531
で表される化合物(2−1−1−2)の白色結晶(純度98.5%)を12g得た。
[上記式(2−2)で表される化合物の合成]
合成例2−2(1)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(2−2−1−1)を合成した。
(化合物(2−2−1−1A)の合成)
還流管を備えた500mLのナス型フラスコに、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物30g、4−ヨードアニリン33gおよび酢酸200mLを仕込み、2時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えた後、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(2−2−1−1A)の灰色結晶を31g得た。
(化合物(2−2−1−1B)の合成)
還流管、窒素導入管を備えた100mLのナス型フラスコに上記で得た化合物(2−2−1−1A)15g、塩化チオニル20mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド0.1mLを仕込み、80℃で1時間反応を行った。反応終了後、減圧下で塩化チオニルを除去し、残存物に塩化メチレンを加え、有機層を水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次に洗浄を行った。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で塩化メチレンを除去後、テトラヒドロフランを80mL加えた。
これとは別に、滴下ロート、温度計、窒素導入管を備えた200mLの三口フラスコに、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタノール6.8g、ピリジン6.5mLおよびテトラヒドロフラン20mLを仕込んで氷冷した。ここに、上記化合物(2−2−1−1A)と塩化チオニルとの反応物を含有するテトラヒドロフラン溶液を滴下し、氷冷下でさらに3時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混合物を酢酸エチル、希塩酸および水で順次に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、エタノールで再結晶することにより、化合物(2−2−1−1B)の灰色結晶14gを得た。
(化合物(2−2−1−1)の合成)
窒素導入管、温度計を備えた500mLの三口フラスコに上記で得た化合物(2−2−1−1B)14g、アクリル酸1.8mL、トリエチルアミン11mL、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.46gおよびN,N−ジメチルホルムアミド250mLを仕込み、脱気した後、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加え、希塩酸および水で順次に洗浄した。有機層につきシリカカラムにて精製を行った後濃縮し、メタノールで再結晶を行うことにより、化合物(2−2−1−1)の白色結晶を純度98%で9.0g得た。
合成例2−2(2)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(2−2−1−2)を合成した。
(化合物(2−2−1−2A)の合成)
還流管を備えた200mLのナスフラスコにシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物12g、塩化チオニル30mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド0.1mLを仕込み、80℃で1時間還流下に反応を行った。反応終了後、減圧で塩化チオニルを除去し、残存物に塩化メチレンを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次に洗浄を行った後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮、乾固した後、テトラヒドロフランを加えて溶液とした。
一方、滴下ロート、温度計および窒素導入管を備えた300mLの三口フラスコにβ−コレスタノール19g、ピリジン8.0mLおよびトルエン100mLを仕込み、氷浴で冷却した。ここに、上記のシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物と塩化チオニルとの反応物を含有するテトラヒドロフラン溶液をゆっくり滴下した後、室温でさらに4時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、酢酸エチルにより抽出を行なった。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルおよびヘキサンからなる混合溶剤で再結晶することにより化合物(2−2−1−2A)を18g得た。
(化合物(2−2−1−2)の合成)
ディーンスターク管を備えた200mLのナスフラスコに、上記で得た化合物(2−2−1−2A)11g、4−アミノ桂皮酸3.3g、トリエチルアミン0.1mLおよびトルエン100mLを仕込み、3時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランからなる混合溶剤で再結晶することにより、化合物(2−2−1−2)の白色結晶(純度99.2%)を6.1g得た。
[上記式(3−2)で表される化合物の合成]
合成例3−2(1)
下記スキーム
Figure 2009054531
に従って、化合物(3−2−1−1)を合成した。
(化合物(3−2−1−1A)の合成)
温度計および窒素導入管を備えた300mLの三口フラスコに、4−ニトロ桂皮酸9.7g、4,4,4−トリフルオロ−1−ヨードブタン12g、炭酸カリウム14gおよび1−メチル−2−ピロリドン150mLを仕込み、50℃で1時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えて抽出した。抽出液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固することにより、化合物(3−2−1−1A)を14g得た。
(化合物(3−2−1−1B)の合成)
温度計および窒素導入管を備えた300mLの三口フラスコに、上記で得た化合物(3−2−1−1A)14g、塩化すず2水和物53gおよびエタノール150mLを仕込み、70℃で1時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混合物を氷水に注ぎ、2Mの水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルを加えた後に沈殿物を除去した。ろ液に酢酸エチルを加えて抽出した。この抽出液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮、乾固することにより、化合物(3−2−1−1B)を12g得た。
(化合物(3−2−1−1)の合成)
還流管および窒素導入管を備えた200mLのナスフラスコに、上記で得た化合物(3−2−1−1B)12g、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物8.7gおよび酢酸100mLを仕込み、1時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルにより抽出した。この抽出液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固し、酢酸エチルおよびヘキサンからなる混合溶剤で再結晶を行うことにより、化合物(3−2−1−1)の白色結晶(純度98.3%)を11g得た。
<他の重合体の合成>
[ポリアミック酸の合成]
合成例PA−1
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物109g(0.50モル当量)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.50モル当量)ならびにジアミンとして4,4−ジアミノジフェニルエーテル200g(1.0モル当量)をN−メチル−2−ピロリドン2,290gに溶解し、40℃で3時間反応させた後、N−メチル−2−ピロリドン1,350gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−1)を10重量%含有する溶液約4,000gを得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は210mPa・sであった。
合成例PA−2
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.50モル当量)およびピロメリット酸二無水物109g(0.50モル当量)ならびにジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン198g(1.0モル当量)をN−メチル−2−ピロリドン2,290gに溶解し、40℃で3時間反応させた後、N−メチル−2−ピロリドン1,350gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−2)を10重量%含有する溶液約4,000gを得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は135mPa・sであった。
合成例PA−3
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196g(1.0モル当量)およびジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200g(1.0モル当量)をN−メチル−2−ピロリドン2,246gに溶解し、40℃で4時間反応させた後、N−メチル−2−ピロリドン1,321gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−3)を10重量%含有する溶液約3,950gを得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は220mPa・sであった。
合成例PA−4
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196g(1.0モル当量)およびジアミンとして2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212g(1.0モル当量)をN−メチル−2−ピロリドン4,050gに溶解し、40℃で3時間反応させることにより、ポリアミック酸(PA−4)を10重量%含有する溶液3,700gを得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は170mPa・sであった。
合成例PA−5
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224g(1.0モル当量)およびジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200g(1.0モル当量)をN−メチル−2−ピロリドン2,404gに溶解し、40℃で4時間反応させることにより、ポリアミック酸(PA−5)を15重量%含有する溶液約2,800gを得た。
このポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は190mPa・sであった。
[ポリイミドの合成]
合成例PI−1
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112g(0.50モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157g(0.50モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン95g(0.88モル)、2,2−ジトリフルオロメチル−4,4−ジアミノビフェニル32g(0.10モル)、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン6.4g(0.010モル)およびオクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン4.0g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン960gに溶解し、60℃で9時間反応させた。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は58mPa・sであった。
得られたポリアミック酸溶液に、N−メチル−2−ピロリドン2,740g、ピリジン396gおよび無水酢酸409gを添加し、110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換(本操作により、脱水閉環反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。以下同じ。)することにより、イミド化率約95%のポリイミド(PI−1)を15重量%含有する溶液約2,500gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、減圧にて溶媒を除去した後γ−ブチロラクトンに溶解して重合体濃度8.0重量%の溶液として測定した溶液粘度は33mPa・sであった。
合成例PI−2
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112g(0.50モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン157g(0.50モル)、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン96g(0.89モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン25g(0.10モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン13g(0.020モル)ならびにモノアミンとしてN−オクタデシルアミン8.1g(0.030モル)をN−メチル−2−ピロリドン960gに溶解し、60℃で6時間反応させた。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は60mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン2,700gを追加し、ピリジン396gおよび無水酢酸409gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約95%のポリイミド(PI−2)を15重量%含有する溶液約2,400gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度6.0重量%の溶液として測定した溶液粘度は18mPa・sであった。
合成例PI−3
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224g(1.0モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン107g(0.99モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン6.43g(0.010モル)をN−メチル−2−ピロリドン3,039gに溶解し、60℃で6時間反応させることにより、ポリアミック酸を10重量%含有する溶液を得た。このポリアミック酸の溶液粘度は260mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン2,700gを追加し、ピリジン396gおよび無水酢酸306gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約89%のポリイミド(PI−3)を9.0重量%含有する溶液約3,500gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度5.0重量%の溶液として測定した溶液粘度は74mPa・sであった。
合成例PI−4
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物112g(0.50モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157g(0.50モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン89g(0.82モル)、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル32g(0.10モル)、1−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)−4−(4−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ)−シクロヘキサン25g(0.059モル)およびオクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン4.0g(0.011モル)をN−メチル−2−ピロリドン2,175gに溶解し、60℃で6時間反応させることにより、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は110mPa・sであった。
得られたポリアミック酸溶液の1,500gに、N−メチル−2−ピロリドン3,000gを追加し、ピリジン221gおよび無水酢酸228gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約92%のポリイミド(PI−4)を10重量%含有する溶液約4,000gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度4.5重量%の溶液として測定した溶液粘度は28mPa・sであった。
合成例PI−5
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物19.9g(0.089モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン6.8g(0.063モル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン3.6g(0.018モル)および上記式(D−10)で表される化合物4.7g(0.009モル)を、N−メチル−2−ピロリドン140gに溶解し、60℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は115mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン325gを追加し、ピリジン14gおよび無水酢酸18gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約77%のポリイミド(PI−5)を15.4重量%含有する溶液約220gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は84mPa・sであった。
合成例PI−6
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物20.9g(0.093モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン9.2g(0.085モル)および上記式(D−10)で表される化合物4.9g(0.009モル)を、N−メチル−2−ピロリドン140gに溶解し、60℃で4時間反応させることによりポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、126mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン325gを追加し、ピリジン7.4gおよび無水酢酸9.5gを添加し110℃で4時間脱水閉環を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約54%のポリイミド(PI−6)を16.1重量%含有する溶液約220gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は75mPa・sであった。
合成例PI−7
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物18.8g(0.084モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン7.4g(0.068モル)および上記式(D−10)で表される化合物8.9g(0.017モル)を、N−メチル−2−ピロリドン140gに溶解し、60℃で4時間反応させることにより、ポリアック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、126mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン325gを追加し、ピリジン6.6gおよび無水酢酸8.5gを添加して110℃で4時間脱水閉環を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約55%のポリイミド(PI−7)を15.9重量%含有する溶液約210gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は75mPa・sであった。
合成例PI−8
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物19.1g(0.085モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン7.4g(0.069モル)および上記式(D−8)で表される化合物8.5g(0.017モル)を、N−メチル−2−ピロリドン140gに溶解し、60℃で4時間反応させることによりポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、206mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン325gを追加し、ピリジン6.7gおよび無水酢酸8.7gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約52%のポリイミド(PI−8)を15.8重量%含有する溶液約200gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は105mPa・sであった。
合成例PI−9
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物17.3g(0.077モル)ならびにジアミンとしてp−フェニレンジアミン5.9g(0.054モル)、上記式(D−10)で表される化合物4.1g(0.008モル)および上記式(D−8)で表される化合物7.7g(0.016モル)を、N−メチル−2−ピロリドン140gに溶解し、60℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、117mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン325gを追加し、ピリジン6.1gおよび無水酢酸7.9gを添加して110℃で4時間脱水閉環を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換することにより、イミド化率約55%のポリイミド(PI−9)を15.4重量%含有する溶液約210gを得た。
このポリイミド溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えて重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は109mPa・sであった。
[他のポリシロキサンの合成]
合成例PS−1
冷却管を備えた200mLの三口フラスコにテトラエトキシシラン20.8gおよび1−エトキシ−2−プロパノール28.2gを仕込み、60℃に加熱し攪拌した。ここに、容量20mLの別のフラスコに調製した、無水マレイン酸0.26gを水10.8gに溶解した無水マレイン酸水溶液を加え、60℃でさらに4時間加熱、攪拌して反応を行った。得られた反応混合物から溶剤を留去し、1−エトキシ−2−プロパノールを加えて、再度濃縮することにより、ポリオルガノシロキサンPS−1を10重量%含有する重合体溶液を得た。PS−1の重量平均分子量Mwは5,100であった。
<感放射線性ポリオルガノシロキサンの合成>
実施例IE−1
還流管を備えた200mLの三口フラスコに、上記合成例1で得たエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンEPS−1を5.0g、桂皮酸誘導体(1)として上記実施例2−1(1)で得た化合物(2−1−1−1(1))を5.18g(ポリオルガノシロキサンのエポキシ基に対して50mol%に相当する。)およびテトラブチルアンモニウムブロミドを0.5gを仕込み、固形分濃度が20重量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドを加え、120℃で10時間反応を行なった。反応終了後、メタノールを加えて沈殿を生成させ、この沈殿物を酢酸エチルに溶解して得た溶液を3回水洗した後、溶剤を留去することにより、感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−1を白色粉末として7.8g得た。感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−1の重量平均分子量Mwは18,100であった。
実施例IE−2〜8
上記実施例IE−1において、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの種類ならびに桂皮酸誘導体(1)の種類および使用量を、それぞれ第2表に記載のとおりとしたほかは、実施例IE−1と同様にして実施し、感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−2〜S−IE−8を、それぞれ合成した。これら感放射線性ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwを、第2表に合わせて示した。
なお、実施例IE−6および7では、それぞれ2種類の桂皮酸誘導体(1)を用いた。
また、第2表において、桂皮酸誘導体(1)の「使用量」は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの有するケイ素原子に対する割合を意味する。
Figure 2009054531
<液晶配向剤の調製および保存安定性の評価>
実施例IE−9
上記実施例IE−1で得た感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−1の100重量部と、他の重合体として上記合成例PA−1で得たポリアミック酸PA−1を含有する溶液をPA−1に換算して2,000重量部に相当する量とを合わせ、これに1−メチル−2−ピロリドンおよびブチルセロソルブを加え、溶媒組成が1−メチル−2−ピロリドン:ブチルセロソルブ=50:50(重量比)、固形分濃度が3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤A−IE−1を調製した。
この液晶配向剤A−IE−1を−15℃で6か月間保管した。保管の前および後に25℃においてE型粘度計により測定した粘度を測定した。溶液粘度の保管前後の変化率が10%未満のものを保存安定性「良」、10%以上のものを保存安定性「不良」として評価したところ、液晶配向剤A−IE−1の保存安定性は「良」であった。
実施例IE−10〜32
上記実施例IE−9において、感放射線性ポリオルガノシロキサンの種類ならびに他の重合体の種類および量を、それぞれ第3表に記載のとおりとしたほかは、実施例IE−9と同様に実施して、液晶配向剤A−IE−2〜A−IE−24を、それぞれ調製した。各液晶配向剤について実施例IE−9と同様にして調べた保存安定性の評価結果を第3表に示した。
実施例IE−33〜36
上記実施例IE−9において、他の重合体の種類および量を、それぞれ第3表に記載のとおりとし、さらに第3表に記載した種類および量のエポキシ化合物を使用したほかは、実施例IE−9と同様にして、固形分濃度が3.0重量%の溶液を調整し、これを孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤A−IE−25〜A−IE−28をそれぞれ調製した。
なお第3表において、エポキシ化合物E−1およびE−2は、それぞれ下記式(E−1)または(E−2)
Figure 2009054531
で表される化合物を表す。
実施例IE−37
他の重合体として上記合成例PS−1で得た他のポリシロキサンPS−1を含有する溶液をPS−1に換算して500重量部に相当する量をとり、これに上記実施例IE−1で得た感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−1の100重量部を加え、さらに1−エトキシ−2−プロパノールを加えて固形分濃度4.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤A−IE−29を調製した。
この液晶配向剤A−IE−29について、上記実施例IE−9と同様にして調べた保存安定性の評価結果を第3表に示した。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
Figure 2009054531
実施例IE−38
<垂直配向型液晶表示素子の製造>
上記実施例IE−9で調製した液晶配向剤A−IE−1を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で200℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いでこの塗膜表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向膜とした。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を1対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、1対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、ネガ型液晶(メルク社製MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で10分間加熱してから室温まで徐冷した。次に基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることにより垂直配向型液晶表示素子を製造した。
これら液晶表示素子につき、以下の方法により評価した。評価結果は第4表に示した。
<液晶表示素子の評価>
(1)液晶配向性の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を光学顕微鏡により観察し、異常ドメインのない場合を「良」とした。
(2)プレチルト角の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、T.J.Scheffer et.al.J.Appl.Phys.vol.19,p2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法によりプレチルト角を測定した。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造した液晶表示素子に、60℃にて5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)焼き付きの評価
上記で製造した液晶表示素子に、直流5Vを重畳した30Hz、3Vの矩形波を60℃の環境温度で2時間印加し、直流電圧を切った直後の液晶セル内に残留した電圧をフリッカー消去法により残留DC電圧を求めた。
実施例IE−39〜64
上記実施例IE−38において、液晶配向剤として第4表に摘示したものを使用したほかは実施例IE−38と同様にして、それぞれ垂直配向型液晶表示素子の製造を行い、評価した。評価結果は第4表に示した。
実施例IE−65
<TN配向型液晶表示素子の製造および評価>
上記実施例IE−29で調製した液晶配向剤A−IE−21を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上にスピンナーを用いて塗布し、180℃にて1時間加熱することにより、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜の表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを基板法線から40°傾いた方向から照射することにより、液晶配向能を付与して液晶配向膜を形成した。
上記と同じ操作を繰り返し、液晶配向膜を透明導電膜面上に有するガラス基板を1対(2枚)作製した。
この1対の基板のそれぞれ液晶配向膜を形成した面の周囲部に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、偏光紫外線照射方向が直交となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間加熱して接着剤を熱硬化した。次いで、基板の間隙に液晶注入口よりポジ型のネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221、カイラル剤入り)を注入して充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で10分加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の偏光方向と平行となるように貼り合わせることにより、TN配向型液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子の液晶配向性、電圧保持率および焼き付きにつき、実施例IE−38と同様にして評価した。評価結果は第4表に示した。
実施例IE−66
上記実施例IE−65において、液晶配向剤として実施例IE−32で調製した液晶配向剤A−IE−24を使用したほかは実施例IE−65と同様にして、TN配向型液晶表示素子の製造を行い、評価した。評価結果は第4表に示した。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
<塗膜の物性評価>
実施例IE−67〜93
(1)i線吸収の評価
第5表に摘示した液晶配向剤を、石英基板にそれぞれスピンコートし、80℃のホットプレート上で1分間プレベークした後、200℃で1時間加熱して膜厚が0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜を有する基板につき、分光光度計((株)日立製作所製、型式「U−2010」)を用いて250〜500nmの波長範囲におけるUV吸収スペクトルを測定した。
この波長領域における最大の吸光度を100としたときの365nmにおける吸光度が1未満のものを「良」、1以上のものを「不良」としてi線吸収の評価を行なった。
評価結果は第5表に示した。
(2)耐熱性の評価
上記実施例IE−38の<垂直配向型液晶表示素子の製造>において、それぞれ第5表に摘示した液晶配向剤を用い、且つポストベーク温度を250℃としたほかは実施例IE−28におけると同様にして垂直配向型液晶表示素子を製造した。得られた液晶表示素子につき、良好な垂直配向性を示したもの(均一な黒表示を示したもの)を「良」とし、光漏れが認められたものを「不良」として評価した。
評価結果は第5表に示した。
実施例IE94および95
(1)i線吸収の評価
第5表に摘示した液晶配向剤を用いたほかは上記実施例IE−67〜93と同様にして250〜500nmの波長範囲におけるUV吸収スペクトルを測定した。評価結果は第5表に示した。
(2)耐熱性の評価
上記実施例IE−65の<TN配向型液晶表示素子の製造>において、それぞれ第5表に摘示した液晶配向剤を用い、且つポストベーク温度を250℃としたほかは実施例IE−65におけると同様にしてTN配向型液晶表示素子を製造した。得られた液晶表示素子につき、良好な垂直配向性を示したもの(均一な黒表示を示したもの)を「良」とし、光漏れが認められたものを「不良」として評価した。
評価結果は第5表に示した。
比較例IE−1
<ポリアミック酸の合成>
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)と特表2003−520878号公報に従って合成した下記式(d−1)
Figure 2009054531
で表される化合物48.46g(0.1モル)とを、N−メチル−2−ピロリドン283.4gに溶解し、室温で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、ポリアミック酸を67g得た。
<液晶配向剤の調製>
上記で合成したポリアミック酸をN−メチル−2−ピロリドンおよびブチルセロソルブからなる混合溶媒(混合比=50:50(重量比))に溶解し、固形分濃度3.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤RA−IE−1を調製した。
<塗膜の物性評価>
上記で調製した液晶配向剤RA−IE−1を使用したほかは、実施例IE−67〜93におけると同様にして塗膜物性の評価を行った。
評価結果は第5表に示した。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
<液晶配向剤の調製および保存安定性の評価>
実施例IE−96〜107
上記実施例IE−16において、感放射線性ポリオルガノシロキサンの種類ならびに他の重合体の種類および量を第6表に記載のとおりとしたほかは実施例IE−16と同様に実施して、液晶配向剤A−IE−30〜A−IE−41を、それぞれ調製した。各液晶配向剤について実施例IE−16と同様にして調べた保存安定性の評価結果を第6表に示した。
<垂直配向型液晶表示素子の製造および評価>
実施例IE−108〜119
上記実施例IE−38において、液晶配向剤として第7表に摘示したものをそれぞれ使用したほかは実施例IE−38と同様にして、垂直配向型液晶表示素子の製造を行い、評価した。評価結果を第7表に示した。
<塗膜の物性評価>
実施例IE−120〜131
第8表に摘示した液晶配向剤をそれぞれ用いたほかは、実施例IE−67〜93と同様にして、i線吸収の評価および耐熱性の評価を行なった。
評価結果を第8表に示した。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
Figure 2009054531
<感放射線性ポリオルガノシロキサンの合成>
実施例IE−132
上記実施例IE−1において、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンとして、EPS−1の代わりに上記合成例4で合成したEPS−4を5.0g使用し、桂皮酸誘導体(1)としての化合物(2−2−1−1(2))の使用量を、EPS−4の有するエポキシ基に対して50モル%としたほかは、実施例IE−1と同様にして実施することにより、感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−9を得た。S−IE−9の重量平均分子量Mwは16,200であった。
実施例IE−133
上記実施例IE−1において、化合物(2−2−1−1(1))の代わりに、化合物(2−2−1−1(2))をEPS−1の有するエポキシ基に対して50モル%と他のプレチルト角発現性化合物としての上記式(4−3−1)で表される化合物をEPS−1のエポキシ基に対して5モル%とからなる混合物を用いたほかは、実施例IE−1と同様にして実施することにより、感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−10を得た。S−IE−10の重量平均分子量Mwは18,400であった。
実施例IE−134〜141
上記実施例IE−133において、桂皮酸誘導体(1)および他のプレチルト角発現性化合物の種類および量を、それぞれ第9表に記載のとおりとしたほかは、実施例IE−133と同様に実施して、感放射線性ポリオルガノシロキサンS−IE−11〜S−IE−18をそれぞれ得た。これら感放射線性ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwを第9表に示した。
なお、第9表において、他のプレチルト角発現性化合物の略称「(4−3−1)」、「(4−3−2)」および「(4−3−3)」は、それぞれ上記式(4−3−1)、(4−3−2)または(4−3−3)で表される化合物を意味する。
<液晶配向剤の調製および保存安定性の評価>
実施例IE−142〜171
上記実施例IE−9において、感放射線性ポリオルガノシロキサンの種類ならびに他の重合体の種類および量を、それぞれ第10表に記載のとおりとしたほかは、実施例IE−9と同様に実施して、液晶配向剤A−IE−42〜A−IE−71を、それぞれ調製した。各液晶配向剤について実施例IE−9と同様にして調べた保存安定性の評価結果を第10表に示した。
<垂直配向型液晶表示素子の製造および評価>
実施例IE−172〜201
上記実施例IE−38において、液晶配向剤として第11表に摘示したものを使用したほかは実施例IE−38と同様にして、それぞれ垂直配向型液晶表示素子の製造を行い、評価した。評価結果を第11表に示した。
<塗膜の物性評価>
実施例IE−202〜231
第12表に摘示した液晶配向剤をそれぞれ用いたほかは、上記実施例IE−67〜93と同様にして、i線吸収の評価および耐熱性の評価を行なった。
評価結果を第12表に示した。
Figure 2009054531
Figure 2009054531
Figure 2009054531
Figure 2009054531
上記実施例において具体的に明らかにされたように、本発明の液晶配向剤は、光配向法を適用しうる液晶配向剤として従来知られている液晶配向剤と比較して、少ない放射線照射量で優れた液晶配向性および電気特性を有する液晶配向膜を形成することができる。さらに、長波長領域、例えば365nm以上の波長の光によっては光反応を起こさず、且つ得られる液晶配向膜の耐熱性が高いため、工程上の不具合なく液晶パネルの製造を行うことができる。また、本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向膜は長波長領域の光によっては光反応を起こさないから、液晶パネル使用時におけるバックライトの光に対しても長期間の安定性を有する。
それゆえ、この液晶配向膜を液晶表示素子に適用した場合、液晶表示素子を従来より安価に製造でき、しかも得られる液晶表示素子は、その表示特性、信頼性などの諸性能に優れるものとなる。したがって、これらの液晶表示素子は種々の装置に有効に適用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの装置に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 下記式(1)
    Figure 2009054531
    (式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、ただしRが水素原子でない場合にはRおよびRのうちの少なくとも一方はカルボキシル基またはカルボキシル基を有する有機基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。)
    で表される化合物と、
    下記式(S−1)
    Figure 2009054531
    (式(S−1)中、Xはエポキシ基を有する1価の有機基であり、Yは水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基である。)
    で表される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種と
    を反応させて得られる感放射線性ポリオルガノシロキサンを含有することを特徴とする、液晶配向剤。
  2. 上記式(1)で表される化合物が下記式(2)
    Figure 2009054531
    (式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、ただしRおよびRのうちの少なくとも一方はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜40の脂環式基を有する基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよい。)
    で表される化合物または下記式(3)
    Figure 2009054531
    (式(3)中、Rは単結合または2価の有機基であり、Rは水素原子または1価の有機基であり、RとRとは互いに結合して環を形成していてもよく、Rはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜40の脂環式基である。)
    で表される化合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 上記式(S−1)におけるXが下記式(X−1)または(X−2)
    Figure 2009054531
    で表される基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  4. さらに、ポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. さらに、下記式(S−2)
    Figure 2009054531
    (式(S−2)中、Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基または炭素数6〜20のアリール基であり、Yは水酸基または炭素数1〜10のアルコキシル基である。)
    で表されるポリシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に放射線を照射することを特徴とする、液晶配向膜の形成方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備することを特徴とする、液晶表示素子。
  8. 上記式(1)で表される化合物と、
    上記式(S−1)で表される繰り返し単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物および加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種と
    を反応させて得られることを特徴とする、感放射線性ポリオルガノシロキサン。
  9. 上記式(1)で表される化合物。
JP2009538293A 2007-10-24 2008-10-22 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子 Active JP4507024B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007276189 2007-10-24
JP2007276189 2007-10-24
JP2007296479 2007-11-15
JP2007296479 2007-11-15
PCT/JP2008/069578 WO2009054531A1 (ja) 2007-10-24 2008-10-22 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4507024B2 JP4507024B2 (ja) 2010-07-21
JPWO2009054531A1 true JPWO2009054531A1 (ja) 2011-03-10

Family

ID=40579632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009538293A Active JP4507024B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-22 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP4507024B2 (ja)
KR (1) KR101512212B1 (ja)
CN (1) CN101821671B (ja)
TW (1) TWI458708B (ja)
WO (1) WO2009054531A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI392935B (zh) * 2009-10-02 2013-04-11 Chi Mei Corp Liquid crystal aligning agent, liquid crystal alignment film and liquid crystal display element
JP5504033B2 (ja) * 2010-03-30 2014-05-28 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 コハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物
JP5504038B2 (ja) * 2010-04-05 2014-05-28 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 コハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物
JP5504036B2 (ja) * 2010-04-05 2014-05-28 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 コハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物
JP5504037B2 (ja) * 2010-04-05 2014-05-28 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 コハク酸イミド化合物を含有する摩擦調整剤、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物
KR101654019B1 (ko) * 2011-08-31 2016-09-05 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 표시 소자의 제조 방법
JPWO2013054858A1 (ja) * 2011-10-12 2015-03-30 日産化学工業株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2013117681A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Jsr Corp 液晶配向剤
JP6036253B2 (ja) * 2012-02-29 2016-11-30 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
KR20160029234A (ko) 2014-09-04 2016-03-15 삼성디스플레이 주식회사 광배향제, 광배향막, 액정 표시 장치 및 그 제조 방법
KR102227960B1 (ko) 2014-10-21 2021-03-15 삼성디스플레이 주식회사 광배향제, 광배향막, 액정 표시 장치 및 그 제조 방법
KR20160085407A (ko) 2015-01-07 2016-07-18 삼성디스플레이 주식회사 광배향제, 광배향막, 액정 표시 장치 및 그 제조 방법
KR102298368B1 (ko) 2015-02-09 2021-09-06 삼성디스플레이 주식회사 광배향제, 광배향막, 액정 표시 장치 및 그 제조 방법
JP6666598B2 (ja) * 2015-03-04 2020-03-18 日産化学株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
KR102225388B1 (ko) * 2017-03-07 2021-03-08 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자 및 폴리오르가노실록산

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63159432A (ja) * 1986-11-10 1988-07-02 イー・アイ・デユポン・デ・ニモアス・アンド・カンパニー エラストマー
JPH07310035A (ja) * 1994-05-13 1995-11-28 Daimler Benz Ag 加熱により変色する塗料
JPH09278890A (ja) * 1995-11-20 1997-10-28 Lg Electron Inc 液晶の配向のための感光性物質ならびにそれを用いた液晶装置
US6174649B1 (en) * 1997-04-25 2001-01-16 Samsung Display Devices Co., Ltd. Cinnamate-containing photopolymer for orientation film of liquid crystal display (LCD) and method for using the photopolymer to form an orientation film

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4810770A (en) * 1986-11-10 1989-03-07 E. I. Du Pont De Nemours And Company Elastomers
TWI337679B (en) * 2003-02-04 2011-02-21 Sipix Imaging Inc Novel compositions and assembly process for liquid crystal display
DE102005004706A1 (de) 2005-02-02 2006-08-10 Goldschmidt Gmbh UV-Licht absorbierende quaternäre Polysiloxane

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63159432A (ja) * 1986-11-10 1988-07-02 イー・アイ・デユポン・デ・ニモアス・アンド・カンパニー エラストマー
JPH07310035A (ja) * 1994-05-13 1995-11-28 Daimler Benz Ag 加熱により変色する塗料
JPH09278890A (ja) * 1995-11-20 1997-10-28 Lg Electron Inc 液晶の配向のための感光性物質ならびにそれを用いた液晶装置
US6174649B1 (en) * 1997-04-25 2001-01-16 Samsung Display Devices Co., Ltd. Cinnamate-containing photopolymer for orientation film of liquid crystal display (LCD) and method for using the photopolymer to form an orientation film

Also Published As

Publication number Publication date
TWI458708B (zh) 2014-11-01
CN101821671B (zh) 2013-03-27
KR20100085068A (ko) 2010-07-28
JP4507024B2 (ja) 2010-07-21
CN101821671A (zh) 2010-09-01
TW200927727A (en) 2009-07-01
WO2009054531A1 (ja) 2009-04-30
KR101512212B1 (ko) 2015-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4416054B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子
JP4507024B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子
JP5454772B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜およびその形成方法ならびに液晶表示素子
JP4458305B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
JP4458306B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の製造方法および液晶表示素子
KR101157353B1 (ko) 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자
KR101585260B1 (ko) 액정 배향제, 액정 표시 소자, 및 폴리오르가노실록산
JP4544439B2 (ja) 液晶配向剤および液晶配向膜の形成方法
KR20100109474A (ko) 액정 배향제, 액정 배향막의 형성 방법 및 액정 표시 소자
JP5626510B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子の製造方法
KR20110132513A (ko) 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 배향막의 형성 방법, 액정 표시 소자 및 폴리오르가노실록산 화합물
JP5413555B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子
JPWO2009069724A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子
JP5668577B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及びポリオルガノシロキサン化合物
JP5790358B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP5413556B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜の形成方法および液晶表示素子
JP2014016389A (ja) 液晶配向剤、液晶表示素子及びこの製造方法
JP5041599B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜とその形成方法ならびに液晶表示素子および光学部材
JP2009258578A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜とその形成方法ならびに液晶表示素子および光学部材

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100420

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4507024

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250