JPWO2009054254A1 - マイクロチップとそれを用いた検査装置 - Google Patents

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祐司 延本
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Abstract

マイクロチップ上の微細流路における気泡の発生を防止して、精度が高く、信頼性に優れるマイクロチップ、及び当該マイクロチップを具備した検査装置を提供する。本発明のマイクロチップは、基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、精度が高く、信頼性に優れるマイクロチップ、及び当該マイクロチップを具備した検査装置に関する。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている。これはμ−TAS(Micro Total Analysis System:マイクロ総合分析システム)とも呼ばれ、マイクロチップに、試薬液と検体液(例えば、検査を受ける被験者の尿、唾液、血液、DNA処理した抽出溶液など)を合流させ、その反応を検出することにより検体の特性を調べる方法である(例えば特許文献1参照)。
このμ−TASは、医療検査、診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムによって、コスト、必要試量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析が可能となり、その恩恵は多大と言える。
そして、期待される上記応用分野に鑑みて、μ−TASによる各種の分析・検査では、特にマイクロチップにおける反応検出の精度、信頼性などが重要視される。
μ−TASによるミクロ化分析システムにおいては、複数の液体、例えば試薬・試料等をチップ内の微細流路で混合することが、ほとんど例外なく必要な工程として組み込まれる。従って、複数の液体を所定の混合比で混合させる場合、混合比を安定化させ、均一な混合を速やかに達成することが必要とされる。このため、精度・信頼性の向上の観点から、シンプルな構成で、精度が高く、信頼性に優れる送液システムやマイクロ流体制御素子などが提案されている(例えば特許文献2〜4参照)。
しかしながら、複数の液体を混合する場合、一方の液体を他方の液体に合流させるとその際に気泡が混入しやすいという問題がある。例えば、合流部の少し手前で、混合液を撥水バルブでそれぞれ止めて、マイクロポンプで同時に合流部へ送液したとしても、撥水バルブの形状精度、濡れ性のばらつきなどの影響を受けて合流のタイミングがずれてしまうということが起こる。いずれの場合にも合流部に気泡が溜まってその気泡が送液と混合を妨害するという問題点があった。また、マイクロチップ中に充填された液体あるいはポンプとマイクロチップ間に配置された流路内の液体に大気中の気体が溶解し、泡となって析出すると、撥水バルブの通過に必要な圧力を上記の液に加えた際、泡や蓋の剛性不足で圧力損失(所謂ダンパー成分)が発生するために、送液が制御不能となる。
従って、従来より一層高い精度と信頼性を有する送液システムを確立するためには、精度が高く、信頼性に優れるマイクロポンプの使用とともに、混合流路内において気泡の発生を抑制でき、その介入を最小限に留めることが必須であり、そのための送液技術の開発が要請されている。
特開2004−28589号公報 特開2001−322099号公報 特開2004−108285号公報 特開2004−270537号公報
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、マイクロチップ上の微細流路における気泡の発生を防止して、精度が高く、信頼性に優れるマイクロチップ、及び当該マイクロチップを具備した検査装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、微細流路における気泡の発生に基板や蓋を構成する素材のガスバリア性が予想外に大きい影響を及ぼすことを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下であることを特徴とするマイクロチップ。
2.基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれを構成する素材の主成分の凝集エネルギー密度が628J/cm3以上であることを特徴とする前記1に記載のマイクロチップ。
3.前記蓋が板状であって、その厚さが最大流路幅の1/5以上であることを特徴とする前記1又は2に記載のマイクロチップ。
4.前記1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロチップと、マイクロポンプ、及び検出部を具備していることを特徴とする検査装置。
本発明の上記手段により、マイクロチップ上の微細流路における気泡の発生を防止して、精度が高く、信頼性に優れるマイクロチップ、及び当該マイクロチップを具備した検査装置を提供することができる。
本発明のマイクロチップの一例の外観図 流路面上に蓋接合された状態の概念図(上面図) 撥水バルブの概念図 本発明のマイクロチップを用いる検査装置の外観図 本発明のマイクロチップを用いる検査装置の内部構成図 マイクロチップの構成図 マイクロチップ搭載状態の構成例を示す図;(a),(b)は、マイクロポンプとマイクロチップの間にピッチ変換流路が介在しない例と介在する例を示す。 本発明のマイクロチップを用いる検査装置の制御構成の要部を示す図
符号の説明
1 マイクロチップ
1a 流路
1b 検体溜め
1c 検体供給口
1d 撥水バルブ
1e 試薬供給口
1f 試薬溜め
1g 空気抜きスリット
1h マイクロポンプ接続部
2a 流路形成基板
3a 蓋
4 光検出部
5 マイクロポンプ
23 ヒータ
80 検査装置
90 CPU
111 被検出部
120 検体収容部
124 DNAプローブ収容部
本発明のマイクロチップは、基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下である、ことによりガスバリア性が高いことを特徴とする。この特徴は、請求の範囲第1項乃至第4項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、当該基板と蓋のそれぞれを構成する素材の主成分の凝集エネルギー密度が628J/cm3(150cal/cm3)以上であることが好ましい。これにより、流路内の液体への酸素透過を低減させることで、気泡の発生を防止し、撥水バルブの動作の精度を上げることができる。更に蓋の厚さを最大流路幅の1/5以上に設定し、蓋の剛性を高めることで、流路内で発生する圧力損失をなくし、撥水バルブの動作の精度を上げることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び発明を実施するための最良の形態等について詳細な説明をする。
(マイクロチップ)
本発明のマイクロチップは、基板(チップ)上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えていることを特徴とする。当該マイクロチップは、一般にマイクロリアクタ・チップ、分析チップなどとも称されるものと同等のものであり、化学分析、各種検査、試料の処理・分離、化学合成などに利用される。
本発明のマイクロチップにおける好ましい構成態様は、基板上に形成された流路とマイクロポンプ接続部を有し、かつ当該流路には、検体供給口、試料供給口、液溜部(例えば、試薬収容部、検体収容部、反応部、廃液貯留部)、撥水バルブ、空気抜きスリット、及び検出部などを有し、更に、当該流路面上には蓋が接合されている態様である。
なお、好ましいマイクロチップの態様の一例を図1に示した。また、流路面上に蓋接合された状態の概念図を図2に示すと共に、撥水バルブの概念図を図3に示した。
〈基板〉
本発明に係る基板は、一定条件下において前記凝集エネルギー密度又は酸素透過係数の要件を満たすものであることを要するが、基板の形状及び構造は、一定の態様に限定されるものではない。例えば、構造については、単層構造でも、積層構造でもよい。
基板を形成するための素材としては、種々の素材を用いることが可能であるが、作製されるマイクロチップの用途、処理、サンプルと溶媒の特性にあわせて、成形性、耐熱性、耐薬品性、吸着性等を考慮し適宜に選択される。
基板の素材の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ガラス、シリコーン樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ビニル−アセテート共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルホン、フッ素系樹脂、飽和環状ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
本発明に係る基板は、上記の各種素材を適宜組み合わせて作製することができるが、本発明においては、流路が形成される基板と蓋のそれぞれを構成する素材(の主成分)の凝集エネルギー密度が、628J/cm3(150cal/cm3)以上であることを特徴とする。また、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下である態様が好ましい。当該酸素透過係数は、素材の選択、複数の素材の混合、複数の異なる種類の素材フィルムの積層等によって調整することができる。
なお、「凝集エネルギー密度」とは、物質の単位体積当たりの凝集エネルギーをいう。ここで、「凝集エネルギー」とは、液体又は固体の状態の物質を気体の状態(構成する分子同士を離れた状態にすること)にするために必要なエネルギーであり、定積状態における液体の気化熱或いは固体の昇華熱に略等しいものである。
凝集エネルギー密度の測定方法及び計算方法については、ジェー・ブランドラップ及びイー・エッチ・イマーガット共著の、ポリマー・ハンドブック第2版(ジョン・ウイリー・アンド・サン出版、1975年)(J.Brandrup and EH.Immergut Ed.”Polymer Handbook second edition”Jhon Wiley and Sons 1975)に記載されている。
なお、凝集エネルギー密度が高いものほど、酸素透過係数は小さくなる。これは、分子間力が強いものほど気体分子が高分子鎖等を押し広げにくくなり、気体透過性が低下すると理解できる。ここで、「酸素透過係数」とは、酸素透過度に試験片の厚さを乗じて、単位厚さ当たりの透過量に換算したものをいう。酸素透過度は、JIS K 7126ー1987(プラスチックフィルム)及びシートの気体透過度試験方法)に準拠した方法により測定することができる。なお、酸素透過係数については、Polymer handbook 4th.Edition,John Wiley and Sons,Inc.(1999)に記載されており、参考とすることができる。
上記の凝集エネルギー密度ないし酸素透過係数の要件を満たす素材としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリヘキサメチレンアジパミド(商品名ナイロン66)、ポリアクリルニトリル、エチレンービニルアルコール共重合体、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。
〈蓋〉
本発明のマイクロチップは、流路面上に接合された蓋〔「蓋板」、「被覆基板」ともいう。〕を備えていることを特徴とする。本発明においては、当該蓋が板状であって、その厚さが最大流路幅の1/5以上であることが好ましい。なお、「最大流路幅」とは、当該マイクロチップにおける全流路の流路幅の最大値をいう。
本発明において、蓋の素材は、上記基板と同様な素材を用いることができるが、
流路を形成する基板と蓋のそれぞれを構成する素材の主成分の凝集エネルギー密度が628J/cm3(150cal/cm3)以上であることを要する。また、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下であることが好ましい。
上記の凝集エネルギー密度ないし酸素透過係数の要件を満たす素材としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリヘキサメチレンアジパミド(商品名ナイロン66)、ポリアクリルニトリル、エチレンービニルアルコール共重合体、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。
なお、本発明において、流路上面に蓋を接合する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、熱可塑性樹脂からなる接着剤や特開2004−74339号公報に開示されている方法などを用いることができる。
〈流路〉
本願において「流路」とは、基板上に加工・形成された溝状の微細流路をいう。すなわち、マイクロチップ内に形成された微小な管状流路のことであり、「微細流路」ということもある。試薬類などの収容部、反応部位もしくは検出部位が、広幅の液溜め状に形成されている場合にも、これらを含めて「流路」ということもある。
当該流路を流通させる液体としては、目的に応じて種々の態様の液体を適用することができる。例えば、各種の試薬類、試料液、変性剤液、洗浄液、駆動液などがある。
マイクロチップの流路は、基板上に目的に応じて予め設計された流路配置に従って、形成される。液体が流れる流路は、例えば幅および深さが数十〜数百μm、好ましくは幅50〜200μm、深さ25〜300μm程度に形成されるマイクロメーターオーダー幅の微細流路である。流路幅が50μm未満であると、流路抵抗が増大し、液体の送出および検出上不都合である。幅500μmを超える流路ではマイクロスケール空間の利点が薄まる。
その形成方法は、従来の微細加工技術による。典型的にはフォトリソグラフィ技術による感光性樹脂による微細構造の転写が好適であり、その転写構造を利用して、不要部分の除去、必要部分の付加、形状の転写が行われる。チップの構成要素を型どるパターンをフォトリソグラフィ技術により作製し、このパターンを樹脂に転写成形する。したがって、マイクロチップの微細流路を形成加工する基本的基板の材料は、サブミクロンの構造も正確に転写でき、吸水による流路の変形などが起こりにくく、機械的特性の良好なプラスチックが好ましい。必要であれば射出成形、押し出し成形などによる加工も使用してもよい。
さらに微細空間では、流路内面が疎水性である流路が液体の流れを止めたり、緩めたりなどする液体運動の制御に好都合である。そこで微細流路を形成する基板に、微量の検体液が途中でロスすることなく送液されるように、疎水性、溌水性のプラスチック樹脂を使用すれば、流路内を特に撥水コーティングは必要ない。基板を形成する素材については、上述の通りである。
マイクロチップ上の流路配置では、ポンプ接続部、試薬収容部、反応(検出)部などの構造部が流路で接続されている。さらに複数の流路が互いに結合することにより、複数の液体が合流して混合される。複数の流路の合流部が形成されるほか、複数の流路に分岐する流路もある。
〈合流部〉
本発明のマイクロチップにおいては、複数の流路から送液されてきた複数の液体が、合流部で合流し、この合流部およびそれより下流の送出流路で混合されるような態様とすることも好ましい。これらの複数流路はそれぞれ本チップとは別途のマイクロポンプに個別に連通されており、マイクロポンプを駆動することによりそれぞれの流路から合流部へ各液体が送液される。各流路から送液されてきた液体は、通常、それぞれ当該合流部に流入する直前で撥水バルブにより止められ、マイクロポンプの作用により所望のタイミングで合流部に送り込まれる。
〈撥水バルブ〉
前記合流部に直結される撥水バルブは、合流部に繋がる流路の各々に、その合流部との間に介在する形で設けられる。撥水バルブは、流路径を絞った部分からなり、これにより、一端側からこの絞り流路(細流路)に達した液体が、他端側へ通過することを規制している。すなわち、その構造により、正方向への送液圧力が所定圧に達するまで液体の通過を遮断し、所定圧を超える送液圧力を加えることにより液体の通過を許容するようになっている。この絞り流路は、例えば、両側に直列に連結された縦横が150μm×150μmの流路に対して、縦横が30μm×30μm程度となるように形成される。
液体を、細径の絞り流路の端部から太径の流路へ押し出すには、表面張力のために所定の送液圧力を要する。したがって、マイクロポンプからのポンプ圧により、液体の停止と通過を制御することができるので、例えば流路の所定箇所において液体の移動を一時止めておき、所望のタイミングでこの箇所から先の流路へ送液を再開することができる。
必要に応じて、絞り流路の内面に、撥水性のコーティング、例えばフッ素系のコーティングを施してもよい。
このように、合流する流路と合流部とが両側に隣接する流路を直列に連結するように、流路と合流部との間に介在させて形成された細流路(これらの隣接流路における流路軸方向と垂直な断面による断面積よりも小さい断面積を有する)からなり、送液制御機能を有する撥水バルブ部を設けることによって、送液合流のタイミングを制御することができる。
なお、本発明のマイクロチップでは、上記撥水バルブを合流部に直結する態様であることが好ましい。これにより、2以上の液体の合流タイミングを制御して、例えば合流する複数の液体の先頭部を合わせることにより、送液安定性を確保することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態、構成要素等について詳細な説明をするが、一例であり、本実施形態に限定するものではない。
(検査装置の構成)
本発明のマイクロチップは、種々の態様の検査装置に適応させることができるが、一例として、マイクロチップ内の化学反応の進行に応じて発せられる蛍光の発光量に基づいてマイクロチップ内の測定部の標的分子の存在や量を測定するマイクロ総合分析システムに適用した場合の例について説明する。
以下、図面に基づいて詳細な説明をするが、一例であり、本実施形態に限定するものではない。
〈外部構成〉
図4は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置80の外観図である。検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体と試薬とを自動的に反応させ、反応結果を自動的に出力する装置である。
検査装置80の筐体82には、マイクロチップ1を装置内部に挿入するための挿入口83、表示部84、メモリカードスロット85、プリント出力口86、操作パネル87、外部入出力端子88が設けられている。
検査担当者は、図4の矢印方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検査を開始させる。
開始操作に伴って、後述するように、検査装置80内にあるマイクロチップ1内では蛍光反応が開始され、蛍光の検出結果に基づく検査結果が表示部84に表示される。
検査結果は操作パネル87の操作により、プリント出力口86よりプリントを出力したり、メモリカードスロット85に挿入されたメモリカードに記憶したりすることができる。また、外部入出力端子88からケーブルを介して、パソコンなどに検査結果を転送し保存することができる。検査終了後、検査担当者はマイクロチップ1を挿入口83から取り出す。
〈内部構成〉
図5は、本発明のマイクロチップを用いる検査装置80の内部構成図である。図5においては、マイクロチップが図1に示す挿入口83から挿入され、セットが完了している状態を示している。
検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体及び試薬を送液するための駆動液11を貯留する駆動液タンク10、マイクロチップ1に駆動液11を供給するためのマイクロポンプ5、マイクロポンプ5とマイクロチップ1とを駆動液11が漏れないように接続するパッキン6、マイクロチップ1の必要部分を温調する温度調節ユニット3、マイクロチップ1を温度調節ユニット3及びパッキン6に密着させ、保持させるためのチップ押圧板2、チップ押圧板2を昇降させるための押圧板駆動部21、マイクロチップ1をマイクロポンプ5に対して正確に位置決めする規制部材22、マイクロチップ1内の検体と試薬との反応状態等を検出する光検出部4、等を備えている。
《チップ押圧板》
チップ押圧板2は、初期状態においては、図5に示す位置より上方に退避している。これにより、マイクロチップ1は矢印X方向に挿抜可能であり、検査担当者は挿入口83(図1参照)から規制部材22に当接するまでマイクロチップ1を挿入する。
その後、チップ押圧板2は、押圧板駆動部21により下降してマイクロチップ1に当接し、マイクロチップ1の下面が温度調節ユニット3及びパッキン6に密着される。これにより、マイクロチップ1のセットが完了する。
規制部材22、押圧板2、温度調節ユニット3及びパッキン6等で本発明のマイクロチップ収容部が構成される。また、チップ押圧板2の内部には、セットされたマイクロチップ1の被検出部125,126(図6参照。)を加熱するためのヒータ23が設けられている。ヒータ23は、本発明に係る加熱手段に相当する。
《温度調節ユニット》
温度調節ユニット3は、マイクロチップ1と対向する面にペルチェ素子31及びヒータ23を備え、マイクロチップ1が検査装置80にセットされたときに、ペルチェ素子31及びヒータ23がマイクロチップ1に密着するようになっている。試薬が収容されている部分をペルチェ素子31で冷却して試薬が変性しないようにしたり、検体と試薬とが反応する部分をヒータ23で加熱して反応を促進させたりする。
《光検出部》
光検出部4は、本発明の発光部としてのLED等の励起光源41、励起光源41から発せられた励起光の波長帯域を制限する励起光フィルタ42、励起光フィルタ42を透過した励起光をマイクロチップ1の2つの被検出部125,126(図6参照。)をカバーするサイズに適合したビームスポットに整形するための集光レンズ43、集光レンズ43を透過した励起光を反射してマイクロチップ1の2つの被検出部125,126に照射するとともに当該励起光により発せられたマイクロチップ1の被検出部125,126からの蛍光を透過するダイクロイック・ミラー44、ダイクロイック・ミラー44を透過した蛍光を受光部の47に導光するための受光レンズ45、受光レンズ45を透過した蛍光の波長帯域を制限する検出光フィルタ46、検出光フィルタ46を透過した蛍光を受光するフォトダイオード47からなる受光部等から構成されている。
《マイクロポンプ》
マイクロポンプ5は、ポンプ室52、ポンプ室52の容積を変化させる圧電素子51、ポンプ室52のマイクロチップ1側に位置する第1絞り流路53、ポンプ室の駆動液タンク10側に位置する第2絞り流路54、等から構成されている。第1絞り流路53及び第2絞り流路54は絞られた狭い流路となっており、また、第1絞り流路53は第2絞り流路54よりも長い流路となっている。
駆動液11を順方向(マイクロチップ1に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を急激に減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第1絞り流路53の方に支配的に押し出され送液される。次に、ポンプ室52の容積を緩やかに増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなり、ポンプ室52内には第2絞り流路54の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が順方向に送液されることになる。
一方、駆動液11を逆方向(駆動液タンク10に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を緩やかに減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第2絞り流路54の方に支配的に押し出され送液される。次に、ポンプ室52の容積を急激に増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内には第1絞り流路53の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が逆方向に送液されることになる。
(マイクロチップの構成)
図6は、本実施形態に係るマイクロチップ1の構成図である。一例の構成を示すものであり、これに限定されない。
図6(a)において矢印は、検査装置80にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であり、図3(a)は挿入時にマイクロチップ1の下面となる面を図示している。また、2つの被検出部125,126部に示した円は励起光のビームスポットを示す。図3(b)はマイクロチップ1の側面図である。
図6(b)に示すように、マイクロチップ1は流路形成基板108と、流路形成基板108を覆う蓋(被覆基板)109から構成されている。
流路形成基板108には、図3(c)に示すように、検体と試薬とをマイクロチップ1上で混合・反応させるための微細流路及び流路エレメントが配設されている。図3(c)では、微細流路を矢印で、流路エレメントを四角形で模式的に示している。
マイクロチップ1上には、以下の流路エレメントが設けられている。
駆動液注入部110a〜110eは、マイクロポンプから駆動液11を注入するための注入部である。
検体注入部113は、マイクロチップ1に検体を注入するための注入部である。
駆動液注入部110a〜110eの下流には、それぞれ、検体を収容する検体収容部120、標的遺伝子のポジティブコントロール用試薬収容部121、ネガティブコントロール用試薬収容部122、標的遺伝子を増幅するための酵素及び基質の収容部123、プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部124が設けられている。
なお、標的遺伝子及びその増幅産物は、本発明に係る標的分子に相当する。DNAプローブは、本発明に係る標的DNAとハイブリダイゼーション反応を起こす蛍光標識したプローブに相当する。ポジティブコントロール用試薬は、標的遺伝子として特定したいDNA配列を持つ試薬である。
標的遺伝子を増幅させるための試薬、ポジティブコントロール用試薬、ネガティブコントロール用試薬、プライマー及びDNAプローブは、各収容部に予め収容されている。
ポジティブコントロール用試薬とネガティブコントロール用試薬は、検査が正常に行われたか否かをモニタリングするための試薬である。
これらの各収容部は、マイクロチップ1を検査装置80にセットした際にペルチェ素子31に対向し、収容されている検体や試薬が変性しないように冷却される。
検体収容部120及びポジティブコントロール収容部121の下流には、標的遺伝子とポジティブコントロール用試薬を増幅させるための試薬とが反応して増幅産物を生成するための反応部125が設けられている。
また、ネガティブコントロール収容部122及び検体収容部120の下流には、標的遺伝子を増幅させるための試薬とが反応して増幅産物生成するための反応部126が設けられている。この反応部125、126は、被検出部を兼ね、本発明のマイクロチップ内の測定部位に相当する。
反応部125、126は、マイクロチップ1を検査装置80にセットした際にヒータ23に対向し、増幅促進のために過熱される。
反応部125、126には、123及び124の収納部からからの流路が合流し、増幅用試薬やプローブが同時もしくは、遂次供給される。
これら試薬の反応により、標的遺伝子の増幅と、増幅産物と蛍光プローブのハイブリダイゼーション反応及び蛍光物質とクエンチャーとの遊離反応も同時進行させ、増幅から蛍光物質生成までの反応を一括して進行させる。
被検出部125,126の窓にあたる蓋109は、光学的な検出を行うことができるよう、透明なガラスや樹脂等の材料から構成されている。
検体及び各試薬の流れについて説明する。まず、マイクロチップ1による検査を行うに先立って、検査担当者は検体を検体注入部113から注射器等を用いて注入する。検体注入部113から注入された検体は、連通する微細流路を通って検体収容部120に収容される。
次に、検体の注入されたマイクロチップ1は、検査担当者により図1に示す検査装置80の挿入口83に挿入され、図2に示すようにセットされる。これにより、マイクロポンプ5を駆動して駆動液注入部110a〜110eから駆動液11を注入することが可能となる。
駆動液注入部110aから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通って検体収容部120に収容されている検体が押し出され、被検出部125に検体が送り込まれる。
駆動液注入部110cから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通ってネガティブコントロール収容部122に収容されているネガティブコントロール用試薬(例えば純水)が押し出され、反応部(被検出部)126にネガティブコントロール用試薬が送り込まれ、先に送液された検体と混合する。
駆動液注入部110bから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通ってポジティブコントロール収容部121に収容されているポジティブコントロール用試薬(標的と同一のDNA配列箇所を持つ試薬)が押し出され、反応部(被検出部)125にポジティブコントロールが送り込まれ、先に送液された検体と混合する。
駆動液注入部110dと110eから駆動液11を注入し、連通する微細流路を通って収容部123、124から、標的遺伝子を増幅するための酵素及び基質とプライマー及び蛍光標識されたDNAプローブが、反応部(被検出部)125、126にそれぞれ送りこまれ、先に送液された検体・コントロール液の混合液と混合する。
その後、反応部(被検出部)125,126をヒータ32により加熱することでそれぞれの被検出部において標的遺伝子(及びポジティブコントロールDNA)の増幅と、増幅産物と蛍光プローブのハイブリダイゼーション反応及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応も同時進行させ、増幅から蛍光物質生成までの反応を一括して進行させる。
そして、被検出部125、126に光検出部4の励起光源41から励起光を照射し、被検出部125、126から発せられる蛍光を受光部47で受光することにより光検出を行うことが可能となる。
なお、被検出部125、126の検出結果を基に、検査の総合判定を行うルールの一例を次に記載する(表1参照)。
ポジティブコントロール用試薬は、その試薬単独でも、標的遺伝子と同等の増幅反応と蛍光プローブとのハイブリダイゼーション反応及び蛍光物質の生成反応を起こす。ネガティブコントロール用試薬は、その試薬単独では、蛍光物質の生成反応を起こさない。
これらの試薬を検体と混合した液で反応と検出を行うことで、検査結果の良否の判定が可能となる。
陽性すなわち検体に標的遺伝子が含まれる場合、ポジティブコントロール用試薬+検体、及びネガティブコントロール用試薬+検体のいずれも蛍光発光が測定される。
陰性すなわち検体に標的遺伝子が含まれない場合、ポジティブコントロール用試薬+検体は、ポジティブコントロール用試薬の反応による蛍光発光が測定されるが、ネガティブコントロール用試薬+検体は、反応が生じず蛍光が発光しない。これら2つのケースは、正常な反応を行った検査結果として扱うことができる。
一方、例えば、検体に反応の阻害物質が混入した場合などは、ポジティブコントロール用試薬+検体及びネガティブコントロール用試薬+検体のいずれも蛍光発光が生じない。
また、ポジティブコントロール用試薬+検体の蛍光発光無し、ネガティブコントロール用試薬+検体の蛍光発光は有りの様な検査結果が得られる場合は、チップに収容した試薬の失活などの異常が考えられる。これら2つのケースは、異常な反応を行った検査結果として、再検査を促すことが可能となる。
なお、マイクロチップ内での反応制御等について補足説明をする。
1)マイクロチップ内でDNA増幅や標的DNAと蛍光物質で修飾された標識プローブとの反応を制御・促進させる。
2)マイクロチップに設けた微細流路に、予め反応試薬を導入しておき、マイクロポンプによる送液制御で、所定の手順・時間・タイミングで、混合・分岐などの化学操作が自動的に進行する様に制御される。
3)反応を促進させたり、制御するために、試薬や混合試薬を温調する機構を設ける。
また、装置に搭載したヒータなどの温調機構により、チップを介して温度制御する。
4)チップ上の反応検出部は、標的DNAを検出するエリアの他に、試薬や反応の正常/異常、反応阻害物質の混入などを試験するためのポジティブコントロールやネガティブコントロールなどのモニタリング用の反応を併設する方が、確度を高めるために好ましい。
5)この様に、複数の反応を同時に検出するために、蛍光検出部を走査してチップ上の各検出部を測定できる様な構成にする。
6)なお、当該チップは、励起光を透過する分光透過特性を持つカバー部材(図6における蓋109及び被検出部の窓111c)を蛍光発光部の上面に有していることが好ましい。また、当該カバー部材は蛍光をも透過する分光透過特性を持っていることが好ましい。
図7は、本発明実施形態に係るマイクロチップ搭載状態の構成例を示す図である。図7(a)及び(b)は、それぞれマイクロポンプとマイクロチップの間にピッチ変換流路が介在しない例と介在する例を示している。なお、当該ピッチ変換流路の流路部材にも、本発明の構成を採ることで、前記発明の効果と同様の効果を得ることができる。
図8は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置の制御構成の要部を示す図である。本発明の制御に関係する主な構成要素について示している。
プログラムに従って検査装置80の制御を実行するCPU90を中心に、バス91により、ROM92、RAM93、不揮発性メモリ94、光検出部4、ペルチェ素子31、ヒータ23、表示部84、操作パネル87、等が相互に接続されている。
ROM92は、CPU90によって実行される各種制御プログラムやデータ等を記憶する。
RAM93は、CPU90によってワークエリアとして利用され、CPU90が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
不揮発性メモリ94は、光検出部4による検出結果等を記憶する。
CPU90がROM92に記憶されているプログラムに基づいて制御を実行する。本発明の制御部として機能する。
光検出部4、ペルチェ素子31、ヒータ23、表示部84及び操作パネル87についての説明は、前述したので省略する。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
<基板及び蓋板の形成>
図1に示すように、まず、厚さ760μmの表2に示した素材からなる基板上に、幅150μm、深さ25μmの流路をドライプラズマエッチングによって形成した。
また、厚さ200μmの表2に示した素材からなる蓋を作製した。
なお、シリカ蒸着シートはポリエチレンテレフタレートを基材とし、CVD法により蒸着を行った。
<接合層の形成>
ふっ素を含むコーティング剤(旭硝子株式会社製、商品名:サイトップCTL−809MD)を、低沸点ふっ素化合物系の分散溶媒(旭硝子株式会社製、商品名CT−SOLV1820)を用いて0.5質量%となるように希釈した。この希釈されたコーティング剤中に、上記の蓋を30秒間浸漬した後に引き上げて、蓋の表面に、厚さ0.8μmの膜を接合層として形成した。
<基板及び蓋板の接合>
上記基板と蓋とを重ね合わせ、30g/cm2の重しを載せて、恒温槽に挿入し、85℃×2時間のブリベークを行なった後、185℃×1時間の条件で熱処理し、表1示した各種マイクロチップを作製した。
この各種マイクロチップに、検査用として水を試料供給口から注入し、流路内を流通させ、気泡の発生度を観察し、比較試料を基準として相対評価した。結果を表2に示す。
表2に示した結果から明らかなように本発明のマイクロチップでは、気泡の発生が少なく優れていることが分かる。
なお、上記各種マイクロチップを図4に示した検査装置に適用し、比較したところ、本発明のマイクロチップを用いた場合においては、蛍光測定において、ノイズが少なく、発光強度の再現性の良い蛍光発光スペクトルが得られることにより、精度及び信頼性の高い検査ができることが確認された。

Claims (4)

  1. 基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれの酸素透過係数が、23℃/90%RHにおいて、3×10-14cm3(STP)cm/(cm2・sec・Pa)以下であることを特徴とするマイクロチップ。
  2. 基板上に加工・形成された流路、その流路面上に接合された蓋、及び撥水バルブを備えたマイクロチップであって、当該基板と蓋のそれぞれを構成する素材の主成分の凝集エネルギー密度が628J/cm3以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のマイクロチップ。
  3. 前記蓋が板状であって、その厚さが最大流路幅の1/5以上であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のマイクロチップ。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のマイクロチップと、マイクロポンプ、及び検出部を具備していることを特徴とする検査装置。
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