JP2005189105A - 生体関連物質検出用マイクロアレイ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中空繊維の中空部に形成されているゲル状物に窪みや空洞がない生体関連物質検出用マイクロアレイの提供。
【解決手段】 生体関連物質検出用マイクロアレイに使用する中空繊維の物性に水蒸気透過性抑制、酸素透過性抑制を持たせる。具体的には、中空繊維が水蒸気透過係数が250×10-13以下もしくは酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成され、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体、エチレン―ビニルアルコール共重合体がより好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 生体関連物質検出用マイクロアレイに使用する中空繊維の物性に水蒸気透過性抑制、酸素透過性抑制を持たせる。具体的には、中空繊維が水蒸気透過係数が250×10-13以下もしくは酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成され、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体、エチレン―ビニルアルコール共重合体がより好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は核酸等の生体関連物質を検出するために用いられる生体関連物質検出用マイクロアレイ及びその製造方法に関する。
近年、多数遺伝子の一括発現解析を可能とするDNAマイクロアレイ法(DNAチップ法)と呼ばれる分析法が開発されている。
このようなDNAマイクロアレイの例として、複数の区画を有し、各区画が中空繊維により形成されており、各区画にはキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されている生体関連物質検出用マイクロアレイが提案されている。
このマイクロアレイは、例えば以下の(1)〜(3)を順次行う方法により製造される。
(1) 複数本の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列をポリウレタン樹脂等の接着剤を用いて固定し、中空繊維束を製造する工程。
(2) キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を各中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する工程。
(3) 繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する工程。
この製造方法は、フォトリソグラフィー法やスポッティング法と比較して高価な製造設備を必要とせず、製造工程が簡略化できるという利点を有する。
また、これにより製造されたマイクロアレイは、所定長の中空繊維の中空部にキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されているため、単にシートの表面に保持させる場合と比較すると、一区画により多くの量のキャプチャープローブを保持することができる。さらには電気泳動によるハイブリダイゼーション反応を行うことができる。
国際公開第00/40942号パンフレット
国際公開第01/98781号パンフレット
しかし、上記のマイクロアレイは、中空繊維の中空部に形成されているゲル状物に窪みや空洞を生じている場合がある。また、中空繊維内壁とその中空部に形成されているゲル状物との界面に隙間を生じている場合がある。そのようなマイクロアレイを検査に使用した場合、空洞や隙間に検体が優先的に流れ、ゲル状物に保持されているキャプチャープローブの一部しか検体との反応に利用されない。
空洞や隙間が生じる原因として、酸素による重合阻害が考えられる。例えば、電気泳動用のポリアクリルアミドのスラブゲルを製造する際、予めゲル前駆体重合性溶液を脱気することは通常行われる操作である。
しかし、上述のマイクロアレイを製造する際、ゲル前駆体重合性溶液中に溶解している酸素を除去するだけでは不十分であることが分かった。
具体的には中空繊維に溶解している酸素や中空繊維束を製造する際に使用したポリウレタン樹脂等の包埋剤に溶解している酸素が中空繊維の中空部へ移動し、重合反応を阻害することがわかった。
また、通常行われている窒素置換等の脱気操作では、中空繊維に溶解している酸素やポリウレタン樹脂等に溶解している酸素を完全に除去することは非常に困難であることが分かった。
さらには、重合反応を行う際、前記溶液中の水分が中空繊維に浸透し中空部内から漏出することにより空洞や隙間が生じることが分かった。このような現象は予測もしえなかったことである。
本発明は上記の問題点を解決したマイクロアレイ及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討検討した結果、マイクロアレイに使用する中空繊維の物性に水蒸気透過性抑制、酸素透過性抑制を持たせることにより、上記問題が解決できることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、複数の区画を有し、各区画が有機材料からなる中空繊維もしくは複層の中空繊維により形成されており、各区画にはキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されている生体関連物質検出用マイクロアレイである。
また、本発明は、以下の(1)〜(3)の工程を順次行う工程を含む生体関連物質検出用マイクロアレイの製造方法である。
(1) 数本の有機材料からなる単層もしくは複層の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を製造する工程。
(2) キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を各中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する工程。
(3) 繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する工程。
さらに、本発明は、以下の(1)〜(3)の工程を順次行う工程を含む生体関連物質検出用マイクロアレイの製造方法である。
(1) キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を有機材料からなる単層もしくは複層の中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する工程。
(2) 各繊維軸が同一方向となるように複数本の中空繊維を3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を製造する工程。
(3) 繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する工程。
本発明により、中空繊維に保持されているゲル状物に空洞がなく、中空繊維内壁とゲル状物との界面には隙間がないマイクロアレイを提供することができる。そのようなマイクロアレイを検査等に使用することによりゲル状物に保持されているキャプチャープローブが有効に使用でき、検出感度が向上する。
本発明は、複数の区画を有し、各区画が有機材料からなる中空繊維により形成されており、各区画にはキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されている生体関連物質検出用マイクロアレイである。
また本発明は、複数の区画を有し、各区画が有機材料からなる複層の中空繊維により形成されており、各区画にはキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されている生体関連物質検出用マイクロアレイである。
本発明の「区画」とは、キャプチャープローブが保持される場である。それは有機材料からなる複層の中空繊維により形成されている。区画は一定間隔を以って、50区画/cm2以上でマイクロアレイに配置されている。区画の大きさは直径0.05〜2.0mmで円状である。
本発明の「有機材料」とは、有機高分子材料をいう。有機高分子材料としては、ポリウレタン、シリコン、エポシキ等のゴム材料、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の「中空繊維」とは1種の有機材料によって作製された中空繊維であり、「複層の中空繊維」とは、2種以上の有機材料が積層された中空繊維である。その層数は限定されない。各層は1種以上の有機材料で構成される。各層の材料は、中空繊維に保持される物質の種類、マイクロアレイの製造方法、生体関連物質の検出方法等により適宜選択される。各層の厚みは、1〜100μmである。好ましくは5〜50μmである。
複層の中空繊維は、水蒸気透過係数が250×10-13以下の有機材料で構成される層と酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成される層を有することが好ましい。単層の場合は1つの有機材料がこれらの水蒸気透過係数と酸素透過係数を満足し、複層の場合は少なくとも一層がこれらの水蒸気透過係数と酸素透過係数両者を満足する態様も含まれる。
水蒸気透過係数とは、材料をフィルム状に成型して膜の両側に一定の水蒸気の分圧差を与えた場合に、単位面積単位時間に透過する水蒸気の量として定義されcm3(273.15K;1.013×105Pa)×cm/(cm2×s×Pa)で表される(出典:J. Brandup, E. H. Immergut 「Polymer Handbook (5th Edition) 」 VI; Permeability and Diffusion data)。
水蒸気透過係数が250×10-13以下の有機材料としては、ポリビニルアルコール(5.25×10-13)エチレン―ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらの共重合体はその組成比によって水蒸気透過係数が変化する。本発明においては、上記透過係数を満たす組成比であれば組成比は限定されない。
酸素透過係数とは、材料をフィルム状に成型して膜の両側に一定の酸素の分圧差を与えた場合に、単位面積単位時間に透過する酸素の量として定義されcm3(273.15K;1.013×105Pa)×cm/(cm2×s×Pa)で表される(出典:J. Brandup, E. H. Immergut 「Polymer Handbook (5th Edition) 」 VI; Permeability and Diffusion data)。
酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料としては、ポリビニルアルコール、エチレン―ビニルアルコール共重合体挙げられる。これらの共重合体はその組成比によって酸素透過係数が変化する。本発明においては、上記透過係数を満たす組成比であれば組成比は限定されない。
また、各繊維の直線状態を保つため、繊維を配列する際に、各繊維に張力を付与する場合がある。そのような場合、中空繊維の少なくとも1層を構成する材料は、機械的特性に優れた材料を含むことが好ましい。機械的特性に優れた材料とは、弾性率が高く、降伏強度が大きく、破断伸度が大きい材料である。そのような材料としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂及びエチレン―ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
好ましい中空繊維としては少なくとも1層がエチレン―ビニルアルコール共重合体の中空繊維である。またより好ましい形態としては機械的強度を保つ為にポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂を他層に用いる中空繊維である。
複層の中空繊維は、複合紡糸法、パイプによるプリフォーム延伸法、コーティング法等により製造される。これらの方法のうち、複合紡糸法及びパイプによるプリフォーム延伸法は、複層構造を1段のプロセスで形成できることから、生産性の観点で好ましい。
また、繊維の内壁とゲル状物との親和性を向上させ、ゲル状物の剥離を防止することを目的として、中空繊維の内壁を、親水性基を有するポリマー等で処理することも可能である。親水性基を有するポリマーとしては、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、アニオン基等を有するポリマー、またはノニオン性ポリマーが挙げられる。
本発明の「ゲル状物」とは、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アクリロイルアミノプロパノール、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸及びアリルデキストリン等から選択される単量体の一種類以上、並びにメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体の1種と共重合した架橋重合体を水等で膨潤させたものをいう。
単量体成分の濃度は単量体の種類にもよるが、例えばアクリルアミド系単量体の場合は2〜20質量%程度である。
本発明の「キャプチャープローブ」とは、核酸、アミノ酸、ペプチド、糖、脂質、抗体、さらには化学結合、物理結合などの相互作用により生体関連物質を検出しうる有機化合物、無機化合物等をいう。
例えば、核酸を用いる場合、生細胞からのDNAの調製は、Blinらの方法(Nucleic Acids Res.3.2303(1976))等により行うことができ、また、RNAの抽出については、Favaloroらの方法(Methods.Enzymol.65.718(1980))等により行うことができる。
本発明の、「保持」とは、上述のゲル状物にキャプチャープローブが化学的に又は物理的に固定されている状態をいう。
「化学的に固定する」とは、上述の単量体成分に生体関連物質を直接結合することをいう。例えば、核酸の末端にビニル基を導入し、アクリルアミド等の単量体と共重合させる方法が挙げられる(WO 98/39351号公報参照)。
また、「物理的に固定する」とは、ゲル状物中に生体関連物質が包括固定することをいう。例えば、ビオチン化した核酸とアビジン化したアガロースビーズ(シグマ社製 アビジン化アガロース等)を反応させ、核酸が固定化されたアガロースビーズを得、この核酸固定化アガロースビーズをアクリルアミドゲル等に包括固定化する方法が挙げられる。
本発明においては、2つの製造方法が提供される。いずれの製造方法も3つの工程を含む。まず第1番目の製造方法について説明する。
第1の工程では、複数本の有機材料からなる単層もしくは複層の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を製造する。
そのような中空繊維束の製造方法としては、例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11-108928号公報参照)が挙げられる。
また、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ねあわせ、それらの孔部に、中空繊維を通過させ、2枚の多孔板の間隔を開き、2枚の多孔板間の、中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させ硬化させる方法(特開2001-133453号公報参照)が挙げられる。
「固定」とは接着剤等を用いて各中空繊維の配列が乱れないような状態にすることをいう。接着剤としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、隣接する中空繊維の外表面を相互に融着することによって中空繊維束を固定することもできる。
固定は、配列した中空繊維の全長又刃所定部分に対して行う。配列した中空繊維の少なくとも一方の端部から適当な長さの部分は固定しない状態としても良い。この場合、後述する中空繊維の中空部内へのゲル前駆体重合性溶液の導入操作が容易となる。
中空繊維の本数は目的に応じて適宜設定できる。例え10〜1000本程度である。各中空繊維の配列の間隔は中空繊維の外径や本数に応じて適宜設定される。また、その間隔は一定であることが好ましい。
第2の工程において、第1の工程で得られた中空繊維束の各中空繊維の中空部にキャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する。
「ゲル前駆体重合性溶液」とは、キャプチャープローブの他に前述の単量体、多官能性単量体、重合開始剤、及び水等を含むものである。
キャプチャープローブは目的応じて必要な種類(数)が準備される。例えば、中空繊維の本数と同一の数のキャプチャープローブを準備し、各中空繊維に互いに異なる1種類のキャプチャープローブを導入することができる。また、複数本の中空繊維に同じキャプチャープローブを導入することもできる。
また、ゲル前駆体重合性溶液は予め脱気しておくことが好ましい。さらには、第1の工程で製造した中空繊維束を予め脱気しておくことが好ましい。
ゲル前駆体重合性溶液は、真空吸引法等によって中空繊維の中空部へ導入される。例えば、まず中空繊維束とゲル前駆体重合性溶液をデシゲーター内に設置する。次いで、中空繊維束の中空繊維が固定されていない端部を、この溶液中に浸し、デシゲーター内を減圧状態し、中空繊維の中空部内にこの溶液を導入する。
導入後、ゲル前駆体重合性溶液を含む中空繊維束を加熱することにより重合反応を開始する。重合温度は使用する単量体等により適宜選択される。
第3の工程において、重合反応終了後の中空繊維束を繊維の長手方向に交叉する方向で、通常は直交する方向で、切断して薄片化を行う。
中空繊維束の切断は、ミクロトーム、レーザー、等を使用することができる。得られる薄片の厚みは、5mm以下であり、好ましくは0.1mm〜1mmである。
次いで第2番目の製造方法について説明する。この製造方法では第1番目の製造方法の、第1の工程と第2の工程の順序が逆にされる。
即ち、まずキャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を有機材料からなる複層の中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する。次いで、各繊維軸が同一方向となるように複数本の中空繊維を3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を得る。最後にその中空繊維束を繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する。
その場合、重合反応、中空繊維束の製造方法、切断方法は第1番目の製造方法に準じて行う。
上記のごとく製造されたマイクロアレイは例えば特定の遺伝子検出のためのツールとして使用される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
(1)複層の中空繊維の製造
溶融紡糸法を用いてエチレン―ビニルアルコール共重合体(外径300μm、内径300μm)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の複合中空繊維を作製した。外層はPMMA、内層はエチレン―ビニルアルコール共重合体とした。
(1)複層の中空繊維の製造
溶融紡糸法を用いてエチレン―ビニルアルコール共重合体(外径300μm、内径300μm)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の複合中空繊維を作製した。外層はPMMA、内層はエチレン―ビニルアルコール共重合体とした。
(2)中空繊維束の製造
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図中のx、y、zは直交の3次元軸であり、Z軸は繊維の長手方向と一致する。
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図中のx、y、zは直交の3次元軸であり、Z軸は繊維の長手方向と一致する。
まず、直径0.32mmの孔52が、孔の中心間距離を0.12mmとして、縦横各10列で合計100個設けられた厚さ0.1mmの多孔板(50)2枚を準備した。これらの多孔板50を重ね合わせて、そのすべての孔52に、(1)で得られた中空繊維54を1本づつ、通過させた。
Z軸方向に各繊維54に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板50の位置を移動させて、中空繊維54の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に固定した。即ち、2枚の多孔板50の間隔を80mmとした。
次いで、多孔板間の空間の周囲3面を板状物56で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。
次に、この容器の上部から容器内に樹脂原料を流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)ニッポラン4276、コロネート4403)の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。次いで多孔板50と板状物56を取り除き、中空繊維束を得た。
得られた中空繊維束をデシケーター中に入れ内部を窒素置換した後、16時間静置することで、ポリウレタン樹脂接着剤中の酸素濃度を低下させた。
(3)キャプチャープローブの製造
合成機DNA/RNA synthesizer (model394)(PEバイオシステムズ社製)を用いて、GCATの集束のオリゴヌクレオチドを合成した。これらは、一般的手法によって脱保護及び精製して使用した。
合成機DNA/RNA synthesizer (model394)(PEバイオシステムズ社製)を用いて、GCATの集束のオリゴヌクレオチドを合成した。これらは、一般的手法によって脱保護及び精製して使用した。
得られたGCAT(500nmol/ml)50μl、グリシジルメタクリレート 5μl及びジメチルホルムアミド(DMF)5μlを混合し、70℃で2時間反応させ、水190μlを加えて、100nmol/mlのメタクリレート基を有するGCAT(MA-GCAT)を得た。
(4)ゲル前駆体重合性溶液の重合
次に、以下に示すの質量比で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液を調製した。
(4)ゲル前駆体重合性溶液の重合
次に、以下に示すの質量比で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液を調製した。
・アクリルアミド 9質量部
・N,N′−メチレンビスアクリルアミド 1質量部
・2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(V-50)0.1質量部
・水 90質量部
この溶液に対して、(3)で調製したMA-GCATを0.5nmol/Lとなるように添加した。
・N,N′−メチレンビスアクリルアミド 1質量部
・2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(V-50)0.1質量部
・水 90質量部
この溶液に対して、(3)で調製したMA-GCATを0.5nmol/Lとなるように添加した。
次に、キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を前述のデシケーター内に設置した。デシケーター内を減圧状態にしたのち、中空繊維束の繊維束が固定されていない一方の端部をこの溶液中に浸漬した。デシケーター内に窒素ガスを封入し、中空繊維の中空部にキャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を導入した。
次いで、容器内を70℃とし、3時間かけて重合反応を行った。
このようにしてキャプチャープローブがゲル状物を介して中空繊維の中空部に保持された中空繊維束を得た。
(5)薄片化
(4)で得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向でスライスし、厚さ0.5mmの薄片シート50枚を得た。スライス時に中空繊維からゲル状物は脱落しなかった。
(4)で得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向でスライスし、厚さ0.5mmの薄片シート50枚を得た。スライス時に中空繊維からゲル状物は脱落しなかった。
得られた薄片シート50枚について、ゲル状物の形態、中空繊維内壁とゲル状物との界面を実体顕微鏡で観察した。
その結果、すべてのシートで、中空繊維の中空部にゲル状物が保持されており、中空繊維内壁とゲル状物との界面には隙間がないことを確認した。また、ゲル状物には空洞はなかった。
<比較例1>
溶融紡糸法により、ポリプロピレン製の中空繊維(外径0.3mm、内径0.2mm、長さ150mm)を製造した。その中空繊維を使用して、実施例1の(2)〜(5)と同様の操作を行った。その結果、実施例1の(2)の工程において、X軸方向に0.1Nの張力をかけた際、糸の降伏強度が小さいため、糸が伸びた。糸の直径が不均一となったため、中空繊維束を製造することができなかった。
溶融紡糸法により、ポリプロピレン製の中空繊維(外径0.3mm、内径0.2mm、長さ150mm)を製造した。その中空繊維を使用して、実施例1の(2)〜(5)と同様の操作を行った。その結果、実施例1の(2)の工程において、X軸方向に0.1Nの張力をかけた際、糸の降伏強度が小さいため、糸が伸びた。糸の直径が不均一となったため、中空繊維束を製造することができなかった。
<比較例2>
溶融紡糸法により、低密度ポリエチレン製中空繊維(外径0.3mm、内径0.2mm、長さ150mm)を製造し、実施例1の(2)〜(5)と同様の操作を行った。その結果、重合反応が完結せず、中空繊維の中空部はゾル状態となっていた。
溶融紡糸法により、低密度ポリエチレン製中空繊維(外径0.3mm、内径0.2mm、長さ150mm)を製造し、実施例1の(2)〜(5)と同様の操作を行った。その結果、重合反応が完結せず、中空繊維の中空部はゾル状態となっていた。
原因は、中空繊維やポリウレタン樹脂に溶解している酸素が重合を阻害したためと思われる。
1 配列固定器具
11 孔
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物
11 孔
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物
Claims (15)
- 複数の区画を有し、各区画が中空繊維により形成されており、各区画にはキャプチャープローブがゲル状物を介して保持されているマイクロアレイにおいて、中空繊維が、水蒸気透過係数が250×10-13以下もしくは酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成されることを特徴とする生体関連物質検出用マイクロアレイ。
- 中空繊維が、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体で構成されている請求項1記載のマイクロアレイ。
- 中空繊維が、エチレン―ビニルアルコール共重合体で構成されている請求項1記載のマイクロアレイ。
- 中空繊維が複層構造をもつことを特徴とする請求項1記載のマイクロアレイ。
- 複層の中空繊維が、水蒸気透過係数が250×10-13以下の有機材料で構成される層と、酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成される層を有する請求項4記載のマイクロアレイ。
- 複層の中空繊維の少なくとも1層が、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体で構成されている請求項4又は5記載のマイクロアレイ。
- 複層の中空繊維の少なくとも一層が、エチレン―ビニルアルコール共重合体で構成されている請求項4又は5記載のマイクロアレイ。
- 以下の(1)〜(3)の工程を順次行う工程を含む生体関連物質検出用マイクロアレイの製造方法。
(1) 複数本の有機材料からなる単層もしくは複層の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を製造する工程。
(2) キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を各中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する工程。
(3) 繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する工程。 - 以下の(1)〜(3)の工程を順次行う工程を含む生体関連物質検出用マイクロアレイの製造方法。
(1) キャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液を有機材料からなる単層もしくは複層の中空繊維の中空部に導入し、重合反応を行い、キャプチャープローブが保持されたゲル状物を生成する工程。
(2) 各繊維軸が同一方向となるように複数本の中空繊維を3次元に配列し、その配列を固定して、中空繊維束を製造する工程。
(3) 繊維の長手方向に交叉する方向で、切断して中空繊維束を薄片化する工程。 - 中空繊維が、水蒸気透過係数が250×10-13以下もしくは酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成される層を有する請求項8又は9記載の製造方法。
- 複層の中空繊維の少なくとも一層が、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体で構成されている請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 複層の中空繊維の少なくとも一層が、エチレン―ビニルアルコール共重合体で構成されている請求項8〜10のいずれかに記載のマイクロアレイの製造方法。
- 複層の中空繊維が、水蒸気透過係数が250×10-13以下の有機材料で構成される層と、酸素透過係数が0.3×10-13以下の有機材料で構成される層を有する請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 複層の中空繊維の少なくとも一層が、ポリビニルアルコールまたはそれを含む共重合体で構成されている請求項9,10及び14のいずれかに記載の製造方法。
- 複層の中空繊維の少なくとも一層が、エチレン―ビニルアルコール共重合体で構成されている請求項9,10及び14,15記載のマイクロアレイの製造方法。
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JP2003430908A JP2005189105A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 生体関連物質検出用マイクロアレイ及びその製造方法 |
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Cited By (1)
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WO2009054254A1 (ja) * | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | マイクロチップとそれを用いた検査装置 |
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2003
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WO2009054254A1 (ja) * | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | マイクロチップとそれを用いた検査装置 |
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