JPWO2009044541A1 - 携帯無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

筐体アンテナ20は、第1の導体部7、接地導体部9、及び第1の給電部2で構成される。第1の導体部7は、二つ折り携帯電話の上側筺体の地板である。接地導体部9は、二つ折り携帯電話の下側筺体の地板である。1/2波長スロットアンテナ30は、第1の導体部7、第2の導体部8、3つの短絡導体部10〜12、及び第2の給電部3で構成される。第1の給電部2は、筺体アンテナ20の給電部である。第2の給電部3は、1/2波長スロットアンテナ30の給電部である。第1及び第2の給電部2及び3は、無線通信回路4に接続され、無線通信を可能にする。

Description

本発明は、携帯電話機等を用いた移動体通信において、通信容量を増大させて高速通信を実現しつつ通信品質を良好に保つように制御される無線通信装置用のアンテナ装置に関し、特にMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナを備えた無線通信装置に関する。
複数のアンテナを用いて複数のチャンネルの無線信号を同時に送受信するMIMO(Multi−Input Multi−Output)技術を採用したアンテナ装置として、例えば特許文献1に開示されたMIMOアンテナ装置がある。
特許文献1に記載の従来のMIMOアンテナ装置は、等間隔に配置された4つのアンテナ素子群と、本体部とにより構成されている。各アンテナ素子群は、互いに異なる偏波方向を有する4つのアンテナ素子をそれぞれ備えて構成される。一方、本体部は、各アンテナ素子に接続されたスイッチ部と、スイッチ部を介して受信信号を受信する信号受信部と、スイッチ部に対する制御信号を生成するアンテナ制御部と、アンテナ素子の組み合わせを生成し、選択素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ選択部と、アンテナ選択部によって生成されたアンテナ素子によって受信された受信信号に基づいて、特定のアンテナ素子の組み合わせを決定し、決定素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ決定部とで構成される。
この従来のMIMOアンテナ装置は、この構成により、各アンテナ素子群から1つずつアンテナ素子を選択するようにアンテナ素子の組み合わせを決定することで、アンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を十分に確保することを目的としている。
すなわち、従来のMIMOアンテナ装置では、複数のアンテナ素子が同時に動作して各アンテナ素子ができるだけ大きな受信電力を得ることが、MIMO復調した後の複数の信号系列に係る合計の伝送速度の高速化につながる。特許文献1に記載のMIMOアンテナ装置では、MIMOの同時通信チャンネル数より多くのアンテナ素子を備え、そのうちの受信信号強度の大きいアンテナ素子を選択してMIMO復調を行うことにより、このことを達成している。
このようなアンテナ素子の選択は、移動体通信において、移動局(使用者)の移動や周囲環境の時間的変化により主偏波及び交差偏波の信号強度が時間的に変化したり到来角度が変化したりする場合に、特に有効である。また、偏波特性の異なるアンテナ素子を用いることで偏波方向の変化に対処し、アンテナ素子を切り替えるように制御することにより時間的変化を克服することができる。
以上により、特許文献1に記載のMIMOアンテナ装置は、複数のアンテナ素子によりそれぞれ構成された複数のアンテナ素子群を備え、スイッチ部を用いて、最も相関の低いアンテナ素子の組み合わせ、もしくは最も伝送容量の大きいアンテナ素子の組み合わせを選択することにより、アンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を向上させることが可能となる。
さらに、特許文献2及び3を参照して、携帯無線装置の一部をアンテナとして用いる携帯無線装置の一例について説明する。
特許文献2に記載の携帯無線装置は、携帯無線装置の一部の筺体導体をアンテナの一部として動作せることで、アンテナとしての専用部品を必要とすることなく、部品点数を削減して製造コストを軽減し、薄型化及び軽量化することを目的としている。さらに、筺体の自体をアンテナとすることにより、より大きなアンテナを構成することが可能になり、アンテナの高感度化が期待できる。このように特許文献2に記載の携帯無線装置によれば、小型化が望まれる携帯端末において、筺体導体をアンテナの一部として動作せることにより、高品位な無線通信を実現することが期待できる。
特許文献3に記載の携帯電話機は、使用者の手の状態による利得変化を小さくすることを目的とし、折り畳み可能な携帯電話機1において、上部ケース3内のシールドボックス14と下部ケース4内の送信回路15の出力端子とをフレキシブルケーブル9で接続し、シールドボックス14をアンテナとして使用する構成が開示されている(特許文献3の図3)。このように、シールドボックス14をアンテナとして使用する構成とすることで、使用者の手の状態による利得変化を小さくすることができる。
特開2004−312381号公報 特開2004−274730号公報 特許第3830773号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の従来のMIMOアンテナ装置には、以下のような問題があった。
この従来のMIMOアンテナ装置は、できるだけ大きな受信電力を得るために、前述のように、MIMOの同時通信チャンネル数より多くのアンテナ素子を備え、そのうちの受信信号強度の大きいアンテナ素子を選択してMIMO復調を行う構成を有している。しかし、携帯電話機のような1波長もしくはそれ以下のサイズの小型機器には、複数のアンテナ素子群を搭載する場合にはアンテナ間隔が近くなり、偏波の揃ったアンテナ間でアレーを構成することでMIMO通信を行うために、アンテナ間の相互結合による放射効率の劣化が問題になる。
一方、特許文献2に記載の従来の携帯無線装置には、以下のような問題があった。
この従来の携帯無線装置では、筺体導体の一部をアンテナとして用いることで小型化を図り、かつ、アンテナ単体もしくはスロットアンテナとの切り替えダイバーシチに適した構造を提案している。しかしながら、切り替えダイバーシチにおいても動作するアンテナが1つであり、アンテナ間の相互結合は問題にならないため、相互結合を低減させるアンテナ構成について考慮されていない。すなわち、同時に動作する複数のアンテナが必要となるMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナにおいて、特許文献2に記載の携帯無線装置をMIMOアンテナに用いることはできない。
括弧
また、特許文献3に記載の携帯電話機に記載の従来のアンテナにおいても、アンテナ単体のみの動作を想定しており、複数のアンテナを同時に動作するMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナの構成は考慮されていない。
それ故に、本発明の目的は、小型形状であっても、複数の給電アンテナ素子が同時に良好な受信状態を維持するようにアンテナ間の相互結合が小さい移動体用の無線通信装置を提供することである。
本発明は、複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の一態様は、矩形形状の第1の導体部と、第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、第1の導体部のいずれか3辺と、この3辺と対向する第2の導体部の3辺とを、それぞれ電気的に接続する3つの短絡導体部と、第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、無線通信回路とを備え、第1の導体部と接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、第1の導体部上の第1の給電点と無線通信回路とを接続することで、第1の導体部及び接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、第1の導体部と第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、第2の導体部上の第2の給電点と無線通信回路とを接続することで、第1の導体部、第2の導体部、及び短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる。
3つの短絡導体部が接続されない1辺の長さを、通信信号波長の1/2の長さに設定すれば、第2のアンテナ素子を1/2波長スロットアンテナとして動作させることができる。なお、隣接する2つの短絡導体部だけを第1及び第2の導体部に接続し、2つの短絡導体部が接続されない2辺の長さの合計長を、通信信号波長の1/2の長さを設定しても構わない。また、導電性材料で形成されている携帯無線通信装置のケースの一部を、第1の導体部として用いてもよい。また、無線通信回路が、第1の導体部上に実装されていてもよい。
なお、異なる2つの周波数で1つの第2のアンテナ素子を動作させたい場合には、各周波数に応じていずれか1つの短絡導体部を切り換え制御すればよい。この場合のいずれか1つの短絡導体部には、インダクタとキャパシタによる並列共振回路や、制御部で制御されるスイッチ回路等が考えられる。
ここで、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、合成された無線信号を復調すると共に、第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するようにアダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置をアダプティブアンテナとして動作させることができる。
また、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置を選択ダイバーシチアンテナとして動作させることができる。
また、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するようにアダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置を合成ダイバーシチアンテナとして動作させることができる。
さらには、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置をMIMOアンテナとして動作させることができる。
上記本発明によれば、アンテナの部品点数を大幅に増加させることなく、アレーアンテナを小型端末に実現することが可能になる。また、筺体自体をアンテナとすることでアンテナを極力大型化することが可能になる。また、スロットアンテナの短絡辺を筺体アンテナの給電部に面するように配置することで、アンテナ間の相互結合の低減が実現できる。さらに、アンテナの放射指向性を異なるように配置することにより、アンテナ間の相関係数を下げることができる。これにより、アレーアンテナとしての性能向上が期待でき、よりよいMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナの動作を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の内部構成を示す図 図2は、筺体アンテナ20の構成を示す図 図3は、筺体アンテナ20の電流の向き、電界の向き、及び放射パターンの概略図 図4は、1/2波長スロットアンテナ30の構成を示す図 図5は、1/2波長スロットアンテナ30に励起される電界の向き及び放射パターンの概略図 図6は、筺体アンテナ20の試作例を説明する図 図7は、図6の筺体アンテナ20のインピーダンス特性を示す図 図8は、図6の筺体アンテナ20の放射パターンを示す図 図9は、1/2波長スロットアンテナ30の試作例を説明する図 図10は、図9の1/2波長スロットアンテナ30のインピーダンス特性を示す図 図11は、図9の1/2波長スロットアンテナ30の放射パターンを示す図 図12は、両アンテナを組み合わせたアンテナアレーの試作例を示す図 図13は、図12のアンテナアレーのインピーダンス特性を示す図 図14は、図12のアンテナアレーの反射特性と相互結合特性を示す図 図15は、アンテナアレーにおける筺体アンテナ20の放射指向性を示す図 図16は、アンテナアレーにおける1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性を示す図 図17は、本発明の第1の実施形態に係る他の携帯無線通信装置の内部構成を示す図 図18は、本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置に用いられる短絡導体部12の具体的な回路例を示す図 図19は、図18に示す回路のスミスチャート 図20は、短絡導体部12を実現するための他の具体的な回路例を示す図 図21は、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示す図 図22は、図21のコントローラ103によって実行されるアダプティブ制御処理を示すフローチャート 図23は、本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図 図24は、本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図 図25は、本発明の第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構成を示す図
符号の説明
2、3 給電部
4 無線通信回路
5、6 給電線路
7、8 導体部
9 接地導体部
10〜12 短絡導体部
20 筐体アンテナ
30 スロットアンテナ
41 インダクタ
42 キャパシタ
43 スイッチ
100a〜d、201、202、401a〜c、501a〜c、507 アンテナ素子
101、502 A/D変換回路
102 アダプティブ制御回路
103、405、505 コントローラ
104a〜d、402a〜c 可変増幅器
105a〜d、403a〜c 可変移相器
106、406 信号合成器
107 復調器
109 判定器
203、204 処理回路
205、206 検波器
207 信号品位モニタ回路
208 選択回路
404a〜c 受信信号検波器
503 MIMO復調回路
504 信号レベル比較回路
506 無線送信回路
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するための図面全体にわたり、同様の作用を有する構成要素は同一の符号を付与し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の内部構成を示す正面図及び側面図である。図1において、第1の実施形態に係る携帯無線通信装置は、第1及び第2の給電部2及び3と、無線通信回路4と、第1及び第2の給電線路6及び5と、第1及び第2の導体部7及び8と、接地導体部9と、3つの短絡導体部10〜12とを備える。第1の導体部7と第2の導体部8とは、同一の矩形形状をしている。
この第1の実施形態に係る携帯無線通信装置は、筺体導体の一部をアンテナとして用いる筺体アンテナと、この筺体導体の一部を地板とする1/2波長スロットアンテナとを、アンテナアレーの構成で備えている。第1の給電部2は、第1の給電線路6を介して筺体アンテナに電源を供給する給電部である。第2の給電部3は、第2の給電線路5を介して1/2波長スロットアンテナに電源を供給する給電部である。第1及び第2の給電部2及び3は、無線通信回路4に接続され、無線通信を可能にする。この無線通信回路4には、フィルタや増幅器や周波数変換ミキサー等の高周波回路、及び変調器や復調器等のベースバンド回路が含まれている。
まず、図2及び図3を用いて筐体アンテナ20の動作を、図4及び図5を用いて1/2波長スロットアンテナ30の動作を、それぞれ説明する。
図2に、筐体アンテナ20の概略構成を示す。この筐体アンテナ20は、第1の導体部7、接地導体部9、及び第1の給電部2で構成される。第1の導体部7は、二つ折り携帯電話の上側筺体の地板である。接地導体部9は、二つ折り携帯電話の下側筺体の地板である。第1の給電部2は、第1の導体部7と接地導体部9とを接続するヒンジ部分に設けられる。
図3に、筺体アンテナ20の電流の向き、電界の向き、及び放射パターンの概略図を示す。図3に示したように、筺体アンテナ20には、第1の導体部7と接地導体部9とに高周波電流24が流れ、これにより電波が放射される。電流の流れ方はダイポールアンテナと同様であるため、紙面(ZY面)に対して8の字指向性25となり、紙面に垂直な面(XY面)において無指向性となる、放射指向性が得られる。なお、放射電波の電界の向き26は、高周波電流24と平行である。
図4に、1/2波長スロットアンテナ30の構成を示す。この1/2波長スロットアンテナ30は、第1の導体部7、第2の導体部(上面導体部)8、3つの短絡導体部10〜12、及び第2の給電部3で構成される。第1の導体部7は、第2の導体部8と所定の間隔を空けて平行に配置され、この所定の間隔を幅とする3つの短絡導体部10〜12を通じて、3辺がそれぞれ電気的に接続されている。すなわち、1/2波長スロットアンテナ30は、短絡導体部10を底面とし、短絡導体部11、短絡導体部12、第1の導体部7、及び第2の導体部8を側面とする升型の形状をしている。第2の給電部3は、第1の導体部7と第2の導体部8との間において給電を行う。この1/2波長スロットアンテナ30では、短絡導体部10〜12が接続されていない第1の導体部7(又は第2の導体部8)の1辺の長さ(破線a)が、通信信号波長の1/2の長さに設計される。
なお、本第1の実施形態では、升型形状の1/2波長スロットアンテナ30を説明しているが、短絡導体部11又は短絡導体部12を無くすことができる。すなわち、短絡導体部10及び12が接続されていない第1の導体部7の2辺の長さ(破線aと破線b)の合計長を通信信号波長の1/2の長さに設計すれば、短絡導体部11は不要となる。また、短絡導体部10及び11が接続されていない第1の導体部7の2辺の長さ(破線aと破線c)の合計長を通信信号波長の1/2の長さに設計すれば、短絡導体部12は不要となる。
図5に、1/2波長スロットアンテナ30に励起される電界の向き及び放射パターンの概略図を示す。図5に示したように、1/2波長スロットアンテナ30には、第2の給電部3による給電で、第1の導体部7と第2の導体部8との間に電界35が生じ、かつ短絡導体部10が反射板として動作するため、Z方向に強い放射指向性36が得られる。
次に、図6〜図11を用いて筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30の試作例を、それぞれ説明する。
図6は、筺体アンテナ20の試作例である。この試作例では、第1の導体部7及び接地導体部9の形状を共に45mm×90mmの長方形とし、第1の導体部7と接地導体部9との間を5mmとしている。また、図7及び図8に、インピーダンス特性(入力VSWR)及び放射パターン(XY面)を示す。図7から、筺体アンテナ20が1.4GHzで共振していることがわかる。なお、図8は、周波数が1.6GHzである場合の放射パターンである。この図8から、X方向に若干強い指向性が得られていることがわかる。これは、給電部がアンテナに対して対称でないためである。しかしながら、ほぼ無指向性が得られていることがわかる。
図9は、1/2波長スロットアンテナ30の試作例である。この試作例では、第1の導体部7及び第2の導体部8を45mm×90mmの長方形と、短絡導体部10を90mm×5mmの長方形と、短絡導体部11及び12を45mm×5mmの長方形としている。また、図10及び図11に、インピーダンス特性(入力VSWR)及び放射パターン(XY面)を示す。図10から、1/2波長スロットアンテナ30が1.6GHzで共振していることがわかる。図11は、周波数が1.6GHzである場合の放射パターンである。この図11から、Y方向に若干強い指向性が得られていることがわかる。これは、図5に示したように、短絡導体部10が反射板として動作するためである。
以上のように、筺体アンテナ20と1/2波長スロットアンテナ30とは、放射指向性が異なるためにアンテナ間の相関係数が低いことが想定される。従って、MIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナ、及び最大比合成等のアレーアンテナとして良好なアレー特性が得られることが期待できる。
次に、筺体アンテナ20と1/2波長スロットアンテナ30とを組み合わせて構成したアンテナアレーを説明する。
図12は、図6の筺体アンテナ20と図9の1/2波長スロットアンテナ30とを組み合わせて構成したアンテナアレーの試作例である。また、図13に、両アンテナのインピーダンス特性(入力VSWR)を示し、図14に、両アンテナの反射特性と相互結合特性(アンテナ間通過特性)を示す。
図13から、アンテナアレーが1.6GHzで共振していることがわかる。図13を図7及び図10と比較すると、アンテナアレーのインピーダンス特性は、単体のインピーダンス特性とほとんど変化していないことがわかる。すなわち、アンテナアレーを構成する2つのアンテナは、他方のアンテナからの影響を相互に受け難いことがわかる。これは、筺体アンテナ20の第1の給電部2と1/2波長スロットアンテナ30の第2の給電部3との間に設けた短絡導体部10〜12によって、遮蔽効果が向上したためである。
これにより、アンテナを単体ごとに設計することが可能になり、設計の容易性が増す効果がある。さらに、図14から、相互結合特性は−35dB以下であることがわかる。従って、一方のアンテナの電力が他方のアンテナに吸収される電力は1/10以下となり、一方のアンテナの放射効率の劣化は−0.5dB以下となって、劣化の少ない良好な放射効率が得られる。
図15及び図16に、アンテナアレー時の筺体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性を示す。単体時と比較すると、図16の1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性が若干小さくなっているが、筺体アンテナ20共に単体時と同様の指向性が得られ、アンテナアレー化による指向性の変化は小さいことがわかる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置によれば、アンテナ間相互結合が小さく、指向性が異なり良好なアレー特性が得られ、かつ、小型携帯無線装置に最適なアンテナを実現できる。
なお、上記第1の実施形態では、無線通信回路4が接地導体部9上に実装されている例を説明した。しかし、図17に示すように、無線通信回路4は、第1の導体部7上に実装されてもよい。このような構成にすることにより、第2の給電部3へ配線される第2の給電線路5が短くなるという効果がある。また、第1の導体部7が、第1の給電部2及び第2の給電部3の共通グランドとなるため、グランドの安定化及び構造の簡素化を実現できるという利点もある。
また、上記第1の実施形態では、図1に示す二つ折り構造の携帯無線通信装置を一例に挙げて説明したが、他の様々な構造(ストレート型やスライド型)の携帯無線通信装置にも、本発明のアンテナアレー構成を適用可能である。
さらに、携帯無線通信装置のケースの一部が導電性材料で形成されていれば、この一部を第1の導体部7として用いることも可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置は、上記第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の短絡導体部12(又は短絡導体部11。以下同じ)を切り換えることで、1/2波長スロットアンテナ30を、異なる2つの周波数で共振させるようにしたものである。
2つの周波数による共振を実現するために、1/2波長スロットアンテナ30の短絡導体部12は、第1の周波数で共振させる場合には開放となり、第2の周波数で共振させる場合には短絡となる動作を行う。これにより、2つの直交する共振を実現することが可能になる。
図18に、短絡導体部12の具体的な回路例を示す。
図18は、インダクタ41とキャパシタ42とによる並列共振回路であり、共振周波数でインピーダンスが無限大となり開放状態になる。このときのスミスチャートを図19のに示す。この例では、第1の周波数f1で共振するようにインダクタ41及びキャパシタ42の大きさを定めており、第1の周波数f1で開放状態となり、第1の周波数f1よりも高い第2の周波数f2で低インピーダンスとなり短絡状態になる。
一方、図20に示すスイッチ43を短絡導体部12に置き換えて用いることも可能である。この場合、第1の周波数で動作させるときには、スイッチ43を接続し、第2の周波数で動作させるときには、スイッチ43を開放する。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置によれば、周波数によってインピーダンスを変化させる回路を、短絡導体部12に用いることにより、1つの装置における2つの周波数による共振動作が可能となる。
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示す図である。図21において、第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、4本のアンテナ素子100a〜dと、アナログ/ディジタル変換回路(A/D変換回路)101と、アダプティブ制御回路102と、コントローラ103と、判定器109と、復調器107とを備える。この4本のアンテナ素子100a〜dのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
図21において、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号は、A/D変換回路101及びアダプティブ制御回路102にそれぞれ入力される。A/D変換回路101は、各アンテナ素子100a〜dに対応したA/D変換器を備えており、各アンテナ素子100a〜dで受信されたアナログ無線信号をそれぞれディジタル信号に変換した後、コントローラ103に出力する。
アダプティブ制御回路102は、4個の可変増幅器104a〜dと、4個の可変移相器105a〜dと、信号合成器106とで構成される。可変増幅器104a〜dの可変振幅量及び可変移相器105a〜dの移相量は、コントローラ103によって制御される。アンテナ素子100aで受信された無線信号は、可変増幅器104a及び可変移相器105aを介して、アンテナ素子100bで受信された無線信号は可変増幅器104b及び可変移相器105bを介して、アンテナ素子100cで受信された無線信号は可変増幅器104c及び可変移相器105cを介して、アンテナ素子100dで受信された無線信号は可変増幅器104d及び可変移相器105dを介して、それぞれ信号合成器106に出力される。信号合成器106は、入力される4個の無線信号を合成(加算)して復調器107に出力する。
復調器107は、信号合成器106から入力される合成無線信号を所定のディジタル復調方式で復調信号であるベースバンド信号に復調して、出力端子108及び判定器109に出力する。判定器109は、入力されるベースバンド信号に含まれかつ予め決められた参照パターン期間内の参照パターンに基づいて、誤り率を測定して、コントローラ103に出力する。コントローラ103は、詳細後述するアダプティブ制御方法を用いて、最良の信号品位を有する無線信号を受信して復調するように、アダプティブ制御回路102を制御する。
なお、図21では、無線信号を処理するための基本的構成、高周波フィルタ、高周波増幅器、高周波回路、中間周波数回路、及び信号処理回路等は、省略している。すなわち、このアダプティブ制御回路102では、搬送波周波数で処理を実行してもよいし、中間周波数で処理を実行してもよい。また、アダプティブ制御回路102において、可変増幅器104a〜dと可変移相器105a〜dとの構成順序は、逆であっても構わない。
まず、アダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御方法について以下に説明する。
アダプティブアンテナ装置は、所望の電波が到来してくる方向にアンテナの放射パターンを最大にし(すなわち、アンテナの放射パターンのうちの主ビームを所望波方向に実質的に向け)、妨害となる干渉波の方向に放射パターンにNULLを向けて(すなわち、アンテナの放射パターンのうちのNULLを実質的に干渉波方向に向けて)、安定した無線通信を実現するアダプティブ制御技術を用いている。通常、アダプティブアンテナ装置は、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号(又は、無線信号から周波数変換された中間周波信号)に振幅差と位相差を与えることにより、最大の所望信号電力と最小の干渉信号電力とを得られるように制御する。
各アンテナ素子100a〜dでは、通常、所望波と共に熱雑音成分も受信される。さらに、隣接基地局から発せられる同一周波数の同一チャンネル干渉波や、所望波であるが大きな経路を経由して到来したために時間的な遅れを生じる遅延波も受信される場合がある。遅延波は、テレビジョン放送やラジオ放送等のアナログ無線通信システムにおいて、例えばテレビジョン受像機で表示されるゴーストとして画面表示の品質を劣化させる。一方、ディジタル無線通信システムでは、熱雑音成分、同一チャンネル干渉波や遅延波は、いずれもビット誤りとして影響を及ぼし、直接的に信号品位を劣化させる。ここで、所望波電力をCとし、熱雑音電力をNとし、同一チャンネル干渉波と遅延波を含む干渉波電力をIとすると、アダプティブアンテナ装置は、好ましくは、信号品位を改善させるために、C/(N+I)を最大にするようにアダプティブ制御する。
次に、具体的にアダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御動作を説明する。
各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号は、A/D変換回路101においてディジタル信号x(t)(本実施例では4つの要素を持つ信号ベクトル)に変換され、コントローラ103に入力される。コントローラ103は、アダプティブ制御回路102から出力される無線信号y(t)が最も信号品位が良くなるような、アダプティブ制御回路102内の可変増幅器104a〜dの振幅量と、可変移相器105a〜dの移相量を決定する。
これらの振幅量と移相量とを含む重み付け係数の算出方法を以下に示す。なお、重み付け係数Wiは振幅量Aiと移相量φiにより、次式(1)により定義される。
Wi=Ai×exp(j×φi) … (1)
ここで、jは虚数単位である。また、iは1〜4の値をとり、それぞれ、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号を処理する系統に対応する。重み付け係数Wiを要素とする重み付け係数ベクトルWを定義して、以下に、重み付け係数Wiを求める方法について示す。
重み付け係数Wiを求める方法にはいくつか方法があるが、ここでは最急降下法(LMS:Least Means Squares)を用いた例を示す。この手法では、アダプティブアンテナ装置は、既知の所望波に含まれる信号系列である参照信号r(t)を予め格納しており、受信された無線信号に含まれる信号系列が参照信号r(t)に近くなるように制御する。ここでは、一例としてコントローラ103に参照信号r(t)が予め格納されている場合を示す。具体的には、コントローラ103は、無線ディジタル信号x(t)に対して、振幅量及び移相量の成分を持った重み付け係数w(t)を乗算するようにアダプティブ制御回路102を制御する。この重み付け係数w(t)を無線ディジタル信号x(t)に乗算した乗算結果と参照信号r(t)との残差e(t)を、次式(2)を用いて求める。
e(t)=r(t)−W(t)×x(t) … (2)
ここで、残差e(t)は正又は負の値をとる。従って、上記式(2)により求めた残差e(t)の2乗した値の最小値な漸化的に繰り返し計算により求める。すなわち、複数(m+1)回目の繰り返し計算により得られた重み付け係数w(t,m+1)はm回目の重み付け係数w(t,m)を用いて次式(3)により得られる。
W(t,m+1)=W(t,m)+u×x(t)×e(t,m) … (3)
ここで、uはステップサイズと呼ばれ、ステップサイズuが大きいと重み付け係数wが最小値に収束する繰り返し計算回数が少なくなるという利点があるが、ステップサイズuが大き過ぎると最小値付近で振動してしまうという欠点がある。従って、ステップサイズuの選定にはシステムにより十分注意する必要がある。逆に、ステップサイズuを小さくすることにより重み付け係数wは安定して最小値に収束する。しかしながら、繰り返し計算回数は増加する。繰り返し計算数が増加すると重み付け係数を求めるのに長い時間がかかる。仮に、重み付け係数wの算出時間が周囲環境の変化時間(例えば、数ミリ秒)よりも遅い場合には、この重み付け係数wによる信号品位の改善は不可能となる。そこで、ステップサイズuを決定する場合にはできるだけ高速かつ安定な収束の条件を選ぶ必要がある。また、残差e(t,m)は次式(4)により定義される。
e(t,m)=r(t)−W(t,m)×x(t) … (4)
この式(4)の値を用いて式(3)を漸化的に更新する。なお、重み付け係数wを求めるための最大繰り返し計算回数は、重み付け係数算出時間が無線システムの切り替え時間よりも遅くならないように設定する。
ここでは、一例として最急降下法に基づく無線通信システムのアダプティブ制御のための判定法を説明したが、本発明はこれに限らず、例えばより早く判定が可能なRLS(Recursive Least−Squares)法、SMI(Sample Matrix inversion)法を用いることも可能である。この方法により判定は早くなるが、判定器109における計算が複雑になる。また、信号系列の変調方式がディジタル位相変調のような一定の包絡線を持つような低包絡線変調である場合には、CMA(Constant Modulus Algorithm)を使用することも可能である。
図22は、図21のコントローラ103によって実行されるアダプティブ制御処理を示すフローチャートである。
図22において、まず、コントローラ103は、A/D変換回路101から各アンテナ素子100a〜dの受信データを取得する(ステップS1)。次に、コントローラ103は、取得した受信データに基づいて、アダプティブ制御に要求される振幅量及び移相量を計算し(ステップS2)、この計算された振幅量と移相量に基づいて、アダプティブ制御回路102を制御する(ステップS3)。判定器109は、復調器107から出力される受信信号を復調する。コントローラ103は、判定器109で判定された信号品位、すなわち誤り率を取得する(ステップS4)。そして、コントローラ103は、取得した誤り率が所定のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5において誤り率が10−5以上であると判断された場合、コントローラ103は、A/D変換回路101から各アンテナ素子100a〜dの受信データを再度取得する(ステップS1)。一方、ステップS5において誤り率が10−5未満であると判断された場合、コントローラ103は、アダプティブ制御回路102を制御し、各アンテナ素子100a〜d単体時の誤り率を判定器109からそれぞれ取得する(ステップS6)。
ここで、各アンテナ素子100a〜d単体時とは、アンテナ素子100a〜dのいずれか1つだけを動作させた状態を言う。例えば、アンテナ素子100a単体時とは、アンテナ素子100aのみを動作させて、アンテナ素子100b〜dを非動作にさせることを意味する。この場合、具体的には、可変増幅器104aの増幅度を「1」かつ可変移相器105aの移相量を「0」とし、可変増幅器104b〜dの増幅度を「0」として設定する。
最後に、コントローラ103は、アダプティブ制御合成出力時の誤り率と各アンテナ素子100a〜d単体時の受信信号の誤り率とをそれぞれ比較し、最良の誤り率を選択して、選択された最良の誤り率を有する受信信号を受信するようにアダプティブ制御回路102を制御する(ステップS7)。
なお、図22において、ステップS5からステップS1に戻る場合や、ステップS7からステップS1に戻る際には、所定の時間だけ待機することが好ましい。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、4本のアンテナ素子100a〜dを用いてアダプティブ制御をしながら誤り率をチェックし、誤り率が所定のしきい値未満となったときに、各アンテナ素子100a〜d単体時の各受信信号の誤り率を測定し、最良の誤り率を有する受信信号を受信するようにアダプティブ制御回路102を制御する。このように、アダプティブ制御と各アンテナ素子単体時との切り替え制御を行うことにより、常に最良の信号品位を有する受信信号を選択することが可能になる。
(第4の実施形態)
図23は、本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図である。図23において、第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置は、2本のアンテナ素子201及び202と、2つの処理回路203及び204と、信号品位モニタ回路207と、選択回路208とを備えている。この2本のアンテナ素子201及び202には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
まず、アンテナ素子201及び202で受信された各無線信号は、処理回路203及び204にそれぞれ入力される。処理回路203は、入力された無線信号に対してアダプティブ制御処理を実行した後、検波器205及び信号品位モニタ回路207に出力する。ここで、処理回路203は、受信された無線信号における干渉波を抑圧することで、信号品位を良好に保つ。すなわち、遅延波や隣接基地局からの同一チャンネル干渉波が到来する場合に、大きな効果がある。また、処理回路204は、入力された無線信号に対して選択ダイバーシチ処理を実行した後、検波器206及び信号品位モニタ回路207に出力する。ここで、処理回路204は、アンテナ素子201及び202によりそれぞれ受信された各無線信号のうち、より大きな受信電力を有する無線信号を選択することで、信号品位を良好に保つ。すなわち、フェージングのような受信電力の変動が大きいときに、大きな効果を発揮する。
ここで、信号品位モニタ回路207は、処理回路203によってアダプティブ制御された無線信号を復調したベースバンド信号の信号品位と、処理回路204により選択ダイバーシチ処理が行われた無線信号の信号品位とを、判定する。そして、選択回路208は、信号品位モニタ回路207の判定結果に基づいて、より良好な信号品位を有する信号に対応する検波器205又は206からのベースバンド信号を選択し、選択されたベースバンド信号を出力端子209に出力する。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置によれば、移動体通信システムにおける受信信号の信号品位劣化における2つの大きな要因である干渉波とフェージングとの両方を解決できる。
(第5の実施形態)
図24は、本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図である。図24において、第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置は、3本のアンテナ素子401a〜cと、可変増幅器402a〜cと、可変移相器403a〜cと、信号合成器406と、受信信号検波器404a〜cと、コントローラ405とを備えている。可変増幅器402a〜cは、正又は負の増幅度を有する増幅器であり、減衰器としても動作可能である。この3本のアンテナ素子401a〜cのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
図24において、各アンテナ素子401a〜cで受信された無線信号は、可変増幅器402a〜c及び受信信号検波器404a〜cにそれぞれ入力される。各受信信号検波器404a〜cは、各無線信号の位相及び振幅を検出し、その検出データをコントローラ405に出力する。コントローラ405は、公知の適応制御方法を用いて、アンテナ素子401a〜cで受信された3つの無線信号を最大比合成するように、可変増幅器402a〜cの増幅度と、可変移相器403a〜cの移相量とを制御する。すなわち、可変増幅器402a〜cが、無線信号間の比率に応じた増幅又は減衰を無線信号に与え、その一方では、可変移相器403a〜cが、無線信号の位相を揃えて、信号合成器406に出力する。信号合成器406は、入力される3つの無線信号を最大比合成で同相合成した後、出力端子407に出力する。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置によれば、安定した受信電力の取得が可能になる。
(第6の実施形態)
図25は、本発明の第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構成を示す図である。図25において、第6の実施形態に係るMIMO装置は、3つの給電アンテナ素子501a〜cと、アナログ/ディジタル変換回路(A/D変換回路)502と、MIMO復調回路503と、信号レベル比較回路504と、コントローラ505と、無線送信回路506と、送信アンテナ素子507とを備えている。この3本の給電アンテナ素子501a〜cのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
3つの給電アンテナ素子501a〜cは、MIMO送信側基地局装置(図示せず)から所定のMIMO変調方式を用いて送信された3つの異なる無線信号をそれぞれ受信するために設けられている。給電アンテナ素子501a〜cは、受信された各無線信号をA/D変換回路502に入力する。A/D変換回路502は、入力された各無線信号に対応して3つのA/D変換器を備えており、これらのA/D変換器により各無線信号に対して別個にA/D変換処理を実行して、処理後の各信号(以下、受信信号という)をMIMO復調回路503と信号レベル比較回路504とにそれぞれ出力する。
MIMO復調回路503は、3つの受信信号にMIMO復調処理を実行して、1つの復調信号を出力する。信号レベル比較回路504は、3つの受信信号の信号レベルを互いに比較し、比較結果の情報をコントローラ505に出力する。コントローラ505は、MIMO適応制御処理の結果によっては、MIMO送信側基地局装置及びMIMO復調回路503で使用されているMIMO通信方式を変更させてもよい。すなわち、コントローラ505は、無線送信回路506及び送信アンテナ素子507を用いて、MIMO送信側基地局装置におけるMIMO変調方式を変更させるようにMIMO送信側基地局装置に要求する制御信号を送信し、それと共にMIMO復調回路503で使用されているMIMO復調方式を変更させる。
本第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置は、A/D変換回路502の前段において、給電アンテナ素子501a〜cで受信された各無線信号から所定の周波数の信号を分離する高周波フィルタと、信号を増幅するための高周波増幅器とを必要に応じて備えることが好ましい。また、本第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置は、MIMO復調回路503の前段において、A/D変換回路502から出力された各受信信号の周波数を変換するためのミキサー等の高周波回路や、中間周波数回路及び信号処理回路等を必要に応じて備えることが好ましい。なお、上記構成要素は、本願明細書及び図面では説明の簡単化のために省略した。
本発明は、MIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナを備えた無線通信装置等に利用可能であり、特に携帯電話機等を用いた移動体通信において通信容量を増大させて高速通信を実現しながら通信品質を良好に保つように制御する場合等に適している。
本発明は、携帯電話機等を用いた移動体通信において、通信容量を増大させて高速通信を実現しつつ通信品質を良好に保つように制御される無線通信装置用のアンテナ装置に関し、特にMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナを備えた無線通信装置に関する。
複数のアンテナを用いて複数のチャンネルの無線信号を同時に送受信するMIMO(Multi−Input Multi−Output)技術を採用したアンテナ装置として、例えば特許文献1に開示されたMIMOアンテナ装置がある。
特許文献1に記載の従来のMIMOアンテナ装置は、等間隔に配置された4つのアンテナ素子群と、本体部とにより構成されている。各アンテナ素子群は、互いに異なる偏波方向を有する4つのアンテナ素子をそれぞれ備えて構成される。一方、本体部は、各アンテナ素子に接続されたスイッチ部と、スイッチ部を介して受信信号を受信する信号受信部と、スイッチ部に対する制御信号を生成するアンテナ制御部と、アンテナ素子の組み合わせを生成し、選択素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ選択部と、アンテナ選択部によって生成されたアンテナ素子によって受信された受信信号に基づいて、特定のアンテナ素子の組み合わせを決定し、決定素子情報をアンテナ制御部に通知するアンテナ決定部とで構成される。
この従来のMIMOアンテナ装置は、この構成により、各アンテナ素子群から1つずつアンテナ素子を選択するようにアンテナ素子の組み合わせを決定することで、アンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を十分に確保することを目的としている。
すなわち、従来のMIMOアンテナ装置では、複数のアンテナ素子が同時に動作して各アンテナ素子ができるだけ大きな受信電力を得ることが、MIMO復調した後の複数の信号系列に係る合計の伝送速度の高速化につながる。特許文献1に記載のMIMOアンテナ装置では、MIMOの同時通信チャンネル数より多くのアンテナ素子を備え、そのうちの受信信号強度の大きいアンテナ素子を選択してMIMO復調を行うことにより、このことを達成している。
このようなアンテナ素子の選択は、移動体通信において、移動局(使用者)の移動や周囲環境の時間的変化により主偏波及び交差偏波の信号強度が時間的に変化したり到来角度が変化したりする場合に、特に有効である。また、偏波特性の異なるアンテナ素子を用いることで偏波方向の変化に対処し、アンテナ素子を切り替えるように制御することにより時間的変化を克服することができる。
以上により、特許文献1に記載のMIMOアンテナ装置は、複数のアンテナ素子によりそれぞれ構成された複数のアンテナ素子群を備え、スイッチ部を用いて、最も相関の低いアンテナ素子の組み合わせ、もしくは最も伝送容量の大きいアンテナ素子の組み合わせを選択することにより、アンテナ素子間の相関を低減し、伝送容量を向上させることが可能となる。
さらに、特許文献2及び3を参照して、携帯無線装置の一部をアンテナとして用いる携帯無線装置の一例について説明する。
特許文献2に記載の携帯無線装置は、携帯無線装置の一部の筺体導体をアンテナの一部として動作せることで、アンテナとしての専用部品を必要とすることなく、部品点数を削減して製造コストを軽減し、薄型化及び軽量化することを目的としている。さらに、筺体の自体をアンテナとすることにより、より大きなアンテナを構成することが可能になり、アンテナの高感度化が期待できる。このように特許文献2に記載の携帯無線装置によれば、小型化が望まれる携帯端末において、筺体導体をアンテナの一部として動作せることにより、高品位な無線通信を実現することが期待できる。
特許文献3に記載の携帯電話機は、使用者の手の状態による利得変化を小さくすることを目的とし、折り畳み可能な携帯電話機1において、上部ケース3内のシールドボックス14と下部ケース4内の送信回路15の出力端子とをフレキシブルケーブル9で接続し、シールドボックス14をアンテナとして使用する構成が開示されている(特許文献3の図3)。このように、シールドボックス14をアンテナとして使用する構成とすることで、使用者の手の状態による利得変化を小さくすることができる。
特開2004−312381号公報 特開2004−274730号公報 特許第3830773号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の従来のMIMOアンテナ装置には、以下のような問題があった。
この従来のMIMOアンテナ装置は、できるだけ大きな受信電力を得るために、前述のように、MIMOの同時通信チャンネル数より多くのアンテナ素子を備え、そのうちの受信信号強度の大きいアンテナ素子を選択してMIMO復調を行う構成を有している。しかし、携帯電話機のような1波長もしくはそれ以下のサイズの小型機器には、複数のアンテナ素子群を搭載する場合にはアンテナ間隔が近くなり、偏波の揃ったアンテナ間でアレーを構成することでMIMO通信を行うために、アンテナ間の相互結合による放射効率の劣化が問題になる。
一方、特許文献2に記載の従来の携帯無線装置には、以下のような問題があった。
この従来の携帯無線装置では、筺体導体の一部をアンテナとして用いることで小型化を図り、かつ、アンテナ単体もしくはスロットアンテナとの切り替えダイバーシチに適した構造を提案している。しかしながら、切り替えダイバーシチにおいても動作するアンテナが1つであり、アンテナ間の相互結合は問題にならないため、相互結合を低減させるアンテナ構成について考慮されていない。すなわち、同時に動作する複数のアンテナが必要となるMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナにおいて、特許文献2に記載の携帯無線装置をMIMOアンテナに用いることはできない。
また、特許文献3に記載の携帯電話機に記載の従来のアンテナにおいても、アンテナ単体のみの動作を想定しており、複数のアンテナを同時に動作するMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナの構成は考慮されていない。
それ故に、本発明の目的は、小型形状であっても、複数の給電アンテナ素子が同時に良好な受信状態を維持するようにアンテナ間の相互結合が小さい移動体用の無線通信装置を提供することである。
本発明は、複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の一態様は、矩形形状の第1の導体部と、第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、第1の導体部のいずれか3辺と、この3辺と対向する第2の導体部の3辺とを、それぞれ電気的に接続する3つの短絡導体部と、第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、無線通信回路とを備え、第1の導体部と接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、第1の導体部上の第1の給電点と無線通信回路とを接続することで、第1の導体部及び接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、第1の導体部と第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、第2の導体部上の第2の給電点と無線通信回路とを接続することで、第1の導体部、第2の導体部、及び短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる。
3つの短絡導体部が接続されない1辺の長さを、通信信号波長の1/2の長さに設定すれば、第2のアンテナ素子を1/2波長スロットアンテナとして動作させることができる。なお、隣接する2つの短絡導体部だけを第1及び第2の導体部に接続し、2つの短絡導体部が接続されない2辺の長さの合計長を、通信信号波長の1/2の長さを設定しても構わない。また、導電性材料で形成されている携帯無線通信装置のケースの一部を、第1の導体部として用いてもよい。また、無線通信回路が、第1の導体部上に実装されていてもよい。
なお、異なる2つの周波数で1つの第2のアンテナ素子を動作させたい場合には、各周波数に応じていずれか1つの短絡導体部を切り換え制御すればよい。この場合のいずれか1つの短絡導体部には、インダクタとキャパシタによる並列共振回路や、制御部で制御されるスイッチ回路等が考えられる。
ここで、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、合成された無線信号を復調すると共に、第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するようにアダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置をアダプティブアンテナとして動作させることができる。
また、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置を選択ダイバーシチアンテナとして動作させることができる。
また、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するようにアダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置を合成ダイバーシチアンテナとして動作させることができる。
さらには、第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備えれば、本発明の携帯無線通信装置をMIMOアンテナとして動作させることができる。
上記本発明によれば、アンテナの部品点数を大幅に増加させることなく、アレーアンテナを小型端末に実現することが可能になる。また、筺体自体をアンテナとすることでアンテナを極力大型化することが可能になる。また、スロットアンテナの短絡辺を筺体アンテナの給電部に面するように配置することで、アンテナ間の相互結合の低減が実現できる。さらに、アンテナの放射指向性を異なるように配置することにより、アンテナ間の相関係数を下げることができる。これにより、アレーアンテナとしての性能向上が期待でき、よりよいMIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナの動作を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の内部構成を示す図 筺体アンテナ20の構成を示す図 筺体アンテナ20の電流の向き、電界の向き、及び放射パターンの概略図 1/2波長スロットアンテナ30の構成を示す図 1/2波長スロットアンテナ30に励起される電界の向き及び放射パターンの概略図 筺体アンテナ20の試作例を説明する図 図6の筺体アンテナ20のインピーダンス特性を示す図 図6の筺体アンテナ20の放射パターンを示す図 1/2波長スロットアンテナ30の試作例を説明する図 図9の1/2波長スロットアンテナ30のインピーダンス特性を示す図 図9の1/2波長スロットアンテナ30の放射パターンを示す図 両アンテナを組み合わせたアンテナアレーの試作例を示す図 図12のアンテナアレーのインピーダンス特性を示す図 図12のアンテナアレーの反射特性と相互結合特性を示す図 アンテナアレーにおける筺体アンテナ20の放射指向性を示す図 アンテナアレーにおける1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性を示す図 本発明の第1の実施形態に係る他の携帯無線通信装置の内部構成を示す図 本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置に用いられる短絡導体部12の具体的な回路例を示す図 図18に示す回路のスミスチャート 短絡導体部12を実現するための他の具体的な回路例を示す図 本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示す図 図21のコントローラ103によって実行されるアダプティブ制御処理を示すフローチャート 本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図 本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図 本発明の第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構成を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するための図面全体にわたり、同様の作用を有する構成要素は同一の符号を付与し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の内部構成を示す正面図及び側面図である。図1において、第1の実施形態に係る携帯無線通信装置は、第1及び第2の給電部2及び3と、無線通信回路4と、第1及び第2の給電線路6及び5と、第1及び第2の導体部7及び8と、接地導体部9と、3つの短絡導体部10〜12とを備える。第1の導体部7と第2の導体部8とは、同一の矩形形状をしている。
この第1の実施形態に係る携帯無線通信装置は、筺体導体の一部をアンテナとして用いる筺体アンテナと、この筺体導体の一部を地板とする1/2波長スロットアンテナとを、アンテナアレーの構成で備えている。第1の給電部2は、第1の給電線路6を介して筺体アンテナに電源を供給する給電部である。第2の給電部3は、第2の給電線路5を介して1/2波長スロットアンテナに電源を供給する給電部である。第1及び第2の給電部2及び3は、無線通信回路4に接続され、無線通信を可能にする。この無線通信回路4には、フィルタや増幅器や周波数変換ミキサー等の高周波回路、及び変調器や復調器等のベースバンド回路が含まれている。
まず、図2及び図3を用いて筐体アンテナ20の動作を、図4及び図5を用いて1/2波長スロットアンテナ30の動作を、それぞれ説明する。
図2に、筐体アンテナ20の概略構成を示す。この筐体アンテナ20は、第1の導体部7、接地導体部9、及び第1の給電部2で構成される。第1の導体部7は、二つ折り携帯電話の上側筺体の地板である。接地導体部9は、二つ折り携帯電話の下側筺体の地板である。第1の給電部2は、第1の導体部7と接地導体部9とを接続するヒンジ部分に設けられる。
図3に、筺体アンテナ20の電流の向き、電界の向き、及び放射パターンの概略図を示す。図3に示したように、筺体アンテナ20には、第1の導体部7と接地導体部9とに高周波電流24が流れ、これにより電波が放射される。電流の流れ方はダイポールアンテナと同様であるため、紙面(ZY面)に対して8の字指向性25となり、紙面に垂直な面(XY面)において無指向性となる、放射指向性が得られる。なお、放射電波の電界の向き26は、高周波電流24と平行である。
図4に、1/2波長スロットアンテナ30の構成を示す。この1/2波長スロットアンテナ30は、第1の導体部7、第2の導体部(上面導体部)8、3つの短絡導体部10〜12、及び第2の給電部3で構成される。第1の導体部7は、第2の導体部8と所定の間隔を空けて平行に配置され、この所定の間隔を幅とする3つの短絡導体部10〜12を通じて、3辺がそれぞれ電気的に接続されている。すなわち、1/2波長スロットアンテナ30は、短絡導体部10を底面とし、短絡導体部11、短絡導体部12、第1の導体部7、及び第2の導体部8を側面とする升型の形状をしている。第2の給電部3は、第1の導体部7と第2の導体部8との間において給電を行う。この1/2波長スロットアンテナ30では、短絡導体部10〜12が接続されていない第1の導体部7(又は第2の導体部8)の1辺の長さ(線a)が、通信信号波長の1/2の長さに設計される。
なお、本第1の実施形態では、升型形状の1/2波長スロットアンテナ30を説明しているが、短絡導体部11又は短絡導体部12を無くすことができる。すなわち、短絡導体部10及び12が接続されていない第1の導体部7の2辺の長さ(線と線b)の合計長を通信信号波長の1/2の長さに設計すれば、短絡導体部11は不要となる。また、短絡導体部10及び11が接続されていない第1の導体部7の2辺の長さ(線と線c)の合計長を通信信号波長の1/2の長さに設計すれば、短絡導体部12は不要となる。
図5に、1/2波長スロットアンテナ30に励起される電界の向き及び放射パターンの概略図を示す。図5に示したように、1/2波長スロットアンテナ30には、第2の給電部3による給電で、第1の導体部7と第2の導体部8との間に電界35が生じ、かつ短絡導体部10が反射板として動作するため、Z方向に強い放射指向性36が得られる。
次に、図6〜図11を用いて筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30の試作例を、それぞれ説明する。
図6は、筺体アンテナ20の試作例である。この試作例では、第1の導体部7及び接地導体部9の形状を共に45mm×90mmの長方形とし、第1の導体部7と接地導体部9との間を5mmとしている。また、図7及び図8に、インピーダンス特性(入力VSWR)及び放射パターン(XY面)を示す。図7から、筺体アンテナ20が1.4GHzで共振していることがわかる。なお、図8は、周波数が1.6GHzである場合の放射パターンである。この図8から、X方向に若干強い指向性が得られていることがわかる。これは、給電部がアンテナに対して対称でないためである。しかしながら、ほぼ無指向性が得られていることがわかる。
図9は、1/2波長スロットアンテナ30の試作例である。この試作例では、第1の導体部7及び第2の導体部8を45mm×90mmの長方形と、短絡導体部10を90mm×5mmの長方形と、短絡導体部11及び12を45mm×5mmの長方形としている。また、図10及び図11に、インピーダンス特性(入力VSWR)及び放射パターン(XY面)を示す。図10から、1/2波長スロットアンテナ30が1.6GHzで共振していることがわかる。図11は、周波数が1.6GHzである場合の放射パターンである。この図11から、Y方向に若干強い指向性が得られていることがわかる。これは、図5に示したように、短絡導体部10が反射板として動作するためである。
以上のように、筺体アンテナ20と1/2波長スロットアンテナ30とは、放射指向性が異なるためにアンテナ間の相関係数が低いことが想定される。従って、MIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナ、及び最大比合成等のアレーアンテナとして良好なアレー特性が得られることが期待できる。
次に、筺体アンテナ20と1/2波長スロットアンテナ30とを組み合わせて構成したアンテナアレーを説明する。
図12は、図6の筺体アンテナ20と図9の1/2波長スロットアンテナ30とを組み合わせて構成したアンテナアレーの試作例である。また、図13に、両アンテナのインピーダンス特性(入力VSWR)を示し、図14に、両アンテナの反射特性と相互結合特性(アンテナ間通過特性)を示す。
図13から、アンテナアレーが1.6GHzで共振していることがわかる。図13を図7及び図10と比較すると、アンテナアレーのインピーダンス特性は、単体のインピーダンス特性とほとんど変化していないことがわかる。すなわち、アンテナアレーを構成する2つのアンテナは、他方のアンテナからの影響を相互に受け難いことがわかる。これは、筺体アンテナ20の第1の給電部2と1/2波長スロットアンテナ30の第2の給電部3との間に設けた短絡導体部10〜12によって、遮蔽効果が向上したためである。
これにより、アンテナを単体ごとに設計することが可能になり、設計の容易性が増す効果がある。さらに、図14から、相互結合特性は−35dB以下であることがわかる。従って、一方のアンテナの電力が他方のアンテナに吸収される電力は1/10以下となり、一方のアンテナの放射効率の劣化は−0.5dB以下となって、劣化の少ない良好な放射効率が得られる。
図15及び図16に、アンテナアレー時の筺体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性を示す。単体時と比較すると、図16の1/2波長スロットアンテナ30の放射指向性が若干小さくなっているが、筺体アンテナ20共に単体時と同様の指向性が得られ、アンテナアレー化による指向性の変化は小さいことがわかる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置によれば、アンテナ間相互結合が小さく、指向性が異なり良好なアレー特性が得られ、かつ、小型携帯無線装置に最適なアンテナを実現できる。
なお、上記第1の実施形態では、無線通信回路4が接地導体部9上に実装されている例を説明した。しかし、図17に示すように、無線通信回路4は、第1の導体部7上に実装されてもよい。このような構成にすることにより、第2の給電部3へ配線される第2の給電線路5が短くなるという効果がある。また、第1の導体部7が、第1の給電部2及び第2の給電部3の共通グランドとなるため、グランドの安定化及び構造の簡素化を実現できるという利点もある。
また、上記第1の実施形態では、図1に示す二つ折り構造の携帯無線通信装置を一例に挙げて説明したが、他の様々な構造(ストレート型やスライド型)の携帯無線通信装置にも、本発明のアンテナアレー構成を適用可能である。
さらに、携帯無線通信装置のケースの一部が導電性材料で形成されていれば、この一部を第1の導体部7として用いることも可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置は、上記第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の短絡導体部12(又は短絡導体部11。以下同じ)を切り換えることで、1/2波長スロットアンテナ30を、異なる2つの周波数で共振させるようにしたものである。
2つの周波数による共振を実現するために、1/2波長スロットアンテナ30の短絡導体部12は、第1の周波数で共振させる場合には開放となり、第2の周波数で共振させる場合には短絡となる動作を行う。これにより、2つの直交する共振を実現することが可能になる。
図18に、短絡導体部12の具体的な回路例を示す。
図18は、インダクタ41とキャパシタ42とによる並列共振回路であり、共振周波数でインピーダンスが無限大となり開放状態になる。このときのスミスチャートを図19のに示す。この例では、第1の周波数f1で共振するようにインダクタ41及びキャパシタ42の大きさを定めており、第1の周波数f1で開放状態となり、第1の周波数f1よりも高い第2の周波数f2で低インピーダンスとなり短絡状態になる。
一方、図20に示すスイッチ43を短絡導体部12に置き換えて用いることも可能である。この場合、第1の周波数で動作させるときには、スイッチ43を接続し、第2の周波数で動作させるときには、スイッチ43を開放する。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置によれば、周波数によってインピーダンスを変化させる回路を、短絡導体部12に用いることにより、1つの装置における2つの周波数による共振動作が可能となる。
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の構成を示す図である。図21において、第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、4本のアンテナ素子100a〜dと、アナログ/ディジタル変換回路(A/D変換回路)101と、アダプティブ制御回路102と、コントローラ103と、判定器109と、復調器107とを備える。この4本のアンテナ素子100a〜dのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
図21において、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号は、A/D変換回路101及びアダプティブ制御回路102にそれぞれ入力される。A/D変換回路101は、各アンテナ素子100a〜dに対応したA/D変換器を備えており、各アンテナ素子100a〜dで受信されたアナログ無線信号をそれぞれディジタル信号に変換した後、コントローラ103に出力する。
アダプティブ制御回路102は、4個の可変増幅器104a〜dと、4個の可変移相器105a〜dと、信号合成器106とで構成される。可変増幅器104a〜dの可変振幅量及び可変移相器105a〜dの移相量は、コントローラ103によって制御される。アンテナ素子100aで受信された無線信号は、可変増幅器104a及び可変移相器105aを介して、アンテナ素子100bで受信された無線信号は可変増幅器104b及び可変移相器105bを介して、アンテナ素子100cで受信された無線信号は可変増幅器104c及び可変移相器105cを介して、アンテナ素子100dで受信された無線信号は可変増幅器104d及び可変移相器105dを介して、それぞれ信号合成器106に出力される。信号合成器106は、入力される4個の無線信号を合成(加算)して復調器107に出力する。
復調器107は、信号合成器106から入力される合成無線信号を所定のディジタル復調方式で復調信号であるベースバンド信号に復調して、出力端子108及び判定器109に出力する。判定器109は、入力されるベースバンド信号に含まれかつ予め決められた参照パターン期間内の参照パターンに基づいて、誤り率を測定して、コントローラ103に出力する。コントローラ103は、詳細後述するアダプティブ制御方法を用いて、最良の信号品位を有する無線信号を受信して復調するように、アダプティブ制御回路102を制御する。
なお、図21では、無線信号を処理するための基本的構成、高周波フィルタ、高周波増幅器、高周波回路、中間周波数回路、及び信号処理回路等は、省略している。すなわち、このアダプティブ制御回路102では、搬送波周波数で処理を実行してもよいし、中間周波数で処理を実行してもよい。また、アダプティブ制御回路102において、可変増幅器104a〜dと可変移相器105a〜dとの構成順序は、逆であっても構わない。
まず、アダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御方法について以下に説明する。
アダプティブアンテナ装置は、所望の電波が到来してくる方向にアンテナの放射パターンを最大にし(すなわち、アンテナの放射パターンのうちの主ビームを所望波方向に実質的に向け)、妨害となる干渉波の方向に放射パターンにNULLを向けて(すなわち、アンテナの放射パターンのうちのNULLを実質的に干渉波方向に向けて)、安定した無線通信を実現するアダプティブ制御技術を用いている。通常、アダプティブアンテナ装置は、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号(又は、無線信号から周波数変換された中間周波信号)に振幅差と位相差を与えることにより、最大の所望信号電力と最小の干渉信号電力とを得られるように制御する。
各アンテナ素子100a〜dでは、通常、所望波と共に熱雑音成分も受信される。さらに、隣接基地局から発せられる同一周波数の同一チャンネル干渉波や、所望波であるが大きな経路を経由して到来したために時間的な遅れを生じる遅延波も受信される場合がある。遅延波は、テレビジョン放送やラジオ放送等のアナログ無線通信システムにおいて、例えばテレビジョン受像機で表示されるゴーストとして画面表示の品質を劣化させる。一方、ディジタル無線通信システムでは、熱雑音成分、同一チャンネル干渉波や遅延波は、いずれもビット誤りとして影響を及ぼし、直接的に信号品位を劣化させる。ここで、所望波電力をCとし、熱雑音電力をNとし、同一チャンネル干渉波と遅延波を含む干渉波電力をIとすると、アダプティブアンテナ装置は、好ましくは、信号品位を改善させるために、C/(N+I)を最大にするようにアダプティブ制御する。
次に、具体的にアダプティブアンテナ装置のアダプティブ制御動作を説明する。
各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号は、A/D変換回路101においてディジタル信号x(t)(本実施例では4つの要素を持つ信号ベクトル)に変換され、コントローラ103に入力される。コントローラ103は、アダプティブ制御回路102から出力される無線信号y(t)が最も信号品位が良くなるような、アダプティブ制御回路102内の可変増幅器104a〜dの振幅量と、可変移相器105a〜dの移相量を決定する。
これらの振幅量と移相量とを含む重み付け係数の算出方法を以下に示す。なお、重み付け係数Wiは振幅量Aiと移相量φiにより、次式(1)により定義される。
Wi=Ai×exp(j×φi) … (1)
ここで、jは虚数単位である。また、iは1〜4の値をとり、それぞれ、各アンテナ素子100a〜dで受信された無線信号を処理する系統に対応する。重み付け係数Wiを要素とする重み付け係数ベクトルWを定義して、以下に、重み付け係数Wiを求める方法について示す。
重み付け係数Wiを求める方法にはいくつか方法があるが、ここでは最急降下法(LMS:Least Means Squares)を用いた例を示す。この手法では、アダプティブアンテナ装置は、既知の所望波に含まれる信号系列である参照信号r(t)を予め格納しており、受信された無線信号に含まれる信号系列が参照信号r(t)に近くなるように制御する。ここでは、一例としてコントローラ103に参照信号r(t)が予め格納されている場合を示す。具体的には、コントローラ103は、無線ディジタル信号x(t)に対して、振幅量及び移相量の成分を持った重み付け係数w(t)を乗算するようにアダプティブ制御回路102を制御する。この重み付け係数w(t)を無線ディジタル信号x(t)に乗算した乗算結果と参照信号r(t)との残差e(t)を、次式(2)を用いて求める。
e(t)=r(t)−W(t)×x(t) … (2)
ここで、残差e(t)は正又は負の値をとる。従って、上記式(2)により求めた残差e(t)の2乗した値の最小値な漸化的に繰り返し計算により求める。すなわち、複数(m+1)回目の繰り返し計算により得られた重み付け係数w(t,m+1)はm回目の重み付け係数w(t,m)を用いて次式(3)により得られる。
W(t,m+1)=W(t,m)+u×x(t)×e(t,m) … (3)
ここで、uはステップサイズと呼ばれ、ステップサイズuが大きいと重み付け係数wが最小値に収束する繰り返し計算回数が少なくなるという利点があるが、ステップサイズuが大き過ぎると最小値付近で振動してしまうという欠点がある。従って、ステップサイズuの選定にはシステムにより十分注意する必要がある。逆に、ステップサイズuを小さくすることにより重み付け係数wは安定して最小値に収束する。しかしながら、繰り返し計算回数は増加する。繰り返し計算数が増加すると重み付け係数を求めるのに長い時間がかかる。仮に、重み付け係数wの算出時間が周囲環境の変化時間(例えば、数ミリ秒)よりも遅い場合には、この重み付け係数wによる信号品位の改善は不可能となる。そこで、ステップサイズuを決定する場合にはできるだけ高速かつ安定な収束の条件を選ぶ必要がある。また、残差e(t,m)は次式(4)により定義される。
e(t,m)=r(t)−W(t,m)×x(t) … (4)
この式(4)の値を用いて式(3)を漸化的に更新する。なお、重み付け係数wを求めるための最大繰り返し計算回数は、重み付け係数算出時間が無線システムの切り替え時間よりも遅くならないように設定する。
ここでは、一例として最急降下法に基づく無線通信システムのアダプティブ制御のための判定法を説明したが、本発明はこれに限らず、例えばより早く判定が可能なRLS(Recursive Least−Squares)法、SMI(Sample Matrix inversion)法を用いることも可能である。この方法により判定は早くなるが、判定器109における計算が複雑になる。また、信号系列の変調方式がディジタル位相変調のような一定の包絡線を持つような包絡線変調である場合には、CMA(Constant Modulus Algorithm)を使用することも可能である。
図22は、図21のコントローラ103によって実行されるアダプティブ制御処理を示すフローチャートである。
図22において、まず、コントローラ103は、A/D変換回路101から各アンテナ素子100a〜dの受信データを取得する(ステップS1)。次に、コントローラ103は、取得した受信データに基づいて、アダプティブ制御に要求される振幅量及び移相量を計算し(ステップS2)、この計算された振幅量と移相量に基づいて、アダプティブ制御回路102を制御する(ステップS3)。復調器107は、アダプティブ制御回路102から出力される受信信号を復調する(ステップS4)。判定器109は、復調器107で復調された受信信号の信号品位を判定する(ステップS4)。コントローラ103は、判定器109で判定された信号品位、すなわち誤り率を取得する(ステップS4)。そして、コントローラ103は、取得した誤り率が所定のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5において誤り率が10-5以上であると判断された場合、コントローラ103は、A/D変換回路101から各アンテナ素子100a〜dの受信データを再度取得する(ステップS1)。一方、ステップS5において誤り率が10-5未満であると判断された場合、コントローラ103は、アダプティブ制御回路102を制御し、各アンテナ素子100a〜d単体時の誤り率を判定器109からそれぞれ取得する(ステップS6)。
ここで、各アンテナ素子100a〜d単体時とは、アンテナ素子100a〜dのいずれか1つだけを動作させた状態を言う。例えば、アンテナ素子100a単体時とは、アンテナ素子100aのみを動作させて、アンテナ素子100b〜dを非動作にさせることを意味する。この場合、具体的には、可変増幅器104aの増幅度を「1」かつ可変移相器105aの移相量を「0」とし、可変増幅器104b〜dの増幅度を「0」として設定する。
最後に、コントローラ103は、アダプティブ制御合成出力時の誤り率と各アンテナ素子100a〜d単体時の受信信号の誤り率とをそれぞれ比較し、最良の誤り率を選択して、選択された最良の誤り率を有する受信信号を受信するようにアダプティブ制御回路102を制御する(ステップS7)。
なお、図22において、ステップS5からステップS1に戻る場合や、ステップS7からステップS1に戻る際には、所定の時間だけ待機することが好ましい。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置によれば、4本のアンテナ素子100a〜dを用いてアダプティブ制御をしながら誤り率をチェックし、誤り率が所定のしきい値未満となったときに、各アンテナ素子100a〜d単体時の各受信信号の誤り率を測定し、最良の誤り率を有する受信信号を受信するようにアダプティブ制御回路102を制御する。このように、アダプティブ制御と各アンテナ素子単体時との切り替え制御を行うことにより、常に最良の信号品位を有する受信信号を選択することが可能になる。
(第4の実施形態)
図23は、本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図である。図23において、第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置は、2本のアンテナ素子201及び202と、2つの処理回路203及び204と、信号品位モニタ回路207と、選択回路208とを備えている。この2本のアンテナ素子201及び202には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
まず、アンテナ素子201及び202で受信された各無線信号は、処理回路203及び204にそれぞれ入力される。処理回路203は、入力された無線信号に対してアダプティブ制御処理を実行した後、検波器205及び信号品位モニタ回路207に出力する。ここで、処理回路203は、受信された無線信号における干渉波を抑圧することで、信号品位を良好に保つ。すなわち、遅延波や隣接基地局からの同一チャンネル干渉波が到来する場合に、大きな効果がある。また、処理回路204は、入力された無線信号に対して選択ダイバーシチ処理を実行した後、検波器206及び信号品位モニタ回路207に出力する。ここで、処理回路204は、アンテナ素子201及び202によりそれぞれ受信された各無線信号のうち、より大きな受信電力を有する無線信号を選択することで、信号品位を良好に保つ。すなわち、フェージングのような受信電力の変動が大きいときに、大きな効果を発揮する。
ここで、信号品位モニタ回路207は、処理回路203によってアダプティブ制御された無線信号を復調したベースバンド信号の信号品位と、処理回路204により選択ダイバーシチ処理が行われた無線信号の信号品位とを、判定する。そして、選択回路208は、信号品位モニタ回路207の判定結果に基づいて、より良好な信号品位を有する信号に対応する検波器205又は206からのベースバンド信号を選択し、選択されたベースバンド信号を出力端子209に出力する。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る選択ダイバーシチアンテナ装置によれば、移動体通信システムにおける受信信号の信号品位劣化における2つの大きな要因である干渉波とフェージングとの両方を解決できる。
(第5の実施形態)
図24は、本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置の構成を示す図である。図24において、第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置は、3本のアンテナ素子401a〜cと、可変増幅器402a〜cと、可変移相器403a〜cと、信号合成器406と、受信信号検波器404a〜cと、コントローラ405とを備えている。可変増幅器402a〜cは、正又は負の増幅度を有する増幅器であり、減衰器としても動作可能である。この3本のアンテナ素子401a〜cのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
図24において、各アンテナ素子401a〜cで受信された無線信号は、可変増幅器402a〜c及び受信信号検波器404a〜cにそれぞれ入力される。各受信信号検波器404a〜cは、各無線信号の位相及び振幅を検出し、その検出データをコントローラ405に出力する。コントローラ405は、公知の適応制御方法を用いて、アンテナ素子401a〜cで受信された3つの無線信号を最大比合成するように、可変増幅器402a〜cの増幅度と、可変移相器403a〜cの移相量とを制御する。すなわち、可変増幅器402a〜cが、無線信号間の比率に応じた増幅又は減衰を無線信号に与え、その一方では、可変移相器403a〜cが、無線信号の位相を揃えて、信号合成器406に出力する。信号合成器406は、入力される3つの無線信号を最大比合成で同相合成した後、出力端子407に出力する。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る合成ダイバーシチアンテナ装置によれば、安定した受信電力の取得が可能になる。
(第6の実施形態)
図25は、本発明の第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置の構成を示す図である。図25において、第6の実施形態に係るMIMO装置は、3つの給電アンテナ素子501a〜cと、アナログ/ディジタル変換回路(A/D変換回路)502と、MIMO復調回路503と、信号レベル比較回路504と、コントローラ505と、無線送信回路506と、送信アンテナ素子507とを備えている。この3本の給電アンテナ素子501a〜cのうちのいずれか2本には、上記第1の実施形態で説明した筐体アンテナ20及び1/2波長スロットアンテナ30が用いられる。
3つの給電アンテナ素子501a〜cは、MIMO送信側基地局装置(図示せず)から所定のMIMO変調方式を用いて送信された3つの異なる無線信号をそれぞれ受信するために設けられている。給電アンテナ素子501a〜cは、受信された各無線信号をA/D変換回路502に入力する。A/D変換回路502は、入力された各無線信号に対応して3つのA/D変換器を備えており、これらのA/D変換器により各無線信号に対して別個にA/D変換処理を実行して、処理後の各信号(以下、受信信号という)をMIMO復調回路503と信号レベル比較回路504とにそれぞれ出力する。
MIMO復調回路503は、3つの受信信号にMIMO復調処理を実行して、1つの復調信号を出力する。信号レベル比較回路504は、3つの受信信号の信号レベルを互いに比較し、比較結果の情報をコントローラ505に出力する。コントローラ505は、MIMO適応制御処理の結果によっては、MIMO送信側基地局装置及びMIMO復調回路503で使用されているMIMO通信方式を変更させてもよい。すなわち、コントローラ505は、無線送信回路506及び送信アンテナ素子507を用いて、MIMO送信側基地局装置におけるMIMO変調方式を変更させるようにMIMO送信側基地局装置に要求する制御信号を送信し、それと共にMIMO復調回路503で使用されているMIMO復調方式を変更させる。
本第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置は、A/D変換回路502の前段において、給電アンテナ素子501a〜cで受信された各無線信号から所定の周波数の信号を分離する高周波フィルタと、信号を増幅するための高周波増幅器とを必要に応じて備えることが好ましい。また、本第6の実施形態に係るMIMOアンテナ装置は、MIMO復調回路503の前段において、A/D変換回路502から出力された各受信信号の周波数を変換するためのミキサー等の高周波回路や、中間周波数回路及び信号処理回路等を必要に応じて備えることが好ましい。なお、上記構成要素は、本願明細書及び図面では説明の簡単化のために省略した。
本発明は、MIMOアンテナやアダプティブアレーアンテナを備えた無線通信装置等に利用可能であり、特に携帯電話機等を用いた移動体通信において通信容量を増大させて高速通信を実現しながら通信品質を良好に保つように制御する場合等に適している。
2、3 給電部
4 無線通信回路
5、6 給電線路
7、8 導体部
9 接地導体部
10〜12 短絡導体部
20 筐体アンテナ
30 スロットアンテナ
41 インダクタ
42 キャパシタ
43 スイッチ
100a〜d、201、202、401a〜c、501a〜c、507 アンテナ素子
101、502 A/D変換回路
102 アダプティブ制御回路
103、405、505 コントローラ
104a〜d、402a〜c 可変増幅器
105a〜d、403a〜c 可変移相器
106、406 信号合成器
107 復調器
109 判定器
203、204 処理回路
205、206 検波器
207 信号品位モニタ回路
208 選択回路
404a〜c 受信信号検波器
503 MIMO復調回路
504 信号レベル比較回路
506 無線送信回路

Claims (24)

  1. 複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置であって、
    矩形形状の第1の導体部と、
    前記第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、前記第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、
    前記第1の導体部のいずれか3辺と、当該3辺と対向する前記第2の導体部の3辺とを、それぞれ電気的に接続する3つの短絡導体部と、
    前記第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、
    無線通信回路とを備え、
    前記3つの短絡導体部が接続されない1辺の長さが、通信信号波長の1/2の長さに設定され、
    前記第1の導体部と前記接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、前記第1の導体部上の第1の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部及び前記接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、
    前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、前記第2の導体部上の第2の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部、前記第2の導体部、及び前記3つの短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる、携帯無線通信装置。
  2. 導電性材料で形成されている前記携帯無線通信装置のケースの一部を、前記第1の導体部として用いていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  3. 前記無線通信回路が、前記第1の導体部上に実装されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  4. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記合成された無線信号を復調すると共に、前記第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び前記第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、
    前記合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  5. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、
    前記第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、前記第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備える、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  6. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  7. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備える、請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  8. 複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置であって、
    矩形形状の第1の導体部と、
    前記第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、前記第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、
    前記第1の導体部の隣接するいずれか2辺と、当該2辺と対向する前記第2の導体部の2辺とを、それぞれ電気的に接続する2つの短絡導体部と、
    前記第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、
    無線通信回路とを備え、
    前記2つの短絡導体部が接続されない2辺の長さの合計長が、通信信号波長の1/2の長さに設定され、
    前記第1の導体部と前記接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、前記第1の導体部上の第1の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部及び前記接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、
    前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、前記第2の導体部上の第2の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部、前記第2の導体部、及び前記2つの短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる、携帯無線通信装置。
  9. 導電性材料で形成されている前記携帯無線通信装置のケースの一部を、前記第1の導体部として用いていることを特徴とする、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  10. 前記無線通信回路が、前記第1の導体部上に実装されていることを特徴とする、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  11. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記合成された無線信号を復調すると共に、前記第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び前記第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、
    前記合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  12. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、
    前記第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、前記第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備える、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  13. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  14. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備える、請求項8に記載の携帯無線通信装置。
  15. 複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置であって、
    矩形形状の第1の導体部と、
    前記第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、前記第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、
    前記第1の導体部の隣接するいずれか2辺と、当該2辺と対向する前記第2の導体部の2辺との間に設けられる、2つの短絡導体部と、
    前記第1の導体部の他の1辺と、当該他の1辺と対向する前記第2の導体部の他の1辺との間に設けられるキャパシタとが並列接続された並列共振回路と、
    前記第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、
    無線通信回路とを備え、
    前記並列共振回路は、前記第1の導体部と前記第2の導体部とを、第1周波数の信号に関しては電気的に接続し、かつ第2周波数の信号に関しては電気的に開放し、
    前記第1の導体部と前記接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、前記第1の導体部上の第1の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部及び前記接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、
    前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、前記第2の導体部上の第2の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部、前記第2の導体部、前記並列共振回路、及び前記2つの短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる、携帯無線通信装置。
  16. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記合成された無線信号を復調すると共に、前記第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び前記第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、
    前記合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項15に記載の携帯無線通信装置。
  17. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、
    前記第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、前記第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備える、請求項15に記載の携帯無線通信装置。
  18. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項15に記載の携帯無線通信装置。
  19. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備える、請求項15に記載の携帯無線通信装置。
  20. 複数のアンテナ素子を備える携帯無線通信装置であって、
    矩形形状の第1の導体部と、
    前記第1の導体部と所定の間隔で平行に配置された、前記第1の導体部と同一形状の第2の導体部と、
    前記第1の導体部の隣接するいずれか2辺と、当該2辺と対向する前記第2の導体部の2辺との間に設けられる、2つの短絡導体部と、
    前記第1の導体部の他の1辺と、当該他の1辺と対向する前記第2の導体部の他の1辺との間に設けられる、スイッチ回路と、
    前記第1の導体部と所定の距離だけ離れた接地導体部と、
    無線通信回路と、
    第1周波数の信号を受信する際には、前記スイッチ回路を短絡し、第2周波数の信号を受信する際には、前記スイッチ回路を開放する制御部とを備え、
    前記第1の導体部と前記接地導体部との間に設けられた第1の給電部を介して、前記第1の導体部上の第1の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部及び前記接地導体部を第1のアンテナ素子として動作させ、
    前記第1の導体部と前記第2の導体部との間に設けられた第2の給電部を介して、前記第2の導体部上の第2の給電点と前記無線通信回路とを接続することで、前記第1の導体部、前記第2の導体部、前記スイッチ回路、及び前記2つの短絡導体部を第2のアンテナ素子として動作させる、携帯無線通信装置。
  21. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記合成された無線信号を復調すると共に、前記第1のアンテナ素子単体で受信された無線信号及び前記第2のアンテナ素子単体で受信された無線信号をそれぞれ復調する復調回路と、
    前記合成された無線信号を復調して得られる信号品位と、前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号を復調して得られる各信号品位とを比較し、当該比較によって判断された最良の信号品位を有する無線信号を受信するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項20に記載の携帯無線通信装置。
  22. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理を実行する第1の処理回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号に選択ダイバーシチ処理を実行する第2の処理回路と、
    前記第1の処理回路から出力される無線信号の信号品位と、前記第2の処理回路から出力される無線信号の信号品位とを比較し、良好な信号品位を有する信号を選択して出力する選択回路とをさらに備える、請求項20に記載の携帯無線通信装置。
  23. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にアダプティブ制御処理をそれぞれ実行し、アダプティブ制御された無線信号を合成するアダプティブ制御回路と、
    前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された各無線信号の位相及び振幅を検出し、無線信号を最大比合成するように前記アダプティブ制御回路を制御する装置制御回路とをさらに備える、請求項20に記載の携帯無線通信装置。
  24. 前記第1及び第2のアンテナ素子で受信された無線信号にそれぞれMIMO復調処理を実行し、1つの復調信号を出力するMIMO復調回路をさらに備える、請求項20に記載の携帯無線通信装置。
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