JPWO2009031238A1 - イヤホン - Google Patents

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Abstract

簡単な構成で、再生音の音響特性を調整することができるイヤホンを提供すること、ユーザぞれぞれの外耳に密着し且つ音響特性を調整可能なイヤホンを提供すること。本発明に係るイヤホン1は、スピーカ本体部3を内蔵し、当該スピーカ本体部3からの音波を放音する開口部21が形成されたスピーカ筐体部2と、スピーカ本体部3から開口部21を介して放音された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管4と、音響制御管4に装着されるとともに当該音響制御管4と連通する筒形状部91を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓9とを有し、音響制御管4は、一端部に形成された連結部42が、スピーカ筺体部2の開口部21に形成された被連結部22に対して連結した状態で、固定部材7により着脱可能に固定される。所望の異なる音響特性の音響制御管4を交換することができる。

Description

本発明は、イヤホンに関する。
耳に装着する小型のスピーカ、詳細には、外耳道に挿着した状態で使用されるイヤホンが知られている(例えば、特許文献1参照)。イヤホンは、耳挿入方式インナーホンとも言われる。
上記イヤホンは、外耳道に装着されるレシーバ組立体(スピーカ本体部)からの音波を、音響カプラ(耳線部)に形成された孔部を介して、外耳道内に放射するように構成されている。また、上記イヤホンでは、音響カプラが外耳道の形状に順応するように弾性的に変形可能な音響シールを備える。
特表2001−512943号公報
ユーザそれぞれの好みに合うように再生音の音響特性を調節する場合、例えば、音響特性を調節する音声処理回路などを音声再生回路側に設ける方法がある。しかし、この方法では音声再生回路側に音声処理回路を設けることを要し、音声処理回路等が高価となる。
このためイヤホン側に音響特性の調節機能をもたせてユーザそれぞれの好みに合う再生音を発音することができるイヤホンが望まれている。しかし、上記特許文献1に記載されたイヤホンでは、外耳道の形状に順応する着脱可能な音響カプラを備えているが音響特性を調整することができない。
また、ユーザの外耳形状はそれぞれ異なっており、イヤホン装着時のイヤホンと外耳との間の密着の度合いや音漏れ度合などが音響特性に比較的大きな影響を与える。このためユーザそれぞれの外耳に密着し且つ音響特性を調整可能なイヤホンが望まれている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、簡単な構成で、再生音の音響特性を調整することができるイヤホンを提供すること、ユーザぞれぞれの外耳に密着し且つ音響特性を調整可能なイヤホンを提供すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
本発明に係るイヤホンは、スピーカ本体部を内蔵するとともに、当該スピーカ本体部からの音波を放射する開口部が形成されたスピーカ筐体部と、前記スピーカ本体部から前記開口部を介して放射された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管と、前記音響制御管に装着されるとともに当該音響制御管と連通する筒形状部を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓とを有し、前記音響制御管は、一端部に形成された連結部が、前記スピーカ筺体部の開口部に形成された被連結部に対して連結した状態で、固定手段により着脱可能に固定されることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るイヤホンの断面図である。 図1に示したイヤホンの分解斜視図である。 図1に示したイヤホンの背面側(音響放射方向に対して反対側)からの斜視図である。 外耳に装着された状態のイヤホン1を説明するための図である。 図1に示したイヤホンの音響制御管を説明するための図である。詳細には、(A)は音響制御管の斜視図であり、(B)は音響制御管の背面図であり、(C)は音響制御管の正面図であり、(D)は第1具体例に係る音響制御管の断面図であり、(E)は第2具体例に係る音響制御管の断面図であり、(F)は第3具体例に係る音響制御管の断面図である。 図1に示したイヤホンの音響制御管を詳細に説明するための図である。 本発明に係る音響制御管の音響特性を説明するための図である。詳細には(A)は異なる内径の複数の音響制御管の音響特性を説明するための図であり、(B)は筒状部の長手方向の長さが異なる音響制御管の音響特性を説明するための図である。 図1に示したイヤホンの耳介挿入体8を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るイヤホン1の分解斜視図である。
本発明の一実施形態に係るイヤホンは、異なる音響特性の音響制御管を交換可能に設けたことを特徴とする。詳細には、本発明に係るイヤホンは、スピーカ本体部を内蔵するとともに、当該スピーカ本体部からの音波を放射する開口部が形成されたスピーカ筐体部と、スピーカ本体部から開口部を介して放音された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管と、音響制御管に装着されるとともに当該音響制御管と連通する筒形状部を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓とを有し、音響制御管は、一端部に形成された連結部が、スピーカ筺体部の開口部に形成された被連結部に対して連結した状態で、固定手段により着脱可能に固定されることを特徴とする。
好適には、イヤホンは、内径又は長さが異なる内部構造の複数の音響制御管を備え、当該複数の音響制御管は交換可能に形成されている。
また、好適には、イヤホンは、互いに異なる形状の複数の交換可能な耳栓を備える。
また、好適には、少なくとも音響制御管及びスピーカ筐体部の一部又は全部を取り囲む弾性体の交換可能な耳介挿入体を有する。
上記構成のイヤホンでは、音響特性の異なる交換可能な音響制御管が、その音響制御管の一端部に形成された連結部が、前記スピーカ筺体部の開口部に形成された被連結部に対して連結した状態で、固定手段により着脱可能に固定されるので、簡単な構成で、再生音の音響特性を調整することができる。
また、本発明に係るイヤホンは、異なる形状の交換可能な複数の耳栓や交換可能な複数の耳介挿入体を有するので、ユーザぞれぞれの外耳に密着し且つ音響特性を調整可能なイヤホンを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るイヤホンを、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るイヤホンの断面図である。図2は、図1に示したイヤホンの分解斜視図である。図3は、図1に示したイヤホンの背面側(音響放射方向に対して反対側)からの斜視図である。
本実施形態に係るイヤホン(スピーカ装置ともいう)1は、スピーカ筺体部(筺体部)2、スピーカ本体部3、音響制御管4、吸音部材5、フィルタ6、固定部材7、耳介挿入体8、および耳栓9を有する。
スピーカ筺体部2は本発明に係るスピーカ筐体部の一実施形態に相当し、スピーカ本体部3は本発明に係るスピーカ本体部の一実施形態に相当し、音響制御管4は本発明に係る音響制御管の一実施形態に相当する。吸音部材5は本発明に係る吸音部材又は音響制御用シートの一実施形態に相当し、フィルタ6は本発明に係る音響制御用シートの一実施形態に相当する。固定部材7は本発明に係る固定手段の一実施形態に相当し、耳介挿入体8は本発明に係る耳介挿入体の一実施形態に相当し、耳栓9は本発明に係る耳栓の一実施形態に相当する。
以下、イヤホン1の各構成要素について図面を参照しながら説明する。
[スピーカ筺体部(筺体部)2]
筐体部2は、例えば図1に示すように、スピーカ本体部3を内蔵している。詳細には、筺体部2は、内部にスピーカ本体部3が収容される収容部210が形成されており、この収容部210にスピーカ本体部3が収容されている。筺体部2は、例えば第1のハウジング201と第2のハウジング202を有し、分解状態で収容部210にスピーカ本体部3を収容することができる。筺体部2の下部には、スピーカ本体部3の背面側(音響放射方向に対して反対側)から引き出されたスピーカコード301の引出通路2021が形成されている。
また、筺体部2は、音響放射側の先端部に、スピーカ本体部3からの音波を放射するための開口部21が形成されている。
本実施形態では、開口部21にスピーカ本体部3の音響放射口である突出部が嵌合する。詳細には、筺体部2は、開口部21が形成された音響放射側の先端部に、音響制御管4と連結する凹形状の被連結部22が形成されている。
また、開口部21が形成された音響放射側の先端部は、外径が筐体部2の背面側と比べて小さく形成されており、その外周部には固定部材7が着脱可能に固定されるための固定部が形成されている。詳細には、開口部21が形成された音響放射側の先端部に、固定部材7が螺合するための被螺合部23が形成されている。
また、筺体部2は、筺体部2の略中央部に段形状部24が形成されている。この段形状部24は、背面側と比べて音響放射側の外周の外径が小さく形成されている。また、段形状部24は筺体部2の全周に亘って形成されている。本実施形態では段形状部24に耳介挿入体8が接触するように配置される。この形状部24は耳介挿入体8の係止部が係止する被係止部の一部となっている。
また、筺体部2の背面側の側面部には、例えば図3に示すように、耳介挿入体8の凸形状部の突出した方向に略直交するように平坦部2025が形成されている。
図4は、外耳に装着された状態のイヤホン1を説明するための図である。
平坦部2025は、例えば図4に示すように、ユーザの外耳150に装着された状態で、外耳150の耳介151の突出部152に当接するように形成されている。このように、筺体部2に平坦部2025を形成することにより、図4に示すように、イヤホン1がユーザの外耳に対する密着の度合いを比較的高くすることができ、音漏れを低減することができる。また、本実施形態に係るイヤホン1は、密着の度合いが比較的高いので、密着の度合いが低い場合と比べて高い音響特性を有する。特に、低音再生帯域を大きくすることが可能となる。また、イヤホン1は、平坦部2025が耳介151の突出部152に当接した状態で位置決め固定されるので、比較的大きな外力が加わった場合でも、イヤホン1の位置ずれを低減することができる。
また、音響制御管4は、筒形状部41の外側部には、凹形状の被係止部418が形成されており、この被係止部418に耳介挿入体8と耳栓9が嵌合する。
[スピーカ本体部3]
スピーカ本体部3は、例えばスピーカコード301から入力された電気信号に応じた音波を放射する。スピーカ本体部3としては、電磁形スピーカ、ダイナミック形スピーカ、静電形スピーカ、圧電形スピーカ、等の公知のスピーカ装置を採用することができる。本実施形態に係るスピーカ本体部3としては、電磁形スピーカを採用する。電磁型スピーカは、例えば永久磁石の両磁極間に可動鉄心が配置され、さらに固定コイルを備える交流磁場により可動鉄心が振動する。この可動鉄心は、振動板に結合されていてもよいし、可動鉄心自体が振動板として機能してもよい。上記構造の電磁型スピーカは、例えば、ダイナミック形スピーカ装置と比べて小型である。ダイナミック形スピーカ装置は、低域側の再生帯域が大きいという利点があるが、小型化することが困難であり、イヤホンに内蔵することが困難である。一方、電磁形スピーカは、低域側の再生帯域がダイナミック形スピーカ装置よりも小さいが小型化することができるため、小型のイヤホンに内蔵することができる。
本実施形態に係るスピーカ本体部3は、上述したように、スピーカ筺体部2の内部に内蔵されている。詳細には、スピーカ本体部3は、図1に示すように、断面形状が略矩形状に形成され、音響放射側の端部には突出部が形成されており、この突出部に形成された通気孔から音波を放射する。
[音響制御管4]
図5は、図1に示したイヤホンの音響制御管を説明するための図である。詳細には、図5(A)は音響制御管の斜視図であり、図5(B)は音響制御管の背面図であり、図5(C)は音響制御管の正面図であり、図5(D)は第1具体例に係る音響制御管の断面図であり、図5(E)は第2具体例に係る音響制御管の断面図であり、図5(F)は第3具体例に係る音響制御管の断面図である。図6は、図1に示したイヤホンの音響制御管を詳細に説明するための図である。
音響制御管4は、筒形状部41、連結部42、およびフランジ43を有する。
音響制御管4は、スピーカ本体部3から筺体部2の開口部21を介して放射された音波に基づく音響特性を所定の音響特性に規定する内部構造を備える。詳細には、音響制御管4は、一端部に形成された連結部42が、筺体部2の開口部21に形成された被連結部22に対して連結した状態で、固定部材7により着脱可能に固定される。
上記構成の音響制御管4は、スピーカ本体部3から放射された音波を、筒形状部41の一端部に形成された音響進入口411から導波路412を通って、筒形状部41の他端部に形成された音響出力口413へ導波する。
また、音響制御管4は、所定の音響特性となるように内部構造、例えば図5(A)〜(F)に示すように、筒形状部41の内径,長さ,材質などが規定されている。音響制御管4は、上記構造により音響特性、共振周波数などが規定される。また、本実施形態に係るイヤホン1は、例えば、内径又は長さが異なる内部構造の複数の音響制御管4を備え、当該複数の音響制御管4は交換可能に形成されている。例えば図5(D)に示す音響制御管は、図5(E)に示す音響制御管と比べて、内径が小さく、図5(F)に示す音響制御管と比べて筒形状部41が長手方向に長い。
図6に示すように、本実施形態に係る音響制御管4は、連結部42が形成された端部(音響進入口411)の内径L411が、他端部(音響出力口413)の内径L413より大きい。詳細には、音響制御管4は、内径L411かつ所定長さの凹部4110が形成されている。
本実施形態に係る音響制御管4では、例えば内径が一定の筒形状部が形成された音響制御管と比べて、上記構成の凹部4110を設けたので、音響特性の高域側での音圧が減衰することを抑止することができる。また、上記構成の音響制御管4は、射出成型により容易に作製することができる。
また、筒形状部41の内径が異なる音響制御管4を作製する場合に、音響進入口411の内径L411を一定にして、音響出力口413側の内径L413を変更することが容易である。また、複数の音響特性の異なる音響制御管4として、音響制御管4の音響進入口411の内径L411を一定にして、内径L413を異なるようにすると、設計時に容易に音響特性を設定することができる。
図7は、本発明に係る音響制御管の音響特性を説明するための図である。詳細には、図7(A)は異なる内径の複数の音響制御管の音響特性を説明するための図であり、図7(B)は筒状部の長手方向の長さが異なる音響制御管の音響特性を説明するための図である。横軸は周波数F(Hz)を示し、縦軸はSPL(Sound pressure level)(dB(デシベル))を示す。
[第1の測定]
本願発明者は、筒形状部41の内径が基準値L(約3mm)、基準値L+4mm、基準値L+8mm、基準値L+10mmで、長手方向の長さがそれぞれ規定値の音響制御管4についてコンピュータシミュレーションを行い、図7(A)に示すような音響特性を得た。
図7(A)に示すように、音響制御管4の音響特性は、周波数が100Hz付近から約900Hzにかけて略一定値112dB程度であり、周波数が900Hzから約2500HzにかけてSPLが大きくなり、第1共鳴周波数F1、本実施形態では約2500Hz(第1)付近で極大値120dBとなり、第1共鳴周波数(約2500Hz)から約3500HzまではSPLが小さくなり、第2共振周波数F2(約4300Hz)で極大値を有し、それ以上の周波数では急激にSPLが小さくなる特性を有する。
また、筒形状部41の内径が基準値(約3mm)、基準値+4mm、基準値+8mm、基準値+10mmと大きくなると、特に、第2共振周波数F2が高音側にシフトして、そのピーク値が減少する特性がある。
[第2の測定]
また、本願発明者は、筒形状部41の長手方向の長さを基準値T+1mm、基準値T、基準値T−1mm、基準値T−2mm、基準値T−4mmで、内径が規定値の音響制御管4についてコンピュータシミュレーションを行い、図7(B)に示すような音響特性を得た。
筒形状部41の長さが短くなると、特に、第2共振周波数F2が高音側にシフトして、そのピーク値が減少する特性がある。
上述したように本発明に係るイヤホン1は、長さや内径の異なる複数の音響制御管4を有するので、ユーザはその中から所望の音響特性の音響制御管4を選択して筺体部2に装着することで、ユーザの好みに合う音響特性の再生音を聴くことができる。
また、本実施形態に係る音響制御管4は、図1,2,5,6に示すように、筒形状部41の長手方向がスピーカ本体部3の音響放射方向に対して規定角度に傾斜して形成されている。イヤホン1は、筒形状部41の長手方向がスピーカ本体部3の音響放射方向に対して規定角度に傾斜して形成されているので、ユーザの外耳150に装着された状態で、上記構成の音響制御管4が外耳150の外耳道内に高い密着度で挿着される。
フランジ43は、連結部42が形成された端部に、他端部より大きな外径に形成されている。このフランジ43は、図1に示すように、平坦部431が筺体部2の音響放射側端部に接するように形成されている。
また、左耳用イヤホンと右耳用イヤホンは、スピーカ本体部の音響放射方向に対する音響制御管の長手方向が、互いに略鏡面対称となるように規定角度に傾斜して形成される。これは左耳と右耳では外耳道の形状が略鏡面対称となっているので、本実施形態に係る左耳用イヤホン1と右耳用イヤホンそれぞれを、左耳と右耳に装着した際に密着度を向上させるためである。
左耳用イヤホンと右耳用イヤホンで、左耳用音響制御管と右耳用音響制御管の傾斜方向が異なり、例えば左耳用と右耳用の筺体部2と音響制御管4それぞれを逆に誤装着すると密着度が低下してしまう。
本発明の一実施形態に係るイヤホン1は、音響制御管4と筺体部2の連結構造が、左耳用イヤホンと右耳用イヤホンとで異なるように形成されている。詳細には、例えば図2に示すように、筺体部2の端部に被嵌合部221が形成され、音響制御管4の端部に被嵌合部221に対応する位置に嵌合部432が形成されており、被嵌合部221と嵌合部432とが嵌合することにより筺体部2と音響制御管4が位置決め固定される。
具体的には、図2に示すように、筺体部2の端部に2つの凸形状の被嵌合部221が規定間隔で形成されており、音響制御管4の端部に2つの凹形状の嵌合部432が、被嵌合部221に対応した位置に形成されている。本実施形態では、左耳用イヤホンおよび右耳用イヤホンのうち、一方のイヤホンでは、図2に示すように、筺体部2の結合面に形成された2つの突起部が、周方向にそれぞれ配置され、音響放射方向に向かって突出する形状に形成されており、本実施形態では音響放射側から視認して、周方向に沿って、1/4周または3/4周の間隔で形成されている。
また、左耳用イヤホンと右耳用イヤホンとで、この被嵌合部221と嵌合部432の形状や位置等が異なった構造を有する。
また、上述したように、筺体部2に被嵌合部221が形成され、音響制御管4に嵌合部432が形成されているので、筺体部2と音響制御管4が連結した状態で、筺体部2と音響制御管4とが相対的に周方向に沿ってずれることを防止することができる。
また、筺体部2と音響制御管4との連結構造は、上述した形態に限られるものではない。例えば筺体部2の結合面側に凹形状部が形成され、音響制御管4の結合面側に突起形状部が形成されていてもよい。また、左耳用イヤホンと右耳用イヤホンとで、ピッチの異なる波型形状の連結構造であってもよい。左耳用と右耳用の筺体部2と音響制御管4が誤装着しないような構造であればよい。
左耳用イヤホンおよび右耳用イヤホンのうち、他方のイヤホンでは、筐体部2の結合面に形成された2つの突起部が、上記間隔と異なる間隔、例えば半周の間隔で形成されていてもよい。
また、左耳用イヤホンと右耳用イヤホンとで、突起形状部と凹形状部とが逆となっていてもよい。
上記構成のように、左耳用イヤホンは、右耳用イヤホンに対して、筺体部2と音響制御管4の結合部の形状が異なるように形成することで、例えば、左耳用イヤホンの筺体部2と、右耳用イヤホンの音響制御管4とが誤装着するのを防止することができ、左耳用イヤホンの筺体部2と左耳用イヤホンの音響制御管4とを確実に装着することができる。また、右耳用イヤホンの筺体部2と右耳用イヤホンの音響制御管4とを確実に装着することができる。
[吸音部材5]
吸音部材5は、音響制御管4と筺体部2との間に配置されている。吸音部材5は、例えば、耳栓9や音響制御管4にて反射した音波を吸収することで、スピーカ本体部3から放射された音波と、耳栓9や音響制御管4にて反射された反射波とが干渉しあうことを抑止し、イヤホン1の音響特性へ悪影響が及ぶことを低減する。
特に、本実施形態に係る音響制御管4がスピーカ本体部側と耳栓9側とで内径が異なる場合、反射波が生じるが、吸音部材5を設けることにより、反射波を低減することができる。
吸音部材5としては、例えば不織布や織物を採用することができる。
[フィルタ6]
フィルタ(音響制御用シート)6は、音響制御管4の一端部又は他端部に配置されている。本実施形態に係るフィルタ6は、例えば音響制御管4の前面(音響出力口413側)に配置されている。例えばスピーカ本体部3に電磁形スピーカ装置を採用した場合、高域で比較的大きな音圧を有する音響特性となる。フィルタ6を、音響制御管4の前面に配置することで、高域での大きい音圧を低減することができ、低域から中域、中域から高域にかけて、フラットな周波数特性が得られる。
フィルタ6としては、例えば不織布や織物を採用することができる。
[固定部材7]
固定部材7は、音響制御管を筺体部2に対して着脱可能に固定する。詳細には、図1に示すように、音響制御管4の一端部に形成された連結部42が、スピーカ筺体部2の開口部21に形成された被連結部22に対して連結した状態で、固定部材7により着脱可能に固定される。
詳細には、固定部材7は、一方の開口端部71が、音響制御管4の他端部(音響出力口413)の外径より小さく、且つフランジ43の外径より小さく形成された内径を備え、他方の開口端部72が、フランジ43の外径より大きな内径に形成されるとともに、スピーカ筐体部2の端部に形成された被螺合部23に螺合する螺合部721を備える。
固定部材7は、音響制御管を筺体部2に対して着脱可能に固定することができれば、上述した形態に限られるものではない。
[耳介挿入体8]
図8は、図1に示したイヤホンの耳介挿入体8を説明するための図である。
耳介挿入体8は、音響制御管4および筺体部2の一部又は全部を取り囲むように形成されている。耳介挿入体8の形成材料としては、例えば樹脂やゴム等の弾性体を採用することができる。耳介挿入体8は、例えば図4に示すように、外側面がユーザの耳介に対応した形状に形成されている。
耳介挿入体8は、例えば図1〜4,8に示すように、開口部81、耳介用突出部82を有する。
開口部81は、中央部に形成されており、一端部の内径が音響制御管4の筒形状部41の外径と略同じ大きさに規定されており、他方の端部の内径は、筺体部2の先端部(音響放射側)の外径と略同じ大きさに形成されている。また、開口部81の他方の開口端部には、内側に向って突出した形状の係止部811が形成されている。
上記構成の耳介挿入体8は、係止部811が、固定部材7がスピーカ筐体部2に固定された状態で、固定部材7の端部に形成される段形状の被係止部725に対して係止することで、耳介挿入体8が筺体部2に対して位置決め固定される。
また、耳介挿入体8は、音響放射側の開口端部に形成された係止部814が、音響制御管4の筒形状部41の略中央部に形成された音響放射側の端部より外径が小さい凹状の被係止部418に係止する。
耳介用突出部82は、例えば図4に示すように、主として一方向または直交するに方向に向かって大きく突出した形状に形成されている。この耳介用突出部82の形状は外側面がユーザの耳介に対応した形状に形成されている。
また、図8に示すように、耳介挿入体8の係止部811には、切欠部812が形成されており、図2に示すように、この切欠部812が筺体部2の音響放射側の端部付近に形成された突出部28に嵌合することにより、筺体部2と耳介挿入体8とが位置決め固定される。
上記筺体部2と耳介挿入体8の連結構造では、耳介挿入体8が筺体部2に対して規定位置に確実に取り付けることができる。
[耳栓9]
耳栓9は、ユーザの外耳の外耳道に挿入される。この耳栓9は、図1に示すように、音響制御管4に装着されるとともに音響制御管4と連通する筒形状部91を備え、外周部92が弾性変形可能に形成されている。耳栓9は、例えばシリコーンゴム等の軟質材料で成形されている。
筒形状部91は、外端部(音響放射側端部)の内径が、音響制御管4の内径より大きい形状に形成されている。この音響制御管4に連通された耳栓9の構造では、内部構造がホーン形状となり、音響特性が向上する。
また、筒形状部91は、装着側の端部(音響放射側端部に対して反対側の端部)に、内側に向って突出した形状の係止部911が形成されている。この係止部911は、音響制御管4の略中央部に形成された、音響放射側の端部より外径が小さい凹状の被係止部418に、係止する。
外周部92は、本実施形態では傘形状に形成されており、この傘状部が弾性変形可能に形成されている。
図9は、本発明の一実施形態に係るイヤホン1の分解斜視図である。
本実施形態に係るイヤホン1は、例えば図1,9に示すように、内径又は長さが異なる内部構造の複数の音響制御管4を備え、当該複数の音響制御管4は交換可能に形成されている。また、イヤホン1は、互いに異なる形状の複数の耳栓9を備え、当該複数の耳栓9は交換可能に形成されている。イヤホン1は、異なる形状の複数の耳介挿入体8を備え、当該複数の耳介挿入体8は交換可能に形成されている。また、イヤホン1は、所定の異なる音響特性に規定する複数のフィルタ6を備え、当該複数のフィルタ6は交換可能に形成されている。また、イヤホン1は、異なる吸音特性の複数の吸音部材5を備え、当該複数の吸音部材5は交換可能に形成されている。
[動作]
次に、上記構成のイヤホン1の音響制御管4を交換する動作を、図面を参照しながら説明する。
詳細には、初期状態では、例えば図1に示すように、音響制御管4が筺体部2に固定部材7により固定され、音響制御管4,固定部材7,筺体部2の一部分を、耳介挿入体8が覆うように取り付けられている。また、音響制御管4の一端部(筐体部2側)には、吸音部材5が取り付けられており、他端部(音響放射側)には、フィルタ6が取り付けられており、音響制御管4には、耳栓9が装着されている。また、上記初期状態からイヤホン1に取り付けられている音響制御管4を取り外した後、他の音響特性の音響制御管4に取り換える動作を説明する。
[耳栓9の取外し工程]
まず、耳栓9の係止部911を、例えば人差し指と親指により、耳栓9の中央部付近を押圧して、耳栓9の筒状部の先端部付近を変形させた状態で、音響放射方向に引張ることにより、音響放射方向に引張力を印加して、耳栓9を音響制御管4から取り外す。
耳栓9は、ゴム等の弾性体により形成されており、変形した状態から復元力により所定時間後、元の形状に復元する。
[耳介挿入体8の取外し工程]
次に、耳介挿入体8を取り外す場合、例えば耳介挿入体8の突出部82を指などで、例えば音響放射方向に向かって押圧すると、耳介挿入体8が弾性変形して、係止部811が、固定部材7の端部に形成される段形状の被係止部725から取り外される。その状態で更に耳介挿入体8を音響放射方向に向かって押圧すると、耳介挿入体8の開口部が、音響制御管4の筒形状部41の外周面に沿って、長手方向の先端部に向ってスライドして、音響制御管4から取り外される。
[音響制御管4の取外し工程]
次に、固定部材7を回転させながら筺体部2から取り外す。そして、音響制御管4を筺体部2から取り外す。
[他の音響特性の音響制御管4の取付工程]
次に、音響特性の異なる音響制御管4を取り付ける動作を説明する。
まず、音響制御管4の連結部42を、筺体部2の凹形状の被連結部22に嵌合して取り付ける。この際、筺体部2に形成された凸形状の被嵌合部221に、音響制御管4の端部に形成された凹形状の嵌合部432を嵌合させる。
次に、この状態で、固定部材7を筺体部2に回転させながら取り付けて、音響制御管4と筺体部2とを固定部材7により固定する。詳細には、固定部材7の螺合部721を、スピーカ筐体部2の端部に形成された被螺合部23に螺合させる。
[耳介挿入体8の取付工程]
次に、所望の形状の耳介挿入体8を取り付ける。詳細には、耳介挿入体8の開口部に、音響制御管4の筒形状部41を指などで挿入して、例えば音響放射方向の反対方向に向かって押圧すると、耳介挿入体8が弾性変形して、係止部811が、固定部材7の端部に形成される段形状の被係止部725に係止する。
[耳栓9の取付工程]
次に、所望の形状の耳栓9を取り付ける。詳細には、耳栓9の筒形状部91を音響制御管4に取り付ける。この際、筒形状部91に形成された係止部911が、音響制御管4の略中央部に形成された、音響放射側の端部より外径が小さい凹状の被係止部418に係止する。
上述したように本発明に係るイヤホン1において、所望の音響特性の音響制御管4に交換することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。各種形態により本発明を実施してもよい。
例えば、筺体部2、スピーカ本体部3、音響制御管4、吸音部材5、フィルタ6、固定部材7、耳介挿入体8、耳栓9などの構成は、上述した実施形態に限られるものではない。
スピーカ本体部3は、電磁型スピーカを採用したが、この形態に限られるものではない。
また、上記実施形態では、筐体部2と固定部材7は、被螺合部23および螺合部721が螺合することにより固定したが、この形態に限られるものではなく、筐体部2と固定部材7は、簡単に着脱可能な構造を有していればよい。
以上、説明したように、本発明に係るイヤホン1は、スピーカ本体部3を内蔵するとともに、当該スピーカ本体部3からの音波を放音する開口部21が形成されたスピーカ筐体部2と、スピーカ本体部3から開口部21を介して放音された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管4と、音響制御管4に装着されるとともに当該音響制御管4と連通する筒形状部91を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓9とを有し、音響制御管4は、一端部に形成された連結部42が、スピーカ筺体部2の開口部21に形成された被連結部22に対して連結した状態で、固定部材7により着脱可能に固定されるので、所望の異なる音響特性の音響制御管4を交換することができ、再生音の音響特性を簡単に調整することができる。
【0002】
[0006]
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、簡単な構成で、再生音の音響特性を調整することができるイヤホンを提供すること、ユーザぞれぞれの外耳に密着し且つ音響特性を調整可能なイヤホンを提供すること、等が本発明の目的である。
課題を解決するための手段
[0007]
このような目的を達成するために、本発明は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備する。
[0008]
スピーカ本体部を内蔵するとともに、当該スピーカ本体部からの音波を放射する開口部が形成されたスピーカ筐体部と、前記スピーカ本体部から前記開口部を介して放射された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管と、前記音響制御管に着脱可能に装着されるとともに当該音響制御管と連通する筒形状部を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓とを有し、前記音響制御管は、一端部に形成された連結部が、前記スピーカ筐体部の開口部に形成された被連結部に対して連結した状態で、固定手段により着脱可能に固定されることを特徴とするイヤホン。
図面の簡単な説明
[0009]
[図1]本発明の一実施形態に係るイヤホンの断面図である。
[図2]図1に示したイヤホンの分解斜視図である。
[図3]図1に示したイヤホンの背面側(音響放射方向に対して反対側)からの斜視図である。
[図4]外耳に装着された状態のイヤホン1を説明するための図である。
[図5]図1に示したイヤホンの音響制御管を説明するための図である。詳細には、(A)は音響制御管の斜視図であり、(B)は音響制御管の背面図であり、(C)は音響制御管の正面図であり、(D)は第1具体例に係る音響制御管の断面図であり、(E)は第2具体例に係る音響制御管の断面図であり、(F)は第3具体例に係る音響制御管の断面図である。
[図6]図1に示したイヤホンの音響制御管を詳細に説明するための図である。
[図7]本発明に係る音響制御管の音響特性を説明するための図である。詳細には(A

Claims (19)

  1. スピーカ本体部を内蔵するとともに、当該スピーカ本体部からの音波を放射する開口部が形成されたスピーカ筐体部と、
    前記スピーカ本体部から前記開口部を介して放射された音波に対して所定の音響特性に規定する内部構造を備える筒形状の音響制御管と、
    前記音響制御管に装着されるとともに当該音響制御管と連通する筒形状部を備え、外周部が弾性変形可能に形成された耳栓とを有し、
    前記音響制御管は、一端部に形成された連結部が、前記スピーカ筺体部の開口部に形成された被連結部に対して連結した状態で、固定手段により着脱可能に固定されることを特徴とする
    イヤホン。
  2. 内径又は長さが異なる内部構造の複数の前記音響制御管を備え、当該複数の音響制御管は交換可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  3. 互いに異なる形状の複数の前記耳栓を備え、当該複数の耳栓は交換可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  4. 少なくとも前記音響制御管および前記スピーカ筐体部の一部又は全部を取り囲む弾性体の耳介挿入体を有することを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  5. 異なる形状の複数の前記耳介挿入体を備え、当該複数の耳介挿入体は交換可能に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のイヤホン。
  6. 前記音響制御管の一端部又は他端部に音響制御用シートが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  7. 異なる音響特性の複数の前記音響制御用シートを備え、当該複数の音響制御用シートは交換可能に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のイヤホン。
  8. 前記音響制御管と前記スピーカ筐体部との間に吸音部材が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  9. 異なる吸音特性の複数の前記吸音部材を備え、当該複数の吸音部材は交換可能に形成されていることを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
  10. 前記音響制御管は、前記連結部が形成された端部の内径が、他端部の内径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  11. 前記スピーカ本体部は、電磁型スピーカ装置であることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  12. 前記耳栓は、筒形状部の外端部の内径が、前記音響制御管の内径より大きい形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  13. 前記音響制御管は、前記一端部に、他端部より大きな外径のフランジが形成され、
    前記固定手段は、筒形状に形成され、且つ、
    一方の開口端部が、前記音響制御管の前記他端部の外径より大きく、且つ前記フランジの外径より小さく形成された内径を備え、
    他方の開口端部が、前記フランジの外径より大きな内径に形成されるとともに、前記スピーカ筐体部の端部に形成された被螺合部に螺合する螺合部を備えることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  14. 前記固定手段は、前記他方の開口端部の外径が、前記スピーカ筐体部の端部の外径より大きく形成され、
    前記固定手段が前記スピーカ筐体部に固定された状態で、前記固定手段の端部に形成される段形状の被係止部に対して、前記耳介挿入体の開口端部に形成された内側に向って突出した形状の係止部が係止することを特徴とする請求項13に記載のイヤホン。
  15. 前記音響制御管は、前記筒形状部の略中央部に、音響放射側の端部より外径が小さい凹状の被係止部を備え、
    前記耳栓は、前記筒形状部の装着側の端部に形成された、内側に向って突出した形状の係止部を備え、
    前記音響制御管の被係止部に前記耳栓の係止部が係止していることを特徴とする請求項3に記載のイヤホン。
  16. 前記耳介挿入体の音響放射側の開口端部に形成された係止部が、前記音響制御管に形成された被係止部に係止していることを特徴とする請求項15に記載のイヤホン。
  17. 前記音響制御管は、長手方向が前記スピーカ本体部の音響放射方向に対して規定角度に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  18. 左耳用イヤホンと右耳用イヤホンは、前記スピーカ本体部の音響放射方向に対する前記音響制御管の長手方向が、互いに略鏡面対称となるように規定角度に傾斜して形成され、
    前記音響制御管と前記筐体部の連結構造が、前記左耳用イヤホンと前記右耳用イヤホンとで異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
  19. 前記スピーカ筐体部は、側面部に平坦部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
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