JPWO2009028186A1 - 電磁界空間分布可視化装置、電磁界空間分布可視化方法およびそのプログラム - Google Patents

電磁界空間分布可視化装置、電磁界空間分布可視化方法およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

電磁界の強度を検知する電磁界センサ(10)と、電磁界センサ(10)を含む空間を撮影する1台のビデオカメラ(20)と、ビデオカメラ(20)により撮影された映像を解析することにより、電磁界センサ(10)の2次元位置を少なくとも特定する特定部(31)と、電磁界センサ(10)により検知された電磁界の強度と、特定部(31)により特定された2次元位置とに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する可視化部(32)とを備える。

Description

本発明は、電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置に関する。
電子・情報・通信・産業機器等から発生する不要電磁ノイズが他の電子装置に誤動作等の悪影響を及ぼす、いわゆるEMC(電磁環境)問題が大きく注目されている。そこで、電磁ノイズを発生している機器周辺における電磁界の空間分布を可視化するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。電磁界の空間分布を可視化することができれば、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となるからである。
図1は、特許文献1に開示される電磁妨害波測定装置の全体構成図である。ここでは、構造体1の電磁ノイズを測定する様子を示している。中央制御装置2には、入力装置3と、表示装置4と、スペクトラムアナライザ5と、発光素子6と、カメラA7−1と、カメラB7−2と、記憶装置8とが接続されている。
電磁界プローブ9には、発光素子6が固定されている。発光素子6を光らせた状態で電磁界プローブ9を基準点2や基準点3等に位置合わせして電磁ノイズを測定する。発光素子6が発する信号は、2つのカメラA7−1及びカメラB7−2により検知される。この2つのカメラA7−1及びカメラB7−2の視差により、電磁界プローブ9の位置が3次元的に計測されるようになっている。
特開2003−66079号公報
特許文献1に開示される技術によると、電磁界の空間分布を可視化することができるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
しかしながら、発光素子6を光らせた状態で電磁界プローブ9を基準点2や基準点3等に位置合わせする必要があるので、電磁界プローブの空間走査を行う大掛かりな測定装置が必要になることが予想される。また、視差を利用して電磁界プローブの位置を計測するようになっているので、少なくとも2台のカメラが必要である。
本発明は、上記課題を解決するものであって、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置等を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明のある局面に従う電磁界空間分布可視化装置は、電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置であって、電磁界の強度を検知する電磁界センサと、電磁界センサを含む空間を撮影する1台のビデオカメラと、ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、電磁界センサの2次元位置を少なくとも特定する特定部と、電磁界センサにより検知された電磁界の強度と、特定部により特定された2次元位置とに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する可視化部とを備える。
これにより、従来のように2台のカメラが必要となることも大掛かりなセンサ走査装置が必要となることもなく、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することができる。
好ましくは、電磁界センサの外形は球形であり、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサの位置に基づいて、2次元位置を特定する。
これにより、映像が示す電磁界センサの位置(例えば中心位置)を特定するという簡便な処理により、電磁界センサの2次元位置を特定することが可能となる。
好ましくは、特定部は、さらに、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサの外形の大きさに基づいて、電磁界センサの3次元位置を特定する。
これにより、映像が示す電磁界センサの外形の大きさを特定するという簡便な処理により、電磁界センサの3次元位置を特定することが可能となる。
好ましくは、特定部は、さらに、ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、電磁界センサの向きを特定する。
これにより、電磁界センサの向きが特定されるので、電磁界の強度及びベクトル方向を正しく検知することが可能となる。
好ましくは、電磁界センサの外形は、球面に所定のマークを有する球形であり、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサとマークとの位置関係に基づいて、電磁界センサの向きを特定する。
これにより、映像が示す電磁界センサとマークとの位置関係を特定するという簡便な処理により、電磁界センサの向きを特定することが可能となる。
好ましくは、電磁界センサは、XYZ方向のうち少なくとも2つの方向それぞれの球面位置に、相互に異なる模様又は色彩の円形のマークを少なくとも2つ有し、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサと円形のマークとの位置関係、及び円形のマークの模様又は色彩に基づいて、電磁界センサの向きを特定する。
これにより、映像が示す電磁界センサと円形のマークとの位置関係、及び円形のマークの模様又は色彩を特定するという簡便な処理により、電磁界センサの向きを特定することが可能となる。
好ましくは、可視化部は、電磁界の空間分布を一定サイクルで繰り返し可視化する。これにより、電磁界の空間分布をリアルタイムに可視化することが可能となる。
好ましくは、可視化部は、特定部により特定された2次元位置を、電磁界センサにより検知された電磁界の強度に応じた色彩で表示する。
これにより、電磁界の強度に応じた色彩が表示されるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
好ましくは、電磁界センサは、さらに、電磁界ベクトルの向きを検知し、可視化部は、特定部により特定された2次元位置を基点として、電磁界センサにより検知された電磁界ベクトルの向きに、電磁界センサにより検知された電磁界の強度に応じた長さの矢印を表示する。
これにより、電磁界ベクトルの向きに電磁界の強度に応じた長さの矢印が表示されるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
なお、本発明は、このような電磁界空間分布可視化装置として実現することができるだけでなく、このような電磁界空間分布可視化装置が備える構成要素が行なう特徴的な処理をステップとする電磁界空間分布可視化方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来のように2台のカメラが必要となることも大掛かりなセンサ走査装置が必要となることもなく、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することができる。
すなわち、本発明に係る電磁界空間分布可視化装置は、カメラで撮影された映像を見ながらセンサを動かすだけで、あたかも「空間に浮いている仮想的なキャンバスにセンサという筆で色を塗る」感覚で、きわめて容易に電磁界の空間分布を測定・可視化できるコンパクトな装置である。そのため、本発明に係る電磁界空間分布可視化装置は、大掛かりな測定装置を持ち込めないオフィスや工場等の現場における電磁環境の測定に非常に有用である。
しかも、本発明は、電磁ノイズ波源の位置・形状の推定に応用することもできるので、現場におけるノイズ波源の特定及びその対策のための重要な情報を与えることが可能となる。本発明に係る電磁界空間分布可視化装置が完成すれば、例えば機器のEMC試験において、従来のノイズスペクトル・強度のみの測定に加えて、電磁界空間分布及び波源の位置・形状までをも測定・可視化できるようになり、EMC測定法にきわめて大きなブレークスルーをもたらすものと期待できる。
また、本発明は、状況に応じて各種の電磁界センサを適宜選択することができるので、あらゆる場面で空間分布の測定・可視化が容易に行えるようになる。しかも、電磁界強度の空間分布を映像として全体的に把握できるようになり、建物や壁からの反射電波によるフェージング(干渉により発生する電磁界強度の空間的強弱)の発生状況などが容易に評価できるようになる。
さらに、見えない電磁界の空間分布を見えるようにできることは、電磁界や電波に関する科学技術の教育及び啓蒙の観点からも重要な意味を持つ。電磁界を容易に可視化できれば、電気磁気学や電波工学を専門に学習する大学生や技術者のみならず、一般の小中高生や大人に対しても電磁界や電波に対する興味を持たせることができ、その正しい理解を助けられるはずである。
図1は、特許文献1に開示される電磁妨害波測定装置の全体構成図である。 図2は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置の概略概観図である。 図3は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置の概略構成図である。 図4Aは、本発明の実施の形態における電磁界センサの内部構成図である。 図4Bは、本発明の実施の形態における電磁界センサの内部構成図である。 図5Aは、本発明の実施の形態における電磁界センサの概観図である。 図5Bは、本発明の実施の形態における電磁界センサの概観図である。 図5Cは、本発明の実施の形態における電磁界センサの概観図である。 図6Aは、本発明の実施の形態における電磁界センサの3次元位置を特定する手法の説明図である。 図6Bは、本発明の実施の形態における電磁界センサの3次元位置を特定する手法の説明図である。 図7Aは、本発明の実施の形態における電磁界センサの向きを特定する手法の説明図である。 図7Bは、本発明の実施の形態における電磁界センサの向きを特定する手法の説明図である。 図7Cは、本発明の実施の形態における電磁界センサの向きを特定する手法の説明図である。 図8Aは、本発明の実施の形態における電磁界センサの操作方法の説明図である。 図8Bは、本発明の実施の形態における電磁界センサの操作方法の説明図である。 図9は、本発明の実施の形態における可視化の例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態における可視化の別の例を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態における可視化の別の例を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置の動作を示す図である。
符号の説明
10 電磁界センサ
20 ビデオカメラ
30 PC
31 特定部
32 可視化部
40 ディスプレイ
50 電子レンジ
1000 電磁界空間分布可視化装置
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置1000の概略概観図である。なお、図2は、説明のために電子レンジ50も示している。
図2に示されるように、電磁界空間分布可視化装置1000は、電磁界センサ10と、ビデオカメラ20と、PC(Personal Computer)30と、ディスプレイ40とを備える。
電子レンジ50周辺における電磁界の空間分布を可視化する場合は、まず、ビデオカメラ20により電子レンジ50周辺の空間を撮影する。その際、電磁界センサ10も一緒に撮影されるようにしておく。
撮影された映像はPC30に入力され、ディスプレイ40に表示される。詳細については後述するが、この状態で映像を見ながら電磁界センサ10を移動させると、その移動軌跡上における電磁界の空間分布が次々とディスプレイ40に表示される。すなわち、あたかも空間キャンバスに電磁界センサ10で絵を描く感覚で、電磁界の空間分布を可視化することができるようになっている。
本発明は、電磁界の空間分布を可視化するものであるが、本実施の形態では、電磁ノイズの中でも特に低周波の電磁ノイズを可視化する場合に焦点を絞って説明する。すなわち、IHヒータ(数十kHz)、インバータ電源(数十kHz)、ブラウン管テレビ(15kHz)、電気ストーブ(50/60Hz)等が対象となる。
このような低周波電磁界に対しては、後述する3軸のセンサによりXYZの3方向の電磁界強度を同時に測定することができる。もちろん、高周波電磁界用アンテナを採用することにより、携帯電話(800MHz〜2GHz)、無線LAN(2.4GHz)等を測定対象とすることも可能である。このような高周波電磁界に対しては、測定時にアンテナが向いている1方向の電磁界強度を測定することができる。センサは、測定対象に応じて適宜交換することが可能となっている。
図3は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置1000の概略構成図である。
電磁界空間分布可視化装置1000は、電磁界センサ10と、1台のビデオカメラ20と、特定部31と、可視化部32と、ディスプレイ40とを備える。
電磁界センサ10は、電磁界の強度を検知して、検知した電磁界の強度をPC30の可視化部32へ送信する。ビデオカメラ20は、電磁界センサ10を含む空間を撮影して、撮影により得られた映像を、PC30の特定部31へ送信する。
特定部31は、ビデオカメラ20により撮影された映像を解析することにより、電磁界センサ10の3次元位置及び向きを特定する。可視化部32は、電磁界センサ10により検知された電磁界の強度と、特定部31により特定された電磁界センサ10の3次元位置及び向きとに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する。
ディスプレイ40は、ビデオカメラ20により撮影された映像や、可視化部32により可視化された電磁界の空間分布を表示する。ここでは、可視化部32とディスプレイ40とを別個の構成部としているが、ディスプレイ40は可視化部32の一部としてもよい。
図4Aおよび図4Bは、電磁界センサ10の内部構成図である。なお、図4Aおよび図4Bに示す電磁界センサ10は、電磁界センサの中でも、磁界を測定可能な磁界センサの例を示す。なお、電磁界センサ10は、電界を測定可能な構成、または、電界および磁界を測定可能な構成を有していてもよい。
図4Aに示されるように、電磁界センサ10の外形は球形である。この球形の筐体には、サーチコイルが内蔵されている。サーチコイルの外形は、幅L1が約1.5cm、長さL2が約10cmの四角柱である。このような3つのサーチコイル10X,10Y,10Zは、互いに直交するXYZ方向に組まれている。
サーチコイルの内部にはコアと呼ばれる円柱状の芯が入っていて、コアには銅線が1万〜2万回ほど巻かれている。銅線の両端の線を引き出して、図4Bに示されるようにPC30に接続し、電圧値Vx,Vy,Vzを測定する。銅線の両端の線を引きだしてPC30に接続するだけでは電圧が弱すぎて測定できない場合は、必要に応じて、図示しない増幅器を電磁界センサ10とPC30との間に介在させてもよい。
また、ここで例示している電磁界センサ10の内部構成は単なる一例である。例えば、外形サイズは変えることができるし、コア(磁性体)は円柱状である必要もないし、銅線の巻き数も感度により変えることができる。なお、以下の説明でいうX軸、Y軸、Z軸は、図4Aに示されるサーチコイル10X,10Y,10Zの配置にそれぞれ対応している。
図5A、図5Bおよび図5Cは、電磁界センサ10の概観図である。
電磁界の強度およびベクトル方向を正しく検知するには、電磁界センサ10の向きを知る必要がある。電磁界センサ10の向きは、ビデオカメラ20により撮影された映像を解析することにより特定するので、電磁界センサ10の球面に所定のマークを付しておく。
例えば、図5Aに示されるように、電磁界センサ10の左半分の領域11を青色に塗り、右半分の領域12を赤色に塗る等、左右対称的に異なる色彩又は模様を付しておく。あるいは、図5Bに示されるように、XYZ方向それぞれの球面位置に、相互に異なる模様又は色彩の円形マーク13X,13Y,13Zを付すようにしてもよい。
ただし、このようにXYZの正方向の球面位置にのみ円形マーク13X,13Y,13Zを付した場合は、裏側が正面になったときに電磁界センサ10の向きを特定することができなくなる。
そこで、図5Cに示されるように、XYZの負方向の球面位置にも、同様の円形マーク14X,14Y,14Zを付すようにするのが好ましい。このようにすれば、電磁界センサ10がどのような向きとなっても、その向きを正確に特定することができる。なお、電磁界センサ10に加速度センサを内蔵して、この加速度センサで垂直方向のずれを検知することも可能である。
図6Aおよび図6Bは、電磁界センサ10の3次元位置を特定する手法の説明図である。
まず、電磁界センサ10の3次元位置とは、「ビデオカメラ20から見たときの」相対的な電磁界センサ10の3次元位置を意味する。図6Aおよび図6Bに示されるように、ディスプレイ40には、ビデオカメラ20が電磁界センサ10を撮影することにより得られた映像が表示されている。この場合、ディスプレイ40に表示される映像には、電磁界センサ10の外形を示す球が表示されている。このような映像を解析することにより、球の位置(例えば中心位置)及び球の大きさを求める。
ディスプレイ40に表示される球の位置は電磁界センサ10の2次元位置を表し、球の大きさはビデオカメラ20から電磁界センサ10までの奥行き(距離)を表している。もちろん、映像上は2次元座標になるので、ここでいう球の位置は、映像上における円の位置P1、P2を意味し、球の大きさは、映像上における円の大きさL3、L4を意味する。
ここで、図6Aに示される球の大きさL3は、図6Bに示される球の大きさL4よりも小さい。したがって、図6Aにおける電磁界センサ10よりも、図6Bにおける電磁界センサ10の方がビデオカメラ20の近くにあることがわかる。このように、電磁界センサ10の外形を球形にすれば、電磁界センサ10がどのような方向を向いていようとも、電磁界センサ10の3次元位置を簡便に特定することが可能である。
図7A、図7Bおよび図7Cは、電磁界センサ10の向きを特定する手法の説明図である。
まず、電磁界センサ10の向きとは、「ビデオカメラ20から見たときの」相対的な電磁界センサ10の向きを意味する。ここでは、図5Bに示されるように、3つの円形マーク13X,13Y,13Zが付された電磁界センサ10を例示して説明する。
初期状態では、図7Aに示されるように、3つの円形マーク13X,13Y,13Zを確認することができる。この状態でZ軸を回転軸として電磁界センサ10を半時計回り(左回り)に45°回転させると、図7Bに示されるように、円形マーク13XはY軸に近づき、円形マーク13Yは裏側に回り込んで確認することができなくなる。
さらに、電磁界センサ10をZ軸を回転軸として半時計回り(左回り)に45°回転させると、図7Cに示されるように、円形マーク13XはY軸上の位置にくる。ここでは、Z軸を回転軸として回転させているので、円形マーク13Zの位置は変化しない。
このように、電磁界センサ10に所定のマークを付しておくと、その撮影映像を解析することにより、電磁界センサ10の向きを特定することができる。ここでは、XYZ方向それぞれの球面位置に、相互に異なる模様又は色彩の円形のマークを付しているので、その撮影映像が示す球(電磁界センサ10の外形)と円との位置関係、及び円の模様又は色彩に基づいて、電磁界センサ10の向きを特定することが可能となる。
なお、図5Aに示されるように、電磁界センサ10の左半分の領域11を青色に塗り、右半分の領域12を赤色に塗る等、左右対称的に異なる色彩又は模様を付しておく場合もある。この場合は、球に含まれる青色領域と赤色領域の面積比に基づいて、電磁界センサ10の向きを特定することができる。
ただし、このような面積比に基づく方法によると、電磁界センサ10の左右方向の傾きを特定することはできるが、上下方向の傾きを特定することはできない。したがって、電磁界センサ10が上下方向の傾きも特定する必要がある場合は、左右対称的に付された模様の傾きを認識する等、別の方法を併用することになる。
図8Aおよび図8Bは、電磁界センサ10の操作方法の説明図である。
既に説明した通り、電磁界センサ10は手に持って操作することになるが、電磁界センサ10の外形は球形であるため、手で持ちやすい工夫をしておく必要がある。
そこで、低周波の電磁ノイズを対象とする場合、すなわち3軸のセンサを採用する場合は、図8Aに示されるように、球形の電磁界センサ10に取っ手15を設けておく。この取っ手15を握るようにすれば、電磁界センサ10を容易に所望の位置へ移動させることができる。
一方、高周波の電磁ノイズを対象とする場合、すなわち高周波電磁界用アンテナを採用する場合は、図8Bに示されるように、球形の電磁界センサ10から突き出した棒16を握るようにする。このような棒16を採用したのは、高周波電磁界用アンテナの近くにユーザの手があると測定結果に影響を及ぼすので、影響を及ぼさない位置までユーザの手を高周波電磁界用アンテナから離すためである。
図9は、本発明の実施の形態における可視化の例を示す図である。
既に説明した通り、ビデオ映像上に映っている電磁界センサ10の「映像上での位置」を認識し、その位置に電磁界データを重ねてディスプレイ40に表示することになる。その際、高周波の電磁ノイズを対象とする場合は、測定時にアンテナが向いている1方向の電磁界強度のみを色で表示する。
一方、低周波の電磁ノイズを対象とする場合は、XYZの3方向の電磁界強度(あるいは、そのうちの1成分のみの電磁界強度)を色で表示してもよいし、3次元ベクトルの大きさを色として表示してもよい。
図9に示されるように、ディスプレイ40には、ビデオカメラ20で撮影された電子レンジ50と、その周辺の電磁界の空間分布が表示される。ここでは、図2の矢印に示されるように、電子レンジ50の前面手前において左上から右下まで電磁界センサ10を蛇行しながら移動させた場合を想定している。
この場合は、ディスプレイ40の左上から右下まで蛇行しながら次々と電磁界の強度に応じた色彩が表示されることになる。ここでは、電子レンジ50の前面左上部、前面左下部、右側面下部の3箇所が濃い色彩で表示されているので、この3箇所の電磁界強度が強いことがわかる。
ここで、本発明では、電磁界の空間分布をリアルタイムで可視化するようにしている。例えば、1秒間にディスプレイ40の画面を30回書き換えることができる場合、すなわちフレームレートが30fpsの場合は、1/30秒単位で電磁界強度(電圧値Vx,Vy,Vz)を検知し、また1/30秒単位で電磁界センサ10の3次元位置を特定する。そして、このように特定した3次元位置に、その時点の電磁界強度に応じた色彩を上書きしながら表示していく。これにより、あたかも空間キャンバスに電磁界センサ10で絵を描く感覚で、電磁界の空間分布を可視化することが可能となる。
図10は、本発明の実施の形態における可視化の別の例を示す図である。
図10に示されるように、電磁界ベクトルを矢印で可視化するようにしてもよい。すなわち、電磁界ベクトルまで検知することができる電磁界センサ10を用いれば、電磁界センサ10の3次元位置を基点として、電磁界ベクトルの向きの矢印を表示することが可能となる。この矢印の長さは、電磁界の強度に応じた長さとするのが好ましい。
ここでも、図9の場合と同様、電子レンジ50の前面手前において左上から右下まで電磁界センサ10を蛇行しながら移動させた場合を想定している。この場合は、図10に示されるように、電子レンジ50の前面左上部、前面左下部、右側面下部の3箇所において、複数の矢印が放射状に表示されることになる。
図11は、本発明の実施の形態における可視化の別の例を示す図である。
電磁界センサ10の位置が3次元的に求まっている場合は、電磁界ベクトルの方向を示す矢印等も3次元的に表示するのが好ましい。そこで、図11に示されるように、仮想的なXYZ軸を表示し、この3次元空間上に矢印を表示するようにしてもよい。その際、高周波の電磁ノイズを対象とする場合は、測定時にアンテナが向いている1方向の矢印を表示する。
一方、低周波の電磁ノイズを対象とする場合は、XYZの3方向の矢印(あるいは、そのうちの1方向のみの矢印)を表示する。もちろん、この仮想的な3次元空間に実際の電子レンジ50などの映像を重ねて表示する場合は、仮想空間と実空間とが一致するように位置合わせを行っておく。
あるいは、図11に示されるように、矢印に代えて円錐により電磁界ベクトルの方向を表してもよい。この場合は、電磁界ベクトルの向きに、電磁界センサ10の3次元位置を底面中心とする円錐を表示することになる。円錐の高さは、電磁界の強度に応じた高さとするのが好ましい。このように、矢印や円錐を3次元的に表示すれば、直感的に電磁界ベクトルの向きを把握することが可能となる。
図12は、本発明の実施の形態における電磁界空間分布可視化装置の動作を示す図である。以下、図12にしたがって、電子レンジ50周辺における電磁界の空間分布を可視化する場合の動作について説明する。
まず、ビデオカメラ20により電子レンジ50周辺の空間を撮影する。その際、電磁界センサ10も一緒に撮影されるようにしておき、撮影により得られた映像がPC30の特定部31へ送信されるようにしておく。そのうえで、電磁界センサ10を動作させると、1/30秒単位で電磁界の強度が検知され、検知された値が可視化部32へ送信される(S1)。
これにより、特定部31は、1/30秒単位で電磁界センサ10の3次元位置及び向きを特定し(S2)、特定した値を可視化部32に渡す。一方、可視化部32は、特定部31から受け取る、電磁界センサ10の3次元位置及び向きと、検知された電磁界強度とに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する(S3)。
ステップS1からS3までの処理を1/30秒単位で繰り返す。これにより、ユーザが映像を見ながら電磁界センサ10を移動させると、その移動軌跡上における電磁界の空間分布が次々とディスプレイ40に表示されることになる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来のように2台のカメラが必要となることも大掛かりなセンサ走査装置が必要となることもなく、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することができる。
すなわち、本発明に係る電磁界空間分布可視化装置は、カメラで撮影された映像を見ながらセンサを動かすだけで、あたかも「空間に浮いている仮想的なキャンバスにセンサという筆で色を塗る」感覚で、きわめて容易に電磁界の空間分布を測定・可視化できるコンパクトな装置である。そのため、大掛かりな測定装置を持ち込めないオフィスや工場等の現場における電磁環境の測定に非常に有用である。
しかも、本発明は、電磁ノイズ波源の位置・形状の推定に応用することもできるので、現場におけるノイズ波源の特定及びその対策のための重要な情報を与えることが可能となる。本発明に係る電磁界空間分布可視化装置が完成すれば、例えば機器のEMC試験において、従来のノイズスペクトル・強度のみの測定に加えて、電磁界空間分布及び波源の位置・形状までをも測定・可視化できるようになり、EMC測定法にきわめて大きなブレークスルーをもたらすものと期待できる。
また、本発明は、状況に応じて各種の電磁界センサを適宜選択することができるので、あらゆる場面で空間分布の測定・可視化が容易に行えるようになる。しかも、電磁界強度の空間分布を映像として全体的に把握できるようになり、建物や壁からの反射電波によるフェージング(干渉により発生する電磁界強度の空間的強弱)の発生状況などが容易に評価できるようになる。
さらに、見えない電磁界の空間分布を見えるようにできることは、電磁界や電波に関する科学技術の教育及び啓蒙の観点からも重要な意味を持つ。電磁界を容易に可視化できれば、電気磁気学や電波工学を専門に学習する大学生や技術者のみならず、一般の小中高生や大人に対しても電磁界や電波に対する興味を持たせることができ、その正しい理解を助けられるはずである。
なお、前述した説明では、ビデオカメラ20により撮影された映像を解析することにより電磁界センサ10の3次元位置及び向きを特定することとしている。しかしながら、これに限定されることなく、2台のビデオカメラを用いてステレオ撮影を行うことにより、あるいは、カメラ近傍に置いた標準磁界発生装置を利用することにより、電磁界センサ10の3次元位置及び向きを特定することも可能である。このような特定手法自体は公知技術であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
また、前述した説明では、電磁界センサ10の3次元位置及び向きを特定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電磁界センサ10の2次元位置を少なくとも特定することができればよい。
また、前述した説明では、電磁界の空間分布を可視化することとしているが、本発明によれば、目に見えないベクトル量(例えば風)を可視化することも可能である。風を可視化する場合は、電磁界強度に代えて風速を検知し、電磁界ベクトルの向きに代えて風向を検知することになる。それ以外の点は電磁界の場合と同様である。
また、電磁界センサ10にはLEDを取り付けるようにしてもよい。このLEDが映像信号と同期して特定のパターンで点滅を繰り返すようにすれば、ビデオカメラ20により撮影した映像を解析することにより電磁界センサ10の位置を容易に特定することができる。
さらに、電磁界センサ10上のいくつかの場所に複数個のLEDを搭載してそれぞれ時間的に異なるパターンで点滅させ、映像上でそれぞれのLEDの位置を個別に特定すれば、電磁界センサ10の位置だけでなく向きを特定することも可能となる。
また、前述した説明では特に言及しなかったが、測定電磁界をPC30に取り込む際は、A/D変換を用い、波形データとして取り込むことができる。そのデータに基づいて波形の大きさ及び電磁界ベクトルの向きを計算し、それらを可視化する。また、波形に対してフーリエ変換等のスペクトル解析を行うことで、特定の周波数成分の電磁界のみを取り出して可視化することも可能である。
また、前述した説明では、低周波電磁界センサと高周波電磁界用アンテナとを例示しているが、電磁界センサ10の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、電磁界の強度を検知することができればよく、その他の種類の電磁界センサ10を採用することも可能である。
また、前述した説明では、電磁ノイズを可視化する場合を例示して説明したが、本発明が可視化する対象はノイズに限定されるものではない。すなわち、本発明は、携帯電話や無線LANの電磁波など、ノイズとはいえない通信目的の電磁波を可視化することも可能である。このような通信目的の電磁波の空間分布を可視化することができれば、例えば携帯電話からの電波の放射特性が簡易に分かるので、携帯電話を開発する際に非常に有用である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することが必要な電磁環境測定装置等の用途に適用することができる。
【0002】
発明が解決しようとする課題
[0005]
特許文献1に開示される技術によると、電磁界の空間分布を可視化することができるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
[0006]
しかしながら、発光素子6を光らせた状態で電磁界プローブ9を基準点2や基準点3等に位置合わせする必要があるので、電磁界プローブの空間走査を行う大掛かりな測定装置が必要になることが予想される。また、視差を利用して電磁界プローブの位置を計測するようになっているので、少なくとも2台のカメラが必要である。
[0007]
本発明は、上記課題を解決するものであって、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置等を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008]
上述の課題を解決するために、本発明のある局面に従う電磁界空間分布可視化装置は、電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置であって、電磁界の強度を検知する電磁界センサと、電磁界センサを含む空間を撮影する1台のビデオカメラと、ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、電磁界センサの3次元位置を特定する特定部と、電磁界センサにより検知された電磁界の強度と、特定部により特定された3次元位置とに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する可視化部とを備える。
[0009]
これにより、従来のように2台のカメラが必要となることも大掛かりなセンサ走査装置が必要となることもなく、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することができる。
[0010]
好ましくは、電磁界センサの外形は球形であり、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサの位置に基づいて、3次元位置を特定する。
[0011]
これにより、映像が示す電磁界センサの位置(例えば中心位置)を特定す
【0003】
るという簡便な処理により、電磁界センサの2次元位置を特定することが可能となる。
[0012]
好ましくは、特定部は、さらに、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサの外形の大きさに基づいて、電磁界センサの3次元位置を特定する。
[0013]
これにより、映像が示す電磁界センサの外形の大きさを特定するという簡便な処理により、電磁界センサの3次元位置を特定することが可能となる。
[0014]
好ましくは、特定部は、さらに、ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、電磁界センサの向きを特定する。
[0015]
これにより、電磁界センサの向きが特定されるので、電磁界の強度及びベクトル方向を正しく検知することが可能となる。
[0016]
好ましくは、電磁界センサの外形は、球面に所定のマークを有する球形であり、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサとマークとの位置関係に基づいて、電磁界センサの向きを特定する。
[0017]
これにより、映像が示す電磁界センサとマークとの位置関係を特定するという簡便な処理により、電磁界センサの向きを特定することが可能となる。
[0018]
好ましくは、電磁界センサは、XYZ方向のうち少なくとも2つの方向それぞれの球面位置に、相互に異なる模様又は色彩の円形のマークを少なくとも2つ有し、特定部は、ビデオカメラにより撮影された映像が示す電磁界センサと円形のマークとの位置関係、及び円形のマークの模様又は色彩に基づいて、電磁界センサの向きを特定する。
[0019]
これにより、映像が示す電磁界センサと円形のマークとの位置関係、及び円形のマークの模様又は色彩を特定するという簡便な処理により、電磁界センサの向きを特定することが可能となる。
[0020]
好ましくは、電磁界センサは、所定時間経過毎に、電磁界の強度を検知し、特定部は、所定時間経過毎に、ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、電磁界センサの3次元位置を特定し、可視化部は、所定時間経過毎に、電磁界センサにより検知された最新の電磁界の強度と、特定部により特定された最新の電磁界センサの3次元位置とに基づいて、電磁界の空間分布を可視化する。これにより、電磁界の空間分布をリアルタイムに可視化することが可能となる。
[0021]
好ましくは、可視化部は、特定部により特定された3次元位置を、電磁界
【0004】
センサにより検知された電磁界の強度に応じた色彩で表示する。
[0022]
これにより、電磁界の強度に応じた色彩が表示されるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
[0023]
好ましくは、電磁界センサは、さらに、電磁界ベクトルの向きを検知し、可視化部は、特定部により特定された3次元位置を基点として、電磁界センサにより検知された電磁界ベクトルの向きに、電磁界センサにより検知された電磁界の強度に応じた長さの矢印を表示する。
[0024]
これにより、電磁界ベクトルの向きに電磁界の強度に応じた長さの矢印が表示されるので、機器のどこからどれくらい電磁ノイズが発生しているか直感的に把握することができ、電磁ノイズ対策が容易となる。
[0025]
なお、本発明は、このような電磁界空間分布可視化装置として実現することができるだけでなく、このような電磁界空間分布可視化装置が備える構成要素が行なう特徴的な処理をステップとする電磁界空間分布可視化方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
発明の効果
[0026]
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来のように2台のカメラが必要となることも大掛かりなセンサ走査装置が必要となることもなく、簡易な構成により電磁界の空間分布を可視化することができる。
[0027]
すなわち、本発明に係る電磁界空間分布可視化装置は、カメラで撮影された映像を見ながらセンサを動かすだけで、あたかも「空間に浮いている仮想的なキャンバスにセンサという筆で色を塗る」感覚で、きわめて容易に電磁界の空間分布を測定・可視化できるコンパクトな装置である。そのため、本発明に係る電磁界空間分布可視化装置は、大掛かりな測定装置を持ち込めないオフィスや工場等の現場における電磁環境の測定に非常に有用である。

Claims (11)

  1. 電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化装置であって、
    前記電磁界の強度を検知する電磁界センサと、
    前記電磁界センサを含む空間を撮影する1台のビデオカメラと、
    前記ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、前記電磁界センサの2次元位置を少なくとも特定する特定部と、
    前記電磁界センサにより検知された前記電磁界の強度と、前記特定部により特定された前記2次元位置とに基づいて、前記電磁界の空間分布を可視化する可視化部と
    を備える、電磁界空間分布可視化装置。
  2. 前記電磁界センサの外形は球形であり、
    前記特定部は、前記ビデオカメラにより撮影された映像が示す前記電磁界センサの位置に基づいて、前記2次元位置を特定する
    請求項1に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  3. 前記特定部は、さらに、前記ビデオカメラにより撮影された映像が示す前記電磁界センサの外形の大きさに基づいて、前記電磁界センサの3次元位置を特定する
    請求項2に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  4. 前記特定部は、さらに、前記ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、前記電磁界センサの向きを特定する
    請求項1に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  5. 前記電磁界センサの外形は、球面に所定のマークを有する球形であり、
    前記特定部は、前記ビデオカメラにより撮影された映像が示す前記電磁界センサと前記マークとの位置関係に基づいて、前記電磁界センサの向きを特定する
    請求項4に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  6. 前記電磁界センサは、XYZ方向のうち少なくとも2つの方向それぞれの球面位置に、相互に異なる模様又は色彩の円形のマークを少なくとも2つ有し、
    前記特定部は、前記ビデオカメラにより撮影された映像が示す前記電磁界センサと前記円形のマークとの位置関係、及び前記円形のマークの模様又は色彩に基づいて、前記電磁界センサの向きを特定する
    請求項5に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  7. 前記可視化部は、前記電磁界の空間分布を一定サイクルで繰り返し可視化する
    請求項1に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  8. 前記可視化部は、前記特定部により特定された前記2次元位置を、前記電磁界センサにより検知された前記電磁界の強度に応じた色彩で表示する
    請求項7に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  9. 前記電磁界センサは、さらに、電磁界ベクトルの向きを検知し、
    前記可視化部は、前記特定部により特定された前記2次元位置を基点として、前記電磁界センサにより検知された前記電磁界ベクトルの向きに、前記電磁界センサにより検知された前記電磁界の強度に応じた長さの矢印を表示する
    請求項7に記載の電磁界空間分布可視化装置。
  10. 電磁界の空間分布を可視化する電磁界空間分布可視化方法であって、
    前記電磁界の強度を電磁界センサにより検知する検知ステップと、
    前記電磁界センサを含む空間を1台のビデオカメラにより撮影する撮影ステップと、
    前記ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、前記電磁界センサの2次元位置を少なくとも特定する特定ステップと、
    前記検知ステップにおいて検知された前記電磁界の強度と、前記特定ステップにおいて特定された前記2次元位置とに基づいて、前記電磁界の空間分布を可視化する可視化ステップと
    を含む電磁界空間分布可視化方法。
  11. 電磁界の空間分布を可視化するためのプログラムであって、
    前記電磁界の強度を電磁界センサにより検知する検知ステップと、
    前記電磁界センサを含む空間を1台のビデオカメラにより撮影する撮影ステップと、
    前記ビデオカメラにより撮影された映像を解析することにより、前記電磁界センサの2次元位置を少なくとも特定する特定ステップと、
    前記検知ステップにおいて検知された前記電磁界の強度と、前記特定ステップにおいて特定された前記2次元位置とに基づいて、前記電磁界の空間分布を可視化する可視化ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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