以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施形態に係る制御システム10について説明する。
(構成)
図1は、実施の形態1に係る制御システム10を示す概略構成図である。
制御システム10は、住宅20における空気質に係る制御方法を実行するシステムである。即ち、制御システム10は、空気中の粒子の濃度を測定してその結果に応じて、その結果の表示のための制御、及び、空気質を変化させる制御(空気清浄機310a〜310c等の制御)を行う。空気質は、住宅20内の空気中の各種ガス成分量を示し、複数の対象物質の濃度等で表される。制御システム10では、空気質の要素としての空気中の1種以上の各種粒子種別の粒子の濃度に注目し、空気質の測定を、各種粒子種別の粒子の濃度の測定により行う。なお、粒子は、粉粒体、分子、原子、粒子状物質(PM:Particulate Matter)等である。粒子種別各々は、例えば、二酸化炭素、PM2.5、ホコリ(埃)、ニオイ(匂い)等であり、単一物質に限られない。ここで、粒子種別の一例となるホコリは、PM10であるものとし、ニオイは、アンモニア、アルコール、硫化水素、酢酸、トリメチルアミンといった匂いを発する芳香化合物等の集合であるものとする。住宅20は、建築物の一例であり、説明の便宜上、図1に示すように、部屋としてリビングルーム(リビングとも称する)、ダイニングルーム(ダイニングとも称する)及びキッチンを有するものとする。
制御システム10は、図1に示すように、制御装置100、情報端末200、空気清浄機310a〜310c、空気質センサ320及びビーコン発信機330を含んで構成される。
空気清浄機310a〜310c及び空気質センサ320は、住宅20における他の機器(不図示)とともにホームシステムを構成し、制御装置100と通信可能な機器のうち空気質の測定機能或いは空気質を変化させる機能を有する機器を代表して表したものである。ホームシステムを構成する他の機器は、例えば、照明器具、空調機器、テレビ受像機、オーディオ機器等である。ホームシステムは、HAN(Home Area Network)で相互に通信する機器群により構成され、ここではその一例として、HEMS(Home Energy Management System)であるとして説明する。HANは、有線ネットワークでもよいし、無線LAN等の無線ネットワークを含んでいてもよい。
空気清浄機310a〜310cは、分電盤の分岐回路に接続された電気機器であり、1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる清浄化機能を有する。空気清浄機310a〜310cは、ユーザ(例えば住宅20の住人)による手動操作でその清浄化機能を実行する他に、HANにより制御コマンドを受け付けることでその清浄化機能を実行し得る。空気質センサ320は、住宅20のリビング(リビング領域)に設置されており、リビング領域において空気中の複数種の粒子種別それぞれの粒子の濃度を測定し得るセンサである。空気質センサ320は、各粒子種別の粒子の濃度を測定してその測定結果である各粒子種別の粒子の濃度を示す濃度情報を、HANを介して制御装置100に送信する機能を有する。住宅20のダイニング(ダイニング領域)に設置されている空気清浄機310bは、ダイニング領域において空気中の複数種の粒子種別それぞれの粒子の濃度を測定し得るセンサを含んでいる。空気清浄機310bは、各粒子種別の粒子の濃度を測定してその測定結果である各粒子種別の粒子の濃度を示す濃度情報を、HANを介して制御装置100に送信する機能を含む。また、住宅20のキッチン(キッチン領域)に設置されている空気清浄機310aは、キッチン領域において空気中の複数種の粒子種別それぞれの粒子の濃度を測定し得るセンサを含んでいる。空気清浄機310aは、各粒子種別の粒子の濃度を測定してその測定結果である各粒子種別の粒子の濃度を示す濃度情報を、HANを介して制御装置100に送信する機能を含む。
制御装置100は、住宅20の各種機器で構成されるHEMSにおいて各機器を制御するHEMSコントローラとして機能するコンピュータである。制御装置100は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリ及び通信インタフェース(I/F)を備える。メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM(Read Only Memory)、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM(Random Access Memory)等であり、例えば不揮発性メモリを含んでもよい。プロセッサは、メモリに格納された制御装置用の制御プログラムを実行することにより例えば通信I/F等を制御して各種処理を行う。通信I/Fは、HANを介して無線又は有線で、空気清浄機310a〜310c、空気質センサ320、その他の住宅20内のHEMS機器等と通信する通信回路であり、また、無線(無線LAN等)により情報端末200と通信するための通信回路を含む。通信で用いられるプロトコルは予め定められており、HANにおいて例えばトランスポート層ではUDP(User Datagram Protocol)、アプリケーション層ではECHONET Lite(登録商標)等が用いられる。
ビーコン発信機330は、リビング領域に設置され、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)等の近距離通信規格に準拠して、自機に固有のビーコンID(identification)のビーコンを送信する発信機である。ビーコン発信機330は、例えば数十〜数百ミリ秒等といった所定周期でビーコンを繰り返し送信する。
情報端末200は、無線LAN(Local Area Network)等を介して制御装置100と通信可能なスマートフォン、タブレット等の移動体通信端末であり、ユーザに携帯され、ユーザからの入力を受け付けユーザへの情報の提示を行う。情報端末200は、制御システム10において制御装置100と連携して動作し、言わば制御装置100の入力装置及び表示装置として機能する。また、情報端末200は、普及しているスマートフォン等と同様に加速度センサを実装している。情報端末200は、更に、ビーコン発信機330が送信するビーコンを受信するための機能(例えばiBeacon(登録商標)機能)を実装している。このため情報端末200は、受信したビーコンの電波の強度(受信電界強度)により、自端末がリビング領域、ダイニング領域及びキッチン領域のいずれに所在するかを識別可能である。情報端末200は、ハードウェア面においては従来のスマートフォン等と同様である。即ち情報端末200は、プロセッサと、メモリと、通信I/Fと、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイと、ボタンその他の入力装置と、撮像素子(イメージセンサ)等からなる撮影装置(カメラ)を含んで構成される。入力装置は、例えばタッチパネルである。メモリは、ROM、RAM等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいてもよい。プロセッサは、メモリに格納された情報端末用の制御プログラムを実行することにより通信I/F、カメラ、ディスプレイ等を制御する処理を行う。メモリには、プロセッサに制御処理を実行させるための制御プログラムが格納されている。なお、情報端末200は、例えば移動体通信網等を介してインターネット等の広域ネットワークと無線接続可能であり、必要に応じて住宅20の外部のサーバ装置と通信して情報の授受(例えば制御プログラムのダウンロード等)を行ってもよい。
この制御システム10における空気質に係る制御方法は、概ね次のステップを含んで構成される。
即ち、各粒子種別の粒子の濃度に係る測定がなされる領域(リビング領域等)を含む撮影範囲を撮影して生成された画像(撮影画像と称する)を取得する画像取得ステップと、測定された各粒子種別の粒子の濃度を表すべく各粒子種別の粒子を代表する表示要素(キャラクター等のマーク)を粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示する表示ステップと、撮影範囲におけるいずれかの粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する空気清浄機310a〜310cの1台以上等の機器を、表示要素であるマークに対応してなされたユーザ操作に応じて制御する機器制御ステップとを含む。
制御装置100がこの制御方法の実行主体となり得るし、制御システム10における複数の装置類(機器、装置、端末等)の組み合わせもこの制御方法の実行主体となり得る。マークは、図案、標章等であり、アイコンを含む。
以下、上述の制御方法を、制御システム10における制御装置100及び情報端末200の連携により実行する例について詳しく説明する。まず、制御装置100及び情報端末200の機能について説明する。
図2は、制御装置100及び情報端末200の機能ブロック図である。
制御装置100は、空気質に係る制御方法を実行するために、機能面では図2に示すように画像取得部110、撮影情報取得部120、濃度情報取得部130、表示制御部140及び機器制御部150を備える。
画像取得部110は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現され、情報端末200から撮影画像を取得する機能を有する。撮影画像は、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域を含む撮影範囲の撮影により生成された画像である。撮影範囲は、撮影画像に写った撮影対象(被写体)の位置的範囲である。測定領域は、センサ等の測定装置による測定対象となる位置的範囲(例えば測定位置とその測定位置に近接した一定範囲)であり、ここでは、例えばリビング領域、ダイニング領域、キッチン領域等である。なお、画像取得部110は、情報端末200が移動することで撮影位置を変更して撮影が行われる毎に撮影により生成された撮影画像を取得し得る。また、画像取得部110は、情報端末200で、撮影が撮影方向を変更して行われる毎に撮影により生成された撮影画像を取得し得る。撮影方向は、例えばカメラの光軸方向等であり、その分解能は、例えば上方(天井方向)、下方(床方向)等と方向を2つに大別する程度であってもよい。
撮影情報取得部120は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現され、情報端末200から、撮影画像に係る撮影における撮影位置及び撮影方向を示す撮影情報430(後述)を取得する機能を有する。
濃度情報取得部130は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現され、各測定領域において各粒子種別の粒子の濃度をセンサにより測定することにより、各測定領域における各粒子種別の粒子の濃度を示す濃度情報を取得する機能を有する。具体的には、濃度情報取得部130は、空気質センサ320及び空気清浄機310b、310cから、HANを介して濃度情報を取得する機能を有する。図3に、濃度情報取得部130が取得した濃度情報の集合としての濃度情報410の一例を示す。同図に例示する濃度情報410は、測定領域位置情報411及び粒子種別412の組み合わせ毎に、濃度レベル413を対応付けた情報である。同図の例では、濃度情報410は、リビングにおけるPM2.5の濃度レベルが7であり、リビングにおけるホコリの濃度レベルが7であり、キッチンにおけるニオイの濃度レベルが5であることを示している。ここでは、濃度レベルを、1〜8の8段階に区分した値で例示している。図4に、濃度情報取得部130が取得する濃度情報410の基礎として用いられる空気清浄機310b、310cからの情報の一例を示す。図4の例では、ECHONET Lite(登録商標)でのデータの授受に用いられる「空気清浄器」クラスのプロパティにおいてコード(EPC値)を追加している。濃度情報取得部130は、例えば、空気清浄機310b、310cが測定したPM2.5の粒子の濃度に係るデータを、PM2.5検知状態(瞬時値)プロパティ421或いはPM2.5検知状態(平均値)プロパティ423にアクセスすることで取得できる。濃度情報取得部130は、例えば、PM2.5検知状態(瞬時値)プロパティ421及びPM2.5検知状態(平均値)プロパティ423の両方を用いた所定演算により濃度レベルを算出してもよい。なお、空気質センサ320から各粒子種別の濃度を取得する場合にも、同様の方法を利用し得る。
表示制御部140は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現される。表示制御部140は、各粒子種別についての粒子を代表する各表示要素(各種マーク)を、撮影範囲に含まれる各測定領域で測定された、そのマークに対応する粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示するように、表示装置としての情報端末200を制御する機能を有する。ここでは情報端末200の表示に係る制御は、具体的には、撮影画像にマークを重畳させた合成画像を生成して情報端末200に転送することとして説明する。なお、上述の情報端末200の表示に係る制御は、他に例えば、撮影画像の前面に重ね合わせられるように周囲を透明にしたマークの画像を情報端末200に転送することによっても実現し得る。また、マークの形状、模様、色彩等の情報とマークの表示数、表示位置等を示す情報とを情報端末200に転送すること等によっても実現し得る。なお、合成画像の転送以外の場合には、情報端末200側で、転送された画像或いは情報に基づいてマークを撮影画像の前面に重ね合わせる。表示制御部140が、情報端末200に表示する表示要素(マーク)及び表示態様を特定する方法としては、様々な方法を用いることができ、その一例については後に説明する。
機器制御部150は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現される。機器制御部150は、撮影範囲における各粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器(空気清浄機310a〜310cの1台以上等)を、情報端末200でのマークの表示に対応してなされた操作に応じて、制御する機能を有する。
また、情報端末200は、機能面では図2に示すように撮影部210、撮影情報管理部220、表示部230、操作対応部240及び出力部250を備える。
撮影部210は、制御プログラムを実行するプロセッサ、カメラ等により実現され、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域(リビング領域等)を含む撮影範囲の撮影により撮影画像を生成する機能を有する。
撮影情報管理部220は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F、加速度センサ等により実現される。撮影情報管理部220は、撮影部210による撮影を管理し、撮影画像に係る撮影における撮影位置及び撮影方向を測定することで、撮影位置及び撮影方向を示す撮影情報430を特定する機能を有する。具体的には、撮影情報管理部220は、重力ベクトルが反映される加速度センサによる測定結果に基づいて、情報端末200のカメラによる撮影方向が、上方及び下方のいずれであるかを特定する。撮影情報管理部220は、ビーコン発信機330からのビーコンの受信電界強度により、情報端末200がリビング領域、ダイニング領域及びキッチン領域のいずれに所在するかを識別し、撮影時の情報端末200の所在位置を撮影位置として特定する。図5は、情報端末200の所在位置の区別を示す図である。iBeacon(登録商標)機能により撮影情報管理部220は、ビーコン発信機330からのビーコンを受信できれば、ビーコン発信機330からの距離が「直近」(immediate)、「近い」(near)及び「遠い」(far)のいずれであるかを大別できる。ここでは、説明の便宜上、住宅20においてビーコン発信機330をリビングに設置しておき、情報端末200がリビングに所在すれば「直近」、ダイニングに所在すれば「近い」、キッチンに所在すれば「遠い」の値が得られるようにしている。なお、情報端末200の位置の検出のために、ビーコン発信機を複数利用してもよく、また、あらゆる位置測定の技術が利用可能である。なお、情報端末200は、撮影部210により生成された撮影画像と、撮影情報管理部220により特定された撮影位置及び撮影方向を示す撮影情報430とを、制御装置100へと送信する。図6に、情報端末200が制御装置100へと送信する撮影情報430の一例を示す。同図に例示する撮影情報430は、ダイニングという撮影位置431、及び、上方という撮影方向432を示している。
表示部230は、制御プログラムを実行するプロセッサ、ディスプレイ等で実現され、制御装置100から情報端末200が受信した合成画像を表示する機能を有する。表示部230は、合成画像の表示により、各粒子種別の粒子を代表する表示要素(マーク)を、撮影画像の撮影範囲に含まれる各測定領域で測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示することを実現する。
操作対応部240は、制御プログラムを実行するプロセッサ、入力装置(例えばタッチパネル)等により実現され、表示部230により表示されたマークに対応してなされた操作を受け付ける機能(言わば操作受付部としての機能)を有する。操作対応部240は、更に、表示部230により表示されたマークを選択する操作に対応して、制御システム10における機器の制御の要否を確認する機能(言わば確認部としての機能)を有する。確認部としての機能は、具体的には操作受付部としての機能を利用して、例えば、マークの選択の操作を受け付け、機器の制御の要否をユーザに確認するための要否確認用画像を表示し、更に、要否確認用画像に対応した操作を受け付けることで実現される。
出力部250は、制御プログラムを実行するプロセッサ、通信I/F等により実現される。出力部250は、操作対応部240(操作受付部)により受け付けられた操作に応じて、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器の制御用の情報を生成してその情報を出力する機能を有する。出力部250による機器の制御用の情報の出力は、例えば操作対応部240で受け付けたユーザの操作により選択されたマークの粒子種別を示す情報の制御装置100への送信である。
(動作)
以下、上述した構成(図1、2参照)を備える制御システム10が用いる制御方法としての各装置類の動作について説明する。
図7は、情報端末200と制御装置100との連携動作の一例を示すシーケンス図である。以下、同図に即して、主に制御装置100及び情報端末200の動作に注目して説明する。
情報端末200は、例えばユーザの操作に応じて制御プログラム(例えば空気質を制御するためのアプリケーションプログラム等)をプロセッサにより実行し、制御プログラムに従ってステップS11〜S13、S21〜S24の動作を実行する。この動作は、繰り返し行われ得る。
ユーザは、知りたい屋内の空気質の状態(例えば粒子の濃度レベル等)を情報端末200に表示させるために、情報端末200を携帯して移動し情報端末200のカメラで住宅20の内部(部屋内等)を撮影する。これにより情報端末200は、撮影部210においてカメラで住宅20の内部を撮影し、撮影画像を生成する(ステップS11)。また、情報端末200は、ビーコン発信機330からのビーコンの受信により撮影位置を検出し、加速度センサにより撮影方向を検出することで、撮影情報管理部220により撮影情報430を特定する(ステップS12)。そして、情報端末200は、撮影画像と特定した撮影情報430とを制御装置100に送信する(ステップS13)。
制御装置100は、画像取得部110で、情報端末200から送信された撮影画像を取得し、撮影情報取得部120で、撮影情報430を取得する。そして、制御装置100は、表示制御部140で、撮影情報430等に基づいて、情報端末200に表示する表示要素(マーク)及びその表示態様を特定する(ステップS14〜S18)。
表示制御部140では、撮影情報取得部120により取得された撮影情報430に基づき、予め定められた粒子種別特定用情報440を参照して、情報端末200に表示させるべきマークに係る粒子種別を特定する(ステップS14)。図8に、粒子種別特定用情報440の一例を示す。同図に示すように、粒子種別特定用情報440は、撮影位置441及び撮影方向442の組と粒子種別443とを対応付けた情報である。表示制御部140により、撮影情報取得部120により取得された撮影情報430における撮影位置431及び撮影方向432が、粒子種別特定用情報440の撮影位置441及び撮影方向442と照合される。粒子種別特定用情報440は、撮影位置441が指す位置において撮影方向442が指す方向を撮影した場合には、粒子種別443が指す粒子種別の粒子を代表するマークを表示対象として特定するために、制御システム10において規定されている。粒子種別特定用情報440は、例えば撮影位置及び撮影方向からユーザの関心が高いと推定される粒子種別を特定するように規定されることが有用となる。ユーザが予め粒子種別特定用情報440を設定できるようにしてもよい。図8の例によれば、表示制御部140は、ユーザが情報端末200のカメラによりリビングにおいて上方を撮影している場合には、PM2.5及びホコリを、情報端末200に表示させるべきマークに係る粒子種別として特定する。従って、ユーザは、リビングにおいて上方にカメラを向けると、リビングの空中を浮遊するPM2.5及びホコリの状態を知ることができるようになる。また、図8の例によれば、表示制御部140は、ユーザが情報端末200のカメラによりキッチンにおいて上方或いは下方を撮影している場合には、ニオイを、情報端末200に表示させるべきマークに係る粒子種別として特定する。
また、制御装置100は、濃度情報取得部130により濃度情報410を取得する(ステップS15)。表示制御部140は、撮影範囲に含まれる測定領域で測定された、ステップS14で特定された粒子種別の粒子の濃度(濃度情報410の濃度レベル)から、予め定められた表示マークテーブル450の参照等により、有害性を評価して評価区分を特定する(ステップS16)。
どの測定領域で測定された濃度から有害性の評価を行うかを特定するために、表示制御部140は、例えば撮影範囲を、撮影情報取得部120により取得された撮影情報430における撮影位置及び撮影方向に基づいて算定する。撮影範囲の算定において、カメラの画角の情報を撮影情報430に含ませて利用してもよいし、画角として固定値を用いてもよい。表示制御部140は、例えば撮影情報430における撮影位置により、測定領域を特定してもよい。ここでは、表示制御部140は、撮影位置により測定領域を特定するものとする。即ち、表示制御部140は、撮影情報430が示す撮影位置431がリビングであれば、濃度情報410の測定領域位置情報411がリビングに対応する、特定した粒子種別412についての濃度レベル413を参照して有害性の評価を行う。
表示制御部140は、有害性の評価区分に応じて、表示マークテーブル450に基づき、情報端末200に表示させるべきマークを特定する(ステップS17)。図9に、表示マークテーブル450の一例を示す。同図に示すように、表示マークテーブル450は、有害性評価区分451と、粒子種別452と、濃度レベル453とマーク454とを対応付けたテーブルである。表示制御部140により、濃度情報410における特定した粒子種別412についての濃度レベル413に応じて、表示マークテーブル450の粒子種別452と濃度レベル453とが特定される。そして、対応する有害性評価区分451に示すように有害性が特定され、対応するマーク454が特定される。有害性評価区分451は、予め粒子種別452が指す粒子種別の粒子が、濃度レベル453が指す濃度である場合における有害性を指すように予め規定されている。ここでは、有害性を3段階に区分している。図9の例ではマーク454は、粒子種別452の値毎に相違し、濃度レベル453の値を複数段階に区分した区分毎つまり有害性評価区分451の値毎に相違するように定められている。また、図9の例ではマーク454は、対応する有害性評価区分451が示す有害性が高い程、悪そうな顔のキャラクターを表し、有害性が高くないと悪くない顔のキャラクターを表している。なお、悪そうな顔のキャラクターは一例に過ぎず、例えば怒っている顔のキャラクター、泣いている顔のキャラクター等に置き換えてもよい。また悪くない顔のキャラクターも一例に過ぎず、例えば喜んでいる顔のキャラクター、笑っている顔のキャラクター等に置き換えてもよい。このマーク454で示される各マークが情報端末200に表示要素として表示され得る。即ち、複数の有害性の評価区分に一対一に対応して予め定められた互いに異なる複数のマークのうち、表示要素が代表する粒子種別の粒子の測定された濃度に基づき有害性を評価して得られた評価区分に対応するマークがその表示要素として表示され得る。なお、図9に示すように、各マークは、一定の表示態様を有しており、つまり、形状及び模様を有しており、また、例えば色彩が付加され得る。例えば、マークが代表する粒子に係る粒子種別の相違に応じてマークの色を異ならせてもよい。表示制御部140は、特定した粒子種別の粒子について測定された濃度に基づいて、情報端末200に表示させるマークを変化させ得る。
このようにして表示制御部140は、情報端末200に、例えば、第1粒子種別(例えばPM2.5)の粒子に係る表示要素を、その第1粒子種別の粒子の測定された濃度が第1値(例えば濃度レベルが8)である場合には第1表示態様で表示させる。これにより、第1表示態様の、第1粒子種別に対応する表示要素(例えば悪そうな顔の輪郭が折れ線のキャラクターのマーク)が表示される。表示制御部140は、その第1粒子種別の粒子の測定された濃度が第1値と異なる第2値(例えば濃度レベルが1)である場合には形状(例えば輪郭)、模様(例えば顔パターン等)及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様と同一であり且つ形状、模様及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様と異なる第2表示態様で表示させる。これにより第2表示態様の、第1粒子種別に対応する表示要素(例えば悪くない顔の輪郭が折れ線のキャラクターのマーク)が表示される。また表示制御部140は、第1粒子種別と異なる第2粒子種別(例えばホコリ)の粒子に係る表示要素を、形状、模様及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様とも第2表示態様とも異なり、且つ、その第2粒子種別の粒子の測定された濃度に応じた表示態様で表示させる。これにより、その表示態様の、第2種別に対応する表示要素(例えば顔の輪郭が円形の破線のキャラクターのマーク)が表示される。そして、ユーザは、粒子種別の相違、粒子の濃度の相違等を把握できるようになる。
表示制御部140は、また、濃度情報410における特定した粒子種別412についての濃度レベル413に応じて、予め定められた表示数テーブル460を参照して、情報端末200に表示させるべきマークの表示数を特定する(ステップS18)。マークの表示数は、マークの表示態様の一種である。マークの表示態様は、そのマークが代表する粒子種別の粒子について測定された濃度を反映したものとなる。図10に、表示数テーブル460の一例を示す。表示数テーブル460は、濃度レベル461と表示数462とを対応付けたテーブルである。表示数テーブル460を用いて表示制御部140により、特定した粒子種別412についての濃度レベル413を含む範囲の濃度レベル461に対応する表示数462が特定される。
このように情報端末200に表示するマークとその表示数とを特定した後、表示制御部140は、その表示数分のマークを、画像取得部110が取得した撮影画像の上に重ねるように合成した合成画像を生成する(ステップS19)。そして、表示制御部140は、生成した合成画像を、情報端末200に表示させるために、情報端末200へと送信する(ステップS20)。
情報端末200では合成画像を取得して表示部230により、合成画像を表示する(ステップS21)。これにより、撮影画像に重畳したマークが情報端末200のディスプレイに表示されるようになる。ここで、図3に例示する濃度情報410、図8に例示する粒子種別特定用情報440、図9に例示する表示マークテーブル450、及び、図10に例示する表示数テーブル460を前提として説明する。この場合に、ステップS11でキッチンにおいて撮影されて撮影画像が生成された場合には、ステップS21で例えば図11Aに示す画面510が情報端末200のディスプレイに表示される。表示要素としての、ニオイの粒子を代表するマーク511は、キッチンのニオイの濃度レベルが5(図3参照)であることを反映した数(つまり3個)、及び、悪くない顔の輪郭が波形のキャラクターを表すマークという表示態様で表示される。また、ユーザが情報端末200を携帯してキッチンからリビングへと移動し、ステップS11でリビングにおいて上方を撮影したとする。この撮影で撮影画像が生成された場合には、ステップS21で例えば図11Bに示すような画面520が情報端末200のディスプレイに表示される。PM2.5の粒子を代表するマーク521は、リビングのPM2.5の濃度レベルが7であることを反映した数(4個)、及び、悪そうな顔の輪郭が折れ線のキャラクターを表すマークという表示態様で表示される。また、ホコリの粒子を代表するマーク522は、リビングのホコリの濃度レベルが7であることを反映した数(4個)、及び、少し悪そうな顔の輪郭が円形の破線のキャラクターを表すマークという表示態様で表示される。
情報端末200のディスプレイに表示された画面を見たユーザが、いずれかの粒子種別の表示要素(マーク)のいずれか1つを選択する操作(例えば、ディスプレイに重ねられたタッチパネルに対して1つのマークの表示位置へのタッチ操作)を行う。この場合に、操作対応部240がその操作を検知して(ステップS22)、要否確認用画像をディスプレイに表示して機器の制御の要否をユーザに確認する(ステップS23)。要否確認用画像の一例を図11Cに示す。図11Cは、図11Bに示す画面520が表示されたときにユーザがマーク521を選択する操作をした後の状態であり、マーク521の周囲に選択されたことを表す枠線533が付加され、更に要否確認用画像530が表示されている。要否確認用画像530は、制御を必要とする旨の操作を受け付けるためのボタン531と、制御を必要としない旨の操作を受け付けるためのボタン532を含んでいる。ステップS23において、要否確認用画像に対応してユーザから制御を必要とする旨の操作を受け付けた場合には、情報端末200は、出力部250により、機器の制御用の情報を制御装置100に送信する(ステップS24)。機器の制御用の情報は、例えば選択されたマークの粒子種別を示す情報である。なお、ステップS22においてマークの選択の操作がなされない場合及びステップS23において機器の制御を必要とする旨の操作を受け付けない場合には情報端末200は、機器の制御用の情報の制御装置100への送信を行わない。
ステップS24で情報端末200の出力部250が、ユーザが選択したマークの粒子種別を示す情報を制御装置100に送信すると、制御装置100はその情報を受信して粒子種別を取得する。そして、制御装置100の機器制御部150は、その粒子種別と撮影情報430等により特定された撮影範囲に基づいて、例えば機器制御用テーブル470を参照することで、制御すべき機器及び制御に用いる制御コマンドを特定する(ステップS25)。図12に、機器制御用テーブル470の一例を示す。同図に示すように、機器制御用テーブル470は、機器ID471と対応位置472と対応粒子種別473と制御コマンド474とを対応付けたテーブルである。機器ID471は、対応位置472が指す位置における空気質を変化させ得る機器の識別情報であり、制御コマンドの送信先を特定する情報である。図12の例は、リビングに設置されている空気清浄機310c(図1参照)の機器IDが「A」であることを想定した例となっている。制御コマンド474は、機器ID471で識別される機器に、対応粒子種別473が指す粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を実行させるための制御コマンドを示す。機器制御部150はステップS25で特定された機器に制御コマンドを送信する(ステップS26)。機器制御部150は、撮影範囲が例えばリビングを含み、図11Cに例示するようにユーザがPM2.5を選択した場合においては、図12の例によると、機器IDが「A」である機器(空気清浄機310c)に制御コマンド「x1」(制御信号)を送信する。ECHONET Lite(登録商標)等のプロトコルに従ってこの制御コマンドがHANを介して目的の機器(例えば空気清浄機310c)へと送信されると、機器により制御コマンドに応じて特定の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能が実行される。
情報端末200及び制御装置100が連携して上述した動作を繰り返し行い得る。例えばステップS11での撮影からステップS21での合成画像の表示までを数秒以下の周期で繰り返してもよい。これにより、ユーザが情報端末200を移動させて撮影するような場合において撮影が撮影位置或いは撮影方向を変更して行われる毎にその撮影により生成された撮影画像を取得して、その撮影画像に対応する合成画像の表示等が行われるようになる。
このため、ユーザは、住宅20の各部屋を移動して情報端末200のディスプレイを見ることで、各部屋内の1種以上の粒子種別の粒子の状態を知ることができる。また、ユーザは、ディスプレイに表示されるマークを随時選択することでそのマークが代表する粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する機器(例えば空気清浄機)を制御することができる。
(他の実施の形態等)
以上、実施の形態1により制御システム10及び制御方法について説明したが、上述した実施の形態は一例にすぎず、各種の変更、付加、省略等が可能であることは言う迄もない。
上述の実施の形態1では、制御対象の機器が空気清浄機である例を示したが、制御対象の機器は、空気清浄機に限られず、建築物の内部における空気質を変化させる機能を有する機器であればよく、例えば通風装置、換気装置、或いは、空気清浄機能付きの冷房装置、暖房装置又は冷暖房装置等であってもよい。また、制御対象の機器は、特定の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能(例えば空気中の特定の粒子を吸引する機能)を有さなくてもよく、有さない場合には、制御のために用いる制御コマンドはどの粒子種別に対応するときにも同一となり得る。また、上述した情報端末200は、ユーザによるマークの選択の操作に応じて機器の制御用の情報を制御装置100に送信することとした。しかし、情報端末200が、選択されたマークに係る粒子種別の粒子の濃度を低減し得る機器を特定して、その機器と通信可能である場合にはその機器に対して制御コマンドを送信することとしてもよい。なお、ユーザによるマークの選択の操作は、マークの表示位置へのタッチ操作に限られることはなく、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置でマークを選択して一定の操作(例えば表示領域外へのドラッグ操作)を行うこととしてもよい。この場合にその一定の操作に対応して、そのマークに係る粒子種別の粒子の濃度を低減し得る機器に対して制御コマンドが送信され得る。
また、上述した制御システム10では、表示制御部140により、撮影位置431及び撮影方向432に応じて情報端末200のディスプレイに表示されるべき粒子種別が特定される例を示した(図8参照)。しかし、その他の方法で、表示されるべき粒子種別を自動的に特定することとしてもよいし、表示されるべき粒子種別をユーザ操作に応じて切り替えるようにしてもよい。また、表示制御部140は、撮影位置431と撮影方向432とのうちの一方のみに応じて情報端末200のディスプレイに表示されるべき粒子種別を特定することとしてもよい。また、表示制御部140は、ディスプレイに表示されるべき粒子種別の粒子について測定された濃度レベルが一定閾値より低い場合には、その粒子種別の粒子を代表するマークを表示しないこととしてもよい。濃度レベルが一定閾値より低い場合は、例えば濃度が略ゼロの場合、例えばその濃度レベルから有害性が低いと評価されるような場合等である。
また、上述した実施の形態1では、撮影画像についての撮影範囲に含まれる測定領域(例えばリビング領域、キッチン領域等)を、撮影位置に基づいて特定してその測定領域で測定された濃度をマークの表示のために参照した。しかし、各センサ等で粒子の濃度が測定された各測定地点の位置座標と、撮影位置、撮影方向、画角等とから、測定地点及び近辺が撮影範囲に含まれる各測定地点を特定して、特定した各測定地点で測定された濃度をマークの表示のために参照することとしてもよい。なお、撮影範囲に複数の測定領域(つまり測定地点及びその近辺)が含まれる場合に、表示制御部140は、各マークが代表する粒子種別の粒子の濃度の測定地点或いは測定領域に、撮影画像上で位置付けてマークを撮影画像に重畳した合成画像を生成してもよい。また、撮影位置から各測定地点までの距離に応じて、距離が相対的に遠い測定地点で測定された濃度に基づくマークの表示を小さく表示し、相対的に近い測定地点で測定された濃度に基づくマークの表示を大きく表示するように合成画像を生成するようにしてもよい。また、撮影範囲に複数の測定領域(つまり測定地点及びその近辺)が含まれる場合に、表示制御部140は、撮影位置に近い方から一定数の各測定地点で測定された濃度に基づくマークを表示する合成画像を生成するようにしてもよい。
また、実施の形態1で示した制御装置100と情報端末200との機能分担は一例に過ぎず、分担を変更し得る。例えば制御装置100が濃度情報取得部130で取得した濃度情報を情報端末200に周期的に送信する。そして、情報端末200側で、図7に示すステップS13での送信を省略し、ステップS14〜S19での処理を実行してからステップS21で合成画像の表示を行うこととしてもよい。この場合において情報端末200が空気質センサを備えて測定により濃度情報を取得すれば、制御装置100からの濃度情報の送信は省略できる。また、逆に、制御装置100がカメラを有し、ステップS14での処理の前にステップS11、S12での処理を実行することで、自動撮影等により撮影画像を取得してもよい。制御装置100及び情報端末200の機能分担を変更した一例(変形例)としての制御装置100a及び情報端末200aの機能ブロックを図13に示す。図13において、上述した構成要素と同等の構成要素には同じ符号を付している。制御装置100aの出力部141では、各粒子種別についての粒子を代表する各表示要素(各種マーク)を、撮影範囲に含まれる各測定領域で測定された、そのマークに対応する粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で撮影画像の前面に重ね合わせられるようにしたマーク画像(マークの周囲を透明にした画像)或いはそのマーク画像の生成の基礎となる粒子の濃度等の情報を情報端末200に送信する。情報端末200aの表示制御部140aでは撮影部210で撮影された画像の前面に、出力部141から送信されたマーク画像或いは送信された粒子の濃度等の情報に基づいて生成したマーク画像を重ねた合成画像を生成して表示部230に表示させる。この変形例では、情報端末200aと制御装置100aとの間で撮影した画像及び合成画像の送受信を行わないため通信負荷を軽減し得る。
また、実施の形態1で示した住宅20は、事務所、工場、病院その他の建築物であってもよい。
また、上述の制御システム10における処理手順(図7に示す手順等)の実行順序は、必ずしも、上述した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたりその一部を省略したりすることができる。また、その処理手順(図7に示す手順等)の全部又は一部は、ハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されても良い。例えば、制御装置100は、ソフトウェア(プログラム)を含まないハードウェアのみで構成されていても良い。なお、ソフトウェアによる処理は、制御装置100、情報端末200等に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させても良い。例えば、頒布された制御プログラムをコンピュータにインストールして、プロセッサに実行させることで、コンピュータに図7に示した処理手順の全部又は一部を行わせることが可能となる。
また、上述した実施の形態、変形態様等で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
なお、本発明の包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
以下、本発明の一態様に係る制御方法、制御システム、制御装置、情報端末及び制御プログラムについての構成、変形態様、効果等について示す。
(1)本発明の一態様に係る制御方法は、空気質に係る制御を行う制御システム10で用いられる制御方法であって、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域(例えばリビング領域、ダイニング領域、キッチン領域等)を含む撮影範囲の撮影により生成された撮影画像を取得する画像取得ステップ(例えばステップS13の送信に呼応する受信、或いは、ステップS11等)と、1種以上の粒子種別(例えばPM2.5、ホコリ、ニオイ等)それぞれについて、その粒子種別の粒子を代表する表示要素(例えばマーク)を、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域それぞれで測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示する表示ステップ(例えばステップS21等)と、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器(例えば空気清浄機310a〜310c等)を、表示ステップでの表示要素の表示に対応してなされた操作に応じて、制御する機器制御ステップ(例えばステップS26等)とを含む。各ステップの実行主体は制御システム10を構成する1台又は複数台の装置類であり、全てのステップの実行主体となる装置類が同一とは限らない。表示ステップでの表示は、表示ステップの実行主体となる装置類が表示すべき画像等を表示することであってもよいし、表示装置(ディスプレイ等)に表示させるために、表示すべき画像等を表示装置へと送出することであってもよい。表示要素を撮影画像に重畳させて表示することは、例えば、撮影画像の一部以上と表示要素とが同時に視認されるように表示することである。
これにより、ユーザが、空気質を変化させるべきか否かを容易に知ることができ、必要なときに容易に空気質を変化させることができるようになる。
(2)例えば、上述の制御方法は更に、1以上の測定領域それぞれにおいて複数種の粒子種別それぞれの粒子の濃度をセンサにより測定することにより、測定領域それぞれにおける複数種の粒子種別それぞれの粒子の濃度を示す濃度情報を取得する濃度情報取得ステップ(例えばステップS15)を含み、表示ステップでは、複数種の粒子種別それぞれについて、その粒子種別の粒子に係る表示要素を、その粒子種別及び濃度情報に基づいて表示態様を定めて、撮影画像に重畳させて表示することとしてもよい。
これにより、例えばPM2.5、ホコリ等のそれぞれの粒子種別の粒子を代表する各表示要素が表示される。このため、ユーザは関心のある粒子種別の粒子の濃度に係る情報を得ることができ、例えば関心のある粒子種別の粒子に対応した操作を行うことでその粒子の濃度を低減させる機器を容易に作動させ得る。
(3)例えば、機器制御ステップでは、表示ステップで表示された複数種の粒子種別の表示要素のいずれか1つを選択してなされた操作に応じて、その選択された表示要素に係る粒子種別に基づき撮影範囲におけるその粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する機器に制御コマンド(制御信号)を送信することで、その粒子種別の粒子の濃度を低減させるよう制御することとしてもよい。
これにより、ユーザは、濃度を低減させたい粒子種別の粒子を代表する表示要素を選択することで、その粒子の濃度を低減させることができる。
(4)例えば、表示ステップでは、第1粒子種別(例えばPM2.5)の粒子に係る表示要素を、その第1粒子種別の粒子の測定された濃度が第1値である場合には第1表示態様で表示し、その第1粒子種別の粒子の測定された濃度が第1値と異なる第2値である場合には形状、模様及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様と同一であり且つ形状、模様及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様と異なる第2表示態様で表示し、第1粒子種別と異なる第2粒子種別(例えばホコリ)の粒子に係る表示要素を、形状、模様及び色彩の少なくとも1つにおいて第1表示態様とも第2表示態様とも異なり、且つ、その第2粒子種別の粒子の測定された濃度に応じた表示態様で表示することとしてもよい。
これにより、ユーザにとって、各表示要素で示される粒子種別の粒子の濃度の相違を認識可能となり、粒子種別の同一と相違とを識別し易くなるという効果が生じ得る。
(5)例えば、表示ステップでは、表示要素の数を、その表示要素が代表する粒子種別の粒子の測定された濃度が高い程、多くした表示態様で表示要素を表示することとしてもよい。
これにより、ユーザが粒子の濃度の高低について直観的に認識可能となり得る。
(6)例えば、表示ステップでは、撮影画像に対する表示要素の表示位置を、撮影範囲に含まれるその表示要素が代表する粒子種別の粒子の濃度が測定された測定領域の位置に応じて定めて、表示要素の表示を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザが測定領域の位置毎における粒子の濃度について容易に認識可能となり得る。
(7)例えば、表示ステップでは、表示要素を、撮影範囲に含まれるその表示要素が代表する粒子種別の粒子の濃度が測定された測定領域の位置と撮影画像の撮影位置との距離が近い程、大きくした表示態様で表示することとしてもよい。
これにより、ユーザは、粒子種別の粒子を代表する表示要素の大小により、その表示要素で濃度を表した粒子の遠近を直観的に把握し得る。
(8)例えば、表示ステップでは、表示要素として、複数の有害性の評価区分に一対一に対応して予め定められた互いに異なる複数のマークのうち、当該表示要素が代表する粒子種別の粒子の測定された濃度に基づき有害性を評価して得られた評価区分に対応するマークを用いることとしてもよい。
これにより、ユーザは、有害性について認識でき、例えば、有害性の高い濃度となっている粒子種別の粒子を代表する表示要素に対して操作を行うことで機器を制御してその有害性の高い状態を改善させ得る。
(9)例えば、画像取得ステップでは、撮影が撮影位置を変更して行われる毎にその撮影により生成された撮影画像を取得し、表示ステップでは、撮影位置と1種以上の粒子種別との対応関係を予め定めた情報(例えば粒子種別特定用情報440)に基づいて、画像取得ステップで取得された撮影画像の撮影位置に対応する1種以上の粒子種別を特定し、特定した1種以上の各粒子種別について、その粒子種別の粒子を代表する表示要素を、その撮影画像に重畳させて表示することとしてもよい。
これにより、撮影位置毎にユーザが関心を有する粒子種別が異なるような場合に対応して、ユーザが関心を有する粒子種別の粒子に関する状態をユーザに認識させることが可能となる。
(10)例えば、画像取得ステップでは、撮影が撮影方向を変更して行われる毎にその撮影により生成された撮影画像を取得し、表示ステップでは、撮影方向と1種以上の粒子種別との対応関係を予め定めた情報に基づいて、画像取得ステップで取得された撮影画像の撮影方向に対応する1種以上の粒子種別を特定し、特定した1種以上の各粒子種別について、当該粒子種別の粒子を代表する表示要素を、その撮影画像に重畳させて表示することとしてもよい。
これにより、撮影方向毎にユーザが関心を有する粒子種別が異なるような場合に対応して、ユーザが関心を有する粒子種別の粒子に関する状態をユーザに認識させることが可能となる。
(11)例えば、上述した制御方法は更に、撮影画像に係る撮影における撮影位置及び撮影方向を示す撮影情報を取得する撮影情報取得ステップを含み、表示ステップでは、表示要素を、1以上の測定領域それぞれの位置と撮影情報取得ステップで取得された撮影情報とに基づいて、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域を特定し、特定した1以上の測定領域それぞれで測定された粒子の濃度に応じた表示態様で表示することとしてもよい。
これにより、撮影範囲に応じた粒子の濃度についてユーザが把握できるようになる。
(12)例えば、上述した制御方法は更に、表示ステップで表示された表示要素を選択する操作に対応して、機器の制御の要否を確認するための要否確認用画像を表示する確認ステップ(例えばステップS23)を含み、機器制御ステップでは、要否確認用画像の表示中に機器の制御を要する旨を示す操作がなされた場合に機器を制御することとしてもよい。
これにより、ユーザの操作ミス等で機器が制御されることを防止できる。
(13)例えば、表示ステップでは、機器制御ステップにおいて機器の制御を開始した際に、表示要素をその機器の制御の開始前と異なる表示態様に変えて表示することとしてもよい。具体例としては、図11Cに示すように悪そうな顔の輪郭が折れ線のキャラクターであるマーク521がユーザにより選択された場合において機器の制御を開始する際には、例えば、輪郭の折れ線を破線に変化させる等が挙げられる。
これにより、ユーザは、表示態様が変化した表示要素が代表する粒子種別の粒子の濃度が低減され始めることを容易に認識し得る。
(14)本発明の一態様に係る制御システムは、空気質に係る制御を行う制御システム10であって、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域を含む撮影範囲の撮影により生成された撮影画像を取得する画像取得部110と、1種以上の粒子種別それぞれについて、その粒子種別の粒子を代表する表示要素を、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域それぞれで測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示する表示部(例えば表示制御部140或いは表示部230)と、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器(例えば空気清浄機310a〜310c)を、表示部での表示要素の表示に対応してなされた操作に応じて、制御する機器制御部150とを備える。
これにより、ユーザが、空気質を変化させるべきか否かを容易に知ることができ、必要なときに容易に空気質を変化させることができるようになる。
(15)本発明の一態様に係る制御装置100は、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域を含む撮影範囲の撮影により生成された撮影画像を取得する画像取得部110と、1種以上の粒子種別それぞれについて、その粒子種別の粒子を代表する表示要素を、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域それぞれで測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示するように表示装置(例えば情報端末200等)を制御する表示制御部140と、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器(例えば空気清浄機310a〜310c)を、表示装置での表示要素の表示に対応してなされた操作に応じて、制御する機器制御部150とを備える。
これにより、ユーザは、表示装置を見て必要に応じて操作することにより、制御装置100に容易に空気質の変化のための制御を行わせることができるようになる。
(16)本発明の一態様に係る情報端末200は、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域を含む撮影範囲の撮影により撮影画像を生成する撮影部210と、1種以上の粒子種別それぞれについて、その粒子種別の粒子を代表する表示要素を、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域それぞれで測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示する表示部230と、表示部230での表示要素の表示に対応してなされた操作を受け付ける操作受付部(例えば操作対応部240)と、操作受付部により受け付けられた操作に応じて、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器の制御用の情報を生成してその情報を出力する出力部250とを備える。
これにより、ユーザは、情報端末200に撮影させて表示される撮影画像に重畳された表示要素を見て、その表示要素が代表する粒子種別の粒子を低減させるべきであれば、情報端末200の操作により、容易にその粒子を低減させ得る。
(17)本発明の一態様に係る制御プログラムは、プロセッサを有する情報端末200に所定処理を実行させるための制御プログラムであって、所定処理は、空気中の粒子の濃度が測定される1以上の測定領域を含む撮影範囲の撮影により撮影画像を生成する撮影ステップ(例えばステップS11)と、1種以上の粒子種別それぞれについて、その粒子種別の粒子を代表する表示要素を、撮影範囲に含まれる1以上の測定領域それぞれで測定されたその粒子種別の粒子の濃度を反映した表示態様で、撮影画像に重畳させて表示する表示ステップ(例えばステップS21)と、表示ステップでの表示要素の表示に対応してなされた操作に応じて、撮影範囲における1種以上の粒子種別の粒子の濃度を低減させる機能を有する1又は複数の機器(例えば空気清浄機310a〜310c)の制御用の情報を生成してその情報を出力する出力ステップ(例えばステップS24)とを含む。この制御プログラムを情報端末200にインストールして、プロセッサに実行させることにより、ユーザは、情報端末200に撮影させて表示される撮影画像に重畳された表示要素を見て、空気質を変化させるべきか否かを容易に知ることができるようになる。またユーザは、必要なときに情報端末200の操作により容易に空気質を変化させることができるようになる。