JP6717302B2 - 画像処理システム、方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理システム、方法、及びプログラムに関し、より詳細には、表示物の素材の質感を画像表示する画像処理システム、方法、及びプログラムに関する。
近年の製造技術、通信技術及び情報処理技術の発展により、種々のシーンにおいて、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型端末が利用されている。タッチパネル型ディスプレイや通信インタフェースの他、GPS、ジャイロセンサ、カメラ等の各種機能を備えた複合型携帯型端末の適応シーンは今後さらに拡大が見込まれる。
例えば、従来、商取引の対象である商品は、紙媒体のパンフレットに写真やイラストとして掲載されて紹介されていた。写真やイラスト(色見本)では素材の質感を知覚しにくい建装材等は、実物の小片を集めたサンプル集の態様で紹介されていた。
一方、被写体表面の光沢感や繊維織りの細かなテクスチャー等の被写体(素材)の質感を画像表示する方法及び装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1は、鏡面反射状態が異なる1つの静止被写体について、光源の照明位置及び/又は照明方向を変えて複数の原画像を取得すること、複数の原画像に基づいて生成された複数のフレーム画像を作成すること、連続的に複数のフレーム画像を切り替えて1つの静止被写体を表すこと、フレーム画像の画像信号は、被写体の鏡面反射画像信号と拡散反射画像信号とを用いて光沢信号を生成し、この光沢信号にウィンドウ処理を行って作成されることを開示する。
さらに、視差効果等を適用することで静止画に奥行き感を付加し、素材の質感を変化させる技術の実用化も進められている。
マンション等の住宅購入希望者は、モデルルームへ行くことで、実物の間取りや建装材の素材の質感を体験できる。間取り等を含む住宅仕様を、コンピュータグラフィックス(CG)で再現することが知られている(例えば、特許文献2参照)。住宅供給者によって提供されるバーチャルモデルルームを通じて、住宅購入希望者は、間取り等を含む住宅仕様を疑似体験することができる。
特開2003−132350号公報(要約、請求項1,2等参照) 特開2004−5216号公報(第0037段落、図3参照)
しかしながら、紙媒体であっても電子媒体であっても、観察環境の変化や素材の向きの変化に応じた当該素材の見えの変化(質感)を表現することができないという問題があった。さらに、実際の空間に配置されたときの素材の見えの変化(質感)は、容易に想像できない。
また、壁や床などの素材を空間に配置した際の質感や見えを疑似体験できるシステムも提案されていない。
これらは、住宅購入希望者のみならず住宅供給者(インテリアデザイナー)であっても同様である。
したがって、環境の変化や素材の向きの変化に応じた当該素材の見えの変化(質感)を体験して、さらに当該素材を空間に配置した際の質感や見えを疑似体験できるシステムが提供されることが望ましい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、観察環境の変化や素材の向きの変化に応じた当該素材の質感を画像表示し、当該素材を空間に配置した際の質感や見えの疑似体験を可能にする画像処理システム、方法、及びプログラムを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、素材の質感を画像表示し、選択された素材を適用した空間を画像表示する画像処理システムである。画像処理システムは、空間の画像を表示する第1の表示手段と、前記空間の表示データをレンダリングする第1のレンダリング手段と、前記空間に適用される素材の画像を表示する第2の表示手段と、前記素材の画像の表示データをレンダリングする第2のレンダリング手段とを備える。第2のレンダリング手段は、照明情報、素材の質感に関する素材情報、並びに照明、第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係に基づいて、素材の表示データをレンダリングするように構成されている。第2の表示手段は、レンダリングされた素材の表示データを用いて素材の画像を表示するように構成されている。第1のレンダリング手段は、素材を空間に適応する指示に応答して、空間の空間照明情報及び素材の質感に関する素材情報に基づいて、素材を適用した空間の表示データをレンダリングするように構成されている。第1の表示手段は、レンダリングされた空間の表示データを用いて空間の画像を表示するように構成されている。
一実施形態では、画像処理システムは、第2の表示手段の表示面の方位を検出するように構成された傾き検出手段を備え、第2のレンダリング手段は、照明情報、素材の質感に関する素材情報及び第2の表示手段の表示面の方位に基づいて、素材の表示データをレンダリングする。
一実施形態では、画像処理システムは、第2の表示手段の周囲照明情報を取得するように構成された周囲照明情報取得手段を備え、第2のレンダリング手段は、周囲照明情報、素材情報、並びに照明、第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係または第2の表示手段の表示面の方位に基づいて素材の表示データをレンダリングする。
一実施形態では、画像処理システムは、素材の画像の観者の方位を検出する観者検出手段を備え、第2のレンダリング手段は、照明情報(周囲照明情報又は画像表示される空間の空間照明情報)、素材情報、並びに照明、第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係、第2の表示手段の表示面の方位及び素材の画像の観者の方位の少なくとも1つに基づいて表示データをレンダリングする。
一実施形態では、照明情報は、光の方位、色成分及び強度を含む。また素材情報は、素材の画像の各画素についての色特性、形状特性及び反射特性を含む。
一実施形態では、画像処理システムは、第1のレンダリング手段及び第1の表示手段を含む空間画像処理端末と、第2のレンダリング手段及び第2の表示手段を含む携帯型端末と、を含む。携帯型端末は、さらに傾き検出手段を含む。
本発明の第2の態様は、上記画像処理システムにより実行される、画像処理方法である。
本発明の第3の態様は、空間の画像を表示する第1の表示手段と、空間の表示データをレンダリングする第1のレンダリング手段と、空間に適用される素材の画像を表示する第2の表示手段と、素材の画像の表示データをレンダリングする第2のレンダリング手段とを備えたコンピュータシステムに、上記画像処理方法を実行させるプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、観察環境の変化や素材の向きの変化に応じた当該素材の質感を画像表示する画像処理システム、方法、及びプログラムを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の画像処理システムの概略図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムで画像表示する空間を説明する図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムの画像処理装置のユーザ・インタフェースを説明するための図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムの画像処理装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムの仮想空間画像処理装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る画像処理システムの画像処理装置の処理のフロー図である。 本発明の一実施形態に係る画像処理システムの仮想空間画像処理装置の処理のフロー図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムが表示データをレンダリングする際に考慮される表示面の方位の傾きを仮想的に付与する方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムが表示データをレンダリングする際に考慮される表示面の方位の傾きを仮想的に付与する方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムが表示データをレンダリングする際に考慮される表示面の方位の傾きを仮想的に付与する方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態の画像処理システムが表示データをレンダリングする際に考慮される表示面の方位の傾きを仮想的に付与する方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する画像処理システム、方法、及びプログラムは、住宅などの室内・外の空間で用いられる建装材の電子見本帳に適する。すなわち、本実施形態の画像処理システム、方法、及びプログラムは、観察環境の変化や建装材の向きの変化に応じた当該建装材の質感を画像表示することを可能とし、実物の小片を集めたサンプル集や単なる色見本の代替となり得る。
本願発明は、建装材に限定されるものではない。一般性を失うことなく他の例でも実施できる。たとえば、住宅などの室内・外空間は、自動車、電車、船及び飛行機等の乗り物の車内・外空間を含む空間に一般化して説明することができる。建装材は、床材(板、カーペット、石、タイル)、内壁材(板、クロス(革、合皮、紙、合成樹脂、化粧シート等))及び外壁材(サイディング材(板材、石材、タイル材等))及び天井材(板、クロス(革、合皮、紙、合成樹脂、化粧シート等))を含む装材であるが、乗り物の車内装材(革、合皮、布、合成樹脂、化粧シート等)及び車外装材等を含む「素材」に一般化して説明することができる。
図1は、画像処理システムの構成を示す図である。画像処理システムは、画像処理装置100と仮想空間画像処理装置300とを含む。画像処理システムは、画像処理装置100と仮想空間画像処理装置300へ各種データ及び/又はサービスを提供するサーバ500を含んでもよい。
図2は、仮想空間画像処理装置300が備えるモニタ(ディスプレイデバイス等)に表示される仮想空間の一例を示す。仮想空間に関する情報は、壁、床、天井、ドア、窓、及び照明等の間取りの情報を含む。仮想空間情報は、仮想空間画像処理装置300の空間情報記憶部308に格納され、仮想空間画像処理装置のレンダリング部304が表示データを生成する際に用いられる。仮想空間情報は、仮想空間画像処理装置300で作成し空間情報記憶部308に格納してもよく、サーバ500から取得して空間情報記憶部308に格納してもよい。
図2の仮想空間は、空間の間取りを構成する各種パーツ(壁1〜3、床1、天井1、ドア1、窓1、照明1,2)を含む。仮想空間の情報である仮想空間情報は、各種パーツを識別する情報及び仮想空間における各種パーツの位置を識別する情報を含む。また、仮想空間における光に関する情報(光の方位、色成分及び強度)は、照明情報として定義されている。各種パーツを識別する情報により、パーツの種類(壁、床、天井、ドア等)を識別することができる。位置を識別する情報により、各パーツの仮想空間における場所、他のパーツとの間の境界、距離及び相対的位置関係を算出することができる。各種パーツの素材の選択(決定)方法については、後述する。仮想空間の表示データを生成する際、各種パーツの素材の情報(素材情報:素材の各種特性情報を含む)、各光源202,204,206(照明1及び2並びに太陽)からの光に関する照明情報が考慮される。
図3は、仮想空間内の各種パーツの素材を選択する際に、画像処理装置100で提供されるユーザ・インタフェース(素材ビューア)を例示する図である。例えば、住宅供給者(インテリアデザイナー)は、図3のユーザ・インタフェースを使用して、各種パーツの素材の質感を確認して、適用する素材を選択することができる。仮想空間画像処理装置300は、図3のユーザ・インタフェースを使用して選択された素材が適用された仮想空間の表示情報を生成し表示する。したがって、住宅供給者(インテリアデザイナー)は、選択した素材を空間に配置した際の当該素材の質感や見えを疑似体験できる。
画像処理装置100と仮想空間画像処理装置300は、仮想空間に関する情報を共有している。例えば、図3に示すようにユーザ・インタフェース(素材ビューア)は、仮想空間(図2)の各種パーツを選択可能にするパーツリスト402を含む。ユーザ・インタフェースは、パーツリストから選択されたパーツに適用可能な素材のカテゴリを選択可能にするリスト(素材カテゴリリスト)404を含む。さらに、ユーザ・インタフェースは、素材カテゴリリストから選択されたカテゴリに分類された素材のサムネールのリスト(サムネールリスト)406を含む。また、ユーザ・インタフェースは、サムネールリストから選択された素材の画像を表示する質感ビューア領域408を含む。さらにまた、ユーザ・インタフェースは、仮想空間についてモデル化された各種照明環境の照明情報(モデル1,2・・・)の選択を可能にする照明環境リスト412を含む。照明環境リストは、仮想空間の照明情報とは別に、画像処理装置100が存在する実環境の照明情報を含んでもよい。照明環境リストには、モデル化された照明情報の概要(時間帯、光源種別・状態、窓の有無)を含んでもよい。質感ビューア領域408には、選択された素材の素材情報(色特性、形状特性、反射特性)及び照明情報(光の方位、色成分及び強度)が反映された画像が表示される。質感ビューア領域408は、ディスプレイの表示領域の全体を占めるように構成してもよい。以下に説明するように、画像処理装置100は、画像処理装置(タブレット端末)の傾斜(ディスプレイ面の方位)を考慮して、素材の画像をレンダリングして表示する。したがって、観者は、素材を手にしているかのように、素材の画像を観察し素材の質感を体験することができる。
図4は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である携帯型端末の機能ブロック図である。図4の携帯型端末100は、例えば、タブレット端末であり、ディスプレイ、プロセッサ、メモリ、各種センサを備える。携帯型端末100は、通信デバイス、キーボード、コンピュータマウスを含むポインティングデバイス、及びマイクロフォン等の入力デバイスを含んでもよい。入力デバイスは、入力部112を構成する。
ディスプレイデバイスは、画像の表示に適したディスプレイデバイスであればよく、これに限定するものではないが、電磁誘導式、静電容量式又は感圧式のタッチディスプレイデバイスが好ましい。ディスプレイデバイスは、表示部102を構成する。電磁誘導式、静電容量式又は感圧式のタッチディスプレイデバイスは、表示部102および入力部112を構成する。
プロセッサは、CPUの他、GPUやコプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、表示部に表示される画像に対応する表示データを生成する。プロセッサは、レンダリング部(表示データ生成部)104を構成する。
メモリは、HDDなどの磁気ドライブ及びSSDなどの半導体ドライブのいずれでもよい。メモリは、内蔵型でも外付型でも良い。メモリは、周囲照明情報記憶部106及び素材情報記憶部116を構成する。メモリは、傾き検出部110により検出されたタブレット端末の傾き(ディスプレイ面の方位)の情報を記憶することもできる。
各種センサは、タブレット端末の周囲の照明情報(周囲照明情報)を取得するのに適したデバイス(以下、周囲照明情報取得デバイス)及びタブレット端末の傾きの検出に適したデバイス(傾き検出デバイス)であればよい。例えば、周囲照明情報取得デバイスは、測光デバイス、照度センサ及びカメラの1以上とすることができる。周囲照明情報取得デバイスは内蔵型でも外付型でもよい。また、例えば、傾き検出デバイスは、ジャイロセンサ、加速度センサ、磁気センサの1以上とすることができる。周囲照明情報取得デバイスは、プロセッサと共に又は単独で、周囲照明情報取得部108を構成する。また、傾き検出デバイスは、プロセッサと共に又は単独で、傾き検出部110を構成する。さらに、各種センサは、観者(例えば、観者の目)の位置を検出するのに適したデバイスを備えてもよい。このようなデバイスは、赤外線センサ及びカメラの1以上とすることができる。
例えば、周囲照明情報取得デバイスとしてのカメラは、周囲全周囲画像カメラまたは全天球撮影カメラ(omnidirectional camera)とすることができ、このようなカメラでタブレット端末の全周囲を撮影した全周囲画像の色味や輝度を実環境の照明情報(周囲照明情報)とすることができる。あるいは、内蔵型のカメラでも外付型のカメラでも、カメラを水平面に置いた状態で撮影した基準画像と、カメラの向きを変えて複数回に分けて撮影したタブレット端末の全周囲の画像とを組み合わせて(繋ぎ合わせて)、全周囲画像を生成し、生成された全周囲画像の色味や輝度を実環境の照明情報(周囲照明情報)とすることができる。カメラが備えるイメージセンサのダイナミックレンジ(ラチチュード(latitude))がタブレット端末の周囲の実環境の輝度分布の輝度レンジより狭い場合は、露光量を多段に変えて撮影した後に合成する写真技法(ハイダイナミックレンジ合成(high dynamic range imaging:HDR)を用いてもよい。
例えば、タブレット端末の内蔵カメラ(またはタブレット端末との相対的位置関係が既知である外付けカメラ)で撮影される画像から、当該タブレット端末の操作者(観者)の顔(目)の位置を特定することで、タブレット端末の表示面と観者の相対的位置関係を特定することができる。撮影と観者の顔(目)の位置の特定を短い時間間隔で繰り返すことで、タブレット端末の表示面と観者の相対的位置関係をリアルタイムで特定することができる。
通信デバイスは、外部機器との接続用のバス(例えばUSB(Universal Serial Bus))インタフェース、有線通信用のネットワークインターフェースカード(NIC)及び無線通信用の無線デバイスの1以上とすることができる。通信デバイスは、通信部114を構成する。タブレット端末100は、通信部114を介して外部(仮想空間画像処理装置300又はサーバ500)から照明情報(仮想空間についてモデル化された照明情報(空間照明情報))及び素材情報を取得することもできる。外部から取得した照明情報は、周囲照明情報(実空間の照明情報)の代替として用いることができる。
周囲照明情報記憶部106は、周囲照明情報取得部108によって取得された周囲照明情報又は通信部114を介して外部から取得された空間照明情報を記憶する。
素材情報記憶部116は、通信部114を介して外部から取得された素材情報を記憶する。素材情報は、素材の質感に関する情報である。素材情報は、ピクセル(画素)毎の法線情報(形状特性:装材(床材、壁材、天井材)におけるピクセルの面の向きを示す情報であり、例えば、画素の法線ベクトル情報である)を含む。また、素材情報は、画素毎のRGB情報(色特性:素材の地の色を示す情報)、画素毎の光沢の強さの情報及び光沢の鋭さの情報(反射特性)を含む。光沢の強さの情報は、各ピクセルのRGB毎の強さの情報としてもよい。周囲照明情報(または外部から取得した空間照明情報)及び素材情報に基づいて表示データが生成される。この結果、素材の質感(光沢感、ざらつき感、凹凸感)が画像表示される。
タブレット端末100は、観者とのインタラクションのためのユーザ・インタフェース(UI)(例えば、図3の素材ビューア)を提供するUI提供部(不図示)を備える。上述したように、観者は、UIを介して、表示させたい素材を選択することができる。すなわち、タブレット端末100は、UIを介して観者からの素材の選択を受信し、当該素材をディスプレイに表示することができる。UIは、観者が表示させたい素材を選択することができる、階層形式のカテゴリ別メニュー(素材カテゴリ)を含んでもよい。例えば、素材を壁材、床材及び天井材のようなカテゴリ別に分類し、観者がカテゴリの階層にしたがって素材を選択できるようにしてよい。サブカテゴリでは複数の素材のサムネールを提示して、観者が表示させたい素材を選択させてもよい。
図5は、本発明の一実施形態である画像処理システムの仮想空間画像処理装置の機能ブロック図である。仮想空間画像処理装置300は、仮想空間画像のレンダリング及び表示に適したコンピュータであり、モニタ、プロセッサ、メモリを備える。仮想空間画像処理装置300を構成するコンピュータは、通信デバイス、キーボード、コンピュータマウスを含むポインティングデバイス、及びマイクロフォン等の入力デバイスを含んでもよい。入力デバイスは、入力部312を構成する。
モニタは、仮想空間の画像表示に適したディスプレイデバイス等であればよく、表示部302を構成する。
プロセッサは、CPUの他、GPUやコプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、表示部に表示される画像に対応する表示データを生成する。プロセッサは、レンダリング部(表示データ生成部)304を構成する。また、プロセッサは、入力デバイスと共に又は単独で、仮想空間における観者(例えば、観者の目(視点)、あるいはカメラ)の位置を検出する空間内観者位置検出部318を構成する。
メモリは、HDDなどの磁気ドライブ及びSSDなどの半導体ドライブのいずれでもよい。メモリは、内蔵型でも外付型でも良い。メモリは、空間照明情報記憶部306、空間情報記憶部308及び素材情報記憶部316を構成する。
通信デバイスは、外部機器との接続用のバス(例えばUSB(Universal Serial Bus))インタフェース、有線通信用のネットワークインターフェースカード(NIC)及び無線通信用の無線デバイスの1以上とすることができる。通信デバイスは、通信部314を構成する。仮想空間画像処理装置を構成するコンピュータ300は、通信部314を介して外部(携帯型端末100又はサーバ500)との間で、空間情報、空間照明情報及び素材情報を送受することができる。空間照明情報記憶部306は空間照明情報を記憶する。素材情報記憶部316は素材情報を記憶する。空間情報記憶部308は空間情報を記憶する。
仮想空間画像処理装置300のレンダリング部(表示データ生成部)304及び空間内観者位置検出部318を、サーバ500に実装してもよい。これらの機能をサーバ500に実装する場合には、仮想空間画像処理装置300は、通信部314を介して、サーバ500がレンダリングした空間の表示データを受信して表示部302に表示することができる。
図6は、周囲照明情報取得部108によって周囲照明情報が取得される空間を示す。図6において、x軸及びy軸は水平面内で互いに直交する軸であり、z軸は水平面内に直交する軸である。図6の空間には、2つの電灯202及び204と太陽206を含む合計3つの光源が示されている。x軸、y軸及びz軸の交点を周囲照明情報取得部108の位置として、2つの電灯202及び204並びに太陽206の3つの光源からの光を観測し、光源毎に観測される光の方位、色成分及び強度(輝度)を、空間における周囲照明情報として取得する。光源の数は、3つに限定されない。光源は、発光体に限定されず、周囲照明情報取得部108に向けて光を反射する反射体でもよい。空間内で観測される全ての光源の周囲照明情報(光の方位、色成分及び強度)を取得してもよい。取得された周囲照明情報は、周囲照明情報記憶部106に記憶される。
周囲照明情報の代替として、通信部114を介して外部から空間照明情報を取得することができる。空間照明情報及び周囲照明情報を単に照明情報という。空間照明情報は、南向きの窓(太陽光が差し込む窓)があり4灯のダウンライトがある部屋や、窓の無く電灯が1つの寝室など、モデル化された空間における照明の情報(予め外部の仮想空間画像処理装置300又はサーバ500などに格納されている照明の情報)とすることができる。モデル化された空間は、販売中/建設予定の建築物件のモデルルームの間取り内の1つ又は複数の空間とすることができる。
図7は、図6に示した空間にタブレット端末100を配置した状態を示す。図7には、タブレット端末100によって表示される画像の観者の目208も示されている。タブレット端末100は、ディスプレイ面を上向きにして、ディスプレイ面がxy面に平行と成るように、x軸、y軸及びz軸の交点に配置されている。目208の方位は、観者検出部118によって検出されるディスプレイ面の法線に対する方位でもよく、ディスプレイ面の法線に対する予め決められた方位と(観者検出部118によって検出しない)してもよい。
図7に示す状態で、レンダリング部104は、素材の面がディスプレイ面に重ねられているかのように素材の表示データを生成する。生成された表示データがディスプレイデバイスに表示されると、タブレット端末100を持っている観者は、あたかも素材を自身の手で持っているかのように、素材の質感を観察することができる。
レンダリング部104は、素材情報記憶部116からレンダリングする素材の素材情報(ピクセル毎の法線情報(形状特性)、RGB情報(色特性)、光沢の強さの情報及び光沢の鋭さの情報)を読み出し、周囲照明情報記憶部106から照明情報(1つまたは複数の光源からの光の方位、色成分及び強度(輝度))を読み出し、各画素における観者の方位に反射する色成分及び強度(輝度)を計算して表示データを生成する。生成された表示データが用いられ、表示部に画像が表示される。図7に示す状態では、素材の表面に3つの光源(2つの電灯202及び204並びに太陽206)から入射し、目208の方位に反射する光の色成分及び強度(輝度)が計算される。
図8に示す状態では、タブレット端末100のディスプレイ面は水平面(xy面)から傾斜している。この傾斜は、電灯202の光がディスプレイ面に入射しない程度の傾きである。傾き検出部110がこの傾斜を検出し、レンダリング部104は、表示データの生成の際に検出した傾斜を考慮する。すなわち、レンダリング部104は、素材の表面に2つの光源(1つの電灯204及び太陽206)から入射し、目208の方位に反射する光の色成分及び強度(輝度)を計算し表示データを生成する。
さらに、図9に示す状態では、タブレット端末100のディスプレイ面はz軸に平行に配置されている。この配置は、2つの電灯202及び204の光がディスプレイ面に入射しない配置である。傾き検出部110がこのときのタブレット端末100の傾斜を検出し、レンダリング部104は、表示データの生成の際に検出した傾斜を考慮する。すなわち、レンダリング部104は、素材の表面に1つの光源(太陽206)のみから入射し、目208の方位に反射する光の色成分及び強度(輝度)を計算し表示データを生成する。
図7から9を参照して説明したように、レンダリング部104によって生成された表示データは、タブレット端末100の傾き(ディスプレイ面の方位)および目の位置(方位)が反映されている。したがって、タブレット端末100を持っている観者は、タブレット端末100を傾けたり、目の位置(方位)を変えたりすることで、素材の実物を観察している時と同様に、素材の質感を観察することができる。
レンダリング部104は、ズーム機能を実装することもできる。上述したように、レンダリング部104は、素材の面がディスプレイ面に重ねられているかのように素材の表示データを生成する。ディスプレイ面と、タブレット端末100を保持する観者との間の距離は、略観者の腕の長さとなり、大きく変化しない。したがって、ユーザ・インタフェース(UI)を介して受信する観者からのズーム・インの指示に応答して、素材がディスプレイ面と観者との間に置かれているかのように素材の表示データを生成する、あるいは、UIを介して受信するズーム・アウトの指示に応答して、ディスプレイ面が素材と観者との間に置かれている(素材がディスプレイ面の裏側に置かれている)かのように素材の表示データを生成する、ズーム機能をレンダリング部104に実装することは有用である。例えば、観者は、ディスプレイ面が水平面に垂直となるようにタブレット端末を保持し、壁材の素材をさせる際に、ズーム・アウト機能を使用して、2〜3mは離れた位置の壁を想定して、素材の質感を観察することが可能になる。
図10は、画像処理装置の処理のフローチャートであり、上述した携帯型端末100によって実行される処理フローの一例である。
ステップS601で、携帯型端末100(レンダリング部104)は、周囲照明情報を取得する。当該携帯型端末が配置された実環境において周囲照明情報取得部108によって取得された照明情報、又は周囲照明情報記憶部106に格納された照明情報が取得される。代替として、通信部114を介して取得されたモデル化された空間における外部照明情報、又は通信部114を介して取得され周囲照明情報記憶部106に格納された外部照明情報が取得される。
ステップS603で、携帯型端末100(レンダリング部104)は、表示する素材の素材情報(色特性、形状特性、反射特性)を取得する。通信部114を介して外部から取得され素材情報記憶部116に記憶された素材情報が取得される。たとえば、色特性は素材の画素毎のRGB情報であり、形状特性は素材の画素毎の法線ベクトル情報であり、反射特性は画素毎の光沢の強さの情報及び光沢の鋭さの情報である。
ステップS605で、携帯型端末100(レンダリング部104)は、照明、ディスプレイ面及び観者の相対的位置関係を特定する。携帯型端末100(レンダリング部104)は、照明、ディスプレイ面及び観者の相対的位置関係を、照明情報に含まれる光の方位と、ディスプレイ面の方位及び観者の目の方位の少なくとも1つとを用いて計算することにより、特定することができる。携帯型端末の傾き及び観者の目の方位は、傾き検出部110及び観者検出部118によってそれぞれ検出され、レンダリング部104がアクセスできるようにメモリなどに保持されている。
ステップS607で、携帯型端末100(レンダリング部104)は、取得した照明情報と、計算した相対的位置関係と、取得した素材情報(色特性、形状特性、反射特性)とに基づいて、素材の表示データをレンダリングする。
ステップS609で、表示部102は、表示データを用いて素材の画像を表示(再表示)する。
ステップS611で、表示部102に画像表示された素材を仮想空間のパーツに適用することが選択されたかどうかを決定する。素材の適用が選択されない場合、ステップS605へ戻る。
素材の適用が選択された場合、ステップS613で、仮想空間のパーツの識別子及び選択された素材の識別子を送信する。送信された仮想空間のパーツの識別子及び選択された素材の識別子は、仮想空間画像処理装置300又はサーバ500によって、受信される。
なお、ステップS601は、ステップS603の後に実行してもよい。特に、実環境において取得された照明情報を用いる場合、ステップS601は、ステップS605からS609のループに含めて、レンダリング部104が表示情報をレンダリングする毎に照明情報を取得し直すようにしてもよい。
図11は、仮想空間画像処理装置の処理のフローチャートである。
ステップS701で、仮想空間画像処理装置300(レンダリング部304)は、仮想空間照明情報を取得する。空間照明情報記憶部306に予め格納されたモデル化された空間の照明情報(空間照明情報)が取得される。空間照明情報は、通信部314を介してサーバ500又は携帯型端末100から取得され空間照明情報記憶部306に格納された空間照明情報とすることができる。
ステップS703で、仮想空間画像処理装置300(レンダリング部304)は、携帯型端末100からのパーツの識別子及び当該パーツに適用する素材の識別子を受信し、応答して、当該素材の素材情報(色特性、形状特性、反射特性)を取得する。素材情報記憶部316に予め格納された素材情報が取得される。素材情報は、通信部314を介してサーバ500又は携帯型端末100から取得し素材情報記憶部316に記憶された素材情報とすることができる。素材情報、上述した色特性、形状特性及び反射特性を示す情報である。
ステップS705で、仮想空間画像処理装置300(観者位置検出部318)は、仮想空間における観者の目の位置(視点あるいはカメラの位置)を決定する。
ステップS707で、仮想空間画像処理装置300(レンダリング部304)は、識別された素材が配置された空間(仮想空間)の表示データをレンダリングする。空間の表示データのレンダリングは、取得した照明情報及び素材情報、並びに決定した仮想空間における観者の目の位置に基づく。
ステップS709で、仮想空間画像処理装置300(表示部302)は、表示データを用いて空間(仮想空間)の画像を表示(再表示)する。
ステップS711で、仮想空間における観者の目(視点)が変更されたかどうか(仮想空間が回転されたかどうか、又は拡大縮小されたかどうか)を決定する。観者の目(視点)が変更された場合は、ステップS705へ戻り、空間(仮想空間)の表示データのレンダリングをやり直し画像を再表示する(ステップS709)、変更されない場合はステップS711を繰り返す。代替として、ステップS711を、ステップS705とS707の間に挿入し、観者の目(視点)が変更されるまでステップS705を繰り返し、観者の目(視点)が変更された場合は、ステップS707からS709を実行した後に再びステップS711に戻るようにしてもよい。
上記では、傾き検出デバイス(ジャイロセンサ、加速度センサ、磁気センサの1以上)を備えた携帯端末を、画像処理装置100として用いる実施形態を説明した。この例では、レンダリング部104がタブレット端末100の傾き(ディスプレイ面の方位)を反映して、素材の面がディスプレイ面に重ねられているかのように素材の表示データを生成する。したがって、タブレット端末100を持っている観者は、タブレット端末100を傾けることで、あたかも素材を自身の手で持っているかのように、素材の質感を観察することができる。
しかしながら、画像処理装置100は、傾き検出デバイス(ジャイロセンサ、加速度センサ、磁気センサの1以上)を備えた携帯端末に限られない。例えば、傾き検出デバイスを備えていない携帯端末を画像処理装置100として用いてもよい。また、傾き検出デバイスを備えていないデスクトップ型またはラップトップ型のコンピュータを画像処理装置100として用いてもよい。ラップトップ型のコンピュータはディスプレイ装置を含む。デスクトップ型コンピュータのディスプレイ装置は、内蔵型でも外付け型でもよい。
再び、図4を参照して、傾き検出デバイスを備えていない携帯端末を画像処理装置100として用いる例を説明する。なお、画像処理装置100は、タブレット端末のような携帯端末に限られず、傾き検出デバイスを備えていないデスクトップ型コンピュータと据え置き型のディスプレイ装置との組合せであってもよい。図4に示すように、画像処理装置100は、傾き検出部110の代替または追加として、素材傾斜部120を備える。画像処理装置100のプロセッサ、コンピュータマウスを含むポインティングデバイス、ディスプレイデバイスおよび他の要素のいずれかまたはこれらの組み合わせは、素材傾斜部120を構成する。素材傾斜部120は、仮想空間の中に配置された素材を傾斜させる。レンダリング部(表示データ生成部)104は、表示データをレンダリングする際に素材の傾斜を考慮する。
例えば、素材傾斜部120は、ポインティングデバイス(表示面におけるマウスポインタ)の移動距離および移動方向に応じた仮想空間の中の素材の仮想的な傾きを算出して、メモリを介してまたは直接に、レンダリング部104へ提供する。別の例では、素材傾斜部120は、タッチディスプレイデバイス(表示面)におけるスワイプの距離および方向に応じた仮想空間の中の素材の傾きを算出して、メモリを介してまたは直接に、レンダリング部104へ提供する。レンダリング部104は、表示データの生成の際に仮想空間の中の素材の傾斜を考慮する。
図12Aは、例えば、画像処理装置100を図7のように配置した状態で、表示された素材の画像の上にマウスポインタを置いた初期状態を示す図である。図12Aは、ディスプレイ装置のフレーム(ベゼル)内の表示領域の全体に、素材が画像表示された状態を示す図である。素材が画像表示される領域は、ディスプレイ装置の表示領域全体である必要はなく、例えば、図3を参照して説明した質感ビューア領域408のような、ディスプレイ装置の表示領域の一部であってもよい。また、図12Aに示す素材の画像のパターンは説明のための例示である。このパターンが、観者に素材の傾斜の向きおよび量を認識することを容易にする傾斜インジケータとして素材の画像にオーバーレイされるように、表示されてもよい。素材自体の模様が、観者に素材の傾斜の向きおよび量を認識することを容易にする場合には、このようなパターンを追加する必要はない。初期状態におけるマウスポインタの位置は、任意の位置であり、表示された素材の画像の中心である必要はない。
図12Bは、マウスポインタを、初期状態の位置(図12A)から水平に右側の位置に移動した状態を示す。素材傾斜部120は、マウスポインタの移動距離および移動方向に応じて、仮想空間の中の素材の中心を通る垂直軸を中心とする回転方向の当該素材の傾きを計算して、レンダリング部104へ提供する。レンダリング部104は、表示データの生成の際に、素材傾斜部120により計算された傾斜を考慮する。例えば、レンダリング部104は、素材情報記憶部116に記憶されたピクセルの面の向きを示す情報(素材の画素の法線ベクトル)に、素材傾斜部120がマウスポインタの移動距離および移動方向に応じて計算した傾斜に相当する回転を加えて、表示データを生成する。図12Bにおいて、表示された素材の右端が紙面の奥へ、表示された素材の左端が紙面の手前へ移動したように表示されている。
なお、仮想空間の中の素材に対して、レンダリング部104は、素材傾斜部120により計算された傾斜を考慮して、各画素における観者の方位に反射する色成分及び強度(輝度)を計算し、さらに、計算した各画素における色成分及び強度(輝度)を、ディスプレイ装置の画素にマッピングして、表示データを生成する。これにより、レンダリング部104は、図12B〜図12Dに示すように、傾斜した素材を画像表示することができる。
図12Cは、マウスポインタを、初期状態の位置(図12A)から垂直に下側の位置に移動した状態を示す。素材傾斜部120は、マウスポインタの移動距離および移動方向に応じて、仮想空間の中の素材の中心を通る水平軸を中心とする回転方向の当該素材の傾きを計算して、レンダリング部104へ提供する。レンダリング部104は、表示データの生成の際に、素材傾斜部120により計算された傾斜を考慮する。図12Cにおいて、表示された素材の下端が紙面の奥へ、表示された素材の上端が紙面の手前へ移動したように表示されている。
図12Dは、マウスポインタを、初期状態の位置(図12A)から斜め右下側の位置に移動した状態を示す。素材傾斜部120は、マウスポインタの移動距離および移動方向に応じて、仮想空間の中の素材の中心を通る対角軸を中心とする回転方向の当該素材の傾きを計算して、レンダリング部104へ提供する。レンダリング部104は、表示データの生成の際に、素材傾斜部120により計算された傾斜を考慮する。図12Dにおいて、表示された素材の右下端が紙面の奥へ、表示された素材の左上端が紙面の手前へ移動したように表示されている。
図12Aから12Dを参照して説明したように、例えば、画像処理装置100を図7のように配置した状態で、素材傾斜部120が仮想空間の中の素材の傾きをレンダリング部104へ提供することができる。したがって、画像処理装置100が図7のように配置した状態で、レンダリング部104は、素材傾斜部120により計算された素材の傾きを考慮して表示データをレンダリングし、表示部102がこれを表示する。したがって、観者は、ポインティングデバイスを操作することで、傾斜した素材の質感を観察することができる。
上述したように、素材傾斜部120は、ポインティングデバイスの移動距離および移動方向またはスワイプの距離および方向に応じた表示面の方位の仮想的な傾きを算出することができるが、素材傾斜部120は、仮想空間の中の素材の傾きの値(数値)の入力を観者に促すためのユーザ・インタフェース(UI)を表示して、UIを介して素材の傾きを得るように構成してもよい。
再び図4を参照する。傾き検出デバイスを備えていない携帯端末を画像処理装置100として用いる例を説明する。上述したように、傾き検出デバイスを備えていないデスクトップ型またはラップトップ型のコンピュータを画像処理装置100として用いてもよい。図4に示すように、傾き検出部110の代替または追加として、素材傾斜部122を用いて、仮想空間の中の素材の傾きを提供してもよい。画像処理装置100とは別個の素材傾斜部122は、無線または有線で画像処理装置100と接続され、仮想空間の中の素材の傾きを提供する。素材傾斜部122は、例えば傾き検出デバイス(ジャイロセンサ、加速度センサ、磁気センサの1以上)を実装した板形状物体とすることができる。
板形状物体の表面を仮想空間の中の素材の表面と仮定して、傾き検出デバイスを実装した板形状物体の向きが観者により変えられると、素材傾斜部122により検出された傾きが、仮想空間の中の素材の表面の傾きとして、レンダリング部104へ提供される。レンダリング部104は、表示データの生成の際に、素材傾斜部122により提供された傾斜を考慮する。したがって、素材傾斜部122(板形状物体)を持っている観者は、素材傾斜部122(板形状物体)を傾けることで、表示画像を通じて、素材の実物を手にして観察している時と同様に、素材の質感を観察することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、観察環境の変化や素材の向きの変化に応じた当該素材の質感を画像表示し、当該素材を空間に配置した際の質感や見えの疑似体験を可能にする画像処理システム、方法、及びプログラムを提供できる。
なお、上記実施形態の説明では、画像処理システムが携帯型端末(タブレット端末)と仮想空間画像処理端末(コンピュータ)とを含む構成を説明したが、仮想空間画像処理端末の機能部を携帯型端末に実装し、本発明を実施することができる。また、画像処理システムの構成にサーバを含め、仮想空間画像処理端末の一部の機能をサーバに実装し、本発明を実施することができる。
100 携帯型端末
102 表示部(感圧式ディスプレイ)
104,304 レンダリング部(表示データ生成部)
106 周囲照明情報記憶部
108 周囲照明情報取得部(測光デバイス、照度センサ、カメラ)
110 傾き検出部(ジャイロセンサ、加速度センサ、磁気センサ)
112,312 入力部(キーボード、キーパッド、マウス、ポインティングデバイス、マイク)
114,314 通信部(ネットワークIFカード(NFC)、無線デバイス)
116,316 素材情報記憶部
118 観者検出部(赤外線センサ、カメラ)
120,122 素材傾斜部
202,204 電灯
206 太陽
208 目
300 コンピュータ
302 表示部(モニタ)
306 空間照明情報記憶部
308 空間情報記憶部
318 空間内観者位置検出部

Claims (26)

  1. 画像処理システムであって、空間の画像を表示する第1の表示手段と、前記空間の表示データをレンダリングする第1のレンダリング手段と、前記空間に適用される素材の画像を表示する第2の表示手段と、前記素材の画像の表示データをレンダリングする第2のレンダリング手段とを備え、
    前記第2のレンダリング手段は、照明情報、前記素材の質感に関する素材情報、並びに照明、前記第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングするように構成され、
    前記第2の表示手段は、レンダリングされた前記素材の表示データを用いて前記素材の画像を表示するように構成され、
    前記第1のレンダリング手段は、前記素材を前記空間に適応する指示に応答して、前記空間の空間照明情報及び前記素材の質感に関する素材情報に基づいて、前記素材を適用した前記空間の表示データをレンダリングするように構成され、
    前記第1の表示手段は、レンダリングされた前記空間の表示データを用いて前記空間の画像を表示するように構成された、画像処理システム。
  2. 前記第2の表示手段の表示面の方位を検出するように構成された傾き検出手段をさらに備え、
    前記第2のレンダリング手段は、照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記第2の表示手段の表示面の方位に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングするように構成された、請求項1に記載の画像処理システム。
  3. 前記素材を仮想空間の中で傾斜させる素材傾斜手段をさらに備え、
    前記第2のレンダリング手段は、照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記素材の前記仮想空間の中の傾斜に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングするように構成された、請求項1に記載の画像処理システム。
  4. 前記第2の表示手段の周囲照明情報を取得するように構成された周囲照明情報取得手段をさらに備え、前記素材の表示データがレンダリングされる際に用いられる前記照明情報は、前記周囲照明情報取得手段により取得された前記周囲照明情報である、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理システム。
  5. 前記素材の表示データがレンダリングされる際に用いられる前記照明情報は、前記空間の表示データをレンダリングする際に用いられる前記空間照明情報である、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理システム。
  6. 前記素材の画像の観者の方位を検出する観者検出手段をさらに備え、
    前記第2のレンダリング手段は、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報、及び前記素材の画像の観者の方位、並びに前記第2の表示手段の表示面の方位または前記素材の仮想空間の中の傾斜に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングするように構成された、請求項2ないし5のいずれかに記載の画像処理システム。
  7. 前記照明情報は、光の方位、色成分及び強度を含み、
    前記素材情報は、前記素材の画像の各画素についての色特性、形状特性及び反射特性を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理システム。
  8. 前記画像処理システムは、空間画像処理端末と携帯型端末とを含み、
    前記空間画像処理端末は、前記第1のレンダリング手段と前記第1の表示手段とを含み、
    前記携帯型端末は、前記第2のレンダリング手段と、前記第2の表示手段とを含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像処理システム。
  9. 空間の画像を表示する第1の表示手段と、前記空間の表示データをレンダリングする第1のレンダリング手段と、前記空間に適用される素材の画像を表示する第2の表示手段と、前記素材の画像の表示データをレンダリングする第2のレンダリング手段とを備えた画像処理システムにおける画像処理方法であって、
    前記第2のレンダリング手段が、照明情報、前記素材の質感に関する素材情報、並びに照明、前記第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングすることと、
    前記第2の表示手段が、レンダリングされた前記素材の表示データを用いて前記素材の画像を表示することと、
    前記第1のレンダリング手段が、前記素材を前記空間に適応する指示に応答して、空間照明情報及び前記素材の質感に関する素材情報に基づいて、前記素材を適用した前記空間の表示データをレンダリングすることと、
    前記第1の表示手段が、レンダリングされた前記空間の表示データを用いて前記空間の画像を表示することと
    を含む、方法。
  10. 前記画像処理システムは、傾き検出手段をさらに備え、
    前記方法は、前記傾き検出手段が前記第2の表示手段の表示面の方位を検出することをさらに含み、
    前記第2のレンダリング手段が前記素材の表示データをレンダリングすることは、前記第2のレンダリング手段が、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記傾き検出手段により検出された前記第2の表示手段の表示面の方位に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングすることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記画像処理システムは、素材傾斜手段をさらに備え、
    前記方法は、前記素材傾斜手段が前記素材を仮想空間の中で傾斜させることをさらに含み、
    前記第2のレンダリング手段が前記素材の表示データをレンダリングすることは、前記第2のレンダリング手段が、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記仮想空間の中での前記素材の傾斜に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングすることを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記画像処理システムが周囲照明情報取得手段をさらに備え、
    前記方法は、前記周囲照明情報取得手段が前記第2の表示手段の周囲照明情報を取得することをさらに含み、
    前記素材の表示データがレンダリングされる際に用いられる前記照明情報は前記周囲照明情報である、請求項9ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記素材の表示データがレンダリングされる際に用いられる前記照明情報は、前記空間の表示データをレンダリングする際に用いられる前記空間照明情報である、請求項9ないし12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記画像処理システムが観者検出手段をさらに備え、
    前記方法は、前記観者検出手段が前記素材の画像の観者の方位を検出することをさらに含み、
    前記第2のレンダリング手段が前記素材の表示データをレンダリングすることは、前記第2のレンダリング手段が、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記素材の画像の観者の方位、並びに前記第2の表示手段の表示面の方位または仮想空間の中での前記素材の傾斜に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングすることを含む、請求項9ないし13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記照明情報は、光の方位、色成分及び強度を含み、
    前記素材情報は、前記素材の画像の各画素についての色特性、形状特性及び反射特性を含む、請求項9ないし14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記画像処理システムは、空間画像処理端末と携帯型端末とを含み、
    前記空間画像処理端末は、前記第1のレンダリング手段と前記第1の表示手段とを含み、
    前記携帯型端末は、前記第2のレンダリング手段と、前記第2の表示手段とを含む、請求項9ないし15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記画像処理システムは、空間画像処理端末と携帯型端末とを含み、
    前記空間画像処理端末は、前記第1のレンダリング手段と前記第1の表示手段とを含み、
    前記携帯型端末は、前記傾き検出手段と、前記第2のレンダリング手段と、前記第2の表示手段とを含む、請求項10に記載の方法。
  18. 空間の画像を表示する第1の表示手段と、前記空間の表示データをレンダリングする第1のレンダリング手段と、前記空間に適用される素材の画像を表示する第2の表示手段と、前記素材の画像の表示データをレンダリングする第2のレンダリング手段とを備えたコンピュータシステムによって実行されるプログラムであって、
    前記第2のレンダリング手段に、照明情報、前記素材の質感に関する素材情報、並びに照明、前記第2の表示手段の表示面及び観者の相対的位置関係に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングさせ、
    前記第2の表示手段に、レンダリングされた前記表示データを用いて前記素材の画像を表示させ、
    前記第1のレンダリング手段に、前記素材を前記空間に適応する指示に応答して、空間照明情報及び前記素材の質感に関する素材情報に基づいて、前記素材を適用した前記空間の表示データをレンダリングさせ、
    前記第1の表示手段に、レンダリングされた前記空間の表示データを用いて前記空間の画像を表示させる、プログラム。
  19. 前記コンピュータシステムは、傾き検出手段をさらに備え、
    前記プログラムは、前記傾き検出手段に前記第2の表示手段の表示面の方位を検出させ、
    前記第2のレンダリング手段に、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記傾き検出手段により検出された前記第2の表示手段の表示面の方位に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングさせる、請求項18に記載のプログラム。
  20. 前記コンピュータシステムは、素材傾斜手段をさらに備え、
    前記プログラムは、前記素材傾斜手段に仮想空間の中で前記素材を傾斜させ、
    前記第2のレンダリング手段に、前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記仮想空間の中での前記素材の傾斜基づいて、前記素材の表示データをレンダリングさせる、請求項18に記載のプログラム。
  21. 前記コンピュータシステムが周囲照明情報取得手段をさらに備え、
    前記プログラムは、前記周囲照明情報取得手段に前記第2の表示手段の周囲照明情報を取得させ、
    前記第2のレンダリング手段に、前記周囲照明情報、前記素材情報、並びに前記照明、前記第2の表示手段の表示面及び前記観者の前記相対的位置関係に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングさせる、請求項18ないし20のいずれかに記載のプログラム。
  22. 前記素材の表示データをレンダリングされる際に用いられる照明情報は、前記空間の表示データをレンダリングする際に用いられる前記空間照明情報である、請求項18ないし21のいずれかに記載のプログラム。
  23. 前記コンピュータシステムが観者検出手段をさらに備え、
    前記プログラムは、前記観者検出手段に前記素材の画像の観者の方位を検出させ、
    前記第2のレンダリング手段に前記照明情報、前記素材の質感に関する素材情報及び前記素材の画像の観者の方位に基づいて、前記素材の表示データをレンダリングさせる、請求項18ないし22のいずれかに記載のプログラム。
  24. 前記照明情報は、光の方位、色成分及び強度を含み、
    前記素材情報は、前記素材の画像の各画素についての色特性、形状特性及び反射特性を含む、請求項18ないし23のいずれかに記載のプログラム。
  25. 前記コンピュータシステムは、空間画像処理端末と携帯型端末とを含み、
    前記空間画像処理端末は、前記第1のレンダリング手段と前記第1の表示手段とを含み、
    前記携帯型端末は、前記第2のレンダリング手段と、前記第2の表示手段とを含む、請求項18、21ないし24のいずれかに記載のプログラム。
  26. 前記コンピュータシステムは、空間画像処理端末と携帯型端末とを含み、
    前記空間画像処理端末は、前記第1のレンダリング手段と前記第1の表示手段とを含み、
    前記携帯型端末は、前記傾き検出手段と、前記第2のレンダリング手段と、前記第2の表示手段とを含む、請求項19に記載のプログラム。
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