JPWO2008117773A1 - 不斉四置換キノロンカルボン酸の製造方法およびその製造中間体 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、強力な抗菌活性のみならず、安全性にも優れるキノロン系合成抗菌剤の開発が望まれていた。
で示されるキノロン化合物、その塩、またはそれらの水和物は、グラム陰性菌だけでなく、従来のキノロン系合成抗菌剤に低感受性となったグラム陽性球菌に対しても強い抗菌活性を有し、優れた安全性と体内動態を示す抗菌薬として期待されている(特許文献1、2)。
で示される化合物と、例えば式(III):
(式中、X2は、フッ素原子、炭素数1から6のアルコキシ基、または炭素数2から7のアルキルカルボニルオキシ基を示す。)を示し;R4は、水素原子またはハロゲン原子を示し;R5は、置換基を有していてもよいアミノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、水素原子、または水酸基を示し;X1は、脱離基を示す。]
で示される化合物とを反応させた後、次の工程:
(1) 脱ホウ素化工程
(2) R2を除去する工程
の一方または両方を実施する方法である。
このように、上記の方法は工業的製法として課題があり改良が必要であった。したがって本発明の目的は、保護基の保護−脱保護操作を省略して原子効率を向上させ、還元前のピロリドン化合物において光学収率を向上させた光学分割を行ない、かつ還元剤の使用量を大幅に低減させ、そして廃棄物量も減少させる等して、地球に優しいプロセスを確立することにある。さらに、吸湿性のない上記工程の最終化合物を得て操作性面での優れた工業的製法を確立することにある。
そして上記のようにして得たアミノピロリドン化合物であれば、ピロリドンの還元を行うことなく光学分割が可能であり、かつこの分割も低温で実施する必要のない、分割効率の高い(>40%)光学分割が可能であることを見出した。
さらに、光学分割後に実施されるピロリドン化合物のアミドカルボニル基の還元反応においては、必要な還元試剤を大幅に低減(約1/4)できることも判明した。
これらによって本発明者らは、光学活性な不斉四置換炭素含有スピロアミノピロリジン化合物を効率的に合成する方法を完成させたのである。
さらに本発明者らは、吸湿性を有しない(S)−7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン・2塩酸塩の取得に成功すると共に、この光学活性化合物を利用してキノロン誘導体と効果的に縮合させる方法も併せて開発し、工業的に有利な合成抗菌剤の製法を提供できることも明らかとした。
すなわち本発明は、以下の各々に関するものである。
で示される化合物と式(2):
で示される化合物を、酸および/または脱水剤の存在下に処理して式(3):
で示される化合物を得、この式(3)の化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理して式(5):
で示される化合物を得、この式(5)の化合物を、光学活性な酸または光学活性なアミノ酸誘導体を使用して光学分割を実施した後、塩基によって処理して式(5−1):
で示される化合物を得、この化合物を金属水素化合物と処理することを特徴とする、式(15)
で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物の製造方法。
で示される化合物と式(2):
で示される化合物を、酸および/または脱水剤の存在下に処理して式(3):
で示される化合物を得、この式(3)の化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理することを特徴とする式(5):
で示される化合物の製造方法。
で示される化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理することを特徴とする式(5):
で示される化合物の製造方法。
で示される化合物。
このアルキル基は、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる1または2以上の基を置換基として有していてもよい。
アミノ基または水酸基の場合は、末端の炭素原子上にあることが好ましく、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基等、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等が好ましい。
ハロゲン原子が置換基の場合、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等を挙げることができる。
アルキルチオ基またはアルコキシ基を置換基として有する場合、アルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アルキルチオプロピル基、あるいはアルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アルコキシプロピル基が好ましく、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基が好ましい。
R1が、置換基を有していてもよいアリール基であるときにおいて、アリール基としてはフェニル基またはナフチル基を挙げることができるが、これらのうちではフェニル基が好ましい。アリール基上の置換基としてはR1がアルキル基であるときに述べたのと同じ基1または2以上を有していてもよい。
環状ケトエステル化合物の合成に使用されるβ−ケトエステルは、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸の低級エステル類が望ましい。ジハロゲノアルキレン化合物を反応させる際の塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のβ−ケトエステルのアルキル化に通常使用される塩基であればどの塩基を用いてもよい。溶媒としては反応を阻害しないものであればどの溶媒を用いてもよく、無溶媒でもよい。
上記の如くして得た環状ケトエステル化合物に対して、アンモニアとシアノ化剤とを反応させることによって化合物(1)を得ることができる。シアノ化剤としては青酸ナトリウム、青酸カリウム、テトラブチルアンモニウムシアニド等を挙げることができる。この製造の際に塩化アンモニウムや酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩を添加することで反応は著しく加速される。溶媒としては反応を阻害しないものであればどの溶媒を用いてもよい。
工程(a)は、上記の化合物(1)から下記式:
すなわち、化合物(1)に対して下記式:
この反応は溶媒存在下で実施してもよく、使用する溶媒としては反応を阻害しないものであればいずれの溶媒も使用することができる。例えば、炭化水素系として、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;エーテル系として、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系として、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系として、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これらの溶媒のうち、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系;メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系;および酢酸エチルが好ましく、トルエン、酢酸エチルが特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度でよく、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸などのカルボン酸類;p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、スルホン酸型陽イオン交換樹脂等のスルホン酸類;が好ましい。これらのうちではカルボン酸類がより好ましく、酢酸が特に好ましい。使用量は、化合物(1)に対して、通常、0.1から5倍量(モル比)が好ましく、1から2倍量(モル比)が特に好ましい。
脱水剤としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブを挙げることができ、硫酸マグネシウムが好ましい。使用量は、化合物(1)に対して、通常、0.1から5倍量(モル比)が好ましく、1から2倍量(モル比)が特に好ましい。
反応温度は使用する溶媒によっても異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは室温から100℃の範囲である。
また、反応時間は、通常、12から96時間でよく、好ましくは24から72時間である。
本工程において使用する化合物(2)は、R71またはR72の一方が水素原子であるアルデヒドを使用するのが好ましい。
式(2)で示される化合物の好ましい具体的例として次の化合物(4)を挙げることができる。
工程(b)は、化合物(3)を還元して下記の式(5):
すなわち、化合物(3)を、溶媒中、金属触媒および水素源の存在下に処理を行なうことによって、シアノ基をアミノメチル基に変換してカルボキシルエステル部分と分子内閉環反応をさせて環状ピロリドン構造を構築するとともに、イミンのC=N二重結合を還元する工程である。
本工程において使用する溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒も使用することができる。例えば、炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうち、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系;メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系;および酢酸エチルが好ましく、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルが特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
この工程に用いることのできる金属触媒は、この種の水素化分解にて通常使用する金属触媒でよく、パラジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルト等を挙げることができ、これらのうちではラネーコバルトが好ましい。使用量は、化合物(3)に対して、通常、0.05から5倍量(重量比)が好ましく、0.1から1.5倍量(重量比)が特に好ましい。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは60から130℃の範囲で行われる。
反応は水素源として水素ガス雰囲気下の反応を実施するのがよく、水素圧は、通常、常圧から100気圧でよいが、20から50気圧の範囲が好ましい。
反応時間は、1から72時間で完了するが、通常、3から24時間で完了する。
生成する化合物(5)は酸と酸付加塩を形成させてもよい。酸付加塩を形成させる酸としては、無機酸、有機酸のいずれであってもよく、塩酸、硫酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸などの有機カルボン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などのスルホン酸を挙げることができる。これらのうち、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸との塩を形成させるのに使用する溶媒としては、塩形成を阻害しないものであれば各種溶媒を使用することができる。例えば、炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;この他に、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等;を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうちではイソプロパノールが好ましい。
使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
塩を形成させる温度は使用する溶媒によって異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは0℃から60℃の範囲である。
酸は、化合物(5)に対して1から3倍量(モル比)程度の範囲で使用すればよい。
工程(c)は、化合物(5)の光学分割を行なってジアステレオマー塩を得た後、塩基によって処理して下記式:
すなわち、化合物(5)を、光学活性なカルボン酸または光学活性なアミノ酸誘導体によって光学分割すればよい。
光学分割に使用される光学活性なカルボン酸としては、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸等を挙げることができる。これらのうちで特に好ましいのはマンデル酸である。なお、化合物(5)の対掌体のうちの化合物(5−1)を得るために有利な塩形成を行なうことができる光学活性なカルボン酸として、(D)−マンデル酸を挙げることができる。
さらに、光学活性なアミノ酸誘導体によって光学分割する場合、N−保護アラニン、N−保護フェニルアラニン、N−保護メチオニン、N−保護バリンおよびピログルタル酸を好適に使用することができる。これらのうちで特に好ましいのは、Boc−アラニン、Boc−フェニルアラニン、Ac−アラニン、Boc−メチオニン、Boc−バリンおよびピログルタル酸である。これらのアミノ酸誘導体のうちで化合物(5−1)を有利に分割できる光学活性なアミノ酸誘導体としては、Boc−D−アラニン、Boc−D−フェニルアラニン、Ac−D−アラニン、Boc−D−メチオニン、Boc−D−バリンおよびD−ピログルタル酸を挙げることができる。
光学活性なカルボン酸または光学活性なアミノ酸誘導体のうち、好ましくは光学活性なカルボン酸であり、光学活性なカルボン酸の中ではマンデル酸が好ましい。
光学活性塩基の使用量は、酸に対して通常は当量以下を使用すればよい。
化合物(5−1)と光学活性カルボン酸または光学活性アミノ酸誘導体とから形成された塩を晶析または再結晶する際の溶媒として各種の溶媒を使用することができる。例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等のハロゲン化炭化水素系溶媒;を挙げることができる。これらの他に、水、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうち、アセトニトリルまたは含水アセトニトリルが好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
塩を形成させる温度は使用する溶媒によって異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは0℃から60℃である。
目的の塩を晶析または再結晶する際の温度は一定ではないが、通常用いられている程度の温度条件でよく、具体的には氷冷から使用する溶媒の沸点の間の温度で行なえばよい。
このようにして形成させ、再結晶などによって精製した塩を酸またはアルカリを用いて処理した後に抽出するなどして遊離の化合物(5−1)を得ることができる。この処理に使用する酸としては、塩酸、硫酸等の酸を使用すればよい。アルカリ処理を行なうには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩などの塩基を使用することができるが、これらの塩基は通常、水溶液として用いられる。
化合物(5−1)および光学活性なカルボン酸または光学活性なアミノ酸誘導体とから形成される塩化合物の具体的例を以下に示した。
工程(d)は、下記式:
この反応に使用される溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒も使用することができる。これらのうちで炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これらの溶媒のうち、炭化水素系溶媒のうちのトルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系が好ましく、トルエンが特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
この工程において使用される金属水素錯化合物は、水素化アルミニウム錯化合物、水素化ホウ素化合物を挙げることができるが、水素化アルミニウム錯化合物が好ましい。水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム[NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2]が好ましく、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが特に好ましい。これらの使用量は、化合物(5−1)に対して、通常、2から10倍量(モル比)が好ましく、2.5から5倍量(モル比)が特に好ましい。
反応時間は、通常、1から72時間で、好ましくは3から24時間の範囲である。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは60から110℃の範囲で行われる。
化合物(15)のうち好ましいものはアミノ基がベンジル置換である次のものであり:
工程(e)は、下記式:
溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒を使用することができる。これらのうちで炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうち、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド系溶媒、この他アセトニトリルが好ましく、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリルが特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常1から100重量倍程度でよく、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
塩基は、有機または無機のいずれであってもよく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩およびアルコキサイド等;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の金属水素化物;n−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等のアルキルリチウム試薬;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類;その他、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリン、ピリジン等の複素環化合物;を用いることができる。これら塩基のうち、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類および1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリン、ピリジン等の複素環化合物が好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。塩基の使用量は、化合物(19)に対して、通常、1から5倍量(モル比)が好ましく、1.1から3倍量(モル比)が特に好ましい。
反応時間は、通常、1から72時間で、好ましくは3から24時間である。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは20から80℃の範囲で行われる。
化合物(20)のうち好ましいものはアミノ基がベンジル置換となった次の構造のものである:
工程(f)は、下記式:
溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒も使用することができる。これらのうちで炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。なお、非プロトン性溶媒中で反応を実施する場合には、アルコールおよび/または水を存在させることが必要である。これら溶媒のうち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒、水が好ましく、メタノール、水が特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
反応時間は、通常、1から72時間で、好ましくは3から24時間である。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは50から120℃の範囲で行われる。
化合物(22)のうち好ましいものはアミノ基がベンジル置換となった次の構造のものである:
工程(g)は、下記式:
溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒も使用することができる。これらのうちで炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒が好ましく、メタノール、イソプロパノール(IPA)が特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
酸としては、無機酸、有機酸のいずれであってもよく、塩酸、硫酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸などのカルボン酸化合物;p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸などのスルホン酸;を挙げることができる。これらのうち、ギ酸、酢酸が好ましい。使用量は、化合物(22)に対して、通常、1から5倍量(モル比)が好ましく、2.2から4倍量(モル比)が特に好ましい。
この製法に用いることのできる金属触媒は、この種の水素化分解にて通常使用する金属触媒でよく、パラジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルトなどを挙げることができ、パラジウム−炭素が好ましい。使用量は、化合物(22)に対して、通常、0.001から1倍量(重量比)が好ましく、0.01から0.1倍量(重量比)が特に好ましい。
水素圧は、通常、常圧から100気圧でよく、常圧から10気圧が好ましい。
反応時間は、通常、1から72時間で、好ましくは3から24時間である。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは20から60℃の範囲で行われる。
<工程(h)>
工程(h)は、下記式:
溶媒は反応を阻害しないものであれば、いずれの溶媒も使用することができる。これらのうちで炭化水素系としては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、キシレン等;アルコール系としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等;エーテル系としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等;アミド系としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等;環状ウレア系としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等;ハロゲン化炭化水素系としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)等;を挙げることができる。この他に、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。これら溶媒のうち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒が好ましく、メタノール、イソプロパノール(IPA)が特に好ましい。使用する溶媒の量は、通常、1から100重量倍程度、好ましくは2から50重量倍程度の範囲である。
この製法に用いることのできる金属触媒は、この種の水素化分解にて通常使用する金属触媒でよく、パラジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルトなどを挙げることができ、パラジウム−炭素が好ましい。使用量は、化合物(22)に対して、通常、0.001から1倍量(重量比)が好ましく、0.01から0.5倍量(重量比)が特に好ましい。
水素圧は、通常、常圧から100気圧でよく、常圧から10気圧が好ましい。
反応時間は、通常、1から72時間で、好ましくは3から24時間である。
反応温度は、使用する溶媒によって異なるが、通常、−30から170℃の範囲でよく、好ましくは20から60℃の範囲で行われる。
以下に実施例をもって本願発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、またこれらは如何なる意味においても限定的に解釈してはならない。
なお、光学分割に関する実施例において、単離した光学活性体の純度は%de(ジアステレオメリック エクセス)によって示したが、これは得られた光学分割塩を遊離体とした後に市販の光学活性カラムを使用した高速液体クロマトグラムによって得られたピークから算出したものである。
エチル 1−(1−アミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボキシレート(1038g)のトルエン溶液(10L)にベンズアルデヒド(578mL)、酢酸(498mL)および硫酸マグネシウム(686g)を加え、室温下、15時間攪拌した。反応終了後、硫酸マグネシウムを濾去後、溶媒の減圧留去を行い、標題化合物の粗体(1445g)を得た。この粗体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製できる。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.88−0.91(1H,m),1.21−1.24(1H,m),1.29(3H,t,J=7.1Hz),1.31−1.35(1H,m),1.52−1.60(1H,m),1.75(3H,s),4.22(2H,q,J=7.1Hz),7.41−7.50(3H,m),7.74−7.76(2H,m),8.63(1H,s)
エチル 1−(1−ベンジリデンアミノ−1−シアノエチル)−1−シクロプロパンカルボキシレート(1539g)のトルエン溶液(12.3L)へラネーコバルト(300g)を加え、3.5MPa、100℃にて11時間攪拌した。反応終了後、ラネーコバルトを濾去し、有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣を得た。得られた濃縮残渣へアセトニトリル(7.7L)を加え、加熱溶解後、トシル酸一水和物(1084g)を加え、60℃にて1時間攪拌した後、さらに室温下、17時間攪拌した。得られた結晶を濾取し、乾燥後、標題化合物(1555g)得た。
1H−NMR(400MHz,D2O)δppm:1.02−1.10(1H,m),1.21−1.27(2H,m),1.30−1.38(4H,m),2.39(3H,s),3.74(1H,d,J=12.4Hz),4.05(1H,d,J=12.4Hz),4.11−4.21(2H,m),7.36(2H,d,J=7.6Hz),7.32−7.40(5H,m),7.69(2H,d,J=7.6Hz)
元素分析:Calc.C;62.66%、H;6.51%、N;6.96%
Obsd.C;62.62%、H;6.54%、N;6.94%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン・トシル酸塩(1555g)へ1N水酸化ナトリウム水溶液(10L)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、有機層を減圧し、標題化合物(890g)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.88−0.99(2H,m),1.05−1.16(2H,m),1.17(3H,s),3.38(1H,d,J=9.8Hz),3.59(1H,d,J=9.8Hz),3.75(2H,dd,J=20.2,12.4Hz),6.04(1H,brs),7.24−7.32(5H,m)
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(517g)の97.5%アセトニトリル(5.2L)溶液へ加熱還流下、D−マンデル酸(170g)を加え、30分間加熱還流した後、40℃にて2時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(353g、99.6%de)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O)δppm:1.15−1.22(1H,m),1.28−1.38(2H,m),1.39−1.48(4H,m),3.74(1H,d,d=12.4Hz),4.03(1H,d,J=12.4Hz),4.17−4.31(2H,m),7.36−7.46(5H,m),7.46−7.53(5H,m)
元素分析:Calc.C;69.09%、H;6.85%、N;7.32%
Obsd.C;69.10%、H;6.88%、N;7.32%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(300mg)のアセトニトリル(6ml)溶液へ室温にて、N−tert−ブトキシキカルボニル−D−アラニン(123.2mg)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(162.0mg、99.0%de)を得た。
元素分析:Calc.C;62.99%、H;7.93%、N;10.02%
Obsd.C;62.58%、H;8.03%、N;10.00%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(300mg)のアセトニトリル(6ml)溶液へ室温にて、N−tert−ブトキシキカルボニル−D−フェニルアラニン(172.8mg)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(244.8mg、99.5%de)を得た。
元素分析(1/2水和物として):
Calc.C;66.64%、H;7.59%、N;8.33%
Obsd.C;66.93%、H;7.58%、N;8.31%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(300mg)のアセトニトリル(6ml)溶液へ室温にて、N−tert−ブトキシキカルボニル−D−バリン(141.5mg)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(254.5mg、98.9%de)を得た。
元素分析:Calc.C;64.41%、H;8.33%、N;9.39%
Obsd.C;64.19%、H;8.43%、N;9.33%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(300mg)のアセトニトリル(6ml)溶液へ室温にて、N−tert−ブトキシキカルボニル−D−メチオニン(162.4mg)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(271.6mg、95.6%de)を得た。
元素分析:Calc.C;60.10%、H;7.78%、N;8.76%
Obsd.C;60.36%、H;7.49%、N;8.69%
7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(300mg)のアセトニトリル(6ml)溶液へ室温にて、N−アセチル−D−フェニルアラニン(135.0mg)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。結晶を濾取し、標題化合物(263.3mg、91.0%de)を得た。
元素分析:Calc.C;68.63%、H;7.14%、N;9.60%
Obsd.C;68.48%、H;7.16%、N;9.50%
7−2,4,6−トリメトキシベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(2g)のアセトニトリル(40ml)溶液へ60℃にて、L−ピログルタミン酸(403.1mg)を加え、そのままの温度にて20分間攪拌した後、徐冷した。室温まで冷却後、析出した結晶を濾取し、標題化合物(1.15g、98.8%de)を得た。
元素分析(1水和物として):
Calc.C;56.52%、H;7.23%、N;9.16%
Obsd.C;56.29%、H;7.11%、N;8.99%
7−S−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン・D−マンデル酸塩(353g)へ2N 水酸化ナトリウム水溶液(3L)を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮し、標題化合物(207g、99.6%ee)を得た。1H−NMRデータは実施例3と一致した。
窒素気流下、7−S−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−オン(197g)のトルエン溶液(1.7L)へ65wt%水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムトルエン溶液(709mL)を滴下し、110℃にて3時間攪拌した。反応終了後、氷冷下、5N水酸化ナトリウム水溶液(1.5L)を加え、洗浄した。有機層を減圧濃縮し、得られた濃縮残渣へ1N塩酸−エタノール溶液および酢酸エチルを加え、氷冷下、1時間攪拌した後、析出した結晶を濾取・乾燥することによって、標題化合物(229g)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:0.91−1.29(4H,m),1.52(3H,s),3.38(1H,d,J=12.2Hz),3.81(2H,dd,J=17.6,12.2Hz),4.08(1H,dd,J=13.9,2.7Hz),4.40(2H,m),7.52(5H,s)
元素分析:Calc.C;58.13%、H;7.67%、N;9.69%
Obsd.C;58.08%、H;7.77%、N;9.60%
7−S−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン・2塩酸塩(5g)のメタノール溶液(50ml)へ5%Pd−C(500mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて16時間攪拌した。触媒を濾去後、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣にイソプロパノールを加え、スラリー攪拌し、析出した結晶を濾取・乾燥することによって、標題化合物(3.27g)を得た。
1H−NMR(400MHz,D2O)δppm:0.72−0.77(1H,m),0.88−1.01(3H,m),1.40(3H,s),3.25(1H,d,J=12.8Hz),3.61(1H,d,J=12.8Hz),3.62(1H,d,J=13.6Hz),3.74(1H,d,J=13.6Hz)
元素分析:Calc.C;42.22%、H;8.10%、N;14.07%
Obsd.C;41.92%、H;8.27%、N;13.81%
7−S−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプタン・2塩酸塩(1.6g)、トリエチルアミン(2.31ml)のアセトニトリル溶液(10ml)へ、室温にて6,7−ジフロオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(2g)を加え、そのままの温度にて3時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残渣に30%含水イソプロパノール(10ml)を加え、2時間加熱還流した。氷冷下、5N塩酸にて反応液をpH1.5に調整し、析出した結晶を濾取・乾燥することによって、標題化合物(2.92g)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm:0.68−0.76(1H,m),0.96−1.10(2H,m),1.35−1.61(6H,m),3.50(1H,d,J=10.4Hz),3.64(3H,s),3.91(1H,d,J=12.4Hz),4.08−4.15(1H,m),4.20(1H,d,J=9.6Hz),4.26(1H,d,J=12.0Hz),4.29−4.36(2H,m),5.09(1H,d,J=64.0Hz),7.36−7.46(3H,m),7.66(2H,dd,J=2.0,8.0Hz),7.74(1H,d,J=13.6Hz),8.68(1H,s),9.18(1H,brs),9.70(1H,brs)
元素分析:Calc.C;61.59%、H;5.54%、N;7.70%
Obsd.C;61.36%、H;5.45%、N;7.59%
7−(S−7−ベンジルアミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル)−6−フルオロ−1−((1R,2S)−2−フルオロ−シクロプロピル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩(5g)のメタノール溶液(51ml)へ5%Pd−C(500mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて16時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン(5ml)および水(12.5ml)を加え、40℃にて1時間攪拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮後、得られた残渣に80%含水メタノール(50ml)を加え、さらに5N水酸化ナトリウム水溶液(3.7ml)を添加し、60℃にて2時間攪拌した。そのままの温度にて、5N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH7に調整し、室温まで徐冷後、1時間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥することによって、標題化合物(3.96g)を得た。
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δppm:0.48−0.56(2H,m),0.66−0.76(2H,m),1.12(3H,s),1.42−1.63(2H,m),3.55(3H,s),3.59−3.72(4H,m),3.98−4.03(1H,m),4.79−5.03(1H,m),7.65(1H,d,J=13.9Hz),8.44(1H,s)
元素分析:Calc.C;55.38%、H;5.93%、N;9.07%
Obsd.C;55.19%、H;5.98%、N;9.19%
7−(S−7−アミノ−7−メチル−5−アザスピロ[2.4]ヘプト−5−イル)−6−フルオロ−1−((1R,2S)−2−フルオロ−シクロプロピル)−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・2水和物(11.5g)へメチルエチルケトン(180ml)を加え、70℃にて1時間攪拌後、そのままの温度にて活性炭(580mg)を添加し、1時間攪拌した。活性炭を濾去後、残液量が5ml程度になるまで溶媒を留去し、水(0.5ml)を加え、室温にて16時間攪拌した。析出した結晶を濾取・乾燥することによって、標題化合物(9.9g)を得た。1H−NMRデータは実施例15と一致した。
元素分析:Calc.C;58.87%、H;5.65%、N;9.81%
Obsd.C;58.73%、H;5.65%、N;9.94%
エチル 1−アセチル−1−シクロプロパンカルボキシレート(1000g)のメタノール溶液(1.5L)へ塩化アンモニウム(1712g)、28%アンモニア水(3.0L)およびシアン化ナトリウム(377g)を加え、30℃にて18時間攪拌した。反応液へ水を加え、トルエンにて抽出した後、有機層を減圧留去し、標題化合物の粗体(1038g)を得た。得られた粗体は、そのまま実施例1へ用いた。なお、この粗体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製できる。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δppm:1.09−1.20(2H,m),1.27(3H,t,J=7.2Hz),1.22−1.33(2H,m),1.53(3H,s),4.18(q,J=7.2Hz)
Claims (10)
- 式(1):
で示される化合物と式(2):
で示される化合物を、酸および/または脱水剤の存在下に処理して式(3):
で示される化合物を得、この式(3)の化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理して式(5):
で示される化合物を得、この式(5)の化合物を、光学活性な酸または光学活性なアミノ酸誘導体を使用して光学分割を実施した後、塩基によって処理して式(5−1):
で示される化合物を得、この化合物を金属水素化合物と処理することを特徴とする、式(15)
で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物の製造方法。 - 式(1):
で示される化合物と式(2):
で示される化合物を、酸および/または脱水剤の存在下に処理して式(3):
で示される化合物を得、この式(3)の化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理することを特徴とする式(5):
で示される化合物の製造方法。 - 式(3):
で示される化合物を金属触媒および水素源の存在下で処理することを特徴とする式(5):
で示される化合物の製造方法。 - R1がメチル基である請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
- nが2である請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
- R71−C(=)−R72が、Ph−C(=)−HまたはH−C(=)−Phである請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 式(3):
で示される化合物。 - R1がメチル基である請求項7に記載の化合物。
- nが2である請求項7または8に記載の化合物。
- R71−C(=)−R72が、Ph−C(=)−HまたはH−C(=)Phである請求項7から9のいずれか一項に記載の化合物。
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