JPWO2008117642A1 - 光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置 - Google Patents

光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

光ヘッド装置における対物レンズの手前に、液晶高分子層15a、電極14a、電極14bから成る第一の複屈折補正部、液晶高分子層15b、電極14c、電極14dから成る第二の複屈折補正部、液晶高分子層15c、電極14e、電極14fから成る第三の複屈折補正部を有する複屈折補正素子5aを設ける。第一の複屈折補正部は、光記録媒体の種類に応じて変化する光記録媒体の保護層の垂直複屈折の影響を補正し、第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部は、光記録媒体の種類により異なる光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響を補正する。

Description

本発明は、使用するための光学的条件または記録マークの光学的特性が異なる複数種類の光記録媒体に対して記録や再生を行うための光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置に関する。なお、本出願は、日本出願番号2007−85347に基づく優先権を主張するものであり、日本出願番号2007−85347における開示内容は引用により本出願に組み込まれる。
光記録媒体に対して記録や再生を行うための光ヘッド装置の光学系としては、一般的に偏光光学系と呼ばれる光学系が用いられる。光ヘッド装置は、光源からの出射光と光記録媒体からの反射光とを分離する光分離部を有している。偏光光学系においては、光源の側から光分離部へ入射する光と対物レンズの側から光分離部へ入射する光とは、偏光方向が互いに直交する直線偏光である。光分離部は、光源の側から入射した直線偏光を高い効率で対物レンズの側へ出射すると共に、対物レンズの側から入射した直線偏光を高い効率で光検出器の側へ出射する特性を有する。このため、光記録媒体への情報の記録時には、対物レンズからの出射光量が多く、高い光出力が得られ、光記録媒体からの情報の再生時には、光検出器における受光量が多く、高い信号対雑音比が得られる。
ところで、光記録媒体は保護層を有し、その保護層には通常は安価なポリカーボネートが用いられるが、ポリカーボネートは複屈折を有する。光記録媒体の保護層に複屈折があると、対物レンズの側から光分離部へ入射する光は一般に楕円偏光になり、対物レンズの側から光分離部へ入射した光が光分離部から光検出器の側へ出射される際の効率が低下する。このため、光記録媒体からの情報の再生時に、光検出器における受光量が低下し、得られる信号対雑音比が低下する。使用するための光学的条件が異なる複数種類の光記録媒体に対して記録や再生を行う場合、光記録媒体の保護層の複屈折は光記録媒体の種類によって異なる。従って、高い信号対雑音比を得るには、光記録媒体の種類によって異なる光記録媒体の保護層の複屈折の影響を補正する必要がある。
光記録媒体の種類によって異なる光記録媒体の保護層の複屈折の影響を補正する光ヘッド装置として、特開2006−196156号公報に記載の光ヘッド装置がある。図1に、その光ヘッド装置の主要部を示す。光源である半導体レーザ31からの出射光は、偏光ビームスプリッタ32にP偏光として入射してほぼ100%が透過し、コリメータレンズ33で発散光から平行光に変換され、1/4波長板34で直線偏光から円偏光に変換され、複屈折補正素子35を透過し、対物レンズ36で平行光から収束光へ変換され、光記録媒体であるディスク37内に集光される。ディスク37からの反射光は、対物レンズ36で発散光から平行光へ変換され、複屈折補正素子35を透過し、1/4波長板34で円偏光から往路と偏光方向が直交した直線偏光に変換され、コリメータレンズ33で平行光から収束光へ変換され、偏光ビームスプリッタ32にS偏光として入射してほぼ100%が反射され、非点収差レンズ38で非点収差が与えられ、光検出器39で受光される。
図2は複屈折補正素子35の断面図である。複屈折補正素子35は、基板40aと基板40bとの間に液晶高分子層42を挟んだ構成である。基板40aの液晶高分子層42側の面、基板40bの液晶高分子層42側の面には、液晶高分子層42に電圧を印加するための電極41a、電極41bがそれぞれ形成されている。電極41aはパタン電極、電極41bは全面電極である。
図3A、図4Aは、複屈折補正素子35における電極41aの平面図である。図3B、図4Bは、複屈折補正素子35における液晶高分子層42の断面図である。電極41aは、図3A、図4Aに示されるように、光軸を中心とする3つの同心円で領域43a〜領域43dの4つの領域に分割されている。これにより、液晶高分子層42に印加される電圧の値を、領域43a〜領域43dに対して互いに独立に設定することができる。なお、図中の点線は、対物レンズ36の有効径に相当する直径を有する円を示している。また、図中の矢印は、液晶高分子層42の液晶高分子の長手方向を示している。液晶高分子層42は、光学軸の方向が液晶高分子の長手方向である一軸の屈折率異方性を有している。
ディスク37の保護層が複屈折を有しない場合、電極41aと電極41bとの間に電圧が印加されない。このとき、図3A〜3Bに示されるように、液晶高分子層42の液晶高分子の長手方向は、領域43a〜領域43dのいずれに対しても入射光の光軸に平行な方向となる。従って、光が複屈折補正素子35を透過する際に偏光状態の変化は生じない。これに対し、ディスク37の保護層が所定の複屈折を有する場合、電極41aの領域43a〜領域43dと電極41bとの間にそれぞれ所定の電圧が印加される。このとき、図4A〜4Bに示されるように、液晶高分子層42の液晶高分子の長手方向は、入射光の光軸を含む面内で入射光の光軸と所定の角度をなす。その角度は領域43aから領域43dへ向かって大きくなる。従って、光が複屈折補正素子35を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じる。その結果、光がディスク37の保護層を透過する際にディスク37の保護層の複屈折により生じる偏光状態の変化が、光が複屈折補正素子35を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク37の保護層の複屈折の影響が補正される。
光記録媒体の保護層は、通常は二軸の屈折率異方性を有している。その三つの主軸をX軸、Y軸、Z軸とすると、X軸、Y軸が光記録媒体の法線方向に垂直となり、Z軸が光記録媒体の法線方向に平行となるようにXYZ座標を定めることができる。三つの主軸に対応する三つの主屈折率をnx、ny、nzとすると、面内複屈折をΔni=nx−ny、垂直複屈折をΔnv=(nx+ny)/2−nzで定義することができる。
図5に、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの場合の、光記録媒体の保護層の面内複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例が示される。図の縦軸は、面内複屈折が0の場合の受光量で規格化された相対受光量である。この場合、面内複屈折の絶対値が増加するに従って相対受光量は減少するが、その度合いは非常に小さいことがわかる。
図6に、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの場合の、光記録媒体の保護層の垂直複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例が示される。図の縦軸は、垂直複屈折が0の場合の受光量で規格化された相対受光量である。この場合、垂直複屈折が増加するに従って相対受光量は減少するが、その度合いは非常に小さいことがわかる。
図7に、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの場合の、光記録媒体の保護層の面内複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例が示される。図の縦軸は、面内複屈折が0の場合の受光量で規格化された相対受光量である。この場合、面内複屈折の絶対値が増加するに従って相対受光量は減少し、面内複屈折の絶対値が1×10−4の場合の相対受光量は0.4以下になることがわかる。
図8に、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの場合の、光記録媒体の保護層の垂直複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例が示される。図の縦軸は、垂直複屈折が0の場合の受光量で規格化された相対受光量である。この場合、垂直複屈折が増加するに従って相対受光量は減少し、垂直複屈折が1×10−3の場合の相対受光量は0.6以下になることがわかる。
光記録媒体の保護層にポリカーボネートを用いた場合、面内複屈折は保護層の製造条件に依存し、その絶対値は最大で1×10−4程度になる。一方、垂直複屈折は保護層の材料によりほぼ一意的に決まり、7×10−4程度である。従って、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、面内複屈折、垂直複屈折はどちらも光検出器における受光量を殆んど低下させないため、それらの影響を補正する必要はない。しかし、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、面内複屈折、垂直複屈折はどちらも光検出器における受光量を大きく低下させるため、それらの影響を補正する必要がある。すなわち、光記録媒体の種類に応じて変化する光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正する必要がある。しかし、特開2006−196156号公報に記載の光ヘッド装置は、光記録媒体の種類に応じて変化する光記録媒体の保護層の垂直複屈折の影響を補正する機能を有しているが、光記録媒体の種類によって異なる光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響を補正する機能を有していない。
また、特開2004−273089号公報には、情報記録媒体の記録面に光を照射し、記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置の技術が開示されている。この光ピックアップ装置は、光源と光学系と重畳手段と位相差信号出力手段とを備える。光学系は、対物レンズと、光学素子と、偏光性分岐光学素子とを含む。対物レンズは、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に集光する。光学素子は、光源と対物レンズとの間の光路上に配置され、印加される電圧に応じた光学的位相差を入射される光束に付与する。偏光性分岐光学素子は、記録面で反射され対物レンズ及び光学素子を介した戻り光束の光路上に配置され、戻り光束をその光路上から分岐する。重畳手段は、光学素子に印加される電圧に所定の交流信号を重畳する。位相差信号出力手段は、偏光性分岐光学素子で分岐された戻り光束を受光する第1の光検出器を含む少なくとも1つの光検出器を有し、戻り光束における光学的位相差の誤差に関する情報を含む信号を出力する。
さらに、特開2005−332435号公報には、光源と、対物レンズと、光検出器と、光分離素子と、複屈折補正素子と、複屈折補正素子を備える光ヘッド装置が開示されている。対物レンズは、この光源からの出射光を光記録媒体上に集光する。光検出器は、光記録媒体からの反射光を受光する。光分離素子は、光源からの出射光と光記録媒体からの反射光とを分離する。複屈折補正素子は、光記録媒体の保護層の複屈折による出射光又は反射光への影響を補正する。この複屈折補正素子は、光学軸を有し、光学軸の方向が複屈折補正素子の面内の位置に応じて変化するとともに、光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との位相差が、複屈折補正素子の面内の位置に応じて変化する。
本発明の目的は、従来の光ヘッド装置における上に述べた課題を解決し、光記録媒体の種類に応じて変化する光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響を補正する光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置を提供することにある。また、本発明の目的は、高い信号対雑音比が得られる光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置を提供することにある。
本発明の観点では、光ヘッド装置は、対物レンズと、光検出器と、光分離部と、単一の複屈折補正手段とを具備する。対物レンズは、使用するときの光学的条件または記録マークの光学的特性が異なる複数種類の光記録媒体に、光源から出射される出射光を集光する。光検出器は、光記録媒体からの反射光を受光する。光分離部は、光源から出射される出射光と光記録媒体からの反射光とを分離する。単一の複屈折補正手段は、光分離部と対物レンズとの間に設けられ、光記録媒体の種類により異なる光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを補正する。
本発明の他の観点では、光学式情報記録再生装置は、上記の光ヘッド装置と、複屈折補正手段を駆動する駆動回路とを具備する。その駆動回路は、光記録媒体の種類により異なる光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを補正するように、複屈折補正手段を駆動する。
また、本発明の他の観点では、光学式情報記録再生方法は、集光ステップと、光検出ステップと、光分離ステップと、補正ステップとを具備する。集光ステップでは、使用するための光学的条件または記録マークの光学的特性が異なる複数種類の光記録媒体に、光源から出射される出射光が集光される。光検出ステップでは、光記録媒体からの反射光が受光され、検出される。光分離ステップでは、出射光と反射光とが分離される。補正ステップでは、光記録媒体の種類により異なる光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とが、単一の複屈折補正手段により補正される。
上記発明の目的、効果、特徴は、添付される図面と連携して実施の形態の記述から、より明らかになる。
図1は、従来の光ヘッド装置の構成を示す図である。 図2は、従来の光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の断面図である。 図3A〜3Bは、従来の光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図4A〜4Bは、従来の光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図5は、光記録媒体の保護層の面内複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例を示す図である。 図6は、光記録媒体の保護層の垂直複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例を示す図である。 図7は、光記録媒体の保護層の面内複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例を示す図である。 図8は、光記録媒体の保護層の垂直複屈折と光検出器における受光量との関係の計算例を示す図である。 図9は、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の構成を示す図である。 図10は、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の断面図である。 図11A〜11Bは、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図12A〜12Bは、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図13A〜13Dは、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における他の電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図14A〜14Dは、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における他の電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図15A〜15Dは、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における他の電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図16は、本発明の第二の実施の形態に係る光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の断面図である。 図17A〜17Bは、本発明の第二の実施の形態に係る複屈折補正素子における電極の平面図である。 図18A〜18Dは、本発明の第二の実施の形態に係る複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図19A〜19Dは、本発明の第二の実施の形態に係る複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図20は、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置の構成を示す図である。 図21A〜21Bは、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置に使われる複屈折補正素子の断面図である。 図22A〜22Bは、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における電極の平面図である。 図23A〜23Dは、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図24A〜24Dは、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置の複屈折補正素子における電極の平面図および液晶高分子の断面図である。 図25A〜25Bは、光記録媒体の保護層の面内複屈折と再生信号のアシンメトリとの関係の計算例を示す図である。 図26は、本発明の第五の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。 図27は、本発明の第六の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置の構成を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図9に、本発明の第一の実施の形態に係る光ヘッド装置の構成が示される。光ヘッド装置61は、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、偏光ビームスプリッタ3、1/4波長板4、複屈折補正素子5a、対物レンズ6a、6b、円筒レンズ8、凸レンズ9、光検出器10を具備する。
光源である半導体レーザ1からの出射光は、コリメータレンズ2で発散光から平行光へ変換され、偏光ビームスプリッタ3にP偏光として入射してほぼ100%が透過し、1/4波長板4で直線偏光から円偏光に変換され、複屈折補正手段である複屈折補正素子5aを透過し、対物レンズ6aまたは対物レンズ6bで平行光から収束光へ変換され、光記録媒体であるディスク7内に集光される。ディスク7からの反射光は、対物レンズ6aまたは対物レンズ6bで発散光から平行光へ変換され、複屈折補正素子5aを透過し、1/4波長板4で円偏光から往路と偏光方向が直交した直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ3にS偏光として入射してほぼ100%が反射され、円筒レンズ8で非点収差が与えられ、凸レンズ9で平行光から収束光へ変換され、光検出器10で受光される。
光検出器10の受光部からの出力に基づき、フォーカス誤差信号、トラック誤差信号、ディスク7に記録されたマーク/スペース信号である再生信号が検出される。フォーカス誤差信号は、公知の非点収差法により検出される。トラック誤差信号は、ディスク7が再生専用型のディスクである場合は公知の位相差法、ディスク7が追記型または書換可能型のディスクである場合は公知のプッシュプル法により検出される。
本実施の形態は、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体と、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体とを使用対象として説明され、光ヘッド装置61は、どちらの光記録媒体に対しても記録や再生を行うことができる。半導体レーザ1の波長は405nmである。対物レンズ6aは、光源の波長が405nm、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件において、平行光を入射させたときに球面収差が発生しないように設計されており、開口数は0.85である。対物レンズ6bは、光源の波長が405nm、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件において、平行光を入射させたときに球面収差が発生しないように設計されており、開口数は0.65である。
光ヘッド装置61は、光記録媒体の種類に応じて使用する対物レンズを対物レンズ6aと対物レンズ6bの間で切り替える対物レンズ切替機構(図示せず)を備えている。ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、対物レンズ切替機構を駆動して対物レンズ6aを光路中に配置する。ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、対物レンズ切替機構を駆動して対物レンズ6bを光路中に配置する。
図10は、複屈折補正素子5aの断面図である。複屈折補正素子5aは、基板13aと基板13bとの間に液晶高分子層15aを挟み、基板13bと基板13cとの間に液晶高分子層15bを挟み、基板13cと基板13dとの間に液晶高分子層15cを挟んだ構成である。基板13aの液晶高分子層15a側の面、基板13bの液晶高分子層15a側の面には、液晶高分子層15aに交流電圧を印加するための電極14a、電極14bがそれぞれ形成されている。基板13bの液晶高分子層15b側の面、基板13cの液晶高分子層15b側の面には、液晶高分子層15bに交流電圧を印加するための電極14c、電極14dがそれぞれ形成されている。基板13cの液晶高分子層15c側の面、基板13dの液晶高分子層15c側の面には、液晶高分子層15cに交流電圧を印加するための電極14e、電極14fがそれぞれ形成されている。
電極14aはパタン電極、電極14b〜電極14fは全面電極である。液晶高分子層15a、電極14a、電極14bは、第一の複屈折補正部を構成する。液晶高分子層15b、電極14c、電極14dは、第二の複屈折補正部を構成する。液晶高分子層15c、電極14e、電極14fは、第三の複屈折補正部を構成する。第一の複屈折補正部はディスク7の保護層の垂直複屈折の影響を補正し、第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部はいずれもディスク7の保護層の面内複屈折の影響を補正する。
図11A〜11B、図12A〜12Bは、第一の複屈折補正部における電極14aの平面図および液晶高分子層15aの断面図である。電極14aは、光軸を中心とする3つの同心円で領域17a〜領域17dの4つの領域に分割されている。これにより、液晶高分子層15aに印加される交流電圧の実効値を、領域17a〜領域17dに対して互いに独立に設定することができる。なお、図中の点線は、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径に相当する直径を有する円を示している。例えば、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径が3.9mmである場合、領域17aと領域17bとを隔てる円の直径は1.50mm、領域17bと領域17cとを隔てる円の直径は2.56mm、領域17cと領域17dとを隔てる円の直径は3.28mmに設計される。また、図中の矢印は、液晶高分子層15aの液晶高分子の長手方向を示している。液晶高分子層15aは、光学軸の方向が液晶高分子の長手方向である一軸の屈折率異方性を有している。液晶高分子の長手方向に平行な方向の偏光成分(異常光成分)に対する屈折率をne、長手方向に垂直な方向の偏光成分(常光成分)に対する屈折率をnoとすると、neはnoに比べて大きい。
液晶高分子層15aの液晶高分子の長手方向は、入射光の光軸を含む面内で入射光の光軸と所定の角度をなす。この角度をθ1とすると、角度θ1は、電極14aと電極14bとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15aを透過すると、入射光の光軸を中心とする円の半径方向の偏光成分と入射光の光軸を中心とする円の接線方向の偏光成分との間に所定の位相差が生じる。この位相差をφ1とすると、位相差φ1は入射光の波長、液晶高分子層15aの層の厚さ、ne−no、θ1により決まる。電極14aと電極14bとの間に印加される交流電圧の実効値をVeff1とすると、Veff1がある範囲内にある場合、Veff1とφ1とはほぼ比例する。例えば、Veff1とφ1とがほぼ比例するVeff1の範囲を1.5V〜3.5Vとし、Veff1=3.5Vのときφ1=0°、Veff1=1.5Vのときφ1=−180°となるように液晶高分子層15aを設計することができる。なお、φ1=0°のときθ1=0°であり、φ1の絶対値が大きくなるに従ってθ1は大きくなる。
ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、領域17a〜領域17dのいずれに対してもVeff1=3.5Vとする。このとき、領域17a〜領域17dのいずれに対してもφ1=0°となる。また、図11A〜11Bに示されるように、領域17a〜領域17dのいずれに対してもθ1=0°となる。従って、光が第一の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じない。その結果、ディスク7の保護層の複屈折の影響は補正されない。
これに対し、ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、領域17aに対してはVeff1=3.5V、領域17bに対してはVeff1=3.3V、領域17cに対してはVeff1=3.1V、領域17dに対してはVeff1=2.9Vの交流電圧が印加される。このとき、領域17aに対してはφ1=0°、領域17bに対してはφ1=−18°、領域17cに対してはφ1=−36°、領域17dに対してはφ1=−54°となる。また、図12A〜12Bに示されるように、θ1は領域17aから領域17dへ向かって大きくなる。従って、光が第一の複屈折補正部を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じる。その結果、光がディスク7の保護層を透過する際にディスク7の保護層の垂直複屈折により生じる偏光状態の変化は、光が第一の複屈折補正部を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク7の保護層の垂直複屈折の影響が補正される。上に述べたφ1の値は、ディスク7の保護層の垂直複屈折が7×10−4の場合に対応している。
図13A〜D、図14A〜D、図15A〜Dは、第二の複屈折補正部における電極14cの平面図および液晶高分子層15bの断面図、ならびに第三の複屈折補正部における電極14eの平面図および液晶高分子層15cの断面図である。各図Aは電極14cの平面図、各図Bは液晶高分子層15bの断面図、各図Cは電極14eの平面図、各図Dは液晶高分子層15cの断面図である。図中の点線は、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径に相当する直径を有する円を示している。また、図中の矢印は、液晶高分子層15b、液晶高分子層15cの液晶高分子の長手方向を示している。液晶高分子層15b、液晶高分子層15cは、光学軸の方向が液晶高分子の長手方向である一軸の屈折率異方性を有している。液晶高分子の長手方向に平行な方向の偏光成分(異常光成分)に対する屈折率をne、長手方向に垂直な方向の偏光成分(常光成分)に対する屈折率をnoとすると、neはnoに比べて大きい。
ここで、電極14cの平面図、電極14eの平面図の左右方向にX軸、上下方向にY軸、入射光の光軸方向にZ軸を定める。液晶高分子層15bの液晶高分子の長手方向は、X−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ2とすると、角度θ2は、電極14cと電極14dとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15bを透過すると、X軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に所定の位相差が生じる。この位相差をφ2とすると、位相差φ2は、入射光の波長、液晶高分子層15bの層の厚さ、ne−no、θ2により決まる。電極14cと電極14dとの間に印加される交流電圧の実効値をVeff2とすると、Veff2がある範囲内にある場合、Veff2とφ2とはほぼ比例する。例えば、Veff2とφ2とがほぼ比例するVeff2の範囲を1.5V〜3.5Vとし、Veff2=3.5Vのときφ2=0°、Veff2=1.5Vのときφ2=−180°となるように液晶高分子層15bを設計することができる。なお、φ2=0°のときθ2=0°であり、φ2の絶対値が大きくなるに従ってθ2は大きくなる。
一方、液晶高分子層15cの液晶高分子の長手方向は、Y−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ3とすると、角度θ3は、電極14eと電極14fとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15cを透過すると、X軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に所定の位相差が生じる。この位相差をφ3とすると、位相差φ3は、入射光の波長、液晶高分子層15cの層の厚さ、ne−no、θ3により決まる。電極14eと電極14fとの間に印加される交流電圧の実効値をVeff3とすると、Veff3がある範囲内にある場合、Veff3とφ3とはほぼ比例する。例えば、Veff3とφ3とがほぼ比例するVeff3の範囲を1.5V〜3.5Vとし、Veff3=3.5Vのときφ3=0°、Veff3=1.5Vのときφ3=180°となるように液晶高分子層15cを設計することができる。なお、φ3=0°のときθ3=0°であり、φ3の絶対値が大きくなるに従ってθ3は大きくなる。
ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、Veff2=3.5V、Veff3=3.5Vとする。このとき、φ2=0°、φ3=0°となる。また、図13A〜13Dに示されるように、θ2=0°、θ3=0°となる。従って、光が第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じない。その結果、ディスク7の保護層の複屈折の影響は補正されない。
これに対し、ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、ディスク7の保護層の面内複屈折が負のときは、例えばVeff2=2.9V、Veff3=3.5Vとする。このとき、φ2=−54°、φ3=0°となる。また、図14A〜14Dに示されるように、θ2≠0°、θ3=0°となる。従って、光が第二の複屈折補正部を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じ、光が第三の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じない。その結果、光がディスク7の保護層を透過する際にディスク7の保護層の負の面内複屈折により生じる偏光状態の変化は、光が第二の複屈折補正部を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響が補正される。上に述べたφ2の値は、ディスク7の保護層の面内複屈折が−1×10−4の場合に対応している。
一方、ディスク7の保護層の面内複屈折が正のときは、例えばVeff2=3.5V、Veff3=2.9Vとする。このとき、φ2=0°、φ3=54°となる。また、図15A〜15Dに示されるように、θ2=0°、θ3≠0°となる。従って、光が第二の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じず、光が第三の複屈折補正部を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じる。その結果、光がディスク7の保護層を透過する際にディスク7の保護層の正の面内複屈折により生じる偏光状態の変化は、光が第三の複屈折補正部を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響が補正される。上に述べたφ3の値は、ディスク7の保護層の面内複屈折が1×10−4の場合に対応している。
以上に説明した通り、複屈折補正素子5aにより、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正することができる。従って、本実施の形態においては、ディスク7からの情報の再生時に、ディスク7の保護層の面内複屈折による光検出器10における受光量の低下、およびディスク7の保護層の垂直複屈折による光検出器10における受光量の低下が生じず、高い信号対雑音比が得られる。
本発明の第二の実施の形態に係る光ヘッド装置は、第一の実施の形態において説明された光ヘッド装置61の複屈折補正素子5aを複屈折補正素子5bに置き換えたものである。その構成は図1に示されるものと同じである。
図16は複屈折補正素子5bの断面図である。複屈折補正素子5bは、基板13eと基板13fとの間に液晶高分子層15dを挟み、基板13fと基板13gとの間に液晶高分子層15eを挟んだ構成である。基板13eの液晶高分子層15d側の面、基板13fの液晶高分子層15d側の面には、液晶高分子層15dに交流電圧を印加するための電極14g、電極14hがそれぞれ形成されている。基板13fの液晶高分子層15e側の面、基板13gの液晶高分子層15e側の面には、液晶高分子層15eに交流電圧を印加するための電極14i、電極14jがそれぞれ形成されている。電極14g、電極14iはパタン電極であり、電極14h、電極14jは全面電極である。液晶高分子層15d、電極14g、電極14hは、第一の複屈折補正部を構成する。液晶高分子層15e、電極14i、電極14jは、第二の複屈折補正部を構成する。第一、第二の複屈折補正部は、いずれもディスク7の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響を補正する。
図17A〜17Bは、第一の複屈折補正部における電極14gの平面図および第二の複屈折補正部における電極14iの平面図である。電極14gは、図17Aに示されるように、光軸を中心とする3つの同心円および光軸を通る互いに垂直な2つの直線で、領域18a〜領域18pの16の領域に分割されている。これにより、液晶高分子層15dに印加する交流電圧の実効値を、領域18a〜領域18pに対して互いに独立に設定することができる。また、電極14iは、図17Bに示されるように、光軸を中心とする3つの同心円および光軸を通る互いに垂直な2つの直線で、領域19a〜領域19pの16の領域に分割されている。これにより、液晶高分子層15eに印加する交流電圧の実効値を、領域19a〜領域19pに対して互いに独立に設定することができる。なお、図中の点線は、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径に相当する直径を有する円を示している。例えば、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径が3.9mmである場合、領域18a〜領域18dと領域18e〜領域18hとを隔てる円および領域19a〜領域19dと領域19e〜領域19hとを隔てる円の直径は1.50mmに、領域18e〜領域18hと領域18i〜領域18lとを隔てる円および領域19e〜領域19hと領域19i〜領域19lとを隔てる円の直径は2.56mmに、領域18i〜領域18lと領域18m〜領域18pとを隔てる円および領域19i〜領域19lと領域19m〜領域19pとを隔てる円の直径は3.28mmに設計される。
図18A〜18D、図19A〜19Dは、第一の複屈折補正部における電極14gの平面図および液晶高分子層15dの断面図、ならびに第二の複屈折補正部における電極14iの平面図および液晶高分子層15eの断面図である。図中の点線は、対物レンズ6aおよび対物レンズ6bの有効径に相当する直径を有する円を示している。また、図中の矢印は、液晶高分子層15d、液晶高分子層15eの液晶高分子の長手方向を示している。液晶高分子層15d、液晶高分子層15eは、光学軸の方向が液晶高分子の長手方向である一軸の屈折率異方性を有している。液晶高分子の長手方向に平行な方向の偏光成分(異常光成分)に対する屈折率をne、長手方向に垂直な方向の偏光成分(常光成分)に対する屈折率をnoとすると、neはnoに比べて大きい。
ここで、電極14gの平面図、電極14iの平面図の左右方向にX軸、上下方向にY軸、入射光の光軸方向にZ軸を定める。液晶高分子層15dの液晶高分子の長手方向は、X−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ1とすると、角度θ1は、電極14gと電極14hとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15dを通過すると、X軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に所定の位相差が生じる。この位相差をφ1とすると、位相差φ1は、入射光の波長、液晶高分子層15dの層の厚さ、ne−no、θ1により決まる。電極14gと電極14hとの間に印加される交流電圧の実効値をVeff1とすると、Veff1がある範囲内にある場合、Veff1とφ1とはほぼ比例する。例えば、Veff1とφ1とがほぼ比例するVeff1の範囲を1.5V〜3.5Vとし、Veff1=3.5Vのときφ1=0°、Veff1=1.5Vのときφ1=−180°となるように液晶高分子層15dを設計することができる。なお、φ1=0°のときθ1=0°であり、φ1の絶対値が大きくなるに従ってθ1は大きくなる。
一方、液晶高分子層15eの液晶高分子の長手方向は、Y−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ2とすると、角度θ2は、電極14iと電極14jとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15eを透過すると、X軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に所定の位相差が生じる。この位相差をφ2とすると、位相差φ2は、入射光の波長、液晶高分子層15eの層の厚さ、ne−no、θ2により決まる。電極14iと電極14jとの間に印加される交流電圧の実効値をVeff2とすると、Veff2がある範囲内にある場合、Veff2とφ2とはほぼ比例する。例えば、Veff2とφ2とがほぼ比例するVeff2の範囲を1.5V〜3.5Vとし、Veff2=3.5Vのときφ2=0°、Veff2=1.5Vのときφ2=180°となるように液晶高分子層15eを設計することができる。なお、φ2=0°のときθ2=0°であり、φ2の絶対値が大きくなるに従ってθ2は大きくなる。
ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、領域18a〜領域18pのいずれに対してもVeff1=3.5V、領域19a〜領域19pのいずれに対してもVeff2=3.5Vとする。このとき、領域18a〜領域18pのいずれに対してもφ1=0°、領域19a〜領域19pのいずれに対してもφ2=0°となる。また、領域18a〜領域18pのいずれに対してもθ1=0°、領域19a〜領域19pのいずれに対してもθ2=0°となる。従って、光が第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じない。その結果、ディスク7の保護層の複屈折の影響は補正されない。
これに対し、ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、ディスク7の保護層の面内複屈折が負のときは、例えば領域18n、領域18pに対してはVeff1=3.5V、領域18j、領域18lに対してはVeff1=3.3V、領域18f、領域18hに対してはVeff1=3.1V、領域18a〜領域18dに対してはVeff1=2.9V、領域18e、領域18gに対してはVeff1=2.7V、領域18i、領域18kに対してはVeff1=2.5V、領域18m、領域18oに対してはVeff1=2.3V、領域19a〜領域19pに対してはVeff2=3.5Vとする。このとき、領域18n、領域18pに対してはφ1=0°、領域18j、領域18lに対してはφ1=−18°、領域18f、領域18hに対してはφ1=−36°、領域18a〜領域18dに対してはφ1=−54°、領域18e、領域18gに対してはφ1=−72°、領域18i、領域18kに対してはφ1=−90°、領域18m、領域18oに対してはφ1=−108°、領域19a〜領域19pに対してはφ2=0°となる。また、図18Aに示されるように、θ1の絶対値は領域18n、領域18pから領域18a〜領域18dに向かって大きくなり、さらに領域18a〜領域18dから領域18m、領域18oへ向かって大きくなる。また、θ2=0°となる。従って、光が第一の複屈折補正部を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じ、光が第二の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じない。その結果、光がディスク7の保護層を透過する際にディスク7の保護層の負の面内複屈折および垂直複屈折により生じる偏光状態の変化は、光が第一の複屈折補正部を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響が補正される。上に述べた位相差φ1の値は、ディスク7の保護層の面内複屈折が−1×10−4、垂直複屈折が7×10−4の場合に対応している。
ここで、ディスク7の保護層の面内複屈折が−1×10−4、垂直複屈折が0の場合に対応した位相差φ1の値をφ1i、ディスク7の保護層の面内複屈折が0であって垂直複屈折が7×10−4の場合に対応した位相差φ1の値をφ1vとすると、領域18n、領域18pに対してはφ1i=−54°、φ1v=54°、領域18j、領域18lに対してはφ1i=−54°、φ1v=36°、領域18f、領域18hに対してはφ1i=−54°、φ1v=18°、領域18a〜領域18dに対してはφ1i=−54°、φ1v=0°、領域18e、領域18gに対してはφ1i=−54°、φ1v=−18°、領域18i、領域18kに対してはφ1i=−54°、φ1v=−36°、領域18m、領域18oに対してはφ1i=−54°、φ1v=−54°となる。上に述べた位相差φ1の値は、φ1=φ1i+φ1vにより求められる。
一方、ディスク7の保護層の面内複屈折が正のときは、例えば領域18a〜領域18pに対してはVeff1=3.5V、領域19m、領域19oに対してはVeff2=3.5V、領域19i、領域19kに対してはVeff2=3.3V、領域19e、領域19gに対してはVeff2=3.1V、領域19a〜領域19dに対してはVeff2=2.9V、領域19f、領域19hに対してはVeff2=2.7V、領域19j、領域19lに対してはVeff2=2.5V、領域19n、領域19pに対してはVeff2=2.3Vとする。このとき、領域18a〜領域18pに対してはφ1=0°、領域19m、領域19oに対してはφ2=0°、領域19i、領域19kに対してはφ2=18°、領域19e、領域19gに対してはφ2=36°、領域19a〜領域19dに対してはφ2=54°、領域19f、領域19hに対してはφ2=72°、領域19j、領域19lに対してはφ2=90°、領域19n、領域19pに対してはφ2=108°となる。また、図19A〜19Dに示されるように、θ1=0°となり、θ2の絶対値は、領域19m、領域19oから領域19a〜領域19dへ向かって大きくなり、さらに領域19a〜領域19dから領域19n、領域19pへ向かって大きくなる。従って、光が第一の複屈折補正部を透過する際に偏光状態の変化は生じず、光が第二の複屈折補正部を透過する際に所定の偏光状態の変化が生じる。その結果、光がディスク7の保護層を透過する際にディスク7の保護層の正の面内複屈折および垂直複屈折により生じる偏光状態の変化は、光が第二の複屈折補正部を透過する際に生じる偏光状態の変化により打ち消され、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響が補正される。上に述べた位相差φ2の値は、ディスク7の保護層の面内複屈折が1×10−4、垂直複屈折が7×10−4の場合に対応している。
ここで、ディスク7の保護層の面内複屈折が1×10−4、垂直複屈折が0の場合に対応した位相差φ2の値をφ2i、ディスク7の保護層の面内複屈折が0、垂直複屈折が7×10−4の場合に対応した位相差φ2の値をφ2vとすると、領域19m、領域19oに対してはφ2i=54°、φ2v=−54°、領域19i、領域19kに対してはφ2i=54°、φ2v=−36°、領域19e、領域19gに対してはφ2i=54°、φ2v=−18°、領域19a〜領域19dに対してはφ2i=54°、φ2v=0°、領域19f、領域19hに対してはφ2i=54°、φ2v=18°、領域19j、領域19lに対してはφ2i=54°、φ2v=36°、領域19n、領域19pに対してはφ2i=54°、φ2v=54°となる。上に述べた位相差φ2の値はφ2=φ2i+φ2vにより求められる。
以上に説明した通り、複屈折補正素子5bにより、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正することができる。従って、本実施の形態においては、ディスク7からの情報の再生時に、ディスク7の保護層の面内複屈折による光検出器10における受光量の低下、およびディスク7の保護層の垂直複屈折による光検出器10における受光量の低下が生じず、高い信号対雑音比が得られる。
複屈折補正素子が有する複屈折補正部の数は、第一の実施の形態において説明された複屈折補正素子5aでは三つであるが、第二の実施の形態において説明された複屈折補正素子5bでは二つである。従って、第二の実施の形態に係る光ヘッド装置は、第一の実施の形態に係る光ヘッド装置に比べて複屈折補正素子の構成が簡単であるため、小型化、軽量化、低価格化に適していると共に、光が複屈折補正素子を透過する際の損失が少ないため、記録時にはより高い光出力、再生時にはより高い信号対雑音比が得られるという効果を有する。
図20に、本発明の第三の実施の形態に係る光ヘッド装置の構成が示される。光ヘッド装置62は、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、偏光ビームスプリッタ3、凹レンズ11、凸レンズ12、1/4波長板4、複屈折補正素子5c、対物レンズ6c、円筒レンズ8、凸レンズ9、光検出器10を具備する。
光源である半導体レーザ1からの出射光は、コリメータレンズ2で発散光から平行光へ変換され、偏光ビームスプリッタ3にP偏光として入射してほぼ100%が透過し、凹レンズ11、凸レンズ12で径の小さい平行光から径の大きい平行光または発散光へ変換され、1/4波長板4で直線偏光から円偏光に変換され、複屈折補正手段である複屈折補正素子5cを透過し、対物レンズ6cで平行光または発散光から収束光へ変換され、光記録媒体であるディスク7内に集光される。ディスク7からの反射光は、対物レンズ6cで発散光から平行光または収束光へ変換され、複屈折補正素子5cを透過し、1/4波長板4で円偏光から往路と偏光方向が直交した直線偏光に変換され、凸レンズ12、凹レンズ11で径の大きい平行光または収束光から径の小さい平行光へ変換され、偏光ビームスプリッタ3にS偏光として入射してほぼ100%が反射され、円筒レンズ8で非点収差が与えられ、凸レンズ9で平行光から収束光へ変換され、光検出器10で受光される。光検出器10の受光部からの出力に基づいて、フォーカス誤差信号、トラック誤差信号、ディスク7に記録されたマーク/スペース信号である再生信号が検出される。フォーカス誤差信号は、公知の非点収差法により検出される。トラック誤差信号は、ディスク7が再生専用型のディスクである場合は公知の位相差法により検出され、ディスク7が追記型または書換可能型のディスクである場合は公知のプッシュプル法により検出される。
本実施の形態では、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体と、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体とを使用対象として説明され、光ヘッド装置62は、どちらの光記録媒体に対しても記録や再生を行うことができる。半導体レーザ1の波長は405nmである。対物レンズ6cは、光源の波長が405nm、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件において、平行光を入射させたときに球面収差が発生せず、光源の波長が405nm、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件において、所定の発散角を有する発散光を入射させたときに球面収差が発生しないように設計されている。また、対物レンズ6cの開口数は0.85である。
凹レンズ11および凸レンズ12は、光記録媒体の種類に応じて対物レンズ6cへの入射光を平行光と所定の発散角を有する発散光の間で切り替える球面収差の補正の機能を有している。ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、凹レンズ11へ平行光として入射した光が凸レンズ12から平行光として出射するように、凹レンズ11と凸レンズ12との間隔が設定される。図示されない凹凸レンズ駆動機構により、凹レンズ11、凸レンズ12の一方が光軸方向に移動させ、凹レンズ11と凸レンズ12との間隔が設定される。ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、凹レンズ11へ平行光として入射した光が凸レンズ12から所定の発散角を有する発散光として出射するように、凹レンズ11、凸レンズ12の一方を凹凸レンズ駆動機構(図示せず)により光軸方向に移動させて凹レンズ11と凸レンズ12との間隔が設定される。これによりディスク7の種類に応じた球面収差の補正が行われる。
複屈折補正素子5cは、第一の実施の形態で説明された複屈折補正素子5aが有する第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部を、別の第二の複屈折補正部、別の第三の複屈折補正部でそれぞれ置き換えたものである。ここで、複屈折補正素子5cが有する第一の複屈折補正部の構成および働きは、複屈折補正素子5aが有する第一の複屈折補正部の構成および働きと同じである。従って、複屈折補正素子5cにおいては、複屈折補正素子5aと同様に、第一の複屈折補正部により、ディスク7の種類に応じて変化するディスク7の保護層の垂直複屈折の影響を補正することができる。
図21A〜21Bは、複屈折補正素子5cが有する第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部の断面図である。第二の複屈折補正部は、図21Aに示されるように、液晶高分子層15fを、この液晶高分子層15fに交流電圧を印加するための電極14k、電極14lで挟んだ構成であり、第三の複屈折補正部は、図21Bに示されるように、液晶高分子層15gを、この液晶高分子層15gに交流電圧を印加するための電極14m、電極14nで挟んだ構成である。電極14k、電極14mはパタン電極であり、電極14l、電極14nは全面電極である。対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の外部においては、電極14k、電極14lの間に液晶高分子層15fと共に充填材16aが封入されており、電極14m、電極14nの間に液晶高分子層15gと共に充填材16bが封入されている。液晶高分子層15fと充填材16a、液晶高分子層15gと充填材16bは、回折格子を構成している。液晶高分子層15f、液晶高分子層15gは、光学軸の方向が液晶高分子の長手方向である一軸の屈折率異方性を有している。液晶高分子の長手方向に平行な方向の偏光成分(異常光成分)に対する屈折率をne、長手方向に垂直な方向の偏光成分(常光成分)に対する屈折率をnoとすると、neはnoに比べて大きい。また、充填剤16a、充填材16bの屈折率はnoに等しい。
図22A〜22Bは、第二の複屈折補正部における電極14kの平面図および第三の複屈折補正部における電極14mの平面図である。電極14kは、図22Aに示されるように、図中に実線で示される対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円で、内部と外部に分割されている。円の内部は複屈折補正素子5aが有する第二の複屈折補正部における電極14cと同様に単一の領域により構成されており、円の外部は単一の領域18qにより構成されている。また、電極14mは、図22Bに示されるように、図中に実線で示される対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円で、内部と外部に分割されている。円の内部は複屈折補正素子5aが有する第三の複屈折補正部における電極14eと同様に単一の領域により構成されており、円の外部は単一の領域19qにより構成されている。なお、図中の点線は、対物レンズ6cの開口数0.85に相当する直径を有する円を示している。
図23A〜D、図24A〜Dは、第二の複屈折補正部における電極14kの平面図および液晶高分子層15fの断面図、ならびに第三の複屈折補正部における電極14mの平面図および液晶高分子層15gの断面図である。図中の点線は、対物レンズ6cの開口数0.85に相当する直径を有する円を示している。また、図中の矢印は、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の外部における、液晶高分子層15f、液晶高分子層15gの液晶高分子の長手方向を示している。ここで、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部においては、複屈折補正素子5cが有する第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部の構成および働きは、複屈折補正素子5aが有する第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部の構成および働きと同じである。従って、複屈折補正素子5cにおいては、複屈折補正素子5aと同様に、第二の複屈折補正部、第三の複屈折補正部により、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響を補正することができる。
電極14kの平面図、電極14mの平面図の左右方向にX軸、上下方向にY軸、入射光の光軸方向にZ軸を定める。液晶高分子層15fは、複屈折補正素子5aが有する第二の複屈折補正部における液晶高分子層15bと同様に、液晶高分子の長手方向がX−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ2とすると、角度θ2は電極14kと電極14lとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15fを透過する際にX軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に生じる位相差をφ2、電極14kと電極14lの間に印加される交流電圧の実効値をVeff2とすると、液晶高分子層15fは、複屈折補正素子5aが有する第二の複屈折補正部における液晶高分子層15bと同様に、Veff2=3.5Vのときφ2=0°、Veff2=1.5Vのときφ2=−180°となるように設計されている。一方、液晶高分子層15gは、複屈折補正素子5aが有する第三の複屈折補正部における液晶高分子層15cと同様に、液晶高分子の長手方向がY−Z面内でZ軸と所定の角度をなす。この角度をθ3とすると、角度θ3は電極14mと電極14nとの間に印加される交流電圧の実効値に応じて変化する。このとき、光が液晶高分子層15gを透過する際にX軸方向の偏光成分とY軸方向の偏光成分との間に生じる位相差をφ3、電極14mと電極14nの間に印加する交流電圧の実効値をVeff3とすると、液晶高分子層15gは、複屈折補正素子5aが有する第三の複屈折補正部における液晶高分子層15cと同様に、Veff3=3.5Vのときφ3=0°、Veff3=1.5Vのときφ3=180°となるように設計されている。
ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、Veff2=3.5V、Veff3=3.5Vとする。このとき、φ2=0°、φ3=0°となる。また、図23A〜23Dに示されるように、θ2=0°、θ3=0°となる。従って、入射光は、液晶高分子層15fと充填材16aが構成する回折格子、液晶高分子層15gと充填材16bが構成する回折格子をいずれも完全に透過する。その結果、対物レンズ6cの開口数は、対物レンズ6c自身の有効径で決まる0.85となる。
これに対し、ディスク7として、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体を使用する場合、Veff2=1.5V、Veff3=1.5Vとする。このとき、φ2=−180°、φ3=180°となる。また、図24A〜24Dに示されるように、θ2≠0°、θ3≠0°となる。従って、入射光のうちX軸方向の偏光成分は、液晶高分子層15fと充填材16aが構成する回折格子で完全に回折されて無効な光となり、入射光のうちY軸方向の偏光成分は、液晶高分子層15gと充填材16bが構成する回折格子で完全に回折されて無効な光となる。その結果、対物レンズ6cの開口数は、電極14kにおける領域18qの内径、電極14mにおける領域19qの内径で決まる0.65となる。
以上に説明した通り、複屈折補正素子5cにより、複屈折補正素子5aと同様に、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正することができる。従って、本実施の形態においては、ディスク7からの情報の再生時に、ディスク7の保護層の面内複屈折による光検出器10における受光量の低下、およびディスク7の保護層の垂直複屈折による光検出器10における受光量の低下が生じず、高い信号対雑音比が得られる。さらに、複屈折補正素子5cにより、ディスク7の種類に応じた対物レンズの開口数の制御が行われる。従って、本実施の形態は、対物レンズ切替機構が不要であると共に、ディスク7の種類に応じた対物レンズの開口数の制御を行うための新規な光学素子が不要であるため小型化、軽量化、低価格化に適しているという効果を有する。
本発明の第四の実施の形態に係る光ヘッド装置は、第三の実施の形態における複屈折補正素子5cを複屈折補正素子5dに置き換えたものである。その構成は、図20に示されるものと同じである。
複屈折補正素子5dは、第二の実施の形態における複屈折補正素子5bが有する第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部を、別の第一の複屈折補正部、別の第二の複屈折補正部でそれぞれ置き換えたものである。
複屈折補正素子5dが有する第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部の断面図は、それぞれ図21A、図21Bに示されるものとほぼ同じである。但し、電極14k、電極14mは、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部にもパタンを有する。
第一の複屈折補正部における電極14kの平面図および第二の複屈折補正部における電極14mの平面図は、それぞれ図22A、図22Bに示されるものとほぼ同じである。但し、電極14k、電極14mは、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部にもパタンを有する。電極14kは、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部においては、複屈折補正素子5bが有する第一の複屈折補正部における電極14gと同様に、光軸を中心とする3つの同心円および光軸を通る互いに垂直な2つの直線で16の領域に分割されている。また、電極14mは、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部においては、複屈折補正素子5bが有する第二の複屈折補正部における電極14iと同様に、光軸を中心とする3つの同心円および光軸を通る互いに垂直な2つの直線で16の領域に分割されている。
第一の複屈折補正部における電極14kの平面図および液晶高分子層15fの断面図、ならびに第二の複屈折補正部における電極14mの平面図および液晶高分子層15gの断面図は、図23A〜23D、図24A〜24Dに示されるものとほぼ同じである。但し、電極14k、電極14mは、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部にもパタンを有する。ここで、対物レンズ6cの開口数0.65に相当する直径を有する円の内部においては、複屈折補正素子5dが有する第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部の構成および働きは、複屈折補正素子5bが有する第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部の構成および働きと同じである。従って、複屈折補正素子5dにおいては、複屈折補正素子5bと同様に、第一の複屈折補正部、第二の複屈折補正部により、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正することができる。
以上に説明した通り、複屈折補正素子5dにより、複屈折補正素子5bと同様に、ディスク7の種類によって異なるディスク7の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正することができる。従って、本実施の形態においては、ディスク7からの情報の再生時に、ディスク7の保護層の面内複屈折による光検出器10における受光量の低下、およびディスク7の保護層の垂直複屈折による光検出器10における受光量の低下が生じず、高い信号対雑音比が得られる。さらに、複屈折補正素子5dにより、ディスク7の種類に応じた対物レンズの開口数の制御が行われる。従って、本実施の形態は、対物レンズ切替機構が不要であると共に、ディスク7の種類に応じた対物レンズの開口数の制御を行うための新規な光学素子が不要であるため小型化、軽量化、低価格化に適しているという効果を有する。
複屈折補正素子が有する複屈折補正部の数は、第三の実施の形態において説明された複屈折補正素子では三つであるが、第四の実施の形態において説明された複屈折補正素子では二つである。従って、第四の実施の形態に係る光ヘッド装置は、第三の実施の形態に係る光ヘッド装置に比べて複屈折補正素子の構成が簡単であるため、小型化、軽量化、低価格化に適していると共に、光が複屈折補正素子を透過する際の損失が少ないため、記録時にはより高い光出力、再生時にはより高い信号対雑音比が得られるという効果を有する。
ところで、光記録媒体には、再生専用型の光記録媒体と記録可能型の光記録媒体とがあり、両者の間では記録マークの光学的特性が異なる。再生専用型の光記録媒体においては、マーク部とスペース部とで反射光の位相が異なり、記録可能型の光記録媒体においては、マーク部とスペース部とで反射光の強度が異なる。このように記録マークの光学的特性が異なると、使用するための光学的条件が同じでも、光記録媒体の保護層の複屈折の影響は異なる。
図25A〜25Bに、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの場合の、光記録媒体の保護層の面内複屈折と再生信号のアシンメトリとの関係の計算例が示される。ここで、アシンメトリは、記録信号の変調方式が8/12変調、ビット長が0.153μmの場合の最短記録マークに対するアシンメトリである。図25Aは、マーク部のスペース部に対する深さが52.5nmである再生専用型の光記録媒体に対する計算例であり、図25Bは、マーク部のスペース部に対する反射率比が2.5である記録可能型の光記録媒体に対する計算例である。また、光記録媒体の保護層の垂直複屈折は、7×10−4であり、図中の黒丸、白丸はそれぞれ垂直複屈折の影響を補正しない場合、垂直複屈折の影響を補正した場合を表している。
記録可能型の光記録媒体においては、アシンメトリは面内複屈折および垂直複屈折に殆んど依存しない。これに対し、再生専用型の光記録媒体においては、アシンメトリは面内複屈折および垂直複屈折に大きく依存する。このため、面内複屈折の影響や垂直複屈折の影響を補正しない場合のアシンメトリが最適な値になるように記録マークが形成されていると、面内複屈折の影響や垂直複屈折の影響を補正した場合のアシンメトリは最適な値にならない。その結果、面内複屈折の影響や垂直複屈折の影響を補正すると、光検出器における受光量が低下しないにも関わらず、信号対雑音比が低下する場合がある。このような場合は、面内複屈折の影響や垂直複屈折の影響を補正しない方が良い。すなわち、光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響や垂直複屈折の影響を補正するかどうかは、使用するための光学的条件だけでなく、記録マークの光学的特性も考慮して決めるのが良い。
図26に、本発明の第五の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置の構成が示される。この光学式情報記録再生装置は、図9に示される光ヘッド装置61、変調回路20、記録信号生成回路21、半導体レーザ駆動回路22、増幅回路23、再生信号処理回路24、復調回路25、誤差信号生成回路26、ディスク判別回路27、対物レンズ駆動回路28a、複屈折補正素子駆動回路29aを具備する。変調回路20から複屈折補正素子駆動回路29aまでの回路を含む全ての回路は、図示されないコントローラにより制御される。
変調回路20は、ディスク7へ記録すべき記録データを変調規則に従って変調する。記録信号生成回路21は、変調回路20で変調された信号を基に、記録ストラテジに従って半導体レーザ1を駆動するための記録信号を生成する。半導体レーザ駆動回路22は、記録信号生成回路21で生成された記録信号を基に、半導体レーザ1へ記録信号に応じた電流を供給して半導体レーザ1を駆動する。これによりディスク7へのデータの記録が行われる。
増幅回路23は、光検出器10の各受光部からの出力を増幅する。再生信号処理回路24は、増幅回路23で増幅された信号を基に、ディスク7に記録されたマーク/スペース信号である再生信号の生成、波形等化および2値化を行う。復調回路25は、再生信号処理回路24で2値化された信号を復調規則に従って復調する。これによりディスク7からの再生データの再生が行われる。
誤差信号生成回路26は、増幅回路23で増幅された信号を基に、フォーカス誤差信号およびトラック誤差信号の生成を行う。ディスク判別回路27は、増幅回路23で増幅された信号を基に、ディスク7が、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.85、光記録媒体の保護層の厚さが0.1mmの光学的条件に対応した光記録媒体であるか、光源の波長が405nm、対物レンズの開口数が0.65、光記録媒体の保護層の厚さが0.6mmの光学的条件に対応した光記録媒体であるかを判別する。
対物レンズ駆動回路28aは、ディスク判別回路27で判別されたディスク7の種類を基に、使用する対物レンズを対物レンズ6aと対物レンズ6bの間で切り替える対物レンズ切替機構(図示せず)を駆動し、対物レンズ6a、対物レンズ6bのいずれか一方を光路中に配置する。さらに、誤差信号生成回路26で生成された誤差信号を基に、対物レンズ6aまたは対物レンズ6bを駆動するアクチュエータ(図示せず)へ誤差信号に応じた電流を供給して対物レンズ6aまたは対物レンズ6bを駆動する。これによりフォーカス、トラックのサーボが行われる。
これ以外に、光学式情報記録再生装置はポジショナ制御回路、スピンドル制御回路を含んでいる。ポジショナ制御回路は、光ヘッド装置61全体をモータ(図示せず)によりディスク7の半径方向へ移動させる。スピンドル制御回路は、モータ(図示せず)によりディスク7を回転させる。これによりポジショナ、スピンドルのサーボが行われる。
複屈折補正素子駆動回路29aは、ディスク判別回路27で判別されたディスク7の種類および再生信号処理回路24で2値化された信号を基に、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響が補正されるように、複屈折補正素子5aの電極へ交流電圧を供給して複屈折補正素子5aを駆動する。ディスク7の保護層の垂直複屈折の影響の補正は、ディスク7の種類に応じて複屈折補正素子5aの電極へ供給される交流電圧の実効値を変化させることにより行う。ディスク7の保護層の面内複屈折の影響の補正は、ディスク7の種類に応じてだけでなく、2値化された信号のエラーレートが最小になるように複屈折補正素子5aの電極へ供給される交流電圧の実効値を変化させることによっても行う。これは、垂直複屈折は保護層の材料によりほぼ一意的に決まるのに対し、面内複屈折は保護層の製造条件に依存するためである。
この光学式情報記録再生装置の光ヘッド装置61は、複屈折補正素子5aを第二の実施の形態において説明された複屈折補正素子5bに置き換えた光ヘッド装置としても同じように動作させることが可能である。
図27に、本発明の第六の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置の構成が示される。この光学式情報記録再生装置は、図20に示される光ヘッド装置62、変調回路20、記録信号生成回路21、半導体レーザ駆動回路22、増幅回路23、再生信号処理回路24、復調回路25、誤差信号生成回路26、ディスク判別回路27、対物レンズ駆動回路28b、複屈折補正素子駆動回路29b、凹凸レンズ駆動回路30を具備する。変調回路20から凹凸レンズ駆動回路30までの回路を含む全ての回路は、図示されないコントローラにより制御される。
変調回路20から半導体レーザ駆動回路22までのデータの記録に関わる回路、増幅回路23から復調回路25までのデータの再生に関わる回路、誤差信号生成回路26、ディスク判別回路27の動作は、第五の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置で説明した通りである。
対物レンズ駆動回路28bは、誤差信号生成回路26で生成された誤差信号を基に、対物レンズ6cを駆動するアクチュエータ(図示せず)へ誤差信号に応じた電流を供給して対物レンズ6cを駆動する。これによりフォーカス、トラックのサーボが行われる。
複屈折補正素子駆動回路29bは、ディスク判別回路27で判別されたディスク7の種類および再生信号処理回路24で2値化された信号を基に、ディスク7の保護層の面内複屈折の影響および垂直複屈折の影響が補正されるように、複屈折補正素子5cの電極へ交流電圧を供給して複屈折補正素子5cを駆動する。さらに、ディスク判別回路27で判別されたディスク7の種類を基に、複屈折補正素子5cの電極へ交流電圧を供給して複屈折補正素子5cを駆動し、ディスク7の種類に応じた対物レンズ6cの開口数の制御を行う。
凹凸レンズ駆動回路30は、ディスク判別回路27で判別されたディスク7の種類を基に、凹レンズ11、凸レンズ12の一方を光軸方向に移動させる凹凸レンズ駆動機構(図示せず)を駆動し、ディスク7の種類に応じた球面収差の補正を行う。
この光学式情報記録再生装置の光ヘッド装置62は、複屈折補正素子5cを第四の実施の形態において説明された複屈折補正素子5dに置き換えた光ヘッド装置としても同じように動作させることが可能である。
また、第五、第六の実施の形態に係る光学式情報記録再生装置は、ディスク7に対して記録および再生を行う記録再生装置である。本発明の光学式情報記録再生装置の実施の形態としては、ディスク7に対して再生のみを行う再生専用装置でもよい。この場合、半導体レーザ1は、半導体レーザ駆動回路22により記録信号に基づいて駆動されるのではなく、出射光の光量が一定の値になるように駆動される。
上に述べたように、本発明の光ヘッド装置および光学式情報記録再生装置の効果は、簡単な構成で、光記録媒体からの情報の再生時に、光記録媒体の保護層の面内複屈折による光検出器における受光量の低下、および光記録媒体の保護層の垂直複屈折による光検出器における受光量の低下が生じず、高い信号対雑音比が得られることである。その理由は、単一の複屈折補正手段により、光記録媒体の種類に応じて変化する光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響、垂直複屈折の影響をどちらも補正するためである。以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (10)

  1. 使用するための光学的条件または記録マークの光学的特性が異なる複数種類の光記録媒体に、光源から出射される出射光を集光する集光手段と、
    前記光記録媒体からの反射光を受光する光検出手段と、
    前記出射光と前記反射光とを分離する光分離手段と、
    前記光分離手段と前記集光手段との間に設けられ、前記光記録媒体の種類により異なる前記光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを補正する単一の複屈折補正手段と
    を具備する光ヘッド装置。
  2. 前記複屈折補正手段は、複数の複屈折補正部を備え、
    前記複数の複屈折補正部の各々は、
    液晶高分子層と、
    前記液晶高分子層を挟み、前記液晶高分子層に交流電圧を印加する第1電極と第2電極と
    を含む
    請求の範囲1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記複数の複屈折補正部は、前記光記録媒体の保護層の垂直複屈折の影響を補正する第1複屈折補正部と、
    前記光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響を補正する第2および第3複屈折補正部と
    を備える請求の範囲2に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記第1複屈折補正部に含まれる前記第1電極は、入射光の光軸からの距離に応じて分割される複数の領域を有する
    請求の範囲3に記載の光ヘッド装置。
  5. 前記第2複屈折補正部および前記第3複屈折補正部に含まれる前記液晶高分子層は、それぞれ、入射光の光軸からの距離が所定の値以上である領域に液晶高分子と充填材とにより回折格子をなす領域を備え、前記光記録媒体の種類に応じて前記集光手段の実効的な開口数を変えるように機能する
    請求の範囲3に記載の光ヘッド装置。
  6. 前記複数の複屈折補正部は、前記光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを補正する第1複屈折補正部および第2複屈折補正部を備える
    請求の範囲2に記載の光ヘッド装置。
  7. 前記第1複屈折補正部に含まれる前記第1電極と、前記第2複屈折補正部に含まれる前記第1電極とは、入射光の光軸からの距離と入射光の光軸の周りの角度とに応じて分割される複数の領域を備える
    請求の範囲6に記載の光ヘッド装置。
  8. 前記第1複屈折補正部に含まれる前記液晶高分子層と前記第2複屈折補正部に含まれる前記液晶高分子層とは、入射光の光軸からの距離が所定の値以上である領域に、液晶高分子と充填材とにより回折格子をなす領域を備え、前記光記録媒体の種類に応じて前記集光手段の実効的な開口数を変えるように機能する
    請求の範囲6に記載の光ヘッド装置。
  9. 請求の範囲1から請求の範囲8のいずれかに記載の光ヘッド装置と、
    前記光記録媒体の種類により異なる前記光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを補正するように、前記複屈折補正手段を駆動する駆動回路と
    を具備する光学式情報記録再生装置。
  10. 使用するための光学的条件または記録マークの光学的特性が異なる複数種類の光記録媒体に、光源から出射される出射光を集光する集光ステップと、
    前記光記録媒体からの反射光を受光する光検出ステップと、
    前記出射光と前記反射光とを分離する光分離ステップと、
    前記光記録媒体の種類により異なる前記光記録媒体の保護層の面内複屈折の影響と垂直複屈折の影響とを単一の複屈折補正手段により補正する補正ステップと
    を具備する光学式情報記録再生方法。
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