JP2008210501A - ピックアップ装置およびそれを備えるディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスク等のメディアに光が照射されたときに生じる光の複屈折を低減化させ、ディスク等のメディアに照射形成されるスポットの収差補正に悪影響が及ぼされることを回避させ易くする。
【解決手段】メディアM10,M20に光を照射させてメディアM10,M20のデータの読取り又はメディアM10,M20に光を照射させてメディアM10,M20へのデータの書込みが実行可能とされたピックアップ装置2に関する。また、ピックアップ装置2を備えるディスク装置に関する。メディアM10,M20に起因する光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させる補正素子50を備えるピックアップ装置2が構成されることにより、メディアM10,M20に光が照射されたときに生じる光の複屈折が抑えられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、「HD DVD」(High Definition DVD)(登録商標)や「Blu-ray Disc」(登録商標)などのメディアに記録されたデータを再生させることや、メディアにデータを記録させることが可能なピックアップ装置およびそれを備えるディスク装置に関するものである。
「Blu-ray Disc」に対応した対物レンズなどの開口数(Numerical Aperture:NA)の高い対物レンズが装備された光ピックアップ装置において、ディスクにレーザ光が照射されたときに、ディスクの成型時に発生する複屈折により、再生特性や記録特性が劣化することがある。ディスクにレーザ光が照射されたときの複屈折量や複屈折の方向は、ディスクの成形が行われる金型の温度や樹脂によって異なる。また、ディスクにレーザ光が照射されたときに生じる複屈折は、ディスクの回転数によっても異なる。また、ディスクにレーザ光が照射されたときに生じる複屈折は、樹脂材料によっても異なるが、「Blu-ray Disc」用のディスクや、「HD DVD」用のディスクにおいては、耐光性などの観点からディスクの基材に用いられる樹脂材料は、特定の樹脂材料に限られる。
ディスクにレーザ光が照射されたときに生じる複屈折に対応したものとして、光記録媒体の保護層の垂直複屈折による入射光または反射光への影響を高精度に補正することにより、良好な記録再生特性が得られる光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置というものが公開された(例えば、特許文献1参照。)。
図7は、従来の光ピックアップ装置いわゆる光ヘッド装置に装備される複屈折補正素子の一形態を示す平面図である。
光ヘッド装置の光学系における対物レンズの手前に、一軸の屈折率異方性を有する材料を含む複屈折補正素子505aが設けられる。光ヘッド装置に装備された複屈折補正素子505aは、ディスクに起因する面内複屈折を補正するために、リング状に位相がずらされている。複屈折補正素子505aは、光軸を通る90°間隔の2つの直線で、周方向に四つの領域に分割されており、光軸を中心とする3つの同心円で、各領域がさらに半径方向に四つの領域に分割されている。領域511a〜514a及び領域511c〜514cにおける光学軸の方向は図中のX軸方向であり、領域511b〜514b及び領域511d〜514dにおける光学軸の方向は図中のY軸方向である。光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との位相差は、領域511a〜511d、領域512a〜512d、領域513a〜513d、領域514a〜514dの順に大きくなるように構成されている。
また、従来の光ヘッド装置において、ディスクにレーザ光が照射されるときに、ディスクの厚さや、レンズ等の主として光学部品により、ディスクの信号面部に照射形成されるレーザ光のスポットに球面収差が発生する。ディスクの信号面部に照射形成されるレーザ光のスポットの球面収差に対応するために、液晶補正素子(liquid crystal device/liquid crystal display:LCD)により、球面収差補正が行われる。
図8(A)は、光のスポットの球面収差補正が行われる前の波形を示す説明図、図8(B)は、光のスポットの球面収差補正が行われた後の波形を示す説明図、図8(C)は、球面収差補正が行われた光のスポットを示す平面図である。
光のスポットにおける円周状の最も球面収差が大きくなる部分SAm(図8(A))の位相をシフトさせて、収差補正が行われる。光のスポットの球面収差補正が行われる前の波面の最大−最小値PVa(図8(A))よりも、光のスポットの球面収差補正が行われた後の波面の最大−最小値PVb(図8(B))のほうが小さく補正されている。また、光のスポットの球面収差補正が行われる前の有効径Ea(図8(A))と、光のスポットの球面収差補正が行われた後の有効径Eb(図8(B))とは、略等しくされているが、光のスポットの球面収差補正が行われる前の有効径Ea(図8(A))よりも、光のスポットの球面収差補正が行われた後の有効径Eb(図8(B))のほうが、やや小さい径とされる。また、例えばLCD等の分割数が増やされ、補正量が細分化されることによって、さらに収差を少なくさせることも可能とされる。
特開2005−332435号公報(第1,4頁、第2図)
しかしながら、図7に示す複屈折補正素子505aが装備された上記光ヘッド装置にあっては、ディスクにレーザ光が照射されたときに生じる複屈折が少ないディスクに対しては、逆効果になることが懸念される。
本発明は、上記した点に鑑み、ディスク等のメディアに光が照射されたときに生じる光の複屈折を低減化させ、ディスク等のメディアに照射形成されるスポットの収差補正に悪影響が及ぼされることを回避させ易くしたピックアップ装置およびそれを備えるディスク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るピックアップ装置は、メディアに光を照射させて該メディアのデータの読取り又は該メディアに光を照射させて該メディアへのデータの書込みが実行可能とされたピックアップ装置であって、前記メディアに起因する光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させる補正素子を備えることを特徴とする。
上記構成により、メディアに光が照射されたときに生じる光の複屈折は、抑えられる。例えば、「Blu-ray Disc」(登録商標)や、「HD DVD」(High Definition DVD)(登録商標)などに対応するピックアップ装置においては、開口数(Numerical Aperture:NA)の大きい対物レンズが用いられている。NAの大きい対物レンズにより光が収束されてメディアに光が照射されたときに、メディアに照射形成されるスポットの収差は、メディアによる複屈折により特殊な収差となることがある。メディアに照射形成されるスポットの収差は、メディアの複屈折により、メディアに照射形成される光のスポットの中心部付近と、光のスポットの周縁部付近とでは、収差度合いが異なる。メディアに起因して生じる垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させる補正素子がピックアップ装置に備えられていれば、メディアに光を照射させてメディアのデータを読み取るときや、メディアに光を照射させてメディアへデータを書き込むときに、メディアに生じる光の複屈折により、メディアに照射形成された光のスポットの収差補正に悪影響が及ぼされるということは回避され易くなる。
請求項2に係るピックアップ装置は、請求項1記載のピックアップ装置において、前記補正素子の補正パターンを略リング状とさせたことを特徴とする。
上記構成により、メディアに光が照射されてメディアに照射形成されるスポットの収差補正は、略リング状の補正パターンを備えた補正素子により良好に行われる。
請求項3に係るピックアップ装置は、請求項1又は2記載のピックアップ装置において、前記メディアの複屈折量に対応して、前記補正素子に印加される電圧を調整させて、前記垂直複屈折または前記面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させることを特徴とする。
上記構成により、メディアに光が照射されてメディアに照射形成されるスポットの収差補正は、良好に行われる。メディアの光の複屈折量に対応して、補正素子に印加される電圧が調整されることにより、メディアに起因する光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正が行われる。
請求項4に係るディスク装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載のピックアップ装置を備えることを特徴とする。
上記構成により、メディアに光を照射させてメディアのデータを読み取るときや、メディアに光を照射させてメディアへデータを書き込むときに、メディアに生じる光の複屈折により、メディアに照射形成された光のスポットの収差補正に悪影響が及ぼされるということは回避され易くなる。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、メディアに光が照射されたときに生じる光の複屈折を抑えることができる。例えば、「Blu-ray Disc」や、「HD DVD」などに対応するピックアップ装置においては、開口数(NA)の大きい対物レンズが用いられている。NAの大きい対物レンズにより光が収束されてメディアに光が照射されたときに、メディアに照射形成されるスポットの収差は、メディアによる複屈折により特殊な収差となることがある。メディアに照射形成されるスポットの収差は、メディアの複屈折により、メディアに照射形成される光のスポットの中心部付近と、光のスポットの周縁部付近とでは、収差度合いが異なる。メディアに起因して生じる垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させる補正素子がピックアップ装置に備えられていれば、メディアに光を照射させてメディアのデータを読み取るときや、メディアに光を照射させてメディアへデータを書き込むときに、メディアに生じる光の複屈折により、メディアに照射形成された光のスポットの収差補正に悪影響が及ぼされるということを回避させ易くすることができる。
請求項2記載の発明によれば、メディアに光が照射されてメディアに照射形成されるスポットの収差補正は、略リング状の補正パターンを備えた補正素子により良好に行われる。
請求項3記載の発明によれば、メディアに光が照射されてメディアに照射形成されるスポットの収差補正を良好に行うことができる。メディアの光の複屈折量に対応して、補正素子に印加される電圧が調整されることにより、メディアに起因する光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正が行われる。
請求項4記載の発明によれば、メディアに光を照射させてメディアのデータを読み取るときや、メディアに光を照射させてメディアへデータを書き込むときに、メディアに生じる光の複屈折により、メディアに照射形成された光のスポットの収差補正に悪影響が及ぼされるということを回避させ易くすることができる。
以下に本発明に係るピックアップ装置およびそれを備えるディスク装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るディスク装置の一実施の形態を示す構成図、図2は、本発明に係るピックアップ装置の一実施の形態を示す概略図、図3(A)は、第一メディアに第一波長光が照射される状態を示す説明図、図3(B)は、第二メディアに第二波長光が照射される状態を示す説明図、図4(A)は、補正素子における光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との位相差の計算例を示す説明図、図4(B)は、補正素子を示す平面図、図5(A)は、同じく補正素子を示す平面図、図5(B)は、補正素子により光のスポットの補正が行われた後の波形を示す説明図、図6は、回転楕円体における1軸結晶の屈折率楕円体、常光線、異常光線の振動方向を示す説明図である。
図1は、ディスク装置の要部を示す便宜上の概略図とされている。例えば図1に示すディスク装置1のピックアップ装置2は、便宜上、簡略化された概念図として示されている。
この光ディスク装置1(図1)は、第一発光素子10(図2,図3(A))から出射された第一波長レーザ光が、新規格の光ディスクM10等とされる新規格のメディアM10に当てられて、光ディスクM10の信号部M15に集光スポットS1が照射形成されたときに、例えば、光ディスクM10等のメディアM10から得られる信号のジッタ値等を利用して、光ディスクM10の信号部M15に照射形成される集光スポットS1にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させると共に、光ディスクM10に照射されるレーザ光Lの垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる液晶補正素子50を備えて構成されている。
また、同じくこの光ディスク装置1(図1)は、第一発光素子10(図2,図3(B))から出射された第一波長レーザ光が、別の新規格の光ディスクM20等とされる別の新規格のメディアM20に当てられて、光ディスクM20の信号部M25に集光スポットS2が照射形成されたときに、例えば、光ディスクM20等のメディアM20から得られる信号のジッタ値等を利用して、光ディスクM20の信号部M25に照射形成される集光スポットS2にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させると共に、光ディスクM20に照射されるレーザ光Lの垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる液晶補正素子50を備えて構成されている。
また、同じくこの光ディスク装置1(図1)は、第二発光素子20(図2,図3(B))から出射された第二波長レーザ光が、従来規格の光ディスク(M20)等とされる従来規格のメディア(M20)に当てられて、光ディスク(M20)の信号部(M25)に集光スポット(S2)が照射形成されたときに、例えば、光ディスク(M20)等のメディア(M20)から得られる信号のジッタ値等を利用して、光ディスク(M20)の信号部(M25)に照射形成される集光スポット(S2)にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させると共に、光ディスク(M20)に照射されるレーザ光Lの垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる液晶補正素子50を備えて構成されている。なお、この明細書において、符号に付けられた括弧( )は、括弧( )が付けられていないものと異なるものを説明するために、便宜上、用いた。
また、図1に示す光ディスク装置1は、例えば光ディスクM10,M20等のメディアM10,M20から得られる信号のジッタ値等を利用して、フォーカシングサーボ動作を行うために適したデフォーカス値等を設定可能なものとして構成されている。また、光ディスク装置1は、例えば光ディスクM10,M20等のメディアM10,M20から得られる信号のジッタ値等を利用して、トラッキングサーボ動作を行うために適したデトラック値等を設定可能なものとして構成されている。また、光ディスク装置1は、例えば光ディスクM10,M20等のメディアM10,M20から得られる信号のジッタ値等を利用
して、チルト動作を行うために適したチルト値等を設定可能なものとして構成されている。
ジッタ(jitter)とは、例えば信号の微妙な揺れや歪を意味する。また、フォーカス(focus)とは、例えば焦点やピントを意味する。また、フォーカシング(focusing)とは、例えば焦点を合わせることや、焦点が合わせられることを意味する。また、トラッキング(tracking)とは、例えば、光を用いて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15や光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25等に設けられた微小なピット(穴、凹み)や、グルーブ(溝)、ウォブル(蛇行)などを追跡観測し、略螺旋状に描かれた軌道の位置を定めることを意味する。ピット(pit)とは、例えば穴やへこみ状のものを意味する。また、グルーブ(groove)とは、例えば細長いへこみ状のものを意味する。また、ウォブル(wobble)とは、例えば情報などのデータ信号が記録されるトラックの蛇行を意味する。また、サーボ(servo)とは、例えば制御の対象の状態を測定し、予め定められた基準値と比較して、自動的に修正制御する機構のもの等を意味する。
また、この明細書におけるデフォーカス調整とは、例えば焦点が合わせられていないものに対し、焦点合せを行う調整作業を意味する。また、この明細書におけるデトラック調整とは、例えば焦点が光ディスクのトラックに位置合せされていないものに対し、トラック位置合せを行う調整作業を意味する。また、光ディスク装置1(図1)または光ピックアップ装置2におけるチルト(tilt)とは、例えば、光ディスクM10の信号部M15(図2,図3(A))と、光ピックアップ装置2(図2)の発光素子10から出射され対物レンズ60を透過したレーザ光Lの光軸La1(図2,図3(A))との角度ずれや、光ディスクM20の信号部M25(図2,図3(B))と、光ピックアップ装置2(図2)の発光素子20から出射され対物レンズ70を透過したレーザ光Lの光軸La2(図2,図3(B))との角度ずれを意味する。
また、メディア(media)とは、例えば、データ、情報、信号などが保存されるディスク等を意味する。光ディスク装置1に内装された光ピックアップ装置2が用いられて、光ディスクM10,M20等における情報などのデータの再生または記録が行われる。光ディスクM10,M20等として、たとえば、「CD」系列の光ディスクや、「DVD」(登録商標)系列の光ディスクや、「HD DVD」(登録商標)系列の光ディスクや、「Blu-ray Disc」(登録商標)系列の光ディスクなどが挙げられる。
光ディスク装置1内に各種光ディスクなどの各種メディアが挿入される。光ディスク装置1内に入れられる各種光ディスクM10(図1,図2,図3(A)),M20(図1,図2,図3(B))は、円板状に形成されている。ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」,「HD DVD−ROM」,「BD−ROM」などのデータ読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」,「HD
DVD−R」,「BD−R」などのデータ追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」(登録商標),「DVD−RAM」,「HD DVD−RW」,「HD DVD−RAM」,「BD−RE」などのデータ書込み/消去やデータ書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
また、ディスクとして、例えばディスク両面に信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、ディスクとして、例えば二層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、例えば三層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた「HD DVD」用光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、例えば四層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデー
タ書換えが可能とされた「Blu-ray Disc」用光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、例えばディスクのレーベル面側にもレーザ光Lを照射させてレーベル等の各種書込みを行うことが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。「Blu-ray Disc」系光ディスクM10の信号部M15や、DVD系光ディスクM20の信号部M25等は、例えば金属薄膜などの金属層等により形成されている。金属薄膜などから形成される信号部M15またはM25に、情報やデータなどが記録される。
スピンドルモータ(図示せず)によって回転駆動されるターンテーブル(図示せず)上に、光ディスクM10またはM20等が装備される。
第一光ディスクM10(図2,図3(A))の信号部M15は、例えば金属薄膜などの金属層等により形成されている。金属薄膜などから形成される層の信号面部M15に、情報やデータなどが記録される。また、第二光ディスクM20(図2,図3(B))の信号部M25も、例えば金属薄膜などの金属層等により形成されている。金属薄膜などから形成される層の信号面部M25に、情報やデータなどが記録される。また、第三光ディスクの信号部(何れも図示せず)も、例えば金属薄膜などの金属層等により形成されている。金属薄膜などから形成される層の信号面に、情報やデータなどが記録される。
光ディスク装置1は、前記各種ディスクに対応可能とされている。光ディスク装置1が用いられて、各種光ディスクM10,M20に記録された情報などのデータ再生が行われる。また、光ディスク装置1が用いられて、各種光ディスクM10,M20に情報などのデータ記録が行われる。
光ディスク装置1内にてデータなどの情報の記録が可能な光ディスクM10,M20においては、光ディスクM10,M20の信号部M15,M25に、データ/情報が保存されるためのグルーブ(図示せず)が設けられている。グルーブ(groove)とは、細長いへこみを意味する。円板状光ディスクM10,M20が平面視されたときに、グルーブは、略螺旋状に形成されている。光ディスクM10,M20の信号面側から、光ディスクM10,M20を眺めたときに、グルーブは、渦巻状のものとされている。グルーブは、非常に小さいものとされているので、グルーブは、目視不能とされる。図2,図3(A)(B)において、便宜上、破線を用いて、光ディスクM10,M20の信号部M15,M25を示した。
光ディスクについて説明する。「CD」は、「Compact Disc」(商標)の略称とされている。また、「DVD」(登録商標)は、「Digital Versatile Disc」の略称とされている。また、「CD−ROM」、「DVD−ROM」及び「HD DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称とされている。また、「BD−ROM」は、「Blu-ray Disc-ROM」の略称とされている。「CD−ROM」、「DVD−ROM」、「HD
DVD−ROM」及び「BD−ROM」は、データ/情報読出し専用のものとされている。また、「CD−R」、「DVD−R」、「DVD+R」及び「HD DVD−R」の「R」は、「Recordable」の略称とされている。また、「BD−R」は、「Blu-ray Disc-R」の略称とされている。「CD−R」、「DVD−R」、「DVD+R」、「HD DVD−R」及び「BD−R」は、データ/情報の書込みが可能なものとされている。また、「CD−RW」、「DVD−RW」、「DVD+RW」及び「HD DVD−RW」の「RW」は、「Re-Writable」の略称とされている。また「BD−RE」は、「Blu-ray Disc-RE」の略称とされている。「CD−RW」、「DVD−RW」、「DVD+RW」、「HD DVD−RW」及び「BD−RE」は、データ/情報の書換えが可能なものとされている。また、「DVD−RAM」及び「HD DVD−RAM」の「RAM」は、「Random Access Memory」の略称とされている。「DVD−RAM」及び「HD DVD−RAM」は、データ/情報の読書き/消去が可能なものとされている。
また「HD DVD」は、「High Definition DVD」の略称である。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものである。従来のCDには、赤外レーザが用いられていた。また、従来のDVDには、赤色レーザが用いられていた。しかしながら、「HD DVD」の光ディスクM20(図2,図3(B))に記録されたデータ/情報が読み出されるときや、「HD DVD」の光ディスクM20にデータ/情報が書き込まれるときには、青紫色レーザが用いられる。また「Blu-ray」とは、従来の信号の読書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
「DVD」規格の光ディスク(M20)と、「HD DVD」規格の光ディスクM20とは、共通部分の多い互換性のあるものとされていることから、この明細書においては、「DVD」規格の光ディスク(M20)および/または「HD DVD」規格の光ディスクM20に関する説明については、便宜上、同じ符号を用いて行う。
この明細書においては、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10(図2,図3(A))を、便宜上、第一メディアM10と定める。また、「HD DVD」規格もしくは「DVD」規格の光ディスクM20(図2,図3(B))を、便宜上、第二メディアM20と定める。また、便宜上、第二メディアM20は、他のメディアM20とされる。また、「CD」規格の光ディスク(図示せず)を、便宜上、第三メディアと定める(何れも図示せず)。また、便宜上、第三メディアは、別のメディアとされる。
光ピックアップ装置2は、前記各種光ディスクに記録されたデータを再生させたり、前記書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスクにデータを記録させたりするものとされている。光ピックアップ(optical pickup)または光ピックアップ装置(optical pickup unit)は、例えば「OPU」と略称される。OPU2は、CD系のメディアと、DVD系のメディアと、Blu-ray Disc系のメディアとに対応したものとされている。このように、OPU2は、複数のメディアに対応したものとされている。
このOPU2における集光スポットS1(図2,図3(A)),S2(図2,図3(B))のフォーカシング検出法は、差動非点収差法に基づいた検出法とされている。差動非点収差法とは、例えば、非点収差をもった光学系で結像した点像ひずみを検出することにより、集光スポットS1,S2の変位を検出する方法とされる。このOPU2は、差動非点収差法による光学系を備えたOPU2とされている。
また、このOPU2における集光スポットS1(図2,図3(A)),S2(図2,図3(B))のトラッキング検出法は、差動プッシュプル法や、位相差法に基づいた検出法とされる。差動プッシュプル法とは、例えば、データ読書き用のメインビームと、位置ずれの補正信号を検出する二つのサブビームとにより、集光スポットS1,S2の変位を検出する方法とされる。位相差法とは、例えば、四分割型光検出器91,92(図2)によって検出される位相差信号に基づいた検出法とされる。
第一光検出器91は、例えば第一センサレンズ81を透過したメインビーム(0次光)に対応する平面視略矩形のメイン受光部(図示せず)と、第一センサレンズ81を透過することで分岐された一対のサブビーム(±1次回折光束)に対応する一対の平面視略矩形のサブ受光部(図示せず)との三つの受光部を少なくとも備えて構成される。また、第二光検出器92は、例えば第二センサレンズ82を透過したメインビーム(0次光)に対応する平面視略矩形のメイン受光部(図示せず)と、第二センサレンズ82を透過することで分岐された一対のサブビーム(±1次回折光束)に対応する一対の平面視略矩形のサブ受光部(図示せず)との三つの受光部を少なくとも備えて構成される。
また、光検出器91,92(図2)の不図示の平面視略矩形をしたメイン受光部は、略均等に少なくとも四分割されて平面視略矩形の少なくとも四つのセグメントを備える。例えば光検出器91,92のメイン受光部(50)(図4(B),図5(A))が平面視されたときに、光検出器91,92は、例えば略矩形状に複数分割され、且つ、直径が異なる略正円状に複数分割され、各円状輪郭線の中心部が略一致して、少なくとも十二に分割されているとよい。
例えば、光検出器91,92(図2)のメイン受光部(50)(図4(B),図5(A))全体が平面視されたときに略矩形状に複数分割され、且つ、直径が異なる略正円状に複数分割され、各円状輪郭線の中心部が略一致して、少なくとも十六、具体的には二十の領域(50ia,50iia,50iiia,50iva,50ib,50iib,50iiib,50ivb,50ic,50iic,50iiic,50ivc,50id,50iid,50iiid,50ivd,50ie,50iie,50iiie,50ive)に区画割りされて、少なくとも十六、具体的には二十の領域(50ia,50iia,50iiia,50iva,50ib,50iib,50iiib,50ivb,50ic,50iic,50iiic,50ivc,50id,50iid,50iiid,50ivd,50ie,50iie,50iiie,50ive)が各々分離された状態で仕切られて分割されているとよい。
また、光検出器91,92(図2)の不図示の平面視略矩形をしたサブ受光部は、略均等に少なくとも四分割されて平面視略矩形の少なくとも四つのセグメントを備える。光ディスク装置1やOPU2の設計/仕様等により、例えば、略均等に二分割されて平面視略矩形の二つのセグメントを備えた平面視略矩形の受光部(図示せず)を光検出器91,92に構成させてもよい。このように、複数の平面視略矩形のセグメントを備えた複数分割タイプの各受光部を有する光検出器91,92が、OPU2に装備される。
フォーカスとは、焦点やピントを意味する。また、フォーカシングとは、焦点を合わせることや、焦点が合わせられることを意味する。また、トラッキングとは、光を用いて、光ディスクM10,M20(図2,図3(A)(B))の信号部M15,M25に設けられた微小なピット(穴、凹み)M10t,M20tや、グルーブ(溝)、ウォブル(蛇行)などを追跡観測し、略螺旋状に描かれた軌道の位置を定めることを意味する。また、この明細書におけるフォーカシング方向Df、トラッキング方向Drいわゆるディスク半径方向Dr、並びにフォーカシング方向Dfおよびトラッキング方向Drに略直交するタンジェンシャル方向Dtの定義は、OPU2や、光ディスク装置1等を説明するための便宜上の定義とされる(図1〜図3)。
先ず、第一発光素子10(図2)から出射されるレーザの光路について説明する。レーザドライバ(図示せず)から第一発光素子10へ電流が流されて、第一発光素子10から第一波長のレーザ光が出力される。詳しく説明すると、レーザドライバから「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用の発光素子10へ電流が流されて、「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用発光素子10から「HD DVD」用もしくは「Blu-ray Disc」系ディスクに対応した波長のレーザ光が出力される。第一発光素子10は、例えば波長が約350〜450nm(ナノメータ)、基準とされる波長が略405nmの青紫色レーザ光を出射可能な「HD DVD」用および/または「Blu-ray Disc」用レーザダイオードである。レーザダイオード(laser diode)は、「LD」と略称される。例えば、第一発光素子10が第一LD10とされ、第二発光素子20が第二LD20とされる。
LD10,20から例えば0.2〜500mW(ミリワット)、具体的には2〜400mWの出力値のレーザ光Lが出射される。例えば0.2mW未満の出力値のレーザ光Lとされた場合、光ディスクM10またはM20に照射されたのちに反射され光検出器91,
92に届くレーザ光Lの光量が不足する。光ディスクM10,M20の各データ等を再生させるときには、例えば2〜20mW程度という数〜数十mWの出力値のレーザ光Lで十分とされる。光ディスクM10,M20に各データ等を書き込むときには、数十〜数百mWの出力値のレーザ光Lが必要とされる。例えば光ディスクM10,M20に高速で各データ等を書き込むときには、400mWや500mW等という高い出力値のパルスレーザ光Lが必要とされることがある。
また、レーザドライバは「LDD」等と呼ばれている。「LDD」は「LD driver」の略称である。LDDは、第一LD10を駆動させて第一LD10から第一波長のレーザ光を出射させるレーザ駆動回路を備えるものとされている。また、LDDは、第二LD20を駆動させて第二LD20から第二波長のレーザ光を出射させるレーザ駆動回路を備えるものとされている。また、LDDは、第二LD20を駆動させて第二LD20から第三波長のレーザ光を出射させるレーザ駆動回路を備えるものとされている。
第一LD10から出射されたレーザ光が、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10に照射されるまでの光路について説明する。LDDから第一LD10に電流が供給され、第一LD10から出射された波長350〜450nmの青紫色レーザ光により、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10に情報の記録が行われたり、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10に記録された情報が再生されたりする。例えば第一LD10は、光の回折を利用して、半導体レーザチップ(図示せず)から出射されたレーザ光を、一つのメインビームと、二つのサブビームとに少なくとも分ける回折格子(図示せず)を内部に備えている。第一LD10は、特殊なLDとして構成されている。
LD10,20が発光するとLD10,20から熱が生じる。発光するLD10,20から生じた熱により、LD10,20自体の温度が変化する。また、LD10,20における発振波長は、温度に依存する。そのため、LD10,20自体の温度が変化すると、LD10,20から出射されるレーザ光の波長が変動する。レーザ光の波長は、なるべく変動されることなく略一定の波長に保たれることが好ましい。
一般に、LD10,20から出射されるレーザ光は、例えばP波とされるが、これに限られるものではない。P波の「P」は、ドイツ語の「parallel」の略称とされ、「平行」を意味する。また、P波に対するS波の「S」は、ドイツ語の「senkrecht」の略称とされ、「垂直」を意味する。例えばOPU2の設計/仕様などにより、P波およびS波は、使い分けられる。
第一LD10から拡大光の第一波長レーザ光が出射される。拡散光/拡大光とは、例えばさまざまな方向に光を拡散/拡大させて照射させる光源の光を意味する。第一LD10から出力された拡大光の第一波長レーザ光は、光路L1aを通り、「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用の第一偏光部材30を通り抜ける。
第一LD10から出射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L1aを通り第一偏光部材30に入射される。偏光部材30は、偏光部材30内において、P波を略直進させて透過させ、S波を略直角に反射させるものとして構成されている。偏光部材30内に、直線偏光P波を略直進させて透過させ直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜30cが設けられている。偏光部材30は、ダイクロイックフィルタを形成する特殊皮膜30cを備えて構成されている。ダイクロイック(dichroic)とは、二つの色相をもつことを意味する。また、ダイクロイックフィルタは、ダイクロフィルタ等と略称される。また、使用部位や使用方法などにより、偏光部材30,40は、例えば、ダイクロイックプリズムや、偏光ビームスプリッタとも呼ばれる。
偏光ビームスプリッタは、LDから出射されたレーザ光が偏光ビームスプリッタ内を透過するときに、光ディスクに照射されるレーザ光に非点が出されないものとされるために、レーザ光の光路上に設けられる。非点とは、例えばピントの位置ずれを意味する。偏光ビームスプリッタは、PBSと略称して用いられる。「PBS」は、「polarized beam splitter」もしくは「polarizing beam splitter」の略称である。例えば、第一偏光部材30が第一PBS30とされ、第二偏光部材40が第二PBS40とされる。また、例えば、第三偏光部材35がハーフミラー35とされ、第四偏光部材55がリフレクトミラー55とされる。
PBS30は、略三角柱状の第一部材30aと、この第一部材30aに合わせられる略三角柱状の第二部材30bとを備えて構成されている。略三角柱状の第一部材30aと、略三角柱状の第二部材30bとが合わせられることにより、特殊な膜30cを備える略立方体形状のPBS30が構成される。PBS30を構成する第一部材30aと、PBS30を構成する第二部材30bとの間に、特殊な膜30cが設けられている。PBS30内に、特殊な膜30cが形成されている。PBS30内に、直線偏光P波を略直進させて透過させ、直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜30cが設けられている。
これにより、PBS30に入射された直線偏光P波のレーザ光は、略直進してPBS30内を通り抜けPBS30から出射する。また、PBS30に入射された直線偏光S波のレーザ光は、PBS30内において略直角に反射されてPBS30内を通り抜けPBS30から出射する。内部に特殊な膜30cを備えたPBS30として、例えば、タムロン社製:PBSプリズムなどが挙げられる。特殊な皮膜は、ダイクロイック皮膜とも呼ばれている。また、ダイクロイック皮膜は、ダイクロ膜などと略称される。第一LD10から出射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、第一PBS30内を略直進して通り抜け、光路L1dを通り、第二PBS40に入射される。
PBS40は、略三角柱状の第一部材40aと、この第一部材40aに合わせられる略三角柱状の第二部材40bとを備えて構成されている。略三角柱状の第一部材40aと、略三角柱状の第二部材40bとが合わせられることにより、特殊な膜40cを備える略立方体形状のPBS40が構成される。PBS40を構成する第一部材40aと、PBS40を構成する第二部材40bとの間に、特殊な膜40cが設けられている。PBS40内に、特殊な膜40cが形成されている。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光もしくは波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光を略直進させて透過させ、波長約630〜685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させ、波長約765〜830nmの赤外レーザ光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜40cが設けられている。
これにより、PBS40に入射された第一波長レーザ光は、略直進してPBS40内を通り抜けPBS40から出射する。また、PBS40に入射された第二波長レーザ光またはPBS40に入射された第三波長レーザ光は、PBS40内において略直角に反射されてPBS40内を通り抜けPBS40から出射する。PBS40は、「Blu-ray Disc」用または「HD DVD」用の第一波長レーザ光と、DVD用の第二波長のレーザ光と、CD用の第三波長のレーザ光との三波長に対応可能なPBS40とされている。
例えば、光路L1dを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第一波長レーザ光の略92〜98%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、例えば、光路L1dを通
って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第一波長レーザ光の略2〜8%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
具体的に説明すると、光路L1dを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第一波長レーザ光の略93〜97%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、光路L1dを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第一波長レーザ光の略3〜7%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
PBS40は、ダイクロイックフィルタを形成する特殊皮膜40cを備えて構成されている。第二PBS40内の特殊皮膜40cは、例えばダイクロイック皮膜40cとして形成されている。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第一波長レーザ光が当てられたときに、第一波長レーザ光の透過量が例えば92%よりも少ない場合、即ち、第一波長レーザ光の反射量が例えば8%よりも多い場合、光ディスクM10又はM20に第一波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第一波長レーザ光が当てられたときに、第一波長レーザ光の透過量が例えば93%よりも少ない場合、即ち、第一波長レーザ光の反射量が例えば7%よりも多い場合、光ディスクM10又はM20に第一波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第一波長レーザ光が当てられたときに、第一波長レーザ光の透過量が例えば98%よりも多い場合、即ち、第一波長レーザ光の反射量が例えば2%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第一波長レーザ光の受光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第一波長レーザ光が当てられたときに、第一波長レーザ光の透過量が例えば97%よりも多い場合、即ち、第一波長レーザ光の反射量が例えば3%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第一波長レーザ光の受光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第一波長レーザ光が当てられたときに、第一波長レーザ光の透過量が例えば95%とされた場合、即ち、第一波長レーザ光の反射量が例えば5%とされた場合、光ディスクM10に十分なレーザ光が照射されると共に、受光素子43に必要とされる適度なレーザ光が照射される。従って、このような特性をもつ第二PBS40がOPU2に装備されることが好ましい。
PBS40のダイクロ膜40cは、波長約350〜450nmの「Blu-ray Disc」用レーザ光(第一波長レーザ光)もしくは「HD DVD」用レーザ光(第一波長レーザ光)に対し、その殆どを透過させる。波長350〜450nmの第一波長レーザ光が第二PBS40に当てられたときに、第二PBS40は、大部分の波長350〜450nmの第一波長レーザ光を透過させ、一部の波長350〜450nmの第一波長レーザ光を反射させるものとして形成されている。特殊な膜40cが設けられたPBS40として、例えば、タムロン社製:PBSプリズム、ダイクロイック・プリズムなどが挙げられる。
略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cによって略直角に反射された一部の第
一波長レーザ光は、光路L3fを通り受光素子43に達する。受光素子43は、レーザ光の一部が照射されるフロントモニタダイオードとして構成されている。フロントモニタダイオード(front monitor diode)は、「FMD」と略称される。FMD43は、LD10又はLD20から出力されるレーザ光をモニタして、LD10又はLD20の制御のためにフィードバックをかけるものとされている。
PBS40内を略直進して透過した大部分の拡大光の第一波長レーザ光は、光路L3aを通り、コリメータレンズ45を透過する。コリメータレンズは、LD10,20側からレンズに入射された光を平行光もしくは略平行光とさせて出射させる。平行光とは、光線が広がらずにどこまでも平行に進む光を意味する。コリメータレンズは、例えばコリメートレンズなどとも呼ばれる。また、コリメータレンズ(collimator lens)は、「CL」または「COL」と略称される。
CL45を透過して略平行光となった第一波長のレーザ光は、光路L3bを通り液晶補正素子50を通り抜ける。液晶補正素子50は、電圧のON/OFFにより偏光状態を切替え可能なアクティブ波長板として構成されている。液晶とは、固体と液体との中間的な状態の物質を意味する。液晶材料は、全体が液体のような流動性を示すものとされながら、結晶に似た構造の規則性をもつものとされ、光学的に異方性をもつものとされている。液晶素子は、例えばLCDとも呼ばれる。「LCD」は、例えば「liquid crystal device」または「liquid crystal display」の略称である。例えば、量産性、価格低減化等に優れるTN(Twisted Nematic)モードのLCD50が用いられる。また、例えば電気光学特性の急峻性に優れるSTN(Super-twisted Nematic)モードのLCD50が用いられる。また、例えば白黒表示STNモードのLCD50が用いられる。LCD50を透過する光軸方向に沿ってLCD50が動かされることなく、LCD50は、各種部品が収容されるハウジング(図示せず)に固定されている。ハウジング(housing)とは、例えば、装置、部品などの物が収容される箱形のものや、箱に類似したものを意味する。
「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10のデータが再生されるとき、又は、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10にデータが記録されるときに、LCD50におけるLD10側の光路L3bからLCD50に入射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、偏光状態が変えられて、直線偏光S波の第一波長レーザ光として、LCD50における対物レンズ60側の光路L3cに出射される。LCD50を透過した直線偏光S波の第一波長レーザ光は、光路L3cを通りエキスパンダレンズ52,53に達する。
LCD50を透過した直線偏光S波の第一波長レーザ光は、例えば凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52および凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過する。一対のビームエキスパンダレンズ52,53を備えるビームエキスパンダユニット51は、レーザ光を必要な大きさに変える可動のものとされている。この明細書におけるエキスパンダユニット(expander unit)とは、レーザ光を必要な大きさに変える可動のものとされる。例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、可動モータ(図示せず)が用いられて、光路L3d,L3e上において可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53がビームエキスパンダレンズ52,53の光軸方向に沿って移動することで、レーザ光が必要な大きさに可変される。
不図示の可動モータを構成する例えば小型電動機として、電気が流されることにより正転駆動または逆転駆動が可能な小型ステッピングモータが用いられている。ステッピングモータとは、例えばパルス信号が入力されることにより回動するモータを意味する。ステッピングモータは、例えば位置決め制御が行われ易いモータとされ、微細な送り動作等が行われるときに適したモータとされている。
Blu-ray Disc規格の光ディスクM10にデータの記録が行われたり、Blu-ray Disc規格の光ディスクM10に記録されたデータが再生されたりするときに、一対のビームエキスパンダレンズ52,53を備えるビームエキスパンダユニット51が必要となる。
例えば、「Blu-ray Disc」用の光ディスクM10(図3(A))の各基板M11,M12における厚さM11t,M12tと、「HD DVD」系列の光ディスクM20(図3(B))の各基板M21,M22における厚さM21t,M22tとは異なる。また、「Blu-ray Disc」用の光ディスクM10と、「HD DVD」系列の光ディスクM20とでは、フォーカシング方向Dfに沿った光軸上において、各光ディスクM10,M20の信号部M15,M25に照射形成されるレーザ光のスポットS1,S2の焦点位置が異なる。また、光ディスクM10に対する第一対物レンズ60の作動距離WDbいわゆるワーキングディスタンスWDbと、光ディスクM20に対する第二対物レンズ70の作動距離WDdいわゆるワーキングディスタンスWDdとが異なる。
こうしたことに対応して、高精度な集光スポットS1,S2が各種光ディスクM10,M20等に照射形成されるために、一対のビームエキスパンダレンズ52,53(図2)を備えるビームエキスパンダユニット51がOPU2に必要となる。このように、このOPU2は、レーザ光を所定の大きさに変化させるビームエキスパンダユニット51を備えて構成される。
例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53がビームエキスパンダレンズ52,53の光軸方向に沿って動かされることにより、四層の信号面(図示せず)を備える不図示の「Blu-ray Disc」用光ディスクに生じた球面収差を最小に補正させることが可能となる。
ビームエキスパンダレンズ52,53を備えるビームエキスパンダユニット51は、凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52もしくは凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53の何れか一方または両方が、ビームエキスパンダレンズ52,53の光軸方向に沿って可動されるものとして構成される。ビームエキスパンダユニット51の一対のビームエキスパンダレンズ52,53を透過したS波の第一波長レーザ光は、光路L3eを通り、偏光性ミラー55に達する。
偏光性ミラー55におけるビームエキスパンダユニット51側もしくは開口制限付広帯域1/4波長板57側を偏光性ミラー55の表面側とする。また、偏光性ミラー55におけるBlu-ray disc用反射性ミラー56側を、偏光性ミラー55の裏面側とする。この明細書における偏光性ミラー55の「表」、「裏」の定義は、偏光性ミラー55が備えられたOPU2を説明するための便宜上の定義とされる。また、便宜上、偏光性ミラー55を第一偏光性ミラー55と定義し、偏光性ミラー35を第二偏光性ミラー35と定義する。
偏光性ミラー55の表側面55aに、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光のS波を略直進させて透過させ、波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光のP波を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられている。
従って、S波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を透過する。ビームエキスパンダユニット51側(LD10側)から偏光性ミラー55の表側面55aにS波の第一波長レーザ光が照射されたときに、S波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55の表側面55aから偏光性ミラー55の内部55nを透過し偏光性ミラー55の裏側面55bから反射性ミラー56に向けて出射する。ビームエキスパンダユニット51側(LD10側)から偏光性ミラー55の表側面55aにP波の第一波長レーザ光が照射されたときに、P波
の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55の表側面55aにおいて略直角に反射され、開口制限付広帯域1/4波長板57に向けて進む。
特殊な偏光性皮膜55cが設けられた偏光性ミラー55の表側面55aは、略平滑な面として形成されている。また、偏光性ミラー55の裏側面55bも、略平滑な面として形成されている。
なお、偏光性ミラー55の表側面55aに設けられた特殊偏光性皮膜55cに、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)、又は、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)が照射されたときには、DVD用レーザ光(第二波長レーザ光)またはCD用レーザ光(第三波長レーザ光)は反射される。偏光性ミラー55の表側面55aに設けられた特殊偏光性皮膜55cは、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)と、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)とについては、P波もしくはS波に関わりなくレーザ光を反射させる。表面55aに特殊な膜55cが設けられた偏光性ミラー55として、例えば、タムロン社製:膜付ミラーなどが挙げられる。
偏光性ミラー55を透過したS波の第一波長レーザ光は、光路L4aを通り、Blu-ray Disc用反射性ミラー56を略直角に反射し、光路L4bを通り、第一対物レンズ60を通り抜ける。Blu-ray Disc用反射性ミラー56に、レーザ光を略全反射させる皮膜56cが設けられている。従って、Blu-ray Disc用反射性ミラー56に当てられたレーザ光は、略全反射される。ミラー(mirror)は、例えば「MR」と略称される。光を略全反射させる皮膜が形成された反射性ミラーとして、例えば、日東光器社製:全反射ミラーなどが挙げられる。
略平行光となっているS波の第一波長レーザ光は、開口数略0.85の第一対物レンズ60によって収束光となり、光路L4cを通って「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号部M15に照射される。対物レンズは、LDから出射されたレーザ光を光ディスク上に集光させる役割を果す。対物レンズ(objective lens)は、「OBL」と略称されている。また、開口数とは、例えば光学器械で対物レンズの有効半径(入射ひとみの半径)を物点から見る角の正弦と、入射側の媒質の屈折率との積をいう。開口数(Numerical Aperture)は、「NA」と省略される。開口数は、対物レンズの性能を表すときに用いられる。また、収束光とは、例えば拡散光/拡大光の逆のようなものとされ、例えば光線が互いに近付けられるような光を意味する。
「Blu-ray Disc」用光ディスクM10に対し、レンズホルダ(図示せず)に装備された第一OBL60のフォーカシングサーボが行われるときに、第一OBL60を備えるレンズホルダは、フォーカシングコイル171(図1)を備えるアクチュエータ(図示せず)によりフォーカシング方向Df(図2,図3)に沿って動かされる。また、「Blu-ray Disc」用光ディスクM10に対し、不図示のレンズホルダに装備された第一OBL60のトラッキングサーボが行われるときに、第一OBL60を備えるレンズホルダは、トラッキングコイル172(図1)を備えるアクチュエータ(図示せず)によりトラッキング方向Dr(図2,図3)に沿って動かされる。また、「Blu-ray Disc」用光ディスクM10に対し、レンズホルダに装備された第一OBL60のチルト制御が行われるときに、第一OBL60を備えるレンズホルダは、例えばチルトコイル173(図1)を備えるアクチュエータ(図示せず)により傾けられつつ揺動される。第一OBL60(図2,図3)が装備されたレンズホルダは、複数本のワイヤ(図示せず)が用いられて駆動される。また、第一OBL60に隣接して、第二OBL70が不図示のレンズホルダに装備される。また、第一OBL60と、第二OBL70と、フォーカシングコイル171と、トラッキングコイル172と、チルトコイル173とは、不図示のレンズホルダに装着される。「アク
チュエータ」とは、例えばエネルギーを並進運動または回転運動等に変換させる駆動装置を意味する。
第一LD10から出射された拡大光の直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L1aと光路L1dと光路L1cとの境界に位置する第一PBS30を略直進して通り抜け、光路L1dと光路L3aと光路L2eとの境界に位置する第二PBS40を略直進して通り抜け、光路L3aと光路L3bとの間に位置するCL45により拡大光から略平行光に変えられ、光路L3bと光路L3cとの間に位置するLCD50により直線偏光S波とされる。直線偏光S波となった第一波長レーザ光は、光路L3c,L3d,L3e内に位置する一対のビームエキスパンダレンズ52,53により光の調整が行われ、光路L3eと光路L4aと光路L5aとの境界に位置する偏光性ミラー55を通り抜け、光路L4aと光路L4bとが交わる部分に位置する反射性ミラー56により略直角に反射され、光路L4bと光路L4cとの間に位置する第一OBL60により収束光とされ、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号部M15に集光される。第一波長のレーザ光は、このように往路をたどり、第一メディアM10とされる「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10に集光される。
次に、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10に対し反射したS波の第一波長レーザ光の復路について説明する。「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号部M15を反射したS波の第一波長レーザ光は、光路L4cを通り、第一OBL60を透過して拡大光から略平行光となり、光路L4bを通り、反射性ミラー56において略直角に反射する。反射性ミラー56において略直角に反射したS波の第一波長レーザ光は、光路L4aを通り、偏光性ミラー55内を略直進して通り抜ける。偏光性ミラー55の表側面55aに、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光のS波を略直進させて透過させ、波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光のP波を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、S波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を透過する。偏光性ミラー55を透過したS波の第一波長レーザ光は、光路L3eを通り、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過し、光路L3dを通り、凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52を透過し、光路L3cを通ってLCD50に達する。
「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10のデータが再生されるとき、又は、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10にデータが記録されるときに、LCD50におけるOBL60側の光路L3cからLCD50に入射された直線偏光S波の第一波長レーザ光は、偏光状態が変えられることなく、直線偏光S波の第一波長レーザ光として、LCD50におけるLD10側の光路L3bに出射される。LCD50を透過した直線偏光S波の第一波長レーザ光は、光路L3bを通りCL45に達する。
略平行光の直線偏光S波の第一波長レーザ光がCL45を透過するときに、第一波長レーザ光は、収束光の直線偏光S波の第一波長レーザ光となる。CL45を透過して収束光となった第一波長レーザ光は、光路L3aを通り第二PBS40に達する。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約350〜450nmの青紫色をした大部分の第一波長レーザ光を略直進させて透過させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された大部分の直線偏光S波の第一波長レーザ光は、PBS40内を略直進透過してPBS40から出射され、光路L1dを通り第一PBS30に達する。
第一PBS30内に、直線偏光P波を略直進させて透過させ、直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜30cが設けられているので、PBS30に入射された直線偏光S波
の第一波長レーザ光は、PBS30内の特殊皮膜30cにて略直角に反射され光路L1cを通り第一センサレンズ81に達する。
直線偏光S波の第一波長レーザ光がセンサレンズ81を透過するときに、第一波長レーザ光に非点収差が生じる。センサレンズ81,82は、レーザ光の非点収差を発生させるものとされている。収差とは、例えばレンズなどを通る光線が正しく一点に集められず、不完全な像ができることを意味する。また、非点収差とは、ピント位置の差を意味する。センサレンズ81,82は、例えば、パワーレンズや、アナモフィックレンズ(アナモレンズ)と呼ばれることもある。
センサレンズ81を透過した第一波長レーザ光は、光路L1bを通って光検出器91に達する。光検出器91は、光ディスクM10,M20から反射されたレーザ光を受けて、その信号を電気信号に変え、光ディスクM10,M20に記録された情報を検出するためのものとされている。また、光検出器91は、光ディスクM10,M20から反射されたレーザ光を受けて、その信号を電気信号に変えて、光ピックアップ装置OPU2を構成するOBL付レンズホルダ(図示せず)のサーボ機構(図示せず)を動作させるためのものとされている。光検出器(photo detector/photo diode IC)は、例えば「PD」または「PDIC」と略称される。
「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号部M15にて反射された拡大光の直線偏光S波の第一波長レーザ光は、光路L4cと光路L4bとの間に位置する第一OBL60により略平行光とされ、光路L4bと光路L4aとが交わる部分に位置する反射性ミラー56により略直角に反射され、光路L4aと光路L3eと光路L5aとの境界に位置する偏光性ミラー55を通り抜け、光路L3e,L3d,L3c内に位置する一対のビームエキスパンダレンズ53,52により光の調整が行われ、偏光状態が変化されることなく光路L3cと光路L3bとの間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3bと光路L3aとの間に位置するCL45により略平行光から収束光に変えられ、光路L3aと光路L1dと光路L2eとの境界に位置する第二PBS40を略直進して通り抜け、光路L1dと光路L1aと光路L1cとの境界に位置する第一PBS30内を略直角に反射して通り抜け、光路L1cと光路L1bとの間に位置するセンサレンズ81を透過することにより非点収差が生じた光とされて、光路L1bの終端に位置するPDIC91に照射される。「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10を反射した第一波長のレーザ光は、このように復路をたどり、第一PDIC91に照射される。
次に、第一LD10から出射されたレーザ光が、「HD DVD」規格の光ディスクM20に照射されるまでの光路について説明する。LDDから第一LD10に電流が供給され、第一LD10から出射された波長350〜450nmの青紫色レーザ光により、「HD DVD」規格の光ディスクM20に情報の記録が行われたり、「HD DVD」規格の光ディスクM20に記録された情報が再生されたりする。
第一LD10から出力された拡大光の第一波長レーザ光は、光路L1aを通り、「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用の第一PBS30を通り抜ける。第一LD10から出射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L1aを通り第一PBS30に入射される。第一LD10から出射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、第一PBS30内を略直進して通り抜け、光路L1dを通り、第二PBS40に入射される。PBS40に入射された第一波長レーザ光は、略直進してPBS40内を通り抜けPBS40から出射する。略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cによって略直角に反射された一部の第一波長レーザ光は、光路L3fを通りFMD43に達する。また、PBS40内を略直進して透過した大部分の拡大光の第一波長レーザ光は、光路L3aを通り、CL45を透過する。
CL45を透過して略平行光となった第一波長のレーザ光は、光路L3bを通りLCD50を通り抜ける。「HD DVD」規格の光ディスクM20のデータが再生されるとき、又は、「HD DVD」規格の光ディスクM20にデータが記録されるときに、LCD50におけるLD10側の光路L3bからLCD50に入射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、偏光状態が変えられることなく、直線偏光P波の第一波長レーザ光として、LCD50におけるOBL70側の光路L3cに出射される。LCD50を透過した直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L3cを通りエキスパンダレンズ52,53に達する。
LCD50を透過した直線偏光P波の第一波長レーザ光は、例えば凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52および凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過する。例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、可動モータ(図示せず)が用いられて、光路L3d,L3e上において可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53がビームエキスパンダレンズ52,53の光軸方向に沿って移動することで、レーザ光が必要な大きさに可変される。
HD DVD規格の光ディスクM20にデータの記録が行われたり、HD DVD規格の光ディスクM20に記録されたデータが再生されたりするときに、一対のビームエキスパンダレンズ52,53を備えるビームエキスパンダユニット51が必要となることがある。例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53は、予め定められた位置に固定される。
また、例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53がビームエキスパンダレンズ52,53の光軸方向に沿って動かされることにより、三層の信号面(図示せず)を備える不図示の「HD DVD」用光ディスクに生じた球面収差を最小に補正させることが可能となる。ビームエキスパンダユニット51の一対のビームエキスパンダレンズ52,53を透過したP波の第一波長レーザ光は、光路L3eを通り、偏光性ミラー55に達する。
偏光性ミラー55の表側面55aに、波長約350〜450nmの青紫色をした「HD
DVD」用の第一波長レーザ光のS波を略直進させて透過させ、波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光のP波を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、P波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。
偏光性ミラー55を略直角に反射したP波の第一波長レーザ光は、光路L5aを通り、開口制限付広帯域1/4波長板57を通り抜ける。開口制限付広帯域1/4波長板57は、波長約765〜830nmのCD用の赤外レーザ光(第三波長レーザ光)の透過を一部制限させ、一部透過制限された第三波長レーザ光がNA略0.6〜0.66のOBL70を透過したときに、第三波長レーザ光に対応した第三メディア(図示せず)の信号面部(何れも図示せず)に第三波長レーザ光を正確に集光させる役割の一端を果す。しかしながら、開口制限付広帯域1/4波長板57は、波長約350〜450nmの「HD DVD」用の青紫色レーザ光(第一波長レーザ光)の透過を特に制限させない。また、開口制限付広帯域1/4波長板57は、波長約630〜685nmのDVD用の赤色レーザ光(第二波長レーザ光)の透過を特に制限させない。従って、波長約350〜450nmの青紫色をした第一波長レーザ光が開口制限付広帯域1/4波長板57を通過しても、第一波長レーザ光に大きな変化は生じない。このように、このOPU2は、第一波長レーザ光および/または第二波長レーザ光の透過を特に制限させることなく、第三波長レーザ光の透過を制限させる開口制限付広帯域1/4波長板57を備えている。1/4波長板は、1/4
λ板とも呼ばれる。また、1/4波長板(quarter-wave plate)は、「QWP」と略称される。
開口制限付広帯域QWP57を透過したP波の第一波長レーザ光は、光路L5bを通り、第二のOBL70を通り抜ける。略平行光となっているP波の第一波長レーザ光は、NA略0.6〜0.66の第二OBL70によって収束光となり、光路L5cを通って「HD DVD」規格の光ディスクM20の信号部M25に照射される。
「HD DVD」用光ディスクM20に対し、レンズホルダ(図示せず)に装備された第二OBL70のフォーカシングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、フォーカシングコイル171(図1)を備える不図示のアクチュエータによりフォーカシング方向Df(図2,図3)に沿って動かされる。また、「HD DVD」用光ディスクM20に対し、不図示のレンズホルダに装備された第二OBL70のトラッキングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、トラッキングコイル172(図1)を備える不図示のアクチュエータによりトラッキング方向Dr(図2,図3)に沿って動かされる。また、「HD DVD」用光ディスクM20に対し、レンズホルダに装備された第二OBL70のチルト制御が行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、例えばチルトコイル173(図1)を備える不図示のアクチュエータにより傾けられつつ揺動される。第二OBL70(図2,図3)が装備されたレンズホルダは、不図示の複数本のワイヤが用いられて駆動される。また、第二OBL70に隣接して、第一OBL60が不図示のレンズホルダに装備される。
第一LD10から出射された拡大光の直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L1aと光路L1dと光路L1cとの境界に位置する第一PBS30を略直進して通り抜け、光路L1dと光路L3aと光路L2eとの境界に位置する第二PBS40を略直進して通り抜け、光路L3aと光路L3bとの間に位置するCL45により拡大光から略平行光に変えられ、偏光状態が変化されることなく光路L3bと光路L3cとの間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3c,L3d,L3e内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ52,53を通り抜け、光路L3eと光路L5aと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、偏光状態が変化されることなく光路L5aと光路L5bとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57を通り抜け、光路L5bと光路L5cとの間に位置する第二OBL70により収束光とされ、「HD DVD」規格の光ディスクM20の信号部M25に集光される。第一波長のレーザ光は、このように往路をたどり、第二メディアM20とされる「HD DVD」規格の光ディスクM20に集光される。
次に、「HD DVD」規格の光ディスクM20に対し反射したP波の第一波長レーザ光の復路について説明する。「HD DVD」規格の光ディスクM20の信号部M25を反射したP波の第一波長レーザ光は、光路L5cを通り、第二OBL70を透過して拡大光から略平行光となり、光路L5bを通り、偏光状態が変化されることなく開口制限付広帯域QWP57を通り抜け、光路L5aを通り、偏光性ミラー55において略直角に反射する。偏光性ミラー55の表側面55aに、波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光のP波を略直角に反射させ、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光のS波を略直進させて透過させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、P波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。偏光性ミラー55において略直角に反射したP波の第一波長レーザ光は、光路L3eを通り、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過し、光路L3dを通り、凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52を透過し、光路L3cを通ってLCD50に達する。
「HD DVD」規格の光ディスクM20のデータが再生されるとき、又は、「HD DVD」規格の光ディスクM20にデータが記録されるときに、LCD50におけるOBL70側の光路L3cからLCD50に入射された直線偏光P波の第一波長レーザ光は、偏光状態が変えられ、直線偏光S波の第一波長レーザ光として、LCD50におけるLD10側の光路L3bに出射される。LCD50を透過した直線偏光S波の第一波長レーザ光は、光路L3bを通りCL45に達する。
略平行光の直線偏光S波の第一波長レーザ光がCL45を透過するときに、第一波長レーザ光は、収束光の直線偏光S波の第一波長レーザ光となる。CL45を透過して収束光となった第一波長レーザ光は、光路L3aを通り第二PBS40に達する。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約350〜450nmの青紫色をした大部分の第一波長レーザ光を略直進させて透過させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された大部分の直線偏光S波の第一波長レーザ光は、PBS40内を略直進透過してPBS40から出射され、光路L1dを通り第一PBS30に達する。
第一PBS30内に、直線偏光P波を略直進させて透過させ、直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜30cが設けられているので、PBS30に入射された直線偏光S波の第一波長レーザ光は、PBS30内の特殊皮膜30cにて略直角に反射され光路L1cを通り第一センサレンズ81に達する。
直線偏光S波の第一波長レーザ光がセンサレンズ81を透過するときに、第一波長レーザ光に非点収差が生じる。センサレンズ81を透過した第一波長レーザ光は、光路L1bを通ってPDIC91に達する。
「HD DVD」規格の光ディスクM20の信号部M25にて反射された拡大光の直線偏光P波の第一波長レーザ光は、光路L5cと光路L5bとの間に位置する第二OBL70により略平行光とされ、偏光状態が変化されることなく光路L5bと光路L5aとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57を通り抜け、光路L5aと光路L3eと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、光路L3e,L3d,L3c内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ53,52を通り抜け、光路L3cと光路L3bとの間に位置するLCD50により直線偏光S波とされる。直線偏光S波となった第一波長レーザ光は、光路L3bと光路L3aとの間に位置するCL45により略平行光から収束光に変えられ、光路L3aと光路L1dと光路L2eとの境界に位置する第二PBS40を略直進して通り抜け、光路L1dと光路L1aと光路L1cとの境界に位置する第一PBS30内を略直角に反射して通り抜け、光路L1cと光路L1bとの間に位置するセンサレンズ81を透過することにより非点収差が生じた光とされて、光路L1bの終端に位置するPDIC91に照射される。「HD DVD」規格の光ディスクM20を反射した第一波長のレーザ光は、このように復路をたどり、第一PDIC91に照射される。
次に、第二LD20から出射されたレーザ光が、DVD規格の光ディスク(M20)に照射されるまでの光路について説明する。LDDから第二LD20に電流が供給され、第二LD20から出射された波長630〜685nmの赤色レーザ光により、DVD規格の光ディスク(M20)に情報の記録が行われたり、DVD規格の光ディスク(M20)に記録された情報が再生されたりする。上述した如く、この明細書において、符号に付けられた括弧( )は、括弧( )が付けられていないものと若干異なるものを説明するために、便宜上、用いられている。第二LD20は、例えば波長が約630〜685nm、基準とされる波長が略635nmまたは650nmの赤色レーザ光を出射できると共に、例
えば波長が約765〜830nm、基準とされる波長が略780nmの赤外レーザ光を出射できる二波長レーザダイオードである。第二LD20は、特殊なLDとして構成されている。
第二LD20から拡大光の第二波長レーザ光が出射される。第二LD20から出力された拡大光の第二波長レーザ光は、光路L2aを通り、DVDおよびCD用のDOE25を通り抜ける。第二LD20から出射された直線偏光P波の第二波長レーザ光は、光路L2aを通りDOE25に入射される。
DOE(Diffractive Optical Element)とは、光の回折現象を利用して光の進行方向を変える回折光学素子を意味する。DOEは、特殊グレーティングと、1/2波長板とが一つのものとして構成された回折光学素子である。グレーティング(grating)とは、回折格子を意味する。回折格子は、光の回折を利用して、LDから出射されたレーザ光を幾つかに分けるものとされている。詳しく説明すると、回折格子は、光の回折を利用して、LDから出射されたレーザ光を、一つのメインビームと、二つのサブビームとに少なくとも分ける役割を果すものとされている。グレーティング(grating)は、GRTとも呼ばれる。また、1/2波長板は、直線偏光の偏光方向を変える役割を果すものとされている。1/2波長板(Half Wave Plate)は、HWPとも呼ばれる。また1/2波長板は、1/2λ(ラムダ)板とも呼ばれている。回折光学素子25は、DOE25として構成されている。
このDOE25は、LD20から出射された1本のレーザ光Lを少なくとも三本の各光束(図示せず)に分岐させる平面視略矩形の回折格子を備えるDOE25とされている。回折格子を備えるDOE25により回折分岐されたレーザ光は、例えばメインビーム(0次光)と、メインビームを中心軸としてメインビームの周囲に略対称に分岐される一対のサブビーム(±1次回折光束)との少なくとも3ビームに分けられる。回折格子と1/2波長板とが一つのものとして構成されたDOE25は、例えばLD20のレーザ光出射側の直後に位置する。例えば、四つの異なる位相の周期構造部が形成され四つの略矩形回折領域部を備えた四分割タイプのDOE25がOPU2に装備される。光ディスク装置1やOPU2の設計/仕様等により、例えば、三つの異なる位相の周期構造部が形成され三つの略矩形回折領域部を備えた三分割タイプの回折格子を備えるDOEが用いられてもよい(何れも図示せず)。また、例えば、二つの異なる位相の周期構造部が形成され二つの略矩形回折領域部を備えた二分割タイプの回折格子を備えるDOEが用いられてもよい(何れも図示せず)。このように、複数の略矩形回折領域部を備えた複数分割タイプの回折格子を備えるDOE25いわゆるインライン・グレーティングが、OPU2に装備される。また、光ディスク装置1やOPU2の設計/仕様等により、例えば、一つの周期構造部が形成され一つの略矩形回折領域部を備えた回折格子を備えるDOE(何れも図示せず)が、OPU2に装備されてもよい。直線偏光P波の第二波長レーザ光がDOE25を透過したときに、直線偏光P波の第二波長レーザ光は、直線偏光S波となる。
DOE25を透過したS波の第二波長レーザ光は、光路L2bを通り、偏光性ミラー35に達する。偏光性ミラー35におけるDOE25側もしくはPBS40側を偏光性ミラー35の表面側とする。また、偏光性ミラー35におけるセンサレンズ82側を、偏光性ミラー35の裏面側とする。この明細書における偏光性ミラー35の「表」、「裏」の定義は、偏光性ミラー35が備えられたOPU2を説明するための便宜上の定義とされる。偏光性ミラー35の表側面35aに、直線偏光S波を略直角に反射させ、直線偏光P波を略直進させて透過させる特殊偏光性皮膜35cが設けられている。従って、S波の第二波長レーザ光は、偏光性ミラー35を略直角に反射する。
上記特殊な膜30c,35c,40c,55cは、例えば、真空蒸着法、スパッタリン
グ法などに基づいて、所望の面に形成される。また、上記特殊な膜30c,35c,40c,55cは、例えば、SiO,ZnO,Ta,TiOおよびTiからなる群から選択される少なくとも一種以上の物質を含有する薄層として構成されている。
DOE25側(LD20側)から偏光性ミラー35の表側面35aにS波のレーザ光が照射されたときに、S波のレーザ光は、偏光性ミラー35の表側面35aにおいて略直角に反射され、PBS40に向けて進む。PBS40側(OBL70側)から偏光性ミラー35の表側面35aにP波のレーザ光が照射されたときに、P波のレーザ光は、偏光性ミラー35の表側面35aから偏光性ミラー35の内部35nを透過し偏光性ミラー35の裏側面35bからセンサレンズ82に向けて出射する。偏光性ミラー35の表側面35aに設けられた特殊偏光性皮膜35cは、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)、又は、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)に関わりなく、直線偏光S波を略直角に反射させ、直線偏光P波を略直進させて透過させる。
特殊な偏光性皮膜35cが設けられた偏光性ミラー35の表側面35aは、略平滑な面として形成されている。また、偏光性ミラー35の裏側面35bも、略平滑な面として形成されている。表面35aに特殊な膜35cが設けられた偏光性ミラー35として、例えば、タムロン社製:膜付ミラーなどが挙げられる。偏光性ミラー35を略直角に反射したS波の第二波長レーザ光は、光路L2eを通り、PBS40内を略直角に反射して通り抜ける。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光もしくは波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光を略直進させて透過させ、波長約630〜685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させ、波長約765〜830nmの赤外レーザ光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された第二波長レーザ光は、PBS40内を略直角に反射して通り抜ける。
例えば、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第二波長レーザ光の略92〜98%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、例えば、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第二波長レーザ光の略2〜8%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
具体的に説明すると、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第二波長レーザ光の略93〜97%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第二波長レーザ光の略3〜7%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第二波長レーザ光が当てられたときに、第二波長レーザ光の反射量が例えば92%よりも少ない場合、即ち、第二波長レーザ光の透過量が例えば8%よりも多い場合、光ディスク(M20)に第二波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第二波長レーザ光が当てられたときに、第二波長レーザ光の反射量が例えば93%よりも少ない場合、即ち、第二波長レーザ光の透過量が例えば7%よりも多い場合、光ディスク(M20)に第二波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第二波長レーザ光が当てられたときに、第二波長レーザ光の反射量が例えば98%よりも多い場合、即ち、第二波長レーザ光の透過量が例えば2%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第二波長レーザ光の受光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第二波長レーザ光が当てられたときに、第二波長レーザ光の反射量が例えば97%よりも多い場合、即ち、第二波長レーザ光の透過量が例えば3%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第二波長レーザ光の受光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第二波長レーザ光が当てられたときに、第二波長レーザ光の反射量が例えば95%とされた場合、即ち、第二波長レーザ光の透過量が例えば5%とされた場合、光ディスク(M20)に十分なレーザ光が照射されると共に、受光素子43に必要とされる適度なレーザ光が照射される。従って、このような特性をもつ第二PBS40がOPU2に装備されることが好ましい。
PBS40のダイクロ膜40cは、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)または波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)に対し、その殆どを反射させる。波長630〜685nmの第二波長レーザ光が第二PBS40に当てられたときに、第二PBS40は、大部分の波長630〜685nmの第二波長レーザ光を反射させ、一部の波長630〜685nmの第二波長レーザ光を透過させるものとして形成されている。略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直進して透過した一部の第二波長レーザ光は、光路L3fを通りFMD43に達する。また、PBS40内を略直角に反射して透過した大部分の拡大光の第二波長レーザ光は、光路L3aを通り、CL45を透過する。
CL45を透過して略平行光となった第二波長のレーザ光は、光路L3bを通りLCD50を通り抜ける。DVD規格の光ディスク(M20)のデータが再生されるとき、又は、DVD規格の光ディスク(M20)にデータが記録されるときに、LCD50におけるLD20側の光路L3bからLCD50に入射された直線偏光S波の第二波長レーザ光は、例えば偏光状態が変えられることなく、直線偏光S波の第二波長レーザ光として、LCD50におけるOBL70側の光路L3cに出射される。LCD50を透過した直線偏光S波の第二波長レーザ光は、光路L3cを通りエキスパンダレンズ52,53に達する。
LCD50を透過した直線偏光S波の第二波長レーザ光は、例えば凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52および凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過する。DVD規格の光ディスク(M20)にデータの記録が行われたり、DVD規格の光ディスク(M20)に記録されたデータが再生されたりするときに、例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53は、予め定められた位置に固定される。
ビームエキスパンダユニット51の一対のビームエキスパンダレンズ52,53を透過したS波の第二波長レーザ光は、光路L3eを通り、偏光性ミラー55に達する。偏光性ミラー55の表側面55aに、S波またはP波に関わりなく波長約630〜685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜55cが設
けられているので、S波の第二波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。
偏光性ミラー55を略直角に反射したS波の第二波長レーザ光は、光路L5aを通り、開口制限付広帯域QWP57を通り抜ける。開口制限付広帯域QWP57は、波長約630〜685nmとされるDVD用の第二波長レーザ光の透過を特に制限させないが、直線偏光のDVD用の第二波長レーザ光を円偏光のDVD用の第二波長レーザ光に変えたり、円偏光のDVD用の第二波長レーザ光を直線偏光のDVD用の第二波長レーザ光に変えたりする。波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)、又は、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)が開口制限付広帯域QWP57を通り抜けるときに、開口制限付広帯域QWP57は、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたりする。直線偏光が円偏光にされ、QWP57と、DVD用光ディスク(M20)との間のレーザ光が円偏光とされることにより、例えばDVD用光ディスク(M20)が粗悪なものとされていても、DVD用光ディスク(M20)に対するデータの記録/再生動作は正常に行われる。また、直線偏光が円偏光にされ、QWP57と、DVD用光ディスク(M20)との間のレーザ光が円偏光とされることにより、DVD用光ディスク(M20)に対し、データの書込み/再生が行われるときの特性が向上する。
第二波長レーザ光が光路L5aを通って開口制限付広帯域QWP57を透過する時に、直線偏光S波の第二波長レーザ光は、円偏光となる。直線偏光S波の第二波長レーザ光は、開口制限付広帯域QWP57において、例えば右旋回または左旋回の円偏光になる。ここでは、直線偏光S波のレーザ光が開口制限付広帯域QWP57によって円偏光とされた状態の光を、例えば正転状態の円偏光と呼ぶ。
光路L5aを通り、開口制限付広帯域QWP57を透過して正転状態の円偏光となった第二波長レーザ光は、光路L5bを通り、第二のOBL70を通り抜ける。略平行光となっている円偏光の第二波長レーザ光は、NA略0.6〜0.66の第二OBL70によって収束光となり、光路L5cを通ってDVD規格の光ディスク(M20)の信号部(M25)に照射される。
DVD用光ディスク(M20)に対し、レンズホルダ(図示せず)に装備された第二OBL70のフォーカシングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、フォーカシングコイル171(図1)を備える不図示のアクチュエータによりフォーカシング方向Df(図2,図3)に沿って動かされる。また、DVD用光ディスク(M20)に対し、不図示のレンズホルダに装備された第二OBL70のトラッキングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、トラッキングコイル172(図1)を備える不図示のアクチュエータによりトラッキング方向Dr(図2,図3)に沿って動かされる。また、DVD用光ディスク(M20)に対し、レンズホルダに装備された第二OBL70のチルト制御が行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、例えばチルトコイル173(図1)を備える不図示のアクチュエータにより傾けられつつ揺動される。
第二LD20(図2)から出射された拡大光の直線偏光P波の第二波長レーザ光は、光路L2aと光路L2bとの間に位置するDOE25により直線偏光S波とされる。直線偏光S波となった第二波長レーザ光は、光路L2bと光路L2eと光路L2dとの境界に位置する偏光性ミラー35により略直角に反射され、光路L2eと光路L3aと光路L1dとの境界に位置する第二PBS40内を略直角に反射して通り抜け、光路L3aと光路L3bとの間に位置するCL45により拡大光から略平行光に変えられ、偏光状態が変化されることなく光路L3bと光路L3cとの間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3c,L3d,L3e内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ52,53
を通り抜け、光路L3eと光路L5aと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、光路L5aと光路L5bとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57により、直線偏光S波から例えば正転状態の円偏光に変えられる。正転状態の円偏光となった第二波長レーザ光は、光路L5bと光路L5cとの間に位置する第二OBL70により収束光とされ、DVD規格の光ディスク(M20)の信号部(M25)に集光される。第二波長のレーザ光は、このように往路をたどり、第二メディア(M20)とされるDVD規格の光ディスク(M20)に集光される。
次に、DVD規格の光ディスク(M20)に対し反射した第二波長レーザ光の復路について説明する。第二波長レーザ光がDVD規格の光ディスク(M20)の信号部(M25)にて反射されるときに、正転状態の円偏光の第二波長レーザ光は、反転状態の円偏光となる。ここでは、正転状態の円偏光が反転された状態の光を、例えば反転状態の円偏光と呼ぶ。DVD規格の光ディスク(M20)の信号部(M25)を反射した反転状態の円偏光の第二波長レーザ光は、拡大光となって光路L5cを通り、第二OBL70を透過して拡大光から略平行光となり、光路L5bを通り、開口制限付広帯域QWP57に達する。
反転状態の円偏光の第二波長レーザ光が光路L5bを通って開口制限付広帯域QWP57を透過したときに、反転状態の円偏光の第二波長レーザ光は、直線偏光P波となる。直線偏光P波となった第二波長レーザ光は、光路L5aを通り、偏光性ミラー55において略直角に反射する。偏光性ミラー55の表側面55aに、P波またはS波に関わりなく、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)と、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)とを反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、P波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。偏光性ミラー55において略直角に反射したP波の第二波長レーザ光は、光路L3eを通り、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過し、光路L3dを通り、凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52を透過し、光路L3cを通ってLCD50に達する。
DVD規格の光ディスク(M20)のデータが再生されるとき、又は、DVD規格の光ディスク(M20)にデータが記録されるときに、LCD50におけるOBL70側の光路L3cからLCD50に入射された直線偏光P波の第二波長レーザ光は、例えば偏光状態が変えられることなく、直線偏光P波の第二波長レーザ光として、LCD50におけるLD20側の光路L3bに出射される。LCD50を透過した直線偏光P波の第二波長レーザ光は、光路L3bを通りCL45に達する。
略平行光の直線偏光P波の第二波長レーザ光がCL45を透過するときに、第二波長レーザ光は、収束光の直線偏光P波の第二波長レーザ光となる。CL45を透過して収束光となった第二波長レーザ光は、光路L3aを通り第二PBS40に達する。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約630〜685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させ、波長約765〜830nmの赤外レーザ光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された大部分の直線偏光P波の第二波長レーザ光は、PBS40内を略直角に反射してPBS40から出射され、光路L2eを通り偏光性ミラー35に達する。
偏光性ミラー35の表側面35aに、直線偏光P波を略直進させて透過させ、直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜35cが設けられているので、偏光性ミラー35の表側面35aに直線偏光P波の第二波長レーザ光が照射されたときに、直線偏光P波の第二波長レーザ光は、偏光性ミラー35の表側面35aから偏光性ミラー35の内部35nを透過し偏光性ミラー35の裏側面35bからセンサレンズ82に向けて出射する。偏光性
ミラー35に入射された直線偏光P波の第二波長レーザ光は、偏光性ミラー35を通り抜け、光路L2dを通り第二センサレンズ82に達する。
直線偏光P波の第二波長レーザ光がセンサレンズ82を透過するときに、第二波長レーザ光に非点収差が生じる。センサレンズ82を透過した第二波長レーザ光は、光路L2cを通ってPDIC92に達する。光検出器92は、光ディスク(M20)等から反射されたレーザ光を受けて、その信号を電気信号に変え、光ディスク(M20)等に記録された情報を検出するためのものとされている。また、PDIC92は、光ディスク(M20)等から反射されたレーザ光を受けて、その信号を電気信号に変えて、光ピックアップ装置OPU2を構成するOBL付レンズホルダ(図示せず)のサーボ機構(図示せず)を動作させるためのものとされている。
DVD規格の光ディスク(M20)の信号部(M25)にて反射されて反転状態の円偏光となった拡大光の第二波長レーザ光は、光路L5cと光路L5bとの間に位置する第二OBL70により略平行光とされ、光路L5bと光路L5aとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57を通り抜けるときに直線偏光P波とされる。直線偏光P波となった第二波長レーザ光は、光路L5aと光路L3eと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、光路L3e,L3d,L3c内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ53,52を通り抜け、偏光状態が変化されることなく光路L3cと光路L3bとの間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3bと光路L3aとの間に位置するCL45により略平行光から収束光に変えられ、光路L3aと光路L2eと光路L1dとの境界に位置する第二PBS40内を略直角に反射して通り抜け、光路L2eと光路L2dと光路L2bとの境界に位置する偏光性ミラー35を通り抜け、光路L2dと光路L2cとの間に位置するセンサレンズ82を透過することにより非点収差が生じた光とされて、光路L2cの終端に位置するPDIC92に照射される。DVD規格の光ディスク(M20)を反射した第二波長のレーザ光は、このように復路をたどり、第二PDIC92に照射される。
次に、第二LD20から出射されたレーザ光が、CD規格の光ディスク(図示せず)に照射されるまでの光路について説明する。LDDから第二LD20に電流が供給され、第二LD20から出射された波長765〜830nmの赤外レーザ光により、不図示のCD規格の光ディスクに情報の記録が行われたり、不図示のCD規格の光ディスクに記録された情報が再生されたりする。
第二LD20から拡大光の第三波長レーザ光が出射される。第二LD20から出力された拡大光の第三波長レーザ光は、光路L2aを通り、CDおよびDVD用のDOE25を通り抜ける。第二LD20から出射された直線偏光P波の第三波長レーザ光は、光路L2aを通りDOE25に入射される。直線偏光P波の第三波長レーザ光がDOE25を透過したときに、直線偏光P波の第三波長レーザ光は、直線偏光S波となる。
DOE25を透過したS波の第三波長レーザ光は、光路L2bを通り、偏光性ミラー35に達する。偏光性ミラー35の表側面35aに、直線偏光S波を略直角に反射させ、直線偏光P波を略直進させて透過させる特殊偏光性皮膜35cが設けられているので、S波の第三波長レーザ光は、偏光性ミラー35を略直角に反射する。偏光性ミラー35を略直角に反射したS波の第三波長レーザ光は、光路L2eを通り、PBS40内を略直角に反射して通り抜ける。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約350〜450nmの青紫色をした「Blu-ray Disc」用の第一波長レーザ光もしくは波長約350〜450nmの青紫色をした「HD DVD」用の第一波長レーザ光を略直進させて透過させ、波長約630〜
685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させ、波長約765〜830nmの赤外レーザ光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された第三波長レーザ光は、PBS40内を略直角に反射して通り抜ける。
例えば、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第三波長レーザ光の略92〜98%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、例えば、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第三波長レーザ光の略2〜8%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
具体的に説明すると、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第三波長レーザ光の略93〜97%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直角に反射し、コリメータレンズ45に向けて光路L3aを進む。また、光路L2eを通って第二PBS40内の特殊皮膜40cに照射された第三波長レーザ光の略3〜7%の光は、略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを透過し、受光素子43に向けて光路L3fを進む。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第三波長レーザ光が当てられたときに、第三波長レーザ光の反射量が例えば92%よりも少ない場合、即ち、第三波長レーザ光の透過量が例えば8%よりも多い場合、光ディスクに第三波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第三波長レーザ光が当てられたときに、第三波長レーザ光の反射量が例えば93%よりも少ない場合、即ち、第三波長レーザ光の透過量が例えば7%よりも多い場合、光ディスクに第三波長レーザ光を照射させるための必要な光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第三波長レーザ光が当てられたときに、第三波長レーザ光の反射量が例えば98%よりも多い場合、即ち、第三波長レーザ光の透過量が例えば2%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第三波長レーザ光の受光量が不足する。
具体的に説明すると、第二PBS40内の特殊皮膜40cに第三波長レーザ光が当てられたときに、第三波長レーザ光の反射量が例えば97%よりも多い場合、即ち、第三波長レーザ光の透過量が例えば3%よりも少ない場合、受光素子43に必要とされる第三波長レーザ光の受光量が不足する。
第二PBS40内の特殊皮膜40cに第三波長レーザ光が当てられたときに、第三波長レーザ光の反射量が例えば95%とされた場合、即ち、第三波長レーザ光の透過量が例えば5%とされた場合、光ディスクに十分なレーザ光が照射されると共に、受光素子43に必要とされる適度なレーザ光が照射される。従って、このような特性をもつ第二PBS40がOPU2に装備されることが好ましい。
PBS40のダイクロ膜40cは、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)または波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)に対し、その殆どを反射させる。波長765〜830nmの第三波長レーザ光が第二PBS40に当てられたときに、第二PBS40は、大部分の波長765〜830nmの第三波長レーザ光を反射させ、一部の波長765〜830nmの第三波長レーザ光を透過さ
せるものとして形成されている。略立方体状の第二PBS40内の特殊皮膜40cを略直進して透過した一部の第三波長レーザ光は、光路L3fを通りFMD43に達する。また、PBS40内を略直角に反射して透過した大部分の拡大光の第三波長レーザ光は、光路L3aを通り、CL45を透過する。
CL45を透過して略平行光となった第二波長のレーザ光は、光路L3bを通りLCD50を通り抜ける。CD規格の光ディスクのデータが再生されるとき、又は、CD規格の光ディスクにデータが記録されるときに、LCD50におけるLD20側の光路L3bからLCD50に入射された直線偏光S波の第三波長レーザ光は、例えば偏光状態が変えられることなく、直線偏光S波の第三波長レーザ光として、LCD50におけるOBL70側の光路L3cに出射される。LCD50を透過した直線偏光S波の第三波長レーザ光は、光路L3cを通りエキスパンダレンズ52,53に達する。
LCD50を透過した直線偏光S波の第三波長レーザ光は、例えば凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52および凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過する。CD規格の光ディスクにデータの記録が行われたり、CD規格の光ディスクに記録されたデータが再生されたりするときに、例えば、固定側の凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52に対し、可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53は、予め定められた位置に固定される。
ビームエキスパンダユニット51の一対のビームエキスパンダレンズ52,53を透過したS波の第三波長レーザ光は、光路L3eを通り、偏光性ミラー55に達する。偏光性ミラー55の表側面55aに、S波またはP波に関わりなく波長約765〜830nmの赤外光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、S波の第三波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。
偏光性ミラー55を略直角に反射したS波の第三波長レーザ光は、光路L5aを通り、開口制限付広帯域QWP57を通り抜ける。開口制限付広帯域QWP57は、波長約765〜830nmとされるCD用の第三波長レーザ光の透過を制限させ、且つ、直線偏光のCD用の第三波長レーザ光を円偏光のCD用の第三波長レーザ光に変えたり、円偏光のCD用の第三波長レーザ光を直線偏光のCD用の第三波長レーザ光に変えたりする。波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)又は、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)が開口制限付広帯域QWP57を通り抜けるときに、開口制限付広帯域QWP57は、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたりする。直線偏光が円偏光にされ、QWP57と、CD用光ディスクとの間のレーザ光が円偏光とされることにより、例えばCD用光ディスクが粗悪なものとされていても、CD用光ディスクに対するデータの記録/再生動作は正常に行われる。また、直線偏光が円偏光にされ、QWP57と、CD用光ディスクとの間のレーザ光が円偏光とされることにより、CD用光ディスクに対し、データの書込み/再生が行われるときの特性が向上する。
第三波長レーザ光が光路L5aを通って開口制限付広帯域QWP57を透過する時に、直線偏光S波の第三波長レーザ光は、円偏光となる。直線偏光S波の第三波長レーザ光は、開口制限付広帯域QWP57において、例えば右旋回または左旋回の円偏光になる。直線偏光S波のレーザ光が開口制限付広帯域QWP57によって円偏光とされた状態の光を、例えば正転状態の円偏光と呼ぶ。
また、CD用の波長約765〜830nmの第三波長レーザ光が、開口制限付広帯域QWP57を通り抜けるときに、第三波長レーザ光の位相補正が行われる。第三波長レーザ
光が開口制限付広帯域QWP57を通過するときに、第三波長レーザ光は、マスクされた状態でOBL70に入り、OBL70により絞り込まれる。これにより、第三波長レーザ光は、開口数略0.45または略0.5のOBL(図示せず)により絞り込まれるのと同じ状態で、OBL70により絞り込まれる。OBL70の実際の開口数は、略0.6または略0.65とされているが、光路に開口制限付広帯域QWP57が設けられていれば、第三波長レーザ光は、マスクされた状態でOBL70に入るので、開口数略0.45〜0.51のOBL(図示せず)が用いられて絞り込まれるのと同じ状態で、CD用光ディスクに集光される。開口制限付広帯域QWP57が光路中に装備されることにより、開口数略0.6〜0.66の一つのOBL70が用いられていても、OBL70は、例えば開口数約0.37〜0.95、実質的に開口数略0.45〜0.66として機能する。
光路L5aを通り、開口制限付広帯域QWP57を透過して位相補正が行われると共に正転状態の円偏光となった第三波長レーザ光は、光路L5bを通り、第二のOBL70を通り抜ける。略平行光となっている円偏光の第三波長レーザ光は、NA略0.6〜0.66の第二OBL70によって収束光となり、光路L5cを通ってCD規格の光ディスクの信号部に照射される(何れも図示せず)。
CD用光ディスクに対し、レンズホルダ(図示せず)に装備された第二OBL70のフォーカシングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、フォーカシングコイル171(図1)を備える不図示のアクチュエータによりフォーカシング方向Df(図2,図3)に沿って動かされる。また、CD用光ディスクに対し、不図示のレンズホルダに装備された第二OBL70のトラッキングサーボが行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、トラッキングコイル172(図1)を備える不図示のアクチュエータによりトラッキング方向Dr(図2,図3)に沿って動かされる。また、CD用光ディスクに対し、レンズホルダに装備された第二OBL70のチルト制御が行われるときに、第二OBL70を備えるレンズホルダは、例えばチルトコイル173(図1)を備える不図示のアクチュエータにより傾けられつつ揺動される。
第二LD20(図2)から出射された拡大光の直線偏光P波の第三波長レーザ光は、光路L2aと光路L2bとの間に位置するDOE25により直線偏光S波とされる。直線偏光S波となった第三波長レーザ光は、光路L2bと光路L2eと光路L2dとの境界に位置する偏光性ミラー35により略直角に反射され、光路L2eと光路L3aと光路L1dとの境界に位置する第二PBS40内を略直角に反射して通り抜け、光路L3aと光路L3bとの間に位置するCL45により拡大光から略平行光に変えられ、偏光状態が変化されることなく光路L3bと光路L3cとの間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3c,L3d,L3e内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ52,53を通り抜け、光路L3eと光路L5aと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、光路L5aと光路L5bとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57により、位相補正が行われると共に直線偏光S波から例えば正転状態の円偏光に変えられる。正転状態の円偏光となった第三波長レーザ光は、光路L5bと光路L5cとの間に位置する第二OBL70により収束光とされ、CD規格の光ディスクの信号部に集光される。第二波長のレーザ光は、このように往路をたどり、第二メディアとされるCD規格の光ディスクに集光される。
次に、CD規格の光ディスクに対し反射した第三波長レーザ光の復路について説明する。第三波長レーザ光がCD規格の光ディスクの信号部にて反射されるときに、正転状態の円偏光の第三波長レーザ光は、反転状態の円偏光となる。正転状態の円偏光が反転された状態の光を、例えば反転状態の円偏光と呼ぶ。CD規格の光ディスクの信号部を反射した反転状態の円偏光の第三波長レーザ光は、拡大光となって光路L5cを通り、第二OBL70を透過して拡大光から略平行光となり、光路L5bを通り、開口制限付広帯域QWP
57に達する。
反転状態の円偏光の第三波長レーザ光が光路L5bを通って開口制限付広帯域QWP57を透過したときに、反転状態の円偏光の第三波長レーザ光は、直線偏光P波となる。直線偏光P波となった第三波長レーザ光は、光路L5aを通り、偏光性ミラー55において略直角に反射する。偏光性ミラー55の表側面55aに、P波またはS波に関わりなく、波長約765〜830nmのCD用レーザ光(第三波長レーザ光)と、波長約630〜685nmのDVD用レーザ光(第二波長レーザ光)とを反射させる特殊偏光性皮膜55cが設けられているので、P波の第一波長レーザ光は、偏光性ミラー55を略直角に反射する。偏光性ミラー55において略直角に反射したP波の第三波長レーザ光は、光路L3eを通り、凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を透過し、光路L3dを通り、凹レンズ型ビームエキスパンダレンズ52を透過し、光路L3cを通ってLCD50に達する。
CD規格の光ディスクのデータが再生されるとき、又は、CD規格の光ディスクにデータが記録されるときに、LCD50におけるOBL70側の光路L3cからLCD50に入射された直線偏光P波の第三波長レーザ光は、例えば偏光状態が変えられることなく、直線偏光P波の第三波長レーザ光として、LCD50におけるLD20側の光路L3bに出射される。LCD50を透過した直線偏光P波の第三波長レーザ光は、光路L3bを通りCL45に達する。
略平行光の直線偏光P波の第三波長レーザ光がCL45を透過するときに、第三波長レーザ光は、収束光の直線偏光P波の第三波長レーザ光となる。CL45を透過して収束光となった第三波長レーザ光は、光路L3aを通り第二PBS40に達する。
PBS40内に、P波またはS波に関わりなく、波長約765〜830nmの赤外レーザ光とされるCD用の第三波長レーザ光を略直角に反射させ、波長約630〜685nmの赤色をしたDVD用の第二波長レーザ光を略直角に反射させる特殊偏光性皮膜40cが設けられているので、PBS40に入射された大部分の直線偏光P波の第三波長レーザ光は、PBS40内を略直角に反射してPBS40から出射され、光路L2eを通り偏光性ミラー35に達する。
偏光性ミラー35の表側面35aに、直線偏光P波を略直進させて透過させ、直線偏光S波を略直角に反射させる特殊皮膜35cが設けられているので、偏光性ミラー35の表側面35aに直線偏光P波の第三波長レーザ光が照射されたときに、直線偏光P波の第三波長レーザ光は、偏光性ミラー35の表側面35aから偏光性ミラー35の内部35nを透過し偏光性ミラー35の裏側面35bからセンサレンズ82に向けて出射する。偏光性ミラー35に入射された直線偏光P波の第三波長レーザ光は、偏光性ミラー35を通り抜け、光路L2dを通り第二センサレンズ82に達する。
直線偏光P波の第三波長レーザ光がセンサレンズ82を透過するときに、第三波長レーザ光に非点収差が生じる。センサレンズ82を透過した第三波長レーザ光は、光路L2cを通ってPDIC92に達する。
CD規格の光ディスクの信号部にて反射されて反転状態の円偏光となった拡大光の第三波長レーザ光は、光路L5cと光路L5bとの間に位置する第二OBL70により略平行光とされ、光路L5bと光路L5aとの間に位置する開口制限付広帯域QWP57を通り抜けるときに直線偏光P波とされる。直線偏光P波となった第三波長レーザ光は、光路L5aと光路L3eと光路L4aとの境界に位置する偏光性ミラー55により略直角に反射され、光路L3e,L3d,L3c内に位置決め固定された一対のビームエキスパンダレンズ53,52を通り抜け、偏光状態が変化されることなく光路L3cと光路L3bとの
間に位置するLCD50を通り抜け、光路L3bと光路L3aとの間に位置するCL45により略平行光から収束光に変えられ、光路L3aと光路L2eと光路L1dとの境界に位置する第二PBS40内を略直角に反射して通り抜け、光路L2eと光路L2dと光路L2bとの境界に位置する偏光性ミラー35を通り抜け、光路L2dと光路L2cとの間に位置するセンサレンズ82を透過することにより非点収差が生じた光とされて、光路L2cの終端に位置するPDIC92に照射される。CD規格の光ディスクを反射した第二波長のレーザ光は、このように復路をたどり、第二PDIC92に照射される。
OPU2の第二LD20は、複数種類の波長のレーザ光を出射可能なLD20として構成されている。詳しく説明すると、OPU2の第二LD20は、DVD用の第二波長レーザ光と、「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用の第一波長レーザ光と異なる波長とされると共にDVD用の第二波長レーザ光と異なる波長とされるCD用の第三波長レーザ光とを出射可能な二波長LD20とされている。
二波長LD20等に代表される複数種類の波長のレーザ光を出射可能なLD20が用いられることにより、多種のメディアM10,M20等に対応可能なOPU2が構成されると共に、OPU2の部品点数の削減化が図られる。第二LD20は、DVD用の第二波長レーザ光と、「Blu-ray Disc」用および/または「HD DVD」用の第一波長レーザ光と異なる波長とされると共にDVD用の第二波長レーザ光と異なる波長とされるCD用の第三波長レーザ光との二種類の波長光を出射可能な二波長LD20として構成されているので、OPU2は、多種のメディアM10,M20等に対応可能となる。また、これと共に、DVD用の第二波長レーザ光を出射可能なLDと、CD用の第三波長レーザ光を出射可能なLDとが、一つのLD20としてまとめられているので、OPU2の部品削減化、軽量化、小型化、価格低減化が図られる。従って、多種の光ディスクM10,M20等に対応可能とされると共に、部品削減化、軽量化、小型化、軽薄化、価格低減化などが図られたOPU2の提供が可能となる。
また、OPU2のDOE25は、DVD用の第二波長レーザ光と、CD用の第三波長レーザ光との二波長に対応可能なDOE25とされている。また、OPU2の第二偏光性ミラー35は、DVD用の第二波長レーザ光と、CD用の第三波長レーザ光との二波長に対応可能な偏光性ミラー35とされている。また、OPU2の第二センサレンズ82は、DVD用の第二波長レーザ光と、CD用の第三波長レーザ光との二波長に対応可能なセンサレンズ82とされている。また、OPU2の第二PDIC92は、DVD用の第二波長レーザ光と、CD用の第三波長レーザ光との二波長に対応可能なPDIC92とされている。
DVD用の第二波長レーザ光と、CD用の第三波長レーザ光との二波長に対応可能なDOE25と、偏光性ミラー35と、センサレンズ82と、PDIC92とが用いられることにより、OPU2の部品削減化、軽量化、小型化、価格低減化が図られる。
また、上記不図示のスピンドルモータ、LD10,20、FMD43、液晶補正素子50、可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ53を有するビームエキスパンダユニット51用の可動モータ(図示せず)、PDIC91,92などは、フレキシブルプリント回路体(図示せず)などのフレキシブル基板(図示せず)に通電可能に接続されている。フレキシブルプリント回路体(Flexible Printed Circuit)は、「FPC」と略称される。FPCは、複数の回路導体(図示せず)が絶縁シート(図示せず)に印刷されて、例えば銅箔などの金属箔(図示せず)が絶縁シートに並設され、その上に透明もしくは半透明の保護層(図示せず)が設けられて構成される。
上記OPU2(図2)は、上記LDDと、複数の上記LD10,20と、上記DOE2
5と、複数の上記PBS30,40と、複数の上記偏光性ミラー35,55と、上記FMD43と、上記CL45と、上記LCD50と、複数の上記エキスパンダレンズ52,53並びに上記可動モータを有する上記エキスパンダユニット51と、上記反射性ミラー56と、上記開口制限付広帯域QWP57と、複数の上記OBL60,70と、上記レンズホルダと、複数の上記センサレンズ81,82と、複数の上記PDIC91,92と、複数の上記フォーカシングコイル171(図1)と、複数の上記トラッキングコイル172と、複数の上記チルトコイル173と、複数の上記FPCと、これらが備えられる上記ハウジングとを備えて構成される。
このように上記OPU2は、上記各種のものを備えて構成される。上記各種のものは、不図示のハウジングに装備される。ハウジングなどを備えるOPU2は、図示されたもの以外に、他のもの(図示せず)も備えるものとされているが、図1及び図2においては、便宜上、それらの他のものを省略した。
また、このOPU2(図2)は、光ディスクM10の信号面部M15や光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて、各種光ディスクM10,M20等に記録された音楽データ等の各種データ/情報の読取りが実行可能とされたOPU2とされている。また、このOPU2は、光ディスクM10の信号面部M15や光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて、各種光ディスクM10,M20等への音楽データ等の各種データ/情報の書込み/書換えが実行可能とされたOPU2とされている。また、このOPU2は、光ディスクM10の信号面部M15や光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて、各種光ディスクM10,M20等に記録された音楽データ等の各種データ/情報の消去が実行可能とされたOPU2とされている。
OPU2に装備されたLCD50は、液晶分子を自在にコントロールすることが可能なものとされている。LCD50が用いられることにより、レーザ光が光ディスクM10,M20に当てられたときに、光ディスクM10,M20におけるコマ収差や球面収差などの収差発生が抑えられる。コマ収差とは、光軸から離された物点から斜めに入った光がレンズを通して結像されるときに、点とならずに広がって例えば彗星状に見える現象を意味する。
このように、このOPU2は、第一波長レーザ光が光ディスクM10に当てられて、光ディスクM10の信号部M15に集光スポットS1が照射形成されたときに、集光スポットS1にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させるLCD50を備えて構成されている。また、このOPU2は、第二波長レーザ光が光ディスクM20に当てられて、光ディスクM20の信号部M25に集光スポットS2が照射形成されたときに、集光スポットS2にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させるLCD50を備えて構成されている。LCD50は、「Blu-ray Disc」用もしくは「HD DVD」用の青紫色をした波長約350〜450nmの第一波長レーザ光、及び、DVD用の赤色をした波長約630〜685nmの第二波長レーザ光に対し有効に働く。
LCD50について詳しく説明すると、このLCD50は、光ディスクM10,M20に照射されるレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる役割をも果す。
例えばポリカーボネート(polycarbonate:PC)系樹脂等の熱可塑性の耐熱/透明性合成樹脂材料が用いられて射出成形法に基づき、光ディスクM10(図2,図3(A))の基板M11,M12が形成されるときに、光ディスクM10の基板M11,M12に複屈折が生じることがある。また、例えば、透明性紫外線硬化型樹脂材料、透明性合成樹脂材料などの透明性材料を含む混合液が用いられて、例えばスピンコート法に基づいて光デ
ィスクM10の基板M11が形成されたときに、光ディスクM10の基板M11に複屈折が生じることがある。また、例えばポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性の耐熱/透明性合成樹脂材料が用いられて射出成形法に基づき、光ディスクM20(図2,図3(B))の基板M21,M22が形成されるときに、光ディスクM20の基板M21,M22に複屈折が生じることがある。
複屈折として、例えば、ディスク成形用金型の温度分布の「ばらつき」などによって生じる熱応力に起因した複屈折が挙げられる。また、ディスク成形用金型のキャビティ内に樹脂材料が流し込まれてディスクM10,M20が成形されるときに、樹脂材料の流動残留応力に起因した複屈折が挙げられる。これらは、固有複屈折と呼ばれる。一方、固有複屈折と異なる複屈折として、ディスクM10,M20が回転したときに生じる応力によりディスクM10,M20に発生する応力複屈折が挙げられる。また、ディスクM10,M20に伝えられる熱などによりディスクM10,M20に発生する配向屈折率の変化によるものも複屈折に関連するものとして挙げられる。
このOPU2(図2)は、「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因したレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち、何れか一方または両方を併せて補正させると共に、垂直複屈折が少ない光ディスクM10または垂直複屈折が殆ど生じない光ディスクM10に対して良好に対応可能なLCD50を備えている。
また、このLCD50は、「HD DVD」規格もしくは「DVD」規格の光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因したレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち、何れか一方または両方を併せて補正させると共に、垂直複屈折が少ない光ディスクM20または垂直複屈折が殆ど生じない光ディスクM20に対して良好に対応可能なLCD50とされている。
各透明樹脂基板M11,M12,M21,M22等を形成する材料として、例えばポリカーボネート系樹脂等の射出成形が可能な熱可塑性の耐熱/透明性合成樹脂材料が挙げられる。例えば「ASTM D542」に基づく試験が行われて、ポリカーボネート系樹脂等の透明樹脂の屈折率が測定されたときに、ポリカーボネート系樹脂等の透明樹脂の屈折率は、例えば略1.45〜略1.65とされる。具体的に説明すると、例えば「ASTM
D542」に基づく試験が行われて、ポリカーボネート樹脂の屈折率が測定されたときに、ポリカーボネート樹脂の屈折率は、例えば略1.55〜略1.65とされる。
より詳しく説明すると、波長が約350〜450nm、基準とされる波長が略405nmの青紫色レーザ光とされる「HD DVD」用および/または「Blu-ray Disc」用のレーザ光がポリカーボネート樹脂成形体に照射させられたときの屈折率は、略1.62とされる。また、波長が約630〜685nm、基準とされる波長が略635nmまたは650nmの赤色レーザ光とされるDVD用のレーザ光がポリカーボネート樹脂成形体に照射させられたときの屈折率は、略1.58とされる。また、波長が約765〜830nm、基準とされる波長が略780nmの赤外レーザ光とされるCD用のレーザ光がポリカーボネート樹脂成形体に照射させられたときの屈折率は、略1.57とされる。
光ディスクM10,M20に照射されるレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させると共に、垂直複屈折が少ない光ディスクM10,M20または垂直複屈折が殆ど生じない光ディスクM10,M20に対して良好に対応可能なLCD50がOPU2に備えられていれば、各種光ディスクM10,M20の信号面部M15,M25にレーザ光が照射されたときに生じるレーザ光の複屈折は、抑えられる。例えば、「Blu-ray Disc」や、「HD DVD」などに対応するOPU2においては
、NAの大きいOBL60,70が用いられている。
NAの大きいOBL60によりレーザ光が収束されて「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号面部M15にレーザ光が照射されたときに、光ディスクM10の信号面部M15に照射形成されるスポットS1の収差は、光ディスクM10の透明基板M11,M12による複屈折により特殊な収差となることがある。「Blu-ray Disc」規格の光ディスクM10の信号面部M15に照射形成されるスポットS1の収差は、光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12の複屈折により、光ディスクM10の信号面部M15に照射形成されるレーザ光のスポットS1の中心部付近と、レーザ光のスポットS1の周縁部付近とでは、収差度合いが異なる。
光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因して生じる垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させるLCD50がOPU2に備えられていれば、光ディスクM10の信号面部M15にレーザ光を照射させて光ディスクM10のデータ/情報を読み取るときや、光ディスクM10の信号面部M15にレーザ光を照射させて光ディスクM10へデータ/情報を書き込んだり書き換えたりするときや、光ディスクM10の信号面部M15にレーザ光を照射させて光ディスクM10のデータ/情報を消去するときに、光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因して、光ディスクM10の透明樹脂基板M11,M12に生じるレーザ光の複屈折により、光ディスクM10の信号面部M15に照射形成されたレーザ光のスポットS1の収差補正に悪影響が及ぼされるということは回避され易くなる。
また、NAの大きいOBL70によりレーザ光が収束されて「HD DVD」規格もしくは「DVD」規格の光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光が照射されたときに、光ディスクM20の信号面部M25に照射形成されるスポットS2の収差は、光ディスクM20の透明基板M21,M22による複屈折により特殊な収差となることがある。「HD DVD」規格もしくは「DVD」規格の光ディスクM20の信号面部M25に照射形成されるスポットS2の収差は、光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22の複屈折により、光ディスクM20の信号面部M25に照射形成されるレーザ光のスポットS2の中心部付近と、レーザ光のスポットS2の周縁部付近とでは、収差度合いが異なる。
光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因して生じる垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させるLCD50がOPU2に備えられていれば、光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて光ディスクM20のデータ/情報を読み取るときや、光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて光ディスクM20へデータ/情報を書き込んだり書き換えたりするときや、光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光を照射させて光ディスクM20のデータ/情報を消去するときに、光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因して、光ディスクM20の透明樹脂基板M21,M22に生じるレーザ光の複屈折により、光ディスクM20の信号面部M25に照射形成されたレーザ光のスポットS2の収差補正に悪影響が及ぼされるということは回避され易くなる。
なお、LCD50を備えるOPU2は、垂直複屈折が少ない光ディスクM10,M20または垂直複屈折が殆ど生じない光ディスクM10,M20に対しても、問題なく良好に対応する。
例えば上記光検出器91,92(図2)のメイン受光部(50)(図4(B),図5(A))に対応して、LCD50が平面視されたときに、LCD50は、少なくとも複数の略矩形に四分割されて、例えば略矩形の四つの領域50i,50ii,50iii,50ivに
分けられる。また、LCD50が平面視されたときに、LCD50は、複数の径の異なる各同心円状に少なくとも四分割されて、LCD50の各補正パターン(50a),50b,50c,50dは、中心が略一致された径の異なる略リング状に形成されている。例えば上記光検出器91,92(図2)のメイン受光部(50)(図4(B),図5(A))に対応して、LCD50は、例えば少なくとも十二に分割されている。
詳しく説明すると、例えば上記光検出器91,92(図2)のメイン受光部(50)(図4(B),図5(A))に対応して、LCD50は、LCD50全体が平面視されたときに略矩形状に複数分割され、且つ、直径が異なる略正円状に複数分割され、各円状輪郭線の中心部が略一致して、少なくとも十六、具体的には二十の領域50ia,50iia,50iiia,50iva,50ib,50iib,50iiib,50ivb,50ic,50iic,50iiic,50ivc,50id,50iid,50iiid,50ivd,50ie,50iie,50iiie,50iveに区画割りされて、少なくとも十六、具体的には二十の領域50ia,50iia,50iiia,50iva,50ib,50iib,50iiib,50ivb,50ic,50iic,50iiic,50ivc,50id,50iid,50iiid,50ivd,50ie,50iie,50iiie,50ive内の液晶材料が各々分離された状態で仕切られて分割されている。
平面視略正方形状をしたLCD50の略中央部に位置する略正円状または略リング状の第一補正パターン50aは、LCD50の略中央部右上に位置する略扇状の第一領域50iaと、第一領域50iaの左側に隣り合う略扇状の第二領域50iiaと、第二領域50iiaの下側に隣り合う略扇状の第三領域50iiiaと、第三領域50iiiaの右側に隣り合う略扇状の第四領域50ivaとを備えて構成されている。
また、略正円状または略リング状の第一補正パターン50aの外側に位置する略リング状の第二補正パターン50bは、LCD50の略中央部よりも右上に位置する略扇状の第五領域50ibと、第五領域50ibの左側に隣り合う略扇状の第六領域50iibと、第六領域50iibの下側に隣り合う略扇状の第七領域50iiibと、第七領域50iiibの右側に隣り合う略扇状の第八領域50ivbとを備えて構成されている。
また、略リング状の第二補正パターン50bの外側に位置する略リング状の第三補正パターン50cは、LCD50の略中央部よりも右上に位置する略扇状の第九領域50icと、第九領域50icの左側に隣り合う略扇状の第十領域50iicと、第十領域50iicの下側に隣り合う略扇状の第十一領域50iiicと、第十一領域50iiicの右側に隣り合う略扇状の第十二領域50ivcとを備えて構成されている。
また、略リング状の第三補正パターン50cの外側に位置する略リング状の第四補正パターン50dは、LCD50の略中央部よりも右上に位置する略扇状の第十三領域50idと、第十三領域50idの左側に隣り合う略扇状の第十四領域50iidと、第十四領域50iidの下側に隣り合う略扇状の第十五領域50iiidと、第十五領域50iiidの右側に隣り合う略扇状の第十六領域50ivdとを備えて構成されている。
また、平面視略正方形状をしたLCD50の右上側に位置する略正方形状の第一矩形領域50iは、LCD50の略中央部右上に位置する略扇状の第一領域50iaと、第一領域50iaの外側に位置する略扇状の第五領域50ibと、第五領域50ibの外側に位置する略扇状の第九領域50icと、第九領域50icの外側に位置する略扇状の第十三領域50idと、第十三領域50idの外側に位置する異形状をした第十七領域50ieとを備えて構成されている。
また、平面視略正方形状をしたLCD50の左上側に位置する略正方形状の第二矩形領
域50iiは、LCD50の略中央部左上に位置する略扇状の第二領域50iiaと、第二領域50iiaの外側に位置する略扇状の第六領域50iibと、第六領域50iibの外側に位置する略扇状の第十領域50iicと、第十領域50iicの外側に位置する略扇状の第十四領域50iidと、第十四領域50iidの外側に位置する異形状をした第十八領域50iieとを備えて構成されている。
また、平面視略正方形状をしたLCD50の左下側に位置する略正方形状の第三矩形領域50iiiは、LCD50の略中央部左下に位置する略扇状の第三領域50iiiaと、第三領域50iiiaの外側に位置する略扇状の第七領域50iiibと、第七領域50iiibの外側に位置する略扇状の第十一領域50iiicと、第十一領域50iiicの外側に位置する略扇状の第十五領域50iiidと、第十五領域50iiidの外側に位置する異形状をした第十九領域50iiieとを備えて構成されている。
また、平面視略正方形状をしたLCD50の右下側に位置する略正方形状の第四矩形領域50ivは、LCD50の略中央部右下に位置する略扇状の第四領域50ivaと、第四領域50ivaの外側に位置する略扇状の第八領域50ivbと、第八領域50ivbの外側に位置する略扇状の第十二領域50ivcと、第十二領域50ivcの外側に位置する略扇状の第十六領域50ivdと、第十六領域50ivdの外側に位置する異形状をした第二十領域50iveとを備えて構成されている。
なお、この明細書における「上」、「下」、「左」、「右」の定義は、LCD50や、OPU2(図2)や、光ディスク装置1(図1)等を説明するための便宜上の定義とされている。
光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15にレーザ光が照射されて光ディスクM10の信号面部M15に照射形成される略円状のスポットS1の収差補正は、中心が略一致された径の異なる略リング状の複数の補正パターン50a,50b,50c,50d(図4(B),図5(A))を備えるLCD50により良好に行われる。また、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25にレーザ光が照射されて光ディスクM20の信号面部M25に照射形成される略円状のスポットS2の収差補正は、中心が略一致された径の異なる略リング状の複数の補正パターン50a,50b,50c,50d(図4(B),図5(A))を備えるLCD50により良好に行われる。

略円状のスポットS1又はS2(図2,図3)の収差補正は、図4(B)および図5(A)に示す平面視少なくとも十二、好ましくは十六に分割された領域50ia,50iia,50iiia,50iva,50ib,50iib,50iiib,50ivb,50ic,50iic,50iiic,50ivc,50id,50iid,50iiid,50ivdを備えるLCD50により良好に行われる。
図4(B)に示すLCD50によってレーザ光のスポット補正が行われるときに、例えば図4(A)の如く、波形が複数に分けられる。レーザ光のスポットの球面収差補正が行われる前の波形(図4(A))は、図4(B)および図5(A)に示すLCD50によって、レーザ光のスポットの球面収差補正および複屈折補正が同時に行われることにより、例えば図5(B)の如く、波面の最大−最小値PVcが小さくされた鋭利な波形となる。
光ディスクM10(図2,図3(A))を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因した複屈折量に対応して、LCD50(図2)に印加される電圧を調整させて、光ディスクM10に照射されるレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる。
LCD50の印加電圧を調整することにより、光ディスクM10の信号面部M15にレーザ光が照射されて光ディスクM10の信号面部M15に照射形成されるスポットS1の収差補正は、良好に行われる。光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因したレーザ光の複屈折量に対応して、LCD50に印加される電圧が調整されることにより、光ディスクM10を構成する透明樹脂基板M11,M12に起因するレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正が併せて行われる。
また、光ディスクM20(図2,図3(A))を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因した複屈折量に対応して、LCD50(図2)に印加される電圧を調整させて、光ディスクM20に照射されるレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させる。
LCD50の印加電圧を調整することにより、光ディスクM20の信号面部M25にレーザ光が照射されて光ディスクM20の信号面部M25に照射形成されるスポットS2の収差補正は、良好に行われる。光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因したレーザ光の複屈折量に対応して、LCD50に印加される電圧が調整されることにより、光ディスクM20を構成する透明樹脂基板M21,M22に起因するレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正が併せて行われる。
例えばスポットS1(図3(A)),S2(図3(B))の球面収差補正が行われるときに、平面視略正方形状をしたLCD50(図4(B),図5(A))の略中央部に位置する略正円リング状の第一補正パターン50aに印加させる電圧と、第一補正パターン50aの外側に位置する略リング状の第二補正パターン50bに印加させる電圧と、第二補正パターン50bの外側に位置する略リング状の第三補正パターン50cに印加させる電圧と、第三補正パターン50cの外側に位置する略リング状の第四補正パターン50dに印加させる電圧とを各々変化させる。
このときに、ディスク基板M11(図3(A)),M21(図3(B))に、例えばフォーカシング方向Dfに略沿ったレーザ光の垂直複屈折が生じているときには、例えば、略正円状の第一補正パターン50a(図4(B),図5(A))に印加させる電圧と、略リング状の第二補正パターン50bに印加させる電圧と、略リング状の第三補正パターン50cに印加させる電圧と、略リング状の第四補正パターン50dに印加させる電圧とをさらに各々微調整させて、レーザ光の垂直複屈折に対応させる。
また、ディスク基板M11(図3(A)),M21(図3(B))に、例えばメディア半径方向Drいわゆるトラッキング方向Drに略沿ったレーザ光の面内複屈折が生じているときには、例えば、平面視略正方形状をしたLCD50(図4(B),図5(A))の右上側に位置する略正方形状の第一矩形領域50iおよび第一矩形領域50iの下側に位置する略正方形状の第四矩形領域50ivに印加させる電圧と、第一矩形領域50iの左側に位置する略正方形状の第二矩形領域50iiおよび第二矩形領域50iiの下側に位置する略正方形状の第三矩形領域50iiiに印加させる電圧とを各々微調整させて、メディア半径方向Drに略沿ったレーザ光の面内複屈折に対応させる。
また、ディスク基板M11(図3(A)),M21(図3(B))に、例えばフォーカシング方向Dfおよびメディア半径方向Drに対し略直交する方向とされるタンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折が生じているときには、例えば、平面視略正方形状をしたLCD50(図4(B),図5(A))の右上側に位置する略正方形状の第一矩形領域50iおよび第一矩形領域50iの対角下側に位置する略正方形状の第三矩形領域50iiiに印加させる電圧や、第一矩形領域50iの左側に位置する略正方形状の
第二矩形領域50iiおよび第二矩形領域50iiの対角下側に位置する略正方形状の第四矩形領域50ivに印加させる電圧を各々微調整させて、タンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折に対応させる。
具体的に説明すると、ディスク基板M11(図3(A)),M21(図3(B))に、例えばフォーカシング方向Dfおよびメディア半径方向Drに対し略直交する方向とされるタンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折が生じているときには、例えば、平面視略正方形状をしたLCD50(図4(B),図5(A))の略中央部に位置する略扇状の第一領域50iaおよび第一領域50iaの略対角上に位置する略扇状の第三領域50iiiaに印加させる電圧と、第一領域50iaの外側に位置する略扇状の第五領域50ibおよび第五領域50ibの略対角上に位置する略扇状の第七領域50iiibに印加させる電圧と、第五領域50ibの外側に位置する略扇状の第九領域50icおよび第九領域50icの略対角上に位置する略扇状の第十一領域50iiicに印加させる電圧と、第九領域50icの外側に位置する略扇状の第十三領域50idおよび第十三領域50idの略対角上に位置する略扇状の第十五領域50iiidに印加させる電圧とを各々微調整させて、タンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折に対応させる。
また、ディスク基板M11(図3(A)),M21(図3(B))に、例えばフォーカシング方向Dfおよびメディア半径方向Drに対し略直交する方向とされるタンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折が生じているときには、例えば、平面視略正方形状をしたLCD50(図4(B),図5(A))の略中央部に位置する略扇状の第二領域50iiaおよび第二領域50iiaの略対角上に位置する略扇状の第四領域50ivaに印加させる電圧と、第二領域50iiaの外側に位置する略扇状の第六領域50iibおよび第六領域50iibの略対角上に位置する略扇状の第八領域50ivbに印加させる電圧と、第六領域50iibの外側に位置する略扇状の第十領域50iicおよび第十領域50iicの略対角上に位置する略扇状の第十二領域50ivcに印加させる電圧と、第十領域50iicの外側に位置する略扇状の第十四領域50iidおよび第十四領域50iidの略対角上に位置する略扇状の第十六領域50ivdに印加させる電圧とを各々微調整させて、タンジェンシャル方向Dtに略沿ったレーザ光の面内複屈折に対応させる。
このように、このOPU2の複屈折補正方法は、LCD50を用いてレーザ光のスポットS1,S2の球面収差補正を行うのと同時に、LCD50の印加電圧を調整させて、光ディスクM10,M20の内面複屈折と垂直複屈折とを補正させるOPU2の複屈折補正方法とされる。
LCDを用いてレーザ光のスポット(S1,S2)の球面収差補正のみを単に行うOPUの複屈折補正方法に対し、上記OPU2の複屈折補正方法においては、上記LCD50を用い、LCD50の印加電圧を調整させて、レーザ光のスポットS1,S2の球面収差補正を行うと共に、光ディスクM10,M20に照射されるレーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正を併せて行う。
LCDを用いてレーザ光のスポット(S1,S2)の球面収差のみを単に補正するスポット補正方法に対し、上記OPU2の複屈折補正方法を行うことにより、光のスポット補正が行われたのちのスポット補正波形/形状(図5(B),図8(B))や、光のスポットの球面収差補正が行われた後の波面の最大−最小値PVc(図5(B)),PVb(図8(B))等が変化する。LCDを用いてレーザ光のスポット(S1,S2)の球面収差のみを単に補正するスポット補正方法に対し、上記OPU2の複屈折補正方法を行うことにより、レーザ光のスポットS1,S2の波形、形状の補正効果が異なる。
上記LCD50を備えるOPU2を用いて、上記OPU2の複屈折補正方法を行うことにより、レーザ光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方の補正が行われ、レーザ光のスポットS1,S2における球面収差値などの収差値が例えば略0.075λrms以下に抑えられやすくなる。具体的に説明すると、レーザ光のスポットS1,S2における球面収差値などの収差値が、例えば略0〜0.05λrms内に収められやすくなる。
複屈折の影響を数値計算にて見積もるときには、例えば図6に示す複屈折楕円体Gからジョーンズ行列を用いて計算する。ジョーンズ行列とは、偏光子や位相板などの特性を現す2行2列のマトリックスである。図6においては、光学軸Jaに対し、波面法線Jnが傾けられた状態が示されている。
ここで、例えば、メディア半径方向Dr(図2,図3(A)(B))いわゆるディスク半径方向Drに略沿った軸をX軸と定め、タンジェンシャル方向Dtに略沿った軸をY軸と定め、フォーカシング方向Dfに略沿った軸をZ軸と定める。このときに、光ディスクM10(図2,図3(A))の基板M11のジョーンズ行列や、光ディスクM20(図2,図3(B))の基板M21又は基板M22のジョーンズ行列を例えば「T」と定義する。また、例えば光が進む方向は、Z軸いわゆる光学軸Ja(図6)とされる。
例えば結晶の光学弾性軸(例えば屈折率楕円体の切断面の長軸、短軸)が例えば右回りにθほど回転させられる。θは、例えば二つの光学弾性軸のうちF軸からの角度とされる。F軸とは、例えば速度の速い光の振動方向とされ、例えばfast軸と呼ばれている。また、例えばX軸方向の位相がαだけ進められている場合を仮定する。このときに、例えば結晶のF軸がX軸よりθの角度をなし、F軸方向に振動する波の位相が結晶を透過しαほど進む。これらのことを例えば式を用いて示すと、例えば下記(1)式に基づいたジョーンズ行列Tとして示される。
Figure 2008210501
但し、上の式(1)に示されるφは、下記(2)式に基づいて求められる。
Figure 2008210501
式(1)中のθ+φおよびαは、例えば、X,Yの関数とされている。
赤外光、濃い赤色の光、赤色の光等の比較的波長の長い光の屈折率は小さく、紫外光、紫色の光、青紫色の光、青色の光等の比較的波長の短い光の屈折率は大きいことから、こ
のOPU2および光ディスク装置1は、波長略350〜450nm、基準とされる波長が略405nmの青紫色レーザ光を少なくとも出射可能な「HD DVD」規格および/または「Blu-ray Disc」規格に対応するOPU2およびそれを備える光ディスク装置1に適用されるとよい。
上記OPU2(図2)は、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」,「HD DVD−ROM」,「BD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」,「HD DVD−R」,「BD−R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD DVD−RW」,「HD DVD−RAM」,「BD−RE」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクに対応したものとされる。
次に、上記OPU2を備える光ディスク装置1(図1)について主に説明する。
この光ディスク装置1は、OPU2(図2)に装備されたPDIC91又は92において検出された信号が入力され、PDIC91又は92において検出された信号を高い周波数の信号とされる例えばRF信号として出力させる光出力信号処理回路102(図1)を備える。RF信号とは、例えば電波と略同じ高い周波数に変換された信号を意味する。また、「RF」は、「radio frequency」の略称である。
OPU2(図2)に装備されたPDIC91,92によって光信号から電気信号に変換された信号は、光出力信号処理回路102(図1)いわゆるフロントエンド処理部102に入力される。フロントエンド処理部102は、光ディスクM10又はM20に記録された信号の再生信号とされるRF信号などの高い周波数の信号と、フォーカシングエラー信号と、トラッキングエラー信号とを生成して出力するものとして構成されている。
フォーカシングエラー(focusing error)とは、光ディスクM10(図2,図3(A))のピットM15tまたはグルーブ(図示せず)に対し、光軸方向Dfなどの信号部M15に略直交する方向Dfに沿って、OBL60により絞られた光Lの焦点が位置ずれを起こすことや、光ディスクM20(図2,図3(B))のピットM25tまたはグルーブ(図示せず)に対し、光軸方向Dfなどの信号部M25に略直交する方向Dfに沿って、OBL70により絞られた光Lの焦点が位置ずれを起こすことを意味する。
また、トラッキングエラー(tracking error)とは、光ディスクM10(図2,図3(A))のピットM15tまたはグルーブに対し、径方向Drなどの信号部M15に略沿った方向Drに、OBL60により絞られた光Lの焦点が位置ずれを起こすことや、光ディスクM20(図2,図3(B))のピットM25tまたはグルーブに対し、径方向Drなどの信号部M25に略沿った方向Drに、OBL70により絞られた光Lの焦点が位置ずれを起こすことを意味する。
また、この光ディスク装置1(図1)は、PDIC91,92(図2)で検出され光出力信号処理回路102(図1)にて高い周波数の信号に変換された信号を増幅させると共に、高い周波数のアナログ信号をデジタル信号に変換させる信号処理回路104を備える。詳しく説明すると、この光ディスク装置1は、PDIC91又は92(図2)で検出されフロントエンド処理部102(図1)にてRF信号に変換された信号を増幅させると共に、アナログ信号とされるRF信号をデジタル信号に変換させるRF信号増幅/処理回路104を備える。アナログ(analog)とは、物質やシステムなどの状態を連続的に変化する物理量などによって表現することを意味する。また、これに対するデジタル(digital)とは、物質やシステムなどの状態を離散的な数字や文字などの信号により表現することを意味する。
フロントエンド処理部102にて生成された再生信号とされるRF信号などの高い周波数の信号は、RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104に入力される。RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104にてRF信号などの高い周波数の信号が増幅される。また、RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104は、入力されたアナログ信号を2値化された信号いわゆるデジタル信号として出力するものとして構成されている。RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104から出力された信号に基づいて、ジッタ値の検出が良好に行われる。
また、この光ディスク装置1は、RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104から出力されたデジタル信号の復調を行うデジタル信号処理回路106を備える。RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104から出力されたデジタル信号は、デジタル信号処理回路106に入力される。デジタル信号処理回路106は、各種信号の復調動作を行うものとして構成されている。
また、この光ディスク装置1は、OBL60,70(図2)を有するOPU2のPDIC91,92により光ディスクM10,M20から読み出された信号に基づいて、信号の揺らぎ値とされるジッタ値を検出するジッタ値検出回路108(図1)を備える。具体的に説明すると、この光ディスク装置1は、RF信号増幅/処理回路104などの信号処理回路104を通りデジタル信号処理回路106から得られた信号に基づいて、信号の揺らぎ値とされるジッタ値を検出するジッタ値検出回路108いわゆるジッタ計測回路108を有する。
デジタル信号処理回路106にて生成された信号は、ジッタ計測回路108に入力される。例えば光ディスクがCD規格の光ディスクの場合には、ジッタ計測回路108にて、3Tから11Tまでの長さの信号が検出され、基準クロック信号に基づいて、再生信号の周波数の時間ばらつき即ちジッタ値が検出される。ジッタ計測回路108にて検出されたジッタ値が小さいほど、時間ばらつきが少なく、再生特性が良いものとされる。
RF信号などの高い周波数の信号から同期系のものが検出されてゆくときに、基準クロックにて、周波数Fの時間ばらつきが検出される。この時間ばらつきが小さい数値とされているほど、時間ばらつきが少なく、性能が良いものとされている。基準クロックは、例えば基準CLKと略称されて用いられる。同期系の信号長さについて説明すると、例えば、CD系列のものでは、3T〜11T、DVD系列のものでは、一部3T〜11T、主に3T〜14T、「HD DVD」系列のものでは、2T〜11T、「Blu-ray Disc」系列のものでは、2T〜8Tとされている。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108から出力された信号が入力され、光ディスク装置1全体の制御を行うシステム制御回路110を備える。光ディスク装置1やOPU2の各種の制御/動作は、システム制御回路110にて行われる。システム制御回路110は、マイクロコンピュータにて構成されている。マイクロコンピュータ(micro computer)とは、超小型コンピュータを意味するものとされている。
システム制御用マイクロコンピュータは、例えば中央演算装置を意味するCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、システムコントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどとされ、光ディスク装置1全般のシステム制御を司る制御部とされる。CPU110が備える各機能は、ソフトウェアいわゆるプログラムにより実現される。
また、この光ディスク装置1は、CPU110に各種制御を行わせるプログラムが記憶
された第一メモリ回路111を備える。ソフトウェアにより実施される各機能は、CPU110がアクセス可能な第一メモリ回路111に格納されている。システム制御回路110は、フラッシュROMなどの第一メモリ回路111に記憶されたプログラムに基づいて、各種の制御/動作を行わせるものとして構成されている。「ROM」は、「read-only memory」の略称である。第一メモリ回路111として、例えばフラッシュメモリ(flash memory)が用いられた。
第一メモリ回路111について詳しく説明すると、第一メモリ回路111として、例えばEEPROMなどのROMが挙げられる。ROMとは、読出し専用メモリを意味する。EEPROMとは、電気的に内容を書き換えることが可能なROMを意味する。EEPROMは、いわゆる不揮発性メモリである。EEPROMの変更が行われるときには、通常の電圧よりも高い電圧により行われる。また、EEPROMは、記憶された情報を電気的に消去可能なものとされている。「EEPROM」は、「Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory」の略称である。
また、第一メモリ回路111として、例えばEPROMなどのROMが挙げられる。EPROMとは、記憶の消去・書込みを何度でも行うことが可能とされるROMを意味する。EPROMは、記憶が消去されるときに、読出し時と異なる特殊な方法で行われるものとされている。「EPROM」は、「Erasable Programmable Read Only Memory」の略称である。
また、この光ディスク装置1は、CPU110に入力された上記ジッタ値等の各種値を記憶・消去可能な第二メモリ回路112を備える。第二メモリ回路112として、例えばRAMが用いられた。RAMとは、記憶場所や順序に関係することなく略同一時間でデータにアクセスできる記憶装置を意味する。「RAM」は、「random access memory」の略称である。システム制御回路110により、RAMなどの第二メモリ回路112の動作が制御される。第二メモリ回路112は、例えばCPU110にてジッタ値等に関する信号データの複雑な計算が行われる場合に、ジッタ値等に関する各種信号データを一時的に保存するときに用いられる。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15に対するOPU2(図2)のOBL60の焦点合せを行わせるときに、OBL60をOBL60の光軸方向Dfに沿って動かすために用いるデフォーカス値を調整させると共に、設定調整されたデフォーカス値に基づいて、フォーカシングサーボ回路131(図1)に対しデフォーカス調整等を行わせたり、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25に対するOPU2(図2)のOBL70の焦点合せを行わせるときに、OBL70をOBL70の光軸方向Dfに沿って動かすために用いるデフォーカス値を調整させると共に、設定調整されたデフォーカス値に基づいて、フォーカシングサーボ回路131(図1)に対しデフォーカス調整等を行わせたりするフォーカシング制御回路121を備える。
また、この光ディスク装置1は、フロントエンド処理部102にて生成されたフォーカシングエラー信号に基づいて、OBL60及び70(図2,図3)を備えるレンズホルダ(図示せず)のフォーカシングサーボ動作を実行可能とさせるフォーカシングサーボ回路131(図1)を備える。
詳しく説明すると、この光ディスク装置1は、PDIC91(図2)において検出された信号に基づいてフロントエンド処理部102(図1)で生成されたフォーカシングエラー信号が入力されると共に、光ディスクM10(図2,図3(A))の表面M10fに対
して直交する方向とされるOBL60の光軸方向Dfに略沿って、OPU2(図2)に装備されたOBL60を変位させる制御信号を生成させたり、PDIC92(図2)において検出された信号に基づいてフロントエンド処理部102(図1)で生成されたフォーカシングエラー信号が入力されると共に、光ディスクM20(図2,図3(B))の表面M20fに対して直交する方向とされるOBL70の光軸方向Dfに略沿って、OPU2(図2)に装備されたOBL70を変位させる制御信号を生成させたりするフォーカシングサーボ回路131(図1)を備える。
フロントエンド処理部102にて生成されたのちに、フロントエンド処理部102から出力されたフォーカシングエラー信号は、フォーカシングサーボ回路131に入力される。フォーカシングサーボ回路131は、イコライザが用いられて構成されている。フォーカシングサーボ回路131は、デジタル信号に対応可能なデジタルイコライザとして構成されている。イコライザ(equalizer)とは、音声信号などの信号の全体的な周波数特性を加工したり調整したりするための電気回路とされる。また、イコライザは、「EQ」と略称される。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15に対するOPU2(図2)のOBL60の焦点合せを行わせるときに、OBL60を光ディスクM10の径方向Drに沿って動かすために用いるデトラック値を調整させると共に、設定調整されたデトラック値に基づいて、トラッキングサーボ回路132(図1)に対しデトラック調整等を行わせたり、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25に対するOPU2(図2)のOBL70の焦点合せを行わせるときに、OBL70を光ディスクM20の径方向Drに沿って動かすために用いるデトラック値を調整させると共に、設定調整されたデトラック値に基づいて、トラッキングサーボ回路132(図1)に対しデトラック調整等を行わせたりするトラッキング制御回路122を備える。
また、この光ディスク装置1は、フロントエンド処理部102にて生成されたトラッキングエラー信号に基づいて、OBL60及び70(図2,図3)を備えるレンズホルダ(図示せず)のトラッキングサーボ動作を実行可能とさせるトラッキングサーボ回路132(図1)を備える。
詳しく説明すると、この光ディスク装置1は、PDIC91(図2)において検出された信号に基づいてフロントエンド処理部102(図1)で生成されたトラッキングエラー信号が入力されると共に、光ディスクM10(図2,図3(A))の径方向Drに略沿って、OPU2(図2)に装備されたOBL60を変位させる制御信号を生成させたり、PDIC92(図2)において検出された信号に基づいてフロントエンド処理部102(図1)で生成されたトラッキングエラー信号が入力されると共に、光ディスクM20(図2,図3(B))の径方向Drに略沿って、OPU2(図2)に装備されたOBL70を変位させる制御信号を生成させたりするトラッキングサーボ回路132(図1)を備える。
フロントエンド処理部102にて生成されたのちに、フロントエンド処理部102から出力されたトラッキングエラー信号は、トラッキングサーボ回路132に入力される。トラッキングサーボ回路132は、イコライザが用いられて構成されている。トラッキングサーボ回路132は、デジタル信号に対応可能なデジタルイコライザとして構成されている。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15に対するOPU
2(図2)のOBL60の焦点合せを行わせるときに、光ディスクM10の信号面部M15に対するOBL60の角度ずれを補正するために用いるチルト値を調整させると共に、設定調整されたチルト値に基づいて、チルト調整等を行わせたり、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25に対するOPU2(図2)のOBL70の焦点合せを行わせるときに、光ディスクM20の信号面部M25に対するOBL70の角度ずれを補正するために用いるチルト値を調整させると共に、設定調整されたチルト値に基づいて、チルト調整等を行わせたりするチルト制御回路123(図1)を備える。
また、この光ディスク装置1は、例えばフォーカシングサーボ回路131から出力されたフォーカシング制御信号FDOが入力され、フォーカシング制御信号FDOに基づいて、光ディスクM10又はM20の回転周期Cfに対応した信号を抽出するフォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路141を備える。この明細書におけるFDOとは、「focus drive out」の略称とされる。また、バンドパスフィルタ(band pass filter)は、「BPF」と略称される。BPFは、予め定められた範囲の周波数信号だけを通過させ、定められた範囲の周波数信号以外の信号を減衰させるフィルタを意味する。ディスク再生時またはディスク記録時に光ディスクM10又はM20に面振れが生じると、面振れ成分がFDO信号となる。FDO信号が流されることにより、フォーカシングサーボ動作が実行される。
また、この光ディスク装置1は、例えばトラッキングサーボ回路132から出力されたトラッキング制御信号TDOが入力され、トラッキング制御信号TDOに基づいて、光ディスクM10又はM20の回転周期Ctに対応した信号を抽出するトラッキングチルトバンドパスフィルタ回路142を備える。この明細書におけるTDOとは、「tracking drive out」の略称とされる。ディスク再生時またはディスク記録時に光ディスクM10又はM20に偏心が生じると、偏心成分がTDO信号となる。TDO信号が流されることにより、トラッキングサーボ動作が実行される。
光ディスク装置1やOPU2の設計/仕様等により、例えば、フォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路141や、トラッキングチルトバンドパスフィルタ回路142等が設けられることなく省略された光ディスク装置1も使用可能とされる。
また、この光ディスク装置1は、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号部M15に対し、OPU2(図2)のOBL60に角度ずれが生じようとされたときに、ジッタ計測回路108(図1)にて検出されたジッタに基づいて、OBL60(図2)の角度ずれをチルト調整させたり、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号部M25に対し、OPU2(図2)のOBL70に角度ずれが生じようとされたときに、ジッタ計測回路108(図1)にて検出されたジッタに基づいて、OBL70(図2)の角度ずれをチルト調整させたりするフォーカシングチルト信号調整回路151(図1)を備える。フォーカシングチルト信号調整回路151は、フォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路141にて抽出された信号のレベルを調整可能なものとされている。フォーカシングチルト信号調整回路151として、例えばアンプが用いられた。アンプは、アンプリファイア(amplifier)の略称とされ、増幅器を意味する。
また、この光ディスク装置1は、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号部M15に対し、OPU2(図2)のOBL60に角度ずれが生じようとされたときに、ジッタ計測回路108(図1)にて検出されたジッタに基づいて、OBL60(図2)の角度ずれをチルト調整させたり、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号部M25に対し、OPU2(図2)のOBL70に角度ずれが生じようとされたときに、ジッタ計測回路108(図1)にて検出されたジッタに基づいて、OBL70(図2)の角度ずれをチル
ト調整させたりするトラッキングチルト信号調整回路152(図1)を備える。トラッキングチルト信号調整回路152は、トラッキングチルトバンドパスフィルタ回路142にて抽出された信号のレベルを調整可能なものとされている。トラッキングチルト信号調整回路152として、例えばアンプが用いられた。
また、この光ディスク装置1は、各チルト信号調整回路151,152から出力されるチルト調整用信号に、チルト制御回路123から出力されるチルト値設定調整信号を加算させる加算回路153を備える。詳しく説明すると、この光ディスク装置1は、フォーカシングチルト信号調整回路151から出力されるフォーカシングチルト調整用信号と、トラッキングチルト信号調整回路152から出力されるトラッキングチルト調整用信号と、チルト制御回路123から出力されるチルト値設定調整信号とを加算させる加算回路153を備える。フォーカシングチルト信号調整回路151からフォーカシングチルト調整用信号が出力される。また、トラッキングチルト信号調整回路152からトラッキングチルト調整用信号が出力される。また、チルト制御回路123から最適なチルト値に設定されたチルト値設定調整信号が出力される。これらの信号は、加算回路153によって合わせられる。
また、この光ディスク装置1は、フォーカシングサーボ回路131から出力されたフォーカシング制御信号が入力され、OPU2に装備されたフォーカシングコイル171に駆動信号を供給するフォーカシングコイル駆動回路161を備える。フォーカシングサーボ回路131は、入力されたフォーカシングエラー信号に基づいて、フォーカシングエラー信号のレベルを小さくするためのフォーカシング制御信号をフォーカシングコイル駆動回路161に出力する。フォーカシングサーボ回路131から出力されたフォーカシング制御信号は、フォーカシングコイル駆動回路161に入力される。フォーカシングコイル駆動回路161は、フォーカシングコイル171にフォーカシングコイル駆動信号を供給する。
光ディスクM10(図2,図3(A))のピットM15tに対し、OBL60によって絞られたレーザ光Lの焦点が、OBL60のフォーカシング方向Dfに沿ってずらされようとされたときに、OPU2(図2)のOBL60をフォーカシング調整するために、フォーカシングコイル駆動回路161(図1)からOPU2のフォーカシングコイル171にフォーカシング駆動信号が送られる。
また、光ディスクM20(図2,図3(B))のピットM25tに対し、OBL70によって絞られたレーザ光Lの焦点が、OBL70のフォーカシング方向Dfに沿ってずらされようとされたときに、OPU2(図2)のOBL70をフォーカシング調整するために、フォーカシングコイル駆動回路161(図1)からOPU2のフォーカシングコイル171にフォーカシング駆動信号が送られる。駆動回路は、ドライバ等と呼ばれている。
また、この光ディスク装置1は、トラッキングサーボ回路132から出力されたトラッキング制御信号が入力され、OPU2に装備されたトラッキングコイル172に駆動信号を供給するトラッキングコイル駆動回路162を備える。トラッキングサーボ回路132は、入力されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキングエラー信号のレベルを小さくするためのトラッキング制御信号をトラッキングコイル駆動回路162に出力する。トラッキングサーボ回路132から出力されたトラッキング制御信号は、トラッキングコイル駆動回路162に入力される。トラッキングコイル駆動回路162は、トラッキングコイル172にトラッキングコイル駆動信号を供給する。
光ディスクM10(図2,図3(A))のピットM15tに対し、OBL60によって絞られたレーザ光Lの焦点が、OBL60のトラッキング方向Dfに沿ってずらされよう
とされたときに、OPU2(図2)のOBL60をトラッキング調整するために、トラッキングコイル駆動回路162(図1)からOPU2のトラッキングコイル172にトラッキング駆動信号が送られる。
また、光ディスクM20(図2,図3(B))のピットM25tに対し、OBL70によって絞られたレーザ光Lの焦点が、OBL70のトラッキング方向Dfに沿ってずらされようとされたときに、OPU2(図2)のOBL70をトラッキング調整するために、トラッキングコイル駆動回路162(図1)からOPU2のトラッキングコイル172にトラッキング駆動信号が送られる。
また、この光ディスク装置1は、加算回路153から出力された加算信号が入力されるチルトコイル駆動回路163を備える。詳しく説明すると、この光ディスク装置1は、加算回路153から出力されたチルト制御信号が入力され、OPU2に装備されたチルトコイル173に駆動信号を供給するチルトコイル駆動回路163を備える。OPU2のOBL60又は70の角度をチルト調整するために、加算回路153にて生成された加算信号に基づいて、OPU2のチルトコイル173に送られる駆動信号が、チルトコイル駆動回路163にて生成される。チルトコイル駆動回路163は、チルトコイル173にチルトコイル駆動信号を供給する。
光ディスクM10(図2,図3(A))のピットM15tに対し、OBL60によって絞られたレーザ光Lの焦点がずらされようとされたときに、OPU2(図2)のOBL60をチルト調整するために、チルトコイル駆動回路163(図1)からOPU2のチルトコイル173にチルト駆動信号が送られる。
また、光ディスクM20(図2,図3(B))のピットM25tに対し、OBL70によって絞られたレーザ光Lの焦点がずらされようとされたときに、OPU2(図2)のOBL70をチルト調整するために、チルトコイル駆動回路163(図1)からOPU2のチルトコイル173にチルト駆動信号が送られる。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15に対するOPU2(図2)のOBL60の焦点合せを行わせるときに、CPU110(図1)から送信される信号に基づいて、LCD50と通電可能に接続されている液晶補正素子駆動回路165いわゆるLCD駆動回路165を駆動させたり、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25に対するOPU2(図2)のOBL70の焦点合せを行わせるときに、CPU110(図1)から送信される信号に基づいて、LCD50と通電可能に接続されているLCD駆動回路165を駆動させたりする液晶補正素子制御回路125いわゆるLCD制御回路125を備える。
また、この光ディスク装置1は、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM10(図2,図3(A))の信号面部M15に対するOPU2(図2)のOBL60の焦点合せを行わせるときに、CPU110(図1)から送信されLCD制御回路125に入力されると共にLCD制御回路125から出力される信号に基づいて、LCD50を駆動させたり、ジッタ計測回路108とCPU110とを経由した信号に基づいて、光ディスクM20(図2,図3(B))の信号面部M25に対するOPU2(図2)のOBL70の焦点合せを行わせるときに、CPU110(図1)から送信されLCD制御回路125に入力されると共にLCD制御回路125から出力される信号に基づいて、LCD50を駆動させたりする液晶補正素子駆動回路165いわゆるLCD駆動回路165を備える。
詳しく説明すると、図1に示す光ディスク装置1は、上記LCD50等を有する上記OPU2と、上記光出力信号処理回路102と、上記信号処理回路104と、上記デジタル信号処理回路106と、上記ジッタ値検出回路108と、上記システム制御回路110と、上記第一メモリ回路111と、上記第二メモリ回路112と、上記フォーカシング制御回路121と、上記トラッキング制御回路122と、上記チルト制御回路123と、上記LCD制御回路125と、上記フォーカシングサーボ回路131と、上記トラッキングサーボ回路132と、上記フォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路141と、上記トラッキングチルトバンドパスフィルタ回路142と、上記フォーカシングチルト信号調整回路151と、上記トラッキングチルト信号調整回路152と、上記加算回路153と、上記フォーカシングコイル駆動回路161と、上記トラッキングコイル駆動回路162と、上記チルトコイル駆動回路163と、上記LCD駆動回路165とを備えて構成されている。光ディスク装置1の複屈折調整回路は、このように構成されている。また、例えば光ディスク装置1を構成する上記各「……」回路は、例えば各「……」部または各「……」手段とされる。
なお、光ディスク装置1やOPU2の設計/仕様等により、例えばOPU2のフォーカシングコイル171および/またはトラッキングコイル172が、OPU2のチルトコイル173を兼ねたものとして構成されたOPU2や光ディスク装置1も使用可能とされている。詳しく説明すると、OPU2にチルト調整専用のチルトコイル173が装備されることなく、光ディスク装置1のチルトコイル駆動回路163から延設された導体が、例えばOPU2のフォーカシングコイル171および/またはトラッキングコイル172に通電可能に接続されて、OPU2のフォーカシングコイル171および/またはトラッキングコイル172がチルト調整をも実行可能なコイル171/172として構成されたOPU2や光ディスク装置1も使用可能とされる。具体的に説明すると、OPU2にチルト調整専用のチルトコイル173が装備されることなく、光ディスク装置1のチルトコイル駆動回路163から延設された導体が、例えばOPU2のフォーカシングコイル171に通電可能に接続されて、OPU2のフォーカシングコイル171がOPU2のチルトコイル173を兼ねたものとして構成され、フォーカシングコイル171をフォーカシング調整時および/またはチルト調整時に機能する例えばフォーカス・チルトコイル171として構成させてもよい。
また、この光ディスク装置1は、例えば上記デジタル信号処理回路106を含むデジタル信号処理装置いわゆるデジタル・シグナル・プロセッサを備えて構成される。デジタル・シグナル・プロセッサとは、例えば主にデジタル信号処理に特化されたマイクロプロセッサを意味する。デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor)は、「DSP」と略称されている。DSPを構成するデジタル信号処理回路106を含んだチップが装備されている。デジタル信号処理回路106を含むDSPが用いられることにより、例えばCPU110等における高速演算処理が実行可能となる。DSPが用いられることにより、信号処理が行われるときに、例えばSN(signal/noise)比が略90dB(デシベル)以上とされ、ノイズの影響が回避され易くなり、また、周辺の雰囲気温度などによる影響も抑制され易くなる。このようなことから、DSPが用いられることにより精度の高い演算処理等が高速で行われる。
例えば光ディスク装置1のDSPは、上記デジタル信号処理回路106と、上記ジッタ値検出回路108と、上記システム制御回路110と、上記フォーカシング制御回路121と、上記トラッキング制御回路122と、上記チルト制御回路123と、上記液晶補正素子制御回路125と、上記フォーカシングサーボ回路131と、上記トラッキングサーボ回路132とを備えて構成される。また、例えば上記システム制御回路110に、上記フォーカシング制御回路121、上記トラッキング制御回路122、上記チルト制御回路
123、上記液晶補正素子制御回路125等が含まれたものも使用可能とされる。また、例えば、上記光出力信号処理回路102と、上記信号処理回路104と、上記デジタル信号処理回路106と、上記ジッタ値検出回路108と、上記システム制御回路110と、上記第一メモリ回路111と、上記第二メモリ回路112と、上記フォーカシング制御回路121と、上記トラッキング制御回路122と、上記チルト制御回路123と、上記液晶補正素子制御回路125と、上記フォーカシングサーボ回路131と、上記トラッキングサーボ回路132と、上記フォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路141と、上記トラッキングチルトバンドパスフィルタ回路142とは、複雑な回路が一つのパッケージ等にまとめられたチップを構成するものとされている。
OPU2を備える光ディスク装置1は、上記各種光ディスクM10,M20にデータ/情報/信号等を記録させたり、上記各種光ディスクM10,M20のデータ/情報/信号等を再生させたりする記録・再生装置に使用可能とされる。また、OPU2を備える光ディスク装置1は、上記各種光ディスクM10,M20のデータ/情報/信号等を再生させる再生専用装置にも使用可能とされる。
また、上記OPU2は、例えば、コンピュータ、音響/映像機器、ゲーム機、車載機(何れも図示せず)などに組み付けられる光ディスク装置1に装備される。また、上記OPU2を備える光ディスク装置1は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)や、ラップトップ型PCや、デスクトップ型PC車載用コンピュータなどのコンピュータや、コンピュータゲーム機などのゲーム機や、CDプレーヤ/CDレコーダ、DVDプレーヤ/DVDレコーダなどの音響および/または映像機器などに装備可能とされる(何れも図示せず)。また、上記OPU2を備える光ディスク装置1は、例えば、CD系光ディスクや、DVD系光ディスクや、「Blu-ray Disc」系光ディスク等の複数のメディアM10,M20に対応可能なものとされる。OPU2を備える光ディスク装置1は、「CD」、「DVD」、「HD−DVD」、「Blu ray Disc」などの各種光ディスクM10,M20に対応したコンピュータ、音響および/または映像機器、ゲーム機、車載機などに装備可能とされている(何れも図示せず)。
本発明に係るピックアップ装置およびディスク装置は、図示されたものに限定されるものではない。例えばLD10内に回折格子が装備されることなく省略され、光路(L1a)に、上記DOE25と略同じ特性および/または構造を備えもち、上記DOE25に類似した他のDOEもしくは回折格子が装備されていてもよい。また、例えば、図2に示すOPU2において、光路(L5a)と光路(L5b)との間にQWP(57)が介在されず省略されてもよい。また、例えば、光ディスクM10,M20等に記録されたデータ/情報の再生のみを行うOPU(2)においては、FMD(43)が装備されることなく省略されてもよい。また、光路(L3a),(L3b)間にCL(45)が装備されることなく省略され、光路(L3d),(L3e)上において可動側の凸レンズ型ビームエキスパンダレンズ(53)がビームエキスパンダレンズ(52),(53)の光軸方向に沿って移動可能なCLを兼ねていてもよい。また、光路(L3a),(L3b)間にCL(45)が装備されることなく省略され、一対のビームエキスパンダレンズ52,53を備えるビームエキスパンダユニット51に代えて、光路(L3c),(L3d),(L3e)に略沿った光軸方向に移動可能なCL(45)が装備されてもよい。
また、例えば、Blu-ray Disc用の第一OBL60に代えて、例えば、第一メディアM10に照射される第一波長レーザ光の光軸方向に沿って配列された一対のOBL(図示せず)が、重ね合わせられるようにBlu-ray Disc用のOBLとしてOPU(2)に配備されてもよい。すなわち、Blu-ray Disc用の第一OBL60に代えて、例えば、フォーカシング方向Dfに沿って直列に配置された一対の不図示のOBLが、Blu-ray Disc用のOBLとしてOPU(2)に配備されてもよい。また、例えば、上記一つのLDDに代えて、上記
第一LD10に対応した第一LDD(図示せず)と、上記第二LD20に対応した第二LDD(図示せず)とが、個別にOPU2に装備されてもよい。また、例えば、直線偏光の第一波長レーザ光を円偏光の第一波長レーザ光に変えたり、円偏光の第一波長レーザ光を直線偏光の第一波長レーザ光に変えたりするQWP(57)が用いられてもよい。また、例えば、Blu-ray Disc用の反射性ミラー56と、Blu-ray Disc用の第一OBL60との間の光路(L4b)に、さらにBlu-ray Disc用のQWP(図示せず)が設けられてもよい。
また、上記光ディスク装置1においては、メディアM10/M20から得られる信号のジッタ値等を利用して、集光スポットS1/S2にコマ収差や球面収差などの収差が発生されることを抑制させると共に、光ディスクM10/M20に照射されるレーザ光Lの垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を併せて補正させているが、例えば「HD DVD」用のメディアM20に対する集光スポットS2の焦点合せを行うとき等に、上記ジッタ値に代えて、例えばPRSNR(Partial Response Signal-to-Noise Ratio)またはSbER(Simulated bit Error Rate)の何れか一方または両方を利用してもよい。また、例えば「HD DVD」用のメディアM20に対する集光スポットS2の焦点合せを行うとき等に、例えば上記ジッタ値と共に、PRSNRまたはSbERの何れか一方または両方をも併せて利用してもよい。
また、例えばCD用のメディアに対する集光スポットの焦点合せを行うとき等に、上記ジッタ値に代えて、例えば上記RF信号またはアシンメトリ値βの何れか一方または両方を利用してもよい。また、例えばCD用のメディアに対する集光スポットの焦点合せを行うとき等に、例えば上記ジッタ値と共に、RF信号またはアシンメトリ値βの何れか一方または両方をも併せて利用してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明に係るディスク装置の一実施の形態を示す構成図である。 本発明に係るピックアップ装置の一実施の形態を示す概略図である。 (A)は第一メディアに第一波長光が照射される状態を示す説明図、(B)は第二メディアに第二波長光が照射される状態を示す説明図である。 (A)は補正素子における光学軸に平行な方向の偏光成分と光学軸に垂直な方向の偏光成分との位相差の計算例を示す説明図、(B)は補正素子を示す平面図である。 (A)は同じく補正素子を示す平面図、(B)は補正素子により光のスポットの補正が行われた後の波形を示す説明図である。 回転楕円体における1軸結晶の屈折率楕円体、常光線、異常光線の振動方向を示す説明図である。 従来のピックアップ装置に装備される複屈折補正素子の一形態を示す平面図である。 (A)は光のスポットの球面収差補正が行われる前の波形を示す説明図、(B)は、光のスポットの球面収差補正が行われた後の波形を示す説明図、(C)は、球面収差補正が行われた光のスポットを示す平面図である。
符号の説明
1 光ディスク装置(ディスク装置)
2 OPU(ピックアップ装置)
10,20 LD(発光素子)
25 DOE(回折光学素子)
30,40 PBS(偏光部材)
30a,40a 第一部材
30b,40b 第二部材
30c,35c,40c,55c,56c 皮膜(膜)
35,55 ミラー(偏光部材)
35a,55a 表側面(面)
35b,55b 裏側面(面)
35n,55n 内部
43 FMD(受光素子)
45 CL(コリメータレンズ)
50 LCD(補正素子)
50a,50b,50c,50d 補正パターン(パターン)
50i,50ii,50iii,50iv 矩形領域(領域)
50ia,50ib,50ic,50id,50ie,50iia,50iib,50iic,50iid,50iie,50iiia,50iiib,50iiic,50iiid,50iiie,50iva,50ivb,50ivc,50ivd,50ive,511a,511b,511c,511d,512a,512b,512c,512d,513a,513b,513c,513d,514a,514b,514c,514d 領域
51 ビームエキスパンダユニット(エキスパンダユニット)
52,53 ビームエキスパンダレンズ(エキスパンダレンズ)
56 反射性ミラー(ミラー)
57 QWP(1/4波長板)
60,70 OBL(対物レンズ)
81,82 アナモレンズ(センサレンズ)
91,92 PDIC(光検出器)
102 フロントエンド処理部(光出力信号処理回路)
104 RF信号増幅/処理回路(信号処理回路)
106 デジタル信号処理回路
108 ジッタ計測回路(ジッタ値検出回路)
110 CPU(システム制御回路)
111 ROM(メモリ回路)
112 RAM(メモリ回路)
121 フォーカシング制御回路(制御回路)
122 トラッキング制御回路(制御回路)
123 チルト制御回路(制御回路)
125 LCD制御回路(制御回路)
131 EQ(フォーカシングサーボ回路)
132 EQ(トラッキングサーボ回路)
141 フォーカシングチルトバンドパスフィルタ回路(バンドパスフィルタ回路)
142 トラッキングチルトバンドパスフィルタ回路(バンドパスフィルタ回路)
151 フォーカシングチルト信号調整回路(チルト信号調整回路)
152 トラッキングチルト信号調整回路(チルト信号調整回路)
153 加算回路
161 ドライバ(フォーカシングコイル駆動回路)
162 ドライバ(トラッキングコイル駆動回路)
163 ドライバ(チルトコイル駆動回路)
165 ドライバ(液晶補正素子駆動回路)
171 フォーカシングコイル(コイル)
172 トラッキングコイル(コイル)
173 チルトコイル(コイル)
505a 複屈折補正素子
Df フォーカシング方向(方向)
Dr トラッキング方向(方向)
Dt タンジェンシャル方向(方向)
Ea,Eb 有効径
G 複屈折楕円体(楕円体)
Ja 光学軸
Jn 波面法線
L レーザ光(光)
La1,La2 光軸
L1a,L1b,L1c,L1d,L2a,L2b,L2c,L2d,L2e,L3a,L3b,L3c,L3d,L3e,L3f,L4a,L4b,L4c,L5a,L5b,L5c 光路
M10,M20 光ディスク(メディア)
M10f,M20f 表面(面)
M11,M12,M21,M22 透明樹脂基板(基板)
M11t,M12t,M21t,M22t 厚さ
M15,M25 信号面部(信号部)
M15t,M25t ピット
PVa,PVb,PVc 最大−最小値
S1,S2 集光スポット(スポット)
SAm 最も球面収差が大きくなる部分(部分)
WDb,WDd ワーキングディスタンス(作動距離)

Claims (4)

  1. メディアに光を照射させて該メディアのデータの読取り又は該メディアに光を照射させて該メディアへのデータの書込みが実行可能とされたピックアップ装置であって、
    前記メディアに起因する光の垂直複屈折または面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させる補正素子を備えることを特徴とするピックアップ装置。
  2. 前記補正素子の補正パターンを略リング状とさせたことを特徴とする請求項1記載のピックアップ装置。
  3. 前記メディアの複屈折量に対応して、前記補正素子に印加される電圧を調整させて、前記垂直複屈折または前記面内複屈折のうち何れか一方または両方を補正させることを特徴とする請求項1又は2記載のピックアップ装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のピックアップ装置を備えることを特徴とするディスク装置。
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