JPWO2008111631A1 - α−メチルベンジルアミン塩の製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬として有用である光学活性なフタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩の重要な製造中間体を提供することにある。また、本発明は、該製造中間体を用いた光学活性なカルボン酸[2]の製法、及び該製法を用いたフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法を提供することにある。本発明として、例えば下記(1)〜(4)を挙げることができる。(1)シス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(+)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩の水和物(2)水和物が1水和物である、上記(1)の水和物(3)シス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(−)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩の水和物(4)水和物が1水和物である、上記(3)の水和物【選択図】なし

Description

本発明は、医薬として有用である光学活性な下記一般式[1]で表されるフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩(例えば、特許文献1参照。)の製造に有用な製造中間体に関するものである。
Figure 2008111631

一般式[1]中:
4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の相対配置はシス配置であり、かかる2つの不斉炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配置で、他方がS配置である。
Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有する二価の芳香族複素環基を表す。
Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表す。
は、環構成原子数が5〜10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個有していてもよい、1〜3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基は、R31、R32で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。
31、R32は、同一又は異なって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを表すか、又は、R31とR32が一緒になって、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシを表す。
上記フタラジノン誘導体[1]は、優れたPDE4阻害活性、TNF−α産生抑制活性を有する化合物であるので、例えば、アトピ−性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、アレルギ−性鼻炎、アレルギ−性結膜炎、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クロ−ン病、敗血症、トキシックショック症候群、腎炎、肝炎、循環不全、多発性硬化症、AIDS、同種移植拒絶、変形性関節症、自己免疫性糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性呼吸器系疾患(COPD)などの予防及び治療薬として有用である(例えば、特許文献1参照。)。
該フタラジノン誘導体[1]は、シス−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸(以下、「カルボン酸[2]」という。)を原料として製造することができることが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2参照。)。また、光学活性なカルボン酸[2]は、α−メチルベンジルアミンとのジアステレオマー塩(非水和物)を利用することにより製造することができることが知られている(例えば、非特許文献3。)。
非特許文献3に記載されている、光学活性なカルボン酸[2]のジアステレオマー塩の製法は以下の通りである。
Figure 2008111631

非特許文献3は、(±)−カルボン酸[2]と光学活性なα−メチルベンジルアミンとの塩にすることにより、いずれか一方のジアステレオマー塩を製造する方法を記載する。かかる方法は、(+)−カルボン酸[2]を得るために(−)−α−メチルベンジルアミンを用い、(−)−カルボン酸[2]を得るために(+)−α−メチルベンジルアミンを用いて得られるジアステレオマー塩(非水和物)の溶解度差を利用した光学分割法である。この方法から得られる、目的物である光学活性なカルボン酸[2]の光学純度は低いので、光学純度の高いカルボン酸[2]を得るためには再結晶が必要となり、そうすると収率が低下する(後述する参考例1を参照。)。
国際公開第98/31674号パンフレット J.Med.Chem.,44(16),2511−2522,2001 J.Med.Chem.,44(16),2523−2535,2001 J.Med.Chem.,45(12),2526−2533,2002
本発明の主目的は、医薬として有用である光学活性なフタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩の重要な製造中間体を提供することにある。また、本発明は、該製造中間体を用いた光学活性なカルボン酸[2]の製法、及び該製法を用いたフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法を提供する。
本発明者は、水を含有する溶媒中で、ラセミ体である(±)−カルボン酸[2]と光学活性なα−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)−カルボン酸[2]と(+)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、「(+)カルボン酸・(+)アミン塩」という。)の水和物、及び(−)−カルボン酸[2]と(−)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、「(−)カルボン酸・(−)アミン塩」という。)の水和物が得られること、また、かかるジアステレオマー塩の水和物からα−メチルベンジルアミンを除去することにより得られる光学活性なカルボン酸[2]が、前記のようなジアステレオマー塩(非水和物)の溶解度差を利用した公知の光学分割法と比べて、高い化学純度ないし高い光学純度を有する光学活性なカルボン酸[2]を収率よく得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明としては、例えば以下を挙げることができる。
1.(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物。
2.(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物。
3.水を含有する溶媒中で、(±)−カルボン酸[2]と(+)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製法。
4.(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物から(+)−カルボン酸[2]を分離することを特徴とする、(+)−カルボン酸[2]又はその塩の製法。
5.下記の工程1〜3を含む、フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩の製法。
工程1:水を含有する溶媒中で、(±)−カルボン酸[2]と(+)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、
工程2:(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物から(+)−カルボン酸[2]を分離する工程、
工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られる(+)−カルボン酸[2]又はその塩を用いる工程。
6.水を含有する溶媒中で、(±)−カルボン酸[2]と(−)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物の製法。
7.(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物から(−)−カルボン酸[2]を分離することを特徴とする、(−)−カルボン酸又はその塩の製法。
8.下記の工程1〜3を含む、フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩の製法。
工程1:水を含有する溶媒中で、(±)−カルボン酸[2]と(−)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、
工程2:(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物から(−)−カルボン酸[2]を分離する工程、
工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られる(−)−カルボン酸[2]又はその塩を用いる工程。
以下に本発明を詳述する。
本発明にかかる(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物及び(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物の結晶を粉末X線回析装置で分析すると、そのスペクトルにおいて、12.9度、19.2度、及び20.5度の回折角にピークを示す。さらに、14.7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピークを有する。
「水和物」としては、例えば0.5〜5個の水分子を含む水和物を挙げることができ、その中でも1水和物が好ましい。
「水を含有する溶媒」において、溶媒中に含有しうる水の量は、用いる溶媒の種類等により異なるが、(±)−カルボン酸[2]1モルに対して0.5モル〜5モルが好ましく、0.8モル〜3モルがより好ましく、1モル〜2モルが特に好ましい。
「水を含有する溶媒」としては、単一溶媒であっても混合溶媒であっても構わない。例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル系溶媒、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、2−プロパノン、2−ブタノンなどのケトン系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、ニトロメタンなどのニトロ系溶媒や水の単一溶媒、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。かかる溶媒の量は、用いる溶媒の種類等により異なるが、(±)−カルボン酸[2]1gに対して2mL〜100mLの範囲内が好ましく、3mL〜10mLの範囲内がより好ましく、5mL〜7mLの範囲内が特に好ましい。
フタラジノン誘導体[1]の各置換基について詳述する。
Yとしては、フェニレンが好ましい。
Zとしては、単結合又はアルキレンが好ましく、とりわけ、アルキレンがより好ましい。
としては、R31及びR32のいずれか又は両方で置換されていてもよい、モルホリン−4−イル、4−オキシドモルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル又はイミダゾ−ル−1−イルが好ましい。
31、R32としては、同一又は異なって、アルキル又はオキソが好ましい。
「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜10のもの、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルを挙げることができる。とりわけ、直鎖状の炭素数1〜6のものが好ましく、直鎖状の炭素数1〜3のものがより好ましい。
「アルコキシ」のアルキル部分としては、上記のアルキルと同じものが挙げられる。
本発明における「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3〜10の1〜3環性の環状アルキル、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデカニル、アダマンチル(1−アダマンチル、2−アダマンチル等)、2−ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルを挙げることができる。とりわけ、炭素数3〜8の単環性のものが好ましく、炭素数4〜6の単環性のものがより好ましい。
「フェニレン」としては、例えば、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンを挙げることができる。
「二価の芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有するもの、具体的には、以下のような基を挙げることができる。
Figure 2008111631

「アルキレン」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜6のもの、具体的には、以下のような基を挙げることができる。
Figure 2008111631
とりわけ、炭素数1〜4のアルキレンが好ましく、炭素数1〜3のアルキレンがより好ましい。
「アルケニレン」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜6のもの、具体的には、以下のような基を挙げることができる。
Figure 2008111631
とりわけ、炭素数2〜4のアルケニレンが好ましく、炭素数2又は3のアルケニレンがより好ましい。
本発明における「アルキニレン」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜6のもの、具体的には、以下のような基を挙げることができる。
Figure 2008111631

とりわけ、炭素数2〜4のアルキニレンが好ましく、炭素数2又は3のアルキニレンがより好ましい。
「飽和又は不飽和の環状アミノ基」としては、例えば、環構成原子数が5〜10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個有していてもよい、1〜3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を挙げることができる。かかる環状アミノ基は、R31、R32で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。具体的には、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、4−オキシドモルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、イミダゾ−ル−1−イル、ジヒドロピリジン−1−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル、ホモピペラジン−1−イル、2,3−ジヒドロ−1H−インド−ル−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル、オクタヒドロキノリン−1−イルを挙げることができる。かかる環状アミノ基は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される1又は2個の基で置換されていてもよい。
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
フタラジノン誘導体[1]の医薬上許容される塩としては、医薬上許容されるものであれば特に制限されないが、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの鉱酸の塩、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸の塩などを挙げることができる。例えば、フタラジノン誘導体[1]の塩酸塩は、フタラジノン誘導体[1]を塩化水素のアルコ−ル溶液、酢酸エチル溶液又はエ−テル溶液に溶解することにより得ることができる。
(+)−カルボン酸[2]又は(−)−カルボン酸[2]の塩としては、それぞれのカルボン酸[2]の塩として存在するものであれば特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ベンジルアンモニウム塩などの有機塩基塩を挙げることができる。
図1は、(+)カルボン酸・(−)アミン塩(非水和物)の粉末X線結晶回折スペクトルを表す。縦軸はピーク強度(cps)、横軸は回折角(2θ)をそれぞれ表す。
図2は、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の粉末X線結晶回折スペクトルを表す。縦軸はピーク強度(cps)、横軸は回折角(2θ)をそれぞれ表す。
図3は、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物の粉末X線結晶回折スペクトルを表す。縦軸はピーク強度(cps)、横軸は回折角(2θ)をそれぞれ表す。
(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物は、溶媒中におけるジアステレオマー塩の溶解度差を利用した常法の光学分割法により製造することができる。具体的には、例えば、水を含有する溶媒中で、ラセミ体である(±)−カルボン酸[2]と光学活性な(+)−α−メチルベンジルアミンとを混合し、両者が相互に作用することによって溶解度が相対的に低いジアステレオマー塩である(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物が析出し、これを濾取することにより製造することができる。
混合する順番は特に問わないが、(+)−α−メチルベンジルアミンを最後に加える方が好ましく、(+)−α−メチルベンジルアミンを少量ずつ加える方がより好ましい。
(+)−α−メチルベンジルアミンの量は、用いる溶媒の種類等により異なるが、(±)−カルボン酸[2]1モルに対して0.5モル〜1.0モルが好ましく、0.5モル〜0.8モルがより好ましく、0.5モル〜0.6モルが特に好ましい。(+)−α−メチルベンジルアミンの光学純度は90%ee以上のものが好ましく、95%ee以上のものがより好ましく、98%ee以上のものが特に好ましい。
(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物は、(±)−カルボン酸[2]と(+)−α−メチルベンジルアミンとの混合物を一定時間静置することによっても析出するが、早期に析出を完了させるために該混合物を攪拌することができ、その方が好ましい。混合物の攪拌時間は、用いる溶媒の種類や量、溶媒の温度などにより異なるが、2時間以上が適当であり、4時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましい。混合物を静置することにより(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させる場合は、攪拌により析出させる場合と比べてより時間を要する。
また、混合物の攪拌直後に析出する水和物は、目的物の(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の他、(−)−カルボン酸[2]と(+)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、「(−)カルボン酸・(+)アミン塩」という。)の非水和物も多少混在する可能性がある。目的物の水和物の生成を促進するために、水和物が析出した後、1時間〜100時間の間、20℃〜80℃の範囲内の加熱下で攪拌することができる。
混合物を加熱下で攪拌することにより目的物を析出させた場合には、混合物の温度を、例えば室温にまで冷却した後に濾取するほうが好ましい。
なお、(+)−α−メチルベンジルアミンの代わりに(−)−α−メチルベンジルアミンを用いれば、上記(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製法と同様の製法により(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物を製造することができる。
(+)−カルボン酸[2]は、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物から、いわゆる塩分解などの公知の方法によって(+)−カルボン酸[2]を分離することができる。具体的には、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸又は硫酸等の水溶液に該水和物を加えて十分に振とうし、その後、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルなどの酢酸エステル系溶媒、クロロホルムや塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒等で(+)カルボン酸を抽出することができる。
(+)−カルボン酸[2]の塩は、(+)カルボン酸・(+)アミン塩から、いわゆる塩交換などの公知の方法によって(+)−カルボン酸[2]の塩を製造することができる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水溶液に該水和物を加えて十分に振とうし、塩交換された(+)−カルボン酸[2]の塩の析出物を濾取することにより製造することができる。
なお、(−)−カルボン酸[2]又はその塩も、上記(+)−カルボン酸[2]又はその塩の製法と同様の製法により製造することができる。
フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩は、その製造過程において、上記の方法で製造された(−)−カルボン酸[2]又はその塩を製造中間体として用い、その他は公知の方法(例えば、特許文献1、非特許文献1−2参照。)に準ずれば製造することができる。
以下に、本発明にかかる参考例、実施例及び試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
なお、光学純度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて以下の条件で測定した。
装置 :Shimadzu SPD−6A,C−R6A
カラム :DAICEL CHIRALCEL OD 250×4.6mm
カラム温度:40℃
移動層 :Hex/EtOH/AcOH=800/200/1
流速 :1.0mL/分
検出器 :UV検出器
測定波長 :254nm
化学純度はHPLCを用いて以下の条件で測定した。
装置 :Shimadzu SCL−10A VP,SPD−10A
カラム :Imtakt Cadenza 150×4.6mm
カラム温度:40℃
移動層 :MeCN/HO/MeSOH=700/300/1
流速 :1.0mL/分
検出器 :UV検出器
測定波長 :190nm
粉末X線回折は、リガク社製RINT Ultima3を用いて測定した。
参考例1 (+)−カルボン酸[2]の製造(非特許文献3記載の方法)
工程1 (+)−カルボン酸[2]と(−)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、「(+)カルボン酸・(−)アミン塩」という。)(非水和物)の製造
(±)−カルボン酸[2](化学純度:95.97%)5.49gに酢酸エチル100mLを加え、懸濁下、(−)−α−メチルベンジルアミン2.29g(1.0当量)を室温で加えた。種晶を加えて22時間攪拌し、析出物を濾取した。該析出物を酢酸エチルで洗浄した後、乾燥して、粗結晶3.0gを得た(光学純度:85.57%、化学純度:97.04%、収率:77.2%)。これに250mLの酢酸エチルを加え60℃で溶解し、室温で静置した。析出物を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥して、目的物を1.77g得た(収率:45.4%)。得られた結晶の粉末X線回折を測定したところ、7.3度、7.4度、13.8度、15.3度、16.6度、16.7度、19.0度、24.1度、29.1度の回折角(2θ)を示した。該粉末X線回折測定のチャートを図1に示す。
化学純度:96.22%
光学純度:98.75%
融点:147−151℃
含水率:0.06%(カールフィッシャー法)
[α] 25:32.69(c=1.0、メタノール)

工程2 (+)−カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(+)カルボン酸・(−)アミン塩(非水和物)1gに水10ml、1N塩酸3.56ml(1.5当量)、及び酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分液した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で減圧乾燥して、目的物をアモルファスとして0.77g(quant.)得た。
化学純度:94.50%
光学純度:98.63%
元素分析:C1618・0.4HOとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.45 H:6.40
FAB−MS:m/z 191[MH]
H−NMR(200MHz,CDCl):δppm
2.35−2.59(m,3H)、2.73−2.95(m,1H)、2.95−3.08(m,1H)、3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90−4.03(m,1H)、5.57−5.70(m,1H)、5.70−5.85(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)、7.54(dd,1H,J=8.3,2.1Hz)
[α] 25=34.59°(c=1.0、メタノール)
参考例2 (−)−カルボン酸[2]の製造(非特許文献3記載の方法)
(−)−α−メチルベンジルアミンの代わりに(+)−α−メチルベンジルアミンを用いること以外は、参考例1と同様にして、(−)カルボン酸・(+)アミン塩(非水和物)及び(−)−カルボン酸[2]を製造する。
実施例1 (+)−カルボン酸[2]の製造
工程1 (+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製造
(±)−カルボン酸[2](化学純度:95.97%)50gに酢酸エチル250mL、水6.2g(2.0当量)、及び(+)−α−メチルベンジルアミン10.4g(0.5当量)を室温で加えた。結晶の析出を確認してから40℃で11時間攪拌を行い、析出物を室温で濾取した。析出物を50mLの酢酸エチルで洗浄した後、室温で減圧乾燥して、目的物31.60gを得た(収率86%)。得られた結晶の粉末X線回折を測定したところ、12.9度、14.7度、18.5度、19.2度、20.0度、20.5度、20.9度、25.0度、28.3度の回折角(2θ)を示した。該粉末X線回折測定のチャートを図2に示す。
化学純度:98.78%
光学純度:97.05%
融点:113−116℃
含水率:4.18%(カールフィッシャー法、1水和物の理論含水率:4.19%)
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δppm
1.29(d,3H,J=6.6Hz)、2.22−2.48(m,3H)、2.55−2.70(m,1H)、2.76−2.81(m,1H)、3.78(s,3H)、3.83(s,3H)、3.95(dd,1H,J=6.2,4.0Hz)、4.05(q,1H,J=6.6Hz)、5.53−5.57(m,1H)、5.66−5.69(m,1H)、7.02(d,1H,J=8.4Hz)、7.22−7.39(m,5H)、7.40(d,1H,J=1.8Hz)、7.56(dd,1H,J=8.4,2.1Hz)
[α] 25=39.59°(c=1.0、メタノール)

工程2 (+)−カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物1gに水10ml、1N塩酸3.49ml(1.5当量)、及び酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分液した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で減圧乾燥して、目的物をアモルファスとして0.7g得た。
化学純度:98.82%
光学純度:98.08%
元素分析:C1618・0.4HOとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.60 H:6.38
FAB−MS:m/z 191[MH]
H−NMR(200MHz,CDCl):δppm
2.35−2.58(m,3H)、2.72−2.95(m,1H)、2.95−3.06(m,1H)、3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90−4.02(m,1H)、5.56−5.70(m,1H)、5.70−5.86(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)、7.54(dd,1H,J=8.5,1.8Hz)
[α] 25:40.59°(c=1.0、メタノール)
実施例2 (−)−カルボン酸[2]の製造
工程1 (−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物の製造
(±)−カルボン酸[2](化学純度:95.97%)50gに酢酸エチル250mL、水6.2g(2.0当量)、及び(−)−α−メチルベンジルアミン10.4g(0.5当量)を室温で加えた。結晶の析出を確認してから室温で13時間攪拌を行い、析出物を濾取した。該析出物を50mLの酢酸エチルで洗浄し、室温で減圧乾燥を行って、目的物31.4gを得た(収率86%)。該結晶の粉末X線回折を測定したところ、12.9度、14.7度、18.5度、19.2度、20.0度、20.5度、20.9度、25.0度、28.3度の回折角(2θ)を示した。該粉末X線回折測定のチャートを図3に示す。
化学純度:98.54%
光学純度:98.22%
融点:111−113℃
含水率:4.11%(カールフィッシャー法、1水和物の理論含水率:4.19%)
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δppm
1.29(d,3H,J=6.9Hz)、2.22−2.47(m,3H)、2.55−2.70(m,1H)、2.76−2.82(m,1H)、3.78(s,3H)、3.83(s,3H)、3.92−3.97(m,1H)、4.06(q,1H,J=6.6Hz)、5.53−5.56(m,1H)、5.66−5.69(m,1H)、7.02(d,1H,J=8.1Hz)、7.20−7.40(m,5H)、7.39(d,1H,J=1.8Hz)、7.56(dd,1H,J=9.0,1.8Hz)
[α] 25:−38.80°(c=1.0、メタノール)

工程2 (−)−カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物1gに水10mL、1N塩酸3.49mL(1.5当量)、及び酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分液した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で減圧乾燥を行い、目的物をアモルファスとして0.71g(quant.)得た。
化学純度:98.40%
光学純度:98.08%
元素分析:C1618・0.4HOとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.53 H:6.35
FAB−MS:m/z 191[MH]
H−NMR(200MHz,CDCl):δppm
2.35−2.56(m,3H)、2.74−2.94(m,1H)、2.94−3.07(m,1H)、3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90−4.02(m,1H)、5.56−5.70(m,1H)、5.70−5.86(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)、7.54(dd,1H,J=8.5,1.9Hz)
[α] 25:−39.09°(C=1.0、メタノール)
実施例3 (+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製造
溶媒の種類、溶媒の量、(+)−α−メチルベンジルアミンの量、水の量、温度、時間以外は実施例1工程1と同様にして目的物を製造した。原料化合物である(±)−カルボン酸[2]の化学純度は95.97%である。その結果を表1に示す。
Figure 2008111631
上記参考例1、実施例1〜3が示す通り、公知の方法で得られた(+)−カルボン酸[2]の光学純度は、粗結晶としては85.57%であり、光学活性なフタラジノン誘導体[1]を製造するためのものとしては不十分であった。また、高い光学純度のものを製造するためには再結晶する必要があるが、収率は低下した。
一方、本発明の製法で得られた(+)−カルボン酸の光学純度は、再結晶をせずに97%以上であり、製造原料として用いるには十分であった。故に、光学純度を更に高めるための再結晶を必要としないため、高収率で製造することができる。
本発明は、従来の製法に比べ、高い光学純度のカルボン酸[2]を高収率で製造することができる。また、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物及び(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物は、医薬として有用である光学活性なフタラジノン誘導体[1]を製造する上での製造中間体として重要であり、非常に有用である。

Claims (14)

  1. シス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(+)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、請求の範囲において「(+)カルボン酸・(+)アミン塩」という。)の水和物。
  2. 水和物が1水和物である、請求項1記載の水和物。
  3. 水和物が、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも12.9度、19.2度、及び20.5度の回折角にピークを示す結晶である、請求項1又は2記載の水和物。
  4. さらに14.7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピークを示す結晶である、請求項3記載の水和物。
  5. シス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(−)−α−メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、特許請求の範囲において「(−)カルボン酸・(−)アミン塩」という。)の水和物。
  6. 水和物が1水和物である、請求項5記載の水和物。
  7. 水和物が、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも12.9度、19.2度、及び20.5度の回折角にピークを示す結晶である、請求項5又は6記載の水和物。
  8. さらに14.7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピークを示す結晶である、請求項7記載の水和物。
  9. 水を含有する溶媒中で、シス−(±)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(+)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製法。
  10. (+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物からシス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸を分離することを特徴とする、シス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸又はその塩の製法。
  11. 下記の工程1〜3を含む、次の一般式[1]で表されるフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法。
    Figure 2008111631

    一般式[1]中:
    4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の相対配置はシス配置であり、かかる2つの不斉炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配置で、他方がS配置である。
    Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有する二価の芳香族複素環基を表す。
    Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表す。
    は、環構成原子数が5〜10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個有していてもよい、1〜3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基は、R31、R32で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。
    31、R32は、同一又は異なって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを表すか、又は、R31とR32が一緒になって、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシを表す。

    工程1:水を含有する溶媒中で、シス−(±)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(+)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、
    工程2:(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物からシス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸を分離する工程、
    工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られるシス−(+)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸又はその塩を用いる工程。
  12. 水を含有する溶媒中で、シス−(±)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(−)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物の製法。
  13. (−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物からシス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸を分離することを特徴とする、シス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸又はその塩の製法。
  14. 下記の工程1〜3を含む、次の一般式[1]で表されるフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法。
    Figure 2008111631

    一般式[1]中:
    4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の相対配置はシス配置であり、かかる2つの不斉炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配置で、他方がS配置である。
    Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有する二価の芳香族複素環基を表す。
    Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表す。
    は、環構成原子数が5〜10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1〜3個有していてもよい、1〜3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基は、R31、R32で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。
    31、R32は、同一又は異なって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを表すか、又は、R31とR32が一緒になって、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシを表す。

    工程1:水を含有する溶媒中で、シス−(±)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸と(−)−α−メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、
    工程2:(−)カルボン酸・(−)アミン塩の水和物からシス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸を分離する工程、
    工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られるシス−(−)−6−(3,4−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルボン酸又はその塩を用いる工程。
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