JPWO2008108068A1 - 光走査装置及びそれを用いた二次元画像表示装置 - Google Patents

光走査装置及びそれを用いた二次元画像表示装置 Download PDF

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Abstract

高輝度光源を用いた安定かつ均一な線状光走査が可能な光走査装置を提供する。レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源(11)と、少なくとも1つのレーザ光源(11)から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部(15)と、偏向部(15)によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板(17)とを備える。少なくとも1つのレーザ光源(11)は、マルチモードファイバ光源、又はストライプ構造の垂直方向が走査方向と平行に配置されたブロードストライプ型半導体レーザ光源を含み、導光板(17)の側面上の少なくとも1箇所に、走査方向と垂直な厚み方向の射出瞳が形成される。

Description

本発明は、液晶表示装置等の二次元画像表示装置に用いられる、主に三色(R、G、B)のレーザ光源を使用した光走査装置に関する。
表示装置には、有機発光表示装置やプラズマ表示装置等の自ら発光する発光型表示装置と、液晶表示装置等の自ら発光できないため別の光源を必要とする受光型表示装置とがある。一般的な液晶表示装置は、電界生成電極が具備された2個の表示板と、その間にある誘電率異方性を有する液晶層とを含む。電界生成電極に電圧を印加して液晶層に電場を生成し、電圧を変化させてこの電場の強度を調節することでライトバルブを形成し、液晶層を通過する光の透過率を調節して所望する画像を得る。
この液晶層を通過する光には、別途備えられた人工光源が使われることが一般的である。液晶表示装置用の光源としては、液晶パネルの後面で液晶パネル全体に均一に光を照射する光源、例えば冷陰極管蛍光ランプ(CCFL)等の蛍光ランプを使用するケースが多い。通常、導光板側面から入射された蛍光ランプの光は、導光板前面より略均一な光として液晶パネルを後面から照射する。
ところで近年、環境問題や省電力の観点から、水銀を使用しない、より消費電力の少ない光源として、発光ダイオード(LED)やレーザを光源に用いた画像表示装置の開発が進められている。特にレーザは、消費電力の低さのみならず、画像表示装置用光源として用いた場合、色再現範囲の広さ等の画質上の観点からも、画像表示装置に最適な光源と言える。
一方で、レーザ光源を用いて液晶パネルの後面で液晶パネル全体に均一に光を照射しようとした場合、レーザ光源は上述した蛍光ランプのような発光領域長を確保することは難しい。このため、光走査装置を用いて、液晶パネル後面の導光板の側面にレーザビームを線状に照射するエッジライト方式を用いることが考えられる。
この線状に照射する光学系としては、一般的にはレーザプリンタ(LBP)等に用いられる光走査装置や、コピー機の画像読み取り等に用いられる照明光学系等が代表的である(特許文献1を参照)。
特許第2649744号明細書
しかしながら、上述した従来技術は、通常輝度の光源を用いて焦点面に像を形成することを目的としている。このため、上述した従来技術を、高輝度光源から出射されるレーザ光を導光板側面に線状に照射する走査機構として、単純に用いることは難しい。
それ故に、本発明の目的は、高輝度光源を用いた、安定かつ均一な線状光走査が可能な光走査装置を提供することである。
本発明は、光走査装置、及びこの光走査装置を光強度を二次元的に変調する空間変調素子の照明に用いた二次元画像表示装置、に向けられている。そして、本発明の光走査装置は、上記目的を達成するために、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備える。少なくとも1つのレーザ光源は、マルチモードファイバ光源、又はストライプ構造の垂直方向が走査方向と平行に配置されたブロードストライプ型半導体レーザ光源を含み、導光板の側面上の少なくとも1箇所に、走査方向と垂直な厚み方向の射出瞳が形成される。
偏向部が回転多面鏡であれば、レーザ光源の厚み方向端部から出射されたレーザ光の主光線が、回転多面鏡の各鏡面上の少なくとも1点において、レンズ軸と交差していることが好ましい。また、偏向部と導光板との間に配置されたパワーを持つミラーをさらに備えてもよい。
また、導光板の側面上の少なくとも1箇所に射出瞳を形成するための、偏向部によって偏向走査されたレーザ光を厚み方向に集光する厚み方向集光部をさらに備えてもよい。この厚み方向集光部は、少なくとも厚み方向に異なるパワーを持つ複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーが走査方向に配列されて構成される。
ここで、複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーは、走査中央部から走査端部に向かって厚み方向の焦点距離が長くなるように設定されることが好ましく、また同一のフレネルレンズ又は同一のフレネルミラーが走査中央部から左右対称に配列されて構成されることが好ましい。また、複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーの厚み又は材質は、同じであることが好ましい。さらには、複数のフレネルレンズ(ミラー)はリニアフレネルレンズ(ミラー)であり、ニアフレネルレンズ(ミラー)の厚み方向のピッチは同じであることが好ましい。
また、本発明の他の光走査装置としては、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光は、偏向部上で走査方向に集光される、光走査装置も考えられる。
さらに、他の解決手段としては、ブロードストライプ型半導体レーザで構成されたレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、レーザ光源は、ストライプ構造の垂直方向が走査方向と直交して配置される、光走査装置が考えられる。
さらには、少なくとも1つのレーザ光を出射するファイバ光源と、ファイバ光源から出射された少なくとも1つのレーザ光をS偏光成分とP偏光成分とに分離する偏光分離部と、偏光分離部で分離された一方の偏光成分を有するレーザ光を90度回転させる偏光回転部と、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏向成分を有するレーザ光とを偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏向成分を有するレーザ光とが、レーザ光入射角度及びレーザ光入射位置の少なくとも一方を異ならせて偏向部へ入射される、光走査装置が考えられる。
この場合、レーザ光入射角度及びレーザ光入射位置は、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏向成分を有するレーザ光とが、導光板の走査面上で同一の走査範囲を走査するように設定されることが好ましい。
また、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏向成分を有するレーザ光とが、導光板の走査面上でのレーザ光強度が同一になるように、光走査装置内部の光ファイバを固定する固定具をさらに備えてもよい。特に、ファイバ光源が光走査装置の外部から光ファイバで導光されている場合、光走査装置外部の光ファイバが所定以上の曲率で湾曲しないように、光ファイバを補強する補強具をさらに備えてもよい。
さらには、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を入射する単一レンズを有し、当該単一レンズを振動させて入射するレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備える、光走査装置も考えられる。
上記本発明によれば、数ミリオーダの精度でよい射出瞳を導光板の側面に形成する構成であるため、サイズの大きい高輝度光源を用いて安価な方法で安定に均一な線状光走査を実現できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図2は、図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。 図3は、ブロードストライプ型半導体レーザの構造例を示す側面図である。 図4は、ブロードストライプ型半導体レーザを用いた図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図6は、図5に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。 図7は、本発明の第3の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図8は、図7に示す光走査装置における光伝搬経路の走査方向の断面図である。 図9は、本発明の第4の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図10は、従来の光走査装置の構成図である。 図11Aは、図10の光走査装置におけるビーム径の分布を説明する図である。 図11Bは、図9の光走査装置におけるビーム径の分布を説明する図である。 図12は、図9に示す光走査装置を液晶パネルのバックライトとして用いる場合の構成例を示す図である。 図13は、図9のリニアフレネルレンズ46a〜46gの成形例の断面図である。 図14Aは、図10のリニアフレネルレンズ109を伝搬するビームを説明する図である。 図14Bは、図9のリニアフレネルレンズ46を伝搬するビームを説明する図である。 図15は、従来の光走査装置の構成図である。 図16は、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図17は、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の他の構成図である。 図18は、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の構成図である。 図19は、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の他の構成図である。 図20は、本発明のその他の実施形態に係る光走査装置の構成図である。
符号の説明
11 レーザ光源(マルチモードファイバ光源)
12 コリメータレンズ
13、13a〜13g、111、113、114、116 レーザ光
14、75 シリンドリカルレンズ
15、118、118a、118b 回転多面鏡
16、16a、16b、76 走査レンズ
17、119 導光板
18、19 主光線
20 活性層
21 クラッド層
22 光ガイド層
26、26a、26b 走査ミラー
46 リニアフレネルレンズアレイ
46a〜46g、109 リニアフレネルレンズ
107、117、117a、117b、123 折り返しミラー
108 液晶パネル
110 ファイバ光源
112 偏光ビームスプリッタ(PBS)
115 波長板
120 固定具
121 光源ユニット
122 光ファイバケーブル
124 補強具付き光ファイバケーブル
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第1の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、走査レンズ16と、導光板17とで構成される。走査レンズ16は、前側シリンドリカルレンズ16a及び後側シリンドリカルレンズ16bを有する。
レーザ光源11は、マルチモードファイバ光源であり、図示しない光ファイバを介してレーザ光13が導光されている。マルチモードファイバ光源11から出射されたレーザ光13は、コリメータレンズ12で厚み方向(走査方向に対して垂直方向、以下同じ)に略平行に変換される。厚み方向に略平行に変換されたレーザ光13は、光源サイズに応じた拡がり角で拡がりながらシリンドリカルレンズ14によって厚み方向に集光される。集光されたレーザ光13は、偏向部である回転多面鏡15で反射されて、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達する。走査レンズ16に到達したレーザ光13は、前側シリンドリカルレンズ16a及び後側シリンドリカルレンズ16bによって厚み方向に再度絞られながら、導光板17に側面から入射される。
導光板17は、例えば、液晶パネル等の二次元空間変調素子を均一に照明するバックライトの一部として用いられる。この導光板17は、図示しない拡散ビーズが内部に均一に散りばめられている。入射されたレーザ光13は、拡散ビーズによって導光板17内を拡散されながら伝播し、導光板17の表面(液晶パネルがある側の平面)から出射することになる。なお、導光板17の裏面側に反射材を配置すれば、導光板17の裏面から出射されるレーザ光を有効利用することができる。
上記構成において、回転多面鏡15が高速回転して、レーザ光13は、導光板17の側面上を図1中の矢印向きに高速走査する。従って、導光板17から出射されるレーザ光13は、導光板17中の拡散ビーズにより拡散され、回転多面鏡15の高速回転による高速走査により、略均一に導光板17の表面から出射することになる。この構成では、回転多面鏡15によるレーザ光13の高速走査によって、導光板17からのレーザ光出射パターンが時間軸上で変動する。このため、回転多面鏡15の停止時にみられるようなスペックルパターンは、回転多面鏡15が回転時には視認上問題無いレベルまで低減されるという効果がある。
図2を用いて、第1の実施形態に係る光走査装置による効果を説明する。図2は、図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。
マルチモードファイバ光源11の光出射部は、図2に示す通りコア径に相当する所定の大きさを有しており、光出射部内のいたる所から所定のNAでレーザ光が出射される。通常、マルチモードファイバは、コア径が10ミクロン程度から1mmまでのものが入手可能である。マルチモードファイバ光源11は、点光源とはみなせないため、焦点位置に配置されたコリメータレンズ12を透過したレーザ光は、平行には伝播しない。
図2において、光出射部中央から出射したレーザ光の伝搬経路を考える。光出射部中央から出射されたレーザ光は、主光線18に沿って水平に伝播する。コリメータレンズ12に到達したレーザ光は、平行ビームに変換され、シリンドリカルレンズ14によって集光され、回転多面鏡15の近傍に集光する。回転多面鏡15によって反射されたレーザ光は、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達し、走査レンズ16により厚み方向に集光され、導光板17の側面近傍に入射される。図2に示す回転多面鏡15から導光板17までの断面は、回転多面鏡15が所定の角度でレーザ光13を偏向反射した時に主光線18に沿って切断した厚み方向断面である。
光出射部下部端から出射したレーザ光の伝搬経路を考える。光出射部下部端から出射されたレーザ光は、主光線19に沿って伝播する。コリメータレンズ12に到達したレーザ光は、平行ビームに変換され、シリンドリカルレンズ14によって集光され、同じく回転多面鏡15の近傍に集光する。このとき、主光線18と主光線19とは、コリメータレンズ12の近傍にある入射瞳上で交差する。この交差する角度θは、コリメータレンズ12の焦点距離を「L12」と、マルチモードファイバ光源11のコア直径を「Φ11」とすると、θ=arctan(Φ11/(2×L12))で与えられる。回転多面鏡15によって反射されたレーザ光は、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達し、走査レンズ16により厚み方向に集光され、主光線18に対して所定の角度を持って導光板17の側面近傍に入射される。なお、光出射部上部端から出射したレーザ光の伝搬経路も、同様である。
このように、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置は、回転多面鏡15で偏向反射されたレーザ光が、導光板17の側面上の少なくとも1箇所に厚み方向の「射出瞳」が形成される位置に各構成が配置されることを特徴とする。この配置により、少なくともこの偏向角度においては、部品レベルでマルチモードファイバ光源11のコア径がばらついたとしても、NAが同じであれば導光板17上でのビーム径は原理的にばらつかない、という効果を得られる。同様に、コア径の違う複数のマルチモードファイバ光源11を用いた場合でも、NAが同じであれば同様のビーム径で導光板17上に収斂させることが可能になり、ファイバコア径の選択の幅が拡がる。
例えばR、G、Bでコア径の違う複数のマルチモードファイバ光源11を用いたとしても、ファイバのNAが同じで各マルチモードファイバ光源から導光板17までの光路長を同じにしておけば、導光板17の側面上でのビーム径は、厚み方向の射出瞳を導光板17の側面上に配置した断面では同じになる。よって、設計が極めて簡便になる。一般に、光ファイバのNAは、ファイバのコア及びクラッドに用いられている素材の屈折率に依存しており、例えば低損失の可視域ファイバであれば、コアに石英かつクラッドにフッ素ドープ石英が用いられたものが多く、その場合のNAは0.22程度になることが一般的である。よって、コア径には依存しないため、本実施形態が有効である。なお、従来の導光板17の側面上に像面を形成する構成では、コア径がばらついたり異なる場合には像面を形成することが難しくなり、本発明と比べて設計負荷、コスト、及びスペースが増大する。
さらに、R、G、Bの複数のマルチモードファイバ光源11を液晶ディスプレイのバックライトとして用いる場合、白色を生成するためのR、G、Bの光量比は一般に1:1:1にはならない。また、画面サイズによってはWクラスのハイパワーが必要になる。従って、本発明の光走査装置は、複数のマルチモードファイバ光源11使用する液晶ディスプレイの液晶バックライトに欠かすことのできない技術と言える。
なお、光出射部下部端から出射したレーザ光の主光線が、回転多面鏡15の各面の反射面上の少なくとも一点において光軸と交差していると、回転多面鏡15の反射面が面倒れ誤差により面毎に傾いていた場合であっても、少なくともこの偏向断面においては、導光板17の側面近傍にある同一箇所を射出瞳として通過する。よって、回転多面鏡15の面倒れ誤差に依存しないことになり、安価な回転多面鏡15でさらに高精度な走査をすることができる。また、この状態では、回転多面鏡15の近傍にビームウエスト位置が来るため、同時に薄型の回転多面鏡を用いることができるため、さらに低コストとなる。
なお、上記第1の実施形態では、偏向部として回転多面鏡15を用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。また、走査レンズ16も、レンズ2枚で構成で構成されるものに限らない。また、マルチモードファイバ光源11に代えて、ロッドインテグレータやブロードストライプ型半導体レーザを用いてもよい。
ブロードストライプ型半導体レーザに関して、図3を用いて簡単に説明する。図3は、ブロードストライプ型半導体レーザの構造例を示す側面図である。
半導体レーザを高出力化する場合、単一モードの半導体レーザへの注入電流を増やす単純な方法では、注入キャリア密度及び光子密度の増大に伴う半導体レーザの出射端面の温度上昇等によって、光学損傷(COD:catastrophic optical damage)や熱的飽和が生じて、所定以上(通常0.3W程度以上)の光量の増加は難しい。そのため、一般には、電流注入領域を数十ミクロンからサブミリメートル程度にまで広げたストライプ構造を設けることにより、内部の光パワー密度を下げると共に内部損失を減らして高出力を得ている。このような構造をブロードストライプ構造と呼び、この構造を持つ半導体レーザをブロードストライプ型半導体レーザと呼ぶ。
図3のように、ブロードストライプ型半導体レーザは、レーザ光が出力される活性層20の両側に、クラッド層21よりも屈折率の大きい光ガイド層22が設けてあり、水平方向に電流注入領域が拡げてある。これにより、半導体レーザの高出力化を実現している。しかし、水平方向のストライプ幅がサブミリメートル程度の広さがあると、水平方向についてはもはや点光源とはみなせなくなっている。よって、ブロードストライプ型半導体レーザを第1の実施形態の光源に用いる場合には、ブロードストライプ型半導体レーザの垂直方向を、走査方向と平行に(すなわち、厚み方向に点光源ではない方向に)配置すれば、図2に示した光伝搬経路と同じ構成が得られる。
なお、ブロードストライプ型半導体レーザを用いる場合、ブロードストライプ型半導体レーザの垂直方向を、走査方向と垂直に(すなわち、厚み方向に点光源となる方向に)配置してもよい。図4は、この配置の場合における、ある偏向角における光学系厚み方向の断面図である。ブロードストライプ型半導体レーザの厚み方向は、ストライプ幅数ミクロン程度であるため、点光源とみなせる。よって、コリメータレンズ12で変換されたレーザ光は、ほぼ平行のまま伝播する。そして、回転多面鏡15から導光板17までのビームの拡がりを小さくすることができるため、図2と同様に、導光板17の側面上で良好なビーム径を確保することができる。
図4では、回転多面鏡15上にビームを集光している図を示しているが、集光する必要はない。液晶バックライトに用いる導光板を側面照射する用途である場合には、導光板側面にビームが入れば良いため、回転多面鏡15上にビームを集光しなくても問題がない。また、導光板17の厚みや回転多面鏡15の厚みによっては、シリンドリカルレンズ14は無くても構わない。走査方向に関しても、ビーム径は導光板17内に入っていれば問題ないため、シリンドリカルレンズ14は走査方向に曲率を持たせても(球面レンズとしても)構わないし、持たせなくても構わない。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第2の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、走査ミラー26と、導光板17とで構成される。走査ミラー26は、前側走査ミラー26a及び後側走査ミラー26bを有する。
図6は、図5に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。
第2の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1の実施形態に係る光走査装置と、走査ミラー26の構成が異なる。また、第2の実施形態で用いられるレーザ光源11は、マルチモードファイバ光源に限られない。
上述したように、本発明では、導光板17の側面に射出瞳を形成する程度の精度で良いため、走査レンズ16は、ガラスレンズではなく安価なフレネルレンズを用いても構わない。通常、フレネルレンズの材質は、樹脂である。しかし、樹脂レンズは、安価である反面、特に青色可視領域(450nm以下)で光吸収が生じ易いことや、線膨張係数が光学ガラスと比較して一桁大きい。線膨張係数は、BK7が7.1×10−6(/℃)程度であるのに対し、PMMAは7×10−5(/℃)程度である。すなわち、ガラスレンズと比較して、フレネルレンズの様な樹脂レンズを用いると、レーザ光の光量が大きければ大きいほど、レーザ光の吸収による発熱が大きくなり、それに伴う熱膨張による集光特性の変動は顕著になる。ところが、特に走査レンズ16は、走査領域を全てカバーする幅が必要になるため、特に大画面サイズ用の光学系ではレンズ幅が広くなる。従って、加工適正やコストの面から、ガラスレンズの使用は避けたい。
そこで、第2の実施形態に係る光走査装置では、走査レンズ16ではなく、走査ミラー26を用いて構成することで、レーザ光の吸収による発熱の影響を緩和している。この本走査ミラー26は、樹脂基材にアルミや誘電体をコートできるため、安価に製造することが可能である。
勿論、レーザ光を反射する角度は180度以外であってもよい。また、コリメータレンズ12及びシリンドリカルレンズ14に関しても、同様に曲面ミラーで反射させる構成を用いても構わない。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第2の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、導光板17とで構成される。
図8は、図7に示す光走査装置における光伝搬経路の走査方向の断面図である。
第3の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1及び第2の実施形態に係る光走査装置の走査レンズ16又は走査ミラー26がない構成である。また、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14は、走査方向に曲率を持つように配置される。また、第3の実施形態で用いられるレーザ光源11は、マルチモードファイバ光源に限られない。
レーザ光源11から出射されたレーザ光13は、コリメータレンズ12で走査方向に略平行に変換される。走査方向に略平行に変換されたレーザ光13は、シリンドリカルレンズ14によって走査方向に集光される。集光されたレーザ光13は、回転多面鏡15で反射されて、走査方向に拡がりながら導光板17に側面から入射される。上述の通り、レーザ光が導光板側面に入っていれば、そのビーム径は問題にならない。そのため、図8のように、回転多面鏡15で反射した後は、走査方向には全く集光していない。こうすることで、以下のような効果がある。
すなわち、回転多面鏡15から反射したレーザ光の画角が広く(ビーム径が太く)なっているため、走査方向にビームを絞らずに導光板17へ出射すれば、レーザ光の画角が広くなっている分だけ短い走査距離で導光板17の一方端から他方端までレーザ光を入力できる。よって、装置の小型化に繋がる。また、レーザ光の画角が広くなることで、輝度の均一化に繋がる。こうすることで、画像上のスペックルの低減にも効果的である。これは、例えば導光板17上のある一点を考えたときに、導光板17の側面を照射する走査方向のビーム径が大きい方が、その一点の照明に寄与する走査画角の範囲が広くなるからである。このように、回転多面鏡15上でレーザ光を集光することにより、小型化及び高画質化を同時に簡便に達成することが可能になる。
なお、コリメータレンズ12及びシリンドリカルレンズ14は、走査方向に曲率をもつように配置すればよいが、球面レンズを用いて厚み方向にも曲率を持たせて、第1及び第2の実施形態と同様に構成しても構わない。勿論、走査ミラー26を設けてレーザ光を折り返すこともできる。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第4の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、リニアフレネルレンズアレイ46と、導光板17とで構成される。シリンドリカルレンズ14及びリニアフレネルレンズアレイ46は、厚み方向にパワーを持つ。
第4の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1の実施形態において2つのレンズで構成されていた走査レンズ16を、1つのリニアフレネルレンズアレイ46に代えたことが異なる。
回転多面鏡15で反射されたレーザ光13は、リニアフレネルレンズアレイ46に向けて偏向走査される。偏向走査されたレーザ光13は、リニアフレネルレンズアレイ46を透過した後、導光板17の側面に到達する。ここで、図9に示すように、リニアフレネルレンズアレイ46上でのビーム13a〜13gは、走査中心から走査端に向かうに従って偏向方向に光が拡がっていく。これは、レーザ光13が回転多面鏡15上で厚み方向に線状に集光されたことにより、回転多面鏡15で反射したビームは所定の発散角度にて発散するようになっており、さらに回転多面鏡15からリニアフレネルレンズアレイ46までの距離が、走査中央から走査端に向かうに従って長くなるためである。
通常、この状態で、走査方向に同一のパワーを持つ単一のリニアフレネルレンズを用いた場合、レンズ上でのビーム径が小さいほど感じるレンズのパワーは小さくなるため、走査中央のビーム13dが感じるリニアフレネルレンズ46のパワーは相対的に小さく、走査端のビーム13a及び13gが感じるリニアフレネルレンズ46のパワーは大きくなる。そのため、図10のように走査中間部のビーム13c及び13eが導光板17上でピントが合うようにリニアフレネルレンズ109の位置又は曲率を設定した場合、走査中央のビーム13dは導光板17上で集光が不十分になるため、ビーム径が太くなってしまう。一方で走査中間部のビーム13b及び13fや走査端のビーム13a及び13gは導光板17より手前側でピントがあってしまうため、やはり導光板17上でのビーム径が太くなってしまう(図14Aを参照)。
例えば、回転多面鏡15からリニアフレネルレンズ109までの距離を100mm、リニアフレネルレンズ109から導光板17端面までの距離を102mm、リニアフレネルレンズ109の焦点距離を70mm、導光板17の端面長さ(走査長)を700mmとした場合、厚み方向の半値半角5.7度で回転多面鏡15に入射したビームは、導光板17端面の走査面上で、図11に示すようなビーム径になる。すなわち、走査中央から180mm周辺のビームだけが、ビーム径(半値全幅)が3mm程度と良好に絞られていることが分かる。
一般に、導光板17は数ミリ程度であり、図10の光走査装置では、走査端部でビームが導光板17に蹴られてしまうことになり、問題になる。さらに、第2の実施形態で述べたとおり、リニアフレネルレンズ109としては一般に線膨張係数の大きな樹脂が用いられるため、特にWクラスのハイパワーレーザを用いる場合、レーザ光の吸収や周囲温度の変動による発熱で膨張、収縮が顕著に見られるようになる。そのため、リニアフレネルレンズのパワーが変わってしまい、導光板の側面でのビーム径がさらにずれてしまうことになる。
そこで、第4の実施形態では、図9に示す通り、リニアフレネルレンズアレイ46を、パワーの違う複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gで分割する。リニアフレネルレンズ46a〜46gのパワーは、各リニアフレネルレンズ46a〜46gの中央を透過するビームが、各リニアフレネルレンズ46a〜46gを透過する中で最も小さいビーム径になるように選択する(図14Bを参照)。そうすることで、図12に示す通り、走査全域においてビーム径は5mm以下に集光され、走査領域の全域で良好なビーム径に絞られる。また、リニアフレネルレンズの熱膨脹及び収縮の影響による厚み方向のビーム太さが変動することにおいても、その変動分をマージンとして見積もり、リニアフレネルレンズの分割数をふやすことで、導光板17の厚み内に収めることができる。図12の例では、リニアフレネルレンズアレイ46a、46b、46c、46d、46e、46f、及び46gの焦点距離は、それぞれ100、84、70、54、70、84、及び100mmである。
一方で、図9の様に複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gを接合する場合、その繋ぎ目をビームが横切る際に、接合部でビームが散乱することが考えられる。本発明の様に、導光板17に入射して散乱した後、導光板17の表面から出射したビームが液晶パネル等の二次元空間変調素子を照射する場合、リニアフレネルレンズアレイ46の繋ぎ目はほとんど目視されなくなる。しかしながら、接合枚数が多くなった場合等では、光利用効率の低下が起こることが考えられる。よって、光利用効率の低下を極力防ぐため、接合する複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gの形状はほぼ同形状であることが望ましい。すなわち、図13に示す通り、厚み及び材質が同じリニアフレネルレンズを用いることにより、リニアフレネルレンズ46a〜46gの接合部での散乱による光利用効率の低下を最小限に抑えることが可能になる。
なお、リニアフレネルレンズアレイ46は、厚み方向に加えて走査方向にも曲率を持たせてもよい。また、リニアフレネルレンズアレイ46は、厚み及び材質だけではなく、図13に示す通り、各フレネルレンズ46a〜46gそれぞれのピッチも同じにすると、リニアフレネルレンズの接合部での散乱による光利用効率の低下を最小限に抑えることが可能になる
さらに、リニアフレネルレンズアレイ46を配置する代わりに、走査ミラー26に集光機能を持たせても構わない。すなわち、走査ミラー26を走査方向に分割し、それぞれの厚み方向のパワーを異ならせてリニアフレネルミラーアレイとして用いても構わない。これにより、さらに温度変動による膨張及び収縮に対して強い光学走査系を達成することもできる。
以上のように、本発明の第1〜第4の実施形態に係る光走査装置によれば、数十ミクロンオーダの精度が要求される像面ではなく、数ミリオーダの精度でよい射出瞳を導光板の側面に形成する構成であるため、サイズの大きい高輝度光源を用いて光走査装置を容易に実現できる。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る光走査装置を液晶パネルのバックライトとして用いる場合の構成例を示す図である。リニアフレネルレンズアレイ46を透過したレーザ光は、折り返しミラー107で折り返された後、導光板17に入射される。導光板17に到達したレーザ光は、導光板17内で伝搬しながら散乱し、導光板17の表面から出射されて液晶パネル108を背面から照射する。
(第5の実施形態)
一般に、液晶パネルは、所定の偏光方向のビームを変調及び透過するため、液晶パネルに導光されるビームが単一偏光であると、効率の向上が望める。一方でハイパワーの光源を光走査する場合は、光ファイバで多数の半導体レーザをバンドルして単一の光源として持ち込むことが簡便である。しかしながら、単一偏光の半導体レーザからの出力であっても、光ファイバを通すとその偏光方向は混合されてランダム偏光になる。
ランダム偏光の偏光方向を揃わせるためには、ランダム偏光のレーザ光をS偏光とP偏光とに分離し、導光板を左右に分割して、S偏光用の光学系とP偏光用の光学系とで個別に左右の導光板を走査させる構成が考えられる(図15)。
しかし、この構成の場合、偏光ビームスプリッタ(PBS)112におけるS偏光113の透過率とP偏光114の透過率との差や、波長板115の透過ロスや、折り返しミラー117の反射ロスや、回転多面鏡118aと118bとの反射率の異なり等により、導光板119に到達するレーザ光の光量に左右で差が生じてしまう。これは、画像上で輝度ムラとして視認されることになり問題である。
そこで、第5の実施形態では、1つの光学系だけで上記問題を解決することができる光走査装置について説明する。
図16は、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第5の実施形態に係る本光走査装置は、ファイバ光源110と、PBS112と、波長板115と、折り返しミラー117と、回転多面鏡118と、導光板119とで構成される。
ファイバ光源110は、偏光方向が揃っていないランダム偏光のレーザ光111を出力する。レーザ光111は、PBS112を通してS偏光113とP偏光114とに分離される。S偏光113は、回転多面鏡118に出射され、回転多面鏡118で反射されて導光板119に入力される。P偏光114は、波長板115を通して偏光方向が90°回転されてS偏光になった後、折り返しミラー117で反射されて回転多面鏡118に到達する。このS偏光は、回転多面鏡118で反射されて導光板119に入力される。勿論、S偏光113とP偏光114との経路を逆にしてもよい。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置によれば、ランダム偏光のレーザ光111の偏向方向を揃えることで、導光板119で同一の偏光方向のビームを得ることが可能になる。特に、分離したS偏光113とP偏光114を単一の回転多面鏡118の同一面に入射して走査させることにより、左右の輝度ムラをなくせる。
なお、図17に示すように、2つの折り返しミラー117a及び117bを用いて、回転多面鏡118上でS偏光が到達する面と、P偏光114が到達する面とを異ならせてもよい。
また、回転多面鏡118への入射位置、入射角度、又はその両方をずらすことにより、各ビームの導光板119上での同一箇所の走査タイミングをずらすことが可能になる。よって、画像上のスペックルノイズも視認されにくくなるというメリットも出てくる。さらにこの時、入射角及び入射位置を適宜選ぶと、導光板上での走査範囲を同一範囲とすることも可能であり、光量ロスを最小限に抑えることが可能になる。
さらに、上記第5の実施形態では、偏向部として回転多面鏡118を用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。その場合、図17に示した同時に複数面での偏向はできないため、同一偏向面に対して、入射する2つのレーザ光の入射角度、入射位置、又はその両方を異ならせばよい。
(第6の実施形態)
図18は、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第6の実施形態に係る本光走査装置は、光源ユニット121と、固定具120と、ファイバ光源110と、PBS112と、波長板115と、折り返しミラー117及び123と、回転多面鏡118a及び118bと、導光板119とで構成される。
光源ユニット121から出射されたレーザ光は、固定具120で固定された光ファイバケーブル122を経由してファイバ光源110に入力される。ファイバ光源110は、偏光方向が揃っていないランダム偏光のレーザ光111を出力する。レーザ光111は、PBS112を通してS偏光113とP偏光114とに分離される。S偏光113は、回転多面鏡118aに出射され、回転多面鏡118aで反射されて折り返しミラー123を介して導光板119に入力される。P偏光114は、波長板115を通して偏光方向が90°回転されてS偏光になった後、折り返しミラー117で反射されて回転多面鏡118bに到達する。このS偏光は、回転多面鏡118bで反射されて折り返しミラー123を介して導光板119に入力される。勿論、S偏光113とP偏光114との経路を逆にしてもよい。
導光板119に入射されたレーザ光は、散乱して液晶パネルを背面から照明する。この構成において、回転多面鏡118aにて偏向されたレーザ光と、回転多面鏡118bで偏向されたレーザ光は、導光板119の上側下側をそれぞれ別々に走査する。ただし、それぞれの露光領域はオーバラップしていても構わない。上記第5の実施形態で述べたように、第6の実施形態の構成では、PBS112におけるS偏光113の透過率とP偏光114の透過率との差や、波長板115の透過ロスや、折り返しミラー117の反射ロスや、回転多面鏡118aと118bとの反射率の異なり等により、導光板119に到達するレーザ光の光量に左右で差が生じてしまう。
ところが、第6の実施形態の構成では、光ファイバケーブル122を固定具120で固定する、すなわち圧力を掛けてある方向に湾曲させることで、ファイバ光源110に入力されるレーザ光の偏光をアンバランスに変えることができる。シングルモードファイバの偏波保持は、この原理を用いたものである。すなわち、図18において導光板119に到達する光量が左右でばらついている時、光ファイバケーブル122を所定の方向に湾曲させて固定することで、光量が不足していた方向の偏光成分の割合を増大させることができる。この結果、導光板119に到達するレーザ光の光量を左右で一致するように調整することが可能になる。
以上のように、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置によれば、光ファイバケーブル122を固定具120で固定することで、光板119に到達するレーザ光の光量を左右で一致するように調整することができる。
なお、光ファイバケーブルが光走査装置の装置外にある場合、ファイバを固定することはできない。その場合、図19に示す様に、光ファイバケーブルを補強具付き光ファイバケーブル124にすることで、動きにくくしておけばよい。
また、上記第6の実施形態では、偏向部として回転多面鏡118a及び118bを用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。さらに、折り返しミラー117にパワーを持たせて導光板119の側面を集光走査させても構わない。
なお、上記第1〜第6の実施形態に係る光走査装置に用いる偏向部として、レンズを用いることも可能である。図20は、偏向部にレンズを用いた光走査装置の構成例を示す図である。図20において、レーザ光源11から出射されたレーザ光は、正又は負のパワーを持ったレンズ75に入射される。レンズ75は、汎用の球面レンズや走査方向にパワーを持つシリンドリカルレンズ等である。このレンズ75を走査方向に振動させると、レンズ曲面にてレーザ光が屈折しレーザ光の進行方向が変わる。これにより、レーザ光を走査することが可能になる。レンズ75を透過したレーザ光は、走査レンズ76を介して導光板17の厚み方向に集光される。
本発明の光走査装置は、液晶表示装置等の二次元画像表示装置に用いることが可能であり、特に高輝度光源を用いて安定かつ均一な線状光走査を実現したい場合等に有用である。
本発明は、液晶表示装置等の二次元画像表示装置に用いられる、主に三色(R、G、B)のレーザ光源を使用した光走査装置に関する。
表示装置には、有機発光表示装置やプラズマ表示装置等の自ら発光する発光型表示装置と、液晶表示装置等の自ら発光できないため別の光源を必要とする受光型表示装置とがある。一般的な液晶表示装置は、電界生成電極が具備された2個の表示板と、その間にある誘電率異方性を有する液晶層とを含む。電界生成電極に電圧を印加して液晶層に電場を生成し、電圧を変化させてこの電場の強度を調節することでライトバルブを形成し、液晶層を通過する光の透過率を調節して所望する画像を得る。
この液晶層を通過する光には、別途備えられた人工光源が使われることが一般的である。液晶表示装置用の光源としては、液晶パネルの後面で液晶パネル全体に均一に光を照射する光源、例えば冷陰極管蛍光ランプ(CCFL)等の蛍光ランプを使用するケースが多い。通常、導光板側面から入射された蛍光ランプの光は、導光板前面より略均一な光として液晶パネルを後面から照射する。
ところで近年、環境問題や省電力の観点から、水銀を使用しない、より消費電力の少ない光源として、発光ダイオード(LED)やレーザを光源に用いた画像表示装置の開発が進められている。特にレーザは、消費電力の低さのみならず、画像表示装置用光源として用いた場合、色再現範囲の広さ等の画質上の観点からも、画像表示装置に最適な光源と言える。
一方で、レーザ光源を用いて液晶パネルの後面で液晶パネル全体に均一に光を照射しようとした場合、レーザ光源は上述した蛍光ランプのような発光領域長を確保することは難しい。このため、光走査装置を用いて、液晶パネル後面の導光板の側面にレーザビームを線状に照射するエッジライト方式を用いることが考えられる。
この線状に照射する光学系としては、一般的にはレーザプリンタ(LBP)等に用いられる光走査装置や、コピー機の画像読み取り等に用いられる照明光学系等が代表的である(特許文献1を参照)。
特許第2649744号明細書
しかしながら、上述した従来技術は、通常輝度の光源を用いて焦点面に像を形成することを目的としている。このため、上述した従来技術を、高輝度光源から出射されるレーザ光を導光板側面に線状に照射する走査機構として、単純に用いることは難しい。
それ故に、本発明の目的は、高輝度光源を用いた、安定かつ均一な線状光走査が可能な光走査装置を提供することである。
本発明は、光走査装置、及びこの光走査装置を光強度を二次元的に変調する空間変調素子の照明に用いた二次元画像表示装置、に向けられている。そして、本発明の光走査装置は、上記目的を達成するために、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備える。少なくとも1つのレーザ光源は、マルチモードファイバ光源、又はストライプ構造の垂直方向が走査方向と平行に配置されたブロードストライプ型半導体レーザ光源を含み、導光板の側面上の少なくとも1箇所に、走査方向と垂直な厚み方向の射出瞳が形成される。
偏向部が回転多面鏡であれば、レーザ光源の厚み方向端部から出射されたレーザ光の主光線が、回転多面鏡の各鏡面上の少なくとも1点において、レンズ軸と交差していることが好ましい。また、偏向部と導光板との間に配置されたパワーを持つミラーをさらに備えてもよい。
また、導光板の側面上の少なくとも1箇所に射出瞳を形成するための、偏向部によって偏向走査されたレーザ光を厚み方向に集光する厚み方向集光部をさらに備えてもよい。この厚み方向集光部は、少なくとも厚み方向に異なるパワーを持つ複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーが走査方向に配列されて構成される。
ここで、複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーは、走査中央部から走査端部に向かって厚み方向の焦点距離が長くなるように設定されることが好ましく、また同一のフレネルレンズ又は同一のフレネルミラーが走査中央部から左右対称に配列されて構成されることが好ましい。また、複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーの厚み又は材質は、同じであることが好ましい。さらには、複数のフレネルレンズ(ミラー)はリニアフレネルレンズ(ミラー)であり、ニアフレネルレンズ(ミラー)の厚み方向のピッチは同じであることが好ましい。
また、本発明の他の光走査装置としては、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光は、偏向部上で走査方向に集光される、光走査装置も考えられる。
さらに、他の解決手段としては、ブロードストライプ型半導体レーザで構成されたレーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、レーザ光源は、ストライプ構造の垂直方向が走査方向と直交して配置される、光走査装置が考えられる。
さらには、少なくとも1つのレーザ光を出射するファイバ光源と、ファイバ光源から出射された少なくとも1つのレーザ光をS偏光成分とP偏光成分とに分離する偏光分離部と、偏光分離部で分離された一方の偏光成分を有するレーザ光を90度回転させる偏光回転部と、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏成分を有するレーザ光とを偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備え、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏成分を有するレーザ光とが、レーザ光入射角度及びレーザ光入射位置の少なくとも一方を異ならせて偏向部へ入射される、光走査装置が考えられる。
この場合、レーザ光入射角度及びレーザ光入射位置は、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏成分を有するレーザ光とが、導光板の走査面上で同一の走査範囲を走査するように設定されることが好ましい。
また、偏光回転部で90度回転させられたレーザ光と、偏光分離部で分離された他方の偏成分を有するレーザ光とが、導光板の走査面上でのレーザ光強度が同一になるように、光走査装置内部の光ファイバを固定する固定具をさらに備えてもよい。特に、ファイバ光源が光走査装置の外部から光ファイバで導光されている場合、光走査装置外部の光ファイバが所定以上の曲率で湾曲しないように、光ファイバを補強する補強具をさらに備えてもよい。
さらには、レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を入射する単一レンズを有し、当該単一レンズを振動させて入射するレーザ光を偏向走査する偏向部と、偏向部によって偏向走査されたレーザ光が側面に照射される導光板とを備える、光走査装置も考えられる。
上記本発明によれば、数ミリオーダの精度でよい射出瞳を導光板の側面に形成する構成であるため、サイズの大きい高輝度光源を用いて安価な方法で安定に均一な線状光走査を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の構成図 図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図 ブロードストライプ型半導体レーザの構造例を示す側面図 ブロードストライプ型半導体レーザを用いた図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図 本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の構成図 図5に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図 本発明の第3の実施形態に係る光走査装置の構成図 図7に示す光走査装置における光伝搬経路の走査方向の断面図 本発明の第4の実施形態に係る光走査装置の構成図 従来の光走査装置の構成図 図10の光走査装置におけるビーム径の分布を説明する図 図9の光走査装置におけるビーム径の分布を説明する図 図9に示す光走査装置を液晶パネルのバックライトとして用いる場合の構成例を示す図 図9のリニアフレネルレンズ46a〜46gの成形例の断面図 図10のリニアフレネルレンズ109を伝搬するビームを説明する図 図9のリニアフレネルレンズ46を伝搬するビームを説明する図 従来の光走査装置の構成図 本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の構成図 本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の他の構成図 本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の構成図 本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の他の構成図 本発明のその他の実施形態に係る光走査装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第1の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、走査レンズ16と、導光板17とで構成される。走査レンズ16は、前側シリンドリカルレンズ16a及び後側シリンドリカルレンズ16bを有する。
レーザ光源11は、マルチモードファイバ光源であり、図示しない光ファイバを介してレーザ光13が導光されている。マルチモードファイバ光源11から出射されたレーザ光13は、コリメータレンズ12で厚み方向(走査方向に対して垂直方向、以下同じ)に略平行に変換される。厚み方向に略平行に変換されたレーザ光13は、光源サイズに応じた拡がり角で拡がりながらシリンドリカルレンズ14によって厚み方向に集光される。集光されたレーザ光13は、偏向部である回転多面鏡15で反射されて、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達する。走査レンズ16に到達したレーザ光13は、前側シリンドリカルレンズ16a及び後側シリンドリカルレンズ16bによって厚み方向に再度絞られながら、導光板17に側面から入射される。
導光板17は、例えば、液晶パネル等の二次元空間変調素子を均一に照明するバックライトの一部として用いられる。この導光板17は、図示しない拡散ビーズが内部に均一に散りばめられている。入射されたレーザ光13は、拡散ビーズによって導光板17内を拡散されながら伝播し、導光板17の表面(液晶パネルがある側の平面)から出射することになる。なお、導光板17の裏面側に反射材を配置すれば、導光板17の裏面から出射されるレーザ光を有効利用することができる。
上記構成において、回転多面鏡15が高速回転して、レーザ光13は、導光板17の側面上を図1中の矢印向きに高速走査する。従って、導光板17から出射されるレーザ光13は、導光板17中の拡散ビーズにより拡散され、回転多面鏡15の高速回転による高速走査により、略均一に導光板17の表面から出射することになる。この構成では、回転多面鏡15によるレーザ光13の高速走査によって、導光板17からのレーザ光出射パターンが時間軸上で変動する。このため、回転多面鏡15の停止時にみられるようなスペックルパターンは、回転多面鏡15が回転時には視認上問題無いレベルまで低減されるという効果がある。
図2を用いて、第1の実施形態に係る光走査装置による効果を説明する。図2は、図1に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。
マルチモードファイバ光源11の光出射部は、図2に示す通りコア径に相当する所定の大きさを有しており、光出射部内のいたる所から所定のNAでレーザ光が出射される。通常、マルチモードファイバは、コア径が10ミクロン程度から1mmまでのものが入手可能である。マルチモードファイバ光源11は、点光源とはみなせないため、焦点位置に配置されたコリメータレンズ12を透過したレーザ光は、平行には伝播しない。
図2において、光出射部中央から出射したレーザ光の伝搬経路を考える。光出射部中央から出射されたレーザ光は、主光線18に沿って水平に伝播する。コリメータレンズ12に到達したレーザ光は、平行ビームに変換され、シリンドリカルレンズ14によって集光され、回転多面鏡15の近傍に集光する。回転多面鏡15によって反射されたレーザ光は、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達し、走査レンズ16により厚み方向に集光され、導光板17の側面近傍に入射される。図2に示す回転多面鏡15から導光板17までの断面は、回転多面鏡15が所定の角度でレーザ光13を偏向反射した時に主光線18に沿って切断した厚み方向断面である。
光出射部下部端から出射したレーザ光の伝搬経路を考える。光出射部下部端から出射されたレーザ光は、主光線19に沿って伝播する。コリメータレンズ12に到達したレーザ光は、平行ビームに変換され、シリンドリカルレンズ14によって集光され、同じく回転多面鏡15の近傍に集光する。このとき、主光線18と主光線19とは、コリメータレンズ12の近傍にある入射瞳上で交差する。この交差する角度θは、コリメータレンズ12の焦点距離を「L12」と、マルチモードファイバ光源11のコア直径を「Φ11」とすると、θ=arctan(Φ11/(2×L12))で与えられる。回転多面鏡15によって反射されたレーザ光は、厚み方向に拡がりながら走査レンズ16に到達し、走査レンズ16により厚み方向に集光され、主光線18に対して所定の角度を持って導光板17の側面近傍に入射される。なお、光出射部上部端から出射したレーザ光の伝搬経路も、同様である。
このように、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置は、回転多面鏡15で偏向反射されたレーザ光が、導光板17の側面上の少なくとも1箇所に厚み方向の「射出瞳」が形成される位置に各構成が配置されることを特徴とする。この配置により、少なくともこの偏向角度においては、部品レベルでマルチモードファイバ光源11のコア径がばらついたとしても、NAが同じであれば導光板17上でのビーム径は原理的にばらつかない、という効果を得られる。同様に、コア径の違う複数のマルチモードファイバ光源11を用いた場合でも、NAが同じであれば同様のビーム径で導光板17上に収斂させることが可能になり、ファイバコア径の選択の幅が拡がる。
例えばR、G、Bでコア径の違う複数のマルチモードファイバ光源11を用いたとしても、ファイバのNAが同じで各マルチモードファイバ光源から導光板17までの光路長を同じにしておけば、導光板17の側面上でのビーム径は、厚み方向の射出瞳を導光板17の側面上に配置した断面では同じになる。よって、設計が極めて簡便になる。一般に、光ファイバのNAは、ファイバのコア及びクラッドに用いられている素材の屈折率に依存しており、例えば低損失の可視域ファイバであれば、コアに石英かつクラッドにフッ素ドープ石英が用いられたものが多く、その場合のNAは0.22程度になることが一般的である。よって、コア径には依存しないため、本実施形態が有効である。なお、従来の導光板17の側面上に像面を形成する構成では、コア径がばらついたり異なる場合には像面を形成することが難しくなり、本発明と比べて設計負荷、コスト、及びスペースが増大する。
さらに、R、G、Bの複数のマルチモードファイバ光源11を液晶ディスプレイのバックライトとして用いる場合、白色を生成するためのR、G、Bの光量比は一般に1:1:1にはならない。また、画面サイズによってはWクラスのハイパワーが必要になる。従って、本発明の光走査装置は、複数のマルチモードファイバ光源11使用する液晶ディスプレイの液晶バックライトに欠かすことのできない技術と言える。
なお、光出射部下部端から出射したレーザ光の主光線が、回転多面鏡15の各面の反射面上の少なくとも一点において光軸と交差していると、回転多面鏡15の反射面が面倒れ誤差により面毎に傾いていた場合であっても、少なくともこの偏向断面においては、導光板17の側面近傍にある同一箇所を射出瞳として通過する。よって、回転多面鏡15の面倒れ誤差に依存しないことになり、安価な回転多面鏡15でさらに高精度な走査をすることができる。また、この状態では、回転多面鏡15の近傍にビームウエスト位置が来るため、同時に薄型の回転多面鏡を用いることができるため、さらに低コストとなる。
なお、上記第1の実施形態では、偏向部として回転多面鏡15を用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。また、走査レンズ16も、レンズ2枚で構成で構成されるものに限らない。また、マルチモードファイバ光源11に代えて、ロッドインテグレータやブロードストライプ型半導体レーザを用いてもよい。
ブロードストライプ型半導体レーザに関して、図3を用いて簡単に説明する。図3は、ブロードストライプ型半導体レーザの構造例を示す側面図である。
半導体レーザを高出力化する場合、単一モードの半導体レーザへの注入電流を増やす単純な方法では、注入キャリア密度及び光子密度の増大に伴う半導体レーザの出射端面の温度上昇等によって、光学損傷(COD:catastrophic optical damage)や熱的飽和が生じて、所定以上(通常0.3W程度以上)の光量の増加は難しい。そのため、一般には、電流注入領域を数十ミクロンからサブミリメートル程度にまで広げたストライプ構造を設けることにより、内部の光パワー密度を下げると共に内部損失を減らして高出力を得ている。このような構造をブロードストライプ構造と呼び、この構造を持つ半導体レーザをブロードストライプ型半導体レーザと呼ぶ。
図3のように、ブロードストライプ型半導体レーザは、レーザ光が出力される活性層20の両側に、クラッド層21よりも屈折率の大きい光ガイド層22が設けてあり、水平方向に電流注入領域が拡げてある。これにより、半導体レーザの高出力化を実現している。しかし、水平方向のストライプ幅がサブミリメートル程度の広さがあると、水平方向についてはもはや点光源とはみなせなくなっている。よって、ブロードストライプ型半導体レーザを第1の実施形態の光源に用いる場合には、ブロードストライプ型半導体レーザの垂直方向を、走査方向と平行に(すなわち、厚み方向に点光源ではない方向に)配置すれば、図2に示した光伝搬経路と同じ構成が得られる。
なお、ブロードストライプ型半導体レーザを用いる場合、ブロードストライプ型半導体レーザの垂直方向を、走査方向と垂直に(すなわち、厚み方向に点光源となる方向に)配置してもよい。図4は、この配置の場合における、ある偏向角における光学系厚み方向の断面図である。ブロードストライプ型半導体レーザの厚み方向は、ストライプ幅数ミクロン程度であるため、点光源とみなせる。よって、コリメータレンズ12で変換されたレーザ光は、ほぼ平行のまま伝播する。そして、回転多面鏡15から導光板17までのビームの拡がりを小さくすることができるため、図2と同様に、導光板17の側面上で良好なビーム径を確保することができる。
図4では、回転多面鏡15上にビームを集光している図を示しているが、集光する必要はない。液晶バックライトに用いる導光板を側面照射する用途である場合には、導光板側面にビームが入れば良いため、回転多面鏡15上にビームを集光しなくても問題がない。また、導光板17の厚みや回転多面鏡15の厚みによっては、シリンドリカルレンズ14は無くても構わない。走査方向に関しても、ビーム径は導光板17内に入っていれば問題ないため、シリンドリカルレンズ14は走査方向に曲率を持たせても(球面レンズとしても)構わないし、持たせなくても構わない。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第2の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、走査ミラー26と、導光板17とで構成される。走査ミラー26は、前側走査ミラー26a及び後側走査ミラー26bを有する。
図6は、図5に示す光走査装置における光伝搬経路の厚み方向の断面図である。
第2の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1の実施形態に係る光走査装置と、走査ミラー26の構成が異なる。また、第2の実施形態で用いられるレーザ光源11は、マルチモードファイバ光源に限られない。
上述したように、本発明では、導光板17の側面に射出瞳を形成する程度の精度で良いため、走査レンズ16は、ガラスレンズではなく安価なフレネルレンズを用いても構わない。通常、フレネルレンズの材質は、樹脂である。しかし、樹脂レンズは、安価である反面、特に青色可視領域(450nm以下)で光吸収が生じ易いことや、線膨張係数が光学ガラスと比較して一桁大きい。線膨張係数は、BK7が7.1×10-6(/℃)程度であるのに対し、PMMAは7×10-5(/℃)程度である。すなわち、ガラスレンズと比較して、フレネルレンズの様な樹脂レンズを用いると、レーザ光の光量が大きければ大きいほど、レーザ光の吸収による発熱が大きくなり、それに伴う熱膨張による集光特性の変動は顕著になる。ところが、特に走査レンズ16は、走査領域を全てカバーする幅が必要になるため、特に大画面サイズ用の光学系ではレンズ幅が広くなる。従って、加工適正やコストの面から、ガラスレンズの使用は避けたい。
そこで、第2の実施形態に係る光走査装置では、走査レンズ16ではなく、走査ミラー26を用いて構成することで、レーザ光の吸収による発熱の影響を緩和している。この本走査ミラー26は、樹脂基材にアルミや誘電体をコートできるため、安価に製造することが可能である。
勿論、レーザ光を反射する角度は180度以外であってもよい。また、コリメータレンズ12及びシリンドリカルレンズ14に関しても、同様に曲面ミラーで反射させる構成を用いても構わない。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第2の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、導光板17とで構成される。
図8は、図7に示す光走査装置における光伝搬経路の走査方向の断面図である。
第3の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1及び第2の実施形態に係る光走査装置の走査レンズ16又は走査ミラー26がない構成である。また、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14は、走査方向に曲率を持つように配置される。また、第3の実施形態で用いられるレーザ光源11は、マルチモードファイバ光源に限られない。
レーザ光源11から出射されたレーザ光13は、コリメータレンズ12で走査方向に略平行に変換される。走査方向に略平行に変換されたレーザ光13は、シリンドリカルレンズ14によって走査方向に集光される。集光されたレーザ光13は、回転多面鏡15で反射されて、走査方向に拡がりながら導光板17に側面から入射される。上述の通り、レーザ光が導光板側面に入っていれば、そのビーム径は問題にならない。そのため、図8のように、回転多面鏡15で反射した後は、走査方向には全く集光していない。こうすることで、以下のような効果がある。
すなわち、回転多面鏡15から反射したレーザ光の画角が広く(ビーム径が太く)なっているため、走査方向にビームを絞らずに導光板17へ出射すれば、レーザ光の画角が広くなっている分だけ短い走査距離で導光板17の一方端から他方端までレーザ光を入力できる。よって、装置の小型化に繋がる。また、レーザ光の画角が広くなることで、輝度の均一化に繋がる。こうすることで、画像上のスペックルの低減にも効果的である。これは、例えば導光板17上のある一点を考えたときに、導光板17の側面を照射する走査方向のビーム径が大きい方が、その一点の照明に寄与する走査画角の範囲が広くなるからである。このように、回転多面鏡15上でレーザ光を集光することにより、小型化及び高画質化を同時に簡便に達成することが可能になる。
なお、コリメータレンズ12及びシリンドリカルレンズ14は、走査方向に曲率をもつように配置すればよいが、球面レンズを用いて厚み方向にも曲率を持たせて、第1及び第2の実施形態と同様に構成しても構わない。勿論、走査ミラー26を設けてレーザ光を折り返すこともできる。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第4の実施形態に係る本光走査装置は、レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、シリンドリカルレンズ14と、回転多面鏡15と、リニアフレネルレンズアレイ46と、導光板17とで構成される。シリンドリカルレンズ14及びリニアフレネルレンズアレイ46は、厚み方向にパワーを持つ。
第4の実施形態に係る光走査装置は、上述した第1の実施形態において2つのレンズで構成されていた走査レンズ16を、1つのリニアフレネルレンズアレイ46に代えたことが異なる。
回転多面鏡15で反射されたレーザ光13は、リニアフレネルレンズアレイ46に向けて偏向走査される。偏向走査されたレーザ光13は、リニアフレネルレンズアレイ46を透過した後、導光板17の側面に到達する。ここで、図9に示すように、リニアフレネルレンズアレイ46上でのビーム13a〜13gは、走査中心から走査端に向かうに従って偏向方向に光が拡がっていく。これは、レーザ光13が回転多面鏡15上で厚み方向に線状に集光されたことにより、回転多面鏡15で反射したビームは所定の発散角度にて発散するようになっており、さらに回転多面鏡15からリニアフレネルレンズアレイ46までの距離が、走査中央から走査端に向かうに従って長くなるためである。
通常、この状態で、走査方向に同一のパワーを持つ単一のリニアフレネルレンズを用いた場合、レンズ上でのビーム径が小さいほど感じるレンズのパワーは小さくなるため、走査中央のビーム13dが感じるリニアフレネルレンズ46のパワーは相対的に小さく、走査端のビーム13a及び13gが感じるリニアフレネルレンズ46a及び46gのパワーは大きくなる。そのため、図10のように走査中間部のビーム13c及び13eが導光板17上でピントが合うようにリニアフレネルレンズ109の位置又は曲率を設定した場合、走査中央のビーム13dは導光板17上で集光が不十分になるため、ビーム径が太くなってしまう。一方で走査中間部のビーム13b及び13fや走査端のビーム13a及び13gは導光板17より手前側でピントがあってしまうため、やはり導光板17上でのビーム径が太くなってしまう(図14Aを参照)。
例えば、回転多面鏡15からリニアフレネルレンズ109までの距離を100mm、リニアフレネルレンズ109から導光板17端面までの距離を102mm、リニアフレネルレンズ109の焦点距離を70mm、導光板17の端面長さ(走査長)を700mmとした場合、厚み方向の半値半角5.7度で回転多面鏡15に入射したビームは、導光板17端面の走査面上で、図11に示すようなビーム径になる。すなわち、走査中央から180mm周辺のビームだけが、ビーム径(半値全幅)が3mm程度と良好に絞られていることが分かる。
一般に、導光板17は数ミリ程度であり、図10の光走査装置では、走査端部でビームが導光板17に蹴られてしまうことになり、問題になる。さらに、第2の実施形態で述べたとおり、リニアフレネルレンズ109としては一般に線膨張係数の大きな樹脂が用いられるため、特にWクラスのハイパワーレーザを用いる場合、レーザ光の吸収や周囲温度の変動による発熱で膨張、収縮が顕著に見られるようになる。そのため、リニアフレネルレンズのパワーが変わってしまい、導光板の側面でのビーム径がさらにずれてしまうことになる。
そこで、第4の実施形態では、図9に示す通り、リニアフレネルレンズアレイ46を、パワーの違う複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gで分割する。リニアフレネルレンズ46a〜46gのパワーは、各リニアフレネルレンズ46a〜46gの中央を透過するビームが、各リニアフレネルレンズ46a〜46gを透過する中で最も小さいビーム径になるように選択する(図14Bを参照)。そうすることで、図11Bに示す通り、走査全域においてビーム径は5mm以下に集光され、走査領域の全域で良好なビーム径に絞られる。また、リニアフレネルレンズの熱膨脹及び収縮の影響による厚み方向のビーム太さが変動することにおいても、その変動分をマージンとして見積もり、リニアフレネルレンズの分割数をふやすことで、導光板17の厚み内に収めることができる。図12の例では、リニアフレネルレンズ46a、46b、46c、46d、46e、46f、及び46gの焦点距離は、それぞれ100、84、70、54、70、84、及び100mmである。
一方で、図9の様に複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gを接合する場合、その繋ぎ目をビームが横切る際に、接合部でビームが散乱することが考えられる。本発明の様に、導光板17に入射して散乱した後、導光板17の表面から出射したビームが液晶パネル等の二次元空間変調素子を照射する場合、リニアフレネルレンズアレイ46の繋ぎ目はほとんど目視されなくなる。しかしながら、接合枚数が多くなった場合等では、光利用効率の低下が起こることが考えられる。よって、光利用効率の低下を極力防ぐため、接合する複数のリニアフレネルレンズ46a〜46gの形状はほぼ同形状であることが望ましい。すなわち、図13に示す通り、厚み及び材質が同じリニアフレネルレンズを用いることにより、リニアフレネルレンズ46a〜46gの接合部での散乱による光利用効率の低下を最小限に抑えることが可能になる。
なお、リニアフレネルレンズアレイ46は、厚み方向に加えて走査方向にも曲率を持たせてもよい。また、リニアフレネルレンズアレイ46は、厚み及び材質だけではなく、図13に示す通り、各フレネルレンズ46a〜46gそれぞれのピッチも同じにすると、リニアフレネルレンズの接合部での散乱による光利用効率の低下を最小限に抑えることが可能になる
さらに、リニアフレネルレンズアレイ46を配置する代わりに、走査ミラー26に集光機能を持たせても構わない。すなわち、走査ミラー26を走査方向に分割し、それぞれの厚み方向のパワーを異ならせてリニアフレネルミラーアレイとして用いても構わない。これにより、さらに温度変動による膨張及び収縮に対して強い光学走査系を達成することもできる。
以上のように、本発明の第1〜第4の実施形態に係る光走査装置によれば、数十ミクロンオーダの精度が要求される像面ではなく、数ミリオーダの精度でよい射出瞳を導光板の側面に形成する構成であるため、サイズの大きい高輝度光源を用いて光走査装置を容易に実現できる。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る光走査装置を液晶パネルのバックライトとして用いる場合の構成例を示す図である。リニアフレネルレンズアレイ46を透過したレーザ光は、折り返しミラー107で折り返された後、導光板17に入射される。導光板17に到達したレーザ光は、導光板17内で伝搬しながら散乱し、導光板17の表面から出射されて液晶パネル108を背面から照射する。
(第5の実施形態)
一般に、液晶パネルは、所定の偏光方向のビームを変調及び透過するため、液晶パネルに導光されるビームが単一偏光であると、効率の向上が望める。一方でハイパワーの光源を光走査する場合は、光ファイバで多数の半導体レーザをバンドルして単一の光源として持ち込むことが簡便である。しかしながら、単一偏光の半導体レーザからの出力であっても、光ファイバを通すとその偏光方向は混合されてランダム偏光になる。
ランダム偏光の偏光方向を揃わせるためには、ランダム偏光のレーザ光をS偏光とP偏光とに分離し、導光板を左右に分割して、S偏光用の光学系とP偏光用の光学系とで個別に左右の導光板を走査させる構成が考えられる(図15)。
しかし、この構成の場合、偏光ビームスプリッタ(PBS)112におけるS偏光113の透過率とP偏光114の透過率との差や、波長板115の透過ロスや、折り返しミラー117の反射ロスや、回転多面鏡118aと118bとの反射率の異なり等により、導光板119に到達するレーザ光の光量に左右で差が生じてしまう。これは、画像上で輝度ムラとして視認されることになり問題である。
そこで、第5の実施形態では、1つの光学系だけで上記問題を解決することができる光走査装置について説明する。
図16は、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第5の実施形態に係る本光走査装置は、ファイバ光源110と、PBS112と、波長板115と、折り返しミラー117と、回転多面鏡118と、導光板119とで構成される。
ファイバ光源110は、偏光方向が揃っていないランダム偏光のレーザ光111を出力する。レーザ光111は、PBS112を通してS偏光113とP偏光114とに分離される。S偏光113は、回転多面鏡118に出射され、回転多面鏡118で反射されて導光板119に入力される。P偏光114は、波長板115を通して偏光方向が90°回転されてS偏光になった後、折り返しミラー117で反射されて回転多面鏡118に到達する。このS偏光は、回転多面鏡118で反射されて導光板119に入力される。勿論、S偏光113とP偏光114との経路を逆にしてもよい。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る光走査装置によれば、ランダム偏光のレーザ光111の偏方向を揃えることで、導光板119で同一の偏光方向のビームを得ることが可能になる。特に、分離したS偏光113とP偏光114を単一の回転多面鏡118の同一面に入射して走査させることにより、左右の輝度ムラをなくせる。
なお、図17に示すように、2つの折り返しミラー117a及び117bを用いて、回転多面鏡118上でS偏光113が到達する面と、P偏光114が到達する面とを異ならせてもよい。
また、回転多面鏡118への入射位置、入射角度、又はその両方をずらすことにより、各ビームの導光板119上での同一箇所の走査タイミングをずらすことが可能になる。よって、画像上のスペックルノイズも視認されにくくなるというメリットも出てくる。さらにこの時、入射角及び入射位置を適宜選ぶと、導光板上での走査範囲を同一範囲とすることも可能であり、光量ロスを最小限に抑えることが可能になる。
さらに、上記第5の実施形態では、偏向部として回転多面鏡118を用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。その場合、図17に示した同時に複数面での偏向はできないため、同一偏向面に対して、入射する2つのレーザ光の入射角度、入射位置、又はその両方を異ならせばよい。
(第6の実施形態)
図18は、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置の構成図である。第6の実施形態に係る本光走査装置は、光源ユニット121と、固定具120と、ファイバ光源110と、PBS112と、波長板115と、折り返しミラー117及び123と、回転多面鏡118a及び118bと、導光板119とで構成される。
光源ユニット121から出射されたレーザ光は、固定具120で固定された光ファイバケーブル122を経由してファイバ光源110に入力される。ファイバ光源110は、偏光方向が揃っていないランダム偏光のレーザ光111を出力する。レーザ光111は、PBS112を通してS偏光113とP偏光114とに分離される。S偏光113は、回転多面鏡118aに出射され、回転多面鏡118aで反射されて折り返しミラー123を介して導光板119に入力される。P偏光114は、波長板115を通して偏光方向が90°回転されてS偏光になった後、折り返しミラー117で反射されて回転多面鏡118bに到達する。このS偏光は、回転多面鏡118bで反射されて折り返しミラー123を介して導光板119に入力される。勿論、S偏光113とP偏光114との経路を逆にしてもよい。
導光板119に入射されたレーザ光は、散乱して液晶パネルを背面から照明する。この構成において、回転多面鏡118aにて偏向されたレーザ光と、回転多面鏡118bで偏向されたレーザ光は、導光板119の上側下側をそれぞれ別々に走査する。ただし、それぞれの領域はオーバラップしていても構わない。上記第5の実施形態で述べたように、第6の実施形態の構成では、PBS112におけるS偏光113の透過率とP偏光114の透過率との差や、波長板115の透過ロスや、折り返しミラー117の反射ロスや、回転多面鏡118aと118bとの反射率の異なり等により、導光板119に到達するレーザ光の光量に左右で差が生じてしまう。
ところが、第6の実施形態の構成では、光ファイバケーブル122を固定具120で固定する、すなわち圧力を掛けてある方向に湾曲させることで、ファイバ光源110に入力されるレーザ光の偏光をアンバランスに変えることができる。シングルモードファイバの偏波保持は、この原理を用いたものである。すなわち、図18において導光板119に到達する光量が左右でばらついている時、光ファイバケーブル122を所定の方向に湾曲させて固定することで、光量が不足していた方向の偏光成分の割合を増大させることができる。この結果、導光板119に到達するレーザ光の光量を左右で一致するように調整することが可能になる。
以上のように、本発明の第6の実施形態に係る光走査装置によれば、光ファイバケーブル122を固定具120で固定することで、光板119に到達するレーザ光の光量を左右で一致するように調整することができる。
なお、光ファイバケーブルが光走査装置の装置外にある場合、ファイバを固定することはできない。その場合、図19に示す様に、光ファイバケーブルを補強具付き光ファイバケーブル124にすることで、動きにくくしておけばよい。
また、上記第6の実施形態では、偏向部として回転多面鏡118a及び118bを用いた場合を説明したが、それ以外のガルバノミラーやMEMSミラー等を用いても構わない。さらに、折り返しミラー117にパワーを持たせて導光板119の側面を集光走査させても構わない。
なお、上記第1〜第6の実施形態に係る光走査装置に用いる偏向部として、レンズを用いることも可能である。図20は、偏向部にレンズを用いた光走査装置の構成例を示す図である。図20において、レーザ光源11から出射されたレーザ光は、正又は負のパワーを持ったレンズ75に入射される。レンズ75は、汎用の球面レンズや走査方向にパワーを持つシリンドリカルレンズ等である。このレンズ75を走査方向に振動させると、レンズ曲面にてレーザ光が屈折しレーザ光の進行方向が変わる。これにより、レーザ光を走査することが可能になる。レンズ75を透過したレーザ光は、走査レンズ76を介して導光板17の厚み方向に集光される。
本発明の光走査装置は、液晶表示装置等の二次元画像表示装置に用いることが可能であり、特に高輝度光源を用いて安定かつ均一な線状光走査を実現したい場合等に有用である。
11 レーザ光源(マルチモードファイバ光源)
12 コリメータレンズ
13、13a〜13g、111、113、114、116 レーザ光
14、75 シリンドリカルレンズ
15、118、118a、118b 回転多面鏡
16、16a、16b、76 走査レンズ
17、119 導光板
18、19 主光線
20 活性層
21 クラッド層
22 光ガイド層
26、26a、26b 走査ミラー
46 リニアフレネルレンズアレイ
46a〜46g、109 リニアフレネルレンズ
107、117、117a、117b、123 折り返しミラー
108 液晶パネル
110 ファイバ光源
112 偏光ビームスプリッタ(PBS)
115 波長板
120 固定具
121 光源ユニット
122 光ファイバケーブル
124 補強具付き光ファイバケーブル

Claims (13)

  1. レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、
    前記少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、
    前記偏向部によって偏向走査された前記レーザ光が側面に照射される導光板とを備え、
    前記少なくとも1つのレーザ光源は、マルチモードファイバ光源、又はストライプ構造の垂直方向が走査方向と平行に配置されたブロードストライプ型半導体レーザ光源を含み、
    前記導光板の側面上の少なくとも1箇所に、走査方向と垂直な厚み方向の射出瞳が形成される、光走査装置。
  2. 前記偏向部は、回転多面鏡であり、
    前記レーザ光源の厚み方向端部から出射されたレーザ光の主光線が、前記回転多面鏡の各鏡面上の少なくとも1点において、レンズ軸と交差している、請求項1に記載の走査装置。
  3. 前記偏向部と前記導光板との間に配置されたパワーを持つミラーをさらに備える、請求項1に記載の走査装置。
  4. 前記導光板の側面上の少なくとも1箇所に前記射出瞳を形成するための、前記偏向部によって偏向走査された前記レーザ光を厚み方向に集光する厚み方向集光部をさらに備え、
    前記厚み方向集光部は、少なくとも厚み方向に異なるパワーを持つ複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーが走査方向に配列されて構成される、請求項1に記載の走査装置。
  5. 前記複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーは、走査中央部から走査端部に向かって厚み方向の焦点距離が長くなるように設定される、請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーは、同一のフレネルレンズ又は同一のフレネルミラーが走査中央部から左右対称に配列されて構成される、請求項4に記載の光走査装置。
  7. 前記複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーの厚みは同じである、請求項4に記載の光走査装置。
  8. 前記複数のフレネルレンズ又は複数のフレネルミラーの材質は同じである、請求項4に記載の光走査装置。
  9. 前記複数のフレネルレンズはリニアフレネルレンズであり、ニアフレネルレンズの厚み方向のピッチは同じである、請求項4に記載の光走査装置。
  10. 前記複数のフレネルミラーはリニアフレネルミラーであり、ニアフレネルミラーの厚み方向のピッチは同じである、請求項4に記載の光走査装置。
  11. レーザ光を出射する少なくとも1つのレーザ光源と、
    前記少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光を偏向走査する偏向部と、
    前記偏向部によって偏向走査された前記レーザ光が側面に照射される導光板とを備え、
    前記少なくとも1つのレーザ光源から出射されたレーザ光は、前記偏向部上で走査方向に集光される、光走査装置。
  12. 光強度を二次元的に変調する空間変調素子と、
    前記空間変調素子を照明する請求項1に記載の光走査装置とを備える、二次元画像表示装置。
  13. 光強度を二次元的に変調する空間変調素子と、
    前記空間変調素子を照明する請求項11に記載の光走査装置とを備える、二次元画像表示装置。
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