JP3061996B2 - 光アクティブマトリックス・ディスプレイ - Google Patents

光アクティブマトリックス・ディスプレイ

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JP3061996B2
JP3061996B2 JP1985594A JP1985594A JP3061996B2 JP 3061996 B2 JP3061996 B2 JP 3061996B2 JP 1985594 A JP1985594 A JP 1985594A JP 1985594 A JP1985594 A JP 1985594A JP 3061996 B2 JP3061996 B2 JP 3061996B2
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幸久 楠田
小百合 藤原
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Sharp Corp
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Sharp Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転多面鏡を有する光
走査装置を用いた光アクティブマトリックス・ディスプ
レイに関するものである。これは、特に大面積液晶ディ
スプレイに好適な技術であり、例えば各種AV機器、O
A機器などに広く利用できる。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリックス駆動液晶ディス
プレイは、表示品位が高いことから液晶ディスプレイの
本流となりつつある。そして、このような表示装置は、
大容量化の要求に伴い、絵素数を400 ×600 から1000×
1000あるいはそれ以上へと増大することが求められてお
り、また表示画面サイズも10型(254mm)対角から
20型(508mm)対角あるいはそれ以上へと、より大
型化することが求められている。
【0003】しかし、アクティブマトリックスを構成す
る薄膜トランジスタ(TFT)は製造工程が複雑であ
り、且つ配線の重なり部分を中心に欠陥が発生しやす
く、そのため歩留りが低く、価格を低減するのが難しい
という問題がある。この問題の解決は、絵素数の増大、
表示画面サイズの大型化とともに、一層難しくなる。ま
た表示画面サイズを大型化すると、配線の長さが長くな
り、それにつれて配線抵抗が増大し、配線抵抗と浮遊容
量による信号波形の遅延が生じてしまうといった問題も
生じる。
【0004】このような問題を解決できる技術として、
図10及び図11に示す光アクティブマトリックスが提
案されている(特開平1−173016号など)。これ
は、ガラス基板101中に多数の平行な光導波路102
を形成し、この光導波路102上でクラッド部が欠如し
た光の通路に接して光導電材料103を多数配設し、光
導波路102を通る光の一部がその上に形成された光導
電材料103に入射するように構成されている。それぞ
れの光導電材料103は、金属薄膜線104と金属薄膜
線105との間をオン・オフ制御するものであり、これ
らが光スイッチ素子106を構成している。金属薄膜線
105は、液晶表示の画素を形成する各絵素電極107
に接続されており、他方の金属薄膜線104に液晶表示
のための画像の電気信号を印加し、光スイッチ素子10
6を介して絵素電極107にその画像の電気信号を印加
するようになっている。
【0005】図11では、横方向に金属薄膜線104が
形成され、縦方向に光導波路102が形成されている。
光導波路102に光が入っている場合、光導波路102
上の光スイッチ素子106はオン状態となり、金属薄膜
線104に乗せられた電気信号が絵素電極107に印加
され、液晶の配向を制御する。例えば光が図11の左端
の光導波路102から順番に入射するものとして、いま
左端の光導波路102に光が通っていると、この光導波
路102上に設けられている全ての光スイッチ素子10
6はオン状態となり、それ以外の列の光スイッチ素子1
06はオフ状態である。その時、金属薄膜線104に画
像信号(絵素情報に相当する電気信号)を加えれば、図
11の左列の絵素電極107にその電気信号が印加さ
れ、内部の液晶の配向が制御される。次にその右列につ
いても同様であり、これを繰り返すことによって全ての
絵素電極107に順次画像信号を印加し、液晶の配向を
制御することで画像の表示ができる。
【0006】このような光アクティブマトリックスで
は、各光導波路に順次光を入射させる必要がある。その
ため光導波路毎に発光素子(例えば発光ダイオード、レ
ーザダイオード、あるいはエレクトロルミネッセント素
子など)を個別に形成することが検討されていた。
【0007】それとは別に、光を走査する従来技術とし
て、レーザプリンタ等に見られるように、光源であるレ
ーザからの光ビームを回転多面鏡等の光学系で走査する
方法がある。レーザプリンタでは、図12に示すよう
に、例えば100μm程度に細く絞った1本のレーザ光
120を回転多面鏡121に照射し、その反射光が収束
レンズ122によって感光ドラム123の表面に集光す
るようにして、回転多面鏡121の高速回転につれてレ
ーザ光が感光ドラム123の走査面上を走査するように
構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
光導波路毎に発光素子を配置する構成とすると、通常の
液晶表示ディスプレイでは数百個、あるいはそれ以上の
発光素子が必要となる。従って、各発光素子の発光強度
の均一性が問題となるばかりでなく、その取り付けが煩
雑になるし、走査光源としてはかなり高価なものとなら
ざるを得ない。更に各発光素子を個別に時系列的に発光
制御しなければならないので、その制御回路も複雑化す
る。
【0009】他方、レーザプリンタで用いられている上
記のような光走査系では、レーザ光は所望の表示情報に
対応して光強度変調が施されること、収束レンズとして
用いるfθレンズは感光ドラム面で集光するために用い
るが、感光ドラム面に対して入射する主光線の角度まで
厳密に制御する必要がないこと、等の特徴がある。その
ため、従来公知のこれらの光源・光学系を単に前記光ア
クティブマトリックス・ディスプレイに組み合わせて
も、後述する詳細な説明から明らかなように、均質な表
示を呈示することは不可能である。
【0010】本発明の主たる目的は、上記のような技術
的課題を解決し、少ない光源からの光を容易に光アクテ
ィブマトリックスの各光導波路に効果的かつ均一にアド
レスできるよう、最適な光学系を具備した回転多面鏡走
査方式の光アクティブマトリックス・ディスプレイを提
供することである。本発明の他の目的は、走査されたア
ドレス光を光アクティブマトリックスの各光導波路毎に
高効率で入力でき、また、表示のクロストークを防ぐこ
とのできる光アクティブマトリックス・ディスプレイを
提供することである。
【0011】本発明の更に他の目的は、光によるインタ
ーレース走査方式が可能となるように、光アクティブマ
トリックスの奇数列の各光導波路と偶数列の各光導波路
に別々にしかも容易にアドレス光を入力できる光アクテ
ィブマトリックス・ディスプレイを提供することであ
る。
【0012】本発明の他の目的は、光信号と電気信号の
同期に関し、光ビームの検知出力をトリガー信号として
画像情報の書き込みを制御する光アクティブマトリック
ス・ディスプレイを提供することである。更に本発明の
他の目的は、各光導波路にアドレスされる光ビームの強
度がほぼ一定となるように光源に供給する電力を制御
し、光スイッチ素子特性の安定化を図り、高品位の表示
を可能とした光アクティブマトリックス・ディスプレイ
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板の面
内で一方向に多数配列した光導波路と、該光導波路に交
差するように多数配列した画像信号を印加する線状電極
と、画像表示のためにアレイ状に配設した絵素電極と、
各光導波路と各線状電極の交差部近傍に位置して線状電
極と絵素電極とを接続する光スイッチ素子のアレイを具
備し、前記光導波路を通る光が光スイッチ素子に入射す
ることにより該光スイッチ素子をオフ状態からオン状態
に変化させる構成の光アクティブマトリックスを前提と
するものである。上記目的を達成するため本発明では、
前記光導波路は、それらの端面が該透明基板に現れるよ
うに形成されており、光ビームを出射する光源と、該光
ビームの方向を変化させる回転多面鏡と、該回転多面鏡
から取り出された光ビームの角度を変化させて該光ビー
ムを走査方向に依らず前記光導波路の端面に入射させる
レンズ系を備えた光走査装置を有する。
【0014】ここで、透明基板の各光導波路に入射する
光ビームの主光線が該透明基板の端面に対してなす角度
θが、ほぼ一定(特にほぼ90度とすることが好まし
い)となるように、光学系を設計する。また、光アクテ
ィブマトリックス内の光導波路の端面に、個々の光導波
路に対応した位置にレンズを配設したレンズアレイを設
け、該レンズアレイを通過した光ビームが光導波路端面
近傍に集光するように構成するのが好ましい。このレン
ズは、通常の凸レンズでもよいし、フレネルレンズ等で
あってもよい。この場合も、レンズアレイの各レンズに
入射する光ビームの主光線が該レンズアレイの端面に対
してなす角度θが、ほぼ一定(ほぼ90度とする)とな
るように光学系を設計する。
【0015】更に本発明では、前記光導波路は、それら
の端面が該透明基板に現れるように形成されており、2
本の光ビームを出射する光源と、該光ビームの方向を変
化させる回転多面鏡と、該回転多面鏡から取り出された
光ビームの角度を変化させて該光ビームを走査方向に依
らず前記光導波路の端面に向かわせるレンズ系と、前記
光導波路の端面に位置し光ビームを光導波路端面近傍に
集光させるレンズアレイを備えた光走査装置を有する。
そのレンズアレイは、奇数列の各光導波路に対応した位
置にレンズを配列した奇数側レンズ群と偶数列の各光導
波路に対応した位置にレンズを配列した偶数側レンズ群
とが2段に設けられていて、奇数側レンズ群を走査する
光ビームは奇数列の光導波路に、偶数列レンズ群を走査
する光ビームは偶数列の光導波路に、交互に入光するよ
うに構成されている。
【0016】これらにおいて、レンズアレイあるいは透
明基板の光ビーム走査開始側の位置に光検知素子を設
け、該光検知素子からの出力をトリガ信号として画像情
報の書込みを制御するのが好ましい。また光アクティブ
マトリックスの各光導波路の出射側端面にそれぞれ光検
知素子が位置する光検知素子アレイを設けると、各光検
知素子の光電流がほぼ一定となるように光源に供給する
電力を制御できる。
【0017】
【作用】光源から出射した光ビームは、よく方向が制御
されており、回転多面鏡に向かう。回転多面鏡は、その
回転によって反射光の方向を連続的に変化させ、光ビー
ムを扇状に走査する。その光ビームは、レンズ系によっ
て光アクティブマトリックスの光導波路の端面に入射す
る。その場合、該レンズ系は、光ビームを走査方向に依
らず前記光導波路の端面にほぼ垂直とするように屈折さ
せる。本発明においては、光導波路の端面が透明基板に
現れるように構成されているため、光ビームは光導波路
の端面に入射して、該光導波路内に入光する。なお、光
ビームの主光線と透明基板とのなす角度をほぼ一定とす
ることにより、光導波路に入る光量が一定となり、均一
な表示が得られる。特に、その角度をほぼ90度に設定
すると、高効率が得られる。
【0018】また光導波路の端面に、各光導波路に対応
するレンズを配設したレンズアレイを設けると、入射す
る光ビームは各レンズにより集光され、それによって光
の利用効率が向上する。またレンズアレイは、光ビーム
の走査位置が機械的変動などにより変化しても、常に一
定点に集光する機能を果たす。そのため機械的あるいは
温度的変化に影響され難くなり、光アクティブマトリッ
クス・ディスプレイの動作は極めて安定化する。更に、
光導波路への光ビームの入射側に遮光層を設けると、表
示のクロストークを防ぐことができる。
【0019】更に本発明では、光源から2本の光ビーム
が交互に出射し、一方の光ビームは奇数側レンズ群を走
査して奇数列の光導波路に順次入光し、他方の光ビーム
は偶数列レンズ群を走査して偶数列の光導波路に順次入
光する。このように2段に配列した2種のレンズ群をも
つレンズアレイによって、インターレース走査を実現し
ている。
【0020】本発明では、レンズアレイ又は透明基板の
光ビーム走査開始側の位置に設けた光検出素子からの出
力がトリガー信号となり、画像情報の書き込みを制御す
る。また光アクティブマトリックスの各光導波路の出射
側端面にそれぞれ設けた光検知素子アレイの光信号がほ
ぼ一定となるように光源に供給する電力を制御すること
で、表示品位を高めている。
【0021】
【実施例】図1は本発明に係る光アクティブマトリック
ス・ディスプレイの一実施例を示す全体構成図である。
また図2はその部分説明図であり、光ビームの光導波路
への入射状況を示している。
【0022】まず本発明に係る光アクティブマトリック
ス・ディスプレイで用いる光導波路アレイ基板10の一
例について説明する。図3は基本構成図であり、図4は
そのA−A断面図である。なお図3では、図面を分かり
易くするため、ガラス基板、透明電極、液晶層、及びシ
ール材は省略して描いてある。図3及び図4に示すよう
に、一方のガラス基板5aに複数の光導波路Y1
2 ,…,Yn-1 ,Yn をY方向に配列し、これらの上
に交差するように複数の線状電極X1 ,X2 ,…,X
m-1 ,Xm をX方向に配列する。光導波路Y1 ,Y2
…,Yn-1 ,Yn と線状電極X1 ,X2 ,…,Xm-1
m と液晶等の表示媒体を駆動するための絵素電極2は
同一平面上に形成されており、線状電極X1 ,X2
…,Xm-1 ,Xmと絵素電極2とを接続するように光ス
イッチ素子1が位置することになる。他方のガラス基板
5b上には透明電極3を設け、両ガラス基板5a,5b
及びシール材9の間に液晶層7を封止している。本発明
において、ガラス基板5aに形成する光導波路Y1
…,Yn は、該光導波路Y1 ,…,Yn の多数の配列の
端面が前記ガラス基板5aの端面に現れるように形成さ
れている(図2参照)。
【0023】さて本実施例において光走査装置は、図1
に示すようにレーザ光学系20と、回転多面鏡22と、
2枚の反射鏡24,26と、トーリックレンズからなる
テレセントリック光学系(以下、単に「テレセントリッ
ク光学系」という)28とを備えている。更に図2及び
図4に示すように、光導波路アレイ基板10の端面にレ
ンズアレイ30を設置する。レーザ光学系20から出射
した光ビーム40は、モータなどにより一定速度で回転
している回転多面鏡22で反射し、反射した光ビームは
扇状に連続的に変化する(走査する)。走査する方向を
矢印Sで表す。この光ビームは、2枚の反射鏡24,2
6で反射して、その向きを変え、テレセントリック光学
系28に入射する。テレセントリック光学系28は、光
ビームを屈折させるが、屈折して出射する光ビームが走
査に依存せずに前記レンズアレイ30の端面にほぼ垂直
となるように補正する機能を果たす。そのため、光ビー
ムは、走査開始から終了までの間、レンズアレイ30に
ほぼ垂直に入射することになる。レンズアレイ30は、
この入射光を光導波路アレイ基板10の端面の所定の位
置に集光する。個々のレンズ32は、光導波路Y1
…,Yn の1本1本に対応する位置に配設されている。
【0024】テレセントリック光学系28を経た光ビー
ムは、図2に示すように、レンズアレイ30に作製した
凸レンズ32により曲げられて、光導波路Y1 ,…,Y
n に入射する。各凸レンズ32は、走査される光ビーム
を集光し、対応する光導波路Y1 ,…,Yn の所定の入
射点に絞り込む作用を果たす。その際、走査の途中で
も、その集光点の位置は変わらない。このようにレンズ
アレイ30を設けると、もし光ビームの光導波路入射面
上の位置が変動した場合でも、光ビームは一定の集光点
に入るので、機械的あるいは温度的な変動、精度上の問
題などを容易に回避することが可能となる。
【0025】光ビーム40が光導波路Y1 ,…,Yn
入射し、光スイッチ素子1を照射すると、光スイッチ素
子1はその電気抵抗が低減し、線状電極X1 からの画像
信号が絵素電極2に印加され、それによって液晶の配向
状態が変化する。従って、光ビーム40を光導波路Y1
からYn まで順次走査し、それに応じて電気信号を線状
電極X1 ,…,Xm に印加すると、光が各光導波路
1 ,…,Yn を導波している期間、その光導波路上の
光スイッチ素子1がオン状態になるため、線状電極
1 ,…,Xm からの電気信号がそれぞれの絵素電極2
に印加される。即ち、薄膜トランジスタ素子の電気的ゲ
ート信号の代わりに光導波路Y1 ,…,Yn を通る光信
号によって、その光導波路に連なる光スイッチ素子が1
列毎に順次切り換えられることになる。光源としては、
半導体レーザの他に、光スイッチ素子1である光導電体
層の感度波長であれば、赤外レーザや紫外レーザを用い
てもかまわない。
【0026】図3に示した光導波路アレイ基板は例えば
図5のようにして製作できる。まずガラス基板5cにブ
レードを用いて溝を付ける。溝の幅は使用する光ファイ
バZのクラッド径によって決まるが、5μm〜500μ
m程度である。溝のピッチはパネルの大きさ及び解像度
等によって決まるが、150μm〜800μm、好まし
くは300μm〜600μmがよい。また溝の断面形状
は、ここではV字型であるが、底部の形状は平らでもよ
く半円でもかまわない。溝加工方法は、エッチング法に
よる化学加工でもよい。形成した溝に光ファイバZを並
べ、紫外線硬化樹脂11を塗布し、更に別のガラス基板
5aを載せた後、紫外線を照射して硬化させる。なお光
ファイバZは、中心のコア12をクラッド13が囲み、
最外周を遮光膜14が覆う構造である。次にガラス基板
5c側から研磨していき、光ファイバZを伝搬してくる
光の一部が漏れるようになるまで光学研磨する。
【0027】光導波路Y1 ,…,Yn と線状電極X1
…,Xm の交差部分に光スイッチ素子1となる光導電体
層を形成する。この光導電体層は、水素化アモルファス
シリコン(a−Si:H)膜をプラズマ化学気相蒸着法
を用いて作製し、エッチングすることによりパターン化
したものである。光導電体層としては、使用する光源の
波長に合わせて、水素化アモルファスシリコンゲルマニ
ウム(a−SiGe:H)膜、水素化アモルファスシリ
コンカーバイド(a−SiC:H)膜、水素化アモルフ
ァスシリコンオキサイド(a−SiO:H)膜、水素化
アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN:H)
膜等も使用可能である。その後、線状電極X1 ,…,X
m として、アルミニウム等を電子ビーム蒸着法により作
製し、エッチングすることによりパターン化して形成す
る。この線状電極としては、この他にモリブデン等の金
属や、インジウム−錫酸化物等を用いてもよい。
【0028】一方、絵素電極2はインジウム−錫酸化物
をスパッタ法で蒸着し、エッチングによりパターン化し
て形成する。これらの層の上に配向層6aを形成する。
配向層6aはスピナーにより形成したポリイミド膜にラ
ビング処理を施したものである。配向層6aは印刷法で
形成してもよい。他方のガラス基板5b上には透明電極
3を設ける。この透明電極3はスパッタ法によりインジ
ウム−錫酸化物を蒸着したものである。この透明電極3
上に、対向するガラス基板に形成された光導電体層から
なる光スイッチ素子1のパターンに合わせて遮光層4を
形成する。この遮光層4はアルミニウムを電子ビーム蒸
着法により作製し、エッチングして形成する。この遮光
層4としては、モリブデン等の金属や、有機あるいは無
機の顔料分散樹脂を用いてもよい。ここでは透明電極3
上に形成したが、ガラス基板5bの裏面に形成してもよ
い。更に、これらの上に配向層6bを形成する。この配
向層6bもポリイミド膜をラビングしたものである。こ
のように各層を形成した両ガラス基板5a,5b間に、
スペーサ(図示せず)を分散し、シール材9を介して貼
り合わせる。この間に液晶を真空注入して液晶層7を設
ける。液晶層7の厚さは約5μmであり、表示モードは
ツイステッドネマティック(TN)のノーマリホワイト
型である。液晶材料としては、例えばメルク社製のPC
H液晶ZLI−1565がある。以上のように作製した
光導波路アレイ付き液晶パネルにレンズアレイ30を装
着する。
【0029】ところで図2及び図4に示すように、本実
施例では、レンズアレイ30の入射側端面の凸レンズ3
2間に遮光層34を設けている。これは、光ビームが、
ある凸レンズから次の凸レンズに移動する際、遮光層3
4が無いと瞬間的に隣接する2本の光導波路に光が分配
される可能性があるからである。そこで遮光層34を設
けることにより、光ビームが同時に2本の光導波路に入
光するのを防止している。このためには遮光層34は、
その幅を光ビームの直径よりも大きくする必要がある。
なお、ここではレンズアレイ30に遮光層を設けている
が、これに限るものではなく、回転多面鏡と光導波路ア
レイ基板との間で効果的な位置であればどこでもよく、
例えばレンズアレイ30と光導波路アレイ基板10の間
に設けることも可能である。
【0030】さてこのようなレンズアレイ30は、例え
ば次のようなイオン交換法により製造できる。ナトリウ
ム等のアルカリを含有するガラス基板上に金属膜を形成
し、そこに微小な開口部(孔)を設ける。これをタリウ
ム等のイオンを含む溶液中に浸漬することで、金属膜の
開口部のガラス基板中のアルカリイオンがタリウムイオ
ンと置き換わる。このタリウムイオンと置き換わった部
分は、他の部分よりも屈折率が高くなる。イオン交換の
時間を長くすると、交換が次々に進み、金属膜の開口部
を中心に半球状に屈折率の上昇した領域ができる。この
領域が凸レンズとして機能する。金属膜に形成する孔の
位置によりレンズを形成する場所は自由に制御できる。
【0031】図6は本発明に係る光アクティブマトリッ
クス・ディスプレイの他の実施例を示す全体構成図であ
る。また図7はレンズアレイの詳細説明図、図8はその
光導波路アレイ基板とレンズアレイとの結合状態の説明
図であり、光ビームの光導波路への入射状況を示してい
る。多数の光導波路が形成されている光導波路アレイ基
板10は、基本的には前記実施例で説明した図3及び図
4に示したものと同様の構造であってよい。そこで説明
を簡略化するため、光導波路アレイ基板10の詳細につ
いては記載を省略する。ただし、この実施例においても
図8に示すように、透明基板42に形成する光導波路4
4は、該光導波路44の多数の配列の端面が前記透明基
板42に現れるように形成されている。
【0032】光走査装置は、2本の光ビームを出射する
半導体レーザ光学系50と、回転多面鏡52と、2枚の
反射鏡54,56と、テレセントリック光学系58と、
レンズアレイ60とを備えている。半導体レーザ光学系
50からは交互に異なるタイミングで奇数側と偶数側の
2本の光ビーム70o ,70e が出射する。両方の光ビ
ームは、モータなどにより一定速度で回転している回転
多面鏡52で反射し、その光ビームは扇状に連続的に変
化する(走査する)。走査する方向を矢印Sで表す。こ
れらの光ビームは、2枚の反射鏡54,56で反射し
て、その向きを変え、上下異なる位置でテレセントリッ
ク光学系58に入射する。テレセントリック光学系58
は光ビームを屈折させるが、屈折して出射する光ビーム
が走査に依存せずに前記レンズアレイ60にほぼ垂直と
なるように補正する機能を果たす。つまり光ビームは、
走査開始から終了までの間、レンズアレイ60にほぼ垂
直に入射する。
【0033】このレンズアレイ60は、奇数列の各光導
波路に対応した位置に奇数側レンズ62o を配列した奇
数側レンズ群と、偶数列の各光導波路に対応した位置に
偶数側レンズ62e を配列した偶数側レンズ群を備え、
それらが上下2段に設けられている。その詳細は図7に
示されている通りである。ここで、Aは平面図、Bはそ
のx−x断面図である。奇数側レンズ62o 及び偶数側
レンズ62e は半円状の凸レンズであって、それを透明
基板64上で規則正しく交互に配設し、それらの集光点
(Fo ,Fe )が一直線上に乗るようにする。そして、
それらの各集光点が各光導波路の端面の光入射位置に一
致するようにレンズアレイ60を光導波路アレイ基板1
0に結合する(図8参照)。それによって、奇数側レン
ズ群を走査する奇数側光ビーム70o は、奇数側レンズ
62o により曲げられて奇数列の光導波路に入光し、ま
た偶数側レンズ群を走査する偶数側光ビーム70e は、
偶数側レンズ62e により曲げられて偶数列の光導波路
に入光する。図7のAにおいて、奇数フィールドのレー
ザ走査線を符号80o で示し、偶数フィールドのレーザ
走査線を符号80e で示す。
【0034】光導波路44に入射した光は、その内部を
伝搬し、前記実施例に関連して述べたように液晶ディス
プレイの動作に寄与する。前記のように各凸レンズ62
o ,62e は、走査される光ビームを集光し、対応する
光導波路44の所定の入射点に絞り込む作用を果たす。
その際、走査の途中でも、その集光点の位置は変わらな
い。このレンズアレイ60によって、走査する光ビーム
のレンズアレイ上の位置が変動した場合でも、光ビーム
は一定の集光点に入るので、機械的あるいは温度的な変
動、精度上の問題などを容易に回避することが可能とな
る。
【0035】本装置では、まず、半導体レーザ光学系5
0の奇数側レーザを点灯し、回転多面鏡52により走査
を行う。この奇数側光ビーム70o は図7の奇数側フィ
ールドのレーザ走査線80o 上を走査する。それによっ
て奇数側光ビーム70o は集光点Fo に集光し、対応す
る奇数列の光導波路に順次入光する。次の走査では偶数
側レーザを点灯する。偶数側光ビーム70e は偶数側フ
ィールドのレーザ走査線80e 上を走査し、集光点Fe
に集光し、対応する偶数列の光導波路に順次入光する。
以上の走査を交互に行うことによって、光学的にインタ
ーレース走査が実現される。
【0036】ところでレンズアレイ60の入射側端面の
奇数側凸レンズ62o 同士の間、及び偶数側凸レンズ6
2e の間には遮光層66を設けるのがよい。遮光層を設
けると、光ビームが、ある凸レンズから次の凸レンズに
移動する際に、瞬間的に隣接する2本の光導波路に光が
分配されるのを防止でき、表示のクロストークを防ぐこ
とができる。このためには遮光層は、その幅を光ビーム
の直径よりも大きくするのが好ましい。
【0037】さて特に上記実施例に係る本発明では、回
転多面鏡で光ビームを走査する関係上、その回転ムラ等
により光ビームを各光導波路に入射するタイミングの精
密な制御が困難となる場合がある。そのような場合に
は、レンズアレイの光ビーム走査開始位置に光検知素子
を設けて、光ビームをモニタするのがよい。レンズアレ
イの両レンズ群を光導波路数より1個ずつ多くし、その
余分の両レンズに対応した光導波路アレイ基板の端面に
光検知素子を設けてもよい。それによって、光ビームの
走査開始時に、光検知素子で信号を検知でき、それを画
像のフレーム開始信号と見なすと画像情報の書き込み等
の精密なタイミング制御が可能となる。
【0038】本発明の他の実施例を図9に示す。光導波
路アレイ基板10の出射側端面に光検知素子アレイ90
を設ける。この光検知素子アレイ90は、各光導波路4
4の出射側端面に対応する位置にそれぞれ光検知素子9
2を配設した構造である。走査する光ビームは、機械的
精度による位置ずれ、温度変動等によって、光量が変動
する。そこで光ビームをモニタする受光素子を半導体レ
ーザの近傍に設置し、出力が一定となるようにレーザ駆
動電流を制御することも考えられるが、光導波路に入射
した光は、その他の機械的要因で変動している可能性も
ある。上記の構成とすると、各光導波路を通過した光が
対応する各光検知素子92に入射し、受光による光電流
を外部に取り出すことができる。この光電流が全ての光
導波路出力に対してほぼ一定となるように半導体レーザ
への供給電流を制御する。これによって、様々な要因に
よる変動を補償し、光導波路に入射する光量も一定値に
制御でき、光によるアドレスを確実に行うことができ
る。
【0039】なお、上記の各実施例では2枚の反射鏡を
組み合わせているが、光学系の構成によっては、適宜変
更してよい。また本発明で用いるレンズアレイは、前記
のように製造したものに限定されるものではなく、他の
方法により形成したレンズ、例えばフレネルレンズやホ
ログラムなどであってもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記のように、光ビームを回転
多面鏡で反射することで走査させ、光導波路に入射させ
るように構成したから、部品点数が極めて少なくて済
み、組立が容易となり、安価に製作できるし、且つ機械
的変動などによる悪影響が少ないため動作の安定性も高
くなる。
【0041】また本発明では、光ビームを回転多面鏡で
反射することで走査させ、奇数側レンズ群と偶数側レン
ズ群を2段に配列したレンズアレイで集光して奇数側と
偶数側の光導波路に入射させるように構成することで、
2本の光ビームによる走査を交互に行うことにより、容
易にインターレース走査を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光アクティブマトリックス・ディ
スプレイの一実施例を示す概略構成図。
【図2】その部分拡大説明図。
【図3】本発明に係る光アクティブマトリックス・ディ
スプレイの光導波路アレイ基板を示す基本構成図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】本発明に係る光アクティブマトリックス・ディ
スプレイの光導波路アレイ基板の一作製方法を示すプロ
セス図。
【図6】本発明に係る光アクティブマトリックス・ディ
スプレイの他の実施例を示す概略構成図。
【図7】レンズアレイの拡大説明図。
【図8】レンズアレイと光導波路アレイ基板との結合状
態を示す説明図。
【図9】光検出素子アレイの装着状況を示す説明図。
【図10】従来の光アクティブマトリックスの要部拡大
断面図。
【図11】従来の光アクティブマトリックスの部分拡大
平面図。
【図12】従来のレーザプリンタの光走査系を示す説明
図。
【符号の説明】
1 光スイッチ素子 2 絵素電極 5a,5b,5c ガラス基板 7 液晶層 10 光導波路アレイ基板 12 透明基板 14 光導波路 20 レーザ光学系 22 回転多面鏡 24,26 反射鏡 28 テレセントリック光学系 30 レンズアレイ 32 凸レンズ 34 遮光層 X1 ,…,Xm 線状電極 Y1 ,…,Yn 光導波路 Z 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 良弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−224727(JP,A) 特開 平2−89029(JP,A) 特開 平4−356024(JP,A) 特開 平4−353829(JP,A) 特開 平4−175730(JP,A) 特開 平5−11268(JP,A) 特開 平3−171023(JP,A) 特開 平1−167720(JP,A) 特開 平1−164917(JP,A) 特開 平4−162012(JP,A) 特開 平4−247477(JP,A) 特開 平4−234775(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/136 G02B 26/10 G02F 1/1343

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の面内で一方向に多数配列した
    光導波路と、該光導波路に交差するように多数配列した
    画像信号を印加する線状電極と、画像表示のためアレイ
    状に配設した絵素電極と、各光導波路と各線状電極の交
    差部近傍に位置して線状電極と絵素電極とを接続する光
    スイッチ素子のアレイを具備し、前記光導波路を通る光
    が光スイッチ素子に入射することにより該光スイッチ素
    子をオフ状態からオン状態に変化させる光アクティブマ
    トリックスにおいて、 前記光導波路は、それらの端面が透明基板の端面に現
    、且つ奇数列の各光導波路と偶数列の光導波路は、そ
    れぞれ同一平面上に形成されており、奇数列の各光導波路に対応した位置にレンズを配列した
    奇数側レンズ群と偶数列の各光導波路に対応した位置に
    レンズを配列した偶数側レンズ群とが2段に設けられ且
    つ奇数側レンズ群及び偶数側レンズ群の集光点が一直線
    上に乗るようになっている レンズアレイを、前記透明基
    板の端面に設置して、各レンズを通過した光ビームが対
    応する光導波路端面近傍に集光するようにし、 該レンズアレイの入射側の端面の、光導波路への導光部
    分以外の部分に遮光層を設け、2本の 光ビームを出射する光源と、該光ビームの方向を
    変化させる回転多面鏡と、該回転多面鏡で反射した光ビ
    ームの角度を変化させて該光ビームを走査方向に依らず
    前記レンズアレイの端面に入射させるレンズ系を備え、 レンズアレイの各レンズに入射する光ビームの主光線が
    該レンズアレイの端面に対してなす角度θが各レンズに
    ついてほぼ一定となるようにし、奇数側レンズ群を走査
    する光ビームは奇数列の光導波路に、偶数列レンズ群を
    走査する光ビームは偶数列の光導波路に、交互に入光す
    るようにした光走査装置を有することを特徴とする光ア
    クティブマトリックス・ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、角度θが、ほぼ90
    度である光アクティブマトリックス・ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、遮光層の幅
    が、そこに入射する光ビームの直径よりも大きい光アク
    ティブマトリックス・ディスプレイ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3において、光ビームを走
    査方向に依らず前記レンズアレイの端面に入射させるレ
    ンズ系が、トーリックレンズからなるテレセントリック
    光学系から構成されている光アクティブマトリックス・
    ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至において、レンズアレイ
    または透明基板の光ビーム走査開始側の位置に光検知素
    子を設け、該光検知素子からの出力をトリガ信号として
    画像情報の書込みを制御する光アクティブマトリックス
    ・ディスプレイ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至において、光アクティブ
    マトリックスの各光導波路の出射側端面にそれぞれ光検
    知素子が位置する光検知素子アレイを設け、各光検知素
    子の光信号がほぼ一定となるように光源に供給する電力
    を制御する光アクティブマトリックス・ディスプレイ。
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