JPWO2008087988A1 - モバイルip制御システム、モバイルip制御方法、およびモバイルip制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】モバイルIPシステムにおける移動端末に通信パケットが送られるに際し、移動端末の無線種別や無線通信帯域に起因し生じる通信遅延やデータロスを抑制する。【解決手段】移動端末50に無線接続リンクを提供する無線基地局40Aと、相手端末60から送られる通信パケットを移動端末50に転送するホームエージェント20と、このホームエージェント20と前記無線基地局40Aとの相互通信を中継する移動先エージェント30Aを備えたモバイルIP制御システムであって、移動先エージェント30Aが、無線基地局40Aと移動端末50との間で行われる無線通信の通信帯域をホームエージェント20に通知する。そして、ホームエージェント20が、通知された通信帯域に基き移動端末50に向けて行うパケット転送について帯域制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、通信ネットワークを介して移動端末と相手端末との間で行われる通信における通信品質を制御するモバイルIP制御システム、モバイルIP制御方法、およびモバイルIP制御プログラムに関する。
携帯電話網やWiMAX網等の異なる無線ネットワークメディア間で、移動端末と無線ネットワークメディアとの間の通信セッションを維持しつつ、一方から他方へと無線ネットワークメディアをスムーズに切替えるための方法として、モバイルIPシステムを利用することが検討されている。
モバイルIPシステムでは、移動端末と相手端末との間で行われる通信について、移動端末の移動先のアドレスを管理するホームエージェントが、相手端末から送られる通信データを移動先の移動端末に転送する。これにより、移動端末がその時、その場所で最も通信に適したネットワークを探し出し、自在に接続先をつなぎかえることを可能とする。
例えば、上記モバイルIPシステム対応の移動端末の利用者は、社内にいる間は無線LANに接続し、本社ビルを出たらWiMAXや携帯電話網のブロードバンド接続サービスに自動接続され、さらに市外では比較的低速な携帯電話接続サービスに自動接続される、といった形で、通信事業者や異なる種類のネットワーク(無線ネットワークメディア)間をシームレスに切替えながら通信サービスを利用することができる。
ここで、従来のモバイルIP制御システムにあっては、図20に示すように、異なる無線ネットワークメディアに接続可能な移動端末50と、この移動端末50の所属先ネットワークとして予め設定されたホームネットワーク512と、このホームネットワーク512の一部を構成すると共に公衆網であるIP網11に接続されたホームエージェント520と、IP網11にそれぞれ接続された携帯電話網513,無線LAN網514,WiMAX網515,VPN網516を備え、前記ホームエージェント520を介して移動端末50との相互通信を行う相手端末60がIP網11に接続され構成されている。
ここで、上記携帯電話網513は、移動端末50に無線リンクを提供する無線基地局540Aと、当該無線基地局540Aとホームエージェント520との相互間通信を中継する移動先エージェント530Aとを有すると共に、当該移動先エージェント530Aを介してIP網11に接続されている。
又、上記無線LAN網514は、移動端末50に無線リンクを提供するアクセスルータ540Bと、当該アクセスルータ540Bとホームエージェント520との相互間通信を中継する移動先エージェント530Aとを有すると共に、当該移動先エージェント530Aを介してIP網11に接続されている。
更に、上記WiMAX網515は、移動端末50に無線リンクを提供する無線基地局540Cと、当該無線基地局540Cとホームエージェント520との相互間通信を中継する移動先エージェント530Cとを有すると共に、当該移動先エージェント530Cを介してIP網11に接続されている。
又、上記VPN網516は、移動端末50に無線リンクを提供する無線基地局540Dと、当該無線基地局540Dとホームエージェント520との相互間通信を中継する移動先エージェント30Dとを有すると共に、当該移動先エージェント530Dを介してIP網11に接続されている。
ここで、従来のモバイルIP制御システムにおける相手端末から移動端末に向けての通信方法について説明する。
まず、移動端末50には、所属するネットワーク(ホームネットワーク)と、移動しても変わることのない一意の固有アドレス(ホームアドレス)とが予め設定されている。
移動端末50は、ホームネットワーク(以下「ホーム網」という)以外のネットワーク、ここでは携帯電話網513、無線LAN網514、WiMAX網515、又はVPN網516に対して無線接続を確立することにより、各ネットワークのアドレス体系に基づく移動先アドレス(以下「気付アドレス」という)を取得する。
移動端末50は、取得した気付アドレスをホームエージェント520に通知する。ホームエージェント520は、この気付アドレスを移動端末50のホームアドレスと対応させて登録する。
ところで、モバイルIP制御システムでは相手端末60から移動端末50宛に送られるパケットは全てホームエージェント520に送り込まれる。そこで、ホームエージェント520は、移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれたパケットに、前記通知された気付アドレスを付与すると共にこのパケットを移動端末50に転送する。転送されたパケットは、移動先エージェントによって受信され、付与された気付アドレスが取り除かれ、移動端末50に転送される。
さて、上述した携帯電話網513、無線LAN網514、WiMAX網515、VPN網516の各ネットワークメディアでは、無線接続を行う移動端末50との間でそれぞれ異なる通信帯域を利用した無線通信が行われる。
そこで、上記の異なるネットワークメディア間で、移動端末50がハンドオーバを行う場合、移動端末50に送りこまれるパケットに遅延やデータロスが発生し得る。これは、移動端末がハンドオーバを行う切替元と切替先それぞれの無線接続で、利用される無線通信帯域が異なることに起因する。
又、近年はIP網で送受信されるデータとして、IP電話における音声データや、映像、音楽のストリーミング配信など、比較的大きな通信容量が必要とされる通信データが一般的となってきている。こうした通信データの送受信により行われる通信は、リアルタイム性が高く、通信遅延やデータロスなどが音声の途切れや映像の乱れといった形で現れる。そのため、上記の通信遅延やデータロスは、通信コミュニケーション自体を阻害する大きな要因になってしまう。
そのため、モバイルIP制御システムで利用される無線通信帯域を管理して、この無線通信帯域を効率的に利用するために通信品質(QoS:Quality of Service)を制御する必要性が生じる。
例えば、移動端末の移動先における気付アドレスに応じた情報、制御サービスを提供する方法が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、近年、無線通信方式が多様化しており、移動端末の気付アドレスに基づく方法では、移動端末が利用中の通信帯域容量や無線種別の情報(ベアラ情報)を、ホームエージェントが正確に把握できない。
又、移動端末が無線接続先の変更(ハンドオーバ)を行う際の帯域容量の変化に応じたQoS制御を行うことができない。
このため、異なる無線種のネットワーク間におけるシームレスなハンドオーバを実現し、且つ移動端末が無線接続に利用する通信帯域およびその変化に応じて通信品質の制御を行うことができるモバイルIP制御システムが望まれていた。
特開2005−340982公報
第1の問題点は、前述したように、上記従来技術の移動端末が、通信帯域容量の異なる無線ネットワークメディア間でハンドオーバを行う場合など、無線基地局(又はアクセスルータ)と移動端末との間の相互間無線通信の通信帯域に変化が生じる場合に、ホームエージェントから移動端末に向けて行われるパケット転送に遅延やデータロスが生じ得るという点である。これは、ホームエージェントにより行われるパケット転送の転送レートを、移動端末の利用する通信帯域に応じて制御することができないためである。
第2の問題点は、上記の帯域制御をホームエージェントが行う場合に、ホームエージェントが、移動端末の利用する無線通信の通信帯域容量や無線種別の情報(ベアラ情報)を正確に知る方法がないという点である。
ここで、移動端末自身が利用中のベアラ情報をホームエージェントに通知するという方法では、移動端末の利用する無線帯域を消費してしまうため利用可能な無線帯域容量が減少してしまうという不都合が生じる。
[発明の目的]
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、モバイルIP通信における無線通信に利用される通信帯域容量の変化や不足に伴い生じる通信遅延やデータロスを抑制することができるモバイルIP制御システムを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるモバイルIP制御システムは、移動端末に無線接続リンクを提供する1又は複数の無線中継装置と、当該各無線中継装置を介して前記移動端末と通信を行うホームエージェントとを備え、前記移動端末と予め設けられた相手端末とが前記ホームエージェントを介して相互に通信を行うモバイルIP制御システムであって、前記ホームエージェントが、前記各無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信に利用される通信帯域に基いて、前記ホームエージェントから前記移動端末に向けて行う通信の転送レートを制御する。
更に、前記ホームエージェントと前記各無線中継装置との相互通信を中継する移動先エージェントを前記各無線中継装置に併設して備え、この移動先エージェントが、前記各無線中継装置と前記移動端末との間で行われる相互間無線通信の通信帯域を検知すると共に当該検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域通知機能を有する。
これにより、前記移動先エージェントによって移動端末と無線中継装置との間の相互無線通信帯域が、ホームエージェントに対して適切に通知される。このため、ホームエージェントは、移動端末に向けて行うパケット転送の転送レートを、通知された通信帯域に応じて制御することができる。このため、無線通信帯域容量の変化や不足に起因する通信遅延やデータロスを抑制することができ、更には、モバイルIPシステム全体のネットワーク利用の効率化が可能となる。
又、本発明にかかるモバイルIP制御方法は、移動端末と相手端末とが、前記移動端末の移動先アドレスを管理するホームエージェントを介して通信を行うモバイルIP制御方法であって、前記移動端末が移動先で無線接続を確立すると共に当該移動端末に移動先アドレスが割当てられる無線接続確立工程と、確立された無線接続の通信帯域の値を検出する通信帯域検出工程と、検出された通信帯域の値と前記移動先アドレスとを前記ホームエージェントに通知する移動先アドレス通知工程と、前記ホームエージェントが前記相手端末から受信したパケットを前記通知された移動先アドレスに転送するにあたって、前記通知された通信帯域の値に基きパケット転送の転送レートを制御する転送レート制御工程を備えている。
更に、このモバイルIP制御方法は、前記確立された無線接続の通信帯域の値に変化が生じた場合に、新たに検出された通信帯域の値を前記ホームエージェントに通知する通信帯域値通知工程を前記転送レート制御工程の前に備えてもよい。
これにより、移動端末が無線通信に利用する無線通信帯域およびその変化が、ホームエージェントに対して適切に通知されると共に、前記ホームエージェントは、通知された無線通信帯域の値に基づき、前記移動端末に向けて最適な通信レート(通信速度)でパケット転送を行うことができる。
又、本発明に係るモバイルIP制御プログラムは、移動端末が当該移動端末の移動先アドレスを管理するホームエージェントを介して相手端末と行う相互間通信を制御するためのモバイルIP制御プログラムであって、前記移動端末の移動先で行う無線通信の通信帯域と、前記移動先アドレスと、予め前記移動端末に割当てられた一意の固有アドレスとをそれぞれ対応させて記憶するアドレス帯域対応記憶機能と、前記相手端末から受信したパケットを前記移動端末に転送する際のパケット転送レートを前記記憶された通信帯域に基づき制御する転送レート制御機能をコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とする。
これにより、移動端末が無線通信に利用する無線通信帯域およびその変化に応じて、ホームエージェントは、前記移動端末に向けて最適な通信レート(通信速度)でパケット転送を行うことができる。
更に、移動端末と相手端末との相互間通信を中継するホームエージェントが前記相互間通信における帯域制御を行うためのモバイルIP制御プログラムでは、前記移動端末に無線リンクを提供する無線中継装置と前記移動端末との間の相互無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、前記検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域通知機能と、前記無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信における通信帯域が変動した場合には、新たに検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域更新通知機能をコンピュータに実行させることを特徴とする。
これにより、移動端末が無線通信に利用する無線通信帯域およびその変化をホームエージェントに対して適切に通知することができる。このため、ホームエージェントは、前記移動端末に向けて最適な通信レート(通信速度)でパケット転送を行うことができる。
本発明は、移動端末とホームエージェントとの通信を中継する移動先エージェントが、ホームエージェントに対し移動端末の利用する無線通信帯域および無線通信種別の情報(ベアラ情報)を通知する機能を備えたことにより、移動端末の利用する無線通信帯域およびその変化に応じて最適な通信レートでパケット転送を行うことができる。このため、これまで無線通信帯域の不足や変化によって生じていた通信データのデータロスや遅延を抑制することができ、更に、無線通信帯域に変化が生じた際に移動端末の利用する無線帯域を消費することなく、ホームエージェントに無線通信帯域を通知することできるという従来にない優れたモバイルIP制御システムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
次に、本発明に係る第1実施形態のモバイルIP制御システムについて説明する。
このモバイルIP制御システムの第1実施形態は、図1に示すように、予め備えられた移動端末50のネットワークにおける位置情報を管理するホームエージェント20と、このホームエージェント20の属するホームネットワーク(以下「ホーム網」という)12と、ホームエージェント20が通信回線を介して接続する汎用的な通信網としてのIP網11を備えている。
又、この第1実施形態は、IP網11に通信回線を介して接続された携帯電話基幹網130と、この携帯電話基幹網130に対して接続され前記ホームエージェント20と移動端末50との相互間通信を中継する移動先エージェント30Aと、この移動先エージェント30Aに接続され移動端末50に無線接続リンクを提供する無線基地局40Aを備え、前記移動端末50はこの無線基地局40Aに無線接続可能な領域に位置している。
更に、移動端末50との間でホームエージェント20を介してIPパケット通信を行う相手端末60が、IP網11に接続された状態となっている。
ここで、移動先エージェント30Aおよび無線基地局40Aは、当該無線基地局40Aに無線接続される端末や装置を含んで移動先ネットワーク131を構成する。更には、携帯電話基幹網130および携帯電話基幹網130に接続された移動先ネットワーク131により携帯電話網13が構成される。
尚、携帯電話網13は、移動先ネットワーク131と同様に構成される複数の移動先ネットワーク(例えば移動先ネットワーク132,133,…)が、携帯電話基幹網130に接続した構成であってもよい。
これにより、移動端末50は、携帯電話網13内で、前記各移動先ネットワークを無線接続先として切替えて通信を行う(ハンドオーバ)ことができる。
ホーム網12は、前述したように、移動端末50の位置情報を管理するホームエージェント20を含んで構成された移動端末50のホームリンクである。そのため、移動端末50に予め一意に割当てられたホームアドレスはホーム網12と同じプレフィクスを含む。ホームエージェント20は、移動端末50のプロキシとして動作し、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを移動端末50の移動先ネットワーク131におけるアドレス(以下「気付アドレス」という)に転送する。
ホームエージェント20の典型的な構成は、図2に示すように、通信回線を介してIP網11に接続された送受信インターフェイス21と、送受信インターフェイス21を介して相手端末60から送られるパケットを受信し一時的に保持するパケット記憶手段22と、移動端末50の位置情報を記憶するバインディング記憶手段23と、記憶された移動端末50の位置情報に基づきパケットを転送するパケットルーティング手段24と、このパケットルーディング手段24の行うパケット転送の転送レートを制御する帯域制御手段25とを備えて構成されている。
以下これを詳述する。
上記ホームエージェント20の送受信インターフェイス21は、IP網11およびホーム網12に接続され、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信すると共に当該パケットを移動端末50に向けてパケットを送出する。
尚、移動端末50がホーム網12に接続されている場合は、前記相手端末60から送り込まれたパケットはホーム網12を介して移動端末50に転送される。
又、送受信インターフェイス21は、移動端末50がホーム網12以外のネットワークに接続した際の位置情報を通知するメッセージ(以下「位置登録要求」という)を受信すると共に、この位置登録要求に対して位置登録応答を返信する位置登録応答機能を有する。
更に、移動先エージェント30Aが移動端末50の利用する通信帯域を通知するメッセージである通信帯域登録要求を受信すると共に、この通信帯域登録要求に対して通信帯域登録応答を返信する通信帯域登録応答機能を備えている。
ここで、上述の位置登録要求は、移動端末50と無線基地局40Aとの相互無線通信に利用される通信種別とその通信帯域(上り帯域、下り帯域)の値を含む無線通信種別情報(以下「ベアラ情報」という)と、移動端末50の識別IDおよび気付アドレスとを含む。
又、上述の通信帯域登録要求は、移動端末50の識別IDと、移動端末50と無線基地局40Aとの相互無線通信のベアラ情報とを有する。
パケット記憶手段22は、前述したように、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信して一時的に保持するパケット保持機能を有する。
バインディング記憶手段23は、前述したように、移動端末50から移動先エージェント30Aを介して送り込まれる位置登録要求と、移動先エージェント30Aから送り込まれる通信帯域登録要求とを受信して格納する登録要求格納機能を有する。
又、バインディング記憶手段23は、格納された前記位置登録要求に含まれる気付アドレスと移動端末50のホームアドレスとを対応させて転送先テーブル231を生成する転送先テーブル生成機能と、新たに受信した位置登録要求および通信帯域登録要求に基づき前記転送先テーブル231の値を更新する転送先テーブル更新機能とを備えている。
この転送先テーブル231は、図3に示すように、移動端末50の識別ID、ホームアドレス、気付アドレス、および前記ベアラ情報と、後述する帯域制御手段25により算出されるパケット転送レート値(初期値は0)とにより構成される。
パケットルーティング手段24は、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき移動端末50に対応する気付アドレスを取得する転送先取得機能と、前述したように、前記パケット記憶手段22に格納されたパケットに取得した気付アドレスを示すIPヘッダを付加する処理(以下「カプセル化処理」という)を行う転送先カプセル化機能と、カプセル化処理されたパケットを送信すると共に気付アドレスに基きパケットの転送経路を制御する通信経路制御機能を有する。
尚、パケットルーティング手段24は、転送するパケットの種類に応じて転送順序や転送レートの優先度を決定する転送優先度決定機能を備えていてもよい。
帯域制御手段25は、パケットルーティング手段24が移動端末50に向けてパケット転送を行うにあたって、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づきパケットを送出する際の転送レートを算出する転送レート算出機能と、算出された転送レートにより転送先テーブル231の値を更新する転送レート更新機能とを備える。
又、算出された転送レート値に基づき前記パケット転送の伝送速度を制御するパケット伝送制御機能を有する。このパケット伝送制御機能では、前記算出された転送レート値に基づいて、パケットの転送速度を決定すると共に通信帯域パケット転送を行う頻度や速度を監視して一時的に制限する等のパケット伝送流量の制御を行う。
これにより、無線基地局やアクセスルータ等の無線中継装置に無線中継能力を超えた大量のパケットが送信されることや、無線中継装置における送信帯域不足やオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述した移動先エージェント30Aは、図4に示すように、無線基地局40Aと接続しデータの送受信を行う移動先通信インターフェイス31Aと、この移動先通信インターフェイス31Aを介して移動端末50に移動先アドレスを送信して割当てる気付アドレス割当手段32Aと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50と無線基地局40Aとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Aと、移動端末50から送り込まれる位置登録要求を一時的に保持すると共に検知された通信帯域を当該位置登録要求に付加する登録要求格納手段34Aと、通信帯域を付加された位置登録要求をホームエージェント20に向けて送信すると共にホームエージェント20から送り込まれる移動端末50宛のパケットの転送を行うパケット転送手段35Aを備えている。
移動先通信インターフェイス31Aは、通信回線を介して接続した無線基地局40Aを介して移動端末50との通信を行う。
移動先通信インターフェイス31Aは、移動端末50が無線基地局40Aに無線接続した場合に、無線基地局40Aを介して移動端末50との間でPPP接続を確立するPPP通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Aは、無線基地局40Aを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク15のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、無線基地局40Aとの間で無線接続を確立した移動端末50に対して、移動先ネットワーク131のアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Aは、携帯端末50と無線基地局40Aとの間で行われる相互無線通信(図4の*Aを参照)に利用される通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、後述する無線基地局40Aの通信帯域通知手段42Aに対して定期的にベアラ情報の通知を要求するメッセージ(以下「ベアラ要求」という)を送信するベアラ要求送信機能とを備える。
又、通信帯域検知手段33Aは、ベアラ要求に対して無線基地局40Aから返信されるベアラ応答のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Aを有し、この通信帯域記憶テーブル331の値を、新たに受信されるベアラ応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)に通信帯域記憶テーブル331の一例を示す。
尚、この通信帯域記憶テーブル331Aの値は、予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Aは、移動端末50から送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331に基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Aを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)は、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一形式を示している。各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Aは、更新された通信帯域テーブル331に基づき、ベアラ情報を含む通信帯域登録要求の生成を行う帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Aを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Aは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く処理(デカプセル化処理)を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34から渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
無線基地局40Aは、図3に示すように、移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Aと、この無線インターフェイス41Aと移動端末50との相互間無線通信に利用される通信帯域を検知する通信帯域通知手段42Aとを有する。
通信帯域通知手段42Aは、無線インターフェイス41Aと移動端末50との相互無線通信の通信帯域に生じる変化に応じて実行され、変化後の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、検知された通信帯域を移動先エージェント30Aの通信帯域検知手段33Aに通知する通信帯域通知機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Aから送り込まれるベアラ要求に対して、移動端末50との間で利用される無線通信のベアラ情報を含むベアラ応答を生成するベアラ応答生成機能と、当該ベアラ応答を通信帯域検知手段33Aに送信するベアラ応答返信機能を備えている。
尚、通信帯域通知手段42Aは、無線インターフェイス41Aと移動端末50との相互無線通信の通信帯域を、常に検知するように、つまり、前記通信帯域検知機能が常時実行されるようにしてもよい。
移動端末50は、前述のように、予め設定されたホーム網12における一意で固有のホームアドレス(固有アドレスに相当)および移動端末の識別IDを有する。
又、移動先で受信される無線通信電波の内、最も強度の高い無線通信電波を判断する無線電波強度判定手段と、当該無線電波の送信元である無線中継装置(本実施形態では無線基地局40A)との間で無線接続呼を確立する無線接続確立手段とを備えている。
更に、移動端末50は、移動先エージェント30Aから送られるエージェント広告に基づき無線接続先がホーム網であるか否かを判断する接続先判断機能と、無線接続先がホーム網12ではないことを判断した場合に、割当てられた気付アドレスを含む位置登録要求を生成し当該位置登録要求をホームエージェント20に送信する位置登録要求送信機能とを有する。
これにより、移動端末50に割当てられた気付アドレスがホームエージェント20に通知されるので、移動端末50は相手端末60からのパケットを受信することが可能となる。
ここで、前述したように移動端末50から送られる位置登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(A)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動端末50から移動先エージェント30Aを介して送り込まれる位置登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS201)。格納された位置登録要求に基づき転送先テーブル231を作成する(ステップS202)。この転送先テーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット転送レートを算出する(ステップS203)。
パケットルーティング手段24が、転送先テーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に、当該IPヘッダをパケット記憶手段22に格納されたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS204)。
カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット転送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS205)。
次に、前述したように移動先エージェント30Aから送られる通信帯域登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動先エージェント30Aから送られる通信帯域登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS211)。格納された通信帯域登録要求に基づき、予め設定された転送先テーブル231の値を更新する(ステップS212)。更新された転送先テーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット転送レートを算出し更新する(ステップS213)。
パケットルーティング手段24が、転送先テーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に当該IPヘッダを、相手端末60から送り込まれたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS214)。カプセル化されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に更新されたパケット転送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS215)。
これにより、通知された移動端末50の利用する通信帯域に応じた転送レートでパケットを送出することができるので、特に通信帯域の限られた無線リンクにおいて発生する通信データのオーバーフローを抑制することができる。これにより、データロスや通信遅延を軽減することができる。
又、移動端末50の利用する無線通信帯域に、ネットワークの通信トラフィックの状態や電波状態に起因する変化が生じた場合でも、当該無線通信帯域の変化に応じた転送レートでパケット送信を行うことができる。
[第1実施形態の動作説明]
ここで、上記第1の実施形態におけるモバイルIP制御システムの動作について、図7のシーケンスチャートを参照して説明する。
まず、移動端末50は、無線基地局40Aとの無線接続を確立する(ステップS11)。次いで、移動先エージェント30AとのPPP接続を開始すると共に気付アドレス(CoA1)を取得する(ステップS12)。この気付アドレス(CoA1)を含む位置登録要求を生成すると共にホームエージェント20に向けて送信する(ステップS13)。
次に、移動先エージェント30Aがこの位置登録要求を受信して、無線基地局40Aにベアラ要求を送信する(ステップS14)。ベアラ要求に対して無線基地局40Aがベアラ応答を返信する(ステップS15)。移動先エージェント30Aは、受信したベアラ応答のベアラ情報を前記受信した位置登録要求に付加すると共に、この位置登録要求をホームエージェント20に転送する(ステップS16)。
ホームエージェント20は位置登録要求を受信すると共に移動端末50に向けて位置登録応答を返信する(ステップS17)。これにより、ホームエージェント20と移動端末50との間でパケット通信が可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、相手端末60から移動端末50宛のパケットを受信する(ステップS18)と共に前述の図6(A)に示されるように動作することにより受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS19)。転送されたパケットは、移動先エージェント30Aによってデカプセル化処理されて移動端末50に転送される(ステップS20)。
ここで、携帯端末50が移動することにより、移動先エージェント30AとのPPP接続を終了する(ステップS21)。これより、移動端末50によって利用される通信帯域は0となり、ベアラ情報の変化が生じる(ステップS22)。ベアラ情報の変化を検知した無線基地局40Aは、移動先エージェント30Aに対して変更後のベアラ情報(ここでは通信帯域が0)を通知する(ステップS23)。
移動先エージェント30Aは、通信帯域登録要求を生成しホームエージェント20に送信する(ステップS24)。この通信帯域登録要求を受信したホームエージェント20は、移動先エージェント30Aに通信帯域登録応答を返信する(ステップS25)。
これにより、ホームエージェント20の転送先テーブル231における通信帯域の値は0に設定される。このため、無線基地局40Aへのパケット送信は停止された状態となる。
以上のように、この第1の実施形態では、携帯電話網13の内部で移動端末50と無線基地局40Aとの相互無線通信の通信帯域に応じて、ホームエージェント20が移動端末50に向けて行うパケット転送の転送レートを制御できる。
又、相互無線通信の通信帯域に変動があった場合、移動先エージェント30Aが通信帯域の変動を検知し、新たに検知される通信帯域をホームエージェント20に通知することにより、実情の通信帯域の変動に柔軟に対応して移動端末50に向けて送信する転送レートを制御することができる。
更に、ネットワーク上を流れるパケットの速度(転送レート)を一定に保つことができるので、無線基地局40Aの通信処理に係る負担を軽減できる。
又、携帯電話網内で移動端末50が、無線通信セッションを維持した状態で無線接続先を他の無線基地局に切替えた場合でも、パケットロスや通信遅延を起こすことなくスムーズなハンドオーバが実現できる。このため、携帯電話網13で、限られた帯域の中でも満足できるネットワーク環境を実現することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態のモバイルIP制御システムについて説明する。ここで、前述した第1実施形態と同一部分については、同一の符号を付するものとする。
このモバイルIP制御システムの第2実施形態は、図8に示すように、予め備えられた移動端末50のネットワークにおける位置情報を管理するホームエージェント20と、このホームエージェント20の属するホームネットワーク(以下「ホーム網」という)12と、ホームエージェント20が通信回線を介して接続する汎用的な通信網としてのIP網11を備えている。
又、この第2実施形態は、IP網11に通信回線を介して接続された無線LAN基幹網140と、この無線LAN基幹網140に対して接続され前記ホームエージェント20と移動端末50との相互間通信を中継する移動先エージェント30Bと、この移動先エージェント30Bに接続され移動端末50に無線接続リンクを提供するアクセスルータ40Bを備え、前記移動端末50はこのアクセスルータ40Bに無線接続可能な領域に位置している。
更に、移動端末50との間でホームエージェント20を介してIPパケット通信を行う相手端末60がIP網11に接続された状態となっている。
ここで、移動先エージェント30Bおよびアクセスルータ40Bは、当該アクセスルータ40Bに無線接続される端末や装置を含んで移動先ネットワーク141を構成する。更には、無線LAN基幹網140および無線LAN基幹網140に接続された移動先ネットワーク141により無線LAN網14が構成される。
尚、無線LAN網14は、移動先ネットワーク141と同様に構成される複数の移動先ネットワーク(例えば移動先ネットワーク142,143,…)が、無線LAN基幹網140に接続された構成であってもよい。
これにより、移動端末50は、無線LAN網14内で、前記各移動先ネットワークを無線接続先として切替えて通信を行う(ハンドオーバ)ことができる。
ホーム網12は、前述したように、移動端末50の位置情報を管理するホームエージェント20を含んで構成された移動端末50のホームリンクである。そのため、移動端末50に予め一意に割当てられたホームアドレスはホーム網12と同じプレフィクスを含む。ホームエージェント20は、移動端末50のプロキシとして動作し、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを移動端末50の移動先ネットワーク141におけるアドレス(以下「気付アドレス」という)に転送する。
ホームエージェント20の典型的な構成は、第1実施形態と同様に、図2に示すように、通信回線を介してIP網11に接続された送受信インターフェイス21と、送受信インターフェイス21を介して相手端末60から送られるパケットを受信し一時的に保持するパケット記憶手段22と、移動端末50の位置情報を記憶するバインディング記憶手段23と、記憶された移動端末50の位置情報に基づきパケットを転送するパケットルーティング手段24と、このパケットルーディング手段24の行うパケット転送の伝送レートを制御する帯域制御手段25とを備えて構成されている。
以下これを詳述する。
上記ホームエージェント20の送受信インターフェイス21は、IP網11およびホーム網12に接続され、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信すると共に当該パケットを移動端末50に向けてパケットを送出する。
尚、移動端末50がホーム網12に接続されている場合、送受信インターフェイス21は、前記相手端末60から送り込まれたパケットをホーム網12の移動端末50に転送する。
又、送受信インターフェイス21は、移動端末50がホーム網12以外のネットワークに接続した際の位置情報を通知するメッセージ(以下「位置登録要求」という)を受信すると共に、この位置登録要求に対して位置登録応答を返信する位置登録応答機能を有する。
又、移動先エージェント30Bが移動端末50の利用する通信帯域を通知するメッセージである通信帯域登録要求を受信すると共に、この通信帯域登録要求に対して通信帯域登録応答を返信する通信帯域登録応答機能を備えている。
ここで、上述の位置登録要求は、移動端末50とアクセスルータ40Bとの相互無線通信に利用される通信種別とその通信帯域(上り帯域、下り帯域)の値を含む無線通信種別情報(以下「ベアラ情報」という)と、移動端末50の識別IDおよび気付アドレスとを含む。
又、上述の通信帯域登録要求は、移動端末50の識別IDと、移動端末50とアクセスルータ40Bとの相互無線通信のベアラ情報とを有する。
パケット記憶手段22は、前述したように、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信して一時的に保持するパケット保持機能を有する。
バインディング記憶手段23は、前述したように、移動端末50から移動先エージェント30Bを介して送り込まれる位置登録要求と、移動先エージェント30Bから送り込まれる通信帯域登録要求とを受信して格納する登録要求格納機能を有する。
又、バインディング記憶手段23は、格納された前記位置登録要求に含まれる気付アドレスと移動端末50のホームアドレスとを対応させて転送先テーブル231を生成する転送先テーブル生成機能と、新たに受信した位置登録要求および通信帯域登録要求に基づき前記転送先テーブル231の値を更新する転送先テーブル更新機能とを備えている。
この転送先テーブル231は、図3に示すように、移動端末50の識別ID、ホームアドレス、気付アドレス、および前記ベアラ情報と、後述する帯域制御手段25により算出されるパケット転送レート値(初期値は0)とにより構成される。
パケットルーティング手段24は、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき移動端末50に対応する気付アドレスを取得する転送先取得機能と、前述したように、前記パケット記憶手段22に格納されたパケットに取得した気付アドレスを示すIPヘッダを付加する処理(以下「カプセル化処理」という)を行う転送先カプセル化機能と、カプセル化処理されたパケットを送信すると共に気付アドレスに基きパケットの転送経路を制御する通信経路制御機能を有する。
尚、パケットルーティング手段24は、転送するパケットの種類に応じて転送順序や転送レートの優先度を決定する転送優先度決定機能を備えていてもよい。
帯域制御手段25は、パケットルーティング手段24が移動端末50に向けてパケット転送を行うにあたって、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づきパケットを送出する際の伝送レートを算出する伝送レート算出機能と、算出された伝送レートにより転送先テーブル231の値を更新する伝送レート更新機能とを備える。
又、算出された伝送レート値に基づき前記パケット転送の伝送速度を制御するパケット伝送制御機能を有する。このパケット伝送制御機能では、前記算出された伝送レート値に基づいて、パケットの転送速度を決定すると共に通信帯域パケット転送を行う頻度や速度を監視して一時的に制限する等のパケット伝送流量の制御を行う。
これにより、無線基地局やアクセスルータ等の無線中継装置に無線中継能力を超えた大量のパケットが送信されることや、無線中継装置における送信帯域不足やオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述した移動先エージェント30Bは、図9に示すように、アクセスルータ40Bと接続しデータの送受信を行う移動先通信インターフェイス31Bと、この移動先通信インターフェイス31Bを介して移動端末50に移動先アドレスを送信して割当てる気付アドレス割当手段32Bと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50とアクセスルータ40Bとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Bと、移動端末50から送り込まれる位置登録要求を一時的に保持すると共に検知された通信帯域を当該位置登録要求に付加する登録要求格納手段34Bと、通信帯域を付加された位置登録要求をホームエージェント20に向けて送信すると共にホームエージェント20から送り込まれる移動端末50宛のパケットの転送を行うパケット転送手段35Bを備えている。
移動先通信インターフェイス31Bは、通信回線を介して接続したアクセスルータ40Bを介して移動端末50との通信を行う。
又、移動端末50がアクセスルータ40Bに無線接続した場合に、移動先通信インターフェイス31Bは、アクセスルータ40Bを介して移動端末50と通信セッションを確立する通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Bは、アクセスルータ40Bを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク15のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、アクセスルータ40Bとの間で無線接続を確立した移動端末50に対して、移動先ネットワーク141のアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Bは、携帯端末50とアクセスルータ40Bとの間で行われる相互無線通信(図9の*B参照)に利用される通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、後述するアクセスルータ40Bの通信帯域通知手段42Bに対して定期的にベアラ情報の通知を要求するメッセージ(以下「ベアラ要求」という)を送信するベアラ要求送信機能とを備える。
又、通信帯域検知手段33Bは、このベアラ要求に対してアクセスルータ40Bから通知されるベアラ応答のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Bを有し、この通信帯域記憶テーブル331Bの値を、新たに受信されるベアラ応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)は、通信帯域記憶テーブル331(B)の一例である。
尚、この通信帯域記憶テーブル331Aの値は、予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Bは、移動端末50から送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331Bに基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Bを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)は、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一形式を示している。各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Bは、更新された通信帯域テーブル331に基づき、ベアラ情報を含む通信帯域登録要求の生成を行う帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Bを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Bは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く処理(デカプセル化処理)を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34から渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
アクセスルータ40Bは、図9に示すように、移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Bと、この無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互間無線通信に利用される通信帯域を検知する通信帯域通知手段42Bとを有する。
通信帯域通知手段42Bは、無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互無線通信の通信帯域に生じる変化に応じて実行され、変化後の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、検知された通信帯域を移動先エージェント30Bの通信帯域検知手段33Bに通知する通信帯域通知機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Bから送り込まれるベアラ要求に対して、移動端末50との間で利用される無線通信のベアラ情報を含むベアラ応答を生成するベアラ応答生成機能と、当該ベアラ応答を通信帯域検知手段33Bに送信するベアラ応答返信機能を備えている。
尚、通信帯域通知手段42Bは、無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互無線通信の通信帯域を、常に検知するように、つまり、前記通信帯域検知機能が常時実行されるようにしてもよい。
移動端末50は、前述のように、予め設定されたホーム網12における一意で固有のホームアドレス(固有アドレスに相当)および移動端末の識別IDを有する。
又、移動先で受信される無線通信電波の内、最も強度の高い無線通信電波を判断する無線電波強度判定手段と、当該無線電波の送信元である無線中継装置(本実施形態ではアクセスルータ40B)との間で無線接続呼を確立する無線接続確立手段とを備えている。
更に、移動端末50は、移動先エージェント30Bから送られるエージェント広告に基づき無線接続先がホーム網であるか否かを判断する接続先判断機能と、無線接続先がホーム網12ではないことを判断した場合に、割当てられた気付アドレスを含む位置登録要求を生成し当該位置登録要求をホームエージェント20に送信する位置登録要求送信機能とを有する。
これにより、移動端末50に割当てられた気付アドレスがホームエージェント20に通知されるので、移動端末50は相手端末60からのパケットを受信することが可能となる。
ここで、前述したように移動端末50から送られる位置登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(A)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動端末50から移動先エージェント30Bを介して送り込まれる位置登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS201)。格納された位置登録要求に基づき気付アドレステーブル231を作成する(ステップS202)。この気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出する(ステップS203)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に、当該IPヘッダをパケット記憶手段22に格納されたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS204)。
カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS205)。
次に、前述したように移動先エージェント30Bから送られる通信帯域登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動先エージェント30Bから送られる通信帯域登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS211)。格納された通信帯域登録要求に基づき、予め設定された気付アドレステーブル231の値を更新する(ステップS212)。更新された気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出し更新する(ステップS213)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に当該IPヘッダを、相手端末60から送り込まれたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS214)。カプセル化されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に更新されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS215)。
これにより、通知された移動端末50の利用する通信帯域に応じた伝送レートでパケットを送出することができるので、特に通信帯域の限られた無線リンクにおいて発生する通信データのオーバーフローを抑制することができる。これにより、データロスや通信遅延を軽減することができる。
又、移動端末50の利用する無線通信帯域に、ネットワークの通信トラフィックの状態や電波状態に起因する変化が生じた場合でも、当該無線通信帯域の変化に応じた伝送レートでパケット送信を行うことができる。
[第2実施形態の動作説明]
ここで、上記第2の実施形態におけるモバイルIP制御システムの動作について、図10のシーケンスチャートを参照して説明する。
まず、移動端末50は、アクセスルータ40Bとの無線接続を確立する(ステップS31)。次いで、移動先エージェント30Bから割当てられる気付アドレス(CoA2)を取得する(ステップS32)と共に、ホームエージェント20に向けて位置登録要求を送出する(ステップS33)。次いで、移動先エージェント30Bが、位置登録要求を受信すると共にアクセスルータ40Bにベアラ要求を送信する(ステップS34)。このベアラ要求に対してアクセスルータ40Bがベアラ応答を返信する(ステップS35)。移動先エージェント30Bは、受信したベアラ応答に含まれるベアラ情報を前記受信した位置登録要求に付加すると共に、この位置登録要求をホームエージェント20に転送する(ステップS36)。
ホームエージェント20は位置登録要求を受信すると共に移動端末50に向けて位置登録応答を返信する(ステップS37)。これにより、ホームエージェント20と移動端末50との間でパケット通信が可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、相手端末60から移動端末50宛のパケットを受信する(ステップS38)と共に前述の図6(A)に示されるように動作して、受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS39)。
転送されたパケットは、移動先エージェント30Bによって受信され、デカプセル化処理されると共に移動端末50に転送される(ステップS40)。
移動先エージェント30Bは、定期的にアクセスルータ40Bに向けてベアラ要求を送信している(ステップS41)。ベアラ要求を受信したアクセスルータ40Bは、ベアラ応答を返信することにより移動端末50アクセスルータ40B間で利用される通信帯域を通知する(ステップS42)。移動先エージェント30Bは、受信したベアラ応答に基づき通信帯域登録要求を生成しホームエージェント20に送信する(ステップS43)。
この通信帯域登録要求を受信したホームエージェント20は、移動先エージェント30Bに通信帯域登録応答を返信する(ステップS44)と共に図6(B)に示されるように動作して相手端末60から受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS45)。
このパケットを受信した移動先エージェント30Bは、上記ステップS40と同様にして移動端末50にパケット転送を行う(ステップS46)。
以上のように、この第2の実施形態では、無線LAN網14の内部で移動端末50と無線基地局40Bとの相互無線通信の通信帯域に応じて、ホームエージェント20が移動端末50に向けて行うパケット転送の転送レートを制御できる。
又、相互無線通信の通信帯域に変動があった場合、移動先エージェント30Bが通信帯域の変動を検知し、新たに検知される通信帯域をホームエージェント20に通知することにより、実情の通信帯域の変動に柔軟に対応して移動端末50に向けて送信する転送レートを制御することができる。
更に、ネットワーク上を流れるパケットの速度(転送レート)を一定に保つことができるので、無線基地局40Bの通信処理に係る負担を軽減できる。
又、携帯電話網内で移動端末50が、無線通信セッションを維持した状態で無線接続先を他の無線基地局に切替えた場合でも、パケットロスや通信遅延を起こすことなくスムーズなハンドオーバが実現できる。このため、無線LAN網14において限られた通信帯域の中でも通信の品質を保証するQoSを実現することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る第3実施形態のモバイルIP制御システムについて説明する。ここで、前述した第1及び2実施形態と同一部分については、同一の符号を付するものとする。
このモバイルIP制御システムの第3実施形態は、図11に示すように、予め備えられた移動端末50のネットワークにおける位置情報を管理するホームエージェント20と、このホームエージェント20の属するホームネットワーク(以下「ホーム網」という)12と、ホームエージェント20が通信回線を介して接続する汎用的な通信網としてのIP網11を備えている。
又、この第3実施形態は、IP網11に通信回線を介して接続されたWiMAX基幹網150と、このWiMAX基幹網150に対して接続され前記ホームエージェント20と移動端末50との相互間通信を中継する移動先エージェント30Cと、この移動先エージェント30Cに接続され移動端末50に無線接続リンクを提供する無線基地局40Cを備え、前記移動端末50はこの無線基地局40Cに無線接続可能な領域に位置している。
更に、移動端末50との間でホームエージェント20を介してIPパケット通信を行う相手端末60がIP網11に接続された状態となっている。
ここで、移動先エージェント30Cおよび無線基地局40Cは、当該無線基地局40Cに無線接続される端末や装置を含んで移動先ネットワーク151を構成する。更には、WiMAX基幹網150およびWiMAX基幹網150に接続された移動先ネットワーク151によりWiMAX網15が構成される。
尚、WiMAX網15は、移動先ネットワーク151と同様に構成される複数の移動先ネットワーク(例えば移動先ネットワーク152,153,…)が、WiMAX基幹網150に接続した構成であってもよい。
これにより、移動端末50は、WiMAX網15内で、前記各移動先ネットワークを無線接続先として切替えて通信を行う(ハンドオーバ)ことができる。
ホーム網12は、前述したように、移動端末50の位置情報を管理するホームエージェント20を含んで構成された移動端末50のホームリンクである。そのため、移動端末50に予め一意に割当てられたホームアドレスはホーム網12と同じプレフィクスを含む。ホームエージェント20は、移動端末50のプロキシとして動作し、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを移動端末50の移動先ネットワーク151におけるアドレス(以下「気付アドレス」という)に転送する。
ホームエージェント20の典型的な構成は、図2に示すように、通信回線を介してIP網11に接続された送受信インターフェイス21と、送受信インターフェイス21を介して相手端末60から送られるパケットを受信し一時的に保持するパケット記憶手段22と、移動端末50の位置情報を記憶するバインディング記憶手段23と、記憶された移動端末50の位置情報に基づきパケットを転送するパケットルーティング手段24と、このパケットルーディング手段24の行うパケット転送の伝送レートを制御する帯域制御手段25とを備えて構成されている。
以下これを詳述する。
上記ホームエージェント20の送受信インターフェイス21は、IP網11およびホーム網12に接続され、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信すると共に当該パケットを移動端末50に向けてパケットを送出する。
尚、移動端末50がホーム網12に接続されている場合は、前記相手端末60から送り込まれたパケットはホーム網12を介して移動端末50に転送される。
又、送受信インターフェイス21は、移動端末50がホーム網12以外のネットワークに接続した際の位置情報を通知するメッセージ(以下「位置登録要求」という)を受信すると共に、この位置登録要求に対して位置登録応答を返信する位置登録応答機能を有する。
又、移動先エージェント30Cが移動端末50の利用する通信帯域を通知するメッセージである通信帯域登録要求を受信すると共に、この通信帯域登録要求に対して通信帯域登録応答を返信する通信帯域登録応答機能を備えている。
ここで、上述の位置登録要求は、移動端末50と無線基地局40Cとの相互無線通信に利用される通信種別とその通信帯域(上り帯域、下り帯域)の値を含む無線通信種別情報(以下「ベアラ情報」という)と、移動端末50の識別IDおよび気付アドレスとを含む。
又、上述の通信帯域登録要求は、移動端末50の識別IDと、移動端末50と無線基地局40Cとの相互無線通信のベアラ情報とを有する。
パケット記憶手段22は、前述したように、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信して一時的に保持するパケット保持機能を有する。
バインディング記憶手段23は、前述したように、移動端末50から移動先エージェント30Cを介して送り込まれる位置登録要求と、移動先エージェント30Cから送り込まれる通信帯域登録要求とを受信して格納する登録要求格納機能を有する。
又、バインディング記憶手段23は、格納された前記位置登録要求に含まれる気付アドレスと移動端末50のホームアドレスとを対応させて転送先テーブル231を生成する転送先テーブル生成機能と、新たに受信した位置登録要求および通信帯域登録要求に基づき前記転送先テーブル231の値を更新する転送先テーブル更新機能とを備えている。
この転送先テーブル231は、図3に示すように、移動端末50の識別ID、ホームアドレス、気付アドレス、および前記ベアラ情報と、後述する帯域制御手段25により算出されるパケット転送レート値(初期値は0)とにより構成される。
パケットルーティング手段24は、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき移動端末50に対応する気付アドレスを取得する転送先取得機能と、前述したように、前記パケット記憶手段22に格納されたパケットに取得した気付アドレスを示すIPヘッダを付加する処理(以下「カプセル化処理」という)を行う転送先カプセル化機能と、カプセル化処理されたパケットを送信すると共に気付アドレスに基きパケットの転送経路を制御する通信経路制御機能を有する。
尚、パケットルーティング手段24は、転送するパケットの種類に応じて転送順序や転送レートの優先度を決定する転送優先度決定機能を備えていてもよい。
帯域制御手段25は、パケットルーティング手段24が移動端末50に向けてパケット転送を行うにあたって、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づきパケットを送出する際の伝送レートを算出する伝送レート算出機能と、算出された伝送レートにより転送先テーブル231の値を更新する伝送レート更新機能とを備える。
又、算出された伝送レート値に基づき前記パケット転送の伝送速度を制御するパケット伝送制御機能を有する。このパケット伝送制御機能では、前記算出された伝送レート値に基づいて、パケットの転送速度を決定すると共に通信帯域パケット転送を行う頻度や速度を監視して一時的に制限する等のパケット伝送流量の制御を行う。
これにより、無線基地局やアクセスルータ等の無線中継装置に無線中継能力を超えた大量のパケットが送信されることや、無線中継装置における送信帯域不足やオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述した移動先エージェント30Cは、図12に示すように、無線基地局40Cと接続しデータの送受信を行う移動先通信インターフェイス31Cと、この移動先通信インターフェイス31Cを介して移動端末50に移動先アドレスを送信して割当てる気付アドレス割当手段32Cと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50と無線基地局40Cとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Cと、移動端末50から送り込まれる位置登録要求を一時的に保持すると共に検知された通信帯域を当該位置登録要求に付加する登録要求格納手段34Cと、通信帯域を付加された位置登録要求をホームエージェント20に向けて送信すると共にホームエージェント20から送り込まれる移動端末50宛のパケットの転送を行うパケット転送手段35Cを備えている。
移動先通信インターフェイス31Cは、通信回線を介して接続した無線基地局40Cを介して移動端末50との通信を行う。
移動先通信インターフェイス31Cは、移動端末50が無線基地局40Cに無線接続した場合に、無線基地局40Cを介して移動端末50と通信セッションを確立する通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Cは、無線基地局40Cを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク15のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、無線基地局40Cとの間で無線接続を確立した移動端末50に対して、移動先ネットワーク151のアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Cは、携帯端末50と無線基地局40Cとの間で行われる相互無線通信(図*参照)に利用される通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、後述する無線基地局40Cの通信帯域通知手段42Cに対して定期的にベアラ情報の通知を要求するメッセージ(以下「ベアラ要求」という)を送信するベアラ要求送信機能とを備える。
又、通信帯域検知手段33Cは、このベアラ要求に対して無線基地局40Cから通知されるベアラ応答のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Cを有し、この通信帯域記憶テーブル331Cの値を、新たに受信されるベアラ応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)に通信帯域記憶テーブル331Cの一例を示す。
尚、この気付アドレス対応テーブル331Cの値は、予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Cは、移動端末50から送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331に基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Cを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)は、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一形式を示している。各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Cは、更新された通信帯域テーブル331に基づき、ベアラ情報を含む通信帯域登録要求の生成を行う帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Cを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Cは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く処理(デカプセル化処理)を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34から渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
無線基地局40Cは、図12に示すように、移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Cと、この無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互間無線通信に利用される通信帯域を検知する通信帯域通知手段42Cとを有する。
通信帯域通知手段42Cは、無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互無線通信の通信帯域に生じる変化に応じて実行され、変化後の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、検知された通信帯域を移動先エージェント30Cの通信帯域検知手段33Cに通知する通信帯域通知機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Cから送り込まれるベアラ要求に対して、移動端末50との間で利用される無線通信のベアラ情報を含むベアラ応答を生成するベアラ応答生成機能と、当該ベアラ応答を通信帯域検知手段33Cに送信するベアラ応答返信機能を備えている。
尚、通信帯域通知手段42Cは、無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互無線通信の通信帯域を、常に検知するように、つまり、前記通信帯域検知機能が常時実行されるようにしてもよい。
移動端末50は、前述のように、予め設定されたホーム網12における一意で固有のホームアドレス(固有アドレスに相当)および移動端末の識別IDを有する。
又、移動先で受信される無線通信電波の内、最も強度の高い無線通信電波を判断する無線電波強度判定手段と、当該無線電波の送信元である無線中継装置(本実施形態では無線基地局40C)との間で無線接続呼を確立する無線接続確立手段とを備えている。
更に、移動端末50は、移動先エージェント30Cから送られるエージェント広告に基づき無線接続先がホーム網であるか否かを判断する接続先判断機能と、無線接続先がホーム網12ではないことを判断した場合に、割当てられた気付アドレスを含む位置登録要求を生成し当該位置登録要求をホームエージェント20に送信する位置登録要求送信機能とを有する。
これにより、移動端末50に割当てられた気付アドレスがホームエージェント20に通知されるので、移動端末50は相手端末60からのパケットを受信することが可能となる。
ここで、前述したように移動端末50から送られる位置登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(A)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動端末50から移動先エージェント30Cを介して送り込まれる位置登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS201)。格納された位置登録要求に基づき気付アドレステーブル231を作成する(ステップS202)。この気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出する(ステップS203)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に、当該IPヘッダをパケット記憶手段22に格納されたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS204)。
カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS205)。
次に、前述したように移動先エージェント30Cから送られる通信帯域登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動先エージェント30Cから送られる通信帯域登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS211)。格納された通信帯域登録要求に基づき、予め設定された気付アドレステーブル231の値を更新する(ステップS212)。更新された気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出し更新する(ステップS213)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に当該IPヘッダを、相手端末60から送り込まれたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS214)。カプセル化されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に更新されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS215)。
これにより、通知された移動端末50の利用する通信帯域に応じた伝送レートでパケットを送出することができるので、特に通信帯域の限られた無線リンクにおいて発生する通信データのオーバーフローを抑制することができる。これにより、データロスや通信遅延を軽減することができる。
又、移動端末50の利用する無線通信帯域に、ネットワークの通信トラフィックの状態や電波状態に起因する変化が生じた場合でも、当該無線通信帯域の変化に応じた伝送レートでパケット送信を行うことができる。
[第3実施形態の動作説明]
ここで、上記第3の実施形態におけるモバイルIP制御システムの動作について、図13のシーケンスチャートを参照して説明する。
まず、移動端末50は、無線基地局40Cとの無線接続を確立する(ステップS51)。次いで、移動先エージェント30Cから割当てられる気付アドレス(CoA3)を取得する(ステップS52)と共に、ホームエージェント20に向けて位置登録要求を送出する(ステップS53)。次いで、移動先エージェント30Cが、位置登録要求を受信すると共に無線基地局40Cにベアラ要求を送信する(ステップS54)。このベアラ要求に対して無線基地局40Cがベアラ応答を返信する(ステップS55)。移動先エージェント30Cは、受信したベアラ応答に含まれるベアラ情報を前記受信した位置登録要求に付加すると共に、この位置登録要求をホームエージェント20に転送する(ステップS56)。
ホームエージェント20は位置登録要求を受信すると共に移動端末50に向けて位置登録応答を返信する(ステップS57)。これにより、ホームエージェント20と移動端末50との間でパケット通信が可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、相手端末60から移動端末50宛のパケットを受信する(ステップS58)と共に前述の図6(A)に示されるように動作して、受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS59)。
転送されたパケットは、移動先エージェント30Cによって受信されデカプセル化処理されて移動端末50に転送される(ステップS60)。
ここで、携帯端末50が無線基地局40Cから離れる方向に移動する。これにより移動端末50と無線基地局40C間の無線通信電波に減衰が起こり、通信帯域容量が低下する。(ステップS61)。
ベアラ情報の変化を検知した無線基地局40Cは、移動先エージェント30Cに対してベアラ情報変更後の通信帯域の値を通知する(ステップS62)
移動先エージェント30Cは、通信帯域登録要求を生成しホームエージェント20に送信する(ステップS63)。
この通信帯域登録要求を受信したホームエージェント20は、移動先エージェント30Cに通信帯域登録応答を返信する(ステップS64)と共に図6(B)に示されるように動作して相手端末60から受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS65)。
このパケットを受信した移動先エージェント30Cは、上記ステップS80と同様にして移動端末50にパケット転送を行う(ステップS66)。
以上のように、この第3の実施形態では、WiMAX網15の内部で移動端末50と無線基地局40Cとの相互無線通信の通信帯域に応じて、ホームエージェント20が移動端末50に向けて行うパケット転送の転送レートを制御できる。
又、相互無線通信の通信帯域に変動があった場合、移動先エージェント30Cが通信帯域の変動を検知し、新たに検知される通信帯域をホームエージェント20に通知することにより、実情の通信帯域の変動に柔軟に対応して移動端末50に向けて送信する転送レートを制御することができる。
更に、ネットワーク上を流れるパケットの速度(転送レート)を一定に保つことができるので、無線基地局40Cの通信処理に係る負担を軽減できる。
又、携帯電話網内で移動端末50が、無線通信セッションを維持した状態で無線接続先を他の無線基地局に切替えた場合でも、パケットロスや通信遅延を起こすことなくスムーズなハンドオーバが実現できる。このため、WiMAX網15において限られた通信帯域の中でも通信の品質を保証するQoSを実現することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る第4実施形態のモバイルIP制御システムについて説明する。ここで、前述した第1,2及び3実施形態と同一部分については、同一の符号を付するものとする。
このモバイルIP制御システムの第4実施形態は、図14に示すように、予め備えられた移動端末50のネットワークにおける位置情報を管理するホームエージェント20と、このホームエージェント20の属するホームネットワーク(以下「ホーム網」という)12と、ホームエージェント20が通信回線を介して接続する汎用的な通信網であるIP網11を備えている。
又、この第4実施形態は、IP網11に通信回線を介して接続されたVPN(Virtual Private Network)基幹網160と、このVPN基幹網160に対して接続され移動端末50との間にVPNトンネルを設定するVPNゲートウェイ70Aと、このVPNゲートウェイ70Aの内部に装備され前記ホームエージェント20と移動端末50との相互間通信を中継する移動先エージェント30Dと、この移動先エージェント30Dに対して並列に接続されそれぞれが移動端末50に無線接続リンクを提供するアクセスルータ40D,40Eを備え、前記移動端末50はこのアクセスルータ40Dに無線接続可能な領域に位置している。
更に、移動端末50とホームエージェント20を介してIPパケット通信を行う相手端末60がIP網11に接続された状態となっている。
ここで、移動先エージェント30Dおよびアクセスルータ40Dは当該アクセスルータ40Dに無線接続される端末や装置を含んで移動先ネットワーク161を構成し、移動先エージェント30Dおよびアクセスルータ40Eも当該アクセスルータ40Eに無線接続される端末や装置を含んで移動先ネットワーク162を構成する(図15を参照)。更には、VPN基幹網160と、当該VPN基幹網160に接続された移動先ネットワーク161及び162とによりVPN網16が構成される。
尚、VPN網16は、上記移動先ネットワーク161,162と同様に構成される複数の移動先ネットワーク(例えば、移動先ネットワーク163,164,…)が、それぞれの移動先ネットワークの有するVPNゲートウェイ(例えば、VPNゲートウェイ70B,70C,…)を介してVPN基幹網160に接続された構成であってもよい。
これにより、移動端末50は、VPN網16内で各移動先ネットワークそれぞれを無線接続先として切替えながら通信を行う(ハンドオーバを行う)ことができる。
ホーム網12は、前述したように、移動端末50の位置情報を管理するホームエージェント20を含んで構成された移動端末50のホームリンクである。そのため、移動端末50に予め一意に割当てられたホームアドレスはホームアドレスと同じプレフィクスを含む。ホームエージェント20は、移動端末50のプロキシとして動作し、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを移動端末50の移動先ネットワーク(本実施形態では移動端末50が無線接続する移動先ネットワーク161又は162のうち何れか一方)におけるアドレス(以下「気付アドレス」という)に転送する。
ホームエージェント20の典型的な構成は、図2に示すように、通信回線を介してIP網11に接続された送受信インターフェイス21と、送受信インターフェイス21を介して相手端末60から送られるパケットを受信し一時的に保持するパケット記憶手段22と、移動端末50の位置情報を記憶するバインディング記憶手段23と、記憶された移動端末50の位置情報に基づきパケットを転送するパケットルーティング手段24と、このパケットルーディング手段24の行うパケット転送の伝送レートを制御する帯域制御手段25とを備えて構成されている。
以下これを詳述する。
上記ホームエージェント20の送受信インターフェイス21は、IP網11およびホーム網12に接続され、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信すると共に当該パケットを移動端末50に向けてパケットを送出する。
尚、移動端末50がホーム網12に接続されている場合は、前記相手端末60から送り込まれたパケットはホーム網12を介して移動端末50に転送される。
又、送受信インターフェイス21は、移動端末50がホーム網12以外のネットワークに接続した際の位置情報(気付アドレスを含む)を通知するメッセージ(以下「位置登録要求」という)を受信すると共に、この位置登録要求に対して位置登録応答を返信する位置登録応答機能を有する。
更に、移動先エージェント30が移動端末50の利用する通信帯域を通知するメッセージである通信帯域登録要求を受信すると共に、この通信帯域登録要求に対して通信帯域登録応答を返信する通信帯域登録応答機能を備えている。
ここで、上述の位置登録要求は、移動端末50の識別ID、および気付アドレスと、移動端末50とアクセスルータ40Dとの相互無線通信に利用される通信種別と通信帯域(上り帯域、下り帯域)の値とを含む無線通信種別情報(以下「ベアラ情報」という)を有する。
又、上述の通信帯域登録要求は、移動端末50の識別IDと、移動端末50とアクセスルータ40Dとの相互無線通信のベアラ情報とを有する。
パケット記憶手段22は、前述したように、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信して一時的に保持するパケット保持機能を有する。
バインディング記憶手段23は、前述したように、移動端末50から移動先エージェント30を介して送り込まれる位置登録要求と、移動先エージェント30から送り込まれる通信帯域登録要求とを受信して格納する登録要求格納機能を有する。
又、バインディング記憶手段23は、格納された前記位置登録要求に含まれる気付アドレスと移動端末50のホームアドレスとを対応させて転送先テーブル231を生成する転送先テーブル生成機能と、新たに受信した通信帯域登録要求に基づき前記転送先テーブル231の値を更新する転送先テーブル更新機能とを備えている。
この転送先テーブル231は、図3に示すように、移動端末50の識別ID、ホームアドレス、気付アドレス、および前記ベアラ情報と、後述する帯域制御手段25により算出されるパケット転送レート値(初期値は0)とにより構成される。
パケットルーティング手段24は、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき移動端末50に対応する気付アドレスを取得する転送先取得機能と、前述したように、前記パケット記憶手段22に格納されたパケットに取得した気付アドレスを示すIPヘッダを付加する処理(以下「カプセル化処理」という)を行う転送先カプセリング機能と、カプセリング処理されたパケットを送信すると共に気付アドレスに基づいてパケットを転送すべき経路を制御する通信経路制御機能を有する。
尚、パケットルーティング手段24は、転送するパケットの種類に応じて転送順序や転送レートの優先度を決定する転送優先度決定機能を備えていてもよい。
帯域制御手段25は、パケットルーティング手段24が移動端末50に向けてのパケット転送を行うにあたって、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき前記パケット送信の伝送レートを算出する伝送レート算出機能と、算出された伝送レートにより転送先テーブル231の値を更新する伝送レート更新機能とを備える。
又、算出された伝送レート値に基づき前記パケット転送の伝送速度を制御するパケット伝送制御機能を有する。このパケット伝送制御機能では、前記算出された伝送レート値に基づいて、パケットの転送速度を決定すると共に通信帯域パケット転送を行う頻度や速度を監視して、一時的に制限する等のパケット伝送流量の制御を行う。
これにより、無線基地局やアクセスルータ等の無線中継装置に無線中継能力を超えた大量のパケットが送信されることや、無線中継装置における送信帯域不足やオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述したVPNゲートウェイ70Aは、図15に示すように、当該VPNゲートウェイ70Aと移動端末50との間にVPN(Virtual Private Network)通信伝送路(以下「VPNトンネル」という)を設定するVPN接続確立手段71Aと、このVPN接続確立手段71Aを介してアクセスルータ40D及び40Eに接続された移動先エージェント30Dとを有する構成となっている。
VPN接続確立手段71Aは、移動端末50との間でVPNトンネルを設定するVPN設定機能と、このVPNトンネルを介してパケットの送受信を行うVPNパケット送受信機能を有する。
上記VPN設定機能では、移動端末50との間で設定したVPNトンネルを介して送受信するパケットを、送信に先立ち別のパケットでカプセル化する。
これにより、カプセル化されたパケットの通信は他の通信と区別される。このため、他の通信の信号やノイズが混じることを抑制することができる。
又、上記VPNパケット送受信機能では、移動端末50との間で相互に送受信する通信データに対して、例えばIPsecによって、暗号化を行うと共に、パケットに含まれる通信元、通信先およびメッセージ内容の認証を行う。
これにより、VPNトンネルを介して送受信されるパケットは、盗聴や改ざん、ノイズデータの混入を抑制することができ、このため安定した通信品質を確保することができる。
上述した移動先エージェント30Dは、図15に示すように、アクセスルータ40Dおよび40Eに接続しアクセスルータ40D,40Eそれぞれとの間でデータの送受信を行う移動先通信インターフェイス31Dと、この移動先通信インターフェイス31Dを介して移動端末50に移動先アドレスを送信し割当てる気付アドレス割当手段32Dと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50とアクセスルータ40D又は40Eとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Dと、移動端末50からホームエージェント20に向けて送られる位置登録要求の中継を行う登録要求格納手段34Dと、この登録要求格納手段34から渡される登録要求およびホームエージェント20から送り込まれるパケットについて転送を行うパケット転送手段35Dを備えている。
移動先通信インターフェイス31Dは、アクセスルータ40Dおよび40Eに通信回線を介して接続されて装備され、アクセスルータ40D又は40Eを介して移動端末50との通信を行う。
又、移動先通信インターフェイス31Dは、移動端末50が無線接続したアクセスルータ40D又は40Eを介して、当該移動端末50との間で通信セッションを確立する通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Dは、アクセスルータ40D又は40Eを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク161又は162のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、アクセスルータ40D又は40Eに無線接続を確立した移動端末50に対して、対応する移動先ネットワーク160又は161におけるアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Dは、移動端末50に向けて移動端末50の返信を要求するメッセージとしてのエコー要求を送信するエコー要求送信機能と、このエコー要求に対して移動端末50の返信メッセージとしてのエコー応答を受信して、エコー要求の送信からエコー応答の受信までの時間から移動端末50の利用している通信帯域を算出する通信帯域算出機能と、算出された通信帯域の値および移動端末50の気付アドレスを含んだ通信帯域登録要求を生成する通信帯域登録要求生成機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Dは、算出された通信帯域を含む移動端末50のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Dを有し、この通信帯域記憶テーブル331Dの値を新たに受信するエコー応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)は、通信帯域記憶テーブル331Dの一例である。
ここで、このエコー応答には、少なくとも移動端末50の取得した気付アドレスと、移動端末50の識別IDまたはホームアドレスとが含まれているものとする。
これにより、移動端末50の無線リンクにVPNトンネルが設定されることにより通信帯域が直接検知できない場合でも、移動端末50の利用する通信帯域の値を算出し取得することができる。
尚、この気付アドレス対応テーブル331Dの値は予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Dは、前述のように、移動端末50からホームエージェント20に向けて送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331Dに基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Dを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)には、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一例を示している。
各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Dは、更新された通信帯域テーブル331Dに基づき、ベアラ情報を含んだ通信帯域登録要求を生成する帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Dを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Dは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く(デカプセル化)処理を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34Dから渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
アクセスルータ40Dは、図15に示すように、少なくとも移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Dを有する。
無線インターフェイス41Dは、上記のように、無線通信可能な領域に位置する移動端末50に対して無線リンクを提供する無線リンク提供機能と、移動端末50が当該無線インターフェイス41Dに無線接続した場合に移動端末50による無線接続があったことを移動先エージェント30Dに通知する無線接続通知機能と、VPNゲートウェイ70AのVPN接続確立手段71Aと移動端末50との相互間に設定されるVPNトンネルを中継するVPNトンネル中継機能を備えている。
アクセスルータ40Eは、上述のアクセスルータ40Dとほぼ同様の構成を有し、図15に示すように、少なくとも移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Eを有する。
無線インターフェイス41Eは、上記のように、無線通信可能な領域に位置する移動端末50に対して無線リンクを提供する無線リンク提供機能と、移動端末50が当該無線インターフェイス41Eに無線接続した場合に移動端末50による無線接続があったことを移動先エージェント30Dに通知する無線接続通知機能と、VPNゲートウェイ70AのVPN接続確立手段71Aと移動端末50との相互間に設定されるVPNトンネルを中継するVPNトンネル中継機能を備えている。
移動端末50は、前述のように、予め設定されたホーム網12における一意で固有のホームアドレス(固有アドレスに相当)および移動端末の識別IDを有する。
又、移動先で受信される無線通信電波の内、最も強度の高い無線通信電波を判断する無線電波強度判定手段と、当該無線電波の送信元である無線中継装置(本実施形態ではアクセスルータ40D又は40E)との間で無線接続呼を確立する無線接続確立手段とを備えている。
更に、移動端末50は、移動先エージェント30Dから送られるエージェント広告に基づき無線接続先がホーム網12であるか否かを判断する接続先判断機能と、無線接続先がホーム網12ではないことを判断した場合に、割当てられた気付アドレスを含む位置登録要求を生成し当該位置登録要求をホームエージェント20に送信する位置登録要求送信機能とを有する。
これにより、移動端末50は、割当てられた気付アドレスをホームエージェント20に通知できるので、相手端末60からのパケットを受信することが可能となる。
又、本実施形態における移動端末50は、移動先エージェント30から返信を要求するメッセージとして送り込まれるエコー要求に対して、エコー応答を返信するエコー応答返信機能を備えている。
更に、アクセスルータ40D又は40Eを介してVPNゲートウェイ70Aとの間でVPNトンネルを設定するVPNトンネル設定機能と、このVPNトンネルを介してパケットの送受信を行うVPNパケット送受信機能を有する。
上記VPNトンネル設定機能では、移動端末50は、設定したVPNトンネルを介して送受信されるパケットを、送信に先立って、別のパケットでカプセル化する。これにより、カプセル化されたパケットの通信は他の通信と区別される。このため、他の通信の信号やノイズが混じることを抑制することができる。
又、上記VPNパケット送受信機能では、移動端末50は、送受信する通信データに対して、例えばIPsecによって、暗号化を行うと共に、パケットに含まれる通信元、通信先およびメッセージ内容の認証を行う。
これにより、VPNトンネルを介して送受信されるパケットは、盗聴や改ざん、ノイズデータの混入を抑制することができ、このため安定した通信品質を確保することができる。
ここで、前述したように移動端末50から送られる位置登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(A)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動端末50から移動先エージェント30を介して送り込まれる位置登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS201)。格納した位置登録要求に基づき気付アドレステーブルを作成する(ステップS202)。この気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出する(ステップS203)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダ生成すると共に、当該IPヘッダをパケット記憶手段22に格納されたパケットに付加する(カプセルリング)処理を行う(ステップS204)。
カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS205)。
次に、前述したように移動先エージェント30から送られる帯域登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動先エージェント30から送られる通信帯域登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS211)。格納された通信帯域登録要求に基づき、予め設定された気付アドレステーブル231の値を更新する(ステップS212)。更新された気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出し更新する(ステップS213)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダ生成すると共に当該IPヘッダを、相手端末60から送り込まれたパケットに付加する(カプセリング)処理を行う(ステップS214)。カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS215)。
これにより、通知された移動端末50の利用する通信帯域に応じた伝送レートでパケットを送出することができるので、特に通信帯域の限られた無線リンクにおいて発生する通信データのオーバーフローを抑制することができる。これにより、データロスや通信遅延を軽減することができる。
又、移動端末50の利用する無線通信帯域に、ネットワークの通信トラフィックの状態や電波状態に起因する変化が生じた場合でも、当該無線通信帯域の変化に応じた伝送レートでパケット送信を行うことができる。
[第4実施形態の動作説明]
ここで、上記第4の実施形態におけるモバイルIP制御システムの動作について、図16のシーケンスチャートを参照して説明する。
まず、移動端末50は、アクセスルータ40Dとの無線接続を確立する(ステップS71)。アクセスルータ4Dが移動先エージェント30Dに移動端末50の接続を通知する(ステップS72)。移動先エージェント30Dは、移動端末50に気付アドレスを割当てる(ステップS73)。これにより、移動端末50は気付アドレスCoA4を取得する(ステップS74)と共にVPNを設定する(スタップS75)。
このVPNを利用して、移動端末50はホームエージェント20に向けて位置登録要求を送出する(ステップS76)。この位置登録要求を受信した移動先エージェント30Dは、アクセスルータ40Dを介して移動端末50にエコー要求を送信する(ステップS77)。このエコー要求に対して移動端末50はエコー応答を返信する(ステップS78)。移動先エージェント30Dは、エコー応答を受信して通信帯域を算出すると共にこの通信帯域の値を前記受信した位置登録要求に付加してホームエージェント20に転送する(ステップS79)。この位置登録要求を受信したホームエージェント20は、移動端末50に位置登録応答を送信する(ステップS80)。
これにより、ホームエージェント20と移動端末50との間でパケット通信が可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、相手端末60から移動端末50宛のパケットを受信する(ステップS81)と共に前述の図6(A)に示されるように動作して、受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS82)。
転送されたパケットを受信した移動先エージェント30Dは、このパケットに対してデカプセリング処理を行うと共に、VPNトンネルの設定されたVPN接続確立(通信)手段およびアクセスルータ40Dを介して移動端末50に転送する(ステップS83)。
ここで、移動端末50が移動することにより、アクセスルータ40Eとの無線リンクを確立する(スタップS84)。アクセスルータ40Eは、ステップS72と同様にして、移動先エージェント30Dに移動端末50による接続が行われたことを通知する(ステップS85)。移動先エージェント30Dは移動端末50に対して新たに気付アドレスを割当てる(ステップS86)。移動端末50は、気付アドレスCoA5を取得する(ステップS87)と共に移動先エージェント30Dとの間に新たにVPNを設定する(ステップS88)。次いで、移動先エージェント30Dが移動端末50にアクセスルータ40Eを介して移動端末50にエコー要求を送信する(ステップS89)。移動端末50は、エコー要求に対するエコー応答を送信する。エコー応答を受信した移動先エージェントはステップS79と同様にして通信帯域を算出すると共に当該通信帯域の値を付加した位置登録要求を生成しホームエージェント20に送信する(ステップS91)。位置登録要求を受信したホームエージェント20は、VPNゲートウェイ160Aの移動先エージェント30Dに位置登録応答を返信する(ステップS92)。
次いで、ホームエージェント20は、図6(B)に示されるように動作して相手端末60から受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS93)。このパケットを受信した移動先エージェント30は、上記ステップS83と同様にして移動端末50にパケット転送を行う(ステップS94)。
以上のように、この第4の実施形態では、VPN網16の内部で移動端末50とアクセスルータ40Dとの相互無線通信の通信帯域に応じて、ホームエージェント20が移動端末50に向けて行うパケット転送の転送レートを制御できる。
又、VPNが設定されることにより、移動端末50の利用する通信帯域が直接検知できない場合でも、通信帯域の算出を行うことができる。
これにより、VPNにおける相互無線通信の通信帯域に変動があった場合、移動先エージェント30Dが通信帯域の変動を検知し、新たに検知された通信帯域をホームエージェント20に通知することにより、移動端末50に転送するパケットの伝送速度を実情の通信帯域の変動に柔軟に対応して制御することができる。
更に、ネットワーク上を流れるパケットの速度(転送レート)を一定に保つことができるので、アクセスルータ40Dの通信処理に係る負担を軽減できる。
又、携帯電話網内で移動端末50が、無線通信セッションを維持した状態で無線接続先を他の無線基地局に切替えた場合でも、パケットロスや通信遅延を起こすことなくスムーズなハンドオーバが実現できる。このため、VPN網16において限られた通信帯域の中でも通信の品質を保証するQoSを実現することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明に係る第5実施形態のモバイルIP制御システムについて説明する。ここで、前述した第1,2,3および4実施形態と同一部分については、同一の符号を付するものとする。
この第5実施形態は、図17に示すように、予め備えられた移動端末50のネットワークにおける位置情報を管理するホームエージェント20と、このホームエージェント20の属するホームネットワーク(以下「ホーム網」という)12と、ホームエージェント20が通信回線を介して接続する汎用的な通信網であるIP網11を備えている。
又、この第4実施形態は、IP網11に第2実施形態と同様に構成された無線LAN網14および第3実施形態と同様に構成されたWiMAX網15が接続され、前記移動端末50は無線LAN網14の備えるアクセスルータ40Bに無線接続可能な領域に位置している。
更に、移動端末50とホームエージェント20を介してIPパケット通信を行う相手端末60がIP網11に接続された状態となっている。
ホーム網12は、前述したように、移動端末50の位置情報を管理するホームエージェント20を含み構成された、移動端末50のホームリンクである。そのため、移動端末50に予め一意に割当てられたホームアドレスはホームアドレスと同じプレフィクスを含む。ホームエージェント20は、移動端末50のプロキシとして動作し、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを移動端末50の気付アドレスに転送する。
ホームエージェント20の典型的な構成は、図2に示すように、通信回線を介してIP網11に接続された送受信インターフェイス21と、送受信インターフェイス21を介して相手端末60から送られるパケットを受信し一時的に保持するパケット記憶手段22と、移動端末50の位置情報を記憶するバインディング記憶手段23と、記憶された移動端末50の位置情報に基づきパケットを転送するパケットルーティング手段24と、このパケットルーディング手段24の行うパケット転送の伝送レートを制御する帯域制御手段25とを備えて構成されている。
以下これを詳述する。
上記ホームエージェント20の送受信インターフェイス21は、IP網11およびホーム網12に接続され、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信すると共に当該パケットを移動端末50に向けてパケットを送出する。
尚、移動端末50がホーム網12に接続されている場合、送受信インターフェイス21は、前記相手端末60から送り込まれたパケットをホーム網12の移動端末50に転送する。
又、送受信インターフェイス21は、移動端末50がホーム網12以外のネットワークに接続した際の位置情報を通知するメッセージ(以下「位置登録要求」という)を受信すると共に、この位置登録要求に対して位置登録応答を返信する位置登録応答機能を有する。
又、移動先エージェント30Bが移動端末50の利用する通信帯域を通知するメッセージである通信帯域登録要求を受信すると共に、この通信帯域登録要求に対して通信帯域登録応答を返信する通信帯域登録応答機能を備えている。
ここで、上述の位置登録要求は、移動端末50とアクセスルータ40Bとの相互無線通信に利用される通信種別とその通信帯域(上り帯域、下り帯域)の値を含む無線通信種別情報(以下「ベアラ情報」という)と、移動端末50の識別IDおよび気付アドレスとを含む。
又、上述の通信帯域登録要求は、移動端末50の識別IDと、移動端末50とアクセスルータ40Bとの相互無線通信のベアラ情報とを有する。
パケット記憶手段22は、前述したように、相手端末60から移動端末50のホームアドレス宛に送り込まれるパケットを受信して一時的に保持するパケット保持機能を有する。
バインディング記憶手段23は、前述したように、移動端末50から移動先エージェント30Bを介して送り込まれる位置登録要求と、移動先エージェント30Bから送り込まれる通信帯域登録要求とを受信して格納する登録要求格納機能を有する。
又、バインディング記憶手段23は、格納された前記位置登録要求に含まれる気付アドレスと移動端末50のホームアドレスとを対応させて転送先テーブル231を生成する転送先テーブル生成機能と、新たに受信した位置登録要求および通信帯域登録要求に基づき前記転送先テーブル231の値を更新する転送先テーブル更新機能とを備えている。
この転送先テーブル231は、図3に示すように、移動端末50の識別ID、ホームアドレス、気付アドレス、および前記ベアラ情報と、後述する帯域制御手段25により算出されるパケット転送レート値(初期値は0)とにより構成される。
パケットルーティング手段24は、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づき移動端末50に対応する気付アドレスを取得する転送先取得機能と、前述したように、前記パケット記憶手段22に格納されたパケットに取得した気付アドレスを示すIPヘッダを付加する処理(以下「カプセル化処理」という)を行う転送先カプセル化機能と、カプセル化処理されたパケットを送信すると共に気付アドレスに基きパケットの転送経路を制御する通信経路制御機能を有する。
尚、パケットルーティング手段24は、転送するパケットの種類に応じて転送順序や転送レートの優先度を決定する転送優先度決定機能を備えていてもよい。
帯域制御手段25は、パケットルーティング手段24が移動端末50に向けてパケット転送を行うにあたって、バインディング記憶手段23の転送先テーブル231に基づきパケットを送出する際の伝送レートを算出する伝送レート算出機能と、算出された伝送レートにより転送先テーブル231の値を更新する伝送レート更新機能とを備える。
又、算出された伝送レート値に基づき前記パケット転送の伝送速度を制御するパケット伝送制御機能を有する。このパケット伝送制御機能では、前記算出された伝送レート値に基づいて、パケットの転送速度を決定すると共に通信帯域パケット転送を行う頻度や速度を監視して一時的に制限する等のパケット伝送流量の制御を行う。
これにより、無線基地局やアクセスルータ等の無線中継装置に無線中継能力を超えた大量のパケットが送信されることや、無線中継装置における送信帯域不足やオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述した無線LAN網14の備える移動先エージェント30Bは、図9に示すように、アクセスルータ40Bとの通信を行う移動先通信インターフェイス31Bと、この移動先通信インターフェイス31Bを介して移動端末50に移動先アドレスを送信して割当てる気付アドレス割当手段32Bと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50とアクセスルータ40Bとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Bと、移動端末50から送り込まれる位置登録要求を一時的に保持すると共に検知された通信帯域を当該位置登録要求に付加する登録要求格納手段34Bと、通信帯域を付加された位置登録要求をホームエージェント20に向けて送信すると共にホームエージェント20から送り込まれる移動端末50宛のパケットの転送を行うパケット転送手段35Bを備えている。
移動先通信インターフェイス31Bは、通信回線を介して接続したアクセスルータ40Bを介して移動端末50との通信を行う。
又、移動端末50がアクセスルータ40Bに無線接続した場合に、移動先通信インターフェイス31Bは、アクセスルータ40Bを介して移動端末50と通信セッションを確立する通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Bは、アクセスルータ40Bを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク15のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、アクセスルータ40Bとの間で無線接続を確立した移動端末50に対して、移動先ネットワーク141のアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Bは、携帯端末50とアクセスルータ40Bとの間で行われる相互無線通信(図9の*B参照)に利用される通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、後述するアクセスルータ40Bの通信帯域通知手段42Bに対して定期的にベアラ情報の通知を要求するメッセージ(以下「ベアラ要求」という)を送信するベアラ要求送信機能とを備える。
又、通信帯域検知手段33Bは、このベアラ要求に対してアクセスルータ40Bから通知されるベアラ応答のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Bを有し、この通信帯域記憶テーブル331Bの値を、新たに受信されるベアラ応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)は、通信帯域記憶テーブル331(B)の一例である。
尚、この通信帯域記憶テーブル331Aの値は、予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Bは、移動端末50から送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331Bに基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Bを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)は、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一形式を示している。各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Bは、更新された通信帯域テーブル331に基づき、ベアラ情報を含む通信帯域登録要求の生成を行う帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Bを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Bは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く処理(デカプセル化処理)を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34から渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
アクセスルータ40Bは、図9に示すように、移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Bと、この無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互間無線通信に利用される通信帯域を検知する通信帯域通知手段42Bとを有する。
通信帯域通知手段42Bは、無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互無線通信の通信帯域に生じる変化に応じて実行され、変化後の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、検知された通信帯域を移動先エージェント30Bの通信帯域検知手段33Bに通知する通信帯域通知機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Bから送り込まれるベアラ要求に対して、移動端末50との間で利用される無線通信のベアラ情報を含むベアラ応答を生成するベアラ応答生成機能と、当該ベアラ応答を通信帯域検知手段33Bに送信するベアラ応答返信機能を備えている。
尚、通信帯域通知手段42Bは、無線インターフェイス41Bと移動端末50との相互無線通信の通信帯域を、常に検知するように、つまり、前記通信帯域検知機能が常時実行されるようにしてもよい。
上述したWiMAX網15の備える移動先エージェント30Cは、図12に示すように、無線基地局40Cと接続しデータの送受信を行う移動先通信インターフェイス31Cと、この移動先通信インターフェイス31Cを介して移動端末50に移動先アドレスを送信して割当てる気付アドレス割当手段32Cと、移動先アドレスを割当てられた移動端末50と無線基地局40Cとの間で行われる無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知手段33Cと、移動端末50から送り込まれる位置登録要求を一時的に保持すると共に検知された通信帯域を当該位置登録要求に付加する登録要求格納手段34Cと、通信帯域を付加された位置登録要求をホームエージェント20に向けて送信すると共にホームエージェント20から送り込まれる移動端末50宛のパケットの転送を行うパケット転送手段35Cを備えている。
移動先通信インターフェイス31Cは、通信回線を介して接続した無線基地局40Cを介して移動端末50との通信を行う。
移動先通信インターフェイス31Cは、移動端末50が無線基地局40Cに無線接続した場合に、無線基地局40Cを介して移動端末50と通信セッションを確立する通信セッション確立機能を備えている。
気付アドレス割当手段32Cは、無線基地局40Cを介して移動端末50に向けて移動先ネットワーク15のプレフィクスを通知するエージェント広告メッセージ(以下「エージェント広告」という)を定期的に送出するエージェント広告送出機能と、無線基地局40Cとの間で無線接続を確立した移動端末50に対して、移動先ネットワーク151のアドレス(気付アドレス)を割当てる移動先アドレス割当機能を有する。この気付アドレスは、ホームエージェント20が、相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に転送するにあたり転送先として指定されるアドレスである。
通信帯域検知手段33Cは、携帯端末50と無線基地局40Cとの間で行われる相互無線通信(図*参照)に利用される通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、後述する無線基地局40Cの通信帯域通知手段42Cに対して定期的にベアラ情報の通知を要求するメッセージ(以下「ベアラ要求」という)を送信するベアラ要求送信機能とを備える。
又、通信帯域検知手段33Cは、このベアラ要求に対して無線基地局40Cから通知されるベアラ応答のベアラ情報を記憶する通信帯域記憶テーブル331Cを有し、この通信帯域記憶テーブル331Cの値を、新たに受信されるベアラ応答に基づき更新する帯域記憶テーブル更新機能を備えている。図5(A)に通信帯域記憶テーブル331Cの一例を示す。
尚、この気付アドレス対応テーブル331Cの値は、予め設定された時間間隔で消去されるように設定してもよい。これにより、対応する移動端末の気付アドレスが変更された場合に、変更前の気付アドレスに向けてパケットが転送されてしまうのを回避することができる。
登録要求転送手段34Cは、移動端末50から送られた位置登録要求を受信し一時的に保持する位置登録要求保持機能と、当該位置登録要求に対して通信帯域記憶テーブル331に基づくベアラ情報を付加するベアラ情報付加機能と、ベアラ情報を付加された位置登録要求を後述するパケット転送手段35Cを介してホームエージェント20に向けて送信する位置登録要求転送機能とを備えている。
ここで、図5(B)は、上述の位置登録要求に付加されるベアラ情報の一形式を示している。各フィールド値は、例えば「タイプ」フィールドの値'9'は、後に続くメッセージがベアラ情報であることを示す。又、「長さ」フィールドの値'12'は後に続くメッセージの長さを示し、「ベアラ種別」フィールドには無線通信種別を示す値(例えば、W-CDMA=1,WLAN=2,WiMAX=3,VPN=4とする)を示し、上りおよび下り容量フィールドには算出された移動端末の利用する通信帯域を示す。
又、登録要求転送手段34Cは、更新された通信帯域テーブル331に基づき、ベアラ情報を含む通信帯域登録要求の生成を行う帯域登録要求生成機能と、この通信帯域登録要求を後述するパケット転送手段35Cを介してホームエージェント20に向けて送信する登録要求転送機能を有する。
パケット転送手段35Cは、ホームエージェント20から送り込まれたパケットのIPヘッダ部を取り除く処理(デカプセル化処理)を行うと共に当該デカプセル化されたパケットを移動端末50に転送するデカプセル転送機能と、ホームエージェント20から送られた位置登録応答を移動端末50に転送する登録応答転送機能と、前記登録要求転送手段34から渡される位置登録要求および通信帯域登録要求をホームエージェント20に向けて送出する登録要求送出機能とを備えている。
無線基地局40Cは、図12に示すように、移動端末50に対して無線リンクを提供する無線インターフェイス41Cと、この無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互間無線通信に利用される通信帯域を検知する通信帯域通知手段42Cとを有する。
通信帯域通知手段42Cは、無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互無線通信の通信帯域に生じる変化に応じて実行され、変化後の通信帯域を検知する通信帯域検知機能と、検知された通信帯域を移動先エージェント30Cの通信帯域検知手段33Cに通知する通信帯域通知機能とを備えている。
又、通信帯域検知手段33Cから送り込まれるベアラ要求に対して、移動端末50との間で利用される無線通信のベアラ情報を含むベアラ応答を生成するベアラ応答生成機能と、当該ベアラ応答を通信帯域検知手段33Cに送信するベアラ応答返信機能を備えている。
尚、通信帯域通知手段42Cは、無線インターフェイス41Cと移動端末50との相互無線通信の通信帯域を、常に検知するように、つまり、前記通信帯域検知機能が常時実行されるようにしてもよい。
移動端末50は、前述のように、予め設定されたホーム網12における一意で固有のホームアドレス(固有アドレスに相当)および移動端末の識別IDを有する。
又、移動先で受信される無線通信電波の内、最も強度の高い無線通信電波を判断する無線電波強度判定手段と、当該無線電波の送信元である無線中継装置(本実施形態ではアクセスルータ40B又は無線基地局40C)との間で無線接続呼を確立する無線接続確立手段とを備えている。
更に、移動端末50は、移動先エージェント30Cから送られるエージェント広告に基づき無線接続先がホーム網であるか否かを判断する接続先判断機能と、無線接続先がホーム網12ではないことを判断した場合に、割当てられた気付アドレスを含む位置登録要求を生成し当該位置登録要求をホームエージェント20に送信する位置登録要求送信機能とを有する。
これにより、移動端末50に割当てられた気付アドレスがホームエージェント20に通知されるので、移動端末50は相手端末60からのパケットを受信することが可能となる。
ここで、前述したように移動端末50から送られる位置登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(A)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動端末50から移動先エージェント30B又は30Cを介して送り込まれる位置登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS201)。格納された位置登録要求に基づき気付アドレステーブル231を作成する(ステップS202)。この気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出する(ステップS203)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に、当該IPヘッダをパケット記憶手段22に格納されたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS204)。
カプセリング処理されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に算出されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS205)。
次に、前述したように、移動先エージェント30B又は30Cから送られる通信帯域登録要求を受信した場合のホームエージェント20の動作について、図6(B)に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動先エージェント30B又は30Cから送られる通信帯域登録要求を受信すると共にバインディング記憶手段23に格納する(ステップS211)。格納された通信帯域登録要求に基づき、予め設定された気付アドレステーブル231の値を更新する(ステップS212)。更新された気付アドレステーブル231に基づき帯域制御手段25がパケット伝送レートを算出し更新する(ステップS213)。
パケットルーティング手段24が、気付アドレステーブル231の気付アドレスを宛先とするIPヘッダを生成すると共に当該IPヘッダを、相手端末60から送り込まれたパケットに付加する処理(カプセル化)を行う(ステップS214)。カプセル化されたパケットをパケットルーティング手段24が、気付アドレス宛に送信すると共に更新されたパケット伝送レートに基づきパケットの伝送量を制御する(ステップS215)。
これにより、通知された移動端末50の利用する通信帯域に応じた伝送レートでパケットを送出することができるので、特に通信帯域の限られた無線リンクにおいて発生する通信データのオーバーフローを抑制することができる。これにより、データロスや通信遅延を軽減することができる。
又、移動端末50の利用する無線通信帯域に、ネットワークの通信トラフィックの状態や電波状態に起因する変化が生じた場合でも、当該無線通信帯域の変化に応じた伝送レートでパケット送信を行うことができる。
[第5実施形態の動作説明]
ここで、上記第5の実施形態におけるモバイルIP制御システムの動作について、図18のシーケンスチャートを参照して説明する。
まず、移動端末50は、無線LAN網14のアクセスルータ40Bとの無線接続を確立する(ステップS101)。次いで、移動先エージェント30Bから割当てられる気付アドレス(CoA6)を取得する(ステップS102)と共に、ホームエージェント20に向けて位置登録要求を送出する(S103)。移動先エージェント30Bは、移動端末50から送出された位置登録要求を受信すると共にアクセスルータ40Bにベアラ要求を送信する(ステップS104)。このベアラ要求に対してアクセスルータ40Bがベアラ応答を返信する(ステップS105)。移動先エージェント30Bは、受信したベアラ応答に含まれるベアラ情報を前記受信した位置登録要求に付加すると共に、この位置登録要求をホームエージェント20に転送する(ステップS106)。
位置登録要求を受信したホームエージェント20は移動端末50に向けて位置登録応答を返信する(ステップS107)。これにより、ホームエージェント20と移動端末50とは移動先エージェント30Bを介してパケット通信を行うことが可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、相手端末60から移動端末50宛に送り込まれたパケットを受信する(ステップS108)。ホームエージェント20は前述の図6(A)に示されるように動作して、受信したパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS109)。
転送されたパケットを受信した移動先エージェント30Bは、当該パケット対してデカプセル処理を行い、移動端末50に転送する(ステップS110)。
ここで、携帯端末50が、WiMAX網15の移動先ネットワーク151に移動することにより、無線基地局40Cとの無線接続を確立する(ステップS111)。次いで、移動先エージェント30Cから割当てられる気付アドレス(CoA7)を取得する(ステップS112)と共に、ホームエージェント20に向けて位置登録要求を送出する(S113)。移動先エージェント30Cは、この位置登録要求を受信すると共に無線基地局40Cにベアラ要求を送信する(ステップS114)。このベアラ要求に対して無線基地局40Cがベアラ応答を返信する(ステップS115)。移動先エージェント30Cは、受信したベアラ応答に含まれるベアラ情報を前記受信した位置登録要求に付加すると共に、この位置登録要求をホームエージェント20に転送する(ステップS116)。
この位置登録要求を受信したホームエージェント20は移動端末50に向けて位置登録応答を返信する(ステップS117)。これにより、ホームエージェント20と移動端末50とは移動先エージェント30Cを介してパケット通信を行うことが可能な状態となる。
ここで、ホームエージェント20は、ステップS109と同様前述の図6(A)に示されるように動作し相手端末60から送り込まれたパケットを移動端末50に向けて転送する(ステップS118)。
転送されたパケットを受信した移動先エージェント30Cは、当該パケットをデカプセル処理すると共に移動端末50に転送する(ステップS119)。
以上のように、この第5の実施形態では、移動端末50の接続先を無線LAN網14からWiMAX網15へと無線通信状態を維持して切替えるハンドオーバを行うにあたって、ホームエージェント20から移動端末50に転送されるパケットの伝送速度が、移動端末50の利用する無線通信帯域に応じて制御される。これにより、ハンドオーバに伴い通信帯域に変化が生じても、通信容量不足や通信データのオーバーフローの発生を抑制することができる。
又、第5実施形態においては、移動端末50の接続先としてWiMAX網14と無線LAN網15を設定しているが、図19に示すように、移動端末50が、無線通信帯域の異なる携帯電話網13、無線LAN網14、WiMAX網15、VPN網16のうち任意の各通信網間を移動する場合でも、接続先の通信帯域に対応して有効にパケット伝送量、伝送速度を制御することができるので、本実施形態と同様にスムーズなハンドオーバを行うことができる。
更に、ホームエージェント20から移動端末50に向けて転送されるパケットの伝送速度(転送レート)を一定に保つことができるので、通信の中継処理を行う無線基地局又はアクセスルータに係る負担を軽減できる。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は2007年1月18日に出願された日本出願特願2007−009216を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、PDA等のモバイル機器に音声や映像を配信するサービスに適用可能である。
本発明によるモバイルIP制御システムの第1実施形態におけるネットワーク全体を示す概略構成図である。 図1に開示したモバイルIP制御システムにおけるホームエージェントの具体例を示すブロック図である。 図1に開示したモバイルIP制御システムであってホームエージェント内に格納される移動先テーブルの一例を示す説明図である。 図1に開示したモバイルIP制御システムにおける移動先エージェントおよび無線基地局の構成内容の一例を示すブロック図である。 図1に開示したモバイルIP制御システムであって、 図5(A)は、移動端末の利用する無線通信のベアラ情報が格納される通信帯域記憶テーブルの一例を示す説明図である。 図5(B)は、移動先エージェントからホームエージェントに送られるベアラ情報メッセージの内容の概略を示す説明図である。 図1に開示したモバイルIP制御システムにあって、 図6(A)は、ホームエージェントが位置登録要求を受信した場合の処理ステップを概略的に表示したフローチャート、 図6(B)は、ホームエージェントが通信帯域登録要求を受信した場合の処理ステップを概略的に表示したフローチャートである。 図1に開示したモバイルIP制御システムにおける移動端末と無線基地局と移動先エージェントとホームエージェントと相手端末との各相互間で行われる通信動作のタイミングを示す通信シーケンスチャートである。 本発明によるモバイルIP制御システムの第2実施形態におけるネットワーク全体を示す概略構成図である。 図8に開示したモバイルIP制御システムの第2実施形態における移動先エージェントおよびアクセスルータの構成内容の一例を示すブロック図である。 図8に開示したモバイルIP制御システムの第2実施形態における移動端末とアクセスルータと移動先エージェントとホームエージェントと相手端末との各相互間で行われる通信動作のタイミングを示す通信シーケンスチャートである。 本発明によるモバイルIP制御システムの第3実施形態におけるネットワーク全体を示す概略構成図である。 図11に開示したモバイルIP制御システムの第3実施形態における移動先エージェントおよび無線基地局の構成内容の一例を示すブロック図である。 図11に開示したモバイルIP制御システムの第3実施形態における移動端末と無線基地局と移動先エージェントとホームエージェントと相手端末との各相互間で行われる通信動作のタイミングを示す通信シーケンスチャートである。 本発明によるモバイルIP制御システムの第4実施形態におけるネットワーク全体を示す概略構成図である。 図14に開示したモバイルIP制御システムの第4実施形態における移動先エージェントおよびアクセスルータの構成内容の一例を示すブロック図である。 図14に開示したモバイルIP制御システムの第4実施形態における移動端末とアクセスルータと移動先エージェントとホームエージェントと相手端末との各相互間で行われる通信動作のタイミングを示す通信シーケンスチャートである。 本発明によるモバイルIP制御システムの第5実施形態におけるネットワーク全体を示す概略構成図である。 図17に開示したモバイルIP制御システムの第5実施形態における移動端末と無線基地局とアクセスルータと移動先エージェントとホームエージェントと相手端末との各相互間で行われる通信動作のタイミングを示す通信シーケンスチャートである。 本発明によるモバイルIP制御システムのネットワーク全体を示す概略構成図である。 従来例によるモバイルIPシステムのネットワーク全体を示す概略構成図である。
符号の説明
11 IP網
12,512 ホームネットワーク
13,513 携帯電話網
14,514 無線LAN網
15,515 WiMAX網
16,516 VPN網
20,520 ホームエージェント
21 送受信インターフェイス
22 パケット記憶手段
23 バインディング記憶手段
24 パケットルーティング手段
25 帯域制御手段
30A,30B,30C,30D,530A,530B,530C,530D 移動先エージェント
31A,31B,31C,31D 移動先通信インターフェイス
32A,32B,32C,32D 気付アドレス割当手段
33A,33B,33C,33D 通信帯域検知手段
34A,34B,34C,34D 登録要求格納手段
35A,35B,35C,35D パケット転送手段
40A,40C,540A,540C 無線基地局
40B,40D,40E,540B,540D アクセスルータ
41A,41B,41C,41D 無線インターフェイス
42A,42B,42C,42D 通信帯域通知手段
50 移動端末
60 相手端末
70A VPNゲートウェイ
71A VPN接続確立手段
130 携帯電話基幹網
140 無線LAN基幹網
150 WiMAX基幹網
160 VPN基幹網
131,141,151,161,162 移動先ネットワーク
231 転送先テーブル
331A,331B,331C,331D 通信帯域記憶テーブル
※A,※B,※C,※D 無線通信

Claims (14)

  1. 移動端末に無線接続リンクを提供する1又は複数の無線中継装置と、当該各無線中継装置を介して前記移動端末と通信を行うホームエージェントとを備え、前記移動端末と予め設けられた相手端末とが前記ホームエージェントを介して相互に通信を行うモバイルIP制御システムであって、
    前記ホームエージェントが、前記各無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信に利用される通信帯域に基いて、前記ホームエージェントから前記移動端末に向けて行う通信の伝送レートを制御することを特徴とするモバイルIP制御システム。
  2. 前記請求項1に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記ホームエージェントと前記各無線中継装置との相互通信を中継する移動先エージェントを、前記各無線中継装置に併設し、
    前記移動先エージェントが、前記各無線中継装置と前記移動端末との間で行われる相互間無線通信の通信帯域を検知すると共に当該検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域通知機能を有することを特徴とするモバイルIP制御システム。
  3. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記ホームエージェントは、
    前記移動端末の移動先における移動先アドレスおよび予め前記移動端末に設定された固有アドレスを格納するアドレス係合記憶手段と、前記相手端末から前記固有アドレス宛に送り込まれるパケット情報を前記移動先アドレスに基づいて前記移動端末に転送するパケット転送手段と、当該パケット転送手段が前記パケット情報を転送する際の転送レートを前記通知された通信帯域の値に基づき制御する転送レート制御手段と、を備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  4. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記移動端末は、前記移動先の各無線中継装置に無線接続した場合に割当てられる移動先アドレスを前記ホームエージェントに向けて通知する移動先アドレス通知機能を備え、
    前記各移動先エージェントは、前記通知された移動先アドレスと前記検知された通信帯域とを係合して前記ホームエージェントに向けて転送するアドレス帯域係合転送機能を備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  5. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記各移動先エージェントは、当該移動先エージェントに併設された前記無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信の通信帯域を常時検知する通信帯域検知機能と、
    前記通信帯域の変動を検知した場合、新たに検知された通信帯域の値を前記ホームエージェントに通知する通信帯域更新通知機能とを備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  6. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記移動端末は、無線種別の異なる前記複数の無線中継装置それぞれから受信する電波の強度に基づいて機能し前記複数の無線中継装置のうち受信された電波強度が最も高い無線中継装置との無線接続を確立する無線接続選択手段を備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  7. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記移動端末は、同じ無線通信種別の前記複数の無線中継装置それぞれから受信する電波の強度に基づいて機能し前記複数の無線中継装置のうち受信された電波強度が最も高い無線中継装置との無線接続を確立する無線接続選択手段を備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  8. 前記請求項2に記載のモバイルIP制御システムにおいて、
    前記移動先エージェントは、前記移動端末と無線中継装置との間で行われる無線通信の通信帯域を検知できない場合に、前記移動端末に向けて返信要求を送信すると共に当該返信要求に対する応答までの経過時間に基づき前記移動端末の利用する通信帯域を算出する通信帯域算出手段を備えたことを特徴とするモバイルIP制御システム。
  9. 移動端末と相手端末とが、前記移動端末の移動先アドレスを管理するホームエージェントを介して通信を行うモバイルIP制御方法において、
    前記移動端末が移動先で無線接続を確立すると共に当該移動端末に移動先アドレスが割当てられる無線接続確立工程と、
    確立された無線接続の通信帯域の値を検出する通信帯域検出工程と、
    検出された通信帯域の値と前記移動先アドレスとを前記ホームエージェントに通知する移動先アドレス通知工程と、
    前記ホームエージェントが前記相手端末から受信したパケットを前記通知された移動先アドレスに転送するにあたって、前記通知された通信帯域の値に基きパケット転送の転送レートを制御する転送レート制御工程とを有することを特徴としたモバイルIP制御方法。
  10. 前記請求項9に記載のモバイルIP制御方法において、
    前記確立された無線接続の通信帯域の値に変化が生じた場合に、新たに検出された通信帯域の値を前記ホームエージェントに通知する通信帯域値通知工程を前記転送レート制御工程の前に設けたことを特徴とするモバイルIP制御方法。
  11. 移動端末が当該移動端末の移動先アドレスを管理するホームエージェントを介して相手端末と行う相互間通信を制御するためのモバイルIP制御プログラムにおいて、
    前記移動端末の移動先で行う無線通信の通信帯域と、前記移動先アドレスと、予め前記移動端末に割当てられた一意の固有アドレスとを対応させて記憶するアドレス帯域対応記憶機能、
    前記相手端末から受信したパケットを前記移動端末に転送するにあたって、転送するパケットの転送レートを前記記憶された通信帯域に基づき制御する転送レート制御機能、
    をコンピュータに実行させることを特徴としたモバイルIP制御プログラム。
  12. 移動端末と相手端末との相互間通信を中継するホームエージェントが前記相互間通信における帯域制御を行うためのモバイルIP制御プログラムにおいて、
    前記移動端末に無線リンクを提供する無線中継装置と前記移動端末との間の相互無線通信の通信帯域を検知する通信帯域検知機能、
    前記検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域通知機能、
    をコンピュータに実行させることを特徴としたモバイルIP制御プログラム。
  13. 前記請求項12に記載のモバイルIP制御プログラムにおいて、
    前記無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信における通信帯域が変動した場合に、新たに検知された通信帯域を前記ホームエージェントに通知する通信帯域更新通知機能をコンピュータに実行させることを特徴としたモバイルIP制御プログラム。
  14. 前記請求項12又は13に記載のモバイルIP制御プログラムにおいて、
    前記無線中継装置と前記移動端末との相互無線通信における通信帯域を検出できない場合に、前記移動端末に対して返信要求を送信すると共に当該返信要求に対する応答までの時間に基づき前記通信帯域を検出する通信帯域検出機能、
    をコンピュータに実行させることを特徴としたモバイルIP制御プログラム。
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