JP3748415B2 - 移動通信方法および通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線LANなどを用いた移動通信端末がIPネットワークを介してデータ通信を行なう移動通信方法および通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IPネットワークにおいて異るサブネットワークを移動する移動通信端末に対して、IPによる通信を継続させる方式として、IETFの標準勧告RFC2002で規定されたMobile IPがある。
【0003】
Mobile IPは、移動通信端末がネットワーク上の任意のサブネットに接続している場合でも、通信相手となるホストからは、移動通信端末が本来所属しているネットワーク(ホームネットワーク)に接続しているように見せる方式である。
【0004】
図5を用いて、Mobile IPの動作の一例を説明する。
【0005】
図5において、移動通信端末(Mobile Node:以下、MNと略称する)12は、ネットワーク間を移動する移動通信端末である。また、通信先ノード(Correspondent Node:以下、CNと略称する)13は、MN12の通信相手となるホストである。
【0006】
移動通信端末(MN)12が本来所属しているホームネットワーク15では、HA(Home Agent)11がMN12の通信を管理する。
【0007】
また、MN12が現在一時的に訪問している訪問先ネットワーク(サブネット)16では、外部エージェント(Foreign Agent:以下、FAと略称する)14がMN12の通信を管理する。
【0008】
また、MN12が次に訪問するネットワーク(サブネット)18では、外部エージェント(FA)17がMN12の通信を管理する。
【0009】
IPネットワーク19,20は、これらをつなぐ中継網となるネットワークである。
【0010】
MN12が、訪問先ネットワーク16に接続しているときには、ホームエージェント(Home Agent:以下、HAと略称する)11は、MN12が、現在どのネットワークを訪問しているかを示す位置情報と、その訪問先ネットワーク16を管理するFA14の情報(FA14のIPアドレス、care-of-address)を保持し、MN12宛のIPパケットを受信できるように自らのネットワークインタフェースを設定する。
【0011】
CN13がMN12宛に送信したIPパケットがホームネットワーク15に到着すると、HA11は、そのパケットをMN12の代りに受取り、MN12が現在訪問しているネットワーク宛に転送する。
【0012】
この時、HA11はCN13からのIPパケットを、FA14宛のIPパケットにカプセル化し、配信する(これをHAからFAにトンネルを張ると呼ぶ)。
【0013】
FA14はこのカプセル化されたパケットを受取ると、もとのMN12宛のIPパケットを取出し、MN12に配送する。
【0014】
一方、MN12からCN13宛にIPパケットを送信する場合には、MN12本来のアドレスを用いて直接に送信する。
【0015】
これにより、MN12とCN13は、MN12がネットワークを移動していることを意識せずに通信することが可能になる。
【0016】
また、FA14の機能をMN12自身が備える形態もあり、このとき、MN12は、訪問先ネットワークで使用できるアドレス(care-of-address)を、移動の度に取得して使用する。
【0017】
さらに、MN12が、訪問先ネットワーク16から18へと移動したときには(図5では、この移動を太い矢印で示している)、MN12は、訪問先ネットワーク18を管理するFA17を経由し、自分が移動したことをFA17のアドレス情報と共にHA11まで通知する(図5中の手順▲1▼,▲2▼)。
【0018】
HA11は、CN13からMN12宛のパケットを受信すると、カプセル化してFA17に転送し(図5中の手順▲3▼)、FA17は、転送されてきたパケットをMN12に配送する(図5の手順▲4▼)。
【0019】
このようにして、MN12は訪問先ネットワークを移動しながら、通信を継続することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、Mobile IPでは、移動通信端末(MN)が、ネットワークを移動する度に、その移動情報が移動通信端末(MN)から、外部エージェント(FA)経由でホームエージェント(HA)まで通知され、ホームエージェント(HA)において、しかるべき設定を行なった後に、移動先にパケットが配送されて、MNはパケットを受信できるようになる。
【0021】
つまり、必ず移動を通知するためのメッセージがホームエージェント(HA)まで到達してから、移動設定処理がホームエジェント(HA)で行なわれるという手順が実行される。
【0022】
このとき、移動通信端末(MN)からホームエージェント(HA)に至る論理的な距離、つまりパケット転送のホップ数が大きい場合には遅延が生じ、移動に必要な手順が実行されるために要する時間が増大するという問題があった。
【0023】
さらに、ホームエージェント(HA)ではすべての移動通信端末(MN)の移動の度に、移動先のフォーリンエージェント(FA)の登録更新処理が発生し、よって、ホームエージェント(HA)の処理負荷が増大するという問題もあった。
【0024】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は上述の問題を解決し、無線LANなどを用いた移動通信端末が、高速にサブネット間を移動してハンドオーバすることを実現することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動通信方法では、ホームエージェント(HA)が、移動通信端末(MN)宛のパケットを受信し、そのパケットを移動先に転送するべく、移動先のネットワークの外部エージェント(FA)との間にトンネルを張る際に、IPマルチキャストパケット通信を利用する。
【0026】
IPマルチキャストパケット通信は、マルチキャストアドレスが示すグループ(1つのグループは、複数のホスト(受信者)を収容している)に対する通信である。
【0027】
マルチキャストパケットは、マルチキャスト通信に対応しているルータにより配送され、そのパケットを必要とするホスト(受信者)に届けられる。
【0028】
マルチキャスト通信では、送信側ホストは、複数の受信側ホストを区別せずに送信することができるという利点があり、本発明では、このマルチキャスト技術を、モバイルIPにおけるトンネリングに利用する。
【0029】
すなわち、移動通信端末が移動する範囲を、共通のマルチキャストアドレスが付与された一つのグループ(マルチキャストグループ)でカバーできるのならば、ホームエージェント(HA)は、移動通信端末の訪問先のネットワークにおけるアドレスを意識することなく、マルチキャストアドレス宛にパケットを送付すればよいため、パケット転送(トンネリング)に伴う負担が軽減される。
【0030】
また、移動通信端末がマルチキャストパケットを受信するには、配送経路上のルータ(中継装置)に対して、マルチキャスト受信グループへの参加要求を出すだけでよい。
【0031】
したがって、従来のように、ネットワークを移動する毎に、移動通信端末(MN)が、ホームエージェント(HA)に現在位置に関する情報を通知する必要がなくなる。
【0032】
つまり、本発明では、マルチキャストパケットを受信するための手続き(移動通知の手順)が、ホームエージェント(HA)にまで及ばない。よって、従来のように、訪問先の移動通信端末(MN)とホームエージェント(HA)と間の距離による伝送遅延は、ほとんど問題とならない。
【0033】
さらに、ホームエージェント(HA)では、移動通信端末(MN)がホームネットワークから移動した場合、またはホームネットワークに戻った場合以外は、移動に応じた処理を行なわなくてもよいため、ホームエージェント(HA)の処理負担は、従来に比べて軽減される。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のIPネットワークにおける移動通信方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
図1は本発明の実施の形態に関わる移動通信システムの構成図である。
【0036】
図1において参照符合201は移動通信端末が本来所属するホームネットワークにおける、MobileIPのHomeAgent機能を備えたホスト(HA)、参照符合202、203は移動通信端末が訪れている訪問先ネットワークにおける、MobileIPのForeginAgent機能を備えたホスト(FA)、参照符合204、205はホームネットワークと訪問先ネットワークを中継するルータ、参照符合206は移動通信端末の通信相手となるホスト(CN)、参照符合207は移動通信端末(MN)、参照符合208は移動通信端末の本来所属するホームネットワーク、参照符合209、210は移動通信端末の訪れる訪問先ネットワークを表している。
【0037】
次に、本実施の形態の移動通信方法の基本動作内容について、具体的に説明する。
【0038】
図1に示すように、MN207がホームネットワーク208から訪問先ネットワーク209に移動してきたときは(図1中の矢印▲1▼)、自らの固有のIDとHA201のIPアドレスを登録要求としてFA202に通知し(図1中の矢印▲2▼)、FA202はこの登録要求をHA201に転送する(矢印▲3▼)。
【0039】
HA201ではこの登録要求を受信すると、MN207がホームネットワーク208以外のネットワークにいることを記憶し、MN207宛のパケットを受信できるように自らのインタフェースを設定する。
【0040】
通信相手となるCN13がMN207宛のパケットを送信すると(図1中の矢印▲4▼)、HA201はこれを受信し、MN207用に割当ててあるマルチキャストアドレスを用いてカプセル化して送出する(図1中の矢印▲5▼)。
【0041】
ここで、MN207にマルチキャストアドレスを割り当てる方法としては、静的な割り当て方法と動的な割り当て方法とがある。この点については、後述する。
【0042】
このマルチキャストパケットはDVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)、PIM(Protocol Independent Multicast)といった通常のマルチキャストルーティングプロトコルによる経路制御によって、ルータ205からルータ204、FA202まで配送される(矢印▲5▼)。
【0043】
FA202ではこのマルチキャストパケットを受信し、デカプセル化を行なって、MN207に送信する(矢印▲6▼)。
【0044】
このようにして、MN207はCN206との間でデータ通信を行なうことができる。
【0045】
次に、MN207が訪問先ネットワーク209から210に移動した場合は(図1中の矢印▲7▼)、MN207は、FA203に対して同様に登録要求を通知する(矢印▲8▼)。
【0046】
FA203はMN207に割当てられているマルチキャストアドレスを受信できるように自らのインタフェースを設定し、このマルチキャストアドレスの受信要求を上流ルータであるルータ204に送信する(図1中の矢印▲9▼)。
【0047】
ルータ204では、このマルチキャストアドレスの配送ツリーにFA203に対するパスを追加し、FA203にマルチキャストパケットを配送する(矢印(10):図1において、丸で囲まれて表示される2桁の数字については、表現上の制限のため、
本明細書では、かっこ書きで記載することとする)。
【0048】
FA202では、このマルチキャストパケットを受信すると、でカプセル化を行なって、MN207に送信する(矢印(11))。
【0049】
このようにして、MN207はCN206との間でデータ通信を行なうことができ、さらに手順がHA201まで及ばないため、移動処理時間の短縮とHA201の負荷軽減が可能になる。
【0050】
以上が基本的な動作内容であるが、本実施の形態の移動通信方法では、種々、変形・応用が可能である。以下、具体的に説明する。
【0051】
まず、移動通信端末MN207にマルチキャストアドレスを割り当てる方法の例について説明する。
【0052】
MN207に対するマルチキャストアドレスの割当て方法としては、静的な割当てと動的な割当ての方法のいずれかを選択することができる。
【0053】
静的に割当てる方法では、HA201が自らの管理するMN207にマルチキャストアドレスにあらかじめ割当てておき、この対応関係を保持し続ける。
【0054】
MN207からの登録要求受信時には、HA201はこの対応から使用すべきマルチキャストアドレスを選択し、このマルチキャストアドレスを使用してMN207宛のパケットを転送する。あるいは、あらかじめ割当てられたマルチキャストアドレスをMN207が保持し、MN207は登録要求の通知時にHA201にそのマルチキャストアドレスを通知し、HA201はそのマルチキャストアドレスを使用してMN207宛のパケットを転送する。
【0055】
マルチキャストアドレスを動的に割当てる方法の場合、HA201がMN207からの登録要求を通知された際に、HA201がこの時にどのMNにも割当てていないマルチキャストアドレスを選択してMN207に割当て、この対応関係をMN207がホームネットワーク208に戻ってくるまで一時的に保持する。以降のMN207宛のパケットの転送にはこのマルチキャストアドレスを使用する。
【0056】
また、この方法では、MN207がホームネットワークに戻ってきた際には、MN207がHA201に登録取消し要求を通知し、HA201ではMN207とこのマルチキャストアドレスの対応関係を破棄し、そのマルチキャストアドレスを解放する。
【0057】
以上が、移動通信端末MN207のマルチキャストアドレスを決定する方法の例でについての説明である。
【0058】
次に、移動通信端末(MN)207に割り当てられたマルチキャストアドレスを、訪問先のネットワークにおけるフォーリンエージェント202,203に知らせる方法の具体例について説明する。
【0059】
MN207に割当てられたマルチキャストアドレスをFA202,203に通知するための方法としては、MN207自身が通知する方法と、FA202,203間で情報を交換する方法と、FA202,203に、あらかじめMN207のマルチキャストアドレスを保持させる方法がある。
【0060】
まず、MN207自身がマルチキャストアドレスを通知する方法では、MN207が、訪問先ネットワークのフォーリンエージェント(FA)202,203に登録要求を通知する際に、併せてMN207に割当てられたマルチキャストアドレスを通知する。これによりFA202あるいはFA203は、そのマルチキャストアドレスの受信要求を上位ルータ204に送信し、そのマルチキャストパケットを受信するようになる。
【0061】
次に、FA間で情報を交換する方法では、移動前のネットワークにおけるFA202が、MN207の移動先ネットワークを事前に検知する手段を持っている。例えば、無線LANによって構成される訪問先ネットワーク209、210のセルの境界付近では、MN207は移動先となる訪問先ネットワーク210の情報を、実際の移動が発生する以前に得ることができる。
【0062】
MN207はこの情報をFA202に通知する。このようにしてFA202は、MN207の移動先を検知することができる。そして、FA202は、移動先のネットワークのフォーリンエージェント(FA)203に対してMN207に割当てられているマルチキャストアドレスを通知する。
【0063】
訪問先のネットワークにおけるFAに、あらかじめマルチキャストアドレスを保持させる方法では、FAは全てのMNにあらかじめ割当てられたマルチキャストアドレスとその対応関係を保持し続ける。
【0064】
MN207は訪問先ネットワーク209または210に移動した際には、登録要求をFA202あるいは203に通知する。FA202あるいは203では、登録要求に含まれるNM207固有のIDから、NM207に割当てられているマルチキャストアドレスを検索し、そのマルチキャストアドレスを得る。
【0065】
以上、本発明の移動通信方法における基本形式、変形・応用形式について具体的に動作を説明した。
【0066】
以上説明した動作のうち、MN207が訪問先ネットワークに移動した際の基本的な動作をまとめると、図2のようになる。
【0067】
すなわち、移動通信端末(MN)は、ホームネットワークから訪問先ネットワークに移動した際には、自身の固有のIDとHomeAgent(HA)のIPアドレスをForeignAgent(FA)に登録要求として通知する(ステップ301)。
【0068】
なお、MN用のマルチキャストアドレスをあらかじめ静的に割当て、これをMNが保持する方法をとる場合には、この時に、併せてMN用に割当てられているマルチキャストアドレスも通知する。
【0069】
次に、FAは登録要求をHAに転送する(ステップ302)。なお、登録要求にMNに割当てられたマルチキャストアドレスが含まれる場合には、このマルチキャストアドレスを受信できるようにインタフェースを設定する。
【0070】
次に、HAはこのMN宛のパケットを受信できるようにインタフェースを設定する(ステップ303)。
【0071】
なお、MN用のマルチキャストアドレスをあらかじめ静的に割当て、これをHAが保持する方法をとる場合には、この時さらにHAは、使用すべきマルチキャストアドレス選択し、これをMNに通知する。
【0072】
また、MN用のマルチキャストアドレスを動的に割当てる方法をとる場合には、この時にさらにHAは、他のMNに割当てられていないマルチキャストアドレスを選択してMNとの対応関係を一時的に保持し、MNにこのマルチキャストアドレスを通知する。
【0073】
次に、通信相手となるホスト(CN)からのパケットをHAが受信すると、HAはMN用のマルチキャストアドレスを用いてカプセル化し、送信する(ステップ304)。
【0074】
次に、HAとFA間の通信を中継するルータは、マルチキャストルーティングプロトコルを使用した経路制御によって、HAからFAまでマルチキャストパケットを配送する(ステップ305)。
【0075】
FAはHAからのマルチキャストパケットを受信すると、デカプセル化を行なってMNに転送し、MNとCNは通信を行なうことができる(ステップ306)。
【0076】
次に、MNが訪問先ネットワーク間を移動した場合(図1の訪問先ネットワーク209からさらに、訪問先ネットワーク210にMN207が移動した場合)の動作をまとめると、図3のようになる。
【0077】
まず、図2のステップ301と同様に、MN207は訪問先ネットワークのFA(203)に登録要求を通知する(ステップ401)。なお、MN用のマルチキャストアドレスをMNからFAに通知する方法をとる場合には、このときに、併せてMN用に割当ててあるマルチキャストアドレスも通知する。
【0078】
次に、FA(203)は、MN用のマルチキャストパケットを受信できるようにインタフェースを設定し、このマルチキャストアドレスの受信要求を上流のルータ(204)に送信する(ステップ402)。なお、MN用のマルチキャストアドレスをあらかじめFAに保持させる方法をとる場合には、この時にFAが対応するマルチキャストアドレスを選択する。
【0079】
次に、上流のルータ(204)はこのFA(203)に対して所望のマルチキャストパケットの配送を開始する(ステップ403)。
【0080】
次に、FA(203)はマルチキャストパケットを受信すると、デカプセル化を行なってMN(207)に転送する。このようにして、MNとCNは通信を行なうことができる(ステップ404)。
【0081】
以上が、MNが訪問先ネット間を移動した際の基本動作のまとめである。
【0082】
次に、訪問先ネットワーク間を移動する際にMN用のマルチキャストアドレスをFA同士で通知する方法をとった場合の応用例の動作の主要な手順を、図4を用いて説明する。
【0083】
まず、MNが移動の発生と移動先ネットワークのFAを検知する(ステップ501)。
【0084】
次に、MNが移動前ネットワークのFAに、移動先ネットワークのFAの識別情報を通知する(ステップ502)。
【0085】
次に、移動前ネットワークのFAは、移動先ネットワークのFAに、MN用のマルチキャストアドレスを通知する(ステップ503)。
【0086】
次に、移動先ネットワークのFAはMN用のマルチキャストアドレスを受信できるようにインタフェースを設定し、このマルチキャストアドレスの受信要求を上流のルータに送信する(ステップ504)。以降は、基本の動作と同様である。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、移動通信端末(MN)のサブネットワーク間の移動が発生した場合に、その移動の通知がホームエージェント(HA)にまで及ぶことがなく、移動が発生した近隣で終了させることができるため、移動に伴う処理の遅延を低減させることができる。
【0088】
さらにホームエージェント(HA)はMNの移動を詳細に管理しなくても良いため、ホームエージェント(HA)の負荷を低減させることができる。
【0089】
したがって本発明によれば、移動通信端末(MN)は高速にハンドオーバをおこなってサブネット間を移動していくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動通信方法の手順および移動通信システムの構成を説明するための図
【図2】本発明の移動通信方法においてホームネットワークから訪問先ネットワークへ移動する際の基本的な処理手順を示すフロー図
【図3】本発明の移動通信方法において訪問先ネットワーク間を移動する際の基本的な処理手順を示すフロー図
【図4】 MN用のマルチキャストアドレスをFA同士で通知する場合における処理手順を示すフロー図
【図5】従来の、モバイルIPを用いた移動通信方法の動作を説明するための図
【符号の説明】
201 ホームエージェント(HA)
207 移動通信端末(MN)
206 通信相手ホスト(CN)
202,203 フォーリンエージェント(FA)
208 ホームネットワーク
209,210 訪問先ネットワーク
19,20 IPネットワーク
204,205 ルータ

Claims (13)

  1. IP通信機能を備えた移動通信端末の移動通信方法であって、
    前記移動通信端末のホームネットワークに存在するホームエージェント機能を備えたホストが前記移動通信端末に対してあらかじめマルチキャストアドレスを静的に割り当てるステップと、
    マルチキャストアドレスを割り当てた前記ホームエージェント機能を備えたホストが、前記移動通信端末とマルチキャストアドレスとの対応関係を保持するかあるいは前記移動通信端末が保持しているマルチキャストアドレスを前記移動通信端末から受け取るステップと、
    前記移動通信端末が訪問先のネットワークに存在する場合には、前記ホームエージェント機能を備えたホストが、前記移動通信端末宛のパケットを代理で受信し、このパケットを前記移動通信端末に割り当てたマルチキャストアドレスを用いてカプセル化して転送するステップと、
    前記移動通信端末の訪問先ネットワークのフォーリンエージェント機能を備えたホストが前記カプセル化されたパケットを受信してデカプセル化を行ない、前記移動通信端末にさらに転送するステップと、
    具備することを特徴とする移動通信方法。
  2. IP通信機能を備えた移動通信端末の移動通信方法であって、
    前記移動通信端末がホームネットワークから訪問先ネットワークに初めて移動した際には、前記移動通信端末が、前記ホームネットワークに存在するホームエージェント機能を備えたホストに対して登録要求を送信するステップと、
    前記ホームエージェント機能を備えたホストは、前記登録要求に応じて前記移動通信端末毎にマルチキャストアドレスを動的に割当て、前記移動通信端末と前記マルチキャストアドレスとの対応関係を保持するステップ、
    前記移動通信端末が訪問先のネットワークに存在する場合には、前記ホームエージェント機能を備えたホストが、前記移動通信端末宛のパケットを代理で受信し、このパケットを前記移動通信端末に割り当てたマルチキャストアドレスを用いてカプセル化して転送するステップと、
    を具備することを特徴とする移動通信方法。
  3. 前記移動通信端末が前記ホームネットワークに戻ってきた際には、前記移動通信端末は、前記ホームエージェント機能を備えるホストに対して登録取消し要求を送信し、前記ホームエージェント機能を備えたホストは、前記登録取消し要求に応じて、前記移動通信端末に割当ててあったマルチキャストアドレスを解放することを特徴とする請求項2記載の移動通信方法。
  4. 記移動通信端末が、ホームネットワークから訪問先ネットワークへ、あるいはある訪問先ネットワークから別の訪問先ネットワークへ移動した際に、前記移動通信端末が、訪問先ネットワークの前記フォーリンエージェント機能を備えたホストに対して、自らに割当てられているマルチキャストアドレスを通知し、
    前記フォーリンエージェント機能を備えたホストは、前記マルチキャストアドレス宛のパケットを受信するための設定を行ない、前記パケットを受信した際にはデカプセル化を行って、前記移動通信端末に転送することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の移動通信方法。
  5. 記移動通信端末が別のネットワークに移動した場合に、移動前ネットワークの前記フォーリンエージェント機能を備えたホストが、移動後のネットワークの前記フォーリンエージェント機能を備えたホストに対して前記移動通信端末の使用していたマルチキャストアドレスを通知し、移動後のネットワークの前記フォーリンエージェント機能を備えたホストは、前記マルチキャストアドレス宛のパケットを受信するための設定を行ない、前記マルチキャストアドレス宛のパケットを受信した際にはデカプセル化を行なって、前記移動通信端末に転送することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の移動通信方法。
  6. 記フォーリンエージェント機能を備えたホストが、前記移動通信端末に割当てられたマルチキャストアドレスをあらかじめ保持しており、前記移動通信端末がネットワーク間を移動する際には、移動後の前記フォーリンエージェント機能を備えたホストが、前記移動通信端末に割当てられた前記マルチキャストアドレスを選択し、そのマルチキャストアドレス宛のパケットを受信するための設定を行ない、マルチキャストアドレス宛のパケットを受信した際には、デカプセル化を行なって、前記移動通信端末に転送することを特徴とする請求項1記載の移動通信方法。
  7. 請求項1または請求項2記載の移動通信方法において使用される、前記ホームエージェント機能およびマルチキャストアドレスを用いてパケットをカプセル化し転送する機能をもつ前記ホストとして機能することが可能な通信装置。
  8. 請求項1または請求項2記載の移動通信方法において使用される前記フォーリンエージェント機能、マルチキャストパケットの受信機能、受信設定機能、デカプセル化機能および転送機能を備える前記ホストとして機能することが可能な通信装置。
  9. 請求項5記載の移動通信方法において使用される、前記フォーリンエージェント機能および前記移動通信端末の情報を相互に通知する機能を備える前記ホストとして機能することが可能な通信装置。
  10. 請求項4記載の移動通信方法において使用される、自らに割当てられたマルチキャストアドレスを、前記フォーリンエージェント機能を備えた前記ホストに通知する機能を備えることを特徴とする移動通信端末。
  11. コンピュータを搭載した機器を、請求項7から請求項9のいずれかに記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
  12. 請求項11記載のプログラムが記録されているコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
  13. 請求項7から請求項9のいずれかに記載の通信装置およびIPネットワークからなる移動通信システム。
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