JP4066867B2 - 移動ノード、パケット中継装置、パケット転送方法 - Google Patents

移動ノード、パケット中継装置、パケット転送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパケット通信技術に関し、特に移動ノードのマルチキャストパケット通信技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴い、現在ではインターネットプロトコル(IP)を用いたパケット通信が広く普及している。
【0003】
また、IPを用いた移動通信を可能とするモバイルIPがIETF(The Internet Engineering Task Force)で検討されており、モバイルIPを用いた移動通信も可能になりつつある(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
モバイルIPは、ホームエージェント(HA:Home Agent)に移動ノード(MN:Mobile Node)が基本的に所属するサブネットワークであるホームネットワークにおけるアドレスであるホームアドレス(HoA:Home Address)と、MNの現在の移動先サブネットワークにおけるアドレスである気付アドレス(CoA:Care of Address)とを対応付けて登録しておくことによって、MNが移動しても通信を継続可能とする技術である。
【0005】
図31はモバイルIPを用いた通信方法を説明する図である。
【0006】
図31において、最初は、MN301はアクセスルータ(AR:Access Router)(1)201の属するサブネットワークに接続しているものとする。
MNは、AR(1)201の属するサブネットワークに移動したときに、気付アドレスCoA(1)を得て、これを位置登録(BU;BindingUpdate)メッセージを用いてHA110に登録し(S901)、HA110はこの移動ノードのホームアドレス(HoA(1))と、気付アドレス(CoA(1))との対応情報を含むバインディングキャッシュ(BindingCache)111としてこれを保持する。(S902)
一方、MN301の通信相手である相手ノード(CN:Correspondent Node)401は、MN301のホームアドレス(HoA(1))を宛先としたパケットを送信する。
【0007】
HA110はHoA(1)を宛先としたパケットを捕捉し(S903)、バインディングキャッシュ111を参照した結果として得られるCoA(1)を宛先としてこのパケットをカプセル化して送信する。(S904)
このカプセル化パケットは、現在MN301が使用しているCoA(1)宛となっているため、MN301は現在の移動先においてこのパケットを受信可能となる。
【0008】
MN301はこのパケットを受信すると、カプセルを解いて、HoA(1)宛のオリジナルパケットを取り出すことでCN401との通信が可能である。
【0009】
次に図31の点線で示すように、MN301がAR(2)202の属するサブネットワークに移動したとする。
【0010】
AR(2)202に移動した直後に、MN301は移動先サブネットワークで使用する気付アドレスCoA(2)を取得し、BUメッセージを用いてHA110に登録する。(S911)
HA110ではこの通知を受け、バインディングキャッシュとしてHoA(1)に対応するCoAとして登録してあったCoA(1)をCoA(2)に書き換える。(S912)
これ以降、CN401がMN301のHoA(1)宛に送信したパケットは(S913)、HA110によってCoA(2)を宛先としてカプセル化転送され(S914)、MN301はCN401との通信を継続することが可能となる。
【0011】
そして、前記CN401がモバイルIPに対応している場合には、前記のHA110を経由し、カプセル化してCN401からのパケットを転送する方法の他、MN301がCN401からのパケットがHA110経由である(カプセル化転送である)場合、CN401に対してBUメッセージを送信し、CN401から直接(HAを経由せずに)気付アドレス宛に転送させる方法がある(以上の移動ノードのパケット通信方法については例えば非特許文献1参照)。
【0012】
一方、パケット通信におけるマルチキャスト技術もIETFで検討が進められており、ホストとルータ間の通信プロトコルとしてIGMP(Internet Group Management Protocol)やMLD(Multicast Listener Discovery)が、またルータ間のマルチキャストルーチングプロトコルとしてPIM(Protocol Independent Multicast)等の検討が進められている。
【0013】
図32はマルチキャスト通信におけるパケット転送を説明する図である。
【0014】
図32において、センダ(sender)501はマルチキャストグループGのマルチキャストパケットの送信元、レシーバ(receiver)(a)701、レシーバ(b)702は前記マルチキャストパケットの受信先である。MR(1)601〜MR(5)605はIGMP及びPIM等のマルチキャスト転送に用いるプロトコルを実装したマルチキャストプロトコルに対応したマルチキャストルータである。
【0015】
マルチキャストルーチングプロトコルによって、センダ501からレシーバ(a)701およびレシーバ(b)702に至る、マルチキャストグループGに対応した転送ツリーが作成されている。
【0016】
すなわち、センダ501がマルチキャストグループアドレスMCA(G)宛にマルチキャストパケットを送信すると(S921)、MR(1)601、MR(2)602、MR(3)603、レシーバ(a)701のルート、およびMR(1)601、MR(2)602、MR(4)604、レシーバ(b)702のルートで転送される。(S922)
このとき、MR(2)602は、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを、MR(3)603向け及びMR(4)604向けにコピーして送信する。そしてMR(2)602は、MR(5)605向けにはコピー送信を行わない。これは、MR(5)605の属するサブネットワークにマルチキャストグループGのレシーバがおらず、MR(2)602からMR(5)605には転送ツリーの枝が生成されていないためである。
【0017】
レシーバが新たにマルチキャストグループに参加し、対応するマルチキャストパケットを受信したい場合には、レシーバが属するサブネットワークのMRに参加メッセージ(JOINメッセージ、あるいはmulticast listener reportまたはmembership reportとも言う)を送信する。
【0018】
そして、参加中のマルチキャストグループから離脱する場合には、Leaveメッセージを送信する。
【0019】
参加メッセージには、参加を希望するマルチキャストグループアドレスが含まれており、これによってマルチキャスト転送に必要な転送ツリーが構築され、Leaveメッセージにより、該当するマルチキャストグループに参加しているノードがなくなると、転送ツリーを切断する。
【0020】
図32において、MR(5)605の配下のレシーバ(c)703が、マルチキャストグループGへの参加メッセージをMR(5)605に送信した場合、MR(5)605はマルチキャストグループGに参加している他のレシーバが存在しておらず、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信していない状態である、すなわち転送ツリーの枝が自身まで伸びていないことから、上位に位置するMR(2)602に対して参加メッセージを送信する。
【0021】
このメッセージを受信したMR(2)602は、自身まではマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が伸びていることから、MR(3)603、MR(4)604に加えてMR(5)605に対しても転送ツリーの枝を伸ばすように、すなわち、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信したときにMR(5)605に対してもコピー送信するように内部情報を書き換える。
【0022】
これにより、MR(5)605配下のレシーバはMCA(G)宛のマルチキャストパケットの受信が可能となる。
【0023】
【非特許文献1】
David B. Johnson (Rice University), Charles E. Perkins (Nokia Research Center), Jari Arkko (Ericsson)、“Mobility Support in IPv6 (draft-ietf-mobileip-ipv6-21.txt)”、[online]、2003年2月26日、IETF Mobile IP Working Group、[平成15年3月26日検索]、インターネット< URL:http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-mobileip-ipv6-21.txt>
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
パケットネットワークにおける移動ノード、例えばモバイルIP対応のネットワークにおける移動ノードが普及するにつれて、移動ノードがマルチキャスト通信を行うことが考えられる。
【0025】
移動ノードがマルチキャスト通信を行うためには、例えばモバイルIP技術を利用しなくともマルチキャスト通信を行うこと自体は可能であるが、端末が移動しながら通信することを考えると、以下の課題がある。
【0026】
マルチキャスト通信では、ホストが参加したいマルチキャストグループ、例えばGへの参加メッセージを代表ルータ(DR:Designated Router)に送信する。DRは、その属するセグメントでのマルチキャスト動作を管理するルータであり、図32においてレシーバ(a)701に対応するDRはMR(3)603である。
【0027】
DRの属するリンク内に、既に同一のマルチキャストグループGに参加しているレシーバがあるならば、マルチキャストルーチングプロトコルによってそのマルチキャストグループG宛のマルチキャストパケットを受信するための転送ツリーの枝は既に作成されている。
【0028】
もし、他にマルチキャストグループGに参加しているレシーバが存在していない場合には、DRはマルチキャストルーチングプロトコルを動作させて、マルチキャストグループG宛のマルチキャストパケットを受信するための転送ツリーの枝を新たに作成し、DRまで転送ツリーの枝をのばした後で初めてマルチキャストグループG宛のマルチキャストパケットの受信が可能となる。
【0029】
そして、新たにこの転送ツリーの枝が作成されるまでに必要となる時間は、センダからレシーバまでのルータ数などの環境条件によるが、通常、数百ミリ秒から数秒以上となる。
【0030】
ここで、前記レシーバが、その属するサブネットワークが固定されている固定ノードである場合は、この時間は通信開始までに要する時間であり、その後のマルチキャストパケットの受信は継続して行なわれるので大きな問題とはならない。
【0031】
これに対して、前記レシーバが、その属するサブネットワークが変化する移動ノードである場合は、移動(ハンドオーバ)を行った時点で、ハンドオーバ先のDRに転送ツリーの枝が伸びていなければ、この枝を作成するまでに、前述のように数秒以上の時間を要する可能性があり、その間、マルチキャストグループ宛のマルチキャストパケットは移動ノードで受信できず、データの欠落や、それに伴う再送を招くこととなり、品質が低下するという問題がある。
【0032】
図33は、モバイルIPにおいてマルチキャスト通信を行う通信方法を説明する図である。
【0033】
図33において、MN301は移動ノードであると同時にマルチキャストグループGに参加しているレシーバで、AR(1)201の属するサブネットワークから、AR(2)202の属するサブネットワーク、AR(3)203の属するサブネットワークへと移動するものとする。
【0034】
AR(1)201はマルチキャストルータであり、マルチキャストグループGに対応した転送ツリーの枝が既に作成されており、マルチキャストパケットの受信が可能であるとする。
【0035】
AR(2)202はマルチキャストルータであるが、この時点ではマルチキャストグループGに参加するレシーバがそのサブネットワーク内に存在せず、マルチキャストグループGに対応した転送ツリーの枝は作成されていないものとする。
【0036】
この状態で、MN301がAR(2)202の所属するサブネットワークに移動すると、MN301はまずマルチキャストグループGへの参加メッセージをAR(2)202に送り(S931)、AR(2)202は、自身まで転送ツリーの枝を伸ばすために更に参加メッセージを上流に位置するマルチキャストルータMR(2)602に送信する。(S932)
その後、転送ツリーの枝がAR(2)202まで作成されて初めてマルチキャストグループG宛のマルチキャストパケットがMN301で受信可能となる。(S933)
従って、MN301は移動した時点で一旦マルチキャストパケットの受信が不可能となり、パケット転送品質が低下する。
【0037】
また、マルチキャスト通信の仕組みは、そのサブネットワーク内にマルチキャストルータが存在していることが前提となっている。従って、MN301が移動した先のサブネットワーク内にマルチキャストルータが存在しなければ、マルチキャスト通信を継続する事が出来ないという問題がある。
【0038】
図33においてAR(3)203は、マルチキャストに対応していないルータであるとする。
【0039】
MN301がAR(2)202から更にAR(3)203に移動したとすると、移動後にMN301はマルチキャストグループGへの参加メッセージをAR(3)203に送信する(S934)が、AR(3)203はこのメッセージを処理することができず、AR(3)203への転送ツリーの枝は作成されない。
【0040】
この場合は、マルチキャストパケットの受信は移動した時点で不可能となってしまう。
【0041】
本発明はこのような課題に鑑みて創案されたもので、移動ノードがサブネットワーク間を移動するときに発生するマルチキャストパケットの喪失を低減し、データ転送品質を向上することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成をとる。
【0043】
本発明のパケット中継装置は、移動ノードが少なくともサブネットワーク間を移動するまでに送信するマルチキャストグループへの参加指示を受信すると、前記マルチキャストグループへの参加要求を送信する参加要求手段と、前記移動ノードが前記サブネットワーク間を移動したときに送信する、前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを含む位置登録情報を受信すると、その後受信される前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記気付アドレス宛に転送するパケット転送手段とを有する構成とする。
【0044】
前記パケット転送手段は、移動ノードが送信する転送停止指示を受信すると、前記マルチキャストパケットの転送を停止する構成としても良い。
【0045】
また、前記パケット転送手段は、前記移動ノードが送信する前記所定の期間を示す期間指定情報を受信すると、前記期間指定情報に基いて前記マルチキャストパケットの転送期間を決定する構成としても良い。
【0046】
そして、本発明の移動ノードは、マルチキャストパケットの配信機能を有する中継装置にマルチキャストグループへの参加要求を送信し、前記中継装置が受信し配信する前記マルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットを受信する移動ノードであって、少なくともサブネットワーク間を移動する前に、自身の気付アドレスを含む位置登録情報の送信先である位置登録先中継装置に対して、マルチキャストグループへの参加指示を送信する参加指示手段と、該マルチキャストグループに参加しているときにサブネットワーク間を移動すると、前記位置登録先中継装置がその後受信する該マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記移動ノードの移動後の気付アドレスに転送させる転送要求を前記位置登録先中継装置に送信する転送要求手段とを有する構成とする。
【0047】
また、本発明の移動ノードは、新たにマルチキャストグループに参加するときに、自身の属するサブネットワーク内の中継装置に前記マルチキャストグループへの参加要求を送信するとともに、前記参加指示手段が前記位置登録先中継装置に対して、前記マルチキャストグループへの参加指示を送信する構成としても良い。
【0048】
さらに、本発明の移動ノードは、マルチキャストグループへの参加要求を送信後、該参加要求に基いた前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを受信すると、前記位置登録先中継装置によるマルチキャストパケットの転送停止指示を前記位置登録先中継装置に送信する転送停止指示手段を有する構成としても良い。
【0049】
さらに、本発明の移動ノードは、移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持つときには、前記所定の期間として一定の期間を示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信し、移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持たないときには、前記所定の期間として継続して転送させることを示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信する期間指定手段を有する構成としても良い。
【0050】
そして、本発明のパケット転送方法は、マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先のサブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードに対応するホームエージェントに通知し、前記ホームエージェントは、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先の気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送する方法とする。
【0051】
また、本発明のパケット転送方法は、マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードが移動元サブネットワークにおいて接続されていた中継装置に通知し、前記中継装置は、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、前記移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送する方法とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
図1は本発明の第1の実施例を説明する図で、インターネットプロトコル(IP)が適用されているIPネットワークである。
図1において、移動ノードMN301は、マルチキャストパケットの配信機能を有する中継装置にマルチキャストグループへの参加要求(以下参加メッセージという)を送信し、前記中継装置が受信し配信する前記マルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットを受信する移動ノードである。
【0053】
そして、MN301は、少なくともサブネットワーク間を移動する前に、自身の気付アドレスを含む位置登録情報(以下BUメッセージという)の送信先の位置登録先中継装置であるホームエージェントHA110に対して、マルチキャストグループたとえばGへの参加指示を送信する参加指示手段としてのパケット処理部330を有する。
【0054】
さらに、このパケット処理部330は、MN301がマルチキャストグループGに参加しているときにサブネットワーク間を移動すると、HA110がその後受信するマルチキャストグループGに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、MN301の移動後の気付アドレスCoA(2)に転送させる転送要求をHA110に送信する転送要求手段としても機能する。
【0055】
ここで、パケット処理部330が前記参加指示手段および前記転送要求手段の両方を兼ねるものとしたが、これらの手段はそれぞれ別の部位として構成されていても良い。
【0056】
そして、HA110は、MN301が少なくともサブネットワーク間を移動するまでに送信するマルチキャストグループへの参加指示を受信すると、マルチキャストグループGに対する参加メッセージを送信する参加要求手段としてのパケット処理部130を有する。
【0057】
そして、MN301がサブネットワーク間を移動したときに送信する、MN301の移動先サブネットワーク30における気付アドレスCoA(2)を含むBUメッセージを受信すると、パケット処理部130は、その後受信される前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記気付アドレス宛に転送するパケット転送手段としても機能する。
【0058】
ここで、パケット処理部130が参加要求手段およびパケット転送手段の両方を兼ねるものとしたが、これらの手段はそれぞれ別の部位として構成されていても良い。
【0059】
そして、MN301は基本とするサブネットワークにおける自身のアドレスであるホームアドレスHoAを持ち、HA110は、MN301のHoAのサブネットプレフィクス(subnet prefix)が定義されているホームリンクに属している。
【0060】
まず、MN301はサブネットワーク20に属しており、AR(1)201に接続されているものとする。
【0061】
このサブネットワーク20に属しているときに、MN301がマルチキャストグループGに新たに参加するとき、MN301は参加メッセージをAR(1)201に送信する。
【0062】
すると、センダ501が送信するマルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットは、パケットネットワーク10、AR(1)201を経由してMN301が受信できるようになる。すなわち、センダ501からMN301までマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が作成してある状態となる。
【0063】
一方で、たとえば前記参加メッセージを送信するときを契機として、MN301はパケット処理部330によりHA110に対してマルチキャストグループGへの参加指示を送信する。
【0064】
この参加指示を受信したHA110は、パケット処理部130によりマルチキャストグループGに対する参加メッセージを送信するので、センダ501が送信するマルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットを受信できる状態となる。すなわち、センダ501からHA110までマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が作成してある状態となる。
【0065】
この状態でMN301がサブネットワーク20からサブネットワーク30に移動すると、MN301はサブネットワーク30の識別情報を含むAR(2)202が配信するルータ広告を受信し、サブネットワーク間の移動を認識する。
【0066】
そして、MN301は移動先サブネットワーク30のマルチキャストプロトコル対応のルータであるAR(2)202に対してマルチキャストグループGへの参加メッセージを送信する。
【0067】
この時点でAR(2)202にマルチキャストグループGに参加しているレシーバが存在していない場合、AR(2)202にはマルチキャストグループGに対応した転送ツリーの枝が到達しておらず、AR(2)202は転送ツリーの枝を到達させるために上位ルータに参加メッセージを送信するが、転送ツリーの枝が到達するまでの期間、マルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットはAR(2)202には到達しない。
【0068】
したがってMN301は、AR(2)202が前記マルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットを受信、中継して、MN301が受信可能となるまでの期間、この経路(以下、直接転送経路という。)では前記のマルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットを受信できない。
【0069】
一方で、サブネットワーク30に移動したことを認識したMN301は、パケット処理部330により、HA110がその後受信するマルチキャストグループGに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、MN301の移動後の気付アドレスCoA(2)に転送させる転送要求としてのBUメッセージをHA110に送信する。
【0070】
このBUメッセージを受信したHA110は、パケット処理部130により、その後受信される前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、CoA(2)宛にたとえばカプセル化することにより転送する。
【0071】
そして、MN301はこのカプセル化パケットを受信し、カプセルを解くことによって、マルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットを獲得できる。
【0072】
すなわち、この経路(以下、カプセル化転送経路という。)で、前記所定の期間(以下カプセル化転送時間という)、参加しているマルチキャストグループGのマルチキャストパケットを獲得できる。
【0073】
以上説明したように、MNが移動し、新しい直接転送経路の作成が必要となる場合、参加中のマルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットをこの経路では受信できない期間においても、カプセル化転送経路を介して、所定の期間、このマルチキャストパケットを受信することができるので、MN301がサブネットワーク間を移動するときに発生するパケットの喪失を低減し、データ転送品質を向上することができる。
【0074】
そして、HA110は、前記カプセル化転送時間経過後は転送を行わず、MN301の他にマルチキャストグループGに参加しているレシーバが存在しない場合は、転送ツリーの枝を切断してマルチキャストグループGに対応するマルチキャストパケットが転送されて来ないように、マルチキャストグループGからの離脱メッセージ(Leaveメッセージ)を送信し、HA110が不要なパケットを受信しないようにしても良い。
【0075】
なお、前記パケット処理部130がカプセル化転送時間の間処理を行う方法として、ハードウェアタイマまたはソフトウェアタイマを設け、移動先アドレスの通知パケットを受信した時点で前記タイマをカプセル化転送時間の間起動するようにし、マルチキャストグループGのマルチキャストアドレスMCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信したときにこのタイマを参照して、タイマ稼動中であればカプセル化して転送する方法がある。
【0076】
または、移動先アドレスの通知パケットを受信した時刻を記憶し、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信したときの時刻との差がカプセル化転送時間内であればカプセル化して転送する方法などさまざまな方法が適用できる。
【0077】
そして、カプセル化転送時間は、一律に、またはMN毎に、またはマルチキャストグループ毎に、または移動先サブネットワーク毎などにHA110に保持させておく方法がある。
【0078】
または、MN301が転送期間を示す期間指定情報を例えばBUメッセージに含ませて送信し、これをカプセル化転送時間としても良い。
【0079】
前記したカプセル化転送時間をMN301のBUメッセージに含ませる方法など、MN301がカプセル化転送時間を指定する方法によれば、たとえばMN301がマルチキャストグループ毎に、または/かつ移動先サブネットワーク毎に、以前に移動したときの直接転送経路によるマルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットの受信まで要した時間を記憶しておき、これをカプセル化転送時間としてHA110に通知することもできる。
【0080】
図2はこの場合に移動ノードMN301が備えるパケット到達時間テーブルの例を示す図である。
【0081】
例えば、以前MN301がマルチキャストグループGに参加中にサブネットワーク(m)に移動したときに、移動直後から直接転送経路によりマルチキャストグループGのマルチキャストパケットを受信するまでにかかった時間を記憶する。
【0082】
図2の例では、マルチキャストグループ欄にこのマルチキャストグループの識別子であるGを、移動先サブネットワーク欄にその識別子であるSN(m)を、直接転送パケット到達時間欄に例えば到達時間の2秒を記憶する。
【0083】
ここで、移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能をもたないとき、すなわちたとえば図1におけるAR(2)202がマルチキャストプロトコル対応のルータでない場合には、MN301は直接転送パケット到達時間欄にHA110からマルチキャストパケットを継続して転送させることを示す情報として、たとえば99を記憶しておく。
【0084】
なお、MNが移動先サブネットワークにマルチキャストルータがないことは、アクセスルータからのルータ広告内容で知る方法や、前記マルチキャストグループへの参加メッセージに対する応答がないことで知る方法がある。
【0085】
このようにMN301がパケット到達時間テーブルを用意した状態で、たとえばマルチキャストグループGに参加中にサブネットワーク(m)に移動したときには、MN301はこのテーブルを参照して、直接転送パケット到達時間欄に記憶してある時間(2秒)をHA110に送信する。
【0086】
HA110がこの時間をカプセル化転送時間として使用するか、あるいはこの時間にマージン時間を加えてカプセル化転送時間として使用すれば、転送ツリーの構成が異なるマルチキャストグループ毎、移動先サブネットワーク毎に適切なカプセル化転送時間を設定でき、不要なカプセル化転送を抑え、すなわちネットワーク資源の浪費を抑えて、パケットのロスを低減でき、効率的にデータ転送品質の向上が図れる。
【0087】
直接転送パケット到達時間として、前記特定のデータ(例えば99)をHA110が受信した場合、すなわち、MN301がマルチキャストルータのないサブネットワークに移動したことを示す通知をHA110が受けた場合、HA110はMCA(G)宛のマルチキャストパケットを継続的にカプセル化してCoA(2)宛に転送する。
【0088】
このCoA(2)宛の継続的なカプセル化転送は、MN301のマルチキャストグループGからのLeaveメッセージをHAが受信したとき、または、MN301から新たなBUメッセージをHA110が受信したときに終了するようにもできる。
【0089】
このようにして、MN301の移動先サブネットワークにマルチキャストプロトコル対応のルータがない場合においても、MN301がマルチキャストグループから離脱するまで、または他のサブネットワークに移動するまで、MN301はカプセル化転送経路により参加しているマルチキャストグループのマルチキャストパケットを受信でき、不要なカプセル化転送を抑え、すなわちネットワーク資源の浪費を抑えて、パケットのロスを低減でき、効率的にデータ転送品質の向上が図れる。
【0090】
また、MN301のパケット処理部330に、HA110によるマルチキャストパケットのカプセル化転送を停止する転送停止指示をHA110に送信する転送停止指示手段としての機能を持たせる構成としても良い。
【0091】
この場合、MN301がマルチキャストグループへの参加要求をAR(2)202に送信後、該参加要求に基いた前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを受信したときに、MN301は前記転送停止指示をHA110に送信するように構成する。
【0092】
たとえば、MN301がカプセル化転送時間を送信する場合において、その値を特定の値、たとえば0として送信する。
【0093】
そして、これを受信したHA110はMCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信したときに、CoA(2)宛にカプセル化転送していた処理を停止する。
【0094】
これにより、MN301には冗長なパケットが送信されず、冗長なパケット送信によるネットワーク資源の浪費を防ぐ効果がある。
【0095】
なお、MN301がパケット到達時間テーブルを参照するときに、該当するマルチキャストグループ、移動先のいずれかがない場合は、デフォルト値として、例えば10秒をパケット到達時間としてHA110に送信するようにもできる。
【0096】
また、上記実施例では、MN301が一つのマルチキャストグループに参加し、センダ501が一つであるものとして説明したが、MN301が複数のマルチキャストグループに参加している場合、またはセンダが複数である場合であっても同様の構成で同様の効果を奏することは明らかである。
【0097】
さらに、上記実施例では、MN301と接続されるアクセスルータがマルチキャストルータを兼ねる場合として説明したが、アクセスルータとマルチキャストルータが別々にあっても良い。
【0098】
また、図1において各ノード間、たとえばMN301とAR(1)201間や、ノードとネットワーク間の接続関係を直線で示しているが、この接続はたとえば有線接続、または無線接続等を問わず、接続関係にあることを示す。このことは以下に説明する図においても同様である。
【0099】
さらに、図1においてパケットネットワーク10には多数のルータが含まれる場合があるが、そうした場合でも本発明の適用が可能であることは明らかである。
【0100】
(第2実施例)
図3は本発明の第2の実施例を説明する図(1)であり、移動ノードであるMN301がマルチキャストプロトコル対応のアクセスルータAR(1)201の属するサブネットワークで通信を開始した時点を示す。
【0101】
図3において、移動ノードであるMN301は、AR(1)201の属するサブネットワーク配下で通信を開始したときに、AR(1)201が送信するルータ広告メッセージを受信する。(S101)
MN301はルータ広告メッセージに含まれる情報から、AR(1)201がマルチキャストプロトコル対応ルータであり、このサブネットワークの代表ルータであることを認識する。
【0102】
またMN301は、AR(1)のルータ広告メッセージに含まれるサブネットプレフィクスの値を認識し、この移動先サブネットワークにおける気付アドレスCoA(1)の生成を行う。
【0103】
次にMN301は、ホームエージェントHA110に、現在の移動先でのアドレスである気付アドレスCoA(1)の通知、すなわち位置登録を行う。
【0104】
MobileIP v6を例にとると、位置登録のためにBU(BindingUpdate)というメッセージが用意されている。BUメッセージに含まれる基本的な情報は移動ノードが基本的に属するホームネットワークにおける基本アドレスであるホームアドレスHoAと気付アドレスCoA(1)との対応を示す情報であるが、本実施例では、これに加えて、現在の移動先のサブネットワーク内に、マルチキャストパケットを受信および配信する機能を有するルータ、すなわちマルチキャストプロトコル対応のルータが存在するか否かを示す識別子としてのマルチキャスト対応フラグと、MN301が受信する特定のアドレスとして、マルチキャストグループアドレスMCA(G)と、このアドレス宛のマルチキャストパケットの受信を行うか、受信を終了するかを示す識別子としてのLeaveフラグとをBUメッセージに含めてHA110に送信する。(S102)
ここで、マルチキャスト対応フラグの値として、たとえばサブネットワークがマルチキャストプロトコル対応の場合は”1”、そうでない場合は”0”と定義し、Leaveフラグの値として、通知したマルチキャストグループアドレスにMNが新規に参加する場合または参加中である場合は、”0”、参加を終了する場合は”1”と定義する。
【0105】
なお、MN301が参加するマルチキャストグループは複数でもよく、その場合には、複数のマルチキャストグループアドレスと、そのそれぞれに対応するLeaveフラグとを含めたBUメッセージを送信する方法や、マルチキャストグループアドレス毎に前記の情報を含むBUメッセージを複数回送信する方法等が適用できる。
【0106】
HA110は、このBUメッセージを受信すると、各移動ノードの情報の保持手段としてのバインディングキャッシュ(BindingCache)に、MN301のホームアドレスHoA(1)と気付アドレスCoA(1)とを対応付けて登録する。
【0107】
また、本実施例では、前記に加えて、HA110はバインディングキャッシュにMN301の移動先サブネットワークのマルチキャスト対応フラグ、マルチキャストグループのアドレスMCA(G)、これに対応するLeaveフラグも同様に格納しておく。
【0108】
図4はこのときのバインディングキャッシュの保持内容の例を示す図である。
【0109】
この例において、MN301に対応するHoA(1)の行において、マルチキャスト対応フラグの値は”1”であるから、移動先サブネットワークはマルチキャストプロトコル対応である。
【0110】
MCA(G)に対応するLeaveフラグが”0”であるから、MNはマルチキャストグループGに参加することを示している。
【0111】
そして図4において、マルチキャストライフタイムは、MN301のサブネットワーク間の移動を検出したとき、すなわち、ハンドオーバが発生したときにMN301に対してCoA(1)を宛先としたカプセル化転送を行う期間を示し、たとえばハンドオーバが発生した時点から1秒ごとに減算される値である。
【0112】
この値が0になるまでの間は、HA110は受信した該当するMCA(G)宛のマルチキャストパケットをCoA宛にたとえばカプセル化して転送することとなる。
【0113】
なお、マルチキャストライフタイムの初期値は、HA110が自身で設定しても良いし、MNがBUメッセージに含めて通知しても良い。図4の例ではHoA(1)のMCA(G)に対するマルチキャストライフタイムとして10(秒)が設定されている。
【0114】
なお、図4において、LifetimeはMobileIPv6において、CoAの有効期間を示すものであり、バインディングキャッシュに登録される基本的な情報である。
【0115】
また、HA110はどのマルチキャストグループにどの移動ノードが参加しているかを示すマルチキャストテーブルを備えており、これを更新する。
【0116】
図5はマルチキャストテーブルの例を示す図である。
【0117】
図5において、HA110はMN301からのBUメッセージに含まれる情報であるマルチキャストグループアドレスとこれに対応するLeaveフラグが参加を示す0であることから、マルチキャストグループアドレスMCA(G)に対応してHoA(1)を格納する。これにより、HAはどのMNがどのマルチキャストグループのマルチキャストパケットの受信を希望しているかを認識できる。
【0118】
例えば図5においてアドレスMCA(B)であるマルチキャストグループBにはHoA(m)、HoA(k)に対応する移動ノードが参加していることが分かる。
【0119】
Leaveフラグがマルチキャストグループへの参加終了を示しているBUメッセージをHA110が受信すると、マルチキャストテーブルの更新を行う。すなわち、該当するマルチキャストグループを検索し、BUメッセージを送信したMNのHoAを削除し、該当するマルチキャストグループに参加しているMNの情報の整合性を維持する。
【0120】
前述のマルチキャストテーブルに新しいエントリを作成するときには、まだHA110にマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が伸びていないため、HA110はMCA(G)に対応する参加メッセージをHA110の代表ルータであるMR(2)602に送信し(S103)、HA110にマルチキャストパケットが到達するように転送ツリーの枝の作成を要求する。
【0121】
なお、例えばすでにマルチキャストグループエントリが作成済であって、同じエントリにHoAを追加する場合のように、HA110にマルチキャストグループGに対応するの転送ツリーの枝が既に伸びている場合は前述の参加メッセージの送信は不要である。
【0122】
この状態でHA110がセンダ501から送信されるMCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信すると、HA110はマルチキャストテーブルを参照して受信を希望するMNのHoA、図5の例ではMCA(G)に対応するHoA(1)を得る。
【0123】
そして、HA110はHoA(1)に該当するバインディングキャッシュを参照し、MN301のCoA(1)を得て、HA110に到着したMCA(G)宛のマルチキャストパケットをCoA(1)宛にマルチキャストライフタイムの値が”0”となるまでカプセル化転送する。(S104)
MN301はこのCoA(1)宛にカプセル化されたマルチキャストパケットをマルチキャストライフタイムの期間受信し、カプセルを解いて、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを得ることができる。
【0124】
一方でMN301は、HA110へBUメッセージを送信するとともに、マルチキャストグループへの参加メッセージを代表ルータDRに送信して転送ツリーの枝の作成を要求する。
【0125】
図3の例では、MN301は、代表ルータを兼ねるアクセスルータAR(1)201に対してマルチキャストグループGに対する参加メッセージを送信する。(S105)
この参加メッセージを受けたAR(1)201は自身にマルチキャストグループGに対する転送ツリーの枝が伸びていない場合、上位の代表ルータであるMR(2)に対して参加メッセージを送信し、マルチキャストグループGの転送ツリーの枝を自身まで伸ばすように要求する。(S106)
以上の動作によりMN301は、AR(1)201のサブネットワークに属した状態で通信を開始すると、HA110からカプセル化転送経路でMCA(G)宛のマルチキャストパケットをマルチキャストライフタイムに設定された初期値の期間だけ受信する。
【0126】
このため、たとえばAR(1)201にマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が伸びておらず、転送ツリーの枝が作成されるまでに長時間を要し、MN301が直接転送経路で受信を開始するまで数秒を要する場合でも、カプセル化転送経路により受信ができ、MN301がAR(1)201の属するサブネットワークで通信を開始してから参加するマルチキャストパケットを受信するまでの時間を短縮可能である。
【0127】
図6は本発明の第2の実施例を説明する図(2)であり、移動ノードであるMN301がマルチキャストグループ(G)のマルチキャストパケットを受信中にマルチキャストプロトコル対応のアクセスルータAR(2)202の属するサブネットワークに移動した時点を示す。
【0128】
図3で説明したとおり、HA110にはこの時点でマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が伸びており、MCA(G)宛のマルチキャストパケットが受信されている。(S201)
図6において、MN301がAR(2)202の属するサブネットワークに移動すると、MN301はAR(1)201の属するサブネットワーク配下で通信を開始したときと同様に、AR(2)202が送信するルータ広告メッセージを受信する。(S202)
MN301はルータ広告メッセージに含まれる情報から、AR(2)202がマルチキャストプロトコル対応ルータであり、このサブネットワークの代表ルータであることを認識し、また、気付アドレスCoA(2)を同様に作成して、マルチキャスト対応フラグ、マルチキャストグループアドレスMCA(G)およびLeaveフラグとともにBUメッセージとしてHA110に送信する。(S203)
このBUメッセージを受信したHA110では、MN301、すなわちHoA(1)に対応するバインディングキャッシュの内容を書き換えるとともに、マルチキャストライフタイムの値を再び10秒にセットする。
【0129】
図4の例では、HA110はHoA(1)のCoAの値をCoA(1)からCoA(2)に書き換え、マルチキャストライフタイムの初期値として10秒を設定する。
【0130】
これにより、HA110はMCA(G)宛のマルチキャストパケットを、MN301からのBUメッセージを受信した時点から10秒間、MCA(G)宛のマルチキャストパケットをMN301の気付アドレスCoA(2)宛にカプセル化転送し(S204)、ハンドオーバ時に一端途切れる直接転送経路によるマルチキャストグループ宛パケットのロスを低減でき、データ転送品質を向上できる。
【0131】
また、移動先サブネットワークにマルチキャストプロトコル対応のルータがない場合、たとえばAR(2)202がマルチキャストプロトコルに対応していない場合、MN301はマルチキャスト対応フラグを”0”としてBUメッセージをHA110に送信する。
【0132】
これを受信したHA110は、設定されているマルチキャストライフタイムの値によらず、受信したMCA(G)宛のマルチキャストパケットをCoA(2)を宛先としてカプセル化転送する。
【0133】
このように、マルチキャストプロトコル対応のルータがなく、直接転送経路によるMCA(G)宛のマルチキャストパケットの受信ができない場合でも、MN301はカプセル化転送経路を介してこのパケットを受信でき、データ転送品質を向上できる。
【0134】
なお、MN301が送信するBUメッセージは、移動前のAR宛、図6の例ではAR(1)201宛に送信して、移動前のARから、現在のCoA宛にカプセル化転送する方法も実現可能である。
【0135】
また、上記の説明では、マルチキャストライフタイムを使用するものとして説明したが、MN301が自身のマルチキャストパケットの受信状態をHA110に通知して、それに応じてHA110がカプセル化転送をするか、転送しないかを決める方法も同様に実現可能である。
【0136】
これは、例えば直接転送経路でのマルチキャストパケットの受信状態をMNが監視し、不良であると判断した場合にはHAに対してカプセル化転送経路によるパケットの転送を要求する場合などに有効で、パケットロスを低減し、データ転送品質の向上が図れる。
【0137】
さらに、本実施例ではMN301がAR(1)201およびAR(2)202がマルチキャストプロトコル対応のルータであるか否かを判定する方法として各ARが送信するルータ広告メッセージにこの情報を含めることとしたが、これは一例であり、別の方法として、移動先サブネットワークでMNがマルチキャストグループへの参加メッセージを送信し、その応答を待ち、一定時間応答がない場合にはマルチキャストプロトコル対応でないと判定する方法もある。
【0138】
この場合、移動後にARがマルチキャストプロトコル対応のルータか否かをMNが判断するのに一定の時間を要するので、本発明の手法がより有効となる。
【0139】
図7は本発明の第2の実施例を説明する図(3)である。
【0140】
図7において、移動先のマルチキャストルータAR(2)202には既にマルチキャストグループGに対応した転送ツリーの枝が作成されており、AR(2)202はMCA(G)宛のマルチキャストパケットをAR(2)202で受信しているものとする。(S301)
この場合、MN301がAR(2)202に対して参加メッセージを送信すると即座にマルチキャストパケットの受信が可能となる。
【0141】
通常MNは移動先のARに接続するまでは、参加しているマルチキャストグループに対応する転送ツリーの枝がARまで伸びているか否かを知ることができない。一方で、本実施例では前述したとおり、HAに対して位置登録であるBUメッセージを送信し、その中にマルチキャスト転送のためのパラメータを含めて転送し、カプセル化転送を要求する。(S302)
MN301の移動先のマルチキャストプロトコル対応ルータであるAR(2)202に既にマルチキャストグループGに対応する転送ツリーの枝が伸びていれば、MN301はAR(2)202に対して参加メッセージを送信することで(S303)、即座に直接転送経路によるマルチキャストパケットの受信が可能となる。
【0142】
カプセル化されていないマルチキャストパケットを受信したMN301にとっては、その時点でHA110からカプセル化転送されたマルチキャストパケットは不要な冗長パケットとなる。
【0143】
MN301が受信したマルチキャストパケットを処理するマルチキャストアプリケーションでは、このような冗長パケットを受け取っても、不要なパケットを廃棄することができるために影響は少ないが、ネットワーク資源の浪費を防止するために不要なHA110からのカプセル化転送を停止することは有効である。
【0144】
本実施例においてHA110からのカプセル化転送を停止する方法を以下に説明する。
【0145】
MN301は、カプセル化転送が不要になった時点でマルチキャストライフタイムを0として、HA110に対して再度位置登録すなわちBUメッセージの送信を行う。HA110ではこのBUメッセージの受信により、自身のバインディングキャッシュに含まれるマルチキャストライフタイムが”0”となるため、以降、MCA(G)宛のマルチキャストパケットのカプセル化転送を停止することができ、ネットワーク資源の浪費を防ぐことができる。
【0146】
また、MNの移動先のマルチキャストルータに、MNの参加しているマルチキャストグループに対応する転送ツリーの枝が伸びているか否かを知る他の方法として以下がある。
【0147】
すなわち、ARが送信するルータ広告メッセージの中に、現在ARが扱っているマルチキャストグループの情報を含める方法である。この場合には、MN301が移動した直後に、MN301がそれまで受信中であったマルチキャストグループの転送ツリーの枝が、移動先であるAR(2)202まで既に作成されているか否かをMN301が判断できるため、移動直後にHA110に送信するBUメッセージに、最初からマルチキャストライフタイムの初期値を”0”として送信し、HA110によるマルチキャストパケットのカプセル化転送を停止することが可能である。
【0148】
図8は本発明の第2の実施例を説明する図(4)で、MNがマルチキャストグループの参加を終了し、該当するマルチキャストパケットの受信を停止する場合の動作を説明した図である。
【0149】
MNが直接転送経路によるマルチキャストパケットの受信を停止する場合は、AR(2)202に対してLeaveメッセージを送信する。(S401)
Leaveメッセージを受信したAR(2)202は、該当するマルチキャストグループの他のレシーバがない場合、該当するマルチキャストパケットの送信を停止する。
【0150】
そして、カプセル化転送経路によるマルチキャストパケットの受信を停止する場合は、停止するマルチキャストグループアドレスと、その値を参加終了を示す”0”としたLeaveフラグと、その値を”1”としたマルチキャストライフタイムとを含むBUメッセージをHA110に対して送信する。(S402)
このBUメッセージを受信したHA110は、MN301に対応するバインディングキャッシュを更新し、さらに、Leaveフラグの値が”1”であることから、マルチキャストテーブルも更新する。
【0151】
バインディングキャッシュについては、該当するマルチキャストグループアドレスを削除し、Leaveフラグの値を例えばNullとし、また、マルチキャストライフタイムの値を例えばNullとする。
【0152】
マルチキャストテーブルについては、該当するマルチキャストグループアドレスを検索して、送信元であるHoA(1)を削除する。
【0153】
この状態でHA110がMCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信した場合、マルチキャストテーブルにはHoA(1)が登録されていないことから、MN301に対してこのマルチキャストパケットをカプセル化転送することはない。
【0154】
なお、図3、6、7、8において、センダ501とAR(1)201、AR(2)202間、またセンダ501とHA110間に多数のルータが存在する場合においても、本発明が適用でき、上記の効果がえられることは明らかである。
【0155】
(第3実施例)
つぎに、本発明の第3の実施例について説明する。
【0156】
図9は、ホームエージェント(HA)の構成例を示す図である。
【0157】
図9において、HA110は入力パケット種別判定部121、ルーティングメッセージ処理部122、モバイルIPメッセージ処理部123、マルチキャストメッセージ処理部124、マルチキャストパケット転送処理部131、カプセル処理部132、送信処理部133、ルーティングテーブル140、バインディングキャッシュ111、マルチキャストテーブル112とから構成される。
【0158】
入力パケット種別判定部121は、外部からの入力パケットのヘッダ情報を解析し、最適な処理部へパケットを振り分ける。
【0159】
入力パケットがRIPなどのルーティングプロトコルメッセージである場合には、そのパケットはルーティングメッセージ処理部122へ振り分けられ、ルーティングメッセージ処理の結果がルーティングテーブル140に反映される。
【0160】
入力パケットがモバイルIPメッセージであれば、そのパケットはモバイルIPメッセージ処理部123に振り分けられ、その処理結果がバインディングキャッシュ111やマルチキャストテーブル112に反映される。
【0161】
入力パケットがマルチキャストプロトコルメッセージであれば、そのパケットはマルチキャストメッセージ処理部124へ振り分けられ、その結果がマルチキャストテーブルに112に反映される。
【0162】
入力パケットが、通常のMN宛パケットであれば、宛先はHoAとなっている。この場合には、そのパケットはカプセル処理部132へ振り分けられ、該当するHoAに対応したバインディングキャッシュ111を参照した結果得られるCoAを用いてカプセル化が行われ、送信処理部133によって出力先インタフェースが決定されて外部に出力される。
【0163】
入力パケットが、マルチキャストグループ宛のマルチキャストパケットであれば、そのパケットはマルチキャストパケット転送処理部131に振り分ける。マルチキャストパケット転送処理部131では、到着パケットの宛先IPアドレスを検索キーとしてマルチキャストテーブル112を検索し、このマルチキャストグループアドレスに対応するHoAが登録されているか否かを検索する。
【0164】
ここで得られたHoAに対応するバインディングキャッシュ111を検索し、検索結果として得られたCoAを宛先としてカプセル処理をカプセル処理部132で行い、カプセル化パケットを出力する。
【0165】
マルチキャストテーブルに複数のHoAが登録されている場合には、それぞれのHoA毎に前記マルチキャストパケットをコピーして、それぞれのHoAに対応するCoAを宛先としてそれぞれカプセル処理をカプセル処理部132で行い、カプセル化パケットを出力する。
図10は、移動ノード(MN)の構成例を示す図である。
図10において、MN301は入力パケット種別判定部321、ルーティングメッセージ処理部322、マルチキャストメッセージ処理部323、モバイルIPメッセージ処理部324、デカプセル処理部325、カプセル処理部331、送信処理部333、ルーティングテーブル340、マルチキャストアプリケーション350、その他のアプリケーション351とから構成されている。
【0166】
入力パケット種別判定部321は、外部からの入力パケットのヘッダ情報を解析し、最適な処理部へパケットを振り分ける。
【0167】
入力パケットがRIPなどのルーティングプロトコルメッセージであれば、そのパケットはルーティングメッセージ処理部322に振り分けられ、ルーティングメッセージ処理部322の処理結果がルーティングテーブル340に反映される。
【0168】
入力パケットがマルチキャストプロトコルメッセージであれば、そのパケットはマルチキャストメッセージ処理部323に振り分けられる。マルチキャストメッセージ処理部323では、マルチキャストアプリケーション350からの指示によって移動先のARに対して参加メッセージを発行する。また、参加メッセージは、MNが移動を行った直後にも発行する。
【0169】
入力パケットがマルチキャストグループ宛のパケットであれば、そのパケットはマルチキャストアプリケーション350に振り分けられる。
【0170】
入力パケットがモバイルIPメッセージであれば、そのパケットはモバイルIPメッセージ処理部324に振り分けられる。このメッセージ処理結果は、デカプセル処理部325、及び、カプセル処理部331へ反映される。
【0171】
カプセル処理部331は、HA宛にカプセル化を行う(リバーストンネルと呼ばれる)必要がある場合に使用するブロックである。またデカプセル処理部325は、CoA宛にカプセル化転送されてきたパケットのカプセルを解く(デカプセルする)ブロックである。
【0172】
入力パケットがCoA宛のデータパケットであれば、このパケットはまずデカプセル処理部325に振り分けられ、カプセルを解かれて元のパケット(以下インナパケットという。)が取り出される。
【0173】
そして、図10に示すように、そのインナパケットの宛先アドレスに応じて入力パケット種別判定部に入力され、再度振り分けが行われる。
【0174】
このインナパケットの宛先がマルチキャストグループアドレスであれば、マルチキャストアプリケーション350へと振り分けられる。また、インナパケットの宛先がHoAであれば、他アプリケーション351へと振り分けられる。
【0175】
他アプリケーション351が、リバーストンネルを使ってパケット送信する場合には、カプセル化転送を行うために、カプセル処理部331を経由してパケットを送信する。
【0176】
図11は、図9に示したホームエージェントHA110の構成例におけるマルチキャストパケット転送処理部131のフローチャート、図12は、カプセル処理部132のフローチャート、図13は、モバイルIPメッセージ処理部123のフローチャート(1)、図14はモバイルIPメッセージ処理部123のフローチャート(2)である。
【0177】
また、図15は、HA110のマルチキャストテーブルの構成例を示す図である。
【0178】
ここで、図15において、マルチキャストテーブルは、マルチキャストグループアドレス毎に、受信するMNのアドレス数と、それらのHoAとを格納している。
【0179】
また、図16は、HAのバインディングキャッシュの構成例を示す図であり、さらに、図17は、BUメッセージの構成例を示している。
【0180】
この例は、MobileIPv6で用いられるモビリティヘッダに、拡張オプション領域としてマルチキャストオプションを追加し、マルチキャスト対応フラグMFとLeaveフラグLF、マルチキャストライフタイムおよびマルチキャストグループアドレスをHA110に通知する例である。
【0181】
なお、本実施例ではマルチキャストライフタイムをMN301が通知する例であるが、マルチキャストライフタイムの値をHA110が固定値として設定するようにしても良い。
【0182】
図11、図12に示したように、マルチキャストグループ宛のパケットがHA110に到着すると(S1101)、図15に例示したマルチキャストテーブル112を抽出して(S1102)検索し、このマルチキャストグループアドレスへの受信を希望するMNの数と、該当するHoAを得る。(S1103)
ここで、MNの数だけ処理を繰り返すために変数Iを用意し、初期化し(S1104)、カプセル処理部での処理に移行する。(S1105、図12のS1201)
この結果を用いて、図12に示したように、それぞれのHoA毎に図16に例示したバインディングキャッシュを検索する。(S1202)
その結果、移動先のARがマルチキャストプロトコル非対応である場合(S1203の判定結果がYesの場合)、及び、マルチキャストプロトコル対応であっても、初期値が登録された時点から減算されるマルチキャストライフタイムがまだ有効期間内である場合(S1204の判定結果がNoの場合)には、CoAを宛先としたカプセル化転送を行う。(S1205)
そうでない場合には、カプセル化転送を行わない。そしてこの処理をマルチキャストテーブル112の検索結果得られたすべてのHoAについて(S1206)実施し(S1207)、処理を終了する。(S1208)
このようにすることで、移動直後の一定期間のみ、すなわち、マルチキャストライフタイムの値が0になるまでの期間、マルチキャストパケットをMNにカプセル化転送することが可能となる。また、移動先がマルチキャストプロトコルに対応していない場合にもカプセル化転送を行うことが可能となる。
【0183】
図13に示したように、HA110は、BUメッセージを受信した(S1301)ときには、BUメッセージにマルチキャストオプションが含まれているか否かによって動作が異なる。
【0184】
マルチキャストオプションが無い場合(S1302の判定結果がNoの場合)は、通常のユニキャストパケットに対するモバイルIPの手順(S1304)でBUメッセージを処理する。
【0185】
マルチキャストオプションが含まれている場合(S1302の判定結果がYesの場合)には、その内容にしたがってバインディングキャッシュ111を設定する。(S1303)
そしてLeaveフラグを参照し、マルチキャストグループへの参加終了を示す値、たとえば1である場合(S1305の判定結果がYesの場合)は、マルチキャストに関する情報を削除するように動作する。
【0186】
すなわち、マルチキャストテーブル112を検索し(S1306)、該当のエントリについて、マルチキャスト通信を終了するHoAを削除する。(S1309)
このとき、削除によってそのマルチキャストグループに登録したHoAの個数が0となり、このマルチキャストグループのエントリに他の登録データがなくなった場合(S1310の判定結果がNoの場合)には、このテーブルエントリを削除(1311)し、HA110まで伸びている、該当するマルチキャストグループに対応する転送ツリーの枝を削除するために、Leaveメッセージの発行をマルチキャストメッセージ処理部124に指示する。(S1312)
なお、マルチキャストテーブルを検索した結果、該当するマルチキャストグループアドレスがない場合(S1307の判定結果がNoの場合)、または、該当するHoAがない場合(S1308の判定結果がNoの場合)には処理を終了する。(S1313)
BUメッセージに含まれるLeaveフラグがマルチキャストグループへの参加終了を示す値でない、たとえば0である場合(S1305の判定結果がNoの場合)は、マルチキャストテーブルに該当エントリを追加する。
【0187】
この場合、まずBUメッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスを検索キーとしてマルチキャストテーブル112を検索する。(図14のS1401)
既にマルチキャストグループアドレスが他のMNの処理によって登録されている場合(S1402の判定結果がYesの場合)で、今回のHoAが登録さていない場合(S1403の判定結果がNoの場合)には、そのエントリ内に今回のHoAを新しく追加登録し(S1404)処理を終了し(S1407)、今回のHoAが既に登録されている場合(S1403の判定結果がYesの場合)には、そのまま処理を終了する。(S1407)
もし、マルチキャストグループアドレスがまだ登録されていなければ(S1402の判定結果がNoの場合)、エントリ自体を追加し、HoAを登録し(S1405)、HA110にこのマルチキャストグループに対応する転送ツリーの枝を作成するために、マルチキャストメッセージ処理部124に参加メッセージを発行するように指示する。(S1406)
図18は、図10に示したMNの構成例におけるモバイルIPメッセージ処理部324の移動時のフローチャートである。
【0188】
図18に示すように、MN301はルータ広告を受信し(S1801)、自身が移動したか否かを判断する。具体的には、ルータ広告に含まれるルータのサブネットプレフィクスに変化があれば移動したものと判断し(S1802の判定結果がYesの場合)、そうでなければ移動していないと判断する。(S1802の判定結果がNoの場合)
移動していないと判断した場合には処理を終了する。(S1811)
移動したと判断した場合には、まず、前述のサブネットプレフィクスからCoAを作成する。(S1803)
そして、HAに対して送信するBUメッセージを作成するが、自身がマルチキャスト通信中である場合(S1804、S1809の判定結果がYesの場合)は、マルチキャストオプション情報として、マルチキャスト対応フラグ、マルチキャストグループアドレス、これに対応したマルチキャストライフタイム(例えば10秒)、Leaveフラグ(参加を意味する例えば0)を準備する。(S1806)
つぎに、移動ノードとしての基本情報であるHoA、CoA、Lifetime等とともにBUメッセージを作成し(S1807)、HA110に対して送信する。(S1808)
さらに、ARに対して参加メッセージを発行するよう、マルチキャストメッセージ処理部に指示し(S1810)、処理を終了する。(S1811)
なお、自身がマルチキャスト通信中でない場合(S1804、S1809の判定結果がNoの場合)は、移動ノードとしての基本情報であるHoA、CoA、Lifetime等によりBUメッセージを作成し(S1805)、HA110に対して送信し(S1808)、処理を終了する。(S1811)
図19は図10に示したMNの構成例におけるモバイルIPメッセージ処理部324の通信終了時のフローチャートである。
【0189】
図19に示すように、マルチキャスト通信終了時(S1901)には、マルチキャスト通信中か否かを確認し、マルチキャスト通信中でない場合(S1902の判定結果がNoである場合)、処理を終了する。(S1907)
マルチキャスト通信中である場合(S1902の判定結果がYesである場合)、マルチキャストオプション情報として、Leaveフラグを参加終了を意味する例えば1として、マルチキャスト対応フラグ、マルチキャストグループアドレス、マルチキャストライフタイム、とともに準備する。(S1903)
つぎに、移動ノードとしての基本情報であるHoA、CoA、Lifetime等とともにBUメッセージを作成し(S1904)、HA110に対して送信する。(S1905)
さらに、ARに対してLeaveメッセージを発行するよう、マルチキャストメッセージ処理部に指示し(S1906)、処理を終了する。(S1907)
図20は、図10に示したMNの構成例におけるモバイルIPメッセージ処理部324の冗長となるカプセル化転送を停止するフローチャートである。
【0190】
たとえばカプセル化転送経路でマルチキャストパケットを受信中に直接転送経路によるマルチキャストパケットの転送が開始されると、カプセル化転送経路のよるものは冗長となる。この場合にMNがカプセル化転送経路でのパケット転送を停止する手順を示したのが図20である。
【0191】
図20において、カプセル化転送停止を要求する(S2001)場合には、マルチキャストライフタイムを0としたマルチキャストオプション情報を準備し(S2002)、BUメッセージを生成し(S2003)、HA110に対して送信し(S2004)、処理を終了する。(S2005)
このように、本実施例においても、HA110は、MCA(G)宛のマルチキャストパケットを受信し、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応している場合には、MN301からのBUメッセージを受信した時点からマルチキャストライフタイムの期間、MCA(G)宛のマルチキャストパケットをMN301の気付アドレスCoA(2)宛にカプセル化転送するので、ハンドオーバ時に一端途切れる直接転送経路によるマルチキャストグループ宛パケットのロスを低減でき、データ転送品質を向上できる。
【0192】
また、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応していない場合には、HA110は、MN301からのBUメッセージを受信した時点から継続的にMCA(G)宛のマルチキャストパケットをMN301の気付アドレスCoA(2)宛にカプセル化転送するので、マルチキャストグループ宛パケットのロスを低減でき、データ転送品質を向上できる。
【0193】
さらに、冗長なカプセル化転送を抑止することにより、ネットワーク資源の浪費を回避する効果もある。
【0194】
(第4実施例)
つぎに、本発明の第4の実施例について説明する。
【0195】
図21は本発明の第4の実施例を説明する図(1)である。
【0196】
図21において、移動直後に、移動前に使用していた旧ARであるAR(1)201に対して転送指示をしておくことで、移動時のマルチキャストパケットの損失を防ぐ例を示している。
【0197】
MN301がAR(2)202の属するサブネットワークに移動した直後、MN301はHA110にBUメッセージを送信するとともに、移動前の旧AR(AR(1)201に対して、それまで使用していた旧CoAであるoldCoAと、新AR(AR(2)202)のサブネットプレフィクスから作成し、これから使用する新CoAであるnewCoAをBUメッセージを用いて通知する。(S2101)
一方、MN301がAR(1)201の属するサブネットワークで直接転送経路によりMCA(G)宛のパケットを受信中にAR(2)202の属するサブネットワークに移動した場合には、AR(1)201には、MCA(G)に対応する転送ツリーの枝が既に作成されているので、MCA(G)宛のマルチキャストパケットの受信が既に可能な状態である。(S2102)
BUメッセージを受信した旧AR(1)201は、前記第3実施例に示したHAと同様の動作を行うことで、受信したMCA(G)宛のマルチキャストパケットを新アドレスnewCoAにカプセル化転送する。(S2103)
そして、第3実施例と同様に、MN301は参加メッセージをAR(2)202に送信する。(S2104)
図22は本発明の第4の実施例を説明する図(2)で、MNが移動した後の定常状態を示す図である。
【0198】
図22において、前記参加メッセージを受けたAR(2)202は必要に応じて上位のDRに参加メッセージを送信し、MCA(G)に対応する転送ツリーの枝を自身まで作成し、マルチキャストルーチングプロトコルによって、MCA(G)宛のパケットをMN301に直接転送経路により送信し、MN301はこれを受信する。(S2201)
このように、MN301は、図22に示すように直接転送経路によって定常的にMCA(G)宛のパケットを受信する状態となるまで、図21に示すカプセル化転送経路により受信でき、ハンドオーバ時に一端途切れる直接転送経路によるマルチキャストグループ宛パケットのロスを低減でき、データ転送品質を向上できる。
【0199】
図23は、本実施例における移動元のARの構成例を示す図である。
【0200】
図23において基本的なブロック構成は図9に示したHAの構成と同じであるが、扱う情報の内容に相違がある。
【0201】
前記第3実施例において、HA110は移動ノードの基本的なアドレスとして用いたHoAと気付アドレスであるCoAとの対応関係に従って動作する。
【0202】
これに対して、本実施例では、移動前の旧AR(1)201は、移動ノードの基本的なアドレスとして移動前の旧気付アドレスoldCoAと、移動先の新気付アドレスnewCoAとの対応関係に従って動作する。
【0203】
図24は旧AR(1)201のマルチキャストパケット転送処理部のフローチャートであり、図11に示すHAのフローチャートとほぼ同一である。
【0204】
また、図25は旧AR(1)201のカプセル処理部のフローチャートであり、図12に示すHAのフローチャートとほぼ同一である。
【0205】
さらに、図26、図27はそれぞれ旧AR(1)201のモバイルIPメッセージ処理部のフローチャート(1)と(2)であり、図13および図14に示すHAのフローチャートとそれぞれほぼ同一である。
【0206】
相違点は、旧AR(1)201のマルチキャストテーブルはマルチキャストグループアドレスに対応したMNのアドレスとしてHoAではなく、oldCoAを用いているため、マルチキャストテーブルの検索結果としてoldCoAを得ることである。
【0207】
また、旧AR(1)201のバインディングキャッシュも同様にHoAではなく、oldCoAに対してnewCoA、Lifetime等が登録されており、このoldCoAを元にnewCoAや、各マルチキャストオプションの検索処理等が行われることが異なる。
【0208】
上記以外の処理は、第3実施例で説明したHA110の動作と同じである。
【0209】
本実施例におけるMNの構成例は図10に示した第3実施例のMNの構成例と同一である。
【0210】
第3実施例との相違は、扱う情報の内容と、その処理内容である。
【0211】
図28は本実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の移動時のフローチャートであり、図18に示す第3実施例におけるフローチャートとほぼ同一である。
【0212】
異なる点は、移動を検出した場合、HA宛に加えて、旧ARに対するBUメッセージの生成(S2808)、送信(S2809)を行うことである。
【0213】
図29は本実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の通信終了時のフローチャートであり、図19に示す第3実施例におけるフローチャートとほぼ同一である。
【0214】
異なる点は、同様にHA宛に加えて、旧ARに対するBUメッセージの生成(S2904)、送信(S2906)を行うことである。
【0215】
図30は、本実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の冗長カプセル化転送停止時のフローチャートであり、図20に示す第3実施例におけるフローチャートとほぼ同一である。
【0216】
異なる点は、同様にHA宛に加えて、旧ARに対するBUメッセージの生成(S3003)、送信(S3005)を行うことである。
【0217】
なお、図21、22において、センダ501とAR(1)201、AR(2)202間、またセンダ501とHA110間に多数のルータが存在する場合においても、本発明が適用でき、上記の効果がえられることは明らかである。
【0218】
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
【0219】
(付記1)移動ノードが少なくともサブネットワーク間を移動するまでに送信するマルチキャストグループへの参加指示を受信すると、前記マルチキャストグループへの参加要求を送信する参加要求手段と、前記移動ノードが前記サブネットワーク間を移動したときに送信する、前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを含む位置登録情報を受信すると、その後受信される前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記気付アドレス宛に転送するパケット転送手段とを有することを特徴とするパケット中継装置。(請求項1)
(付記2)前記パケット転送手段は、前記移動ノードが送信する転送停止指示を受信すると、前記マルチキャストパケットの転送を停止することを特徴とする付記1記載のパケット中継装置。(請求項2)
(付記3)前記パケット転送手段は、前記移動ノードが送信する前記所定の期間を示す期間指定情報を受信すると、前記期間指定情報に基いて前記マルチキャストパケットの転送期間を決定することを特徴とする付記1記載のパケット中継装置。(請求項3)
(付記4)マルチキャストパケットの配信機能を有する中継装置にマルチキャストグループへの参加要求を送信し、前記中継装置が受信し配信する前記マルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットを受信する移動ノードであって、少なくともサブネットワーク間を移動する前に、自身の気付アドレスを含む位置登録情報の送信先である位置登録先中継装置に対して、マルチキャストグループへの参加指示を送信する参加指示手段と、該マルチキャストグループに参加しているときにサブネットワーク間を移動すると、前記位置登録先中継装置がその後受信する該マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記移動ノードの移動後の気付アドレスに転送させる転送要求を前記位置登録先中継装置に送信する転送要求手段を有することを特徴とする移動ノード。(請求項4)
(付記5)新たにマルチキャストグループに参加するときに、自身の属するサブネットワーク内の中継装置に前記マルチキャストグループへの参加要求を送信するとともに、前記参加指示手段が前記位置登録先中継装置に対して、前記マルチキャストグループへの参加指示を送信することを特徴とする付記4記載の移動ノード。(請求項5)
(付記6)マルチキャストグループへの参加要求を送信後、該参加要求に基いた前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを受信すると、前記位置登録先中継装置によるマルチキャストパケットの転送停止指示を前記位置登録先中継装置に送信する転送停止指示手段を有することを特徴とする付記4記載の移動ノード。(請求項6)
(付記7)移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持つときには、前記所定の期間として一定の期間を示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信し、移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持たないときには、前記所定の期間として継続して転送させることを示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信する期間指定手段を有することを特徴とする付記4記載の移動ノード。(請求項7)
(付記8)マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先のサブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードに対応するホームエージェントに通知し、前記ホームエージェントは、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先の気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送することを特徴とするパケット転送方法。(請求項8)
(付記9)マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードが移動元サブネットワークにおいて接続されていた中継装置に通知し、前記中継装置は、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、前記移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送することを特徴とするパケット転送方法。(請求項9)
(付記10)移動ノードが、移動先サブネットワークがマルチキャスト対応ネットワークか否かを通知する方法として、位置登録メッセージに、移動先サブネットワークがマルチキャスト対応か否かの情報を含めて通知することを特徴とする付記8または9記載のパケット転送方法。
【0220】
(付記11)付記8に記載のパケット転送方法において、前記ホームエージェントが固定的にカプセル化転送を行う時間を決めることを特徴とする方法。
【0221】
(付記12)付記8に記載のパケット転送方法において、前記ホームエージェントが前記移動ノード宛てにマルチキャストパケットを転送する期間を、前記移動ノードが前記ホームエージェントに対して指定することを特徴とするパケット転送方法。
【0222】
(付記13)管理対象の移動ノードの移動先管理手段としてのバインディングキャッシュと、マルチキャストパケットを転送するマルチキャストパケット転送手段としてのマルチキャストパケット転送処理部を有し、かつ、移動ノードの移動先でのマルチキャストパケットの受信可否に応じて所定の期間、マルチキャストパケットをカプセル化転送する連携手段としてのパケット処理部とを有することを特徴としたホームエージェント。
【0223】
(付記14)モバイルIP機能を有する移動ノードにおいて、前記移動ノードがマルチキャストパケットの受信を行う場合に、移動に伴って前記移動ノードのアドレスが変更されることに同期して、マルチキャストパケットの受信を要求するメッセージを送信することを特徴とした移動ノード。
【0224】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、移動ノードが移動するときに発生するマルチキャストグループ宛パケットのロスを低減させることができ、データ転送品質を向上できるという効果がある。
【0225】
また、冗長なパケットの送信を抑止することにより、ネットワーク資源の浪費を抑制する効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を第1の実施例を説明する図である。
【図2】移動ノードが備えるパケット到達時間テーブルの例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例を説明する図(1)である。
【図4】バインディングキャッシュの保持内容の例を示す図である。
【図5】マルチキャストテーブルの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例を説明する図(2)である。
【図7】本発明の第2の実施例を説明する図(3)である。
【図8】本発明の第2の実施例を説明する図(4)である。
【図9】ホームエージェント(HA)の構成例を示す図である。
【図10】移動ノード(MN)の構成例を示す図である。
【図11】HAのマルチキャストパケット転送処理部のフローチャートである。
【図12】HAのカプセル処理部のフローチャートである。
【図13】HAのモバイルIPメッセージ処理部のフローチャート(1)である。
【図14】HAのモバイルIPメッセージ処理部のフローチャート(2)である。
【図15】HAのマルチキャストテーブルの構成例を示す図である。
【図16】HAのバインディングキャッシュの構成例を示す図である。
【図17】BUメッセージの構成例を示す図である。
【図18】MNのモバイルIPメッセージ処理部の移動時のフローチャートである。
【図19】MNのモバイルIPメッセージ処理部の通信終了時のフローチャートである。
【図20】MNのモバイルIPメッセージ処理部の冗長カプセル化転送停止時のフローチャートである。
【図21】本発明の第4の実施例を説明する図(1)である。
【図22】本発明の第4の実施例を説明する図(2)である。
【図23】アクセスルータ(AR)の構成例を示す図である。
【図24】ARのマルチキャストパケット転送処理部のフローチャートである。
【図25】ARのカプセル処理部のフローチャートである。
【図26】ARのモバイルIPメッセージ処理部のフローチャート(1)である。
【図27】ARのモバイルIPメッセージ処理部のフローチャート(2)である。
【図28】第4実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の移動時のフローチャートである。
【図29】第4実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の通信終了時のフローチャートである。
【図30】第4実施例におけるMNのモバイルIPメッセージ処理部の冗長カプセル化転送停止時のフローチャートである。
【図31】モバイルIPを用いた通信方法を説明する図である。
【図32】マルチキャスト通信におけるパケット転送を説明する図である。
【図33】モバイルIPにおいてマルチキャスト通信を行う通信方法を説明する図である。
【符号の説明】
10 パケットネットワーク
20、30 サブネットワーク
110 ホームエージェント(HA)
111 バインディングキャッシュ
112 マルチキャストテーブル
120 パケット受信部
121 入力パケット種別判定部
122 ルーティングメッセージ処理部
123 モバイルIPメッセージ処理部
124 マルチキャストメッセージ処理部
130 パケット処理部
131 マルチキャストパケット転送処理部
132 カプセル処理部
133 送信処理部
140 ルーティングテーブル
201、202、203 アクセスルータ(AR)
211 バインディングキャッシュ
212 マルチキャストテーブル
220 パケット受信部
221 入力パケット種別判定部
222 ルーティングメッセージ処理部
223 モバイルIPメッセージ処理部
224 マルチキャストメッセージ処理部
230 パケット処理部
231 マルチキャストパケット転送処理部
232 カプセル処理部
233 送信処理部
240 ルーティングテーブル
301 移動ノード(MN)
320 パケット受信部
321 入力パケット種別判定部
322 ルーティングメッセージ処理部
323 マルチキャストメッセージ処理部
324 モバイルIPメッセージ処理部
325 デカプセル処理部
330 パケット処理部
331 カプセル処理部
333 送信処理部
340 ルーティングテーブル
350 マルチキャストアプリケーション
351 その他アプリケーション
401 通信相手ノード(CN)
501 センダ
601、602、603、604、605 マルチキャストルータ(MR)
701、702、703 レシーバ

Claims (9)

  1. 移動ノードが少なくともサブネットワーク間を移動するまでに送信するマルチキャストグループへの参加指示を受信すると、前記マルチキャストグループへの参加要求を送信する参加要求手段と、
    前記移動ノードが前記サブネットワーク間を移動したときに送信する、前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを含む位置登録情報を受信すると、その後受信される前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記気付アドレス宛に転送するパケット転送手段とを有することを特徴とするパケット中継装置。
  2. 前記パケット転送手段は、前記移動ノードが送信する転送停止指示を受信すると、前記マルチキャストパケットの転送を停止することを特徴とする請求項1記載のパケット中継装置。
  3. 前記パケット転送手段は、前記移動ノードが送信する前記所定の期間を示す期間指定情報を受信すると、前記期間指定情報に基いて前記マルチキャストパケットの転送期間を決定することを特徴とする請求項1記載のパケット中継装置。
  4. マルチキャストパケットの配信機能を有する中継装置にマルチキャストグループへの参加要求を送信し、前記中継装置が受信し配信する前記マルチキャストグループに対応するマルチキャストパケットを受信する移動ノードであって、
    少なくともサブネットワーク間を移動する前に、自身の気付アドレスを含む位置登録情報の送信先である位置登録先中継装置に対して、マルチキャストグループへの参加指示を送信する参加指示手段と、
    該マルチキャストグループに参加しているときにサブネットワーク間を移動すると、前記位置登録先中継装置がその後受信する該マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを、所定の期間、前記移動ノードの移動後の気付アドレスに転送させる転送要求を前記位置登録先中継装置に送信する転送要求手段を有することを特徴とする移動ノード。
  5. 新たにマルチキャストグループに参加するときに、自身の属するサブネットワーク内の中継装置に前記マルチキャストグループへの参加要求を送信するとともに、
    前記参加指示手段が前記位置登録先中継装置に対して、前記マルチキャストグループへの参加指示を送信することを特徴とする請求項4記載の移動ノード。
  6. マルチキャストグループへの参加要求を送信後、該参加要求に基いた前記マルチキャストグループに対応したマルチキャストパケットを受信すると、
    前記位置登録先中継装置によるマルチキャストパケットの転送停止指示を前記位置登録先中継装置に送信する転送停止指示手段を有することを特徴とする請求項4記載の移動ノード。
  7. 移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持つときには、前記所定の期間として所定の期間を示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信し、
    移動先のサブネットワークがマルチキャストパケットの配信機能を持たないときには、前記所定の期間として継続して転送させることを示す情報を前記位置登録先中継装置に対して送信する期間指定手段を有することを特徴とする請求項4記載の移動ノード。
  8. マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先のサブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードに対応するホームエージェントに通知し、
    前記ホームエージェントは、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先の気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、
    移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送することを特徴とするパケット転送方法。
  9. マルチキャストパケットを受信する移動ノードが、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコルに対応しているサブネットワークであるか否かを前記移動ノードが移動元サブネットワークにおいて接続されていた中継装置に通知し、
    前記中継装置は、その通知内容に従って、移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークであれば、所定の期間、前記マルチキャストパケットを前記移動ノードの移動先サブネットワークにおける気付アドレスを宛先としてカプセル化転送し、
    前記移動先サブネットワークがマルチキャストプロトコル対応のサブネットワークでなければ、前記マルチキャストパケットを前記気付アドレスを宛先として前記所定の期間によらず、継続してカプセル化転送することを特徴とするパケット転送方法。
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