JPWO2008084854A1 - セルロース微粒子並びにその分散液及び分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
微粒子の粒径が小さくなるに伴い、その比表面積が増大し微粒子の特徴に大きな影響を与えると言われる。中でも1000nm以下の粒径を持つ微粒子は1000nmを超える微粒子とはまったく違った特徴が発現すると言われおり、様々な素材の微粒子において微細化の試みがなされている。
微粒子の粒度分布は微粒子が持つ特徴のばらつきと見なすことができる。これは微粒子の特徴がその粒径に大きく影響されるからである。そのため一部の場合を除き、より粒径の均一性が高いものが求められている。
微粒子の形状は用途に応じて様々な形状に調整される。真球状のものもあれば扁平状のもの、多孔を有するもの、形状がはっきりと規定できないもの、等の様々な形状を取ることができ、目的に応じた形状のものが求められている。
また微粒子同士の凝集はその粒径及び形状を大きく変化させてしまう。凝集の中には可逆的に再分散が可能な軽度の凝集と不可逆的な強固な凝集があるが、一般的には凝集が少ない微粒子が求められている。
特に免疫診断試薬用担体、液晶ディスプレーのスペーサー、分析機器の校正用標準粒子及び多孔膜の検定用標準粒子等に用いる粒子には、粒径が小さく、十分な機械的強度を有しており、粒子の大きさが揃っており、真球度が高く、粒子同士の凝集が少ないことが求められている。このような特徴を持つ微粒子は単分散微粒子と呼ばれ、乳化重合、分散重合、シード重合及び懸濁重合等の方法を用いて作製されており、素材としてはポリスチレン製のものが広く用いられている。
より具体的事例として以下のような問題点が指摘されている。
(1)免疫診断試薬用担体として用いる場合、界面活性剤の存在が原因となり非特異吸着を引き起こしてしまうため、測定誤差が生じてしまう。
(2)免疫診断試薬用担体として用いる場合、疎水性が原因となり測定セルへ付着した微粒子が水洗で流されにくいため、測定セルの白濁による測定誤差が生じてしまう。
(3)多孔膜の検定用標準粒子として用いる場合、疎水性が原因となり多孔膜へ付着した微粒子が水洗で流されにくいため、本来の目的である濾過ではなく吸着によって粒子阻止率が変化し、測定誤差が生じてしまう。
(4)多孔膜の検定用標準粒子として用いる場合、多くの有機溶媒中で溶解または膨潤してしまうことが原因となり、濾過する液体として用いることのできる有機溶媒種類が限られてしまう。
(5)他素材成型体に添加する材料として用いる場合、多くの有機溶媒中で溶解または膨潤してしまうことが原因となり、分散させる媒体が限られてしまう。
前者のセルロース微粒子の例としては特許文献1、2及び3に記載のものがある。しかしながらこれらの文献に開示された方法は、大きな構造単位を持ったものをランダムに破壊していく微細化であり、得られるセルロースは微粒子と言えないL/D(D:粒径、L:粒子の長さ)の大きな棒状や繊維状のものがほとんどである。また当然その形状も均一なものにはなりえない。中には微粒子状のもので粒径がある程度小さなものが報告されているが、粒径を小さくするためにセルロースの平均重合度の低下を伴っている。即ち、これらのセルロース微粒子は粒径の小ささと平均重合度の高さは反比例の関係にある。さらには一般的な加水分解ではセルロースのレベルオフ重合度に由来する微細化の限界があり、粒径が1000nm以下のセルロース微粒子を得ることは非常に困難である。特許文献3に記載の方法では、再生セルロースを加水分解することにより粒径が20〜100nmの球状セルロース微粒子を得ることに成功している。しかしながら実施例に記載された加水分解条件から考えると、得られているセルロース粒子の平均重合度は再生セルロースのレベルオフ重合度である50程度にまで低下していることは明らかである。
(2)下記式で表されるCV値が10%〜70%である上記1項に記載のセルロース微粒子。
CV値=(粒度分布測定装置より求めた体積換算粒度分布における標準偏差)/(粒
度分布測定装置より求めた体積換算メジアン径)
(3)真球度が0.70〜1.00である上記1または2項に記載のセルロース微粒子。
(4)下記式で表される凝集定数が1.00〜2.50である上記1〜3項のいずれか一項に記載のセルロース微粒子。
凝集定数=(粒度分布測定装置で求めた体積平均メジアン径/電子顕微鏡写真から求
めた体積換算メジアン径)
(5)染料または顔料で着色された上記1〜4項のいずれか一項に記載のセルロース微粒子。
(6)上記1〜5項のいずれか一項に記載のセルロース微粒子が液体中に分散してなるセルロース微粒子分散液。
(7)上記6項に記載のセルロース微粒子を乾燥させてなる粉末状セルロース微粒子。
(8)上記7項に記載の粉末状セルロース微粒子を液体に再懸濁させてなるセルロース微粒子分散液。
(9)上記1〜5項のいずれか一項に記載のセルロース微粒子が固体中に分散してなるセルロース微粒子分散体。
(10)上記7項に記載の粉末状セルロース微粒子が固体中に分散してなるセルロース微粒子分散体。
本発明によって提供されるセルロース微粒子の特徴は次の(1)〜(5)の通りである。
(1)セルロース微粒子の粒径が小さい。
(2)セルロースの平均重合度が高い。
(3)粒径の均一性が高い。
(4)形状が真球状である。
(5)粒子同士の凝集が少ない。
[η]=3.85×10-2×MW 0.76 (1)
DP=MW/162 (2)
CV値=(粒度分布測定装置より求めた体積粒度分布における標準偏差)/(粒度分
布測定装置より求めた体積平均メジアン径)×100 (3)
本発明のセルロース微粒子の真球度は0.70〜1.00であることが好ましい。特に単分散微粒子として用いる場合は、より好ましくは0.80〜1.00、特に好ましくは0.90〜1.00の範囲内である。真球度がこの範囲内にある場合、微粒子の形状を真球状であると見なすことができる。
凝集定数=(粒度分布測定装置で求めた体積平均メジアン径/電子顕微鏡画像から求
めた体積換算メジアン径) (4)
ただし電子顕微鏡画像からの体積換算メジアン径は、少なくとも100個以上の微粒子を測定する。また電子顕微鏡画像上で微粒子同士が接触しており凝集しているように見える場合でもそれぞれの微粒子のメジアン径を測定する。すなわち電子顕微鏡画像から求める平均粒径は微粒子同士が完全に凝集していない場合の平均粒径を指すのに対し、粒度分布測定装置から求める平均粒径は分散液中の微粒子が実際に凝集している大きさでの平均粒径を表す。この2つの平均粒径が等しい場合、凝集定数は1.00となり分散液中の微粒子同士は凝集していないことを表す。分散液中での微粒子同士の凝集がある場合、粒度分布測定装置で求めた平均粒径が大きくなるので、凝集定数も大きくなる。このように凝集定数を定義することで分散液中での微粒子の凝集具合を比較することができる。
本発明においてセルロース微粒子分散体のセルロース微粒子を分散させる固体は、高分子、ガラス、セラミックス及び金属等その種類は問わない。固体成型体を形成する前の溶融、溶解、原料状態などの液体の段階で上記セルロース微粒子を含有した分散液を加え、その後当業界周知の操作で固体成型体を形成することで、固体成型体中に本発明のセルロース微粒子を均一に分散させたセルロース微粒子分散体とすることが可能になる。
本発明における着色されたセルロース微粒子は、未着色セルロース微粒子の用途に加え、多素材着色微粒子が用いられる用途にも用いることができる。その利用例としては、セルロース微粒子分散体を形成し着色均一性の高い成型体を形成させる、免疫診断試薬用担体として用い視認性や検知性を上げ感度を高める、各種の画像形成材料、等が挙げられる。
また、凝固液として用いるセルロースの貧溶媒としては、上述の分散媒体として例示した液体が挙げられるが、好ましくは水溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒と水の混合物、水溶性有機溶媒と水とアンモニアの混合物である。水溶性有機溶媒としてはケトン、アルコール、エーテルまたは有機硫黄化合物が好ましい。
本発明が目的とするような粒径が小さく、かつ均一な微粒子を得るためには、凝固液組成の選択が重要である。凝固液組成を調整することによって凝固速度を調整し、その結果、粒子の成長速度が制御される。凝固速度が遅いと粒子成長が起こり、平均粒径が大きくなる。逆に凝固速度が速すぎても、平均粒径は大きくなる。例えば、貧溶媒としてアセトンを用いる場合、添加するセルロース溶液組成および凝固温度にもよるが、アセトンを20〜45wt%水溶液として用いることが好ましい。最適組成は貧溶媒の種類によって異なる。
まず初めにセルロースリンターをセルロースの良溶媒に溶解させる。本発明では良溶媒には当業界周知の方法で調製した銅アンモニア溶液を用いることができる。そして凝固液としては上述の単一の有機溶媒溶液、異なる種類の有機溶媒を任意の割合で混合した溶液、有機溶媒と水を混合した溶液等を主に用いる。この凝固液を攪拌しながら、調製しておいた銅アンモニアセルロース溶液を加えて凝固を行う。さらに硫酸を加え中和、再生を行うことで、目的のセルロース微粒子を含有したスラリーを得ることができる。この際スラリーは再生に用いた酸の残留により酸性であり、さらに中和で発生したアンモニウム塩などの不純物を含んでいる。これらの酸や不純物を取り除くためにスラリーをセルロース微粒子と分散媒体からなるセルロース分散液へと精製する操作を行うことができる。本発明ではこの精製操作として遠心分離、デカンテーションおよび分散媒体による希釈の操作をこの順序で繰り返して行なう。この際に用いる分散媒体の種類も特に限定されず、目的に応じて前述の様々な溶媒を用いることが可能である。
(1)粒度分布(平均粒径およびCV値):日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150を用いてセルロース微粒子分散液を測定した。測定は合計3回行い、その平均値を測定値とした。特に記載のない限り、セルロース微粒子を分散させる液体として純水を用い、セルロース微粒子濃度は約0.1wt%で測定した。測定の際に必要な水の物性値は通常の水のものを用いた。
以下実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
セルロースリンター(平均重合度679)を銅アンモニア溶液に溶解させ、さらに水およびアンモニアで希釈して、セルロース濃度0.37wt%の銅アンモニアセルロース溶液を調製した。その溶液の銅濃度は0.13wt%であり、アンモニア濃度は1.00wt%であった。
セルロースリンター(平均重合度679)を銅アンモニア溶液に溶解させ、さらに水及びアンモニアで希釈して、セルロース濃度0.37wt%の銅アンモニアセルロース溶液を調製した。その溶液の銅濃度は0.13wt%であり、アンモニア濃度は3.00wt%であった。
凝固に用いる凝固液がテトラヒドロフラン濃度90wt%および水濃度10wt%であること以外は実施例1とまったく同じ方法で、セルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。凝固液はテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製、特級)を純水で希釈して作製した。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表1に示す。
銅アンモニアセルロース溶液のアンモニア濃度が6.3wt%、凝固に用いる凝固液がイソプロパノールであること以外は実施例2とまったく同じ方法で、セルロース微粒子分散液及び粉末状セルロース微粒子を得た。凝固液はイソプロパノール(キシダ化学株式会社製、特級)を希釈せずにそのまま凝固液として用いた。得られた粉末状セルロース微粒子の電子顕微鏡画像を図4に示す。なお、電子顕微鏡には日本電子社製走査型電子顕微鏡JSM−6700を用い、倍率10万倍で観察した。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表1に示す。
凝固に用いる凝固液がテトラヒドロフラン濃度95wt%および水濃度5wt%であること以外は実施例1とまったく同じ方法で、セルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表1に示す。
凝固に用いる凝固液がテトラヒドロフラン濃度99wt%および水濃度1wt%であること以外は実施例1とまったく同じ方法で、セルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られた粉末状セルロース微粒子の電子顕微鏡画像を図2に示す。なお、電子顕微鏡には日本電子社製走査型電子顕微鏡JSM−6380を用い、倍率5千倍で観察した。また、得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表1に示す。
溶解するセルロースリンターの平均重合度が1481であること以外は、実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表3に示す。
溶解するセルロースリンターの平均重合度が2531であること以外は、実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表3に示す。
溶解するセルロースリンターの平均重合度を、当業界周知の方法で酸加水分解を行うことで370まで下げたこと以外は、実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表3に示す。
溶解するセルロースリンターの平均重合度を、当業者周知の方法で酸加水分解を行うことで200まで下げたこと以外は、実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液及び粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表3に示す。
当業界周知の方法で調製した銅アンモニアセルロース溶液から得られた再生セルロース不織布を、当業界周知の方法で酸加水分解を行うことで平均重合度を148まで下げたものを、溶解するセルロースとして用いたこと以外は、実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液および粉末状セルロース微粒子を得た。得られたセルロース微粒子の平均粒径、平均重合度、CV値、真球度および凝集定数を測定した結果を表3に示す。
実施例1とまったく同じ方法でセルロース微粒子分散液を調製し、さらにミリポア社製ポリカーボネートフィルター「アイソポア」孔径50nmを用いて減圧濾過を行った。濾過後のセルロース微粒子分散液を用いて、実施例1と同様に、凍結減圧乾燥により粉末状セルロース微粒子を得た。得られた粉末状セルロース微粒子の電子顕微鏡画像を図3に示す。なお、電子顕微鏡には日本電子社製透過型電子顕微鏡JEM2000EXを用い、倍率10万倍で観察した。濾過後のセルロース微粒子の平均粒径は39nm、平均重合度は588、CV値は13%、真球度は0.92、凝集定数は1.07、であった。濾過後のセルロース微粒子はCV値が濾過前より小さくなっており、図1と図3の比較でも明らかなように、粒子の分級を行うことで粒子の均一性のより高いセルロース微粒子を得ることができた。
実施例3で得られたセルロース微粒子分散液を用いて、遠心分離、デカンテーションおよびアセトン希釈の操作をこの順序で3回繰り返し、セルロース微粒子を分散させる媒体をアセトンに置換したセルロース微粒子アセトン分散液を調製した。この際の遠心分離操作は10000rpmの速度で20分間行った。得られたセルロース微粒子分散液について、セルロース微粒子の平均粒径、CV値、真球度および凝集定数の測定を実施例1と同じ方法で行った。それらの結果を表4に示す。さらに上記実施例1〜4と同様にして1ヵ月静置させた後の分散安定性を確認したが、沈降はまったく生じていなかった。それらの結果を表5に示す。
デカンテーション後に希釈する溶媒をイソプロピルアルコール(IPA)に変えたこと以外は実施例10とまったく同じ方法で、セルロース微粒子イソプロピルアルコール分散液を調製した。得られたセルロース微粒子分散液について、セルロース微粒子の平均粒径、CV値、真球度および凝集定数の測定を実施例1と同じ方法で行った。それらの結果を表4に示す。さらに上記実施例1〜4と同様にして1ヵ月静置させた後の分散安定性を確認したが、沈降はまったく生じていなかった。それらの結果を表5に示す。
実施例2で得られたセルロース微粒子分散液を用いて、遠心分離、デカンテーションおよびtert−ブチルアルコール希釈の操作を3回繰り返して行ない、セルロース微粒子を分散させる媒体をtert−ブチルアルコールに置換したセルロース微粒子tert−ブチルアルコール分散液を調製した。この際の遠心分離操作は50000rpmの速度で60分間行なった。また最終的な分散液の微粒子濃度は0.1wt%となるよう調整した。得られたセルロース微粒子tert−ブチルアルコール分散液100gを液体窒素で急速凍結し、減圧させることで凍結減圧乾燥を行い、粉末状セルロース微粒子を得た。得られた粉末状セルロース微粒子を再懸濁させる液体として純水100gを用意し、粉末状セルロース微粒子0.1gを加え、超音波分散機(SMT社製、UH150)で分散処理した。得られた再懸濁セルロース微粒子分散液の平均粒径を粒度分布測定装置を用い測定した。その結果を表6に示す。
最終的な分散液中の微粒子濃度が5.0wt%になるよう調整したこと以外は実施例2とまったく同じ方法で、セルロース微粒子分散液を調製した。得られたセルロース微粒子分散液をウォーターバスで加熱し60℃まで昇温し、マグネティックスターラーを用いてゆっくり攪拌しながら、予め純水に溶かした反応染料(Remazol Black B HI−GRAN.150)をセルロース微粒子の総重量に対し20%omfの染料濃度となるよう添加した。30分間の染色後、遠心分離およびデカンテーションを行い、さらに80℃の温水を加えて再び遠心分離およびデカンテーションの操作を行う操作を合計3回行いセルロース微粒子の湯洗を行った。得られたセルロース微粒子分散液を超音波分散機(SMT社製、UH150)で分散処理することにより、濃紺に着色されたセルロース微粒子分散液を得た。
水性アクリル系塗料「水性ホビーカラー」((株)GCIクレオス社製、品番H30、クリヤー)10gに、実施例1で得られたセルロース微粒子水分散液(微粒子濃度1.0wt%)を1g添加しよくかき混ぜた。その後、塗膜厚さが50〜70μmとなるようアクリル板に塗装し、25℃の環境下で24時間静置乾燥させた。塗布断面を電子顕微鏡で観察したところ、セルロース微粒子が均一に分散されている様子が観察された。また上記塗料を単独でアクリル板に塗装し同様に乾燥させたものを作製し、塗布表面を肉眼で見比べたが両者に大きな差はなく良好な塗布状態であった。
用いるセルロース微粒子分散液を実施例15で得られた着色セルロース微粒子分散液を用いたこと以外は実施例14とまったく同じ方法で、アクリル板上に着色セルロース微粒子を含んだ塗膜を形成した。得られた塗膜は青色であり微粒子による着色の効果が確認できた。また塗布断面は実施例16同様に着色セルロース微粒子が均一に分散していた。
Claims (10)
- 平均粒径が9〜400nmであり、かつセルロースの平均重合度(DP)が150〜3000であるセルロース微粒子。
- 下記式で表されるCV値が10%〜70%である請求項1に記載のセルロース微粒子。
CV値=(粒度分布測定装置より求めた体積換算粒度分布における標準偏差)/(粒
度分布測定装置より求めた体積換算メジアン径) - 真球度が0.70〜1.00である請求項1または2に記載のセルロース微粒子。
- 下記式で表される凝集定数が1.00〜2.50である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロース微粒子。
凝集定数=(粒度分布測定装置で求めた体積平均メジアン径/電子顕微鏡写真から求
めた体積換算メジアン径) - 染料または顔料で着色された請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロース微粒子。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース微粒子が液体中に分散してなるセルロース微粒子分散液。
- 請求項6に記載のセルロース微粒子分散液を乾燥させてなる粉末状セルロース微粒子。
- 請求項7に記載の粉末状セルロース微粒子を液体に再懸濁させたセルロース微粒子分散液。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロース微粒子が固体中に分散してなるセルロース微粒子分散体。
- 請求項7に記載の粉末状セルロース微粒子が固体中に分散してなるセルロース微粒子分散体。
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