JPWO2008069251A1 - バイオマスからの液体燃料製造装置および製造方法 - Google Patents

バイオマスからの液体燃料製造装置および製造方法 Download PDF

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八郎 川島
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    • C10G2/00Production of liquid hydrocarbon mixtures of undefined composition from oxides of carbon
    • C10G2/30Production of liquid hydrocarbon mixtures of undefined composition from oxides of carbon from carbon monoxide with hydrogen
    • C10G2/32Production of liquid hydrocarbon mixtures of undefined composition from oxides of carbon from carbon monoxide with hydrogen with the use of catalysts

Abstract

草木などのバイオマスを原料として効率よく液体燃料を合成する方法と装置であって、液体燃料合成装置(1)は、触媒を内蔵した反応器(2)と、合成された気体状のガスを冷却して液体燃料を抽出する冷却器(3)、さらに液体燃料を回収したあとの未反応ガスを液体燃料ガス合成に適した反応温度まで熱交換によって調整する温度調整手段(7)と、をガスの流れに沿って直列多段に構成する。温度調整手段(7)と反応器(2)は、断熱材によって囲まれた断熱構造の恒温室(8)の内部に並列配置する。一方、冷却器(3)は恒温室(8)から隔離されて設置する。

Description

本発明は、草木などのバイオマスを原料として液体燃料を合成する装置と製造方法に関する。
石油資源の逼迫・枯渇、CO2を大きな要因とする地球温暖化問題を考える時、その代替物の選定・開発の重要性はどんなに強調しても足りない。長期展望した場合、その膨大な必要量を考えると、量的な観点から、バイオマスを原料とする合成燃料の製造への期待は大きい。
天然ガス、石炭を原料とした場合と同様に、バイオマスを原料とし、これをガス化して得られた合成ガス(H2+CO)から、メタノール、DME(ジメチルエーテル)、或いはF−T(フィシャー・トロプシュ)法により炭化水素などの液体燃料を得ることは可能である。バイオマスから合成されるこれらの液体燃料の利点として、(1)太陽エネルギーを蓄えた燃料であり、循環再生可能であること、(2)原料となるバイオマスが世界的に偏在しておらずまた将来的には現在の石油消費に匹敵する量が期待できること、(3)貯蔵性・可搬性にすぐれること、(4)大気中のCO2を増やさず、また硫黄分を含まずクリーンであること、などが挙げられる。
しかし、非特許文献1で本発明者が述べているように、数多くの研究開発がなされているものの、バイオマスを原料とする合成燃料の製造が工業的規模で実現していないのは、バイオマスに対する認識が高くなかったこともさることながら、バイオマスが酸素を含有しているため発熱量が低く、液体燃料の製造に必要な高熱量でかつH2含有比率の高い合成ガスが得られなかったためである。なお、非特許文献1は本発明者らが従来技術(但し大型装置)について総説したものである。
バイオマスをガス化した合成ガスから液体燃料を製造するプロセスは、天然ガスや石炭のような化石燃料を原料とした液体燃料の製造と基本的に同じプロセスである。すなわち、天然ガスを原料とする製造方法は、大別すると、原料の化石燃料を一酸化炭素と水素などとの合成ガスにした後、合成ガス中の硫黄などの不純物及びCO2などの不要物を除く工程と、得られた合成ガスを触媒の存在下で反応させて液体燃料に転換する工程、および液体燃料を目的とする燃料の性状に精製して製品とする工程とからなる。
バイオマスから液体燃料を製造する方法の一つであるガス化メタノール合成は、これまでも数多くの実験がなされ、バイオマスのガス化までは工業規模に達しているが、効率よくメタノールを合成するまでには至っていない。これは、上述のようにバイオマスの発熱量が低いため、メタノール合成に必要な高熱量を持った合成ガスが得られなかったためである。しかしながら近時、バイオマスのガス化技術にも進展がみられ、合成ガスの製造にも目処が得られつつある。(特許文献1など)。
また合成ガスの製造に当って留意すべきは容量である。例えば、現在の天然ガスを原料にしたメタノール合成装置は1,000〜2,000トン/日の生産規模で、エネルギー効率及び経済性の観点から5MPa以上、多くは6MPa以上の高圧で運転される。しかしながら、とくに日本ではバイオマスの集積密度は大きくはなく、メタノール生産規模としてはこれより1桁乃至4桁小さい0.1〜100トン/日の生産規模に対応できる小型で運転も容易な低圧操作のメタノール製造法及び製造装置が望まれている。
小型で運転も容易な低圧操作のメタノール製造技術として、すでに特許文献2の技術が公知となっている。これは本発明者らが提案したもので、メタノールの合成反応器を複数段直列に結合したメタノール合成装置を開示している。ただし、この発明では、同じ操作を多段階繰り返すことが示されているものの、反応器が複数段あるために、これら全段を反応上適正な温度に調節するのが容易でなかった。また、反応器を上から下へ縦に配列しているため、触媒交換の際に縦配列では全段の反応器を分解しなければならずメンテナンスに時間がかかり、運転スケジュールにも問題が生じていた。さらに、温度制御機器を全段に並列しているために装置が複雑となる欠点があった。
また、バイオマスをガス化して得た合成ガスから液体燃料ガスを合成する場合、例えばメタノールガスを合成する場合、合成ガス中のH2とCOの濃度が高いほどメタノールガスの収率が向上し、これらの濃度が低いと収率良くメタノールガスを合成することができない。したがって、バイオマスからメタノールを効率的に製造するためには、メタノール合成装置だけでなく、それに適したバイオマスのガス化技術、特にH2とCOあるいはCO2などを高濃度で含む合成ガスの製造技術を必要とする。
更に、エネルギープランテーションとしてのバイオマス利用を考えた場合、単位面積当りのメタノール生産量を増大するため、バイオマスのガス化によって得られる合成ガスのうち一酸化炭素に加え、二酸化炭素も液体燃料ガス合成の原料にするのが得策である。近年、一酸化炭素と水素からのメタノール合成触媒より機能が高い二酸化炭素と水素からもメタノールを合成できる触媒が開発された。また、バイオマスから得られる合成ガスでは二酸化炭素をメタノールに合成するには水素が不足する。これを補完できるシステムとして、水力発電、風力発電、太陽光発電等を利用した電解水素を活用することが有効であることが明確となった。
特開2004−051718号 特開2005−132739公報 草木バイオマスからの合成ガス製造と液体燃料合成、日本エネルギー学会誌、81巻 第12号、p1063−1068
本発明は上記の状況に鑑み、草木などのバイオマスをガス化して得られた合成ガスを原料にした液体燃料の製造方法と、小型で操作性の優れ、低圧操作でも十分高い液体燃料収率を達成する液体燃料合成装置を提供することを目的としている。併せて、液体燃料合成装置との高い適合性を有するバイオマスガス化装置を含めた液体燃料製造装置を提供することを目的としている。
本発明の液体燃料製造方法は、バイオマスのガス化によって得られた水素と一酸化炭素を含む合成ガスから液体燃料を製造する方法であって、合成ガスを0.5〜5MPaの加圧下で触媒と接触させて液体燃料を合成する第一の工程、得られた液体燃料ガスを液化して回収し、未反応の合成ガスと分離する第二の工程、未反応の合成ガスを0.5〜5MPaの加圧下で再度触媒と接触反応させて液体燃料ガスを合成する第三の工程、そして第一の工程と第三の工程を繰り返すことを特徴とする。液体燃料には、メタン、エタン、プロパン等の液体炭化水素燃料、メタノール等のアルコール燃料が含まれる。
また、本発明によるバイオマスからの液体燃料合成装置は、複数の反応器と、複数の冷却器とが直列に配置されてなり、反応器及び前記冷却器は、合成ガス供給管と反応ガス導出管とを介して互いに連結され、冷却器には液体燃料回収管が設けられていることを特徴とする。
本発明によるバイオマスからの液体燃料製造装置は、バイオマス供給ホッパーとガス化反応装置と液体燃料合成装置とからなり、ガス化反応装置は、2次ガス化反応管及び2次ガス化反応管に連接するガス化剤供給ラインを有する1次ガス化反応室とを内部に配置しており、液体燃料合成装置は、複数の反応器と複数の冷却器とが直列に配置されてなり、反応器及び冷却器は、合成ガス供給管と反応ガス導出管とを介して互いに連結され、冷却器には液体燃料回収管が設けられていて、さらに、バイオマス供給ホッパーは、1次ガス化反応室にバイオマス供給ラインを介してガス化反応装置と連結されており、ガス化反応装置は、合成原料ガス供給ラインを介して液体燃料合成装置と連結されていることを特徴とする。
本発明の液体燃料製造方法は、合成ガスと液体燃料合成触媒による液体燃料ガス合成と、合成された液体燃料ガスの液化と未反応の合成ガスの分離操作とを繰り返し行うので、合成された液体燃料ガスは合成される都度反応系から取り除かれる。
液体燃料ガスが炭化水素ガスで次式に示すフィッシャー・トロプシュ反応の平衡関係を矢印方向へ進めることになり、これを複数回数繰り返すことにより炭化水素ガスの合成収率を上げることができる。
(2n+1)H2+nCO→Cn2n+2+H2
フィッシャー・トロプシュ反応で用いられる触媒は、鉄やコバルトの化合物が一般的である。例えば、シリカゲルに硝酸コバルトを含浸した後、乾燥して400℃で2時間焼成することによりコバルト担持の触媒を得ることができる。
液体燃料ガスがメタノールガスである場合、次式に示すメタノール合成反応の平衡関係を矢印方向へ進めることになり、これを複数回数繰り返すことによりメタノールの合成収率を上げることができる。
2H2+CO→CH3OH
現在、メタノール合成は、主に銅・亜鉛系の触媒を用いて、200〜260℃、かつ5MPa以上、多くは6MPa以上の高圧で運転される。高圧条件で合成されるのは、触媒を用いたメタノール合成反応の平衡関係上、低圧条件下ではメタノールの収率、つまり水素、一酸化炭素のメタノールへの転換率が低いからである。しかしながら大型装置ではともかく、小型の合成装置での高圧運転はポンプなど設備的な負担が大きくなり、また安全上からもできれば避けたいところである。
本発明の液体燃料合成装置は、触媒を充填した複数の反応器と、複数の冷却器とが直列に配置されてなり、反応器及び前記冷却器は、合成ガス供給管と反応ガス導出管とを介して互いに連結され、冷却器には液体燃料回収管が設けられている。本発明の液体燃料合成装置により低圧力下でも液体燃料の合成収率をあげることが可能となる。
反応器に含まれる触媒は特に限定されるものではなく、メタノール合成で用いられる触媒、例えば酸化亜鉛、Cu/ZnO、Al23、ZrO2、銅・亜鉛・アルミニュム・ゲルマニュウム・マンガン系触媒を挙げることができる。
なお、最終の反応器で分離される合成ガス中にはまだ水素、一酸化炭素、炭化水素が含まれており、これを循環して合成ガスとして再利用するかあるいはガス燃料として利用してもよい。
冷却器は、特に限定されるものではなく、反応で得られたガス状の液体燃料を液化温度以下に冷却する機能を有するものであれば良く、気体冷媒や液体冷媒と熱交換するあるいは、冷却器を所定温度以下の冷却水で満たされた冷却槽内に収めてもよい。ガス状のメタノールは冷却器で液化温度以下に冷却され液化する。液化された液体燃料は液体燃料回収管より反応系から取り除かれ回収される。
本発明の液体燃料合成装置は、反応器を適温に調整する温度調整手段を有していることを特徴とする。
また、反応器は温度調節可能な恒温室に並置されていてもよい。
以上述べたように、合成されたガス状の液体燃料は冷却により液化されて未反応の合成ガスと分離されて回収される。分離された合成ガス中の未反応の水素や一酸化炭素は次の反応器に送り込まれて、さらに液体燃料ガスに合成される。しかし、冷却器で冷却された未反応の合成ガスは次の反応器へ送られたとしても、局部的に低温部分が生じて適正な合成反応が進まない。したがって、反応器入口で合成ガスを適正な温度に加温することが重要である。具体的には、限定されるものではないが、反応器の前段に熱交換器を設置するか、反応器を温度調節可能な恒温室に収納して、安定した温度調整を行うことが望ましい。
さらにまた、反応器は、合成反応によって発生する反応熱を周辺の雰囲気へ熱交換することによって反応器内部の温度を適温に維持するものであってもよい。
恒温室の温度制御は、例えば、気体媒体あるいは空気であってもよく、低圧ボイラで発生させた水蒸気を用いてもよい。さらに水蒸気を10気圧以下の水蒸気として、循環機によって循環流量を増強して放熱能力を増強してもよい。10気圧以下の水蒸気とする場合には、熱を吸収して恒温室から排出された水蒸気を恒温室外において空気冷却機等で降温したのち、新たな加圧水蒸気と合流して循環してもよい。
現在の大型の装置では、メタノール合成反応は大きな発熱(1モルのメタノール生成で21.7kcal)を伴うので、発生した熱を除去して一定の反応温度に保つ必要がある。この除熱の方法が全体のエネルギー効率に影響するので、諸方式が試みられているが、現在工業的に行われている代表的な方法はクエンチ式とよばれ、触媒層を複数段設けその間に冷原料ガスを導入する方式である。この方式は簡易な反面、ガス流速が高くなり流れの抵抗損失が増大し、また触媒量が多く必要になる。一方、本発明で対象としている小型装置の場合は大型装置と状況が異なってくる。即ち、反応器表面からの熱の放散の比率が、反応による発熱に比して大きくなるため、前記反応器の容器外面からの熱の放散によって触媒部の温度を一定に保つことが可能になる。この方式によって、ガス流速と触媒量の点でたいへん有利になる。
ただし、反応外部から冷却ではなく加熱が必要な場合もあるし、放散の比率が発熱よりも不足気味であれば少量の冷却を要する場合もある。これは外気温・空気流れなどの影響も受けることにもなる。そこで本発明では、どのようにも対処できるよう、温度制御された恒温室に反応器を収納することによって、運転条件を適正に維持することが容易になり、装置の安定性と優れた信頼性が実現される。さらに、反応器の表面にフィン等を設けて熱交換を効率的に行ってもよい。
また、本発明の液体燃料合成装置は、反応器の外径寸法を例えば20cm以下として、合成反応によって発生する反応熱を周辺の雰囲気へ熱交換することによって内部の温度を適温に維持する複数の反応器と、反応器入口のガス温度を適温に調整する複数の温度調整手段とを、温度調節された同一の恒温室に並置することを特徴とする。
前記反応器の直径を20cm以下、好ましくは15cm以下としたのは、直径が大きいと、内部までの温度制御が困難で中央部が反応熱のため過熱してしまう可能性があるためである。また、あまり直径を小さくした場合は反応器本数が多数になるか反応器高さの高い装置になってコスト面で不利になる。反応器の内部断面積は管径の2乗に比例するが、管外壁表面積は管径に比例するのみである。したがって、管径は細いほど放熱に有利であるが、触媒を充填する上で困難性が伴う。そこで、反応器内部の触媒容積当たりの放熱能力を高めるために、適切なインターバルと長さで反応器の軸方向に触媒の充填されない無触媒スペースを設けてもよい。
また、反応器あるいは恒温室の冷却をボイラ水によって行うシェルチューブ熱交換器型ボイラを応用して行ってもよい。この場合、チューブ側には反応器を設置し、シェル側にボイラ水が流れ、ボイラ水自体は液面制御と、排出蒸気を逃がすラインに圧力制御弁を設けて圧力を一定に保ち、その結果シェル側の温度は蒸気の飽和温度に保たれる。具体的には反応器側の温度が約250℃、ボイラ側温度約230℃とすればシェル内の圧力は約28気圧になる。
多段の反応器を並置させるのではなく、段状に縦方向に積み上げることも可能であるが、触媒劣化による交換の際に前記配列では全段の反応器を分解しなければならずメンテナンス上と運転スケジュール上の問題が大きい。加えて、装置が複雑で組み立て上の難点もある。
これに対し、本発明の構成によれば、各段の加温手段と反応器が同じ床面上に並列に置かれるので、触媒が劣化したとき、該当する反応器だけ上部から開放すれば触媒交換が可能になりメンテナンス上大きな利点がある。また、組み立ても容易である。
本発明の液体燃料製造装置は、液体燃料合成装置に、合成ガスを製造するバイオマス供給ホッパーとガス化反応装置とが連接している。
ガス化反応装置は、バイオマス供給ホッパーから供給される粉砕したバイオマスに、水蒸気を供給してガス化反応を生じせしめるガス化空間に積極的に酸素を供給することなく、該ガス化空間が隔壁を介して外部加熱空間から遮断され、粉砕したバイオマスは主として輻射による熱伝達によって加熱され、その熱を反応熱に用いることによって水蒸気とバイオマスのガス化反応を生じせしめることを特徴とする。
ガス化反応装置は、2次ガス化反応管及び2次ガス化反応管に連接するガス化剤供給ラインを有する1次ガス化反応室とを内部に配置しており、1次ガス化反応室にバイオマス供給ラインを介してバイオマス供給ホッパーと連結されており、さらに合成ガス供給管を介して液体燃料合成装置と連結される。
ガス化反応装置によって得られる合成ガスは、液体燃料合成に必要な水素ガスと一酸化炭素ガスを多く含み且つタールを含まないクリーンな状態で得られるので、液体燃料の合成収率が高く、しかも機械的問題を起こすことも少なく、安定した装置運転が可能となる。
従来バイオマスのガス化は、木材をチップ状にして、固定床または流動床形式ガス化炉に供給し、これを(O2+H2O)のガス化剤でガス化していた。この現象を燃焼学的に見ると、酸素と木材を燃焼させて熱ガスを発生させ、この熱ガスによって残りの木材を熱分解していることになる。この方法では有効な水素と一酸化炭素が少なく、トラブルの原因となる高分子のタールを多量に発生する。このタールを分解させるには酸素の吹き込みによって2次燃焼させることが必要で、この場合有効な水素と一酸化炭素を残すことができない。具体的に言えば、化石燃料の1/2〜1/3の熱量しか持っていないバイオマスを原料とした場合、液体燃料合成は非常に困難である。
本発明者らは、新しいガス化法でバイオマス原料を微粉砕し、これに(O2+H2O)からなるガス化剤の酸素濃度を極端に低くし最終的には酸素濃度ゼロとして、噴流床(微粒子の浮遊状態)形式にすることで高カロリーガスを得ることに成功した。さらに、この手法を用いたベンチスケール実験装置によって、タール・すすを一切出すことなく、有効な水素、一酸化炭素、メタンを多量に含む無色透明なクリーンガスが得られ、さらにそれらから液体燃料が合成できることも実証した。
原料はスイートソルガムを乾燥後微粉砕したものと、微細藻スピルリナの乾燥粉で、ガス組成から求めたメタノール収率は原料との重量比で49%と60%になった。実機プラントを想定した収率でも、プラント動力を差し引いて、50%が期待できる。メタノールの発熱量は、バイオマスの発熱量より高いので、発熱量基準で評価すると重量50%収率は熱量60%の収率に相当する。
この新しいガス化法では、原料を微粉砕するので、木本類だけではなく、草本類も原料となる。無論、発酵のように糖分や澱粉質にこだわることもない。
ここで得られるガスの組成は、バイオマスの炭素分に対するガス化剤中の酸素とのモル比[O2]/[C]によって大きく変化し、[O2]/[C]=1.0の完全燃焼では当然CO2のみとなる。[O2]/[C]が小さくなるに従って、H2およびCO組成が大きくなり、メタノール収率も高くなる。[O2]/[C]=0の場合にメタノール収率は最大になるが、この場合、ガス化炉の温度場を維持するための熱は、すべて外部からの加熱となる。
本発明のメタノール製造装置は、原料バイオマス当たりのメタノールの収量を向上させるために、バイオマス以外の再生可能型エネルギーの動力によって水を電気分解して得られた水素をメタノール合成原料ガスに補填することを特徴とする。
上記構成によれば、再生可能エネルギーの利用という本発明の基本的な目的を損なうことなく、補填した水素によって、合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素を最大限にメタノールへ転換することができる。
本発明のメタノール製造装置は、原料バイオマス当たりのメタノールの収量を向上させるために、バイオマス以外の再生可能型エネルギーの動力によって水を電気分解して得られた水素をメタノール合成原料ガスに補填するとともに、該バイオマスから得られる合成ガスは水素、一酸化炭素に加え、二酸化炭素も含むことを特徴とする。
上記構成により、メタノール合成の原料になり得る二酸化炭素をさらにある程度増やすことが可能になり、バイオマス当たりのメタノール収率をさらに上げることができる。ただし、この場合、メタノール反応器の触媒は後述するように二酸化炭素を原料として合成反応に利用できる触媒を用いる。
本発明によれば、反応器を複数個直列に配置することによって、低圧操作にも拘わらず液体燃料ガスの合成収率が高く、メタノール合成反応の温度維持と冷却に係わる装置を簡素化することによって複数の反応器にもかかわらず装置の複雑化を防ぎ装置の実用性を高める効果がある。
本発明のバイオマスのガス化反応装置により、液体燃料ガス合成に適合した合成ガスを得ることができ、このことにより、液体燃料の収率を高め装置全体の運転上の安定性・信頼性を高める効果がある。さらにまた、自然エネルギーによる水の電気分解によって得た水素ガスを合成ガスに加えて液体燃料ガス合成に使用することによって、得られる合成ガスが一酸化炭素および二酸化炭素の含有量を増加させる効果がある。
本発明の第1の実施形態に係る多段式基礎実験に係る燃料ガス合成装置の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る多段式基礎実験装置のメタノール転換率を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る燃料ガス合成装置の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るプロセスフローの概略を示す。 本発明の第3の実施形態に係る、ガス化反応装置全体の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る、ガス化反応装置の構成要素である高温熱ガス発生装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る、ガス化反応装置の構成要素であるバイオマスガス化反応装置の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る、ガス化反応装置のガス化反応温度900℃における合成ガス組成比率を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る、ガス化反応装置全体の構成図である。
符号の説明
1 液体燃料合成装置
2 反応器
3 冷却器
4 合成ガス供給管
5 反応ガス導出管
6 液体燃料回収管
7 温度調整手段
8 恒温室
101 高温熱ガス発生装置
102 燃焼炉
103 火格子
106 1次空気
107 2次空気
108 3次空気
109 高温燃焼ガス
201 ガス化反応装置
202 1次ガス化反応室
203 2次ガス化反応管
205 バイオマス供給ホッパー
206 粗粉併走ガス供給ライン
303 ガス化剤供給ライン
A 合成原料ガス供給ライン
B 高温燃焼ガス供給ライン
以下、図面に基づき本発明を具体的に説明する。なお、実施形態においては、液体燃料がメタノールである場合を一例として説明する。
図1は本発明による第1の実施形態である多段式の液体燃料合成基礎実験装置の概略図を示す。液体燃料合成装置は、複数の反応器2を一般的には3段から10段で構成している。本図の例では5段で構成される。これらはガス流れに対して直列に配列されている。
反応器2の上流側には合成ガス供給管4が接続され、下流側には反応ガス導出管5が接続されて冷却器3と連接されている。液体燃料の合成原料である合成ガスは、合成ガス供給管4から反応器2に供給される。なお、最上流の反応器2には、合成原料ガス供給ラインAが連接して合成ガスが供給される。液体燃料を合成する反応器2には、メタノール合成の場合、一般には銅、亜鉛系のメタノール合成用触媒が充填されるが、二酸化炭素をメタノールとするためには銅・亜鉛・アルミニウム・ゲルマニウム・マンガン系触媒が好ましい。合成反応は発熱反応であるが、反応器2の容器表面からの熱放散によって反応温度は150から300℃に維持される。反応ガスはメタノールを蒸気として含んでいて反応ガス導出管5から冷却器3へ送られる反応ガスを冷却器3で冷却することにより、含まれているメタノール蒸気を液体のメタノールとし、液体燃料回収管6からメタノールとして取り出す。50は冷却水の供給ラインであり、と51は排出ラインである。
このメタノール蒸気が除去され化学平衡上、更に反応可能となった合成ガスは次段の反応器2へ導かれ、前段の反応器2で行なわれたと同様の操作が行なわれ、更に同様の工程が多段に繰り返される。供給された合成ガスは、最終的には、未反応ガスの排出ライン52から反応器外に排出される。
次に、本発明の有用性を示す実験1を実施した。ガス化は、内径50mm、長さ900mmのステンレス製のガス化反応管を用い、反応管上部から、スギを粉砕して粒径を約1mmとしたスギ木粉を2g/分で供給し、ガス化剤としては水蒸気を8g/分で供給した。ガス化の反応温度は、反応管の外側からの電気加熱によって1,000℃に保持した。また合成ガスの浄化(クリーンアップ)は、0.1規定の苛性ソーダ液中をバブリングさせることによって行った。このガス化操作を連続して1時間実施し、合成ガスは常温でガスタンクに貯蔵した。タンク内のガス組成(体積%)は乾ガス基準で下記の通りであった。
2 51.3、CO 35.7、CO2 7.3、 CH4 3.1、 C2+ 2.6
ここで、C2+はエチレン、エタンなどの一分子中に炭素を2個以上含むものを示す。
このガスをメタノール合成用原料として、第1の実施形態によるメタノール合成試験装置に導入した。反応管はステンレス製の耐圧反応管であり、内径67mm、高さ220mmを5段にしている。各反応管には金属製の籠を設け、そこに、銅・亜鉛系の触媒を350ccずつ充填した。供給ガス流量は2Nl/分とした。ガス流れは図1と同様の下降流であり、各段の出口には反応後のガスを冷却しメタノールを液体として回収する溜めを装備している。反応圧力は0.9MPa、反応温度は5段とも200〜220℃となるように反応管外側に巻いた加熱用ヒータで調節した。なお、反応温度はふつう150℃から300℃の範囲の中で設定する。
試験は60分間実施した。その結果、粗メタノール中のメタノール量として、17.2g、即ちこのような低圧にもかかわらず、40%の高収率(メタノール合成装置への供給水素量基準)で得ることができた。
次に、比較例として、冷却水供給を停止し、各段でのメタノール蒸気の液体化、回収を行わず、最終段出口のガスのみを冷却する方式での実験を行ったところ、メタノールの収量は、60分で4.8gにすぎず、これによって本発明の有用性を確認することができた。
以上の実験結果をメタノール変換率で整理すると図2のようになる。図2には多段式でメタノールを合成した場合の性能Bと、冷却器に冷却水を流さず冷却機能のない一段抽出の場合の性能Cを比較してある。一段抽出Cが平衡転換率曲線Aの下方性能であるのに対し、多段抽出Bはこの曲線Aをはるかに上回っている。即ち、小型装置に適した低圧力の操作でも、化学平衡関係の調整により、より多くのメタノールを得ることができることがわかった。
次に、水力、風力など自然エネルギーによる水電解水素製造装置を付加することの有用性を確認するため、実験2を実施した。この実験2では、水電解からの水素ガスを模擬して、購入したボンベの水素ガスを、上記実験1の供給ガスに0.4Nl/分の量で追加供給し、H2/COのモル比をメタノール合成に最適な2.0に調整した。他は実験1と同様のシステム、装置である。その結果、60分間で想定どおり、24.1g、即ち、実験例1の約40%増のメタノールを得ることができた。この場合のメタノール合成触媒には銅・亜鉛・アルミニウム・ゲルマニウム・マンガン系触媒を使用した。
ここで、合成ガスのみの場合とこれに水素を補填混合させた場合のメタノール収率のちがいを示しておく。合成ガスの組成vol%を例で算出する。このとき、バイオマス略式分子式をC1.3H2O0.9とし、メタノール変換率は80%とする。
合成ガス組成
2:50%、CO:20%、CH4:10%、C24:1%、CO2:14%、N2:5%
通常、CO2はメタノール合成の主要な原料とはならないが、触媒(例えば銅・亜鉛・アルミニウム・ゲルマニウム・マンガン系)によってはこれも原料となし得る。反応式で示せば、
CO+2H2 → CH3OH
CO2+3H2 → CH3OH+H2
それぞれの場合のメタノール重量収率Rは次のような計算で求まる。
水素補填のない場合:
R=0.8×(CO)×1.3(C)/〔(CO)+(CH4)+2(C24)+(CO2)〕
=0.8×20×1.3/〔(20+10+2+14)〕=0.452
となる。
すなわち、バイオマス1kgから0.45kgのメタノールが得られることになる。
次に水素補填を行った場合:
R=0.8×1.3(C)〔CO+CO2〕/〔(CO)+(CH4)+2(C24)+(CO2)〕
=0.8×1.3×〔20+14〕/〔(20+10+2+14)〕=0.768
となる。
すなわち、バイオマス1kgから0.77kgのメタノールが得られることになる。
次に、本発明の主要な役割をなす液体燃料合成装置の第2の実施形態を図3に示す。液体燃料合成装置は、触媒を内蔵したステンレス製の反応器2と、合成された液体燃料ガスを冷却して液体メタノールを抽出する冷却器3と、さらに液体メタノールを回収したあとの未反応ガス成分を含む合成ガスを合成に適した反応温度まで熱交換によって調整する温度調整手段7とからなり、これらがガスの流れに沿って直列に多段で構成され、温度調整手段7と反応器2は、断熱材によって囲まれた断熱構造の恒温室8に収納されている。一方、冷却器3は恒温室8の下部に位置する冷却槽53の内部におさめられている。
本例は恒温室と冷却槽が上下段の配置となっているが、この両者についても平面配置が利便性に適していれば隣どうしに配置してもよい。
恒温室8は空気と燃焼ガスを用いた恒温室温度調整器54によって150〜300℃の適正温度に設定される。55は空気の供給ライン、56は燃焼ガスの供給ライン、57は空気と燃焼ガスの排出ラインである。一方、冷却槽53はメタノールの常圧液化温度60℃以下に冷却水によって保持される。符号58はその冷却水の供給ライン、符号59は排出ラインである。
メタノールの原料となる合成ガスは合成原料ガス供給ラインAを介してガス化反応装置(図示せず)から供給され、恒温室8内の温度調整手段7によって所定温度に加温されたあと反応器2に入り、触媒の作用によってメタノールガスが合成される。メタノールガスと未反応の合成ガスは反応ガス導出管5から冷却器3に送られて、メタノールガスのみが液化によって抽出され液体燃料回収管6から回収される。一方、未反応の合成ガスは合成ガス供給管4を介して次段の温度調整手段7に送られ、さらに反応器2に送られる。符号60は未反応の合成ガスの出口ラインである。
図4は、本発明を実施するための第施の形態に係るプロセスフローの概略を示す。図4で、まず固体状のバイオマスをガス化して気体状とする。バイオマスとしては種々のものを用いることができる。例えば木材、建築廃材、樹皮、稲わら、バガスのような農産廃棄物、厨芥など、主成分として多くの場合、セルロースを含んでいるが、特に限定されるものではない。また、ガス化剤としては水蒸気、空気、酸素などが一般に用いられる。
205は原料であるバイオマスの供給ライン、303はガス化剤供給ラインである。ガス化剤は、後述するように、水蒸気及び二酸化炭素等を用いることができ、二酸化炭素はバイオマスの分解、ガス化を補助する助剤でもある。101と201はそれぞれ高温熱ガス発生装置とガス化反応装置であるが、バイオマスをガス化する方式として、例えば、固定床式、流動床式など公知の手法を用いることができる。
ガス化により、メタノール合成の原料となる水素、一酸化炭素のほか、メタン、エチレン、エタンのような有価な炭化水素及び二酸化炭素が生成する。またこの他に、微量成分として、硫化水素、硫化カルボニルなどの硫黄化合物、アンモニア、シアン化水素などの窒素化合物が生成する。特に硫黄化合物はメタノール合成触媒に対して毒性を示すので、必要に応じて公知の吸収液ないし吸着剤を用いて除去する。400はそのためのクリーンアップ装置である。
こうして得られたガスはガスタンク406に一旦貯蔵され、メタノール製造用の原料となる。一旦貯蔵された後、合成ガスは加圧ポンプ405によって0.5〜5MPaに加圧され液体燃料合成装置1に導かれる。6は液体炭化水素回収管、414は未反応ガスのガスタンクへの循環ラインである。このガス中には未反応の水素、一酸化炭素のほか、メタン、エチレンなどの炭化水素、また二酸化炭素などが含まれるので、ガスエンジンなどの燃料に供することもできる。また、メタノール製造のみが目的になる場合は、更に水蒸気改質法により水素と一酸化炭素に転換し、さらに、水素と一酸化炭素との比がメタノール合成に適した範囲を逸脱してきたときはシフト反応器でその比を調整する等、化学工業で一般的に用いられる手法で処理することもある。
次に、図5は、本発明を実施するための第3の形態に係る液体燃料製造装置全体の構成例を示す。
すなわち、液体燃料製造装置は、バイオマス供給ホッパー205と、ガス化反応装置201と、液体燃料合成装置1とからなる。ガス化反応装置201は、2次ガス化反応管203及び2次ガス化反応管203に連接するガス化剤供給ライン303を有する1次ガス化反応室202とを内部に配置している。液体燃料合成装置1は、前述したように複数の反応器2(図5では図示せず)と、複数の冷却器3(図5では図示せず)とが直列に配置されてなる。反応器2及び冷却器3は、合成ガス供給管4(図5では図示せず)と反応ガス導出管5(図5では図示せず)とを介してお互いが連結され、冷却器3(図5では図示せず)には液体燃料回収管6(図5では図示せず)が設けられている。
バイオマス供給ホッパー205は、1次ガス化反応室202にバイオマス供給ライン204を介してガス化反応装置201と連結されている。ガス化反応装置201は、合成原料ガス供給ラインAを介して液体燃料合成装置1に連結されている。バイオマス供給ライン204は、ベルトコンベヤやスクリューフィーダ等の移送手段からなる。
本装置では、バイオマス破砕燃料を高温熱ガス発生装置101で発生させた900℃を超えるクリーンな高温燃焼ガス109がガス化反応装置201へ送られ、ガス化反応装置201内の1次ガス化反応室202とこれに連結されている2次ガス化反応管203を外壁面から加熱する。
また、この例では1次ガス化反応室202へは、排ガス215を活用し廃熱ボイラ301で発生させた過熱水蒸気を底部から供給し、上部からは、粗粉砕バイオマスをバイオマス供給ライン204から供給する。1次ガス化反応室202の内部では粗粉砕バイオマスとガス化剤としての過熱水蒸気とがガス化反応室壁から、ふく射熱を化学反応熱として吸収し、過熱水蒸気改質反応と併せたガス化が行われる。このとき、触媒は使用しない。
1次ガス化反応室202で生成した合成ガスは含まれているタール・すすのガス化反応をさらに進めるため、2次ガス化反応管203へ送られた後、合成ガスとして燃料ガスタンク404へ送られ一次的に貯蔵される。燃料ガスタンク404と間に、廃熱回収の熱交換器401、灰・すすの除去用のサイクロン402、残分水蒸気除去用の水スプレ・スクラバー403、加圧ポンプ405が設けられている。
図6は高温熱ガス発生装置101の概略図を示したものである。燃焼炉102はシャフト炉形式の固定床で燃焼炉下部に火格子103が設けてある。燃料となるバイオマスは10cm程度のチップを適性形状とし、これを燃焼炉102の頂部より落下投入する。
燃焼用空気は上部より1次空気106、火格子103近傍より2次空気、火格子103の下部より3次空気108を供給する。燃焼炉102内の空気または燃焼ガスの流れは、排出される高温燃焼ガス109が後流部の誘引通風機によって煙突へ誘引されていることから、下向流となっている。この方式によって、燃焼炉内の燃焼は火格子103の上部近傍で最高燃焼温度に達し、幾らかの可燃ガスを含んだ燃焼ガスが火格子下の炉底燃焼室111において、3次空気によってクリーンにかつ完全燃焼を達成する。
このとき発生する高温燃焼ガス109のガス性状のクリーン度を次の例で示す。
酸素(O2) 4.2%
二酸化炭素(CO2) 14.6%
塩化水素(HCl) 430ppm
硫化水素(H2S) 120ppm
炭化水素(CmHn) 0%
一酸化炭素(CO) 0%
ダイオキシン 検出限界以下
燃焼温度 1220℃
また、高温熱ガス発生装置101には高温燃焼ガス109によって燃焼用空気、106、107、108を最大450℃まで加熱することができる空気予熱器110が設けられており、60%の含水バイオマスチップでも容易に燃焼できる機能を有している。また火格子103において燃焼が1300℃を超える高温となるため、この耐熱構造として、火格子103は2次空気107の一部または全部を火格子金物の内部を冷却したあと多数の2次空気噴口104より燃焼用空気として噴出される特徴をもっている。
図7はガス化反応装置201の概略図を示したものである。ガス化反応装置201の外壁の内面は断熱材211で囲われている。内部には、1次ガス化反応室202とこれに連結された2次ガス化反応管203が設けられており、1次ガス化反応室202へはバイオマス供給ホッパー205より粗粉砕バイオマスがバイオマス供給ライン204(この例ではスクリューフィーダ)によって上部より落下供給される。一方、1次ガス化反応室202の底部より、廃熱ボイラ301で得られた過熱水蒸気がバイオマスのガス化剤213として供給される。また、ガス化反応装置201内へは高温燃焼ガス供給ラインBを介して高温燃焼ガス109が導入され、1次ガス化反応室202と2次ガス化反応管203を加熱する。
1次ガス化反応室202では粗粉砕バイオマスとガス化剤213が反応室壁から熱ふく射によって化学反応を起こし、H2、CO、CH4、C24、CO2などの合成ガス207を生成する。
1次ガス化反応室202内の下部中間位置にセラミックスフォーム材またはパンチング銅板材などによる多孔板210が設けられており、粗粉砕バイオマス中の略3mm以上の粗粒は該多孔板上に止まって長秒時間でガス化反応が進む。1次ガス化反応室202でガス化された合成ガスは若干のすす・タールを残すことがあるため、2次ガス化反応管203に送られ、すす・タールの残分をガス化剤によって再分解・ガス化され、クリーンな合成ガスに仕上げられて、燃料ガスとして利用に供する。
図8は本発明を実施するための第3の形態に関して、バイオマスガス化装置におけるバイオマスの微粒バイオマスの浮遊ガス化と粗粉バイオマスの多孔板210上ガス化による合成ガス組成を比較したものである。下段のグラフは合成ガスの炭化ガス組成を100%として表示してある。ここで、エチレン(C24)は炭素2原子分子であるため組成%を2倍して、合計炭素ガスを100%とした。
上段のグラフは発生した水素(H2)を炭化ガス100%に対する比率で%表示したものである。いずれも反応室温度900℃の条件で行った。
ここで、上段の水素(H2)量は、バイオマス例えばC1.320.9の水素分のほか、バイオマスガス化成分である炭化水素ガスと水蒸気との反応によって発生する。
例えば、
24+4H2O→2CO2+6H2
したがって、上段の水素量が大きいほどガス化反応が進んでいると見なすことができる。
図8より、0.1、0.6、2.0mmバイオマス粒子のガス化剤中に浮遊したガス化反応では粒子が小さいほどガス化し易く、粒子が大きくなるとガス化反応が進みにくいことが判る。ここで、10mmクラスのバイオマスであっても多孔板上に停止状態でガス化させることによって、浮遊ガス化以上のガス化反応を行わせることができる。ただし、微粒の浮遊の浮遊ガス化反応が略1秒以下であるのに対し、多孔板上粗粉は数分の反応時間を要する。
図9は、図5の実施態様に変更を加えたものである。1次ガス化反応室202から侵入してくる水蒸気が結露してガス化反応の余分な負担にならないように、バイオマス供給ホッパー205に粗粉併走ガス供給ライン206を連接している。粗粉伴走ガスは窒素ガス、二酸化炭素、空気またはそれらの混合物等からから選ばれるものであればよく、バイオマスに対し、重量比として、二酸化炭素の場合2〜15%、窒素の場合2〜10%、空気の場合2〜5%程度を併走供給させれば、1次ガス化反応室202に供給される水蒸気がバイオマス供給ホッパー205へ侵入するのを防ぎ、バイオマス供給ホッパー205中のバイオマスの加湿を防止することができる。したがってガス化反応装置201での熱エネルギーのロスを少なくし、ガス化効率を高めることができる。粗粉併走ガスの選択は、生成ガスの用途を考慮して行えば良い。例えば、生成ガスをメタノール合成に用いる場合は二酸化炭素が有利である。また併走ガスへの適量の窒素混入は、水蒸気を減らせる効果があり、水のエンタルピーを反応温度の過熱水蒸気エンタルピーまで加熱する熱量の大きさを考慮すると、発熱量の高さを優先するガスエンジン燃料用途には窒素ガスを用いるのが好ましい。このとき、窒素ガスの入手性とコスト上の理由で空気を用いることも選択肢になる。
また、1次ガス化反応室202の外部空間と2次ガス化反応管203の外部空間の間に高温燃焼ガス109の通気が可能で、1次ガス化反応室202と2次ガス化反応管203の間の熱輻射を遮断できるように耐熱の隔壁212を設けている。隔壁212により、高温燃焼ガス109を、より高温が要求される1次ガス化反応室202に優先的に供給することができる。
さらに、ガス化剤として水蒸気に加えてガス化代替ガス(二酸化炭素)308をガス化剤供給ライン303から供給している。すなわち、廃熱ボイラ301によって得られた過熱水蒸気に二酸化炭素からなるガス化剤代替ガス308を混合させたガス化剤がガス化剤供給ライン303を介して1次ガス化反応室202の底部へ供給される。二酸化炭素は、高温においてある程度ガス化剤としての機能を持つが、合成ガスの二酸化炭素成分は増える。合成ガスをメタノールの合成に供する場合、合成ガス中の二酸化炭素は水素と結合してメタノールを生成するので、とくに水素が自然エネルギーによる水の電気分解などから供給可能な場合、この二酸化炭素の供給によってメタノール合成の生産量が大幅に増強されるという効果がある。
本発明は、今後想定される持続可能社会の基盤となる再生可能エネルギーのうち、量的な観点から最も有望と想定されるバイオマスの利用に道を開くものであり、日本のみならず海外においても広く利用されうる技術である。また、本発明は、食料と競合関係のない樹木と草をガス化してメタノールを工業的に製造可能ならしめるものであり、得られたメタノールはバイオマス由来のメタノール燃料として、さらに転換してバイオディーゼル燃料として、あるいは、その他化学原料としてきわめて広い産業上の利用可能性を有するものである。

Claims (15)

  1. バイオマスのガス化によって得られた水素と一酸化炭素を含む合成ガスから液体燃料を製造する方法であって、
    上記合成ガスを0.5〜5MPaの加圧下で触媒と接触させて液体燃料ガスを合成する第一の工程と、
    上記液体燃料ガスを液化して回収し、未反応の合成ガスを分離する第二の工程と、
    未反応の合成ガスを0.5〜5MPaの加圧下で再度触媒と接触させて液体燃料ガスを合成し、得られた液体燃料ガスを液化して回収し、未反応の合成ガスを分離する第三の工程と、
    上記第三の工程を繰り返す第4の工程と、を含む、液体燃料の製造方法。
  2. 前記液体燃料がメタノールである、請求の範囲1記載の液体燃料の製造方法。
  3. 前記液体燃料が液体炭化水素である、請求の範囲1記載の液体燃料の製造方法。
  4. 複数の反応器と複数の冷却器とが直列に配置されてなり、
    上記反応器及び上記冷却器は、合成ガス供給管と反応ガス導出管とを介して互いに連結され、
    上記冷却器には液体燃料回収管が設けられている、液体燃料合成装置。
  5. 前記反応器の合成ガス供給管の入口側には温度調整手段が設けられている、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  6. 前記反応器は温度調節可能な恒温室に並置されている、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  7. 前記反応器は、合成ガスの合成反応によって発生する反応熱を周辺の雰囲気へ熱交換することによって内部の温度を適温に維持する、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  8. 前記合成反応によって発生する反応熱を周辺の雰囲気へ熱交換することによって、内部の温度を適温に維持する反応器を恒温室に並置する、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  9. 前記合成ガス供給管の入口には温度調整手段が設けられ、且つ合成反応によって発生する反応熱を周辺の雰囲気へ熱交換することによって、内部の温度を適温に維持する前記反応器を恒温室に並置する、請求の範囲7又は8記載の液体燃料合成装置。
  10. 前記冷却器は所定温度以下の気体または液体と熱交換する、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  11. 前記冷却器は所定温度以下の冷却水で満たされた冷却槽内に収められた、請求の範囲4記載の液体燃料合成装置。
  12. 前記液体燃料がメタノールである、請求の範囲4〜11のいずれかに記載の液体燃料合成装置。
  13. 前記液体燃料が液体炭化水素である、請求の範囲4〜11のいずれかに記載の液体燃料合成装置。
  14. バイオマス供給ホッパーと、ガス化反応装置と、液体燃料合成装置とからなり、
    上記ガス化反応装置は、2次ガス化反応管及び該2次ガス化反応管に連接するガス化剤供給ラインを有する1次ガス化反応室を内部に配置しており、
    上記液体燃料合成装置は、複数の反応器と複数の冷却器とが直列に配置されてなり、上記反応器及び上記冷却器は、合成ガス供給管と反応ガス導出管とを介して互いに連結され、上記冷却器には液体燃料回収管が設けられていて、
    上記バイオマス供給ホッパーは、上記1次ガス化反応室にバイオマス供給ラインを介してガス化反応装置と連結されており、
    上記ガス化反応装置は、合成原料ガス供給ラインを介して上記液体燃料合成装置と連結されている、液体燃料製造装置。
  15. 前記バイオマス供給ホッパーに粗粉併走ガス供給ラインを併設した、請求の範囲14に記載の液体燃料製造装置。
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