JP2016132644A - 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法 - Google Patents

炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016132644A
JP2016132644A JP2015009092A JP2015009092A JP2016132644A JP 2016132644 A JP2016132644 A JP 2016132644A JP 2015009092 A JP2015009092 A JP 2015009092A JP 2015009092 A JP2015009092 A JP 2015009092A JP 2016132644 A JP2016132644 A JP 2016132644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
hydrocarbon
reactor
carbon dioxide
liquid separator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015009092A
Other languages
English (en)
Inventor
淳 奥田
Atsushi Okuda
淳 奥田
理 牧野
Osamu Makino
理 牧野
雄哉 赤木
Yuya Akagi
雄哉 赤木
後藤 晋
Susumu Goto
晋 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Iwatani International Corp
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Iwatani International Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Iwatani International Corp filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2015009092A priority Critical patent/JP2016132644A/ja
Publication of JP2016132644A publication Critical patent/JP2016132644A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能な炭化水素製造装置を提供する。
【解決手段】炭化水素製造装置1は、炭化水素合成触媒Aが充填され、原料ガスSが供給され、当該原料ガスSを炭化水素C及び水Wに変換する第一の反応器10と、前記第一の反応器10から排出された排出ガスE1に気液分離処理を行い、前記変換された炭化水素C及び水Wと未反応ガスN1とを分離する第一の気液分離器11と、前記炭化水素合成触媒Aが充填され、前記第一の気液分離器11から排出される未反応ガスN1が供給され、当該未反応ガスN1を炭化水素C及び水Wに変換する第二の反応器12と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法に関する。
従来より、一酸化炭素(CO)と水素(H)とからなる合成ガスを所定の触媒で反応させることで、高分子量炭化水素を製造するフィッシャー・トロプシュ合成方法が知られている。
近年、フィッシャー・トロプシュ合成反応に代わって、二酸化炭素(CO)と水素(H)とからなる混合ガスから炭化水素を合成する新規合成方法の研究が進んでいる。例えば、特開平2−73023号公報(特許文献1)には、CO及びHを含む供給物流からのオレフィンの製造法が開示されている。この製造法では、Fe及びFeOと親近構造の結晶構造を有する炭化鉄を含む触媒と供給物流を接触させる工程を含んでいる。これにより、供給物組成の広範囲にわたって、C+オレフィン系炭化水素の生成に対して高度に選択的とすることが出来るとしている。
又、特表平10−511731号公報(特許文献2)には、触媒を用いて二酸化炭素の水素化により炭化水素を調製する炭化水素調製方法が開示されている。この方法では、前記触媒が還元および活性化により前処理したFe−K/Alであることを特徴とする。これにより、二酸化炭素の転換率が高くC+炭化水素への選択率が極めて高いので、二酸化炭素からC+炭化水素を調製することが出来るとしている。
又、Catal Surv Asia(2008) 12、pp170−183(非特許文献1)には、FeとCuとKとを組み合わせることで、二酸化炭素ガスと水素ガスとを炭化水素に変換する技術が記載されている。
特開平2−73023号公報 特表平10−511731号公報
Catal Surv Asia(2008) 12、pp170−183
しかしながら、新規合成方法では、二酸化炭素と水素とからなる混合ガスを、触媒を含む1台の反応器に一回通すことで、炭化水素を得ることが出来るが、一回の反応では、未反応原料の二酸化炭素と水素が排出ガスに多量に残存し、二酸化炭素転換率が低いという問題がある。このような問題に対して、特許文献1、2、非特許文献1に記載の技術では解決することが出来ない。
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能な炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る炭化水素製造装置は、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置であって、以下の構成を採用する。即ち、本発明は、第一の反応器と、第一の気液分離器と、第二の反応器と、を含む。第一の反応器は、炭化水素合成触媒が充填され、原料ガスが供給され、当該原料ガスを炭化水素及び水に変換する。第一の気液分離器は、前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、前記変換された炭化水素及び水と未反応ガスとを分離する。第二の反応器は、前記炭化水素合成触媒が充填され、前記第一の気液分離器から排出される未反応ガスが供給され、当該未反応ガスを炭化水素及び水に変換する。
本発明は、前記第一の反応器と前記第一の気液分離器とをこの順番で配置したユニットを一つの単位として、所定数のユニットを直列に接続する。
又、本発明は、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置の炭化水素製造方法であって、以下の構成を採用する。本発明は、第一のステップと、第二のステップと、第三のステップと、を含む。第一のステップは、炭化水素合成触媒が充填された第一の反応器で、供給される原料ガスを炭化水素に変換する。第二のステップは、気液分離器で、前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、未反応ガスを排出する。第三のステップは、前記炭化水素合成触媒が充填された第二の反応器で、前記気液分離器から排出される未反応ガスを炭化水素に変換する。
本発明に係る炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法によれば、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る炭化水素製造装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る所定数のユニットを接続した炭化水素製造装置の概略図である。 比較例1に係る炭化水素製造装置の概略図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<炭化水素製造装置>
本発明は、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置1であって、図1に示すように、第一の反応器10と、第一の気液分離器11と、第二の反応器12と、を備える。第一の反応器10は、水素ボンベ13aと二酸化炭素ボンベ13bからそれぞれ流量調整器13c、13eと減圧弁13d、13fとを介して、水素と二酸化炭素よりなる原料ガスSが供給される。第一の反応器10には、後述する炭化水素合成触媒Aが充填されており、前記原料ガスSを炭化水素C及び水Wに変換するようになっている。第一の気液分離器11は、前記第一の反応器10から排出された排出ガスE1に気液分離処理を行い、前記変換された炭化水素C及び水Wと未反応ガスN1とを分離する。第二の反応器12は、前記炭化水素合成触媒Aが充填され、前記第一の気液分離器11から排出される未反応ガスN1が供給され、当該未反応ガスN1を炭化水素C及び水Wに変換する。これにより、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能となる。
即ち、第一の反応器10における原料ガスSの変換では、未反応の水素ガス及び二酸化炭素ガスが多量に排出される。そのため、この排出された水素ガス及び二酸化炭素ガスを第二の反応器12へ流すことで、未反応ガスを有効利用して、炭化水素の変換量を増加させる。
ここで、水素ガスと二酸化炭素から炭化水素Cと水Wを合成する合成反応は平衡反応に対応するため、既に合成された炭化水素Cと水Wとを含む排出ガスE1をそのまま第二の反応器12へ流しても、炭化水素の合成反応が十分に進まない。
そこで、本発明では、第一の反応器10で合成された炭化水素Cと水Wを第一の気液分離器11で分離回収するとともに、第一の気液分離器11から排出される主に未反応の水素ガスと二酸化炭素とで構成される未反応ガスN1を第二の反応器12へ流すことで、未反応ガスN1における炭化水素Cの合成反応を促進させ、全体としての二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが出来るのである。
ここで、第一の反応器10に原料ガスSを送り込む構成に特に限定は無いが、例えば、以下の構成が採用される。先ず、原料ガスSを第一の反応器10に送り込む原料供給部13が設けられ、この原料供給部13は、原料ガスSの構成成分である水素ガスボンベ13aと、二酸化炭素ガスボンベ13bとを、それぞれ流量調整器13c、13eと減圧弁13d、13fとを介して備えている。前記流量調整器13c、13eと減圧弁13d、13fとを適宜調整することで、原料ガスS内の成分比率や圧力を変更することが出来る。
又、原料ガスSのガス組成の物質量比率に特に限定はないが、例えば、平衡反応を考慮すると、水素ガス:二酸化炭素ガス=4:1の物質量比率が好ましい。これにより、水素ガス及び二酸化炭素ガスを効率よく炭化水素及び水に変換することが可能となる。
又、第一の反応器10に送り込む原料ガスSの圧力(MPa)は、1.0MPa以上であれば、特に限定は無いが、例えば、2.0MPa以上であると好ましく、2.5MPa以上であると更に好ましい。これにより、原料ガスSを炭化水素合成触媒Aの活性点に接触し易くするため、二酸化炭素転換率を更に向上させることが可能となる。
又、第一の反応器10に送り込む原料ガスSの空間速度(1/h)に特に限定は無いが、触媒Aの重量(g)、第一の反応器10及び第二の反応器12の容量(mL)に関係するものの、例えば、100(1/h)〜2000(1/h)の範囲内であると好ましく、500(1/h)〜1500(1/h)の範囲内であると更に好ましい。これにより、原料ガスSを炭化水素合成触媒Aに十分に接触させることが可能となり、二酸化炭素転換率を更に向上させることが可能となる。
又、第一の反応器10に送り込む原料ガスSの流量(mL/min)に特に限定は無いが、例えば、100(mL/min)〜2000(mL/min)の範囲内であると好ましく、500(mL/min)〜1500(mL/min)の範囲内であると更に好ましい。これにより、原料ガスSを炭化水素合成触媒Aに十分に接触させることが可能となり、二酸化炭素転換率を更に向上させることが可能となる。
又、第一の反応器10に充填される炭化水素合成触媒Aに特に限定は無いが、例えば、第一の金属としてFeと、第二の金属として、Cu、Zn、Mn、Ruからなる群から選択される1種類以上の第二の金属とを所定の触媒担持体に担持させることで得られる炭化水素合成触媒Aが採用される。又、炭化水素合成触媒Aは、炭化水素合成に相乗効果のあるアルカリ金属、例えば、Kの第三の金属を追加して担持させても構わない。
ここで、炭化水素合成触媒Aの金属組成は、例えば、第一の金属のFeと第二の金属のCuとの金属組成、第一の金属のFeと第二の金属のCuと第三の金属のKとの金属組成、第一の金属のFeと第二の金属のZnとの金属組成、第一の金属のFeと第二の金属のMnと第三の金属のRuとの金属組成等を採用することが出来る。
又、炭化水素合成触媒Aの金属組成の重量比率は、第二の金属の種類に応じて適宜変更される。例えば、第一の金属のFeに対して第二の金属のCuとの金属組成の場合は、Fe:Cu=1:20の重量比率とされる。又、第一の金属のFeに対して第二の金属のCuと第三の金属のKとを組み合わせた金属組成の場合は、Fe:Cu:K=8.9:3.1:1.0の重量比率とされる。又、第一の金属のFeに対して第二の金属のZnを組み合わせた金属組成の場合は、Fe:Zn=8.9:1.0の重量比率とされる。又、第一の金属のFeに対して第二の金属のMnと第三の金属のRuとを組み合わせた金属組成の場合は、Fe:Mn:Ru=2.5:2.5:2.5の重量比率とされる。
又、炭化水素合成触媒Aの触媒担持体は、例えば、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)、酸化チタン(TiO)等を採用することが出来る。又、触媒担持体の物性は、例えば、粒径(mm)が3.0mm〜5.0mmの範囲内であり、比表面積(m/g)が150m/g〜400m/gの範囲内である物性を採用することが出来る。又、見かけ密度(g/mL)が0.4g/mL〜0.8g/mLの範囲内の物性を採用することが出来る。
又、炭化水素合成触媒Aの製造方法に特に限定は無く、公知の方法を採用することが出来る。例えば、前記触媒担持体の単位重量当たりの細孔容積と、担持する担持金属の重量とから、当該担持金属の金属イオンの濃度を有する水溶液を予め調製する。そして、その水溶液に触媒担持体を含浸させて、その後、所定のるつぼに投入して、高温で焼結させる。最後に、当該焼結後の触媒担持体に水素ガスを晒して水素還元することで、本触媒を調製することが出来る。
又、第一の反応器10の構成に特に限定は無く、公知の構成を採用することが出来る。例えば、第一の反応器10は、所定の内径の細管10aを触媒充填用の容器とし、その細管10aの周囲に環状の電気炉10bを設置して、細管10aの内部の温度を調整出来るようにしている。
又、第一の反応器10の反応温度(度)は、炭化水素合成触媒Aの種類に応じて適宜変更されるものの、例えば、240度〜320度の範囲内を採用することが出来る。これにより、炭化水素合成触媒Aの活性点を十分に活性化させることが可能となり、二酸化炭素転換率を更に向上させることが可能となる。
又、第一の気液分離器11の構成に特に限定は無く、例えば、以下の構成が採用される。先ず、排出ガスE1に含まれる合成物(炭化水素C、水W)をサンプリングするためのサンプリング部11aと、気体状の排出ガスE1を液体化する気液分離部11bとが設けられる。この気液分離部11bは、比較的長い冷却器を有する高圧対応の気液分離器である。サンプリング部11aで、変換直後の合成物を採取することが出来る。又、気液分離部11bで、未反応ガスN1を分離し、合成物を液化した液体合成物(炭化水素C、水W)を得ることが出来る。
ここで、第一の気液分離器11の冷却温度に特に限定は無いが、少なくとも炭素数が5以上の炭化水素が液化する温度(液化冷却温度)に設定する。液化冷却温度は、炭素数が5〜15までの炭化水素が液化する温度が好ましく、炭素数が10〜15までの炭化水素が液化する温度が更に好ましい。具体的には、第一の反応器10の反応温度(度)を考慮すると、−10度〜10度の範囲内を採用することが出来る。これにより、排出ガスE1中の炭化水素C及び水Wを効率よく液化することが出来る。
又、第一の気液分離器11と第二の反応器12との間の構成に特に限定は無いが、例えば、排出される未反応ガスN1の圧力を上昇させる圧力調整部(図示しない)が更に設けられると好ましい。即ち、第一の気液分離器11から排出される未反応ガスN1は、第一の反応器10を介して圧力損失を受けるため、原料ガスSの圧力よりも低い場合がある。一方、炭化水素の合成反応速度は、合成時の圧力の大きさに大きく依存する。そこで、圧力調整部により、未反応ガスN1の圧力を前記圧力損失分だけ上昇させることで、第二の反応器12での二酸化炭素転換率を更に向上させることが出来る。
又、第二の反応器12の構成に特に限定は無く、第一の反応器10と同等の構成を採用することが出来る。又、第二の反応器12の下流の構成に特に限定は無いが、例えば、第一の反応器10の下流の構成と同様に、前記第二の反応器12から排出された排出ガスE2に気液分離処理を行い、前記変換された炭化水素C及び水Wと未反応ガスN2とを分離する第二の気液分離器14が更に設けられる。第二の気液分離器14は、第一の気液分離器11と同様に、サンプリング部14aと、気液分離部14bとを備えている。これにより、第二の反応器12で反応させた炭化水素C及び水Wを採取することが可能となる。
ここで、第二の気液分離器14の下流の構成に特に限定は無く、例えば、第二の気液分離器14から排出される未反応ガスN2の圧力が所定の閾値(設定圧力)以上になるとガスを下流に放出する背圧弁15が更に設けられる。これにより、第二の反応器12から排出ガスE2が排出されている間、第二の反応器12における未反応ガスN1の圧力が所定値以上にならないようガスの放出量を調整するので、設定圧力に保持することが可能となり、二酸化炭素転換率を更に向上させることが出来る。
又、背圧弁15の下流には、比較的短い冷却器を有する低圧対応の第三の気液分離器16が更に設けられ、未反応ガスN2中の炭化水素C及び水Wを漏れなく液化することが出来る。そして、第三の気液分離器16の下流には、ガスメーター17が更に設けられ、第三の気液分離器16から排出される未反応ガスN2の流量が測定され、当該未反応ガスN2が外部へ排出される。この未反応ガスN2には、未反応の水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、軽質ガス(炭素数が1〜4の炭化水素)が含まれる。
尚、各気液分離器11、14、16には、液化した液体炭化水素C及び水Wを溜める収集容器18がそれぞれ設けられ、これらに溜められた液体炭化水素CがFT合成油となる。ここで、変換された炭化水素の種類に特に限定はなく、例えば、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素等を挙げることが出来る。
このように、本発明に係る炭化水素製造装置1は、二つの反応器10、12を、気液分離器11を介して直列に接続しているため、一回の合成反応で変換しきれなかった未反応ガスを効率よく炭化水素に変換することが可能となる。
尚、上述では、二つの反応器10、12を直列に接続した場合を説明したが、これに限らず、複数の反応器を、気液分離器を介して直列に接続しても、本発明の作用効果を有する。本発明では、例えば、図2に示すように、第一の反応器20と第一の気液分離器21とをこの順番で配置したユニットを一つの単位として、所定数Nのユニットを直列に接続した構成を採用することが出来る。これにより、二酸化炭素転換率を飛躍的に向上させることが可能となる。
<炭化水素製造方法>
又、本発明は、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置の炭化水素製造方法を提供することが出来る。この炭化水素製造方法では、炭化水素合成触媒が充填された第一の反応器で、供給される原料ガスを炭化水素に変換する第一のステップと、気液分離器で、前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、未反応ガスを排出する第二のステップと、前記炭化水素合成触媒が充填された第二の反応器で、前記気液分離器から排出される未反応ガスを炭化水素に変換する第三のステップと、を含むことを特徴とする。これにより、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能となる。
<実施例、比較例等>
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明の適用が本実施例に限定されるものでない。
<実施例1>
実施例1の炭化水素製造装置は、図1に示す炭化水素製造装置を用いた。原料ガスSのガス組成の物質量比率は、水素ガス:二酸化炭素ガス=4:1とした。原料ガスSの圧力は3.0MPaとし、原料ガスSの空間速度は1000(1/h)とし、原料ガスSの流量は1000(mL/min)とした。又、炭化水素合成触媒Aの金属組成は、第一の金属のFeと第二の金属のCuとの金属組成とし、その重量比率は、Fe:Cu=1:20の重量比率とした。
実施例1の炭化水素製造装置1において、先ず、第一の反応器10及び第二の反応器12の細管(例えば、容積60mL)に、66.4gの炭化水素合成触媒Aを充填し、電気炉で400度まで加熱した。ここで、加熱の際に、水素ガスボンベ13aから水素ガスを、各反応器の細管に1時間ほど流しながら、前記炭化水素合成触媒Aの担持金属の還元処理を行った。これにより、当該炭化水素合成触媒Aに含まれる金属酸化物を金属に還元して、当該金属の活性化を図った。還元処理後に、電気炉10bを停止して、常温まで自然冷却した。
次に、水素ガスボンベ13aと二酸化炭素ガスボンベ13bとを開放し、目的の原料ガスの成分比率にして、所定の圧力(1MPaから3MPa)まで昇圧し、その後、昇温速度2度/min以下でゆっくりと290度まで昇温し、1時間以上保持して、第一の反応器10、第二の反応器12の内部のガスを目的の原料ガスSで十分に置換した。これにより、前記炭化水素合成触媒Aに目的の原料ガスSを接触させて反応させた。
その後、第一の反応器10の出口側のサンプリング部11a及び第二の反応器12の出口側のサンプリング部14aで合成物のサンプリングをそれぞれ行った。これらの合成物に含有される成分を、GC−TCD(ガスクロマトグラフィー−熱伝導度型検出器)を用いて、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガスの無機ガスと、炭素数が2以下の低級炭化水素とに分けて分析し、GC−FID(ガスクロマトグラフィー−水素炎イオン化型検出器)を用いて、炭素数が1から9までの炭化水素に分けて分析した。炭素数が1と2の炭化水素をGC−TCD、GC−FIDを用いて分析することで、GC間の分析精度の整合性を確認した。
尚、GC−TCD、GC−FIDの分析の際に合成物のサンプリングは、断熱材を巻き付けて150度まで加熱保温したシリンジを用いて、前記サンプリング部11a、14aにおいて合成物を保温状態で採取し、手際よくGC−TCD、GC−FIDに注入して分析した。これにより、沸点の低い炭化水素を液化させることなくガスとして採取した。
上述のGC−TCD、GC−FIDで得られたデータと、反応器10、12の上下流にそれぞれ設けられた流量計(図示しない)で得られたガス流量値と、下記の式とに基づいて、二酸化炭素転換率(%)を算出した。
先ず、二酸化炭素転換率(%)は、GC−TCD、GC−FIDのデータから、下記の式(1)に、反応器の入口側の二酸化炭素ガスの流量Fin(mL/min)と、出口側の二酸化炭素ガスの流量Fout(mL/min)とを代入することで算出した。
二酸化炭素転換率(%)=(Fin−Fout)/Fin×100 (1)
尚、実施例1では、第一の反応器10に対する二酸化炭素転換率(%)と第二の反応器12に対する二酸化炭素転換率(%)とをそれぞれ算出するとともに、第一の反応器10における入口側の二酸化炭素ガスの流量Fin(mL/min)と第二の反応器12における出口側の二酸化炭素ガスの流量Fout(mL/min)とを用いて、実施例1の炭化水素製造装置1全体の二酸化炭素転換率(%)を算出した。
<比較例1>
比較例1の炭化水素製造装置3は、図3に示す炭化水素製造装置を用いた。比較例1の炭化水素製造装置3は、第一の反応器10と第二の反応器12とを、第一の気液分離器11を設けることなく、直列に接続した装置である。そのため、比較例1における炭化水素合成触媒Aとの原料ガスSの接触時間(頻度)は、実施例1におけるそれと同等である。
第二の反応器12から排出される排出ガスE’を第一の気液分離器11で気液分離処理し、未反応ガスN’を、背圧弁15を介して、第三の気液分離器16に導入し、ガスメーター17を通って外部に放出される。
ここで、比較例1の原料ガスSのガス組成の物質量比率は、水素ガス:二酸化炭素ガス=4:1とし、原料ガスSの圧力は3.0MPaとし、原料ガスSの空間速度は1000(1/h)とし、原料ガスSの流量は1000(mL/min)とした。又、炭化水素合成触媒Aの金属組成は、第一の金属のFeと第二の金属のCuとの金属組成とし、その重量比率は、Fe:Cu=1:20の重量比率とした。又、第一の反応器10及び第二の反応器12の細管の容積は、例えば、60mLであり、各反応器の炭化水素合成触媒Aの重量は66.4gである。又、比較例1の炭化水素製造装置1での触媒反応方法は、実施例1のそれと同様である。又、比較例1の炭化水素製造装置1で変換された合成物は、実施例1と同様に、GC−TCD、GC−FIDで分析し、二酸化炭素転換率(%)を算出した。
<実施例2>
実施例2は、実施例1で用いた炭化水素合成触媒Aを交換したこと以外は、同様の条件で炭化水素製造を実施し、二酸化炭素転換率(%)を算出した。
ここで、実施例2で用いた炭化水素合成触媒Aは、実施例1の炭化水素合成触媒Aの金属組成、重量比率と同じ金属組成、重量比率を採用し、炭化水素合成触媒Aの製造装置を異にして得られたものである。
<比較例2>
比較例2は、比較例1で用いた炭化水素合成触媒Aを交換したこと以外は、同様の条件で炭化水素製造を実施し、二酸化炭素転換率(%)を算出した。
尚、比較例2で用いた炭化水素合成触媒Aは、実施例2で用いた炭化水素合成触媒Aと同等である。
<実験結果>
表1に示すように、実施例1、2、比較例1、2における原料ガスの組成(mL/min)、排出ガスの組成(mL/min)、二酸化炭素転換率(%)をまとめた。又、実施例1、2は、1段目(第一の反応器10)と2段目(第二の反応器12)を合算した二酸化炭素転換率(%)を示した。
Figure 2016132644
表1に示すように、実施例1の1段目の二酸化炭素転換率(%)は49.76%であり、2段目の二酸化炭素転換率(%)は59.30%であり、合算の二酸化炭素転換率(%)は78.74%であった。一方、比較例1の二酸化炭素転換率(%)は60.25%であった。又、実施例2の1段目の二酸化炭素転換率(%)は38.46%であり、2段目の二酸化炭素転換率(%)は42.63%であり、合算の二酸化炭素転換率(%)は57.76%であった。一方、比較例2の二酸化炭素転換率(%)は49.69%であった。そのため、実施例1、2の炭化水素製造装置1では、比較例1、2の炭化水素製造装置と比較して二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが分かった。
このように、本発明では、第一の反応器10と、第一の気液分離器11と、第二の反応器12と、を直列に接続したことにより、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能となる。
又、本発明では、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置の炭化水素製造方法であって、炭化水素合成触媒が充填された第一の反応器で、供給される原料ガスを炭化水素に変換する第一のステップと、気液分離器で、前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、未反応ガスを排出する第二のステップと、前記炭化水素合成触媒が充填された第二の反応器で、前記気液分離器から排出される未反応ガスを炭化水素に変換する第三のステップと、を含むことを特徴とする。これによっても、本発明と同様の効果を得ることが可能となる。
以上のように、本発明に係る炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法は、工業、農業、漁業、エネルギー産業、航空産業、宇宙産業等の様々な分野で使用される炭化水素の合成に有用であり、二酸化炭素転換率を顕著に向上させることが可能な炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法として有効である。
1 炭化水素製造装置
10 第一の反応器
11 第一の気液分離器
12 第二の反応器

Claims (3)

  1. 水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置であって、
    炭化水素合成触媒が充填され、原料ガスが供給され、当該原料ガスを炭化水素及び水に変換する第一の反応器と、
    前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、前記変換された炭化水素及び水と未反応ガスとを分離する第一の気液分離器と、
    前記炭化水素合成触媒が充填され、前記第一の気液分離器から排出される未反応ガスが供給され、当該未反応ガスを炭化水素及び水に変換する第二の反応器と、
    を含むことを特徴とする炭化水素製造装置。
  2. 前記第一の反応器と前記第一の気液分離器とをこの順番で配置したユニットを一つの単位として、所定数のユニットを直列に接続した
    請求項1に記載の炭化水素製造装置。
  3. 水素ガスと二酸化炭素ガスとからなる原料ガスを炭化水素に変換する炭化水素製造装置の炭化水素製造方法であって、
    炭化水素合成触媒が充填された第一の反応器で、供給される原料ガスを炭化水素に変換する第一のステップと、
    気液分離器で、前記第一の反応器から排出された排出ガスに気液分離処理を行い、未反応ガスを排出する第二のステップと、
    前記炭化水素合成触媒が充填された第二の反応器で、前記気液分離器から排出される未反応ガスを炭化水素に変換する第三のステップと、
    を含むことを特徴とする炭化水素製造方法。
JP2015009092A 2015-01-21 2015-01-21 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法 Pending JP2016132644A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009092A JP2016132644A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009092A JP2016132644A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016132644A true JP2016132644A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56437601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015009092A Pending JP2016132644A (ja) 2015-01-21 2015-01-21 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016132644A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018158279A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 岩谷産業株式会社 炭化水素合成触媒、炭化水素合成触媒の製造方法、炭化水素製造装置、炭化水素製造方法
JPWO2021193438A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6383032A (ja) * 1986-09-23 1988-04-13 フォスタ−・ホイ−ラ−・ユ−・エス・エ−・コ−ポレイション 液体有機物類の製造方法
JPH0780309A (ja) * 1993-09-16 1995-03-28 Agency Of Ind Science & Technol 炭化水素製造用触媒及び炭化水素の製造方法
WO2008069251A1 (ja) * 2006-12-05 2008-06-12 Nagasaki Institute Of Applied Science バイオマスからの液体燃料製造装置および製造方法
JP2014051472A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science And Technology 炭化水素の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6383032A (ja) * 1986-09-23 1988-04-13 フォスタ−・ホイ−ラ−・ユ−・エス・エ−・コ−ポレイション 液体有機物類の製造方法
JPH0780309A (ja) * 1993-09-16 1995-03-28 Agency Of Ind Science & Technol 炭化水素製造用触媒及び炭化水素の製造方法
WO2008069251A1 (ja) * 2006-12-05 2008-06-12 Nagasaki Institute Of Applied Science バイオマスからの液体燃料製造装置および製造方法
JP2014051472A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science And Technology 炭化水素の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018158279A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 岩谷産業株式会社 炭化水素合成触媒、炭化水素合成触媒の製造方法、炭化水素製造装置、炭化水素製造方法
JPWO2021193438A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30
WO2021193438A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30 株式会社Ihi 炭化水素生成システム、及び炭化水素生成方法
AU2021243288B2 (en) * 2020-03-23 2023-07-20 Ihi Corporation Hydrocarbon generation system and hydrocarbon generation method
US11795121B2 (en) 2020-03-23 2023-10-24 Ihi Corporation Hydrocarbon generation system and hydrocarbon generation method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
An et al. Morphology control of Co2C nanostructures via the reduction process for direct production of lower olefins from syngas
El Hawa et al. Application of a Pd–Ru composite membrane to hydrogen production in a high temperature membrane reactor
Kang et al. Catalytic test of supported Ni catalysts with core/shell structure for dry reforming of methane
JP2015077575A (ja) 炭化水素合成触媒、それを用いた炭化水素製造装置、炭化水素製造方法
Navidi et al. Experimental investigation of ethylene hydroformylation to propanal on Rh and Co based catalysts
KR20080109924A (ko) 탄소 가치 이용율이 개선된 혼합 알콜 합성
Nikolaev et al. Novel gold catalysts for the direct conversion of ethanol into C3+ hydrocarbons
Inul et al. Simultaneous methanation of CO and CO2 on supported Ni-based composite catalysts
Asalieva et al. Fischer–Tropsch synthesis on cobalt-based catalysts with different thermally conductive additives
Rahmati et al. Rate equations for the Fischer‐Tropsch reaction on a promoted iron catalyst
JP2016132644A (ja) 炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法
US20080015266A1 (en) Method for activating an iron-based fischer-tropsch catalyst
Lu et al. The design of a CZ@ H-β-P catalyst with core shell structure and its application in LPG synthesis from syngas
JP2008081456A (ja) プロピレンの製造方法およびプロピレンの製造装置
CA2978832C (en) Catalyst composition and catalytic processes for producing liquid hydrocarbons
JP2010013422A (ja) メタノール合成反応器およびメタノール合成方法
JP2014091733A (ja) パラフィンの製造方法およびパラフィン製造装置
CN105967972A (zh) 乙炔制备苯及联产乙烯的方法
JP6599223B2 (ja) 炭化水素合成触媒の製造方法、炭化水素製造方法
CN110127622A (zh) 提高硫化氢转化率的方法
KR20140049948A (ko) 파라핀의 제조방법 및 제조장치
CN109071380A (zh) 混合甲烷/乙烷流的转化
JP5906913B2 (ja) 低級オレフィンの製造方法
CN105481627B (zh) 一种用于环保制冷剂r290的高纯度丙烷生产方法
TW201033173A (en) Method and apparatus for purifying paraffin

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190212