JPWO2008065744A1 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
被処理物の上方に、同一形状を有するn個(nは2以上)のコイル要素が被処理物の表面の法線を軸とする回転対称に配置されて成り、且つ、各コイル要素が電気的に並列に接続されて成る誘導コイルを備えており、
前記誘電コイルの各コイル要素は、
被処理物への投影面における同一箇所の下側に接地端、上側に給電端を有するように前記軸を周回しており、
一端に接地端を備えた所定の幅を有する弧状であり、該弧の中心角が360°/nである下面部と、
一端に給電端を備えた所定の幅を有する弧状であり、前記下面部より上側に設けられ、該下面部と電気的に接続されてなる給電部と、
を有する
ことを特徴とする。
被処理物の上方に、同一形状を有するn個(nは2以上)のコイル要素が被処理物の表面の法線を軸とする回転対称に配置されて成り、且つ、各コイル要素が電気的に並列に接続されて成る誘導コイルを備えており、
前記誘電コイルの各コイル要素は、
一端に接地端を備えた所定の幅を有する弧状であり、該弧の中心角が360°/nである下面部と、
一端に給電端を備えた所定の幅を有する弧状であり、前記下面部より上側に設けられ、該下面部と電気的に接続されてなる給電部と、
を有しており、
前記誘導コイルは、被処理物への投影面における同一箇所に、コイル要素の接地端と他のコイル要素の給電端とが位置するようにn個のコイル要素が配置されて成る
ことを特徴とする。
11・・・反応室
12・・・下部電極
13・・・気体導入口
14・・・真空ポンプ
15・・・石英板
17・・・プラズマ用高周波電源
18・・・セルフバイアス用高周波電源
19・・・被処理物
20,30・・・誘導コイル
21・・・コイル要素
22・・・接続部
23・・・給電端
24・・・接地端
25・・・給電部
26・・・下面部
31・・・第1誘導コイル
32・・・第2誘導コイル
35・・・マッチング回路
38・・・電力分割回路
図2は第一の形態に係る誘導コイル20の概略図であり、図2(A-1)は2個のコイル要素21が組み合わされて成る誘導コイル20を示している。また、図2(A-2)は、図2(A-1)の誘導コイル20を構成するコイル要素21の模式図である。コイル要素は実際には所定の幅を有するが、図2においては簡略化して描いている。
コイル要素21は、被処理物へ投影した際に、給電端23と接地端24が同一箇所となるように、軸Lを一周回するように構成されている。ここで「同一箇所」とは、好ましくは全く同一であるが、複数のコイル要素を組み合わせる際に互いに接することがないように構成する必要があること等の理由から、設計上設けざるを得ない若干のずれも許容するという意味であるものとする。
下面部26は接続部22によって、下面部26より上側に設けられた給電部25と電気的に接続されている。給電部25の接続部22と反対側の端部は上述したように、プラズマ用高周波電源17に接続される。図2の例では接続部22は傾斜して描かれているが、本発明において接続部22の構成は特に問わない。
n個のコイル要素21を用いる場合、各コイル要素21の下面部26の弧の中心角は360°/nとする。これにより、n個のコイル要素を組み合わせた際に、それらの下面部26全体によって一周が形成され、均一なプラズマ形成が可能となる。
図2に示されている例では、n個のコイル要素21を互いに接することなく組み合わせるために、誘導コイル20は下面部26と給電部25とを含めてn階から成る階層構造となっている。ただし、第一の形態に係る誘導コイル20は、n階の階層構造に限定される必要はない。
さらに、組み合わされる各コイル要素21の間の距離(上下方向の距離)はできる限り近い方が好ましい。これによって、アースシールド効果が誘導結合より強くなるためである。各コイル要素21間の好適な距離は絶縁体の種類によって異なるが、テフロンの場合には3〜5mm、大気の場合には5〜10mmとするのがよい。
なお、プラズマ用高周波電源17として13.56MHzを越える高周波電源を用いる場合には、各コイル要素間の距離が3mmより狭くてもスパーク放電が生じにくくなる傾向がある。
図3は第二の形態に係る誘導コイル20の概略図であり、図3(D-1)は3個のコイル要素21が組み合わされて成る誘導コイル20を示している。図3(D-2)は、図3(D-1)の誘導コイル20を構成するコイル要素21の模式図である。コイル要素は実際には所定の幅を有するが、図3においては簡略化して描いている。
第二の形態においては、誘導コイル20を構成するコイル要素21の数は3個以上とする(コイル要素21が2個の場合の構成は、上記第一の形態の構成に含まれる。)。
コイル要素21は、その被処理物への投影像が軸Lを中心とする弧状となる。すなわち、コイル要素21の巻数は一周回以下である。
下面部26は接続部22によって、下面部26より上側に設けられた給電部25と電気的に接続されている。給電部25の接続部22と反対側の端部は上述したように、プラズマ用高周波電源17に接続される。
このような構成の誘導コイルに関して、以下、第三の形態として説明する。
図4は第三の形態に係る誘導コイル30の一例を示す概略図である。第三の形態に係る誘導コイル30は第1誘導コイル31(アウターコイル)と、この第1誘導コイル31の内周部に配置された、前記第1誘導コイル31よりも半径が小さい第2誘導コイル32(インナーコイル)から構成されている。第1及び第2誘導コイル31,32は被処理物19(図1参照)の表面の法線Lを共通の軸として同心状に配置されている。
図4(H-1)及び(H-2)に示す誘導コイル30は、第1及び第2誘導コイル31,32の両方が第一の形態の誘導コイルから構成された例を示している。図4では、第1誘導コイル31と第2誘導コイル32を区別するために、第2誘導コイル32をハイライトで示している。
尚、各コイル要素21は実際には所定の幅を有するが、図4では簡略化して描いている。
また、第三の形態の誘導コイル30は、2個に限らず3個以上の誘導コイルから構成しても良い。
図6に示す誘導コイル30は図4に示したものと同様の構成を有しており、5個のコイル要素から成る第1誘導コイル31と、3個のコイル要素から成る第2誘導コイル32から構成されている。第1及び第2誘導コイル31,32は、スペーサ34によって各上面が同一平面上に位置するように石英板15上に配置されている。
図7に示すように、第1及び第2誘導コイル31,32の給電端23は共通のプラズマ用高周波電源17に接続されている。高周波電源17のインピーダンスと第1及び第2誘導コイル31,32の総インピーダンスを等しくするために、高周波電源17と第1及び第2誘導コイル31,32の給電端23の間にはマッチング回路35が接続されている。マッチング回路35は、高周波電源17と第1及び第2誘導コイル31,32の間に直列に接続された可変コンデンサ36及び並列に接続された可変コンデンサ37から構成されている。
尚、図示しないが、各コイル要素21には、各誘導コイル31,32に印加された高周波電力が銅線ケーブルによって均等に印加されるようになっている。
エッチングレートの測定は、シリコンウエハの中心を通過してオリエンテーション・フラットに平行な方向(Hxis)と、シリコンウエハの中心を通過してオリエンテーション・フラットに垂直な方向(Axis)のそれぞれについて数箇所ずつ評価した。図8〜図11において、横軸は中心からの距離(mm)を、縦軸はエッチングレート(μm/min)を示している。
一方、第1及び第2誘導コイル31,32に高周波電力を均等に印加した場合は、第1誘導コイル31のみに高周波電力を印加したときよりは改善がみられるものの、シリコンウエハの中心付近よりも外周付近の方がエッチングレートが高くなった。この傾向は第1誘導コイル31に印加される高周波電力の比率を小さくすることにより改善され、電力分割回路38に500pFの固定コンデンサ39を用いたときは、シリコンウエハの全体に亘ってほぼ同一のエッチングレートを示した(図11及び図12参照)。発明者の計算によると、500pFの固定コンデンサ39を用いたときのエッチング均一性は±3%程度であった。
このような勾玉型形状を有する下面部26の例として、図14(J)に2個のコイル要素21から成る誘導コイル20の下面部26の正面図、図14(K)に3個のコイル要素21から成る誘導コイル20の下面部26の正面図を示す。
また、図15(J-1)に2個のコイル要素21から成り、下面部26が勾玉型である誘導コイル20の概略図を示す。図15(J-2)は図15(J-1)に示したコイル要素21を構成するコイル要素21の概略図である。
このような勾玉型の下面部とすることにより、均一性の高いプラズマ生成が可能となり、大型な試料の処理を高い均一性を以て行うことができる。
図16(L)の例では、各コイル要素の接地端と給電端とが、被処理物への投影面における同一箇所の下側と上側に位置する。図16(M)の例では、各コイル要素の接地端と他のコイル要素の給電端とが、被処理物への投影面における同一箇所の下側と上側に位置する。
本発明に係るプラズマ処理装置は、図1に示したような石英板15の直上に誘導コイル20を配置するという構成に限定されることはなく、自由に誘導コイルの設置位置を変更することが可能である。例えば、生成するプラズマの形状をよりコントロールしやすくするために、図17に示すような、被処理物に向かって拡径する円錐台形状に形成されたプラズマ生成容器を有するプラズマ処理装置が従来知られているが、本発明に係る誘導コイル20をこのような生成容器の外側に設けてももちろん構わない(ただし、誘導コイル20が上記変形例2の構成である場合は除く)。また、誘導コイル20は、本発明に係るプラズマ処理装置において複数個、複数段に亘って設けられてもよい。図17のプラズマ処理装置では、4個の誘導コイル20が配置されている。なお、図17ではプラズマ用高周波電源17や接地の構成については省略してある。
各誘導コイルのコイル要素の数は適宜設定することができる。ただし、コイル要素の数が少ないほど各コイル要素の下面部の中心角が大きくなり、当該下面部の両端の電圧差が大きくなる。下面部の両端の電圧差が大きいほどプラズマの均一性が損なわれるため、各誘導コイルのコイル要素の数は多い方が好ましい。ただし、製造困難性、発熱したコイルの冷却性の問題を考慮すると、コイル要素の数は7個程度までにすることが好適であると思われる。
エッチングレートの測定は、シリコンウエハの中心を通過してオリエンテーション・フラットに平行な方向(Hxis)と、シリコンウエハの中心を通過してオリエンテーション・フラットに垂直な方向(Axis)のそれぞれについて数箇所ずつ評価した。図8〜図12において、横軸は中心からの距離(mm)を、縦軸はエッチングレート(μm/min)を示している。
このような勾玉型形状を有する下面部26の例として、図14(J)に2個のコイル要素21から成る誘導コイル20の下面部26の正面図、図14(K)に3個のコイル要素21から成る誘導コイル20の下面部26の正面図を示す。
また、図15(J-1)に2個のコイル要素21から成り、下面部26が勾玉型である誘導コイル20の概略図を示す。図15(J-2)は図15(J-1)に示した誘導コイル20を構成するコイル要素21の概略図である。
このような勾玉型の下面部とすることにより、均一性の高いプラズマ生成が可能となり、大型な試料の処理を高い均一性を以て行うことができる。
Claims (7)
- 被処理物の上方に、同一形状を有するn個(nは2以上)のコイル要素が被処理物の表面の法線を軸とする回転対称に配置されて成り、且つ、各コイル要素が電気的に並列に接続されて成る誘導コイルを備えており、
前記誘電コイルの各コイル要素は、
被処理物への投影面における同一箇所の下側に接地端、上側に給電端を有するように前記軸を周回しており、
一端に接地端を備えた所定の幅を有する弧状であり、該弧の中心角が360°/nである下面部と、
一端に給電端を備えた所定の幅を有する弧状であり、前記下面部より上側に設けられ、該下面部と電気的に接続されてなる給電部と、
を有する
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 被処理物の上方に、同一形状を有するn個(nは2以上)のコイル要素が被処理物の表面の法線を軸とする回転対称に配置されて成り、且つ、各コイル要素が電気的に並列に接続されて成る誘導コイルを備えており、
前記誘電コイルの各コイル要素は、
一端に接地端を備えた所定の幅を有する弧状であり、該弧の中心角が360°/nである下面部と、
一端に給電端を備えた所定の幅を有する弧状であり、前記下面部より上側に設けられ、該下面部と電気的に接続されてなる給電部と、
を有しており、
前記誘導コイルは、被処理物への投影面における同一箇所に、コイル要素の接地端と他のコイル要素の給電端とが位置するようにn個のコイル要素が配置されて成る
ことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 誘導コイルを構成する各コイル要素間に絶縁体が設けられており、各コイル要素が互いに絶縁されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記各コイル要素の下面部の幅が給電部の幅よりも広いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記各コイル要素の下面部が勾玉型であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理装置が、被処理物に向かって拡径する円錐台形状に形成されたプラズマ生成容器を備えており、前記誘導コイルが該プラズマ生成容器の外周側面の一部に巻き付けられて成る
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。 - 径の異なる2以上の誘導コイルが同心状に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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