本発明は、複数のチャネルの音声信号を記録媒体に記録することが可能な記録装置に関する。より具体的には、本発明は、複数種類のマイクを切り替えて、いずれかのマイクで取得された音声信号を記録媒体に記録することが可能な記録装置に関する。
最近のビデオカメラの高性能化にともない、マイクからの音声信号についても5.1チャネル(CH)サラウンドサウンドの記録が可能になってきた。
ビデオカメラによる5.1CHサラウンドサウンドの記録方法を説明すると、5CH内部マイクからの音声信号はAC−3コーデックによってそのまま符号化されると共に、5CH内部マイクからの音声信号からの低音部0.1CHの音声信号も符号化される。その結果、デジタル化された計6チャネルの音声信号が得られる。得られた音声信号は、DVD、メモリカードなどの記録媒体に記録される。
ビデオカメラに設けられた5CH内部マイクは、ビデオカメラ周辺に到来した音を広範囲に捕らえる機能を有している。しかしながらこの機能では、ビデオカメラから離れた場所の音やインタビュー等での音声を捕らえるには不都合な場合がある。よってそのような不都合を補うために外部マイクを使用することが好適である。このためビデオカメラの中には2CH外部マイクの入力プラグインが設けられているものが存在する。
たとえば特許文献1は、内部マイクと外部マイクとを利用可能な音声記録装置を開示している。特許文献1はまた、内部マイクから外部マイクに切り換える際の記録方法も開示している。
特許文献1の音声記録装置は、外部マイクの装置への装着の検出手段と、内部マイクと外部マイクとからの音声信号のどちらかを選ぶ選択手段と、モノラルサウンド/ステレオサウンドの記録モードの設定手段並びに音声記録手段とを有し、検出手段、選択手段並びに設定手段からの信号により、記録するための外部マイクまたは内部マイクからの音声信号が選択され音声記録手段によって記録される。
特開2004−347998号公報
しかしながら、音声信号の記録中に、音声信号を取得するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換える場合においては、記録方式を5.1CHサラウンドサウンドの記録から2CHステレオサウンドの記録に切り換えると記録された音声信号が不連続になってしまう。
また、数ある音声記録フォーマットの中には、1つの記録データ内で5.1CHサラウンドサウンド記録から2CHステレオサウンド記録に切り換えることを禁止し、また2CHステレオサウンド記録から5.1CHサラウンドサウンド記録に切り換えることを禁止しているものがある。
本発明の目的は、連続性のある良好な音声信号の記録を行うことができる記録装置および記録方法を提供することである。
本発明による記録装置は、複数種類のマイクを切り替えて、複数のチャネルの音声信号を記録することが可能である。前記複数種類のマイクは、第1のチャネル数に対応した第1マイク、および、第2のチャネル数に対応した第2マイクを含んでおり、かつ、前記第1マイクおよび第2マイクの一方は着脱可能である。前記記録装置は、複数のチャネルの音声信号を受け取って記録媒体に記録する信号処理部と、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、着脱可能なマイクの着脱を検出すると、前記第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御する切換制御部とを備えている。前記信号処理部は、前記信号経路を介して受け取った前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記記録媒体に記録する。
前記第1マイクは内部に設けられ、前記第2マイクは着脱可能に接続されてもよい。
前記第1マイクは着脱可能に接続され、前記第2マイクは内部に設けられていてもよい。
前記第1のチャネル数が前記第2のチャネル数より多いときにおいて、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された音声信号および無音の音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の複数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
前記第1のチャネル数が前記第2のチャネル数より少ないときにおいて、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された複数の音声信号のうち、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
前記切換制御部は、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、前記第2マイクが取り付けられたことを検出してもよい。
前記切換制御部は、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、前記第1マイクが取り外されたことを検出してもよい。
音声の記録が停止された後において、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された前記第2のチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
本発明による記録方法は、複数種類のマイクを切り替えて、複数のチャネルの音声信号を記録することが可能な記録装置を利用して実行される。前記複数種類のマイクは、第1のチャネル数に対応した第1マイク、および、第2のチャネル数に対応した第2マイクを含んでおり、かつ、前記第1マイクおよび第2マイクの一方は着脱可能である。前記記録方法は、複数のチャネルの音声信号を受け取って記録媒体に記録するステップと、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、着脱可能なマイクの着脱を検出するステップと、マイクの着脱の検出に応答して信号経路を制御し、前記第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を出力するステップと、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記記録媒体に記録するステップとを包含する。
本発明によれば、第1のチャネル数の音声信号の取得に対応した第1マイクを用いて音声信号を記録している最中にマイクの切り替えを検出すると、第2のチャネル数の音声信号の取得に対応した第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を記録媒体に記録する。これにより、第1のチャネル数に対応するチャネルについては、切り換え時の音声信号が不連続とならず、連続性を保つことができる。
たとえば、5CH内部マイクで取得された音声信号の記録中に、マイクが2CH外部マイクに切り換えられたときであっても、または、2CH外部マイクで取得された音声信号の記録中に、マイクが5CH内部マイクに切り換えられたときであっても、メインの2チャネルについては切り換え時の音声信号が不連続とならず、連続性を保つことができる。また、メインの2チャネル以外のチャネルには不要な信号が記録されない。
また、本発明によればマイクの切り換え前後で記録されるチャネル数は同じである。よって、音声記録フォーマットが、1つの記録データ内における記録チャネル数の変動を禁止していたとしても、そのような音声記録フォーマットに適合した音声信号を記録することができる。
本発明の実施形態によるビデオカメラ100の外観を示す図である。
本発明の実施形態によるビデオカメラ100の回路のブロック構成を示す図である。
使用するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。
5CH内部マイク1を用いて音声を記録している最中に、マイクを2CH外部マイク2に切り換えたときの処理の手順を示すフローチャートである。
使用するマイクを2CH外部マイクから5CH内部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。
2CH外部マイク2を用いて音声を記録している最中に、マイクを5CH内部マイク1に切り換えたときの処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 5CH内部マイク
2 2CH外部マイク
3 外部マイクジャック
4 外部マイク入力端子
5 マイクジャック検出スイッチ
6 フロントマイク切換スイッチユニット
7 センター/リアマイク切換スイッチユニット
8 マイコン
9 ノイズフィルターA/D変換
10 AC−3コーデック
20 記録開始停止スイッチ
23 H.264コーデック
24 信号処理回路
25 メモリカードスロット
26 記録媒体
100 ビデオカメラ
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態によるビデオカメラ100の外観を示す。ビデオカメラ100は、映像および音声をデータ化して映像情報および音声情報として記録媒体26に記録することが可能である。
ビデオカメラ100は、撮影開始/停止スイッチ20およびメモリカードスロット25を有している。使用者がメモリカードスロット25に予め記録媒体26を挿入しておき、スイッチ20を操作すると、ビデオカメラ100は映像および音声の記録を開始する。使用者が再度スイッチ20を操作すると、ビデオカメラ100は記録を停止する。
映像および音声は、ビデオカメラ100に設けられた撮像光学系(図示せず)およびマイク1によって取得される。マイク1は、ビデオカメラ100の上面に内蔵されており、複数のマイクで構成されている。マイク1を構成する各マイクの詳細は図2を参照しながら後述する。
ビデオカメラ100はさらに、外部マイク入力端子4を備えている。外部マイク入力端子4は、ビデオカメラ100とは別体の外部マイク2を取り付けるために利用される。外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に差し込まれることにより、外部マイク2とビデオカメラ100とが接続される。その結果、ビデオカメラ100は外部マイク2で取得した音声を録音可能になる。また外部マイク2がビデオカメラ100から取り外されると、ビデオカメラ100は内部マイク1で取得した音声を録音可能になる。外部マイク2が取り付けられている状態においては、使用者が内部マイク1または外部マイク2を選択できるようにしてもよい。
本件明細書では、外部マイク2に対して、マイク1を「内部マイク1」とも呼ぶ。
図2は本実施形態によるビデオカメラ100の回路のブロック構成を示す。説明の便宜のため、図2は外部マイク2が取り付けられた状態を示しており、また記録媒体26も示している。
ビデオカメラ100は、内部マイク1と、外部マイク入力端子4と、フロントマイク切換スイッチユニット6と、センター/リアマイク切換スイッチユニット7と、マイコン8と、ノイズフィルターおよびA/D変換部9と、記録開始停止スイッチ20と、信号処理回路24とを備えている。
以下、各構成要素を説明する。
マイク1は、フロントレフト(FL)マイク11と、フロントライト(FR)マイク12と、センター(C)マイク13と、リアレフト(RL)マイク14と、リアライト(RR)マイク15とで構成されている。FLマイク11は、左前方からの音声を取得する。FRマイク12は右前方からの音声を取得する。Cマイク13は前方正面からの音声を取得する。RLマイク14は左後方からの音声を取得する。RRマイク15は、右後方からの音声を取得する。各マイク11〜15は、取得した音声に基づいて音声信号を出力する。マイク1により、5チャネルの音声信号を得ることができる。
一方、外部マイク2は、レフト(L)マイク21と、ライト(R)マイク22とで構成されている。Lマイク21は左前方からの音声を取得し、Rマイク22は右前方からの音声を取得する。外部マイク2を用いると、2チャネルの音声信号を取得可能である。
外部マイク入力端子4は、マイクジャック検出スイッチ5を備えている。マイクジャック検出スイッチ5(以下「検出スイッチ5」と記述する。)は、2CH外部マイク2が着脱されたときの電圧変化を検出することにより、2CH外部マイク2が着脱されたことを検出する。具体的には、検出スイッチ5は、外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に挿入されたこと、または、外部マイク入力端子4に挿入されている外部マイクジャック3が取り外されたことを検出する。本願明細書において、マイクの切り換えを検出する、とは、外部マイク2がビデオカメラ100に取り付けられたこと、または、外部マイク2がビデオカメラ100から取り外されたことを意味する。
フロントマイク切換スイッチユニット6(以下「Fスイッチユニット6」と記述する。)は、フロントレフト(FL)マイク切換スイッチ61およびフロントライト(FR)マイク切換スイッチ62を有しており、マイコン8からの制御信号に基づいて各スイッチ61および62を制御して、信号経路aまたは信号経路bを形成する。信号経路aに切り換えられたときは、内部マイク1のFLマイク11およびFRマイク12で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。信号経路bに切り換えられたときは、外部マイク2のLマイク21とRマイク22で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。
センター/リアマイク切換スイッチユニット7(以下「C/Rスイッチユニット7」と記述する。)は、センター(C)マイク切換スイッチ71、リアレフト(RL)マイク切換スイッチ72およびリアライト(RR)マイク切換スイッチ73を有しており、マイコン8からの制御信号に基づいて各スイッチ71、72および73を制御して、信号経路aまたは信号経路bを形成する。信号経路aに切り換えられたときは、内部マイク1のCマイク13、RLマイク14およびRRマイク15で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。信号経路bに切り換えられたときは、Cマイク13、RLマイク14およびRRマイク15に対応するチャネル数の無音の音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。なお、無音の音声信号は端子をグランド接地することにより生成される。
ノイズフィルターおよびA/D変換部9は、雑音消去と内部マイク1または外部マイク2のアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。
信号処理回路24は、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23を含む。AC−3コーデック10は、音声信号を、2CHまたは5.1CHのAC−3フォーマットに符号化し、復号化する。H.264コーデック23は、AC−3コーデック10から出力された音声信号、および、ビデオカメラ100の撮像光学系から出力された映像信号を符号化し、復号化する。そしてH.264コーデック23は、音声信号と共に映像信号を記録媒体26に記録する。
記録開始停止スイッチ20は、使用者が記録の開始および停止を操作するために利用される。
マイコン8は、ビデオカメラ100内の種々の回路に制御信号を出力してビデオカメラ100全体を制御する。たとえばマイコン8は、記録開始停止スイッチ20の押下に応答してビデオ撮影の開始を指示し、同時に信号処理回路24に対して映像信号および音声信号の処理の開始を指示する。マイコン8は、映像信号および/または音声信号の記録中に、電圧の変化を検出したことの通知を検出スイッチ5から受け取ると、外部マイク2が着脱されたこと、すなわち録音に使用するマイクが切り替えられたことを検出する。その結果、Fスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7に対して信号経路を切り換えるように制御信号を出力する。
次に、ビデオカメラ100の動作、特に音声の録音に関する動作を説明する。
(1)記録開始時に5CH内部マイク1を用いるときのビデオカメラ100の動作
図3は、使用するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。図3の上段にはビデオカメラ100の動作タイミングS1〜S5が示されており、その下から順に、記録状態A1、使用マイクA2および音声信号記録のフォーマットA3が示されている。
図3の上段に示すタイミングS1は記録開始であり、タイミングS2はマイク切り換えであり、タイミングS3は記録停止であり、タイミングS4は再度の記録開始であり、タイミングS5はその記録停止である。
タイミングS1では、記録状態A1は「記録」が行われることを示し、使用マイクA2は5CH内部マイクであることを示し、音声信号記録A3は5.1CHサラウンドサウンドの音声信号の記録を意味している。
記録状態A1が記録を示している状態で(すなわち記録中に)、タイミングS2において2CH外部マイクの取り付けが検出されると、ビデオカメラ100は、音声信号記録A3に示すように、以後も引き続き、5.1CHサラウンドサウンドの記録を継続する。ただしこのとき、使用マイクA2は2CH外部マイクに変更される。そして、2CH外部マイクのLマイクおよびRマイクからの音声信号が利用され、かつ、残りの3チャネル分の無音の音声信号が利用されて、5.1CHサラウンドサウンドの記録が継続される。
タイミングS3で記録が停止されると、記録状態A2は記録停止に遷移する。
その後、使用マイクA2が2CH外部マイクのままタイミングT4において記録開始の指示が与えられると、記録が開始される。その結果、記録状態A2は記録を示している状態に戻る。使用マイクA2のLマイク21とRマイク22とを利用して取得された音声信号は、ステレオサウンドで記録される。
以下、上述のタイミングS1〜S5に沿ってビデオカメラ100の動作を詳細に説明する。
まず、5CH内部マイク1の各マイク11〜15で取得された音声信号を記録中に、2CH外部マイクが取り付けられたときの動作を説明する。このときの動作は、図3のタイミングS1からタイミングS2経過後までの動作に対応する。
記録停止状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作したタイミングS1において、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていないことを検出する。これにより、マイコン8は、5CH内部マイク1を使用して音声信号を記録すると判断する。なお、外部マイク入力端子4に2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が接続されていないときは、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていないことを継続して検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路aを形成する。これにより、FLマイク11とFRマイク12で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。またCマイク13とRLマイク14とRRマイク15で取得された音声信号はC/Rスイッチユニット7に送られる。各音声信号は、ノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られて雑音を消去され、A/D変換されて、AC−3コーデック10に入力される。
マイコン8がAC−3コーデック10に対して5.1チャネル(CH)のAC−3エンコードを指示すると、AC−3コーデック10は、AC−3エンコードされた5.1CHサラウンドサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力する。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
その後、タイミングS2において、5CH内部マイク1で5.1CHサラウンドサウンドの記録を行っている状態で、2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に接続されたときのビデオカメラ100の動作を説明する。
マイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が接続されたことを検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、Lマイク21とRマイク22で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。また残りのチャネルからの音声信号(Cマイク13とRLマイク14とRRマイク15)はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8は、記録状態であるため、AC−3コーデック10にAC−3エンコードを引き続き実行させる。AC−3コーデック10は、5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を生成してH.264コーデック23に出力する。H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサラウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
この結果、2CH外部マイク2のLマイク21とRマイク22の音声信号を用い、かつ、残りのチャネルは無音で5.1CHサラウンドサウンド記録が継続される。
ここで、2CH外部マイク2を用いて5.1CHサラウンドサウンド記録が行われているときに、2CH外部マイク2が取り外されたときの処理を説明する。この処理は、たとえば図3のタイミングS3が記録停止ではなく、タイミングS2と同様のマイク切り換えが行われたときに実行される。
使用者が、外部マイク入力端子4から2CH外部マイク2の外部マイクジャック3を取り外す。するとマイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り外されたことを検出し、その結果、マイクの切り換えを検出する。すると、マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路aを形成する。これにより、再び図3のタイミングS1からS2までの間に行われた処理が実行される。よって、ビデオカメラ100は、5CH内部マイク1のマイク11〜15で取得された音声信号を用いて5.1CHサラウンドサウンド記録を継続することができる。
次に、2CH外部マイク2を用いて取得された5.1CHサラウンドサウンドの記録中に記録停止を行い、再度記録開始するときの処理を説明する。
タイミングS3において、記録状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8はAC−3コーデック10にAC−3エンコード停止を指示し、AC−3コーデック10はエンコードを停止する。同時にマイコン8は、記録媒体26に対して記録停止のための制御を行い、5.1CHサラウンドサウンド記録を停止する。
タイミングS4において、使用者が再度記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8は、記録の連続性が必要ないこと、および、検出スイッチ5から入力された信号によって2CH外部マイク2が接続されたことを検出する。するとマイコン8は、AC−3コーデック10に対して、5.1チャネルではなく2CHのAC−3エンコードを指示する。AC−3コーデック10が2CHステレオサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力すると、H.264コーデック23は、映像信号11と共に2CHステレオサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
上述の説明から明らかなように、ビデオカメラ100は、2CH外部マイク2を用いて5.1チャネルサウンドの記録を行っていたときに記録を一旦停止すると、その後記録の開始が指示されたときは2CH外部マイク2を利用して2CHステレオサウンドの記録を行う。
図4は、5CHマイク1を用いて音声を記録している最中に、マイクを2CH外部マイク2に切り換えたときの処理の手順を示す。このとき、5.1CHサラウンドサウンドの音声信号が記録されている。
ステップS41において、マイコン8の制御にしたがって、ビデオカメラ100は5CH内部マイク1で音声を取得し、記録媒体26への音声信号の記録を継続する。
ステップS42において、2CH外部マイク2の取り付けに起因して検出スイッチ5によって電圧変化が検出されると、マイコン8は、5CH内部マイク1から2CH外部マイク2への切り換えを検出する。
ステップS43において、マイコン8は、音声信号を取得する信号経路を、2CH外部マイク2からの音声信号を取得する信号経路bに切り換える。
その結果、ステップS44において、2CH外部マイク2のレフト(L)およびライト(R)で2チャネルの音声信号(有音)が取得され、ステップS45において、センター(C)、リアレフト(RL)およびリアライト(RR)に対応する3チャネルの音声信号(無音)が取得される。
ステップS46においては、ノイズフィルターおよびA/D変換部9、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は、合計5CHの音声信号、すなわち2チャネルの有音音声信号および3チャネルの無音音声信号を処理し、得られた5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を記録媒体26へ継続的に記録する。
そしてステップS47において、ビデオカメラ100は記録停止の指示があるまで、2CH外部マイク2を利用した5.1CHサラウンドサウンドの記録を継続する。
以上の処理によれば、マイク切り換え時に音声信号の記録フォーマットが変化することがないため、音声信号の連続性を保つことができる。また、レフト(L)チャネルおよびライト(R)チャネルには有音の音声信号が記録されるが、それ以外のチャネルの音声は無音であるため、5.1CHサラウンドサウンドで記録されているにもかかわらず実質的には2CHステレオサウンドで記録されていることと同じになる。よって、ユーザの希望に沿った音声記録を実現できる。
(2)記録開始時に2CH内部マイク1を用いるときのビデオカメラ100の動作
図5は、使用するマイクを2CH外部マイクから5CH内部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。図5の上段にはビデオカメラ100の動作タイミングT1〜T5が示されており、その下から順に、記録状態B1、使用マイクB2および音声信号記録のフォーマットB3が示されている。図5の記載方法は図3に準じている。
記録状態B1が記録を示している状態で(すなわち記録中に)、タイミングT2において2CH外部マイク2の取り外しが検出されると、マイコン8はマイクの切り換えを検出する。ビデオカメラ100は、音声信号記録B3に示すように、以後も引き続き、2CHステレオサウンドの記録を継続する。ただしこのとき、使用マイクB2は5CH内部マイクに変更される。そして、5CH内部マイク1の音声信号の一部のみが記録される。具体的には、FLマイク11およびFRマイク12からの音声信号のみが利用され、残りの3チャネル(Cマイク13、RLマイク14およびRRマイク15)で取得された音声信号は利用されない。その結果、2CHステレオサウンドの記録が継続される。
タイミングT3で記録が停止されると、記録状態B2は記録停止に遷移する。
その後、使用マイクB2が5CH内部マイク1のまま、タイミングT4において記録開始の指示が与えられると、記録が開始される。その結果、記録状態B2は記録を示している状態に戻る。使用マイクB2に示されるように、5CH内部マイク1で取得された音声信号の全部が、5.1CHサラウンドサウンドで記録される。
以下、上述のタイミングT1〜T5に沿ってビデオカメラ100の動作を詳細に説明する。
記録停止状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作したタイミングT1において、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていることを検出する。これにより、マイコン8は、2CH外部マイク2を使用して音声信号を記録すると判断する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、Lマイク21とRマイク22で取得された音声信号はFスイッチユニット6を介してノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。また残りのチャネルからの音声信号(Cマイク13とRLマイク14とRRマイク15)はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8がAC−3コーデック10に対して2チャネルの音声信号のAC−3エンコードを指示すると、AC−3コーデック10は、AC−3エンコードされた2CHステレオサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力する。AC−3コーデック10は、無音の音声信号の処理は行わない。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に2CHステレオサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
その後、タイミングT2において、2CH内部マイク1で2CHステレオサウンドの記録を行っている状態で、2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4から取り外されたときのビデオカメラ100の動作を説明する。
マイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り外されたことを検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61および62を制御して、信号経路aを形成する。一方、各スイッチ71、72および73については、引き続き信号経路bを保持する。
これにより、FLマイク11とFRマイク12で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。またCマイク13とRLマイク14とRRマイク15で取得された音声信号はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8は、記録状態であるため、AC−3コーデック10にAC−3エンコードを引き続き実行させる。AC−3コーデック10は、2CHステレオサウンドの音声信号を生成してH.264コーデック23に出力する。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に2チャネルの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
この結果、5CH内部マイク1のFLマイク11とFRマイク12の音声信号を用いて2CHステレオサウンド記録が継続される。
ここで、5CH内部マイク1を用いて2CHステレオサウンド記録が行われているときに、2CH外部マイク2が取り付けられたときの処理を説明する。この処理は、たとえば図5のタイミングT3が記録停止ではなく、タイミングT2と同様のマイク切り換えが行われたときに実行される。
使用者が、外部マイク入力端子4に2CH外部マイク2の外部マイクジャック3を取り付ける。するとマイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り付けられたことを検出し、その結果、マイクの切り換えを検出する。すると、マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、再び図5のタイミングT1からT2までの間に行われた処理が実行される。よって、ビデオカメラ100は、2CHの内部マイク1で取得された音声信号を用いて2CHステレオサウンド記録を継続することができる。
次に、5CH内部マイク1を用いて取得された2CHステレオサウンドの記録中に記録停止を行い、再度記録開始するときの処理を説明する。
タイミングT3において、記録状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8はAC−3コーデック10にAC−3エンコード停止を指示し、AC−3コーデック10はエンコードを停止する。同時にマイコン8は、記録媒体26に対して記録停止のための制御を行い、2CHステレオサウンド記録を停止する。
タイミングT4において、使用者が再度記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8は、記録の連続性が必要ないこと、および、検出スイッチ5から入力された信号によって2CH外部マイク2が取り付けられていないことを検出する。するとマイコン8は、AC−3コーデック10に対して、2チャネルではなく5.1CHのAC−3エンコードを指示する。AC−3コーデック10が5.1CHサラウンドサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力すると、H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサラウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
ビデオカメラ100は、5CH内部マイク1を用いて2チャネルサウンドの記録を行っていたときに記録を一旦停止すると、その後記録の開始が指示されたときは5CH内部マイク1を利用して5.1CHサラウンドサウンドの記録を行う。
図6は、2CH外部マイク2を用いて音声を記録している最中に、マイクを5CH内部マイク1に切り換えたときの処理の手順を示す。このとき、2CHステレオサウンドの音声信号が記録されている。
ステップS61において、マイコン8の制御にしたがって、ビデオカメラ100は2CH外部マイク2で音声を取得し、記録媒体26への音声信号の記録を継続する。
ステップS62において、2CH外部マイク2の取り外しに起因して検出スイッチ5によって電圧変化が検出されると、マイコン8は、2CH外部マイク2から5CH内部マイク1への切り換えを検出する。
ステップS63において、マイコン8は、音声信号を取得する信号経路を、5CH内部マイク1からの音声信号を取得する信号経路aに切り換える。
その結果、ステップS44において、5CH内部マイク1のフロントレフト(FL)およびフロントライト(FR)で2チャネルの音声信号(有音)が取得され、ステップS45において、センター(C)、リアレフト(RL)およびリアライト(RR)に対応する3チャネルの音声信号(無音)が取得される。
ステップS66においては、ノイズフィルターおよびA/D変換部9、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は、2CHの有音音声信号を処理し、得られた2CHステレオサウンドの音声信号を記録媒体26へ継続的に記録する。
そしてステップS67において、ビデオカメラ100は記録停止の指示があるまで、5CH内部マイク1を利用した2CHステレオサウンドの記録を継続する。
以上の処理によれば、マイク切り換え時に音声信号の記録フォーマットが変化することがないため、音声信号の連続性を保つことができる。
以上、本発明による記録装置の例として、ビデオカメラの実施形態を例に挙げて説明した。
上述の図4および図6に示す処理は、マイコン8がメモリ(図示せず)に格納された、種々の実行コードから構成されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。そのようなコンピュータプログラムは製品としてCD−ROM等の光ディスク、メモリカード等の半導体メモリなどに代表される記録媒体26に記録されて市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。
マイコン8は、半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP、チップ回路、光ディスクコントローラ等のハードウェアとして実現することも可能であるし、メモリ上に展開されたコンピュータプログラムを汎用のプロセッサに実行させることによって実現することも可能である。
本実施形態では音声コーデックとしてAC−3を挙げて説明したが、これに限るものではない。AMR、MP3等の他の音声コーデックであっても採用できる。また本実施形態では映像・音声の圧縮方式としてH.264を挙げて説明したが、これに限るものではない。MPEG2、MPEG4等の他の方式であっても採用できる。
上述の図2に示される信号処理回路24においては、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は別々の回路として実装されているが、これは例である。1つの回路、すなわち信号処理回路24がAC−3コーデック10およびH.264コーデック23の処理を並列的に行ってもよい。
本発明による記録装置は、ビデオカメラのような映像の記録を前提とした機器に限られない。内部マイクと外部マイクとを利用可能な記録装置であれば、たとえばボイスレコーダのような機器としても実施できる。
上述の本実施形態においては、内部マイク1で取得できるチャネル数と、外部マイク2で取得できるチャネル数とが異なるとしているが、仮に同じであってもよい。ビデオカメラは、内部マイクのチャネル数と外部マイクのチャネル数が同じときも問題なく動作する。
本発明の記録装置は、たとえばビデオカメラとして製造される。ビデオカメラは、撮影記録中に、音声信号を取得するためのマイクが異なる種類のマイクに切り換えられた場合、使用するマイクを切り換えつつも音声信号記録フォーマットを保持し、連続性のある音声信号の記録を行う。チャネル数が異なる音声入力を持ち、記録の連続性の必要な音声記録機器の用途として有用である。
より具体的には、5CH内部マイクを利用していわゆる5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を記録している最中に、マイクが2CH外部マイクに切り換えられた時において、音声信号が不連続にならないように音声信号を記録することができる。また、ビデオカメラは、2CH外部マイクを利用した音声信号の記録中にマイクが5CH内部マイクに切り換えられた時においても、音声信号が不連続にならないように音声信号を記録することができる。
本発明は、複数のチャネルの音声信号を記録媒体に記録することが可能な記録装置に関する。より具体的には、本発明は、複数種類のマイクを切り替えて、いずれかのマイクで取得された音声信号を記録媒体に記録することが可能な記録装置に関する。
最近のビデオカメラの高性能化にともない、マイクからの音声信号についても5.1チャネル(CH)サラウンドサウンドの記録が可能になってきた。
ビデオカメラによる5.1CHサラウンドサウンドの記録方法を説明すると、5CH内部マイクからの音声信号はAC−3コーデックによってそのまま符号化されると共に、5CH内部マイクからの音声信号からの低音部0.1CHの音声信号も符号化される。その結果、デジタル化された計6チャネルの音声信号が得られる。得られた音声信号は、DVD、メモリカードなどの記録媒体に記録される。
ビデオカメラに設けられた5CH内部マイクは、ビデオカメラ周辺に到来した音を広範囲に捕らえる機能を有している。しかしながらこの機能では、ビデオカメラから離れた場所の音やインタビュー等での音声を捕らえるには不都合な場合がある。よってそのような不都合を補うために外部マイクを使用することが好適である。このためビデオカメラの中には2CH外部マイクの入力プラグインが設けられているものが存在する。
たとえば特許文献1は、内部マイクと外部マイクとを利用可能な音声記録装置を開示している。特許文献1はまた、内部マイクから外部マイクに切り換える際の記録方法も開示している。
特許文献1の音声記録装置は、外部マイクの装置への装着の検出手段と、内部マイクと外部マイクとからの音声信号のどちらかを選ぶ選択手段と、モノラルサウンド/ステレオサウンドの記録モードの設定手段並びに音声記録手段とを有し、検出手段、選択手段並びに設定手段からの信号により、記録するための外部マイクまたは内部マイクからの音声信号が選択され音声記録手段によって記録される。
特開2004−347998号公報
しかしながら、音声信号の記録中に、音声信号を取得するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換える場合においては、記録方式を5.1CHサラウンドサウンドの記録から2CHステレオサウンドの記録に切り換えると記録された音声信号が不連続になってしまう。
また、数ある音声記録フォーマットの中には、1つの記録データ内で5.1CHサラウンドサウンド記録から2CHステレオサウンド記録に切り換えることを禁止し、また2CHステレオサウンド記録から5.1CHサラウンドサウンド記録に切り換えることを禁止しているものがある。
本発明の目的は、連続性のある良好な音声信号の記録を行うことができる記録装置および記録方法を提供することである。
本発明による記録装置は、複数種類のマイクを切り替えて、複数のチャネルの音声信号を記録することが可能である。前記複数種類のマイクは、第1のチャネル数に対応した第1マイク、および、第2のチャネル数に対応した第2マイクを含んでおり、かつ、前記第1マイクおよび第2マイクの一方は着脱可能である。前記記録装置は、複数のチャネルの音声信号を受け取って記録媒体に記録する信号処理部と、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、着脱可能なマイクの着脱を検出すると、前記第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御する切換制御部とを備えている。前記信号処理部は、前記信号経路を介して受け取った前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記記録媒体に記録する。
前記第1マイクは内部に設けられ、前記第2マイクは着脱可能に接続されてもよい。
前記第1マイクは着脱可能に接続され、前記第2マイクは内部に設けられていてもよい。
前記第1のチャネル数が前記第2のチャネル数より多いときにおいて、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された音声信号および無音の音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の複数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
前記第1のチャネル数が前記第2のチャネル数より少ないときにおいて、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された複数の音声信号のうち、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
前記切換制御部は、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、前記第2マイクが取り付けられたことを検出してもよい。
前記切換制御部は、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、前記第1マイクが取り外されたことを検出してもよい。
音声の記録が停止された後において、前記切換制御部は、前記第2マイクで取得された前記第2のチャネル数の音声信号を前記信号処理部に送るよう信号経路を制御してもよい。
本発明による記録方法は、複数種類のマイクを切り替えて、複数のチャネルの音声信号を記録することが可能な記録装置を利用して実行される。前記複数種類のマイクは、第1のチャネル数に対応した第1マイク、および、第2のチャネル数に対応した第2マイクを含んでおり、かつ、前記第1マイクおよび第2マイクの一方は着脱可能である。前記記録方法は、複数のチャネルの音声信号を受け取って記録媒体に記録するステップと、前記第1マイクを用いて取得した音声信号の記録中に、着脱可能なマイクの着脱を検出するステップと、マイクの着脱の検出に応答して信号経路を制御し、前記第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を出力するステップと、前記第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を前記記録媒体に記録するステップとを包含する。
本発明によれば、第1のチャネル数の音声信号の取得に対応した第1マイクを用いて音声信号を記録している最中にマイクの切り替えを検出すると、第2のチャネル数の音声信号の取得に対応した第2マイクで取得された少なくとも1つの音声信号を含む、第1のチャネル数と同じチャネル数の音声信号を記録媒体に記録する。これにより、第1のチャネル数に対応するチャネルについては、切り換え時の音声信号が不連続とならず、連続性を保つことができる。
たとえば、5CH内部マイクで取得された音声信号の記録中に、マイクが2CH外部マイクに切り換えられたときであっても、または、2CH外部マイクで取得された音声信号の記録中に、マイクが5CH内部マイクに切り換えられたときであっても、メインの2チャネルについては切り換え時の音声信号が不連続とならず、連続性を保つことができる。また、メインの2チャネル以外のチャネルには不要な信号が記録されない。
また、本発明によればマイクの切り換え前後で記録されるチャネル数は同じである。よって、音声記録フォーマットが、1つの記録データ内における記録チャネル数の変動を禁止していたとしても、そのような音声記録フォーマットに適合した音声信号を記録することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態によるビデオカメラ100の外観を示す。ビデオカメラ100は、映像および音声をデータ化して映像情報および音声情報として記録媒体26に記録することが可能である。
ビデオカメラ100は、撮影開始/停止スイッチ20およびメモリカードスロット25を有している。使用者がメモリカードスロット25に予め記録媒体26を挿入しておき、スイッチ20を操作すると、ビデオカメラ100は映像および音声の記録を開始する。使用者が再度スイッチ20を操作すると、ビデオカメラ100は記録を停止する。
映像および音声は、ビデオカメラ100に設けられた撮像光学系(図示せず)およびマイク1によって取得される。マイク1は、ビデオカメラ100の上面に内蔵されており、複数のマイクで構成されている。マイク1を構成する各マイクの詳細は図2を参照しながら後述する。
ビデオカメラ100はさらに、外部マイク入力端子4を備えている。外部マイク入力端子4は、ビデオカメラ100とは別体の外部マイク2を取り付けるために利用される。外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に差し込まれることにより、外部マイク2とビデオカメラ100とが接続される。その結果、ビデオカメラ100は外部マイク2で取得した音声を録音可能になる。また外部マイク2がビデオカメラ100から取り外されると、ビデオカメラ100は内部マイク1で取得した音声を録音可能になる。外部マイク2が取り付けられている状態においては、使用者が内部マイク1または外部マイク2を選択できるようにしてもよい。
本件明細書では、外部マイク2に対して、マイク1を「内部マイク1」とも呼ぶ。
図2は本実施形態によるビデオカメラ100の回路のブロック構成を示す。説明の便宜のため、図2は外部マイク2が取り付けられた状態を示しており、また記録媒体26も示している。
ビデオカメラ100は、内部マイク1と、外部マイク入力端子4と、フロントマイク切換スイッチユニット6と、センター/リアマイク切換スイッチユニット7と、マイコン8と、ノイズフィルターおよびA/D変換部9と、記録開始停止スイッチ20と、信号処理回路24とを備えている。
以下、各構成要素を説明する。
マイク1は、フロントレフト(FL)マイク11と、フロントライト(FR)マイク12と、センター(C)マイク13と、リアレフト(RL)マイク14と、リアライト(RR)マイク15とで構成されている。FLマイク11は、左前方からの音声を取得する。FRマイク12は右前方からの音声を取得する。Cマイク13は前方正面からの音声を取得する。RLマイク14は左後方からの音声を取得する。RRマイク15は、右後方からの音声を取得する。各マイク11〜15は、取得した音声に基づいて音声信号を出力する。マイク1により、5チャネルの音声信号を得ることができる。
一方、外部マイク2は、レフト(L)マイク21と、ライト(R)マイク22とで構成されている。Lマイク21は左前方からの音声を取得し、Rマイク22は右前方からの音声を取得する。外部マイク2を用いると、2チャネルの音声信号を取得可能である。
外部マイク入力端子4は、マイクジャック検出スイッチ5を備えている。マイクジャック検出スイッチ5(以下「検出スイッチ5」と記述する。)は、2CH外部マイク2が着脱されたときの電圧変化を検出することにより、2CH外部マイク2が着脱されたことを検出する。具体的には、検出スイッチ5は、外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に挿入されたこと、または、外部マイク入力端子4に挿入されている外部マイクジャック3が取り外されたことを検出する。本願明細書において、マイクの切り換えを検出する、とは、外部マイク2がビデオカメラ100に取り付けられたこと、または、外部マイク2がビデオカメラ100から取り外されたことを意味する。
フロントマイク切換スイッチユニット6(以下「Fスイッチユニット6」と記述する。)は、フロントレフト(FL)マイク切換スイッチ61およびフロントライト(FR)マイク切換スイッチ62を有しており、マイコン8からの制御信号に基づいて各スイッチ61および62を制御して、信号経路aまたは信号経路bを形成する。信号経路aに切り換えられたときは、内部マイク1のFLマイク11およびFRマイク12で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。信号経路bに切り換えられたときは、外部マイク2のLマイク21とRマイク22で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。
センター/リアマイク切換スイッチユニット7(以下「C/Rスイッチユニット7」と記述する。)は、センター(C)マイク切換スイッチ71、リアレフト(RL)マイク切換スイッチ72およびリアライト(RR)マイク切換スイッチ73を有しており、マイコン8からの制御信号に基づいて各スイッチ71、72および73を制御して、信号経路aまたは信号経路bを形成する。信号経路aに切り換えられたときは、内部マイク1のCマイク13、RLマイク14およびRRマイク15で取得された各音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。信号経路bに切り換えられたときは、Cマイク13、RLマイク14およびRRマイク15に対応するチャネル数の無音の音声信号がノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。なお、無音の音声信号は端子をグランド接地することにより生成される。
ノイズフィルターおよびA/D変換部9は、雑音消去と内部マイク1または外部マイク2のアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。
信号処理回路24は、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23を含む。AC−3コーデック10は、音声信号を、2CHまたは5.1CHのAC−3フォーマットに符号化し、復号化する。H.264コーデック23は、AC−3コーデック10から出力された音声信号、および、ビデオカメラ100の撮像光学系から出力された映像信号を符号化し、復号化する。そしてH.264コーデック23は、音声信号と共に映像信号を記録媒体26に記録する。
記録開始停止スイッチ20は、使用者が記録の開始および停止を操作するために利用される。
マイコン8は、ビデオカメラ100内の種々の回路に制御信号を出力してビデオカメラ100全体を制御する。たとえばマイコン8は、記録開始停止スイッチ20の押下に応答してビデオ撮影の開始を指示し、同時に信号処理回路24に対して映像信号および音声信号の処理の開始を指示する。マイコン8は、映像信号および/または音声信号の記録中に、電圧の変化を検出したことの通知を検出スイッチ5から受け取ると、外部マイク2が着脱されたこと、すなわち録音に使用するマイクが切り替えられたことを検出する。その結果、Fスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7に対して信号経路を切り換えるように制御信号を出力する。
次に、ビデオカメラ100の動作、特に音声の録音に関する動作を説明する。
(1)記録開始時に5CH内部マイク1を用いるときのビデオカメラ100の動作
図3は、使用するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。図3の上段にはビデオカメラ100の動作タイミングS1〜S5が示されており、その下から順に、記録状態A1、使用マイクA2および音声信号記録のフォーマットA3が示されている。
図3の上段に示すタイミングS1は記録開始であり、タイミングS2はマイク切り換えであり、タイミングS3は記録停止であり、タイミングS4は再度の記録開始であり、タイミングS5はその記録停止である。
タイミングS1では、記録状態A1は「記録」が行われることを示し、使用マイクA2は5CH内部マイクであることを示し、音声信号記録A3は5.1CHサラウンドサウンドの音声信号の記録を意味している。
記録状態A1が記録を示している状態で(すなわち記録中に)、タイミングS2において2CH外部マイクの取り付けが検出されると、ビデオカメラ100は、音声信号記録A3に示すように、以後も引き続き、5.1CHサラウンドサウンドの記録を継続する。ただしこのとき、使用マイクA2は2CH外部マイクに変更される。そして、2CH外部マイクのLマイクおよびRマイクからの音声信号が利用され、かつ、残りの3チャネル分の無音の音声信号が利用されて、5.1CHサラウンドサウンドの記録が継続される。
タイミングS3で記録が停止されると、記録状態A2は記録停止に遷移する。
その後、使用マイクA2が2CH外部マイクのままタイミングT4において記録開始の指示が与えられると、記録が開始される。その結果、記録状態A2は記録を示している状態に戻る。使用マイクA2のLマイク21とRマイク22とを利用して取得された音声信号は、ステレオサウンドで記録される。
以下、上述のタイミングS1〜S5に沿ってビデオカメラ100の動作を詳細に説明する。
まず、5CH内部マイク1の各マイク11〜15で取得された音声信号を記録中に、2CH外部マイクが取り付けられたときの動作を説明する。このときの動作は、図3のタイミングS1からタイミングS2経過後までの動作に対応する。
記録停止状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作したタイミングS1において、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていないことを検出する。これにより、マイコン8は、5CH内部マイク1を使用して音声信号を記録すると判断する。なお、外部マイク入力端子4に2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が接続されていないときは、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていないことを継続して検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路aを形成する。これにより、FLマイク11とFRマイク12で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。またCマイク13とRLマイク14とRRマイク15で取得された音声信号はC/Rスイッチユニット7に送られる。各音声信号は、ノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られて雑音を消去され、A/D変換されて、AC−3コーデック10に入力される。
マイコン8がAC−3コーデック10に対して5.1チャネル(CH)のAC−3エンコードを指示すると、AC−3コーデック10は、AC−3エンコードされた5.1CHサラウンドサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力する。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
その後、タイミングS2において、5CH内部マイク1で5.1CHサラウンドサウンドの記録を行っている状態で、2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4に接続されたときのビデオカメラ100の動作を説明する。
マイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が接続されたことを検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、Lマイク21とRマイク22で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。また残りのチャネルからの音声信号(Cマイク13とRLマイク14とRRマイク15)はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8は、記録状態であるため、AC−3コーデック10にAC−3エンコードを引き続き実行させる。AC−3コーデック10は、5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を生成してH.264コーデック23に出力する。H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサラウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
この結果、2CH外部マイク2のLマイク21とRマイク22の音声信号を用い、かつ、残りのチャネルは無音で5.1CHサラウンドサウンド記録が継続される。
ここで、2CH外部マイク2を用いて5.1CHサラウンドサウンド記録が行われているときに、2CH外部マイク2が取り外されたときの処理を説明する。この処理は、たとえば図3のタイミングS3が記録停止ではなく、タイミングS2と同様のマイク切り換えが行われたときに実行される。
使用者が、外部マイク入力端子4から2CH外部マイク2の外部マイクジャック3を取り外す。するとマイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り外されたことを検出し、その結果、マイクの切り換えを検出する。すると、マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路aを形成する。これにより、再び図3のタイミングS1からS2までの間に行われた処理が実行される。よって、ビデオカメラ100は、5CH内部マイク1のマイク11〜15で取得された音声信号を用いて5.1CHサラウンドサウンド記録を継続することができる。
次に、2CH外部マイク2を用いて取得された5.1CHサラウンドサウンドの記録中に記録停止を行い、再度記録開始するときの処理を説明する。
タイミングS3において、記録状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8はAC−3コーデック10にAC−3エンコード停止を指示し、AC−3コーデック10はエンコードを停止する。同時にマイコン8は、記録媒体26に対して記録停止のための制御を行い、5.1CHサラウンドサウンド記録を停止する。
タイミングS4において、使用者が再度記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8は、記録の連続性が必要ないこと、および、検出スイッチ5から入力された信号によって2CH外部マイク2が接続されたことを検出する。するとマイコン8は、AC−3コーデック10に対して、5.1チャネルではなく2CHのAC−3エンコードを指示する。AC−3コーデック10が2CHステレオサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力すると、H.264コーデック23は、映像信号11と共に2CHステレオサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
上述の説明から明らかなように、ビデオカメラ100は、2CH外部マイク2を用いて5.1チャネルサウンドの記録を行っていたときに記録を一旦停止すると、その後記録の開始が指示されたときは2CH外部マイク2を利用して2CHステレオサウンドの記録を行う。
図4は、5CHマイク1を用いて音声を記録している最中に、マイクを2CH外部マイク2に切り換えたときの処理の手順を示す。このとき、5.1CHサラウンドサウンドの音声信号が記録されている。
ステップS41において、マイコン8の制御にしたがって、ビデオカメラ100は5CH内部マイク1で音声を取得し、記録媒体26への音声信号の記録を継続する。
ステップS42において、2CH外部マイク2の取り付けに起因して検出スイッチ5によって電圧変化が検出されると、マイコン8は、5CH内部マイク1から2CH外部マイク2への切り換えを検出する。
ステップS43において、マイコン8は、音声信号を取得する信号経路を、2CH外部マイク2からの音声信号を取得する信号経路bに切り換える。
その結果、ステップS44において、2CH外部マイク2のレフト(L)およびライト(R)で2チャネルの音声信号(有音)が取得され、ステップS45において、センター(C)、リアレフト(RL)およびリアライト(RR)に対応する3チャネルの音声信号(無音)が取得される。
ステップS46においては、ノイズフィルターおよびA/D変換部9、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は、合計5CHの音声信号、すなわち2チャネルの有音音声信号および3チャネルの無音音声信号を処理し、得られた5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を記録媒体26へ継続的に記録する。
そしてステップS47において、ビデオカメラ100は記録停止の指示があるまで、2CH外部マイク2を利用した5.1CHサラウンドサウンドの記録を継続する。
以上の処理によれば、マイク切り換え時に音声信号の記録フォーマットが変化することがないため、音声信号の連続性を保つことができる。また、レフト(L)チャネルおよびライト(R)チャネルには有音の音声信号が記録されるが、それ以外のチャネルの音声は無音であるため、5.1CHサラウンドサウンドで記録されているにもかかわらず実質的には2CHステレオサウンドで記録されていることと同じになる。よって、ユーザの希望に沿った音声記録を実現できる。
(2)記録開始時に2CH内部マイク1を用いるときのビデオカメラ100の動作
図5は、使用するマイクを2CH外部マイクから5CH内部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。図5の上段にはビデオカメラ100の動作タイミングT1〜T5が示されており、その下から順に、記録状態B1、使用マイクB2および音声信号記録のフォーマットB3が示されている。図5の記載方法は図3に準じている。
記録状態B1が記録を示している状態で(すなわち記録中に)、タイミングT2において2CH外部マイク2の取り外しが検出されると、マイコン8はマイクの切り換えを検出する。ビデオカメラ100は、音声信号記録B3に示すように、以後も引き続き、2CHステレオサウンドの記録を継続する。ただしこのとき、使用マイクB2は5CH内部マイクに変更される。そして、5CH内部マイク1の音声信号の一部のみが記録される。具体的には、FLマイク11およびFRマイク12からの音声信号のみが利用され、残りの3チャネル(Cマイク13、RLマイク14およびRRマイク15)で取得された音声信号は利用されない。その結果、2CHステレオサウンドの記録が継続される。
タイミングT3で記録が停止されると、記録状態B2は記録停止に遷移する。
その後、使用マイクB2が5CH内部マイク1のまま、タイミングT4において記録開始の指示が与えられると、記録が開始される。その結果、記録状態B2は記録を示している状態に戻る。使用マイクB2に示されるように、5CH内部マイク1で取得された音声信号の全部が、5.1CHサラウンドサウンドで記録される。
以下、上述のタイミングT1〜T5に沿ってビデオカメラ100の動作を詳細に説明する。
記録停止状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作したタイミングT1において、マイコン8は、検出スイッチ5からの入力信号により2CH外部マイク2が接続されていることを検出する。これにより、マイコン8は、2CH外部マイク2を使用して音声信号を記録すると判断する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、Lマイク21とRマイク22で取得された音声信号はFスイッチユニット6を介してノイズフィルターおよびA/D変換部9に送られる。また残りのチャネルからの音声信号(Cマイク13とRLマイク14とRRマイク15)はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8がAC−3コーデック10に対して2チャネルの音声信号のAC−3エンコードを指示すると、AC−3コーデック10は、AC−3エンコードされた2CHステレオサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力する。AC−3コーデック10は、無音の音声信号の処理は行わない。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に2CHステレオサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
その後、タイミングT2において、2CH内部マイク1で2CHステレオサウンドの記録を行っている状態で、2CH外部マイク2の外部マイクジャック3が外部マイク入力端子4から取り外されたときのビデオカメラ100の動作を説明する。
マイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り外されたことを検出する。
マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61および62を制御して、信号経路aを形成する。一方、各スイッチ71、72および73については、引き続き信号経路bを保持する。
これにより、FLマイク11とFRマイク12で取得された音声信号はFスイッチユニット6に送られる。またCマイク13とRLマイク14とRRマイク15で取得された音声信号はノイズフィルターおよびA/D変換部9には送られない。C/Rスイッチユニット7におけるグランド接地により、これらに対応する無音の音声信号がノイズフィルターA/D変換9に送られて雑音消去とA/D変換が行われてAC−3コーデック10に入力される。
マイコン8は、記録状態であるため、AC−3コーデック10にAC−3エンコードを引き続き実行させる。AC−3コーデック10は、2CHステレオサウンドの音声信号を生成してH.264コーデック23に出力する。
H.264コーデック23は、映像信号11と共に2チャネルの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して2CHステレオサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
この結果、5CH内部マイク1のFLマイク11とFRマイク12の音声信号を用いて2CHステレオサウンド記録が継続される。
ここで、5CH内部マイク1を用いて2CHステレオサウンド記録が行われているときに、2CH外部マイク2が取り付けられたときの処理を説明する。この処理は、たとえば図5のタイミングT3が記録停止ではなく、タイミングT2と同様のマイク切り換えが行われたときに実行される。
使用者が、外部マイク入力端子4に2CH外部マイク2の外部マイクジャック3を取り付ける。するとマイコン8は、検出スイッチ5から入力された信号により、2CH外部マイク2が取り付けられたことを検出し、その結果、マイクの切り換えを検出する。すると、マイコン8はFスイッチユニット6およびC/Rスイッチユニット7内に設けられた各スイッチ61、62、71、72、73を制御して、信号経路bを形成する。これにより、再び図5のタイミングT1からT2までの間に行われた処理が実行される。よって、ビデオカメラ100は、2CHの内部マイク1で取得された音声信号を用いて2CHステレオサウンド記録を継続することができる。
次に、5CH内部マイク1を用いて取得された2CHステレオサウンドの記録中に記録停止を行い、再度記録開始するときの処理を説明する。
タイミングT3において、記録状態から使用者が記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8はAC−3コーデック10にAC−3エンコード停止を指示し、AC−3コーデック10はエンコードを停止する。同時にマイコン8は、記録媒体26に対して記録停止のための制御を行い、2CHステレオサウンド記録を停止する。
タイミングT4において、使用者が再度記録開始停止スイッチ20を操作すると、マイコン8は、記録の連続性が必要ないこと、および、検出スイッチ5から入力された信号によって2CH外部マイク2が取り付けられていないことを検出する。するとマイコン8は、AC−3コーデック10に対して、2チャネルではなく5.1CHのAC−3エンコードを指示する。AC−3コーデック10が5.1CHサラウンドサウンドの音声信号をH.264コーデック23に出力すると、H.264コーデック23は、映像信号11と共に5.1CHサラウンドサウンドの音声信号に対してH.264エンコードを行う。同時にマイコン8は、H.264エンコードされた映像・音声信号を記録媒体26に記録するよう制御する。その制御のもとで、H.264コーデック23は記録媒体26に対して5.1CHサラウンドサウンドを含む映像・音声信号の記録を行う。
ビデオカメラ100は、5CH内部マイク1を用いて2チャネルサウンドの記録を行っていたときに記録を一旦停止すると、その後記録の開始が指示されたときは5CH内部マイク1を利用して5.1CHサラウンドサウンドの記録を行う。
図6は、2CH外部マイク2を用いて音声を記録している最中に、マイクを5CH内部マイク1に切り換えたときの処理の手順を示す。このとき、2CHステレオサウンドの音声信号が記録されている。
ステップS61において、マイコン8の制御にしたがって、ビデオカメラ100は2CH外部マイク2で音声を取得し、記録媒体26への音声信号の記録を継続する。
ステップS62において、2CH外部マイク2の取り外しに起因して検出スイッチ5によって電圧変化が検出されると、マイコン8は、2CH外部マイク2から5CH内部マイク1への切り換えを検出する。
ステップS63において、マイコン8は、音声信号を取得する信号経路を、5CH内部マイク1からの音声信号を取得する信号経路aに切り換える。
その結果、ステップS44において、5CH内部マイク1のフロントレフト(FL)およびフロントライト(FR)で2チャネルの音声信号(有音)が取得され、ステップS45において、センター(C)、リアレフト(RL)およびリアライト(RR)に対応する3チャネルの音声信号(無音)が取得される。
ステップS66においては、ノイズフィルターおよびA/D変換部9、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は、2CHの有音音声信号を処理し、得られた2CHステレオサウンドの音声信号を記録媒体26へ継続的に記録する。
そしてステップS67において、ビデオカメラ100は記録停止の指示があるまで、5CH内部マイク1を利用した2CHステレオサウンドの記録を継続する。
以上の処理によれば、マイク切り換え時に音声信号の記録フォーマットが変化することがないため、音声信号の連続性を保つことができる。
以上、本発明による記録装置の例として、ビデオカメラの実施形態を例に挙げて説明した。
上述の図4および図6に示す処理は、マイコン8がメモリ(図示せず)に格納された、種々の実行コードから構成されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。そのようなコンピュータプログラムは製品としてCD−ROM等の光ディスク、メモリカード等の半導体メモリなどに代表される記録媒体26に記録されて市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。
マイコン8は、半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP、チップ回路、光ディスクコントローラ等のハードウェアとして実現することも可能であるし、メモリ上に展開されたコンピュータプログラムを汎用のプロセッサに実行させることによって実現することも可能である。
本実施形態では音声コーデックとしてAC−3を挙げて説明したが、これに限るものではない。AMR、MP3等の他の音声コーデックであっても採用できる。また本実施形態では映像・音声の圧縮方式としてH.264を挙げて説明したが、これに限るものではない。MPEG2、MPEG4等の他の方式であっても採用できる。
上述の図2に示される信号処理回路24においては、AC−3コーデック10およびH.264コーデック23は別々の回路として実装されているが、これは例である。1つの回路、すなわち信号処理回路24がAC−3コーデック10およびH.264コーデック23の処理を並列的に行ってもよい。
本発明による記録装置は、ビデオカメラのような映像の記録を前提とした機器に限られない。内部マイクと外部マイクとを利用可能な記録装置であれば、たとえばボイスレコーダのような機器としても実施できる。
上述の本実施形態においては、内部マイク1で取得できるチャネル数と、外部マイク2で取得できるチャネル数とが異なるとしているが、仮に同じであってもよい。ビデオカメラは、内部マイクのチャネル数と外部マイクのチャネル数が同じときも問題なく動作する。
本発明の記録装置は、たとえばビデオカメラとして製造される。ビデオカメラは、撮影記録中に、音声信号を取得するためのマイクが異なる種類のマイクに切り換えられた場合、使用するマイクを切り換えつつも音声信号記録フォーマットを保持し、連続性のある音声信号の記録を行う。チャネル数が異なる音声入力を持ち、記録の連続性の必要な音声記録機器の用途として有用である。
より具体的には、5CH内部マイクを利用していわゆる5.1CHサラウンドサウンドの音声信号を記録している最中に、マイクが2CH外部マイクに切り換えられた時において、音声信号が不連続にならないように音声信号を記録することができる。また、ビデオカメラは、2CH外部マイクを利用した音声信号の記録中にマイクが5CH内部マイクに切り換えられた時においても、音声信号が不連続にならないように音声信号を記録することができる。
本発明の実施形態によるビデオカメラ100の外観を示す図である。
本発明の実施形態によるビデオカメラ100の回路のブロック構成を示す図である。
使用するマイクを5CH内部マイクから2CH外部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。
5CH内部マイク1を用いて音声を記録している最中に、マイクを2CH外部マイク2に切り換えたときの処理の手順を示すフローチャートである。
使用するマイクを2CH外部マイクから5CH内部マイクに切り換えたときの、音声信号の切り換えタイミングを示す図である。
2CH外部マイク2を用いて音声を記録している最中に、マイクを5CH内部マイク1に切り換えたときの処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 5CH内部マイク
2 2CH外部マイク
3 外部マイクジャック
4 外部マイク入力端子
5 マイクジャック検出スイッチ
6 フロントマイク切換スイッチユニット
7 センター/リアマイク切換スイッチユニット
8 マイコン
9 ノイズフィルターA/D変換
10 AC−3コーデック
20 記録開始停止スイッチ
23 H.264コーデック
24 信号処理回路
25 メモリカードスロット
26 記録媒体
100 ビデオカメラ