JPWO2008044642A1 - アルミニウム合金鍛造品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
有底筒形状を有する部品でありながら、高い寸法精度と高い強度を同時に確保したアルミニウム合金鍛造品を提供する。鍛造用素材として、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量%、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなる焼き入れ感受性の鈍いアルミニウム合金を用いる。そして、鍛造用素材を400〜500℃に加熱し、予備加熱が行われた素材を有底筒形状に熱間鍛造し、熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却し、時効処理を行う。
Description
本発明は、有底筒形状を有するアルミニウム合金鍛造品およびその製造方法に関する。
自動車の駆動系部品は、従来鉄系材料が使用されていたが、近年の軽量化のニーズに応えるためにアルミニウム合金の鋳物もしくはアルミニウム合金ダイカストが使用されている。しかし、アルミニウム合金の鋳物もしくはアルミニウム合金ダイカストは、ミクロポロシティ等の欠陥が発生するため、自動車の駆動系部品、例えばLSDカップリングなどの耐圧強度が必要な部品では、インボリュートスプライン部分で割れが発生するなどの品質上の問題や、欠陥不良品の発生により歩留りが悪くなる問題抱えている。また、ミクロポロシティの発生を抑えるための真空鋳造法による製造方法では、品質上の問題はある程度改善されるものの高コストで生産性が悪くなる。
一方で、アルミニウムの連続鋳造棒を密閉閉塞鍛造で製造する鋳造鍛造方法がある。鋳造鍛造方法では、鋳物のようなミクロポロシティの発生等の品質上の問題は解決され、歩留まりも良く、生産性も高い。
従来の熱間鍛造による製造方法は、図15に示すように、アルミニウム合金を鋳造し、所定の温度で均質化処理を行った後、鍛造用素材として必要な大きさに切断を行う。そして、所定の温度に予備加熱してから熱間鍛造を行う。その後、所定の温度で溶体化処理を行って水冷処理(水焼き入れ)を行い、所定の温度で時効処理を行うようになっている。
しかし、LSDカップリングのような有底筒形状を鍛造で製造すると、筒形状の薄肉部分では、熱処理の際に歪みが発生しやすく、寸法精度が悪くなる問題がある。つまり、筒形状の薄肉部分は、主に溶体化処理後の水焼き入れ工程で、素材の急速な冷却による熱収縮で変形し歪みが生じるために、必要とされる寸法精度が得られない問題がある。
発生した歪みをサイジングで矯正する方法や、切削加工等で寸法出しを行う方法で問題解決が可能であるが、その分製造コストが高くなる問題が発生する。
そこで、熱間鍛造品について、溶体化処理後の水焼き入れ工程での歪みを抑制するために、下記特許文献1(特開2005−146415)では、以下の方法が開示されている。
すなわち、下記特許文献1では、着脱容易な焼き入れ歪抑制治具を用いて焼き入れを実施し、真円度の歪みの発生を抑えた生産性の高い鍛造品の製造方法を提供することを目的として、有底円筒形状部を有する鍛造製品を加熱して焼入れする工程を含む鍛造品の製造方法において、有底円筒形状部に、加熱状態で少なくとも一部のクリアランスがゼロとなる常温時のクリアランスを有する外周囲い部を備えた焼入れ歪抑制治具を外側から装着した状態で加熱し、焼入れ歪抑制治具が装着された鍛造製品の部位を下側にし、鍛造製品の上端側を固定手段で固定して浸漬槽に浸漬して焼入れするという方法が開示されている。
この特許文献1の方法によれば、水焼き入れ工程で歪みを抑制することは可能であり、寸法精度の高い鍛造品は得られる。しかしながら、寸法精度の高い治具を作製し、熱処理ごとに毎回治具の取外しを行わなければならず手間がかかるため、製造コストが高くなる問題がある。
一方で押出材の製造方法では、プレス焼入れによって冷却方法を工夫することで中空押出材の断面形状や寸法精度を安定させ、T6処理と同等の強度を得られるT5処理の方法が提案されている。
例えば、下記特許文献2(特開2000−328210)では、以下の方法が開示されている。
すなわち、下記特許文献2では、断面形状が安定し、T5処理の時効処理で必要強度が付与された析出型アルミニウム合金の略中空押出形材を得ることを目的として、6000系アルミニウム合金の組成をもつ略中空材を押出した直後、押し出された略中空材の焼き入れ温度から形材温度が200℃までの温度域において275×t×R≦α≦0.1×λ/t[ただし、α:熱伝達係数(W/m2・℃)、λ:熱伝導率(W/m・℃)、t:中空部の最大肉厚(m)、R:冷却速度(℃/分)]が満足される条件化で略中空材を冷却し、その後に時効処理を施す。6000系合金でT5処理後の引張強さが310MPa以上を必要とするときは、冷却速度を200℃/分に設定し、55000×t≦α≦16/tを満足する冷却条件を設定するという方法が開示されている。
また、下記特許文献3(特開2002−275603)では、以下の方法が開示されている。
すなわち、下記特許文献3では、押出し直後の熱処理型アルミニウム合金押出材をプレス焼入れする際、焼入れ不良を防止し、かつ押出材の断面変形や曲がりの発生を防止することを目的として、コンプレッサーと押出材の周辺および押出材の経路に沿って列をなして配置された複数の圧縮空気増幅器を備え、最出側の空気増幅器の圧縮空気導管に給水用のホースが設置されたプレス焼入れ用冷却装置。圧縮空気増幅器はコンプレッサーからある流量の圧縮空気を受取り、押出材の表面に向かう空気を受取り、押出材の表面に向かう流量の増幅した冷却空気の流れを発生させる。圧縮空気は押出材をファン冷却の数倍の速度で冷却し、さらに最出側では圧縮空気がミストを含み、押出材を急冷するという方法が開示されている。
これら特許文献2および3の方法は、ともに押出材の製造方法を対象としたものであり、時効析出型合金の2000、4000、6000、7000系合金からなる押出材のプレス焼入れ方法やその冷却装置に関するものである。これら2つの方法は、ともに焼入れ方法は水冷処理でなく空冷処理であるが、焼入れ条件を設定し、必要な焼入れ速度を得る為に専用の焼入れ設備が必要となる。
しかしながら本来は、製造コストの観点から、焼入れ工程は冷却条件の設定や専用設備を用いることがないほうが好ましい。つまり、焼入れ処理は、常温(約25℃)において素材が放置されて冷却される方法が、設備費用、電力、人件費等の製造コストのかからない最善の方法である。
ただし、常温(約25℃)において放置する方法を含めて、空冷処理を行うと、水冷と比較して冷却速度が極端に遅くなるので、冷却中に溶体化処理で固溶した溶質元素の析出が起こるため、その後の時効処理で十分な効果が得られず、大幅に強度が低下してしまう問題がある。
図14に熱処理型アルミニウム合金の析出物のTTP(Time Temperature Property)図を示す。図中において、析出物の析出開始領域はC曲線で示される。アルミニウムは合金の化学組成によってC曲線の位置が異なるが、焼入れ感受性の鈍い合金ほどC曲線が右側、つまり長時間側にずれる。
また、図14に示すように、通常の水冷処理では冷却速度が速いため、冷却曲線が前記C曲線にかかることがないが、空冷処理では冷却速度が遅い為、冷却曲線がC曲線にかかり冷却中に溶体化処理で固溶した溶質元素の析出が起こり焼入れ不良となる。そのため、時効処理で十分な効果が得られず、大幅に強度が低下する。常温(約25℃)において素材が放置されて冷却される方法は、非常に冷却速度が遅く、焼入れ不良を引き起こす条件であるため、析出開始範囲のC曲線がより長時間側に位置していなければならない。
焼入れ感受性の鈍いアルミニウム合金の代表として6063合金、7003合金、7N01合金等が挙げられる。これらは、いずれも押出材として開発された合金である。押出材は結晶粒度が非常に細かくより多くの押出繊維状組織を有するため、プレス焼入れによる熱処理でも強度的に十分優れることから、上記の合金は、産業上幅広く使われている。
特開2005−146415号公報
特開2000−328210号公報
特開2002−275603号公報
しかしながら、焼入れ感受性については、析出物のTTP(Time Temperature Property)図中のC曲線の位置が非常に重要になってくるが、いずれの合金組成においてもC曲線の位置は明確に定義されておらず、常温(約25℃)において素材が放置されて冷却されるような非常に冷却速度の遅い方法においても十分に焼きが入る合金組成は不明であった。
したがって、歪みの発生しやすい筒形状の薄肉部分を有する有底筒形状の部品においては、熱間鍛造によって、高い寸法精度と高い強度と備えたものを製造することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有底筒形状を有する部品でありながら、高い寸法精度と高い強度を同時に確保したアルミニウム合金鍛造品およびその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明のアルミニウム合金鍛造品およびその製造方法およびは下記[1]〜[14]に記載の構成を有する。
[1]化学組成において、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量%、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金で構成されたアルミニウム合金鍛造品の製造方法であって、
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含むことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含むことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[2]前記アルミニウム合金の化学組成において、Zn濃度が4.5〜5質量%である前項1に記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[3]前記アルミニウム合金の化学組成において、Mg濃度が1.5〜2質量%である前項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[4]前記アルミニウム合金の化学組成において、Cu濃度が0.05〜0.1質量%である前項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[5]前記アルミニウム合金の化学組成において、Mn濃度が0.2〜0.5質量%である前項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[6]前記アルミニウム合金の化学組成において、Cr濃度が0.001〜0.15質量%である前項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
[7]前記アルミニウム合金の化学組成において、Si、VおよびZrの濃度がそれぞれ0.2質量%以下に規制されている前項1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[8]前記冷却工程における冷却速度が10〜30℃/分である前項1〜7のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[9]前記冷却工程は、15〜35℃の常温下で自然放冷させることによる前項1〜8のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[10]前記鍛造工程の終了時の鍛造品の温度が380〜500℃である前項1〜9のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
[11]前記時効処理は、90〜110℃で6〜10時間の時効処理と、その後に行う130〜160℃で6〜10時間の時効処理とを含む前項1〜10のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
[12]前記鍛造工程後に溶体化処理および水焼き入れを行わない前項1〜11のいずれかい記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
[13]前記鍛造用素材として、アルミニウム合金の連続鋳造棒を用いる前項1〜12のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
[14]化学組成が、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金で構成されたアルミニウム合金鍛造品であって、
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含む製造方法によって製造されたことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品。
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含む製造方法によって製造されたことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品。
上記発明[1]によると、上記化学組成により焼き入れ感受性の鈍いアルミニウム合金素材を得ることができるため、予備加熱工程で固溶させた溶質元素が熱間鍛造後の非常に遅い冷却速度の冷却工程においても析出しにくく、その後の時効処理で析出させることによって高い強度を得ることができる。熱間鍛造後の遅い冷却とその後の時効処理によって高い強度を確保することができ、水焼き入れを行わないことによって寸法精度の良い鍛造品を製造できる。従って、従来の製造方法において水焼き入れに起因して発生する筒形状部の歪みを抑制でき、薄肉の筒形状部においても優れた寸法精度を確保できる。従って、有底筒形状を有する部品でありながら、高い寸法精度と高い強度を兼ね備えたアルミニウム鍛造品を製造することができる。ここで、「焼き入れ感受性が鈍い」とは、冷却速度が遅くても冷却中に析出物が生じにくく、その後の時効処理で高い強度が得られることである。
また、溶体化処理および水焼き入れ処理が省略され、さらに寸法精度を確保するためのサイジング等の矯正や切削加工の工程も省略することができるため、大幅な製造コストの低減を図ることができる。
また、水焼き入れによる歪みの発生がないため、筒形状部をより薄肉化して軽量化を図ることもできる。
上記発明[2]〜[6]によると、特に焼き入れ感受性が鈍い組成範囲であるため、上記冷却速度の冷却工程でも十分に高い強度を確実に得ることができる。
上記発明[7]によると、鋳造時の不可避不純物であるSi、VおよびZrによる焼入感受性の鋭敏化による悪影響を抑えることができる。
上記発明[8]によると、上記合金の化学組成により高い強度を確保しながら、きわめて遅い冷却速度により、歪みの発生をさらに確実に低減することができる。
上記発明[9]によると、冷却工程を常温下での自然放冷によって行うため、特別な設備を要することがなく、製造コストの低減を図ることができる。
上記発明[10]によると、鍛造終了後の温度から冷却工程を行うことにより、歪みの発生を抑制して高い寸法精度を得ながら、高い強度を同時に確保することができる。
上記発明[11]によると、時効処理の処理効率が良い。
上記発明[12]によると、予備加熱工程および遅い冷却工程によって従来の溶体化処理および水焼き入れと同等の効果が得られるので、溶体化処理および水焼き入れを行う必要がない。
上記発明[13]によると、ミクロポロシティ等の発生のなく内部品質に優れた鍛造品を得ることができるとともに、押出材や粉末材と比較して低コストで製造することができる。
上記発明[14]に記載のアルミニウム合金鍛造品は、焼き入れ感受性の鈍いアルミニウム合金で構成され、熱間鍛造後の非常に遅い上記冷却速度の冷却工程とその後の時効処理によって高い強度が確保され、水焼き入れを行わないことで、高い寸法精度が確保されている。
また、溶体化処理および水焼き入れ処理が省略され、さらに寸法精度を確保するためのサイジング等の矯正や切削加工の工程も省略することができるため、大幅な製造コストの低減を図ることができる。
また、水焼き入れによる歪みの発生がないため、筒形状部をより薄肉化して軽量化を図ることもできる。
BL 鍛造用素材
S、S1、S2、S3、S4 鍛造品
20 上型(加圧パンチ)
21 ノックピン
30 下型
31 ディスノックピン
S、S1、S2、S3、S4 鍛造品
20 上型(加圧パンチ)
21 ノックピン
30 下型
31 ディスノックピン
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細について説明する。
[鍛造品の形状]
本発明によって製造する有底筒形状の鍛造品とは、筒形状部の一端に底部を有するものであれば良く、各部の形状は限定されない。図1Aおよび図1Bに示した鍛造品(S1)は筒形状部(1a)が円筒形であって抜き勾配が外周側および内周側で0°であり、底部(2a)は前記筒形状部(1a)よりも小径である。また、図2Aおよび図2Bに示した鍛造品(S2)は、筒形状部(1b)の直径が底部(2b)側よりも開口側で拡大されたラッパ形状の形状である。さらに、筒形状部の横断面形状は円形にされるものではなく、角形、楕円形、不定形であっても良い。図3に例示した鍛造品(S3)は筒形状部(1c)が四角形であり、図4に例示した鍛造品(S4)は筒形状部(1d)が六角形である。
本発明によって製造する有底筒形状の鍛造品とは、筒形状部の一端に底部を有するものであれば良く、各部の形状は限定されない。図1Aおよび図1Bに示した鍛造品(S1)は筒形状部(1a)が円筒形であって抜き勾配が外周側および内周側で0°であり、底部(2a)は前記筒形状部(1a)よりも小径である。また、図2Aおよび図2Bに示した鍛造品(S2)は、筒形状部(1b)の直径が底部(2b)側よりも開口側で拡大されたラッパ形状の形状である。さらに、筒形状部の横断面形状は円形にされるものではなく、角形、楕円形、不定形であっても良い。図3に例示した鍛造品(S3)は筒形状部(1c)が四角形であり、図4に例示した鍛造品(S4)は筒形状部(1d)が六角形である。
底部の形状も何ら限定されず、筒形状部と同径であっても良いし、前記鍛造品(S1)(S2)(S3)(S4)のように底部(2a)(2b)(2c)(2d)が筒形状部(1a)(1b)(1c)(1d)よりも径の小さいものであって良いし、径が拡大された底部であっても良い。さらに、図1Bおよび図2Bに示すように、底部(2a)(2b)の中央部にくぼみ(3)を有しても良いし、平面のものでも構わない。
また、筒形状部の形状は、なめらかな曲面や平面の組み合わせの他、図5A、図5Bおよび図5Cに示すように、外周および内周にインボリュートスプラインや花びら形状を有する筒形状部(1e)(1f)(1g)であってもよい。
本発明における有底筒形状の鍛造品のサイズは問わないが、たとえば図1Aおよび図1Bに示す鍛造品(S1)のサイズ例として、円筒形の筒形状部(1a)の外周の直径がφ80〜200mm、筒形状部(1a)の高さが50〜120mm、筒形状部(1a)の厚さが5〜10mmのものを例示することができる。
このような有底筒形状に鍛造品では、筒形状部のうち、開口部の近傍部分が底部近傍に比して歪みを生じやすい形状特性を有している。筒形状部が薄肉に構成されるとなおさらである。
ところが、鍛造品の用途によっては、このような筒形状部に対して、高い寸法精度が求められる場合がある。特に、筒形状部の内側面あるいは外側面にインボリュートスプライン等のギア形状を有している場合には、ギア部分について高い寸法精度が求められる。
さらに、鍛造品の用途によっては、高い寸法精度とともに、高い機械的強度も同時に求められる場合がある。
本発明は、このような有底筒形状の鍛造品の材料として、特定の化学組成のアルミニウム合金を用い、かつ鍛造後に溶体化処理および水焼き入れ(水冷処理)を行わないことで高い強度を確保するとともに、水焼き入れによって生じやすい歪みを低減して薄肉の筒形状部についても高い寸法精度を確保することを可能としたものである。
[合金の化学組成]
まず、本発明にかかるアルミニウム合金鍛造品の製造方法において、鍛造品を構成する素材の化学組成について説明する。
[合金の化学組成]
まず、本発明にかかるアルミニウム合金鍛造品の製造方法において、鍛造品を構成する素材の化学組成について説明する。
前記アルミニウム合金の化学組成は、本発明者らが鋭意研究を重ねて知見するに至ったものであり、焼入感受性が鈍く、常温(約25℃)において素材が放置されて冷却されるような非常に冷却速度の遅い冷却工程においても、通常の水冷処理と同等の強度が得られるものである。
具体的に、この合金の化学組成とは、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量%、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるものである。
Znは添加量の増加にともない合金強度を向上させる。例えば自動車の駆動系部材に必要な強度を得るためには、4質量%以上の添加が必要になる。しかし、5質量%を超えて添加されると強度は向上するものの焼入れ感受性が鋭くなり、冷却速度が10〜50℃/分の遅い冷却においても強度低下を引き起こすとともに、耐応力腐食割れ性が低下する恐れがある。従って、Zn濃度は4〜5質量%とし、より望ましい範囲は4.5〜5質量%の範囲である。
MgはZnと同じく合金強度を向上させる溶質元素であるが、自動車の駆動系部材に必要な強度を得るためには、1質量%以上の添加が必要になる。しかし、2質量%を超えて添加されると、焼入れ感受性が鋭くなり、遅い冷却処理で強度低下を引き起こすとともに塑性加工性が悪くなる恐れがある。従って、Mg濃度は1〜2質量%とし、より望ましくは1.5〜2質量%の範囲である。
Cuは、ZnおよびMgと同じく合金強度を向上させる溶質元素であるが、その反面で著しく焼入れ感受性を鋭くする恐れがある。このため、Cu濃度は強度向上のために0.05質量%以上とし、焼入感受性を鋭くしないために0.2質量%以下とする。望ましくは0.05〜0.1質量%の範囲である。
Mnは、再結晶の発生を抑制し強度低下を防ぐ効果がある。Mn濃度が0.2質量%未満であると、再結晶の抑制効果が低下し、0.7質量%を超えると焼入れ感受性を鋭くし、遅い冷却処理で強度低下を引き起こす恐れがある。従って、Mn濃度は0.2〜0.7質量%とし、より望ましくは0.2〜0.5質量%の範囲である。
Crは、Mnと同じく再結晶の発生を抑制し強度低下を防ぐ効果があるが、Cr濃度が0.001質量%未満ではその効果が低下し、0.3質量%を超えると焼入れ感受性を鋭くし、遅い冷却処理で強度低下を引き起こす恐れがある。従って、Cr濃度は0.001〜0.3質量%とし、より望ましくは0.001〜0.15質量%の範囲である。
Si、V、Zrの3元素は、鋳造時の不可避不純物として扱われる。これらの元素は焼入感受性を鋭くするおそれがあり、それぞれ0.2質量%以下であることが好ましく、さらに0.1質量%以下であることが好ましい。
上記アルミニウム合金からなる鍛造用素材の製造方法が限定されないが、連続鋳造法により製造された棒であることが好ましい。連続鋳造棒であれば、結晶粒が微細で、組織が押出材より等方性であり、ミクロポロシティ等の発生がなく内部品質に優れ、なおかつ押出材や粉末材と比較して低コストで製造できる点でも好ましい。たとえば、水平連続鋳造法、気体加圧式連続鋳造法によって連続鋳造棒を製造することができる。
[製造工程]
次に、本発明の実施形態にかかる有底円筒形状の鍛造品の製造方法の詳細について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
[製造工程]
次に、本発明の実施形態にかかる有底円筒形状の鍛造品の製造方法の詳細について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
図7Aおよび図7Bは製造する鍛造品(S)であり、断面円形の筒形状部(10)の一端が小径の底部(11)によって閉じられ、前記底部(11)の内面には円形の窪み(12)が形成されている。
なお、この製造方法では鍛造用素材(BL)を鋳造によって製作しているが、本発明は鍛造用素材の製造方法を限定するものではない。
図8〜図11は、上型(20)および下型(30)を備えた鍛造装置の一例を示している。下型(30)のブッシュ内に鍛造用素材(BL)を投入し、加圧パンチからなる上型(20)を下降させることによって圧縮鍛造が行われ、下型(30)の内面と上型(20)の外周面との間の隙間に素材が充填されることによって鍛造品(S)が成形される。これらの図において、(21)は上型(20)内を昇降可能に貫通するノックピンであり、(22)はこのノックピン(21)に背圧を付与するための背圧発生装置である。図示例の前記背圧発生装置(22)はアッパープレート(25)に取り付けられたガスクッションであり、成形された鍛造品(S)によって前記ノックピン(21)が上昇してケース(23)内にピストン(24)を退入させることにより背圧を発生させ、発生した背圧によってノックピン(21)が鍛造品(S)を下方向に押し出すものとなされている。また、(31)は下型(30)を貫通するディスノックピンである。
なお、前記背圧発生装置(22)は、簡易に取り付けのできるガスクッションが好ましいが、油圧クッションを用いてもよい。
<鋳造工程>
上記化学組成のアルミニウム合金を鋳造して連続鋳造棒(ビレット)を製造する。
<均質化工程>
連続鋳造棒(ビレット)を所定の温度で均質化処理する。
<切断工程>
連続鋳造棒(ビレット)を鍛造品のサイズに応じて所定の長さに切断し、鍛造用素材とする。このとき必要に応じて、素材を所定の直径、所定の厚さになるように予備成形して目的の鍛造品(S)の形状に近づけておく。図12Aおよび図12Bは、鍛造品(S)の形状に近づけた段付円柱体(15)であり、径の大きい筒形状部(10)と径の小さい底部(11)を成形するために、段付状に予備形成したものである。かかる予備成形は据込加工等により適宜行う。鍛造品(S)の形状に近い鍛造用素材を用いることにより、鍛造品(S)の寸法精度を向上させことができる。
<鋳造工程>
上記化学組成のアルミニウム合金を鋳造して連続鋳造棒(ビレット)を製造する。
<均質化工程>
連続鋳造棒(ビレット)を所定の温度で均質化処理する。
<切断工程>
連続鋳造棒(ビレット)を鍛造品のサイズに応じて所定の長さに切断し、鍛造用素材とする。このとき必要に応じて、素材を所定の直径、所定の厚さになるように予備成形して目的の鍛造品(S)の形状に近づけておく。図12Aおよび図12Bは、鍛造品(S)の形状に近づけた段付円柱体(15)であり、径の大きい筒形状部(10)と径の小さい底部(11)を成形するために、段付状に予備形成したものである。かかる予備成形は据込加工等により適宜行う。鍛造品(S)の形状に近い鍛造用素材を用いることにより、鍛造品(S)の寸法精度を向上させことができる。
図8〜図11に示した鍛造工程においては、鍛造用素材(BL)としてこの段付円柱体(15)を用いている。
前記鍛造用素材(BL)に対して、ボンデ処理を施すか、あるいは黒鉛系水溶潤滑剤に浸漬して潤滑剤の塗布処理を施す。
<予備加熱工程>
鍛造用素材(BL)に潤滑剤を塗布後、予備加熱する。この予備加熱は、溶体化処理工程の役割も果たすため、予備加熱温度(TA)は400℃以上とする(図13参照)。予備加熱温度(TA)が400℃未満では、溶質元素の固溶が不十分であり、時効処理後に強度が低下する恐れがある。また、500℃を超えると、鍛造用素材(BL)がバーニングによって局部溶解するおそれがあり、ひいては機械的特性に影響を及ぼすおそれがあるため、予備加熱温度(TA)は500℃〜400℃の範囲とする。予備加熱温度(TA)のより好ましい範囲は500℃〜450℃の範囲である。また、加熱時間は、溶質元素を十分に固溶させるために0.5〜2時間であることが好ましく、特に1〜1.5時間が好ましい。
<鍛造工程>
鍛造用金型も、上型(20)および下型(30)でヒーター等によって予備加熱しておき、150〜300℃の範囲に加熱保持されていることが好ましい。
<予備加熱工程>
鍛造用素材(BL)に潤滑剤を塗布後、予備加熱する。この予備加熱は、溶体化処理工程の役割も果たすため、予備加熱温度(TA)は400℃以上とする(図13参照)。予備加熱温度(TA)が400℃未満では、溶質元素の固溶が不十分であり、時効処理後に強度が低下する恐れがある。また、500℃を超えると、鍛造用素材(BL)がバーニングによって局部溶解するおそれがあり、ひいては機械的特性に影響を及ぼすおそれがあるため、予備加熱温度(TA)は500℃〜400℃の範囲とする。予備加熱温度(TA)のより好ましい範囲は500℃〜450℃の範囲である。また、加熱時間は、溶質元素を十分に固溶させるために0.5〜2時間であることが好ましく、特に1〜1.5時間が好ましい。
<鍛造工程>
鍛造用金型も、上型(20)および下型(30)でヒーター等によって予備加熱しておき、150〜300℃の範囲に加熱保持されていることが好ましい。
次に、上型(20)および下型(30)に潤滑剤を塗布する。潤滑剤は、水性黒鉛潤滑剤、油性黒鉛潤滑剤を挙げられるが、鍛造用素材(BL)と金型(20)(30)でカジリが発生しないようにするには、水性黒鉛潤滑剤と油性黒鉛潤滑剤を併用し、塗布量は共に5〜20g(濃度は0.5〜25質量%)とするのが好ましい。潤滑剤を塗布後、鍛造用素材(BL)を下型の(30)ブッシュ内部に投入する。鍛造用素材(BL)を投入した状態の成形開始時を図8に示す。
鍛造用素材(BL)を下型(30)のブッシュ内部に投入した後、上型(20)を下降させると、圧縮鍛造が開始される。上型(20)下降させて、底部(11)および筒形状部(10)の成形が完了した状態を図9に示す。(S)は成形された鍛造品であり、成形された筒形状部(10)によってノックピン(21)が押し上げられている。
成形完了後、ノックアウトによって鍛造品(S)を排出するが、この時、上型(20)と鍛造品(S)の接触面積が大きいと上型(20)に鍛造品(S)が焼き付いて外せなくなることがある。このため、本例では、上型(20)と下型(30)の両方からノックアウトを行っている。
即ち、図10示すように、上型(20)がアッパープレート(25)とともに下死点から上昇するとともに、背圧発生装置(22)によりノックピン(21)で鍛造品(S)を下方向へ押し出す。また、上型(20)から鍛造品(S)がノックアウトされた後、下型(30)からディスノックピン(31)のノックアウトにより、鍛造品(S)が上方向に押し出され、最終的に図12に示すように、鍛造品(S)が上型(20)および下型(30)から排出される。
<冷却工程>
成形された鍛造品(S)の温度は、380〜500℃であり、より好ましくは450〜500℃〜450℃である。鍛造後は、10〜50℃/分の冷却速度で徐冷する。
<冷却工程>
成形された鍛造品(S)の温度は、380〜500℃であり、より好ましくは450〜500℃〜450℃である。鍛造後は、10〜50℃/分の冷却速度で徐冷する。
前記冷却速度を達成するには、鍛造品(S)を常温(15℃〜35℃)下で放置すれば良い。例えば、鍛造後に冷却用棚に配列して放置し、冷却する方法で良い。冷却には、特にミスト発生装置や送風機等の設備は不要であり、コストの削減が図れる。
なお、本発明の冷却速度の範囲内であれば冷却速度を制御しても良い。冷却速度の制御手段として、送風機を用いる空気浴、高沸点媒体を用いる油浴、ミスト発生装置を用いる蒸気浴等を例示できる。
図13に、本発明における鍛造用素材(BL)および鍛造品(S)の熱処理パターンを示す。本図において、予備加熱前(t0)の鍛造用素材(BL)の温度が(T0)であり、鍛造用素材(BL)を予備加熱して所定の温度(TA)に達した時点を(tA)、鍛造直前時(tB)の温度が(TB)であり、鍛造した鍛造品(S)を金型から排出した時点(tC)で鍛造品(S)の温度が(TC)となり、鍛造品(S)が冷却されて250℃まで低下した時点が(tD)であることを示している。
本発明においては、鍛造後に鍛造品(S)を金型から排出した時点(tC)の鍛造品(S)の温度(TC)を冷却開始温度とし、この時点から鍛造品(S)温度が250℃まで低下した時点(tD)までの温度変化速度(ΔV)をもって冷却速度とする。冷却速度(ΔV)の算出式を以下に示す。
なお、予備加熱後直ちに鍛造を行うので、予備加熱温度(TA)と鍛造直前時(tB)の温度(TB)に差はなく、予備加熱温度(TA)で鍛造が開始される。
鍛造後に鍛造品を常温(15〜35℃)の常温下に放置して冷却(自然放冷)させると、冷却速度(ΔV)は、おおよそ20〜30℃/分の速度になる。
鍛造品の寸法精度と強度とを得るためには、冷却速度は10〜50℃/分であることが好ましい。特に高い寸法精度を得るためには、冷却速度が10〜30℃/分であることが好ましい。上記範囲の冷却速度は、鍛造品を自然放冷することにより達成される速度であり、換言すれば、鍛造品を自然放冷することによって寸法精度と強度を得ることができる。
なお、冷却速度が50℃/分を超えても相応の寸法精度と強度を得ることはできるが、50℃/分を超える速度で冷却にするためには、ファン等の設備で送風して強制的に冷却する必要があるため、専用の設備が必要となり製造コストがかかる点で好ましくない。
<時効処理工程>
冷却後は2段時効処理を行う。2段時効処理は、90〜110℃×6〜10時間で処理した後に130〜160℃×6〜10Hrで処理することが好ましい。上記温度範囲や時間がずれると、時効処理による溶質元素の析出が不十分となり必要とされる強度が得られない恐れがある。特に好ましい時効処理条件は、1段目が90〜100℃×8〜10時間であり、2段目が140〜150℃×8〜10時間である。本発明は1段時効処理を排除するものではないが、一段時効処理では必要な強度を得るために低温で長時間の処理(例えば120℃で24時間以上)が必要となり、生産性が低下する点で好ましくない。
<時効処理工程>
冷却後は2段時効処理を行う。2段時効処理は、90〜110℃×6〜10時間で処理した後に130〜160℃×6〜10Hrで処理することが好ましい。上記温度範囲や時間がずれると、時効処理による溶質元素の析出が不十分となり必要とされる強度が得られない恐れがある。特に好ましい時効処理条件は、1段目が90〜100℃×8〜10時間であり、2段目が140〜150℃×8〜10時間である。本発明は1段時効処理を排除するものではないが、一段時効処理では必要な強度を得るために低温で長時間の処理(例えば120℃で24時間以上)が必要となり、生産性が低下する点で好ましくない。
以上の実施形態によれば、上述したとおり特定の合金組成により焼き入れ感受性の鈍いアルミニウム合金素材を得ることができるため、水焼き入れを行うことなく、熱間鍛造後の非常に遅い上記冷却速度の冷却工程によって高い強度を確保することができる。そして、水焼き入れを行わないため、また、薄肉の筒形状部を有する有底筒形状であるにもかかわらず、水焼き入れによる薄肉の筒形状部における歪みの発生を抑制できる。したがって、有底筒形状を有する部品でありながら、高い寸法精度と高い強度を同時に確保したアルミニウム合金鍛造品を製造することができる。特に、従来の製造方法では寸法精度の確保が困難であった形状の鍛造品、例えば薄肉の筒形状部、インボリュートスプラインや花びら形状の筒形状部を有する鍛造品の寸法精度を向上させることができる。
また、溶体化処理および水焼き入れ処理が省略され、さらに寸法精度を確保するためのサイジング等の矯正や切削加工の工程も省略することができるため、大幅な製造コストの低減を図ることができる。
また、水焼き入れによる歪みの発生がないため、筒形状部をより薄肉化して軽量化を図ることもできる。
また、冷却工程を常温条件下での自然放冷によるため、特別な設備を要することがなく、製造コストの低減を図ることができる。
また、鍛造用素材として連続鋳造棒を用いることによって、ミクロポロシティ等の発生のない内部品質に優れた鍛造品を得ることができるとともに、押出材や粉末材と比較して低コストで製造することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とを対比して説明する。
後述の実施例および比較例において、表1に示す化学組成のアルミニウム合金を用い、鍛造後の熱処理条件を変えて、図7Aおよび図7Bに示す有底筒形状の鍛造品(S)を作製した。
表1の9種のアルミニウム合金のうち、(7)(8)(9)の化学組成は本発明の範囲内であり、(1)〜(6)の化学組成は本発明から逸脱するものである。
前記鍛造品(S)は、断面円形の筒形状部(10)の一端が小径の底部(11)によって閉じられ、前記底部の内面には円形の窪み(12)が形成されている。前記鍛造品(S)の寸法は、筒形状部(10)の外径(D)が125mm、筒形状部(10)の高さ(H1)が100mm、筒形状部(10)の厚さ(T)が8mm、底部(11)の高さ(H2)が22mm、全高さ(H)が122mmである。
また、前記鍛造品(S)は図8〜図11で示される鍛造装置を用いて成形するものとした。この鍛造において、鍛造用素材(BL)として、図12Aおよび図12Bに示す、直径125mm、高さ50mmの段付円柱体(15)を用いた。前記段付円柱体(15)は、直径84mmで長さが5mの連続鋳造棒を鋳造し、均質化処理を行い、直径80mmに面削し、さらに厚さ103mmに切断した円柱体を、据込加工して段付形状に成形したものである。前記段付円柱体(15)は前記鍛造品(S)に近似した形状であり、大径部(16)は鍛造品(S)の筒形状部(10)に成形され、小径部(17)は底部(12)に成形される。
<実施例1〜8、比較例1、2、3、5、7、9、11、13:鍛造後に空冷>
表2に、各例で用いた鍛造用素材(BL)のアルミニウム合金No.を示す。
<実施例1〜8、比較例1、2、3、5、7、9、11、13:鍛造後に空冷>
表2に、各例で用いた鍛造用素材(BL)のアルミニウム合金No.を示す。
前記鍛造用素材(BL)を黒鉛系水溶潤滑剤に浸漬して潤滑剤の塗布処理を施し、表2に示す温度(TB)で1時間予備加熱した。
一方、上型(20)および下型(30)に水性黒鉛潤滑剤と油性黒鉛潤滑剤を併用して塗布して約200℃に加熱し、下型(30)に予備加熱した鍛造用素材(BL)を投入した。鍛造直前時の鍛造用素材(BL)温度は上述した予備加熱温度と差がなく、この時点の温度(TB)が表2に示した予備加熱温度である。
図8〜図11に示す工程で熱間鍛造し、図7Aおよび図7Bに示す形状の鍛造品(S)を得た。成形した鍛造品(S)を金型から排出し、約25℃の室温下で25℃まで放冷した。この放冷において、実施例1〜3および各比較例は自然放冷であり、実施例4〜8は送風機を用いて風量を調節することにより冷却速度を調節した。
また、金型から排出した時点の鍛造品(S)の温度(TC)を冷却開始温度とし、冷却開始時(tc)から250℃となった時間(td)により、上述した算出式に基づいて冷却速度(ΔV)を算出した。表2に、予備加熱温度(TB)、冷却開始温度(TC)および冷却速度(ΔV)を示す。
次に、25℃まで冷却した鍛造品(S)に対し、表2に示す条件で時効処理を行った。
次に、25℃まで冷却した鍛造品(S)に対し、表2に示す条件で時効処理を行った。
<比較例1、2、4、6、8、10、12、14:鍛造後に溶体化処理および水冷>
表2に、各例で用いた鍛造用素材(BL)のアルミニウム合金No.を示す。
表2に、各例で用いた鍛造用素材(BL)のアルミニウム合金No.を示す。
各例において、鍛造用素材(BL)を表2に示す温度に1時間予備加熱して鍛造品(S)を熱間鍛造した。
金型から排出した鍛造品(S)に対して表2に示す条件で溶体化処理を行い、その直後に水冷処理を行った。前記水冷処理において、鍛造品(S)に熱電対を取付けて温度を測定し、溶体化温度から250℃となった時間に基づいて冷却速度(ΔV)を算出した。
冷却後の鍛造品(S)に対し、表2に示す条件で1段または2段の時効処理を行った。
製造した鍛造品(S)について、下記の方法により円筒度(筒状度)および機械的特性を評価し、さらに総合的に評価した。
(円筒度)
Mitutoyo製真円度円筒形状測定機(ラウンドテストRA−400)により円筒度を測定した。図7Aに示すように、筒形状部(10)の開口側端部から5mm下がった位置(L1)および底部側端部から5mm上がった位置(L2)の測定断面の中心を結ぶ軸を鍛造品(S)の中心軸とし、L1断面における最小外接円の半径(r1)およびL2断面における最大内接円の半径(r2)に基づいて、下記式により円筒度を算出した。
(円筒度)
Mitutoyo製真円度円筒形状測定機(ラウンドテストRA−400)により円筒度を測定した。図7Aに示すように、筒形状部(10)の開口側端部から5mm下がった位置(L1)および底部側端部から5mm上がった位置(L2)の測定断面の中心を結ぶ軸を鍛造品(S)の中心軸とし、L1断面における最小外接円の半径(r1)およびL2断面における最大内接円の半径(r2)に基づいて、下記式により円筒度を算出した。
円筒度(μm)=r1−r2
(機械的特性)
筒形状部(10)の周壁の高さ方向の中央部から、ASTM−R4号の引張試験片(P)を採取して引張試験を行った。それぞれの条件でN=3で測定した結果の平均値を表2に示す。
(総合評価)
下記の基準で総合的に評価した。
(機械的特性)
筒形状部(10)の周壁の高さ方向の中央部から、ASTM−R4号の引張試験片(P)を採取して引張試験を行った。それぞれの条件でN=3で測定した結果の平均値を表2に示す。
(総合評価)
下記の基準で総合的に評価した。
◎:引張強度が440N/mm2以上、かつ円筒度が85μm以下のもの
○:引張強度が350N/mm2以上、かつ円筒度が100μm以下のもの
×:上記基準を満たさないもの
表2の結果より、実施例1〜8の鍛造品は、円筒度が100μm以下で引張強度が350N/mm2以上であり、溶体化処理および水冷処理を行ったものと同等の強度を有し、かつ寸法精度に優れたものであった。
○:引張強度が350N/mm2以上、かつ円筒度が100μm以下のもの
×:上記基準を満たさないもの
表2の結果より、実施例1〜8の鍛造品は、円筒度が100μm以下で引張強度が350N/mm2以上であり、溶体化処理および水冷処理を行ったものと同等の強度を有し、かつ寸法精度に優れたものであった。
以下に、実施例と比較例の詳細な対比について説明する。
〈実施例1と比較例1の対比〉
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1では、鍛造後の空冷処理にも関わらず引張強度が比較例1と同等であり、冷却速度が遅くても十分に焼入れ処理がなされていた。また、実施例1では、冷却速度が遅いため円筒部の歪みが非常に小さくなり、円筒度は比較例1の約1/4であり、寸法精度が優れていることがわかる。
〈実施例2と比較例2の対比〉
実施例2と比較例2では、熱処理条件で冷却速度が異なるのにも関わらず、引張特性は同等の結果であり、実施例2の合金組成でも冷却速度が遅くても十分に焼入れ処理がなされていた。また、実施例2では、冷却速度が遅いため歪みが非常に小さいため円筒度は比較例2の約1/4であり、寸法精度が優れていることがわかる。
〈実施例1と実施例2の対比〉
実施例1のZn濃度およびMg濃度が実施例2に比べて多いため、高強度が得られ、なおかつ寸法精度も同等であったことから、本発明におけるアルミニウム合金の化学組成範囲のなかでも、実施例1の範囲の方がより高強度を得るには好ましいといえる。
〈比較例3〜14〉
比較例3は、表1の合金No.(1)のAl−Cu系合金であるが、化学組成が本発明の範囲から外れており、Cuの添加量が多いため焼入れ感受性が鋭くなり、比較例4の水冷処理と比較して空冷処理では、大幅に強度が低下しているのがわかる。
〈実施例1と比較例1の対比〉
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1では、鍛造後の空冷処理にも関わらず引張強度が比較例1と同等であり、冷却速度が遅くても十分に焼入れ処理がなされていた。また、実施例1では、冷却速度が遅いため円筒部の歪みが非常に小さくなり、円筒度は比較例1の約1/4であり、寸法精度が優れていることがわかる。
〈実施例2と比較例2の対比〉
実施例2と比較例2では、熱処理条件で冷却速度が異なるのにも関わらず、引張特性は同等の結果であり、実施例2の合金組成でも冷却速度が遅くても十分に焼入れ処理がなされていた。また、実施例2では、冷却速度が遅いため歪みが非常に小さいため円筒度は比較例2の約1/4であり、寸法精度が優れていることがわかる。
〈実施例1と実施例2の対比〉
実施例1のZn濃度およびMg濃度が実施例2に比べて多いため、高強度が得られ、なおかつ寸法精度も同等であったことから、本発明におけるアルミニウム合金の化学組成範囲のなかでも、実施例1の範囲の方がより高強度を得るには好ましいといえる。
〈比較例3〜14〉
比較例3は、表1の合金No.(1)のAl−Cu系合金であるが、化学組成が本発明の範囲から外れており、Cuの添加量が多いため焼入れ感受性が鋭くなり、比較例4の水冷処理と比較して空冷処理では、大幅に強度が低下しているのがわかる。
比較例5は、表1の合金No.(2)のAl−Si系合金であるが、化学組成が本発明の範囲から外れており、Si濃度およびCu濃度が大きいに焼入れ感受性が鋭くなり、比較例6の水冷処理と比較して空冷処理では、大幅に強度が低下しているのがわかる。
比較例7は、表1の合金No.(3)のAl−Mg−Si系合金であるが、化学組成が本発明の範囲から外れており、ZnおよびMgともに添加量が不十分であるため実施例1および2と比較して強度が低い。また、Siの添加量が多いため、焼入れ感受性が鋭くなり、比較例8の水冷処理と比較して空冷処理では、大幅に強度が低下しているのがわかる。
比較例9〜14は、実施例1および2に近似したAl−Zn−Mg系の合金であるが、強度と焼入れ感受性に影響のある主要3元素(Zn,Mg,Cu)の濃度が本発明のアルミニウム合金の化学組成の範囲外で評価した結果である。表1の合金No.(4)、(5)、(6)は焼入れ感受性が鋭いため、空冷処理を行った比較例9、11、13は、水冷処理を行った比較例10、12、14と比較して、大幅に強度が低下した。
これらの比較例の結果から、本発明におけるアルミニウム合金の化学組成範囲の有用性がわかる。
本願は、2006年10月5日に出願された日本国特許出願の特願2006−273758号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容はそのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明の方法で製造されるアルミニウム合金鍛造品は、高い強度と優れた寸法精度を有するものであるから、自動車の駆動系部品のように強度と寸法精度が要求される部品の製造に適用できる。
Claims (14)
- 化学組成において、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量%、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金で構成されたアルミニウム合金鍛造品の製造方法であって、
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含むことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品の製造方法。 - 前記アルミニウム合金の化学組成において、Zn濃度が4.5〜5質量%である請求項1に記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の化学組成において、Mg濃度が1.5〜2質量%である請求項1または2に記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の化学組成において、Cu濃度が0.05〜0.1質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の化学組成において、Mn濃度が0.2〜0.5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の化学組成において、Cr濃度が0.001〜0.15質量%である請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
- 前記アルミニウム合金の化学組成において、Si、VおよびZrの濃度がそれぞれ0.2質量%以下に規制されている請求項1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記冷却工程における冷却速度が10〜30℃/分である請求項1〜7のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記冷却工程は、15〜35℃の常温下で自然放冷させることによる請求項1〜8のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記鍛造工程の終了時の鍛造品の温度が380〜500℃である請求項1〜9のいずれかに記載のアルミニウム合金鍛造品の製造方法。
- 前記時効処理は、90〜110℃で6〜10時間の時効処理と、その後に行う130〜160℃で6〜10時間の時効処理とを含む請求項1〜10のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
- 前記鍛造工程後に溶体化処理および水焼き入れを行わない請求項1〜11のいずれかい記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
- 前記鍛造用素材として、アルミニウム合金の連続鋳造棒を用いる請求項1〜12のいずれかに記載のアルミニウム鍛造品の製造方法。
- 化学組成が、Zn:4〜5質量%、Mg:1〜2質量%、Cu:0.05〜0.2質量、Mn:0.2〜0.7質量%、Cr:0.001〜0.3質量%を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金で構成されたアルミニウム合金鍛造品であって、
前記アルミニウム合金からなる鍛造用素材を400〜500℃に加熱する予備加熱工程と、
前記予備加熱された鍛造用素材を熱間鍛造して有底筒形状の鍛造品を成形する鍛造工程と、
前記熱間鍛造された鍛造品を10〜50℃/分の冷却速度で冷却する冷却工程と、
前記冷却工程後の鍛造品に対して時効処理を行う時効処理工程と、
を含む製造方法によって製造されたことを特徴とするアルミニウム合金鍛造品。
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